WEB - ウォーカープラス(Walkerplus)「AI崩壊」 1/31 公開 2019映画「AI崩壊」製作委員会. 映画「22年目の告白―私が殺人犯です―」(17年)
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構造計算書例(2)
建物概要:4階建て共同住宅(純ピロティ形式)
設計ルート:ルート3
【 1 】
1.はじめに
本計算例は、以下の点に重点をおいて作成した一例である。 本例は計算の方針や方法を画一化するものではなく、個々の建物の特性や、設
計者の設計方針によっては、本例よりもより最良な設計方法により設計すること
も考えられ、そのような設計方針を示せて計算が可能な設計者にあっては、本設
計例に縛られること無くよりよい設計を実現して頂きたい。
本計算例建物の特徴と作成にあたっての要点
・純ピロティ建物の設計例である。 ・比較的経験が少ない設計者を対象としている。 ・構造計算適合性判定に対応した計算書とする。
・一般に利用されている電算プログラム(旧一貫構造計算プログラム)の
利用を前提とする。 ・実際の建物でよくある以下のような部位を持つ建物について計算を行っ
ている(外階段、高架水槽、架構外袖壁)。
【 2 】
2.設計例の計算に関する主旨 本設計例にて計算を行っている建物は、桁行き方向は純ラーメン,張間方向は1
階が柱のみで2階以上には耐力壁を有する「純ピロティ」形式の建物としている。 ピロティ形式の建物の設計に関しては、このような構造形式自体は原理的には可
能との認識が設計者全般でも認識されており、その結果、多数の同形式建物が今ま
で設計され、また現在も設計要求が多いが、その一方で、平成7年の兵庫県南部地
震において被害が見られたことも事実である。 本設計例では、『 2007 年版 建築物の構造関係技術基準解説書』に新たに示された
設計方針(あくまでも方針ではあるが)に従って純ピロティ形式の建物の設計を行
った。 要点を以下に示す。 ・利用した設計法(方針) 付録 1-6.2 ピロティ階の層崩壊形式及び全体崩壊形式を許容する設計法 主な確認事項は、 ・1階の層崩壊形式 ・強度割増係数αp 又は Fs のうち大きな値による強度割増 ・崩壊層の柱部材の仕様制限(柱の種別 FA) ・十分なせん断余裕度の確保(余裕度 1.4 以上) などである。 なお、一概にピロティ形式の設計と言っても、これらの確認事項の内容から、比
較的高層の建物と中低層の建物では注意する点が異なるので留意されたい。 この設計例を計算した内容及び結果(計算結果)を一例として、より安全な設計
方法に関する議論を深めて頂きたい。
【 3 】
【 4 】
【 5 】
【 6 】
【 7 】
【 8 】
【 9 】
【 10 】
【 11 】
【 12 】
沖縄4階建て共同住宅(設計例-2)新築工事
平成20年 7 月作成
構造設計者
一級建築士 大臣登録 第 ****** 号 氏 名
所属事務所 ********** 一級建築士事務所 沖縄県知事登録 ****** 号
【 13 】
総 目 次
Ⅰ 構造計算概要書
Ⅱ 構造計算書(1)個別計算編
Ⅲ 構造計算書(2)一貫計算編
【 14 】
Ⅰ 構造計算概要書
目 次
Ⅰ-1 構造計算概要書 ・・・・・ P. Ⅰ- 1
Ⅰ-2 総合所見 ・・・・・ P. Ⅰ-16
【 15 】
Ⅰ-1
Ⅰ-1 構造計算概要書
§1 建築物の概要
【1. 建築物の名称】 (参照頁 2 )
沖縄4階建共同住宅新築工事
【2. 構造計算を行った者】 (参照頁 )
【イ. 資格】 (一級)建築士 (建設大臣)登録第 ○○○○号
【ロ. 氏名】 ○○ ○○
【ハ. 建築士事務所】 ( 一級 )建築士事務所 (沖縄県)知事登録○○○○号
○○○○○○○○
【ニ. 郵便番号】 〒***-****
【ホ. 所在地】 沖縄県 ○○○○○○○○
【へ. 電話番号】 ***-***-****
以下は共同の場合に記載
【イ. 資格】
【ロ. 氏名】
【ハ. 建築士事務所】
【ニ. 郵便番号】
【ホ. 所在地】
【へ. 電話番号】
【3. 建築場所】 (参照頁 1)
沖縄県 ○○○○○○○○○○○○
【4. 主要用途】 (参照頁 1)
共同住宅
【5. 規模】 (参照頁 2)
【イ. 延べ面積】 ○○○○.○○㎡
【ロ. 建築面積】 ○○○○.○○㎡
【ハ. 構造】 鉄筋コンクリート造
【ニ. 階数】 地上 4 階 地下 0 階 塔屋 0階
【ホ. 高さ】 12.650m
【へ. 軒の高さ】 12.400m
【 ト. 基礎の底部の深さ】 G.L.-2.00m
【 16 】
Ⅰ-2
【6. 構造上の特徴】 (参照頁 Ⅱ-1 )
本計算は建築基準法、同施行令、及び日本建築学会の諸計算規準に基づいて行う。建物は地上
4 階建ての鉄筋コンクリート造で、共同住宅として使用する建築物である。この建物は、1階が
純ピロティ形式となっていることが特徴である。
【7. 構造計算方針】 (参照頁 Ⅱ-3 )
〈上部構造〉 1. 本建築物の構造計算ルートは各方向とも「ルート3」として計算する。 2. 地盤は、地盤調査結果より第二種地盤と判定し、それに基づいて層せん断力分布係数 Ai,、
振動特性係数 Rt を算定する。なおこの計算に使用する建物の固有一次周期は略算式により
求める。 3. 応力解析におけるスパンは2階の柱断面を基本として設定し、階高については各階の梁せ
い・基礎梁のせいから決定する。 4. 桁方向(X 方向)フレーム内に存在する壁は、三方にスリットを設けて雑壁として計算を行
う。なお、梁に対してはこの壁の剛性は有効に働くものとし、剛性計算は「精算法」とする。
また、雑壁の剛性は n 倍法で評価を行うものとする。フレーム外の鉄筋コンクリートの雑
壁もその剛性を n 倍法で評価する。 5. 張間方向(Y 方向)の2階以上は全フレーム耐震壁となり、1階には耐力壁を設けていない。
形状としては純ピロティ形式の建物となる。一次設計においては、特にピロティであること
の特別な設計は行わない。 6. スラブの設計は周辺の拘束条件を考慮して設計を行う。また、片持ちスラブについては 1G
の上下動に対しても安全であるように配筋を行う。
〈基礎構造〉 1. 基礎構造は本体のフレームとは分離し、独立したモデルとして計算を行う。従って、杭の鉛
直・水平バネについては本体の計算には考慮しない。 2. 杭は杭頭固定とし、1階の杭頭においては各杭の水平変形は全て等しい(1階スラブの剛床
仮定が成立するものとする)として杭の応力を計算する。 3. 地震時に生ずる杭頭の応力を基礎梁の芯まで延長し、その値を基礎梁に負担させる。 4. 地震時において基礎に浮き上がりが生ずる場合、杭の引き抜き抵抗以下であることを確認す
る。
〈許容応力度計算・断面算定〉 1. 地震力によって生ずる各階の層間変形角が 1/200 以下であることを確認する。 2. 部材の断面算定位置は長期応力に対しては節点、水平荷重時応力については部材のフェース
とする。 3. 柱・梁の設計用せん断力は QD = min(QL+1.5QE,Qo+ΣMy/L’) とする。なお、My は部材
降伏モーメントを、L’ は部材の内のりスパンを示す。
【 17 】
Ⅰ-3
4. 大梁の付着に対する検討は、1999 年度「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に基づ
いて行う。
〈保有耐力計算〉 1. 保有水平耐力の計算は、曲げひび割れを考慮した静的弾塑性の荷重増分法とする。増分解析
時においては、基礎の浮き上がりは拘束する計算を行う。 2. 解析モデルは一次設計時と同じ架構モデルとし、外力分布も一次設計時に使用した Ai分布を
使用するものとする。 3. 保有水平耐力は、X 方向についてはいずれかの階の層間変形角が 1/100 に達した時点での耐
力とする。また、Y 方向においてはいずれかの階の層間変形角が 1/100 に達した時点、あ
るいは壁がせん断破壊を生じた時点における耐力とする。 4. 桁方向(X 方向)崩壊メカニズムは靱性指向の全体崩壊形とし、構造特性係数は Ds=0.3 と
なるように各部材の配筋を決定する。なお、崩壊メカニズムが形成されたと判断した時点で、
また崩壊メカニズムが形成されていない部分については、解析終了時の応力と部材耐力比に
基づいてその部材の曲げ降伏・せん断破壊等の破壊形式を決定し、部材種別を判定し Ds 値
を決定する。 なお、崩壊メカニズムは 1/50 の層間変形角を目安とする。
7. 張間方向(Y 方向)崩壊メカニズムは、2階の壁のせん断破壊とはなりにくく、「2007 年
版 建築物の構造関係技術基準解説書」の付録 1-6.2 ピロティ階の層崩壊形式及び全体崩壊
形式を許容する設計法 に基づいて設計を行う。この時の Ds 及び部材の性能条件、せん断
設計における割増率などはこの項目の規定によって別途算定を行う。 なお、この方向の崩壊メカニズムについても 1/50 の層間変形角を目安とする。
【8. 適用する構造計算】
【イ. 適用する構造計算の種類】
■ 保有水平耐力計算
□ 許容応力度等計算
□ 令第 82 条各号及び令第 82 条の 4 に定めるところによる構造計算
【ロ. 鉄骨造における適用関係】
□ 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 1 号イ
□ 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第 1 号ロ
【ハ. 平成 19 年国土交通省告示第 593 号各号の基準に適合していることの検証内容】
(参照頁 )
【9. 使用プログラムの概要】
【イ. プログラムの名称】 Super Build/SS2 Ver.2.94 (ユニオンシステム) 【ロ. 国土交通大臣の認定の有無】
有(認定プログラムで安全性を確認) ・ 有(その他) ・ 無
【ハ. 認定番号】
【ニ. 認定の取得年月日】
【ホ. 構造計算チェックリスト】 (参照頁 )
【 18 】
Ⅰ-4
【10. 使用する材料と部位】 (参照頁 Ⅱ-4・5)
(1)木造以外の場合
材 料 設計基準強度又は品
質 使用部位 認定の有無 備 考
コンクリート
Fc 27N/m㎡ 躯体全て 無
Fc 21N/m㎡ 土間床 無
鉄 筋
SD295A D16 以下 無
SD345 D19 以上 無
SD390
高強度せん断補強筋 13mm 有
鉄 骨
SS400
STK400
STKR400
【11. 使用する材料の許容応力度等】 (参照頁 Ⅱ-6)
(1)コンクリートの許容応力度
種 類
長期に生ずる力に対する許容応力度
(単位 一平方ミリメートルにつきニュー
トン)
短期に生ずる力に対する許容応力度
(単位 一平方ミリメートルにつきニュー
トン) 備 考
圧 縮 せん断
付 着
圧 縮 せん断
付 着
上端筋その他
の鉄筋上端筋
その他
の鉄筋
普
通
Fc21 7.0 0.70 1.40 2.10
