第1学年算数科学習指導案 - Kofu...-5-8 授業の考察と反省...

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-1- 第1学年算数科学習指導案 指導者 小野 単元名 「どちらが ながい」 児童の実態(男子12名 女子13名 計25名) 入学して半年が経ち,学校生活にも慣れ,毎日元気に様々なことに意欲的に活動している。 また,新しく学ぶことを楽しみにしていたり,新しく覚えることに喜びを感じたりしている。 そんな中で,算数の学習も楽しみにしている児童が多い。「長さ」については,初めての学 習であるが,すでに日常生活のいろいろな場面で長さを比べる経験をしている児童も多い。 しかし,「長い」,「大きい」,「多い」等との十分な区別がついていない児童もいる。 また,「伝え合う」ということに関しては,まだまだ語彙が少なく自分が言いたい思いは あるのだが,それをしっかり伝えられないことがあるのが現状である。さらに,自分中心 なので,他人の考えを最後までしっかり聞くことができない児童が多い。そこで,算数科の 学習においてもなぜそう考えたのかという理由までをしっかり言う,友達の考えを最後まで 聞くということを意識して取り組んでいる。 単元について 児童は,これまでの日常生活のいろいろな場面で,長さを比べる経験をし,「長い」, 「短い」という言葉でいろいろなものの長さを表現してきている。これらは,直観的に漠然 とした大きさとして長さをとらえているのが現状である。しかし,児童によってはすでに普 遍単位の存在を認識していることも考えられる。それらを踏まえたうえで,本単元で大事に したいことは測定の基礎となる操作を十分に扱い,長さの概念を理解させることである。 長さ,かさ,重さなどの量の測定の指導には,①直接比較,②間接比較,③任意単位によ る測定,④普遍単位による測定の4つの段階がある。このうち本単元では,①,②,③の長 さの測定活動を扱い,長さの概念を明確にすることになる。④については,第2学年「長さ のたんい」で扱い,センチメートル単位を導入する。これらの段階は,形式的に経るのでは なく,必要感を感じながら児童自らが見出していけるように促していきたい。 そこで,本単元では,長さを比べることへの興味・関心を高めるために,ゲームを取り入 れる。これは二人組(一部三人)でじゃんけんをし,勝ったほうが決められた長さの紙片を 取れるというもので,5回勝負で並べて長いほうを勝ちとする。何回か行う中で直観的に判 断できないものは,片方の端をそろえて反対側の端で判断するということをおさえる。次に, クラスで一番を決めることを行う。これには机の上から動かさないという条件をつけどのよ うにしてほかの友達と比べたらよいか考えさせる。そこで,他のものへ長さを移して比べる などの方法へ導き,直接比較から間接比較へ移行する。そして,身の回りのいろいろな長さ をテープなどへ写し取る活動に取り組み,間接比較の経験を豊かにするとともに直接比較と 間接比較を統合的にとらえられるようにする。最後に,消しゴムや鉛筆の長さを単位にして いくつ分かで比べる任意単位による測定に取り組む。さらに方眼の上に置いたものの長さを 数値化して表す場面も設定し,2年生での普遍単位への移行,ものさし導入への布石にして いく。

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第1学年算数科学習指導案

指導者 小野 淳

1 単元名 「どちらが ながい」

2 児童の実態(男子12名 女子13名 計25名)

入学して半年が経ち,学校生活にも慣れ,毎日元気に様々なことに意欲的に活動している。

また,新しく学ぶことを楽しみにしていたり,新しく覚えることに喜びを感じたりしている。

そんな中で,算数の学習も楽しみにしている児童が多い。「長さ」については,初めての学

習であるが,すでに日常生活のいろいろな場面で長さを比べる経験をしている児童も多い。

しかし,「長い」,「大きい」,「多い」等との十分な区別がついていない児童もいる。

また,「伝え合う」ということに関しては,まだまだ語彙が少なく自分が言いたい思いは

あるのだが,それをしっかり伝えられないことがあるのが現状である。さらに,自分中心

なので,他人の考えを最後までしっかり聞くことができない児童が多い。そこで,算数科の

学習においてもなぜそう考えたのかという理由までをしっかり言う,友達の考えを最後まで

聞くということを意識して取り組んでいる。

3 単元について

児童は,これまでの日常生活のいろいろな場面で,長さを比べる経験をし,「長い」,

「短い」という言葉でいろいろなものの長さを表現してきている。これらは,直観的に漠然

とした大きさとして長さをとらえているのが現状である。しかし,児童によってはすでに普

遍単位の存在を認識していることも考えられる。それらを踏まえたうえで,本単元で大事に

したいことは測定の基礎となる操作を十分に扱い,長さの概念を理解させることである。

長さ,かさ,重さなどの量の測定の指導には,①直接比較,②間接比較,③任意単位によ

る測定,④普遍単位による測定の4つの段階がある。このうち本単元では,①,②,③の長

さの測定活動を扱い,長さの概念を明確にすることになる。④については,第2学年「長さ

のたんい」で扱い,センチメートル単位を導入する。これらの段階は,形式的に経るのでは

なく,必要感を感じながら児童自らが見出していけるように促していきたい。

そこで,本単元では,長さを比べることへの興味・関心を高めるために,ゲームを取り入

れる。これは二人組(一部三人)でじゃんけんをし,勝ったほうが決められた長さの紙片を

取れるというもので,5回勝負で並べて長いほうを勝ちとする。何回か行う中で直観的に判

断できないものは,片方の端をそろえて反対側の端で判断するということをおさえる。次に,

クラスで一番を決めることを行う。これには机の上から動かさないという条件をつけどのよ

うにしてほかの友達と比べたらよいか考えさせる。そこで,他のものへ長さを移して比べる

などの方法へ導き,直接比較から間接比較へ移行する。そして,身の回りのいろいろな長さ

をテープなどへ写し取る活動に取り組み,間接比較の経験を豊かにするとともに直接比較と

間接比較を統合的にとらえられるようにする。最後に,消しゴムや鉛筆の長さを単位にして

いくつ分かで比べる任意単位による測定に取り組む。さらに方眼の上に置いたものの長さを

数値化して表す場面も設定し,2年生での普遍単位への移行,ものさし導入への布石にして

いく。

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4 「伝え合う力」「学び合う力」に関する手だて

① ゲームの利用

最初にゲームを取り入れることにより,児童が意欲的に長さの比較をし,いっしょにそ

の比較の仕方を考えられるようにした。

② ワークシートの工夫

自分の考えを書くと同時に,そのまま発表の基本文として使えるようにした。

5 単元の目標

○長さの比較などを通して,長さの概念や測定についての理解の基礎となる経験を豊かにす

る。

・関心・意欲・態度 身近なものの長さに関心を持ち,いろいろな方法を工夫して比べよ

うとする。

・数学的な考え方 単位の大きさを決めて,そのいくつ分として長さをとらえる。

・表現・処理 直接比較や間接比較,任意単位による測定などによって長さを比べる

ことができる。

・知識・理解 長さについての基礎的な概念や比較のしかた,任意単位による測定の

方法を理解する。

○自分の考えをもち,それを相手に伝えられると同時に,相手の考えを最後まで聞くことが

できる。

6 指導・評価計画(4時間)

時 学習活動 評価の観点 評価方法 てだて

1 ながさきょうそうゲームを 直接比較のしかたを理 発言 ゲームを利用して

本 行い,直接比べられるとき 解している。 教師観察 長さを比べようとい

時 の長さの比べ方を考える。 ワークシート う意欲を持たせる。

2 直接比べられないときの長 間接比較のしかたを理 発言 紙テープなどを用

さの比べ方を考え,媒介物 解している。 教師観察 意しておきそれを媒

などを用いることによって 適切な媒介物を選ぶな 介物として間接比較

比べられることを理解す どして,長さを比較す をさせる。

る。 ることができる。

3 ・机のたてと横の長さを任 ・ものの長さを,適切 発言 ・消しゴム,鉛筆,

・ 意単位を用いることによっ な任意単位を用いて表 教師観察 指,てのひらなどを

4 て,数で長さを表せること すことができる。 ワークシート 例示し,そのいくつ

を理解する。 分で表わせるように

・身の回りのものの長さを ・身の回りのものの長 させる。

自分で決めた単位を使って さを,それぞれに応じ ・ペアで任意単位を

調べる。 た単位を選択し,その 決めて,身の回りの

いくつ分で調べること ものをいくつ分で表

ができる。 させる。

7 本時の学習

(1)日 時 平成18年10月13日(金) 5校時(2:00~2:45)

(2)場 所 1年1組教室

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(3)学習内容 「どちらが ながい」(本時は第1次の1時)

(4)目 標 長さに関心を持ち,直接比較の方法で比べることができる。

(5)展 開

児童の主な学習活動 教師の主な活動と留意点 評価と方法,備考過程

1 「長い」こと「短い」ことの ・動物などを利用し,学習に対 長さに目を向け

導 イメージを発表し,長さに着目す しての意欲化を図る。 て,進んで話し合

入 る。 いに参加してい

る。(観察)

2 ながさきょうそうゲームのや ・ゲームのやり方を説明し,代 ・ルール

り方を知り,直接比較での長さの 表児童とやってみせる。 ・拡大紙片

比べ方を知る。

・となりどうしで1回行い,どち ・それぞれの机の上から動かさ ・児童用紙片

らが勝ちかを考える。 ず直観で勝敗を考えさせる。

・直観ではどちらが長いかわかり ・わかりづらいものがなかった 直接比較のしかた

展 づらいものを取り上げ,どうした 場合は教師が準備しておいたも を考えている。

らよいか考える。 ので考えさせる。 (発言・観察)

・考えた方法をワークシートに書 ・勝ち負けは片方の端をそろえ ・ワークシート

拡大ワークシートき,発表する。 て,もう一方の端を比べるとわ

かるいうことを押さえる。

3 ながさきょうそうゲームを行 ・勝敗が決められない組に助言 直接比較のしかた

う。 する。 を理解している。

・勝敗を発表する。 (観察)

4 直線でないものの長短の判別 ・前と同様に端をそろえるこ ・なわとび

方法について知る。 と,まっすぐに伸ばして比べる

・なわとびの長さの比べ方を考え ことを知らせる。

る。

ま 5 長さの直接比較についてまと 直接比較のしかた

と める。 を理解している。

め (観察)

6 次時の予告をする。

(6)評価

評価規準 直接比較のしかたを理解している。

A規準 B規準 B規準に達しない児童へのてだて

自ら積極的に操作をし 直接比較のしか 片方のはしを隠して鉛筆の長さ比べをし,片

ながら直接比較のしかた たを理解してい 方を揃えてもう一方の端を比べなければいけな

を理解している。 る。 いことを理解させる。

ながさくらべをしよう

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(7)板書計画

ワークシート

ながさきょうそうゲーム

なまえ( )

が,かちました。

たら

のほうが ながかったからです。

ながさきょうそうゲーム

やりかた くらべかた

①じゃんけんをする。 ・

②かったほうがきめられたかみをとる。 ・

③5かいおこなう。

④ながいほうがかち。 ながさくらべ

・かたほうのはしをそろえる。

・まっすぐにのばす

ながさくらべをしよう

い ろ

い ろ

く ら べ る ほ う ほ う

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8 授業の考察と反省

子どもたちの意欲を引き出すためと,学び合うということからゲームを取り入れた。意欲的

に取り組むという点ではよかったと思うが,勝敗にこだわりすぎる子もいたので,その点をも

う少し長さの比べ方に目を向けさせるように指導すればよかった。しかし,多くの子が操作活

動をし,直接比較をすることができていたという点ではよかった。

また,伝え合うということで自分の考えを持ち,それを発表のもとにするということからワ

ークシートを取り入れたが,やはり1年生のこの時期では少し難しかった。しかし,これを継

続していくことによりその力をつけていかせたい。

さらに自分自身の問題として机間巡視をもう少し行いそれぞれの子の考えをもう少し理解し

ておくべきであった。せっかくの子どもたちの良い考えを十分に引き出すことができず,授業

の中で活かせないものがあった。用語についても「どっちが長い」と「どっちが勝った」を混

同して使ってしまった。自分でもどちらを使うか迷ってしまっていることがあったのできちん

と考えておくべきであった。

全体的には,長さの導入として楽しく意欲的に学習するということはできたと思うのでこれ

をもとにさらに子どもたちの力を伸ばすよう考えて指導していきたい。

【授業後の研究会より】

・算数的な活動では,「活動の楽しさ」「体験の楽しさ」を実感させることが大切である。今

回の授業で取り扱われたいた内容は,子どもの算数嫌いをなくす楽しい授業であった。また,

算数的な活動は,「①操作する」「②式で表す」「③言語で表す」という3つのことが重視

されている。今回の授業では,③がワークシートを記入して発表したこと,①が前に出てカ

ードを操作してみんなに提示したことになるので,とても有効であったと言える。

・学習内容としては,「最初に比べ方を見つける。次に端をそろえてくらべる。最後になわと

びを使いまっすぐにのばす。」という段階をふまえていて,レベルが少しずつあがっていて

素晴らしかった。

・ワークシートに書くことは難しかったが,算数の学習でも低学年のうちから書くことを経験

させていくことが大切なのでよかったと言える。また,発表をしていない児童も友だちの考

えをよく聞いていた。発表原稿として使ったが,これからの伝え合う活動の発表パターンと

しても使っていくとこができると思う。

・「ながさきょうそうゲーム」を取り入れたことは,意欲を持続させたり,学び合ったりする

ことに関して有効だった。ペアで学習する場を設定したので,一人ひとりが直接比較をする

ことができ,本時の目標に迫ることができた。

・長さの比べ方として端をそろえることを学ぶとき,教師が2本の鉛筆の下を隠して提示した

ことにより,端をそろえることの大切さが一目瞭然に分かり確認できたことがよかった。

・児童が発言するときに静かに聞いていたり,机の上を整理させてから操作をさせたりするこ

となど,普段の指導が徹底していた。また,児童のつぶやきを教師がしっかり聞き取り適切

な助言ができていた。

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第2学年国語科学習指導案

指導者 坂 本 貴 彦

1 目指す言語能力 想像を広げながら読む力

2 教材名 「お手紙 」 (光村図書2年下 「赤とんぼ」)

