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Malaysia 2017/18 2017年12月 株式会社 ダイヤモンド・リテイルメディア マレーシア

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Page 1: MalaysiaMalaysia 2017/18 住宅費・光熱費が、最も支出金額の増額が大きかった家計費。2番目は食料品で、GST施行後も同様の状況が続いている

Malaysia 2017/18

2017年12月

株式会社 ダイヤモンド・リテイルメディア

マレーシア

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目次

パート 1 イントロダクション 2

図表リスト、特殊用語、データ・情報出所一覧、その他

パート 2 エクゼクティブ・サマリー 8

パート 3 マクロ経済データ・消費者・小売市場 14

人口、GDP、家計支出、小売市場の定義、外国投資規制

パート 4 小売市場のダイナミクス 30

過去5年のマレーシアの小売市場の動き (2012年- 2016年)

パート 5 小売業界人が語る 36

パート 6 消費者から支持される流通チャネルとは 42

主要チャネルの動向 (2009年・2014年比較)

パート 7 主要小売業の概要(沿革・背景・業績・戦略) 51

7-Eleven Malaysia Holdings Bhd

99 Speed Mart Sdn Bhd

Aeon Co. (M) Bhd/Aeon Big (M) Sdn Bhd

Caring Pharmacy Group Bhd

Courts (Malaysia) Sdn Bhd

Econsave Cash & Carry Sdn Bhd

Maxincome Resources Sdn Bhd (FamilyMart)

GCH Retail (Malaysia) Sdn Bhd (Giant/Cold Storage)

Guardian Health & Beauty Sdn Bhd

Elitetrax Marketing Sdn Bhd (Harvey Norman)

KK Supermart Holdings Sdn Bhd

Mydin Mohamed Holdings Bhd

Bison Consolidated Bhd (myNew.com)

Parkson Holdings Bhd

Tesco Stores (Malaysia) Sdn Bhd

The Store Corporation Bhd

Watson Personal Care Stores (Malaysia) Sdn Bhd

パート 8 添付資料:主要データ 104

パート 9 ダイヤモンド・リテイルレビューについて 116

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2017年・2018年のマレーシアの小売市場を概観するための5つの視点

1. GST(消費税)の施行後も、小売市場は堅調な伸び

40年以上の経済成長にともない、小売市場も伸長。

2015年4月に施行された消費税の導入以降も、その伸びは堅調

パート3・パート4

2. 小売業者のボトムライン(利益性)の悪化

小売業者は売上とコストのバランスに苦慮している

パート7

3. 外国小売業のビジネスモデルの見直し

“大きなサイズで、ワンストップショッピング”の利便性をアピールしてきた

外国小売業は、そのビジネスモデル(もうけの仕組み)を再評価し始めている

パート5・パート7

4. チャネル(業態)の優勝劣敗のきざし

勝者チャネルと苦戦を強いられているチャネルがはっきりとしてきたのだろうか

パート6

5. 専門店チャネルには、引き続き注目が必要

ショッピングセンターという地の利を生かし、さらにマーケットを成長

パート4・パート6

エクゼクティブ・サマリー

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住宅費・光熱費が、最も支出金額の増額が大きかった家計費。2番目は食料品で、GST施行後も同様の状況が続いている

出所: Prices, Income and Expenditure Statistics Division, Department of Statistics, Malaysia

図 13

2016年 カテゴリー別世帯支出金額(月額平均)

図 14

カテゴリー別世帯支出金額(月額平均)増加額

2009年・2014年比較 2014年・2016年比較

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マレーシアの小売市場規模は4038億リンギット

⚫ マレーシア政府は、2016年における流通総額を1兆620億リンギットと定義している。流通総

額は、卸売業、小売業、車両販売の3つの分類されており、卸売業は5187億リンギット、小

売業は4038億リンギット、車両販売業は1390億リンギットである(図15)。

⚫ 小売業は、有店舗小売カテゴリーと無店舗小売カテゴリーに分割されており、有店舗小売カ

テゴリーは、さらに、専門店チャネルカテゴリーと非専門店(すなわち、混合商品小売)チャ

ネルカテゴリーに分割されている(図16)。混合商品小売チャネルは、いわゆる一般的な小売

チャネルと呼ばれるチャネルに相当する。

⚫ 専門店チャネルカテゴリーの市場規模は、2650億リンギットで、小売市場の66%に相当する。

33%が一般小売チャネルで、1341億リンギットの市場規模を持っている。無店舗小売カテゴ

リーの市場規模は47億リンギット。

図 15

政府の定義による2016年の流通総額

出所: Department of Statistics, Malaysia

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外国資本の大型フォーマットへの参入は一段落の様相。新たな参入は専門店カテゴリーのほうが新たな参入が多い

