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National Police Agency 情報通信局 外事情報部 (管理) (所轄) 国務大臣たる委員長及び5人の委員 (附属機関) 組織犯罪対策部 生活安全局 長官官房 総括審議官 政策評価 サイバーセキュリティ・ 情報化審議官 審議官(6) 技術審議官 参事官(6) 首席監察官 (内部部局) (指揮・監督・調整) (地方機関) 給与厚生課 国家公安委員会会務官 生活安全企画課 情報技術犯罪対策課 生活経済対策管理官 刑事企画課 捜査第一課 捜査第二課 捜査支援分析管理官 犯罪鑑識官 組織犯罪対策企画課 暴力団対策課 薬物銃器対策課 国際捜査管理官 交通企画課 交通指導課 交通規制課 運転免許課 警備企画課 国際テロリズム対策課 情報通信企画課 情報管理課 通信施設課 情報技術解析課 九州管区 四国管区 中国管区 近畿管区 中部管区 関東管区 東北管区 3 5 庁・道 監・警 生活安全部 組織犯罪対策部 警察の組織図 (管理) (所轄) 市警察部 警視庁・道府県警察学校 交   番 駐 在 所 東京都警察情報通信部 北海道警察情報通信部 103 第1部 組織紹介 02 警察機構図 [各局紹介] 04 生活安全局 06 刑事局・組織犯罪対策部 08 交通局 10 警備局・外事情報部 第2部 キャリアステップ 12 キャリアステップ例 [ステージ1] 14 警察学校の紹介 警察署の主任として [ステージ2] 15 府県警察の係長として [ステージ3] 15 警察署の課長代理として [ステージ4] 16 都道府県警察の課長として 17 警察庁の課長補佐として [ステージ5] 18 都道府県警察の部長として 20 警察庁の理事官として 21 警察庁の室長として 第3部 特 集 22 警察庁係長の1日 23 活躍する女性職員から 24 海外から 26 若手職員Q&A 27 勤務地等についての Q&A Contents 02 警察の沿革 我が国の警察は、明治7年、当時の内務省に警保寮が設置されて以来、第二次世界大戦の終了まで、中央では内務省警保局、地方では知事によっ て管理運営されてきました。戦後の昭和 22 年に警察法が制定され、23 年から国家地方警察と市町村自治体警察の二本立ての制度となりました。 その後、29 年に警察法が全面的に改正され、警察運営の単位が現在の都道府県警察に一元化されました。 国の警察機関 国の警察機関として、内閣総理大臣の所轄下にある国家公安委員会の管理の下に警察庁が置かれ、全国的な視野から治安維持の責務を担って います。「所轄」、「管理」とは、他省庁におけるような直接的な指揮監督関係との相違を意味する言葉で、その趣旨は、警察の政治的中立性を確 保することにあります。また、警察庁は各種国際会議の主催・参加やICPO(国際刑事警察機構)への幹部の派遣等、「治安先進国日本」の警 察として、各国警察との協力や、国際的な活動を積極的に行っています。 都道府県の警察組織 都道府県には、都道府県知事の所轄下にある都道府県公安委員会の管理の下に都道府県警察が置かれています。都道府県警察には、警察本部、 警察署が設置されており、さらに、警察署の下部組織たる交番、駐在所のネットワークが全国に張りめぐらされ、安全で住み良い社会づくりを 目指しています。 警察庁警察官(スペシャリスト候補) 警察庁では、国家公務員採用一般職試験(大卒程度、行政区分)の合格者から、警察行政の各専門分野(生活安全、刑事、交通、警備)にお いて実務に精通した「治安のスペシャリスト」たる人材を育成するため、スペシャリスト候補警察官を採用しています。 スペシャリスト候補警察官は、それぞれの専門分野において、警察庁では豊富な第一線での勤務経験を生かして地に足の着いた政策を立案す るとともに、都道府県警察では本部の部長、課長等の立場においてこうした政策の実現を通じて政策の改善点を確認するなど、警察庁と第一線 の双方の勤務を通じて高度の専門能力を有する「治安のスペシャリスト」として育成されていきます。 警察庁と都道府県警察の関係 都道府県警察はその管轄区域における一切の第一次的治安責任に任ぜられています。警察庁は、全国警察組織の中枢を占める中央官庁として、 国家的・調整的見地から治安責任を担い、その所掌事務について都道府県警察を指揮、監督、調整しています。

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Page 1: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

National Police A

gency

警察大学校

科学警察研究所

皇宮警察本部

情報通信局

外事情報部

警 備 局交 通 局

次 長

警 察 庁 長 官警 察 庁

(管理)

(所轄)

国務大臣たる委員長及び5人の委員

国 家 公 安 委 員 会

内 閣 総 理 大 臣

(附属機関)

組織犯罪対策部

刑 事 局生活安全局長 官 官 房

総括審議官政 策 評 価審 議 官サイバーセキュリティ・情報化審議官審議官(6)

技術審議官

参事官(6)

首席監察官

(内部部局)

(指揮・監督・調整)

(地方機関)

総 務 課人 事 課

会 計 課

給与厚生課

国 際 課国家公安委員会会務官

生活安全企画課

地 域 課

少 年 課保 安 課情報技術犯罪対策課

生活経済対策管理官

刑事企画課

捜査第一課捜査第二課

捜査支援分析管理官

犯罪鑑識官

組織犯罪対策企画課

暴力団対策課

薬物銃器対策課国際捜査管理官

交通企画課

交通指導課交通規制課

運転免許課

警備企画課

公 安 課

警 備 課

外 事 課国際テロリズム対策課

情報通信企画課

情報管理課

通信施設課

情報技術解析課

九 州 管 区警 察 局

四 国 管 区警 察 局

中 国 管 区警 察 局

近 畿 管 区警 察 局

中 部 管 区警 察 局

関 東 管 区警 察 局

東 北 管 区警 察 局

都 道 府 県 知 事

都 道 府 県 公 安 委 員 会

委 員 3 人 又 は 5 人

警 視 庁・道 府 県 警 察 本 部

警 視 総 監・警 察 本 部 長

警 察 署

警 備 部

総 務 部

警 務 部

生活安全部

地 域 部

刑 事 部

組織犯罪対策部

警察の組織図

(管理)

(所轄)

交 通 部

公 安 部

市 警 察 部

警視庁・道府県警察学校

交   番

駐 在 所東京都警察情報通信部

北海道警察情報通信部

第1部

組織紹介

03

第1部 組織紹介

     02 ▷ 警察機構図    [各局紹介]      04 ▷ 生活安全局     06 ▷ 刑事局・組織犯罪対策部     08 ▷ 交通局     10 ▷ 警備局・外事情報部

第2部 キャリアステップ

     12 ▷ キャリアステップ例     [ステージ1]     14 ▷ 警察学校の紹介        警察署の主任として     [ステージ2]     15 ▷ 府県警察の係長として     [ステージ3]     15 ▷ 警察署の課長代理として     [ステージ4]     16 ▷ 都道府県警察の課長として     17 ▷ 警察庁の課長補佐として     [ステージ5]     18 ▷ 都道府県警察の部長として     20 ▷ 警察庁の理事官として     21 ▷ 警察庁の室長として

第3部 特 集

     22 ▷ 警察庁係長の1日     23 ▷ 活躍する女性職員から     24 ▷ 海外から     26 ▷ 若手職員Q&A     27 ▷ 勤務地等についてのQ&A

C o n t e n t s

02

警察の沿革 我が国の警察は、明治7年、当時の内務省に警保寮が設置されて以来、第二次世界大戦の終了まで、中央では内務省警保局、地方では知事によって管理運営されてきました。戦後の昭和 22 年に警察法が制定され、23 年から国家地方警察と市町村自治体警察の二本立ての制度となりました。その後、29 年に警察法が全面的に改正され、警察運営の単位が現在の都道府県警察に一元化されました。

国の警察機関 国の警察機関として、内閣総理大臣の所轄下にある国家公安委員会の管理の下に警察庁が置かれ、全国的な視野から治安維持の責務を担っています。「所轄」、「管理」とは、他省庁におけるような直接的な指揮監督関係との相違を意味する言葉で、その趣旨は、警察の政治的中立性を確保することにあります。また、警察庁は各種国際会議の主催・参加やICPO(国際刑事警察機構)への幹部の派遣等、「治安先進国日本」の警察として、各国警察との協力や、国際的な活動を積極的に行っています。

都道府県の警察組織 都道府県には、都道府県知事の所轄下にある都道府県公安委員会の管理の下に都道府県警察が置かれています。都道府県警察には、警察本部、警察署が設置されており、さらに、警察署の下部組織たる交番、駐在所のネットワークが全国に張りめぐらされ、安全で住み良い社会づくりを目指しています。

警察庁警察官(スペシャリスト候補) 警察庁では、国家公務員採用一般職試験(大卒程度、行政区分)の合格者から、警察行政の各専門分野(生活安全、刑事、交通、警備)において実務に精通した「治安のスペシャリスト」たる人材を育成するため、スペシャリスト候補警察官を採用しています。 スペシャリスト候補警察官は、それぞれの専門分野において、警察庁では豊富な第一線での勤務経験を生かして地に足の着いた政策を立案するとともに、都道府県警察では本部の部長、課長等の立場においてこうした政策の実現を通じて政策の改善点を確認するなど、警察庁と第一線の双方の勤務を通じて高度の専門能力を有する「治安のスペシャリスト」として育成されていきます。

