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平成26年3月

平成26年3月

内容

序章 計画の策定にあたって ....................................................................................... 1 1. 計画策定の趣旨 ................................................................................................. 1 2. 計画の位置づけ ................................................................................................. 2 3. 計画の期間 ........................................................................................................ 3 4. 計画の対象とライフステージ ............................................................................ 3

第一章 健康を取り巻く状況と課題 ............................................................................. 5 1. 人口 ................................................................................................................... 5 (1)高齢化の状況 .............................................................................................. 6 (2)出生の状況 .................................................................................................. 7

2.死因・疾病から見る健康状況 ............................................................................. 8 (1)死因の状況 .................................................................................................. 9 (2)平均寿命の推移 ......................................................................................... 13

3.医療保険制度等からみた下呂市の健康概況 ...................................................... 13 4.国民健康保険の特定健診・特定保健指導 ......................................................... 16 5.医療機関の充足 ................................................................................................ 17

第二章 計画の基本的な考え方 .................................................................................. 19 1.計画の基本理念................................................................................................... 19 2. 目標 ................................................................................................................. 20 (1)基本目標.................................................................................................... 20 (2)計画の基本的な方向 .................................................................................. 20 (3)行動目標.................................................................................................... 21

第三章 課題別の実態と対策 ..................................................................................... 23 1.主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防 ........................................................ 23 (1)がん ........................................................................................................... 23 (2)循環器疾患(心疾患・脳血管疾患) ......................................................... 33 (3)糖尿病 ....................................................................................................... 41

2.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上 ............................................... 48 (1)こころの健康 ............................................................................................ 48 (2)次世代の健康 ............................................................................................ 54 (3)高齢者の健康 ............................................................................................ 59

3.生活習慣及び社会環境の改善 ........................................................................... 62 (1)栄養・食生活 ............................................................................................ 62 (2)身体活動・運動 ......................................................................................... 75 (3)飲酒 ........................................................................................................... 79

(4)喫煙 ........................................................................................................... 83 (5)歯・口腔の健康 ......................................................................................... 87

4. 健康を支え、守るための社会環境の整備 ........................................................ 93 (1)市民主体の健康づくり .............................................................................. 94 (2)健康づくりを続けられる環境づくり ......................................................... 95 (3)多様な主体との連携及び協働による健康づくり ........................................ 95

5.目標の設定 ....................................................................................................... 97 第四章 計画の推進と進行管理 .................................................................................. 98 1.健康増進に向けた取り組みの推進 ...................................................................... 98 (1)行動計画の策定 ......................................................................................... 99

資料 .......................................................................................................................... 100

1

序章 計画の策定にあたって

序章 計画の策定にあたって

1 計画策定の趣旨

下呂市では平成18年3月に、下呂市の特徴や市民の健康状態をもとに、健康課題を

明らかにした上で、生活習慣病予防に視点をおいた、下呂市健康増進計画「健康げろ2

1(第一次)」を策定し、市民の健康づくりに取り組んできました。

しかしながら、人口の高齢化とともに、がん、循環器疾患、糖尿病及び慢性閉塞性肺

疾患(COPD:いわゆる肺気腫など)など、日常の食生活や運動といった生活習慣に

起因する「生活習慣病」が疾病全体に占める割合は依然として増加し続け、寝たきり高

齢者や認知症患者などの要介護認定者も増加しています。

こうした中で、国は平成25年度から平成34年度までの「二十一世紀における第二

次国民健康づくり運動(健康日本21 第二次 )」(以下「国民運動」という。)の推進

にあたり、21世紀の日本を『急速な人口の高齢化や生活習慣の変化により、疾病構造

が変化し、疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加し、これら生活習慣病に係る医療

費の国民医療費に占める割合が約3割となる中で、高齢化の進展によりますます病気や

介護の負担は上昇し、これまでのような高い経済成長が望めないとするならば、疾病に

よる負担が極めて大きな社会になる。』ととらえ、国民の健康の増進の総合的な推進を

図るための基本的な方針の全部を改正し、生活習慣病の一次予防に重点を置くとともに、

合併症の発症や症状進展などの重症化予防を重視した取り組みを推進するために、下記

の5つの基本的な方向が示されました。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小

(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

(3)社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

(4)健康を支え、守るための社会環境の整備

(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関す

る生活習慣及び社会環境の改善

また、これらの基本的な方向を達成するため、ライフステージに応じて健やかで心豊

かに生活できる活力ある社会を実現するとともに、持続可能な社会保障制度となるよう

総合的な推進が必要であるとしています。

下呂市においても、すべての市民の健康増進と幸せを実感できる地域社会をつくるた

めに、「自分の健康は自分でつくる」といった個人の取り組みに対する行政や社会から

の支援のみならず、社会全体で「健康づくり」に取り組む必要があります。また、生活

(4)喫煙 ........................................................................................................... 83 (5)歯・口腔の健康 ......................................................................................... 87

4. 健康を支え、守るための社会環境の整備 ........................................................ 93 (1)市民主体の健康づくり .............................................................................. 94 (2)健康づくりを続けられる環境づくり ......................................................... 95 (3)多様な主体との連携及び協働による健康づくり ........................................ 95

5.目標の設定 ....................................................................................................... 97 第四章 計画の推進と進行管理 .................................................................................. 98 1.健康増進に向けた取り組みの推進 ...................................................................... 98 (1)行動計画の策定 ......................................................................................... 99

資料 .......................................................................................................................... 100

1

序章 計画の策定にあたって

序章 計画の策定にあたって

1 計画策定の趣旨

下呂市では平成18年3月に、下呂市の特徴や市民の健康状態をもとに、健康課題を

明らかにした上で、生活習慣病予防に視点をおいた、下呂市健康増進計画「健康げろ2

1(第一次)」を策定し、市民の健康づくりに取り組んできました。

しかしながら、人口の高齢化とともに、がん、循環器疾患、糖尿病及び慢性閉塞性肺

疾患(COPD:いわゆる肺気腫など)など、日常の食生活や運動といった生活習慣に

起因する「生活習慣病」が疾病全体に占める割合は依然として増加し続け、寝たきり高

齢者や認知症患者などの要介護認定者も増加しています。

こうした中で、国は平成25年度から平成34年度までの「二十一世紀における第二

次国民健康づくり運動(健康日本21 第二次 )」(以下「国民運動」という。)の推進

にあたり、21世紀の日本を『急速な人口の高齢化や生活習慣の変化により、疾病構造

が変化し、疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加し、これら生活習慣病に係る医療

費の国民医療費に占める割合が約3割となる中で、高齢化の進展によりますます病気や

介護の負担は上昇し、これまでのような高い経済成長が望めないとするならば、疾病に

よる負担が極めて大きな社会になる。』ととらえ、国民の健康の増進の総合的な推進を

図るための基本的な方針の全部を改正し、生活習慣病の一次予防に重点を置くとともに、

合併症の発症や症状進展などの重症化予防を重視した取り組みを推進するために、下記

の5つの基本的な方向が示されました。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小

(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

(3)社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

(4)健康を支え、守るための社会環境の整備

(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関す

る生活習慣及び社会環境の改善

また、これらの基本的な方向を達成するため、ライフステージに応じて健やかで心豊

かに生活できる活力ある社会を実現するとともに、持続可能な社会保障制度となるよう

総合的な推進が必要であるとしています。

下呂市においても、すべての市民の健康増進と幸せを実感できる地域社会をつくるた

めに、「自分の健康は自分でつくる」といった個人の取り組みに対する行政や社会から

の支援のみならず、社会全体で「健康づくり」に取り組む必要があります。また、生活

1

序章 計画の策定にあたって

序章 計画の策定にあたって

1 計画策定の趣旨

下呂市では平成18年3月に、下呂市の特徴や市民の健康状態をもとに、健康課題を

明らかにした上で、生活習慣病予防に視点をおいた、下呂市健康増進計画「健康げろ2

1(第一次)」を策定し、市民の健康づくりに取り組んできました。

しかしながら、人口の高齢化とともに、がん、循環器疾患、糖尿病及び慢性閉塞性肺

疾患(COPD:いわゆる肺気腫など)など、日常の食生活や運動といった生活習慣に

起因する「生活習慣病」が疾病全体に占める割合は依然として増加し続け、寝たきり高

齢者や認知症患者などの要介護認定者も増加しています。

こうした中で、国は平成25年度から平成34年度までの「二十一世紀における第二

次国民健康づくり運動(健康日本21 第二次 )」(以下「国民運動」という。)の推進

にあたり、21世紀の日本を『急速な人口の高齢化や生活習慣の変化により、疾病構造

が変化し、疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加し、これら生活習慣病に係る医療

費の国民医療費に占める割合が約3割となる中で、高齢化の進展によりますます病気や

介護の負担は上昇し、これまでのような高い経済成長が望めないとするならば、疾病に

よる負担が極めて大きな社会になる。』ととらえ、国民の健康の増進の総合的な推進を

図るための基本的な方針の全部を改正し、生活習慣病の一次予防に重点を置くとともに、

合併症の発症や症状進展などの重症化予防を重視した取り組みを推進するために、下記

の5つの基本的な方向が示されました。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小

(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

(3)社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

(4)健康を支え、守るための社会環境の整備

(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関す

る生活習慣及び社会環境の改善

また、これらの基本的な方向を達成するため、ライフステージに応じて健やかで心豊

かに生活できる活力ある社会を実現するとともに、持続可能な社会保障制度となるよう

総合的な推進が必要であるとしています。

下呂市においても、すべての市民の健康増進と幸せを実感できる地域社会をつくるた

めに、「自分の健康は自分でつくる」といった個人の取り組みに対する行政や社会から

の支援のみならず、社会全体で「健康づくり」に取り組む必要があります。また、生活

2

序章 計画の策定にあたって

習慣病などの慢性疾患やその予備群の減少をめざすためにも、一次予防(注 )や慢性疾

患予備群へのケア等を重点とした対策が必要となっています。

以上のことから、平成 年度からの下呂市健康増進計画「健康げろ21(第二次)」

を策定するものです。

2 計画の位置づけ

この計画は、下呂市総合計画を上位計画に、健康増進法(平成 年法律第 号)

第8条第2項に規定する「市町村健康増進計画」として、市民の健康増進を図るための

基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにするものです。

計画の策定にあたっては、国の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本

的な方針」(平成 年厚生労働省告示第 号)を参考とするとともに、推進にあ

っては市民の健康実現に関わる様々な分野別計画とも連携を図りながら市民の健康づ

くりを推進します。

■関係する計画

法 律 岐阜県が策定した計画 下呂市が策定した計画

地方自治法 下呂市総合計画

(平成 年度~平成 年度)

健康増進法 岐阜県健康増進計画「ヘルスプラ

ン岐阜 (第二次)」

(平成 年度~平成 年度)

下呂市健康増進計画「健康げろ

(第二次)」

(平成 年度~平成 年度:予定)

医療法 岐阜県保健医療計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市医療ビジョン

高齢者の医療の確保に

関する法律

岐阜県医療費適正化計画

(平成 年度~平成 年度)

がん対策基本法 岐阜県がん対策推進計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

歯科口腔保健の推進に

関する法律

岐阜県歯・口腔の健康づくり計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

食育基本法 岐阜県食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年)

(注 ) 疾病の発生そのものを予防すること。生活習慣病においては、規則正しい生活やバランス

の良い食事、適度な運動、なるべくストレスを引き下げるなどにより健康的な生活習慣づくりを

行うことです。

3

序章 計画の策定にあたって

次世代育成支援対策推

進法

岐阜県少子化対策基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市次世代育成支援行動計画

「未来の下呂っ子 のびやかプラ

ン」

(平成 年 月~平成 年 月)

母子保健法 【再掲】岐阜県少子化対策基本計画

介護保険法 岐阜県高齢者安心計画

(平成 年度‐ 年度)

第5期介護保険事業計画

(平成 年~平成 年)

自殺対策基本法 岐阜県自殺総合対策行動計画

(平成 年度~平成 年度)

3 計画の期間

本計画は、平成25年度から平成34年度までの10年間を計画期間とします。な

お、5年目にあたる平成29年度に中間評価を行うとともに社会情勢等を踏まえて、計

画の見直しなどを行います。

4 計画の対象とライフステージ

この計画の対象は市民であり、市民一人ひとりのライフステージに応じた健康づくり

の定着化を図り、市民自らが健康づくりに取り組むとともに、地域一体となった健康づ

くりの輪を広げることを目的としています。

本計画では、第三章以降において、ライフステージによる重点領域の目標や目標達成

のための健康指標(目標値)を設定しています。また、これらの目標設定は、第一次計

画の重点領域ごとの現状と課題を整理し設定したものであり、行政はもちろんのこと、

個人・家庭や地域・組織・企業等の、すべての市民が一丸となって取り組むことで実現

すべきものと考えています。

また、本計画のライフステージの考え方は以下のとおりです。

乳幼児期 小学生期 中高生期 青年期 壮年期 高齢期

誕生 概ね5歳 概ね11歳 概ね18歳 概ね40歳 概ね65歳

2

序章 計画の策定にあたって

習慣病などの慢性疾患やその予備群の減少をめざすためにも、一次予防(注 )や慢性疾

患予備群へのケア等を重点とした対策が必要となっています。

以上のことから、平成 年度からの下呂市健康増進計画「健康げろ21(第二次)」

を策定するものです。

2 計画の位置づけ

この計画は、下呂市総合計画を上位計画に、健康増進法(平成 年法律第 号)

第8条第2項に規定する「市町村健康増進計画」として、市民の健康増進を図るための

基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにするものです。

計画の策定にあたっては、国の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本

的な方針」(平成 年厚生労働省告示第 号)を参考とするとともに、推進にあ

っては市民の健康実現に関わる様々な分野別計画とも連携を図りながら市民の健康づ

くりを推進します。

■関係する計画

法 律 岐阜県が策定した計画 下呂市が策定した計画

地方自治法 下呂市総合計画

(平成 年度~平成 年度)

健康増進法 岐阜県健康増進計画「ヘルスプラ

ン岐阜 (第二次)」

(平成 年度~平成 年度)

下呂市健康増進計画「健康げろ

(第二次)」

(平成 年度~平成 年度:予定)

医療法 岐阜県保健医療計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市医療ビジョン

高齢者の医療の確保に

関する法律

岐阜県医療費適正化計画

(平成 年度~平成 年度)

がん対策基本法 岐阜県がん対策推進計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

歯科口腔保健の推進に

関する法律

岐阜県歯・口腔の健康づくり計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

食育基本法 岐阜県食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年)

(注 ) 疾病の発生そのものを予防すること。生活習慣病においては、規則正しい生活やバランス

の良い食事、適度な運動、なるべくストレスを引き下げるなどにより健康的な生活習慣づくりを

行うことです。

2

序章 計画の策定にあたって

習慣病などの慢性疾患やその予備群の減少をめざすためにも、一次予防(注 )や慢性疾

患予備群へのケア等を重点とした対策が必要となっています。

以上のことから、平成 年度からの下呂市健康増進計画「健康げろ21(第二次)」

を策定するものです。

2 計画の位置づけ

この計画は、下呂市総合計画を上位計画に、健康増進法(平成 年法律第 号)

第8条第2項に規定する「市町村健康増進計画」として、市民の健康増進を図るための

基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにするものです。

計画の策定にあたっては、国の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本

的な方針」(平成 年厚生労働省告示第 号)を参考とするとともに、推進にあ

っては市民の健康実現に関わる様々な分野別計画とも連携を図りながら市民の健康づ

くりを推進します。

■関係する計画

法 律 岐阜県が策定した計画 下呂市が策定した計画

地方自治法 下呂市総合計画

(平成 年度~平成 年度)

健康増進法 岐阜県健康増進計画「ヘルスプラ

ン岐阜 (第二次)」

(平成 年度~平成 年度)

下呂市健康増進計画「健康げろ

(第二次)」

(平成 年度~平成 年度:予定)

医療法 岐阜県保健医療計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市医療ビジョン

高齢者の医療の確保に

関する法律

岐阜県医療費適正化計画

(平成 年度~平成 年度)

がん対策基本法 岐阜県がん対策推進計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

歯科口腔保健の推進に

関する法律

岐阜県歯・口腔の健康づくり計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

食育基本法 岐阜県食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年)

(注 ) 疾病の発生そのものを予防すること。生活習慣病においては、規則正しい生活やバランス

の良い食事、適度な運動、なるべくストレスを引き下げるなどにより健康的な生活習慣づくりを

行うことです。

3

序章 計画の策定にあたって

次世代育成支援対策推

進法

岐阜県少子化対策基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市次世代育成支援行動計画

「未来の下呂っ子 のびやかプラ

ン」

(平成 年 月~平成 年 月)

母子保健法 【再掲】岐阜県少子化対策基本計画

介護保険法 岐阜県高齢者安心計画

(平成 年度‐ 年度)

第5期介護保険事業計画

(平成 年~平成 年)

自殺対策基本法 岐阜県自殺総合対策行動計画

(平成 年度~平成 年度)

3 計画の期間

本計画は、平成25年度から平成34年度までの10年間を計画期間とします。な

お、5年目にあたる平成29年度に中間評価を行うとともに社会情勢等を踏まえて、計

画の見直しなどを行います。

4 計画の対象とライフステージ

この計画の対象は市民であり、市民一人ひとりのライフステージに応じた健康づくり

の定着化を図り、市民自らが健康づくりに取り組むとともに、地域一体となった健康づ

くりの輪を広げることを目的としています。

本計画では、第三章以降において、ライフステージによる重点領域の目標や目標達成

のための健康指標(目標値)を設定しています。また、これらの目標設定は、第一次計

画の重点領域ごとの現状と課題を整理し設定したものであり、行政はもちろんのこと、

個人・家庭や地域・組織・企業等の、すべての市民が一丸となって取り組むことで実現

すべきものと考えています。

また、本計画のライフステージの考え方は以下のとおりです。

乳幼児期 小学生期 中高生期 青年期 壮年期 高齢期

誕生 概ね5歳 概ね11歳 概ね18歳 概ね40歳 概ね65歳

1

序章 計画の策定にあたって

序章 計画の策定にあたって

1 計画策定の趣旨

下呂市では平成18年3月に、下呂市の特徴や市民の健康状態をもとに、健康課題を

明らかにした上で、生活習慣病予防に視点をおいた、下呂市健康増進計画「健康げろ2

1(第一次)」を策定し、市民の健康づくりに取り組んできました。

しかしながら、人口の高齢化とともに、がん、循環器疾患、糖尿病及び慢性閉塞性肺

疾患(COPD:いわゆる肺気腫など)など、日常の食生活や運動といった生活習慣に

起因する「生活習慣病」が疾病全体に占める割合は依然として増加し続け、寝たきり高

齢者や認知症患者などの要介護認定者も増加しています。

こうした中で、国は平成25年度から平成34年度までの「二十一世紀における第二

次国民健康づくり運動(健康日本21 第二次 )」(以下「国民運動」という。)の推進

にあたり、21世紀の日本を『急速な人口の高齢化や生活習慣の変化により、疾病構造

が変化し、疾病全体に占める生活習慣病の割合が増加し、これら生活習慣病に係る医療

費の国民医療費に占める割合が約3割となる中で、高齢化の進展によりますます病気や

介護の負担は上昇し、これまでのような高い経済成長が望めないとするならば、疾病に

よる負担が極めて大きな社会になる。』ととらえ、国民の健康の増進の総合的な推進を

図るための基本的な方針の全部を改正し、生活習慣病の一次予防に重点を置くとともに、

合併症の発症や症状進展などの重症化予防を重視した取り組みを推進するために、下記

の5つの基本的な方向が示されました。

(1)健康寿命の延伸と健康格差の縮小

(2)生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底

(3)社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

(4)健康を支え、守るための社会環境の整備

(5)栄養・食生活、身体活動・運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関す

る生活習慣及び社会環境の改善

また、これらの基本的な方向を達成するため、ライフステージに応じて健やかで心豊

かに生活できる活力ある社会を実現するとともに、持続可能な社会保障制度となるよう

総合的な推進が必要であるとしています。

下呂市においても、すべての市民の健康増進と幸せを実感できる地域社会をつくるた

めに、「自分の健康は自分でつくる」といった個人の取り組みに対する行政や社会から

の支援のみならず、社会全体で「健康づくり」に取り組む必要があります。また、生活

4

序章 計画の策定にあたって

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

2

序章 計画の策定にあたって

習慣病などの慢性疾患やその予備群の減少をめざすためにも、一次予防(注 )や慢性疾

患予備群へのケア等を重点とした対策が必要となっています。

以上のことから、平成 年度からの下呂市健康増進計画「健康げろ21(第二次)」

を策定するものです。

2 計画の位置づけ

この計画は、下呂市総合計画を上位計画に、健康増進法(平成 年法律第 号)

第8条第2項に規定する「市町村健康増進計画」として、市民の健康増進を図るための

基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにするものです。

計画の策定にあたっては、国の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本

的な方針」(平成 年厚生労働省告示第 号)を参考とするとともに、推進にあ

っては市民の健康実現に関わる様々な分野別計画とも連携を図りながら市民の健康づ

くりを推進します。

■関係する計画

法 律 岐阜県が策定した計画 下呂市が策定した計画

地方自治法 下呂市総合計画

(平成 年度~平成 年度)

健康増進法 岐阜県健康増進計画「ヘルスプラ

ン岐阜 (第二次)」

(平成 年度~平成 年度)

下呂市健康増進計画「健康げろ

(第二次)」

(平成 年度~平成 年度:予定)

医療法 岐阜県保健医療計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市医療ビジョン

高齢者の医療の確保に

関する法律

岐阜県医療費適正化計画

(平成 年度~平成 年度)

がん対策基本法 岐阜県がん対策推進計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

歯科口腔保健の推進に

関する法律

岐阜県歯・口腔の健康づくり計画

(平成 年度~平成 年度)

【再掲】「健康げろ21(第二次)」

食育基本法 岐阜県食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年度)

下呂市食育推進基本計画

(平成 年度~平成 年)

(注 ) 疾病の発生そのものを予防すること。生活習慣病においては、規則正しい生活やバランス

の良い食事、適度な運動、なるべくストレスを引き下げるなどにより健康的な生活習慣づくりを

行うことです。

4

序章 計画の策定にあたって

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,610 75歳以上

8,078

5,790 5,303 5,448 5,272 65~74歳

4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳 8,724

8,802 7,648

6,657 6,048

15~39歳 5,697

5,213 4,524

3,877 3,339

14歳以下 2,894

38,494

36,314

34,179

32,018 人口

29,783 29.8% 33.1%

37.6% 40.2% 高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

7

第一章 健康を取り巻く状況と課題

平成 年の人口ピラミッドでピークとなっているのは、60歳~64歳のいわゆる

「団塊の世代」の集団です。そのピークは、15年後の平成37年にはそのまま75歳

~79歳に移動します。その前後の年代も多いことから、高齢者の割合が増加すること

がよくわかります。

こうしたことから、高齢者医療費の急増が予想され、それに伴い社会保障費の急増と

いう、いわゆる2025年問題が心配されているのです。

(2)出生の状況

下呂市の出生数は平成18年から300人を切り、250~280人を前後しながら

推移しており、平成23年度の出生数は251人になっています。

ひとりの女性が一生に出産する子供の平均数を示す合計特殊出生率は、平成21年に

は1.92と高い値を示すなど、国や県の数値を大幅に上回っています(図4)。

図4 出生数と合計特殊出生率

千人当たりの出生率は、全国や岐阜県に比べ低くなっています。平成16年度以降は

7人台で推移しています(図5)。

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

出生数 282 301 261 270 253 279 276 251

下呂市 1.68 1.71 1.64 1.75 1.69 1.92 1.85 1.77

岐阜県 1.31 1.37 1.35 1.34 1.35 1.43 1.48 1.44

全国 1.29 1.26 1.32 1.34 1.37 1.37 1.39 1.39

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

1.8

1.9

2

240

250

260

270

280

290

300

310

320

合計特殊出生率

出生数(人)

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

(再掲)75歳以上

1334 1481

1709 1491

1024 1344

1727 2062 1994

2194 2236

2590 3092

2597 2706 2668

2067 1256

742

0~4 5~9 10~14 15~19 20~24 25~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~79 80~84 85~89 90~

平成 年

859 941 1094 1108 1057

1261 1179

1092 1258

1606 1924 1880

2056 2062

2328 2686

2045 1705

1642

500 1500 2500 3500

平成 年

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

7

第一章 健康を取り巻く状況と課題

平成 年の人口ピラミッドでピークとなっているのは、60歳~64歳のいわゆる

「団塊の世代」の集団です。そのピークは、15年後の平成37年にはそのまま75歳

~79歳に移動します。その前後の年代も多いことから、高齢者の割合が増加すること

がよくわかります。

こうしたことから、高齢者医療費の急増が予想され、それに伴い社会保障費の急増と

いう、いわゆる2025年問題が心配されているのです。

(2)出生の状況

下呂市の出生数は平成18年から300人を切り、250~280人を前後しながら

推移しており、平成23年度の出生数は251人になっています。

ひとりの女性が一生に出産する子供の平均数を示す合計特殊出生率は、平成21年に

は1.92と高い値を示すなど、国や県の数値を大幅に上回っています(図4)。

図4 出生数と合計特殊出生率

千人当たりの出生率は、全国や岐阜県に比べ低くなっています。平成16年度以降は

7人台で推移しています(図5)。

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

出生数 282 301 261 270 253 279 276 251

下呂市 1.68 1.71 1.64 1.75 1.69 1.92 1.85 1.77

岐阜県 1.31 1.37 1.35 1.34 1.35 1.43 1.48 1.44

全国 1.29 1.26 1.32 1.34 1.37 1.37 1.39 1.39

1.2

1.3

1.4

1.5

1.6

1.7

1.8

1.9

2

240

250

260

270

280

290

300

310

320

合計特殊出生率

出生数(人)

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

8

第一章 健康を取り巻く状況と課題

図5 千人当たり出生率の状況

合計特殊出生率が高く、千人当たり出生率が低い原因として、人口減少や、晩婚化に

よる未婚率の上昇により、結婚する数自体が減少しており、子供をもうける夫婦が減っ

ていることも少子化の一因と考えられます。

図6 下呂市における未婚率の推移

7.2

7.8

7.07.2

6.8

7.6 7.6

7.0

8.3

8.3

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

千人当たり出生率

下呂市 岐阜県 全国

34.8

46.850.2

8.9

18.323.3

4.2 9.4

16.7

0

10

20

30

40

50

60

70

平成2年 平成12年 平成22年

(%)

25~29歳

30~35歳

35~39歳62.6 62.5 63.8

27.1

36.942.5

15.822.0

30.6

0

10

20

30

40

50

60

70

平成2年 平成12年 平成22年

(%)

35~39歳

30~34歳

25~29歳

男性 女性

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

資料:国勢調査

9

第一章 健康を取り巻く状況と課題

2.死因・疾病から見る健康状況

(1)死因の状況

下呂市の平成23年度の死因の割合を見ると、「悪性新生物(がん)」、の割合が23.

8%と最も高く、次いで心疾患が16.1%、老衰が8.4%、脳血管疾患が7.0%

と続きます(図7)。

国や県の死亡率と比較すると、悪性新生物(がん)、心疾患、老衰、自殺が高い値に

なっています(図8)。

図7 下呂市の主な死因の割合

図8 下呂市の主な死因の死亡率の国・県との比較

23.8

16.1

8.4

7.0

6.4

4.2

3.7

3.1

0.7

0.4

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

悪性新生物

心疾患

老衰

脳血管疾患

肺炎

自殺

事故

腎不全

肝疾患

糖尿病

結核

下呂市の全死因(平成23年)全死因合計454人

悪性新

生物心疾患 老衰

脳血管

疾患肺炎 自殺

不慮の

事故腎不全 肝疾患 糖尿病

全国 283.2 154.5 41.4 98.2 98.9 22.9 47.1 19.4 13.0 11.6

岐阜県 284.1 177.7 58.3 100.9 98.9 22.6 40.5 20.4 11.2 9.9

下呂市 300.9 203.4 105.9 89.2 80.8 52.9 47.4 39.0 8.4 5.6

050

100150200250300350

死亡率(人口⒑万人対)

資料:健康課統計

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

8

第一章 健康を取り巻く状況と課題

図5 千人当たり出生率の状況

合計特殊出生率が高く、千人当たり出生率が低い原因として、人口減少や、晩婚化に

よる未婚率の上昇により、結婚する数自体が減少しており、子供をもうける夫婦が減っ

ていることも少子化の一因と考えられます。

図6 下呂市における未婚率の推移

7.2

7.8

7.07.2

6.8

7.6 7.6

7.0

8.3

8.3

6.0

6.5

7.0

7.5

8.0

8.5

9.0

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

千人当たり出生率

下呂市 岐阜県 全国

34.8

46.850.2

8.9

18.323.3

4.2 9.4

16.7

0

10

20

30

40

50

60

70

平成2年 平成12年 平成22年

(%)

25~29歳

30~35歳

35~39歳62.6 62.5 63.8

27.1

36.942.5

15.822.0

30.6

0

10

20

30

40

50

60

70

平成2年 平成12年 平成22年

(%)

35~39歳

30~34歳

25~29歳

男性 女性

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

資料:国勢調査

9

第一章 健康を取り巻く状況と課題

2.死因・疾病から見る健康状況

(1)死因の状況

下呂市の平成23年度の死因の割合を見ると、「悪性新生物(がん)」、の割合が23.

8%と最も高く、次いで心疾患が16.1%、老衰が8.4%、脳血管疾患が7.0%

と続きます(図7)。

国や県の死亡率と比較すると、悪性新生物(がん)、心疾患、老衰、自殺が高い値に

なっています(図8)。

図7 下呂市の主な死因の割合

図8 下呂市の主な死因の死亡率の国・県との比較

23.8

16.1

8.4

7.0

6.4

4.2

3.7

3.1

0.7

0.4

0.0

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0

悪性新生物

心疾患

老衰

脳血管疾患

肺炎

自殺

事故

腎不全

肝疾患

糖尿病

結核

下呂市の全死因(平成23年)全死因合計454人

悪性新

生物心疾患 老衰

脳血管

疾患肺炎 自殺

不慮の

事故腎不全 肝疾患 糖尿病

全国 283.2 154.5 41.4 98.2 98.9 22.9 47.1 19.4 13.0 11.6

岐阜県 284.1 177.7 58.3 100.9 98.9 22.6 40.5 20.4 11.2 9.9

下呂市 300.9 203.4 105.9 89.2 80.8 52.9 47.4 39.0 8.4 5.6

050

100150200250300350

死亡率(人口⒑万人対)

資料:健康課統計

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

10

第一章 健康を取り巻く状況と課題

3大死因の状況

悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の、いわゆる三大疾病の死亡率について、

近年の推移を見ると、いずれも国、県に比較して高い傾向であることがわかります(図

9、 、 )。 脳血管疾患については、平成 年度は県より低い値ですが、平成 年度以前はす

べて国、県より高い値であったことがわかります。 下呂市において、三大疾病による死亡率が高いということがわかります。

図9 悪性新生物(がん)の死亡率

図 心疾患の死亡率

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 307.7 280.6 326.9 263.9 361.7 281.2 289.1 300.9

岐阜県 248.4 255.6 256.4 260.6 266.6 273.8 270.2 284.1

全国 253.9 258.3 261.0 266.9 272.3 273.5 279.7 283.2

240.0

260.0

280.0

300.0

320.0

340.0

360.0

380.0

人口10万対死亡率

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 125.6 168.9 160.8 181.3 232.1 177.5 157.0 203.4

岐阜県 136.5 159.0 155.9 152.1 158.9 150.8 159.9 177.7

全国 126.5 137.2 137.2 139.2 144.4 143.7 149.8 154.5

120.0

140.0

160.0

180.0

200.0

220.0

240.0

人口10万対死亡率

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

11

第一章 健康を取り巻く状況と課題

図 脳血管疾患の死亡率

以上のデータは、下呂市全体のものですが、高齢化による死亡率上昇といった影響が

が考えられるので、年齢条件を一定にした年齢調整死亡率(注 )で比較すると、下呂市

は全国、岐阜県より低くなります。

図 3大死因における年齢調整死亡率(人口 万人当たり)

(注 ) 死亡数を人口で除した通常の死亡率を比較すると、高齢者の多い団体では高くなり、若

年者の多い団体では低くなる傾向があります。こうした年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比

較ができるように年齢構成を調整した死亡率が年齢調整死亡率(人口10万対)です。この年齢

調整死亡率を用いることによって、年齢構成の異なる集団について、年齢構成の相違を気にする

ことなく、より正確に地域比較や年次比較ができます。

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 120.5 142.9 131.8 125.3 153.9 125.6 126.7 89.2

岐阜県 105.1 109.6 102.4 99.3 98.2 98.3 100.5 100.0

全国 102.3 105.3 101.7 100.8 100.9 97.2 97.7 98.2

80.0

90.0

100.0

110.0

120.0

130.0

140.0

150.0

160.0

人口10万対死亡率

男 女 男 女 男 女

がん 脳血管疾患 心疾患

下呂市 150.5 72.6 42.9 24.8 63.8 31.7

岐阜県 168.7 88.1 43.2 28 75 40.7

国 182.4 92.2 49.5 26.9 74.2 39.7

0

50

100

150

200

資料:岐阜県及び国:厚労省都道府県別にみた死亡の状況(平成 及び 年)

下呂市:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」を基に健康課算定

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

10

第一章 健康を取り巻く状況と課題

3大死因の状況

悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患の、いわゆる三大疾病の死亡率について、

近年の推移を見ると、いずれも国、県に比較して高い傾向であることがわかります(図

9、 、 )。 脳血管疾患については、平成 年度は県より低い値ですが、平成 年度以前はす

べて国、県より高い値であったことがわかります。 下呂市において、三大疾病による死亡率が高いということがわかります。

図9 悪性新生物(がん)の死亡率

図 心疾患の死亡率

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 307.7 280.6 326.9 263.9 361.7 281.2 289.1 300.9

岐阜県 248.4 255.6 256.4 260.6 266.6 273.8 270.2 284.1

全国 253.9 258.3 261.0 266.9 272.3 273.5 279.7 283.2

240.0

260.0

280.0

300.0

320.0

340.0

360.0

380.0

人口10万対死亡率

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 125.6 168.9 160.8 181.3 232.1 177.5 157.0 203.4

岐阜県 136.5 159.0 155.9 152.1 158.9 150.8 159.9 177.7

全国 126.5 137.2 137.2 139.2 144.4 143.7 149.8 154.5

120.0

140.0

160.0

180.0

200.0

220.0

240.0

人口10万対死亡率

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

11

第一章 健康を取り巻く状況と課題

図 脳血管疾患の死亡率

以上のデータは、下呂市全体のものですが、高齢化による死亡率上昇といった影響が

が考えられるので、年齢条件を一定にした年齢調整死亡率(注 )で比較すると、下呂市

は全国、岐阜県より低くなります。

図 3大死因における年齢調整死亡率(人口 万人当たり)

(注 ) 死亡数を人口で除した通常の死亡率を比較すると、高齢者の多い団体では高くなり、若

年者の多い団体では低くなる傾向があります。こうした年齢構成の異なる地域間で死亡状況の比

較ができるように年齢構成を調整した死亡率が年齢調整死亡率(人口10万対)です。この年齢

調整死亡率を用いることによって、年齢構成の異なる集団について、年齢構成の相違を気にする

ことなく、より正確に地域比較や年次比較ができます。

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 120.5 142.9 131.8 125.3 153.9 125.6 126.7 89.2

岐阜県 105.1 109.6 102.4 99.3 98.2 98.3 100.5 100.0

全国 102.3 105.3 101.7 100.8 100.9 97.2 97.7 98.2

80.0

90.0

100.0

110.0

120.0

130.0

140.0

150.0

160.0

人口10万対死亡率

男 女 男 女 男 女

がん 脳血管疾患 心疾患

下呂市 150.5 72.6 42.9 24.8 63.8 31.7

岐阜県 168.7 88.1 43.2 28 75 40.7

国 182.4 92.2 49.5 26.9 74.2 39.7

0

50

100

150

200

資料:岐阜県及び国:厚労省都道府県別にみた死亡の状況(平成 及び 年)

下呂市:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」を基に健康課算定

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

12

第一章 健康を取り巻く状況と課題

自殺の状況

下呂市の自殺死亡率は、岐阜県や全国と比較して、大変高い水準になっています。

近年はやや上昇傾向でもあります(図 )。

図 自殺による死亡率の推移

働き盛りにおける死亡の状況

働き盛りの青壮年期において、悪性新生物(がん)で17名、心疾患で6名、脳血管

疾患で2名、合計25名が死亡しています。

自殺では、8名の方が死亡しています(図 )。

図 主要死因の年齢階級別死亡数(平成 年度)

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 33.3 49.4 34.3 24.0 32.4 46.4 33.0 52.9

岐阜県 24.4 25.4 22.4 21.2 22.2 22.7 20.5 22.6

全国 24.0 24.2 24.2 24.4 24.0 24.4 23.4 22.9

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

人口10万対死亡率

10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50~64 65~74 75~84 85~ 計

悪性新生物

心疾患

老衰

脳血管疾患

肺炎

自殺

不慮の事故

腎不全

肝疾患

糖尿病

飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生2012」

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

13

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(2)平均寿命の推移

平均寿命は、市、国、県ともに伸びています。男性は国、県に比べ1歳程度高くなっ

ています。女性は、国、県よりは若干高いものの、伸びていません(図 )。

図 平均寿命(平成 年国勢調査から)

3.医療保険制度等からみた下呂市の健康概況

国民健康保険

国民健康保険被保険者数は、平成 年度以降減少傾向です。一方、医療機関等の受

診に伴う保険給付費は、やや上昇傾向となっています(図 )。

図 国民健康保険の加入者と保険給付費の状況

80.1

86.4

79.00

85.56

78.79

85.75

80.8

86.4

79.92

86.26

79.59

86.35

74.0 76.0 78.0 80.0 82.0 84.0 86.0 88.0

市県

(年齢)

平成17年 平成22年

10,155 10,139 9,798 9,461 9,135

849 823 938 967 910

26.3 億円28.2 億円 28.3 億円 29.2 億円 28.7 億円

0.0 億円

5.0 億円

10.0 億円

15.0 億円

20.0 億円

25.0 億円

30.0 億円

1,000

3,000

5,000

7,000

9,000

11,000

13,000

15,000

H20 H21 H22 H23 H24

(人)

