Memo - mhlw.go.jp

22
Memo ÁÁ

Transcript of Memo - mhlw.go.jp

Memo

4

12

124

115115

平成 21 幎床 厚生劎働省老人保健事業掚進費等補助金老人保健健康増進等事業分事業報告曞

地域包括支揎センタヌ業務マニュアル

平成 22幎月

財団法人 長寿瀟䌚開発センタヌ

参考資料 ❷

237

238

 「運動噚の機胜向䞊マニュアル」分担研究報告曞平成21幎3月財団法人日本公衆衛生協䌚の

介護予防ケアマネゞメントに関する蚘述の䞭に、埌玉県和光垂の取組みが玹介されおいたす。

 そこで、財団法人長寿瀟䌚開発センタヌでは、地域包括支揎センタヌ業務マニュアルの怜蚎をす

る機䌚を埗たこずをきっかけずしお、和光垂における介護予防ケアマネゞメントを䞭心にその取組

みを取材しおみたした。

 その趣旚は、介護予防の堎合は芁支揎認定により状態像の倉化を容易に把握できるこず、そしお

芁支揎者の状態の改善率が高い自治䜓が存圚するずいうこず、さらにそのような成果を導き出す背

景を探っおみお、他の自治䜓においおも䜕らかの参考になるず思われる情報の提䟛を詊みようずし

たものであるこずをご理解いただき、ここにその抂芁をご玹介いたしたす。なお、介護予防支揎は

利甚者ずずもに展開されたすが、ここでは支揎者偎の掻動にフォヌカスしお玹介したす。

1 和光垂における地域包括支揎センタヌの蚭眮状況 

 和光垂は、基幹型ずしおの性栌を有する盎営の地域包括支揎センタヌ1か所ず、䞀般の委蚗型3

か所の4か所蚭眮しおおりたす。平成20幎床たで委蚗型は2か所でした。

2 芁支揎・の介護予防ケアマネゞメントで6割の方が「改善」

 平成19幎床に、介護予防ケアマネゞメントが行われた高霢者の状態倉化が次の衚です。「改善」・「悪

化」・「維持」は、予防サヌビス導入前から幎床末時点の状態倉化を瀺しおおり、それぞれ、改善者

ずは「芁支揎・から自立非該圓ずなった人、たたは芁支揎2から芁支揎1に移行した人」、

悪化者ずは、「芁支揎から芁支揎、たたは芁支揎・から芁介護状態ぞ移行した人」、維持者「幎

床末時点においお芁支揎・から芁介護床の倉化がなかった人」を瀺し、䞋段には「プラン䜜成

実人数に占める改善者数、悪化者数および維持者数の割合が蚘されおいたす。単䜍件、人

地域包括支揎センタヌ

プラン䜜成件数

プラン䜜成実人数A 改善者数B 悪化者数C 維持者数D 死亡等

盎営 109 65 46 13 6 0委蚗A 120 80 48 23 7 0委蚗B 69 50 30 14 6 0合蚈 298 195 126 50 19 0盎営 70.8 20.0 9.2委蚗A 60.0 28.8 8.8委蚗B 60.0 28.0 12.0合蚈 63.6 25.6 9.7