警察庁と都道府県警察の関係 都道府県警察はその管轄区域における一切の第一次的治安責任に任ぜられています。警察庁は、全国警察組織の中枢を占める中央官庁として、国家的・調整的見地から治安責任を担い、その所掌事務について都道府県警察を指揮、監督、調整しています。

Page 2: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、鉄道警察隊、遺失物の取扱い等に関する事務を行っています。

少年課 少年の非行や犯罪被害の厳しい情勢を踏まえ、少年事件の捜査体制の充実・強化、関係機関との連携確保等の少年非行防止対策に関する事務や、児童虐待対策等の少年保護対策に関する事務、児童ポルノ対策に関する事務等を行っています。

保安課 風俗営業の適正化、銃砲刀剣類・危険物の規制等の行政事務に加え、売春・人身取引関係事犯や賭博等の風俗関係事犯の取締り等に関する事務を行っています。

情報技術犯罪対策課 サイバー犯罪の取締りや抑止、国際連携、民間事業者と連携したインターネット上の違法情報・有害情報対策の推進等の安全安心なサイバー市民社会の実現に関する事務を行っています。

生活経済対策管理官 生活経済事犯(利殖勧誘事犯等の悪質商法、ヤミ金融事犯、食の安全に係る事犯、保健衛生事犯、環境事犯、知的財産権侵害事犯等)の取締り等に関する事務を行っています。

Voice生活安全企画課 地域住民の安全安心を脅かす犯罪の抑止対策、犯罪被害に遭いにくい安全安心なまちづくりの推進、ストーカー・DV対策、警備業・古物営業等の適正化等、市民生活の安全と平穏の確保、犯罪の予防に関する事務を行っています。

第1部

組織紹介

第1部

組織紹介

0504

少年課課長補佐C生活安全局ommunity Safety Bureau

国民が安全に安心して暮らせる地域社会を築く

国民生活の基礎を支える

 国民は、事件や事故の被害に遭うことなく安全に安心して暮らせることを望んでいます。安全・安心な暮らしは、国民のあらゆる活動の基礎となるものです。 生活安全局は、地域住民と協働した防犯施策、交番を拠点としたパトロール、少年の非行防止、サイバー犯罪対策、風俗環境の保持、悪質商法や環境事犯の取締り等、国民生活に幅広く対応し、国民に安全・安心な暮らしを提供すべく業務を行っています。

児童の性的搾取等に係る対策 近年、児童ポルノの製造、児童買春、いわゆるJKビジネス等の児童を性的に搾取する犯罪行為への対策が急務となっています。これらの犯罪行為は、児童の心身に有害な影響を及ぼし、その人権を著しく侵害する極めて悪質な行為であり、断じて許されるものではありません。 そこで、警察庁を始めとする関係府省庁は、児童ポルノ排除総合対策(犯罪対策閣僚会議決定)に基づき、民間事業者・団体とともに官民一丸となって、児童ポルノ事件の取締り、インターネット上の児童ポルノ画像の流通・閲覧防止対策等を

推進しており、我が国における児童ポルノ排除対策は大きく進展しています。 さらに、平成 28 年4月から、児童ポルノ対策に児童買春やいわゆるJKビジネス等への対策を含めた「児童の性的搾取等に係る対策」を政府の重要施策として位置付けて取り組んでおり、生活安全局少年課が関係府省庁の総合調整事務を行っています。 私は、現在、少年課において、児童の性的搾取等に係る犯罪情勢の分析、児童ポルノ画像の流通・閲覧防止対策の検討等を担当しており、児童が被害に遭わないようにするためにはどうすべきかを日々検討しています。

生活安全警察のスペシャリストとして

 全国各地で発生する犯罪の傾向を把握・分析し、犯罪被害を迅速に抑止するための各種施策、全国警察の活動指針等を企画・立案する。また、政府の重要施策に参画したり、法律の制定・改正にも関与する。これらは、警察庁警察官として働く魅力であると思います。 私は、都道府県警察の警察本部や警察署における勤務で得た知識や経験に加え、現場の実情や現場の警察官・警察職員の声をしっかりと受け止めることが重要であると考えて、自らの任務に当たっています。

 多くの人が抱く警察官のイメージは、交番で勤務している制服のお巡りさんではないでしょうか。交番勤務やパトカー乗務等に従事する地域警察官は、全警察官の約3分の1を占めています。地域警察官は、事件や事故の現場に急行し、助けを求める人々に最初に接することが多いため、その対応のいかんが警察に対する国民の信頼を左右すると言っても過言ではありません。 地域課では、地域警察部門の活動に関する施策の企画・立案や都道府県警察への指導等を行っています。最近では、訪日外国人が増加し、旅行中のトラブル等で警察に助けを求める外国人への対応の必要性も高まっているため、外国語対応可能職員の配置や多言語対応資料の整備を強化した交番の試行運用を行うなど、新たな課題にも取り組んでいます。 警察庁において施策の企画・立案をする上では、国民の安全・安心の確保を第一に考えますが、「どうすれば第一線の地域警察官の力を効果的・効率的に活用できるか」という視点も必要になります。より良い施策を実現するために、関係法令等に関する調査、都道府県警察の実情や要望の把握等を十分に行い、検討を重ねることが重要です。時には困難に直面することもありますが、経験豊富な上司や同僚の支えもありますし、都道府県警察での勤務を通じて得た自分自身の知識・経験・感覚を施策に生かすことができるところがスペシャリスト候補警察官の強みだと感じています。

地域課係長

~若手職員から~

Page 3: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

Voice

捜査第一課 殺人、放火等の社会に大きな不安を与える凶悪事件、ひったくりや侵入盗を始めとする窃盗事件のほか、略取誘拐・人質立てこもり事件や航空機・列車事故といった特殊事件等の捜査に関する業務を担当しています。

捜査支援分析管理官 局部の垣根を越えた犯罪関連情報を収集・分析し、広域犯罪等の全体像の解明、各都道府県警察に対する情報提供等を行っているほか、新たな制度・サービスが犯罪インフラとして悪用されることの防止・解消に取り組むなど、犯罪捜査の支援及び犯罪の情勢、手口等の総合的な分析、調査等に関する業務を担当しています。

犯罪鑑識官 法医学、化学、心理学等の知識及び技術を応用し、指掌紋、足痕跡、現場遺留物、写真、DNA型等から捜査を科学的、合理的に進めるなど、犯罪鑑識全般に関する業務を担当しています。

組織犯罪対策企画課 犯罪組織の壊滅・弱体化を図るため、暴力団、薬物密輸組織、外国人犯罪組織等に関する情報の集約・分析を行い、戦略的な組織犯罪対策の企画・立案等の業務を行っています。また、マネー・ローンダリング対策等を担う我が国の資金情報機関(FIU)として、疑わしい取引の情報を集約・分析し、結果を捜査機関に提供するなどしています。

暴力団対策課 我が国の社会経済を蝕み、市民生活の平穏に対する重大な脅威となっている暴力団の壊滅に向け、暴力団犯罪の取締りに関する業務、暴力団対策法に基づく暴力団員による不当な要求行為等の規制に関する業務、暴力団排除活動の推進に関する業務等を担当しています。

薬物銃器対策課 暴力団や外国人等の犯罪組織が深く関与している覚醒剤・麻薬等の薬物及び拳銃等の銃器に関する犯罪の取締りに関する事務を担当するほか、薬物乱用防止や違法銃器根絶のための広報啓発活動等の各種施策を総合的に推進しています。

国際捜査管理官 来日外国人組織犯罪や国境を越えて活動する国際犯罪組織に対する総合的な対策を推進するとともに、国際刑事警察機構(ICPO-INTERPOL)や外国捜査機関との連携、国外逃亡被疑者の追跡捜査等に関する事務を担当しています。

捜査第二課 政治や行政に対する国民の信頼を揺るがし、あるいは我が国の経済・市場システムを内部から蝕む、贈収賄事件や選挙違反事件、入札妨害・談合事件、金融関係犯罪のほか、特殊詐欺等の各種知能犯罪の捜査に関する業務を担当しています。

国民の財産を狙う犯罪への対策

 近年、国民の財産を狙った犯罪のうち、振り込め詐欺を始めとした特殊詐欺等による現金の被害が増加しています。警察庁では、特殊詐欺に関して集約した情報を都道府県警察に還元して戦略的な取締活動を推進してもらうとともに、都道府県警察間の合同・共同捜査を積極的に推進したり、犯行に用いられる架空・他人名義の携帯電話や預貯金口座の流通を遮断するために関係法令を駆使した取締りを推進するよう都道府県警察を指導しています。

政治、行政、経済を蝕む不正の摘発

 世の中には、政治、行政、経済等社会の諸分野において、金力、権力、知力、暴力等の様々な力を組み合わせて用いることにより、構造的な利権を創出し、違法・不当に利益を享受する者がいます。こうした者の活動は、公務の中立性・透明性を損ない、恣意的な予算執行を招くとともに、健全な経済活動を阻害するなど、国民生活に大きな悪影響を及ぼします。そこで警察庁では、これらの不正を捜査で解明することにより社会的公正の実現に寄与するため、様々な施策を策定するとともに、都道府県警察の捜査を支える活動をしています。