一般(人) 退職(人) 保健給付費

資料:厚労省「平成 年市町村別生命表の概況」

生」

資料:各年度決算書

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

12

第一章 健康を取り巻く状況と課題

自殺の状況

下呂市の自殺死亡率は、岐阜県や全国と比較して、大変高い水準になっています。

近年はやや上昇傾向でもあります(図 )。

図 自殺による死亡率の推移

働き盛りにおける死亡の状況

働き盛りの青壮年期において、悪性新生物(がん)で17名、心疾患で6名、脳血管

疾患で2名、合計25名が死亡しています。

自殺では、8名の方が死亡しています(図 )。

図 主要死因の年齢階級別死亡数(平成 年度)

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

下呂市 33.3 49.4 34.3 24.0 32.4 46.4 33.0 52.9

岐阜県 24.4 25.4 22.4 21.2 22.2 22.7 20.5 22.6

全国 24.0 24.2 24.2 24.4 24.0 24.4 23.4 22.9

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0

人口10万対死亡率

10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50~64 65~74 75~84 85~ 計

悪性新生物

心疾患

老衰

脳血管疾患

肺炎

自殺

不慮の事故

腎不全

肝疾患

糖尿病

飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生2012」

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」

13

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(2)平均寿命の推移

平均寿命は、市、国、県ともに伸びています。男性は国、県に比べ1歳程度高くなっ

ています。女性は、国、県よりは若干高いものの、伸びていません(図 )。

図 平均寿命(平成 年国勢調査から)

3.医療保険制度等からみた下呂市の健康概況

国民健康保険

国民健康保険被保険者数は、平成 年度以降減少傾向です。一方、医療機関等の受

診に伴う保険給付費は、やや上昇傾向となっています(図 )。

図 国民健康保険の加入者と保険給付費の状況

80.1

86.4

79.00

85.56

78.79

85.75

80.8

86.4

79.92

86.26

79.59

86.35

74.0 76.0 78.0 80.0 82.0 84.0 86.0 88.0

市県

(年齢)

平成17年 平成22年

10,155 10,139 9,798 9,461 9,135

849 823 938 967 910

26.3 億円28.2 億円 28.3 億円 29.2 億円 28.7 億円

0.0 億円

5.0 億円

10.0 億円

15.0 億円

20.0 億円

25.0 億円

30.0 億円

1,000

3,000

5,000

7,000

9,000

11,000

13,000

15,000

H20 H21 H22 H23 H24

(人)

一般(人) 退職(人) 保健給付費

資料:厚労省「平成 年市町村別生命表の概況」

生」

資料:各年度決算書

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

H12 H16 H22萩原町小坂町

男 下呂町金山町馬瀬村萩原町小坂町

女 下呂町金山町馬瀬村萩原町小坂町

全体 下呂町金山町馬瀬村

市 県 国

男 女 男 女平成17年平成22年伸び

市 県

80.1

86.4

79.00

85.56

78.79

85.75

80.8

86.4

79.92

86.26

79.59

86.35

74.0 76.0 78.0 80.0 82.0 84.0 86.0 88.0

(年齢)

平成17年 平成22年

10,155 10,139 9,798 9,461 9,135

849 823 938 967 910

26.3 億円 28.2 億円 28.3 億円 29.2 億円 28.7 億円

0.0 億円

5.0 億円

10.0 億円

15.0 億円

20.0 億円

25.0 億円

30.0 億円

1,000

3,000

5,000

7,000

9,000

11,000

13,000

15,000

H20 H21 H22 H23 H24

(人)

一般(人) 退職(人) 保健給付費

14

第一章 健康を取り巻く状況と課題

後期高齢者医療保険

加入者である被保険者数、医療費の公的負担である岐阜県後期高齢者医療広域事務組

合への負担金も右肩上がりとなっています(図 )。

図 後期高齢者医療保険の加入者と広域連合負担金の状況

介護保険

介護保険における要介護及び要支援に認定された人数、介護の公的負担である介護給

付費ともに右肩上がりに伸びています(図 )。

図 介護保険の要介護・要支援認定者数と介護給付費の状況

6,466

6,757 6,764

6,9807,1093.2 億円

3.8 億円 3.9 億円4.1 億円 4.2 億円

1.0 億円

1.5 億円

2.0 億円

2.5 億円

3.0 億円

3.5 億円

4.0 億円

4.5 億円

6,000

6,200

6,400

6,600

6,800

7,000

7,200

7,400

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度

(人)

被保険者数 広域連合負担金

1,628 1,669 1,749 1,835 1,882

21.8 億円23.3 億円

25.2 億円27.3 億円

28.8 億円

認定率,13.7%

認定率, 13.9%

認定率, 14.5%

認定率, 15.3%

認定率, 15.6%

0.0 億円

5.0 億円

10.0 億円

15.0 億円

20.0 億円

25.0 億円

30.0 億円

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H20 H21 H22 H23 H24

(人)

要介護(要支援認定者数) 介護給付費

資料:各年度決算書

資料:各年度決算書

15

第一章 健康を取り巻く状況と課題

疾病の状況~国民健康保険の医療費分析から~

入院医療費では1件当たりの入院日数が長く、1人当たりの入院医療費が高くなって

います。 入院外の医療費では、受療率は県内で一番高くなっていますが、1件当たり・1人当

たりの費用額は低くなっており、県内でも低い位置にあります。

図 国民健康保険における入院・入院外の医療費比較(全国・県・市)

図 国民健康保険における生活習慣病の受療状況(県・市)

国民健康保険には、退職等により政府管掌健康保険など被用者保険から加入

される高齢者が多いことも原因でしょうが、生活習慣病全体の受療者の加入者

に占める割合は 割を超え、県内でも高い水準です(図 )。

人工透析を除き、ほとんどが県平均よりも高くなっています。とくに脂質異

常症、脳血管疾患は全県1位、高血圧症も全県2位の受療率となっています。

下呂市 岐阜県 全国県内21市における位置

受療率 2位

1件当たり日数 1位

1人当たり費用額 2位

受療率 1位

1件当たり日数 21位

1人あたり費用額 20位

入院

入院外

(%)

下呂市 岐阜県県内21市における位置

生活習慣病全体 2位

高血圧症 2位

脂質異常症 1位

脳血管疾患 1位

虚血性心疾患 3位

糖尿病 7位

高尿酸血症 3位

肝機能障害 6位

人工透析 20位

資料:下呂市国民健康保険平成 年度統計

資料:下呂市国民健康保険平成 年 月統計

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

14

第一章 健康を取り巻く状況と課題

後期高齢者医療保険

加入者である被保険者数、医療費の公的負担である岐阜県後期高齢者医療広域事務組

合への負担金も右肩上がりとなっています(図 )。

図 後期高齢者医療保険の加入者と広域連合負担金の状況

介護保険

介護保険における要介護及び要支援に認定された人数、介護の公的負担である介護給

付費ともに右肩上がりに伸びています(図 )。

図 介護保険の要介護・要支援認定者数と介護給付費の状況

6,466

6,757 6,764

6,9807,1093.2 億円

3.8 億円 3.9 億円4.1 億円 4.2 億円

1.0 億円

1.5 億円

2.0 億円

2.5 億円

3.0 億円

3.5 億円

4.0 億円

4.5 億円

6,000

6,200

6,400

6,600

6,800

7,000

7,200

7,400

平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度

(人)

被保険者数 広域連合負担金

1,628 1,669 1,749 1,835 1,882

21.8 億円23.3 億円

25.2 億円27.3 億円

28.8 億円

認定率,13.7%

認定率, 13.9%

認定率, 14.5%

認定率, 15.3%

認定率, 15.6%

0.0 億円

5.0 億円

10.0 億円

15.0 億円

20.0 億円

25.0 億円

30.0 億円

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H20 H21 H22 H23 H24

(人)

要介護(要支援認定者数) 介護給付費

資料:各年度決算書

資料:各年度決算書

15

第一章 健康を取り巻く状況と課題

疾病の状況~国民健康保険の医療費分析から~

入院医療費では1件当たりの入院日数が長く、1人当たりの入院医療費が高くなって

います。 入院外の医療費では、受療率は県内で一番高くなっていますが、1件当たり・1人当

たりの費用額は低くなっており、県内でも低い位置にあります。

図 国民健康保険における入院・入院外の医療費比較(全国・県・市)

図 国民健康保険における生活習慣病の受療状況(県・市)

国民健康保険には、退職等により政府管掌健康保険など被用者保険から加入

される高齢者が多いことも原因でしょうが、生活習慣病全体の受療者の加入者

に占める割合は 割を超え、県内でも高い水準です(図 )。

人工透析を除き、ほとんどが県平均よりも高くなっています。とくに脂質異

常症、脳血管疾患は全県1位、高血圧症も全県2位の受療率となっています。

下呂市 岐阜県 全国県内21市における位置

受療率 2位

1件当たり日数 1位

1人当たり費用額 2位

受療率 1位

1件当たり日数 21位

1人あたり費用額 20位

入院

入院外

(%)

下呂市 岐阜県県内21市における位置

生活習慣病全体 2位

高血圧症 2位

脂質異常症 1位

脳血管疾患 1位

虚血性心疾患 3位

糖尿病 7位

高尿酸血症 3位

肝機能障害 6位

人工透析 20位

資料:下呂市国民健康保険平成 年度統計

資料:下呂市国民健康保険平成 年 月統計

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

16

第一章 健康を取り巻く状況と課題

4.国民健康保険の特定健康診査・特定保健指導

生活習慣病の発症予防、重症化予防の最も重要な取り組みである医療保険者による特

定健康診査(以後、「特定健診」という。)・特定保健指導は、平成 年法定報告で受

診率は %、保健指導率は %となっており、岐阜県平均と比較して非常に高

い結果となっています。しかし、年齢別受診率を見ると、一番高いのは男女とも 歳

以上の高齢者となっています。働き盛りの受診率は低い状況にあります(図 、図

)。

図 国民健康保険の特定健診受診率と特定保健指導実施率の推移

図 国民健康保険の年齢区分別特定健診受診率

60.6% 56.8%

55.3% 51.5% 50.5%

37.6%

53.0%

61.6%

87.4%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(受診率・実施率

%)

特定健診受診率

特定保健指導実施率

19.8% 22.0%28.1%

45.6% 43.7%40.8%

45.7%48.6%

55.6%

26.6%21.8%

41.6% 43.1%

55.1%52.1%

54.8%58.0% 58.8%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳

(受診率

%)

※特定保健指導には、動機づけ支援と積極的支援を含む

資料:健康課

資料:健康課

17

第一章 健康を取り巻く状況と課題

5.医療機関の充足

医療機関の充足を見ると、近隣の市と比較して人口 万人当たりの病床数が多い事

がわかります。医療機関が充実している事が受療率を上げているとも考えられます(図

)。

図 近隣市における医療機関の状況

下呂市

高山市

中津川市

恵那市

10万人当たり 10万人当たり人口

病院数 一般診療所数 病床数(床) 医師数(人)

数 病床 数 病床

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」、恵那保健所「恵那の公衆衛生」 病床数(10 万人当たり)は健康課算出

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

16

第一章 健康を取り巻く状況と課題

4.国民健康保険の特定健康診査・特定保健指導

生活習慣病の発症予防、重症化予防の最も重要な取り組みである医療保険者による特

定健康診査(以後、「特定健診」という。)・特定保健指導は、平成 年法定報告で受

診率は %、保健指導率は %となっており、岐阜県平均と比較して非常に高

い結果となっています。しかし、年齢別受診率を見ると、一番高いのは男女とも 歳

以上の高齢者となっています。働き盛りの受診率は低い状況にあります(図 、図

)。

図 国民健康保険の特定健診受診率と特定保健指導実施率の推移

図 国民健康保険の年齢区分別特定健診受診率

60.6% 56.8%

55.3% 51.5% 50.5%

37.6%

53.0%

61.6%

87.4%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度

(受診率・実施率

%)

特定健診受診率

特定保健指導実施率

19.8% 22.0%28.1%

45.6% 43.7%40.8%

45.7%48.6%

55.6%

26.6%21.8%

41.6% 43.1%

55.1%52.1%

54.8%58.0% 58.8%

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

30~34歳 35~39歳 40~44歳 45~49歳 50~54歳 55~59歳 60~64歳 65~69歳 70~74歳

(受診率

%)

※特定保健指導には、動機づけ支援と積極的支援を含む

資料:健康課

資料:健康課

17

第一章 健康を取り巻く状況と課題

5.医療機関の充足

医療機関の充足を見ると、近隣の市と比較して人口 万人当たりの病床数が多い事

がわかります。医療機関が充実している事が受療率を上げているとも考えられます(図

)。

図 近隣市における医療機関の状況

下呂市

高山市

中津川市

恵那市

10万人当たり 10万人当たり人口

病院数 一般診療所数 病床数(床) 医師数(人)

数 病床 数 病床

資料:飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」、恵那保健所「恵那の公衆衛生」 病床数(10 万人当たり)は健康課算出

5

第一章 健康を取り巻く状況と課題

第一章 健康を取り巻く状況と課題

1 人口

下呂市の人口は、平成22年の国勢調査で36314人となっており、平成17年

の同調査より2180人減少しています。

年齢別では、年少人口(0~14歳)が 人から 人と 人が減少し、

生産年齢人口( ~ 歳)においても、 人が 人へと 人の減

少になっています。

一方、 歳以上の高齢者は 人から 人へと 人が増加し、高

齢化率も %から %へと上昇しています(図1)。

図1 人口の推移と推計(平成25年3月推計)

5,679 6,733 7,388 7,61075歳以上8,078

5,7905,303

5,448 5,272 65~74歳4,390

13,007 12,106 10,809 9,749 40~64歳8,724

8,8027,648

6,6576,048

15~39歳5,697

5,2134,524

3,877

3,33914歳以下2,894

38,494

36,314

34,179

32,018人口

29,78329.8% 33.1%

37.6% 40.2%高齢化率

41.9%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

45.0%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

平成17年 平成22年 平成27年 平成32年 平成37年

(人)

資料:平成17年、平成22年 国勢調査

    平成27年、平成32年、平成37年 国立社会保障・人口問題研究所 『日本の市区町村別将来推計人口』(平成25年3月推計)

18

第一章 健康を取り巻く状況と課題

19

第二章 計画の基本的な考え方

第二章 計画の基本的な考え方

1 計画の基本理念

市民の誰もが幸せであると実感し、安心して生活を送るためには、健康上の問題で日

常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大切で

す。そのために、食生活や運動習慣等の生活習慣を改善することが大切です。

そうした健康づくりは、一人ひとりが自分にあった方法をみつけ、家庭や学校、地域、

職場等、社会全体がその取り組みを支援することで、より効果的になります。

下呂市では、総合計画の将来像である「ふるさとを感じる森と清流、人とまちが響き

あう健康と交流のまち」を実現するため、基本目標として「みんなが健康づくりに取り

組むまちづくり」を掲げ、「健康増進事業の推進」を重点戦略のひとつとして位置づけ

ています。

少子高齢化や人口減少が進む中にあっても、そこに住む人々(家族)が健康で元気で

いることが、地域を支え、地域に活力を生み出すものと考えます。よって、この計画に

おいては、子どもから高齢者まで全ての世代が地域のつながりの中で健やかで心豊かに

生活できる活力のある社会の実現をめざします。

その実現に向けて、健康寿命の延伸や医療費等の適正化など高齢化社会に対応した持

続可能な下呂市を構築するため、市民自らが主体的に健康づくりの行動を実践すること、

また、家庭や学校、地域や職場など社会全体としても個人の健康を支える環境づくりに

取り組みます。

わたしの健康 家族の幸せ

みんなの健康 地域の元気

のばそう健康寿命

みんなが健康づくりに取り組むまち 下呂市

健康寿命とは・・・ 日常生活に制限のない期間のことです。 今後、平均寿命が延びるにつれ、こうした健康寿命との差が拡大すれば、医療や

介護を受ける期間が長くなることになります。疾病予防と健康増進、介護予防など

によって、健康寿命を延ばし、平均寿命との差を短縮することが大きな目標です。

6

第一章 健康を取り巻く状況と課題

(1)高齢化の状況

今後もこのような傾向は続き、将来人口推計では、平成 年の人口は2万 78

3人に減少し、高齢化率は国県のペースを上回り、 %に達することが予想されて

います(図2)。

図2 国、県と下呂市の高齢化率の推移(%)

図3は、平成 年の国調人口と平成 年の推計人口で人口ピラミッドの比較をし

たものです。

図3 平成22年と平成37年の人口ピラミッド

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

13341481

17091491

10241344

172720621994

21942236

25903092

259727062668

20671256

742

500150025003500

0~45~910~1415~1920~2425~2930~3435~3940~4445~4950~5455~5960~6465~6970~7475~7980~8485~8990~

平成 年

859941109411081057

12611179

10921258

160619241880

20562062

23282686

204517051642

500 1500 2500 3500

平成 年

H17 H22 H27 H32 H37

岐阜県

下呂市

資料:国勢調査、国立社会保障・人口問題研究所

18

第一章 健康を取り巻く状況と課題

19

第二章 計画の基本的な考え方

第二章 計画の基本的な考え方

1 計画の基本理念

市民の誰もが幸せであると実感し、安心して生活を送るためには、健康上の問題で日

常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大切で

す。そのために、食生活や運動習慣等の生活習慣を改善することが大切です。

そうした健康づくりは、一人ひとりが自分にあった方法をみつけ、家庭や学校、地域、

職場等、社会全体がその取り組みを支援することで、より効果的になります。

下呂市では、総合計画の将来像である「ふるさとを感じる森と清流、人とまちが響き

あう健康と交流のまち」を実現するため、基本目標として「みんなが健康づくりに取り

組むまちづくり」を掲げ、「健康増進事業の推進」を重点戦略のひとつとして位置づけ

ています。

少子高齢化や人口減少が進む中にあっても、そこに住む人々(家族)が健康で元気で

いることが、地域を支え、地域に活力を生み出すものと考えます。よって、この計画に

おいては、子どもから高齢者まで全ての世代が地域のつながりの中で健やかで心豊かに

生活できる活力のある社会の実現をめざします。

その実現に向けて、健康寿命の延伸や医療費等の適正化など高齢化社会に対応した持

続可能な下呂市を構築するため、市民自らが主体的に健康づくりの行動を実践すること、

また、家庭や学校、地域や職場など社会全体としても個人の健康を支える環境づくりに

取り組みます。

わたしの健康 家族の幸せ

みんなの健康 地域の元気

のばそう健康寿命

みんなが健康づくりに取り組むまち 下呂市

健康寿命とは・・・ 日常生活に制限のない期間のことです。 今後、平均寿命が延びるにつれ、こうした健康寿命との差が拡大すれば、医療や

介護を受ける期間が長くなることになります。疾病予防と健康増進、介護予防など

によって、健康寿命を延ばし、平均寿命との差を短縮することが大きな目標です。

19

第二章 計画の基本的な考え方

第二章 計画の基本的な考え方

1 計画の基本理念

市民の誰もが幸せであると実感し、安心して生活を送るためには、健康上の問題で日

常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大切で

す。そのために、食生活や運動習慣等の生活習慣を改善することが大切です。

そうした健康づくりは、一人ひとりが自分にあった方法をみつけ、家庭や学校、地域、

職場等、社会全体がその取り組みを支援することで、より効果的になります。

下呂市では、総合計画の将来像である「ふるさとを感じる森と清流、人とまちが響き

あう健康と交流のまち」を実現するため、基本目標として「みんなが健康づくりに取り

組むまちづくり」を掲げ、「健康増進事業の推進」を重点戦略のひとつとして位置づけ

ています。

少子高齢化や人口減少が進む中にあっても、そこに住む人々(家族)が健康で元気で

いることが、地域を支え、地域に活力を生み出すものと考えます。よって、この計画に

おいては、子どもから高齢者まで全ての世代が地域のつながりの中で健やかで心豊かに

生活できる活力のある社会の実現をめざします。

その実現に向けて、健康寿命の延伸や医療費等の適正化など高齢化社会に対応した持

続可能な下呂市を構築するため、市民自らが主体的に健康づくりの行動を実践すること、

また、家庭や学校、地域や職場など社会全体としても個人の健康を支える環境づくりに

取り組みます。

わたしの健康 家族の幸せ

みんなの健康 地域の元気

のばそう健康寿命

みんなが健康づくりに取り組むまち 下呂市

健康寿命とは・・・ 日常生活に制限のない期間のことです。 今後、平均寿命が延びるにつれ、こうした健康寿命との差が拡大すれば、医療や

介護を受ける期間が長くなることになります。疾病予防と健康増進、介護予防など

によって、健康寿命を延ばし、平均寿命との差を短縮することが大きな目標です。

20

第二章 計画の基本的な考え方

2 目標

(1)基本目標

本計画の基本理念を実現するために、次の3つの項目を、本計画の最終的な目標であ

る「基本目標」として位置づけます。

① 生活の質 注 )の向上

健全な食生活や適切な運動習慣など健康づくりを推進し、市民の生活の質

の向上を図ります。

② 壮年期死亡の減少

働き盛りの人の死亡を減少させます。

③ 健康寿命の延伸

健康で幸せに自分らしく生活できる期間を延ばします。

(2)計画の基本的な方向

市民が健康で幸せを実感できるような豊かな生活をめざすには、ライフステージにお

いて、市民自らがそれぞれの健康づくりのための方策を主体的に選択し、実践していく

ことが重要です。

また、市民が健康づくりに取り組むための環境整備をするとともに、家庭・学校・職

場・地域が連携して個人の健康づくりを支援し、健康で幸せに自分らしく生活できる社

会づくりを推進していくことが重要です。

そこで、基本目標を実現するために、以下の つを基本的な方向性として掲げ、具体

的な施策を推進します。

① 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防

下呂市の主要死亡原因であるがん、循環器疾患、糖尿病に対処するため、食

生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防対策を推進するとともに、合併

症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進します。

注 )自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、という概念です。たとえば、

病気により日常生活や、趣味、他の人たちとの交流も制限される場合、生活の質が低下

したと表現します。生活習慣の見直しは、生活の質の向上につながります。

21

第二章 計画の基本的な考え方

② 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

自立した日常生活を営むことをめざし、働く世代のストレス対策や若年期か

ら高齢期までの全ライフステージにおいて、心身機能の維持・向上に取り組み

ます。

③ 健康を支え、守るための社会環境の整備

地域や世代間の相互扶助や職場の支援が機能することで、健康づくりに無関

心な人も含め、社会全体で支え合いながら健康を守る環境整備を構築するもの

とします。

④ 生活習慣及び社会環境の改善

食生活、運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改

善に取り組みます。

乳幼児期から高齢期までのライフステージや性差、社会経済的状況等の違い

に着目し、対象ごとの特性等を把握した上で、ハイリスク集団(注 )への働きか

けを重点的に行うとともに、地域や職域等を通じて市民全体へのアプローチを

行います。

(3)行動目標

本書は、市民の健康増進のための市役所の事業計画を掲載しています。市役所が事業

を実施することで、市民や地域、NPO等の市民活動団体の主体的な活動が活性化し、

市全体の健康増進をめざすものです。 ついては、次の主要な課題ごとに市民、地域(企業等)、市役所が、どのように動い

たら良いのか行動目標としてわかりやすい言葉で表現し、それぞれの対策に続いて掲載

しています。

(注 ) 生活習慣病の発症の可能性が高い者。健診結果から対象者を明確化する。

20

第二章 計画の基本的な考え方

2 目標

(1)基本目標

本計画の基本理念を実現するために、次の3つの項目を、本計画の最終的な目標であ

る「基本目標」として位置づけます。

① 生活の質 注 )の向上

健全な食生活や適切な運動習慣など健康づくりを推進し、市民の生活の質

の向上を図ります。

② 壮年期死亡の減少

働き盛りの人の死亡を減少させます。

③ 健康寿命の延伸

健康で幸せに自分らしく生活できる期間を延ばします。

(2)計画の基本的な方向

市民が健康で幸せを実感できるような豊かな生活をめざすには、ライフステージにお

いて、市民自らがそれぞれの健康づくりのための方策を主体的に選択し、実践していく

ことが重要です。

また、市民が健康づくりに取り組むための環境整備をするとともに、家庭・学校・職

場・地域が連携して個人の健康づくりを支援し、健康で幸せに自分らしく生活できる社

会づくりを推進していくことが重要です。

そこで、基本目標を実現するために、以下の つを基本的な方向性として掲げ、具体

的な施策を推進します。

① 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防

下呂市の主要死亡原因であるがん、循環器疾患、糖尿病に対処するため、食

生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防対策を推進するとともに、合併

症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進します。

注 )自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、という概念です。たとえば、

病気により日常生活や、趣味、他の人たちとの交流も制限される場合、生活の質が低下

したと表現します。生活習慣の見直しは、生活の質の向上につながります。

20

第二章 計画の基本的な考え方

2 目標

(1)基本目標

本計画の基本理念を実現するために、次の3つの項目を、本計画の最終的な目標であ

る「基本目標」として位置づけます。

① 生活の質 注 )の向上

健全な食生活や適切な運動習慣など健康づくりを推進し、市民の生活の質

の向上を図ります。

② 壮年期死亡の減少

働き盛りの人の死亡を減少させます。

③ 健康寿命の延伸

健康で幸せに自分らしく生活できる期間を延ばします。

(2)計画の基本的な方向

市民が健康で幸せを実感できるような豊かな生活をめざすには、ライフステージにお

いて、市民自らがそれぞれの健康づくりのための方策を主体的に選択し、実践していく

ことが重要です。

また、市民が健康づくりに取り組むための環境整備をするとともに、家庭・学校・職

場・地域が連携して個人の健康づくりを支援し、健康で幸せに自分らしく生活できる社

会づくりを推進していくことが重要です。

そこで、基本目標を実現するために、以下の つを基本的な方向性として掲げ、具体

的な施策を推進します。

① 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防

下呂市の主要死亡原因であるがん、循環器疾患、糖尿病に対処するため、食

生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防対策を推進するとともに、合併

症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進します。

注 )自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、という概念です。たとえば、

病気により日常生活や、趣味、他の人たちとの交流も制限される場合、生活の質が低下

したと表現します。生活習慣の見直しは、生活の質の向上につながります。

21

第二章 計画の基本的な考え方

② 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上

自立した日常生活を営むことをめざし、働く世代のストレス対策や若年期か

ら高齢期までの全ライフステージにおいて、心身機能の維持・向上に取り組み

ます。

③ 健康を支え、守るための社会環境の整備

地域や世代間の相互扶助や職場の支援が機能することで、健康づくりに無関

心な人も含め、社会全体で支え合いながら健康を守る環境整備を構築するもの

とします。

④ 生活習慣及び社会環境の改善

食生活、運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改

善に取り組みます。

乳幼児期から高齢期までのライフステージや性差、社会経済的状況等の違い

に着目し、対象ごとの特性等を把握した上で、ハイリスク集団(注 )への働きか

けを重点的に行うとともに、地域や職域等を通じて市民全体へのアプローチを

行います。

(3)行動目標

本書は、市民の健康増進のための市役所の事業計画を掲載しています。市役所が事業

を実施することで、市民や地域、NPO等の市民活動団体の主体的な活動が活性化し、

市全体の健康増進をめざすものです。 ついては、次の主要な課題ごとに市民、地域(企業等)、市役所が、どのように動い

たら良いのか行動目標としてわかりやすい言葉で表現し、それぞれの対策に続いて掲載

しています。

(注 ) 生活習慣病の発症の可能性が高い者。健診結果から対象者を明確化する。

19

第二章 計画の基本的な考え方

第二章 計画の基本的な考え方

1 計画の基本理念

市民の誰もが幸せであると実感し、安心して生活を送るためには、健康上の問題で日

常生活が制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」を延ばすことが大切で

す。そのために、食生活や運動習慣等の生活習慣を改善することが大切です。

そうした健康づくりは、一人ひとりが自分にあった方法をみつけ、家庭や学校、地域、

職場等、社会全体がその取り組みを支援することで、より効果的になります。

下呂市では、総合計画の将来像である「ふるさとを感じる森と清流、人とまちが響き

あう健康と交流のまち」を実現するため、基本目標として「みんなが健康づくりに取り

組むまちづくり」を掲げ、「健康増進事業の推進」を重点戦略のひとつとして位置づけ

ています。

少子高齢化や人口減少が進む中にあっても、そこに住む人々(家族)が健康で元気で

いることが、地域を支え、地域に活力を生み出すものと考えます。よって、この計画に

おいては、子どもから高齢者まで全ての世代が地域のつながりの中で健やかで心豊かに

生活できる活力のある社会の実現をめざします。

その実現に向けて、健康寿命の延伸や医療費等の適正化など高齢化社会に対応した持

続可能な下呂市を構築するため、市民自らが主体的に健康づくりの行動を実践すること、

また、家庭や学校、地域や職場など社会全体としても個人の健康を支える環境づくりに

取り組みます。

わたしの健康 家族の幸せ

みんなの健康 地域の元気

のばそう健康寿命

みんなが健康づくりに取り組むまち 下呂市

健康寿命とは・・・ 日常生活に制限のない期間のことです。 今後、平均寿命が延びるにつれ、こうした健康寿命との差が拡大すれば、医療や

介護を受ける期間が長くなることになります。疾病予防と健康増進、介護予防など

によって、健康寿命を延ばし、平均寿命との差を短縮することが大きな目標です。

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第二章 計画の基本的な考え方

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

20

第二章 計画の基本的な考え方

2 目標

(1)基本目標

本計画の基本理念を実現するために、次の3つの項目を、本計画の最終的な目標であ

る「基本目標」として位置づけます。

① 生活の質 注 )の向上

健全な食生活や適切な運動習慣など健康づくりを推進し、市民の生活の質

の向上を図ります。

② 壮年期死亡の減少

働き盛りの人の死亡を減少させます。

③ 健康寿命の延伸

健康で幸せに自分らしく生活できる期間を延ばします。

(2)計画の基本的な方向

市民が健康で幸せを実感できるような豊かな生活をめざすには、ライフステージにお

いて、市民自らがそれぞれの健康づくりのための方策を主体的に選択し、実践していく

ことが重要です。

また、市民が健康づくりに取り組むための環境整備をするとともに、家庭・学校・職

場・地域が連携して個人の健康づくりを支援し、健康で幸せに自分らしく生活できる社

会づくりを推進していくことが重要です。

そこで、基本目標を実現するために、以下の つを基本的な方向性として掲げ、具体

的な施策を推進します。

① 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防

下呂市の主要死亡原因であるがん、循環器疾患、糖尿病に対処するため、食

生活の改善や運動習慣の定着等による一次予防対策を推進するとともに、合併

症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点を置いた対策を推進します。

注 )自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出しているか、という概念です。たとえば、

病気により日常生活や、趣味、他の人たちとの交流も制限される場合、生活の質が低下

したと表現します。生活習慣の見直しは、生活の質の向上につながります。

22

第二章 計画の基本的な考え方

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

25

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がんになる確率の高い高齢者人口の増加に伴い、がんの死亡率は上昇傾向が認められ

ますが、本計画では 歳以上の死亡を除くことで、壮年期がん死亡の現状や動向を高

い精度でみていくことにします。

表3 下呂市のがんによる75歳未満の死亡率

がんの死亡状況を 歳未満の年齢調整死亡率で見ると、平成 年の下呂市の数値

はすでに国が平成 年までの目標に掲げた と同数値で、全国の中でも低い死亡

率となっています。今後とも、がんの罹患・死亡の減少をめざします。

目標項目 75歳未満のがんの年齢調整死亡率の低下

下呂市 国

現状 (平成 年) (平成 年)

目標 減少(平成 年) (平成 年)

出典 飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」に

基づく健康課資料

厚生労働省「人口動態統計」

しかし、男女別に平成 年と 年を比較すると、女性で死亡率が減少する一方、

男性では増加しており、特に胃がんの死亡率は男女ともに悪化しており、全国平均より

高くなっていることが目立ちます。(表4)

H17 H18 H19 H20 H21 H22

大腸

子宮

小計

その他 計

H27の国の目標

総   計

死亡者数

年齢調整死亡率

年度

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

25

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がんになる確率の高い高齢者人口の増加に伴い、がんの死亡率は上昇傾向が認められ

ますが、本計画では 歳以上の死亡を除くことで、壮年期がん死亡の現状や動向を高

い精度でみていくことにします。

表3 下呂市のがんによる75歳未満の死亡率

がんの死亡状況を 歳未満の年齢調整死亡率で見ると、平成 年の下呂市の数値

はすでに国が平成 年までの目標に掲げた と同数値で、全国の中でも低い死亡

率となっています。今後とも、がんの罹患・死亡の減少をめざします。

目標項目 75歳未満のがんの年齢調整死亡率の低下

下呂市 国

現状 (平成 年) (平成 年)

目標 減少(平成 年) (平成 年)

出典 飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」に

基づく健康課資料

厚生労働省「人口動態統計」

しかし、男女別に平成 年と 年を比較すると、女性で死亡率が減少する一方、

男性では増加しており、特に胃がんの死亡率は男女ともに悪化しており、全国平均より

高くなっていることが目立ちます。(表4)

H17 H18 H19 H20 H21 H22

大腸

子宮

小計

その他 計

H27の国の目標

総   計

死亡者数

年齢調整死亡率

年度

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

26

第三章 課題別の実態と対策

表4 がんによる75歳未満の男女別死亡率

【全がん】 歳未満年齢調整死亡率 【胃がん】 歳未満年齢調整死亡率

青森県 青森県 大阪府 青森県 秋田県 秋田県 鳥取県 和歌山県

佐賀県 秋田県 佐賀県 鳥取県 青森県 鳥取県 石川県 山口県

福岡県 鳥取県 福岡県 長崎県 新潟県 下呂市 香川県 栃木県

長崎県 高知県 北海道 北海道 福島県 青森県 富山県 石川県

大阪府 和歌山県 東京都 和歌山県 和歌山県 和歌山県 山口県 茨城県

秋田県 北海道 青森県 大阪府 山形県 山形県 秋田県 秋田県

和歌山県 大阪府 茨城県 山口県 大阪府 岩手県 愛媛県 新潟県

鳥取県 愛媛県 埼玉県 秋田県 栃木県 大阪府 和歌山県 岐阜県

山口県 佐賀県 鳥取県 岩手県 高知県 新潟県 新潟県 埼玉県

北海道 岩手県 和歌山県 栃木県 奈良県 埼玉県 滋賀県 愛媛県

高知県 福岡県 栃木県 京都府 富山県 奈良県 山形県 奈良県

兵庫県 兵庫県 宮城県 東京都 茨城県 茨城県 三重県 愛知県

島根県 山口県 山口県 佐賀県 佐賀県 香川県 青森県 高知県

奈良県 長崎県 高知県 福岡県 愛知県 福島県 島根県 山梨県

新潟県 新潟県 兵庫県 鹿児島県 埼玉県 山口県 群馬県 福島県

広島県 東京都 神奈川県 埼玉県 石川県 栃木県 埼玉県 兵庫県

鹿児島県 福島県 長崎県 静岡県 兵庫県 高知県 福井県 島根県

茨城県 ★全国 愛知県 茨城県 群馬県 群馬県 長崎県 群馬県

★全国 京都府 ★全国 千葉県 鳥取県 愛媛県 茨城県 富山県

岩手県 奈良県 岩手県 神奈川県 下呂市 長崎県 大阪府 滋賀県

東京都 埼玉県 福島県 ★全国 島根県 富山県 高知県 大阪府

福島県 栃木県 愛媛県 群馬県 山口県 兵庫県 愛知県 広島県

愛知県 徳島県 千葉県 宮崎県 福岡県 愛知県 佐賀県 千葉県

愛媛県 茨城県 京都府 愛知県 ★全国 ★全国 徳島県 下呂市

埼玉県 愛知県 石川県 熊本県 香川県 岐阜県 千葉県 山形県

徳島県 鹿児島県 滋賀県 兵庫県 東京都 京都府 静岡県 青森県

栃木県 広島県 福井県 奈良県 岐阜県 千葉県 ★全国 宮城県

山梨県 宮城県 群馬県 福島県 千葉県 石川県 岐阜県 長崎県

京都府 山形県 新潟県 徳島県 京都府 福岡県 東京都 ★全国

千葉県 石川県 秋田県 岐阜県 徳島県 岡山県 兵庫県 京都府

宮城県 群馬県 山形県 愛媛県 三重県 北海道 栃木県 佐賀県

群馬県 宮崎県 岐阜県 石川県 広島県 広島県 北海道 鳥取県

富山県 山梨県 奈良県 高知県 宮城県 佐賀県 広島県 宮崎県

神奈川県 岡山県 広島県 香川県 北海道 東京都 京都府 香川県

宮崎県 大分県 沖縄県 宮城県 愛媛県 福井県 福島県 鹿児島県

大分県 富山県 鹿児島県 福井県 山梨県 島根県 福岡県 静岡県

静岡県 神奈川県 静岡県 島根県 神奈川県 滋賀県 宮城県 岩手県

岐阜県 島根県 宮崎県 沖縄県 長崎県 山梨県 岡山県 三重県

石川県 千葉県 下呂市 富山県 宮崎県 宮城県 鹿児島県 北海道

滋賀県 香川県 熊本県 山形県 福井県 神奈川県 神奈川県 福井県

岡山県 岐阜県 徳島県 岡山県 滋賀県 徳島県 岩手県 神奈川県

三重県 下呂市 島根県 広島県 岩手県 静岡県 宮崎県 岡山県

香川県 三重県 三重県 三重県 岡山県 宮崎県 大分県 東京都

沖縄県 静岡県 香川県 新潟県 大分県 三重県 奈良県 徳島県

山形県 熊本県 富山県 滋賀県 静岡県 鹿児島県 山梨県 熊本県

熊本県 福井県 大分県 大分県 長野県 大分県 長野県 福岡県

福井県 滋賀県 山梨県 山梨県 鹿児島県 長野県 熊本県 大分県

下呂市 沖縄県 長野県 長野県 熊本県 熊本県 沖縄県 長野県

長野県 長野県 岡山県 下呂市 沖縄県 沖縄県 下呂市 沖縄県

男 男 女 女

平成 年 平成 年

男 男 女 女

平成 年 平成 年 平成 年 平成 年 平成 年 平成 年順位

悪性新生物順位

胃の悪性新生物

27

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

がん検診の受診率向上

健康増進法に基づくがん検診では、これまで年齢の上限を設けず、ある一定年齢以上

の者を対象としてきましたが、早世予防の観点から 歳から 歳まで(子宮頸がん

は 歳から 歳まで)を対象とした受診率で評価します。この対象基準で、市の平

成 年度のがん検診の受診率を見ると、実施している5つのがん検診のすべてで目標

値を達成することになります。しかし、「胃がん検診」だけは、受診率が低いことが目

立ちます。(表5)。

表5 下呂市各がん検診受診率

がん検診は、がんの早期発見と重症化予防の最も有効な対策であり、今後も受診率の

向上に努めます。

目標項目 がん検診の受診率の向上

下呂市 国

現状

平成 年度 平成 年度

~ 歳男女 男性 女性

胃がん

肺がん

大腸がん %

乳がん (※1)