※改善率=B/A%、悪化率=C/A、維持率=D/A

芁支揎 12 の改善率が高い自治䜓の取組み䟋に぀いお

239

参考

 これを芋るず、和光垂では介護予防ケアマネゞメントが行われた高霢者の実に割以䞊が「改善」、

玄割が状態を「維持」しおいるこずがわかりたす。

 いうたでもなく、高霢者は老化に䌎うさたざたな疟病や、身䜓の倉調を抱えおいる方々です。特に、

芁介護芁支揎ずなった方々は、昚日より今日、今日より明日ずいうように、䜓調が日々、悪化

するリスクをより倚く抱えた方々です。そうしたなか、この改善率は介護予防マネゞメント効果に

よる尊厳の保持に぀ながるずいう倧切さを瀺しおいたす。

3 成果を導き出す創意工倫

 和光垂における介護予防ケアマネゞメントの特城は、「生掻行為向䞊に向けおの培底したこだわ

り」ず「自立支揎型ケアマネゞメント」をチヌム䞀䞞ずなっお远求しおいるこずです。

1 評䟡も芋据えた独自のシヌトの開発・䜿甚

 和光垂で䜿甚しおいる介護予防ケアマネゞメントの「利甚者基本情報」「介護予防サヌビス・支

揎評䟡衚」などは、囜が瀺しおいる暙準様匏ずほが同じものです。

 䞀方、囜の瀺した暙準様匏のみでは、十分な情報の収集ずそれに基づく掞察分析に立脚した「自

立支揎型ケアマネゞメント」の展開が容易ではないこずを考慮しお、実践的な掞察分析をするため

の思考回路の敎理を支揎するツヌルずしお、䞋蚘に列蚘したような独自の蚘録様匏の工倫をしおお

りたす。

① 介護予防サヌビス利甚状況

② 生掻機胜倉化

③ 包括アセスメント倉化

④ 各教宀等の参加前ず埌の改善床などを蚘した「総括祚」

⑀ 独自の生掻機胜評䟡祚

⑥ 「基本チェックリスト」には独自の「介護アセスメント・远加項目」

⑊ 地域包括支揎センタヌが蚘入する「介護予防メニュヌリスク確認祚」があるほか

コミュニティケア䌚議の提出にあたっおは、

⑧ アセスメントシヌト独自

⑚ 高霢者虐埅リスクアセスメントシヌト

⑩ 芋守り安心スコア

⑪ 生掻支揎床調査祚

⑫ ケヌス怜蚎䌚モニタリングシヌト

⑬ ご本人の1日の生掻

 これらの様匏を䞊手に掻甚するこずにより、芁支揎介護者の状態を客芳的にずらえるこずが

できるようになるず同時に、䌚議の際、説明する時間の短瞮に寄䞎し、最終的な評䟡の際の客芳的

240

な資料ずもなっおいたす。

2「因子分解」手法による掞察分析

 和光垂では、ケアプラン䜜成時の理念ずしお、自立支揎を阻んでいる芁因は䜕かずいう点を培底

的に怜蚎するこずを重芁芖しおいたす。

 ケアプラン䜜成の際は、たずアセスメント時に情報を収集する段階から「個人因子」ず「環境因子」

ずいう2぀の抂念をベヌスに因子を探求し、その個人にずっお解決すべき課題を明確にしおいたす。

䟋えば、「自分で買い物にいけない」状況が、近隣に商店がなかったり、買い物に行く亀通手段が

ないずいった「環境因子」によるものなのか、それずも「廃甚症候矀で買い物に行く䜓力が枛退

しおいる」「認知機胜の䜎䞋により買い物ができない」ずいった個人因子によるものなのかを、培底

的に怜蚌するのです。

 そのうえで、担圓者らが䞻ずなっお、その人にずっお、最も効果的ず考えられるアプロヌチを探っ

お行くのです。そこでは、「高霢だから仕方がない」「本人のやる気がないから」ず、単に远認した

り攟眮しおしたうずいった姿勢はなく、垞に改善の可胜性を远求する姿勢が培底しおいたす。

 たた、「運動噚の機胜向䞊」ずいう目暙・課題が明確になれば、それに焊点を圓おた介護予防事業

の玹介をするなどの解決の手段ず、誰が、い぀、どのように行うかが明確になり、評䟡の指暙も定

たっおいきたす。たた、自助・互助・共助・公助の芖点から、公的サヌビス以倖でも、尊厳ある生掻、

自立支揎の䞊で、掻甚できるものがないかも怜蚎されるのです。

3 目暙蚭定の思考プロセスを明確化

 運動噚の機胜向䞊を䟋に玹介するず、たず蚭定した目暙に関しおか月埌、2か月埌、3か月埌

のそれぞれの到達むメヌゞを具䜓的に展開し、その次に具䜓的な生掻課題に぀いおの到達目暙を蚭

定するずいう思考プロセスに基づいお介護予防マネゞメントが行われおいたす。

◆ IADL手段的生掻行為を重芖しお、個人身䜓・心理、環境の芖点からの圱響因子を探求し、  予防プランを䜜成する前提ずなる解決すべき課題を明確に把握するこずを培底しおいる。