経験を生かした施策作り

 現在私は、捜査第二課で知能犯捜査に関する各種施策を立案したり、予算や人員を獲得する仕事をしています。都道府県警察の捜査がより効果的に行われるようにするための仕組みを作ったり、関係する他省庁と協議をしたりするのですが、そうした際には、これまで知能犯捜査部門のスペシャリストとして都道府県警察や警察庁で勤務した経験や他省庁出向により修得した知識を生かすことができます。これまで自分が歩んできた道において積み上げてきた財産が目に見える形で現れてくる仕事ですので、仕事に取り掛かるときはやる気がみなぎってきますし、一つの仕事をやり遂げたときには、自分ならではの仕事ができたと感じ、とても充実した日々を過ごしています。 国民の生命、身体、財産を守る仕事に一生をかけてみたいと思われている皆さんと一緒に仕事ができることを楽しみにしています。

第1部

組織紹介

第1部

組織紹介

0706

捜査第二課課長補佐

刑事局

組織犯罪対策部

riminal Affairs BureauC

rganized Crime DepartmentO

安心な暮らしの確保と社会的公正の実現のために

 私は現在、薬物銃器対策課において、海外の薬物・銃器取締機関との協力・連携、国際的な薬物・銃器密輸情報の交換等の業務に従事しています。我が国で乱用される薬物のほとんどは海外から多様なルート・手口で密輸されていることから、国内外の関係機関と緊密に連携して密輸入事犯を検挙することが非常に重要です。昨年、海外の薬物犯罪組織が関与した覚醒剤の大量密輸入事犯が相次いで検挙され、覚醒剤の密輸入押収量が統計を取り始めた平成 14 年以降で過去最多となりました。この背景には、覚醒剤が高額で密売される我が国の薬物マーケットを狙った、国内で覚醒剤密売に関与する暴力団と台湾人、メキシコ人等の薬物犯罪組織ネットワークの存在があります。これらの薬物犯罪組織等と闘うため、都道府県警察による実態解明や事件検挙に役立つ国際捜査を目指し、先輩方にアドバイスを頂きながら仕事に励んでいます。 このような業務を行うに当たり、過去に薬物銃器対策課で勤務した際に培った知見・着眼点のほか、都道府県警察勤務時に携わった覚醒剤密輸入事犯の捜査、外国人薬物犯罪組織に対する内偵等の実務経験が生かされています。また、香港留学での調査研究を通じて養った国際感覚も大きなアドバンテージとなっています。このように、自分の「スペシャリティ」を磨きつつ、国の治安や国民の安全・安心のために仕事をしたいという熱意のある皆さんは、ぜひ警察庁を訪問してみてください。

薬物銃器対策課係長刑事企画課 刑事警察に関する制度やその運営に関する企画及び立案、都道府県警察の捜査活動に対する指導、捜査手法や刑事関係法令に関する調査研究、日米地位協定の規定による合同委員会の連絡に関する事務等、広く捜査一般に関することを担当しています。

~若手職員から~

Page 4: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

Voice

交通指導課 道路交通の秩序維持のため、交通指導取締り、交通事故事件捜査、暴走族対策に係る企画立案等のほか、白バイ・交通パトカーの運用に係る事務を行っています。また、放置違反金制度と放置車両確認事務の民間委託を柱とする駐車対策法制の運用にも取り組んでいます。

交通規制課 信号制御や標識設置等によって交通流をコントロールし、安全かつ円滑な道路交通を支えています。また、大規模災害発生時は、速やかな災害対策が実施できるよう、緊急輸送ルートを確保する重責を担います。

運転免許課 運転免許を取得しようとする者への教習・試験、運転免許保有者等への講習等の充実により安全運転を促進し、運転免許の取消し等により危険運転者を排除することで、運転者の資質向上を図っています。

交通規制課課長補佐

新たな課題への取組

 道路交通は誰にとっても身近であり、生活に欠かせないものであることは言うまでもありません。 一方、身近であるからこそ、社会の変化や技術の進展が直ちに影響を及ぼすこととなり、安全で円滑な道路交通を実現するためには刻 と々変化する情勢に的確に対応していくことが求められます。 例えば、我が国は世界に先駆けて超高齢社会を迎えており、高齢者が加害者となる交通事故や高速道路の逆走等の危険な運転が社会問題となる中、高齢者の交通事故抑止対策は重要な課題となっています。また、新たなモビリティ、自動運転等の技術の進展に対応した制度の在り方を検討することも交通警察の重要な課題です。

G7広島外相会合とオバマ大統領広島訪問

 変化という点において、平常時と大きく異なる状況に対する取組として、国際会議や大規模イベントにおける交通対策が挙げられます。 私は、昨夏まで広島県警察の交通規制課長として、信号機等の交通インフラの更新・整備を始めとした各種業務に携わり、昨年4月のG7広島外相会合の交通対策にも取り組んできました。その内容は、各国要人の安全と行事の円滑な進行とともに、一般交通への影響を最小限に抑

えるため、移動経路の選定、経路等における交通規制の検討、期間中の車両乗入れ自粛の広報等であり、会合当日は、行事の進行状況に合わせて交通規制の開始を判断するなどの役割を担いました。 この経験を踏まえ、急遽決定されたオバマ米国大統領の広島訪問においても、県民の理解のもと、各部隊員とともに無事に交通対策を完遂することができました。

東京オリンピック・パラリンピックに向けて

 そして現在、警察庁の交通規制課において 2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における交通対策を担当しています。 大会開催時には、都心等に点在する競技会場に多数の大会関係者や要人、観客を安全・円滑に輸送することはもとより、長期にわたる開催期間を通じて、市民生活への影響を最小限に抑えることが必要になります。これらの困難な課題に対応するため、組織委員会等の関係機関・団体とともに、関係者が移動する経路やその運用、交通総量抑制対策等あらゆる対策について検討を続けています。 このように、交通警察の業務は常に新たな変化があり、幅広く、奥深いものです。皆さん、是非一緒に仕事をしてみませんか。

第1部

組織紹介

第1部

組織紹介

0908

交通企画課 交通警察に関する制度の企画及び立案、交通統計、交通安全教育及び交通安全運動、高速道路交通警察隊の管理等に係る事務を所掌しています。また、道路交通関係法令の改正作業や各種計画の策定作業等を行っています。

T交通局raffic Bureau変化する交通情勢への対応

 軽井沢スキーバスの転落事故、

スマートフォンゲームに関連する

交通事故、通学中の児童が被害者

となった交通事故、高齢運転者に

よる交通死亡事故等多くの痛まし

い事故が発生し、ニュース等で大

きく取り上げられています。特に、

続発した高齢運転者による交通事

故は記憶にも新しく、運転免許証

の自主返納制度を知るきっかけと

なり、家族で話し合ったという方

もいるかもしれません。

 警察庁では、高齢運転者対策等

を内容とする道路交通法の一部を

改正する法律案を一昨年に策定し、

その法律が本年3月に施行されま

した。

 私は現在運転免許課において、

法改正に伴い必要となる人的・財

政的資源を確保する業務等を担当

しています。施策を企画・立案す

る際には、警察庁だけでなく、実

際に制度を運用する都道府県警察

等と連携することで、真に実効性

のある施策を打ち出すことができ、

ひいては交通の安全と円滑を実現

するための大きな力となります。

 スペシャリスト候補警察官は、

第一線の現場である都道府県警察

本部や警察署で勤務する機会も多

いため、現場の悩みやニーズ等自

分自身が直接肌で感じたことを警

察庁の施策に反映することで、警

察庁と現場を繋ぐ重要な役割を

担っています。

 痛ましい交通事故を一件でもな

くし、世界一安全な道路交通を実

現するため、皆さんと共に仕事が

できる日を楽しみにしています。

運転免許課係長

~若手職員から~

Page 5: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

Voice

公安課 民主主義社会を暴力で転覆しようとする過激派、極端な国家主義的主張に基づいて行動する右翼、依然として多くの信者を抱えるオウム真理教、反グローバリズムを掲げる過激な勢力等に対する情報収集や「テロ、ゲリラ」事件等の警備犯罪の取締り等を行っています。

国際テロリズム対策課 警備警察が扱う事象のうち、外国人又はその活動の本拠が外国にある日本人によるテロ等に関するものを扱っており、イスラム過激派等による国際テロに関する情報収集・分析や国際会議への対応を行っています。

警備課 大規模な自然災害やハイジャック事件等、緊急事態発生時の警察庁における対処の中核を担うほか、機動隊の全国的な運用や、天皇・皇族や内閣総理大臣を始めとする内外要人の安全を守る警衛・警護に関する業務等を行っています。

外事課 警備警察が扱う事象のうち、主として外国人が関与するものを扱っており、例えば、北朝鮮による日本人拉致容疑事案、北朝鮮等による対日有害活動、大量破壊兵器関連物資等の不正輸出等に関する情報収集や取締り、不法入国・不法滞在者対策等を行っています。

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成功に向けて

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が約3年後に迫っています。大会の安全・安心の確保は、大会の成功に欠くことのできない重要な課題です。しかし、世界的に大きな注目を集めるイベントとして、テロ等の格好の標的となるおそれがあり、大会に直接関係する競技会場等に限らず、公共交通機関や商業施設等の不特定多数が集まるいわゆるソフトターゲットが狙われるおそれも考えられます。こうした厳しい局面において、警察では、テロ等関連情報の収集・分析、機動隊による重要施設の警戒警備等の取組のほか、警察と民間事業者や地域住民等が緊密に連携して行う官民一体の「日本型テロ対策」を進めるなど、全国警察を挙げて警備諸対策を推進していきます。

