CONTENTS 父母の会 「地域(学外)病院実習」について ・・・・・・・・・3...

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第2駐車場の底から空を見る 2018年2月 鴨下淳一撮影 名は体を表す 父母の会 副会長 渡邊 真 本年度も秋の訪れとともに、恒例となった白 衣式で、学生諸君に白衣の袖を通すお手伝いを しました。真新しい白衣をまとい、スチューデ ント・ドクターになる心構えを新たにする学生 を目のあたりにし、私自身も身の引き締まる思 いでした。 2年後には現在の天皇が退位され、元号が刷 新されることが発表されています。時代の転換 期に差し掛かっている印象があります。先日、 新聞報道等でもあった通り、本学も「藤田保健 衛生大学」から「藤田医科大学」へと生まれ変 わります。学内での新棟の建設も順調に進み、 岡崎市に建設される新病院の計画も着々と進ん でいると聞きます。また、世界の大学評価で、 日本の私立大学の中で最上位を獲得するなど、 本学に対する高い評価には、卒業生として誇ら しい限りです。長年慣れ親しんだ名前と別れる ことに対しては、少し複雑な思いもしますが、 「心機一転」新たな名称「藤田医科大学」を掲げ、 学園全体が一段と高いレベルに向かい、充実し ていくことを祈念しています。 「名は体を表す」。新たな名称にふさわしい、 誇るべき大学となるためには、現在の在校生諸 君を代表とする若い世代の皆さんの活躍が欠か せません。医学部父母の会も、学生諸君が安心 して学習に励めるよう、できる限り援助をして いきたく思います。 父母の会 だより No.87 C O N T E N T S 副会長挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 新カリキュラムについて・・・・・・・・・・・・・・2 「地域(学外)病院実習」について ・・・・・・・・・3 「在宅医療実習について」 ・・・・・・・・・・・・・・3 学園生活アルバム・・・・・・・・・・・・・・・・・4 学生による院内外傷ワークショップについて・・・・・6 臨床実習体験記・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 アセンブリⅢについて・・・・・・・・・・・・・・・6 卒後臨床研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 学事日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7 先輩訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 〒470-1192豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学医学部父母の会 藤田保健衛生大学 医学部 平成30年3月12日発行

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第2駐車場の底から空を見る� 2018年2月 鴨下淳一撮影

名は体を表す

父母の会副会長渡邊 真

 本年度も秋の訪れとともに、恒例となった白衣式で、学生諸君に白衣の袖を通すお手伝いをしました。真新しい白衣をまとい、スチューデント・ドクターになる心構えを新たにする学生を目のあたりにし、私自身も身の引き締まる思いでした。 2年後には現在の天皇が退位され、元号が刷新されることが発表されています。時代の転換期に差し掛かっている印象があります。先日、新聞報道等でもあった通り、本学も「藤田保健衛生大学」から「藤田医科大学」へと生まれ変わります。学内での新棟の建設も順調に進み、岡崎市に建設される新病院の計画も着々と進んでいると聞きます。また、世界の大学評価で、

日本の私立大学の中で最上位を獲得するなど、本学に対する高い評価には、卒業生として誇らしい限りです。長年慣れ親しんだ名前と別れることに対しては、少し複雑な思いもしますが、「心機一転」新たな名称「藤田医科大学」を掲げ、学園全体が一段と高いレベルに向かい、充実していくことを祈念しています。 「名は体を表す」。新たな名称にふさわしい、誇るべき大学となるためには、現在の在校生諸君を代表とする若い世代の皆さんの活躍が欠かせません。医学部父母の会も、学生諸君が安心して学習に励めるよう、できる限り援助をしていきたく思います。

父母の会だよりNo.87

C O N T E N T S

副会長挨拶・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1新カリキュラムについて・・・・・・・・・・・・・・2「地域(学外)病院実習」について�・・・・・・・・・3「在宅医療実習について」�・・・・・・・・・・・・・・3学園生活アルバム・・・・・・・・・・・・・・・・・4学生による院内外傷ワークショップについて・・・・・6臨床実習体験記・・・・・・・・・・・・・・・・・・6アセンブリⅢについて・・・・・・・・・・・・・・・6卒後臨床研修・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7学事日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7先輩訪問・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8

〒470-1192�豊明市沓掛町田楽ヶ窪1-98 藤田保健衛生大学医学部父母の会

藤田保健衛生大学 医学部平成30年3月12日発行

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 H30年度のカリキュラムの骨子が決まりました。主な変更点は以下の通りです。