子宮頸がん (※2)

目標受診率の増加(平成 年)

%(平成 年)

(胃がん、肺がん、大腸がんは

当面 %)

出典 市健康課統計※1:女性のみ

※2: ~ 歳女性のみ

厚生労働省統計

40歳以上上限なし 40~69歳

胃がん

肺がん

大腸がん

乳がん

子宮頸がん

検  診H23年度

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

26

第三章 課題別の実態と対策

表4 がんによる75歳未満の男女別死亡率

【全がん】 歳未満年齢調整死亡率 【胃がん】 歳未満年齢調整死亡率

青森県 青森県 大阪府 青森県 秋田県 秋田県 鳥取県 和歌山県

佐賀県 秋田県 佐賀県 鳥取県 青森県 鳥取県 石川県 山口県

福岡県 鳥取県 福岡県 長崎県 新潟県 下呂市 香川県 栃木県

長崎県 高知県 北海道 北海道 福島県 青森県 富山県 石川県

大阪府 和歌山県 東京都 和歌山県 和歌山県 和歌山県 山口県 茨城県

秋田県 北海道 青森県 大阪府 山形県 山形県 秋田県 秋田県

和歌山県 大阪府 茨城県 山口県 大阪府 岩手県 愛媛県 新潟県

鳥取県 愛媛県 埼玉県 秋田県 栃木県 大阪府 和歌山県 岐阜県

山口県 佐賀県 鳥取県 岩手県 高知県 新潟県 新潟県 埼玉県

北海道 岩手県 和歌山県 栃木県 奈良県 埼玉県 滋賀県 愛媛県

高知県 福岡県 栃木県 京都府 富山県 奈良県 山形県 奈良県

兵庫県 兵庫県 宮城県 東京都 茨城県 茨城県 三重県 愛知県

島根県 山口県 山口県 佐賀県 佐賀県 香川県 青森県 高知県

奈良県 長崎県 高知県 福岡県 愛知県 福島県 島根県 山梨県

新潟県 新潟県 兵庫県 鹿児島県 埼玉県 山口県 群馬県 福島県

広島県 東京都 神奈川県 埼玉県 石川県 栃木県 埼玉県 兵庫県

鹿児島県 福島県 長崎県 静岡県 兵庫県 高知県 福井県 島根県

茨城県 ★全国 愛知県 茨城県 群馬県 群馬県 長崎県 群馬県

★全国 京都府 ★全国 千葉県 鳥取県 愛媛県 茨城県 富山県

岩手県 奈良県 岩手県 神奈川県 下呂市 長崎県 大阪府 滋賀県

東京都 埼玉県 福島県 ★全国 島根県 富山県 高知県 大阪府

福島県 栃木県 愛媛県 群馬県 山口県 兵庫県 愛知県 広島県

愛知県 徳島県 千葉県 宮崎県 福岡県 愛知県 佐賀県 千葉県

愛媛県 茨城県 京都府 愛知県 ★全国 ★全国 徳島県 下呂市

埼玉県 愛知県 石川県 熊本県 香川県 岐阜県 千葉県 山形県

徳島県 鹿児島県 滋賀県 兵庫県 東京都 京都府 静岡県 青森県

栃木県 広島県 福井県 奈良県 岐阜県 千葉県 ★全国 宮城県

山梨県 宮城県 群馬県 福島県 千葉県 石川県 岐阜県 長崎県

京都府 山形県 新潟県 徳島県 京都府 福岡県 東京都 ★全国

千葉県 石川県 秋田県 岐阜県 徳島県 岡山県 兵庫県 京都府

宮城県 群馬県 山形県 愛媛県 三重県 北海道 栃木県 佐賀県

群馬県 宮崎県 岐阜県 石川県 広島県 広島県 北海道 鳥取県

富山県 山梨県 奈良県 高知県 宮城県 佐賀県 広島県 宮崎県

神奈川県 岡山県 広島県 香川県 北海道 東京都 京都府 香川県

宮崎県 大分県 沖縄県 宮城県 愛媛県 福井県 福島県 鹿児島県

大分県 富山県 鹿児島県 福井県 山梨県 島根県 福岡県 静岡県

静岡県 神奈川県 静岡県 島根県 神奈川県 滋賀県 宮城県 岩手県

岐阜県 島根県 宮崎県 沖縄県 長崎県 山梨県 岡山県 三重県

石川県 千葉県 下呂市 富山県 宮崎県 宮城県 鹿児島県 北海道

滋賀県 香川県 熊本県 山形県 福井県 神奈川県 神奈川県 福井県

岡山県 岐阜県 徳島県 岡山県 滋賀県 徳島県 岩手県 神奈川県

三重県 下呂市 島根県 広島県 岩手県 静岡県 宮崎県 岡山県

香川県 三重県 三重県 三重県 岡山県 宮崎県 大分県 東京都

沖縄県 静岡県 香川県 新潟県 大分県 三重県 奈良県 徳島県

山形県 熊本県 富山県 滋賀県 静岡県 鹿児島県 山梨県 熊本県

熊本県 福井県 大分県 大分県 長野県 大分県 長野県 福岡県

福井県 滋賀県 山梨県 山梨県 鹿児島県 長野県 熊本県 大分県

下呂市 沖縄県 長野県 長野県 熊本県 熊本県 沖縄県 長野県

長野県 長野県 岡山県 下呂市 沖縄県 沖縄県 下呂市 沖縄県

男 男 女 女

平成 年 平成 年

男 男 女 女

平成 年 平成 年 平成 年 平成 年 平成 年 平成 年順位

悪性新生物順位

胃の悪性新生物

27

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

がん検診の受診率向上

健康増進法に基づくがん検診では、これまで年齢の上限を設けず、ある一定年齢以上

の者を対象としてきましたが、早世予防の観点から 歳から 歳まで(子宮頸がん

は 歳から 歳まで)を対象とした受診率で評価します。この対象基準で、市の平

成 年度のがん検診の受診率を見ると、実施している5つのがん検診のすべてで目標

値を達成することになります。しかし、「胃がん検診」だけは、受診率が低いことが目

立ちます。(表5)。

表5 下呂市各がん検診受診率

がん検診は、がんの早期発見と重症化予防の最も有効な対策であり、今後も受診率の

向上に努めます。

目標項目 がん検診の受診率の向上

下呂市 国

現状

平成 年度 平成 年度

~ 歳男女 男性 女性

胃がん

肺がん

大腸がん %

乳がん (※1)

子宮頸がん (※2)

目標受診率の増加(平成 年)

%(平成 年)

(胃がん、肺がん、大腸がんは

当面 %)

出典 市健康課統計※1:女性のみ

※2: ~ 歳女性のみ

厚生労働省統計

40歳以上上限なし 40~69歳

胃がん

肺がん

大腸がん

乳がん

子宮頸がん

検  診H23年度

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

28

第三章 課題別の実態と対策

精密検査の受診率の向上

がん検診の結果、要検査と判定された方の精密検査の受診率は、いずれの検診も

%に至っていません(目標項目内 下呂市現状参照)。

目標項目 がん検診の精密検査受診率の向上

下呂市 国

現状 一般的な検査内容 年 年 設定な

し胃がん 胃内視鏡検査

肺がん 胸部CT % %

大腸がん 内視鏡検査 % %

子宮頸がん HPV検査、細胞

診、コルポ、組織検

% %

乳がん 視触診、精密マンモ

グラフィ( 方向)、

超音波検査、細胞

診、組織診

% %

目標 すべて %以上(平成28年)

「市町村事業におけるがん検診の事業評価の指標について」による目標設定

出典 市健康課統計

精密検査が必要と言われても、必ずしもがんとは限りませんが、治る段階で発見する

ことが重要であり、放っておいたために、がんが進行してしまったということにならな

いように、必ず精密検査を受けることが求められます。精密検査を受けなければ、せっ

かく早期発見のために検診を受けても、意味がなくなってしまいます。

■下呂市の課題 ~胃がん~

歳未満のがんの年齢調整死亡率をさらに減少させるには、全国と比べ死亡率が高

い胃がんによる死亡を減少させることが重要です。そのためには、他のがん検診より受

診率の低い胃がん検診の受診率を高めることによる早期発見と重症化予防、そして、が

んのリスクを高める生活習慣の改善への取り組みを強化していくことが求められます。

特に胃がんの発生メカニズムから、下呂市の食生活を背景にした高脂肪食・アルコー

ルの過剰摂取・塩分過剰摂取の問題に着目し、生活習慣の改善による発症予防に努める

ことが重要です。これらについては、本章の「3.生活習慣及び社会環境の改善」にお

いて詳しく述べます。

平成 25 年度か

29

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

がん検診は早期発見と重症化予防に貢献 下呂市が行うがん検診で、がんの見つかった人数を検診別に見ると、大腸がん検診が最も多く、続い

て肺がん・胃がん検診となっています。また発見された人のうち、亡くなった人の数を見ると、5年相対生

存率の高い乳がん、子宮頸がんでは近年亡くなった方はおらず、大腸がんや胃がんも死亡率は %前

後です。がん検診が、がんの早期発見そして重症化予防につながり、死亡率減少に重要な役割を担っ

ています。

1年に1度は必ずがん検診を受診しましょう!

がん検診でがんが発見された人数と死亡人数(平成 ~ 年度)

がんの発見された人 死亡人数 死亡率

大腸がん 人 人 %

肺がん 人 人 %

胃がん 人 人 %

子宮頸がん 7人 人 %

乳がん 人 人 %

計 人 人 %

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

28

第三章 課題別の実態と対策

精密検査の受診率の向上

がん検診の結果、要検査と判定された方の精密検査の受診率は、いずれの検診も

%に至っていません(目標項目内 下呂市現状参照)。

目標項目 がん検診の精密検査受診率の向上

下呂市 国

現状 一般的な検査内容 年 年 設定な

し胃がん 胃内視鏡検査

肺がん 胸部CT % %

大腸がん 内視鏡検査 % %

子宮頸がん HPV検査、細胞

診、コルポ、組織検

% %

乳がん 視触診、精密マンモ

グラフィ( 方向)、

超音波検査、細胞

診、組織診

% %

目標 すべて %以上(平成28年)

「市町村事業におけるがん検診の事業評価の指標について」による目標設定

出典 市健康課統計

精密検査が必要と言われても、必ずしもがんとは限りませんが、治る段階で発見する

ことが重要であり、放っておいたために、がんが進行してしまったということにならな

いように、必ず精密検査を受けることが求められます。精密検査を受けなければ、せっ

かく早期発見のために検診を受けても、意味がなくなってしまいます。

■下呂市の課題 ~胃がん~

歳未満のがんの年齢調整死亡率をさらに減少させるには、全国と比べ死亡率が高

い胃がんによる死亡を減少させることが重要です。そのためには、他のがん検診より受

診率の低い胃がん検診の受診率を高めることによる早期発見と重症化予防、そして、が

んのリスクを高める生活習慣の改善への取り組みを強化していくことが求められます。

特に胃がんの発生メカニズムから、下呂市の食生活を背景にした高脂肪食・アルコー

ルの過剰摂取・塩分過剰摂取の問題に着目し、生活習慣の改善による発症予防に努める

ことが重要です。これらについては、本章の「3.生活習慣及び社会環境の改善」にお

いて詳しく述べます。

平成 25 年度か

29

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

がん検診は早期発見と重症化予防に貢献 下呂市が行うがん検診で、がんの見つかった人数を検診別に見ると、大腸がん検診が最も多く、続い

て肺がん・胃がん検診となっています。また発見された人のうち、亡くなった人の数を見ると、5年相対生

存率の高い乳がん、子宮頸がんでは近年亡くなった方はおらず、大腸がんや胃がんも死亡率は %前

後です。がん検診が、がんの早期発見そして重症化予防につながり、死亡率減少に重要な役割を担っ

ています。

1年に1度は必ずがん検診を受診しましょう!

がん検診でがんが発見された人数と死亡人数(平成 ~ 年度)

がんの発見された人 死亡人数 死亡率

大腸がん 人 人 %

肺がん 人 人 %

胃がん 人 人 %

子宮頸がん 7人 人 %

乳がん 人 人 %

計 人 人 %

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

30

第三章 課題別の実態と対策

■対策

発症予防の施策

がんの発症予防及び罹患率低下によって死亡率を減少させるという目標達成のため

には、次のような観点から対策を行う必要があります。

ⅰ.ウイルスや細菌感染によるがんの発症予防

・子宮頸がん予防ワクチン接種の推進や 抗体検査(注 )の実施を通じ、感

染者の割合を低下させる。

・肝炎ウイルス検査を通じ、感染者で未診断・未対策者の割合を低下させる。

ⅱ.がんのリスクを高める生活習慣の是正

がんの発症予防は循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であることを踏まえ、が

んのリスクを高める生活習慣の改善に向けた取り組みを進めます。合わせて特定健

診・特定保健指導の強化を図ります。生活習慣は家庭から築き上げられることから

母子保健事業においても生活習慣病予防対策を踏まえた指導を行い、将来のがん予

防につなげます。

※詳細は、本章の「3.生活習慣及び社会環境の改善」参照

【がんのリスクを高める生活習慣と課題】

生活習慣 課題

喫煙 喫煙率を低下させる。受動喫煙者の割合を低下させる。

食生活 高塩分食品の摂取頻度を減少させる。

野菜・果物の摂取不足の者の割合を減少させる。

身体活動 身体活動量が少ない者の割合を低下させる。

飲酒 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合を低下させ

る。

体型 適正体重を維持している者の割合を増加させる。

(注 )老人期に起こる成人T細胞白血病の原因ウイルスの有無を調べるもの。妊婦を対

象に検査する。

31

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

重症化予防の施策

ⅰ. 普及・啓発 進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なのは、が

んの早期発見です。自覚症状がなくても定期的に有効ながん検診を受けることと、

自覚症状がある場合には、いち早く医療機関を受診することの両方について、様々

な媒体を通じて普及・啓発活動を行うことが重要です。

ⅱ.有効ながん検診の実施

ガイドラインに基づいた科学的根拠のあるがん検診を実施します。

胃がん検診 胃部X線検査

歳以上の男女肺がん検診 胸部X線検査、喀痰細胞診

大腸がん検診 便潜血検査 日法

子宮頸がん検診 細胞診 歳以上の女性

乳がん検診 エコー、視触診 代

視触診とマンモグラフィ検査 歳以上

ⅲ 受診率の向上対策

・わかりやすい検診案内、受診の手続きの簡略化

・効果的な受診勧奨の実施

・検診実施体制の充実

・職域のがん検診との連携

・個別医療機関との連携・調整

ⅳ がん検診の質の確保

・精度管理項目を厳守できる検診機関の選定

・がん検診実施機関及び精密検査実施機関との連携

ⅴ がんの医療に関する施策

・下呂温泉病院との連携

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

30

第三章 課題別の実態と対策

■対策

発症予防の施策

がんの発症予防及び罹患率低下によって死亡率を減少させるという目標達成のため

には、次のような観点から対策を行う必要があります。

ⅰ.ウイルスや細菌感染によるがんの発症予防

・子宮頸がん予防ワクチン接種の推進や 抗体検査(注 )の実施を通じ、感

染者の割合を低下させる。

・肝炎ウイルス検査を通じ、感染者で未診断・未対策者の割合を低下させる。

ⅱ.がんのリスクを高める生活習慣の是正

がんの発症予防は循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であることを踏まえ、が

んのリスクを高める生活習慣の改善に向けた取り組みを進めます。合わせて特定健

診・特定保健指導の強化を図ります。生活習慣は家庭から築き上げられることから

母子保健事業においても生活習慣病予防対策を踏まえた指導を行い、将来のがん予

防につなげます。

※詳細は、本章の「3.生活習慣及び社会環境の改善」参照

【がんのリスクを高める生活習慣と課題】

生活習慣 課題

喫煙 喫煙率を低下させる。受動喫煙者の割合を低下させる。

食生活 高塩分食品の摂取頻度を減少させる。

野菜・果物の摂取不足の者の割合を減少させる。

身体活動 身体活動量が少ない者の割合を低下させる。

飲酒 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合を低下させ

る。

体型 適正体重を維持している者の割合を増加させる。

(注 )老人期に起こる成人T細胞白血病の原因ウイルスの有無を調べるもの。妊婦を対

象に検査する。

31

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

重症化予防の施策

ⅰ. 普及・啓発 進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なのは、が

んの早期発見です。自覚症状がなくても定期的に有効ながん検診を受けることと、

自覚症状がある場合には、いち早く医療機関を受診することの両方について、様々

な媒体を通じて普及・啓発活動を行うことが重要です。

ⅱ.有効ながん検診の実施

ガイドラインに基づいた科学的根拠のあるがん検診を実施します。

胃がん検診 胃部X線検査

歳以上の男女肺がん検診 胸部X線検査、喀痰細胞診

大腸がん検診 便潜血検査 日法

子宮頸がん検診 細胞診 歳以上の女性

乳がん検診 エコー、視触診 代

視触診とマンモグラフィ検査 歳以上

ⅲ 受診率の向上対策

・わかりやすい検診案内、受診の手続きの簡略化

・効果的な受診勧奨の実施

・検診実施体制の充実

・職域のがん検診との連携

・個別医療機関との連携・調整

ⅳ がん検診の質の確保

・精度管理項目を厳守できる検診機関の選定

・がん検診実施機関及び精密検査実施機関との連携

ⅴ がんの医療に関する施策

・下呂温泉病院との連携

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

32

第三章 課題別の実態と対策

がんを早期発見すれば医療費も抑えられる

がんの治療状況を月 万円以上のレセプト(※)からみてみましょう。

下呂市では胃がんの患者が多いため、結果的に胃がんの医療費総額が

万円と高くになっていることがわかります。また、一人当たりの平均医療費か

ら見ると、肺がん(約 万円)、大腸がん(約 万円)、胃がん(約

万円)と高額になっています。

がんの発症予防や早期発見に努めることは、医療費の抑制につながります。

がん医療費 月 万円以上レセプト(平成 年 月~ 月)

部位 実人数 医療費総額 一人平均医療費

胃がん 人 万円 約 万円

大腸がん 人 万円 約 万円

肺がん 人 万円 約 万円

悪性リンパ種 人 万円 約 万円

食道がん 人 万円 約 万円

肝がん 人 万円 約 万円

膵臓がん 人 万円 約 万円

(※)患者が受けた診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合等)

に請求する医療費の明細書のことです。

33

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(2)循環器疾患(心疾患・脳血管疾患)

■はじめに

循環器疾患は血管の損傷によって起こる疾患で、脳血管疾患(脳卒中など)や心疾患

(心臓病など)を含む循環器疾患は、がんと並んで主要死因の大きな一角を占めていま

す(第一章 図7)。

特に脳卒中は命が助かったとしても後遺症が残ることが多く、介護が必要となった原

因の第1位を占めており、個人の生活の質や医療費、介護給付費等への影響からも、そ

の予防は本市の健康づくりを推進する上で大きな課題です(図1)。

図1 65歳以上の要介護の原因

脳血管疾患

脳血管疾患には、脳卒中とその他があり、脳卒中がその大部分を占めています。さら

に、血管が詰まることで起こる虚血性、血管が破れ出血することで起こる出血性があり

ます。

図2 脳血管疾患の分類

脳血管障害

(脳卒中など)

20.1%

認知症

15.8%

高齢による

衰弱

14.3%

関節

疾患

11.1%

骨折・転倒

10.6%

心臓病 4.0%

その他

24.1%

厚生労働省「国民生活基礎調査」

(H22年度)

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

32

第三章 課題別の実態と対策

がんを早期発見すれば医療費も抑えられる

がんの治療状況を月 万円以上のレセプト(※)からみてみましょう。

下呂市では胃がんの患者が多いため、結果的に胃がんの医療費総額が

万円と高くになっていることがわかります。また、一人当たりの平均医療費か

ら見ると、肺がん(約 万円)、大腸がん(約 万円)、胃がん(約

万円)と高額になっています。

がんの発症予防や早期発見に努めることは、医療費の抑制につながります。

がん医療費 月 万円以上レセプト(平成 年 月~ 月)

部位 実人数 医療費総額 一人平均医療費

胃がん 人 万円 約 万円

大腸がん 人 万円 約 万円

肺がん 人 万円 約 万円

悪性リンパ種 人 万円 約 万円

食道がん 人 万円 約 万円

肝がん 人 万円 約 万円

膵臓がん 人 万円 約 万円

(※)患者が受けた診療について、医療機関が保険者(市町村や健康保険組合等)

に請求する医療費の明細書のことです。

33

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(2)循環器疾患(心疾患・脳血管疾患)

■はじめに

循環器疾患は血管の損傷によって起こる疾患で、脳血管疾患(脳卒中など)や心疾患

(心臓病など)を含む循環器疾患は、がんと並んで主要死因の大きな一角を占めていま

す(第一章 図7)。

特に脳卒中は命が助かったとしても後遺症が残ることが多く、介護が必要となった原

因の第1位を占めており、個人の生活の質や医療費、介護給付費等への影響からも、そ

の予防は本市の健康づくりを推進する上で大きな課題です(図1)。

図1 65歳以上の要介護の原因

脳血管疾患

脳血管疾患には、脳卒中とその他があり、脳卒中がその大部分を占めています。さら

に、血管が詰まることで起こる虚血性、血管が破れ出血することで起こる出血性があり

ます。

図2 脳血管疾患の分類

脳血管障害

(脳卒中など)

20.1%

認知症

15.8%

高齢による

衰弱

14.3%

関節

疾患

11.1%

骨折・転倒

10.6%

心臓病 4.0%

その他

24.1%

厚生労働省「国民生活基礎調査」

(H22年度)

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

34

第三章 課題別の実態と対策

心疾患

心疾患とは、狭心症や心筋梗塞を総称したもので、心臓の筋肉を動かすための血管が

詰まることで起こる病気です。動脈硬化や血栓などで心臓の血管が狭くなり、血液の流

れが悪くなると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養がいきわたりにくくなります。急に激

しい運動をしたり、強いストレスがかかると、心臓の筋肉は一時的に血液(酸素、栄養)

不足となり主に前胸部、時に左腕や背中に痛み、圧迫感を生じます。これが虚血性心疾

患の症状です。

循環器疾患の発症予防と重症化予防

循環器疾患は、高血圧、脂質異常、喫煙、糖尿病が大きな原因であることが明らかに

なっています。

これらの原因は、生活習慣(栄養、運動、喫煙、飲酒)と深くかかわっており、生活

習慣が改善されれば、脳血管疾患・心疾患の発症リスクや、死亡を低減することができ

ます。生活習慣の改善は、健康診査の結果が動機になることが多いため、特定健康診査

など、健診の受診率向上対策が重要です。

自分の体の状態を正しく理解し、どの値になれば治療を始める必要があるかなど、段

階に応じた予防ができることへの支援が重要です。また、高血圧症及び脂質異常症の危

険因子は、肥満を伴わない者にも多く認められ、循環器疾患の発症リスクは肥満を伴う

場合と遜色がないため、肥満以外で危険因子を持つ人への保健指導が必要となります。

35

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

脳血管疾患・虚血性心疾患の死亡率の減少

高齢者人口の増加に伴い、循環器疾患の死亡者は今後も増加していくことが予測され

ますが、高齢化の影響を除いた死亡率を観察することを循環器疾患対策の目標とします。

表6 脳血管疾患と心疾患の年齢調整死亡率

平成 年の年齢調整死亡率を平成 年と比較すると、男性の心疾患を除いて全て

低下しています。しかし、国の目標値と比較すると、脳血管疾患においては男女とも年

齢調整死亡率は高い値となっており、課題が解決されていないことがわかります。

なお、虚血性心疾患については下呂市に該当統計が無いため、国との比較はできませ

んが、心疾患全体の年齢調整死亡率の減少を目指します。

目標項目 脳血管疾患の年齢調整死亡率の減少

下呂市 国

現状 男性 女性

(平成 年)

男性 女性

(平成 年)

目標 男性 女性

(平成 年)

出典 市健康課統計

目標項目 虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少

下呂市 国

現状 心疾患全体の年齢調整死亡率

男性 女性

(平成 年)

虚血性心疾患の年齢調整死亡率

男性 女性

(平成 年)

目標減少

男性 女性

(平成 年)

出典 市健康課統計

脳血管疾患 心疾患

男性 男性

女性 女性

全体 全体

現状備考

現状備考

平成17年 平成22年 平成17年 平成22年

健康課作成資料

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

34

第三章 課題別の実態と対策

心疾患

心疾患とは、狭心症や心筋梗塞を総称したもので、心臓の筋肉を動かすための血管が

詰まることで起こる病気です。動脈硬化や血栓などで心臓の血管が狭くなり、血液の流

れが悪くなると、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養がいきわたりにくくなります。急に激

しい運動をしたり、強いストレスがかかると、心臓の筋肉は一時的に血液(酸素、栄養)

不足となり主に前胸部、時に左腕や背中に痛み、圧迫感を生じます。これが虚血性心疾

患の症状です。

循環器疾患の発症予防と重症化予防

循環器疾患は、高血圧、脂質異常、喫煙、糖尿病が大きな原因であることが明らかに

なっています。

これらの原因は、生活習慣(栄養、運動、喫煙、飲酒)と深くかかわっており、生活

習慣が改善されれば、脳血管疾患・心疾患の発症リスクや、死亡を低減することができ

ます。生活習慣の改善は、健康診査の結果が動機になることが多いため、特定健康診査

など、健診の受診率向上対策が重要です。

自分の体の状態を正しく理解し、どの値になれば治療を始める必要があるかなど、段

階に応じた予防ができることへの支援が重要です。また、高血圧症及び脂質異常症の危

険因子は、肥満を伴わない者にも多く認められ、循環器疾患の発症リスクは肥満を伴う

場合と遜色がないため、肥満以外で危険因子を持つ人への保健指導が必要となります。

35

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

脳血管疾患・虚血性心疾患の死亡率の減少

高齢者人口の増加に伴い、循環器疾患の死亡者は今後も増加していくことが予測され

ますが、高齢化の影響を除いた死亡率を観察することを循環器疾患対策の目標とします。

表6 脳血管疾患と心疾患の年齢調整死亡率

平成 年の年齢調整死亡率を平成 年と比較すると、男性の心疾患を除いて全て

低下しています。しかし、国の目標値と比較すると、脳血管疾患においては男女とも年

齢調整死亡率は高い値となっており、課題が解決されていないことがわかります。

なお、虚血性心疾患については下呂市に該当統計が無いため、国との比較はできませ

んが、心疾患全体の年齢調整死亡率の減少を目指します。

目標項目 脳血管疾患の年齢調整死亡率の減少

下呂市 国

現状 男性 女性

(平成 年)

男性 女性

(平成 年)

目標 男性 女性

(平成 年)

出典 市健康課統計

目標項目 虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少

下呂市 国

現状 心疾患全体の年齢調整死亡率

男性 女性

(平成 年)

虚血性心疾患の年齢調整死亡率

男性 女性

(平成 年)

目標減少

男性 女性

(平成 年)

出典 市健康課統計

脳血管疾患 心疾患

男性 男性

女性 女性

全体 全体

現状備考

現状備考

平成17年 平成22年 平成17年 平成22年

健康課作成資料

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

36

第三章 課題別の実態と対策

高血圧の改善

高血圧は、脳血管疾患や虚血性心疾患、慢性腎不全などあらゆる循環器疾患の危険因

子であり、他の危険因子と比べ循環器疾患の発症や死亡への影響は大きいと言われてい

ます。

市では、特定健康診査の結果に基づき、肥満を伴う人のみでなく、高血圧治療ガイド

ライン に記載の「血圧に基づいた脳心血管リスク階層(注 )」などに基づき、対

象者を明確にした保健指導を実施しています。(表7)

表7 特定保健指導対象者以外の者への保健指導の取り組み経過(血圧)

年度

服薬なし ① Ⅲ度高血圧 → 訪問指導 受診勧奨

フォローアップ表での継続管理

② Ⅱ度高血圧 → 受診勧奨か生活改善か

生活改善の場合、二次検査(頸動脈超音波検査)

服薬あり ① Ⅲ度高血圧 → 訪問指導 フォローアップ表での継続管理

こうした取り組みの中で、過去に 度でもⅢ度高血圧になった人を見逃さないよう、

保健指導対象者を経年的に明確にしていきます。

目標項目 高血圧の改善(収縮期血圧の平均値の低下)

下呂市 国

現状 Ⅱ度高血圧者の割合

%(平成 年度)

男性 ㎜ 女性 ㎜

(平成 年)

目標減少

男性 ㎜ 女性 ㎜

(平成 年)

出典 市健康課統計

(注 ) 血圧値とそのほかの要因によるマトリクス表により、脳血管疾患、心疾患の発症

リスクを可視化したもの。巻末資料に掲載。

37

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

脂質異常症(高コレステロール血症)患者の減少

(総コレステロール、 コレステロール高値の者の割合の減少)

脂質異常症は冠動脈疾患の危険因子であり、特に総コレステロール及び コレス

テロールの高値は、脂質異常症の各検査項目の中で最も重要な指標とされています。

冠動脈疾患の発症・死亡リスクが明らかに上昇するのは コレステロール

㎎ に相当する総コレステロール値 ㎎ 以上からが多いと言われています。

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 年版」では、動脈硬化性疾患のリスクを判

断する上で コレステロール値が管理目標の指標とされ、平成 年度から開始さ

れた特定健康診査でも、脂質に関しては中性脂肪、 コレステロール及び コレ

ステロール検査が基本的な項目とされました。このため、市では総コレステロール検査

は廃止し、 コレステロール値に注目し、肥満の有無にかかわらず保健指導を実施

してきましたが、数値をガイドラインに合わせ見直す必要があります。(表8)

表8 特定保健指導対象者以外の者への保健指導の取り組み経過(脂質)

年度

服薬なし① ㎎ 以上 → 受診勧奨

㎎ 以上で

心筋梗塞・狭心症を起こし

ている者服薬あり

市では、平成 年度の特定健診から総コレステロール検査を導入し、 コレス

テロール検査とともに、脂質異常症の状況を把握し、数値の適正化をめざします。

目標項目 脂質異常症の減少

総コレステロール ㎎

以上の者の割合の減少

コレステロール ㎎

以上の者の割合の減少

下呂市 国 下呂市 国

現状健診対象でないためデータなし

男性 %

女性 %

(平成 年)

9%

(平成 年)

男性 %

女性 %

(平成 年)

目標 減少

(平成 年)男性 %

女性 %

(平成 年)

減少

(平成 年)

男性 %

女性 %

(平成 年)平成 年から検査項目に追加

出典 市健康課統計

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

36

第三章 課題別の実態と対策

高血圧の改善

高血圧は、脳血管疾患や虚血性心疾患、慢性腎不全などあらゆる循環器疾患の危険因

子であり、他の危険因子と比べ循環器疾患の発症や死亡への影響は大きいと言われてい

ます。

市では、特定健康診査の結果に基づき、肥満を伴う人のみでなく、高血圧治療ガイド

ライン に記載の「血圧に基づいた脳心血管リスク階層(注 )」などに基づき、対

象者を明確にした保健指導を実施しています。(表7)

表7 特定保健指導対象者以外の者への保健指導の取り組み経過(血圧)

年度

服薬なし ① Ⅲ度高血圧 → 訪問指導 受診勧奨

フォローアップ表での継続管理

② Ⅱ度高血圧 → 受診勧奨か生活改善か

生活改善の場合、二次検査(頸動脈超音波検査)

服薬あり ① Ⅲ度高血圧 → 訪問指導 フォローアップ表での継続管理

こうした取り組みの中で、過去に 度でもⅢ度高血圧になった人を見逃さないよう、

保健指導対象者を経年的に明確にしていきます。

目標項目 高血圧の改善(収縮期血圧の平均値の低下)

下呂市 国

現状 Ⅱ度高血圧者の割合

%(平成 年度)

男性 ㎜ 女性 ㎜

(平成 年)

目標減少

男性 ㎜ 女性 ㎜

(平成 年)

出典 市健康課統計

(注 ) 血圧値とそのほかの要因によるマトリクス表により、脳血管疾患、心疾患の発症

リスクを可視化したもの。巻末資料に掲載。

37

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

脂質異常症(高コレステロール血症)患者の減少

(総コレステロール、 コレステロール高値の者の割合の減少)

脂質異常症は冠動脈疾患の危険因子であり、特に総コレステロール及び コレス

テロールの高値は、脂質異常症の各検査項目の中で最も重要な指標とされています。

冠動脈疾患の発症・死亡リスクが明らかに上昇するのは コレステロール

㎎ に相当する総コレステロール値 ㎎ 以上からが多いと言われています。

「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 年版」では、動脈硬化性疾患のリスクを判

断する上で コレステロール値が管理目標の指標とされ、平成 年度から開始さ

れた特定健康診査でも、脂質に関しては中性脂肪、 コレステロール及び コレ

ステロール検査が基本的な項目とされました。このため、市では総コレステロール検査

は廃止し、 コレステロール値に注目し、肥満の有無にかかわらず保健指導を実施

してきましたが、数値をガイドラインに合わせ見直す必要があります。(表8)

表8 特定保健指導対象者以外の者への保健指導の取り組み経過(脂質)

年度

服薬なし① ㎎ 以上 → 受診勧奨

㎎ 以上で

心筋梗塞・狭心症を起こし

ている者服薬あり

市では、平成 年度の特定健診から総コレステロール検査を導入し、 コレス

テロール検査とともに、脂質異常症の状況を把握し、数値の適正化をめざします。

目標項目 脂質異常症の減少

総コレステロール ㎎

以上の者の割合の減少

コレステロール ㎎

以上の者の割合の減少

下呂市 国 下呂市 国

現状健診対象でないためデータなし

男性 %

女性 %

(平成 年)

9%

(平成 年)

男性 %

女性 %

(平成 年)

目標 減少

(平成 年)男性 %

女性 %

(平成 年)

減少

(平成 年)

男性 %

女性 %

(平成 年)平成 年から検査項目に追加

出典 市健康課統計

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

38

第三章 課題別の実態と対策

メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

メタボリックシンドロームと循環器疾患との関連は証明されており、平成 年度か

ら始まった生活習慣病予防のための特定健康診査では、減少が評価項目の一つとされま

した。

表9 メタポリックシンドロームの該当者及び予備軍の推移

年度 対象者

健診

受診者数 受診率

メタボ

該当者 割合

メタボ

予備軍 割合

岐阜県 ― ―

下呂市では、平成 年度までの達成目標とされていた、平成 年度と比べて

の減少については達成しているため、今後は平成 年度の目標値である 減少に

向けて、さらに対策を強化していくことが必要になります。

目標項目 メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) 万人(平成 年)

目標 平成 年と比べて %減少 平成 年と比べて %減少

出典 市特定健診

39

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

特定健診・特定保健指導の実施率の向上

平成20年度から、メタボリックシンドロームに着目した健診と保健指導を医療保険

者に義務付ける、特定健診・特定保健指導の制度が導入されました。

特定健診・特定保健指導の実施率は、生活習慣病対策に対する取り組み状況を反映す

る指標として設定されています。

下呂市では、受診率、実施率ともに、国、県より非常に高い状態で推移していますが、

受診率は の目標値に達していないため、受診率向上施策が重要になってきます。

特定健診の主な未受診理由に「医療機関に受療中」という内容がありますが、保険者

が特定健診に相当するデータを入手すれば特定健診の実施に代え、特定保健指導につな

げることが可能となっています。

今後、医療機関、保険者が連携し、地域での取り組みの実情を踏まえて、どのような

ことが実施可能かについて検討する必要があります。

目標項目 特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上

下呂市 国

現状 特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

目標 特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

増加

(平成 年)

出典 市特定健診

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

38

第三章 課題別の実態と対策

メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

メタボリックシンドロームと循環器疾患との関連は証明されており、平成 年度か

ら始まった生活習慣病予防のための特定健康診査では、減少が評価項目の一つとされま

した。

表9 メタポリックシンドロームの該当者及び予備軍の推移

年度 対象者

健診

受診者数 受診率

メタボ

該当者 割合

メタボ

予備軍 割合

岐阜県 ― ―

下呂市では、平成 年度までの達成目標とされていた、平成 年度と比べて

の減少については達成しているため、今後は平成 年度の目標値である 減少に

向けて、さらに対策を強化していくことが必要になります。

目標項目 メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) 万人(平成 年)

目標 平成 年と比べて %減少 平成 年と比べて %減少

出典 市特定健診

39

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

特定健診・特定保健指導の実施率の向上

平成20年度から、メタボリックシンドロームに着目した健診と保健指導を医療保険

者に義務付ける、特定健診・特定保健指導の制度が導入されました。

特定健診・特定保健指導の実施率は、生活習慣病対策に対する取り組み状況を反映す

る指標として設定されています。

下呂市では、受診率、実施率ともに、国、県より非常に高い状態で推移していますが、

受診率は の目標値に達していないため、受診率向上施策が重要になってきます。

特定健診の主な未受診理由に「医療機関に受療中」という内容がありますが、保険者

が特定健診に相当するデータを入手すれば特定健診の実施に代え、特定保健指導につな

げることが可能となっています。

今後、医療機関、保険者が連携し、地域での取り組みの実情を踏まえて、どのような

ことが実施可能かについて検討する必要があります。

目標項目 特定健康診査・特定保健指導の実施率の向上

下呂市 国

現状 特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

目標 特定健康診査 %

特定保健指導 %

(平成 年)

増加

(平成 年)

出典 市特定健診

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

40

第三章 課題別の実態と対策

■対策

健康診査及び特定健康診査受診率向上の施策

受診率が年々減少(悪化)しているということは、予防対象者の減少にもつなが

るため、未受診勧奨を積極的に行う必要があります。

未受診世帯へは直接訪問し、本人に説明することはもちろん、本人の判断を左右

する身近な方に関心をもってもらい、受診につなげることも考えます。

保健指導対象者を明確にするための施策

・健康診査( ~ 歳)

・国民健康保険特定健康診査

・健康診査及び特定健康診査に総コレステロール検査を追加

・特定健康診査に心電図検査を追加

循環器疾患の発症及び重症化予防のための施策

健康診査結果に基づく市民一人ひとりの自己健康管理の積極的な推進

・特定保健指導及び発症リスクに基づいた保健指導

(高血圧、脂質異常症、糖尿病のみでなく、慢性腎臓病( )も発症リスク

に加える)

・家庭訪問や健康相談、結果説明会、健康教育など、多様な経路により、それぞれ

の特徴を生かしたきめ細やかな保健指導の実施

・動脈硬化予防健診(頸動脈超音波検査等)