実効ある対策のために

 こうした取組の中核となるのが警察庁警備局です。私は現在、警備課において、特定の重要施設の警備に関する業務を担当しています。担当業務は、全国的な取組のほか、関係省庁と連携して推進する施策が多いことも特徴です。例えば、本年4月、国際原子力機関(IAEA)の勧告等を踏まえ、放射線障害防止法が改正されました。改正により、危険性の高い放射性同位元素(放射線を放出する物質)

を取り扱う事業者に対して、監視カメラ設置等の防護措置(テロ対策)が義務付けられます。また、その実効性を高める上で治安機関との連携が重要との観点から、防護措置の運用に関して、規制当局である原子力規制委員会に対して国家公安委員会が意見を述べることができることとなります。当該条項は、原子力規制庁との事務的協議を経て盛り込まれることとなりました。今後、下位法令等で具体的な規制内容が定められていきますが、引き続き原子力規制庁と協議しつつ、警察庁及び都道府県警察が同法の枠組みの中で実効ある対策として何ができるか検討していくこととしています。

かけがえのない経験を生かす

 こうした業務では、都道府県警察での現場経験も含めた過去の経験が大いに生きています。私の場合、特に昨年の伊勢志摩サミット警備に関連して外務省において勤務できたことは、関係省庁との連携について相手側の立場から考察できるなど、かけがえのない経験となりました。こうした経験を遺憾なく発揮し、「国民の安全を守る」という崇高な使命を果たしていくことは、私自身の誇りであり、警備警察のスペシャリストとしての大きな醍醐味だと感じています。

第1部

組織紹介

第1部

組織紹介

1110

警備企画課 警備警察に関する制度や運営に関する企画立案のほか、弾道ミサイルの発射等の緊急事態に対処するための計画の策定といった危機管理業務、近年ますますその手口が悪質巧妙化し、その脅威が増大しているサイバー攻撃への対策等を担っています。

S警備局ecurity Bureau

F外事情報部oreign Affairs and ntelligence Department

国民の安全を守るために

 警備警察では、テロや災害の脅威から国民を守るため、様々な対策を推進しています。 例えば、開催まであと3年に迫る2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会。 世界中から多数の観客や要人が集まる同大会は、国際的注目度の極めて高いイベントです。世界各地でテロが頻発する中、開催国としての治安責任を果たすためには、テロ対策の強化が喫緊の課題です。そこで、大会の安全確保に万全を期すため、テロ関連情報の収集・分析の強化、重要施設における警戒警備の徹底、ソフトターゲット対策やサイバー攻撃対策等における官民連携の強化等の諸対策を計画的かつ着実に推進しています。 また、今後発生が懸念される南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害。 いつ、どこで発生するか分からない災害の発生に備え、有事即応体制を確立するとともに、被災者の救出救助や行方不明者の捜索等の諸活動に万全を期すため、実戦的な訓練の反復実施等、災害対処能力の向上を図っています。 警察庁警備局では、「平時」は、こうしたテロ対策や災害対策の企画・立案、都道府県警察に対する指導・調整等の業務を推進しています。一方、伊勢志摩サミット等の大規模警備や熊本地震等の災害発生時等「有事」には、警察庁に対策本部を設置し、全国各地から機動隊等が現地に派遣されるなど、警察庁と全国警察が一枚岩となって事態対処に当たります。 私も警備局の一員として、2020 年東京大会の成功のため、また、テロや災害の脅威から国民を守るために働いていることに誇りと使命感を抱きながら、日々精進を重ねています。

~若手職員から~警備課課長補佐

公安課係長

Page 6: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

警察庁警察官(スペシャリスト候補)のキャリアステップ例を御紹介します。

Becoming

a Specialist

 警視庁警察署の地域課(交番)、刑事課等において勤務します。

STAGE 1 巡査部長

● 関東管区警察学校(東京都小平市)● 警視庁勤務(署地域課・刑事課等主任)

 警察庁各課において係長として勤務し、原則として警視庁本部の係長又は警察署の課長代理を経て、再び警察庁各課で係長として勤務することになります。

STAGE 3 警部

● 警察大学校(東京都府中市)● 警察庁勤務(係長)● 警視庁勤務(署課長代理等)

 警察庁各課における勤務の後、大規模府県警察の警察本部又は警察署において勤務します。

STAGE 2 警部補

● 関東管区警察学校(東京都小平市)● 警察庁勤務(係長心得)● 大規模府県警察勤務(本部・署係長)

STAGE 4 警視

● 警察庁勤務(課長補佐等)● 都道府県警察勤務(課長等)

 警察庁では理事官等、都道府県警察では部長等として、培った専門能力を発揮しながら勤務することになります。 なお、本人の能力等に応じ、更に上位の階級への昇進も予定されています。

STAGE 5 警視正

● 警察庁勤務(理事官等)● 都道府県警察勤務(部長等)

 警察庁では課長補佐等の施策の立案者として、都道府県警察では本部の課長等の施策の実現者として勤務し、警察庁と第一線の双方で専門能力を発揮する「治安のスペシャリスト」としての道を歩みます。

第2部

キャリアステップ

1312

 街角の交番での勤務が始まった時、身の引き締まる思いがしました。刑事課で窃盗事件や傷害事件の捜査に従事した際には、「犯人を必ず検挙する」という刑事の情熱を感じました。現場では緊張の続く毎日でしたが、国民が警察に求める期待を肌で感じ、「安全で平穏な暮らしを確保する」という警察の使命感を実感できた貴重な時期でした。

巡 査 部 長 暴力団対策第一課では、暴力団対策法の解釈・運用、暴力団情報の分析、暴力団を被告とする民事訴訟支援等の業務を担当しました。犯罪組織として我が国に根付いた暴力団の取締りは、全国警察が一丸となるだけでなく、官民が協力して行う必要があります。全国警察の指導・調整、業界団体への働き掛け等行政官ならではの仕事に充実した時期を過ごしました。

警   部 刑事総務課では、重大事件発生時の派遣捜査員として勤務しました。殺人事件が発生し、特別捜査本部が設置された際には、犯行現場での聞き込み捜査、通称「地取り捜査」の責任者として捜査に従事しました。事件は容易に解決しません。遺族の悲しみ、捜査指揮の難しさ、事件解決への執念を感じたこの時期、刑事警察を志したことに間違いはないと確信しました。

警 部 補

 贈収賄を始めとした知能犯罪は、一般的に潜在化の傾向が強く、また、政治公務員や企業役員が捜査対象となるため、警察捜査が外部に漏れないよう細心の注意を払うとともに、証拠となる事実を積み重ねるなど地道かつ粘り強い捜査が要求されます。第一線での捜査指揮は、緊張感と責任感を伴いますが、摘発した際の充実感、達成感を味わえた時期でした。

警   視 国際捜査管理官は、来日外国人犯罪や国際組織犯罪に対する総合的な対策、国際刑事警察機構(ICPO)や国際会議への対応、国外逃亡被疑者の追跡等国際捜査に係る事務等を所掌しています。私は理事官として全体の業務管理、庁内の調整、広報対応等のほか、外国捜査機関と意見交換を行うなどして、国際捜査全般に関する相互の理解・協力を推進しています。

警 視 正

Career Advancement

Career Advancement

▶ ▶

▶ ▶

国際捜査管理官付理事官

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STAGE 1 (巡査部長)

警察署の主任として

警察学校の紹介

警視庁小松川警察署刑事組織犯罪対策課主任

STAGE 2 (警部補)

千葉県警察本部生活経済課係長

STAGE 1 (巡査部長)

府県警察の係長として

STAGE 3 (警部)

警視庁調布警察署刑事組織犯罪対策課課長代理

警察署の課長代理として

第2部

キャリアステップ

第2部

キャリアステップ

1514

警察官としての自信と成長を スペシャリスト候補警察官として皆さんがその第一歩を踏み出す職場は、東京都小平市にある関東管区警察学校です。警察学校では、法学、捜査書類作成要領等の警察実務のほか、拳銃、柔剣道、逮捕術といった授業を受けることになります。こうした授業を通じ、警察官として勤務する上で必要となる基礎的な知識・能力を身に付けるとともに、気力・体力を養うことで、警察官としての自信に満ちあふれ、大きく成長した自分に出会えることでしょう。

同期生と築く一生の絆 警察学校では、入校前との生活の変化に戸惑いを感じることもあるかもしれません。また、学校生活は楽しいことばかりではありません。そのようなとき、互いに励まし、支え合うことのできる存在が同期生です。学校生活において数多くの苦楽を共にした同期生は、入校中はもちろん、卒業後も深い絆で結ばれ、スペシャリスト候補警察官としての人生をより有意義なものにしてくれるとともに、生涯において欠かすことのできない存在となるでしょう。

▶ 起床

▶ 7:20  朝食

▶ 第1時限目  (9:00~10:20)点検・教練※

▶ 第2時限目 (10:30~11:50)法学

▶ 11:50 昼食

▶ 第3時限目 (12:50~14:10)拳銃訓練

▶ 第4時限目 (14:20~15:40)専門実務

▶ 第5時限目 (15:50~17:10)柔剣道

▶ 課外・自主トレーニング

▶ 17:45 夕食・入浴

▶ 自習

▶ 消灯

関東管区警察学校での

出会いに育てられる日々

 私は現在、警視庁小松川警察署の刑事組織犯罪対策課盗犯捜査係で勤務しています。盗犯捜査係は、侵入盗、ひったくり、車上ねらい等の窃盗犯事件の捜査を担当しています。窃盗犯は、刑法犯認知件数の大半を占める犯罪であり、私たちの生活の中で最も身近な犯罪とも言えます。そんな中で現場の捜査員は、防犯カメラ画像の収集、犯行手口の分析、被害品処分先の特定等様々な角度から捜査を進め、犯人検挙の糸口を見い出すべ

