CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする...

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丸んぽつに CORPORATE PROFILE

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Page 1: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

丸んぽつに

http://www.mol.co.jp

株式会社 商船三井〒105-8688 東京都港区虎ノ門2-1-1

Printed in Japan 2019.9

印刷用紙は適切に管理された森林で生産されたことを示すFSC認証紙を使用しています。印刷インクはVOC(揮発性有機化合物)成分が少ない植物油インキを使用しています。

会 社 案 内CORPORATE PROFILE

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世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グループ

商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、多彩な輸送ニーズに応える総合輸送グループです。世界経済のさらなる発展に貢献するために。商船三井グループは地球を舞台に、強くしなやかに世界の海運をリードしていきます。

商船三井グループ企業理念顧客のニーズと時代の要請を先取りする総合輸送グループとして世界経済の発展に貢献します

社会規範と企業倫理に則った、透明性の高い経営を行ない、知的創造と効率性を徹底的に追求し企業価値を高めることを目指します

安全運航を徹底し、海洋・地球環境の保全に努めます

1 2 3本社/総代表所在地

国・地域代表所在地

: 本社/総代表所在地

: 国・地域代表所在地

: グループ会社(持分50%以上)拠点

JapanJapan

BrazilBrazil

United States of AmericaUnited States of America

SingaporeSingapore

United KingdomUnited Kingdom

South America

North / Middle Americas& the Caribbean

Japan

Mexico

Korea

Taiwan

Philippine

Australia

Hongkong

Vietnum

Indonesia

Malaysia

Thailand

Myanmar

China

Asia / Middle East / Oceania

U.A.E.

India

TurkeyEurope/ Africa

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世界の海運をリードする強くしなやかな商船三井グループ

商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、多彩な輸送ニーズに応える総合輸送グループです。世界経済のさらなる発展に貢献するために。商船三井グループは地球を舞台に、強くしなやかに世界の海運をリードしていきます。

商船三井グループ企業理念顧客のニーズと時代の要請を先取りする総合輸送グループとして世界経済の発展に貢献します

社会規範と企業倫理に則った、透明性の高い経営を行ない、知的創造と効率性を徹底的に追求し企業価値を高めることを目指します

安全運航を徹底し、海洋・地球環境の保全に努めます

1 2 3本社/総代表所在地

国・地域代表所在地

: 本社/総代表所在地

: 国・地域代表所在地

: グループ会社(持分50%以上)拠点

JapanJapan

BrazilBrazil

United States of AmericaUnited States of America

SingaporeSingapore

United KingdomUnited Kingdom

South America

North / Middle Americas& the Caribbean

Japan

Mexico

Korea

Taiwan

Philippine

Australia

Hongkong

Vietnum

Indonesia

Malaysia

Thailand

Myanmar

China

Asia / Middle East / Oceania

U.A.E.

India

TurkeyEurope/ Africa

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安 全 運 航

世界最高水準の安全運航を目指す

即戦力になりうる職員を育成するため、実際の運航船を訓練船とす

るプログラムを実施しています。専属のインストラクターがキャ

デット(職員候補生)とともに運航船に乗船し、運航実務を生で体験

できる環境下、実践的な訓練と少数教育による個別の指導を行い

ながら、当社の安全運航指針の理解とそれに基づいた行動の習得

を目指しています。

“CADET” Training(キャデット訓練プログラム)「Cadet Actual Deployment for Education with Tutorial」

フィリピンに自営商船大学を開校~施設完工、正式な開学認可取得~

Safety Management

MOLトレーニングセンター安全運航維持に必要な船員を育成するため、高機能操船シミュレータ

や荷役シミュレータなどの設備を備えた研修施設をフィリピン・インド

を始めとする世界各地で運営しています。各研修所では、総合的な判

断力やチームワークを養うブリッジ・リソース・マネジメント(BRM)訓

練をはじめとするさまざまな訓練を実施しています。

OJTインストラクター指導員としての訓練を受けたベテランの船長・機関長が船に同乗し、

船舶運航の現場でしか発見できない不安全行動を見つけ出し、その

場で改善指導を行うことにより船員への教育効果を高めています。

高機能操船シミュレータ

居室増設訓練船内の教室で聴講するキャデット

増設されたECDIS(電子海図情報表示装置)と海図机を用いた訓練

船上での訓練風景

商船三井は、安全運航徹底のため、その強化の手を緩めることはあ

りません。24時間365日、船の動静を注視する「安全運航支援セン

ター」による運航支援、世界各地の船員トレーニングセンターにおけ

る船員教育など、さまざまな取り組みを行っています。

フィリピン人船員は当社運航船乗組員の中核を担っており、さらなる活

躍が期待されます。商船三井は安全運航に対する取り組みの集大成と

して、アジア・太平洋地域で最大級の私立自営商船大学を2018年8月

にMagsaysay Maritime Corporation*と共同で設立。良質な船員

の確保・育成を図り、「世界最高水準の安全運航」の実現を目指します。

大学正門 訓練施設「Ships in Campus」の外観

*当社におけるフィリピンでのパートナー。1997年には同社と共同で船員配乗会社Magsaysay MOL Marine Inc.を設立。

すべてに最優先される安全運航支援センター

気象・海象などの外的要因をはじめとする船舶の運航に伴うさまざ

まなリスクに適切に対応するため、「安全運航支援センター」では、

24時間体制で運航船の動静を監視しています。気象情報、航行警報

あるいは保安情報などを運航船に直接提供し、各船からの支援要請

に当社の現役船長が応えることにより、安全運航を支えています。

仮想現実を利用した乗組員安全教育への取り組み乗組員安全教育の効果向上を図るため、現実では体験が難しい訓練

や経験を疑似体験できるシステムの開発・導入を目指しています。

転落防止

■安全教育の仮想現実コンテンツ

クレーン吊り荷落下

火災発生時の対策 スナップバック

商船三井は、安全運航を徹底し海洋・地球環境の保全に努めることを企業理念に掲げ、安全運航強化の手を緩めることなく、継続的改善に取り組んでいます。現場主義に根差す安全管理体制を築くため、船舶管理組織に責任と権限を移譲することで経営と現場の距離を近づける「安全運航本部体制」を構築しています。安全運航は、企業としての成長はもとより、社会からの信頼と評価を得る上でも事業の根幹をなすものです。商船三井は、安全運航強化を経営の最重要課題の一つに掲げ、優秀な船員の確保、危険予知能力の向上、そしてIT活用の高度化など、世界最高水準の安全運航を目指す取り組みを推進しています。

Safety Management4 Safety Management 5

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安 全 運 航

世界最高水準の安全運航を目指す

即戦力になりうる職員を育成するため、実際の運航船を訓練船とす

るプログラムを実施しています。専属のインストラクターがキャ

デット(職員候補生)とともに運航船に乗船し、運航実務を生で体験

できる環境下、実践的な訓練と少数教育による個別の指導を行い

ながら、当社の安全運航指針の理解とそれに基づいた行動の習得

を目指しています。

“CADET” Training(キャデット訓練プログラム)「Cadet Actual Deployment for Education with Tutorial」

フィリピンに自営商船大学を開校~施設完工、正式な開学認可取得~

Safety Management

MOLトレーニングセンター安全運航維持に必要な船員を育成するため、高機能操船シミュレータ

や荷役シミュレータなどの設備を備えた研修施設をフィリピン・インド

を始めとする世界各地で運営しています。各研修所では、総合的な判

断力やチームワークを養うブリッジ・リソース・マネジメント(BRM)訓

練をはじめとするさまざまな訓練を実施しています。

OJTインストラクター指導員としての訓練を受けたベテランの船長・機関長が船に同乗し、

船舶運航の現場でしか発見できない不安全行動を見つけ出し、その

場で改善指導を行うことにより船員への教育効果を高めています。

高機能操船シミュレータ

居室増設訓練船内の教室で聴講するキャデット

増設されたECDIS(電子海図情報表示装置)と海図机を用いた訓練

船上での訓練風景

商船三井は、安全運航徹底のため、その強化の手を緩めることはあ

りません。24時間365日、船の動静を注視する「安全運航支援セン

ター」による運航支援、世界各地の船員トレーニングセンターにおけ

る船員教育など、さまざまな取り組みを行っています。

フィリピン人船員は当社運航船乗組員の中核を担っており、さらなる活

躍が期待されます。商船三井は安全運航に対する取り組みの集大成と

して、アジア・太平洋地域で最大級の私立自営商船大学を2018年8月

にMagsaysay Maritime Corporation*と共同で設立。良質な船員

の確保・育成を図り、「世界最高水準の安全運航」の実現を目指します。

大学正門 訓練施設「Ships in Campus」の外観

*当社におけるフィリピンでのパートナー。1997年には同社と共同で船員配乗会社Magsaysay MOL Marine Inc.を設立。

すべてに最優先される安全運航支援センター

気象・海象などの外的要因をはじめとする船舶の運航に伴うさまざ

まなリスクに適切に対応するため、「安全運航支援センター」では、

24時間体制で運航船の動静を監視しています。気象情報、航行警報

あるいは保安情報などを運航船に直接提供し、各船からの支援要請

に当社の現役船長が応えることにより、安全運航を支えています。

仮想現実を利用した乗組員安全教育への取り組み乗組員安全教育の効果向上を図るため、現実では体験が難しい訓練

や経験を疑似体験できるシステムの開発・導入を目指しています。

転落防止

■安全教育の仮想現実コンテンツ

クレーン吊り荷落下

火災発生時の対策 スナップバック

商船三井は、安全運航を徹底し海洋・地球環境の保全に努めることを企業理念に掲げ、安全運航強化の手を緩めることなく、継続的改善に取り組んでいます。現場主義に根差す安全管理体制を築くため、船舶管理組織に責任と権限を移譲することで経営と現場の距離を近づける「安全運航本部体制」を構築しています。安全運航は、企業としての成長はもとより、社会からの信頼と評価を得る上でも事業の根幹をなすものです。商船三井は、安全運航強化を経営の最重要課題の一つに掲げ、優秀な船員の確保、危険予知能力の向上、そしてIT活用の高度化など、世界最高水準の安全運航を目指す取り組みを推進しています。