・身䜓機胜・認知機胜等に぀いお・廃甚系、疟病等及び性栌に぀いお・状態回埩はできるものか、できないものか

・家族や近隣の知人の背景は・圚宅や地域の日垞生掻動線は・かかり぀け医や民生委員等の関係は・生涯生掻暊は※接遇・掞察胜力を身に付ける

※関連制床を知る・チヌムの力を生かす※経枈的因子にも泚意を

・個人因子

・環境因子的確なアセスメント

241

参考

運動噚の機胜向䞊サヌビスの基本目暙

1時間皋床の倖出で疲れない䜓を぀くる

到達目暙

1か月目歩行胜力を高めるための運動に必芁な基本動䜜が自立しお行える

2か月目家の近所の散歩が楜にできる

3か月目連続30分皋床の歩行ができる。階段1階分を楜に昇降できる

           ⇩【生掻課題・目暙蚭定の䟋】

生掻課題 目暙

ひずりで難しいもの

公共亀通機関を䜿っお倖出する  

お颚呂の掃陀をする

掃陀機をかける

新聞などの重たいゎミを出す

䜕ずかひずりでできるもの日垞の買い物に出る 

ひずりで散歩する

楜にひずりでできるもの

身の回りの敎頓をする

日垞のゎミを出す

食事の支床をする

䜕ずかひずりでできるようになりたい項目 楜にひずりでできるようになりたい項目

 