・国民健康保険加入者以外の希望者に対する特定保健指導の実施

41

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(3)糖尿病

■はじめに

糖尿病は、心血管疾患のリスクを高め、神経障害、網膜症、腎症、足病変といった合

併症を併発するなどによって、生活の質に多大な影響を及ぼします。

糖尿病は、現在、新規透析導入の最大の原因疾患であるとともに、心筋梗塞や脳卒中

のリスクを2~3倍増加させるとされています。下呂市における透析者も、平成16年

の1.5倍に増加しており対策が必要です(図3)。

図3 下呂市における透析者の割合の推移

糖尿病の発症予防

糖尿病の発症危険因子は、加齢、家族歴、肥満、身体活動の低下(運動不足)、耐糖

能異常(血糖値の上昇)で、これ以外にも高血圧や脂質異常も独立した危険因子である

とされています。

循環器疾患と同様、重要なのは糖尿病発症危険因子の管理であるため、これらの予防

対策が有効になります。

重症化予防

糖尿病における重症化予防は、健康診査によって、糖尿病が強く疑われる人、あるい

は糖尿病の可能性が否定できない人を見逃すことなく、早期に治療へつなげることです。

そのためには、まず健康診査の受診者を増やしていくことが非常に重要です。

同時に、糖尿病の未治療や、治療を中断することが、糖尿病の合併症の増加につなが

るため、治療を継続し、良好な血糖コントロール状態を維持することで、個人の生活の

質や社会保障への影響が大きい糖尿病による合併症の発症を抑制することが必要です。

0.140.15

0.170.16

0.17

0.190.2

0.21

0.1

0.12

0.14

0.16

0.18

0.2

0.22

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

40

第三章 課題別の実態と対策

■対策

健康診査及び特定健康診査受診率向上の施策

受診率が年々減少(悪化)しているということは、予防対象者の減少にもつなが

るため、未受診勧奨を積極的に行う必要があります。

未受診世帯へは直接訪問し、本人に説明することはもちろん、本人の判断を左右

する身近な方に関心をもってもらい、受診につなげることも考えます。

保健指導対象者を明確にするための施策

・健康診査( ~ 歳)

・国民健康保険特定健康診査

・健康診査及び特定健康診査に総コレステロール検査を追加

・特定健康診査に心電図検査を追加

循環器疾患の発症及び重症化予防のための施策

健康診査結果に基づく市民一人ひとりの自己健康管理の積極的な推進

・特定保健指導及び発症リスクに基づいた保健指導

(高血圧、脂質異常症、糖尿病のみでなく、慢性腎臓病( )も発症リスク

に加える)

・家庭訪問や健康相談、結果説明会、健康教育など、多様な経路により、それぞれ

の特徴を生かしたきめ細やかな保健指導の実施

・動脈硬化予防健診(頸動脈超音波検査等)

・国民健康保険加入者以外の希望者に対する特定保健指導の実施

41

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(3)糖尿病

■はじめに

糖尿病は、心血管疾患のリスクを高め、神経障害、網膜症、腎症、足病変といった合

併症を併発するなどによって、生活の質に多大な影響を及ぼします。

糖尿病は、現在、新規透析導入の最大の原因疾患であるとともに、心筋梗塞や脳卒中

のリスクを2~3倍増加させるとされています。下呂市における透析者も、平成16年

の1.5倍に増加しており対策が必要です(図3)。

図3 下呂市における透析者の割合の推移

糖尿病の発症予防

糖尿病の発症危険因子は、加齢、家族歴、肥満、身体活動の低下(運動不足)、耐糖

能異常(血糖値の上昇)で、これ以外にも高血圧や脂質異常も独立した危険因子である

とされています。

循環器疾患と同様、重要なのは糖尿病発症危険因子の管理であるため、これらの予防

対策が有効になります。

重症化予防

糖尿病における重症化予防は、健康診査によって、糖尿病が強く疑われる人、あるい

は糖尿病の可能性が否定できない人を見逃すことなく、早期に治療へつなげることです。

そのためには、まず健康診査の受診者を増やしていくことが非常に重要です。

同時に、糖尿病の未治療や、治療を中断することが、糖尿病の合併症の増加につなが

るため、治療を継続し、良好な血糖コントロール状態を維持することで、個人の生活の

質や社会保障への影響が大きい糖尿病による合併症の発症を抑制することが必要です。

0.140.15

0.170.16

0.17

0.190.2

0.21

0.1

0.12

0.14

0.16

0.18

0.2

0.22

H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

42

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

~二次予防「糖尿病の合併症の予防」~

未治療であったり、治療を中断したりすることが糖尿病の合併症の増加につながるこ

とは明確に示されています。治療を継続し、良好な血糖コントロール状態を維持できれ

ば、糖尿病による合併症の発症等を抑制することができます。

治療継続者の割合の増加

糖尿病は「食事療法」も「運動療法」も大切な治療で、その結果を判断するためには、

医療機関での定期的な検査が必要です。市内の糖尿病有病者( (注 )( ) %

以上の者)の治療率は約5割にとどまり、治療できていないのが現状です(図4)。

図4 糖尿病を強く強く疑われる人( ( ) %以上)の治療率の推移

一方で、合併症の危険が高い 以上の者の治療割合は年々増加しています。

そして、健診時未治療者のその後の治療率も年々増加しています(図5)。

今後は糖尿病でありながら未治療である者や、治療を中断している人を減少させるた

めに、適切な治療の開始・継続が支援できるよう、個人に合わせたより積極的な保健指

導が必要になります。

(注 ) ヘモグロビンエーワンシー(Hemoglobin A1c)と読みます。この数値が高いことは、高血糖状態であることを示します。

51.4 52.2

58.7

55.7

4648505254565860

H20 H21 H22 H23

43

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

図5 年度 特定健診結果より

以上のような取り組みを継続した結果、下呂市の糖尿病治療者の の分布は、

平成 年度と比較すると、 年度は低い方に推移しました。糖尿病治療が血糖コ

ントロールに重要な役割を果たしていることがわかります(図6)。

図6 糖尿病治療者の 分布図

糖尿病は「食事療法」も「運動療法」も大切な治療で、その結果の判断をするために

は、医療機関での定期的な検査が必要ですが、「薬が出ないので、医療機関にはいかな

くても良いと思った」という理由など、糖尿病治療には段階があることがわからないま

ま、治療を中断している人が多くみられます。

今後は、糖尿病でありながら未治療である者や、治療を中断している人を減少させる

ために、適切な治療の開始・継続が支援できるよう、より積極的な保健指導を行い、治

療率の向上をめざします。

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

5未満 5.1

5.3

5.5

5.7

5.9

6.1

6.3

6.5

6.7

6.9

7.1

7.3

7.5

7.7

7.9

8.1

8.3

8.5

8.7

8.9

9.1

9.3

9.5

9.7

9.9

優 良 不十分 不良 不可

(%)

HbA1c値(%)

H20

H23

62.1 61.5 64.7 69.2

37.9 38.5 35.3 30.8

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上の者の治療の有無

治療有り 治療無し

45.5 50

83.3100

54.5 50

16.70

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0以上で治療していない者のその後の治療状況

治療有り 治療無し

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

42

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

~二次予防「糖尿病の合併症の予防」~

未治療であったり、治療を中断したりすることが糖尿病の合併症の増加につながるこ

とは明確に示されています。治療を継続し、良好な血糖コントロール状態を維持できれ

ば、糖尿病による合併症の発症等を抑制することができます。

治療継続者の割合の増加

糖尿病は「食事療法」も「運動療法」も大切な治療で、その結果を判断するためには、

医療機関での定期的な検査が必要です。市内の糖尿病有病者( (注 )( ) %

以上の者)の治療率は約5割にとどまり、治療できていないのが現状です(図4)。

図4 糖尿病を強く強く疑われる人( ( ) %以上)の治療率の推移

一方で、合併症の危険が高い 以上の者の治療割合は年々増加しています。

そして、健診時未治療者のその後の治療率も年々増加しています(図5)。

今後は糖尿病でありながら未治療である者や、治療を中断している人を減少させるた

めに、適切な治療の開始・継続が支援できるよう、個人に合わせたより積極的な保健指

導が必要になります。

(注 ) ヘモグロビンエーワンシー(Hemoglobin A1c)と読みます。この数値が高いことは、高血糖状態であることを示します。

51.4 52.2

58.7

55.7

4648505254565860

H20 H21 H22 H23

43

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

図5 年度 特定健診結果より

以上のような取り組みを継続した結果、下呂市の糖尿病治療者の の分布は、

平成 年度と比較すると、 年度は低い方に推移しました。糖尿病治療が血糖コ

ントロールに重要な役割を果たしていることがわかります(図6)。

図6 糖尿病治療者の 分布図

糖尿病は「食事療法」も「運動療法」も大切な治療で、その結果の判断をするために

は、医療機関での定期的な検査が必要ですが、「薬が出ないので、医療機関にはいかな

くても良いと思った」という理由など、糖尿病治療には段階があることがわからないま

ま、治療を中断している人が多くみられます。

今後は、糖尿病でありながら未治療である者や、治療を中断している人を減少させる

ために、適切な治療の開始・継続が支援できるよう、より積極的な保健指導を行い、治

療率の向上をめざします。

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

5未満 5.1

5.3

5.5

5.7

5.9

6.1

6.3

6.5

6.7

6.9

7.1

7.3

7.5

7.7

7.9

8.1

8.3

8.5

8.7

8.9

9.1

9.3

9.5

9.7

9.9

優 良 不十分 不良 不可

(%)

HbA1c値(%)

H20

H23

62.1 61.5 64.7 69.2

37.9 38.5 35.3 30.8

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上の者の治療の有無

治療有り 治療無し

45.5 50

83.3100

54.5 50

16.70

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0以上で治療していない者のその後の治療状況

治療有り 治療無し

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

62.1 61.5 64.7 69.2

37.9 38.5 35.3 30.8

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上の者の治療の有無

治療有り 治療無し

45.5 50

83.3 100

54.5 50

16.7 0

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上で 治療していない者のその後の治療状

治療有り 治療無し

62.1 61.5 64.7 69.2

37.9 38.5 35.3 30.8

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上の者の治療の有無

治療有り 治療無し

45.5 50

83.3 100

54.5 50

16.7 0

0%

20%

40%

60%

80%

100%

H20 H21 H22 H23

HbA1c8.0%以上で 治療していない者のその後の治療状

治療有り 治療無し

HbA1c8.0%以上の者の治療の状況

44

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 糖尿病治療継続者の割合の増加

下呂市 国

現状 が 以上で

治療をしている者の割合

%(平成 年)

(平成22年)

目標 増加(平成 年) %(平成 年)

出典 市特定健診

血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少

~ ( )値 %以上、 ( )値 %以上の者の割合の減少~

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 」では、血糖コントロール評

価指標として 1 %以上が「血糖コントロール不可」と位置付けられています。

同ガイドラインでは、血糖コントロールが「不可」である状態とは、細小血管症への

進展の危険が大きい状態であり、治療法の再検討を含めて何らかのアクションを起こす

必要がある場合を指し、 %を超えると著明に網膜症のリスクが増えるとさ

れています。

下呂市のコントロール不良者である %以上の者には、健診未受診の場合

の受診勧奨はもちろん、受診している場合でも治療状況を踏まえた上で、具体的に生活

を振り返ることで、個人に合った保健指導を行ってきました。

その結果、 %以上の者の割合は %までに減少し、国の平成 年度

の目標値である %を達成しています(図7)。

図7 HbA1c段階別推移

42.5

36.839.1

32.9

5.4 4.6 4.5 4.9

0.6 0.5 0.4 0.30

5

10

15

20

25

30

35

40

45

H20 H21 H22 H23

5.2以上6.0未満 6.1以上7.9未満 8.0以上

45

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

~ %未満(正常高値と境界領域)の割合は減少傾向にあり、全国と比

較しても低く、良い傾向にあります。また正常域の割合が一番多いことも良い傾向であ

り、今後もこの状態を維持していくことが大切です。

目標項目 血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) %(平成 年)

目標 減少 (平成 年) %(平成 年)

出典 市特定健診

糖尿病有病者( ( ) %以上の者)の増加の抑制

糖尿病有病者の増加を抑制できれば、糖尿病自体だけでなく、さまざまな糖尿病合併

症を予防することにもなります。

下呂市の糖尿病有病者の推移は、特定健診開始後の平成 年度から、ほぼ横ばいと

なっています(図8)。

図8 下呂市の糖尿病有病者( %以上)の推移

%以上の治療を必要とする者は横ばいですが、合併症の危険が高い

以上の者を見ると、 年度と比較して 年度は半減しています(図

7)。

これは今までの取り組みの成果でもあり、今後も支援を継続していくことが重要です。

6.0

5.1 4.9 5.2

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

H20 H21 H22 H23

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

目標項目 糖尿病治療継続者の割合の増加

下呂市 国

現状 が 以上で

治療をしている者の割合

%(平成 年)

(平成22年)

目標 増加(平成 年) %(平成 年)

出典 市特定健診

血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少

~ ( )値 %以上、 ( )値 %以上の者の割合の減少~

「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 」では、血糖コントロール評

価指標として 1 %以上が「血糖コントロール不可」と位置付けられています。

同ガイドラインでは、血糖コントロールが「不可」である状態とは、細小血管症への

進展の危険が大きい状態であり、治療法の再検討を含めて何らかのアクションを起こす

必要がある場合を指し、 %を超えると著明に網膜症のリスクが増えるとさ

れています。

下呂市のコントロール不良者である %以上の者には、健診未受診の場合

の受診勧奨はもちろん、受診している場合でも治療状況を踏まえた上で、具体的に生活

を振り返ることで、個人に合った保健指導を行ってきました。

その結果、 %以上の者の割合は %までに減少し、国の平成 年度

の目標値である %を達成しています(図7)。

図7 HbA1c段階別推移

42.5

36.839.1

32.9

5.4 4.6 4.5 4.9

0.6 0.5 0.4 0.30

5

10

15

20

25

30

35

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H20 H21 H22 H23

5.2以上6.0未満 6.1以上7.9未満 8.0以上

45

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

~ %未満(正常高値と境界領域)の割合は減少傾向にあり、全国と比

較しても低く、良い傾向にあります。また正常域の割合が一番多いことも良い傾向であ

り、今後もこの状態を維持していくことが大切です。

目標項目 血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) %(平成 年)

目標 減少 (平成 年) %(平成 年)

出典 市特定健診

糖尿病有病者( ( ) %以上の者)の増加の抑制

糖尿病有病者の増加を抑制できれば、糖尿病自体だけでなく、さまざまな糖尿病合併

症を予防することにもなります。

下呂市の糖尿病有病者の推移は、特定健診開始後の平成 年度から、ほぼ横ばいと

なっています(図8)。

図8 下呂市の糖尿病有病者( %以上)の推移

%以上の治療を必要とする者は横ばいですが、合併症の危険が高い

以上の者を見ると、 年度と比較して 年度は半減しています(図

7)。

これは今までの取り組みの成果でもあり、今後も支援を継続していくことが重要です。

6.0

5.1 4.9 5.2

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

H20 H21 H22 H23

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

46

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 糖尿病有病者( 以上の者)の割合の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) 万人(平成 年)

目標 減少 (平成 年) 万人(平成 4年)

出典 市特定健診

対策

ⅰ.糖尿病の発症及び重症化予防のための施策

・健康診査結果に基づく市民一人ひとりの自己健康管理の積極的な推進

特定保健指導及び 値に基づいた保健指導

家庭訪問や結果説明会等による保健指導の実施

糖尿病予防教室による学習会・健康教育の実施

・糖尿病予防検診( 糖負荷検査・微量アルブミン尿検査等)

・腎疾患予防検討会議などによる医療機関との連携

47

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

生活習慣病対策 ~がん・循環器疾患・糖尿病等の予防~

毎年健診 心も安心 体も安心 自分の健康(健幸)を守りましょう

■市民の行動

・健診やがん検診は毎年1回必ず受診し、健康状態を知ろう。

・適正体重を知り、食事、運動等のバランスの良い生活をおくろう。

・がんにならない生活習慣について知り、生活に活かそう。

・タバコはやめよう。酒は適量を守ろう。

・塩分、脂肪の摂り過ぎに注意しよう。

・野菜はたくさん食べよう。

・適度な運動を心がけよう。

・かかりつけ医を持とう。

■地域の行動

・ご近所や職場内で誘い合い、健診やがん検診を毎年1回必ず受診しよう。

・会議や集まりのついでに、がんや脳血管疾患、心疾患、糖尿病のことを知ろう。

■企業の行動

・特定健診や精密検査の受診を徹底させよう。

・従業員の家族に対する健康診断も徹底させよう。

・健康教室を開催し、自分の健康は自分で守る意識を徹底させよう。

■医師会・歯科医師会・薬剤師会の行動

・生活習慣の改善や健康増進に関する出前講座を開催します。

■行政の行動

・健診を受ける方法をわかりやすくお知らせし、受診しやすい体制をつくります。

・特定の年齢の方に乳がん、子宮頸ガン、大腸がん、胃がんの健診無料クーポン券を

配布し、初回受診者の拡大を図ります。

・保健指導及び健康教室を開催し、生活習慣病予防の啓発をします。

・健診結果について本人が理解できるよう説明し、保健指導や医療機関への受診を促

すなど、改善に向けた支援をします。

・メタボリックシンドローム該当者や予備軍の健康状態の改善に努めます。

・学校との連携を深め、学齢期からの生活習慣病予防に努めます。

・青年期における健康に対する意識を高めます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

46

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 糖尿病有病者( 以上の者)の割合の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) 万人(平成 年)

目標 減少 (平成 年) 万人(平成 4年)

出典 市特定健診

対策

ⅰ.糖尿病の発症及び重症化予防のための施策

・健康診査結果に基づく市民一人ひとりの自己健康管理の積極的な推進

特定保健指導及び 値に基づいた保健指導

家庭訪問や結果説明会等による保健指導の実施

糖尿病予防教室による学習会・健康教育の実施

・糖尿病予防検診( 糖負荷検査・微量アルブミン尿検査等)

・腎疾患予防検討会議などによる医療機関との連携

47

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

生活習慣病対策 ~がん・循環器疾患・糖尿病等の予防~

毎年健診 心も安心 体も安心 自分の健康(健幸)を守りましょう

■市民の行動

・健診やがん検診は毎年1回必ず受診し、健康状態を知ろう。

・適正体重を知り、食事、運動等のバランスの良い生活をおくろう。

・がんにならない生活習慣について知り、生活に活かそう。

・タバコはやめよう。酒は適量を守ろう。

・塩分、脂肪の摂り過ぎに注意しよう。

・野菜はたくさん食べよう。

・適度な運動を心がけよう。

・かかりつけ医を持とう。

■地域の行動

・ご近所や職場内で誘い合い、健診やがん検診を毎年1回必ず受診しよう。

・会議や集まりのついでに、がんや脳血管疾患、心疾患、糖尿病のことを知ろう。

■企業の行動

・特定健診や精密検査の受診を徹底させよう。

・従業員の家族に対する健康診断も徹底させよう。

・健康教室を開催し、自分の健康は自分で守る意識を徹底させよう。

■医師会・歯科医師会・薬剤師会の行動

・生活習慣の改善や健康増進に関する出前講座を開催します。

■行政の行動

・健診を受ける方法をわかりやすくお知らせし、受診しやすい体制をつくります。

・特定の年齢の方に乳がん、子宮頸ガン、大腸がん、胃がんの健診無料クーポン券を

配布し、初回受診者の拡大を図ります。

・保健指導及び健康教室を開催し、生活習慣病予防の啓発をします。

・健診結果について本人が理解できるよう説明し、保健指導や医療機関への受診を促

すなど、改善に向けた支援をします。

・メタボリックシンドローム該当者や予備軍の健康状態の改善に努めます。

・学校との連携を深め、学齢期からの生活習慣病予防に努めます。

・青年期における健康に対する意識を高めます。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

48

第三章 課題別の実態と対策

2.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上

自立した日常生活を営むことをめざし、若年期から高齢期までの全ステージにおいて、

心身機能の維持・向上に取り組みます。 また、生活習慣病予防と発症時期を遅らせることができるよう、子どものころからの

生活習慣づくりを推進します。 さらに、働く世代のメンタルヘルス対策等により、「こころの健康づくり」に取り組

みます。

■取り組みの方向

◇ こころの健康相談の充実に努めます。 ◇ 子どもの発達に応じた食育と健康づくりを推進します。 ◇ 育児に関する情報を提供します。 ◇ 生活機能・身体機能を維持するための高齢者の健康づくりを推進します。

(1)こころの健康

■はじめに

豊かな社会生活を営むためには、体の健康とともに、こころも健康であることが重要

です。現代社会はストレス過多の社会であり、少子高齢化、価値観の多様化が進む中で、

誰もがこころの健康を損なう可能性があります。学校や職場、家庭など社会生活を送る

様々な場面で生じる不安やストレスに対処できるように健康教育や知識の普及啓発に

取り組む必要があります。

■基本的な考え方

自殺は個人の意思や選択の結果と思われがちですが、実際には失業、倒産、多重債務、

長時間労働等の社会的要因を含む様々な要因とその人の性格傾向、家族の状況、死生観

等が複雑に関係しています。 また、自殺を図った人の直前のこころの健康状態を見ると、大多数は、様々な悩みに

心理的に追い詰められた結果、うつ病、アルコール依存症等の精神疾患を発症しており、

これらの精神疾患の影響により正常な判断を行うことができない状態となっているこ

とが明らかになってきました。 世界保健機関( )が「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題」で

49

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

あると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるというの

が、共通認識となりつつあります。 自殺の予防には一人ひとりが、こころの健康問題の重要性を認識するとともに、自ら

のこころの不調に気づき、適切に対処することができるようにすることと、自殺の危険

性が高い人を早期に発見し、相談機関や医療機関に繋げるという個人への働きかけが必

要です。また、悩みを抱えたときに相談機関を利用できるよう、自殺や精神疾患に対す

る正しい知識を普及啓発し、偏見をなくしていく社会の取り組みが重要です。

■現状と目標

自殺者数の減少

全国の自殺者数は年間約3万人にのぼっています。下呂市では年間十数人が自殺す

る状況が続いています。 万人当たりの自殺死亡率( 3度年)で見ると、全国が

、岐阜県が であるのに対し、下呂市は であり、非常に高くなって

います。近年は上昇傾向でもあり、切実な問題として捉える必要があります。

歳以上の高齢と 歳代で多いこと、女性より男性に多いことは全国的な傾向

と類似しています(図9、図 、図 )。

図9 下呂市の自殺者数と自殺による死亡率(市、県、国)の推移

13人 9人 12人17人

12人19人

34.3

24

32.4

46.4

33

52.9

24.2 24.4 24 24.4 23.4 22.9

22.4 21.2 22.2 22.7 20.522.6

0人

10人

20人

30人

40人

50人

60人

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度

自殺者の人数

⒑万人当たり

死亡率

自殺者数下呂市国県

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

48

第三章 課題別の実態と対策

2.社会生活を営むために必要な機能の維持・向上

自立した日常生活を営むことをめざし、若年期から高齢期までの全ステージにおいて、

心身機能の維持・向上に取り組みます。 また、生活習慣病予防と発症時期を遅らせることができるよう、子どものころからの

生活習慣づくりを推進します。 さらに、働く世代のメンタルヘルス対策等により、「こころの健康づくり」に取り組

みます。

■取り組みの方向

◇ こころの健康相談の充実に努めます。 ◇ 子どもの発達に応じた食育と健康づくりを推進します。 ◇ 育児に関する情報を提供します。 ◇ 生活機能・身体機能を維持するための高齢者の健康づくりを推進します。

(1)こころの健康

■はじめに

豊かな社会生活を営むためには、体の健康とともに、こころも健康であることが重要

です。現代社会はストレス過多の社会であり、少子高齢化、価値観の多様化が進む中で、

誰もがこころの健康を損なう可能性があります。学校や職場、家庭など社会生活を送る

様々な場面で生じる不安やストレスに対処できるように健康教育や知識の普及啓発に

取り組む必要があります。

■基本的な考え方

自殺は個人の意思や選択の結果と思われがちですが、実際には失業、倒産、多重債務、

長時間労働等の社会的要因を含む様々な要因とその人の性格傾向、家族の状況、死生観

等が複雑に関係しています。 また、自殺を図った人の直前のこころの健康状態を見ると、大多数は、様々な悩みに

心理的に追い詰められた結果、うつ病、アルコール依存症等の精神疾患を発症しており、

これらの精神疾患の影響により正常な判断を行うことができない状態となっているこ

とが明らかになってきました。 世界保健機関( )が「自殺は、その多くが防ぐことのできる社会的な問題」で

49

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

あると明言しているように、自殺は社会の努力で避けることのできる死であるというの

が、共通認識となりつつあります。 自殺の予防には一人ひとりが、こころの健康問題の重要性を認識するとともに、自ら

のこころの不調に気づき、適切に対処することができるようにすることと、自殺の危険

性が高い人を早期に発見し、相談機関や医療機関に繋げるという個人への働きかけが必

要です。また、悩みを抱えたときに相談機関を利用できるよう、自殺や精神疾患に対す

る正しい知識を普及啓発し、偏見をなくしていく社会の取り組みが重要です。

■現状と目標

自殺者数の減少

全国の自殺者数は年間約3万人にのぼっています。下呂市では年間十数人が自殺す

る状況が続いています。 万人当たりの自殺死亡率( 3度年)で見ると、全国が

、岐阜県が であるのに対し、下呂市は であり、非常に高くなって

います。近年は上昇傾向でもあり、切実な問題として捉える必要があります。

歳以上の高齢と 歳代で多いこと、女性より男性に多いことは全国的な傾向

と類似しています(図9、図 、図 )。

図9 下呂市の自殺者数と自殺による死亡率(市、県、国)の推移

13人 9人 12人17人

12人19人

34.3

24

32.4

46.4

33

52.9

24.2 24.4 24 24.4 23.4 22.9

22.4 21.2 22.2 22.7 20.522.6

0人

10人

20人

30人

40人

50人

60人

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度

自殺者の人数

⒑万人当たり

死亡率

自殺者数下呂市国県

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度

自殺者総数 人 人 人 人 人 人

男性

女性

死亡率 下呂市

(人口 万対)

自殺者数 13人 9人 12人 17人 12人 19人

下呂市の自殺状況

13人 9人 12人 17人 12人 19人

34.3

24

32.4

46.4

33

52.9

24.2 24.4 24 24.4 23.4 22.9

22.4 21.2 22.2 22.7 20.5 22.6

0人

10人

20人

30人

40人

50人

60人

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度

自殺者の人数

⒑万人当たり

死亡率

自殺者数 下呂市 国 県

50

第三章 課題別の実態と対策

図 下呂市における年代別の自殺者数(平成 ~ 年の合計)

図 男女別年代別の自殺による人口 万人当たり死亡率(平成 年:全国)

自殺予防については、即効性のある施策はないと言われており、中長期的な視点で

自殺対策に取り組む必要があります。 自殺の背景にはうつ病が多く存在することも指摘されており、自殺を減少させるこ

とは、こころの健康も含めた市民の健康増進と密接に関連することから、自殺者数の

減少を指標として設定します。

目標項目 自殺死亡率の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) %(平成 年)

目標 年間で %以上の減少 (平成 年)

出典 市特定健診

~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~

男性 4 2 5 4 8 5 6 9 9 6 26

女性 2 1 0 1 2 3 1 2 4 7 6

0

5

10

15

20

25

30(人)

男性 女性

0

10

20

30

40

50

60

70

80

男性総数 36.2女性総数 12.9

(%)

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■対策

こころの健康に関する正しい知識の教育・普及啓発

すべての市民を対象に、生命の大切さやストレスケア、メンタルヘルス、アルコール

や薬物への依存症予防など、こころの健康の維持・増進のための健康教育や知識の普及

啓発に取り組みます。

・うつ病やアルコール依存症、統合失調症に対する正しい知識の普及啓発 ・職域における労働者のこころの健康づくり(メンタルヘルス対策)の推進

自殺防止に向けた相談・支援体制の整備

うつ病などを発症した者やアルコール・薬物に依存するようになった者、何らかの心

的外傷によりストレス障害に陥った者などへのこころのケア対策を進めるため、こころ

の健康づくりや自殺予防に対応できる人材の育成を進めるとともに、相談窓口の設置や

情報提供など支援体制を整備し自殺予防を推進します。

・臨床心理士や精神カウンセラー等の専門家の配置や相談事業等の実施 ・相談窓口等の支援情報の提供 ・人材の育成 ・早期治療に結びつける体制づくり(連携)

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

飛騨保健所「飛騨圏域の公衆衛生」に基づく健康課資料

50

第三章 課題別の実態と対策

図 下呂市における年代別の自殺者数(平成 ~ 年の合計)

図 男女別年代別の自殺による人口 万人当たり死亡率(平成 年:全国)

自殺予防については、即効性のある施策はないと言われており、中長期的な視点で

自殺対策に取り組む必要があります。 自殺の背景にはうつ病が多く存在することも指摘されており、自殺を減少させるこ

とは、こころの健康も含めた市民の健康増進と密接に関連することから、自殺者数の

減少を指標として設定します。

目標項目 自殺死亡率の減少

下呂市 国

現状 %(平成 年) %(平成 年)

目標 年間で %以上の減少 (平成 年)

出典 市特定健診

~29 30~34 35~39 40~44 45~49 50~54 55~59 60~64 65~69 70~74 75~

男性 4 2 5 4 8 5 6 9 9 6 26

女性 2 1 0 1 2 3 1 2 4 7 6

0

5

10

15

20

25

30(人)

男性 女性

0

10

20

30

40

50

60

70

80

男性総数 36.2女性総数 12.9

(%)

51

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■対策

こころの健康に関する正しい知識の教育・普及啓発

すべての市民を対象に、生命の大切さやストレスケア、メンタルヘルス、アルコール

や薬物への依存症予防など、こころの健康の維持・増進のための健康教育や知識の普及

啓発に取り組みます。

・うつ病やアルコール依存症、統合失調症に対する正しい知識の普及啓発 ・職域における労働者のこころの健康づくり(メンタルヘルス対策)の推進

自殺防止に向けた相談・支援体制の整備

うつ病などを発症した者やアルコール・薬物に依存するようになった者、何らかの心

的外傷によりストレス障害に陥った者などへのこころのケア対策を進めるため、こころ

の健康づくりや自殺予防に対応できる人材の育成を進めるとともに、相談窓口の設置や

情報提供など支援体制を整備し自殺予防を推進します。

・臨床心理士や精神カウンセラー等の専門家の配置や相談事業等の実施 ・相談窓口等の支援情報の提供 ・人材の育成 ・早期治療に結びつける体制づくり(連携)

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

52

第三章 課題別の実態と対策

うつ病や自殺のサインに、

家族や周りの人は気づくことができる

自殺者は、うつ病など精神疾患の占める割合が高いとされます。うつ病には不眠のほか

欠勤、遅刻、能率低下、退職願望などのサインがあり、約8割のケースでそのサインに家

族や社会などの周りの人が気づいていたとされています。

世界保健機構( )によれば、うつ病、アルコール依存症、統合失調症については

治療法が確立しており、これらの3種の精神疾患の早期発見、早期治療を行うことで、自

殺率を引き下げることができるとしています。しかし、本人及び周囲の人の理解が浅く、

偏見があるため、相談や受診に結びつかないと言われており、現実には一部の人しか医療

機関を受診しておらず、精神科医の診療を受けている人はさらに少ないのが現状です。

平成 年度の自殺者を下呂市の国保レセプトで見ると、7人中6人が不眠・食欲不振

などで医療機関を受診しており、このうち2人が精神科を受診していました。また、精神

保健福祉相談の実施状況を見ると、平成 年度は、自殺の相談が7件ありました。

精神疾患に対する住民の理解を深め、悩みを抱えた時に気軽に相談や受診・診療できる

環境づくりが求められています。

精神保健福祉相談実施状況 (人)

平成 年度 平成 年度 平成 年度 平成 年度

心の健康づくり

社会復帰

アルコール

老人精神保健

思春期

その他

計(実人数) ( ) ( ) ( ) ( )

計の再掲ひきこもり

自殺

平成 年度は保健所のみ実施分、平成 年度~保健所・市実施分

〔資料:飛騨圏域の公衆衛生〕

53

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

休養・こころの健康

気づき気づきあい 見守り見守られる。人と人がつながろう!

■市民の行動

・規則正しい生活を心がけよう。

・家族や学校、地域や職場で明るくあいさつしよう。

・いろいろな世代の人たちとのコミュニケーションを大切にしよう。

・積極的に趣味を持ち、仲間をつくろう。

・生活にメリハリをつけ、しっかりと休養をとる日も持とう。

■地域の行動

・地域で子供から大人まで交流できる場(ラジオ体操等)をつくろう。

・独居やひとり親家庭などの見守りや支援をしよう。

・いじめやハラスメントを見逃さない。

・心の健康について学ぶ機会をつくろう。

・身近な人の気持ちの変化に気をつけ、声をかけてあげよう。

・閉じこもりにならないよう、声をかけよう。

■企業の行動

・適正な労働時間や休暇をとることができる職場環境を整えよう。

・メンタルヘルス研修会を開催しよう。

・声掛けあって、コミュニケーションを活性化しよう。

■行政の行動

・うつ病やアルコール依存症、統合失調症などこころの病気に対する正しい知識

の普及啓発に努めます。

・情報提供や学習の場として、講演会等の研修を行います。

・職場における労働者のこころの健康づくりを支援します。

・臨床心理士や精神カウンセラー等の専門家による相談事業を行います。

・相談窓口等の支援情報をわかりやすく提供します。

・生涯学習や趣味の活動に参加できるよう、人材や施設などの情報を提供します。

■学校の行動

・規則正しい生活リズムを指導します。

・効果的なカウンセリングを行います。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

52

第三章 課題別の実態と対策

うつ病や自殺のサインに、

家族や周りの人は気づくことができる

自殺者は、うつ病など精神疾患の占める割合が高いとされます。うつ病には不眠のほか

欠勤、遅刻、能率低下、退職願望などのサインがあり、約8割のケースでそのサインに家

族や社会などの周りの人が気づいていたとされています。

世界保健機構( )によれば、うつ病、アルコール依存症、統合失調症については

治療法が確立しており、これらの3種の精神疾患の早期発見、早期治療を行うことで、自

殺率を引き下げることができるとしています。しかし、本人及び周囲の人の理解が浅く、

偏見があるため、相談や受診に結びつかないと言われており、現実には一部の人しか医療

機関を受診しておらず、精神科医の診療を受けている人はさらに少ないのが現状です。

平成 年度の自殺者を下呂市の国保レセプトで見ると、7人中6人が不眠・食欲不振

などで医療機関を受診しており、このうち2人が精神科を受診していました。また、精神

保健福祉相談の実施状況を見ると、平成 年度は、自殺の相談が7件ありました。

精神疾患に対する住民の理解を深め、悩みを抱えた時に気軽に相談や受診・診療できる

環境づくりが求められています。

精神保健福祉相談実施状況 (人)

平成 年度 平成 年度 平成 年度 平成 年度

心の健康づくり

社会復帰

アルコール

老人精神保健

思春期

その他

計(実人数) ( ) ( ) ( ) ( )

計の再掲ひきこもり

自殺

平成 年度は保健所のみ実施分、平成 年度~保健所・市実施分

〔資料:飛騨圏域の公衆衛生〕

53

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

休養・こころの健康

気づき気づきあい 見守り見守られる。人と人がつながろう!