3 児童の実態 (男子11名 女子15名 計26名)

本学級は、明るくて元気な児童が多い。学習全般においても活発に発言をするなど、意欲的に

取り組んでいる。一年生からの持ち上がりの学級であり、国語科学習における「読む」「書く」

「話す」において、初歩的な基礎学力を少しずつ身に付け始めてきている。休み時間ともなると

図書室に行って読書をしたり、教師や友だちに体験したことを順序よく話したりと、日頃の生活

の中でも国語力を伸ばしてきている。ただ、人の話を落ち着いて聞けない児童や自分の考えを友

だちの前で表現できない児童も数名いる。

二年生になってから、物語文の「想像を広げて読む」ことについて、「ふきのとう」と「スイ

ミー」で学習してきている。動作化を取り入れ、だれがだれに話しかけているのか、どんな様子

でいるのか、周囲の様子はどうかなどについて想像する学習を体験してきている。

また、「ふきのとう」「スイミー」「おおきくなあれ」などでは、会話文や声の大きさに気を

つけながら音読に取り組んできている。音読カードを活用して、家庭学習でも取り組んできてい

ることから、少しずつ上達してきている。

まだ、「読む」ことの導入段階ではあるものの、既に読む力(読み取る力)には個人差が出て

きているのが現状である。文字を拾い読みしかできない児童もおり、場面の様子を読み取れてい

ないだけに、「想像を広げて読む」には至っていない。本教材においては、繰り返し音読するこ

とを基本とし、役割読みや動作化を取り入れていく中で、登場人物の心情を想像しながら読んで

いけるようにしていきたいと考える。

《Q-Uに関わって》

一学期のQ-Uアンケートの結果、本学級の児童は概ね「学級生活満足群」に属していた。しか

し、「不満足群」「非承認群」「侵害行為認知群」の各項目毎において、数人ずつ対象者が出た。

この結果を踏まえて、不満足となった児童をよく観察してみると、共通項として

・学級内で、あまり目立つ児童ではない。

・休み時間など、特定の友だちと遊びたがり、大人数で遊ぼうとしない。

などが挙げられた。そこで、本学級が「心の居場所」と成り得ることを目指し、以下のことに取

り組んでいる。

・人間関係の育成のために、できるだけグループ学習・活動の機会を増やす。

※生活科でのお店作りや班単位の係活動など。

・帰りの会で、「今日の良かったこと」を発表する。

※できるだけ多くの児童に発表させ、ほめて励ます。

・クラスのトラブルは、みんなで話し合い解決する。

※細かなトラブルでもクラスで全体で話し合って解決していく。

まだまだ課題は山積しているが、児童一人ひとりが受け入れられている、または生き生

と活動できていると感じられる学級経営に取り組んでいきたいと考える。

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4 指導内容と教材のかかわり

《学びの意欲向上のための意識化》

○目的意識:物語文を楽しむために、場面の様子から登場人物の気持ちを想像しながら読む

という意識。

○相手意識:先生や友だちに、自分なりに読み取ったことを伝えるという意識。

○方法意識:会話と挿絵を関連しながら読むという方法。

動作化を通して登場人物の気持ちを想像しながら読むという方法。

どのように読んだらよいかを考えながら音読するという方法。

○評価意識:ワークシートにまとめた内容をもとに自己評価をする。

音読について、視点を設けて相互に評価しあう。

「お手紙」は友だちをテーマにした物語文である。この作品の主題は、友だちの悲しみや喜び

を共感し合える「友情の素晴らしさ」と言える。児童はこれまでに、友だちと仲良く過ごしたり

ケンカして仲直りしたりするなどの経験を積み重ねてきている。入学して一年半が経つこの時期

は、これらの経験を通じて友だちや先生との関わりが深まり、人間関係が広がってきている。

このような時期に、がまくんやかえるくんの友情に関わる行動や会話を読むことによって、物

語文の楽しさやおもしろさを味わうことができる。さらには、自然に自分と周りの友だちとの関

わり方にも目を向けていくことができるであろう。そして、言葉が人の心を結びつけ、相互理解

を促す役割を果たしていることに気づかせるきっかけとなり、会話の持つ力の大きさも感じ取る

ことができる教材でもある。また、子どもたちは身近な小動物たちが人間のように会話をし、悲

しんだり喜んだりする姿に共感し、引きつけられる。さらに、登場人物の行動にも興味を持ち、

想像を広げて様々な思いをめぐらすことができる。この教材は、そうした子どもたちの要求に堪

えうる優れた作品である。

本教材は、全体が次のような四場面で構成されている。

一度も手紙をもらったことがないがまくんとそれを知ったかえるくんが、玄

1 関前で二人とも悲しい気分で腰をおろしている。

かえるくんは大急ぎで家へ帰って手紙を書き、かたつむりくんに届けるよう

2 に頼む。

かえるくんががまくんの家へ戻ると、がまくんは寝ている。「ひょっとする

3 と手紙がくるかも」と期待を持たせるが、がまくんはあきらめたまま。かた

つむりくんはまだ来ない。

かえるくんはがまくんに手紙を書いたことを打ち明ける。がまくんは「とて

4 もいい手紙だ」と言う。二人は幸せいっぱいで玄関に出て座っている。四日

経って手紙がかたつむりくんにより届けられる。手紙をもらったがまくんは

とても喜んだ。

2年生になり、「ふきのとう」「スイミー」(二年上)の学習を終えてきている。よって、

「読んでおもしろかった。」から発展して、この作品の中にはどんな工夫があったから正確に読

み取れたとか、かえるくんとがまくんの行動や会話からこんな心情が読み取れたなど、2年生な

りに気づかせることを目指したい。

前述したが、本教材で目指す言語能力は低学年の「読むこと」の目標に大きく関わる「想像を

広げながら読む力」である。以下の①から③までの力がついた時に「想像を広げながら読むこと

ができた」とする。また④は、学習後の活動につなげていく。

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①場面や登場人物の様子を読み取る力

②挿絵と対比しながら読む力

③登場人物の気持ちになって音読したり書いたりする力

④いろいろな物語絵本に目を向ける力

《①場面や登場人物の様子を読み取る力》

本教材は、ちょっぴり寂しがり屋でわがままながまくんと何とかがまくんを喜ばせようと一所

懸命なかえるくん、さらには頼まれた手紙を懸命に運ぶかたつむりくんが登場し、それぞれの登

場人物の様子を読み取ることができる内容である。たくさん登場する会話文に着目し、お面を付

けて動作化をするなどして様子を想像しながら読み取らせたい。この過程を通して、確かな読解

力を身につけることを目指したい。また、自由に想像を広げることにより、場面の様子や登場人

物の気持ちを想像豊かに思い描き、自分なりの解釈を話したり書いたりする表現意欲(③)へと

つなげたい。

《②挿絵と対比しながら読む力》

挿絵を活用することも想像をふくらませ、登場人物の心情を読み取る手立てとなる。挿絵と本

文を対比することによって場面の把握や順序を理解することもできる。また、挿絵から読み取っ

たことを説明したり、読み取ったことを絵に表したりするなどの活動も読みを深め、自分の思い

や考えを表現する力も高める働きがある。本学習では、挿絵がどの場面であるのか、挿絵が本文

のどの部分にあたるのかなど、挿絵と対比させながら読み進めていきたい。挿絵を活用し「挿絵

を読む」ことによっても、二人の気持ちの変容を読み取ることができる。特に、「玄関の前で悲

しい気分で腰掛けているがまくんとかえるくん」の場面と「かえるくんが手紙を書いてくれたこ

とを知って手紙を待っている時のがまくんとかえるくん」の場面での挿絵の表情などが違うこと

に気づかせたい。

《③登場人物の気持ちになって音読したり書いたりする力》

この物語文を読み取ったり味わったりするためには、音読が有効であると考え、音読の場を多

く設定していきたい。多くの会話文で構成されているため、がまくんとかえるくんになって音読

することで、物語の良さに浸ることができるであろう。また、自分が好きだと思う場面やおもし

ろいと思う場面を選び、自分なりに工夫して音読ができるようにする。さらに、どの部分を役割

読みにするか、指名読みにするか、一斉読みするかについては、場面に応じてより効果的な方法

をとるように工夫をする。

また、挿絵も活用しながら登場人物になりきり、心の中をその人物の言葉で書いてみる。ふき

だしなどを使って、登場人物の思いを想像しながら文章表現できるように工夫する。また、登場

人物に手紙を書き、自分の気持ちを文章で伝えるようにしたい。

《④いろいろな物語絵本に目を向ける力》

作者アーノルド=ローベルの代表作とも言える「ふたりはともだち」や「どうぶつものがた

り」などの作品を用意し、教室に置くことにした。児童が読み物に興味を持ち、アーノルド=ロ

ーベルの世界を広めて欲しいという願いからである。さらには、物語絵本の楽しさを求めて、い

ろいろな物語絵本に親しむきっかけとさせたい。

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☆校内研に関わって

この題材を取り上げることにより、本校の研究仮説を検証したいと考える。

☆学びのためのよりよい関わり合いのある学級づくり(A)を重視する中で、表現、受け

止め、話し合いの実践を意図的、計画的に行えば(B)、伝え合い、学び合う力を身につ

けた児童(C)が育つであろう。

(A) 学びのためのよりよい関わり合いのある学級づくり

・友だちの思いや考えを聞く中で、お互いの意見を尊重し合う。

・間違いを温かく受け止め、気づいた友だちはアドバイスをする。

(B) 表現、受け止め、話し合いの実践を意図的、計画的に行う実践

・場面ごとに、音読や動作化をしながら読み進め、登場人物の気持ちを理解する。

・友だちの考えを聞き、理解する。さらには、自分と相手の考えの違いに気づくように

する。

・想像したことや自分の考えを発表したり話し合ったりする場面を設定する。

(C) 低学年ブロック(2年生)では、「めざす児童像」(伝え合い、学び合う力を身に

つけた児童)として以下の4つを掲げている。

○自分の考えを様々な方法で相手に伝えようとすることができる児童。

○相手の考えを受け止め、理解しようとすることができる児童。

○互いに話し合う中で、新たな考えを生み出そうとすることができる児童。

○相手を思いやることができる児童。

以上のような手立てにより、仮説の検証が有効であると考え、本教材を設定した。

5 日常の取り組み

上記の児童像に迫るために、学級において、以下の取り組みを意図的かつ日常的に行ってい

る。

「読む」

○朝の読書の時間や図書の時間を通して、様々な本に親しむ。

・教師による本の紹介

・読み聞かせ

○音読カードを活用しての音読学習。

・視点を設ける(声の大きさや読む速さ)

「書く」

○五感を通して書く材料を集め、カードなどに書く。

・ミニトマトの観察

○行事やテーマにそって、原稿用紙に作文を書く。

「話す・聞く」

○聞き手の方を向いて話す。話し手の方を見て聞く。

○朝の会や帰りの会での日直によるスピーチ

・声の大きさや話す速さを考える

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○作文などを読み合う機会を設けて、友だちの良いところを認め合う。

○テーマを設けて、学級または生活班で話し合う。

・様々な場面で話し合う機会の設定

6 指導の目標

◎場面の様子から、登場人物の気持ちを想像して読むことができる。

(1)評価規準

読 場面の様子や登場人物の気持ちを想像しながら読む。

(2)指導計画と評価計画 (総時数 18時間)

次 時 学習活動内容 評価規準 A規準 評価法Cの児童への支援

一 1 ○題名を読み、今まで手紙

を書いたりもらったりし

た経験を話し合う。

○教師が範読する。

○挿絵をもとにあらすじや ・感想をワーク ・登場人物の行 ・全体であらす 教師観

登場人物をおさえ、感じ シートに書 動を踏まえ じを確認し、 察

たことをワークシートに くことができ て、 場面ごとに内 ワーク

書く。 る。 感想をワーク 容をおさえ シート

シートに書 る。 自己評

○新出漢字を学習する。 くことができ 価

る。

二 2 ○誰の会話文であるかに注 ・声に出して読 ・声の大きさな ・一緒に読む。 教師観

意しながら、全体を読 むことができ ど、工夫して ・指を使って文 察

む。 る。 読むことがで 字をなぞりな

きる。 がら読む。

・話し手が誰で ・話し手を正し ・前後の状況を 教師観

○場面の状況を考え、登場 あるか捉え く捉え、自分 考えさせ、全 察

人物の会話文を確かめ合 る。 の考えを発表 体で確認して 教科書

う。 することがで いく。 (シール)