Safety Management4 Safety Management 5

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ウィンドチャレンジャーは、伸縮可能な硬翼帆を大型船に設置し、船舶からの温室効果ガス(GHG)排出量を大幅に削減する事を目的とした産学共同のプロジェクトです。商船三井は株式会社大島造船所とともに事業主体として取り組みを加速し、各共同開発パートナーの企業や大学とともに、高さ約60mの複合材硬翼帆を設置した第1船を、2021年度の竣工を目指して現在詳細設計を行っています。

ウィンドチャレンジャーの実現に向けて推進

自律運航に向けた要素技術の開発を進めている中で、当社は“Trouble Free Operation with AI Technologies”をスローガンに掲げています。海難事故や機械類の故障で船が運航停止するような状況に陥らないように、海技力を基盤としたAIを開発し、ヒューマンエラーやメカニカルトラブルを未然に防止することを目指しています。また、乗組員をストレスから解放、さらに適正な認知・判断・操作をサポートし、安全運航による安定輸送を実現します。その中での最優先課題として、まずは●輻輳海域や入出港時の操船をサポートする技術●機器の故障を未然に防止する技術の開発に取り組んでいきます。

自律運航船の実現に向けた取り組み

商船三井が建造発注したLNG燃料タグボート「いしん」は2019年2月末に竣工、3月から大阪湾で初のLNG燃料タグとして商船三井グループの日本栄船株式会社が運航しています。現在、船舶の多くは重油を燃料とするディーゼルエンジンを搭載していますが、LNG(液化天然ガス)を燃料とすることにより、エンジンから排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などを削減し、環境負荷を下げることができます。高性能Dual Fuelエンジンにより高速航行と優れた環境性能をともに実現し、LNG燃料タグボートとしては初めて、大阪湾および瀬戸内海を航行する大型貨物船などのエスコート業務に対応できる仕様です。本船の開発・運航を通して得られる知見を他のLNG燃料船の開発にも活かし、LNG燃料船の普及に積極的に取り組んでいきます。

関西発のLNG燃料タグボート「いしん」~大阪湾で初のLNG燃料船~

プロペラ装着型効率改善装置PBCF(Propeller Boss Cap Fins)は、すでに全世界で3,300隻を超える船舶に採用されてきましたが、商船三井、(株)三井造船昭島研究所、商船三井テクノトレード(株)は共同で、省エネ効果をさらに向上させた新型PBCFを開発しました。フィンの形状や高さなどを改良することでプロペラ推力増加とトルク軽減を図り、未搭載船と比較して5%前後の効率アップを実現し、特許も世界各国で取得しています。また、PBCFはプロペラのキャビテーション(水中で気泡が発生・消滅していく現象)を減らすことにより、水中騒音を特定の周波数域で3~6デシベル低減させる効果も確認されています。クジラをはじめとする海中噛乳類の生態への影響を軽減させる技術としてバンクーバー港(カナダ)が実施する環境プログラム「EcoAction Program」における水中騒音低減技術に選定されました。

プロペラ効率改善装置「新型PBCF」~省エネ効果のさらなる向上で、高まる環境保全ニーズに対応~

技 術 開 発Technical Development

環境保全に向けて、高度な輸送技術を追求

「FOCUS」プロジェクト“Stress Free Operation with Big Data Analysis”をスローガンに、2018年10月に『FOCUS』(Fleet Optimal Control Unified System)を、三井E&S造船(株)ならびに(株)ウェザーニューズと始動させました。商船三井は運航船約150隻から実海域における詳細な航海・機関データをリアルタイムに収集し、クラウド上のデータプラットフォームに保管の上、3社の知見を活かした船陸間の連携を一層深度化させるアプリケーションの開発を進めています。●船舶管理機能の強化膨大な本船機器データをデジタル化し、24時間365日陸上からも把握。船機長はもちろん、陸上からもリアルタイムで必要な情報を共有。陸上からの不具合の早期発見や、不具合発生時の的確かつ迅速な助言が可能となります。

●効率運航の強化実海域での本船の推進性能を高精度に把握、分析。クリック一つで最新本船パフォーマンスデータにアクセスし、ドックや船体/プロペラクリーニングの最適なタイミング判断や、省エネ装置/塗料の取捨選択を可能にします。今後も継続して、実運航データを活用した有効性のあるアプリケーションを他社と共創しながら拡充していきます。

輻輳海域での拡張現実を活用した見張りをサポートする技術※古野電気(株)・商船三井テクノトレード(株)と共同開発

入出港時の操船をサポートする技術(自動離着桟技術の開発)※協力者:(大)東京海洋大学・三井E&S造船(株)・    (株)三井造船昭島研究所

仮想岸壁

商船三井は、2009年に発表した「船舶維新プロジェクト」に次ぐ新たな技術開発プロジェクトとして、2016年に「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」を発足させました。多様化するニーズと最新技術を収集し、“高度安全運航支援技術”と“環境負荷低減技術”を軸とした技術開発を進めています。具体的な効果検証を行うことで、“安全運航”と“環境負荷低減”の技術を進化させ、営業力の強化と、企業価値の向上に繋げています。また、環境を含めた技術・ICT戦略に関わる部門横断による新たな発想での革新的な取り組みを推進すべく、2018年4月1日に技術革新本部を設置しました。

LNG燃料タグ「いしん」 LNG燃料の補給作業

●機関状態診断・故障予兆診断技術の 活用によるCBM化●運航船の音声・映像情報の陸上への 配信による洋上の見える化●最適航路選定●高度な貨物ケア●デジタルツイン技術の活用

Technical Development6 Technical Development 7

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ウィンドチャレンジャーは、伸縮可能な硬翼帆を大型船に設置し、船舶からの温室効果ガス(GHG)排出量を大幅に削減する事を目的とした産学共同のプロジェクトです。商船三井は株式会社大島造船所とともに事業主体として取り組みを加速し、各共同開発パートナーの企業や大学とともに、高さ約60mの複合材硬翼帆を設置した第1船を、2021年度の竣工を目指して現在詳細設計を行っています。

ウィンドチャレンジャーの実現に向けて推進

自律運航に向けた要素技術の開発を進めている中で、当社は“Trouble Free Operation with AI Technologies”をスローガンに掲げています。海難事故や機械類の故障で船が運航停止するような状況に陥らないように、海技力を基盤としたAIを開発し、ヒューマンエラーやメカニカルトラブルを未然に防止することを目指しています。また、乗組員をストレスから解放、さらに適正な認知・判断・操作をサポートし、安全運航による安定輸送を実現します。その中での最優先課題として、まずは●輻輳海域や入出港時の操船をサポートする技術●機器の故障を未然に防止する技術の開発に取り組んでいきます。

自律運航船の実現に向けた取り組み

商船三井が建造発注したLNG燃料タグボート「いしん」は2019年2月末に竣工、3月から大阪湾で初のLNG燃料タグとして商船三井グループの日本栄船株式会社が運航しています。現在、船舶の多くは重油を燃料とするディーゼルエンジンを搭載していますが、LNG(液化天然ガス)を燃料とすることにより、エンジンから排出される排ガス中の二酸化炭素(CO2)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)などを削減し、環境負荷を下げることができます。高性能Dual Fuelエンジンにより高速航行と優れた環境性能をともに実現し、LNG燃料タグボートとしては初めて、大阪湾および瀬戸内海を航行する大型貨物船などのエスコート業務に対応できる仕様です。本船の開発・運航を通して得られる知見を他のLNG燃料船の開発にも活かし、LNG燃料船の普及に積極的に取り組んでいきます。

関西発のLNG燃料タグボート「いしん」~大阪湾で初のLNG燃料船~

プロペラ装着型効率改善装置PBCF(Propeller Boss Cap Fins)は、すでに全世界で3,300隻を超える船舶に採用されてきましたが、商船三井、(株)三井造船昭島研究所、商船三井テクノトレード(株)は共同で、省エネ効果をさらに向上させた新型PBCFを開発しました。フィンの形状や高さなどを改良することでプロペラ推力増加とトルク軽減を図り、未搭載船と比較して5%前後の効率アップを実現し、特許も世界各国で取得しています。また、PBCFはプロペラのキャビテーション(水中で気泡が発生・消滅していく現象)を減らすことにより、水中騒音を特定の周波数域で3~6デシベル低減させる効果も確認されています。クジラをはじめとする海中噛乳類の生態への影響を軽減させる技術としてバンクーバー港(カナダ)が実施する環境プログラム「EcoAction Program」における水中騒音低減技術に選定されました。

プロペラ効率改善装置「新型PBCF」~省エネ効果のさらなる向上で、高まる環境保全ニーズに対応~

技 術 開 発Technical Development

環境保全に向けて、高度な輸送技術を追求

「FOCUS」プロジェクト“Stress Free Operation with Big Data Analysis”をスローガンに、2018年10月に『FOCUS』(Fleet Optimal Control Unified System)を、三井E&S造船(株)ならびに(株)ウェザーニューズと始動させました。商船三井は運航船約150隻から実海域における詳細な航海・機関データをリアルタイムに収集し、クラウド上のデータプラットフォームに保管の上、3社の知見を活かした船陸間の連携を一層深度化させるアプリケーションの開発を進めています。●船舶管理機能の強化膨大な本船機器データをデジタル化し、24時間365日陸上からも把握。船機長はもちろん、陸上からもリアルタイムで必要な情報を共有。陸上からの不具合の早期発見や、不具合発生時の的確かつ迅速な助言が可能となります。

●効率運航の強化実海域での本船の推進性能を高精度に把握、分析。クリック一つで最新本船パフォーマンスデータにアクセスし、ドックや船体/プロペラクリーニングの最適なタイミング判断や、省エネ装置/塗料の取捨選択を可能にします。今後も継続して、実運航データを活用した有効性のあるアプリケーションを他社と共創しながら拡充していきます。