長期の
2.0 倍
長期の
1.5 倍長期の 1.5 倍
Fc24 8.0 0.73 1.54 2.31
Fc27 9.0 0.76 1.62 2.43
Fc30 10.0 0.79 1.70 2.55
【 19 】
Ⅰ-5
(2)鉄筋の許容応力度
種 類
長期に生ずる力に対する許容応力
度(単位 一平方ミリメートルにつき
ニュートン)
短期に生ずる力に対する許容応力
度(単位 一平方ミリメートルにつき
ニュートン)
基準強度(単
位 一平方ミリ
メートルにつ
きニュートン)
備 考
圧 縮 引張り せん断 圧 縮 引張り せん断
SD295A 196 196 195 295 295 295 295
SD345 215 215 195 345 345 345 345
SD390 215 215 195 390 390 390 390
(3)鋼材の許容応力度
種 類
長期に生ずる力に対する許容応力度
(単位 一平方ミリメートルにつきニュ
ートン)
短期に生ずる力に対する許容応力度
(単位 一平方ミリメートルにつきニュ
ートン)
基準強度F
(単位 一平
方ミリメート
ルにつきニ
ュートン)
備 考
圧縮 引張り 曲げ せん断 圧縮 引張り 曲げ せん断
SS400
F/1.5 F/1.5√3長期に生じる力に対する許容応力度
のそれぞれの数値の 1.5 倍とする。 235
STK400
STKR400
【12. 基礎・地盤説明書】 (参照頁 Ⅱ-32 )
基礎は G.L.-15m の細砂層を支持地盤とする既製杭を用いた杭基礎とする。杭の工法は埋込
工法(大臣認定工法)とする。
【 20 】
Ⅰ-6
【13. 略伏図等】 (参照頁 Ⅱ-7・8 )
10,
880
8,100
2,0
00
UP
CG2 CG1
G2 G3
G3 G2
G1 G1A G1
G1 G1A G1 2,000
W150
CG1
W150
CG1
W250
-35
DN
-35 -35
-35 -35 -35
EW180
EW180
CG1
CG1
CS5
CGK1CGK1
CS4 CS4 CS4
CS3 CS3 CS3
S1
S1
S1
S1
S1
S1
B3 B3B3A
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
CG1
CG1
2・3 階 伏 図 S=1:100
EW150
EW150
2,790
6,235
CS6
CS6
CS6
CS6
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y1
Y2
Y3
2,780
1,360
【14. 略軸組図等】 (参照頁 Ⅱ-9・10)
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
FG1 FG1A FG1
F3
C1 C2 C2 C1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲▲
▲▲
▲▲▲
▲
▲▲
▲▲▲
▲
▲▲
▲▲▲
▲
▲
▲▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,200
3,0
003,000
3,000
12,200
2,0
00
250
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
▲▲
1,950
1,950 1,
000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,
000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,
000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,
000
900 800
1,800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
1,300 1,300
950
F3F2 F2
【 21 】
Ⅰ-7
【15. 部材断面表】 (参照頁 Ⅲ- P.19~P.21)
【16. 特別な調査又は研究の結果等説明書】 (参照頁 )
【 22 】
Ⅰ-8
§2 荷重・外力等
【1. 固定荷重】 (参照頁 Ⅱ-11~12)
【2. 積載荷重】 (参照頁 Ⅱ-13~14)
【3. 積雪荷重】 (参照頁 Ⅱ-2)
【イ. 垂直積雪量】 -- cm
【ロ. 単位荷重】 -- N/(㎡・cm)
【ハ. 積雪荷重の低減】 有 ・ 無
【ニ. 特定行政庁で定める規則】
【4. 風圧力】 (参照頁 Ⅱ-2 )
【イ. 地表面粗度区分】 □Ⅰ □Ⅱ ■Ⅲ □Ⅳ
【ロ. 基準風速】 Vo = 46m/sec
【ハ. Eの数値】 E = Er2 ・Gf = 0.830
【ニ. 速度圧】 q = 0.6EVo2 = 2,156N/㎡
【ホ. 風力係数】
■ 平成 12 年建設省告示第 1454 号第 3 に規定する式に基づき算出
□ 風洞試験の結果に基づき算出
【5. 地震力】 (参照頁 Ⅲ- P.28 )
【イ. 地震地域係数】 Z =0.7
【ロ. 地盤種別】 第 2 種地盤
【ハ. 設計用一次固有周期】 T =0.248
【ニ. 設計用一次固有周期の算出方法】 ■略算法 □精算法
【ホ. 振動特性係数】 Rt = 1.00
【へ. 標準せん断力係数】 Co = 0.2
【チ. 地震力(概要)】
方向 階 wi
(単位:kN)
Σwi
(単位:kN)
αi
Ai Ci
(K)
Qi(単位 キロ
ニュートン)
備 考
平均重量
(kN/m2)
X、Y
4 3214.2 3214.2 0.223 1.538 0.215 692.3 14.25
3 3750.5 6964.7 0.483 1.271 0.177 1239.7 16.63
2 3768.6 10733.3 0.745 1.117 0.156 1679.1 16.71
1 3666.1 14399.4 1.000 1.000 0.140 2015.9 16.26
※塔屋、外階段等を含む重量。片持ちスラブ等の面積は 1/2 で算定。
【 23 】
Ⅰ-9
【6. 荷重分布図】 (参照頁 Ⅱ-13)
外部階段の重量は壁の自重を除いて、壁の位置での重量として入力している。また、最上階の水槽
の重量は、大梁・小梁に等分布荷重として入力を行った。この時の各重量は Ⅱ-13 に示している。
【7. その他の荷重・外力】
【イ. 土圧に対する考慮】 (参照頁 )
【ロ. 水圧に対する考慮】 (参照頁 )
【ハ. その他考慮すべき荷重・外力に対する考慮】 (参照頁 )
【 24 】
Ⅰ-10
§3 応力計算
【1. 架構モデル図】 (参照頁 Ⅲ- P.47~P.54 )
【2. 鉛直荷重時応力】 (参照頁 Ⅲ- P.76~P.80 )
【3. 水平荷重時応力】 (参照頁 Ⅲ- P.84~P.98 )
【4. 水平力分担】
(1)木造以外の場合 (参照頁 Ⅲ- P.99 )
方向 階
ΣQc(単
位 キロ
ニュートン)
ΣQw(単位
キロ ニュー
トン)
ΣQc+ΣQw
(単位 キロ
ニュートン)
ΣQw
ΣQc+ΣQw
設計用分担率
(単位 パーセント)
柱の分担率 耐力壁又は筋
かいの分担率
X
4 692.3 0.0 692.3 0.0000 100.00 0.00
3 1239.7 0.0 1239.7 0.0000 100.00 0.00
2 1679.2 0.0 1679.2 0.0000 100.00 0.00
1 2016.0 0.0 2016.0 0.0000 100.00 0.00
Y
4 0.0 692.3 692.3 1.0000 0.00 100.00
3 0.0 1239.7 1239.7 1.0000 0.00 100.00
2 0.0 1679.1 1679.1 1.0000 0.00 100.00
1 2016.0 0.0 2016.0 0.0000 100.00 0.00
(4)鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造における壁量・柱量の確認 (参照頁 )
本建物の場合該当しない 【イ.適用する構造計算の種類】
☐ 平成 19 年国土交通省告示第 593 号第二号イ(1) ☐ 昭和 55 年建設省告示第 1791 号第三第一号イ ☐ 昭和 55 年建設省告示第 1791 号第三第二号イ
【ロ.鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造における壁量・柱量】
【 25 】
Ⅰ-11
【5. 基礎反力図】 (参照頁 Ⅱ-32, Ⅲ- 鉛直は P.81~P.82、水平は P.100~P.102 )
F1 F1
F2
F2
F3
F3
F3
F3
F2
F21,899.3 2,947.8 2,915.5 1,887.5
1,604.1 2,870.0 2,713.7 1,681.3
733.7 486.5
【 26 】
Ⅰ-12
§4 断面計算
【1. 断面検定表】 (参照頁 Ⅲ- P.113~P.135 )
【2. 長期荷重時断面検定比図】 (参照頁 Ⅲ- P.104~P.108 )
【3. 短期荷重時断面検定比図】 (参照頁 Ⅲ- P.109~P.112 )
§5 基礎ぐい等の検討 (参照頁 Ⅱ-31)
杭基礎(埋込工法)の支持力などについて検討している。
§6 使用上の支障に関する検討 (参照頁 Ⅱ-17)
小梁のせいがスパンの 1/10 以下であることから、使用上の支障に関する検討を行い、アンぜん゛で
あることを確認した。
§7 層間変形角、剛性率、偏心率等
【1. 層間変形角・剛性率】 (参照頁 Ⅲ-層間変形角は P.137、剛性率は P.138 )
方
向 階
階高(単位ミ
リメートル)
最大の層間変
位(単位ミリメ
ートル)
最大の層
間変形角
剛性率を計算する
場合の層間変位
(単位ミリメートル)
剛性率を計算
する場合の層
間変形角
剛性率 Fs
X
4 3000 0.79982 1/3751 0.79909 1/3754 1.360 1.000
3 3000 1.31117 1/2288 1.30981 1/2290 0.830 1.000
2 3000 1.51269 1/1983 1.51075 1/1986 0.719 1.000
1 3200 1.06956 1/2992 1.06472 1/3005 1.089 1.000
Y
4 3000 0.13876 1/21620 0.13179 1/22763 1.540 1.000
3 3000 0.18332 1/16365 0.17351 1/17290 1.169 1.000
2 3000 0.20441 1/14677 0.19195 1/15629 1.057 1.000
1 3200 0.95913 1/3336 0.92993 1/3441 0.232 1.612
□ 各階の剛性率 ≧ 0.6
