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問題2-1 厚さ t=10[mm]、熱伝導率 k=10[W/m・K] の平板の表面温度がθ 1 =100[℃] となっ ている。平板の単位面積当たり Q/A=10[kW/m 2 ] の熱量が外面から内面 へ伝わっているとすると、外面温度 θ 2 どれだけか。 θ 1 =100[℃] θ 2 t=10[mm] Q/A=10,000[W/m 2 ]

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問題2-1

厚さ t=10[mm]、熱伝導率 k=10[W/m・K]

の平板の表面温度がθ1=100[℃] となっ

ている。平板の単位面積当たり

Q/A=10[kW/m2] の熱量が外面から内面

へ伝わっているとすると、外面温度 θ2 は

どれだけか。

θ1=100[℃]

θ2

t=10[mm]

Q/A=10,000[W/m2]

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問題2-2

図のような同一の材料からなる線材の十字形がある。AX, BX, CX, DXの長さはそれぞれ15[cm], 10[cm], 10[cm], 12[cm]、AX, BX, CXの断面積はそれぞれ2[cm2], 2.5[cm2], 3[cm2]である。A, B, C, Dの温度はそれぞれ常に60[℃], 50[℃], 40[℃], 30[℃]に保たれ、線材の表面からの放熱はないものとする。このような定常状態が成り立つときXの温度が42[℃]であった。DXの断面積を求めよ。(熱管理士試験問題)

A

D

10[cm]

10[cm]15[cm]

12[cm]

B

CX

C340

B2.550

A260

D?30

X-42

断面積[cm2]温度[℃]

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問題2-3

内径2[cm]、外径4[cm]のステンレ

ス製(18%Cr、8%Ni、k=19[W/m・

K])厚肉管が、3[cm]のグラス

ウールで断熱されている。内壁が

600[℃]、グラスウール

(k=0.2[W/m・K])の外壁が

100[℃]に保たれているときの単

位長さ当りの熱損失を計算せよ。

r1

r2

r3

ステンレス鋼

グラスウール

T1=600[℃]

T2=100[℃]

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( )( ) ( )

=

+

−=

A

23

S

12

21

kr/rln

kr/rln

TT2LQ π

問題2-3の回答方針

r1

r2

r3

ステンレス鋼

グラスウール

T1=600[℃]

T2=100[℃]

管の長さをLとする。この間を横切る熱流束は

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問題2-4

しっくいとレンガの壁に、グラスウール断熱材を設置することにより、屋内から屋外への熱損失を元の値の20%以下にまで減少させた

い。グラスウール断熱材の厚さを何cm以上にすればよいか?

グラスウール屋

屋内

Q

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問題2-4回答の方針

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛+

−=

B

B

A

A

oi0

kx

kx

A1

TTQΔΔ

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛++

−=

C

C

B

B

A

A

oix

kx

kx

kx

A1

TTQΔΔΔ

0x Q2.0Q ×=( )cmxC =Δ

グラスウールがない場合:

グラスウールがある場合:

題意より:であるから ∴

屋外

屋内

Q

グラスウール

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問題2-5

厚さt=3.0mm、長さL=7.5cmのアルミニウム製(k=200W/m・K)フィンが左図のように壁についている。フィンの根元は300℃に保たれ、周囲の温度は50℃、熱伝達率はh=10W/m2・Kである。フィンから放出される(z方向)単位幅あたりの放出熱量を計算しなさい。

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回答の方針2-5

=+=2tLLc

( )c0 mLtanhmkAQ θ=

と表される。ただし

=≈=kth2

kAhPm

であるから

( ) == c0 mLtanhmkAQ θ

フィンからの放出熱量は:

( )( )[ ] 415.00765.0774.5tanh =

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問題2-6

200Aの電流が直径3mmのステンレス製(熱伝導k=19W/m・K)鋼線中を流れる。鋼の比抵抗を70μΩ・cm、鋼線の長さを1mとする。鋼線は110℃の液体に浸されており、熱伝達率は4kW/m2・Kとする。ステンレス鋼の中心温度を計算しなさい。

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問題2-6の回答指針

鋼線の抵抗値は、比抵抗をρとすると:

RIP 2=

この熱が液体中に放出されるから:)( ∞−== TThAqP w

鋼線中での発熱量はオームの法則により:

Ωρ ==ALR

よって鋼線からの全発熱量は: WRIP 2 ==

より: CTw °=

一方、単位体積当たりの発熱量は:3

20

m/WLr

PVPq =

⋅==

π

よって、鋼線の中心温度は:

CTk4rqT w

20

0 °=+=

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問題2-7

発熱の無い球殻を通過する熱流束が、以下の式によって表されることを示しなさい。ただし、式の導出には、以下の図の記号を用いなさい。

( )( ) ( )io

ior r1r1

TTk4Q−−

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問題2-8

大きさ1 m ×0.5 m ×0.5 m の冷蔵庫を考える。この冷凍庫が厚さL = 5 cm の押出発泡ポリスチレン断熱材で覆われている。冷凍庫の外部壁面と内部壁面の温度をそれぞれT1=20℃、T2=-18℃とするとき、年間(t = 365×24×3600 s)の電力使用量を計算せよ。ただし、この冷蔵庫の成績係数(COP, Coefficient ofPerformance)を2とし、押出発泡ポリスチレン断熱材の熱伝導率はk=0.038[W/(m・K)]とする。なお、成績係数は以下の関係式で表される。