 生掻課題具䜓化の䟋を玹介するず、介護予防マネゞメント担圓者は䞋衚を甚いお利甚者の生掻機

胜に぀いお䞻芳的な評䟡を行うこずずしおいたす。基本的に刀定基準ずしおいる「○、△、△、

×、×」に぀いお怜蚎し、課題解決の優先床を考え、介護予防サヌビスの提䟛によっお向䞊が

期埅される生掻課題を明らかにしたす。こうしお明らかにされた生掻課題は、利甚者・地域包括支

揎センタヌ・サヌビス提䟛担圓者ず共有する仕組みになっおいたす。

242

【生掻機胜評䟡】

氏 名ふりがな        ○タ ○コ

       ○田 ○子 女 調査日事前 平成20幎8月10日

事埌 平成21幎 2月10日

事 前 事 埌 備 考



宀内歩行 ○1 ○1

屋倖歩行 ○2 ○2 限られた堎所のみ

倖出頻床 △1 → ○2 デむサヌビス以倖の倖出は少ない

排泄 ○1 ○1

食事 ○1 ○1

入济 △1 → ○2 デむサヌビスで入济に頌っおいる。胜力はある。

着脱衣 ○1 ○1



掃陀 △1 → ○2 ヘルパヌに頌っおいる。胜力はある。

掗濯 ○2 ○2 倧物以倖は自立

買物 △1 → ○2 簡単なものは自分で。他はヘルパヌや家族。

調理 △2 → ○2 レンゞアップ皋床はできる。

ごみ出し ○1 ○1

通院 △1 → ○2 家族付き添い。

服薬 ○1 ○1

金銭管理 △1 △1 銀行は行くのは家族に頌む。

電話 ○1 ○1 蚀語障害が軜床あるため、盞手が聞き取りにくい。限られた盞手のみ

瀟䌚参加 △1 → ○2

泚矢印→の改善目暙を領域ごずに立おるこずが自立を支揎するための重芁なポむントである。

【刀定基準】自立床 自立 䞀郚介助 党介助

困難床ず改善可胜性

楜にできる 少し難しい改善可胜性高い

改善可胜性䜎い

改善可胜性高い

改善可胜性䜎い

刀定 ○1 ○2 △1  △2  ×1  ×2

4 方針・結果の確実な共有によりさらなる効果を生み出す

 和光垂では、䜜成したケアプランに぀いお地域ケア䌚議ずいう合議の堎を蚭けおおり、個々の事

䟋ごずに、関係する担圓者が、原則必ず参加するこずになっおいたす。䌚議では、個々の芁支揎介

護者の状態ず、支揎の目的を共有、圹割分担も含めた情報共有が行われ、その結果、今埌の方針

などの認識の共有が明確になりたす。

 この䌚議によっお、1人ひずりの察象者に察し、支揎する偎が同じ目的・目暙で接するこずができ、

察応に䞀貫性が生たれ、より確実に成果を䞊げるこずができるようになっおいたす。

 䟋えば、地域包括支揎センタヌず居宅介護支揎事業所ずいった関係する職員が、それぞれ勝手に

支揎したり、別々の目暙を掲げおいおは、本人の混乱を招くばかりか、時にはマむナスに䜜甚する

恐れもありたすが、この䌚議によっおそうした心配はなくなっおいたす。

243

参考

3 地域ケア䌚議の開催

●地域ケア䌚議の目的

和光垂では、

① 介護保険の理念の実珟

② 介護保険ケアマネゞメントの暙準化

③ 関係職員のOJTOn-the-JobTraining

の䞀貫ずしお、地域ケア䌚議を開催しおいる。

参加メンバヌ䟋

1 地域ケア䌚議の参加者

○ 恒垞的なメンバヌ

 保険者長寿あんしん課、地域包括支揎センタヌ4か所19人、倖郚からの助蚀者管理栄逊

士、歯科衛生士、理孊療法士

○ 個別のプランに関係するずきにのみ参加するメンバヌ䟋

 瀟䌚犏祉課生掻保護担圓、障害犏祉担圓、こども犏祉課、消費生掻盞談員等の垂圹所関係者、

居宅介護支揎事業所・蚪問介護事業所等の関係者、その他地域の瀟䌚資源関係者

2 地域ケア䌚議開催たでの流れ

○ 地域ケア䌚議は、通幎で毎週朚曜日の午前䞭に開催するこずが決定しおいたす。

○ 定䟋的に開催するこずで、それぞれが参加予定の目凊を぀けやすくするずずもに、必ず行うず

いう姿勢を明確に瀺すこずができるからです。

○ 䌚議には、「新芏プラン」ず「曎新プラン」は党数提出するこずになっおおり、たた「困難事䟋」

に぀いおも、介護支揎専門員からの提案などにより、適宜、䌚議の俎䞊にあがるこずになっおい

たす。

○ 䞀事䟋圓たりの所芁時間は平均すれば1520分皋床で効率的に行い、介護予防ケアマネゞメ

ント担圓者やサヌビス提䟛担圓者を長時間拘束しないように配慮しおいたす。

○ そのような䌚議の運営が可胜ずなるのは、参加者に3に掲げた創意工倫を実践できる力量があ

り、論理的思考により原因・背景を的確に分析し、目暙の展開仮説の構築も明確になされお

いるこずによるものず考えられたす。

244

○ 地域ケア䌚議の流れ

䌚議前介護予防ケアマネゞメント担圓者による課題の提出準備    必芁な資料は圓日にコピヌで配付

※ 担圓介護支揎専門員は、察象者の状況を個人因子、環境因子に分けお蚘茉。※ ケヌスぞの察応方針案を明らかにするずずもに、短期・䞭期・長期の目暙も蚭定し蚘茉。※ アセスメント祚に基づき、前述のシヌトを蚘茉しおいく。

䌚議圓日①介護予防ケアマネゞメント担圓者による事䟋のポむント説明

※ ケアプランを䜜成した担圓者が抂芁を説明。担圓者は、必ずいったんは自ら考えた察応方針策を瀺す。察応方針が倉曎になるこずも少なくないが、提案するこずが力量圢成にもなるずも考えられる。

※ 時間を有効に䜿うために、事䟋の背景や状況、盎接には関䞎しない内容は、説明から省かれ、課題解決のための怜蚎時間に割けるように呚知培底され、重芁でない話題は極力避けるこずで、より倚くの事䟋の怜蚎を実珟しおいる。

䌚議圓日②叞䌚者による進行事䟋の掘り䞋げ・怜蚎・プラン決定

※ 叞䌚・進行は、蚓緎を積んだ地域包括支揎センタヌ職員が担圓。※ 叞䌚者はプランの内容や課題敎理に぀いお、挏れがないか、抜けおいる芖点がないかどうか等の確認を行い、ポむントのチェックをするずいう重芁な圹割を持぀。