きる。 自己評

3 ○作品の構成として、「四

の場面」に分かれている

ことを確認する。

○「一の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読む。 教師観

むことができ すらすら読む ・指を使って文 察

る。 ことができ 字をなぞりな

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る。 がら読む。

○手紙をもらえないがまく ・手紙をもらえ ・挿絵と関連さ 教師観

んの状況を読み取る。 ないがまくん ・手紙をもらえ せ、会話文に 察

の状況を読み ないがまくん 着目して状況 ワーク

取ることがで の状況を正し を考えさせ シート

きる。 く読み取り、 る。 自己評

友だちに発表 価

することがで

きる。

4 ○二人の言動を引き出し、 ・がまくんの悲 ・がまくんの悲 ・役割を明確に 教師観

比べる。 しい気持ちを しい気持ちを し、会話文か 察

・会話の話し手を確認す 読み取ること 読み取り、友 ら気持ちを考

る。 ができる。 だちに発表す えさせる。

・挿絵と場面が対応してい ることができ

ることを確認する。 る。

○手紙をもらえないがまく ・手紙をもらえ ・手紙をもらえ ・一緒に読む。 教師観

んの気持ちを読み取る。 ないがまくん ないがまくん ・指を使って文 察

・役割分担をして、動作化 の気持ちを読 の気持ちを動 字をなぞりな ワーク

をする。 み取り、ワー 作化したり、 がら読む。 シート

クシートに書 ワークシート

くことができ に書いたりす

る。 ることができ 自己評

○「一の場面」を読む。 る。 価

5 ○「一の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読む。 教師観

むことができ すらすら読む ・指を使って文 察

る。 ことができ 字をなぞりな

る。 がら読む。

○がまくんの気持ちや様子 ・がまくんの気 ・場面の状況を 教師観

を考えて音読をする。 持ちを理解 ・がまくんの気 考えさせる。 察

・役割分担をして、音読を し、読むこと 持ちを意識し ・一緒に読む。

する。 ができる。 て、声の大き ・指を使って文

さなどに工夫 字をなぞりな 自己評

して読んでい がら読む。 価

る。

6 ○「二の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読む。 教師観

・会話の話し手を確認す むことができ すらすら読 ・指を使って文 察

る。 る。 む。 字をなぞりな

がら読む。

○挿絵と場面が対応してい

ることを確認する。

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- 12 -

○かえるくんの行動を読み ・かえるくんの ・かえるくんの 教師観

取る。 行動を読み取 ・かえるくんの 行動を拾い出 察

ることができ 行動を正しく し、全体で確 ワーク

る。 読み取り、友 認していく。 シート

だちに発表す 自己評

る。 価

7 ○手紙を出すかえるくんの ・かえるくんの ・かえるくんの ・役割を明確に 教師観

心情を読み取る。 張り切ってい 張り切ってい し、会話文か 察

・役割分担をして、動作化 る気持ちを読 る気持ちを表 ら心情を考え

をする。 み取ることが 現することが させる。

できる。 できる。

○「二の場面」を読む。 ・声に出して読 ・かえるくんの ・一緒に読む。 教師観

むことができ 気持ちがわか ・指を使って文 察

る。 るように工夫 字をなぞりな

して読むこと がら読む。 自己評

ができる。 価

8 ○「二の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読 教師観

むことができ すらすら読 む。・指を使っ 察

る。 む。 て文 字をなぞ

りな がら読

む。

○かえるくんの気持ちや様 ・かえるくんの 教師観

子を考えて音読をする。 気持ちを理解 ・かえるくんと ・場面の状況を 察

・役割分担をして、会話文 し、読むこと かたつむりく 考えさせる。

を音読する。 ができる。 んの気持ちを

意識して、声 自己評

の大きさなど 価

工夫して読む

ことができ

る。

9 ○「三の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読 教師観

・会話の話し手を確認す むことができ すらすら読む む。・指を使っ 察

る。 る。 ことができ て文 字をなぞ

る。 りな がら読

む。

○あきらめているがまくん ・がまくんとか 教師観

と手紙を待つかえるくん えるくんの行 ・がまくんとか ・がまくんとか 察

の状況を読み取る。 動を読み取 えるくんの行 えるくんの行 ワーク

る。 動を正しく読 動を拾い出 シート

み取り、友だ し、全体で確

ちに発表する 認していく。 自己評

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- 13 -

ことができ 価

る。

○二人の会話文を引き出10

本 し、比べる。

時 ・同じような会話が3回続

いていることを確認す

る。

○がまくんとかえるくんの ・あきらめてい ・あきらめてい ・役割を明確に 教師観

気持ちを想像する。 るがまくんと るがまくんと し、会話文か 察

・会話文に焦点を当てて、 手紙を待つか 手紙を待つか ら心情を考え ワーク

気持ちの変化を捉えさせ えるくんの気 えるくんの気 させる。 シート

る。 持ちを読み取 持ちを理解

・挿絵の表情から気持ちを ることができ し、 表現する

想像する。 る。 こと ができ

・役割分担をして、動作化 る。

をする。

○「三の場面」を読む。 ・声に出して読 ・一緒に読む。 教師観

・会話文のみ むことができ ・がまくんとか ・指を使って文 察

る。 えるくんの気 字をなぞりな

持ちを意識し がら読

て声の大きさ む。

など、工夫し 自己評

て読むことが 価

できる。

○「三の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読 教師観11

むことができ すらすら読 む。・指を使っ 察

る。 む。 て文 字をなぞ

りな がら読

む。

○がまくんとかえるくんの ・がまくんとか 教師観

気持ちや様子を考えて音 えるくんの気 ・がまくんとか ・場面の状況を 察

読をする。 持ちを理解 えるくんの気 考えさせる。

・役割分担をして、会話文 し、読むこと 持ちがわかる

を音読する。 ができる。 ように、声の

大きさなど工 自己評

夫して読むこ 価

とができる。

○「四の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読 教師観12

・会話の話し手を確認す むことができ すらすら読 む。・指を使っ 察

る。 る。 む。 て文 字をなぞ

りな がら読

む。

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- 14 -

○手紙を待つ二人の状況を ・手紙を待つ二 教師観

読み取る。 人の行動を読 ・手紙を待つ二 ・がまくんとか 察

み取る。 人の行動を読 えるくんの行 ワーク

み取り、友だ 動を拾い出 シート

ちに発表す し、全体で確 自己評

る。 認していく。 価

○二人の言動を引き出し、13

比べる。

・挿絵と場面が対応してい

ることを確認。

・挿絵から、P6・7との

表情の違いに気づかせ

る。

○手紙を待つがまくんとか ・手紙を待つが ・手紙を待つが ・役割を明確に 教師観

えるくんの心情を読み取 まくんとかえ まくんとかえ し、会話文か 察

る。 るくんの気持 るくんの気持 ら心情を考え ワーク

・役割分担をして、動作化 ちを読み取 ちを表現する させる。 シート

をする。 ることができ ことができ

る。 る。

○「四の場面」を読む。 ・声に出してす ・一緒に読む。 教師観

らすら読むこ ・がまくんとか ・指を使って文 察

とができる。 えるくんの気 字をなぞりな

持ちを意識し がら読む。

て声の大きさ 自己評

など工夫して 価

読むことがで

きる。

○「四の場面」を読む。 ・声に出して読 ・声に出して、 ・一緒に読 教師観14

むことができ すらすら読む む。・指を使っ 察

る。 ことができ て文 字をなぞ

る。 りな がら読

む。

○がまくんとかえるくんの ・がまくんとか 教師観

気持ちや様子を考えて音 えるくんの気 ・がまくんとか ・場面の状況を 察

読をする。 持ちを理解 えるくんの気 考えさせる。

・役割分担をして、会話文 し、読むこと 持ちを意識し

を音読する。 ができる。 て声の大きさ

など工夫して 自己評

読むことがで 価

きる。

○役割を決めて、音読の発 ・声に出して、 ・がまくんやか ・前時を振り返 教師観15

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表会をする。 読むことがで えるくんの気 らせる。 察・

・三・四人程度のグループ きる。 持ちを意識し ・個別指導をし16

を作る。 て、声の大き て、励ます。

(班ごとなど…) さなど工夫し ・一緒に読む。

・役割を決める。 て読むことが ・指を使って文

・場面毎に区切って練習を できる。 字をなぞりな

する。 がら読む。

・練習をしながら、どのよ

うに読むかを話し合う。

○工夫したところを発表し ・自分たちのグ ・自分たちのグ ・練習した時の 教師観

合う。 ループの工夫 ループの工夫 ことを振り返 察

した点を発表 した点を発表 らせ、励ま 相互評

することがで し、さらには す。 価

きる。 他のグループ 自己評

の良いところ 価

に気づくこと

ができる。

三 ○だれにあてて手紙を書く17

かを決める。・

18

○書く事柄を考えて、手紙 ・感じたことを ・感じたことを ・場面毎に、感 教師観

を書く。 手紙を書くこ わかりやすく じたことを思 察

とができる。 手紙に書くこ い出させる。 ワーク

とができる。 シート

教師観

○書いた手紙を発表する。 ・自分の手紙を ・自分の手紙を ・一緒に読む。 相互評

声に出して、 声に出して、 ・書いてある内 価

読むことがで すらすらと読 容を認め、励 自己評

きる。 むことができ ます。 価

る。

7 本時の学習

(1) 日 時 平成18年11月8日(水) 5校時(2:00~2:45)

(2) 場 所 2年1組教室

(3) 目 標 がまくんとかえるくんの気持ちを想像しながら読み取ることができる。

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(4) 展 開

児童の主な学習活動 教師の主な活動と留意点 評価と方法、備考過程

導 1 本時の学習課題を知る。 ・めあてを確認する。

入 がまくんとかえるくんの気持ちの考えよう

「三の場面」を読む。 ・指名読み

展 2 がまくんとかえるくんの会話 ・がまくんとかえるくんの会

開 文を発表し、気持ちを想像す 話文を拾い出させる。

る。 ・同じような会話文が3回続

いていることを確認する。

○がまくんの気持ちを想像す ・これまでのがまくんの行動 ・がまくんの気持ちの変

る。 を確認する。 化を考えることができ

・「いやだよ」「そんなこと たか。

あるものかい」「ばからし ・教師観察

いこと言うなよ」に焦点を

当て、がまくんの気持ちの

変化を捉えさせる。

○かえるくんの気持ちを想像す

る。

・「見ました」と「のぞきま ・動作化をさせ、行動の違い ・かえるくんの気持ちを

した」の行動の違いに気づ に気づかせる。 想像することができた

く。 か。

・吹き出しを使って、のぞい ・挿絵を見ながら、かえるく ・教師観察

ているかえるくんの気持ち んの行動(まどからのぞ ・ワークシート

を考える。 く) に変化が出てきている

こと に気づかせる。

・動作化をさせ、かえるくん

の気持ちを考えさせる。

・かえるくんの行動の変化に

は、がまくんとかたつむり

くんの行動が影響している

ことに気づかせる。

3 がまくんとかえるくんの気持 ・二人の会話をどんな声の調 ・気持ちを想像しながら

ちを想像しながら会話文を読 子で言ったら良いか考えさ 読むことができたか。

む。 せる。 ・教師観察

・役割読みをして、気持ちを

込めて音読ができるように

する。

ま 4 学習を振り返る。

と ・自己評価をする。 ・振り返りカードに記入させ ○今日の学習を振り返る

め る。 ことができたか。

・振り返りカード

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- 17 -

(5) 評価規準

評価規準 がまくんとかえるくんの気持ちの変わっていく様子を読み取ることができる。

A規準 B規準 評価規準Bに達しない児童への手

だて

がまくんとかえるくんの がまくんとかえるくんの気 挿絵の変化に気づかせる。

気持ちの変化を読み取 持ちの変化を読み取ること 動作化をして、心情を考えさせ

り、 ができる。 る。

声の大きさなどを工夫し

て読むことができる。

8 授業の考察と反省

①読解力がついたという具体的な姿

◎音読を工夫しながら読み合い、読みを深める。

場面毎に、かえるくんやがまくん、かたつむりくん、地の文を読む児童を決めて音読をした。

時には、教師も地の文を読んだり、クラスを半分に分けて役割読みをするなど、様々な形態で音

読学習に取り組んだ。このように、読む(理解する)ための音読をする場を多く設定し、読む形

態を工夫することで、登場人物の気持ちや心情の変化をとらえることができた。

◎読み取った心情を動作化したり、吹き出しに書いたりして表現する。

音読学習を繰り返すことで、だいぶ内容を読み取れるようになってきた。さらに登場人物の心

情をつかませたいという願いから、いろいろな場面で動作化を取り入れた。お面を付けるなど工

夫したことから、児童は登場人物の思いを深く想像することができた。また、吹き出しに書く場

面においても、場面の様子や登場人物の心情を読み取っていたので、物語の筋に沿った記述が多

く見られた。

低学年という発達段階に置いては、動作化は大変有効であった。また場面や心情をつかむこと

がワークシートの記述につながることもわかった。

◎挿絵と対比しながら読み取る。

活字を追って文章を読むこと自体を好まない児童もいる。そのような児童には、挿絵の活用が

効果的であった。挿絵での登場人物の表情などを注意深く見させたところ、「手紙を待つがまく

んとかえるくんの顔の様子が、①と④の場面では違う」ところに気づいた児童がいた。みんなで、

なぜ表情が違うのか考えてみると、二人の気持ちが変わってきたからであろうという意見が多く

出された。

このように、活字を追いながら文章を読むことが苦手な児童には「挿絵を読む」学習から入る

ことを有効であったといえる。低学年においては、挿絵の活用も読み(理解)を助ける一つの手

だてとなる。

②授業後の研究会より

◎成果

・動作化を取り入れたことにより、かえるくんの気持ちを想像することができた。

・「見ました」と「のぞきました」に着目したことで、かえるくんの心情の変化を深く考えるこ

とができた。

・話し合いを重ねていくことで、児童の話す内容が向上していくことが見て取れた。

・友だちの意見を聞いたり自分の考えを発表したりする姿勢が、しっかり育ってきた。話し合い

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雰囲気がとても良かった。

・児童の読み取りを評価する上でも、ワークシートの活用はとても有効であった。

◎課題

・話し合う場面にもう少し時間をかける必要があった。もう少し言葉にこだわっても良かった。

・音読の発表で、工夫している点をもっと発表させるべきであった。

・板書をもう少し効果的に使えれば良かった。少し早く流してしまったので、大切な所は時間を

かけて押さえることが必要であった。

・動作化の時に、窓があればもっと良かった。できるだけ同じ状況でさせた方が、さらに効果的

である。

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第3学年3組 道徳学習指導案指導者 中 込 成 仁

T.T. 丸 山 知 里

1 主題名 いいとこさがし(2-③ 信頼・友情、助け合い)