く日々奔走しています。 ある夜、管内でバイクを利用したひったくりが連続発生し、その後も夜間自転車で帰宅中の女性を狙った同様の犯行が相次ぎました。狭い地域での犯行が続き、住民の不安も高まっていました。私たちは、犯行状況から犯人は犯行場所付近に生活拠点を置くものだと分析し、地域警察官と連携しながら、犯行に使われたバイクの捜索等、昼夜を問わず地道な捜査を重ねました。その結果、付近に居住する犯人を割り出し、裏付け捜査を重ねて検挙しました。犯人と対峙したときに感じた興奮、被害者に検挙を伝えた際の感

謝の言葉、これらが私のこれからの警察人生を支えてくれる柱となるでしょう。 第一線の現場には、警察の助けを求める被害者の声が多く届きます。また、犯人検挙に熱意を燃やす捜査員がたくさんいます。そんな刺激的な場所でたくさんの人と出会いながら、スペシャリスト候補警察官としての礎を今しっかりと形成しています。

「One for all,all for one」

 警察庁の主な業務には、警察業務に関する施策の立案がありますが、第一線の現場のことを何も知らずに立案できるでしょうか。もちろん、答えは「ノー」です。 私は今、1年間の大規模府県警察署勤務を経て、千葉県警察本部生活安全部生活経済課で、悪質商法に係る事件を捜査しています。訪問販売にからみ、高齢者を含め悪質商法の被害に遭う人は後を絶ちません。違法に利益を得ているグループを摘発するため、

警視庁勤務や警察庁勤務で得た経験や知識等を生かし、第一線での捜査に奮闘している毎日です。 現場では、捜査員一人一人が、犯人検挙のために日夜邁進しています。 その捜査員が捜査を行いやすいように、また、適正に業務を推進できるように調整し、施策を立案するのが警察庁の役割です。 どのような施策が今現場に必要なのか。どのように施策を周知させるべきか。足かせになっている施策はないか。自分が捜査員として肌で感じ、それを警察庁勤務でダイレクトに反映することができるの

が、スペシャリスト候補警察官の利点であり、醍醐味です。 スペシャリスト候補警察官はすべての捜査員のために、すべての捜査員は犯人検挙のために。 現場の捜査員とそれを支える警察行政官という二足のわらじを履き、国民の安全・安心の確保という一つの目標を目指す仲間を心からお待ちしています。

「第一線の現場のため」ひいては「国民のため」に

 「代理、怪しい男たちが出入りしているマンションがあるんですが。」当直勤務を終えた地域課員からの一言。3か月後、某マンションの前には数十人の捜査員の姿。その中で捜査指揮官として前線に立つ。合図と同時に突入開始。室内に響く男たちの怒号…。全国を舞台に有料サイトを騙って架空請求を繰り返していた特殊詐欺のアジトを摘発した瞬間でした。 私は現在、警視庁調布警察

署の刑事組織犯罪対策課で、詐欺、横領、偽造等の知能犯事件を担当する課長代理として勤務しています。課長代理の主な業務は捜査指揮・業務管理であり、事件を的確に把握して捜査方針を決定するほか、各捜査員の能力が最大限発揮されるよう勤務配置をするなど、日々奮闘しています。 時には難しい判断を迫られることもあり、それらを判断する能力は一朝一夕で身に付くものではありません。しかし、スペシャリスト候補警察官には、各専門分野において実務に精通した捜査幹部を育成するための勤務体系が確立されており、各階級で現場と

警察庁相互の勤務を経験して必要な能力を身に付けることができます。また、自ら立案した政策に現場で触れ、実効性、効率性等を検証するなどし、専門分野を極めていくことができます。 警察庁が立案する施策は、「第一線の現場のため」ひいては「国民のため」のものです。その中で誰にも負けない分野を持って活躍できるのは我々の誇りです。警察庁であなたにしかできない仕事をしてみませんか。

ある一日

※警察官としての職務遂行に必要な姿勢や態度、服装等を検査し、厳正な規律を養うとともに、部隊行動の訓練を行います。

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都道府県警察の課長として

前岐阜県警察本部警備第一課長

(現警察庁外事課課長補佐)

STAGE 4 (警視)

大義と信念

警察庁の課長補佐として

国際課課長補佐

STAGE 4 (警視)

「日本警察」と

「世界」を

つなぐ

第2部

キャリアステップ

第2部

キャリアステップ

1716

「国益を守る」という大義 戦後、我が国は幾度かの景気の波を経験し、また未曾有の事件に直面しましたが、社会の安寧は保たれてきました。ややもすれば、「国益」という言葉を日々の生活の中で深く意識する機会はそれほど多くはないのかもしれません。しかし昨今、その安寧を脅かす対日有害活動は活発化しており、我が国を取り巻く国際テロ情勢はますます厳しさを増しています。私は入庁以来、特に国際テロ対策の分野で、国内外の関係機関との連携強化、情報収集とその分析に携わり、「国益を守る」ということはすなわち「人々の平穏な日常を守り抜く」ことであるということを強く意識するようになりました。そして、世界各国の治安の専門家と意見をぶつけ合うことで、世の安寧を願う気持ちに国境はないということを確認し、また専門家である自分自身が今も成長し続けていることを感じてきました。

人生の岐路に立つ皆さんへ 警察官になるまでに私が歩んだ道のりは、決して平坦なものではありませんでした。挫折し、進むべき道を見失ったときもありました。しかし、スペシャリスト候補警察官として採用された私は、再び信念を胸に、専門家としての責任を自覚し、充実した毎日を送っています。包容力のある職場で仕事をしながら回り道をした過去を振り返ってみると、その全てに意味があったのだと感じています。今、皆さんは人生の岐路に立っています。悩み、考え抜くことは、将来、必ず皆さんの糧となります。皆さんと職場で出会うとき、「私自身も更に成長していなければ」と気持ちを引き締めています。

国際的な犯罪との対峙 国際課は、我が国治安への脅威を踏まえ、選択と集中により相手国や協力方策を検討し、国際連携・協力を推進しています。例えば、国際組織犯罪対策や国際テロ対策等の分野では、東南アジア諸国連合(ASEAN)やG7 各 国との多国間会議の枠組み(マルチ)に参画するとともに、日本と関係の深い国の治安機関と二国間の協議(バイ)を行うなど、国際的な連携の強化を図っています。 マルチ、バイいずれの場においても、他国の治安機関や国際機関といかにして連携を図っていくかが重要な課題です。国際会議に向けた準備段階では、日本警察としてどのような対策を打ち出していくかについて、庁内各局の意見を取りまとめ、対処方針を検討していきます。そして、会議の場では、日本警察の代表団として、日本の犯罪対策への理解と協力を呼び掛け、積極的に議論に参加していきます。

国際協力の展開と志 日本警察の有する警察運営、交番制度、犯罪鑑識等の技術やノウハウに対しては、諸外国から高い関心が寄せられています。そこで、日本警察の知見や特質を生かし、ODA事業を中心に職員の海外派遣や研修員の受入れを行い、外国の治安機関に対する支援を行っています。 「国民の期待に応えるため、日本警察がどのように取り組んでいるか。」こうした点が伝わるように支援内容を企画・実行すると、外国の治安機関の方々から「日本の警察活動の中から、自国でも実施が可能なことを取り入れていきたい。」といった反響があるなど、警察制度の発展や治安の向上を図るという志を共にしています。

キャリアパスと出会いが続く 警察庁と都道府県警察の双方での勤務で培った知見は、国際連携・協力の場においても生かされていると感じています。これからのキャリアパスにおいても、志を共にする日本警察の仲間、そして外国治安機関のカウンターパートとの出会いが待っています。

課長として 私は、岐阜県警察本部の警備第一課長として、県内で起こる様々な警備事象や警衛警備、警備犯罪捜査等の指揮に携わりました。警察庁勤務等で身に付けたテロ情勢やテロ対策に関する知識は、テロの未然防止を目的とした県内初の官民連携ネットワークを設立した際に生かすことができました。また、機会を見つけては、現場の捜査員一人一人の苦労話に耳を傾け、「警察の大義とは何か」ということを課長の立場で語り続けています。警察は強い組織であるべきであり、強い組織とは、全ての者が実現したい大義を共有し、同じ方向を向いて仕事ができる組織です。県警察のある上司からは「警察全体が同じ体温で仕事をしなければならない」と言われました。スペシャリスト候補警察官に求められているものは、この「警察全体の体温の均一化」に貢献すること、つまり、警察庁と現場の双方を渡り歩き、全ての者が同じ方向を向いて仕事をしているかどうかを目で見、耳で聞き、肌で感じ、検証し続けていくことである、私はそう思うのです。

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都道府県警察の部長として

長崎県警察本部警務部長

STAGE 5 (警視正) STAGE 5 (警視正)