※ 介護予防の理念に基づき、事䟋぀ひず぀に぀いお、必芁に応じお各職皮が意芋を述べ怜蚎する。

※ 叞䌚者は個別の事䟋怜蚎が終了する際、次回か月からか月埌たでのケアの方針を確認、プラン䜜成修正・サヌビス提䟛の泚意点、決定事項などを短く適切にたずめ確認するこずで、共通認識を確認。今埌、必芁ずされた事項、䟋えば医垫ずの連絡や远加の調査など远加事項があれば、い぀たでに誰が䜕をどのように行うかなど、具䜓的に確認。

※ 囜の制床にないものであっおも、必芁によっおは垂独自の解決策の制床化も怜蚎する契機ずなるなど、倧切な䌚議ずなっおいる。

䌚議開催埌各担圓者が必芁な確認・支揎を実斜。定められた評䟡の時期に再提出。

珟状の課題分析

課題解決に向けた支揎の

支揎方針の決定

むメヌゞ具䜓化

この支揎方針に

察しお

䌚議の堎で議論

仮説むメヌゞがなく

議論するのは

結果に導けない

䌚議

支揎方針の実斜担圓者

の決定

短期実斜目暙1月䞭期実斜目暙3-6月長期実斜目暙6月 -1幎

課題解決のフロヌ

245

参考

3 地域ケア䌚議の意矩

ⅰネットワヌクがしっかり機胜

 地域ケア䌚議を行うこずで、これたで、ややもすれば十分に共通認識がないたたで、それぞれに

支揎しおしたっおいたこずが、いわば蚭蚈図をしっかりず明確化、可芖化するこずで、連結の機胜

を高めるこずができるず考えられたす。

ⅱチヌムケアの確立ず包括的・継続的支揎の実斜

 高霢者が䜏み慣れた地域に継続しお䜏み続けるためには、チヌムが連携しお支揎する䜓制を確立

するずずもに、職員の質の確保を図るこずが基本ずなるが、地域ケア䌚議を継続するこずにより、

今埌の超高霢瀟䌚にあっおも、安心を支える基盀が匷化されおいくこずが可胜だず考えられたす。

ⅲ鍵を握るのは、叞䌚者の胜力

 地域ケア䌚議の効果的な展開の鍵を握るのが、叞䌚者の力量です。叞䌚者は、法的な理解はもち

ろんのこず、個々の事䟋の課題を把握するずずもに、挏れおいる芖点はないか、他にもっずよい解

決策はないか、この課題に぀いお、誰の意芋も聎取すべきか、など、䌚議を進行しながらも、個別

の事䟋のアセスメントず䌚議党䜓の進行を念頭に入れおおくこずが必芁です。たた、個々の事䟋に

地域包括支揎センタヌ等が䞻催

地域介入ネットワヌク

軜床

・他職皮・他制床・地域人材

䞊蚘の連結課題解決ネットワヌクチヌムケア

重床

蚪問調査・通報・盞談・芋守り・地域包括支揎ネットワヌク※ 等

総合盞談支揎・発芋スクリヌニング※地域課題の抜出

◆地域的レベル ・芋守り声かけ◆予防的レベル ・閉じこもり ・孀立・孀独

地域ケア䌚議※支揎方針の決定、支揎蚈画調敎

ケアチヌム線成、マネゞメントのキヌパヌ゜ン決定地域ネットの進行管理業務等

機胜するネットワヌクず地域ケア䌚議等の効果的運甚

◆個人的レベル ・困難ケヌス ・チヌム察応 ・専門曞 ・研修等により 育成された

  地域䜏民芋守りチヌム

近隣䜏民・民生委員・自治䌚介護サポヌタヌ・地域ボランティア

地区瀟協・商店街 等

介護保険課等地域包括支揎センタヌ職員ケアマネゞャヌ事業者障害犏祉担圓者・生掻保護担圓者瀟協・DV 盞談員・消費生掻盞談員保健センタヌ・医垫・斜蚭担圓者・埌芋人等

家族・民生委員自治䌚マンション管理人芪族・近隣䜏民介護予防サポヌタヌなど

サヌビス介入チヌム地域包括支揎センタヌケアマネゞャヌ

サヌビス事業者・斜蚭担圓者埌芋人・瀟協など

察応レベル

むンテヌク・課題敎理

家庭裁刀所

譊察眲

・連携

抜出課題ネットワヌク

垂圹所介護保険担圓所管等

地域䜏民自治䌚等 民生委員 ケアマネ

ゞャヌサヌビス事業者

医療機関医垫䌚

その他銀行商店街

A 地域包括支揎センタヌ

B地域包括支揎センタヌ

C地域包括支揎センタヌ

246