【2. 損傷が生ずるおそれのないことについての検証内容】 (参照頁 P.137 )
層間変形角が 1/200 以内のため該当しない。
【 27 】
Ⅰ-13
【3. 偏心率】 (参照頁 Ⅲ- P.138~P.140 ) 雑壁考慮した時の値を示す。
方向 階 加力方向 重心 剛心 re e 偏心率 Fe
X
4 X正 Y正 4.366 5.429 21.881 1.063 0.049 1.000 3 X正 Y正 4.389 5.372 23.870 0.982 0.041 1.000 2 X正 Y正 4.425 5.274 24.071 0.849 0.035 1.000 1 X正 Y正 4.463 4.969 10.585 0.505 0.048 1.000
Y
4 X正 Y正 11.681 12.012 8.887 0.332 0.037 1.000 3 X正 Y正 11.650 11.995 8.688 0.346 0.040 1.000 2 X正 Y正 11.602 11.983 8.580 0.381 0.044 1.000 1 X正 Y正 11.570 11.853 9.893 0.283 0.029 1.000
【4. 令第 82 条の 6 第 3 号の基準に適合していることの検証内容】 (参照頁 )
本建物の場合該当しない。
【 28 】
Ⅰ-14
§8 保有水平耐力
【1.保有水平耐力を計算する場合の外力分布】 (参照頁 Ⅲ-P.159)
【2.Ds 算定時の応力図】 (参照頁 Ⅲ- P.161~P.169)
【3.塑性ヒンジ図(Ds 算定時)】 (参照頁 Ⅲ- P.183~P.190)
【4.部材種別】 (参照頁 Ⅲ- P.183~P.190)
【5.保有水平耐力時の応力図】 (参照頁 Ⅲ- P.192~P.200)
【6.塑性ヒンジ図(保有水平耐力時)】 (参照頁 Ⅲ- P.203~P.215)
【7.各階の層せん断力変形角曲線】 (参照頁 Ⅲ- P.216~P.217)
【8.構造特性係数】 (参照頁 Ⅲ- P.191) (1)木造以外の場合 方
向 階 加
力
方
向
柱及びはりの部材群 耐力壁の部材群又は
筋かいの部材群 合計 βu 構造特性
係数Ds Q
(kN) 種別 Q
(kN)
種別 Q (kN)
X 4 正 1964.4 A 1964.4 0.30 X 3 正 3517.6 A 3517.6 0.30 X 2 正 4764.5 A 4764.5 0.30 X 1 正 5720.1 A 5720.1 0.30 X 4 負 1964.7 A 1964.7 0.30 X 3 負 3517.9 A 3517.9 0.30 X 2 負 4765.0 A 4765.0 0.30 X 1 負 5720.9 A 5720.9 0.30 Y 4 正 0.0 A 3958.0 A 3958.0 1.000 0.40 Y 3 正 0.0 A 7087.5 A 7087.5 1.000 0.40 Y 2 正 0.0 A 9599.6 A 9599.6 1.000 0.40 Y 1 正 11525.4 A 11525.4 0.30 Y 4 負 0.0 A 3976.7 A 3976.7 1.000 0.40 Y 3 負 0.0 A 7120.7 A 7120.7 1.000 0.40 Y 2 負 0.0 A 9645.2 A 9645.2 1.000 0.40 Y 1 負 11579.8 A 11579.8 0.30
【 29 】
Ⅰ-15
(2)木造の場合 本建物の場合該当しない。
【9.保有水平耐力計算の結果】 (参照頁 P.216~P.218) 下記の時点をもって Ds 算定時とした。
X 正方向:指定重心層間変形角(1/50)に達した。(最終 STEP=193) X 負方向:指定重心層間変形角(1/50)に達した。(最終 STEP=193) Y 正方向:指定最大層間変形角(1/50)に達した。(最終 STEP=408) Y 負方向:指定最大層間変形角(1/50)に達した。(最終 STEP=405)
下記の時点をもって保有水平耐力時とした。
X 正方向:指定重心層間変形角(1/100)に達した。(STEP=182) X 負方向:指定重心層間変形角(1/100)に達した。(STEP=182) Y 正方向:指定重心層間変形角(1/100)に達した。(STEP=404) Y 負方向:指定重心層間変形角(1/100)に達した。(STEP=400)
方向 階 Ds Fe Fs Fes Qud
(kN) Qun (kN)
Qu (kN)
Qu/Qun 判定
X 正 4 0.30 1.000 1.000 1.000 3461.5 1038.4 1864.2 1.79 OK X 正 3 0.30 1.000 1.000 1.000 6198.3 1859.4 3338.2 1.79 OK X 正 2 0.30 1.000 1.000 1.000 8395.5 2518.6 4521.6 1.79 OK X 正 1 0.30 1.000 1.000 1.000 10079.5 3023.8 5428.6 1.79 OK X 負 4 0.30 1.000 1.000 1.000 3461.5 1038.4 1863.4 1.79 OK X 負 3 0.30 1.000 1.000 1.000 6198.3 1859.4 3336.7 1.79 OK X 負 2 0.30 1.000 1.000 1.000 8395.5 2518.6 4519.5 1.79 OK X 負 1 0.30 1.000 1.000 1.000 10079.5 3023.8 5426.1 1.79 OK Y 正 4 0.40 1.000 1.000 1.000 3461.5 1384.6 3945.3 2.84 OK Y 正 3 0.40 1.000 1.000 1.000 6198.3 2479.3 7064.6 2.84 OK Y 正 2 0.40 1.000 1.000 1.000 8395.5 3358.2 9568.9 2.84 OK Y 正 1 0.30 1.000 1.612 1.612 10079.5 4874.4 11488.4 2.35 OK Y 負 4 0.40 1.000 1.000 1.000 3461.5 1384.6 3953.9 2.85 OK Y 負 3 0.40 1.000 1.000 1.000 6198.3 2479.3 7080.0 2.85 OK Y 負 2 0.40 1.000 1.000 1.000 8395.5 3358.2 9589.7 2.85 OK Y 負 1 0.30 1.000 1.612 1.612 10079.5 4874.4 11513.4 2.36 OK
§9 屋根ふき材等の検討 (参照頁 ) 該当部位なし
【 30 】
Ⅰ-16
Ⅰ-2 総合所見
本建築物は地上4階の鉄筋コンクリート造の建物であり、共同住宅として使用されるため、2階から
4階の張間方向については間仕切り壁が設けられ、これが耐震壁となっている。1階は車庫として使
用されることから、壁を設けることができずこの方向については純ピロティ形式の建物となっている。
桁行方向については、2階以上の壁についてはスリットを設けて完全な雑壁として取り扱っている
ため、1階から最上階まで純粋なラーメン構造となっている。このためこの方向の部材については特
に特殊な配慮は行っていない。ただし、1階で張間方向のピロティ形式を成立させることから、1階柱
断面が大きくなり、終局時に基礎梁が降伏しないよう断面を多少大きくしている。
張間方向については、前述のように純ピロティ形式の建物となるため、「2007 年版 建築物の構造
関係技術基準解説書」の付録 1-6 ピロティ形式の建築物に対する耐震設計上の留意点 に示
されている各種の規定を満足するように断面の設計を行った。また、この規定が満足されて
いることを計算書内で示している。 純ピロティ形式部分は、1階柱の柱頭・柱脚降伏でメカニズムとなっているが、この状況
においても基礎梁が降伏しないような断面・配筋とした。
このように、張間方向の1階については柱・基礎梁についてかなり断面と配筋が多くなる
が、ピロティ構面を成立されるためにはこの程度の部材が必要なことを確認した。
【 31 】
Ⅱ 構造計算書(1)個別計算編
目 次
§1. 一 般 事 項 Ⅱ- 1
§2. 準 備 計 算 Ⅱ-11
§3. 小 梁 ・ ス ラ ブ の 設 計 Ⅱ-18
§4. 屋外階段及び受水槽の設計 Ⅱ-36
§5. ピロティに対する検討 Ⅱ-36
§6. 基 礎 の 設 計 Ⅱ-44
【 32 】
Ⅱ-1
§1. 一般事項
1.1 建物概要 1-1 工事名称 沖縄4階建共同住宅新築工事 1-2 工事場所 沖縄県 1-3 建物規模・用途 共同住宅 軒高 12.40m
階 階高 床面積(㎡) 建物構造 建物用途 仕上げ概要 4 3,000 000.00 RC 造 居室 屋根 :仕上表による
床 :仕上表による 外壁 :仕上表による 内壁 :仕上表による 天井 :仕上表による
3 3,000 000.00 RC 造 居室
2 3,000 000.00 RC 造 居室
1 3,200 000.00 RC 造 居室
0000.00
1.2 構造概要
2-1 構造種別 鉄筋コンクリート造
2-2 骨組形式 X 方向:ラーメン構造
Y 方向:ラーメン・耐力壁併用構造
2-3 基礎形式 基礎:杭基礎
2-4 その他 増築予定 :なし
屋上付属物 :高架水槽
特殊条件 :ピロティ形式
【 33 】
Ⅱ-2
1.3 荷重及び外力の基準
3-1 積雪荷重 (多雪地域の指定 □有・■無) 積雪量 本建物には該当しない
3-2 地震力 地域係数 Z = 0.70 用途係数 I = 1.00 地盤種別 第 2 種地盤 地盤一次周期(第 2 種地盤) Tc = 0.60 sec. 建物設計用固有一次周期 T = h×(0.02+0.01×α) = 12.4×0.02 = 0.248sec 振動特性係数 ■ T≦Tcの時 Rt = 1.00 □ Tc<T<2Tcの時 Rt=1-0.2(T/Tc-1)2 □ 2Tc≦T の時 Rt=1.6Tc/T
3-3 風圧力 速度圧:q(N/m2) q= 0.6E・V02 E=Er2・Gf (m/s) H≦Zb Er=1.7(Zb/ZG)α H>Zb Er=1.7(H/ZG)α
風力係数:Cf= Cpe-Cpi Cpe:屋外から当該部分を垂直に押す方向を正 Cpi:屋内から当該部分を垂直に押す方向を正
風上 Cpe= 0.8kz Cpi= -0.2(閉鎖型) Cpi= -0.4(開放型) kz= 1.0 H≦Zb
α2
kz ⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛=
HZb H>Zb、Z≦Zb
α2
kz ⎟⎠⎞
⎜⎝⎛=
HZ H>Zb、Z>Zb
開放型:Cf= 0.8kz-(-0.4) =0.8+0.4 = 1.20
風下 Cpe= -0.4 Cpi= -0.2~0
計算結果を下記に示す。