2〜6学年・�文科省により6学年にも臨床実習の実施が義務付けられたため、6学年4、5月に「選択制総合実習」を8週実施する。これにより臨床実習は総計72週となる。

・�6学年7月に「PCC-OSCE(post�clinical�clerkship�OSCE)」を実施する。・�3学年の「膠原病・感染症系」を、「膠原病系」と「感染症系」に分割し、それぞれ科目として独立させる。・�2学年の「統合基礎医学」はH30年度からの教養・基礎科目の水平統合に伴い廃止する。

1学年 H30年度入学生については卒業までのカリキュラムを策定した。H28�年に受審した医学教育分野別認証への対応を含め、多くの改革を行った。

・�教養・基礎科目の統合(表参照):関連の強い科目群を‘コース’としてまとめ、水平統合を行った(緑色)。また、従来の「〜学」という講座名に直結した科目名称を、より内容を表現するものに変更した(青色)。ただし学生評価は従来通り科目毎に実施する。・�「研究室配属」の新設:学生は3学年の一定期間、基礎および臨床系の各研究室に配属され、医学研究を行う実習科目として実施する。・�講義コマ数の削減:これまでカリキュラム改変の度に授業時間が増加してきたため、学生の自学に充てるべき時間(講義1コマあたり2. 5時間)の確保が不可能になっている。1学年から3学年まで、順次講義コマ数を削減していく。・�e-learningによる形成的評価:学習過程において学生が進達度を自ら測る(形成的評価)手段が必要である。学生ポータルサイトにe-learning教材をのせて、自学の道標とする(H30年度はトライアル実施)。

H30年度入学者教養・基礎科目カリキュラムの改訂 コースの新設と授業科目名変更コース 授業科目

第1学年

科学研究の基礎Ⅰ 読書ゼミナール

外国語Ⅰ 英語 ドイツ語等 Medical English Ⅰ

医療人のプロフェッショナリズムⅠ 早期臨床体験 プロフェッショナリズムⅠ 総合講座生老病死の人間学 医学教育入門 生命倫理学

医療人の教養 歴史学Ⅰ等 歴史学Ⅱ等 近現代文学Ⅰ等 近現代文学Ⅱ等 体育実技スポーツ科学

情報の基盤 数学 コンピュータ情報処理学情報処理の基礎

生命の科学的基盤 生物学 物理学 化学

人の行動と心理 人の行動と心理Ⅰ

人体の構造と機能Ⅰ 生理化学細胞の生理

組織学細胞から個体へ

解剖学A人体の構造Ⅰ

第2学年

社会と医療Ⅰ 疫学 医学統計学

人体の構造と機能Ⅱ 解剖学B人体の構造Ⅱ

生化学人体を構成する物質と化学反応

薬理学生体と薬物

生理学Ⅰ人体の生理Ⅰ:恒常性と機能調節生理学Ⅱ人体の生理Ⅱ:神経・感覚・筋肉の機能調節

病因と病態Ⅰ 病理学病気と生体応答

臨床遺伝学疾患の遺伝的素因

免疫学アレルギーと生体防御

病因と病態Ⅱ 微生物学細菌・真菌と感染

ウイルス・寄生虫学ウイルス・寄生虫と感染

科学研究の基礎Ⅱ Human Biology

医療人のプロフェッショナリズムⅡ プロフェッショナリズムⅡ

外国語Ⅱ Medical English Ⅱ

人の行動と心理Ⅱ 人の行動と心理Ⅱ

第3学年

社会と医療Ⅱ 公衆衛生学 予防医学

病因と病態Ⅲ 病理学臓器の疾患と生体応答

腫瘍学腫瘍の病態、診断と治療(前期)

診療と診断の基本 基本的診療技能Ⅰ 画像診断Ⅰ 臨床検査 PBL Ⅰ

科学探究の基礎Ⅲ 医学研究入門Ⅲ 研究室配属

外国語Ⅲ Medical English Ⅲ

医療人のプロフェッショナリズムⅢ プロフェッショナリズムⅢ

臨床医学

消化器系 呼吸器系 循環器系 血液系

感染症 膠原病 腎臓内科系 腎・尿路・生殖器外科系

内分泌代謝系・乳腺疾患 神経系 精神・行動系 成長・発達・小児系

女性生殖器系 運動器系 東洋医学 救急医学

腫瘍学腫瘍の病態、診断と治療(後期)