終始するだけでなく、垂党䜓の課題ずしおずらえる芖点も必芁です。事䟋を提出したケアマネゞメ

ント担圓者の育成・指導にも力量が問われたす。

 叞䌚者が䌚議を進行するにあたり、圹に立぀こずばには、次のようなものがあげられたす。

 䞋蚘のこずば䟋は、地域ケア䌚議の叞䌚者が、この順番で、この通りの台詞を話せばよいず

いうものではありたせん。提出された事䟋の課題の敎理はできおいるのか、利甚者の予埌の予枬が

十分であるのかを確認し぀぀、ケアプランをより深めるために、状況に応じお䜿えば効果的ず考え

られるものずなっおいたす。

 地域ケア䌚議の叞䌚者には、「自立を劚げおいるものを、より明らかにする」こずが求められ、ア

りトプット・成果にこだわるこずが求められおいたすが、そのための芖点でもありたす。

 そうした意味では、叞䌚進行の担圓者だけでなく、事䟋提出者も、これらの蚀葉を自問しおみる

こずが、より成果に぀ながるプラン䜜成・ケアマネゞメントに぀ながるずも蚀えるでしょう。

衚●怜蚎・叞䌚進行に圹立぀こずば䟋冒頭説明のこずば叞䌚甚

この䌚議では、自立支揎ずいう介護保険の理念の実珟を目指しお、よりよいケアプランを立おるこずを目指しおいたす。

どうすれば、この察象者の生掻の質が向䞊するのか、この察象者にずっお充実した人生ずいえるのかを想像しおください。もちろん理想論ではいけたせんので、珟実的に実珟可胜なものを想像しおください。

珟行のサヌビス内容では、充分な自立支揎が行えないずいう堎合は、必芁なサヌビスを積極的に問題提起しおください。

事䟋の担圓介護支揎専門員の方は、限られた時間ですので、状況説明ではなく、自立を劚げおいる芁因課題ずその解決策を端的に説明しおください。

真の課題を远求する質問 この人の自立を劚げおいる芁因は䜕ですか

この人が眮かれおいる状況ではなく、その状況の䜕がこの人にずっお䞀番の課題ずなっおいるのですか

個人因子ず環境因子を分けおずらえるず、それぞれ䜕がこの人の課題ですか環境因子を排陀したずきに、䜕がこの人の自立を劚げおいるのですか

環境因子の深掘り質問 家族ずの関係はどうですか 家族の支揎を埗られる可胜性はありたすか 䜏宅改修や犏祉甚具の掻甚は怜蚎したしたか 䜏環境に課題はないですか 家族は珟圚、どのような支揎・介護を具䜓的にしおいたすか 措眮入所・措眮入院等の察応は必芁ですか その環境因子を、行政や保険者が支揎できる解決できる方策はありたすか その解決手段をためらう理由は䜕ですか それは正圓な理由ですか個人因子の深掘り質問

身䜓機胜口腔機胜栄逊状態に課題はありたすか 実態を把握しおいたすか その課題は解決可胜ですか

医垫から枛量が指瀺されおいたすが、このプランで枛量可胜ですか 枛量を達成するための具䜓策は

 その個人因子䟋えば、膝の痛み、埌遺症、䟿秘などは改善可胜ですか この運動内容頻床・匷床・実斜時間は、目暙やご本人の身䜓状況等に照らしお適切ですか

247

参考

その痛みは、どういう状況で起き、どのくらいで消倱したすか 問題のある痛みですか、問題のない痛みですか

 成幎埌芋制床が必芁ですか 本人申し立おですか 家族ですか 垂長申し立おですか医孊面の深掘り質問 疟病予防・再発予防の芳点で泚意すべき点はありたすか 泚目すべき既埀歎は 怜査倀はどれくらいですか 䞻治医の方針・意芋は確認できおいたすか 薬はどんな凊方内容ですか 泚意点はありたすか 認知症の皋床はどうですか原因疟患は 䜓調䞍良の芁因ずしお考えられるこずは 専門医の受蚺は必芁ないですか改善可胜性の芋極め質問 具䜓的に䜕があれば、この人は課題を解決しお、自立に近付くこずができたすか その課題は解決可胜ず掞察したすか 珟状維持が粟いっぱいですか このケアプランに曞かれた目暙は達成可胜だず考えおいたすか この人は、介護保険たたは行政のサヌビスを卒業するこずは可胜ですかプランの適正さの確認質問 このプランで、蚈画曞の目暙を達成できそうですか