■市民の行動

・規則正しい生活を心がけよう。

・家族や学校、地域や職場で明るくあいさつしよう。

・いろいろな世代の人たちとのコミュニケーションを大切にしよう。

・積極的に趣味を持ち、仲間をつくろう。

・生活にメリハリをつけ、しっかりと休養をとる日も持とう。

■地域の行動

・地域で子供から大人まで交流できる場(ラジオ体操等)をつくろう。

・独居やひとり親家庭などの見守りや支援をしよう。

・いじめやハラスメントを見逃さない。

・心の健康について学ぶ機会をつくろう。

・身近な人の気持ちの変化に気をつけ、声をかけてあげよう。

・閉じこもりにならないよう、声をかけよう。

■企業の行動

・適正な労働時間や休暇をとることができる職場環境を整えよう。

・メンタルヘルス研修会を開催しよう。

・声掛けあって、コミュニケーションを活性化しよう。

■行政の行動

・うつ病やアルコール依存症、統合失調症などこころの病気に対する正しい知識

の普及啓発に努めます。

・情報提供や学習の場として、講演会等の研修を行います。

・職場における労働者のこころの健康づくりを支援します。

・臨床心理士や精神カウンセラー等の専門家による相談事業を行います。

・相談窓口等の支援情報をわかりやすく提供します。

・生涯学習や趣味の活動に参加できるよう、人材や施設などの情報を提供します。

■学校の行動

・規則正しい生活リズムを指導します。

・効果的なカウンセリングを行います。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

54

第三章 課題別の実態と対策

(2)次世代の健康

~基本的な生活習慣の定着による子どもの健康な体づくり~

■はじめに

生涯を通じ健やかで心豊かに生活するためには、妊娠中や子どもの頃からの健康づく

りが重要です。

妊娠前、妊娠期の心身の健康づくりを行うとともに、子どもの健やかな発育とより良

い生活習慣を形成することで、成人期、高齢期等の生涯を通じた健康づくりを推進して

いくことができます。

健やかな生活習慣を幼少時から身につけ、生活習慣病予防の基盤を固め、生涯にわた

って健康な生活習慣を継続できるようにすることが重要です。

生活習慣病予防と発症時期を遅らせることができるよう、子どものころからの生活習

慣づくりを推進します。

子どもや妊婦に係る母子保健分野の取り組みとしては 年度から国が主導する

「健やか親子 (注 )」の取り組みを開始しており、こうした取り組みとも協働しつつ

次世代の健康を育むことが求められます。

■現状と目標

健康な生活習慣を有する子どもの割合の増加

① 朝・昼・夜の三食を必ず食べることに

気をつけて食事をしている子どもの割合

食生活は、心身を育む上で不可欠な生活習慣であり、幼少期の食習慣は成人期の食習

慣に影響を与えます。 歳以上で習慣的に欠食している者で、朝食を食べない習慣が

「小学生頃から」又は「中学、高校生の頃から」始まったと回答した者の割合を合わせ

ると、男性で 、女性で であるとの報告もあります。

規則正しく食べる習慣は、すべての子どもが身につけるものであるため、目標値は

「 %に近づける」としています。

(注 ) 世紀の母子保健における主要な取組として、①思春期の保健対策の強化と健康教育の

推進、②妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援、③小児保健医療水準を維持・

向上させるための環境整備、④子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減の4つを提示

し、みんなで推進する国民運動計画です。

55

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの

割合〔小学5年生〕

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 %に近づける( 年度)

出典 (独)日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活等実態調査」

② 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加

健康な運動習慣を有する子どもの割合を増やすことで、心身の健康の保持・増進や体

力の向上を図り、健康で活力に満ちた長寿社会の実現につなげることが重要です。

目標項目 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合(週3日以上)

〔小学5年生〕

下呂市 国

現状 男子 女子

(平成 年度)

男子 女子

(平成 年度)

目標 増加傾向へ( 年度)

出典 文部科学省「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」

適正体重の子どもの増加

③ 出生数中の低出生体重児の割合の減少

下呂市の低出生体重児の割合は、全国や岐阜県と比較すると低いですが、毎年 人

前後低出生体重児が生まれています。出生時の体重が 未満の極低出生体重児は

年度により差はありますが、平成 年度は3人と増えています。

表 下呂市の低出生体重児の割合

年度 年度

低出生体重児人

( %)

( %)

( %)

( %)

( %)

( %)

極低出生体重児 人 人 人 人 人 人

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

54

第三章 課題別の実態と対策

(2)次世代の健康

~基本的な生活習慣の定着による子どもの健康な体づくり~

■はじめに

生涯を通じ健やかで心豊かに生活するためには、妊娠中や子どもの頃からの健康づく

りが重要です。

妊娠前、妊娠期の心身の健康づくりを行うとともに、子どもの健やかな発育とより良

い生活習慣を形成することで、成人期、高齢期等の生涯を通じた健康づくりを推進して

いくことができます。

健やかな生活習慣を幼少時から身につけ、生活習慣病予防の基盤を固め、生涯にわた

って健康な生活習慣を継続できるようにすることが重要です。

生活習慣病予防と発症時期を遅らせることができるよう、子どものころからの生活習

慣づくりを推進します。

子どもや妊婦に係る母子保健分野の取り組みとしては 年度から国が主導する

「健やか親子 (注 )」の取り組みを開始しており、こうした取り組みとも協働しつつ

次世代の健康を育むことが求められます。

■現状と目標

健康な生活習慣を有する子どもの割合の増加

① 朝・昼・夜の三食を必ず食べることに

気をつけて食事をしている子どもの割合

食生活は、心身を育む上で不可欠な生活習慣であり、幼少期の食習慣は成人期の食習

慣に影響を与えます。 歳以上で習慣的に欠食している者で、朝食を食べない習慣が

「小学生頃から」又は「中学、高校生の頃から」始まったと回答した者の割合を合わせ

ると、男性で 、女性で であるとの報告もあります。

規則正しく食べる習慣は、すべての子どもが身につけるものであるため、目標値は

「 %に近づける」としています。

(注 ) 世紀の母子保健における主要な取組として、①思春期の保健対策の強化と健康教育の

推進、②妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援、③小児保健医療水準を維持・

向上させるための環境整備、④子どもの心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減の4つを提示

し、みんなで推進する国民運動計画です。

55

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気をつけて食事をしている子どもの

割合〔小学5年生〕

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 %に近づける( 年度)

出典 (独)日本スポーツ振興センター「児童生徒の食生活等実態調査」

② 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合の増加

健康な運動習慣を有する子どもの割合を増やすことで、心身の健康の保持・増進や体

力の向上を図り、健康で活力に満ちた長寿社会の実現につなげることが重要です。

目標項目 運動やスポーツを習慣的にしている子どもの割合(週3日以上)

〔小学5年生〕

下呂市 国

現状 男子 女子

(平成 年度)

男子 女子

(平成 年度)

目標 増加傾向へ( 年度)

出典 文部科学省「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」

適正体重の子どもの増加

③ 出生数中の低出生体重児の割合の減少

下呂市の低出生体重児の割合は、全国や岐阜県と比較すると低いですが、毎年 人

前後低出生体重児が生まれています。出生時の体重が 未満の極低出生体重児は

年度により差はありますが、平成 年度は3人と増えています。

表 下呂市の低出生体重児の割合

年度 年度

低出生体重児人

( %)

( %)

( %)

( %)

( %)

( %)

極低出生体重児 人 人 人 人 人 人

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

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第三章 課題別の実態と対策

低出生体重児は、神経学的、身体的合併症の他、成人後に糖尿病や高血圧等の生活習

慣病を発症しやすいとの報告があり、その動向や予後について注視する必要があります。 低出生体重の要因としては、医療の進歩、多胎妊娠、妊娠前の母親のやせ、低栄養、

妊娠中の体重増加の抑制、喫煙等が考えられますが、予防が可能な要因の寄与度や具体

的な介入方法が明らかになっていないため、目標設定は困難であり、目標を「減少傾向

へ」と設定しています。

④ 肥満傾向にある子どもの割合の減少

子どもの肥満は、将来の肥満や生活習慣病に結びつきやすいとの報告があることから、

肥満傾向のある子ども(以下「肥満傾向児」という。)について目標設定することとし、

評価指標では、統計データのある「小学校 年生の肥満傾向児の出現率の減少」とし

ました。

学校保健統計調査では、性別・年齢別・身長別標準体重をもとに肥満度を計算し、肥

満度 %以上を「肥満傾向児」としています。

下呂市の小学校 年生の肥満傾向児の出現率は、男女ともに全国、岐阜県と比較し

て低く、経年変化を見ても低下傾向にあります。

子どもの肥満の減少のために、学校における健康診断に基づく健康管理指導や体育等

の教育の一環としての取り組みをされているところですが、より対象者を明確にして保

健指導をしていくために、統計のあり方等を養護教諭と検討していく必要があります。

目標項目 肥満傾向児の割合〔小学5年生〕

年度 下呂市 岐阜県 国

現状男 % % %

女 % % %

目標 減少傾向へ( 年)

出典 文部科学省「学校保健統計調査」

目標項目 出生数中の低出生体重児の割合の減少

下呂市 国

現状 6.9%(平成 年度) 9.6%(平成 年度)

目標 減少傾向へ( 年)

出典 厚生労働省「人口動態統計」

57

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■対策

子どもの生活習慣病の発症予防のための取り組みの推進

ⅰ.ライフステージに対応した栄養指導

妊娠期、乳幼児期から全てのライフステージにおいて同じ形式の「食事基準量

表」を使用し食品の目安量を示していきます。

・母子手帳交付時(妊娠期)

食事基準量表に対する充足率を確認し、 (注 ) 未満、 高

値、家族歴があるなどのリスクの高い妊婦は、必要に応じたフォロー

・乳幼児健康診査、乳幼児教室・相談(乳幼児期)

1歳6カ月児健診と3歳児健診で充足率など、食生活の実態(塩分量含

む)を把握し、より実態にあったきめ細やかな支援を実施

おやつとは「=お菓子」ではなく食事でとりきれない栄養を補うもの(軽

い食事)という間食の意義を伝える。

・保育園児(5才児)の保護者向けの健康教育

5才児を対象に尿検査及び尿中塩分測定を行い、子どもの頃から腎臓を

守るための食生活に関する健康教育を実施する。

さらに、歯科衛生士による虫歯予防の普及を実施する。

ⅱ 学齢期への保健指導の推進 ・小中学校の養護教諭との課題の共有

現在、学校で行われている様々な検査についての情報共有

肥満傾向児の詳細な実態把握

・学齢期の生活習慣病健診導入に向けた検討

・学校と連携した食生活指導

食育推進計画とリンクさせ、関係部局とも連携して推進

(注 ) 身長からみた体重の割合を示す体格指数。手軽に分かる肥満度の目安として広く使われています。計算式は、体重 ㎏ /身長 m の2乗です。詳細は ページを参照してください。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

低出生体重児は、神経学的、身体的合併症の他、成人後に糖尿病や高血圧等の生活習

慣病を発症しやすいとの報告があり、その動向や予後について注視する必要があります。 低出生体重の要因としては、医療の進歩、多胎妊娠、妊娠前の母親のやせ、低栄養、

妊娠中の体重増加の抑制、喫煙等が考えられますが、予防が可能な要因の寄与度や具体

的な介入方法が明らかになっていないため、目標設定は困難であり、目標を「減少傾向

へ」と設定しています。

④ 肥満傾向にある子どもの割合の減少

子どもの肥満は、将来の肥満や生活習慣病に結びつきやすいとの報告があることから、

肥満傾向のある子ども(以下「肥満傾向児」という。)について目標設定することとし、

評価指標では、統計データのある「小学校 年生の肥満傾向児の出現率の減少」とし

ました。

学校保健統計調査では、性別・年齢別・身長別標準体重をもとに肥満度を計算し、肥

満度 %以上を「肥満傾向児」としています。

下呂市の小学校 年生の肥満傾向児の出現率は、男女ともに全国、岐阜県と比較し

て低く、経年変化を見ても低下傾向にあります。

子どもの肥満の減少のために、学校における健康診断に基づく健康管理指導や体育等

の教育の一環としての取り組みをされているところですが、より対象者を明確にして保

健指導をしていくために、統計のあり方等を養護教諭と検討していく必要があります。

目標項目 肥満傾向児の割合〔小学5年生〕

年度 下呂市 岐阜県 国

現状男 % % %

女 % % %

目標 減少傾向へ( 年)

出典 文部科学省「学校保健統計調査」

目標項目 出生数中の低出生体重児の割合の減少

下呂市 国

現状 6.9%(平成 年度) 9.6%(平成 年度)

目標 減少傾向へ( 年)

出典 厚生労働省「人口動態統計」

57

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

■対策

子どもの生活習慣病の発症予防のための取り組みの推進

ⅰ.ライフステージに対応した栄養指導

妊娠期、乳幼児期から全てのライフステージにおいて同じ形式の「食事基準量

表」を使用し食品の目安量を示していきます。

・母子手帳交付時(妊娠期)

食事基準量表に対する充足率を確認し、 (注 ) 未満、 高

値、家族歴があるなどのリスクの高い妊婦は、必要に応じたフォロー

・乳幼児健康診査、乳幼児教室・相談(乳幼児期)

1歳6カ月児健診と3歳児健診で充足率など、食生活の実態(塩分量含

む)を把握し、より実態にあったきめ細やかな支援を実施

おやつとは「=お菓子」ではなく食事でとりきれない栄養を補うもの(軽

い食事)という間食の意義を伝える。

・保育園児(5才児)の保護者向けの健康教育

5才児を対象に尿検査及び尿中塩分測定を行い、子どもの頃から腎臓を

守るための食生活に関する健康教育を実施する。

さらに、歯科衛生士による虫歯予防の普及を実施する。

ⅱ 学齢期への保健指導の推進 ・小中学校の養護教諭との課題の共有

現在、学校で行われている様々な検査についての情報共有

肥満傾向児の詳細な実態把握

・学齢期の生活習慣病健診導入に向けた検討

・学校と連携した食生活指導

食育推進計画とリンクさせ、関係部局とも連携して推進

(注 ) 身長からみた体重の割合を示す体格指数。手軽に分かる肥満度の目安として広く使われています。計算式は、体重 ㎏ /身長 m の2乗です。詳細は ページを参照してください。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

58

第三章 課題別の実態と対策

次世代を担う子供たちの健康のために

早寝早起き朝ごはん!健康な心身は規則正しい生活習慣から!

■学校の行動

・子どもの生活習慣の実態を把握し、効果的な指導をします。

・保護者には、食生活をはじめ健康づくり情報を積極的に発信します。

・市役所やPTAと協力して、生活習慣の改善に向けた研修等を行います。

■行政の行動

・妊婦健診、乳幼児健診・教室を開催し、子どもの健康づくりの知識を周知します。

・子どもの健康相談を行います。

・塩分が多く、野菜が少ない食生活の改善をすすめます。

・学校の養護教諭や栄養士と課題を共有し、連携して課題解決をします。

・栄養バランスを考慮した給食を提供します。

■子どもの行動

・朝昼夜の3食を必ず食べよう。

・早寝早起きで十分な睡眠時間をとろう。

・毎日、力いっぱいからだを動かそう。

・困ったことがあったら、大人に相談しよう。

■親の行動

・子どもの健康は親がつくるもの。学校や市役所からの健康情報に目を通し、健

康づくりに興味を持とう。

・規則正しい生活リズムを身に着けさせよう。

・塩分控えめ、野菜多めで、バランスのとれた食事をこころがけよう。

・子どもの話をたくさん聞いてあげよう。

・祭りなど地域の行事には、子供と一緒に参加して地域のみんなで楽しもう。

■地域の行動

・祭りなど地域行事を、子どもたちと一緒に盛り上げよう。

・いじめやDV、虐待を見逃さないよう見守り、気になる子供には声をかけよう。

・子育ての悩みに気づき、声をかけよう。

■ヘルスメイト等の市民活動団体の行動

・親子料理教室やお弁当作りの実習を通して、正しい食の知識を広めよう。

・地域の食を活かす地産地消に取り組もう。

・スポーツ教室を開催し、スポーツに興味を持たせよう。

59

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(3)高齢者の健康

~生活機能・身体機能を維持するための高齢者の健康づくり~

■はじめに

年齢を重ねても、できるだけ長く自立した生活を営むためには、高齢者の生きがいづ

くりや社会参加の支援とともに、要支援、要介護状態の主な原因疾患であるロコモティ

ブシンドローム(運動器症候群)や脳血管疾患、認知症などの予防対策が重要です。 そのためには、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する生活習慣病予防と、運動機能の低下

や低栄養、口腔機能の低下、認知症などを予防する介護予防を総合的に推進することに

より、高齢者の生活機能と身体機能の維持を支援します。

■現状と目標

介護保険サービス利用者の増加の抑制

下呂市の要介護認定者数は、平成 年度で 人で、 歳以上高齢者の

が要介護・要支援の認定を受けています。平成 年度の介護保険新規申請(非

該当を含む)は 件で、そのうち運動器症候群での申請は 件( %)となっ

ており、申請理由では、男性は「腰」、女性では「膝」の運動器障害が多くなっていま

す(図 )。

高齢化の進展に伴い、今後はより高い年齢層の高齢者が増加することから、介護サー

ビスの利用者数の増加傾向は続くと予想されます。

しかし、生活習慣を改善し、介護予防の取り組みを推進することにより、高齢者が要

介護状態となる時期を遅らせることができると期待されます。こうした観点から介護サ

ービス利用者の増加の抑制を図ることを指標として設定します。

図 平成 年度介護保険新規申請理由(運動器症候群)

膝28%

股18%

腰23%

その他31%

n=85n=34

男性 女性

膝15%

股20%

腰50%

その

他15%

【その他】 骨粗鬆症・腓骨骨折・脛骨骨折・上腕骨骨折・

橈骨骨折・踵骨骨折・頚椎圧迫骨折・胸椎圧

迫骨折 恥骨骨折・坐骨神経痛・頚髄損傷・下肢筋力

低下・廃用性筋萎縮症 など

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

58

第三章 課題別の実態と対策

次世代を担う子供たちの健康のために

早寝早起き朝ごはん!健康な心身は規則正しい生活習慣から!

■学校の行動

・子どもの生活習慣の実態を把握し、効果的な指導をします。

・保護者には、食生活をはじめ健康づくり情報を積極的に発信します。

・市役所やPTAと協力して、生活習慣の改善に向けた研修等を行います。

■行政の行動

・妊婦健診、乳幼児健診・教室を開催し、子どもの健康づくりの知識を周知します。

・子どもの健康相談を行います。

・塩分が多く、野菜が少ない食生活の改善をすすめます。

・学校の養護教諭や栄養士と課題を共有し、連携して課題解決をします。

・栄養バランスを考慮した給食を提供します。

■子どもの行動

・朝昼夜の3食を必ず食べよう。

・早寝早起きで十分な睡眠時間をとろう。

・毎日、力いっぱいからだを動かそう。

・困ったことがあったら、大人に相談しよう。

■親の行動

・子どもの健康は親がつくるもの。学校や市役所からの健康情報に目を通し、健

康づくりに興味を持とう。

・規則正しい生活リズムを身に着けさせよう。

・塩分控えめ、野菜多めで、バランスのとれた食事をこころがけよう。

・子どもの話をたくさん聞いてあげよう。

・祭りなど地域の行事には、子供と一緒に参加して地域のみんなで楽しもう。

■地域の行動

・祭りなど地域行事を、子どもたちと一緒に盛り上げよう。

・いじめやDV、虐待を見逃さないよう見守り、気になる子供には声をかけよう。

・子育ての悩みに気づき、声をかけよう。

■ヘルスメイト等の市民活動団体の行動

・親子料理教室やお弁当作りの実習を通して、正しい食の知識を広めよう。

・地域の食を活かす地産地消に取り組もう。

・スポーツ教室を開催し、スポーツに興味を持たせよう。

59

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

(3)高齢者の健康

~生活機能・身体機能を維持するための高齢者の健康づくり~

■はじめに

年齢を重ねても、できるだけ長く自立した生活を営むためには、高齢者の生きがいづ

くりや社会参加の支援とともに、要支援、要介護状態の主な原因疾患であるロコモティ

ブシンドローム(運動器症候群)や脳血管疾患、認知症などの予防対策が重要です。 そのためには、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する生活習慣病予防と、運動機能の低下

や低栄養、口腔機能の低下、認知症などを予防する介護予防を総合的に推進することに

より、高齢者の生活機能と身体機能の維持を支援します。

■現状と目標

介護保険サービス利用者の増加の抑制

下呂市の要介護認定者数は、平成 年度で 人で、 歳以上高齢者の

が要介護・要支援の認定を受けています。平成 年度の介護保険新規申請(非

該当を含む)は 件で、そのうち運動器症候群での申請は 件( %)となっ

ており、申請理由では、男性は「腰」、女性では「膝」の運動器障害が多くなっていま

す(図 )。

高齢化の進展に伴い、今後はより高い年齢層の高齢者が増加することから、介護サー

ビスの利用者数の増加傾向は続くと予想されます。

しかし、生活習慣を改善し、介護予防の取り組みを推進することにより、高齢者が要

介護状態となる時期を遅らせることができると期待されます。こうした観点から介護サ

ービス利用者の増加の抑制を図ることを指標として設定します。

図 平成 年度介護保険新規申請理由(運動器症候群)

膝28%

股18%

腰23%

その他31%

n=85n=34

男性 女性

膝15%

股20%

腰50%

その

他15%

【その他】 骨粗鬆症・腓骨骨折・脛骨骨折・上腕骨骨折・

橈骨骨折・踵骨骨折・頚椎圧迫骨折・胸椎圧

迫骨折 恥骨骨折・坐骨神経痛・頚髄損傷・下肢筋力

低下・廃用性筋萎縮症 など

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

膝 15%

股 20%

腰 50%

その他 15%

男性

膝 28%

股 18% 腰

23%

その他 31%

女性

n=34 n=85

60

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 介護保険サービス利用者の増加の抑制

下呂市 国

現状 認定率 %(平成 年) 利用者 万人(平成 年)

目標 認定率の減少(平成 年) 利用者 万人(平成 年)

出典 市高齢福祉課統計 厚生労働省「介護保険事業報告」

■対策

生活習慣病予防と介護予防の推進

・生活慣病予防や介護予防の必要性についての普及啓発 ・要支援・要介護状態になるおそれの高い高齢者を対象とした運動器や口腔機能の

向上及び栄養改善 ・認知症予防教室の開催など、認知症予防及び重症化予防 ・ロコモティブシンドロームに関する知識を広く普及 ・ 運動(注 )の普及 ・認知症発症予防の推進

(注 )「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯

があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。

ロコモティブシンドローム

歩行速度が速い高齢者ほど生活機能を維持しやすく余命も長いことが知られてい

ます。高齢者における歩行速度は、 歳以降、緩やかで直線的な低下を示し、男性

は 歳以降、女性は 歳以降、日常生活に不自由が生じ始めます。

日本整形外科学会は 年、運動器の障害のために自立度が低下し介護が必要

となる危険性が高い状態を示す言葉として「ロコモティブシンドローム」(運動器症

候群)を提案。総合的な歩行機能の維持向上のためには、高齢者における運動器の健

康維持が極めて重要であること訴えています。

※運動器とは・・

骨、関節軟骨や脊椎の椎間板、筋肉、動きの信号を伝える神経のこと

61

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

高齢者の健康のために

いつまでも元気で、暮らしを楽しもう!

■市民の行動

・朝昼夜の3食を必ず食べよう。

・塩分控えめ、野菜多めの食事で腹八分目をこころがけよう。

・早寝早起きで十分な睡眠時間をとろう。

・毎日からだを動かそう。

・いろんなことに興味を持ち、趣味や生きがいなど、楽しみを持とう。

■地域の行動

・独居や高齢者世帯の見守りや支援をしよう。

・閉じこもりにならないよう、声をかけよう。

・いろんな行事に参加してもらおう。

・いきいきサロンの支援など、ボランティアに参加しよう。

■スポーツクラブやヘルスメイト等の行動

・グランドゴルフ、ゲートボール、ウォーキング等のイベントを支援します。

・男の料理教室を開催します。

■行政の行動

・ロコモティブシンドロームの知識を普及し、予防を啓発します。

・健診結果についてわかりやすく説明し、本人の状態に合わせた効果的な健康づく

りを提案します。

・高齢者の健康相談を行います。

・健康づくり体操やラジオ体操など、身体活動を普及します。

・運動機能の低下予防と維持、閉じこもり予防、認知症予防のため、介護予防事業

を行います。

・健診を受ける方法をわかりやすくお知らせし、受診しやすい体制をつくります。

・包括支援課や高齢福祉課等の関係課と連携し、効果的な健康増進を行います。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

目標項目 介護保険サービス利用者の増加の抑制

下呂市 国

現状 認定率 %(平成 年) 利用者 万人(平成 年)

目標 認定率の減少(平成 年) 利用者 万人(平成 年)

出典 市高齢福祉課統計 厚生労働省「介護保険事業報告」

■対策

生活習慣病予防と介護予防の推進

・生活慣病予防や介護予防の必要性についての普及啓発 ・要支援・要介護状態になるおそれの高い高齢者を対象とした運動器や口腔機能の

向上及び栄養改善 ・認知症予防教室の開催など、認知症予防及び重症化予防 ・ロコモティブシンドロームに関する知識を広く普及 ・ 運動(注 )の普及 ・認知症発症予防の推進

(注 )「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯

があれば、食生活にほぼ満足することができると言われています。

ロコモティブシンドローム

歩行速度が速い高齢者ほど生活機能を維持しやすく余命も長いことが知られてい

ます。高齢者における歩行速度は、 歳以降、緩やかで直線的な低下を示し、男性

は 歳以降、女性は 歳以降、日常生活に不自由が生じ始めます。

日本整形外科学会は 年、運動器の障害のために自立度が低下し介護が必要

となる危険性が高い状態を示す言葉として「ロコモティブシンドローム」(運動器症

候群)を提案。総合的な歩行機能の維持向上のためには、高齢者における運動器の健

康維持が極めて重要であること訴えています。

※運動器とは・・

骨、関節軟骨や脊椎の椎間板、筋肉、動きの信号を伝える神経のこと

61

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

高齢者の健康のために

いつまでも元気で、暮らしを楽しもう!

■市民の行動

・朝昼夜の3食を必ず食べよう。

・塩分控えめ、野菜多めの食事で腹八分目をこころがけよう。

・早寝早起きで十分な睡眠時間をとろう。

・毎日からだを動かそう。

・いろんなことに興味を持ち、趣味や生きがいなど、楽しみを持とう。

■地域の行動

・独居や高齢者世帯の見守りや支援をしよう。

・閉じこもりにならないよう、声をかけよう。

・いろんな行事に参加してもらおう。

・いきいきサロンの支援など、ボランティアに参加しよう。

■スポーツクラブやヘルスメイト等の行動

・グランドゴルフ、ゲートボール、ウォーキング等のイベントを支援します。

・男の料理教室を開催します。

■行政の行動

・ロコモティブシンドロームの知識を普及し、予防を啓発します。

・健診結果についてわかりやすく説明し、本人の状態に合わせた効果的な健康づく

りを提案します。

・高齢者の健康相談を行います。

・健康づくり体操やラジオ体操など、身体活動を普及します。

・運動機能の低下予防と維持、閉じこもり予防、認知症予防のため、介護予防事業

を行います。

・健診を受ける方法をわかりやすくお知らせし、受診しやすい体制をつくります。

・包括支援課や高齢福祉課等の関係課と連携し、効果的な健康増進を行います。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

62

第三章 課題別の実態と対策

3.生活習慣及び社会環境の改善

食生活、運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善に取り

組みます。乳幼児期から高齢期までのライフステージや性差、社会経済的状況等の違い

に着目し、対象ごとの特性等を把握した上で、ハイリスク集団への働きかけを重点的に

行うとともに、地域や職域を通じてまち全体へアプローチを行います。

■取り組みの方向

◇ 食生活、運動、喫煙、飲酒及び歯・口腔に関する生活習慣の改善 ◇ 健康的な食生活を推進します。

(1)栄養・食生活

■はじめに

栄養・食生活は、生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康な生

活を送るために欠くことのできない営みであり、多くの生活習慣病の予防の観点から重

要です。同時に、栄養・食生活は社会的、文化的な営みでもあります。 下呂市でも自然環境や地理的な特徴、歴史的条件が相まって、地域特有の食文化を生

み出し、食生活の習慣をつくりあげてきています(図 )。

生活習慣病予防の実現のためには、下呂市の特性を踏まえ、栄養状態を適正に保つた

めに必要な栄養素を摂取することが求められています。

■基本的な考え方

主要な生活習慣病 がん、循環器疾患、糖尿病 予防の科学的根拠があるものと、食品

栄養素 の具体的な関連は別表Ⅰのとおりです。

食品 栄養素 の欠乏または過剰については、個人の健診データで確認していく必要が

あります。また、生活習慣病予防に焦点をあてた、ライフステージごとの食品の目安量

は別表Ⅱのとおりです。生活習慣病予防のためには、ライフステージを通して、適正な

食品 栄養素 摂取が実践できる力を育み、発揮できることが重要になってきます。

また、下呂市の特徴として塩分摂取の多い食文化が背景にあることから、世代間を通し

て適正な塩分量を摂取していくための働きかけが必要となります。

66

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

個人にとって、適切な量と質の食事を摂っているかどうかの指標は健診データです。

健診データについての目標項目は、2.生活習慣病の予防の項で掲げているため、栄

養・食生活については、「健康げろ (第一次)」からひき続き適正体重を中心に、目

標を設定します。

また、食習慣は長い歴史の中で育んだ食文化の流れを汲み、さらに現代の食環境に大

きく影響されています。こうした中で、下呂市の健康課題につながる食の特徴として、

塩分が多いこと、食物繊維・ビタミン類の不足を招く野菜の摂取不足が考えられます。

塩分及び野菜の摂取量についても目標を設定します。

適正体重を維持している者の増加 肥満、やせの減少

体重は、ライフステージをとおして、日本人の主要な生活習慣病や健康状態との関連

が強く、特に「肥満」はがん、循環器疾患、糖尿病等の生活習慣病との関連、若年女性

の「やせ」は、低出生体重児出産のリスク等との関連があります。

適正体重については、ライフステージごとの目標を設定し、評価指標とします。

肥満度を示す体格指数(BMI)について

BMI( とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの

肥満度を表す体格指数です。

体重がA 、身長がB ( ではないことに注意)の人の は、A÷(B

の2乗)で計算されます。たとえば、身長 、体重 の場合、

次のとおりです。

÷( 2)= ÷ ≒

BMI指標によると、肥満の状態は次のように分類されます。

状態 BMI指標

低体重(痩せ型) 未満

普通体重 以上 未満

肥満 以上

資料:日本肥満学会の肥満基準

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

63

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

図 食習慣の背景

種類 量(ml) プリン体(mg) アルコール量

ビール

発泡酒

日本酒

焼酎

食品名 プリン体(mg) コレステロール(g)

じゃこ

鶏レバー

鶏ちゃん

鮪刺身

たらこ

食品名 量(g) 食品名 量(g)

ごぼう もやし

ブロッコリー さつま芋

しめじ キャベツ

南瓜 トマト

ほうれん草 納豆 6.8g

人参 生ワカメ

★食品の食物繊維量(100g中)

★アルコールのプリン体量と純アルコール量

★食品のプリン体量とコレステロール量(50g中)

★漬物の成分と塩分量(100g当たり)

食品名 漬物 μ g) 食物繊維 塩分(g)

大根 沢庵

白菜 塩漬

蕪の葉 塩漬

★地域の食習慣背景の構造

【人 口】 人

【世帯数】 世帯

【高齢化率】

【国保人口】 人

・米文化市の中央を南北に流れる飛騨川と西部を流れる馬瀬川の清流と昼・夜の寒暖差を利用し、古くから米作りが行われてきた。昔は米の不足を補うために麦や雑穀を混ぜたり、野菜や調味料を加えたものを「しおけ飯」「ごっつお飯」と言った。晴れやかな日の食事、行事食として朴葉寿司、ねずし、鮎飯、おはぎ・ぼたもち、初午だんご、五平もち、あねかえし、朴葉もち等が、季節を通して作られ現在も親しまれている。・魚の食べ方昔から海産物は富山湾からの塩鱒、塩いか、干いわし、干ニシン等、保存のきく塩蔵物・干物ばかりで無塩のものを口にすることはなかった。冷蔵庫が普及してからも保存のきく塩蔵物・干物が好まれている。・野菜の食べ方昔は時期に採れるものを何でも囲炉裏にかけ煮込んで食べた。長漬けは年中切らすことなく毎食食卓に上がる。切り漬けは冬場に食べるが、古くなると煮て食べる(煮たくもじ)。お茶うけに漬けものを食べる地域もある。・貯蔵の工夫昔から畑のもの、山のもの、川のものなど採れるものはすべて乾燥・塩漬けなど保存の工夫でおかずとなった。冬場の食材、祝い事の際に利用した。収穫した野菜の利用は漬物が多く、長漬け、シナ漬け、塩漬け、味噌漬け、切り漬け等、大きな桶に浸ける。・調味料(味付け)漬けものから味噌汁、おかずに至るまで塩の利用は多く、長い間辛いものを食べ続けてきた歴史がある。

地域の特性・環境

【気候】 平均気温: 度

【地勢】 総面積 k㎡の %を山林が占

める。農用地: %、宅地 %

【産業構成】

【風土・歴史・知恵】

【下呂】天下の三名泉と言われる下呂温泉を中心に発展している観光地と、近隣の農林業が盛んな地区が合併してできた地区【萩原】町の中心を益田川が流れている。県の行政機関があるなど中心地。その昔長男以外は町外に働きに行った歴史があり、建築業に従事する人が多い、【金山】宿場町として栄えた歴史あり。製茶・製紙が盛んであり石工・大工・左官業多かった。【小坂】御嶽山麓には広大な国有林があり、森林資源に恵まれた地域。森林に関する産業で発達した歴史あり【馬瀬】豊かな自然と水源に恵まれ、米作りが盛んに行われてきた。一級河川馬瀬川の鮎が有名。森林に囲まれ、建設業・林業が発達した歴史がある。

・死亡状況

心疾患・脳血管疾患:国・県より高い

・治療状況( 月国保診療分)脂質異常症 県内 位 市

高尿酸 県内 位 市

高血圧 県内 位 市脳血管疾患 県内 位 市

・医療費 県内 位 市

・健診結果( 国保特定)血圧Ⅱ~Ⅲ度(県内 位 市)

肝機能 (県内 位 市)

〃 γ (県内 位 市)

(以上の 項目が県平均よりも有所見者の割合が高い又は同等レベル)

・とんちゃん、鶏ちゃんは市の観光メニューとして定着しており、市内に飲食店も多く、昼食や飲み会でも利用する。味付けの肉類や加工品が好まれる。・魚類は塩蔵物、干物、調味加工品が好まれ、鮮魚より売り場スペースが広い。・飲酒習慣のある人の平均純アルコール量 。ビール、焼酎の組み合わせ多い。・毎食食卓に漬け物が上がる。・野菜の食べ方は煮物がトップ。煮物、漬物以外の調理法が少ない。・野菜とっている認識でも目安量との開きあり 両手1杯程度・野菜は採れるもの中心で買ってまで食べないなど時期によって摂取に偏りがある。

食の歴史・習慣体の実態

栄養状態

個人の食習慣

★朴葉寿司1個当り平均・エネルギー 、・砂糖 g、・塩分

※ 食に食べる数平均 3個

★魚(塩蔵物) 切当たり塩分量

・塩鯖・塩鮭・鯵干物( 枚)・もろみ漬け

★市内5地域の朴葉寿司を調べてみました

★よく食べる魚の塩分量

★ 日の摂取目安量・プリン体量( 以下)・コレステロール量( 以下)・純アルコール量 以下・食物繊維量( ~ g)・塩分量男: 、女 未満

下呂 萩原 金山 小坂 馬瀬 全体

第1次

第2次

第3次

★3次産業下呂 全体

卸売・小売業

従業員数

宿泊施設

収容人数

★2次産業

全体

製造業数

従業員数

建設業数

従業員数

★1次産業

全体 全体

農家数 畜産業 農家数

専業農家 乳用牛

兼業農家 肉用牛

自給的農家 豚

採卵鶏

肉用鶏

体の実態食品との関係

栄養素との関係

・食品小売店の減少→車がないと買い物が不便→まとめ買い、保存のきくもの多い傾向

・食品、アルコールの大型スーパーが市内外に増加→大量購入、大量消費、買い置き

・飲食店、コンビニ増加→利用増加、 時間利用可・夜勤、不規則勤務従事者の増加→不規則な食生活

食 環 境

高脂質

高尿酸

高血圧

コレステロール

プリン体

塩 分

脳血管疾患

胃がん

アルコール

脂質異常症

高尿酸

高血圧脳血管疾患

● 日の目標量350g

★野菜の平均摂取量

全国

岐阜県

下呂市

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

64

第三章 課題別の実態と対策

細胞の分化再生

神経伝達物質生成

細胞分化核酸合成

アミノ酸・核酸生成

血糖(g)

中性脂肪(mg)

LDLコレステロール

(mg)尿酸(mg)

総蛋白アルブミン(g)

血清鉄(mg)

カルシウム ない あるある

(ナトリウム)ある

重 量 炭水化物 脂質 コレステロール 総プリン体 たんぱく質 鉄 カルシウム マグネシウム リン ビタミンB1 ビタミンB2レチノール

(ビタミンA)ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 ビタミンC ビタミンE 食物繊維 カリウム 食塩 水分

g g g mg mg  g mg mg mg mg mg mg μ g mg mg μ g mg mg g mg g g

19以上 9未満

17以上 7.5未満

(目安)

乳製品 牛乳(普通) 牛乳1本

卵 卵 Mサイズ1個

魚 鮭 1/2切れ

肉 豚肉(もも脂身あり)

薄切り2枚

大豆製品豆腐(もめん)

1/4丁

人参 小1/2本

ほうれん草 5~6株

大根 厚切り1切れ

キャベツ 1枚

玉ねぎ 1/4個

白菜 大1枚

いも じゃがいも 中1個

みかん Mサイズ1個

りんご L 1/4個

きのこ えのきたけ

海藻 生わかめ (塩蔵塩抜)

主食 ごはん 中茶碗3杯

砂糖 ★砂糖、蜂蜜 砂糖で大さじ1

油 油 、種実(料理に使用)

大さじ1

ビール 250cc

チョコレート 3かけ

しょうゆ 大さじ1・1/2

みそ 大さじ2/3

食塩 小さじ1/2弱

☆は、健診データーにはない。

蛋白質代謝に関与エネルギー産生に必要

(糖、蛋白質、脂質の代謝) 抗酸化作用

ある ある

★ 砂糖、嗜好品・嗜好飲料・・・ 糖尿病、高血糖、HbA1C5.5以上の方は 合わせて約10g 以下/日     ★ 嗜好品(ビール、チョコレート)を取らない場合は、ごはんで50g、 料理油(マーガリン・種実)で5gプラスします。

2000~

調味料

★嗜好飲料嗜好品

くだもの

合計

3群

  血液中の物質名(100cc中の単位)

50~60代生活活動強度Ⅰ

食 品

緑黄色野菜

淡色野菜

許容上限摂取量

栄養素別

1~3群合計

血液データ と 食品 栄養素

どこの項目にH(高) (低)印が

ついていますか。

このままだとどんな病気になるの?

なぜこの物質が多い(少ない)のか、

その背景は?