輻輳海域での拡張現実を活用した見張りをサポートする技術※古野電気(株)・商船三井テクノトレード(株)と共同開発

入出港時の操船をサポートする技術(自動離着桟技術の開発)※協力者:(大)東京海洋大学・三井E&S造船(株)・    (株)三井造船昭島研究所

仮想岸壁

商船三井は、2009年に発表した「船舶維新プロジェクト」に次ぐ新たな技術開発プロジェクトとして、2016年に「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」を発足させました。多様化するニーズと最新技術を収集し、“高度安全運航支援技術”と“環境負荷低減技術”を軸とした技術開発を進めています。具体的な効果検証を行うことで、“安全運航”と“環境負荷低減”の技術を進化させ、営業力の強化と、企業価値の向上に繋げています。また、環境を含めた技術・ICT戦略に関わる部門横断による新たな発想での革新的な取り組みを推進すべく、2018年4月1日に技術革新本部を設置しました。

LNG燃料タグ「いしん」 LNG燃料の補給作業

●機関状態診断・故障予兆診断技術の 活用によるCBM化●運航船の音声・映像情報の陸上への 配信による洋上の見える化●最適航路選定●高度な貨物ケア●デジタルツイン技術の活用

Technical Development6 Technical Development 7

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ドライバルク船サービスDry Bulk Transport

鉄鉱石や石炭、穀物、木材チップ、セメント、肥料、塩など、多種多様な資源。その供給のほとんどを輸入に頼る日本への輸送はもとより、世界の資源輸送は経済の発展と国際分業の進展によって、ますます活発化しています。世界最大規模の船隊を擁する商船三井のドライバルク船(ばら積み船)サービスでは、貨物それぞれに異なる特性と、積み地および揚げ地の状況を考慮して設計・建造された各種専用船で、さまざまな顧客ニーズに応えた安定輸送を行っています。また、専用船のみならず、小型から大型まで汎用性に富んだ船を取り揃え、世界中のさまざまなトレードに柔軟に対応し、高品質な輸送サービスを提供しています。船舶からの排出ガス規制が国際的に強化される中、商船三井では従来の重油に比べて環境負荷の低いLNGを燃料とするドライバルク船の開発にも積極的に取り組んでいます。

世界最大規模の船隊で、世界の資源を輸送する

世界最大級の鉄鉱石船「BRASIL MARU」

Dry Bulk Transport 9Dry Bulk Transport8

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ドライバルク船サービスDry Bulk Transport

鉄鉱石や石炭、穀物、木材チップ、セメント、肥料、塩など、多種多様な資源。その供給のほとんどを輸入に頼る日本への輸送はもとより、世界の資源輸送は経済の発展と国際分業の進展によって、ますます活発化しています。世界最大規模の船隊を擁する商船三井のドライバルク船(ばら積み船)サービスでは、貨物それぞれに異なる特性と、積み地および揚げ地の状況を考慮して設計・建造された各種専用船で、さまざまな顧客ニーズに応えた安定輸送を行っています。また、専用船のみならず、小型から大型まで汎用性に富んだ船を取り揃え、世界中のさまざまなトレードに柔軟に対応し、高品質な輸送サービスを提供しています。船舶からの排出ガス規制が国際的に強化される中、商船三井では従来の重油に比べて環境負荷の低いLNGを燃料とするドライバルク船の開発にも積極的に取り組んでいます。

世界最大規模の船隊で、世界の資源を輸送する

世界最大級の鉄鉱石船「BRASIL MARU」

Dry Bulk Transport 9Dry Bulk Transport8

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Capesize100K dwt -

Panamax65-100K dwt

Handymax40-65K dwt

Handysize10-40K dwt

ドライバルク船は、輸送する貨物量や寄港する港の規模などに応じてさまざまな大きさ・船型が

あります。

ケープサイズバルカーは、鉄鉱石、石炭、穀物をはじめとしてさまざまな貨物に対応するドライ

バルク船の中で最も大きな船型で、拡張前のパナマ運河を通航せず、喜望峰(Cape of Good

Hope)経由で太平洋と大西洋を行き来することから名づけられました。中でもVLOC(Very

Large Ore Carrier)は文字通り「非常に大きな鉱石運搬船」で40万載貨重量トンを超える船も

あり、輸送ロットが大きく、比重の重い鉄鉱石を効率的に荷役できるよう設計されています。

パナマックスバルカーは、拡張前のパナマ運河を通航できる最大サイズの船型です。長さ900ft

(約274m)、幅106ft(約32m)以内で、ハンディマックスバルカーとともにメキシコ湾からアジア

向けに出荷される穀物類輸送に適した船型です。

ハンディマックスバルカー、ハンディサイズバルカーは荷役機器を装備し、設備のない港でも荷

役が可能で世界のほとんどの港に入出港できる利便性の高さから「ハンディ」という呼称がつけ

られています。穀物、マイナーメタル、鉄鋼製品などケープサイズバルカーやパナマックスバル

カーと比較して輸送ロットの小さい多種多様なドライバルク貨物を運搬します。また、木材チッ

プ船、セメント船、重量物船といった特定貨物をターゲットにした多様な専用船もあります。

さまざまなドライバルク船各航海に投入される船型は、お客様が求める輸送ロットにより決まります。

輸送ロットは輸送貨物の需要量、積み揚げ地の入港制限などで変わり、

それに合わせて最適な船型が選択されますが、貨物によって通常輸送さ

れる輸送ロットにはおおよその傾向があります。

右の表では標準的な貨物と船型の組み合わせを示しています。

ドライバルク船の船型 船型区分と主な輸送貨物

鉄鉱石 石 炭

※dwt : 載貨重量トン数(Deadweight tonnage)

主要穀物(小麦・とうもろこし・大豆)

マイナーバルク鉱物・金属・農産物・肥料・鉄鋼製品・木材チップなど

木材チップ荷役

鋼材荷役 ケープサイズバルカー 揚げ荷役 木材チップ船「CROSSANDRA」 ※各航海で表中以外の船型・貨物の組み合わせもあります。

石炭積み荷役

ハンディサイズバルカー「C.S. STAR」荷役中の木材チップ船「WATER LILY」

Dry Bulk Transport10 Dry Bulk Transport 11

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Capesize100K dwt -

Panamax65-100K dwt

Handymax40-65K dwt

Handysize10-40K dwt

ドライバルク船は、輸送する貨物量や寄港する港の規模などに応じてさまざまな大きさ・船型が

あります。

ケープサイズバルカーは、鉄鉱石、石炭、穀物をはじめとしてさまざまな貨物に対応するドライ

バルク船の中で最も大きな船型で、拡張前のパナマ運河を通航せず、喜望峰(Cape of Good

Hope)経由で太平洋と大西洋を行き来することから名づけられました。中でもVLOC(Very

Large Ore Carrier)は文字通り「非常に大きな鉱石運搬船」で40万載貨重量トンを超える船も

あり、輸送ロットが大きく、比重の重い鉄鉱石を効率的に荷役できるよう設計されています。

パナマックスバルカーは、拡張前のパナマ運河を通航できる最大サイズの船型です。長さ900ft

(約274m)、幅106ft(約32m)以内で、ハンディマックスバルカーとともにメキシコ湾からアジア

向けに出荷される穀物類輸送に適した船型です。

ハンディマックスバルカー、ハンディサイズバルカーは荷役機器を装備し、設備のない港でも荷

役が可能で世界のほとんどの港に入出港できる利便性の高さから「ハンディ」という呼称がつけ

られています。穀物、マイナーメタル、鉄鋼製品などケープサイズバルカーやパナマックスバル

カーと比較して輸送ロットの小さい多種多様なドライバルク貨物を運搬します。また、木材チッ

プ船、セメント船、重量物船といった特定貨物をターゲットにした多様な専用船もあります。

さまざまなドライバルク船各航海に投入される船型は、お客様が求める輸送ロットにより決まります。

輸送ロットは輸送貨物の需要量、積み揚げ地の入港制限などで変わり、

それに合わせて最適な船型が選択されますが、貨物によって通常輸送さ

れる輸送ロットにはおおよその傾向があります。

右の表では標準的な貨物と船型の組み合わせを示しています。

ドライバルク船の船型 船型区分と主な輸送貨物

鉄鉱石 石 炭

※dwt : 載貨重量トン数(Deadweight tonnage)

主要穀物(小麦・とうもろこし・大豆)

マイナーバルク鉱物・金属・農産物・肥料・鉄鋼製品・木材チップなど

木材チップ荷役

鋼材荷役 ケープサイズバルカー 揚げ荷役 木材チップ船「CROSSANDRA」 ※各航海で表中以外の船型・貨物の組み合わせもあります。

石炭積み荷役

ハンディサイズバルカー「C.S. STAR」荷役中の木材チップ船「WATER LILY」

Dry Bulk Transport10 Dry Bulk Transport 11

Page 12: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

エネルギー輸送サービスEnergy Transport

豊富な輸送実績で、エネルギーの安定供給に貢献

世界経済の発展に伴い、エネルギー需要は拡大しています。近年ではエネルギー源の多様化が進展していますが、エネルギー需要の大部分を支える石油や天然ガスの需要も堅調に増加しています。商船三井は、世界最大級の輸送船隊、豊富な輸送実績とノウハウで、エネルギー輸送のエキスパートとしてグローバルな活動を展開しています。高度な技術力が求められる原油やLNG(液化天然ガス)をはじめとしたエネルギー輸送において、商船三井は、船隊整備の推進と船員の教育・訓練に注力し、ハード・ソフト両面での安全運航体制をもって世界各地への安定したエネルギー供給に貢献しています。また、FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)やFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などの海洋事業にも取り組み、エネルギー輸送の豊富な実績を活かして、積極的に事業展開を図っています。