   ※黒字:現在の科目名      ※緑字,青字:変更後

新カリキュラムについて教務委員長 長崎 弘

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 平成28年度はトライアルとして1週間、平成29年度からは本格的に4週間の地域病院実習を、5年生後半に導入いたしました。昨今の医療機関に対する社会の認識の変化、介護保険制度の導入、在宅医療の普及などにより、医療への視線やニーズは大きく変わり、「専

門医」のみでは対応できない医療環境になってきました。そこで、地域病院実習では、地域の病院に求められる保健・医療・福祉等の活動を通して、病態を把握し地域との連携の必要性を学ぶことを目的としています。それに加えて平成28年度改訂版医学教育モデル・コア・カリキュラム(全国の医学生が卒業時までに修得して身に付けておくべき実践的能力を明確にして、客観的に評価できるよう示したも

の)では、“人類学・社会学・心理学・哲学・教育学等と連携し、行動科学・社会科学的(主に質的)な視点から地域における生活の中での医療を知り体験する学習機会を作る。”とされており、ますます地域での医療が重要視されてきています。実習先病院と実習指導医は、各医局から推薦された先生(本学臨床講座のOB・OGの先生)を中心に受け入れをして頂いています。地域の病院では、大学病院では経験しにくい慢性期疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症、腰痛症など)の外来診療は全ての学生が経験しており、療養型病床、地域包括病床、回復期リハビリテーションなどの経験もしております。月曜日から金曜日までは地域の病院で実習を行います。土曜日は大学で、経験した症例をもとに大学教員と一緒に1週間の実習の振り返りを行い、経験を確実に身に付ける実習体系で行っております。

 高齢社会の進行とともに、医療の対象となる高齢者は急性期、慢性期を問わず増え続けており、生活機能障害を持ちながら在宅生活を送っている人も増加しています。高齢者に限らず、疾患による重度身体障害者(児)や、事故などで高度の障害が残って自宅で介護さ

れている方も多くあり、自宅や施設を医療の場とし訪問して診療することが地域医療の重要な役割の一つとなっています。本学では、約16年前から臨床実習として地域医療実習を行っており、医師会のご協力のもとに診療所と地域の病院での実習を行っていますが、今回臨床実習の拡大に伴って、後期ポリクリとして医学部5年生の後期に在宅医療実習を実施することになりました。 機能性、効率性を重視し専門的な高度医療を行うことが求められる病院医療に比べると、医療の場が生活の場にある

ことにより、療養環境の安定や日常生活の中での気持ちの安らぎがあり、患者さんの生活の質の向上が期待できます。また、それを支える訪問看護師や訪問リハビリを行う理学療法士などの医療スタッフの活動や、介護保険サービス担当者(ケアマネージャー、ホームヘルパー、デイサービススタッフなど)の行うサービスが協働して提供されていることも重要であります。実習では、医師の訪問診療に同行するばかりでなく、このような多職種のひとたちが協力して在宅医療を支えていることを理解することもポイントとしております。 実習が始まってまだ1か月ですが、実習を経験した学生たちからは、「自宅で医療がこのように継続できることを知ってよかった」「在宅での臨終の看取りがとても印象深かった」「訪問看護や訪問リハがこのように行われているとは知らなかった」など、従来の実習にはない感想が聞かれています。今後この実習の発展に努めるとともに、ご協力いただいている医療施設の皆様や介護保険事業所の方々、ならびに関係各位に深謝いたします。

「地域(学外)病院実習」について地域(学外)病院実習責任者��地域医療学 石原  慎

「在宅医療実習について」在宅医療実習責任者��連携地域医療学 浅井 幹一

イラスト みゅーめる

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学園生活アルバム

 1年生の時からMフェスを支えてきた勅使河原さんのサポートとして今年もお手伝いすることになり、約半年という長い期間をかけて主に事前準備や宣伝などの仕事をさせていただきました。過去2年と違い、今年はチーフ代理ということで、当日に至るまでの様々な仕事に四苦八苦しつつも、多くの方々のご協力のおかげで素晴らしいコンサートになりました。この場を借りて、企画に関わってくださったすべての皆さまに御礼を申し上げたいと思います。� (3学年 松波亜佐子)