自分の食べ方を見て下さい。

余ると

コレステロール材料

糖・脂肪

コレステロール

高血糖

糖尿病

高インスリン

血管病

高脂血

痛風

高尿酸

材 料

赤血球の中の

血色素の材料

貧血 細胞の働き・入れ替え、栄養素の代謝に必要なもの

細胞の老化、 癌

便の成分

糖・脂の

吸収阻止する

便秘

大腸癌

バランス食…人間の体をよい状態に保つためのに考えられた基準の食品とその量

★胃袋の大きさ、満足を考えると、

「野菜のカサ」大切

★野菜の食べ過ぎ

…胃腸からの吸収

を悪くする

コレステロール少ない人

やせている人

貧血・蛋白不足

血圧の低下

Na排泄を促す

脳卒中

予防

肥 満 (内

臓肥満)

老廃物

燃えカス に

毒素(N)が含まれる

不要な量は

腎臓へ分泌し尿へ

毒素

腎臓からしか

排泄されない

別表Ⅰ

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

65

第三章 課題別の実態と対策 第三章 課題別の実態と対策

前期 中期 後期妊娠高血糖

6か月 8か月 11か月

0~16週未満

16~28週未満

28~40週

尿糖+ 尿糖-尿糖±以上

開始2カ月

開始4カ月

開始7カ月

男 女 男 女 男 女 男 女

母乳・ミルク600

(プレーンヨーグルト

卵Mサイズ1個50g

50 50 50 50 50 50 50 卵黄5卵黄~全卵25

卵黄~全卵25

50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50 50

魚介類1/2切れ50g

50 50 50 50 30 30 50 0 10 15 30 40 50 50 50 60 60 70 60 50 50 50

肉類薄切り肉2~3枚50g

50 50 50 50 30 30 50 0 10 15 25 40 50 50 50 60 60 70 60 50 50 50

大豆製品豆腐なら

1/4丁 110g165 165 165 165 110 110 165 5 0 40 40 70 80 100 80 165 120 165 110 110 110 110

緑黄色野菜

人参ほうれん草トマトなど

200~250

200~250

200~250

200~250

200~250

200~250

200~250

20 30 45 70 100 100 150 100 200 150 200 150 150 150 150

淡色野菜大根 白菜キャベツ

玉ねぎなど250 250 250 250 250 250 250 20 20 45 100 140 150 200 180 250 250 300 250 250 200 200

いも類ジャガイモなら

1個100g100 100 100 100 100 100 100 20 20 30 40 50 80 100 100 120 100 120 100 100 100 100

果物リンゴなら1/4個と

みかん1個で80kcal

120kcal 120kcal 120kcal 80kcal 120kcal 80kcal 120kcal -すりおろし30~40

すりおろし50~70

80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal 80kcal

きのこしいたけえのき

シメジなど50 50 50 50 50 50 50 - - - 20 30 30~50 50 50 50 50 50 50 50 50 50

海藻のり

ひじきなど50 50 50 50 30 30 50 - 3 5 20 20 30 30~50 30~50 30~50 30~50 30~50 30~50 30~50 30~50 30~50

穀類ご飯3杯

(450g)

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

種実類油脂

油大さじ1.5(18g)

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

バターで2

バターで3

4個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

個人によりまちまち

砂糖類砂糖大さじ1

(9g)20 20 20 10 20 10 20 0 0 3 10 10 15 20 20 20 20 20 20 20 20 20

禁酒 禁酒 禁酒 禁酒 禁酒 禁酒 禁酒 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 20 20 20

(8歳は7g)

食品

妊娠

授乳期

乳児

塩分(g) 7.5g未満 ― 男性9g未満・女性7.5g未満

9~11歳

400 200乳製品 200牛乳1本200cc

200 200 200

小学生 中学生 高校生 高齢者

妊娠高血圧症候群 3歳 5歳 6~8歳

成人

幼児

200400

12~14歳 15~17歳 70歳以上

200第1群

第3群

第4群

酒類(アルコール)

第2群

400 400 200200 400母乳・ミルク900

母乳・ミルク700

400400 400 400 400

ライフステージごとの食品の目安量別表Ⅱ

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

62

第三章 課題別の実態と対策

3.生活習慣及び社会環境の改善

食生活、運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善に取り

組みます。乳幼児期から高齢期までのライフステージや性差、社会経済的状況等の違い

に着目し、対象ごとの特性等を把握した上で、ハイリスク集団への働きかけを重点的に

行うとともに、地域や職域を通じてまち全体へアプローチを行います。

■取り組みの方向

◇ 食生活、運動、喫煙、飲酒及び歯・口腔に関する生活習慣の改善 ◇ 健康的な食生活を推進します。

(1)栄養・食生活

■はじめに

栄養・食生活は、生命を維持し、子どもたちが健やかに成長し、また人々が健康な生

活を送るために欠くことのできない営みであり、多くの生活習慣病の予防の観点から重

要です。同時に、栄養・食生活は社会的、文化的な営みでもあります。 下呂市でも自然環境や地理的な特徴、歴史的条件が相まって、地域特有の食文化を生

み出し、食生活の習慣をつくりあげてきています(図 )。

生活習慣病予防の実現のためには、下呂市の特性を踏まえ、栄養状態を適正に保つた

めに必要な栄養素を摂取することが求められています。

■基本的な考え方

主要な生活習慣病 がん、循環器疾患、糖尿病 予防の科学的根拠があるものと、食品

栄養素 の具体的な関連は別表Ⅰのとおりです。

食品 栄養素 の欠乏または過剰については、個人の健診データで確認していく必要が

あります。また、生活習慣病予防に焦点をあてた、ライフステージごとの食品の目安量

は別表Ⅱのとおりです。生活習慣病予防のためには、ライフステージを通して、適正な

食品 栄養素 摂取が実践できる力を育み、発揮できることが重要になってきます。

また、下呂市の特徴として塩分摂取の多い食文化が背景にあることから、世代間を通し

て適正な塩分量を摂取していくための働きかけが必要となります。

66

第三章 課題別の実態と対策

■現状と目標

個人にとって、適切な量と質の食事を摂っているかどうかの指標は健診データです。

健診データについての目標項目は、2.生活習慣病の予防の項で掲げているため、栄

養・食生活については、「健康げろ (第一次)」からひき続き適正体重を中心に、目

標を設定します。

また、食習慣は長い歴史の中で育んだ食文化の流れを汲み、さらに現代の食環境に大

きく影響されています。こうした中で、下呂市の健康課題につながる食の特徴として、

塩分が多いこと、食物繊維・ビタミン類の不足を招く野菜の摂取不足が考えられます。

塩分及び野菜の摂取量についても目標を設定します。

適正体重を維持している者の増加 肥満、やせの減少

体重は、ライフステージをとおして、日本人の主要な生活習慣病や健康状態との関連

が強く、特に「肥満」はがん、循環器疾患、糖尿病等の生活習慣病との関連、若年女性

の「やせ」は、低出生体重児出産のリスク等との関連があります。

適正体重については、ライフステージごとの目標を設定し、評価指標とします。

肥満度を示す体格指数(BMI)について

BMI( とは、体重と身長の関係から算出される、ヒトの

肥満度を表す体格指数です。

体重がA 、身長がB ( ではないことに注意)の人の は、A÷(B

の2乗)で計算されます。たとえば、身長 、体重 の場合、

次のとおりです。

÷( 2)= ÷ ≒

BMI指標によると、肥満の状態は次のように分類されます。

状態 BMI指標

低体重(痩せ型) 未満

普通体重 以上 未満

肥満 以上

資料:日本肥満学会の肥満基準

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

67

第三章 課題別の実態と対策

20歳代女性の“やせ”の者の割合の減少

~妊娠時の“やせ”の者の割合の減少~

妊娠前、妊娠期の心身の健康づくりは、子どもの健やかな発育と生活習慣の形成につ

ながります。下呂市では、妊娠直前の体格指数( )を算出し保健指導を行っていま

すが、妊娠直前の 未満の割合が年々増加しています(図 )。

図 妊娠直前のBMI 未満の女性の割合

妊娠前の母親のやせは低出生体重児の要因の一つと考えられています。胎児の健やか

な発達、出産に向けた妊娠期に適正な食品(栄養素)を確保していくことは、母子とも

に生涯を通した生活習慣病予防につながります。

目標項目 歳代女性のやせの者の割合の減少 妊娠時のやせの者の割合

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 %( 年度)

出典 母子手帳交付(市)、国民栄養調査(国)

17.30%(45人)

18.80%(49人)

24.30%(59人)

0.00%

5.00%

10.00%

15.00%

20.00%

25.00%

30.00%

H21 H22 H23

68

第三章 課題別の実態と対策

~ 歳代男性肥満者、 ~ 歳代女性肥満者の割合の減少

下呂市の ~ 歳代男性の肥満者、 ~ 歳代女性の肥満者の割合はいずれも

平成 年度の目標値を達成していますが、男女とも若干増加傾向にあります(図 )。

図 男性及び女性の肥満者(BMI 以上)の割合の推移

ライフステージにおける肥満は、 ~ 歳代男性及び ~ 歳代女性に最も多

く認められるため、この年代の肥満者の減少が健康日本 (第一次)の目標とされて

いましたが、最終評価では ~ 歳代男性の肥満者は増加、 ~ 歳代女性の肥

満者は変わらなかったため、引き続き指標として設定されました。

下呂市においては、現状で国の目標を達成しているので、引き続き減少に向けた取り

組みを行うこととします。

目標項目 男性肥満者の割合の減少(市 ~ 歳、国 ~ 歳)

下呂市 国

現状 %(平成23年度) (平成 年度)

目標 減少(平成 年度) %(平成 年度)

出典 国保特定健診(市)、国民栄養調査(国)

目標項目 女性肥満者の割合の減少(市国ともに40~60歳)

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 減少(平成 年度) %(平成 年度)

出典 国保特定健診(市)、国民栄養調査(国)

21.5 21.8 21.423.6

15.2 13.6 12.9 13.9

5

10

15

20

25

30

H20 H21 H22 H23

(%)

男性

女性

28%男性目標値

19%女性目標値

男性( ~ 歳)、女性( ~ 歳)資料:国民健康保険

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

67

第三章 課題別の実態と対策

20歳代女性の“やせ”の者の割合の減少

~妊娠時の“やせ”の者の割合の減少~

妊娠前、妊娠期の心身の健康づくりは、子どもの健やかな発育と生活習慣の形成につ

ながります。下呂市では、妊娠直前の体格指数( )を算出し保健指導を行っていま

すが、妊娠直前の 未満の割合が年々増加しています(図 )。

図 妊娠直前のBMI 未満の女性の割合

妊娠前の母親のやせは低出生体重児の要因の一つと考えられています。胎児の健やか

な発達、出産に向けた妊娠期に適正な食品(栄養素)を確保していくことは、母子とも

に生涯を通した生活習慣病予防につながります。

目標項目 歳代女性のやせの者の割合の減少 妊娠時のやせの者の割合

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 %( 年度)

出典 母子手帳交付(市)、国民栄養調査(国)

17.30%(45人)

18.80%(49人)

24.30%(59人)

0.00%

5.00%

10.00%

15.00%

20.00%

25.00%

30.00%

H21 H22 H23

68

第三章 課題別の実態と対策

~ 歳代男性肥満者、 ~ 歳代女性肥満者の割合の減少

下呂市の ~ 歳代男性の肥満者、 ~ 歳代女性の肥満者の割合はいずれも

平成 年度の目標値を達成していますが、男女とも若干増加傾向にあります(図 )。

図 男性及び女性の肥満者(BMI 以上)の割合の推移

ライフステージにおける肥満は、 ~ 歳代男性及び ~ 歳代女性に最も多

く認められるため、この年代の肥満者の減少が健康日本 (第一次)の目標とされて

いましたが、最終評価では ~ 歳代男性の肥満者は増加、 ~ 歳代女性の肥

満者は変わらなかったため、引き続き指標として設定されました。

下呂市においては、現状で国の目標を達成しているので、引き続き減少に向けた取り

組みを行うこととします。

目標項目 男性肥満者の割合の減少(市 ~ 歳、国 ~ 歳)

下呂市 国

現状 %(平成23年度) (平成 年度)

目標 減少(平成 年度) %(平成 年度)

出典 国保特定健診(市)、国民栄養調査(国)

目標項目 女性肥満者の割合の減少(市国ともに40~60歳)

下呂市 国

現状 %(平成 年度) (平成 年度)

目標 減少(平成 年度) %(平成 年度)

出典 国保特定健診(市)、国民栄養調査(国)

21.5 21.8 21.423.6

15.2 13.6 12.9 13.9

5

10

15

20

25

30

H20 H21 H22 H23

(%)

男性

女性

28%男性目標値

19%女性目標値

男性( ~ 歳)、女性( ~ 歳)資料:国民健康保険

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

69

第三章 課題別の実態と対策

低栄養傾向 以下 の高齢者の割合の低下

高齢期の適切な栄養は、生活の質のみならず、身体機能を維持し生活機能の自立を確

保する上でも極めて重要です。

日本人の高齢者においては、やせ・低栄養が、要介護及び総死亡に対する独立したリ

スク要因となっています。

高齢者の「低栄養傾向」の基準は、要介護及び総死亡リスクが統計学的に有意に高く

なる 以下が指標として示されました。

図 65歳以上の 以下の割合の推移(国保特定健診受診者)

下呂市の 歳以上の 以下の割合は、平成 年度の国の目標値を上まわっ

ており、高齢化に伴ってさらに増加する可能性があるため、適正な食事量を確保し、目

標値に近づけるために包括支援課と連携をとり低栄養の予防に取り組んでいくことが

大切です(図 )。

目標項目 低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合の低下

下呂市 国

現状 (平成 年度) (平成 年度)

目標 %( 年度)

出典 国保特定健診・すこやか健診(市)、国民栄養調査

22.222.6 22.7

23.4

20

21

22

23

24

H20 H21 H22 H23

22% 国の目標

70

第三章 課題別の実態と対策

食塩摂取量の減少

下呂市の死因の状況を見ると、心疾患・脳血管疾患で亡くなる人が、がんに次いで多

いことがわかりました。さらに、その原因となる高血圧・脂質異常症・糖尿病等の受療

者の割合は県内でも高くなっています。

こうした現状と食生活の関連を考えると、塩分を多くとることで高血圧につながり、

さらにコレステロールを多くとることで脳血管疾患、虚血性心疾患といった重症な健康

障害につながっていると考えられます。

図 成人の塩分摂取状況(尿塩分測定結果)

図 3歳児の塩分摂取状況(尿塩分測定結果)

1.9%

15.7%18.5%

25.9%

13.9% 14.8%

9.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

3g 6g 9g 12g 15g 18g 21g

6割以上が

塩分摂り過ぎ

目安のライン 9g

2.0%

11.5%

30.2%

17.7%

24.0%

7.3% 7.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

2g 4g 6g 8g 10g 12g 14g

5割以上が

塩分摂り過ぎ

目安のライン 6g

資料:下呂市健康課調査

資料:下呂市健康課調査

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

69

第三章 課題別の実態と対策

低栄養傾向 以下 の高齢者の割合の低下

高齢期の適切な栄養は、生活の質のみならず、身体機能を維持し生活機能の自立を確

保する上でも極めて重要です。

日本人の高齢者においては、やせ・低栄養が、要介護及び総死亡に対する独立したリ

スク要因となっています。

高齢者の「低栄養傾向」の基準は、要介護及び総死亡リスクが統計学的に有意に高く

なる 以下が指標として示されました。

図 65歳以上の 以下の割合の推移(国保特定健診受診者)

下呂市の 歳以上の 以下の割合は、平成 年度の国の目標値を上まわっ

ており、高齢化に伴ってさらに増加する可能性があるため、適正な食事量を確保し、目

標値に近づけるために包括支援課と連携をとり低栄養の予防に取り組んでいくことが

大切です(図 )。

目標項目 低栄養傾向(BMI20以下)の高齢者の割合の低下

下呂市 国

現状 (平成 年度) (平成 年度)

目標 %( 年度)

出典 国保特定健診・すこやか健診(市)、国民栄養調査

22.222.6 22.7

23.4

20

21

22

23

24

H20 H21 H22 H23

22% 国の目標

70

第三章 課題別の実態と対策

食塩摂取量の減少

下呂市の死因の状況を見ると、心疾患・脳血管疾患で亡くなる人が、がんに次いで多

いことがわかりました。さらに、その原因となる高血圧・脂質異常症・糖尿病等の受療

者の割合は県内でも高くなっています。

こうした現状と食生活の関連を考えると、塩分を多くとることで高血圧につながり、

さらにコレステロールを多くとることで脳血管疾患、虚血性心疾患といった重症な健康

障害につながっていると考えられます。

図 成人の塩分摂取状況(尿塩分測定結果)

図 3歳児の塩分摂取状況(尿塩分測定結果)

1.9%

15.7%18.5%

25.9%

13.9% 14.8%

9.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

3g 6g 9g 12g 15g 18g 21g

6割以上が

塩分摂り過ぎ

目安のライン 9g

2.0%

11.5%

30.2%

17.7%

24.0%

7.3% 7.3%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

2g 4g 6g 8g 10g 12g 14g

5割以上が

塩分摂り過ぎ

目安のライン 6g

資料:下呂市健康課調査

資料:下呂市健康課調査

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

71

第三章 課題別の実態と対策

下呂市では昔から主食、主菜、副菜に至る多くのものに食塩が使われており、塩辛い

ものを食べ続けてきた歴史があります。さらに食生活が豊かになったことで、コレステ

ロール、プリン体の多い肉・魚類、アルコールを多くとるようになったと考えられます。

成人及び3歳児の尿塩分の測定結果からは、成人では 割、3歳児でも5割の者が、

目安を超える量の塩分を摂取している状況が判明しました(図 、図 )。

食習慣は、家庭の味とも言われ容易に変わるものではないと考えられます。しかし、

高血圧等につながる塩分の多い食習慣の連鎖は、どこかで断ち切る必要があります。

こうしたことから、成人だけでなく子どもの食塩摂取量も評価の対象としました。

目標項目 食塩摂取量の減少

下呂市 国

現状 尿塩分測定で目安の量を超える者の割合

成人 %、3歳児 %

(平成 年)

(平成 年)

目標 減少(平成 年) g(平成 年)

出典 尿塩分測定(市)、国民栄養調査(国)

野菜の摂取量の増加

また、下呂市の野菜の摂取量は図 、図 の通り、目標量の半分に満たない現状

から、ビタミン類や食物繊維の不足が考えられます。3歳児健診時の子どもの野菜摂取

状況も、必要量の と低い状況です。

図 成人の野菜の平均摂取量(g)

350

282

170

0 100 200 300 400

目標量

下呂市

(g)

72

第三章 課題別の実態と対策

図 歳児の野菜の平均摂取量(g)

野菜・果物は生活習慣病・がんのリスクを低下させることが明らかになっており、毎

日適量の野菜を摂取することが必要です。

目標項目 野菜の平均摂取量の増加

下呂市 国

現状 成人

(平成 年度)

3歳児

(平成 年度)(平成 年度)

目標 成人

( 年度)

3歳児

(平成 年度)(平成 年度)

出典 ヘルスメイト調査及び3歳児健診(市)国民栄養調査(国)

170

95

0 50 100 150 200

目標

下呂市

(g)

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第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

下呂市では昔から主食、主菜、副菜に至る多くのものに食塩が使われており、塩辛い

ものを食べ続けてきた歴史があります。さらに食生活が豊かになったことで、コレステ

ロール、プリン体の多い肉・魚類、アルコールを多くとるようになったと考えられます。

成人及び3歳児の尿塩分の測定結果からは、成人では 割、3歳児でも5割の者が、

目安を超える量の塩分を摂取している状況が判明しました(図 、図 )。

食習慣は、家庭の味とも言われ容易に変わるものではないと考えられます。しかし、

高血圧等につながる塩分の多い食習慣の連鎖は、どこかで断ち切る必要があります。

こうしたことから、成人だけでなく子どもの食塩摂取量も評価の対象としました。

目標項目 食塩摂取量の減少

下呂市 国

現状 尿塩分測定で目安の量を超える者の割合

成人 %、3歳児 %

(平成 年)

(平成 年)

目標 減少(平成 年) g(平成 年)

出典 尿塩分測定(市)、国民栄養調査(国)

野菜の摂取量の増加

また、下呂市の野菜の摂取量は図 、図 の通り、目標量の半分に満たない現状

から、ビタミン類や食物繊維の不足が考えられます。3歳児健診時の子どもの野菜摂取

状況も、必要量の と低い状況です。

図 成人の野菜の平均摂取量(g)

350

282

170

0 100 200 300 400

目標量

下呂市

(g)

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第三章 課題別の実態と対策

図 歳児の野菜の平均摂取量(g)

野菜・果物は生活習慣病・がんのリスクを低下させることが明らかになっており、毎

日適量の野菜を摂取することが必要です。

目標項目 野菜の平均摂取量の増加

下呂市 国

現状 成人

(平成 年度)

3歳児

(平成 年度)(平成 年度)

目標 成人

( 年度)

3歳児

(平成 年度)(平成 年度)

出典 ヘルスメイト調査及び3歳児健診(市)国民栄養調査(国)

170

95

0 50 100 150 200

目標

下呂市

(g)

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

73

第三章 課題別の実態と対策

■対策

生活習慣病の発症予防のための取り組みの推進

ライフステージに対応した栄養指導

・健康診査及び特定健康診査結果に基づいた栄養指導

家庭訪問や健康相談、結果説明会、健康教育など、個に合わせた栄養指導の実

施(青年期・壮年期・高齢期)

・食生活改善推進員育成・養成事業(青年期・壮年期・高齢期)

栄養教室、推進員学習会において、生活習慣病予防に重点を置いた学習の実施

・食生活改善推進員による特定健診・がん検診会場での普及事業

幅広く市民への食品目安量の普及、塩分の適正摂取、野菜の摂取の増加

・乳幼児の保護者への普及啓発

乳幼児の尿検査及び尿中塩分測定を行い、家庭の食生活の見直しを行う。

生活習慣病の重症化予防のための取り組みの推進

・健康診査及び特定健康診査結果に基づいた栄養指導

糖尿病や慢性腎臓病など、医療による薬物療法と同様に食事療法が重要な生活

習慣病の重症化予防に向けた栄養指導の実施

健康的な食生活の実践に向けた普及啓発

・塩分の多い食文化と野菜の摂取不足の実態から、世代間をとおして適正な塩

分量と野菜摂取の増加を推進する。

74

第三章 課題別の実態と対策

栄養・食生活

自分にあった量と質を賢く選んで おいしく食べよう!

■市民の行動

・「早寝・早起き・朝ごはん」を心がけ、規則正しい生活を心がけよう。

・「食事基準量表」を参考に主食・主菜・副菜を揃え、腹八分目を心がけよう。

・塩分の目標量を知り、塩辛いものは控え、減塩調理を取り入れよう。

・野菜摂取の必要性と目標量を知り、3食に野菜を取り入れよう。

・適正体重を把握し、メタボ予防に努めよう。

■地域や企業の行動

・自治会や町内会、職場等で、食生活をテーマとした健康講座を開催しよう。

・地域で力をあわせ、食文化の継承、地産地消の推進に努めよう。

■ヘルスメイト・栄養士会の行動

・食生活と健康に関する知識を広げるための活動をしよう。

■食料品店、食堂等の行動

・給食施設、飲食店等のメニューの成分表示をしよう。

・野菜増加・減塩などヘルシーメニューの考案や提供に努めよう。

・「ぎふ食と健康応援店」事業に取り組もう。

・店舗・直売所で野菜の調理法を紹介しよう。

■行政の行動

・朝食の大切さを周知します。

・減塩・野菜摂取増加を推進します。

・「食事基準量表」によるバランスのとれた食事の普及啓発をします。

・乳幼児健診や親子教室で、食と健康に関する相談を充実します。

・学校と連携し、子どもの頃からの生活習慣病予防に向け課題を共有します。

・青年期からの健康づくり実践に向けた、普及・啓発を行います(企業・高校)。

・食生活改善推進員(ヘルスメイト)など、健康づくりに携わる人材育成に努め、

地域での活動を支援します。

・「ぎふ食と健康応援店」事業を推進します。

■学校・保育園の行動

・給食だより等を通して、家庭に向け栄養や食生活に関する情報を提供します。

・給食を通して園児・児童・生徒に向け、栄養・マナー・食の安全性・食文化等の

知識を伝えます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

73

第三章 課題別の実態と対策

■対策

生活習慣病の発症予防のための取り組みの推進

ライフステージに対応した栄養指導

・健康診査及び特定健康診査結果に基づいた栄養指導

家庭訪問や健康相談、結果説明会、健康教育など、個に合わせた栄養指導の実

施(青年期・壮年期・高齢期)

・食生活改善推進員育成・養成事業(青年期・壮年期・高齢期)

栄養教室、推進員学習会において、生活習慣病予防に重点を置いた学習の実施

・食生活改善推進員による特定健診・がん検診会場での普及事業

幅広く市民への食品目安量の普及、塩分の適正摂取、野菜の摂取の増加

・乳幼児の保護者への普及啓発

乳幼児の尿検査及び尿中塩分測定を行い、家庭の食生活の見直しを行う。

生活習慣病の重症化予防のための取り組みの推進

・健康診査及び特定健康診査結果に基づいた栄養指導

糖尿病や慢性腎臓病など、医療による薬物療法と同様に食事療法が重要な生活

習慣病の重症化予防に向けた栄養指導の実施

健康的な食生活の実践に向けた普及啓発

・塩分の多い食文化と野菜の摂取不足の実態から、世代間をとおして適正な塩

分量と野菜摂取の増加を推進する。

74

第三章 課題別の実態と対策

栄養・食生活

自分にあった量と質を賢く選んで おいしく食べよう!

■市民の行動

・「早寝・早起き・朝ごはん」を心がけ、規則正しい生活を心がけよう。

・「食事基準量表」を参考に主食・主菜・副菜を揃え、腹八分目を心がけよう。

・塩分の目標量を知り、塩辛いものは控え、減塩調理を取り入れよう。

・野菜摂取の必要性と目標量を知り、3食に野菜を取り入れよう。

・適正体重を把握し、メタボ予防に努めよう。

■地域や企業の行動

・自治会や町内会、職場等で、食生活をテーマとした健康講座を開催しよう。

・地域で力をあわせ、食文化の継承、地産地消の推進に努めよう。

■ヘルスメイト・栄養士会の行動

・食生活と健康に関する知識を広げるための活動をしよう。

■食料品店、食堂等の行動

・給食施設、飲食店等のメニューの成分表示をしよう。

・野菜増加・減塩などヘルシーメニューの考案や提供に努めよう。

・「ぎふ食と健康応援店」事業に取り組もう。

・店舗・直売所で野菜の調理法を紹介しよう。

■行政の行動

・朝食の大切さを周知します。

・減塩・野菜摂取増加を推進します。

・「食事基準量表」によるバランスのとれた食事の普及啓発をします。

・乳幼児健診や親子教室で、食と健康に関する相談を充実します。

・学校と連携し、子どもの頃からの生活習慣病予防に向け課題を共有します。

・青年期からの健康づくり実践に向けた、普及・啓発を行います(企業・高校)。

・食生活改善推進員(ヘルスメイト)など、健康づくりに携わる人材育成に努め、

地域での活動を支援します。

・「ぎふ食と健康応援店」事業を推進します。

■学校・保育園の行動

・給食だより等を通して、家庭に向け栄養や食生活に関する情報を提供します。

・給食を通して園児・児童・生徒に向け、栄養・マナー・食の安全性・食文化等の

知識を伝えます。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

75

第三章 課題別の実態と対策

(2)身体活動・運動

■はじめに

「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動き

を、「運動」とは身体活動のうち、スポーツやフィットネスなど健康・体力の維持・増

進を目的として行われるものをいいます。

身体活動・運動の量が多い人は、不活発な人と比較して循環器疾患やがんなどの非感染

性疾患の発症リスクが低いことが実証されています。世界保健機構 は、高血圧

、喫煙 9% 、高血糖 6% に次いで、身体不活動 6% を全世界の死亡に関す

る危険因子の第4位と認識し、日本では、身体活動・運動の不足は喫煙、高血圧に次い

で非感染性疾患による死亡の3番目の危険因子であることが示唆されています。また、

最近では身体活動・運動は非感染性疾患の発症予防だけでなく、高齢者の運動機能や認

知機能の低下などと関係することも明らかになっています。

■現状と目標

日常生活における歩数の増加

厚生労働省の「健康づくりのための運動指針 」では、生活習慣病予防のために

1日 歩~ 歩以上の身体活動を推奨していますが、日本の現状は、それ

に遠く及びません。歩数の不足、減少は肥満や生活習慣病発症の危険因子であるだけで

なく、高齢者の自立度低下や虚弱の危険因子であるなど、懸念すべき問題です。

「歩数の増加」は、健康寿命を延伸し、生活習慣病を予防し、社会生活機能の維持・増

進する上で、直接的かつ効果的方策であり、身体活動の客観的な指標として有用です。

最近は歩数計や活動量計が普及し、また多くの携帯電話に歩数計の機能が搭載されつつ

あることにより、歩数は多くの人々にとって日常的な測定・評価が可能な身体活動量の

指標となっています。

目標項目 日常上生活における歩数の増加(1日)

評価 日常生活で歩行又は同等の身体活動を 日 時間以上実施

下呂市 国

現状 歳~ 歳

歳以上

男性 歩

男性 歩

女性 歩

女性 歩(平成 年)

目標 歳~ 歳

歳以上

男性 歩

男性 歩

女性 歩

女性 歩(平成 年 )

出典 未定(市)、国民健康栄養調査(国)

76

第三章 課題別の実態と対策

運動習慣者の割合の増加

身体活動量は、男女とも 代で最も多く、年代が上がるにつれて低下傾向にあります。

運動は余暇時間に取り組むことが多いため、仕事・家事・子育てにかける時間が多くな

る年代では低く、退職世代( 代)では高くなっています。また、男性に比べ女性の

運動習慣は低くなっています(図 )。

図 性別・年代別運動習慣者の割合 代は ~ 歳で集計

健康増進や体力向上など、目的や意識を持って余暇時間に取り組む運動を実施すること

で、個々人の抱える多様かつ個別の健康問題を効率的に改善することができます。

歳以上の高齢者は、何らかの生活習慣病危険因子を有している者が多く、また余暇時間

が相対的に多いことから、運動もしくは余暇活動に積極的に取り組むことが可能であり、

運動習慣による効果が特に期待されます。また、余暇時間の少ない就労世代は、運動の

みならず就業や家事といった生活活動も含む身体活動全体の増加をめざす必要があり

ます。

目標項目 運動習慣者の割合の増加

評価 分・週 回以上の運動を 年以上継続している者の割合

下呂市 国

現状

(平成22年)

歳~ 歳

歳以上

男性 % 女性 %

男性 % 女性 %

(平成22年)

目標 歳~ 歳

歳以上

男性 % 女性 %

男性 % 女性 %(平成 年)

出典 未定(市)、国民健康栄養調査(国)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

10代 20代 30代 40代 50代 60代 合計

ない ある

女性

0%

20%

40%

60%

80%

100%

10代 20代 30代 40代 50代 60代 合計

ない ある

男性

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

75

第三章 課題別の実態と対策

(2)身体活動・運動

■はじめに

「身体活動」とは、安静にしている状態よりも多くのエネルギーを消費する全ての動き

を、「運動」とは身体活動のうち、スポーツやフィットネスなど健康・体力の維持・増

進を目的として行われるものをいいます。

身体活動・運動の量が多い人は、不活発な人と比較して循環器疾患やがんなどの非感染

性疾患の発症リスクが低いことが実証されています。世界保健機構 は、高血圧

、喫煙 9% 、高血糖 6% に次いで、身体不活動 6% を全世界の死亡に関す

る危険因子の第4位と認識し、日本では、身体活動・運動の不足は喫煙、高血圧に次い

で非感染性疾患による死亡の3番目の危険因子であることが示唆されています。また、

最近では身体活動・運動は非感染性疾患の発症予防だけでなく、高齢者の運動機能や認

知機能の低下などと関係することも明らかになっています。

■現状と目標

日常生活における歩数の増加

厚生労働省の「健康づくりのための運動指針 」では、生活習慣病予防のために

1日 歩~ 歩以上の身体活動を推奨していますが、日本の現状は、それ

に遠く及びません。歩数の不足、減少は肥満や生活習慣病発症の危険因子であるだけで

なく、高齢者の自立度低下や虚弱の危険因子であるなど、懸念すべき問題です。

「歩数の増加」は、健康寿命を延伸し、生活習慣病を予防し、社会生活機能の維持・増

進する上で、直接的かつ効果的方策であり、身体活動の客観的な指標として有用です。

最近は歩数計や活動量計が普及し、また多くの携帯電話に歩数計の機能が搭載されつつ

あることにより、歩数は多くの人々にとって日常的な測定・評価が可能な身体活動量の

指標となっています。

目標項目 日常上生活における歩数の増加(1日)

評価 日常生活で歩行又は同等の身体活動を 日 時間以上実施

下呂市 国

現状 歳~ 歳

歳以上

男性 歩

男性 歩

女性 歩

女性 歩(平成 年)

目標 歳~ 歳

歳以上

男性 歩

男性 歩

女性 歩

女性 歩(平成 年 )

出典 未定(市)、国民健康栄養調査(国)

76

第三章 課題別の実態と対策

運動習慣者の割合の増加

身体活動量は、男女とも 代で最も多く、年代が上がるにつれて低下傾向にあります。

運動は余暇時間に取り組むことが多いため、仕事・家事・子育てにかける時間が多くな

る年代では低く、退職世代( 代)では高くなっています。また、男性に比べ女性の

運動習慣は低くなっています(図 )。

図 性別・年代別運動習慣者の割合 代は ~ 歳で集計

健康増進や体力向上など、目的や意識を持って余暇時間に取り組む運動を実施すること

で、個々人の抱える多様かつ個別の健康問題を効率的に改善することができます。

歳以上の高齢者は、何らかの生活習慣病危険因子を有している者が多く、また余暇時間

が相対的に多いことから、運動もしくは余暇活動に積極的に取り組むことが可能であり、

運動習慣による効果が特に期待されます。また、余暇時間の少ない就労世代は、運動の

みならず就業や家事といった生活活動も含む身体活動全体の増加をめざす必要があり

ます。

目標項目 運動習慣者の割合の増加

評価 分・週 回以上の運動を 年以上継続している者の割合

下呂市 国

現状

(平成22年)

歳~ 歳

歳以上

男性 % 女性 %

男性 % 女性 %

(平成22年)

目標 歳~ 歳

歳以上

男性 % 女性 %

男性 % 女性 %(平成 年)

出典 未定(市)、国民健康栄養調査(国)

0%

20%

40%

60%

80%

100%

10代 20代 30代 40代 50代 60代 合計

ない ある

女性

0%

20%

40%

60%

80%

100%

10代 20代 30代 40代 50代 60代 合計

ない ある

男性

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

77

第三章 課題別の実態と対策

■対 策

各世代の運動習慣者を増加させるためには、身近な所で気軽に運動に取り組むことが

できる環境づくりや運動を普及していくことが重要になってきます。 身体活動・運動習慣は、年齢や入学、卒業、就職、結婚、出産、子育て、退職など、

人生のいろんな出来事・くらしの影響を受けます。このため、それらに応じた様々な主

体の理解や協力が求められます。たとえば、子供なら学校、大人なら企業や地域、ある

いはスポーツクラブや、地域のまちづくりグループなどが担い手となり、積極的に関わ

ることが期待されます。 さらに、身体活動・運動習慣を効果的に改善するため、休養や食事・栄養などを含め

た、個々人の生活習慣全体を包括的に捉えた対策も重要であり、学校や事業者、地域団

体などあらゆる担い手と連携・協力を図っていくことが必要です。 身体活動量の増加や運動習慣の必要性についての啓発

・個人の健康状態に応じた運動習慣の動機づけ支援(健康相談、保健指導) ・ロコモティブシンドロームや歩育(注 )についての知識の普及 ・ケーブルテレビや広報紙、出前講座等を使った啓発

身体活動及び運動習慣の実践に向けた運動の普及・啓発

・生活習慣病予防を目的とした市民が取り組みやすい「適度な運動」の普及啓発 (ウォーキング、ラジオ体操、ロコトレ等の普及)

身体活動及び運動習慣の実践を支える地域団体との連携

・地域の健康づくりを担う人材及び団体の育成 身近な地域で市民主体の健康づくりが進められるよう、指導者や団体の育成

に努めます。 ・健康づくりを支える地域団体との連携

自治会や各種団体における運動習慣を支援するイベントの開催やウォーキ

ングコースづくりを推進します。 ・事業所や医療保険者等との連携

職場における身体活動量の増加や健康づくりの取り組みを推進します。

(注 ) 歩いて、自然や社会に触れ、五感を開き体で学ぶ直接体験を通じて、子どもたちの豊な

心、生きる力を育てること。

78

第三章 課題別の実態と対策

身体活動・運動

意識して毎日10分速歩き 週に1回運動・スポーツをしよう!

■市民の行動

・地域やクラブ、市が行うスポーツイベントに参加しよう。

・四季を体感できるウォーキングをはじめよう。

・子どもと一緒に季節を感じながら散歩しよう。

・ラジオ体操をはじめよう。

・なるべく車を使わないで歩くなど、こまめに体を動かそう。

・いろんなスポーツ団体があります。もう一度、スポーツを始めよう。

■地域や企業の行動

・みんなでラジオ体操やウォーキングに取り組もう。

・地域でウォーキングコースを作ろう。

・健康教室を開催し、参加を呼び掛けよう。

・仕事の合間に取り組める体操やストレッチを取り入れよう。

■スポーツクラブ・体育協会等の行動

・スポーツ教室や大会、軽スポーツの普及をします。

・いろんなスポーツの情報提供をします。

・ロコモやメタボの予防につながる身体活動を普及します。

■行政の行動

・地域の中の施設を活かし、スポーツ教室・健康体操教室などを行います。

・ロコモやメタボ予防など、健康増進の担い手(健康長寿産業)育成をします。

・保健指導や健康相談では、個人の健康状態や年齢に合わせた運動を勧めます。

・スポーツや体を動かすことの大切さや、効果的な運動について情報提供します。

・地域や職場における身体活動・運動の普及をします。

・生活習慣病予防を目的とした市民が取り組みやすい適度な運動を紹介します。

(ウォーキング、ラジオ体操、ロコトレ等)

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

■対 策

各世代の運動習慣者を増加させるためには、身近な所で気軽に運動に取り組むことが

できる環境づくりや運動を普及していくことが重要になってきます。 身体活動・運動習慣は、年齢や入学、卒業、就職、結婚、出産、子育て、退職など、

人生のいろんな出来事・くらしの影響を受けます。このため、それらに応じた様々な主

体の理解や協力が求められます。たとえば、子供なら学校、大人なら企業や地域、ある

いはスポーツクラブや、地域のまちづくりグループなどが担い手となり、積極的に関わ

ることが期待されます。 さらに、身体活動・運動習慣を効果的に改善するため、休養や食事・栄養などを含め

た、個々人の生活習慣全体を包括的に捉えた対策も重要であり、学校や事業者、地域団

体などあらゆる担い手と連携・協力を図っていくことが必要です。 身体活動量の増加や運動習慣の必要性についての啓発

・個人の健康状態に応じた運動習慣の動機づけ支援(健康相談、保健指導) ・ロコモティブシンドロームや歩育(注 )についての知識の普及 ・ケーブルテレビや広報紙、出前講座等を使った啓発

身体活動及び運動習慣の実践に向けた運動の普及・啓発

・生活習慣病予防を目的とした市民が取り組みやすい「適度な運動」の普及啓発 (ウォーキング、ラジオ体操、ロコトレ等の普及)

身体活動及び運動習慣の実践を支える地域団体との連携

・地域の健康づくりを担う人材及び団体の育成 身近な地域で市民主体の健康づくりが進められるよう、指導者や団体の育成

に努めます。 ・健康づくりを支える地域団体との連携

自治会や各種団体における運動習慣を支援するイベントの開催やウォーキ

ングコースづくりを推進します。 ・事業所や医療保険者等との連携

職場における身体活動量の増加や健康づくりの取り組みを推進します。

(注 ) 歩いて、自然や社会に触れ、五感を開き体で学ぶ直接体験を通じて、子どもたちの豊な

心、生きる力を育てること。

78

第三章 課題別の実態と対策

身体活動・運動

意識して毎日10分速歩き 週に1回運動・スポーツをしよう!