現場感覚を

起点として

都道府県警察の部長として

京都府警察本部刑事部長

捜査のプロ

フェッショナル

集団と共に

第2部

キャリアステップ

第2部

キャリアステップ

1918

日本の最西端にて 国境、安全保障そして治安維持。 海峡の向こうに韓国・釡山市の街並みを望む対馬の高台にたたずむと、治安を担う者として一層身の引き締まる思いに駆られます。 現在、私が勤務する長崎県警察は、職員数 3,540人であり、治安対策上、日本一の数を有する離島には5つの警察署、48の駐在所等を配置するなどの特徴があります。

警務部長とは 警務部長は、いわゆるヒト、カネ、モノそして情報といった組織基盤の充実強化を担う 10 の課が置かれている警務部の責任者として、また本部長のよき補佐役として県警察ナンバー2の役割が期待されています。 着任以来、警察力が的確に発揮できるよう、プロフェッショナルたちと議論し調整を図りつつ、女性警察官の登用拡大を盛り込んだ約 1,200 人の人事異動の実施、新年度における約 400 億円の予算確保、離島に不可欠な警備艇等の装備資機材の整備、そして一大プロジェクトである新しい警

察本部庁舎の建設・移転等に取り組んでいるところです。 他方、働き方改革といった今日的なテーマについて、実効性のある施策をいかにして組織に落とし込んでいくのか、警務部長として考える課題は尽きません。

顧みて 警務部長の仕事は、やりがいのある一方で難しい場面もありますが、これまでに歩んできた多層なステップと多様なフィールドが、専門性を深掘りしつつ、リーダーシップや調整力等のスキルを磨くことにつながり、現在の業務遂行に生かされていると実感しています。特に都道府県警察の捜査第二課長として、数百人規模の選挙違反事件を捜査指揮したこと、警察庁国際捜査管理官において、国外逃亡被疑者の追跡等について外国捜査機関と緊密に連携して対処したこと、そしてテロ情勢が緊迫するペルシャ湾岸の在外公館での勤務は、いずれも一皮むけた経験として大きな糧となっています。 「純粋に公に尽くせる行政分野」との思いで警察庁を志望

してから 20 数年。毎年発行される警察白書の特集テーマからも治安情勢の大きな変化は明確ですが、私はスペシャリスト候補警察官のスペシャリティとは、現場感覚を持った変革者としての役割にあると考えます。 個別の経験ではなく豊かな現場感覚を起点として「あるべき姿」を求め、ゼロベースで考え尽くすことを自らに言い聞かせつつ、平和を希求するこの長崎の地において、時代の要請に応えるべく日々奮闘しています。

刑事部長として 私が現在勤務する刑事部は、刑事企画課、捜査第一課、捜査第二課、捜査第三課、組織犯罪対策第一課、組織犯罪対策第二課、組織犯罪対策第三課、機動捜査隊、鑑識課、科学捜査研究所の 10 所属で構成され、私は、各課長やその率いる捜査等のプロと共に、日々発生する犯罪の捜査や暴力団の取締りの指揮等、多忙かつ充実した日々を過ごしています。 大所帯で、かつ役割が多様である刑事部をまとめ、その機能を最大限に発揮させるため、私は「有事斬然」という方針で刑事部を運営しています。その大意は「一度事が起これば束ねた物を斬るように一気に対処する」ということですが、それを確実に行うためには、各ポストにおいて、組織、制度、訓練、情報収集・伝達面等で十分な準備ができていなければなりません。その準備を含め、日常的に刑事としての対処能力を高めるよう努めています。また、捜査第一課等の事件主管課と鑑識課等の捜査支援部門との連携を強化するとともに、客観的証拠収集強化のため、本年3月から刑事企画課に「捜査支援分析センター」を設置しました。

 大規模事件の捜査指揮のほか、このように将来を見据え、刑事部の能力を最高度に発揮する仕組みを構築することも、刑事部長にしかできないやりがいのある仕事だと感じています。

素晴らしい人たちとの出会い 私は、就職活動の際に出会った警察庁の採用担当者から「人生をかけても悔いのない仕事である」と自信ある説明を受け、入庁しました。私自身、これまで各ポストにおいて全力を尽くそうと努めてきましたが、警察庁や都道府県警察で巡り会った上司、同僚、部下は、いずれも素晴らしい方ばかりでした。特に上司からは、論理的思考方法、根拠確認の重要性、計画的業務の進め方、人との折衝の在り方等、本当に多くのことを教わりましたし、同僚や部下からは、縦割りや上下関係にとらわれない人間関係やチームを信じることの重要性を教わりました。これらの経験がどんなに私を成長させ、また今仕事をする上でどんなに役立っているか説明が尽くせないほどです。

今後の抱負 今後も様々な業務を担当すると思いますが、刑事部長としての経験をも生かし、これまでと同様に与えられたポストで全力を尽くし、微力ながら治安の維持に貢献していきたいと考えています。

志望者の皆さんへのメッセージ この仕事は「人生をかけても悔いのない仕事」と思います。どうか一度、採用担当者と接して私と同じことを感じてみてください。一緒に働けることを楽しみにしています。

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警察庁の理事官として

生活経済対策管理官付理事官

STAGE 5 (警視正) STAGE 5 (警視正)

国民生活の

安全を

守るために

警察庁の室長として

高速道路の

安全と

円滑を担う

交通企画課高速道路管理室長

第2部

キャリアステップ

第2部

キャリアステップ

2120

生活経済対策管理官とは 私は現在、生活安全局生活経済対策管理官付の理事官として勤務しています。 「管理官」というと刑事ドラマに出てくる警視庁刑事部捜査第一課の管理官が思い浮かびますが、警察庁では、各局部の所属として、一般的な「○○課」のほか、比較的新しく設置されたものには「○○管理官」という名称が付けられています(ちなみに、所属長の名称も「○○管理官」となっています。)。 私が所属する生活経済対策管理官は、産業廃棄物の不法投棄等の環境関係事犯、偽造医薬品の販売等の保健衛生関係事犯、偽ブランド品の販売等の知的財産権関係事犯、悪質商法、ヤミ金融等の経済関係事犯の取締りのほか、他の所属が所掌しない法令違反の取締りに関することを所掌しています。これらの中には、最近話題になることが多いドローンに係る航空法違反事件のほか、食の安全に係る事犯や営業秘密侵害事犯といったものも含まれています。生活経済対策管理官が設置された平成 21 年は、消費者庁が設置されるなど、政府全体として国民生活を守るための取組が強化された年でもあります。

理事官としての仕事 「理事官」というのは所属長に次ぐ立場で置かれる役職であり、その所属が所掌する事務について所属長を補佐し、関係する事務を総括整理する役割を担っています。生活経済対策管理官では、前記のとおり様々な事犯の取締りを所掌していることから、これらの事犯について、都道府県警察での捜査等が円滑に進められるよう指導・調整したり、それぞれの法律を所管する省庁と調整したりする事務を行っています。私は、理事官として、これらの事務が円滑に進められるよう、例えば、高齢者が被害に遭うことが多い悪質商法の被害拡大を防止するための早期事件着手に向けた取組等について、課長補佐等と検討を行ったり、必要な指導・助言を行ったりしています。また、報道機関の記者等への広報対応や所属内での健康管理や勤務管理等も理事官としての重要な業務となっています。 忙しい毎日ですが、やりがいを感じながら充実した日々を送っています。

これから就職活動を行う方へ スペシャリスト候補警察官は、それぞれの専門分野について、現場の実務を経験するだけでなく、その経験を生かして政策の企画・立案にも携わることができる、とてもやりがいのある仕事です。警察行政に興味がある方はもちろん、今の時点ではあまり興味がない方も、是非一度警察庁を訪問してみてください。

高速道路管理室の仕事 高速道路のネットワークは全国に広がり、国民生活に大きな便益をもたらしています。また、2020 年度にはトラックの後続無人隊列走行の実現計画があるなど、自動運転のフィールドとしても注目されています。 その一方で、高速道路は高速性、閉鎖性、広域性という特性を有しています。したがって、逆走事故等高速道路特有の事故形態に対応した対策を実施するとともに、大規模災害発生時はもちろん平素から府県警察の枠を超えて広域的な交通管理を行う必要があります。 そのため、管区警察局に 11 の高速道路管理室、47 都道府県全てに高速道路交通警察隊が設置され、約 3,500 人の高速道路専務員が活動しています。その指導調整を行うのが警察庁の高速道路管理室です。 また、効果的な対策を実施するためには、国土交通省や高速道路会社等関係機関との連携が重要です。室長は対処方針を決定し、対外的な折衝に当たります。例えば、逆走対策に関する関係省庁連絡会議に参画し、逆走要因の分析や対策の内容について協議しているほか、昨年は、関

係県警察や国土交通省と調整し、昭和 38 年に国内最初の高速道路が開通して以来初めて、新東名高速道路等の一部区間で時速110 キロメートルの速度規制を試行する方針を決定、公表しました。

入庁 30 年を振り返る 警察庁に入庁して 30 年が過ぎました。警察署で交通指導取締りや事故捜査等の実務経験を積むことからスタートし、警察庁交通局で道路交通法令の改正を始め各種対策の企画・立案に携わるとともに、都道府県警察本部の課長としてその実現に取り組みました。 また、国土交通省に派遣され、道路交通以外の交通分野にも視野を広げられたほか、警察庁国際課では国際平和協力業務に携わり、国際感覚を養うことができました。 さらに、都道府県警察本部の警務部長として、予算の確保に向け知事部局と折衝を重ねるなどして、折衝・調整能力を高めることもできたと思います。