2 主題設定の理由

(1)ねらいとする価値について

今日,地域コミュニティーの機能が弱まり,あるいは崩壊し,子どもたちの集団遊びの経

験が乏しくなってきている。そのような社会の状況の中で,学校においても,人と関わる力

が未熟な状態で入学してくる児童が増加している。学校には,基礎的な学力を保証すること

と同時に,多くの仲間とよりよい関わりを持つためのコミュニケーション能力を身につける

ことが期待されている。これは,集団の中で自己実現を果たすために,必須の能力であると

言えよう。

本主題においてねらいとしている「信頼・友情、助け合い」の価値は,そのような能力を

発揮するための根幹をなすものであり,仲間との関わり合いにおいて大変重要なものである。

友人の良いところに気づき、ポジティヴな感情を持つことは、よりよい人間関係を構築する

ためには欠かすことのできない要因である。通常、意識しなければ、他者の欠点には気付い

ても、長所には目が行きにくいものである。意図的に、長所に目を向け、気付こうとする機

会を設定することには大きな意義がある。さらに、ありのままの自分を受け入れ,よさに気

付くことは,人と関わりを持とうとする原動力となると言えよう。自分の良さは,自分では

わかりにくいものであり,友だちとの関わり合いの中でこそ,気づくことができると考える。

そのような気づきは,心理的な結びつきの深い集団の中でなければ生まれず,気付くことに

よって集団の結びつきも深まっていくであろう。

本時の学習によって,友だちの良いところを見つけ,伝え合うことによって,信頼関係を

深め,自己肯定感を高めることを期待したい。その際,ゲーム感覚で楽しい雰囲気の中で行

えるように配慮する。同時に,人間関係を深める上で重要な,ルールを守ることも重視して

いきたい。

(2)ねらいにかかわる児童の実態

男子18名,女子16名,計34名の学級である。男子は,やや落ち着きに欠けるものの,

明るく元気な子どもが多い。女子は,控えめで,落ち着いているが,やや積極性に欠ける子

どもが多い。進級に際してクラス替えが行われたため,遊びなどは旧クラスの仲間中心だっ

たが,徐々に新たな集団を作ることができるようになりつつある。全体的には,学級として

の結集力はまだ弱い。また,友だちに対しての気遣いができる優しい児童が多い反面,自分

の気持ちがうまく抑えられない児童が数人おり,今後の課題の一つとなっている。働くこと

に関して,係や当番の仕事などには,進んで取り組むことができる子どもが多いことも本学

級の特徴の一つである。

学習面では,気持ちが向いているときには,学習課題に一生懸命取り組む子どもが多く,

基本的には真面目な態度で臨むのだが,集中力が長続きしない子どもが数名いる。徐々に話

を聞けるようになってきているが,話を聞き取る力や集中できる時間の個人差が大きい。ま

た,発表場面を苦手とする児童が多い面も見られる。

学習や遊びなど,友だちと関わる場面で、特に個別的な支援の必要な児童がおり,その子

を取り込む中での学級づくりが大きな課題となっている。その児童が,自分を押さえられず,

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攻撃的な行動をしてしまうことがあっても,学級全体で,それを受け止められる集団づくり

が必要とされているが,そこまでの人間関係は構築できていないのが現状である。

意図的,計画的に人間関係や,集団の活動におけるスキルを身につけさせるために,構成

的グループエンカウンターの技法を取り入れ,ねらいに迫っていきたい。

以下に本学級のH18年6月に行ったQ-Uのプロットとその考察・対応を示す。

【考察】

・学級生活満足群の割合は高く,全体の59%となっているが,学級生活不満足群の割合

も高めで,全体の24%となっている。従って,二極化の傾向があると考えられる。

・要支援群に属しているのは2名で,いずれも男子である。

・学級生活不満足群に属している児童は,おとなしく,自分の考えを積極的に表すことの

少ない児童が多い。

・個別的な支援を必要とする児童は,侵害行為認知群に属している。

【対応】

・要支援群に属している児童に対しては,意図的に個別の関わりを行っている。

・学級生活満足群以外の児童の底上げを図るために,ルールに則った学級内での交流を深

め,人間関係を密にしていくことが必要とされている。

・承認得点の低い児童の所属欲求、承認欲求を満たし、自己肯定感を高める必要がある。

5

7

9

11

13

15

17

19

21

23

25

5791113151719212325

承認得点

被侵害得点

大国小3年3組 年 月H18 6

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・非侵害得点の高い児童に対しては、学級生活において人から傷つけられないよう、対人

関係や集団活動におけるマナーやルールを共有させる必要がある。

3 「伝え合う力」「学び合う力」に関する手だて

・意図的に集団体験の場面を設定することによって,人と関わることの良さを経験させる。

・Q-Uの結果を参考に,本時の学習が,承認得点の低い児童や,被侵害得点の高い児童の自己

肯定感を高め,底上げを図る機会の一つとなるようにする。

・他者の長所に目を向ける活動により,相手を思いやり信頼関係を結べる児童を育成する。

4 本時の学習

(1)日 時 平成18年11月24日(金) 第5校時

(2)場 所 3年3組教室

(3)ねらい ・他者のよいところに気づこうとする心情を養う。

・友だちの見つけてくれた長所を受け止め,自己肯定感を高める。

・活動を行うことを通して,学級の凝集性を高める。

(4)展 開

学習活動と主な発問 児童の反応 教師の支援 資料等

1.本時の活動の目的を確認する。

・今日は,3組の友だちのよいとこ ・どんなことをする ・落ち着いた雰囲

導 ろやしてもらってうれしかったこと のかな? 気を作り出すよう

を見つけ,それを伝え合って,友だ 留意する。

入 ちは自分のことをどう思っているか

を知るための活動をします。

新しい班になって,しばらくたち

ましたが,班の人のことを少しわか

ってきたでしょうか。

これまで身近で一緒に生活をして ・がんばるぞ!

きた友だちの良いところをもう一度

考えて,もっと仲良くなって欲しい

と思います。

2.エクササイズの内容を知る。

(インストラクション)

・「パチパチカード」というものを

作ります。

展 やり方は,

①花束のカードを首にかける。 ・なんだかおもしろ ・実際にやってみ 花束カ

②いいとこさがしカードを見なが そう。 せる。 ード

ら,友だちの良いところをシー 花びら

開 ルに書く。 シール

③合図があったらシールをはが いいと

し,友だちのカードに貼り付け こさが

る。 しカー

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・いいとこさがしカードに書いてな

いことでもいいです。どんな小さな

ことでもいいですから,いいところ

をたくさん見つけて下さい。

・それから、次のルールをしっかり

守ってください。 ・一斉に読むこと ルール

★ちくちく言葉は使わない。 でルールの確認を カード

★話は目でしっかり聞く。 する。

みんなで読んでみましょう。

では、始めます。

3.エクササイズを行う

(1)カードに名前を書き,首にかけ

る。

・自分の名前を書いて、首にかけて

背中にカードが来るようにしてくだ

さい。

(2)こころのノートを見ながら,友

だちの良いところをシールに書

く。

・まず,班の人のいいところを書き ・なかなか難しい ・とまどっている 音楽CD

ましょう。班の人の分を書き終わっ ぞ。 児童に,例を挙げ

たら,他の人に書きましょう。時間 ・思い浮かばないな るなどして支援す

は10分間です。 ぁ。 る。

・音楽を目安に時

間内で書けるよう

声かけをする。

(3)シールをはがし,友だちの背中

のカードに貼り付ける。

・できあがったシールを友だちのカ ・早く見たいな。

ードに貼り付けましょう。まだ自分

のカードを見てはいけませんよ。

(4)自分のパチパチカードの内容を

読む。

・それでは、首にかけてあるカード ・静かな雰囲気で 音楽CD

を見てみましょう。 読めるよう配慮す

る。

4.カードの言葉,思ったことを発

表する。(シェアリング)

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・シールにどんなことが書いてあり ・「○○がいい」と ・友だちのコメン

終 ましたか。発表してください。でき 書いてありました。 トを読んだ時の自

たら,どう思ったかも言えるといい ・自分でも気がつか 分の気持ちに焦点

ですね。 ないことをほめても を当てて振り返り

らってうれしかった をさせる。

です。

末 5.まとめの話を聞く。

・パチパチカードを読んで,なんだ ・友達の良いとこ

か温かい気持ちになったようです ろを見つけようと

ね。友だちの良いところを見つけら した態度、自分の

れて素晴らしかったです。また,自 良いところに気づ

分には,たくさん良いところがある いたこと等を賞賛

ことに気がついたことと思います。 する。

これをきっかけに,もっともっと

友だちと仲良くなってほしいと思い

ます。

(5)評 価

・他者のよいところに気づこうとしている。(シール)

・友だちの見つけてくれた長所を受け止めている。(発言)

・活動を行うことを通して,学級の良さを感じている。(発言)

座席表(班の構成 ))

教 卓

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5 授業の考察と反省

(1)授業者反省

・エンカウンターとしては、ゲーム的要素が少なく、固めな内容だったので、雰囲気が堅くな

ることを心配したが、暖かな雰囲気の中で進められ良かった。

・数人の児童について、授業前までの様子を観察する中で、カードへの記入がスムーズに行え

ないかもしれないと考えたが、当日は、意欲的にカードを書いており、安心した。

・前半のインストラクションに時間をかけすぎてしまった。その分をシェアリングに使いたい

ところだった。

・カードへの記入の例を示し、相手により効果的に温かい気持ちを伝えられる文の書き方を指

導すべきであった。

・時間がオーバーしてしまった。

・A児が不満を表したが、TTの対応で気持ちを抑えることができよかった。

(2)授業観察の結果

【1班】

・班のメンバーのカードの記入後、ノートにたくさん書いてあったため、誰に書こうか迷っ

ていた。

・受け取ったカードを見ている顔が良かった。

【2班】

・全員が6人以上書いていた。

・不満足群の女児が、大変丁寧に、表現にも気をつけて書いていた。友だちのこともよく見

ているようだった。

・皆大変意欲的だった。

【3班】

・「いいとこさがしカード」の文字と本時の「パチパチカード」の文字が違い教師の指示通

り、心を込めてかけていた。

・「みんなありがとうございました。」、「みんな優しいなと思いました。」など、相手の

こと を思う言葉が感想として出ていた。

【4班】

・シェアリングで、バラエティーに富んだ意見がたくさん出て良かった。

・A児は、枚数が少ないことに不満を表したが、TTにカードをもらい落ち着くことができ

た。

【5班】

・班長がリーダーシップを発揮し、声掛けをしていた。

・ある子は、「・・・してあげたい。」と言う表現をしていた。

・班員以外の子にもたくさん書いていた。

【6班】

・たくさんのカードをもらって、大変嬉しそうだった。

・書くことに余り意欲的でない態度を示した児童がいたが、シールをもらって読む時には、

大変嬉しそうにしていた。

(3)研究会での意見

・大変いい表情でシールを書いていた。

・更に、友だちに書いてもらったカードを読んでいる時のフワーと言う暖かな雰囲気がとても

良かった。

・BGMもその場の雰囲気によく合っていてとても良かった。

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・BGMを使うことにより、時間がわかり、催促をしなくても動けるメリットがある。

・帰りの学活の中での「いいこと発見コーナー」での発言が飛躍的に増え、今まで余り発言し

なかった児童も言えるようになってきた。

・シールへの記入の細、自分の感情を込められるようにすると、相手の喜びも大きくなる。今

後その部分の指導をしていくともっと良い。

(4)授業観察の視点について

①他者のよいところに気づこうとしているか。(シールへの記入など)

・ほぼ全員が大変意欲的にシールへ記入していた。

・丁寧な文字で、表現を考えて記入していた児童が多かった。

②友だちの見つけてくれた長所を受け止めているか。(態度、発言など)

・皆、素直に友だちの言葉を受け取っていた。

・シールをもらい、大変嬉しそうであった。

③活動を行うことを通して,学級(仲間)の良さを感じているか。(態度、発言など)

・シェアリングの言葉が、大変的を射ていた。

・カードの裏に書いた言葉が素直に喜びを表していたり、仲間の良さを感じたりしている物

が多かった。

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4年1組国語科学習指導案

指導者 柏木恵

1 目指す言語能力

・伝えたいことを選び,自分の考えが分かるように筋道を立てて,相手や目的に応じた適切な

音量や速さ言葉遣いで話す力。

・話の中心に気を付けて聞き,感想をもつことができる力。

2 単元名 調べて発表しよう

「伝え合う」ということ(光村図書 4年上「かがやき」)