■市民の行動

・地域やクラブ、市が行うスポーツイベントに参加しよう。

・四季を体感できるウォーキングをはじめよう。

・子どもと一緒に季節を感じながら散歩しよう。

・ラジオ体操をはじめよう。

・なるべく車を使わないで歩くなど、こまめに体を動かそう。

・いろんなスポーツ団体があります。もう一度、スポーツを始めよう。

■地域や企業の行動

・みんなでラジオ体操やウォーキングに取り組もう。

・地域でウォーキングコースを作ろう。

・健康教室を開催し、参加を呼び掛けよう。

・仕事の合間に取り組める体操やストレッチを取り入れよう。

■スポーツクラブ・体育協会等の行動

・スポーツ教室や大会、軽スポーツの普及をします。

・いろんなスポーツの情報提供をします。

・ロコモやメタボの予防につながる身体活動を普及します。

■行政の行動

・地域の中の施設を活かし、スポーツ教室・健康体操教室などを行います。

・ロコモやメタボ予防など、健康増進の担い手(健康長寿産業)育成をします。

・保健指導や健康相談では、個人の健康状態や年齢に合わせた運動を勧めます。

・スポーツや体を動かすことの大切さや、効果的な運動について情報提供します。

・地域や職場における身体活動・運動の普及をします。

・生活習慣病予防を目的とした市民が取り組みやすい適度な運動を紹介します。

(ウォーキング、ラジオ体操、ロコトレ等)

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

79

第三章 課題別の実態と対策

(3)飲酒

■はじめに

アルコール飲料は、生活・文化の一部として親しまれ、適量であれば気分を和らげ、

生活のゆとりや楽しみともなりますが、飲み方次第ではアルコール関連の重い肝障害や

依存症を引き起こすことにもつながります。さらに、がん、高血圧、脂質異常症等の生

活習慣病のリスクを高めるとされています。 未成年者の飲酒については、身体の発育に悪影響を及ぼし健全な成長を妨げ、また、

妊娠中の飲酒は、妊婦自身の妊娠合併症等のリスクを高めるだけでなく、胎児にも悪影

響を引き起こすと言われています。 妊娠中の飲酒については、安全な飲酒量が把握されておらず、妊娠中は未成年と同様

に完全に飲酒を行わないことが大切です。 そのため、アルコールに関連する健康障害についての正しい知識の普及を行うととも

に、様々な機会を活用し、未成年者や妊娠中の女性に対し飲酒の防止・中断を促すこと

が重要です。 成人については、働きざかりの壮年期男性で多量に飲酒する人が多い傾向がみられま

す(図 、図 )。

図 飲酒の頻度(男性)

50

3936

40

28

47

3740

28

41

18

36

47

5955

10

20

30

40

50

60

70

20代 30代 40代 50代 60代

(人)飲まない 時々飲む 毎日飲む

80

第三章 課題別の実態と対策

図 飲酒の頻度(女性)

■基本的な考え方

飲酒については、アルコールと健康の問題について適切な判断ができるよう、未成年

者の発達や健康への影響、胎児や授乳中(母乳)の乳児への影響を含めた健康との関連

など、正しい知識を普及する必要があります。

飲酒については、アルコールと健康の問題について適切な判断ができるよう、未成年

者の発達や健康への影響、胎児や母乳を授乳中の乳児への影響を含めた、健康との関連

や「リスクの少ない飲酒」など、正確な知識を普及する必要があります。

■現状と目標

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少

生活習慣病のリスクを高める純アルコールの量は、男性 g以上、女性 g以上

といわれています。飲酒は肝臓のみならず、高血糖、高血圧、高尿酸状態をも促し、そ

の結果、血管を傷つけるという悪影響を及ぼします。

健診結果と飲酒量を確認しながら、アルコールと健診結果との関連についての関連に

ついての支援が必要になります。純アルコール量の計算などを健診受診者ともに行いま

す。

妊娠中の飲酒については妊娠合併症などのリスクを高めるだけでなく、胎児にも影響

があると言われており、飲酒を無くすことが必要です。

87 85

73

96

73

3526

32 31 27

4 616

8 11

0

20

40

60

80

100

120

20代 30代 40代 50代 60代

(人)飲まない 時々飲む 毎日飲む

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

79

第三章 課題別の実態と対策

(3)飲酒

■はじめに

アルコール飲料は、生活・文化の一部として親しまれ、適量であれば気分を和らげ、

生活のゆとりや楽しみともなりますが、飲み方次第ではアルコール関連の重い肝障害や

依存症を引き起こすことにもつながります。さらに、がん、高血圧、脂質異常症等の生

活習慣病のリスクを高めるとされています。 未成年者の飲酒については、身体の発育に悪影響を及ぼし健全な成長を妨げ、また、

妊娠中の飲酒は、妊婦自身の妊娠合併症等のリスクを高めるだけでなく、胎児にも悪影

響を引き起こすと言われています。 妊娠中の飲酒については、安全な飲酒量が把握されておらず、妊娠中は未成年と同様

に完全に飲酒を行わないことが大切です。 そのため、アルコールに関連する健康障害についての正しい知識の普及を行うととも

に、様々な機会を活用し、未成年者や妊娠中の女性に対し飲酒の防止・中断を促すこと

が重要です。 成人については、働きざかりの壮年期男性で多量に飲酒する人が多い傾向がみられま

す(図 、図 )。

図 飲酒の頻度(男性)

50

3936

40

28

47

3740

28

41

18

36

47

5955

10

20

30

40

50

60

70

20代 30代 40代 50代 60代

(人)飲まない 時々飲む 毎日飲む

80

第三章 課題別の実態と対策

図 飲酒の頻度(女性)

■基本的な考え方

飲酒については、アルコールと健康の問題について適切な判断ができるよう、未成年

者の発達や健康への影響、胎児や授乳中(母乳)の乳児への影響を含めた健康との関連

など、正しい知識を普及する必要があります。

飲酒については、アルコールと健康の問題について適切な判断ができるよう、未成年

者の発達や健康への影響、胎児や母乳を授乳中の乳児への影響を含めた、健康との関連

や「リスクの少ない飲酒」など、正確な知識を普及する必要があります。

■現状と目標

生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少

生活習慣病のリスクを高める純アルコールの量は、男性 g以上、女性 g以上

といわれています。飲酒は肝臓のみならず、高血糖、高血圧、高尿酸状態をも促し、そ

の結果、血管を傷つけるという悪影響を及ぼします。

健診結果と飲酒量を確認しながら、アルコールと健診結果との関連についての関連に

ついての支援が必要になります。純アルコール量の計算などを健診受診者ともに行いま

す。

妊娠中の飲酒については妊娠合併症などのリスクを高めるだけでなく、胎児にも影響

があると言われており、飲酒を無くすことが必要です。

87 85

73

96

73

3526

32 31 27

4 616

8 11

0

20

40

60

80

100

120

20代 30代 40代 50代 60代

(人)飲まない 時々飲む 毎日飲む

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

81

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1日当たりの純アル

コール摂取量が男 、女性 g以上の者)の割合の減少

下呂市 国

現状 男性 女性

男女とも純アルコール量 で調査

(平成 年)

男性 女性

(平成 年)

目標 男性 % 女性 % (平成34年)

出典 未定(市)

■対策

飲酒のリスクに関する教育・啓発の推進

・種々の保健事業の場での教育や情報提供

母子健康手帳交付、妊婦教室、乳幼児健診及び相談、がん検診等

・地域特性に応じた健康教育

・アルコールに関する相談窓口の情報を提供します。

・未成年者の飲酒防止への理解と支援を推進

飲酒による生活習慣病予防の推進

・健康診査、下呂市国保特定健康診査の結果に基づいた、適度な飲酒への個別指

82

第三章 課題別の実態と対策

アルコール

飲むなら節度を持って!妊婦・未成年の飲酒は絶対しない・させない。

■市民の行動

・適量を守って楽しく飲もう。

・子どもの健康を考えて、妊娠中や授乳中は我慢をしよう。

・アルコールが健康に与える影響を知ろう。

・週に2日は休肝日を作ろう。

・無理に飲酒をすすめない。

・未成年者へ飲酒をすすめない。

■地域や企業の行動

・会議や集まりのついでに、アルコールと生活習慣病について学習しよう。

・一気飲み防止の声掛けをしよう。

・未成年者にお酒を販売しない。

・PTAをはじめ、地域で若年飲酒を無くす声掛けをしよう。

■行政の行動

・アルコールの健康に対する影響について、普及啓発します。

・アルコールに関する相談窓口の情報を提供します。

・関係機関と連携しながら未成年者の飲酒防止への理解と支援を推進します。

■学校の行動

・子どもたちにアルコールの健康に対する影響について教えます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

81

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者(1日当たりの純アル

コール摂取量が男 、女性 g以上の者)の割合の減少

下呂市 国

現状 男性 女性

男女とも純アルコール量 で調査

(平成 年)

男性 女性

(平成 年)

目標 男性 % 女性 % (平成34年)

出典 未定(市)

■対策

飲酒のリスクに関する教育・啓発の推進

・種々の保健事業の場での教育や情報提供

母子健康手帳交付、妊婦教室、乳幼児健診及び相談、がん検診等

・地域特性に応じた健康教育

・アルコールに関する相談窓口の情報を提供します。

・未成年者の飲酒防止への理解と支援を推進

飲酒による生活習慣病予防の推進

・健康診査、下呂市国保特定健康診査の結果に基づいた、適度な飲酒への個別指

82

第三章 課題別の実態と対策

アルコール

飲むなら節度を持って!妊婦・未成年の飲酒は絶対しない・させない。

■市民の行動

・適量を守って楽しく飲もう。

・子どもの健康を考えて、妊娠中や授乳中は我慢をしよう。

・アルコールが健康に与える影響を知ろう。

・週に2日は休肝日を作ろう。

・無理に飲酒をすすめない。

・未成年者へ飲酒をすすめない。

■地域や企業の行動

・会議や集まりのついでに、アルコールと生活習慣病について学習しよう。

・一気飲み防止の声掛けをしよう。

・未成年者にお酒を販売しない。

・PTAをはじめ、地域で若年飲酒を無くす声掛けをしよう。

■行政の行動

・アルコールの健康に対する影響について、普及啓発します。

・アルコールに関する相談窓口の情報を提供します。

・関係機関と連携しながら未成年者の飲酒防止への理解と支援を推進します。

■学校の行動

・子どもたちにアルコールの健康に対する影響について教えます。

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第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

83

第三章 課題別の実態と対策

(4)喫煙

■はじめに

喫煙や受動喫煙は、がん、循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)(注 )、糖尿

病、周産期の異常、歯周病等の原因となるだけではなく、乳幼児のぜん息や呼吸器感染

症、乳幼児突然死症候群等の原因にもなっています。

■基本的な考え方

たばこ対策は、「喫煙率の低下」と「受動喫煙の改善」が重要です。

喫煙と受動喫煙は、いずれも多くの疾患の確立した原因であり、その対策によりがん、

循環器疾患、 、糖尿病等の予防において大きな効果が期待できるため、タバコと

健康について正確な知識を普及する必要があります。

また、たばこはゲートウェイドラッグ(入門薬物)とされることからも、未成年者へ

の喫煙防止教育を進めること、そして禁煙を希望する人が継続的に禁煙を行うことがで

きるような情報提供、支援を行っていくことが重要です。

■現状と目標

成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)

喫煙率の低下は、喫煙による健康被害を確実に減少させる最善の解決策であることか

ら指標として重要です(図 )。

(注 ) は、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道

(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出

し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。長期間に

わたる喫煙習慣が主な原因と言われています。

84

第三章 課題別の実態と対策

図 男女別の喫煙の状況

男性の喫煙は、若年数で多く、年齢が高くなるにつれて減少しています。「過去に吸

っていた」という数も増加しており、壮年期前後から禁煙を始めていることがわかりま

す(図 、図 )。

図 年代別の喫煙者数等(男性)

50 52 5047

3225

3643

6672

2926

31

12

22

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

0

10

20

30

40

50

60

70

80

20代 30代 40代 50代 60代

(人)吸っている 過去に吸っていた

吸ったことが無い 喫煙者の割合

39%

41%

20% 現在吸っている

過去に吸っていた

吸ったことがない

7% 12%

81%

現在吸っている

過去に吸って

いた

吸ったことがない

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第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

83

第三章 課題別の実態と対策

(4)喫煙

■はじめに

喫煙や受動喫煙は、がん、循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)(注 )、糖尿

病、周産期の異常、歯周病等の原因となるだけではなく、乳幼児のぜん息や呼吸器感染

症、乳幼児突然死症候群等の原因にもなっています。

■基本的な考え方

たばこ対策は、「喫煙率の低下」と「受動喫煙の改善」が重要です。

喫煙と受動喫煙は、いずれも多くの疾患の確立した原因であり、その対策によりがん、

循環器疾患、 、糖尿病等の予防において大きな効果が期待できるため、タバコと

健康について正確な知識を普及する必要があります。

また、たばこはゲートウェイドラッグ(入門薬物)とされることからも、未成年者へ

の喫煙防止教育を進めること、そして禁煙を希望する人が継続的に禁煙を行うことがで

きるような情報提供、支援を行っていくことが重要です。

■現状と目標

成人の喫煙率の減少(喫煙をやめたい者がやめる)

喫煙率の低下は、喫煙による健康被害を確実に減少させる最善の解決策であることか

ら指標として重要です(図 )。

(注 ) は、タバコなどの有害な空気を吸い込むことによって、空気の通り道である気道

(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。その結果、空気の出

し入れがうまくいかなくなるので、通常の呼吸ができなくなり、息切れが起こります。長期間に

わたる喫煙習慣が主な原因と言われています。

84

第三章 課題別の実態と対策

図 男女別の喫煙の状況

男性の喫煙は、若年数で多く、年齢が高くなるにつれて減少しています。「過去に吸

っていた」という数も増加しており、壮年期前後から禁煙を始めていることがわかりま

す(図 、図 )。

図 年代別の喫煙者数等(男性)

50 52 5047

3225

3643

6672

2926

31

12

22

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

0

10

20

30

40

50

60

70

80

20代 30代 40代 50代 60代

(人)吸っている 過去に吸っていた

吸ったことが無い 喫煙者の割合

39%

41%

20% 現在吸っている

過去に吸っていた

吸ったことがない

7% 12%

81%

現在吸っている

過去に吸って

いた

吸ったことがない

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

85

第三章 課題別の実態と対策

図 年代別の喫煙者数(女性)

女性の喫煙者は多くありませんが、男性は 代で半数以上が、 代でも %を

超える者が喫煙しています。

目標項目 たばこを吸う人の減少

下呂市 国

現状 男性 % 女性 %

(平成 年度)

(平成 年度)

目標 %(平成 年度)

出典 健康課調査(市)

■対策

たばこのリスクに関する教育・啓発の推進

・種々の保健事業の場での禁煙の助言や情報提供

母子健康手帳交付、妊婦教室、乳幼児健診及び相談、がん検診等

禁煙支援の推進

・健康診査、下呂市国保特定健康診査の結果に基づいた、禁煙支援・禁煙治療への

個別指導

9 127 8 5

15 1914 16

9

104

8999

112

91

0

20

40

60

80

100

120

20代 30代 40代 50代 60代

(人)吸っている 過去に吸っていた 吸ったことが無い

86

第三章 課題別の実態と対策

たばこ

たばこを吸わない人や妊婦 未成年をたばこの煙から守ろう

■市民の行動

・ 子どもや妊婦のいるところでは、たばこを吸わないようにしよう。

・ 未成年者にたばこを触らせないようにしよう。

・ たばこが健康に与える影響を知り、喫煙のマナーを守ろう。

・ 禁煙に挑戦しよう。

・ 子どもの健康を考え、妊婦さんは禁煙しよう。

■地域や企業の行動

・ 禁煙や分煙の環境を整備しよう。

・ 会議や集まりのついでに、たばこが健康に与える害について学ぶ機会をつくろう。

・ 会議など集まりの席には灰皿を置かないようにしよう。

・ PTAをはじめ、地域で若年喫煙を無くす声掛けをしよう。

・ 未成年者には、たばこを販売しない。

■行政の行動

・公共施設での禁煙や分煙の環境を整備します。

・たばこが健康に与える害について普及啓発をします。

・健診結果に基づいて、禁煙支援、禁煙指導への個別指導をします。

・公共施設や職場等に、禁煙に関するポスターを掲示します。

・喫煙者に対して、受動喫煙の害について理解してもらい、子どもや妊婦をはじ

め周囲の人にやさしい環境づくりをめざします。

・妊婦健診、乳幼児健診等の機会に、たばこの害に関する情報提供を行い、禁煙

推進、受動喫煙の防止を進めます。

■学校の行動

・子どもたちに、たばこの害について教えます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

85

第三章 課題別の実態と対策

図 年代別の喫煙者数(女性)

女性の喫煙者は多くありませんが、男性は 代で半数以上が、 代でも %を

超える者が喫煙しています。

目標項目 たばこを吸う人の減少

下呂市 国

現状 男性 % 女性 %

(平成 年度)

(平成 年度)

目標 %(平成 年度)

出典 健康課調査(市)

■対策

たばこのリスクに関する教育・啓発の推進

・種々の保健事業の場での禁煙の助言や情報提供

母子健康手帳交付、妊婦教室、乳幼児健診及び相談、がん検診等

禁煙支援の推進

・健康診査、下呂市国保特定健康診査の結果に基づいた、禁煙支援・禁煙治療への

個別指導

9 127 8 5

15 1914 16

9

104

8999

112

91

0

20

40

60

80

100

120

20代 30代 40代 50代 60代

(人)吸っている 過去に吸っていた 吸ったことが無い

86

第三章 課題別の実態と対策

たばこ

たばこを吸わない人や妊婦 未成年をたばこの煙から守ろう

■市民の行動

・ 子どもや妊婦のいるところでは、たばこを吸わないようにしよう。

・ 未成年者にたばこを触らせないようにしよう。

・ たばこが健康に与える影響を知り、喫煙のマナーを守ろう。

・ 禁煙に挑戦しよう。

・ 子どもの健康を考え、妊婦さんは禁煙しよう。

■地域や企業の行動

・ 禁煙や分煙の環境を整備しよう。

・ 会議や集まりのついでに、たばこが健康に与える害について学ぶ機会をつくろう。

・ 会議など集まりの席には灰皿を置かないようにしよう。

・ PTAをはじめ、地域で若年喫煙を無くす声掛けをしよう。

・ 未成年者には、たばこを販売しない。

■行政の行動

・公共施設での禁煙や分煙の環境を整備します。

・たばこが健康に与える害について普及啓発をします。

・健診結果に基づいて、禁煙支援、禁煙指導への個別指導をします。

・公共施設や職場等に、禁煙に関するポスターを掲示します。

・喫煙者に対して、受動喫煙の害について理解してもらい、子どもや妊婦をはじ

め周囲の人にやさしい環境づくりをめざします。

・妊婦健診、乳幼児健診等の機会に、たばこの害に関する情報提供を行い、禁煙

推進、受動喫煙の防止を進めます。

■学校の行動

・子どもたちに、たばこの害について教えます。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

87

第三章 課題別の実態と対策

(5)歯・口腔の健康

■はじめに

歯・口腔の健康は、口から食べる喜び、話す楽しみを保つ上で重要であり、身体的な

健康のみならず、精神的、社会的な健康にも大きく寄与します。歯の喪失による咀嚼(そ

しゃく)機能(注 )や構音(こうおん)機能(注 )の低下は多面的な影響を与え、最終

的に生活の質に大きく関与します。

平成 年 月に施行された歯科口腔保健の推進に関する法律の第1条では、歯・

口腔の健康が、国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たして

いるとされています。

従来から、すべての国民が生涯にわたって自分の歯を 本以上残すことをスローガ

ンとした「8020 ハチマルニイマル 運動」を展開していますが、超高齢社会の進展

を踏まえ、さらなる取り組みが必要です。生涯を通じて歯科疾患を予防し、歯の喪失を

抑制することは、高齢期での口腔機能の維持につながるものであり、大きな意義を有し

ます。

歯の喪失の主要な原因疾患は、う蝕 むし歯 と歯周病で、歯・口腔の健康のためには、

「う蝕予防」及び「歯周病予防」が大切になります。また、近年のいくつかの疫学研究

において、歯周病と糖尿病や循環器疾患等との密接な関連性が報告されており、成人期

の健康づくりにおいて「歯周病予防」の推進は不可欠と考えられています。

■現状と目標

歯・口腔の健康については、検診で経年的な把握ができる次の 点を目標項目とし

ます。

歯周病を有する者の割合の減少

歯周病は、日本人の歯の喪失をもたらす主要な原因疾患です。歯周病のうち、歯肉に

限局した炎症が起こる病気を「歯肉炎」、他の歯周組織にまで炎症が起こっている病気

を「歯周炎」といい、これらが大きな二つの疾患となっています。 歯周炎が顕在化し始めるのは40歳以降と言われており、高齢期においても歯周病対

(注 ) 食物をよく噛んで砕いていき、唾液を分泌させて食物とよく混ぜ合わせ、呑み込みやす

い大きさにして食物の消化吸収を高める機能のことです。 (注 ) 正しく発音する機能のことです。

88

第三章 課題別の実態と対策

策を継続して実施する必要があることから、「歯周炎を有する者の割合の減少」を評価

指標とします。 下呂市では、健康増進法に基づく歯周疾患検診の対象年齢に独自に 歳・ 歳・

歳を加え、 歳~ 歳まで 歳刻みの節目年齢で健診を実施しています。受診

結果を見ると、進行した歯周炎を有する人の割合は 歳代で 、 歳代で

と、平成 年度の国の目標値をすでに達成しています。しかし、歯周疾患検診の受診

率は %と低く、受診率をさらに上げていくことが重要です。また、その後の定期的

な歯科検診受診への動機づけを図る必要があります。

目標項目 歯周炎を有する者の割合

下呂市 国

現状%

(平成 年)

歳代

歳代

(平成 年)

目標減少

(平成34年)

歳代

歳代 %

(平成 年)

出典 国保特定健診(市)、歯科疾患実態調査(国)

乳幼児・学齢期のう蝕のない者の増加

乳幼児期は生涯にわたる歯科保健行動の基盤が形成される時期であり、乳歯咬合の完

成期である3歳児のう蝕有病状況の改善は、乳幼児の健全な育成のために不可欠です。

下呂市は、国の目標項目「3歳児でう蝕のない者の割合が %以上」を満たしてお

らず、さらに 年から 年では低下しています。また1歳半健康診断の結果で見る

と、その割合は岐阜県より低い位置にあります(図 )。

永久歯う蝕の代表的評価指標である「 歳児の平均う歯数」は、年々減少傾向にあ

りますが、全国平均 本より高く 本となっています(図 )。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

87

第三章 課題別の実態と対策

(5)歯・口腔の健康

■はじめに

歯・口腔の健康は、口から食べる喜び、話す楽しみを保つ上で重要であり、身体的な

健康のみならず、精神的、社会的な健康にも大きく寄与します。歯の喪失による咀嚼(そ

しゃく)機能(注 )や構音(こうおん)機能(注 )の低下は多面的な影響を与え、最終

的に生活の質に大きく関与します。

平成 年 月に施行された歯科口腔保健の推進に関する法律の第1条では、歯・

口腔の健康が、国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たして

いるとされています。

従来から、すべての国民が生涯にわたって自分の歯を 本以上残すことをスローガ

ンとした「8020 ハチマルニイマル 運動」を展開していますが、超高齢社会の進展

を踏まえ、さらなる取り組みが必要です。生涯を通じて歯科疾患を予防し、歯の喪失を

抑制することは、高齢期での口腔機能の維持につながるものであり、大きな意義を有し

ます。

歯の喪失の主要な原因疾患は、う蝕 むし歯 と歯周病で、歯・口腔の健康のためには、

「う蝕予防」及び「歯周病予防」が大切になります。また、近年のいくつかの疫学研究

において、歯周病と糖尿病や循環器疾患等との密接な関連性が報告されており、成人期

の健康づくりにおいて「歯周病予防」の推進は不可欠と考えられています。

■現状と目標

歯・口腔の健康については、検診で経年的な把握ができる次の 点を目標項目とし

ます。

歯周病を有する者の割合の減少

歯周病は、日本人の歯の喪失をもたらす主要な原因疾患です。歯周病のうち、歯肉に

限局した炎症が起こる病気を「歯肉炎」、他の歯周組織にまで炎症が起こっている病気

を「歯周炎」といい、これらが大きな二つの疾患となっています。 歯周炎が顕在化し始めるのは40歳以降と言われており、高齢期においても歯周病対

(注 ) 食物をよく噛んで砕いていき、唾液を分泌させて食物とよく混ぜ合わせ、呑み込みやす

い大きさにして食物の消化吸収を高める機能のことです。 (注 ) 正しく発音する機能のことです。

88

第三章 課題別の実態と対策

策を継続して実施する必要があることから、「歯周炎を有する者の割合の減少」を評価

指標とします。 下呂市では、健康増進法に基づく歯周疾患検診の対象年齢に独自に 歳・ 歳・

歳を加え、 歳~ 歳まで 歳刻みの節目年齢で健診を実施しています。受診

結果を見ると、進行した歯周炎を有する人の割合は 歳代で 、 歳代で

と、平成 年度の国の目標値をすでに達成しています。しかし、歯周疾患検診の受診

率は %と低く、受診率をさらに上げていくことが重要です。また、その後の定期的

な歯科検診受診への動機づけを図る必要があります。

目標項目 歯周炎を有する者の割合

下呂市 国

現状%

(平成 年)

歳代

歳代

(平成 年)

目標減少

(平成34年)

歳代

歳代 %

(平成 年)

出典 国保特定健診(市)、歯科疾患実態調査(国)

乳幼児・学齢期のう蝕のない者の増加

乳幼児期は生涯にわたる歯科保健行動の基盤が形成される時期であり、乳歯咬合の完

成期である3歳児のう蝕有病状況の改善は、乳幼児の健全な育成のために不可欠です。

下呂市は、国の目標項目「3歳児でう蝕のない者の割合が %以上」を満たしてお

らず、さらに 年から 年では低下しています。また1歳半健康診断の結果で見る

と、その割合は岐阜県より低い位置にあります(図 )。

永久歯う蝕の代表的評価指標である「 歳児の平均う歯数」は、年々減少傾向にあ

りますが、全国平均 本より高く 本となっています(図 )。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

89

第三章 課題別の実態と対策

図 3歳及び1歳半でう蝕のない者の推移

図 12歳児の一人平均う歯数の推移

2.8

2.1 2.12.4

1.7 1.81.6 1.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

H5 H10 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(本)

下呂市では幼児期の早い時期からう蝕が発生しています。

3歳児でう蝕のある子の1歳半、2歳、3歳の時の生活リズムを見ると、糖分の多い

おやつやジュース、乳酸飲料の摂取、野菜が少ない、かまないで食べられるものが多い

等、う蝕リスクが高い環境にありました。また、う蝕がなくても、砂糖の摂取量の多い

子も見られます。

乳幼児期の歯科保健行動の基盤の形成は、保護者に委ねられることが多いため、早い

時期から適切な生活習慣(生活リズム)を築く取り組みが必要です。

また、妊婦を対象として、妊娠中に罹患しやすくなる歯周疾患予防のために、歯科保

健指導を継続して実施します。

79.5 79.7

77.7

81.7

83.3 83.5

77.0

78.0

79.0

80.0

81.0

82.0

83.0

84.0

85.0

H20年度 H21年度 H22年度

(%)下呂市 岐阜県

93.2

94.493.6

97.8 97.9 98

92.0

93.0

94.0

95.0

96.0

97.0

98.0

99.0

100.0

H20年度 H21年度 H22年度

(%)下呂市 岐阜県

3歳児健診 1歳半健診

90

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 3歳児でう蝕がない者の割合(3歳児歯科健康診査)

下呂市 岐阜県

現状 7%(平成 年) %(平成 年)

目標 %以上(平成 年) %以上(平成 年度)

出典 3歳児健診(市)、第二次岐阜県健康増進計画

目標項目 歳児の一人平均う歯数(学校保健統計調査)

下呂市 岐阜県

現状 本(平成 年度) 本(平成 年度)

目標 減少(平成 年度) 本(平成 年度)

出典 3歳児健診(市)、第二次岐阜県健康増進計画

過去 年間に歯科検診を受診した者の増加 歯周疾患検診受診者数

定期的な歯科検診による継続的な口腔管理は、歯・口腔の健康状態に大きく寄与する

とともに、成人期の歯周病予防において重要な役割を果たします。定期的な歯科検診の

受診により、自身の歯・口腔の健康状態を把握することができ、個人のニーズに応じて、

歯石除去や歯面清掃ないしは個別的な歯口清掃指導といったプロフェッショナルケア

につながることが期待されます。市では、歯科口腔保健の知識等の普及啓発を図るとと

もに、かかりつけ歯科医等による口腔管理(定期的なチェック、歯石除去等)を受ける

習慣の定着を促進していきます。

目標項目 過去一年間に歯科検診を受診した者の割合の増加

下呂市 国

現状 %(平成 年度) %(平成 年)

目標 % %

出典 特定健診(市)、歯科疾患実態調査(国)

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

89

第三章 課題別の実態と対策

図 3歳及び1歳半でう蝕のない者の推移

図 12歳児の一人平均う歯数の推移

2.8

2.1 2.12.4

1.7 1.81.6 1.5

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

H5 H10 H17 H18 H19 H20 H21 H22

(本)

下呂市では幼児期の早い時期からう蝕が発生しています。

3歳児でう蝕のある子の1歳半、2歳、3歳の時の生活リズムを見ると、糖分の多い

おやつやジュース、乳酸飲料の摂取、野菜が少ない、かまないで食べられるものが多い

等、う蝕リスクが高い環境にありました。また、う蝕がなくても、砂糖の摂取量の多い

子も見られます。

乳幼児期の歯科保健行動の基盤の形成は、保護者に委ねられることが多いため、早い

時期から適切な生活習慣(生活リズム)を築く取り組みが必要です。

また、妊婦を対象として、妊娠中に罹患しやすくなる歯周疾患予防のために、歯科保

健指導を継続して実施します。

79.5 79.7

77.7

81.7

83.3 83.5

77.0

78.0

79.0

80.0

81.0

82.0

83.0

84.0

85.0

H20年度 H21年度 H22年度

(%)下呂市 岐阜県

93.2

94.493.6

97.8 97.9 98

92.0

93.0

94.0

95.0

96.0

97.0

98.0

99.0

100.0

H20年度 H21年度 H22年度

(%)下呂市 岐阜県

3歳児健診 1歳半健診

90

第三章 課題別の実態と対策

目標項目 3歳児でう蝕がない者の割合(3歳児歯科健康診査)

下呂市 岐阜県

現状 7%(平成 年) %(平成 年)

目標 %以上(平成 年) %以上(平成 年度)

出典 3歳児健診(市)、第二次岐阜県健康増進計画

目標項目 歳児の一人平均う歯数(学校保健統計調査)

下呂市 岐阜県

現状 本(平成 年度) 本(平成 年度)

目標 減少(平成 年度) 本(平成 年度)

出典 3歳児健診(市)、第二次岐阜県健康増進計画

過去 年間に歯科検診を受診した者の増加 歯周疾患検診受診者数

定期的な歯科検診による継続的な口腔管理は、歯・口腔の健康状態に大きく寄与する

とともに、成人期の歯周病予防において重要な役割を果たします。定期的な歯科検診の

受診により、自身の歯・口腔の健康状態を把握することができ、個人のニーズに応じて、

歯石除去や歯面清掃ないしは個別的な歯口清掃指導といったプロフェッショナルケア

につながることが期待されます。市では、歯科口腔保健の知識等の普及啓発を図るとと

もに、かかりつけ歯科医等による口腔管理(定期的なチェック、歯石除去等)を受ける

習慣の定着を促進していきます。

目標項目 過去一年間に歯科検診を受診した者の割合の増加

下呂市 国

現状 %(平成 年度) %(平成 年)

目標 % %

出典 特定健診(市)、歯科疾患実態調査(国)

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

91

第三章 課題別の実態と対策

■対策

ライフステージに対応した歯科保健対策の推進

・健康教育 (妊娠期、1歳のお誕生教室、1歳半健診、2歳児教室、3歳児健診) (学校、保育園)

・歯・口腔に関する正しい知識の普及啓発 ・歯間部清掃用器具の使用法等の歯科保健指導 ・「 運動」の更なる推進

専門家による定期管理と支援の推進

・幼児歯科検診( 歳 か月児, 歳児、 歳児)

・歯周疾患検診( ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歳)

・下呂市口腔保健協議会との協働による事業

う蝕予防法として効果のあるフッ素洗口の普及

92

第三章 課題別の実態と対策

歯と口腔の健康のために

健康は歯から口から笑顔から!

■市民の行動

・年に1回は歯科健診を受けよう。

・小さい時から食べたあとの歯磨き習慣を身につけよう。

・子どもの間食の与え方に気をつけよう。

■地域や企業の行動

・ご近所同士や職場の仲間と誘い合って歯科検診を受けよう。

・歯の磨き方や、歯周病予防の学習機会を持とう。

・80歳で自分の歯を20本残す8020運動に参加しよう。

・子どもの歯磨きや間食の与え方について学ぶ機会を持とう。

■歯科医師会・歯科衛生士会の行動

・小学校でのブラッシング教室を開催します。

・寝たきりや要介護の方への訪問による歯科口腔ケアと健診をします。

■行政の行動

・歯科検診の必要性について周知をします。

・歯の磨き方や歯周病予防の健康教室を開催します。

・8020運動を推進します。

■学校の行動

・給食後の歯磨きを定着させます。

・効果的なブラッシングを指導します。

・フッ素洗口によるむし歯予防を取り入れます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

91

第三章 課題別の実態と対策

■対策

ライフステージに対応した歯科保健対策の推進

・健康教育 (妊娠期、1歳のお誕生教室、1歳半健診、2歳児教室、3歳児健診) (学校、保育園)

・歯・口腔に関する正しい知識の普及啓発 ・歯間部清掃用器具の使用法等の歯科保健指導 ・「 運動」の更なる推進

専門家による定期管理と支援の推進

・幼児歯科検診( 歳 か月児, 歳児、 歳児)

・歯周疾患検診( ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歳)

・下呂市口腔保健協議会との協働による事業

う蝕予防法として効果のあるフッ素洗口の普及

92

第三章 課題別の実態と対策

歯と口腔の健康のために

健康は歯から口から笑顔から!