建物軒高さ HN= 12.45m
建物最大高さ HH= 12.45m
建物高さ H = 12.45m粗度区分 Ⅲ
Zb= 5.0m ZG= 450m α= 0.2He= 12.5m Gf= 2.467 Er= 0.830
基準風速 V0= 46.0m
速度圧 q = 2,156 N/m2
風力係数 Z kz 風上 P 風下 PZ5= 12.5m 1.000 1,725 862Z4= 9.2m 0.886 1,528 862Z3= 6.2m 0.757 1,305 862Z2= 3.2m 0.581 1,002 862
【 34 】
Ⅱ-3
1.4 構造設計方針
本計算は建築基準法、同施行令、及び日本建築学会の諸計算規準に基づいて行う。建物は地
上 4 階建ての鉄筋コンクリート造で、共同住宅として使用する建築物である。この建物は、
1階が純ピロティ形式となっていることが特徴である。 本建築物の構造計算は、以下に示すような事項に基づいて行う。
〈上部構造〉
1. 本建築物の構造計算ルートは各方向とも「ルート3」として計算する。
2. 地盤は、地盤調査結果より第二種地盤と判定し、それに基づいて層せん断力分布係数 Ai,、振動特性係数 Rt を算定する。なおこの計算に使用する建物の固有一次周期は略算式により
求める。
3. 応力解析・断面算定は一貫構造計算プログラム「Super Build SS2」を使用する。この計算
プログラムは旧認定プログラムであるため、計算の内容が改正された建築基準法・施行令に
適合していることの確認を行う。
4. 応力解析におけるスパンは2階の柱断面を基本として設定し、階高については各階の梁せ
い・基礎梁のせいから決定する。
5. 柱・梁の接合部については剛域を設定する。剛域端は部材の面から当該部材に接続する部材
せいの 1/4 入った位置とする。
6. 桁方向(X 方向)フレーム内に存在する壁は、三方にスリットを設けて雑壁として計算を行
う。なお、梁に対してはこの壁の剛性は有効に働くものとし、剛性計算は「精算法」とする。
また、雑壁の剛性は n 倍法で評価を行うものとする。フレーム外の鉄筋コンクリートの雑
壁もその剛性を n 倍法で評価する。
7. 張間方向(Y 方向)の2階以上は全フレーム耐震壁となり、1階には耐力壁を設けていない。
形状としては純ピロティ形式の建物となる。一次設計においては、特にピロティであること
の特別な設計は行わない。
8. 一次設計時においては部材の剛性低下(曲げ・軸・せん断剛性)は考慮しないものとする。
9. 2階以上は床面に大きな吹き抜けなどは存在せず、床版の剛性は大きいため剛床仮定が成立
するものとして計算を行う。1階の土間コンクリート(t=150mm)についても基礎梁と一
体となるように補強配筋がなされており、せん断力の伝達は十分に行われると考えられるこ
とから、この階も剛床仮定が成立するとして計算を行う。
10.スラブの設計は周辺の拘束条件を考慮して設計を行う。また、片持ちスラブについては 1Gの上下動に対しても安全であるように配筋を行う。
11.フレームは線材置換を行い、耐力壁板はエレメント置換を行い周辺の梁・柱部材と壁柱の一
体構造として解析を行う。
〈基礎構造〉
1. 基礎構造は本体のフレームとは分離し、独立したモデルとして計算を行う。従って、杭の鉛
直・水平バネについては本体の計算には考慮しない。
2. 杭は杭頭固定とし、1階の杭頭においては各杭の水平変形は全て等しい(1階スラブの剛床
仮定が成立するものとする)として杭の応力を計算する。
3. 地震時に生ずる杭頭の応力を基礎梁の芯まで延長し、その値を基礎梁に負担させる。
4. 地震時において基礎に浮き上がりが生ずる場合、杭の引き抜き抵抗以下であることを確認す
る。
【 35 】
Ⅱ-4
〈許容応力度計算・断面算定〉
1. 地震力によって生ずる各階の層間変形角が 1/200 以下であることを確認する。
2. 部材の断面算定位置は長期応力に対しては節点、水平荷重時応力については部材のフェース
とする。
3. 柱・梁の設計用せん断力は QD = min(QL+1.5QE,Qo+ΣMy/L’) とする。なお、My は部材
降伏モーメントを、L’ は部材の内のりスパンを示す。
4. 大梁の付着に対する検討は、1999 年度「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に基づ
いて行う。
〈保有耐力計算〉
1. 保有水平耐力の計算は、曲げひび割れを考慮した静的弾塑性の荷重増分法とする。増分解析
時においては、基礎の浮き上がりは拘束する計算を行う。
2. 解析モデルは一次設計時と同じ架構モデルとし、外力分布も一次設計時に使用した Ai 分布
を使用するものとする。
3. 剛性率・偏心率については非構造部材を考慮する場合と考慮しない場合とを比較し、建物が
不利となる方の値を採用する。
4. 保有水平耐力算定に使用する部材耐力計算においては、鉄筋の材料強度は基準強度を 1.1 倍
した値とする。また、各部材のせん断終局耐力の算定は、荒川 mean 式を使用して計算を
行う。
5. 保有水平耐力は、X 方向についてはいずれかの階の層間変形角が 1/100 に達した時点での
耐力とする。また、Y 方向においてはいずれかの階の層間変形角が 1/100 に達した時点、
あるいは壁がせん断破壊を生じた時点における耐力とする。
6. 桁方向(X 方向)崩壊メカニズムは靱性指向の全体崩壊形とし、構造特性係数は Ds=0.3 と
なるように各部材の配筋を決定する。なお、崩壊メカニズムが形成されたと判断した時点で、
また崩壊メカニズムが形成されていない部分については、解析終了時の応力と部材耐力比に
基づいてその部材の曲げ降伏・せん断破壊等の破壊形式を決定し、部材種別を判定し Ds値を決定する。 なお、崩壊メカニズムは 1/50 の層間変形角を目安とする。
7. 張間方向(Y 方向)崩壊メカニズムは、2階の壁のせん断破壊とはなりにくく、「2007 年
版 建築物の構造関係技術基準解説書」の付録 1-6.2 ピロティ階の層崩壊形式及び全体崩壊
形式を許容する設計法 に基づいて設計を行う。この時の Ds 及び部材の性能条件、せん断
設計における割増率などはこの項目の規定によって別途算定を行う。 なお、この方向の崩壊メカニズムについても 1/50 の層間変形角を目安とする。
【 36 】
Ⅱ-5
4-1 参考図書
① 建築基準法、同施行令 ② 基準法関連各告示 ③ 2007 年版 建築物の構造関係技術基準解説書(国土交通省住宅局建築指導課他) ④ 鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(日本建築学会) ⑤ 建築基礎構造設計指針(日本建築学会) ⑥ 建築耐震設計における保有耐力と変形性能 1990(日本建築学会)
4-2 使用電算機プログラム
上部建築物 :一貫設計 Super Build/SS2 Ver.2.94 (ユニオンシステム) 小梁・スラブ:RC・S チャート Ver.7 (ストラクチャー)
4-3 応力解析法
鉛直荷重時 :立体フレームマトリックス法 水平荷重時 :立体フレームマトリックス法
【 37 】
Ⅱ-6
1.5 使用材料・材料の許容応力度 本建物に使用する材料と、その材料の許容応力度を次に示している。なお、本建物に使用する
材料は●とハッチで示す。
5-1 コンクリートの許容応力度 N/mm2
種 別 使
用 F 値 長 期 短 期
圧縮 引張 せん断 圧縮 引張 せん断
普通コンク
リート
21 7.0 - 0.70 14.0 - 1.05 24 8.0 - 0.76 16.0 - 1.09 ● 27 9.0 - 0.76 18.0 - 1.14 30 10.0 - 0.79 20.0 - 1.18
5-2 鉄筋の許容応力度 N/mm2
種 別 使
用 F 値 長 期 短 期 圧縮 引張 せん断 圧縮 引張 せん断
異
形
鉄
筋
SD 295 ● 295 196 195 295 295 SD 345 ● 345 215(195) 195 345 345 SD 390 390 215(195) 195 390 390
注:( )内の数値は径が D29 以上の鉄筋の場合を示す。 D10~D16 の径の鉄筋材質は、SD295 とする。 D19~D25 の径の鉄筋材質は、SD345 とする。 D29 以上 の径の鉄筋材質は、SD390 とする。
5-3 鉄筋と鋼材のコンクリートに対する許容付着応力度 N/mm2
種 別 使
用
コンクリート の F 値
長 期 短 期 上端鉄筋 その他の鉄筋・鋼材 上端鉄筋 その他の鉄筋・鋼材
異形鉄筋
21 1.40 2.10 2.10 3.15 24 1.54 2.31 2.31 3.46
● 27 1.62 2.43 2.43 3.64 30
5-4 地盤の許容応力度及び杭の許容支持力
使
用 基礎の種別 長 期 短 期 備考
地盤の許容
応力度 kN/m2 kN/m2支持地盤地質 支持地盤 支持地盤N値
● 杭の許容支 持力
500φ 800 kN/本
500φ 1,600 kN/本
支持地盤 細砂層 支持地盤深さ G.L.-15.0m 以深 支持地盤N値 50 以上 杭種別 既製コンクリート杭 杭施工工法 埋込工法(大臣認定)
【 38 】
Ⅱ-7
1.6 建物略図
【伏 図】 基礎伏図
2・3 階伏図
10,880
8,100
1,575
UP
FG4 FG4
FG2
FG3
FG3
FG2
FG1 FG1A FG1
FG1 FG1A FG1 2,000
F1
F2
F1
F2
F2F3
F3
W150
FCG1
W150FCG1
W250
土間コンクリートスラブ
t=150 D10 @200 タテヨコシングル
基 礎 伏 図 S=1:100
160
▼
F3F3
F3
460 460
▼
▼
375
375
F2
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y1
Y2
Y3FB1
2,780
10,880
8,100
2,000
UP
CG2 CG1
G2 G3
G3 G2
G1 G1A G1
G1 G1A G1 2,000
W150
CG1
W150
CG1
W250
-35
DN
-35 -35
-35 -35 -35
EW180
EW180
CG1
CG1
CS5
CGK1CGK1
CS4 CS4 CS4
CS3 CS3 CS3
S1
S1
S1
S1
S1
S1
B3 B3B3A
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
CG1
CG1
2・3 階 伏 図 S=1:100
EW150
EW150
2,790
6,235
CS6
CS6
CS6
CS6
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y1
Y2
Y3
2,780
1,360
【 39 】
Ⅱ-8
4 階伏図