( )( )実際の電力使用量

伝熱量=COP

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問題2-9

図に示すような、厚さ20 mmのコンクリート(k=1.6 W/(m・K))の壁がある。内側の表面温度T1が30℃、外側の表面温度T2が5℃のとき、壁の面積1.5 m2を通過する単位時間あたりの熱量を求めよ。

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問題2-10

(a) 厚さ3 mmのガラス(k=1.1W/(m・K))の窓がある。室内温度Ti=20℃、外気温度T0=-10℃として、外気への損失熱流束q1を求めよ。ただし、室内側の熱伝達率hi=5 W/(m2・K)、外気側への熱伝達率h0=15W/(m2・K)とする。

(b) このガラスの窓を厚さ5 mmの空気層(ka=0.024W/(m・K))を含む二重ガラス(それぞれのガラスの厚さは3 mm)にした場合の損失熱流束q2を求めよ。ただし、ガラス間の空気は静止しており、対流は無いものとする。

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回答2-1

フーリエの法則より

tk

xTk

AQ 21 θθ −

−=∂∂

−=

[ ]C110

10010

01.0000,10AkQt

12

o=

=

+= θθ

従って、

θ1=100[℃]

θ2

t=10[mm]

Q/A=10,000[W/m2]

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回答2-2

A, B, C, DからXに流入する熱量QA, QB, QC, QDは定常状態ではXにおいて0となる。

0=+++∴ DCBA QQQQ

そこで、材料の熱伝導率をλとし、長さおよび断面積の単位を[cm]および[cm2]にとる。また、DXの断面積の大きさをADとすると、次式が成立する。

( ) ( ) ( ) ( )

[ ]28.3

012

4230310

42405.210

4250215

4260

cmA

A

D

D

=∴

=×−

+×−

+×−

+×− λλλλ

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( )( ) ( )

( )( ) ( )

[ ]m/W6802.0

2/5ln19

1/2ln1006002

kr/rln

kr/rln

TT2LQ

A

23

S

12

21

=

+

−=

+

−=

π

π

回答2-3

管の長さをLとする。この間を横切る熱流束は

r1

r2

r3

ステンレス鋼

グラスウール

T1=600[℃]

T2=100[℃]

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回答2-4

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛+

−=

B

B

A

A

oi0

kx

kx

A1

TTQΔΔ

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛++

−=

C

C

B

B

A

A

oix

kx

kx

kx

A1

TTQΔΔΔ

0x Q2.0Q ×=

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛ Δ+

Δ+

Δ=

Δ+

Δ

C

C

B

B

A

A

B

B

A

A

kx

kx

kx

kx

kx 2.0

( )cm

kx

kxkx

B

B

A

ACC

34.50534.0

2.02.01

==

⎟⎟⎠

⎞⎜⎜⎝

⎛ Δ+

Δ⋅

−=Δ

グラスウールがない場合:

グラスウールがある場合:

題意より:

であるから

屋外

屋内

Q

グラスウール

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回答2-5

mcmtLLc 0765.065.715.05.72

==+=+=

フィンからの放出熱量は: ( )c0 mLtanhmkAQ θ=

ただし ( )( )( )( ) 774.5

1032001022

3 =×

=≈= −kth

kAhPm

であるから

( )( ) 233 mdz103103dzA ××=×= −−

( )c0 mLtanhmkAQ θ=( )( )( )( ) ( )( )[ ] dz0765.0774.5tanh50300103200774.5 3 ×−×= −

Wdz359×=より

( )m/W359dzQ

=∴

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回答2-6

鋼線の抵抗値は、比抵抗をρとすると:

RIP 2=

この熱が液体中に放出されるから: )( ∞−== TThAqP w

鋼線中での発熱量はオームの法則により:

( )( )( )

Ω=×

==−

099.015.0

10010702

6

πρ

ALR

よって鋼線からの全発熱量は: ( ) ( ) W3960099.0200RIP 22 ===

( )( ) )110(110340003960 3 −×××= −wTπ より: CTw °= 215

一方、単位体積当たりの発熱量は:

( ) ( )3

2320

m/MW2.5601105.1

3960Lr

PVPq =

×=

⋅==

ππ

よって、鋼線の中心温度は:

( )( )( )( ) CT

krqT w °=+

××=+=

−•

6.231215194

105.110602.54

23820

0

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回答2-8

冷凍庫の表面積はA=2.5 m2であるから、

( ) W2.7205.01820038.05.2' 12 =+××=−

−=L

TTAkQ

となる。ここで、冷凍庫の成績係数COP=2であることから、必要動力は伝熱量の半分である。したがって、年間電力使用量は

316kWhGJ138.12

3652436002.72'==

×××==

COPtQQ

ただし、1 kWhは、1 kWの電力を1時間使用するエネルギー量、つまり3600 kJである。

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回答2-9

定常状態においてはコンクリート壁の断面を通過する熱量はどこでも一定であるので、板内部の温度勾配 dT/dx も一定となる。よって、壁を通過する熱量Qは、

3.0kW000W35.110203056.1 3

12 ==××−

×−=−

−== −AL

TTkqAQ

となる。

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回答2-10

(1) ガラスを通過する熱流束q1は、総括熱抵抗Rtを用いる事により以下のように求められる。

( ) 2

0

1

001 mW111

151

1.1003.0

51

102011

=++

−−=

++

−=

−==

hkh

TTAR

TTAQq

i

i

t

i

δ

(2) 二重ガラスを通過する熱流束q2は、総括熱抵抗Rtを用いる事により以下のように求められる。

( ) 2

0

121

001 mW4.62

151

024.0005.0

1.1003.02

51

102011

=++×+

−−=

++++

−=

−==

hkkkh

TTAR

TTAQq

ai

i

t

i

δδδ