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PSYCH

牌。旨い

ATRY対談慧脱施設化か、再施設化か?

回精神科病棟転換型居住系施設をめぐって

長谷川利夫×古屋龍太

灘慧亨窯謹謹蕊

驚鎮

「平等」という考えを根底から覆す病棟転換長谷川利夫

精神科病棟転換型居住系施設構想は誰のための施策なのか?大塚淳子

「精神病棟転換型施設」を現実的選択としてしまう欺臓伊津雄一

郡部の福祉事業所から見たく地域移行の現実〉塵マスコミから変えて行こう!!精神障害者の居住空間を地域に創ることは可能である!!木 村潔

病床転換型居住系施設私の考える問題点上野秀樹

地域生活の権利を奪う精神科病棟転換型居住系施設増田一世

脱施設化か、〃再施設化か2

占ノト、、

障害者差別禁止法制から見た精神科病棟転換型居住系施設の問題点

no・魚は水に、人は人の間に

当事者として検討会に参加して

精神科病棟転換型居住系施識……精相

総論雲精神科病棟転換型居住系施設構想をめぐる争点

回[国冒‐冒胃冒昌o冒房ョを超えて

古屋龍太

fー

特集

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に鳩築|精神科病棟転換型居住系施設の争点一脱施設化か、再施設化か?

譲鰯総震臓魯甲

上野秀樹

I●はじめに

4

社会識I法人ロザリオの寵録会I雛撫黙内閣府障害者政策要員会委員I;