3 児童の実態

児童は,低学年の頃から,朝の会で日直になったときにスピーチを経験してきている。「きの

うあったこと」と題して行ってきてはいるが,マンネリ化してきており,10秒間ぐらいであっ

という間に終わってしまう児童が多い。また,学級全体に聞こえるような音量で発表することは

全員の児童に徹底できていない。聞いている児童の方も一部の児童は,「何をして遊んだのです

か?」等質問をすることもあるが,大方の児童は聞こえなくても「聞こえません。」と言うわけ

でもなく,めあてをもって聞く習慣がなかなか定着していない。

授業中の発言でも,相手に伝わるように大事なことを落とさずに,筋道を立てて発表すること

や,適切な音量で適切な言葉で発表することを折に触れて指導してきたが,浸透していないのが

現状である。さらに,発言の様子では,女子よりも男子の方が元気が良く,手も良く挙げるが,

手を挙げる児童がいつも同じで,固定化されてきた。女子の中には,答えが分かっているのに手

を挙げたがらない児童が何人もいる。恥ずかしいからという理由が大まかを占めているのでその

不安をとりのぞいていけるよう,声かけや,励ますことを続けていきたい。

これまで,「話す」「聞く」について,3年生までに,身近な話題への興味・関心をもちなが

ら,事柄を順序立てて分かりやすく話したり,互いの考えを聞き合ったりしてきた。さらに,4

年生の1学期に「伝言はまちがえずに」の単元では主として電話での会話を例に,適切な伝え合

いにおける言葉の使い方や,聞き取りメモの取り方を学習した。具体的には,相手に用件が伝わ

るように,大事なことを落とさず,筋道を立てて適切な言葉遣いで話すことや,大事なことを確

かめながら聞き,短いメモをとることを学んだ。

2学期には,国語の授業の初めに1分間スピーチを行い,あらかじめ原稿を書かせて発表させ

てきている。原稿を書かせることにより,自分の考えがまとまり,整理されるので少しずつでは

あるが上手になってきた。適切な音量,適切な速度,適切な態度で発表するように気を付けさせ

ている。みんなの方を見て発表することに気を付けさせて発表させている。下を向いて原稿をた

だ読んでいることをさけるため原稿は暗記させているので,児童はみんなの方を見ながら発表し

ている。一方,聞く方は声の大きさ・速さ・態度の3点について評価し,聞いたあと感想を書く

ようにさせている。どの児童も興味深く聞き,意欲的に取り組んでいる。

《アンケート結果より》

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「 話す」・「聞く」アンケートはい まあまあ あまり いいえ

「話すこと」について

1 みんなの前で話をすることは好きですか。 10 13 8 1

「いいえ」と答えた人は好きではない理由をえんりょなく書いてください。

☆きんちょうするから

2 グループ(班)の中で話をするのは好きですか。 18 13 1 0

3 話したいことが心の中にありますか。 13 6 9 4

4 話すとき,考えをまとめてから話をしていますか。 5 18 5 3

5 自分の伝えたいことをよく分かってもらうために,話

し方に気をつけていますか。①~⑧を答えましょう

① 声の大きさ 14 11 6 1

② 話す速さ 13 14 3 2

③ 間の取り方 10 15 4 1

④ 顔の表情 10 12 9 2

⑤ 言葉づかい 14 12 4 2

⑥ はっきりとした発音 12 13 5 2

⑦ みんなの顔を見ながら 14 13 2 3

⑧ 気持ちが伝わるように声の強弱に気をつける。 10 18 4 0

「聞くこと」について

6 話を聞くことは好きですか。 25 5 2 0

7 話す人の方を向いて聞いていますか。 20 10 2 0

8 話を最後まで聞いていますか。 19 8 0 2

9 先生と友達の話を聞いて「なるほど」と思うことがあ 23 9 0 0

りますか。

10 先生と友達の話をきいて「もっとくわしく聞きたい 14 7 11 0

な」「質問したいな」と思うことがありますか。

11 話を聞きながら「大切だな」と思うことをメモできま 8 17 4 3

すか。

12 話を聞きながら自分と相手を比べて意見や感想を考え 11 15 5 1

られますか。

「話し合い」について

13 進んで話し合おうとしていますか。 13 16 2 1

2006,9,5実施 対象児童33人中32人

1番の「みんなの前で話をすることは好きですか」の質問について「はい」と答えた児童は1

0人にとどまったが,2番の「グループ内(班)で話をするのは好きですか」という質問では

「はい」と答えた児童が18人もいた。やはり,大勢の人前で話すことには抵抗があるが少人数

の前ならそれほど抵抗はないということが分かる。5番の①から⑨までの項目では,クラスの約

15パーセントから約20パーセントの児童があまり意識していないことがわかる。

また,「話すこと」と「聞くこと」では,全体に「聞くこと」の方に気を付けている児童が多

いのが特徴的である。ただ,11番の「話を聞きながら大切だなと思うことをメモできます

か。」の質問については「はい」と答えた児童が少なかった。メモをとりながら書く習慣があま

りない為だと推察できる。

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4 指導の内容と教材とのかかわり

第4学年の「聞く」「話す」の能力を育てるための目標は

『(1)相手や目的に応じ,調べた事などについて,筋道を立てて話すことや話の中心に気をつ

けて聞くことができるようにするとともに,進んで話し合おうとする態度を育てる。』である。

またその具体的な内容は次の通りである。

ア伝えたいことを選び,自分の考えが分かるように筋道を立てて,相手や目的に応じた適切な

言葉遣いで話すこと。

イ話の中心の気を付けて聞き,自分の感想をまとめること

ウ互いの考えの相違点や共通点を考えながら,進んで話し合うことである。(指導要領より)

本単元の教材文「手と心で読む」で,児童は点字という「文字」と出会う。また,この教材文

は,たくさんの人たちとより深く分かり合うためにどうしたらよいかという問題をなげかけてい

る。これに答える形で,興味をもった伝達の方法について調べ,発表して伝え合うという実践の

場を設定することで,点字,手話,といったそれぞれの伝達手段について理解するだけでなく,

伝え合いについての考えを広げたり,深めたりすることができると思われる。

この教材文には特殊印刷された点字のページがあり,これを指でさわらせることにより,大方

の児童がとても識別できないと訴えるはずであろう。この識別しにくい点字なしには,自ら本を

読むことができない人たちも存在することを思いやる良い機会でもある。この文章を読むことを

通して,「伝え合い」ということに心が動き,次に続く活動を呼び起こすきっかけとなるであろ

う。さらに,「目」で読むことができる人たちの「伝え合い」と目や耳の不自由な人達の「伝え

合い」について広い視野で理解することができる教材である。,

児童は,1学期に視覚障害者の方を講師としてお話を聞いた。年齢は40歳位であり,中途失

明された方で,盲導犬を連れてきてくださった。「聞く」については児童はとても良く話を聞く

ことができた。しかし,講師の方の問いかけにただうなずくしかしていなかった。そこで,講師

の方が,『ぼくたち目の見えない者にとっては「はい」とか「いいえ」って声に出して言ってく

れることが大事なんだよ。』という話をしてくださった。児童は健常者同志の伝え合いのやり方

では目の不自由な人達にうまく伝えることができないことを理解した。

指導にあたっては,「何について,何のために調べるのか」という目的意識,「調べたことを

だれに伝えるのか」という相手意識を明らかにして学習を進めていきたい。教材文から学んだこ

とをつなげながら,ここでは,『目や耳が不自由な人が伝え合うための工夫や,それに関連する

ことを調べて,クラスや学年のみんなに発信しよう』とする。伝え合い分かり合うには,いろい

ろな方法があることに気づかせ,調べさせたり,まとめさせたりしていきたい。また,発表する

という活動も,伝え合いの一つの方法であるということを意識させたい。さらに,分かりやすい

発表にするために,以下のことに気を付けて活動を仕組みたい。まず,課題が似たもの同士でグ

ループを作り,調べ学習を進めていく。次に,今までの「書くこと」の学習経験を生かし,発表

原稿を書いていく。発表原稿を書き終わったら,グループ内での原稿の読み合わせを行い,練り

上げをしていく。伝えたいことがよくわかるように話していたか,声の大きさや速さや話す態度

について,児童同士でアドバイスをさせたい。 そして,クラス全体への発表へとつなげていき

たい。さらに,発表内容には,音声言語だけでは伝えにくい事実が含まれることも予想されるの

で,絵や図を使用しながら分かりやすく話す力も育てていきたい。

【伝え合う力を育てるための学び手の意識】

①相手意識 ・同じような課題をもったグループ内の友達,クラスの友達

②目的意識 ・目や耳が不自由な人が伝え合うための工夫や,それに関連することを調べる

③場面・状況意識・グループ内で「話す」「聞く」小集団による場面,クラス全員の前での大集

団での交流会。

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④方法意識 ・クラス全体での交流会に向けて,わかりやすく伝えるための方法を考え,自

己の学びに生かす。

⑤評価意識 ・発表原稿などから自己評価する。

・友達や教師から相互評価によって学習を進め,まとめる。

5 「伝え合う力」「学び合う力」に関する手だて

・クラスという大きな集団での発表の前に,小集団のグループを使い,リハーサルをすることに

より,発表に慣れさせる。

・自分が興味をもったことを調べさせることにより,他者に伝えたいという欲求をふくらませる。

・学級の中で意見を言いやすい雰囲気にするため,児童同士の信頼関係を結ぶことを大切にして

いく。

6 日常の取り組み

(1)「話すこと」「聞くこと」への取り組み

・国語の授業の始まりに1分間スピーチを設け,時々スピーチを行っている。

・帰りの会の中で,「いいことさがし」(今日一日でうれしかったこと)「係りからの連絡」と

い う項目を設け,みんなに伝えたいことや話し合った方がいいと思うことを発表する。

(2)「書くこと」への取り組み

・毎日ではないが,日記を書く。

(3)「読むこと」への取り組み

・朝読書の日を設け,実施している。

・物語文などの音読練習。

(4)「言語についての知識・理解・技能」への取り組み

・習った漢字の五問テストを実施。

・五色百人一首を時々実施。

・黒板にことわざを書き,暗記する。

7 指導の目標

◎「手と心で読む」をきっかけに,点字などの伝え合いの方法に興味をもち,自分の課題をもっ

て調べて発表するとともに,交流によってさらに知識を得,ものの見方・考え方を広げる。

○国語への関心・意欲・態度

・さまざまな伝え合いの方法に興味をもち,その特長について調べたり,発表したりしている。

○話す・聞く力

・知らせたいことの中心をはっきりさせて,自分の考えが分かるようにを筋道を立てて話す。

(ア)

・話の中心に気をつけて聞き,自分の感想をまとめる。(イ)

○言語の力

・グループ内,クラス内など状況に応じて適切な音量や速さで話す。(ア(ア))

・相手やその場の状況に応じて丁寧な言葉で話す。(カ(ア))

8 指導計画と評価計画

学 習 活 動 主な評価の観点・方法 評価規準B B規準に達しない

次 時 児童への手だて

○単元名から単元のね ・ これからの学習 ・友達の意見を参関心意欲態度

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1 らいをつかみ,学習の ・学習のめあてがわか に関心をもちなが 考にさせる。

見通しをもつ。 り,単元全体の見通し ら,話を聞いて自分

○「手と心で読む」全 をもっているか。(観 なりに考えている。

文を通読し,初発の感 察・発言)

1 想を交流する。 ・「手と心で読む」を ・ノートに感想を書 ・何人かの児童に

読んで感想をまとめて いている。 感想を発表させ,

次 いる。(ノート) 考えるヒントを与

える。

書く2 ○「手と心で読む」の

内容を読みとる。 ・初めて知ったことや ・もっと調べてみた ・隣同士でノート

○読みとったことか 疑問に思ったことを書 いということを書き を見せ合わせ,参

ら,もっと調べたいと きまとめているか。 まとめている。 考にさせる。

思ったことを考える。 (ノート)

○前時の学習を参考 ・伝え合い,分かり合 ・伝え合い,分かり ・何を調べたのか

3 に,自分が調べる課題 うための工夫について 合うための工夫につ もう一度振り返っ

を決める。 調べる計画を立ててい いて計画を立ててい て考えさせる。

○類似した課題に決め るか。 る。

2 た児童でグループを決 (ワークシート)

め,調べる内容につい

て話し合う。 ・調べる方法や分担に ・調べる方法や分担 ・みんなの話し合

次 ○調べる方法や分担に ついて話し合っている について話し合って いを聞くなかで自

ついて話し合う。 か。 いる。 分にできることを

考えさせる。

4 ○決めた内容や方法に ・課題解決のために資 ・資料の中から,い ・資料選びの時に

~ 沿って調べる。 料を読んだり,必要な ろいろな情報を選択 声をかけ,必要な

6 情報を記録したりして できる。 情報を探させる。

いるか。

(話し合い)

書く○調べて分かったこと

7 をもとに発表原稿を書 ・発表原稿を書くこと ・伝えたいことの中 ・どのようなこと

く。 ができたか。 心を決め,初め・中 を調べたか確認

○発表に必要な資料を (発表原稿) ・終わりの組み立て し,初め・中・終

3 8 作る。 で原稿を書いてい わりを意識させ

る。 る。

話す・聞く10 ○聞き手によく分かる

11 発表の仕方を考える。 ・ビデオを視聴し聞き ・ビデオを視聴し聞 ・友達の意見をよ

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本 (発表メモ) 手によく分かる発表の き手によく分かる発 く聞いて考えさせ