 今年度の市民医学フォーラムに、私たち救命救急サークルHeart�Saverは、市民に対してBLS(Basic�Life�Support)を教えるブースを設けました。私たちは日頃から、学内・学外の学生に対し心臓マッサージやAEDなどを用いた心肺蘇生法をより多くの人たちに知ってもらおうと、体験型の勉強会を開催しています。また市民の方、病院内の職員の方に対しての講習会にも参加させていただき、インストラクターとして活動をしています。今回も多くの方に傷病者発見から救急隊に引き継ぐまでの流れを皆さんに体験していただくことができたのではないかと思います。出展にあたり支援をして下さった皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。� (3学年 勅使河原眞子)

 2017年藤田学園学園祭にて、ミス藤田学園コンテストのチーフを担当させていただきました。ミスコンのチーフを担当する以前は、学園祭がどのようなものであるのかわかりませんでした。しかし、ミスコン担当として学園祭に関わらせて頂くにつれて、前夜祭を含め3日間の学園祭を開催するためには早い時期から膨大な準備時間を要し、実行委員やスタッフ、学生部など様々な人達に支えられて成り立っていることに気付かされました。企画を準備するにあたって、開催時間や備品の注文、準備室の手配など他の部門の方と連絡を取り合うことが多く、一つの物事を作り上げるためには人との連携・コミュニケーションが大切であることを学ばせて頂きました。

 最後に、学生部や友人、出場者や実行委員の方々、ミスコンスタッフなど様々な人達に助けて頂き、大きな問題がなくミスコンを開催することができました。この場をお借りして深く御礼申し上げます。�(3学年 李 彰祥)

ミュージックフェスティバル(Mフェス)

市民医学フォーラム

ミス藤田学園コンテスト

 1年生の時から毎年裏方としてMフェスに携わっており今年度で3度目でしたが、企画段階からの参加は初めてでチケット販売や学生スタッフの募集・統率など大変なことがとても多かったです。ですが、チーフの松波さん、学生部の方々、運営会社の皆さん、そして当日長い時間を割い

てコンサート作りに携わってくれた学生スタッフのおかげで無事に今年度も素晴らしいかたちで終えることが出来ました。ありがとうございました。�(3学年 勅使河原眞子)

学 園 祭

Aqua�Timezと学園祭スタッフの皆さん

向かって一番左が李さん

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 私たちバレー部は男子17人、女子19人、学内OB�29人というかなりの大人数で活動しています。 ここ数年間は男子女子共になかなか勝てず、あまりいい結果を残すことができませんでしたが、今年の西医体では男子は数年ぶりに勝つことができ、ベスト16という結果を残すことができました。その他の大会でも男子女子共に少しずつ結果を残すことができ、満足のいく一年だったと思います。3年生は来年の春で引退ですが、後輩達には今年より良い成績を残してくれることを期待しています。

 バレーボールというスポーツは相手のコートにボールを落として得点を重ねていくというシンプルなスポーツです。簡単なことだと思われますが実際にはそうではありません。バレーは、誰かがレシーブをし、誰かがトスをあげて、誰かがスパイク打たなければなりません。だからバレーは1人ではできず、1人

が上手くても勝つことはできないのです。自分の役割を果たし、仲間がミスしたらみんなでカバーし、心を一つにしてボールだけではなく心も繋いでいかなければ勝つことはできません。私たちはバレーを通じて仲間への思いやりや意思疎通の大切さを学ぶことができました。この学んだことを今後の学校生活や将来に生かしていきたいです。今後もバレー部は一生懸命頑張っていきますので父母の皆様、応援よろしくお願いします。� (バレーボール部主将 3学年 重松朋宏)

 この度は先生方、ならびにご父母の皆さま、第三回白衣式に際しまして、ご多用中のところご来席の栄を賜り、心より御礼申し上げます。白衣式にて総代を勤めさせて頂いた第43回生の佐藤領太です。昨年の白衣式にて、私は先輩方の凛々しい白衣姿に感銘をうけ、自分も1年後に先輩方のように白衣式に立てるのか不安でありました。白衣式の総代を勤めさせていただけると聞き、当日も緊張しておりましたが、一つ一つの言葉の重みを感じながら宣誓するという、とても貴重な体験をさせていただき感謝の念に堪えません。また、今年の白衣式から全四年生が一人ずつ臨床実習に向けての抱負を宣言する場面が設けられていたため、臨床実習に対する覚悟がより一層強まったと感じています。藤田啓介先生の�“我ら、弱き人々への無限の同情心もて、片時も自己に驕ることなく医を行わん”という病院理念を心に刻みより良き臨床医になれるよう日夜努力を致します。� (4学年 佐藤領太)