大型原油タンカー(VLCC)「KAZUSA」

Energy Transport 13Energy Transport12

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エネルギー輸送サービスEnergy Transport

豊富な輸送実績で、エネルギーの安定供給に貢献

世界経済の発展に伴い、エネルギー需要は拡大しています。近年ではエネルギー源の多様化が進展していますが、エネルギー需要の大部分を支える石油や天然ガスの需要も堅調に増加しています。商船三井は、世界最大級の輸送船隊、豊富な輸送実績とノウハウで、エネルギー輸送のエキスパートとしてグローバルな活動を展開しています。高度な技術力が求められる原油やLNG(液化天然ガス)をはじめとしたエネルギー輸送において、商船三井は、船隊整備の推進と船員の教育・訓練に注力し、ハード・ソフト両面での安全運航体制をもって世界各地への安定したエネルギー供給に貢献しています。また、FSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)やFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)などの海洋事業にも取り組み、エネルギー輸送の豊富な実績を活かして、積極的に事業展開を図っています。

大型原油タンカー(VLCC)「KAZUSA」

Energy Transport 13Energy Transport12

Page 14: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

商船三井は、VLCC(Very Large Crude Oil Carrier : 20万重量トン以上)と呼ばれる大型原油

タンカーおよびアフラマックスと呼ばれる中型原油タンカーを擁し、世界の原油の安定供給に貢

献しています。また、軽油やナフサ、ガソリンなどの石油精製品輸送を担うプロダクトタンカー、

液体化学品輸送を担うケミカルタンカーやメタノールタンカーなど、輸送貨物の特性に応じた

船隊を充実させています。

また、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出量を低減できる環境に優しい燃料として注

目されているメタノール燃料への切替が可能な機関を導入するなど最新鋭技術への対応も他

社に先駆けて進めています。

専門性の高い原油・石油製品輸送を実現するため、タンカーに特化した船舶管理会社をグルー

プ内に持つことで、タンカーの船舶管理ノウハウを集約し、顧客サービスの向上と安全かつ効率

的な輸送を徹底しています。また、自営研修施設において油送船の運航と荷役のノウハウを集

約した船員教育・訓練を実施するとともに、見習い船員の段階から実際にタンカーへ乗船させる

実践的な育成システムを整備しています。

液体貨物輸送のエキスパートとしてLNG(液化天然ガス)は、環境にやさしいクリーンなエネルギーとして、世界各国で需要が増

加しています。商船三井は、1983年にLNG輸送に参画して以来、多くのノウハウと実績を積

み重ね、LNG船の所有・管理・運航において、世界トップクラスのシェアを誇ります。さらに

2018年にはロシアのヤマルLNGプロジェクト向けに北極海航路を切り拓く邦船社で初となる

砕氷LNG船の運航を開始するなど、最先端を走る取り組みを行っています。

商船三井では、東京・ロンドン・香港・ジャカルタ・マスカット(オマーン)・アルズー(アルジェリ

ア)の世界6拠点でLNG船の船舶管理を行い、高度な輸送技術と熟練した人材で安全運航を

維持しています。

商船三井は、LPG(液化石油ガス)の輸送を担うLPGタンカーを保有・運航しており、2016年

にはLNG船、LPG船の両分野で得た豊富な経験とノウハウを活かして、インド・リライアンス社

との戦略的提携により世界初となる大型液化エタン専用船による輸送事業に参入しました。

今後も拡大が見込まれる液化ガス輸送需要に応えるべく、安全で確実な海上輸送サービスの

提供に努めていきます。

拡大するクリーンエネルギーの安定輸送をめざして

世界初の大型エタン輸送船「ETHANE CRYSTAL」

LNG船「LNG PIONEER」

プロダクトタンカー「GARNET EXPRESS」

ケミカルタンカー「GINGA OCELOT」

油送船 L N G 船メタノール燃焼が可能なメタノールタンカー「TARANAKI SUN」 LNG船「エルエヌジー ヴェスタ」

Energy Transport14 Energy Transport 15

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商船三井は、VLCC(Very Large Crude Oil Carrier : 20万重量トン以上)と呼ばれる大型原油