時 仕方を考えているか。 表の仕方を自分なり る。

に考えている。

・友達の発表を,話の ・友達の発表を話の ・友達が一番言い

○グループ内で練習 中心に気をつけて聞 中心に気をつけて聞 たかったことは何

し,アドバイスをし合 き,アドバイスをした き,感想をもってい かを考えさせなが

う。(アドバイスカー り,感想を言ったりし る。 ら聞かせる。

ド) ているか。

・適切な音量・速さ・ ・適切な音量・速さ ・ゆっくりでもよ

相手を意識して発表し ・相手を意識して発 いからと,励ま

ているか。 表している。 す。

12 ○聞き取りメモへの記 ・自分のとったメモを ・自分のとったメモ ・教科書のメモ例

13 入の仕方を学ぶ。 見ながら,その内容を を見ながらその内容 をもう一度確認さ

(付録CDを使う) 隣の友達に伝えること を隣の友達に伝える せる。

ができるか。 ことができる。

○調べたことを発表す ・自分の考えが分かる ・自分の考えが分か ・友達の発表をし

る。 ように,状況に応じた るように適切な音量 っかり聞かせる。

適切な音量・速さ・相 ・速さ・相手を意識 励ます。

手を意識して話してい して話している。

るか。

書く14 ○発表を聞いて,「伝

え合う」とはどういう ・「伝え合う」という ・「伝え合う」とい ・友達の発表を思

3 ことかについて感想を ことについて自分の考 うことについて自分 い出させる。

書く。 えをまとめているか。 なりの考えをまとめ

ている。

9 本時の展開

(1)日 時 平成18年10月27日(金)午後2:00~2時45分 5校時

(2)場 所 大国小学校 3階 4年1組教室

(3)目 標 聞き手によく伝わる発表の仕方を考えて,グループ内でアドバイスしながら,

練習 することができる。

(4)展 開

学習内容・活動 教師の支援及び指導の 評価の観点・方法

留意点

導 1学習のめあてをつかむ ・クラスのみんなの前 ・自分自身のめあ

入 で発表する前に,リハ てを確認すること

聞き手によく伝わるように,発表の仕 ーサルをすることを確 ができたか。

方を工夫しよう。 認する。相手意識。目

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3分 的意識をもたせる。

展 ①聞き手によく分かる発表の仕方を考え ・ビデオを視聴するこ ・ビデオをしっか

る。 とにより,より視覚的 り見て,発言して

○発表のよい例・悪い例のビデオを視聴す にとらえることができ いるか。

る。 る。

・本時はグループ内に

聞こえる声であること

・原稿ばかりを見ていないで,聞いている を確認する。

人の方を見る。 ・教科書P,82の「た

・聞こえるような声で話す。 いせつ」を参考にさせ

・大事な言葉は,ゆっくり,はっきり話 る。

す。

・話のまとまりごとに,間をとる。 ・アドバイスカードは

・具体的な物や絵・写真・資料などは見せ 技能面についてばかり

開 ながら話す。 でなく,内容面の良さ

も含めて相手に伝えた

○アドバイスカードに書くことを確認す い。

る。

②グループごとに発表の練習をする。 ・めあてを意識するよ ・自分のめあてを

うに助言する。 意識しながら発表

の練習をすること

○一人が終わる毎にそれぞれがアドバイス ・マイナス面だけでは ができたか。

35 カードをもとにアドバイスをする。 なく,上手なプラス面 (教師観察)

分 についてもアドバイス

するように助言する。

ま ④今日の学習のまとめをする。全体で集ま ・クラス全体の発表の ・本時を振り返る

と り,今日の振り返りをする。 意欲付けとなるように ことができたか。

め する。 (自己評価)

7分 ⑤次時の学習の予告

(5) 評価規準

評価規準 ・聞き手によく伝わる発表の仕方を考え,工夫して練習することができる。

・グループの友達にアドバイスをすることができる。

評価規準A 評価規準B B規準に達しない子への支援

・友達の発表を話の中心に気を ・友達の発表を話の中心に気 ・友達が一番言いたかった

つけて聞き,良く理解し,適切 をつけて聞き,感想をもって ことは何かを考えさせながら

なアドバイスができている。 いる。 聞かせる。

・適切な音量・速さ・言葉で自 ・適切な音量・速さ・言葉で ・ゆっくりでもよいからと,

信をもって発表している。 発表している。 励ます。

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授業の考察と反省

《考察》

小集団での発表について

・どの児童もしっかり,恥ずかしがらずに発表し,小集団がうまく利用できた。

・アドバイスがよくできていて,友達の良い点をみつけていた。

・声が小さい児童にはアドバイスもそれなりに,もっと大きい声で言うように伝えていた。

場の設定について

・コモンスペースなどを使ったので広々とできた。

・子ども達の机などの準備が速かった。

「伝え合い」「学ぶ合う」場面では

・アドバイスをされているときに,言われたことに対し,返事をしていた児童がいた。これは,

一方通行ではなく,双方向の伝え合いだったので,とても良かった。

・発表の時やアドバイスをしている時にお互いに目を見ながらしていたのは良かった。

ビデオについて

・教師が悪い例を演じており,よい例を児童が演じていることが良かった。

・短い時間の中で良い例と悪い例の対比ができ,とても有効だった。(ビデオが長すぎると良く

ない。)

その他

・落ち着いた雰囲気の中で,学習規律が守られていて,良かった。

・児童の人間関係ができていると感じた。

・進行の児童が「次はがんばってください。」と声をかけていたのがほほえましかった。

《反省》

・中には児童の基準があいまいで,自分よりうまければ◎という子もいたので,基準を明確にす

れば良かった。

・スピーチをした後,アドバイスをしてもらった児童が,みんなのアドバイスを聞いて「次はこ

うしたい」という事が言えると双方向になり,もっと良かった。

・時間が余ったグループはもう一回練習させれば良かった。

・グループによっては,こうした方が良いという事も見つけてアドバイスをしても良かった。

・本格的な取り組みは,9月になってからだったが,こうした取り組みは,継続して取り組むこ

とが重要だと改めて感じた。この授業に至るまでには,何回かスピーチに取り組んだり,日頃

から,声の大きさ・速さ・発表するときの態度についても注意を促したりしてきた。また,意

識するように「声のものさし」や「発表するときの注意」の掲示物も児童に見えるように教室

の前に掲示しておいた。やはり,継続して取り組んでいくことの良さを改めて感じた。

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第5学年特別活動学習指導案(保健指導)

指 導 者 青木 央(T1)

養護教諭 宮川よう子(T2)

1 題材名 むし歯の予防を考えよう

2 児童の実態 (男子19名 女子19名 計38名)

授業にあたって,児童に実施した「歯の健康に関する」事前調査の結果は下の通りである。

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これらの結果から,多くの児童は,自分のむし歯の状況について,それほどよく把握していな

いことが伺える。また,歯みがきの大切さについてはよく理解しているものの具体的な正しい歯

みがきの方法が,それほどしっかりと定着しているわけではないこともわかる。歯の健康のため

の知識についても,イメージとして思い浮かべることはできるが確かな知識としては理解されて

いないようである。これから,歯の大切さを理解するとともに,歯を大切にするにはどんな取り

組みが必要か考えさせる材料としていきたい。

3 題材について

小学校学習指導要領の第4章特別活動には,目標として,「望ましい集団活動を通して,心身

の調和のとれた発達と個性の伸長を図るとともに,集団の一員としての自覚を深め,協力してよ

りよい生活を築こうとする自主的,実践的な態度を育てる。」とある。また,内容には「A 学

級活動」として,「学級活動においては,学級を単位として,学級や学校の生活の充実と向上を

図り,健全な生活態度の育成に資する活動を行うこと。」とある。具体的には,「(1)学級や

学校の生活の充実と向上に関すること。」と,「(2)日常の生活や学習への適応及び健康や安

全に関すること。」があり,本題材は,(2)にあたる。「希望や目標をもって生きる態度の形

成,基本的な生活習慣の形成,望ましい人間関係の育成,学校図書館の利用,心身ともに健康で

安全な生活態度の形成,学校給食と望ましい食習慣の形成など」の内容が考えられ,その中でも

「心身ともに健康で安全な生活態度の形成」のための取り組みとして取り上げた。

小学校学習指導要領解説の特別活動編には,この内容として,「心身の発育・発達,心身の健

康を高める生活,健康と環境のかかわり,病気の予防,心の健康など,児童が自分の健康状態に

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関心をもち,身近な日常生活における健康の問題を自ら見付け,自分で判断し,処理できる能力

や態度の育成にかかわる保健指導の内容」があげられている。また,これらの指導に当たっては,

「学級活動における計画的な指導と他の教育活動での指導との関連を図り,日常生活で具体的に

実践できるようにすることが大切である。」とある。今回は,「歯の健康」のための取り組みと

して養護教諭の協力を得て指導に当たることも考慮した。

今回の授業では,児童の実態もふまえて,みがき残しとむし歯ができることに密接な関係があ

ることに気づかせ,みがき残しをなくす正しい歯のみがき方を学習し,毎日実践していくことが

虫歯の予防につながることを理解させたい。毎日の歯みがきの中で,学習したことを積極的に実

践しようとする実践的な態度も培っていきたい。

4 「伝え合う力」「学び合う力」に関する手だて

① 話題の工夫

・ 映像資料を提示したり,染め出しテストをしたりすることにより,児童のむし歯の予防

に対する意識を高めるようにした。

② ワークシートの工夫

・ 歯みがきについての自分の考えを書きこむと同時に,友だちや先生の話から学んだこと

を書きこむ欄を設け,相手の考えを共感的に理解できるようにした。

③ 発表の場の工夫

・ 歯の模型や模型用の歯ブラシを使ったり,実際に自分でみがいているところを見せられ

るようにして,自分の考えを視覚を通しても発表できるようにした。

④ 発表の方法の提示

・ 歯のみがき方の発表に際して,児童が発表しやすいように,クラスの話し合いの中で,

あらかじめ発表の方法を確認するようにした。

5 ねらい

・ 歯の健康の大切さとむし歯の予防法を知り,自ら進んでむし歯を予防しようとする実践的

態度を培う。

・ 自分の考えと相手の考えとのちがいを見つけ,相手の考えの良い点を自分の活動に取り入

れることができる。

6 本時の学習

(1)日 時 平成18年6月30日(金) 5校時(2:00~2:45)