R 階伏図
B3A
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲ ▲ ▲
4 階 伏 図 S=1:100
EW1
50
EW1
50
CS6
CS6
CS6
CS6
CG1
CG1
10,
880
8,100
2,0
00
CG2 CG1
G2 G3 G3 G2
G1 G1A G1
G1 G1A G1 2,000
W150
CG1
W150
CG1
W250
-35
DN
-35 -35
-35 -35 -35
EW1
80
EW1
80
CG1
CG1
CS5
CGK1CGK1
CS4 CS4 CS4
CS3 CS3 CS3
S1
S1
S1
S1
S1
S1
B3 B3
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y1
Y2
Y3
2,7
80
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y1
Y2
8,100
2,000
CG2 CG1
G2
G3
G3 G2
G1 G1A G1
G1 G1A G1 2,000
CG1
CG1
CG1
CG1
CS5CS2 CS2
CS1 CS1 CS1
S1
S1
S1
S1
S1
S1
B1 B1B1A
CG1
CG1
2,500
1,250 1,250
2,500
B2
B2
B2B2
S2S2
S2 S2
W150
W150
W150
W150
R 階 伏 図 S=1:100
Y3
2,780
CGK1CGK1
CS6
CS6
Y2
1,250 1,250
2,500
X2
S3
【 40 】
Ⅱ-9
【軸組図-1】
▲ ▲▲
1,800 1,800
▲
▲
2,000
2,000
▲
▲
▲
2,000
2,000
1,800 1,800
▲
▲
▲
▲
▲
2,000
1,800
2,000
1,800
▲
▲
▲ ▲▲
1,800 1,800
▲
▲
2,000
2,000
W150 2,500
1,300 1,300
FG1 FG1A FG1
F3
C1 C2 C2 C1
F3F2 F2
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
C1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
G1A G1
G1 G1A G1
G1
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,200
3,0
003,0
003,000
12,
200
2,000
250
▲
▲
▲
2,000
1,800 2,000
1,800
▲
▲
▲
▲
▲
2,000
1,800 2,000
1,800
▲
▲
▲ ▲▲
1,800 1,800
▲
▲
2,000
2,000
▲
▲
▲
2,000
1,800 2,000
1,800
▲
▲
▲
▲
▲
2,000
1,800 2,000
1,800
▲
▲
X1 X2 X3 X4
24,000
8,000 8,000 8,000
Y2列 軸 組 図 S=1:100
Y1列 軸 組 図 S=1:100
FG1 FG1A FG1
F3
C1 C2 C2 C1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
G1 G1A G1
▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲
▲
▲
▲
▲▲▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲ ▲ ▲ ▲
▲▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▲
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,200
3,0
003,0
003,000
12,
200
2,000
250
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
▲▲
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
1,950 1,000
900 800
1,800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
1,950
900
1,000
1,800
1,950
800
1,300 1,300
950
F3F2 F2
【 41 】
Ⅱ-10
【軸組図-2】
FG2
F2 F2
W150
W150
W150
Y1
8,100
Y2 Y3
2,7002,000
Y1
8,100
Y2 Y3
2,7002,000
G2
G2
G2
G2 CG1
EW150
CG1
CG1
CG1
CG1
W120
W120
EW150
EW150
CG1
CG1
CG1
W120
W120
W120
1,7251,275
1,575
W150
900
850
700
1,050
1,1501,000
900
850
700
1,050
1,1501,000
F2 F2F1
FG2
F3 F3F1
FG4
C2
W150
W150
W150
1,700
FG2
C1
X1列 軸 組 図 S=1:100
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端3,200
3,000
3,000
3,000
12,200
2,000
250
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,200
3,000
3,000
3,000
12,200
2,000
250
X2列 軸 組 図 S=1:100
FG4
900
850
700
1,050
1,1501,000
G2 CG2
G2 CG2
G2 CG2
G2 CG1
C1
EW180
EW180
EW180
CG1
CG1
CG1
CG1
W120
W120
W120
FCG2
C2
Y1
8,100
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,2
003,0
003,000
3,0
00250
12,200
2,000
Y2
2,0002,000
Y1
8,100
▼ GL.
▽ 2 SL.
▽ 3 SL.
▽ 4 SL.
▽ R SL.
▽フーチング下端
3,2
003,0
003,000
3,0
00250
12,200
2,000
Y2
2,0002,000
X3列 軸 組 図 S=1:100 X4列 軸 組 図 S=1:100
C1
G2 CG1
CG1
CG1
G2 CG1
C1
CG1
CG1
CG1
CG1
W120
W120
W120
FCG2
C2
G2
G2
G2
G2 CG1
C2
EW150
CG1
CG1
CG1
CG1
W120
W120
W120
EW150
EW150
CG1
CG1
CG1
W120
W120
W120
1,575
W150
900
850
700
1,050
1,1501,000
G2
G2
G2
EW180
EW180
EW1801,725
1,275
900
850
700
1,050
1,1501,000
900
850
700
1,050
1,1501,000
FG2
F3 F3
【 42 】
Ⅱ-11
§2. 準備計算
2.1 仮定荷重
1-1 床仮定荷重 N/m2
階 室名 構成・材料 重量
RF 非歩行屋根
防水層 増し打ちコンクリート t = 30mm 断熱材 スラブ (t=150) 天井
150 690 100 3,600 200
D.L. 4,740 → 4,800
RF 庇
防水層 増し打ちコンクリート t = 30mm コンクリートスラブ(t=150~210)
200 690
4,320 D.L. 5,210 → 5,300
PRF 水槽スラブ
防水層 防水モルタル t = 30mm コンクリートスラブ(t=150)
200 600
3,600 D.L. 4,400 → 4,400
NF 居 室
内部間仕切り 床仕上げ(下地とも) コンクリートスラブ(t=180) 天井
500 300 4,320 200
D.L. 5,320 → 5,400
NF バルコニー 廊 下
防水モルタル t=30 コンクリートスラブ(t=150~210) 天井(下面増し打ち) t=20
600 4,320 460
D.L. 5,380 → 5,400
RF 階段屋根
アスファルト防水 増し打ちコンクリート t=35 断熱材 コンクリートスラブ(t=180) 天井
150 805 50 4,320 200
D.L. 5,345 → 5,400
NF 階段段床
モルタル t=30 ×1.8 コンクリートスラブ(tav.=250) 増し打ちコンクリート t=10 ×1.23
1,080 6,000 283
D.L. 7,363 → 7,400
NF 階段踊場
モルタル t=30 コンクリートスラブ (t=180) 増し打ちコンクリート t=10
600 4,320
230 D.L. 5,150 → 5,200
【 43 】
Ⅱ-12
1-2 床荷重表 N/m2
階 室 名 荷重 スラブ用 小梁用 ラーメン用 地震用 備考
RF 非歩行屋根 D.L.L.L.
4,800 1,000
4,800 1,000
4,800 700
4,800 300 SR1
T.L. 5,800 5,800 5,500 5,100
RF 庇 D.L.L.L.
5,300 1,000
5,300 1,000
5,300 700
5,300 300 SR2
T.L. 6,300 6,300 6,000 5,600
PRF 受水槽スラブ D.L.L.L.
4,400 1,000
4,400 1,000
4,400 700
4,400 300 水槽別途
T.L. 5,400 5,400 5,100 4,700
NF 居 室 D.L.L.L.
5,400 1,800
5,400 1,800
5,400 1,300
5,400 700 S11
T.L. 7,200 7,200 6,700 6,100
NF バルコニー 廊 下
D.L.L.L.
5,400 1,800
5,400 1,800
5,400 1,300
5,400 700 S12
T.L. 7,200 7,200 6,700 6,100
RF 階段屋根 D.L.L.L.
5,400 1,000
5,400 1,000
5,400 700
5,400 300 SK1
T.L. 6,400 6,400 6,100 5,700
NF 階段段床 D.L.L.L.
7,400 1,800
7,400 1,800
7,400 1,300
7,400 700 SK2
T.L. 9,200 9,200 8,700 8,100
NF 階段踊場 D.L.L.L.