タンカーおよびアフラマックスと呼ばれる中型原油タンカーを擁し、世界の原油の安定供給に貢

献しています。また、軽油やナフサ、ガソリンなどの石油精製品輸送を担うプロダクトタンカー、

液体化学品輸送を担うケミカルタンカーやメタノールタンカーなど、輸送貨物の特性に応じた

船隊を充実させています。

また、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の排出量を低減できる環境に優しい燃料として注

目されているメタノール燃料への切替が可能な機関を導入するなど最新鋭技術への対応も他

社に先駆けて進めています。

専門性の高い原油・石油製品輸送を実現するため、タンカーに特化した船舶管理会社をグルー

プ内に持つことで、タンカーの船舶管理ノウハウを集約し、顧客サービスの向上と安全かつ効率

的な輸送を徹底しています。また、自営研修施設において油送船の運航と荷役のノウハウを集

約した船員教育・訓練を実施するとともに、見習い船員の段階から実際にタンカーへ乗船させる

実践的な育成システムを整備しています。

液体貨物輸送のエキスパートとしてLNG(液化天然ガス)は、環境にやさしいクリーンなエネルギーとして、世界各国で需要が増

加しています。商船三井は、1983年にLNG輸送に参画して以来、多くのノウハウと実績を積

み重ね、LNG船の所有・管理・運航において、世界トップクラスのシェアを誇ります。さらに

2018年にはロシアのヤマルLNGプロジェクト向けに北極海航路を切り拓く邦船社で初となる

砕氷LNG船の運航を開始するなど、最先端を走る取り組みを行っています。

商船三井では、東京・ロンドン・香港・ジャカルタ・マスカット(オマーン)・アルズー(アルジェリ

ア)の世界6拠点でLNG船の船舶管理を行い、高度な輸送技術と熟練した人材で安全運航を

維持しています。

商船三井は、LPG(液化石油ガス)の輸送を担うLPGタンカーを保有・運航しており、2016年

にはLNG船、LPG船の両分野で得た豊富な経験とノウハウを活かして、インド・リライアンス社

との戦略的提携により世界初となる大型液化エタン専用船による輸送事業に参入しました。

今後も拡大が見込まれる液化ガス輸送需要に応えるべく、安全で確実な海上輸送サービスの

提供に努めていきます。

拡大するクリーンエネルギーの安定輸送をめざして

世界初の大型エタン輸送船「ETHANE CRYSTAL」

LNG船「LNG PIONEER」

プロダクトタンカー「GARNET EXPRESS」

ケミカルタンカー「GINGA OCELOT」

油送船 L N G 船メタノール燃焼が可能なメタノールタンカー「TARANAKI SUN」 LNG船「エルエヌジー ヴェスタ」

Energy Transport14 Energy Transport 15

Page 16: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

北極圏には、未発見天然ガス資源の30%が存在しているとの調査レポートがあり、そのポテンシャルは非

常に大きいものですが、これまでは輸送手段がなく資源の活用には限りがありました。昨今、温暖化による

北極海での海氷の減少を背景に、砕氷船によりロシア沿岸を通りベーリング海峡に抜ける北極海航路が、新た

な輸送ルートとして国際的に注目されています。

ヤマルLNGプロジェクトへの参画

商船三井の新しい取り組み

商船三井は、再生可能エネルギーへの取り組みの第一歩として、洋上風力発電設備設置船5隻を保有、運航

する英国Seajacks International Limited社(Seajacks社)へ出資をしています。洋上風力発電設備設

置船は昇降可能な脚を持ち、脚を海底に着床させて船体を海面より上へ持ち上げることで波浪の影響を受

けないように安定させ、船に搭載する大型クレーンを使って

洋上における風力発電設備の据付作業を安全・確実に行う

事ができます。Seajacks社は保有する船の特長を活かし

て、現在欧州を中心に世界的に拡大している洋上風力発電

設備の風車タービンや基礎構造物の据付作業、海底油・ガ

ス田の洋上設備メンテナンス作業に活躍しており、今後日

本・アジアへの展開も視野に入れています。さらに、当社とし

て設置船以外の再生可能エネルギー分野への事業展開も

模索しています。

洋上風力発電設備 設置船事業~FPSO・FSRU・シャトルタンカー・サブシー支援船に次ぐ海洋事業への展開~

商船三井は世界最大の燃料供給拠点であるシンガポールで運航されるアジア最大の12,000m3型LNG燃

料供給船の建造を進めています。

2019年2月、商船三井はシンガポールの政府系エネルギー会社Pavillion Gas Pte Ltd(以下PGPL社)と

の間でLNG燃料供給船の長期傭船契約を締結しました。供給船は2021年にPGPL社に引き渡され、シンガ

ポールで2隻目となるLNG燃料供給船としてサービスを開始する予定です。また、シンガポール以外の地域

でも、2018年2月に北ヨーロッパで供給サービスを提供するTotal Marine Fuels Global Solutionsと

の間で世界最大となる18,600m3型LNG燃料供給船の長期傭船契約を締結しました。船舶燃料としての

LNGは、2020年1月に始まる船舶の硫黄酸化物

(SOx)排出規制強化に伴い、世界的に需要が増大す

ると見込まれており、今後も環境負荷低減のため、

LNG燃料供給インフラの整備やLNG燃料船の普及

に向けたプロジェクトを推進します。

LNG燃料供給船を建造~シンガポールの政府系エネルギー会社Pavilion GasとLNG燃料供給船の長期傭船契約を締結~

Seajacks社が保有、運航する世界最大級の洋上風力発電設備設置船「Seajacks Scylla」

コンテナ船にLNG燃料を供給するイメージ図

最大氷厚2.1メートルまで単独砕氷船行が可能

当社初の砕氷LNG船「VLADIMIR RUSANOV」

商船三井は、LNG船やタンカーによるエネルギー輸送分野で積み重ねた経験を活かし、今後さ

らなる成長が見込まれる事業に積極的に取り組んでいます。

船を輸送のためではなく特定の場所に浮かべて活用するFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵

積出設備)やFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)が商船三井の代表的な海洋事業です。

2010年に参入したFPSO事業では、現在ブラジル沖で7件、ガーナ沖で1件のプロジェクトに参

加しています。一方2017年に竣工したアジア船社初となるFSRUは現在トルコにて操業中で、

2020年には香港で操業予定です。また、欧州大手ガス・電力会社Uniper社とドイツ初となる

LNG洋上受入基地の事業化について共同検討を開始、インドネシアではガス焚き複合火力発電

プロジェクトにおけるFSRU建造・保有・操業に参画しており、これまで蓄積してきたLNG船・FSRU

事業の実績・経験を基に新たな海洋事業への参画に向け、積極的に取り組んでいきます。

また、2014年にはFPSOなどの洋上石油生産貯蔵積出設備から陸上の石油精製基地まで原油を

輸送するシャトルタンカー事業、2016年には海底石油・ガス田向けに海底設備の設置・保守・修

理・撤去作業を行うサブシー支援船事業、2017年には洋上風力発電設備設置船事業にそれ

ぞれ参画しています。

裾野を広げる海洋ビジネス分野で新規事業に挑戦

「FPSO CIDADE DE CARAGUATATUBA MV27」写真提供:三井海洋開発

サブシー支援船「SKANDI SANTOS」

海 洋事業2017年10月に竣工した 「MOL FSRU CHALLENGER」

ロシアの北極圏に位置するヤマル半島に分布するガス田からLNGを生産するのがヤマルLNGプロジェク

トです。冬季は零下50度にも達する厳しい環境の中、プラント建設が行われ、2017年12月にLNG生産が

開始されました。商船三井は2014年に、このプロジェクトへの参画を決定し、北極海航路を通じた世界初

の砕氷LNG船によるLNG輸送に成功しました。

15隻中3隻を保有する世界初の砕氷LNG船シリーズを安全かつ高品質に建造するため、韓国の造船所に

技術者を派遣。また、ロシア訓練施設での氷海航海訓練や、北極海航路で運航される砕氷エスコート船・重

量物運搬船における乗船訓練など、実環境下での船員トレーニングを通じ、北極海航路での運航に向けて

船舶管理体制を整えてきました。商船三井の保有船1番船は、2018年1月に韓国の造船所を出帆し、北極

海域でアイストライアル(砕氷性能確認試験)後、2018年3月にプロジェクトに投入されました。また、2番

船も2018年9月に投入されました。さらに3番船が2019年末にプロジェクトに引き渡され、北極圏からの

LNG輸送に従事する予定です。商船三井は、このプロジェクトを通じて北極海航路運航という世界最先端

のノウハウおよびリソースを蓄積し、グローバルな顧客ニーズにも的確に応えることで、今後も高品質な海

上輸送サービスの一層の充実に取り組んでいきます。

スエズ運河経由(冬季)約35日間/15ノット

ヤマルLNG

北極海航路(夏季)約15日間/15ノット

16 17Energy Transport Energy Transport

Page 17: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

北極圏には、未発見天然ガス資源の30%が存在しているとの調査レポートがあり、そのポテンシャルは非

常に大きいものですが、これまでは輸送手段がなく資源の活用には限りがありました。昨今、温暖化による

北極海での海氷の減少を背景に、砕氷船によりロシア沿岸を通りベーリング海峡に抜ける北極海航路が、新た

な輸送ルートとして国際的に注目されています。

ヤマルLNGプロジェクトへの参画

商船三井の新しい取り組み

商船三井は、再生可能エネルギーへの取り組みの第一歩として、洋上風力発電設備設置船5隻を保有、運航

する英国Seajacks International Limited社(Seajacks社)へ出資をしています。洋上風力発電設備設

置船は昇降可能な脚を持ち、脚を海底に着床させて船体を海面より上へ持ち上げることで波浪の影響を受

けないように安定させ、船に搭載する大型クレーンを使って

洋上における風力発電設備の据付作業を安全・確実に行う

事ができます。Seajacks社は保有する船の特長を活かし

て、現在欧州を中心に世界的に拡大している洋上風力発電

設備の風車タービンや基礎構造物の据付作業、海底油・ガ

ス田の洋上設備メンテナンス作業に活躍しており、今後日

本・アジアへの展開も視野に入れています。さらに、当社とし

て設置船以外の再生可能エネルギー分野への事業展開も

模索しています。

洋上風力発電設備 設置船事業~FPSO・FSRU・シャトルタンカー・サブシー支援船に次ぐ海洋事業への展開~

商船三井は世界最大の燃料供給拠点であるシンガポールで運航されるアジア最大の12,000m3型LNG燃

料供給船の建造を進めています。

2019年2月、商船三井はシンガポールの政府系エネルギー会社Pavillion Gas Pte Ltd(以下PGPL社)と

の間でLNG燃料供給船の長期傭船契約を締結しました。供給船は2021年にPGPL社に引き渡され、シンガ

ポールで2隻目となるLNG燃料供給船としてサービスを開始する予定です。また、シンガポール以外の地域

でも、2018年2月に北ヨーロッパで供給サービスを提供するTotal Marine Fuels Global Solutionsと

の間で世界最大となる18,600m3型LNG燃料供給船の長期傭船契約を締結しました。船舶燃料としての

LNGは、2020年1月に始まる船舶の硫黄酸化物

(SOx)排出規制強化に伴い、世界的に需要が増大す

ると見込まれており、今後も環境負荷低減のため、

LNG燃料供給インフラの整備やLNG燃料船の普及

に向けたプロジェクトを推進します。

LNG燃料供給船を建造~シンガポールの政府系エネルギー会社Pavilion GasとLNG燃料供給船の長期傭船契約を締結~

Seajacks社が保有、運航する世界最大級の洋上風力発電設備設置船「Seajacks Scylla」

コンテナ船にLNG燃料を供給するイメージ図

最大氷厚2.1メートルまで単独砕氷船行が可能

当社初の砕氷LNG船「VLADIMIR RUSANOV」

商船三井は、LNG船やタンカーによるエネルギー輸送分野で積み重ねた経験を活かし、今後さ

らなる成長が見込まれる事業に積極的に取り組んでいます。

船を輸送のためではなく特定の場所に浮かべて活用するFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵

積出設備)やFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)が商船三井の代表的な海洋事業です。

2010年に参入したFPSO事業では、現在ブラジル沖で7件、ガーナ沖で1件のプロジェクトに参

加しています。一方2017年に竣工したアジア船社初となるFSRUは現在トルコにて操業中で、

2020年には香港で操業予定です。また、欧州大手ガス・電力会社Uniper社とドイツ初となる

LNG洋上受入基地の事業化について共同検討を開始、インドネシアではガス焚き複合火力発電

プロジェクトにおけるFSRU建造・保有・操業に参画しており、これまで蓄積してきたLNG船・FSRU

事業の実績・経験を基に新たな海洋事業への参画に向け、積極的に取り組んでいきます。

また、2014年にはFPSOなどの洋上石油生産貯蔵積出設備から陸上の石油精製基地まで原油を

輸送するシャトルタンカー事業、2016年には海底石油・ガス田向けに海底設備の設置・保守・修

理・撤去作業を行うサブシー支援船事業、2017年には洋上風力発電設備設置船事業にそれ

ぞれ参画しています。

裾野を広げる海洋ビジネス分野で新規事業に挑戦

「FPSO CIDADE DE CARAGUATATUBA MV27」写真提供:三井海洋開発

サブシー支援船「SKANDI SANTOS」

海 洋事業2017年10月に竣工した 「MOL FSRU CHALLENGER」

ロシアの北極圏に位置するヤマル半島に分布するガス田からLNGを生産するのがヤマルLNGプロジェク

トです。冬季は零下50度にも達する厳しい環境の中、プラント建設が行われ、2017年12月にLNG生産が

開始されました。商船三井は2014年に、このプロジェクトへの参画を決定し、北極海航路を通じた世界初

の砕氷LNG船によるLNG輸送に成功しました。

15隻中3隻を保有する世界初の砕氷LNG船シリーズを安全かつ高品質に建造するため、韓国の造船所に

技術者を派遣。また、ロシア訓練施設での氷海航海訓練や、北極海航路で運航される砕氷エスコート船・重

量物運搬船における乗船訓練など、実環境下での船員トレーニングを通じ、北極海航路での運航に向けて

船舶管理体制を整えてきました。商船三井の保有船1番船は、2018年1月に韓国の造船所を出帆し、北極

海域でアイストライアル(砕氷性能確認試験)後、2018年3月にプロジェクトに投入されました。また、2番

船も2018年9月に投入されました。さらに3番船が2019年末にプロジェクトに引き渡され、北極圏からの

LNG輸送に従事する予定です。商船三井は、このプロジェクトを通じて北極海航路運航という世界最先端

のノウハウおよびリソースを蓄積し、グローバルな顧客ニーズにも的確に応えることで、今後も高品質な海

上輸送サービスの一層の充実に取り組んでいきます。

スエズ運河経由(冬季)約35日間/15ノット

ヤマルLNG

北極海航路(夏季)約15日間/15ノット

16 17Energy Transport Energy Transport

Page 18: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

製品輸送サービスProduct Transport

高度なネットワークと高品質のサービスにより、多様化する輸送ニーズに対応

新興国の経済成長や、生産拠点の海外移転をはじめとした経済のグローバル化の進展により、世界の物流量は増加しています。商船三井は、グローバルなサービスネットワークで工業製品や一般消費財、自動車などの製品輸送サービスを提供しています。自動車船輸送においては、半世紀を超える実績を持つパイオニアとして、多様化する自動車メーカーの輸送ニーズと物流パターンに的確に対応したサービスを強みとし、陸送や沿岸輸送、ターミナル運営など地域に密着した高品質で総合的なサービスを展開しています。コンテナ船サービスでは、邦船3社の事業統合によって誕生したOcean Network Express (ONE)が2018年4月にサービスを開始。世界有数の船隊規模と広範なネットワークでサービスの強化を図っています。また、海運のノウハウとグループ各社の機能を活かしてロジスティクス・サービスを提供し、多様化する物流ニーズに対応しています。