(2)場 所 5年1組教室

(3)学習内容 歯垢染め出しテストから,汚れが残りやすい場所を知り,歯ブラシの持ち方

や当て方に気をつけて歯垢の残らない磨き方を学習する。

(4)展 開

児童の主な学習活動 教師の主な活動と留意点 評価と方法,備考過程

みがいているのになぜむし歯になるのか考えよう

つ 1 みがいているのにむし歯に

か なるわけを予想する。

む ①今年になって新たにむし歯 ・自分の歯の様子を手鏡でチェ ・今年度歯科検診の

になっている歯はないか調 ックしながら,よごれや歯並 検診結果

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べる。 び,虫歯の様子などを調べさ ・手鏡

せる。

②どうしてむし歯になったの ・むし歯にならなかった子もい

か考える。 つ自分がむし歯になるかわか

・きれいにみがけなかった らないことから,自分のこと

・みがく時間が短い として考えさせたい。 ○むし歯の原因を考

・みがき残しがあった えることができた

か。

みがき残しとむし歯との関係を知ろう

し 2 みがき残しとむし歯との関

ら 係を確かめる。

べ ・汚れの残っているところは ・口腔内の画像などの資料を提 ・口腔内の画像資料

る 歯と歯の間,奥歯,歯と歯 示しながら,児童がみがき残

肉の境目,歯の裏側など しとむし歯との関係をわかり

・むし歯の多いところは,奥 やすく調べることができるよ

歯のかみ合わせ,歯と歯の うに工夫する。

間など ○みがき残しがむし

・汚れが残っているところと ・みがき残しは,むし歯になら 歯の原因になって

むし歯の多いところは,ほ なくても,歯肉炎になりやす いることがわかっ

とんど同じ いこともつけ加える。 たか。

みがき残しの原因を知り,みがき方を工夫しよう

工 3 みがき残しを落とすみがき ・歯ブラシ

夫 方を工夫する。 ・はきだし用牛乳パ

す ①染め出しテストで自分の汚 ・養護教諭の指導で染め出しテ ック

る れが残りやすいところを見 ストを進める。 ・染め出し液

つける。 ・手鏡

・うがいをし,汚れが残って ・机間巡視で,記入の遅れてい ・赤鉛筆

いるところをワークシート る児童には助言をする。 ・ワークシート

に記入する。

②みがき残しのできるわけに

ついて話し合う。

・歯ブラシの動かし方が悪い ・みがき残しができるところで ・歯の模型

から は,歯ブラシの毛先が正しく ・模型用の歯ブラシ

・歯ブラシがしっかり歯に当 当たっていないことに気づく

たっていないから ように模型を用意しておく。

・歯ブラシの毛先が届いてい

ないから

・歯ブラシが古いから

③実際にみがき残した汚れを ・歯ブラシの毛先が正しく当た

落としながら,汚れの残り るには,どんなみがき方をす

やすいところのみがき方を ればよいのか工夫しながらみ

考える。 がくように助言する。

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〔歯と歯の間〕 ・汚れが落とせない児童には,

・歯ブラシを立ててみがく 養護教諭と協力しながら歯ブ

・歯ブラシのわきを使ってみ ラシを使って直接指導する。

がく

〔歯と歯肉の境目〕 ・虫歯のない児童や,染め出し ○友だちのみがき方

・歯ブラシをまっすぐ立てて テストの結果がよかった児童 のよいところを自

みがく などに,自分のみがき方を模 分のみがき方の工

・横に細かくみがく 型を使って実演してもらう。 夫に取り入れられ

〔奥歯〕 たか。

・歯ブラシの先を使ってみが ・児童から出なかったみがき方

く に関して注意することなどに

・かき出すようにみがく ついて,養護教諭に補足説明

〔歯の裏〕 してもらう。

・歯ブラシのかかとを使って

みがく

④実際にみがいてみて自分で ・ワークシート

工夫したところや,友だち

のみがき方を見たり先生か ○汚れを残さないみ

ら聞いたりしたことなどを がき方を工夫する

ワークシートに記入する。 ことができたか。

自分に合ったみがき方をまとめよう

ま 4 ワークシートにこれからの ・自分に合ったみがき方をまと ・ワークシート

と 歯みがきで気をつけることを めさせる。

め まとめる。

る ・歯ブラシをしっかり当てる

・細かくていねいにみがく

・歯の裏はかかとを使ってみ ○実践への意欲化が

がく 図れたか。

(5)板書計画

むし歯の予防を考えよう

みがいているのになぜむし歯になるのか考えよう みがき残しの原因を知り,みがき方を工夫しよう

・<口の中の歯ならびの拡大図>・

<みがき方のポイント> <みがき方の工夫>・ ・みがき残しと虫歯との関係を知ろう・ ・・ ・・ ・汚れの残ってい むし歯の多いと

るところ・・・ ころ・・・

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(6)評価規準

A規準 B規準 B規準に達しない子への支援

・歯の健康の大切さとむし歯 ・歯の健康の大切さとむし歯 ・それぞれに適したむし歯の

の予防法を知り,自ら進ん の予防法を知り,自ら進ん 予防について,模型などを

で積極的に,むし歯を予防 でむし歯を予防しようとし 使って,具体的な方法を示

しようとしている。 ている。 しながら助言する。

・自分の考えと相手の考えと ・自分の考えと相手の考えと ・相手の発表をしっかり聞い

のちがいを見つけ,相手の のちがいを見つけ,相手の たり,相手の考えの良い点

考えの良い点を共感的にと 考えの良い点を自分の活動 をワークシートに書き込ん

らえながら,自分の活動に に取り入ている。 だりして,相手の考えをし

取り入ている。 っかり理解させる。

7 成果と課題

<成果>

○今回の授業を通して,児童一人一人が,歯の健康の大切さとむし歯の予防法を知り,自ら進

んでむし歯を予防しようとする実践的態度が,歯みがきなどに表れてきたといえる。

○児童がワークシートに記入しながら,自分の考えと相手の考えとのちがいを見つけ,自分な

りに相手の考えの良い点を自分の活動に取り入れることができていた。本時の中だけでも,

児童の変容を見取ることができた。

○映像資料を提示することによって,むし歯に対する児童の興味関心を高め,様々なつぶやき

を引き出すことができた。また,染め出しテストを体験することで,自分の歯の現状につい

て目に見える結果として,具体的に把握することができた。これらのことは,児童のむし歯

の予防に対する意識を高めることに役だった。

○ワークシートの中に,歯みがきについての自分の考えを書きこむと同時に,友だちや先生の

話から学んだことを書きこむ欄を設けたことで,相手のやり方を自分の歯みがきにも取り入

れようとする姿勢が見られるなど,児童が相手のよさを意識的に理解しようとすることにつ

ながった。

○鏡を見ながら,友だちや先生の言った磨き方を確認し,実行にうつしている児童が見られる

など,相手のよさを自分の行動に取り入れようとする意識も伺えた。

○歯の模型や模型用の歯ブラシを使って,実際に自分でみがいているところを見せられるよう

にしたことで,口だけでは説明しにくいところなども具体的に提示することができ,自分の

考えを効果的に発表できることにつながった。

○歯のみがき方の発表に際して,あらかじめ発表の方法を確認したで,その後の児童の発表に

その方法が生かされ,児童の発表への有効な手助けとなった。

<課題>

○歯模型を使った発表の際,教師の立ち位置が後ろ側だったので,歯ブラシの細かい動きや歯

模型へのあて方が見えなかったようで,先生が言葉におきかえる時に言ってもらえなかった

動きがあった。

○児童同士の話し合いの時間をもう少し確保してあげたかった。一人の出した意見に対し,他

の誰かが共感的な意見を出すような場がほしかった。ワークシートに記入したことについて

も,もっと大勢の児童が発表する時間が,授業時間内にあればよかった。

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8 資料

① 授業で使用したパワーポイント資料

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② 児童ワークシート

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(2)第6学年の実践

第6学年2組体育科学習指導案

授業者 矢沢 みつみ

Ⅰ 単元名 「環境ワールドへ,Let's Go!!」 (表現)

Ⅱ 運動の特性

1 一般的特性

表現運動は競争を伴わず,身近な生活の中から題材を選んで表したい感じをとらえ,動

きに変化や起伏をつけて,自分の考えやイメージを,自分の見つけた動きで思い通りに表

現したり,一連の動きを創作して楽しみを味わったりすることができる運動である。

2 子どもからみた特性

個(子ども)のとらえ方の視点

楽しさの体験 運動の学び方 技 能

・運動の特性にふれる楽 ・運動をどのように学ぶ ・運動技能の習得状況

しさの体験状況 ことができるかの状況

(手 が か り)

○表現やリズムダンスは ○めあてをもって学習を ○イメージにそって,体

好きか。 進めていけるか。 を動かせるか。

○どんな題材や感じの表 ○資料などを使って自分 ○個人,グループによる

現をしたいのか。 たちで工夫した動きを 動きの工夫ができる

○どんな表現の楽しみ方 つくれるか。 か。

をしたいのか。 ○友だちと仲良く協力し ○表したい感じを一連の

・即興表現志向 合って活動できるか。 流れの動きの中で表現

・作品志向 等 ○心を開ける学級集団で できるか。

○どんな世界をつくりだ あるか。

したいか。

(子 ど も か ら 見 た 特 性)

○体を使って表現すること ○めあてや活動計画が把 ○音楽に合わせて楽しく

が好きである。 握できると,ある程度 踊ることができる。

○そのものになりきって, 自分たちで工夫して学 ○即興的な表現活動は得

~ごっこ遊びをするのが 習が進められる。 意な子どもが多い。

好きである。 ○思いつくままにリズム ●体全体を思い切り動か

○考えた動きや工夫したこ にのって踊る子ども, して踊ったり,ダイナ

とがうまくいった時に喜 形や動きを工夫しなが ミックな動き,メリハ

びを感じる。 ら動く子ども,友だち リのある動きを工夫し

○友だちと協力できた時や の動きをまねして踊る て踊ったりする経験は

認められた時に喜びを感 子どもと多様である。 少ない。

じる。 ●友だちと豊かに関われ ●イメージをふくらませ

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●運動会などで,ジェンカ る子どもと,そうでな グループとしての作品

・ジンギスカンの経験はあ い子どもがいる。 づくりの経験は少な

るが,低学年での表現リ ●学習カードや資料を使 い。

ズム遊びの経験はない。 って学ぶ経験は少な

●動きを工夫して,作品と い。

して仕上げていく経験は

少ない 。

(観点別学習状況の評価との関連)

関心・意欲・態度 思考・判断 技 能

Ⅲ 授業の構想

1 授業の基本的な構想

子どもたちが自ら創り出し,仲間と協力して,表現運動の楽しさを求めていく学習を

めざして

☆子どもの自主性,主体性,積極性を重視

・個性を大切にし,表現する面白さへ

・自分らしさの発揮

☆教師としての関わり

・子どもの日常生活,体験,実態から表現

運動の関わりを把握する。

・学習過程の工夫

・魅力ある題材の選定

・場づくりや音楽の工夫

・学習活動の工夫

・効果的な児童への支援(賞賛,助言等)

・学級の自由な雰囲気づくり

子どもたち一人一人が豊かに関わり合う集団であること

〈他教科との関「環境ワールドへ Let's Go 」!!・様々なイメージを広げ,表現を楽しむことができ 連〉◇国語-環境

る。 ワー ルドのスト

・変化や起伏,動きの工夫,心情を表現できる。 ーリ ーを作る

・一人一人の個性,自分らしさを発揮できる。 ◇図工-班ごとに

場面の絵を描く

◇社会-環境につ

いて考える

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☆自由に選択できる場 ☆自分たちでつくる学習

・ストーリーを自分たち の道すじ

で作ることで,場面構 ・学習カードや資料を用 ☆教師の支援

成を自由に考え,動き い,学習内容や学習計 ・共感的な態度で認め,

を工夫できるようにす 画の見通しを持てるよ 賞賛する。

る。 うにする。 ・一緒に動き,助言し,

演出する。

表現運動の楽しさの体験・心地よさの体験・多様な動きの体験

表現運動の学習の成果を,学校生活の様々な場面に広げていく

2 子どもの実態と学習の道筋

・リズムに合わせて歌ったり踊ったりすることや,即興的な動きをすることは好きである。

また,友だち同士協力して,一つのことをやり遂げようとすることに楽しさを求める子ど

もも多い。自分の思いを体を使って表せる子どももいる昨年度、「マウンテンバイクだ!

GO!」という題材で即興作品創りの経験をしてきた。

したがって,基本的な学習の道すじは,

・前半のねらい①では即興的表現を中心に,教師の言葉かけによって環境レスキュー隊とし

て,環境問題をさぐりに行くという設定のもと,イメージを広げて楽しむ。

・後半のねらい②では自分たちで環境ワールドを考え,床にテープを貼ったり、掲示物を作

ったりすることでイメージをふくらませ,一番表したい場面を,強弱や速さ・空間の使い

方等を工夫して,簡単な作品を創る。

という,二つの楽しみ方で構成していく。

3 伝え合う力・学び合う力に関する手だて

・言葉かけ(イメージを持たせ,引き出す・相手に分かりやすく)

-メモの利用・イメージカード,学習カードの活用

・場づくり(イメージをふくらませる)

-床にテープをはる・模造紙での壁への掲示等,効果的な発表のための手だての工夫

・兄弟班の活用(互いのアドバイスにより,高めあう)

-伝え合い,学び合う場面の設定

・自分たちのワールドの発表(思いを伝える)

-自分のワールドの動きを工夫しての,伝え合い,学び合う場面の設定

・視聴覚機器の活用(視覚的に自分たちの動きをとらえ,生かす)

-ビデオをとってみる,客観的にみて活かせる材料

Ⅳ 学習のねらいと道すじ

1 学習のねらい

・様々な環境問題の様子を思い浮かべて,「環境ワールド」を回りながら、表現を楽しむこ

とができる。

・友だちの動きやグループの活動のよいところを見つけ,認め合い伝え合いながら練習や見

せ合いができる。

・強弱や速さ・空間の使い方等,表したいイメージに合った動きを工夫することができる。

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2 道すじ

ねらい① 環境問題の場面をとらえ,即興的に動いて楽しむ。

ねらい② 自分たちで環境ワールドを作り,イメージをふくらませて,動きを工夫しながら

簡単な作品を創って,動いて楽しむ。

Ⅴ 単元学習計画の概要

時 1 2 3 ④

道 ねらい① ねらい②

す 環境問題の場面をとらえ,即興的に動 自分たちで環境ワールドを作り,イメ

じ いて楽しむ。 ージをふくらませて,動きを工夫しなが

ら簡単な作品を創って,動いて楽しむ。

1 オリエンテーシ 1 イメージカード 1 グループごとに 1 グループごとに

ョン を使って環境イメ 環境ワールドの場 環境ワールドに付

ージを確認する。 面を分担し、ビニ け足したい絵を、

2 他教科で学習し ールテープで床に ビニールテープで

た環境問題のイメ 2 イメージカード その場面の絵を描 床に描く。(課

ージを出し合う。 を使って,教師の く。 (課外) 外)

学 声かけで即興的に

3 環境をイメージ 動く。 2 グループで決め 2 工夫したストー

したり,動いたり た場面のストーリ リーと,空間の使

習 してみる。 3 もう一度捜査し ーを,強弱や速さ い方に着目したイ

(イメージカード) たい環境問題を絞 に着目して動きな メージを動きなが

る。 がら確認する。 ら確認する。

内 4 学習の反省をす

る。 4 環境問題を捜査 3 捜査に行く人, 3 それぞれの場面

しながら,そこで 言葉かけをする人 の特徴をとらえ、

容 出会った友だちと に分かれて,交代 空間の使い方を意

動いて楽しむ。 しながら環境ワー 識しながら,捜査

ルドで動いて楽し をする人,言葉か

5 学習の反省をす む。 けをする人に分か

る。 れて,交代しなが

4 自分たちの環境 ら環境ワールドで

ワールドでの動き 動いて楽しむ。

をグループで話し

合う。 4 自分たちの環境

ワールドの動きを

5 強弱や速さを強 確認する。

調するように動き

ながら,兄弟班で 5 空間の使い方を

見合い,アドバイ 工夫し,強調する

スしあい、動いて ように,全員でス

みる。 トーリーに沿っ

(視聴覚機器の活 て,環境ワールド

用) で動いて楽しむ。

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6 学習の反省をす 6 学習のまとめを

る。 する。

(太字は十分満足できる状況)Ⅵ 評価規準:おおむね満足できる状況

運動への関心・意欲・態度 運動についての思考・判断 運 動 の 技 能

①環境ワールドの特徴をと ①いろいろな場面におい ①環境ワールドのイメージを

らえ, て, 自分のイメージに合 つかみ 即興的に動(進んでイメージ (広げ)