5,200 1,800
5,200 1,800
5,200 1,300
5,200 700 SK3
T.L. 7,000 7,000 6,500 5,900
1-3 壁自重表 N/m2
材料 壁名称 仕上げ 重量
RC
W18O (外壁) 外部 30mm モルタル +内装 5,120 → 5,200 W15S (水槽) 両面 30mm 4,800 → 4,800 W15O (外壁) 外部 30mm モルタル +内装 4,400 → 4,400 W15I (内壁) 内装+内装 4,000 → 4,000 W12O (外壁) 外部 30mm モルタル +内装 3,680 → 3,700 W250(階段壁) 外部 30mm モルタル両面 7,200 → 7,200
ブロック B150 防水モルタル 20mm 1,500 → 1,500
1-4 その他の荷重
サッシ 400 N/ m2
パラペット 4,400×0.25+5,200×0.17 = 1,984 N/m → 2,000 N/m
廊下・バルコニー手摺 3,700×1.10 = 4070 N/m → 4,100 N/m
【 44 】
Ⅱ-13
2.2 特殊荷重分布
・ 高架水槽重量 ステンレスタンク 31.0 kN 床荷重 5.1×2.5×2.5 = 31.9 kN (29.4kN) ( )内地震時 W150(無開口一面) 4.8×2.55×4.0 = 49.0 kN W150(開口一面) 4.8×(2.55×4.0 -1.0×1.5) = 41.8 kN 全重量 W = 31.0 +31.9+(49.0+41.8)×2 = 244.5 kN 荷重を等分布と仮定すると次のようになる。
無開口壁面 w = {(31.0+31.9)/4+49.0}/2.5 = 25.9 kN/m (25.6) 比率 0.99 開口壁面 w = {(31.0+31.9)/4+41.8}/2.5 = 23.0 kN/m (22.8) 比率 0.99
・ 屋外階段
【屋根】 補正地震荷重 屋根 6.1×2.79×6.235 =106.1(99.2) (壁は別途配置しているので徐階)
パラペット 2.0×(6.235+4.57+ 2.55+2.03) = 30.8 W250 7.2×2.9×3.0/2 = 31.3 計 168.2 kN (161.3-31.3=130.0kN)
【4・3 階】 踊り場 6.5×2.79×(1.645+1.89) = 64.1 (58.2) 段床 8.7×2.7×2.54 = 59.7 (55.6) 手摺 4.1×(6.235+4.57+ 2.55+2.03) = 63.1 W250 7.2×2.9×3.0 = 62.7 計 249.6 kN (239.6-62.7=176.9kN)
【2 階】 踊り場 6.5×2.79×(1.645+1.89) = 64.1 (58.2) 段床 8.7×2.7×2.54 = 59.7 (55.6) 手摺 4.1×(6.235+4.57+ 2.55+2.03) = 63.1 W250 7.2×2.9×(3.0+3.2)/2 = 64.8 計 251.7 kN (241.7-64.8=176.9kN)
W250 7.2×2.9×3.2/2 = 33.4 kN (1 階壁) ΣW=952.5kN
壁の作用荷重 q=952.5/2.9=328.5 kN/m
UP
CG2 CG1
G1
W250
-35
DN
CS2
CGK1CGK1
CS1
2,790
6,235
2,780
【 45 】
Ⅱ-14
§3. スラブ・小梁の設計
3.1 小梁の設計
各階の小梁について断面の検討を行う。小梁の設計においては一般的な小梁はほぼ等スパンである
ことから応力は「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」に示される連続梁の応力を採用して断
面の検討を行う。
【 46 】
Ⅱ-15
・小梁断面算定
【B1】 b×D =450×600 d =530 mm
〈外端〉 M=0.6C= 0.6×145.0 = 87.0 kN・m Q= 97.9 kN at= 87.0×106/(215×530×7/8)= 873 mm2 → 3-D22
3-D22 τ=97,900/(450×530×7/8) = 0.47 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
〈中央〉 M=M0-0.65C= 237.9-0.65×145.0 = 143.7 kN・m at= 143.7×106/(215×530×7/8)= 1,442 mm2 → 3-D22
5-D22
〈内端〉 M=1.2C=1.2×174.3 = 209.2 kN・m Q= 125.8+(209.2-87.0)/7.92= 141.2 kN at= 209.2×106/(215×530×7/8)= 2,098 mm2→ 6-D22
4-D22 τ= 141,200/(450×530×7/8) = 0.68 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
【B1A】 b×D =450×600 d = 530 mm
〈端部〉 M=1.2C= 1.2×177.5 = 213.0 kN・m Q= 127.0 kN at= 213.0×106/(215×530×7/8)= 2,137 mm2 → 6-D22
4-D22 τ=127,000/(450×530×7/8) = 0.61 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
〈中央〉 M=M0-0.75C= 242.6-0.75×148.0= 131.6 kN・m at= 131.6×106/(215×530×7/8) = 1,320 mm2 → 3-D22
5-D22 断面算定を略算で行っているが、内端の鉄筋断面が釣り合い鉄筋比以下であることを確認する。釣
り合い鉄筋比は下式で示される。
p
N=15 ,dc1= 7/60=0.12, γ=5/6=0.833, fc=8 N/mm2, ft=215 N/mm2 を代入すると ptb= 0.00936 が求められる。 従って、引張鉄筋は at = 0.00936×450×530 = 2,234 mm2まで略算式が可能となる。 現在の配筋はこれ以下であることから略算式の使用は問題ない。
【 47 】
Ⅱ-16
【B2】 b×D =300×450 d = 380 mm
〈端部〉 M=0.6C= 0.6×41.9= 25.2 kN・m Q= 61.3 kN at= 25.2×106/(215×380×7/8) = 353 mm2 → 3-D19
3-D19 τ= 61,300/(300×380×7/8)= 0.62 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @200 → D13 @150 に修正
〈中央〉 M=M0-0.35C= 58.6-0.35×32.7 = 47.2 kN・m at= 47.2×106/(215×380×7/8)= 661 mm2 → 3-D19
3-D19
【B3】 b×D =450×600 d =530 mm
〈外端〉 M=0.6C= 0.6×168.2 = 101.0 kN・m Q= 109.7 kN at= 101.0×106/(215×530×7/8)=1,013 mm2 → 3-D22
3-D22 τ=101,000/(450×530×7/8) = 0.49 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
〈中央〉 M=M0-0.65C= 258.8-0.65×168.2 = 149.5 kN・m at= 149.5×106/(215×530×7/8)= 1,500 mm2 → 3-D22
5-D22
〈内端〉 M=1.2C=1.2×168.2 = 201.9 kN・m Q= 109.7+(201.9-101.0)/7.92= 122.5 kN at= 201.9×106/(215×530×7/8)= 2,025 mm2→ 6-D22
4-D22 τ= 122,500/(450×530×7/8) = 0.59 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
【B3A】 b×D =450×600 d = 530 mm
〈端部〉 M=1.2C= 1.2×168.2 = 201.9 kN・m Q= 109.7 kN at= 201.9×106/(215×530×7/8)= 2,025 mm2 → 6-D22
4-D22 τ=109,700/(450×530×7/8) = 0.53 N/ mm2 <fs O.K. pw=0.2% S.T.P. D10 @150
〈中央〉 M=M0-0.75C= 258.8-0.75×168.2= 132.7 kN・m at= 132.7×106/(215×530×7/8) = 1,331m2 → 3-D22
5-D22
【 48 】
Ⅱ-17
・小梁たわみの検討
スパン 8.0m の小梁せいが L/10 以下となっていることから、平 12 建告第 1459 号における部材寸
法を下回っている。そのため、この部材のたわみがクリープを考慮した上でたわみが 1/250 以下で
あることを確認する。 小梁のたわみは集中荷重の作用する屋根梁よりも、一般階の梁が大きいと考えられる。このことから
一般階の B1 について検討を行う。 小梁の剛性はもとの断面に対して両側スラブであることから φ=1.8 の増大係数を使用する(精算を
行うとこの値よりも一般的には大きくなるのでここでは安全側の値を採用)。
B×D = 450×600 I= 1.8×450×6003/12=14,580,000,000 mm4 荷重は両端のせん断力を加算してスパンで除した値を等分布として求める。 w=109.7×2/7.92 = 27.7 kN/m → 27.7 N/mm 両端単純梁のたわみは δ=5wL4/(384EI) L=7,920mm E = 23,500N/mm2 I=14,580,000,000 mm4 ∴ δ = 4.14mm 内端の曲げモーメントによる梁中央のたわみ(上側への)は δ=-ML2/(9√3×EI) の 90%と考える(最大値が中央でないため) M = 201.9 kN・m → 201,900,000 N・mm 内端の曲げモーメント ∴ δ = -2.37mm 従って、中央のたわみは δc = 4.14-2.37 = 1.77mm クリープ係数 8 を乗ずると δct= 1.77×8 = 14.2 mm L/557 < L/250 ・・・ O.K.