 この度は、私たち第43回生のためにこのような式典をご用意くださり、誠にありがとうございます。ご多忙にもかかわらずご出席くださった皆様に、第43回生を代表して心より御礼申し上げます。 ここまでの道のりは、長いようであっという間のように感じました。この4年間、同級生4人で13階の部屋を毎日借り、勉強してきました。それぞれが目標を立て、その目標に向かって、お互いを切磋琢磨してきました。長い試験期間の中で、時にへこたれそうになることもありましたが、励まし合って、一つ一つ乗り越えてきました。 湯澤病院長から白衣を着せていただき、壇上で誓いの言葉を述べたとき、改めて、医師になる一歩を踏み出したと感じました。私たちはこれから臨床の現場に立ち、先生のご指導の下、スチューデント・ドクターとして実際に患者さんと接して、医療を実践していきます。 医療者の一員となる自覚と、一つ一つの行動に責任感を持ち、実習に取り組んでいきたいと思います。� (4学年 内山佳菜子)

バレーボール部 仲間への思いやり

白衣式の総代をつとめて

最前列向かって右から4番目が重松さん

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 本年度、9月に全国の医療系学生を対象に院内外傷ワークショップを2日間に渡って本学において開催しました。ワークショップとは、あるテーマについてシミュレーション学習形式を用いて学ぶ勉強会の事を指します。院内外傷ワークショップは、外傷診療、すなわち怪我をして病院に運ばれてきた患者様をどう診療していくかをテーマとした勉強会です。 学生自身の手によって、運営・テキスト作成・シナリオ作成・講義・インストラクションを行いました。運営は本学のHeartSaver(BLS普及を目的とする医療サークル)に所属する学生と、名古屋市立大学、信州大学、3大学の学生によって取り行いました。 ワークショップには、北は北海道、南は九州から23大学、6学部、総勢84名の全国の医療系学生が参加しました。全国の医療系学生が、目の前の外傷患者様を助けるために真剣に学ぶ、とても熱気に満ちた2日間となりました。 また、ワークショップを開催するにあたり、医療従事者

ではない学生が医学知識を教えるにあたり細心の注意を払うため、本学の救急総合内科教授岩田充永先生に監修をしていただきました。この場を借りまして御礼を申し上げたいと思います。

 私が白衣式で岩田医学部長に宣誓をしてから一年以上が経ちました。私の参加型臨床実習は、循環器内科から始まり、星野直樹先生のご指導のもとで大動脈弁狭窄症の患者さんを受け持ちました。毎日回診に行って、患者さんのお話や身体診察で得た情報をカルテに記載し、患者さんの問題をアセスメントする毎日でした。座学では生の心雑音を

聞くことができないため、貴重な体験ができました。血液内科の実習では、稲熊容子先生のご指導のもとで、白血病の患者さんを受け持ちました。好中球が減少し、敗血症になった患者さんの血液から培養された菌を、質量分析装置で瞬時に同定したときの感動は忘れられません。学外実習では、半田市立半田病院、守山総合心療病院へ行かせていただきました。この実習では、他大学の先生とお話する機会が多く、大学病院とは違った雰囲気で実習することができました。臨床実習で知ったことや学んだことを生かして、Research�mindを持った医師になれるよう精進していきたいです。

 アセンブリⅢでは、本学医学部3年生、医療科学部3年生または4年生、名城大学薬学部5年生、日本福祉大学社会福祉学部4年生の合計583名の学生が、多学科混成の98チーム(5〜6名/1チーム)に分かれ、「認知症の方とご家族が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるためには」というテーマについて話し合いました。活動3日目最終日の発表会では、98チームから選ばれた11チームが成果を発表しました。

 アセンブリⅢでは、他学部の学生とともに認知症について話し合い、医学部を代表して発表しました。学部ごとの多種多様な医学知識や考えを互いに分かち合い、有意義な時間を過ごしました。 医学部3学年はまだまだ机上の学びが多く、患者さんと触れ合う機会が少なく、他学部の方の具体的な医療方針や患者さんに対する熱い思いに圧倒される場面もありました。 患者さんや他の専門職から何を求められているのかをしっかりと考えながら、臨床実習に向け、日頃の学習に邁進したいと思いました。

