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実習1: MEGA7のダウンロードとインストール
MEGAのWebサイトは http://www.megasoftware.net/(下図)。正式には、黄緑色の[DOWNLOAD]ボタンをクリ
ックし、次の画面でもう一度[DOWNLOAD]をクリックすると、ダウンロードできる。
実習2: 配列データのダウンロードとアライメント
例題データ (data): Actin gene coding region
1.配列データのダウンロード
(1) MEGAのメインメニュー[Alignment] – [Query Databanks] を選択する。
(2) Accession number を入力し、[Search] ボタンをクリックする。
(3) 遺伝子全長(1374bp)の配列データが表示される。「CDS」のリンクをクリックすると(①)、CDS の部分だけマークさ
れる(②)。右下の「GenBank」をクリックすれば、タンパク質コード領域(1134bp)の配列だけが表示される(③)。ス
クロールして配列データを確認する。
①
②
③
※CDS (coding sequence)をクリックしないと、イントロンを含むものと含まないものが混在し、アライメントに支障が出る
ので注意する。
(4) [Add to Alignment] ボタンをクリックする。
(5) [Input Sequence Label] ダイアログボックス(右図)が表示されるので、以下のように選択する。
1.「First word」は種名である「Homo sapiens」を選択する。
2. 「Second word」は遺伝子名である「ACTA1」を選択する。
3. 今回は 「Use Initial for Genus Name」 のチェックを外す。
(6) 同じ要領で以下のデータを全て Alignment Explorer にダウンロードする。(スペースで区切って、複数の番号をク
エリにすれば、一度に検索できる。)
gi:5016087: Homo sapiens, actin, alpha 1, skeletal muscle
gi:16359157: Homo sapiens, actin, beta
gi:11038618: Homo sapiens, actin, gamma 1
gi:11038625: Homo sapiens, actin, gamma 2, smooth muscle, enteric
gi:4501882: Homo sapiens, actin, alpha 2, smooth muscle, aorta
gi:15928833: Mus musculus, actin, alpha 1, skeletal muscle
gi:23271068: Mus musculus, actin, gamma, cytoplasmic
gi:28277650: Danio rerio, actin, alpha 1, skeletal muscle
gi:3044209: Danio rerio. beta-actin
gi:1552221: Oryzias latipes, mRNA for muscle actin
gi:3336983: Oryzias latipes, mRNA for cytoplasmic actin
gi:156758: Drosophila melanogaster, actin gene, complete cds, locus 5C
gi:170985: Yeast (Saccharomyces cerevisiae) actin gene
gi:2588915: Pneumocystis carinii mRNA for actin
gi:1049306: Arabidopsis thaliana actin-2
gi:30409355: Oryza sativa
※注意: [CDS]をクリックして coding sequenceのみをダウンロードする。
2.配列データのアライメント
(1) 「Translated Protein Sequences」タブをクリックし、アミノ酸配列を表示する。
(2) 「Ctrl+A」で全配列の全領域を選択し、ClustalW(W)ボタンをクリックし、表示される「ClustalW Parameters」ダイア
ログボックスの「OK」ボタンをクリックし、アライメントを行う。
この条件(デフォルト設定)で得られるアライメントの N 末端領域(開始コドンのすぐ下流)のアライメント精度は通
常よくない。アライメントの精度は DNA配列でも確認してみよう。
(3) アライメントの最上行(灰色)をドラグし、最初の 10 アミノ酸座だけ選択、アライメントしてみる。
(4) 同じ領域について、「Gap Opening Penalty」(Pairwise とMultiple の 2 箇所)を「1」にしてアライメントしてみる。
※理想的には領域毎に適切な「Gap penalty」値を用いてアライメン
トを行うのがよい。
(5) 「DNA Sequences」タブをクリックし、DNA酸配列に戻した後、「Save Session」でデータフ ァイルを保存する。
実習3:分子系統樹の作成
1.近隣結合法による系統樹の作成とブートストラップ・テスト
(1) 作成したアライメントファイルを開き、[Data] – [Phylogenetic Analysis] をクリックする。
(2) メインメニュから [Phylogeny]-[Construct/Test Neighbor-Joining Tree] をクリックする。
(3) 「Analysis Preferences」で以下のように設定し、DNA 塩基配列(下図左)、タンパク質アミノ酸配列(下図右)のそ
れぞれ場合について系統樹を作成してみる。配列間の距離は、取りあえず p-distance (proportion of different
sites)を用いる(一般的には多重置換を補正する他の方法の方がよい)。
(4) [Compute] をクリックすれば系統樹が作成され、Tree Explorer に表示される(下図:アミノ酸配列の系統樹)。
(5) Tree Explorer を使って系統樹の形を整える。まず、植物(Arabidopsis、Oryza)より、菌類(Saccharomyces、
Pneumocystis)の方が動物に近縁なので、系統樹の根(root)の位置を変え、植物が外群(outgroup)になるように
する。
rootが付くべき、植物に至る枝をクリックして選択する。(Click on the branch leading to plants.)