【 49 】
Ⅱ-18
3.2 スラブの設計
・ 一般スラブの設計
PH スラブは水槽が等分布として作用したと仮定して配筋を決定する。その際集中係数としては
n=2 を使用する。 積載荷重としては ws=31.0×2.0/(2.5×2.5) = 9.92 → 10.0 kN/m2 として設計する。
【 50 】
Ⅱ-19
・ 片持ちスラブの設計
片持ちスラブの設計は、安全側の設定としてスラブのはね出し長さに 75mm を加算した位置で応
力・断面算定を行うものとする。なお、片持ち部材の安全率としては、1G の上下動が作用した時
にも鉄筋が弾性限に納まることを目的とし、 2.0/1.5=1.33 → 1.4 の安全率を考慮する。
【 51 】
Ⅱ-20
【 52 】
Ⅱ-21
3.3 片持梁の設計
【CG1(屋根)】 L = 2.00m この片持ち梁は先端のパラペット重量の全てと、三角形部分の荷重をその重心位置に受けるものと
して計算を行う。 P1 = 2.0×8.0 = 16.0 kN P2 = 6.0×2.0×4.0/2 = 24.0 kN q = 4.9 kN/m (=(0.65-0.15)×0.35×24+(0.50×2+0.35)×0.5=4.875 →4.9 kN・m) M = 16.0×2.0+24.0×2.0×2/3+4.9×2.02/2 = 73.8 kN・m Q = 16.0+24.0+4.9×2.0 = 49.8 kN b×D = 350×650 d = 580mm at = 73.8×106/(215×580×7/8) =677 mm2 1.4×at = 677×1.4 = 948 mm2 3-D22 3-D22 τ=49,800/(350×580×7/8) = 0.28 N/mm2 <fs ・・・ O.K. pw=0.20% S.T.P. D10 @150
【CG2(屋根)】 L = 2.00m b×D =400×650 配筋は CG1 と同配筋とする。
【CG4(一般階)】 L = 2.00m
この片持ち梁は先端の手摺が片持ちスラブの 1/2 の荷重を伝達するものとして計算を行う。 P1 = 6.0×2.0×8.0/2+4.0×8.0 = 80.0 kN q = 4.9 kN/m M = 80.0×2.0+4.9×2.02/2 = 169.8 kN・m Q = 80.0+4.9×2.0 = 89.8 kN b×D = 350×615 d = 545mm at = 169.8×106/(215×545×7/8) =1,657 mm2 1.4×at = 1,657×1.4 = 2,320 mm2 3-D22/3-D22 5-D22 τ=89,800/(350×545×7/8) = 0.54 N/mm2 <fs ・・・ O.K. pw=0.20% S.T.P. D10 @150
【CG5(一般階)】 L = 2.00m b×D =400×615 配筋は CG4 と同配筋とする。
2,000
P1 P1P2
P2
2,000
P1 P1
【 53 】
Ⅱ-22
【CG3(屋根)】 L = 1.50m この片持ち梁は先端のパラペット重量の全てと、三角形部分の荷重をその重心位置に受けるものと
して計算を行う。 P1 = 2.0×4.0 = 8.0 kN P2 = 6.0×1.5×1.5/2 = 6.8 kN q = 4.4 kN/m M = 8.0×1.5+6.8×1.5×2/3+4.4×1.52/2 = 23.8 kN・m Q = 8.0+6.8+4.4×1.5 = 21.4 kN b×D = 400×500 d = 430mm at = 23.8×106/(215×430×7/8) =295 mm2 1.4×at = 295×1.4 = 413 mm2 3-D19 3-D19 τ=21,400/(400×430×7/8) = 0.15 N/mm2 <fs ・・・ O.K. pw=0.20% S.T.P. D10 @150
【CG6(一般階)】 L = 1.50m
この片持ち梁は先端の手摺が片持ちスラブの 1/2 の荷重を伝達するものとして計算を行う。 P1 = 6.0×1.5×4.0/2+4.0×4.0 = 34.0 kN q = 4.4 kN/m M = 34.0×1.5+4.4×1.52/2 = 56.0 kN・m Q = 34.0+4.4×2.0 = 42.8 kN b×D = 400×515 d = 445mm at = 56.0×106/(215×445×7/8) = 669 mm2 1.4×at = 669×1.4 = 937 mm2 3-D22 5-D22 τ=42,800/(400×445×7/8) = 0.28 N/mm2 <fs ・・・ O.K. pw=0.20% S.T.P. D10 @150
1,500
P1 P1P2
P2
1,500
P1 P1
【 54 】
Ⅱ-23
3.4 階段の設計 【階段段床:踊り場は CS6 で検討済】 階段の設計は、先端の手摺および階段段床の重量を、各段が片持ちの梁として支持できるように
設計する。 片持ち梁(段床スラブ)の形状は次のようなものとなる。 P = 4.0×0.3 = 1.2 kN/m/段 q = 9.2×0.3 =2.8kN/m2 M=1.2×1.27+2.8×1.272/2 = 3.8 kN・m/段 Q=1.2+2.8×1.27 = 4.8 kN/段
B=300mm t=250mm d = 200mm at = 3.8×106/(195×200×7/8) =112 mm2/段 1.4×at =112×1.4 = 157 mm2/段 → 2-D13 τ = 4.8×103/(300×200×7/8) = 0.09 N/mm2<fs ・・・ O.K.
【階段片持ち梁: CGK1】 階段の片持ち梁の設計は、両側の踊り場を支持することのできる配筋量とする。また、先端に手
摺壁が存在するのでその重量も考慮する。 P = 4.0×0.3 = 1.2 kN/m/段 q = 9.2×0.3 =2.8kN/m2 M=1.2×1.27+2.8×1.272/2 = 3.8 kN・m/段 Q=1.2+2.8×1.27 = 4.8 kN/段
B=300mm t=250mm d = 200mm at = 3.8×106/(195×200×7/8) =112 mm2/段 1.4×at =112×1.4 = 157 mm2/段 → 2-D13 τ = 4.8×103/(300×200×7/8) = 0.09 N/mm2<fs ・・・ O.K.
300
250
q
1,270
P
q
1,790
P
【 55 】
Ⅱ-24
§4. 屋外階段及び受水槽の設計
4.1 屋外階段の設計
【水平力の伝達の検討】
屋外階段の支持壁は、踊り場のスラブを介して本体と連続している。連続部分は地震時において下
図に示すような応力が作用すると考えられる。この応力は階段の全重量に対して 1G(水平震度と
して 1.0×0.7=0.7 ) の水平震度が作用するものとして計算する。
【X 方向地震時】
地震力は最大となる2階の値を採用する。W・k・z=1.0×0.7=0.7 とする。 Px = 241.7×0.7 = 169.2 kN Mx=169.2×1.395 = 236.1 kN・m Qx= 169.2 kN
t=180mm D=1,890mm d = 1,740mm (本体接合部) at = 236.1×106/(295×1,740×7/8) = 526mm2 4-D19 τ=169,200/(180×1,740×7/8) =0.62 N/mm2 <fs ・・・ O.K.
【Y 方向地震時】 Py = 241.7×0.7 = 169.2 kN My=169.2×2.35 = 397.6 kN・m Qy= 169.2 kN (踊り場部分) Ny= 169.2 kN (本体接合部)
<踊り場位置での検討> t=180mm D=2,790mm d = 2,590mm at = 379.6×106/(295×2,590×7/8) = 568 mm2 2-D19 τ=169,200/(180×2,590×7/8) = 0.42 N/mm2 <fs ・・・ O.K.
Px
Py
1,890
2,350
1,395
My
Mx
▼本体接合部 My
【 56 】
Ⅱ-25
<本体接合部位置での検討> t=180mm D=1,890mm d = 1,740mm at = 379.6×106/(295×1,740×7/8)+(169,200/2)/295 = 1,132mm2 4-D19
以上の検討から、水平力に対する補強筋は下図のように配筋する。
各 1-D19
35d
各 1
-D19
【 57 】
Ⅱ-26
【支持壁の変形についての検討】
屋外階段の支持壁が踊り場のスラブを介して本体と連続していることから、この壁が本体建物と同
変形(強制変形)になる時の壁応力を検討する。階段支持壁は FB1(b×D =500×1,500) 上に設け
られ、この FB1 は X1,X2 端で杭支持されている状況をモデル化して解析を行う。モデル化後の形
状は下図に示すようなものとなる。
基礎梁 コンクリート強度 Fc27 ヤング係数 E= 23,576 N/mm2 せん断剛性係数 G= 9,823 N/mm2 階段壁 b×D = 250×2,900 基礎梁 b×D = 550×1,500 (階段下)
4,830
b×D =250×2,900
①
②
③
④
3,95
0 ⑤
4.395
5.372
1.054 剛域 h = 25
剛域 L = 1,075
3,00
0 3,
000
2.815
⑩
〃
強制変形 (mm)
0.000
3,035
【曲げモーメント】 【せん断力】
【 58 】
Ⅱ-27
屋外階段の支持壁については計算結果のような応力が生じ、その値に対して設計を行う。なお、基
礎梁については長期に階段壁を支持することにより生ずる応力と、解析により求められた応力に対
して設計を行う。
【基礎梁の長期応力】 荷重は頁Ⅱ-15 参照
【基礎梁断面算定】
<FB1> b×D = 550×1,500 d = 1,400mm
端部 M=0.6C=0.6×1,107.6 = 664.6 kN・m Q = 655.8 kN at = 664.6×106/(215×1,400×7/8) = 2,524 mm2 8-D29 8-D29 τ= 655,800/(550×1,400×7/8) = 0.98 N/mm2> fs ・・・ せん断補強が必要 pw = (0.98-0.76)/0.5/195+0.002 = 0.0043 →0.43%
S.T.P. 4-D13 @ 150 (pw=0.68%)
中央 ML=Mo-0.3C=1,534.7-0.3×1,107.6 = 1202.5 kN・m ME= 479.1 kN・m MT= 1,681.6 kN・m (長期で決定) QL = 655.8 kN QE = 127.6 kN QD = 655.8+1.5×127.6 = 847.2 kN (長期で決定) at = 1,830.0×106/(345×1,400×7/8) = 4,331 mm2 8-D29 11-D29
【階段壁の設計】
【 59 】
Ⅱ-28
4.2 受水槽の設計 下図に示す受水槽を支持する壁式構造を設計する。この壁式構造は大梁(G1,G1A)と B2 で支
持されたものであり、最上部のスラブに設けられたRCの架台上にステンレス製の水槽を設
置している。水槽は 30kN の水を蓄えるものであり、全体として 31kN の重量となる。 このような形状の壁、及び壁を支持する梁について設計を行う。