5学年 水野 泰昭

5学年 吉田 淳平

アセンブリ教育センター長 大槻 眞嗣 3学年 勅使河原 眞子

学生による院内外傷ワークショップについて

臨床実習体験記

アセンブリⅢについて

最前列向かって左側が水野さん

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 名古屋掖済会病院での臨床研修を始めて、もう直ぐ一年が経とうとしています。右も左もわからないまま研修が始まり、試行錯誤でただひたすらに突き進んできましたが、その状態は今も変わらず続いています。一つ課題を克服したと思うと、また直ぐに新たな壁にぶつかる毎日ですが、充実した毎日でもあります。 名古屋掖済会病院は救急医療に力をいれており、日々の当直で求められるレベルは非常に高く、軽症から重症まで手際よく・正確な初期対応を行うことが求められます。責任も重いですが、適宜救急科・内科・外科の上級医がフォローしてくださり、安心して診療に当たることができます。 病院見学を始めた頃は、どのようにして病院を決めたら良いのか非常に悩みました。そんな私が実際に研修を始めて感じたことは、すべてが揃っている病院はなく、それぞれの病院の特徴があるということ。しかし、どこの病院で

研修しても結局は自分次第であるということです。自分が動く姿勢を見せれば、どんなことでも学べるのが臨床研修だと思います。まだ、研修病院を悩んでいる方はたくさんいらっしゃると思います。みなさんが自身で納得した病院を見つけられること願っております。

 大学病院での研修医としての生活が始まり、日々、前に前にと進む生活が続いています。今では研修医としての生活にも慣れてはきましたが、カルテの使い方も分からなかった4月当初は色々と苦労しました。藤田保健衛生大学での卒後臨床研修の利点の1つは、そんな中で相談できる人、支えてくれる人が多いということです。一緒に研修を始めた友達・知

っている先輩方・先生方が多いので、気軽に相談できたり、指導を受けたりすることができます。研修が始まってから色々な人に助けられ支えられ、今の私がいます。 研修生活はとても充実しています。大学病院の利点とし

て、専門科も多く、各科で最先端の医療を学ぶことができ、同時に市民病院の一角として多くの一般的な疾患も学ぶ事ができます。単純に症例数の多さも魅力であり、診れば診ただけ経験となって積み重なっていきます。また自分が経験した症例だけでなく、各科・研修医の間で行われる勉強会も多く、自分の都合に合わせて必要な勉強を進めていくことができます。自分に足りないところを補い、あるいは新しいことを取り込み、広く広く学びながら、また専門性の高い情報を取り入れて日々の診療に役立てています。 毎日は慌ただしく過ぎていきますが、研修生活自体は楽しいものです。藤田保健衛生大学ならではの研修生活を楽しんでみてはいかがでしょうか。

藤田保健衛生大学病院 研修医1年 堀内 雅人

卒後臨床研修名古屋掖済会病院 研修医1年 石原 典子

最前列向かって右から2番目が石原さん

学 事 日 程3月31日(土) ガイダンス� (2〜4年) 7月26日(木) 夏季休業開始 〜9月4日(火)� (6年)4月2日(月) 講義開始� (2〜4年) 8月1日(水) 夏季休業開始 〜8月21日(火)� (5年)4日(水) ガイダンス 〜6日(金)� (1年) 夏季休業開始 〜8月31日(金)� (1〜3年)8日(日) 入学式 22日(水) 共用試験医学系CBT� (4年)9日(月) 講義開始� (1年) 9月1日(土) 共用試験医学系OSCE� (4年)

選択制臨床実習 〜6月2日(土)� (6年) 3日(月) 定期試験開始� (1〜3年)13日(金) 新入生学外オリエンテーション〜 14日(土)�(1年) 5日(水) 第1回卒業試験 〜6日(木)� (6年)

休講 〜 14日(土)� (2・3年) 10日(月) 講義開始� (6年)5月31日(木) 解剖体慰霊法要� (3年) 27日(木) 進級判定� (4年)6月4日(月) ガイダンス� (6年) 10月1日(月) 講義開始� (1〜3年)5日(火) 講義開始� (6年) 4日(木) 第49回藤田学園医学会 〜5日(金)23日(土) 父母の会総会・懇親会(ウエスティングナゴヤキャッスル 17:00〜) 5日(金) 臨床実習準備講義 〜 13日(土)� (4年)