私は、11本の淵神科・医療の問題点は以下の2点に集約されるものと考えている。

。民間精神科病床が多すぎること

・精神保健柵祉法が、精神障涛者の自立支援、、己決定支援の法律ではなく、強制的入

院咲娠、行動制限の合法化のための法律であること

今!i~11の病床転換)W1居住系施設の問題は、上記の精神科医療の問題点がからみあったも

のである。

2,過剰な民間精神科病床の吸引力

日本は、精神障審背の入院施設の整備が急務とされた昭和30年代、「財政難」を理由

としてlIil公立の精IlI科病床をつくらず、民間の精神科病床をつくる政策をとった。現在、

日本には'1t界の精神科病床185万床の約2割にあたる34万床の精神科病床が存在し、そ

の9割が民間病院の病床となっている。

精神障欝に対する社会の意識の変化と統合失調症をr''心とする梢神疾患の治療技術の

進歩で、桁神科病院に入院する必要のある精神障害者は減少している。精神科・病床の必

喫性は減少しているのに、’1本ではWi榊科病床を減らすことができない状態が続いてい

る。民間111業肯はその保有する設備を最大限利川しないとその経営を維持できないから

だ。そして、過剰な民間精神科病床が存在していることによる社会的楓失はあまりにも

065● PSVCHN鳳了歴Y

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露病床帖換型居催系施設私の碁える問題点

大きい。

過剰な民間精神科病床は強力な吸引力を発揮する。「地域にとって困った存在」を強力

に引き寄せ、入院させてしまうことでその存在を'1の前から消し去ってしまうのだ。問

題がすぐに解決してしまうので、地域で対人的支援を行っている人にとっては大変に便

利な施設である。しかし利川したことによる剛作川はきわめてノ<きく、「[たすれば地

域で支えることが出来る人」がみな精神科病棟に吸い込まれてしまうことになる。地域

で対人支援を行っている人々が支援方法を」:火する必要がなくなるので、多様な人を地

域で支える仕組みが全く育たないのである。

雄近、某地方都市の認知症初期集中支援チームの話を聞く機会があり、このことを強

く感じている。

たとえば、こんなケースがあった認知症の90歳の睡親を60代後半の娘さんがひと

りで介護していたケースで、娘さんが急性の心筋梗塞で入院することになった。iii身'上

活が難しい隙親にはほとんど精神症状がなかったのに、なんと認知症疾患咲療センター

の民間精神科病院に入院させて、初期チーム支援終了11などという報告が行われたの

である。‐I二夫すれば、地域の介護施設でショートステイをつなげたり、行政機関の計ら

い一つで老人福祉法この措州i1度が使えたかも知れないケースである。

また、軽度の夜間せん妄状態、幻視のある70歳の女性を地域包括支援センターが認

知症疾患医捺センターである民間粘神科瓶院に人院させる|I的で受診支援をしてきた。

私が診察すると、糖神科病院への入院を必要とする精神症状は全くなかったので、人院

を断ったところ、ずいぶんと困った様子であった。しかし、そのHのうちに地域の小規

模多機能を利用して地域生活が継続できることになったのである。

「地域に受けlⅢがないから、病院で人院継続をしている」などとi〔帳する人々がいる。

しかし、それには大きなウソが含まれている。以下、千葉県で精神障害者のための支援

活動をしている木村潔さんの文章を引用しよう。

千蛭県で地域にグループホーム(以ドGH)等の「受け皿」がないから退院させら

れないと、摘院側は大合唱しています。千難県の例でIすいますと、旭IlIの旭中央病

院が彼極的に地域移行を行って遠心力を発揮すれば、ロザリオの聖母会等を中心に

福祉が動いて、精神障樗者を地域で支える為のGH等の社会盗源が、地域の側に

上野秀樹 ●067

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続々と創出されます,

逆に精神病院が強ノJな求心ノJを発揮して、州い込んで地域移行苫を川さなければ、

退院させなければ、良い間閉じ込めておけば、地域の側にある彼等を支える為の社

会資源が削られて行く芽が、摘み取られてしまうことになります。芽生え始めた医

療と僻'|:の連挽の芽も、摘み取られて枯れ果てて行きます。

支援静が地域にGHを創っても、毎度ガラガラです。雌か4~ラ部膿のGHを苫

労して1棟ずつ建てて行っても、1棟が7~8割方塞がるのに1年以止も掛るという

この''1の現実は、何を示しているのでしょうか。

梢神障吉背への肺兄を抱いている地域住民による反対.通勤があるので、GH等の

社会資源ができない11のではないのです。支援荷が本気になって地域に社会資源を

創出しようとすれば、地域住民に叩解して戯けることは各地で輔[されています。

深い想いは必ず伝わります.人は誰でも、心の奥深くに血や涙をもっています。

多くの地域で住宅は余っています。しかも今後は続々余り続けます。病院が出さ

ないから、社会黄源が地域になかなかできないのです。まるでブラックホールのよ

うな精神病院の|人I向きの求心ノjは、精神|端I淵に対する祉会の偏兄までをも大いに

逆利用して、「反対運動があるので地域にGHを建てられないから、退院させたくて

もさせられない」と叫び統けています。

昏様方もお砦えください。本、11にそうなのでしょうか…。

マスコミも鵜拝みにして、病院による偏見の逆利用に気づいていないようです。

私どもは年内に史にラ室を新設し、計7棟で9室分の空室を地域の側に用意すべ

く鋭恵動いております。GHの滞婆の創出を抑えてしまっているのは、地域で凄ま

じい吸引ノ]を発揮し続けている病院の側なのです。病院は社会の偏見を言い出す前

に、今すぐにでも為すべきことがあるはずです。

特定非街利 活 動 法 人 ス ペ ー ス ぴ あ 木 村 潔

結局、民間精神科・病床が過剰に存在しすぎているために地域ノJが育たず、いつまでた

っても精神陣‘i』渚を地域で支えられない状態がつくられてしまっているのだ。さらに、

この精神科病院の強力な吸引力のために、私たちは泌通に'k活していると桁神障誓淵と

接する機会が嫌われてしまい、lIil民全体の精神|噸1fに関する蝿解も深まらない。過剰な

民間精神科病床のために、大きな社会的損失が'kじているのである。

社会的ニーズがすでに失われているにもかかわらず、民間撫堆背の設備であるがゆえ

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に、「つくりす‐‐‐‐‐_‘..…,,,,,,』,,、-,』,シ』!.』,,』.,..,_,告v,ノノJ吋逢〃望1,,L,P‘I‘‘で了司

りi:者を中心に大きな反対論を巻きおこしては、消えてしまうということを繰り返してい

る。平成18年の退院支援施設、平成24年の介護精神W姥人保健施設の創設の提唱、そ

して今回のりIjj床転換卿計住系施設の|H他である。

なぜ、「つくりすぎてしまった民間精神科病床を有効利用する」という方策がまずいの

だろうか。ここで問題となるのが精神保健福祉法である。

露痛床転換蛾瞬住系施設私の考える問題点

3@精神保健福祉法の問題

精神保健禍祉法には深刻な問題点がある。法律の名前は変わったものの、精神障群者

の社会からの隔離・収容を目的とした明治33年の精神病者監護法の立法趣旨を引き継

いでいるのだ.