↓
ボタンをクリックして rootの位置を変更し、同様に、 や を使ってクラスターの順番を整える。
系統樹全体の大きさ、線の太さ、フォントなどは、 をクリックして[Options] ダイアログを表示させ、設定する。
あ
(6) ブートストラップ法によって、系統樹の安定性を検定してみる。「Analysis Preferences」の[Test of Phylogeny] で
「Bootstrap method」を選択する。
(7) 特定のクラスターを選択し、 をクリックすると、選択されたクラスターの属性を設定することができる。
→ Captionに「muscle」を入力
→ 線の色を「赤」に変更
→ 線の太さを「2 pt」に変更
下の例は脊椎動物の細胞骨格型のクラスターを青、筋肉型を赤で着色し、線の太さを 2ptにしている。
2.最尤法による系統樹の推定
(1) メインメニュから [Models]-[Find Best DNA/Protein Models] をクリックする。
(2) Analysis Preferencesの [Substitution Type] で「Amino acid」を選択する。
以下のような結果が出る(アライメントによって多少異なる)。この場合、LG+G モデルが最適であると考えられる。
(3) メインメニュから [Phylogeny]-[Construct/Test Maximum Likelihood Tree] をクリックする。
(4)「Analysis Preferences」で以下のように “Best Model” に設定し、系統樹を作成してみる。
→ 「Amino acid」を選択
→ 「LG model」を選択
→ 「Gamma Distributed (G)」を選択
使用するCPUコアの数を選択できる。CPU コア数-1がお勧め。
→
(5)得られた最尤系統樹。
※この場合、植物と菌類の位置が離れてしまい、生物学的には上の NJ 系統樹の方が妥当。このように系統樹の
妥当性を生物学的に判断できるようなデータにしておくと、系統解析の成否をチェックできる。
3.Gene Duplication Wizardによる遺伝子重複の推定
(1)ここでは Gene Duplication Wizard を使って、遺伝子系統樹の中で遺伝子重複によって生じた分岐を同定する方
法を試してみる。まずは、メイン・ウィンドウの[User Tree]-[Find Gene Duplications]をクリックする。
Gene Duplication Wizard が表示されるので、それに沿って進める。
(2)Step 1: 最初に、基準とする系統樹を入力する必要がある。今回は、先に作った系統樹を TreeExplorer から出力し
て使う。
Branch Lengths、Bootstrap Values のチェックを外し、[Export]をクリックする。
エディタに表示されるので、[File]-[Save]からファイルに保存する。
保存したファイルを Gene Duplication Wizard で入力する。
(3)Step 2: 以下のように、各遺伝子の「Species Name」を入力し、[Save]ボタンをクリックする。
→ Human
→ Human
→ Human
→ Mouse
→ Zebra fish
→ Medaka fish
→ Fruit fly
→ Human
→ Mouse
→ Zebra fish
→ Human
→ Medaka fish
→ Yeast
→ Carini fungus
→ Thale cress
→ Rice
(4)Step 3: Load species tree file は[Skip]をクリックする。
(5)Step 4: Root the gene tree は[Set Gene Tree Root]をクリックする。
以下のように植物がルートに来るようにする。現在、バグで、1回別の場所をクリックしてからでないとルートに来ない。
以下のようになったら上部の[Finished]をクリックする。
(6)[Launch Analysis]をクリックすると遺伝子重複による分岐が♦で示される。
4.RelTimeによる分岐時間推定
(1)ここでは細胞骨格型のアクチン遺伝子のみを用い、種間の分岐年代推定を行ってみる。脊椎動物には paralog が
複数あるので、以下のように Sequence Data Explorer を使って beta actinのみをチェックする。
(2)次に最尤法で系統樹を推定する。モデルは LG+G を用いる。
(3)Tree Explorer の RelTime のボタン をクリックする。
(4)Timetree Wizard が表示されるので、Step 3: Specify Outgroup で[Select Taxa]をクリックする。真中の矢印ボタンを
使って、Arabidopsis と Oryza(植物)を左の「Taxa In Outgroup」に入れ、下の[Save]をクリックする。
(5)Step 4: Specify Calibrationsで[Add Constraints..]をクリックする。Calibration Editorが表示されたら、◇で示す動物
と菌類の分岐点を選択し、上の をクリックする。
(6)左側のフレームで MinおよびMax Divergence Time に 1216(Time Tree of Life より)を入力し、[Finished]をクリッ
クする。
(7)Step 6: Launch Analysis で[Execute]をクリックすると TreeExplorer に Timetree が表示される。
分岐点を選択し、上部の をクリックすれば詳細な情報が得られる。以下の例では、ショウジョウバエとヒトの
分岐年代は 678.5(287-1070)MYA と推定される(Timetree of life によれば平均 692 MYA)。