出所: Ministry of Domestic Trade Cooperatives & Consumerism, Key Statistics Report, July 2017

図 21

小売業 外国資本の参入状況(2017年7月1日現在)

⚫ マレーシア政府が発表しているデータによると、2017年7月1日の時点で、外資資本が参入し

ているハイパーマーケット、スーパーストアおよび百貨店の店舗数は、235店舗に上っている。

その内ジャイアントが120店舗、イオン/イオンビッグが55店舗、テスコが55店舗、三越伊勢

丹ホールディングスの現地法人であるICJが4店舗、および、最も新しい外国資本であるドバイ

に本拠置くルルが1店舗となっている。

⚫ 専門店チャネルでは、外国資本が参入しているのは6店舗。ホームプロダクト、イオンイン

デックスリビング、イカノが各々2店舗づつ。すべて、家具関連の専門店である。

⚫ 認可をすでに受けている店舗数は15店舗で、認可後2年以内に業務を開始することが義務付け

られている。マレーシアの小売業における外国資本は、すでに長期にわたって業務を行って

いる大型店舗小売業が主体となっており、新規の参入は多くない。新規の参入は、そのほと

んどが専門店チャネルである。

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薬局/ヘルス&ビューティ専門店チャネルが5年間で最も売上を伸ばしたチャネル。ハイパーマーケットとスーパーマーケットがそれに続く

出所: Department of Statistics, Malaysia, Census of Distributive Trade 2009 and 2014

図 29

チャネル別売上増加金額(2009年/2014年比較)

⚫ 薬局/ヘルス&ビューティ専門店(日本でドラッグストアと呼ばれる業態に相当する)チャネルが、2009

年から2014年の間の5年間で、最も売上の金額を伸ばした。5年間の増加金額は97億1900万リンギット

で、年率に換算すると、13.8%になる。2番目に売上金額を伸ばしたチャネルはハイパーマーケット。増

加金額は、87億88300万リンギットで、年率12.8%の伸び。3番目に売上を伸ばしたチャネルはスーパー

マーケットで、64億6400万リンギットの増加(年率13.0%)。これらの3つのチャネルの増加金額は、上記

主要10チャネルが5年間に増加した総金額の59.1%に相当する(図表29)。

⚫ 主要10チャネルのなかで、最も売上金額の伸びが少なかったチャネルは、コンビニエンスストア(新聞

雑誌類の販売店を含む)。増加金額は、3億3300万リンギットで、年率に換算すると4%になる。この金

額は、“伝統的な業態”である食料品雑貨店の増額金額(11億7900万リンギット)よりもはるかに低い。

⚫ これらの主要10チャネルの変化の動向の傾向は、上記の2014年以降も継続していると推察される。

2012年から2017年第2四半期までの小売市場の推移を次ページの図30に掲げた。マレーシア政府は、次

回のCensus調査(日本の経産省が実施している「商業統計調査」に相当するもの)を、2019年に実施する

ことを予定しており、その調査結果を検証することとしたい。

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地方都市基盤の総合小売業は事業再建中

1968年設立から地方都市部の雄として成長してきた食料品から衣料品、電気製品まで

取り揃えたスーパーマーケット併設百貨店グループが過去3年売上の低迷に直面してき

た。新たな経営体制による事業の見直しと再建に着手中。

収益状況

⚫ 2016年の営業収益は前年対比12.2%減の1億4300万リンギットとなり、2013年の1億

8900万リンギット以来3年連続の減収となった。

⚫ 営業総利益は改善したものの、減収にともない、当期利益は229万リンギットの損失

となった。

⚫ グループによると、不振の背景としては、生活コストの上昇、GST導入の影響など

による消費支出の減少、コストの増加につながるマレーシアリンギット安が影響し、

さらに厳しさを増す競争環境のなかで価格への転嫁が難しい状況であることを挙げ

ている。また、株主資産は1.1%減の4.7億リンギットになったが、 4514万リンギッ

トの現金を保持しており貸借対照表は健全であるという。

戦略的方向性

⚫ グループは、2016年12月に投資・不動産会社であるTYS Consolidated Sdn Bhdの子

会社となり、不採算店舗や事業を処分し、事業の再構築に取り組んでいる。

⚫ ストアのコンセプトである、「幅広い品揃え」と「毎日節約」の訴求をさらに強化

し、顧客のニーズに合致した幅広い商品と競争力のある価格戦略によりマーケット

シェアの拡大をめざす。

⚫ ザ・ストアとパシフィックのブランド店舗を今後も戦略的ロケーションに出店して

いくと同時に既存店のアップグレードも実施していく。