私たち緒神科医は、精神保他縞祉法に則って|ク《療を捉供するように訓練される。そし

て、精神保健指定医の資格を持つと強制的な入院の決定や入院中の行動制限の指示が出

せるようになる。桁神保健指定医は、う年間以kの臨床経験(うち3年以上の精神科臨

床経験)を持つ医師が所定の識習を受講し、8例の症例レポートを提出し合格すると厚

生労働大臣から与えられる資格である。

8例の症例レポートの採点ポイントは、精神保健福祉法に定められた強制入院制度や

行動制限の制度に関してきちんと理解しているかどうか、である。

そして、現実の医療現場では、精神保健福祉法は主に強制的な精神科人院と行動制限

を正111化するための根拠として使われているのである。

おそろしいことに、桁神保他福祉法に則って咲療を提供していると、知らず知らずの

うちに

・精神障害者は向分たちとは「違う」人々である

→粘神障需者が慢性期閉鎖病棟のひどい蝋境で生活していてもおかしいとは思わない

。精神障害者は自己決定する能力に欠けているので、こちらから生活上の指示を出して

従わせるのが、イ;I呼にとっても望ましい

などという意識を自然に持つようになる。

笑は精神科脹療の呼門家達が、精神障宵省に対してきわめて強い偏見を持っているの

である。もちろん|‘l覚はほとんどない。

●069上野秀樹

巳一一

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ピラミッド型の権力構造を持った組織では、人権侵密が起こりやすい傾向がある。多

くの精神科病棟は閉鎖病棟であり、密室で、医師を頂点としたピラミッド型の権力構造

になっている。

精神科病棟は、そこに入院している人にとってだけではなく、働いているスタッフに

も恐ろしいところである。精神保健福祉法に定められた手続きを踏めば、合法的に入院

患者の人権制限が可能になっている。医帥だけではなく、働いているスタッフすべてに、

入院している患昔の人権を制限することの|H1題意識が術薄で、法に定められた手続きを

踏めば、許されると砦えている。数々の不祥事で、行動制限の要件は厳しくなったが、

現場のスタッフに「行動制限を減らそう」という意識はなかなか生まれてはこない。「必

要があって行動制限をしている。それならば要件を満たして行動制限をできるようにし

よう。」と号えているのである。

病床蛎換型居住系施設の般大の問題点は、名前だけは居住系施設となっているものの

こうした精神科病棟が内包する人権侵害が起こりやすい傾向、いわゆる精神科病院の文

化をそのまま内包している点なのである。

「病院が近くにあると安心だから」と述べる人がいる。私たちが病棟で回診をすると

「先生、私だけは退院させないでください」と言ってくる人がいる。これは決して入院

'|畠活が好きで言っているわけではなく、腿期の入院生活で社会生活能ノJが奪われてしま

った結果なのである。私たちは誤った隔離・収容政策のもと、精神障嘗者に長期入院生

活を強要することでその社会生活能力を球い取り、精神科病院に依存しないと生活でき

ないようにしてしまったのだ。

4●精神科病床の削減に向けて

病床削減の方法としては、今11'1の病床転換咽居住系施設は最悪な方法である。なにし

ろ同じような、精神科医療状況にあるベルギーで、20年以上の社会実験の末に完全に失

敗に終わった政策だからである。

今Il11の病床転換型jI;住系施設の発想は、介護精神型老人保健施設の時と同じくベルギ

ーの1990年以降の精神科医療政策にある。

ベルギーには1K|民拷保険制度があり、糊''1科医療は則り蝋科精神科・病院がIl-I心で、精

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神科病床数が多く、、ド均圧院|I数が長いなど、’二1本と同じような特徴を持っている。日

本精神科病院協会(日精協)では、平成24年ラ月の将来ビジョン報告蒋の中でベルギー

の1990年改龍を成功例として紹介し、介誰精神卿老人保健施設の創設を砿張した。

11精協の将来ビジョン報告普をかいつまんでみると……

ベルギーでは1990年から、精神科病床削減をl-1的とした新型ナーシングホームPV~Ib

が創設された。病棟I砿換型のPTVUも認められ、杵及が進んだ。PTVuは病院敷地内で、

‐|口l限りの使用とされ、患者が亡くなればそのベッドは封印され、患者の利用率が下が

れば自然とその施設は閉鎖されることになっていた。PVnlは「入I-iを別に設ければ'11

じ敷地内でもよい……」等、規則が緩和され、病棟からの転換が容易であった……

などと今1111の病床転換型居住系施設ときわめてよく似た施設がつくられた。

しかし、このベルギーの1990年改革は残念ながら、少ない人手で大型の施設収容的

環境のまま長期入院患者を囲うことになってしまい、失敗に終わった。そこで、その反

省を踏まえて、2011年から新たな本格的精神病床改革が始まったのである。

蕊病床転換型居住系施設私の考える問題点

今回の病床転換型居住系施設の問題を通して理解すべきなのは、私たちが提供してき

た粘神科医擁サービスが決して、'イ‘』{者の視点に立っていないということだ。、1判崎の視

点に立てば、病床転換型居住系施設を認めることはあり得ないと考えている。

[参考文献]

1.我々の描く粘神科医療の将来ビジョン、11本粘神科病院協会将来ビジョン戦略会識、ユ012.5

●071上野秀侭


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