■市民の行動

・年に1回は歯科健診を受けよう。

・小さい時から食べたあとの歯磨き習慣を身につけよう。

・子どもの間食の与え方に気をつけよう。

■地域や企業の行動

・ご近所同士や職場の仲間と誘い合って歯科検診を受けよう。

・歯の磨き方や、歯周病予防の学習機会を持とう。

・80歳で自分の歯を20本残す8020運動に参加しよう。

・子どもの歯磨きや間食の与え方について学ぶ機会を持とう。

■歯科医師会・歯科衛生士会の行動

・小学校でのブラッシング教室を開催します。

・寝たきりや要介護の方への訪問による歯科口腔ケアと健診をします。

■行政の行動

・歯科検診の必要性について周知をします。

・歯の磨き方や歯周病予防の健康教室を開催します。

・8020運動を推進します。

■学校の行動

・給食後の歯磨きを定着させます。

・効果的なブラッシングを指導します。

・フッ素洗口によるむし歯予防を取り入れます。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

93

第三章 課題別の実態と対策

身近な地域で健康づくりに取り組むことの

できる環境づくり

4 健康を支え、守るための社会環境の整備

健康づくりは、市民一人ひとりが自らの責任において自主的に取り組むことが基本で

すが、家庭や学校、地域、職場等の社会環境も個人の体とこころの健康に多大な影響を

及ぼすことから、個人を取り巻く社会全体で、個人の健康を支え、守る環境をつくるこ

とが必要です。 そのため、身近な地域での健康づくりを支援するボランティア等の人材育成やネット

ワークの構築、公園やウォーキングコース等のハード面の整備のほか、企業や関係機

関・団体等との連携など、市民の健康づくりの機運を高め、社会全体で健康づくりを推

進する環境整備に取り組みます。 また、地域や世代間の助けあいなど地域社会の絆の活用や、職場での従業員の健康づ

くりの推進により、時間や精神的にゆとりのある生活を確保できない人、健康づくりに

関心のない人なども含めて、市民の健康確保を進めていきます。

校区や自治会レベルでの健康づくり

個人や家庭での健康づくり

個人の健康づくり

従業員等の健康づくり

(労働安全衛生法に基づく健康診断)

従業員・家族の健康づくり(福利厚生)

健康づくりに取り組む企業の支援・協働

市民の健康づくり

(健康分野での企業の社会貢献活動)

社会生活環境の向上 身近なインフラの活用

<行 政>

<行 政> <地 域> <産業界>

個人の健康の維持・向上

94

第三章 課題別の実態と対策

(1)市民主体の健康づくり

市民が身近な地域で気軽に、人と人とのふれあいの中で、楽しく健康づくりを続けら

れるように、地域で健康づくりをけん引するボランティアの育成や活動を支援します。 また、地域では、自治会やまちづくり協議会、社会福祉協議会、NPO、ボランティ

ア団体などの多様な主体が、子育て支援や子どもや高齢者の見守り、安心・安全の確保

など住みよいまちづくりを進めるための重要な役割を担っています。こうした様々なま

ちづくり活動と健康づくり活動が連携・協働することにより、市民一人ひとりのさらな

る健康維持・増進につながるよう支援します。 地域の健康づくりを担う人材の育成及び活動支援

市民の健康づくりや介護予防、食生活の改善を推進するため、食生活改善推進員やス

ポーツ推進委員、各自治会における体育や福祉の委員など多くの地域ボランティアが活

動しています。こうしたボランティアの育成や活動を支援するため、運動やスポーツ、

栄養、生活習慣病予防等についての知識や技術の習得を目的とする出前講座や研修会を

開催するとともに、活動の機会や情報提供などに積極的に取り組みます。 ・食生活改善推進員の養成・活動支援 ・スポーツリーダーの育成 ・運動器の機能低下予防事業

健康づくりを支える地域団体との連携

下呂市医師会や歯科医師会、薬剤師会などの関係機関や保健師などの連携により、地

域における健康課題の解決に向けて取り組みます。 また、社会福祉協議会が地域住民相互の支えあいのまちづくりを目的に取り組んでい

るサロン活動などの地域資源の活用と、それらの資源と地域における健康づくり活動と

の連携や活動支援により地域に根ざした健康づくりを推進します。 ・保健・医療・福祉の連携 ・統合型地域スポーツクラブの育成

子どもから大人まで地域の住民の誰もがスポーツに親しむことのできる、住民主体的な運営に

よるスポーツクラブの育成・支援を行います。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

93

第三章 課題別の実態と対策

身近な地域で健康づくりに取り組むことの

できる環境づくり

4 健康を支え、守るための社会環境の整備

健康づくりは、市民一人ひとりが自らの責任において自主的に取り組むことが基本で

すが、家庭や学校、地域、職場等の社会環境も個人の体とこころの健康に多大な影響を

及ぼすことから、個人を取り巻く社会全体で、個人の健康を支え、守る環境をつくるこ

とが必要です。 そのため、身近な地域での健康づくりを支援するボランティア等の人材育成やネット

ワークの構築、公園やウォーキングコース等のハード面の整備のほか、企業や関係機

関・団体等との連携など、市民の健康づくりの機運を高め、社会全体で健康づくりを推

進する環境整備に取り組みます。 また、地域や世代間の助けあいなど地域社会の絆の活用や、職場での従業員の健康づ

くりの推進により、時間や精神的にゆとりのある生活を確保できない人、健康づくりに

関心のない人なども含めて、市民の健康確保を進めていきます。

校区や自治会レベルでの健康づくり

個人や家庭での健康づくり

個人の健康づくり

従業員等の健康づくり

(労働安全衛生法に基づく健康診断)

従業員・家族の健康づくり(福利厚生)

健康づくりに取り組む企業の支援・協働

市民の健康づくり

(健康分野での企業の社会貢献活動)

社会生活環境の向上 身近なインフラの活用

<行 政>

<行 政> <地 域> <産業界>

個人の健康の維持・向上

94

第三章 課題別の実態と対策

(1)市民主体の健康づくり

市民が身近な地域で気軽に、人と人とのふれあいの中で、楽しく健康づくりを続けら

れるように、地域で健康づくりをけん引するボランティアの育成や活動を支援します。 また、地域では、自治会やまちづくり協議会、社会福祉協議会、NPO、ボランティ

ア団体などの多様な主体が、子育て支援や子どもや高齢者の見守り、安心・安全の確保

など住みよいまちづくりを進めるための重要な役割を担っています。こうした様々なま

ちづくり活動と健康づくり活動が連携・協働することにより、市民一人ひとりのさらな

る健康維持・増進につながるよう支援します。 地域の健康づくりを担う人材の育成及び活動支援

市民の健康づくりや介護予防、食生活の改善を推進するため、食生活改善推進員やス

ポーツ推進委員、各自治会における体育や福祉の委員など多くの地域ボランティアが活

動しています。こうしたボランティアの育成や活動を支援するため、運動やスポーツ、

栄養、生活習慣病予防等についての知識や技術の習得を目的とする出前講座や研修会を

開催するとともに、活動の機会や情報提供などに積極的に取り組みます。 ・食生活改善推進員の養成・活動支援 ・スポーツリーダーの育成 ・運動器の機能低下予防事業

健康づくりを支える地域団体との連携

下呂市医師会や歯科医師会、薬剤師会などの関係機関や保健師などの連携により、地

域における健康課題の解決に向けて取り組みます。 また、社会福祉協議会が地域住民相互の支えあいのまちづくりを目的に取り組んでい

るサロン活動などの地域資源の活用と、それらの資源と地域における健康づくり活動と

の連携や活動支援により地域に根ざした健康づくりを推進します。 ・保健・医療・福祉の連携 ・統合型地域スポーツクラブの育成

子どもから大人まで地域の住民の誰もがスポーツに親しむことのできる、住民主体的な運営に

よるスポーツクラブの育成・支援を行います。

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

95

第三章 課題別の実態と対策

(2)健康づくりを続けられる環境づくり

子どもから高齢者まですべての市民が自らの体力や嗜好、ライフスタイルに応じて、

身近な公園や学校施設、スポーツ施設などの既存施設や社会資源を活用して、身近な地

域で気軽に健康づくりを続けることのできる環境を推進します。

・生涯スポーツの振興 ・学校施設の開放

児童の安全な遊び場の確保及び地域のスポーツの普及のために小中学校の体育施設を市民に開

放します。

(3)多様な主体との連携及び協働による健康づくり

市民一人ひとりの健康には、家庭はもちろん、保育園や学校、職場、地域などのあら

ゆる社会環境が影響を及ぼすことから、市民の健康の維持・増進には、こうした個人を

取り巻く多様な主体との連携・協働が欠かせません。 そのため、企業やNPO等との連携や支援、ネットワークの構築などにより、社会全

体で市民の健康づくりを支援し健康づくりの機運の高揚を図ります。 企業や他の医療保険者等多様な主体との連携

協会けんぽ等の医療保険者や企業・NPO・地域のボランティア、保育園、学校等と

の連携・協働により、各種健康診査の受診率向上や、こころと体の健康に関する正しい

知識の普及啓発などに取り組みます。 また、従業員やその家族、あるいはすべての市民の健康づくりに積極的に取り組む企

業やNPO等を支援することにより、職域におけるさらなる健康づくりの取り組みを喚

起します。 さらに、市民自らが、外食を通じて自分に必要なエネルギー量や組み合わせなどを理

解・学習し、バランスの良い食生活を送ることができるよう、給食施設や飲食店等食関

連事業者との連携や人材育成支援を推進するほか、受動喫煙防止対策など快適な食環境

づくりに取り組む飲食店等を支援します。

・職場における健康づくりの推進 職域における健康づくりの機運を醸成し、市民の健康づくりを推進します。

社会保険加入者の家族の健康づくりを推進します。

96

第三章 課題別の実態と対策

・健康づくり応援店認定事業(「ぎふ食と健康応援店」事業)への協力 飲食店等、食関連事業者による健康・食育情報の提供やヘルシーメニューの提供、

受動喫煙防止対策等を支援し、食環境整備を推進します。

・スポーツ大会の開催 地域、スポーツクラブ、NPOや市が開催する市民が開催するスポーツ大会やウォーキングイベ

ントを通じて、健康づくりを進めます

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

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第三章 課題別の実態と対策

(2)健康づくりを続けられる環境づくり

子どもから高齢者まですべての市民が自らの体力や嗜好、ライフスタイルに応じて、

身近な公園や学校施設、スポーツ施設などの既存施設や社会資源を活用して、身近な地

域で気軽に健康づくりを続けることのできる環境を推進します。

・生涯スポーツの振興 ・学校施設の開放

児童の安全な遊び場の確保及び地域のスポーツの普及のために小中学校の体育施設を市民に開

放します。

(3)多様な主体との連携及び協働による健康づくり

市民一人ひとりの健康には、家庭はもちろん、保育園や学校、職場、地域などのあら

ゆる社会環境が影響を及ぼすことから、市民の健康の維持・増進には、こうした個人を

取り巻く多様な主体との連携・協働が欠かせません。 そのため、企業やNPO等との連携や支援、ネットワークの構築などにより、社会全

体で市民の健康づくりを支援し健康づくりの機運の高揚を図ります。 企業や他の医療保険者等多様な主体との連携

協会けんぽ等の医療保険者や企業・NPO・地域のボランティア、保育園、学校等と

の連携・協働により、各種健康診査の受診率向上や、こころと体の健康に関する正しい

知識の普及啓発などに取り組みます。 また、従業員やその家族、あるいはすべての市民の健康づくりに積極的に取り組む企

業やNPO等を支援することにより、職域におけるさらなる健康づくりの取り組みを喚

起します。 さらに、市民自らが、外食を通じて自分に必要なエネルギー量や組み合わせなどを理

解・学習し、バランスの良い食生活を送ることができるよう、給食施設や飲食店等食関

連事業者との連携や人材育成支援を推進するほか、受動喫煙防止対策など快適な食環境

づくりに取り組む飲食店等を支援します。

・職場における健康づくりの推進 職域における健康づくりの機運を醸成し、市民の健康づくりを推進します。

社会保険加入者の家族の健康づくりを推進します。

96

第三章 課題別の実態と対策

・健康づくり応援店認定事業(「ぎふ食と健康応援店」事業)への協力 飲食店等、食関連事業者による健康・食育情報の提供やヘルシーメニューの提供、

受動喫煙防止対策等を支援し、食環境整備を推進します。

・スポーツ大会の開催 地域、スポーツクラブ、NPOや市が開催する市民が開催するスポーツ大会やウォーキングイベ

ントを通じて、健康づくりを進めます

23

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

第三章 課題別の実態と対策

1 主要な生活習慣病の発症予防と重症化予防(早期発見・ハイリスクアプローチ)

がん、循環器疾患及び糖尿病に対処するため、食生活の改善や運動習慣の定着等によ

る一次予防対策を推進するとともに、合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に重点

をおいた対策を推進します。

■取り組みの方向

◇ 生活習慣病及び疾病の早期発見・治療のための保健事業の充実に努めます。 ◇ がん検診及び若い世代の健診の受診率の向上を図ります。

(1)がん

■はじめに

年から今日までの約 年間、がんは日本での死亡原因の第1位であり続け

ています。 年には3人に1人が、がんで亡くなっており、特に 歳代後半に

おいては、死因の半数近くをがんが占めています。

がんによる死亡を部位別に見ると、男性では、肺、胃、大腸、肝臓、膵臓の順に多く、

女性では、大腸、肺、胃、膵臓、乳房の順になっています。また、がんの罹患を部位別

に見ると男性では、胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順に多く、女性では、乳房、大腸、

胃、肺、子宮の順になっています。

下呂市においても死亡原因の第1位はがんであり、 歳未満の死亡者数を部位別に

見ると、胃、肺、大腸、乳、子宮の順に多くなっています。

がんのリスク要因と発症予防

がんのリスクを高める要因としては、がんに関連するウイルス( 型肝炎ウイルス

〈 〉、 型肝炎ウイルス〈 〉、ヒトパピローマウイルス〈 〉、成人 細胞

白血病ウイルス〈 -Ⅰ〉や細菌(ヘリコバクター・ピロリ菌( ))への感染、

喫煙(受動喫煙を含む)、過剰飲酒、低身体活動、肥満、やせ、野菜・果物不足、塩分・

塩蔵食品の過剰摂取など生活習慣に関連するものがあります。

がんのリスクを高める生活習慣は、循環器疾患や糖尿病の危険因子と同様であるため、

97

第三章 課題別の実態と対策

5.目標の設定

目標の設定に当たっては「科学的根拠に基づいた実態把握が可能な具体的目標の設

定」、「実行可能性のある目標をできるだけ少ない数で設定」、「目標とされた指標に関す

る情報収集に現場が疲弊することなく、既存のデータの活用により、自治体が自ら進行

管理できる目標の設定」が国によって示されています。

特に、自治体自らが目標の進行管理を行うことができるように、設定した目標のうち、

重要と考えられる指標については、中間評価を行う年や、最終評価を行う年以外の年に

おいても、政策の立案に活用できるよう、既存の統計調査で毎年モニタリングすること

が可能な指標とすることが望ましいとされました。

そのために、目標項目として設定する指標について、既存のデータで自治体が活用可

能と考えられるものの例示もされました。

これらを踏まえ、下呂市でも毎年の保健活動を評価し、次年度の取り組みに反映させ

ることができる目標を設定しています。

98

第四章 計画の推進と進行管理

第四章 計画の推進と進行管理

1 健康増進に向けた取り組みの推進

活動展開の視点

健康増進法は、第2条において各個人が生活習慣への関心と理解を深め、自らの健康

状態を自覚して、生涯にわたって健康増進に努めなければならないことを、国民の「責

務」とし、第8条において自治体はその取り組みを支援するものとして計画化への努力

を義務づけています。 市民の健康増進を図ることは、少子高齢化が急速に進む下呂市にとっても、一人ひと

りの市民にとっても重要な課題です。 したがって、健康増進施策を下呂市の重要な行政施策として位置づけ、健康げろ

(第二次)の推進においては、市民の健康に関する各種指標を活用し、取り組みを推進

していきます。 取り組みを進めるための基本は、個人の身体(健診結果)をよく見ていくことです。

一人ひとりの身体は、今まで生きてきた歴史や社会背景、本人の価値観によって作り上

げられてきているため、それぞれの身体の問題は画一的なものではありません。 一人ひとりの生活状態や能力、ライフステージに応じた主体的な活動を重視して、健

康増進を図ることが基本になります。 市としては、その活動を支えながら、個人の理解や考え方が深まり、生活習慣を改善

する能力が身につくために、科学的根拠に基づいた支援を積極的に進めます。 同時に、個人の生活習慣や価値観の形成の背景となる、ともに生活を営む家族や地域

の習慣や特徴など、共通性の実態把握にも努めながら、地域の健康課題に対し、市民が

共同して取り組みを考え合うことによって、個々の気づきが深まり、健康実現に向かう

地域づくりができる、地域活動をめざします。 これらの活動が、計画の基本理念を実現させることであると考えます。

24

第三章 課題別の実態と対策

循環器疾患や糖尿病への取り組みとしての生活習慣の改善は、結果的にがんの発症予防

にもつながると考えられます(表 )。

表1 がんのリスクを高める要因

部位

科学的根拠 ◎ 確実 ○ ほぼ確実 △ 可能性あり 空欄 根拠不十分

生活習慣 % その他

たばこ

食事 % 運動

飲酒

肥満 家族歴 ホルモン 感染 他

高脂肪 塩分

胃 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎HP

肺 ◎ △結核 環境汚染

大腸 △ ○ ○ ○ ○ △

子宮頸部 ◎ ◎HPV

乳 △ △ ○ ○ ○ ○

参考:国立がん研究センター 科学的根拠に基づくがん検診推進のページ 予防と検診

重症化予防(早期発見)

生涯を通じて考えた場合、2人に1人は一生のうちに何らかのがんに罹患すると言わ

れています。進行がんの罹患率を減少させ、がんによる死亡を防ぐために最も重要なの

はがんの早期発見です。早期発見に至る方法としては、自覚症状がなくても定期的にが

ん検診を受けることで、有効性が確立しているがん検診の受診率向上が重要になってき

ます(表2)。

表2 がん検診の有効性

検診による死亡率減少効果 5年相対生存率(注 )

※がん検診 評価判定 ※

胃 胃X線検査 相応な証拠あり

肺 胸部X線検査・喀痰細胞診 相応な証拠あり %

大腸 便潜血検査 十分な証拠あり

子宮頸部 子宮頸部擦過細胞診 十分な証拠あり

乳 視触診とマンモグラフィ

の併用

十分な証拠あり( 歳以上)

相応な証拠あり( 歳代)

※ ガイドラインに基づいたがん検診の有効性

※ 厚生労働省がん研究助成金「地域がん登録制度向上と活用に関する研究」

(注 ) 同じがん患者について計測した生存率を、対象者と同じ性・年齢分布をもつ日本人の期

待生存確率で割ったものを相対生存率といいます。生存率を比較する際に用いられます。

97

第三章 課題別の実態と対策

5.目標の設定

目標の設定に当たっては「科学的根拠に基づいた実態把握が可能な具体的目標の設

定」、「実行可能性のある目標をできるだけ少ない数で設定」、「目標とされた指標に関す

る情報収集に現場が疲弊することなく、既存のデータの活用により、自治体が自ら進行

管理できる目標の設定」が国によって示されています。

特に、自治体自らが目標の進行管理を行うことができるように、設定した目標のうち、

重要と考えられる指標については、中間評価を行う年や、最終評価を行う年以外の年に

おいても、政策の立案に活用できるよう、既存の統計調査で毎年モニタリングすること

が可能な指標とすることが望ましいとされました。

そのために、目標項目として設定する指標について、既存のデータで自治体が活用可

能と考えられるものの例示もされました。

これらを踏まえ、下呂市でも毎年の保健活動を評価し、次年度の取り組みに反映させ

ることができる目標を設定しています。

98

第四章 計画の推進と進行管理

第四章 計画の推進と進行管理

1 健康増進に向けた取り組みの推進

活動展開の視点

健康増進法は、第2条において各個人が生活習慣への関心と理解を深め、自らの健康

状態を自覚して、生涯にわたって健康増進に努めなければならないことを、国民の「責

務」とし、第8条において自治体はその取り組みを支援するものとして計画化への努力

を義務づけています。 市民の健康増進を図ることは、少子高齢化が急速に進む下呂市にとっても、一人ひと

りの市民にとっても重要な課題です。 したがって、健康増進施策を下呂市の重要な行政施策として位置づけ、健康げろ

(第二次)の推進においては、市民の健康に関する各種指標を活用し、取り組みを推進

していきます。 取り組みを進めるための基本は、個人の身体(健診結果)をよく見ていくことです。

一人ひとりの身体は、今まで生きてきた歴史や社会背景、本人の価値観によって作り上

げられてきているため、それぞれの身体の問題は画一的なものではありません。 一人ひとりの生活状態や能力、ライフステージに応じた主体的な活動を重視して、健

康増進を図ることが基本になります。 市としては、その活動を支えながら、個人の理解や考え方が深まり、生活習慣を改善

する能力が身につくために、科学的根拠に基づいた支援を積極的に進めます。 同時に、個人の生活習慣や価値観の形成の背景となる、ともに生活を営む家族や地域

の習慣や特徴など、共通性の実態把握にも努めながら、地域の健康課題に対し、市民が

共同して取り組みを考え合うことによって、個々の気づきが深まり、健康実現に向かう

地域づくりができる、地域活動をめざします。 これらの活動が、計画の基本理念を実現させることであると考えます。

98

第四章 計画の推進と進行管理

第四章 計画の推進と進行管理

1 健康増進に向けた取り組みの推進

活動展開の視点

健康増進法は、第2条において各個人が生活習慣への関心と理解を深め、自らの健康

状態を自覚して、生涯にわたって健康増進に努めなければならないことを、国民の「責

務」とし、第8条において自治体はその取り組みを支援するものとして計画化への努力

を義務づけています。 市民の健康増進を図ることは、少子高齢化が急速に進む下呂市にとっても、一人ひと

りの市民にとっても重要な課題です。 したがって、健康増進施策を下呂市の重要な行政施策として位置づけ、健康げろ

(第二次)の推進においては、市民の健康に関する各種指標を活用し、取り組みを推進

していきます。 取り組みを進めるための基本は、個人の身体(健診結果)をよく見ていくことです。

一人ひとりの身体は、今まで生きてきた歴史や社会背景、本人の価値観によって作り上

げられてきているため、それぞれの身体の問題は画一的なものではありません。 一人ひとりの生活状態や能力、ライフステージに応じた主体的な活動を重視して、健

康増進を図ることが基本になります。 市としては、その活動を支えながら、個人の理解や考え方が深まり、生活習慣を改善

する能力が身につくために、科学的根拠に基づいた支援を積極的に進めます。 同時に、個人の生活習慣や価値観の形成の背景となる、ともに生活を営む家族や地域

の習慣や特徴など、共通性の実態把握にも努めながら、地域の健康課題に対し、市民が

共同して取り組みを考え合うことによって、個々の気づきが深まり、健康実現に向かう

地域づくりができる、地域活動をめざします。 これらの活動が、計画の基本理念を実現させることであると考えます。

99

第四章 計画の推進と進行管理

2 計画の進捗管理及び評価・検証の進め方

本計画をより実効性のあるものとするには、計画の進捗管理を的確に行いつつ、関連

する取り組みを進めていくことが重要です。そのため、定期的な評価・検証を行い、課

題の共有や各分野での取り組み(施策・事業)などの追加・見直し等を行います。 評価・検証は、本計画で設定した評価指標(数値目標)に沿って、健診や医療関係の

統計データ、アンケート調査等を基に客観的に整理します。併せて、地域における健康

づくり活動の問題・課題などの把握にも努めます。 また、計画の進捗管理及び評価・検証結果等は、下呂市健康づくり推進協議会におい

て報告を行い、広く意見を求めます。 (1)行動計画の策定

大きな目標を達成するための具体的な取り組みを行動計画として毎年度策定し、その

成果をチェックすることで、効果的な進捗管理と評価・検証を行います。

健康げろ

推進サイクル ・行動計画

・実行実践

・効果評価

・見直し検証

市民の声現状分析

100

資料

資料

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧

I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3

個以上の危険因子のいずれかがある)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタ

ボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク 高リスク

99

第四章 計画の推進と進行管理

2 計画の進捗管理及び評価・検証の進め方

本計画をより実効性のあるものとするには、計画の進捗管理を的確に行いつつ、関連

する取り組みを進めていくことが重要です。そのため、定期的な評価・検証を行い、課

題の共有や各分野での取り組み(施策・事業)などの追加・見直し等を行います。 評価・検証は、本計画で設定した評価指標(数値目標)に沿って、健診や医療関係の

統計データ、アンケート調査等を基に客観的に整理します。併せて、地域における健康

づくり活動の問題・課題などの把握にも努めます。 また、計画の進捗管理及び評価・検証結果等は、下呂市健康づくり推進協議会におい

て報告を行い、広く意見を求めます。 (1)行動計画の策定

大きな目標を達成するための具体的な取り組みを行動計画として毎年度策定し、その

成果をチェックすることで、効果的な進捗管理と評価・検証を行います。

健康げろ

推進サイクル ・行動計画

・実行実践

・効果評価

・見直し検証

市民の声現状分析

99

第四章 計画の推進と進行管理

2 計画の進捗管理及び評価・検証の進め方

本計画をより実効性のあるものとするには、計画の進捗管理を的確に行いつつ、関連

する取り組みを進めていくことが重要です。そのため、定期的な評価・検証を行い、課

題の共有や各分野での取り組み(施策・事業)などの追加・見直し等を行います。 評価・検証は、本計画で設定した評価指標(数値目標)に沿って、健診や医療関係の

統計データ、アンケート調査等を基に客観的に整理します。併せて、地域における健康

づくり活動の問題・課題などの把握にも努めます。 また、計画の進捗管理及び評価・検証結果等は、下呂市健康づくり推進協議会におい

て報告を行い、広く意見を求めます。 (1)行動計画の策定

大きな目標を達成するための具体的な取り組みを行動計画として毎年度策定し、その

成果をチェックすることで、効果的な進捗管理と評価・検証を行います。

健康げろ

推進サイクル ・行動計画

・実行実践

・効果評価

・見直し検証

市民の声現状分析

100

資料

資料

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧

I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3

個以上の危険因子のいずれかがある)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタ

ボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク 高リスク

100

資料

資料

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧

I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3

個以上の危険因子のいずれかがある)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタ

ボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク 高リスク

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧 I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3個以上の危険因子のいずれかがある)

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

101

資料

「健

康げ

ろ2

1(

第2

次)

」目

標一

がん

減少

男性 36.6%

女性 28.3%

男性 26.4%

女性 23.0%

男性 28.1%

女性 23.9%

子宮頸がん

女性 37.7%

乳がん

女性 39.1%

20~69歳女性

がん検診の精密検査受診率の向上

胃がん

肺がん

大腸がん

子宮頸がん

乳がん

国下呂市

国下呂市

全年齢

40~69歳男女

全年齢

40~69歳男女

胃内視鏡検査

胸部CT

内視鏡検査

HPⅤ検査、細胞診、コ

ルポ、組織検査

視触診、精密マンモグラ

フィ(2方向)、超音波

検査、細胞診、組織診

下呂市の現状(国はなし)

下呂市の目標(国はなし)

90%以

75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がん検診受診率の向上

当面

増加

胃がん

肺がん

大腸がん

現   状

目   標

102

資料

循環

器疾

男性 49.5

男性 42.9

男性 41.6%

男性 41.6%

女性 26.9

女性 24.8

女性 24.7%

女性 24.7%

男性 36.9

男性 63.8

男性 31.8%

女性 15.3

女性 46.2

女性 13.7%

男性138㎜

Hg男性134㎜

Hg

女性133㎜

Hg女性129㎜

Hg

          Ⅱ度高血圧者の割合

――

―減少

男性 13.8%

男性 10%

女性 22.0%

女性 17%

男性 8.3%

男性 6.2%

女性 11.7%

女性 8.8%

メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

1,400万人

25%減

少25%減

特定健康診査受診率

特定保健指導の受診率

糖尿

糖尿病治療継続者の割合の増加

増加

減少

890万

人1000万人

減少

ここ

ろの

健康

20%減少

20%減少

――

――

高血圧の改善    収縮期血圧の平均値

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

LDLコ

レステロール160mg/dl以上の者の割合

自殺者死亡率の低下

血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減

少 糖尿病有病者(HBA1c6.1%以上)の増加の抑制

現   状

目   標

減少

健診等の受診率の向上

増加

脳血管疾患

虚血性心疾患(下呂市にデータは無く心疾患全体数値)

総コレステロール240mg/dl以上の者の割合

デー

タな

H25か

ら実

施減少

脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少

国下呂市

減少

101

資料

「健

康げ

ろ2

1(

第2

次)

」目

標一

がん

減少

男性 36.6%

女性 28.3%

男性 26.4%

女性 23.0%

男性 28.1%

女性 23.9%

子宮頸がん

女性 37.7%

乳がん

女性 39.1%

20~69歳女性

がん検診の精密検査受診率の向上

胃がん

肺がん

大腸がん

子宮頸がん

乳がん

国下呂市

国下呂市

全年齢

40~69歳男女

全年齢

40~69歳男女

胃内視鏡検査

胸部CT

内視鏡検査

HPⅤ検査、細胞診、コ

ルポ、組織検査

視触診、精密マンモグラ

フィ(2方向)、超音波

検査、細胞診、組織診

下呂市の現状(国はなし)

下呂市の目標(国はなし)

90%以

75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がん検診受診率の向上

当面

増加

胃がん

肺がん

大腸がん

現   状

目   標

101

資料

「健

康げ

ろ2

1(

第2

次)

」目

標一

がん

減少

男性 36.6%

女性 28.3%

男性 26.4%

女性 23.0%

男性 28.1%

女性 23.9%

子宮頸がん

女性 37.7%

乳がん

女性 39.1%

20~69歳女性

がん検診の精密検査受診率の向上

胃がん

肺がん

大腸がん

子宮頸がん

乳がん

国下呂市

国下呂市

全年齢

40~69歳男女

全年齢

40~69歳男女

胃内視鏡検査

胸部CT

内視鏡検査

HPⅤ検査、細胞診、コ

ルポ、組織検査

視触診、精密マンモグラ

フィ(2方向)、超音波

検査、細胞診、組織診

下呂市の現状(国はなし)

下呂市の目標(国はなし)

90%以

75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がん検診受診率の向上

当面

増加

胃がん

肺がん

大腸がん

現   状

目   標

102

資料

循環

器疾

男性 49.5

男性 42.9

男性 41.6%

男性 41.6%

女性 26.9

女性 24.8

女性 24.7%

女性 24.7%

男性 36.9

男性 63.8

男性 31.8%

女性 15.3

女性 46.2

女性 13.7%

男性138㎜

Hg男性134㎜

Hg

女性133㎜

Hg女性129㎜

Hg

          Ⅱ度高血圧者の割合

――

―減少

男性 13.8%

男性 10%

女性 22.0%

女性 17%

男性 8.3%

男性 6.2%

女性 11.7%

女性 8.8%

メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少

1,400万人

25%減

少25%減

特定健康診査受診率

特定保健指導の受診率

糖尿

糖尿病治療継続者の割合の増加

増加

減少

890万

人1000万人

減少

ここ

ろの

健康

20%減少

20%減少

――

――

高血圧の改善    収縮期血圧の平均値

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

LDLコ

レステロール160mg/dl以上の者の割合

自殺者死亡率の低下

血糖コントロール指標におけるコントロール不良者の割合の減

少 糖尿病有病者(HBA1c6.1%以上)の増加の抑制

現   状

目   標

減少

健診等の受診率の向上

増加

脳血管疾患

虚血性心疾患(下呂市にデータは無く心疾患全体数値)

総コレステロール240mg/dl以上の者の割合

デー

タな

H25か

ら実

施減少

脳血管疾患・虚血性心疾患の年齢調整死亡率の減少

国下呂市

減少

100

資料

資料

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧

I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3

個以上の危険因子のいずれかがある)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタ

ボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク 高リスク

103

資料

次世

代の

健康

100%に

近づける

100%に

近づける

男子 61.5%

女子 35.9%

男子 62.5%

女子 52.0%

増加

増加

減少

減少

男子 10.37

男子 8.80

女子 8.13

女子 5.70

高齢

者の

健康

づく

452万

人認定率

15.6%

657万

人減少

栄養

・食

生活

20代女

性の

やせ

の者

の割

合の

減少

男性の肥満者の割合の減少(国:20~60歳

、市:30~60歳)

減少

女性の肥満者の割合の減少(国市ともに40~60歳

)減少

低栄養

傾向

(BMI20以下

)の

高齢

者の

割合

の低

食塩摂取量の減少

10.6g

――

8g

――

尿塩分測定で目安の量を超えるものの割合

――

成人 

63.9%

3歳児

 56.3%

――

減少

野菜の平均摂取量の増加

282g

成人 

170g

3歳児

  95g

350g

成人 350g

3歳児

170g

朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気を付けて食事をしてい

る子供の割合の増加(小学5年生)

運動やスポーツを習慣的にしている子供の割合の増加(小学5

年生)

出生数中の低出生体重児の減少

肥満傾向にある子供の割合の減少(小学5年

生)

目   標

国下呂市

国下呂市

下呂市

国下呂市

適正体重を維持している者の増加

現   状

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

減少

減少

介護保険サービス利用者の増加の抑制

104

資料

身体

活動

・運

男性

女性

男性

女性

飲酒

男性 15.3%

男性 65%

女性 7.5%

女性 37%

喫煙

男性 39%

女性 7%

歯と

口腔

40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少

減少

60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少

減少

3歳児でう蝕が無い者の割合の増加

岐阜県

90%以

岐阜県

80%以

12歳児の1人平均う蝕数の減少

0.9本

岐阜県

1.5本

0.7本

岐阜県

減少

過去一年間に歯科検診を受診した者の割合の増加

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

女性6,000歩

男性 36%

女性 33%

男性 58%

女性 48%

たばこを吸う人の割合の減少

生活習慣病のリスクを高める量(純アルコール量が男性40g以

上、女性20g以

上)を飲酒している者の割合の減少

男性 13.0%

女性  6.4%

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

男性9,000歩

女性8,500歩

男性7,000歩

運動習慣者の割合の増加(20~64歳

運動習慣者の割合の増加(65歳以上)

男性7,841歩

女性6,883歩

男性5,628歩

女性4,584歩

日常生活における歩数の増加(20~64歳

日常生活における歩数の増加(65歳以上)

101

資料

「健

康げ

ろ2

1(

第2

次)

」目

標一

がん

減少

男性 36.6%

女性 28.3%

男性 26.4%

女性 23.0%

男性 28.1%

女性 23.9%

子宮頸がん

女性 37.7%

乳がん

女性 39.1%

20~69歳女性

がん検診の精密検査受診率の向上

胃がん

肺がん

大腸がん

子宮頸がん

乳がん

国下呂市

国下呂市

全年齢

40~69歳男女

全年齢

40~69歳男女

胃内視鏡検査

胸部CT

内視鏡検査

HPⅤ検査、細胞診、コ

ルポ、組織検査

視触診、精密マンモグラ

フィ(2方向)、超音波

検査、細胞診、組織診

下呂市の現状(国はなし)

下呂市の目標(国はなし)

90%以

75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がん検診受診率の向上

当面

増加

胃がん

肺がん

大腸がん

現   状

目   標

103

資料

次世

代の

健康

100%に

近づける

100%に

近づける

男子 61.5%

女子 35.9%

男子 62.5%

女子 52.0%

増加

増加

減少

減少

男子 10.37

男子 8.80

女子 8.13

女子 5.70

高齢

者の

健康

づく

452万

人認定率

15.6%

657万

人減少

栄養

・食

生活

20代女

性の

やせ

の者

の割

合の

減少

男性の肥満者の割合の減少(国:20~60歳

、市:30~60歳)

減少

女性の肥満者の割合の減少(国市ともに40~60歳

)減少

低栄養

傾向

(BMI20以下

)の

高齢

者の

割合

の低

食塩摂取量の減少

10.6g

――

8g

――

尿塩分測定で目安の量を超えるものの割合

――

成人 

63.9%

3歳児

 56.3%

――

減少

野菜の平均摂取量の増加

282g

成人 

170g

3歳児

  95g

350g

成人 350g

3歳児

170g

朝・昼・夜の三食を必ず食べることに気を付けて食事をしてい

る子供の割合の増加(小学5年生)

運動やスポーツを習慣的にしている子供の割合の増加(小学5

年生)

出生数中の低出生体重児の減少

肥満傾向にある子供の割合の減少(小学5年

生)

目   標

国下呂市

国下呂市

下呂市

国下呂市

適正体重を維持している者の増加

現   状

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

減少

減少

介護保険サービス利用者の増加の抑制

104

資料

身体

活動

・運

男性

女性

男性

女性

飲酒

男性 15.3%

男性 65%

女性 7.5%

女性 37%

喫煙

男性 39%

女性 7%

歯と

口腔

40歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少

減少

60歳代における進行した歯周炎を有する者の割合の減少

減少

3歳児でう蝕が無い者の割合の増加

岐阜県

90%以

岐阜県

80%以

12歳児の1人平均う蝕数の減少

0.9本

岐阜県

1.5本

0.7本

岐阜県

減少

過去一年間に歯科検診を受診した者の割合の増加

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

女性6,000歩

男性 36%

女性 33%

男性 58%

女性 48%

たばこを吸う人の割合の減少

生活習慣病のリスクを高める量(純アルコール量が男性40g以

上、女性20g以

上)を飲酒している者の割合の減少

男性 13.0%

女性  6.4%

現   状

目   標

国下呂市

国下呂市

男性9,000歩

女性8,500歩

男性7,000歩

運動習慣者の割合の増加(20~64歳

運動習慣者の割合の増加(65歳以上)

男性7,841歩

女性6,883歩

男性5,628歩

女性4,584歩

日常生活における歩数の増加(20~64歳

日常生活における歩数の増加(65歳以上)

100

資料

資料

かつ

かつ

または

または

または

または

かつ

正常高値血圧

I度高血圧 II度高血圧 III度高血圧

≧180/

≧110mmHg

付加リスク

なし

< 90

拡張期血圧収縮期血圧分類

2009年2月更新

高血圧治療ガイドライン (日本高血圧学会)

< 80

< 85

85~89

90~99

100~109

≧ 110

160~179

≧180

≧140

至適血圧

正常血圧

正常高値血圧

I 度高血圧

II 度高血圧

III 度高血圧

(孤立性)収縮期高血圧

※リスク第二層のメタボリックシンドロームは予防的な観点から以下のように定義する。正常高値以上の血圧レベルと腹部肥満(男性85cm以上、女性90cm以上)に加え、血糖値異常(空腹時血糖110-125mg/dL、かつ/または糖尿病に至らない耐糖能異常)、あるいは脂質代謝異常のどちらかを有するもの。両者を有する場合はリスク第三層とする。他の危険因子がなく腹部肥満と脂質代謝異常があれば血圧レベル以外の危険因子は2個であり、メタボリックシンドロームとあわせて危険因子3個とは数えない。

1. 高血圧の分類

A.成人における血圧値の分類

B.(診察室)血圧に基づいた脳心血管リスクの層別化

< 120

< 130

130~139

140~159

リスク第三層

(糖尿病、CKD、臓器障害/心血管病、3

個以上の危険因子のいずれかがある)

高リスク 高リスク 高リスク 高リスク

リスク第二層

(糖尿病以外の1~2個の危険因子、メタ

ボリックシンドローム※がある)

中等リスク 中等リスク 高リスク 高リスク

リスク第一層

(危険因子がない)低リスク 中等リスク 高リスク

105

資料

下呂市健康づくり推進協議会委員名簿(敬称略)

氏 名 所  属 備  考

西 松  浩 岐阜県飛騨保健所 健康増進課長

大 塚 正 議 下呂市医師会 会長

阿 部 親 司 下呂市医師会 副会長 会長

二 ッ 谷  真 下呂市歯科医師会 会長

住  智 治 下呂市薬剤師会 会長

古 川 宏 幸 下呂市社会福祉協議会 総務地域課地域係長

中 島 武 司 下呂市民生委員児童委員協議会 委員

栃 本 幸 子 下呂市小中学校養護教諭部会 代表

田 中 政 子 下呂市小中学校栄養部会 部長

滝  康 洋 下呂市PTA連合会 会長

細 江 真 弓 下呂市PTA連合会 母親代表

小 池 由 美 萩原南保育園保護者会 会長

橋 本 弥 生 益田清風高校 養護教諭

河 村 美 雪 下呂市役所市民部市民課 課長

石 丸 忠 義 下呂市国民健康保険運営協議会 会長

渡 邉 尚 文 株式会社 ハウテック 取締役総務部長

今 井 隆 夫 下呂市商工会連絡協議会 事務局長

大 屋 哲 治 下呂市小中学校長会 会長

山 口 隆 士 下呂市連合自治会 金山地域自治会連合会長 副会長

今 井 圭 一 下呂市シニアクラブ連合会 会長

安 田 哲 也 下呂市子ども会育成協議会 会長

細 江 隆 司 NPO法人 萩原スポーツクラブ クラブマネージャー

星 屋 和 明 下呂市スポーツ推進委員 委員長

皆 越 真 佐 代 下呂市食生活改善推進員協議会 会長

小 池 永 司 馬瀬地方自然公園づくり委員会 委員長

皿 澤 賀 子 飛騨農協 益田営農センター 専任生活指導員

倉 田 三 代 子 農業を愛するおばちゃんと語らまい会 会長

西  英 樹 飛騨農協 Aコープ萩原店 店長

山 田 由 美 恵 南飛騨せせらぎ病院 精神保健福祉士

◆事務局

青 木 進 一 健康医療部 部長

中 野 泰 宏 健康医療部 健康課 課長

岡 崎 和 也 健康医療部 医療対策課 課長

野 村  穣 健康医療部 健康課 課長補佐

加 藤 直 子 健康医療部 健康課 課長補佐 管理栄養士

森 本 千 恵 健康医療部 健康課 主任主査 保健師

101

資料

「健

康げ

ろ2

1(

第2

次)

」目

標一

がん

減少

男性 36.6%

女性 28.3%

男性 26.4%

女性 23.0%

男性 28.1%

女性 23.9%

子宮頸がん

女性 37.7%

乳がん

女性 39.1%

20~69歳女性

がん検診の精密検査受診率の向上

胃がん

肺がん

大腸がん

子宮頸がん

乳がん

国下呂市

国下呂市

全年齢

40~69歳男女

全年齢

40~69歳男女

胃内視鏡検査

胸部CT

内視鏡検査

HPⅤ検査、細胞診、コ

ルポ、組織検査

視触診、精密マンモグラ

フィ(2方向)、超音波

検査、細胞診、組織診

下呂市の現状(国はなし)

下呂市の目標(国はなし)

90%以

75歳未満のがんの年齢調整死亡率の減少

がん検診受診率の向上

当面

増加

胃がん

肺がん

大腸がん

現   状

目   標