警察庁を志す皆さんへ 私の入庁動機は、「国レベルで人の役に立つ仕事がしたい」という漠然としたものでしたが、縁あって交通警察の道を選び、以来、スペシャリスト候補警察官としてステップアップする機会を確実に与えられてきたことに感謝しています。 室長という立場に立った今、「交通警察のスペシャリスト」として、これまで培ってきた能力を存分に発揮できる、また、それが求められているということに深い喜びを感じています。 皆さんも是非警察庁に入庁され、充実した職業人生を歩まれてはいかがでしょうか。

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 休日は少し遅めに起き、買い物に出掛けたり、読書をしてゆっくり過ごしています。また、休日の計画が立てやすいので、同僚や友人、家族と一緒に遠出をして、登山や旅行を楽しむこともあります。ゆっくり休む休日と、思いっきり楽しむ休日をうまく使い分けることで、効果的にリフレッシュできるよう心掛けています。

休日の過ごし方

総務課課長補佐(上段)捜査第一課係長

第3部

 特 集

第3部 

特 集

2322

09:00出 勤 出勤後は、自席でコーヒーを飲みながら新聞をチェック。担当業務に関係する記事があれば、都道府県警察の担当者に連絡したり、インターネットで関連情報を収集した上、上司に報告します。また、メールをチェックして、継続中の案件や新規案件の内容を把握し、今日一日の仕事の進め方を整理します。

10:30都道府県警察からの質疑対応 警察庁が発出した捜査運営に関する通達について、都道府県警察からの質疑に対応します。こうした質疑には担当係長が直接対応するため、自分が担当する業務について熟知しておく必要があります。警察庁は、全国警察における施策の統一性が保たれるよう指導する立場にあるため、根拠を明確に示しつつ、的確に回答するよう努めます。

12:00昼 食 庁舎内には、弁当販売のほか、和食、中華、イタリアンのレストラン等があり、同僚や同期と一緒に昼食をとっています。また、天気の良い日には、他省庁にあるレストランや日比谷公園、銀座等に出掛けて食事をすることもあります。リフレッシュすることで、午後の業務がはかどります。

15:00都道府県警察との協議 性犯罪の厳罰化等を内容とする刑法の一部改正法案が閣議決定されたことを受け、性犯罪捜査の第一線にどのような影響が出るのか、都道府県警察の担当者と協議します。捜査実務の現状や閣議決定に至った社会的背景等を踏まえた上で、被害者の精神的な負担に配意した捜査が推進されるよう、慎重に検討を進めます。

17:00決 裁 他課が作成した通達案に対する事件主管課としての意見について、上司の決裁を受けます。決裁時には、根拠法令等を確認した上、要点を押さえつつ簡潔に説明します。このとき、第一線での経験を踏まえ、地に足の着いた方向性を示すよう心掛けています。

19:00退 庁 至急の案件がなければ、翌日のスケジュールの確認を済ませて退庁します。帰宅してからは、趣味の料理をして家族に振る舞ったり、家族との時間を大切にしています。また、睡眠時間を十分にとり、翌日以降に備えることも仕事の一環として大切です。

警察庁係長の1日 活躍する女性職員から現在までの業務 現在勤務している総務課サイバー参事官室では、主にサイバーセキュリティに係る国際会議への出席や外国捜査機関との連絡調整等を担当し、サイバー空間の安全確保に取り組んでいます。 これまで、外事分野をベースとして、北朝鮮等による対日有害活動、大量破壊兵器関連物資等の不正輸出等に関する情報収集や取締り、外事警察に係る企画等の業務に従事し、都道府県警察本部の外事課長も経験しました。 このほか、情報技術解析課や内閣官房(内閣サイバーセキュリティセンター)での勤務も経験するなど、サイバーの分野にも仕事の幅が広がっているところです。

仕事と家庭の両立 私は現在、高校生と小学生の子を持つ母親でもあります。今でこそ、子どもに手が掛からなくなってきましたが、それでも主人や義母、周囲からの存分のサポートをもらっています。下の子が小学1年生のとき、単身で兵庫県警察に赴任していたため、現在は子どもとの時間を取り戻すべく、「ワークライフバランス」に心掛けています。何でも言える、何でも耳を傾けられる職場環境をつくり、業務の効率化に配意するとともに、年次休暇を活用して子どもの行事に参加したり、「ゆう活」で早く帰宅して子供と一緒に料理をしたりするなど、メリハリを利かせています。

皆さんへのメッセージ 制度が充実してきて、「働き方」を選択できる時代です。筋の通った皆さんの「働き方」を後押ししてくれる人間力溢れる魅力的な職場で、一緒に働いてみませんか。

現在の業務 児童買春や児童ポルノ事犯といった児童を性的に搾取する犯罪の問題については、児童の権利の保護という考えの下、国連の条約を始めとして、国際社会が連携した取組が進められています。私は、国際会議への参加やセミナーの開催を通じて各国担当者との情報交換を進めたり、国際捜査案件について海外の当局と調整を図ることなどを担当しています。児童の性的搾取の撲滅という共通の目的に向けて各国が協働していく中で、日本は何ができるのか、何をしなくてはいけないのかという課題と向き合っています。

女性へのメッセージ 都道府県警察本部勤務時には「女性が暴力団対策の課長!?」と驚かれることもありましたが、警察が扱う業務は、犯罪捜査はもちろん、人々の毎日の生活の安心・安全対策から国際社会での連携まで幅広く、女性でも男性でも活躍の場の可能性に制限はありません。また、効率よく業務を進め、各個人の生活も尊重しようという働き方に対する考えは、組織全体で少しづつ浸透してきていると感じます。皆さんも多様な可能性にチャレンジしてみませんか。

警察の魅力 私はこれまで組織犯罪対策部門を中心に勤務してきました。第一線の現場での緊張する捜査や指揮官として判断が求められる場面、警察庁での霞が関ならではの複雑な交渉等、大変な時でも治安に対する誇りを共にする人たちに支えられ前へ進んできました。行く先々での人との出会いとつながりは警察の大きな魅力の一つです。

5:30 起床    朝食・弁当作り等 6:30 夫出勤 7:00 義母、子どもたちと朝食 7:45 小学生の子と一緒に家を出る 9:00 出 勤18:15 退 庁19:30 帰 宅

タイムスケジュール

子どもたちと一日の出来事を語り合う憩いの時間

夕食

少年課課長補佐(下段)

Page 12: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

捜査第一課係長平成 21年入庁

警部時代の経験 海外で日本警察を代表して勤務するに当たっては、時に難しい判断を求められることもありますが、治安のスペシャリストとして、警部時代に多くのことを学んだことが今に生きています。警察庁では、所管法令の運用、各種法令協議等を通じて他省庁との折衝に苦労を重ねつつ、予算要求・執行、広報等、広範なことを学びました。警察署では、薬物密売人・末端乱用者等の取締りで私の担当係のみで1年間に 351 人を検挙しましたが、351 人の事件を処理するだけも大変な中、6,000 点にも及ぶ証拠品を管理することにも苦労しました。また、主婦グループによる大麻密輸入事件やイラン人による薬物密売事件という難しい事件では、何度も担当検事と折衝しました。このような経験から、海外で種々の問題に直面しても、何とか乗り越えることができたのではないかと思います。

日本と世界との架け橋 皆さん、現在、犯罪捜査において当然のように活用されている「指紋技術」がどのように発見されたか御存知でしょうか。実は、指紋技術を発見したのは英国人のヘンリー・フォールズ医師ですが、発見した場所は東京の大森貝塚でした。大森貝塚で発掘調査を手伝っていたフォールズ医師は、縄文式土器の表面に残されていた指紋が全て異なることに気が付き、世界で初めて科学的な指紋認証方式に関する論文を発表しました。その方式は、英国警察で採用され、日本警察においても用いられています。 私は現在、英国において勤務し、当地の治安情報の収集、国際捜査共助等に従事しています。サイバー犯罪はもちろん、組織犯罪等もボーダレスに行われるこの時代において、外国治安関係機関との連携は極めて重要です。また、種々の治安対策を企画・立案していく上で、指紋認証方式を導入したように、外国の好事例・先進的対策を参考にしない手はありません。自動運転のように、まだ発展途上の分野のものについて、道路交通法を所管する警察に与える影響等に関する当地の議論の推移を見守っていくことも重要です。

明日の日本を担うことになる皆さんへ 警察が担う責務は、とてつもなく大きく、ともすればその圧力に潰されてしまいそうになりますが、その分やりがいがあり、日本全国、そして海外にまでも、広く活躍の場が設けられています。 皆さんも一緒に日本の治安を支えませんか。

Ⅰ.同じゴールを目指してin the U.S. 私は、海外調査研究員として、米国運輸省で自動運転に関する各種課題に対する取組等を研究しています。現在、自動運転については世界中で研究開発が行われ、各国政府が対応を急ぐ中、先端企業を多く抱える米国でも積極的な制度整備が進められています。このため、米国連邦政府や各州政府の法制度や新たな取組等について、日本における議論に役立てるべく研究を行っています。運輸省内で勤務するだけでなく、米国内で開催される国際会議に出席したり、研究機関や州政府関係者と今後の将来像について議論したりと、幅広い機会を得ています。 私が勤務の中で感じていることは、法制度は大きく違えど、同じ「交通安全」を所掌する機関として目指すゴールは同じであり、同じ問題意識を共有できるということです。米国担当者とのミーティングでは、大きな可能性を持った新たな技術をいかにして安全に導入するか、従来型の車両と新たな技術を搭載した車両との共存には何が必要なのか、簡単には答えの出ない課題について議論が盛り上がります。その中で、米国ならではの課題の捉え方やアプローチに触れることにより、米国の基礎