次世代型自動車船FLEXIEシリーズ1番船 「BELUGA ACE」

1918 Product Transport Product Transport

Page 19: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

製品輸送サービスProduct Transport

高度なネットワークと高品質のサービスにより、多様化する輸送ニーズに対応

新興国の経済成長や、生産拠点の海外移転をはじめとした経済のグローバル化の進展により、世界の物流量は増加しています。商船三井は、グローバルなサービスネットワークで工業製品や一般消費財、自動車などの製品輸送サービスを提供しています。自動車船輸送においては、半世紀を超える実績を持つパイオニアとして、多様化する自動車メーカーの輸送ニーズと物流パターンに的確に対応したサービスを強みとし、陸送や沿岸輸送、ターミナル運営など地域に密着した高品質で総合的なサービスを展開しています。コンテナ船サービスでは、邦船3社の事業統合によって誕生したOcean Network Express (ONE)が2018年4月にサービスを開始。世界有数の船隊規模と広範なネットワークでサービスの強化を図っています。また、海運のノウハウとグループ各社の機能を活かしてロジスティクス・サービスを提供し、多様化する物流ニーズに対応しています。

次世代型自動車船FLEXIEシリーズ1番船 「BELUGA ACE」

1918 Product Transport Product Transport

Page 20: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

1965年、日本から海外への旺盛な自動車輸出に対応し、商船三井が日本で初めて

自動車船を就航させました。以来、自動車輸送の先駆者として、グローバル化が進展

する自動車メーカーのニーズに的確に対応した、安全かつ安定的な輸送サービスを

グループ120隻の運航船船隊で展開しています。

当初、1,200台積みでサービスを開始した自動車船ですが、現在では一般の乗用車

から建設機械まで、あらゆる自走可能な貨物を対象に設計され、小型車に換算して

6,800台もの自動車を一度に輸送可能です。また、風圧抵抗の軽減や太陽光発電シス

テムの採用をはじめとした、船舶の環境負荷低減にも積極的に取り組んでいます。

商船三井が運航する自動車船は「ACE」を冠した船名で親しまれており、「ACE」とい

う名称には、環境や新技術への「先進性」探求の歴史が刻まれています。統一ブランド

「MOL ACE (MOL Auto Carrier Express)」にはこうした伝統とともに、グローバ

ル市場でのさらなる展開を目指す決意が込められており、商船三井はこのブランドの

もと、世界各地でサービスを拡充しています。

自動車輸送のパイオニアとして

MOL ACE (MOL Auto Carrier Express)

自動 車船 フェリー・内航 R O R O

長距離・大量輸送に適した輸送モードであるフェリーは、その特長を活かし、国

内の重要拠点を結び、工業原料、工業製品、食料品などの輸送に不可欠な役割

を果たしています。北は苫小牧(北海道)から南は志布志(鹿児島)まで、日本各

地を結ぶ海上ネットワークを拡充し、全国規模で展開しています。陸上輸送の負

担軽減に寄与する「モーダルシフト」の担い手として、商船三井グループのフェ

リー・内航RORO事業の重要性がますます高まっています。

国内物流の大動脈として

商船三井グループのフェリーは、年間110万人を超えるお客様にご利用いた

だいています。船内には、さまざまなタイプの客室と、レストラン・展望浴場・

展望デッキなど充実したパブリックスペースを備えています。クルーズ船のよ

うな優雅な船旅を、もっと気軽に、誰もが楽しめるよう新しく建造した4隻も加

わり、リラックスした上質な「カジュアルクルーズ」を提供しています。

気軽な船旅「カジュアルクルーズ」を提供

スイート ドッグラン

フェリー「さんふらわあ ふらの」RORO船「ぶぜん」

フェリー「フェリーおおさかⅡ」

フェリー「さんふらわあ さつま」自動車船「DUGONG ACE」

20 21Product Transport Product Transport

Page 21: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

1965年、日本から海外への旺盛な自動車輸出に対応し、商船三井が日本で初めて

自動車船を就航させました。以来、自動車輸送の先駆者として、グローバル化が進展

する自動車メーカーのニーズに的確に対応した、安全かつ安定的な輸送サービスを

グループ120隻の運航船船隊で展開しています。

当初、1,200台積みでサービスを開始した自動車船ですが、現在では一般の乗用車

から建設機械まで、あらゆる自走可能な貨物を対象に設計され、小型車に換算して

6,800台もの自動車を一度に輸送可能です。また、風圧抵抗の軽減や太陽光発電シス

テムの採用をはじめとした、船舶の環境負荷低減にも積極的に取り組んでいます。

商船三井が運航する自動車船は「ACE」を冠した船名で親しまれており、「ACE」とい

う名称には、環境や新技術への「先進性」探求の歴史が刻まれています。統一ブランド

「MOL ACE (MOL Auto Carrier Express)」にはこうした伝統とともに、グローバ

ル市場でのさらなる展開を目指す決意が込められており、商船三井はこのブランドの

もと、世界各地でサービスを拡充しています。

自動車輸送のパイオニアとして

MOL ACE (MOL Auto Carrier Express)

自動 車船 フェリー・内航 R O R O

長距離・大量輸送に適した輸送モードであるフェリーは、その特長を活かし、国

内の重要拠点を結び、工業原料、工業製品、食料品などの輸送に不可欠な役割

を果たしています。北は苫小牧(北海道)から南は志布志(鹿児島)まで、日本各

地を結ぶ海上ネットワークを拡充し、全国規模で展開しています。陸上輸送の負

担軽減に寄与する「モーダルシフト」の担い手として、商船三井グループのフェ

リー・内航RORO事業の重要性がますます高まっています。

国内物流の大動脈として

商船三井グループのフェリーは、年間110万人を超えるお客様にご利用いた

だいています。船内には、さまざまなタイプの客室と、レストラン・展望浴場・

展望デッキなど充実したパブリックスペースを備えています。クルーズ船のよ

うな優雅な船旅を、もっと気軽に、誰もが楽しめるよう新しく建造した4隻も加

わり、リラックスした上質な「カジュアルクルーズ」を提供しています。

気軽な船旅「カジュアルクルーズ」を提供

スイート ドッグラン

フェリー「さんふらわあ ふらの」RORO船「ぶぜん」

フェリー「フェリーおおさかⅡ」

フェリー「さんふらわあ さつま」自動車船「DUGONG ACE」

20 21Product Transport Product Transport

Page 22: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

ロジスティクスMOL Logistics オランダ事務所および倉庫

商船三井グループの物流事業は、世界27ヵ国、123都市、224拠点にネットワークを展開し、商船三井ロジスティクス(株)や(株)宇徳、MOL Consolidation Serviceなど、グループ各社の特色ある機能を活かして、航空および海上輸送、陸上輸送、通関、倉庫保管、検品、重量物輸送、バイヤーズコンソリデーションなど、多様な物流サービスをお客様に提供しています。近年では、グループとして東南アジアやアフリカなど、今後経済成長が期待される地域に積極的に拠点を拡げサービス強化を推進しています。2017年3月には、商船三井がマレーシア物流業界のリーディング・カンパニーであるPKT Logistics Group Sdn. Bhd.社の株式を取得し、現在35.13%の株式を保有しています。マレーシア国内の物流ネットワークの充実に加えて、当社グループの世界的ネットワークと連携し、アジア域における物流ニーズに幅広く応えています。また、商船三井ロジスティクス(株)は、新興地域へ積極的に展開しており、2017年5月のナイロビ支店開設、2018年4月のスリランカ現地法人開設、同年5月のオマーンでの新代理店契約に続き、2019年1月にはアラブ首長国連邦のドバイに駐在拠点を開設しました。さらに、2018年7月に商船三井グループの個品輸送事業の要となるNVOCC事業統括会社として「MOL Worldwide Logistics Ltd.」を設立し、NVOCC事業の拡大を図っています。今後も、総合ロジスティクス・サービス・プロバイダーとして、お客様のニーズに応え、選ばれるロジスティクス・パートナーとなることを目指します。

グループネットワークを結集した総合物流サービス

航空貨物積み込み作業

PKTの保有・運営するOne Logistics Hub

コンテナ船コンテナ船「ONE COMMITMENT」

川崎汽船、商船三井、日本郵船の定期コンテナ船事業を統合し、

2018年4月にサービスを開始したOcean Network Express

は船隊規模は153万TEU、世界6位です(2018年12月末時

点)。世界最大級の20,000TEU型船に代表される超大型コンテ

ナ船31隻を含む223隻の船隊を運航し、世界90ヵ国を超える

広範囲なネットワークを構築しています。

Ocean Network Express (ONE)

タ ーミ ナ ルTraPac ロサンゼルス ターミナル(米国)

商船三井グループは重量物・大型貨物輸送における幅広いニーズに対応するため、2015年に統一ブランド「MOL Project & Heavy Cargo」を立ち上げました。各種船型を網羅した最適輸送のみならず、バンニングや沿岸・陸上輸送、通関、据付を含めたワンストップサービスを提供しています。

重量物輸送ブランド「MOL Project & Heavy Cargo」

商船三井グループは、東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の5ヵ所におけ

るコンテナターミナルの運営をはじめ、国内各地にて自動車船その

他在来貨物船の荷役サービスを行い、総合的な港湾事業を展開し

ています。海外においても、8ヵ所(米国3ヵ所、ベトナム2ヵ所、タイ

2ヵ所、オランダ1ヵ所)でコンテナターミナルを運営。東南アジアを

中心にコンテナデポ事業にも積極的に取り組んでいます。

各施設で荷役機器の電動化あるいはハイブリッド化を進めており、

環境・安全に配慮した運営に努めています。

コンテナ輸送のバリューチェーンの要となる自営ターミナル

タン・カン・カイメップ コンテナターミナル(ベトナム)