7月5日(木) 定期試験開始� (4年) 7日(日) 白衣式� (4年)7日(土) Post-CC�OSCE � (6年) 18日(木) 第1回総合試験� (5年)

※学事日程は予告なく変更する場合がございます。ご了承ください。� (平成30年1月現在)

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先輩訪問

―���先生の現在に至るご略歴を教えてください

 名古屋市出身で1973年生まれの44歳です。藤田保健衛生大学医学部の22回生です。卒業と同時にすぐに眼科医局に入局し、藤田での初期研修生活が始まりました。当時は今と研修医制度が異なっており、6年生の国家試験の受験前の時点で入局先を決めるのが一般的で、半分以上の学生は藤田の医局に入局し研修を行っていました。入局後、二年間の研修医を修了し、大学院で博士号を取得した後は眼科学教室の教員としてずっと大学病院で勤務していたので、2016年に退職するまで学生時代も含めて24年間藤田にお世話になっていた事になります。退職して3ヶ月後の2017年3月に現在のいがや眼科クリニックを開院しました。この1年は初めての事ばかりでしたが、充実した毎日を過ごしています。

 先生にも同級生にも部活(ソフトテニス部)の仲間にも恵まれていたと思います。部活では東海医歯薬大会や西医体などの大会を通じて先輩後輩や他学部のコメディカルの人たちとの繋がりが出来ました。同級生ともよく遊び、飲みに行ったり、北海道に一週間車で旅行したりと楽しい思い出をたくさん作る事ができました。現在でも同級生以外にも学生時代の先輩や後輩やコメディカルの人たちと時々連絡をとる事があります。また大学での同級生というのは全員が国家試験合格という共通の大目標があり苦楽も共にするため、仲間意識も自然と強くなります。その中で生まれた友情も一段と強くなるので大学時代の仲間は是非大切にしてください。

 生活の面では時間の使い方が大きく変わり、とても規則正しくなりました(笑)。 一般的によく言われる事ですが、勤務医の時にはあたり前であった当直が無くなり、緊急での呼び出しや学会用のデータ集めなどで帰宅が遅くなる事も無くなりました。今

では家族と過ごす時間が多くとれるようになりました。仕事の面では講義や学会発表の機会が無くなった分、患者さんと向き合う時間が長くなりました。ただ勤務医の時にしか出来ない経験もたくさんあり、現在の知識や技術はその経験から得られたものですので、とても意義のある期間だったと思います。

 昔からずっと言われていたのは愛知県、特に三河地方で「藤田学園の先生はみんな優しくて親切」という評判です。開業した今でも藤田に紹介した患者さんが大学病院から帰ってくるとみなさんとても満足しておられます。私自身が藤田出身だから安心して通院できると言ってくださる患者さんも多数おられます。そういう意味でも藤田出身でよかったと思います。

 私の学生時代は何科の医師になるかもはっきり決めていませんでした。医師になった時にも19年後にこのように開業医として生活している姿など全く想像していませんでした。キャリアをしっかり積んでそれなりの病院の部長クラスになれればいいなあとぼんやり考えていたくらいです。20年先の目標が見つけられるのはとてもすばらしい事ですが、目標が見つけられなくても何も心配する必要はないと思います。目の前のやるべき事に対して全力を出す。その繰り返しをしていればやりたい事は自然と見つかると思います。学生の時は目の前の試験に合格する。卒業試験、国家試験に合格する。医師になったら目の前の患者さんの治療に全力を尽くす。その繰り返しで今まで充実した医師の生活を送る事ができました。「少子高齢化」や「社会保障費の高騰」など、これからもますます厳しい時代になりますが、後輩のみなさん「名医ではなく良医を目指してください」。これは私が学生時代に先生から言われた心にのこった言葉です。

―�学生時代の思い出についてお聞かせください

―���勤務医から開業医に変わられて生活にどのような変化がありましたか

―���開業医の立場から見た、藤田保健衛生大学(母校)の評価はいかがですか

―�最後に後輩へのメッセージをお願いします

今を大切に本校卒業生(22回生)のいがや眼科クリニック院長 中村 彰先生の下で、臨床実習を行った4年生の吉野 有美子さんがお話をうかがいました。

前列、左から3人目が吉野さん、4人目が中村先生

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