的社会システムや価値観を垣間見ることができ、さらに、日本の制度を改めて見つめ直す機会にもなります。 このように、警察庁では、海外も含めた幅広い活躍の場が用意されています。大きなミッションとともに新たな世界に飛び込む熱意のある皆さん、どうぞ警察庁を訪問してみてください。

Ⅱ.国際感覚を磨く FBIという機関の名前を聞いたことがある方は多いと思います。FBIは、米国司法省に属する連邦捜査局の略称であり、テロやスパイ、広域誘拐事案等について捜査する機関です。 私は、本年1月から3月まで、米国ヴァージニア州にあるFBIナショナルアカデミーにおいて、各国法執行機関の捜査能力の向上や相互の協力関係の促進等を目的としてFBIが実施している研修に参加しました。本研修は、米国及び世界各国から法執行機関の職員が参加し、FBIにおける捜査手法や犯罪鑑識技術、米国におけるリーダーシップ論やストレスマネジメント論等について幅広く修得することを目指すものです。講義は討論形式のものが多く、本

場の英語に慣れない私にとっては研修当初とても苦労しましたが、英語漬けの生活や仲間のサポート等により、研修後期には積極的に討論に加わることができました。 今回の研修は約 10 週間という短い期間ではありましたが、講義はもちろん、課外の時間を通じて、各国法執行機関の制度や捜査手法等を共有することができました。また、各国の文化や価値観等についても触れることができ、国際的な感覚を養うことができたと感じています。この充実した期間は、私にとって忘れられない経験となりました。 警察庁では、国内での研修だけでなく、海外での研修の機会も用意されており、自分自身の専門性や国際感覚等を高めることができます。皆さんも研修を効果的に活用して、自分の目指す姿を実現してください。

第3部

 特 集

第3部 

特 集

2524

海外から

海外において治安対策の一端を担う

在英国日本国大使館一等書記官 Ⅰ. 米国留学 Ⅱ.FBIナショナルアカデミー研修

Page 13: Contents...地域課 交番や駐在所を拠点とした地域警察官の活動に関する事務を始め、警察通信 指令、パトカーや警察用ヘリコプター等の運用、山岳遭難・水難等の事故の防止、

National Police Agency 2017

至永田町 至三宅坂

至大手町

外務省

農林水産省

厚生労働省

国土交通省

警察合同庁舎警察合同庁舎

法曹会館

東京 裁判所

警視庁

法務省

弁護士会 館

法務・検察合同庁舎

警察庁(受付:2階)

霞ヶ関駅(丸の内線)

霞ヶ関駅(丸の内線・日比谷線)

桜田門駅(有楽町線)

霞ヶ関駅(千代田線・日比谷線)

日比谷公園至銀座

桜田門

財務省

経済産業省

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高等地方簡易{ }

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は地下鉄出入口です。

【採用に関するお問い合わせ先】警察庁長官官房人事課

〒100-8974 千代田区霞が関2-1-2TEL:03-3581-0141/ 内線 2631 E-mail:[email protected]

警察庁採用情報サイト:http://www.npa.go.jp/about/recruitment/index.html

北海道警察本部採用センター

東北管区警察局警務課

中部管区警察局警務課

近畿管区警察局警務課

中国管区警察局警務課

四国管区警察局警務課

九州管区警察局警務課

お問い合わせ先

札幌市中央区北二条西七丁目 北海道警察本部庁舎2階 TEL:011-251-0110(内線 2654) [JR札幌駅下車(徒歩15分)]

仙台市青葉区本町三丁目3番1号 仙台合同庁舎B棟15 階 TEL:022-221-7181(内線 2622) [市営地下鉄勾当台公園駅下車(徒歩2分)]

名古屋市中区三の丸二丁目1番1号 愛知県警察本部庁舎本館8階 TEL:052-951-6000(内線 2622) [市営地下鉄名城線市役所駅下車(徒歩5分)]

大阪市中央区谷町2丁目1番17号 大阪第二法務合同庁舎7階 TEL:06-6944-1234(内線 2632) [市営地下鉄谷町線天満橋駅下車(徒歩10分)]

広島市中区上八丁堀6番30号 広島合同庁舎1号館5階 TEL:082-228-6411(内線 2632) [JR広島駅からバスセンター経由バスにて「合同庁舎前」バス停下車]

高松市中野町19番7号 四国管区警察局庁舎2階 TEL:087-833-2111(内線 2632) [JR高徳線栗林公園北口駅下車(徒歩3分)]

福岡市博多区東公園7番7号 福岡県警察本部庁舎5階 TEL:092-622-5000(内線 2632) [JR吉塚駅下車(徒歩5分)又は市営地下鉄箱崎線馬出九大病院前駅下車(徒歩2分)]

生活安全企画課係長

   入庁の決め手は何ですか?

    業務説明会において、各専   門分野でスペシャリストとして活躍する職員の経験談に触れ、私も日本の治安のために誇りを持てる仕事がしたいと思い、入庁を決意しました。一件でも多くの犯罪被害を防ぎ事件を解決したいという思いから、警察庁と都道府県警察の双方のフィールドで国民の安全・安心を守ることができるという業務内容に心を惹かれました。

運転免許課係長

   今の仕事内容を教えてください。

    私は現在、運転免許課にお   いて、都道府県警察からの法令解釈に関する質疑対応、高齢運転者対策等の各種施策の推進を目的とした他局部課や関係省庁との連絡調整等の業務に従事しています。道路交通に起因する犠牲者を一人でも減らし、より安全な交通社会を築いていくために、過去は、現在は、将来は、というように、様々な局面において何が求められているかという視点を常に持ちながら業務に取り組むよう心掛けています。

第3部 

特 集

26

若手職員Q&A質問1

回 答

質問2

回 答

外事課係長

   入庁前と入庁後で警察庁のイ   メージは変わりましたか?

    入庁前、警察庁は固い人が   多い職場だろうというイメージを持っていました。しかし、実際はとても風通しの良い職場で、上司や同僚には様々な相談に乗ってもらっています。警察庁の業務は国民の安全・安心の確保に直結するものばかりですので、時には難しい状況に直面することもありますが、周囲の方々に支えられながら日々の業務に取り組んでいます。

捜査第二課係長

   女性が仕事を行う上で不利に   なることはありますか?

    入庁前は、「警察=男社会」   というイメージが先行し、漠然とした不安を感じていました。しかし、入庁後、女性ということを理由に何か不便を感じたことはありません。育児休暇等の制度を活用して、仕事と育児を両立しながら勤務している先輩方も多く、女性でも長く活躍できる仕事だと思います。 警察庁で治安の維持に貢献したいと考えている女性の方は、「女性だから…」ととまどいを感じることなく、安心して警察庁の門を叩いていただきたいです。 

質問3

回 答

少年課係長

   体育会系のイメージが強いの   ですが、実際はどうですか?

    警察庁には、体育会系の部   活に所属していた人だけでなく、文化系のサークルに所属していた人等多様な職員が勤務しています。上下関係が厳しい体育会系のような雰囲気はありません。

交通企画課係長

   将来の夢や目標を教えてください。

    私の目標は、悲惨な交通事   故を根絶し、「安全かつ円滑な道路交通を確保する」という交通警察の責務を果たすため、効果的で地に足の着いた施策の企画・立案ができる「交通警察のスペシャリスト」になることです。スペシャリスト候補警察官は、警察庁だけでなく都道府県警察等における勤務の機会も豊富にあります。これらの勤務を通じて、交通分野に関する深い知識や能力を身に付けたいです。

Q勤務地はどこになりますか?

A  警察庁や警視庁での勤務時は  東京ですが、道府県警察での勤  務時は各道府県となります。

Q研修制度について知りたいので  すが?

A 採用と同時に関東管区警察学  校に入校し、初任課程研修(全  寮制)を受け、警察行政に関す  る基礎的な知識や警察官として  の心構え等を学びます。   警視庁勤務中及び終了後、関  東管区警察学校に再度入校し、

  実務上の知識・経験を総括する  研修、警察庁の業務に関する研  修、英会話研修等を受けます。   大規模府県勤務終了後には、  原則として警察大学校に入校し  て、実務上の知識・経験を総括  するほか、警察庁での業務に関  する研修を受けます。その他、  適性等に応じて、海外留学等、  より高レベルの研修を受ける機  会があります。

Q住居については心配ありませんか?

A 研修中は、学生寮が完備され  ています。   また、勤務場所に応じて、公務  員宿舎(独身寮、家族寮)があり、  希望者は原則として入居できます。

Q休暇制度はどのようなものですか?

A 年間20日間(採用年は15日間)  の年次休暇のほか、3日間の夏  季休暇があります。結婚休暇等  の制度もあり、いずれも有給休  暇となっています。また、出産  休暇・育児休暇の制度もあります。

Q福利厚生はどうなっていますか?

A 入庁後は全員が警察共済組合に  加入することとなり、全国各地に  ある宿泊所、保養所等を利用する  ことができます。また、スポーツ  施設、レジャー施設等各種契約施  設を割引で利用することができます。

質問5

回 答

質問6

回 答

質問4

回 答

勤務地等についての

Q&A