ロッテルダムワールドゲートウェイ(オランダ) 東京国際コンテナターミナル

在来船での重量物輸送

22 23Product Transport Product Transport

Page 23: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

ロジスティクスMOL Logistics オランダ事務所および倉庫

商船三井グループの物流事業は、世界27ヵ国、123都市、224拠点にネットワークを展開し、商船三井ロジスティクス(株)や(株)宇徳、MOL Consolidation Serviceなど、グループ各社の特色ある機能を活かして、航空および海上輸送、陸上輸送、通関、倉庫保管、検品、重量物輸送、バイヤーズコンソリデーションなど、多様な物流サービスをお客様に提供しています。近年では、グループとして東南アジアやアフリカなど、今後経済成長が期待される地域に積極的に拠点を拡げサービス強化を推進しています。2017年3月には、商船三井がマレーシア物流業界のリーディング・カンパニーであるPKT Logistics Group Sdn. Bhd.社の株式を取得し、現在35.13%の株式を保有しています。マレーシア国内の物流ネットワークの充実に加えて、当社グループの世界的ネットワークと連携し、アジア域における物流ニーズに幅広く応えています。また、商船三井ロジスティクス(株)は、新興地域へ積極的に展開しており、2017年5月のナイロビ支店開設、2018年4月のスリランカ現地法人開設、同年5月のオマーンでの新代理店契約に続き、2019年1月にはアラブ首長国連邦のドバイに駐在拠点を開設しました。さらに、2018年7月に商船三井グループの個品輸送事業の要となるNVOCC事業統括会社として「MOL Worldwide Logistics Ltd.」を設立し、NVOCC事業の拡大を図っています。今後も、総合ロジスティクス・サービス・プロバイダーとして、お客様のニーズに応え、選ばれるロジスティクス・パートナーとなることを目指します。

グループネットワークを結集した総合物流サービス

航空貨物積み込み作業

PKTの保有・運営するOne Logistics Hub

コンテナ船コンテナ船「ONE COMMITMENT」

川崎汽船、商船三井、日本郵船の定期コンテナ船事業を統合し、

2018年4月にサービスを開始したOcean Network Express

は船隊規模は153万TEU、世界6位です(2018年12月末時

点)。世界最大級の20,000TEU型船に代表される超大型コンテ

ナ船31隻を含む223隻の船隊を運航し、世界90ヵ国を超える

広範囲なネットワークを構築しています。

Ocean Network Express (ONE)

タ ーミ ナ ルTraPac ロサンゼルス ターミナル(米国)

商船三井グループは重量物・大型貨物輸送における幅広いニーズに対応するため、2015年に統一ブランド「MOL Project & Heavy Cargo」を立ち上げました。各種船型を網羅した最適輸送のみならず、バンニングや沿岸・陸上輸送、通関、据付を含めたワンストップサービスを提供しています。

重量物輸送ブランド「MOL Project & Heavy Cargo」

商船三井グループは、東京・横浜・名古屋・大阪・神戸の5ヵ所におけ

るコンテナターミナルの運営をはじめ、国内各地にて自動車船その

他在来貨物船の荷役サービスを行い、総合的な港湾事業を展開し

ています。海外においても、8ヵ所(米国3ヵ所、ベトナム2ヵ所、タイ

2ヵ所、オランダ1ヵ所)でコンテナターミナルを運営。東南アジアを

中心にコンテナデポ事業にも積極的に取り組んでいます。

各施設で荷役機器の電動化あるいはハイブリッド化を進めており、

環境・安全に配慮した運営に努めています。

コンテナ輸送のバリューチェーンの要となる自営ターミナル

タン・カン・カイメップ コンテナターミナル(ベトナム)

ロッテルダムワールドゲートウェイ(オランダ) 東京国際コンテナターミナル

在来船での重量物輸送

22 23Product Transport Product Transport

Page 24: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

客船事業は、気軽にお楽しみいただけるワンナイトクルーズから、

日本列島を一周する長期のクルーズまで、日数も寄港地もテーマ

も多彩なにっぽん丸クルーズのラインアップを商船三井客船(株)

が提供しています。

海の上で過ごすゆったりとした時間、そして、旬の食材や寄港地の

特産品を取り入れた極上のお料理。そんな「美味なるくつろぎ」の

時間を創り出しているのは、一世紀以上にわたって客船サービスを

提供してきた歴史と伝統です。

商船三井は、大正期の名船「さんとす丸」や、昭和初期に優美な外観

と豪華な内装で一世を風靡した「あるぜんちな丸」、「ぶらじる丸」から

連綿と続く最高のおもてなしで、乗船されるすべてのお客様を

お迎えします。

心を込めたおもてなしで、最高の居心地を演出

タグボート事業は、タグボート(曳船)を使用して港での船舶の接離

岸作業や大型貨物船の進路警戒などを担っています。

近年、電力・ガスなどのエネルギーの需要増大に伴い、LNGを中心と

したエネルギーの原料の輸入量が増大し、これらの原料の輸入基地

の増設・新設が相次ぎ、曳船作業の要請は質量両面でその能力の向

上が求められています。

商船三井は、グループ会社を通じて、こうした顧客や環境負荷低減

のニーズに的確に応えるべく、西日本で初めてとなるLNG燃料タグ

の「いしん」をはじめとする新型タグボートを順次導入し、船隊整備を

図っています。また、機器の整備や曳船乗組員の技術向上、安全教育

にも努め、無事故・無災害で業務を遂行する態勢を整えています。

巨大船・危険物積載船を的確にエスコート

不動産事業は、東京・大阪の副都心部に24棟のオフィスビル・商業ビル・

ホテルビルをダイビル(株)が所有・賃貸しています。長年の信頼と豊富

なノウハウをベースに、さまざまなテナントニーズに応え、築後年数が経

過したビルの抜本的なリニューアル工事にも積極的に取り組むなど、常

により快適なビジネス環境を追求しています。また、2012年には初の海

外オフィスビル、サイゴン・タワー(ベトナムホーチミン市)を取得し、日本

で培ってきたビル経営のノウハウを海外においても展開しています。

商社部門は、商船三井テクノトレード(株)が船舶用の燃料油・潤滑油

の販売や各種機器、資材、部品、通信関連機材の販売をしています。

船舶のスクリューの推進効率を改善するPBCF(プロペラ・ボス・キャッ

プ・フィンズ)やバラスト水処

理装置、廃棄物減容機など

環境に配慮した商品や、ICT

を活用した安全運航を支援

する商品の販売にも注力し

ています。

「海運」から派生した多彩なビジネス・フィールド

関 連 事 業 サ ー ビ スAssociated Businesses

海運を中心とした総合力を支える、多彩な周辺事業

商船三井は、130年余りにわたり海運業を中心とした経営ノウハウを蓄積してきました。その蓄積は、曳船(タグボート)、陸運、倉庫、海事コンサルタントなどの海運業関連はもちろんのこと、旅行、ビル賃貸・不動産管理、さらには金融・財務、商事、保険、情報システム、国家石油備蓄事業支援、海図販売など、多彩なサービスメニューとして結実しています。ビジネスからビジネスを生み出していく、商船三井スピリットの結晶とも言える関連事業群です。

客船「にっぽん丸」 LNG燃料タグ「いしん」 ダイビル本館 ロビー(内観) 新ダイビル

PBCF

Associated Businesses24 Associated Businesses 25

Page 25: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

客船事業は、気軽にお楽しみいただけるワンナイトクルーズから、

日本列島を一周する長期のクルーズまで、日数も寄港地もテーマ

も多彩なにっぽん丸クルーズのラインアップを商船三井客船(株)

が提供しています。

海の上で過ごすゆったりとした時間、そして、旬の食材や寄港地の

特産品を取り入れた極上のお料理。そんな「美味なるくつろぎ」の

時間を創り出しているのは、一世紀以上にわたって客船サービスを

提供してきた歴史と伝統です。

商船三井は、大正期の名船「さんとす丸」や、昭和初期に優美な外観

と豪華な内装で一世を風靡した「あるぜんちな丸」、「ぶらじる丸」から

連綿と続く最高のおもてなしで、乗船されるすべてのお客様を

お迎えします。

心を込めたおもてなしで、最高の居心地を演出

タグボート事業は、タグボート(曳船)を使用して港での船舶の接離

岸作業や大型貨物船の進路警戒などを担っています。

近年、電力・ガスなどのエネルギーの需要増大に伴い、LNGを中心と

したエネルギーの原料の輸入量が増大し、これらの原料の輸入基地

の増設・新設が相次ぎ、曳船作業の要請は質量両面でその能力の向

上が求められています。

商船三井は、グループ会社を通じて、こうした顧客や環境負荷低減

のニーズに的確に応えるべく、西日本で初めてとなるLNG燃料タグ

の「いしん」をはじめとする新型タグボートを順次導入し、船隊整備を

図っています。また、機器の整備や曳船乗組員の技術向上、安全教育

にも努め、無事故・無災害で業務を遂行する態勢を整えています。

巨大船・危険物積載船を的確にエスコート

不動産事業は、東京・大阪の副都心部に24棟のオフィスビル・商業ビル・

ホテルビルをダイビル(株)が所有・賃貸しています。長年の信頼と豊富

なノウハウをベースに、さまざまなテナントニーズに応え、築後年数が経

過したビルの抜本的なリニューアル工事にも積極的に取り組むなど、常

により快適なビジネス環境を追求しています。また、2012年には初の海

外オフィスビル、サイゴン・タワー(ベトナムホーチミン市)を取得し、日本

で培ってきたビル経営のノウハウを海外においても展開しています。

商社部門は、商船三井テクノトレード(株)が船舶用の燃料油・潤滑油

の販売や各種機器、資材、部品、通信関連機材の販売をしています。

船舶のスクリューの推進効率を改善するPBCF(プロペラ・ボス・キャッ

プ・フィンズ)やバラスト水処

理装置、廃棄物減容機など

環境に配慮した商品や、ICT

を活用した安全運航を支援

する商品の販売にも注力し

ています。

「海運」から派生した多彩なビジネス・フィールド

関 連 事 業 サ ー ビ スAssociated Businesses

海運を中心とした総合力を支える、多彩な周辺事業

商船三井は、130年余りにわたり海運業を中心とした経営ノウハウを蓄積してきました。その蓄積は、曳船(タグボート)、陸運、倉庫、海事コンサルタントなどの海運業関連はもちろんのこと、旅行、ビル賃貸・不動産管理、さらには金融・財務、商事、保険、情報システム、国家石油備蓄事業支援、海図販売など、多彩なサービスメニューとして結実しています。ビジネスからビジネスを生み出していく、商船三井スピリットの結晶とも言える関連事業群です。