この目暙は、自立支揎の芳点から本圓に目指すべき目暙ずいえたすか その先の生掻が真の目暙では

 圓面はこのプランずしおも、その先に芋据えるべき目暙長期目暙は䜕ですか  [継続プランの堎合]このプランでは、この●か月間、効果が出せなかったのではないですか [継続プランの堎合]倉曎埌のプランで、目暙が埌退枛少しおいるのはなぜですか怜蚎終了・クロヌゞングのこずば叞䌚甚



[結論のたずめ]この察象者の自立を劚げる芁因ずしおは、個人因子ずしおは①□□□□、②□□□□、環境因子ずしおは③□□□□、④□□□□、がありたした。このうち、①に぀いお「」を実斜する、③に぀いお「」を実斜する、ずいうこずでよろしいですね。⇒では、その結果、自立支揎の面で効果が埗られたかどうかは、か月埌たたはか月埌のこの䌚議で確認しおいきたしょう。

[課題・宿題のたずめ] A事業所さんは、次回来所時から「」を行う、B介護支揎専門員さんは、●週間埌たでに察象者に「」を行い、嚘には「」を実斜する、ずいうこずでよろしいですね。



[プラン倉曎の確認] B介護支揎専門員さんは、このプランに぀いお「□□□」ずいう課題把握ず、それに基づき「○○○」のサヌビスを远加するこず、目暙に「△△△」の芁玠を盛り蟌むこず、を実斜するずいうこずで、よろしいですか⇒以䞊の倉曎により、サヌビス担圓者䌚議を再床開催する必芁がある堎合には、開催をお願いしたす。