構造物の重量については準備計算の段階ですでに計算されており(Ⅱ-15 参照)、 全重量は W = 31.0 +31.9+(49.0+41.8)×2 = 244.5 kN となる。 従って、作用する水平力は z・k・W=0.7×1.0×244.5 = 171.2kN 全体の転倒モーメントは、安全側の仮定として上記の水平力が 2.5m の位置に作用している
と考えて検討する。
MOT=171.2×2.5 = 428 kN・m 各方向の地震時において、B2 に作用する軸力を壁端部の集中荷重と考えると N = (428/2)/2.5 = 85.6 kN この軸力によって生ずる応力は次のようになる。
W150 2,500
G1 G1A
X2
G3
B2 B2
B2B2
W150
W150
W150
W150
X2
2,500
Y2
1,250 1,250
2,500
貯水タンク2,500
貯水タンク
【 60 】
Ⅱ-29
【B2 の検討】 b×D =300×450 d = 380 mm
〈端部〉 ML=0.6C= 0.6×41.9= 25.2 kN・m ME=0.6C= 0.6×49.2= 29.6 kN・m MT=25.2+29.6 = 54.8 kN・m QL= 61.3 kN QE= 54.9 kN QD=61.3+1.5×54.9=143.7 kN at= 54.8×106/(345×380×7/8) = 478 mm2 → 3-D19
3-D19 τ= 143,700/(300×380×7/8)= 1.44 N/ mm2 > fs ・・・ せん断補強が必要 pw=(1.44-1.14)/0.5/295+0.002=0.0041 pw=0.41% S.T.P. D13 @150 (pw=0.56%)
〈中央〉 M=M0-0.35C= (58.6+59.9)-0.35×(32.7+27.6) = 97.4 kN・m at= 97.4×106/(345×380×7/8)= 849 mm2 → 3-D19
3-D19 【B1 の検討】
いずれの値も B1 の長期応力の 1/2 以下であり、この値を加算しても地震時で断面が決定す
ることはない。 従って、断面の変更は必要ない。
【 61 】
Ⅱ-30
§5. ピロティに関する検討
本建物のスパン方向は純ピロティ形式となっている。このため「2007 年版 建築物の構造関係技術基
準解説書」の付録 1-6 ピロティ形式の建築物に対する耐震設計上の留意点 に示されている事項につ
いて検討を行う。
5.1 純ピロティに許容される柱の制限 本建物は1階が純粋なピロティ形式となっている。このため構造特性係数は Ds=0.3 以上とするが、
この時の柱は下記の条件を満足することを確認する。 ① D/h0 ≧2.5 ② σ0/Fc ≦0.35 ③ pt ≦0.8% ④ τu/Fc ≦0.10
以上の出力結果から、柱の条件 ①~④の規定を満足していることがわかる。従って、このピロティ
構造の柱は FA の条件を満たしており、Ds=0.3 の条件を適用することが可能である。
5.2 純ピロティ型建築物の Fs値 建物の保有耐力を検討する際の Fs については、剛性率による割増係数とピロティ階の強度割増係数
αP の大きい方を採用する。 この建物は4階であることからαP = 1.5 となるが、剛性率の割増係数が 1.612 であることからこの
値を採用することになった。
【 62 】
Ⅱ-31
5.3 純ピロティ階の設計用せん断力余裕率 純ピロティ形式の建物の場合には、1階の柱が降伏する。この時のせん断力に対して余裕率を 1.4 以
上とすることが規定されている。 これが各フレームで満足されているかどうかを Qu/Qm (Qu:柱終局せん断強度、 Qm:メカニズム
時柱せん断力)の値で確認する。 以下、この安全率を示す。
この結果で見るように、最小でも Qu/Qm の値は 1.45 となっており、必要とされる 1.4 を上回って
いることが確認された。
【 63 】
Ⅱ-32
§6. 基礎・基礎梁の設計
6.1 地盤支持力の算定 建物の敷地におけるボーリング結果(下図参照)を基に、地盤の支持力を計算する。支持地盤として
は、図に示すように G.L—15.0m の細砂層としている。この地盤の N 値は 50 以上の値を示している。
なお、この地盤ににおいては液状化が生じないことを確認している。
杭支持力の算定
この計算結果から、杭の長期支持力は 800kN/本(短期 1,600kN/本)として計算する。
【 64 】
Ⅱ-33
5.2 基礎設計用軸力の算定 杭は 500φの径を使用するため、フーチングの自重は以下のように計算される。この時、フーチン
グの厚さは 1,300mm、そしてフーチング上部の土は 700mm の厚さとして計算する(ただし、F1についてはフーチング厚 1,000mm フーチング上部の土は 700mm で算定)。以下に計算した値は、
一貫設計に基礎自重として入力する。
F1 : (1.25×1.25-0.50×0.50)×(0.70×16+1.00×24) =46.2 kN F2 : (4.483-0.95×1.15)×(0.70×16+1.30×24) = 143.8 kN F3 : (2.5×2.5-0.95×1.35)×(0.70×16+1.30×24) =210.6 kN
【基礎設計用軸力:鉛直荷重時】 杭設計用の重量を以下に示す。なお、この重量の中には基礎フーチングの自重も含まれている。
基礎の鉛直支持力は次のようになる。
F1 1-500φ Ra = 800×1 = 800kN F2 3-500φ Ra = 800×3 = 2,400kN F3 4-500φ Ra = 800×4 = 3,200kN
F1 F1
F2
F2
F3
F3
F3
F3
F2
F21,899.3 2,947.8 2,915.5 1,887.5
1,604.1 2,870.0 2,713.7 1,681.3
733.7 486.5
【 65 】
Ⅱ-34
地震時に生ずる支点反力によって、各基礎に浮き上がりが生じないことを確認する。なお、この反力
を求める時には、すでに杭頭固定の曲げモーメントは考慮されている。
【地震時支点反力】
いずれの方向の地震力に対しても、基礎に浮き上がりは生じていないことが確認できる。 保有耐力時の支点反力を、杭の終局支持力(長期支持力の3倍)が上回ることを確認するとことを要
求されることもある。 また、杭頭の曲げモーメントに対して仮想の円形断面を想定し、この応力に対応することが可能であ
ることを確認することが求められることもある。
NL
1,899.3 2,947.8 2,915.5 1,887.5
1,604.1 2,870.0 2,713.7 1,681.3
733.7 486.5NEX NEY
26.9 94.7
27.499.2
457.3558.3
87.1569.7
87.3657.4
456.9612.3
510.1654.2
87.3667.6
87.2656.2
510.2613.6
【 66 】
Ⅱ-35
5.3 フーチングの設計 フーチングは鉛直支持力の最大となる位置で検討を行う。F3 では X1-Y1、F4 では X2-Y1 である。
なお、地震時の反力は相対的に小さく、配筋の決定においてはほとんど影響を与えないことから、こ
の値は無視して設計を行うものとする。 F1 は 1,250×1,250mm せいを 1,000mm とし、この中に杭頭部を 100mm のみこませる。フーチ
ングの配筋は、各方向 6-D13 とする。 また、各フーチング共通で上端のかご鉄筋は D13 @300 程度の配筋を行うものとする。 フーチングのせい 1,200mm の下部に 100mm 増し打ちを行う。この中に杭頭部の埋込を行うもの
とする。なお、杭頭の曲げを処理する鉄筋の取付は、様々な方法が考案されているのでこれらの設計
仕様に基づいて配筋を行うものとする。
【 67 】
Ⅱ-36
5.4 杭の水平力に対する検討
杭に作用する水平力は、上部建物の水平力と1階から下部のフーチング自重を含んだ建物重量の値に
k=0.1×0.7 = 0.07 を乗じた値を加算して求める。 この水平力が杭に作用した時の杭応力は上部の地盤が比較的一様であることから、Chang の式を使
用して求めることとした(下部の地層が固いことから、多層地盤解析プログラムで計算した結果の方
が小さい応力となることが予想される)。
上部建物の水平力 P = 14,399.4×0.14 = 2,015.9 kN (計算書Ⅲ- P.46 ) 建物下部の水平力 PF =(19,739.0-14,399.4)×0.07 = 373.8 kN (計算書Ⅲ- P.46,P.82 ) 杭に作用する水平力 PP = 2,015.9+373.8 = 2,389.7 kN
杭は全て同径であることから、杭1本に作用する水平力は建物全体の水平力を杭本数で除した値を使
用すればよい。階段下の杭は一般的には水平力から除外することが多いが、今回は基礎梁で固めてい
ること、軸力も比較的大きいことなどからこの杭も水平力を負担すると考えて検討を行う。
杭1本に作用する水平力 H = 2,389.7/30=79.7 kN/本 地盤反力係数は 700×N(kN/m2) として計算し、地盤は一様として計算を行った。
ここで求めた杭頭固定の値(105 kN・m/本)を一貫設計の節点データとして入力し、この値を考慮
した支点反力を杭の設計に用いている。
【 68 】
Ⅱ-37
5.5 杭材の安全性に対する検討
杭に作用する軸力を算定した結果が下表である。この表は各基礎の杭1本に作用する軸力を各方向の
地震時軸力について検討を行ったものである。 この表から、杭の最大反力は 903.9kN、最小の軸力は 356.3 kN であることがわかる。この軸力に
対して杭が安全であるかどうかの検討を行う。
以上検討の結果、杭は 500φ B 種で耐力は問題のないことが確認できた。
列 軸力 X1 X2 X3 X4F1 F1
NL+NF 733.7 486.5 NEX -26.9 27.4 NTX1 706.8 513.9 NTX2 760.6 459.1 NEY 94.7 99.2 NTY1 828.4 585.7 NTY1 639.0 387.3 Nmax 828.4 585.7 Nmin 639.0 387.3
F2 F3 F3 F2 NL+NF 1,604.1 2,870.0 2,713.7 1,681.3 NEX -457.3 -87.1 87.3 456.9 NTX1 1,146.8 2,782.9 2,801.0 2,138.2 NTX2 2,061.4 2,957.1 2,626.4 1,224.4 NEY 457.3 569.7 657.4 612.3 NTY1 2,061.4 3,439.7 3,371.1 2,293.6 NTY1 1,146.8 2,300.3 2,056.3 1,069.0 Nmax 687.1 859.9 842.8 764.5 Nmin 382.3 575.1 514.1 356.3
F2 F3 F3 F2 NL+NF 1,899.3 2,947.8 2,915.5 1,887.5 NEX -510.1 -87.3 87.2 510.2 NTX1 1,389.2 2,860.5 3,002.7 2,397.7 NTX2 2,409.4 3,035.1 2,828.3 1,377.3 NEY -654.2 -667.6 -656.2 -51.2 NTY1 1,245.1 2,280.2 2,259.3 1,836.3 NTY1 2,553.5 3,615.4 3,571.7 1,938.7 Nmax 851.2 903.9 892.9 799.2 Nmin 415.0 570.1 564.8 459.1
Y1
Y3
Y2
【 69 】