客船「にっぽん丸」 LNG燃料タグ「いしん」 ダイビル本館 ロビー(内観) 新ダイビル

PBCF

Associated Businesses24 Associated Businesses 25

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商船三井の歴史

The History of MOL26 The History of MOL 27

The History of MOL

1878●鉄製蒸気船「秀吉丸」で三池炭の海外輸送(口之津ー上海間)を開始。

1884●大阪商船設立。

●高速貨物船「畿内丸」を建造、ニューヨーク急航サービスを開始。横浜/ニューヨーク間を25日と17時間30分で走破。当時の優秀船の平均(35日)を大幅に短縮。

1930

1939●「あるぜんちな丸」および「ぶらじる丸」を建造。当時の日本造船技術の粋を集めて建造した代表的貨客船で南米航路に就航。

●三井物産は船舶部を分社化し、三井船舶を設立。

1942

●主機の操縦を船橋、機関部の監視や制御を機関室制御室から行うことを可能とした世界初の自動化船「金華山丸」竣工。52名の乗組員定員数を38名までに減らした。

1961

1964●日本の海運界は大型集約により6社になる。大阪商船と三井船舶が合併し、大阪商船三井船舶に、日東商船と大同海運がジャパンラインに、山下汽船と新日本汽船が山下新日本汽船となった。

●日本初の自動車専用船「追浜丸」を就航。

1965

●大阪商船三井船舶、ジャパンライン、山下新日本汽船は、日本/カリフォルニア航路に、フル・コンテナ船「あめりか丸」、「ジャパンエース」、「加州丸」をそれぞれ就航。

1968

1984●LNG船「泉州丸」就航。

1989●レジャークルーズ時代の幕開けを担い、日本初の本格的クルーズ外航客船「ふじ丸」就航。

●ジャパンラインと山下新日本汽船の合併により、ナビックスライン発足。

●外航客船「にっぽん丸」就航。1990

1999●大阪商船三井船舶と ナビックスラインが合併。 商船三井発足。

2 000●環 境憲章を策定。

●船員養成学校をマニラに設立。1993

●戦略的国際提携ザ・グローバル・アライアンス(TGA)による、コンテナ船サービス開始。●初のダブルハルVLCC 「ATLANTIC LIBERTY」竣工。

1995

2010●新「技術研究所」開設。

2012●ハイブリッド自 動 車 船「EMERALD ACE」竣工。

2013●“CADET”training(キャデット訓練プログラム)を開始。

2009●次世代船構想「船舶維新」プロジェクト発表。

2014●創業130周年。

2015●海外船社として初の中国建造LNGプロジェクトの第一船「PAPUA」竣工。●「MOL CHART」制定。●最新鋭の完全自動化コンテナターミナルRotterdam-World Gateway開業。●総代表を設置。

2017●世界最大のコンテナ船「MO L TRIUMPH」就航。

●Ocean Network Express(ONE)設立。●メタノール運搬船がシップ・オブ・ザ・イヤー2016「技術特別賞」を受賞。●第1回「ふね遺産」に「金華山丸のブリッジ設置機関制御コンソール」が認定。●世界最大のFSRU「MOL FSRU CHALLENGER」竣工。

2016●アジアを中心に各国代表を設置。●メタノールおよび重油の2元燃料に対応可能なエンジンを搭載したメタノール船「TARANAKI SUN」「MANCHAC SUN」、「CAJUN SUN」竣工。

●世界初の大型エタン輸送船「ETHANE CRYSTAL」竣工。●「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」発足。

2018 Part 1●次世代型自動車船FLEXIEシリーズ「BELUGA ACE」竣工。同シリーズでグッドデザイン賞2018受賞。

●ONE営業開始。●当社の砕氷型LNG船が、ロシア・ヤマル半島から北極海を東回り(ベーリング海峡経由)で、アジア向けに輸送。

2018 Part 2●ベトナム北部初の大水深ターミナルHaiphong International Container Terminal開業。●日本建造初の世界最大級20000TEU型コンテナ船「MOL TRUTH」がシップ・オブ・ザ・イヤー2017を受賞。●フィリピンに自営商船大学MOL Magsaysay Maritime Academyを開校。

●国内初個人投資家向けグリーンボンド商船三井ブルーオーシャン環境債を発行。

2001●グループ企業理念を策定。

2003●本社および当社運航船舶がISO 14001を取得。

2007●安全運航支援センターを本社内に設置。

●商船三井グループのロゴマークを制定。

●世界最大級鉄鉱石船「BRASIL MARU」竣工。

Page 27: CORPORATE PROFILE...CORPORATE PROFILE 世界の海運をリードする 強くしなやかな商船三井グループ 商船三井は、世界有数の規模を持つ船隊と、徹底した安全運航で、

商船三井の歴史

The History of MOL26 The History of MOL 27

The History of MOL

1878●鉄製蒸気船「秀吉丸」で三池炭の海外輸送(口之津ー上海間)を開始。

1884●大阪商船設立。

●高速貨物船「畿内丸」を建造、ニューヨーク急航サービスを開始。横浜/ニューヨーク間を25日と17時間30分で走破。当時の優秀船の平均(35日)を大幅に短縮。

1930

1939●「あるぜんちな丸」および「ぶらじる丸」を建造。当時の日本造船技術の粋を集めて建造した代表的貨客船で南米航路に就航。

●三井物産は船舶部を分社化し、三井船舶を設立。

1942

●主機の操縦を船橋、機関部の監視や制御を機関室制御室から行うことを可能とした世界初の自動化船「金華山丸」竣工。52名の乗組員定員数を38名までに減らした。

1961

1964●日本の海運界は大型集約により6社になる。大阪商船と三井船舶が合併し、大阪商船三井船舶に、日東商船と大同海運がジャパンラインに、山下汽船と新日本汽船が山下新日本汽船となった。

●日本初の自動車専用船「追浜丸」を就航。

1965

●大阪商船三井船舶、ジャパンライン、山下新日本汽船は、日本/カリフォルニア航路に、フル・コンテナ船「あめりか丸」、「ジャパンエース」、「加州丸」をそれぞれ就航。

1968

1984●LNG船「泉州丸」就航。

1989●レジャークルーズ時代の幕開けを担い、日本初の本格的クルーズ外航客船「ふじ丸」就航。

●ジャパンラインと山下新日本汽船の合併により、ナビックスライン発足。

●外航客船「にっぽん丸」就航。1990

1999●大阪商船三井船舶と ナビックスラインが合併。 商船三井発足。

2 000●環 境憲章を策定。

●船員養成学校をマニラに設立。1993

●戦略的国際提携ザ・グローバル・アライアンス(TGA)による、コンテナ船サービス開始。●初のダブルハルVLCC 「ATLANTIC LIBERTY」竣工。

1995

2010●新「技術研究所」開設。

2012●ハイブリッド自 動 車 船「EMERALD ACE」竣工。

2013●“CADET”training(キャデット訓練プログラム)を開始。

2009●次世代船構想「船舶維新」プロジェクト発表。

2014●創業130周年。

2015●海外船社として初の中国建造LNGプロジェクトの第一船「PAPUA」竣工。

●「MOL CHART」制定。●最新鋭の完全自動化コンテナターミナルRotterdam-World Gateway開業。

●総代表を設置。

2017●世界最大のコンテナ船「MO L TRIUMPH」就航。

●Ocean Network Express(ONE)設立。

●メタノール運搬船がシップ・オブ・ザ・イヤー2016「技術特別賞」を受賞。●第1回「ふね遺産」に「金華山丸のブリッジ設置機関制御コンソール」が認定。●世界最大のFSRU「MOL FSRU CHALLENGER」竣工。

2016●アジアを中心に各国代表を設置。●メタノールおよび重油の2元燃料に対応可能なエンジンを搭載したメタノール船「TARANAKI SUN」「MANCHAC SUN」、「CAJUN SUN」竣工。

●世界初の大型エタン輸送船「ETHANE CRYSTAL」竣工。●「船舶維新NEXT~MOL SMART SHIP PROJECT~」発足。

2018 Part 1●次世代型自動車船FLEXIEシリーズ「BELUGA ACE」竣工。同シリーズでグッドデザイン賞2018受賞。

●ONE営業開始。●当社の砕氷型LNG船が、ロシア・ヤマル半島から北極海を東回り(ベーリング海峡経由)で、アジア向けに輸送。

2018 Part 2●ベトナム北部初の大水深ターミナルHaiphong International Container Terminal開業。●日本建造初の世界最大級20000TEU型コンテナ船「MOL TRUTH」がシップ・オブ・ザ・イヤー2017を受賞。●フィリピンに自営商船大学MOL Magsaysay Maritime Academyを開校。

●国内初個人投資家向けグリーンボンド商船三井ブルーオーシャン環境債を発行。

2001●グループ企業理念を策定。

2003●本社および当社運航船舶がISO 14001を取得。

2007●安全運航支援センターを本社内に設置。●商船三井グループのロゴマークを制定。

●世界最大級鉄鉱石船「BRASIL MARU」竣工。

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丸んぽつに

http://www.mol.co.jp

株式会社 商船三井〒105-8688 東京都港区虎ノ門2-1-1

Printed in Japan 2019.9

印刷用紙は適切に管理された森林で生産されたことを示すFSC認証紙を使用しています。印刷インクはVOC(揮発性有機化合物)成分が少ない植物油インキを使用しています。

会 社 案 内CORPORATE PROFILE