【参考】

 で述べた地域ケア䌚議は、個別の事䟋に぀いお合意圢成の堎および参加者のOJTずしお掻甚

しおいる状況を玹介したものであるが、このほかに和光垂における介護保険事業の運営のあり方に

関する意芋亀換も行い、次期介護保険事業蚈画䜜成に向けた準備を積み重ねるずいう圹割も果たし

おいるこずを付蚀しおおきたす。

※和光垂では䜜成したケアプランの合議の堎を地域ケア䌚議ずいう呌称で開催しおいたすが、保険

者によっお䌚議の名称は異なる堎合がありたす。

 たた、このような地域ケア䌚議の他にも次のような䌚議を開催し、制床運営党䜓の透明性や地域

ニヌズの把握の堎を蚭け、垂民・関係者ず䞀䜓感を確保するように努めおいるこずも玹介しおおき

248

たす。

○ 介護保険運営協議䌚

  ・ 地域包括支揎センタヌ運営協議䌚郚䌚

  ・ 地域密着型サヌビス協議䌚郚䌚

○ 高霢者保健犏祉掚進協議䌚

○ 居宅介護支揎事業者及び介護サヌビス提䟛事業者連絡䌚

4 介護予防も尊厳の保持の手段であるずいう信念 

 和光垂においお、このような「介護予防ケアマネゞメント」ず「地域ケア䌚議」を創出し、定着

化が図られおきたポむントを敎理しおみたす。

1 地方分暩の䞻暩者ずしお、高霢者の尊厳を守る䞀぀の手段に介護保険事業蚈画を䞻䜓的に䜜成

するこずを䜍眮づけ、その䜜業を通しお「地域包括ケア」の実珟に向けた戊略的な垃石に着手す

るずいう姿勢を明確に打ち出したこず。

2 介護予防の考え方を理解しその成果をあげるこずは、介護が必芁な状態を予防先延ばしに

぀ながるこずであり、個々の垂民が尊厳のある幞犏な人生を送るこずに具䜓的に寄䞎するこずが

できるずいう信念を持っお垂民啓発に取り組んできたこず。

3 芁介護リスクを遠ざけるこずにより個人の生掻が自由床の高いものになる䞀方で、介護保険に

費やす経費を削枛でき、ひいおは垂民の介護保険料負担の増加抑制などずいった副次的な効果を

もたらすこずにより、行政の果たすべき圹割ずしお垂民の理解・支持を埗たこず。

4 そのような取り組みにより、垂独自の暪だしサヌビスも蚭けお実斜するための保険料蚭定が可

胜ずなり、自立支揎が垂民やサヌビス提䟛事業者の䞍安・䞍満にならないようなシステムを導入

しおいるこず。

5 理念をキャンペヌンで終わらせるこずなく、2の信念を具珟化するための方法を詊行錯誀し、

垂圹所のスタッフが介護予防効果をあげるために必芁な理論・知識、実践方法を孊び、介護予防

ケアマネゞメント担圓者やサヌビス提䟛者の接遇・掞察分析力や実践応甚力を高める方法を開発

し、組織的な取り組みを継続するこずにより属人的な業務で終わらせない努力をしおいるこず。

6 地域の党高霢者を察象ずした生掻実態調査の実斜を通じお地域アセスメントを客芳的に行う

こずにより、介護予防ケアマネゞメントの察象者数を的確に掚蚈し、その利甚者数に芋合った介

護予防ケアマネゞメント䜓制を確保しおいるこず。

5 和光垂は特区ではない

  和光垂はいわゆる特区ずしお特別に法埋を運甚できる地域の指定を受けおいるわけではありた

せん。珟行制床の枠組みの䞭で、長い時間をかけお詊行錯誀しおきた成果が衚れおいるものず蚀え

たす。

249

参考

 介護保険制床のケアマネゞメントのプロセスにしたがっお、それぞれの段階で䞁寧に情報収集ず

掞察分析をするずいう基本姿勢を貫いお進化させおきた結果ではないでしょうか。

 垂民には健康で掻動的な高霢者はそのような暮らしぶりを継続するこずが介護予防、認知症予防

の秘蚣であるこずを理解しおいただき、䞀方、䜕らかの理由により虚匱に陥った高霢者が閉じこも

り生掻になっお曎なる虚匱化進展ずいうマむナスの連鎖から脱华し、元気を取り戻す支揎をするこ

ずが地域包括支揎センタヌ・指定介護予防支揎事業所の倧きな䜿呜であるこずを改めお認識する必

芁がありたす。

 超高霢瀟䌚を乗り切る䞀぀の方法ずしお、迂遠ではありたすが介護予防の成果を生み出し垂民の

意識改革を図っおいくこずが地域包括ケアの確立に倧きな鍵を握っおいるず蚀っおも過蚀ではない

でしょう。

参考資料「地域包括ケア掚進のための地域蚺断に関する調査等事業報告曞」

財団法人長寿瀟䌚開発センタヌ、2010

取材協力瀟団法人党囜保健センタヌ連合䌚 䌁画郚長 村䞭峯子

249

参考

 介護保険制床のケアマネゞメントのプロセスにしたがっお、それぞれの段階で䞁寧に情報収集ず

掞察分析をするずいう基本姿勢を貫いお進化させおきた結果ではないでしょうか。

 垂民には健康で掻動的な高霢者はそのような暮らしぶりを継続するこずが介護予防、認知症予防

の秘蚣であるこずを理解しおいただき、䞀方、䜕らかの理由により虚匱に陥った高霢者が閉じこも

り生掻になっお曎なる虚匱化進展ずいうマむナスの連鎖から脱华し、元気を取り戻す支揎をするこ

ずが地域包括支揎センタヌ・指定介護予防支揎事業所の倧きな䜿呜であるこずを改めお認識する必

芁がありたす。

 超高霢瀟䌚を乗り切る䞀぀の方法ずしお、迂遠ではありたすが介護予防の成果を生み出し垂民の

意識改革を図っおいくこずが地域包括ケアの確立に倧きな鍵を握っおいるず蚀っおも過蚀ではない

でしょう。

参考資料「地域包括ケア掚進のための地域蚺断に関する調査等事業報告曞」

財団法人長寿瀟䌚開発センタヌ、2010

取材協力瀟団法人党囜保健センタヌ連合䌚 䌁画郚長 村䞭峯子

—251—