楽しく動 うよ うな動きを見つけて くことができる。をふくらませ)

(動 きを進んで改良する (いろいろなイメージと動こうとしている。 ②

(雰囲気に浸って) など の工夫をして) きの関係をとらえ)② 友だ い

ちと気持ちを合わせて る。 強弱や速さ,空間を使って

楽しく動こう ② 動くことができる。(進 んで) (積極的に意見を出し合

とし ている。 ための動き ③表したい内容を強調するよって)楽しむ

③グループのめあてに向か や,活動の仕方を見つけ うに動くことができる。ま

(友だちを (動きにって,進んで ている。 た、簡単な構成で

取り組もう ③それぞれの場面のグルー こ促しながら) 改良を加えながら)動く

としている。 プのイメージに合った とができる。

(様 々な動きを見つけ)④グループで,お互いの動

きや活動のよいところを 動き に気づき,工夫して

認め合いながら,協力し 動い ている。

て練習したり,見せ合っ ④友だちのよい動きに気づ

(教え合ったり) (自分たちのたり, いている。

動きの工夫に生かしていしながら仲良く動こうと

る)している。

⑤他のグループのよさや,

表現したいことが見てわ

(自分の言葉で発かる。

表することができる)

努力を要する状況と判断された児童に対する手だて

・日ごろからの雰囲気作り ・直接語りかけたり,口伴 ・具体的な動きを見せ,模倣

を大切にし,恥ずかしさ 奏をさせたりして,イメ から入るようにする。

を取り除くような配慮を ージを引き出すようにす ・テーマのイメージが持てな

する。 る。 い児童には,具体的な動き

・準備運動で,易しく(ま ・良い動きとはどういう動 (運動課題)から示すよう

(走る-止まる, 伸びる-縮むねで)動けるような活動 きなのかを,できる子に にする。

等)を取り入れていく。 させてみるなど例を示し

・教師も共に動き,肯定的 教えていく。 ・共に動いて動きを引き出す

に関わることで,自信を ・学習カードにコメントを ようにしたり,グループ作

持たせるようにする。 加える。 りを工夫したりする。

・良い雰囲気を持った児童 ・イメージがわかない子に ・強調するポイントを意識さ

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とペアを組ませるなど友 は,視覚でで捉えさせ せ,その都度声かけをして

(群と個,大きく小さく,繰り 返だち関係を活用する。 る。・見る視点を示し,そ いく。

し, 速く遅く 等)・意識的にその子のよさを こを 中心に見させるよう

ほめたり,発表させたり にす る。

するような場面を設定す

る。

Ⅶ 学習場面による評価の観点と評価方法

時間 学 習 計 画 評価の内容 評価方法

関 心 思 考ねらい①

意 欲 技 能環境問題の場面をとらえ,

態 度 判 断即興的に動いて楽しむ。

1 オリエンテーション

2 他教科で学習した環境問題

1 のイメージを出し合う。

3 環境をイメージしたり,動 ① 観察

いたりしてみる。 学習カード

(イメージカード)

(学習カード)4 学習の反省をする。 自己評価

1 イメージカードを使って環

境イメージを確認する。

2 イメージカードを使って, ② 観察

教師の声かけで即興的に動

く。

2 3 もう一度捜査したい環境問 ② 観察

題を絞る。

(学習カード)4 環境問題を捜査しながら, ① 自己評価

そこで出会った友だちと動

いて楽しむ。

(学習カード)5 学習の反省をする。 自己評価

ねらい②

自分たちで環境ワールドを

作り,イメージをふくらませ

て,動きを工夫しながら簡単

な作品を創って,動いて楽し

む。

1 グループごとに環境ワール

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ドの場面を分担し、ビニー

ルテープで床にその場面の

絵を描く。 (課外)

3 2 グループで決めた場面のス

トーリーを,強弱や速さに

着目して動きながら確認す

る。

3 捜査に行く人,言葉かけを ① 観察

する人に分かれて,交代し

ながら環境ワールドで動い

て楽しむ。

4 自分たちの環境ワールドで ③ 自己評価

の動きをグループで話し合 (学習カード)

い確認する。

5 強弱や速さを強調するよう ④ ⑤ ② 自己評価・相互評価

に動きながら,兄弟班で見 (学習カード)

合い,アドバイスしあい。

動いてみる。

(視聴覚機器の活用)

(学習カード)6 学習の反省をする。 自己評価

1 グループごとに環境ワール

ドに付け足したい絵を、ビ

ニールテープで床に描く。

(課外)

2 工夫したストーリーと,空

間の使い方に着目したイメ

ージを動きながら確認す

(学習カード)る。 ③ 自己評価

④ 3 それぞれの場面の特徴をと

らえ、空間の使い方を意識

しながら,捜査をする人,

言葉かけをする人に分かれ

て,交代しながら環境ワー

ルドで動いて楽しむ。 ④ 観察

4 自分たちの環境ワールドの

動きを確認する。 ④ ②③ 自己評価・相互評価

5 空間の使い方を工夫し,強 (学習カード)

調するように,全員でスト

ーリーに沿って,環境ワー

(学習カード)ルドで動いて楽しむ。 自己評価

6 学習のまとめをする。

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Ⅷ 本時の学習

(1)日時 平成18年11月15日(水) 5校時(14:00~14:45)

(2)場所 大国小学校体育館

(3)本時のねらい

・様々な場面の様子を思い浮かべて,表現を楽しむことができる。

・表したい動きを考え、空間の使い方を工夫して表現することができる。

・友だちの動きやグループの動きのよいところを見つけ,認め合いながら動くことが

できる。

(4)本時の展開(4時間中、第4時)

評価の観点・方法学習内容と活動 教師の関わり(留意点)

1 集合する。 ・裸足になり,円の中に素早

は く集合させる。

2 健康観察をする。 ・児童の健康状態を把握す

る。

じ 3 ほぐしをする。 ・リズム太鼓に合わせて,簡

○だるまさん 単な即興表現をし,心と体

○シグナルウォーク をほぐすことができるよう

○じゃんけんゲーム にする。

4 本時のめあてと活動を確

認する。

ねらい② ・グループごとに,自分たち

自分たちで環境ワールド が考えたストーリーと空間

を作り,イメージをふくら の使い方に着目したイメー

な ませて,動きを工夫しなが ジを動きながら確認させ

ら簡単な作品を創って,動 る。

いて楽しむ。

環境ワールドへ,Let's Go!!

~空間の使い方を工夫しよう~

5 それぞれの場面の特徴を ・一周したら交代させる。 思判-③

とらえ、空間の使い方を意 ・言葉かけをする時に、友だ ・学習カード

識しながら,そうさをする ちがどんな動きをしている

人,言葉かけをする人に分 か、しっかり見るように伝

かれて,交代しながら環境 える。

ワールドで動いて楽しむ。 ・空間の使い方を工夫できる

・交代する前に、言葉かけ ような言葉かけを考えさせ

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などについて話し合う。 る。

6 グループで協力しなが ・友だちのよい動きも参考に 関意態-④

ら,空間の使い方を考えた させておおまかな動きを考 ・観察

動きを工夫し自分たちの環 えさせる。

境ワールドの動きを確認す ・空間の使い方等が強調でき

る。 るように,確認させる

7 空間の使い方を工夫し, ・それぞれの場面で友だちが 思判-④

強調するように、全員でス どんな動きをしているか, ・学習カード

トーリーに沿って環境ワー 見るポイントを伝える。 技能-③④

ルドで動いて楽しむ。。 ・学習カード

ま 8 学習のまとめをする。 ・自分のよさや友だちのよさ

と に気づくよう,賞賛しながら

め 次回の表現運動の単元へとつ

なげていく。

Ⅸ まとめ

○テープや模造紙などの場づくりは,子どもたちがイメージをふくらませて動くのに有効だった。

体育館全体を使って,広くテープをはったことが場所を広く使うことにつながった。

○壁にテープを貼ることで,上の空間も意識して使うことができた。

○今日のめあてを確認するときに,伸びて-縮む,ジャンプして転がるなど,見本を示すことで,

どのように動けばいいのかが,子どもたちの中に明確になった。

○本時の授業の中のポイントがしっかり押さえられていたことで,授業がぼやけず,子どもたち

がどこに向かっていけばいいのかがはっきりしていた。

○活動をしているグループの中に,教師が一緒に入って動いたり,アイデアを出したあげたりす

ることが,子どもたちの動きを豊かにすることにつながった。

○子どもたちの言葉かけのタイミングが調子よく,捜査にいく方もやりやすかった。

○自分たちの動きをよくするための話し合い(動きながらの)を通して,動きがどんどん変わっ

ていった。

○捜査にきた子と言葉かけの子が,お互いの思いを伝え合おうとしながら,動くことができた。

○自分たちの思いを伝えるため,相手に分かりやすい言葉をかけようと工夫することができた。

○ビデオを活用して,自分たちの動きを客観的にみることは,次時の活動にとって大変有効であ

った。動きに変化がないことや,内容がよく分からないなど,自己評価することで,もっと良

い動きをしたいという子どもの意欲につながった。

4時間目に至るまでに,子どもたちの自己評価は,あまり良いものではなかった。昨年に引き

続いての「表現」の研究であったが,昨年度との大きな違いは,楽しく動く~よりよい動きをし

たいという,子どもたちの欲求の大きさ,であるように感じた。もっと動きたい,よい動きをし

たいという気持ちがある反面,具体的な動き方が分からない,方法が分からない,そのようなと

ころに原因があると考えた。

それを解決するために,3時間目にとったビデオをクラス全体でみる活動を取り入れた。グル

ープごとに自分のグループの表現をみた感想と,改善したい点を発表させ,こんな動きがあるよ

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などと実際に例を示していった。6グループに対するそれぞれの動きのアドバイスを共有するこ

とによって,子どもたちの中に,「ああいう風に動けばいいんだ。」というイメージのようなも

のができあがっていくのを感じた。

ストーリーを早く考えてしまったグループは,動きを考えたり,本時の授業が始まる前には,

かかっていた曲に合わせて動いたり,意欲的に活動する姿が見られるようになった。動き方をい

ろいろ教えるということが,大切であることを感じた。

指導主事 加賀美先生より

・授業の展開が早く,子どもたちが恥ずかしがっているすきを与えない授業だった。

・授業を通して,自信が持てるようになった子がいるというのは,有能感が高まっていること。

大きな成果である。指導をしっかりすることが子どもの自信につながる。

・「できない自分-できるようになりたい-じゃあ,できるようにこんな風にしてみよう」

【高めるための手だて】☆矯正していく手だて

☆指導を躊躇なしでしていく

学習内容を明確にする。今回の場合は,空間を使う。

・表現運動を楽しむためには,☆視点をはっきりさせる

☆適度な難度を

☆学ぶ価値がある(環境,伝え合う等)

☆分かりやすい

仕掛けをすることで学習内容を分かりやすくすることが大切。

・研究テーマにぴったりの授業だった。しっかり伝えあえていた。

・子どもが課題をしっかり見据える必要がある。それがめあて学習につながる。課題が子どもに

つかみやすかった。

・子どもたちの関わりが必然的に生まれていた。

・評価を考えるときには,縦と横の関わりが大切である。言葉を吟味して指導案を書くことが必

要。

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3コマストーリーと言葉かけ3コマストーリー 言葉かけ例(空間を意識した)ワールド

・マグマが低いところでぐつぐ ◎マグマが低いところでぐつぐついいっているよ

火山 ついっている ◎空高く、外側に順々に噴火したよ

・火山が噴火した ◎マグマがぐるぐる高くなったりしているよ

・人間が溶岩に飲み込まれた ◎マグマに巻き込まれた

・路線バスに乗った ◎今にも転びそう。左右におっとっと

ざわザ ・携帯の音うるさい ◎その場で回って、小さい音を表現してみよう

・お客さんをおろした

・車から煙が出て、上へ行く ◎煙が上へ、下へいき、ぐるぐる回り出したよ

とけ ・酸性雨が降ってくる ◎いろんな方向に降ってきた

とけ ・銅像を溶かす

・きれいな森に動物たちが楽し ◎動物たちが低くジャンプしているよ

ジャン く遊んでいた

グル ・人間たちが入ってきた

・森はよごれた ◎上から順々にしおれ、倒れた

・きれいな川で魚がたくさん泳 ◎くねくねしている川だ

ウォー いでいる

ター ・油やゴミが川に捨てられる ◎魚は上下左右に逃げているよ

・川が汚れ魚が苦しむ ◎次々と倒れていく

ゴミッ ・人間の手からたくさんのゴミ ◎高いところから回って落ちてきた

クスレ が捨てられた

ンジャ ・リサイクル工場で新しくなっ ◎大きいビンが小さくなった

ー た ◎溶けた缶がまっすぐに

・大切に使われうれしい ◎ぐるぐる回ってうれしいな

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環境ワールドへ、Let's Go!!

青 はい 黄 どちらでも 赤 いいえ

番 ( )

があった

心に残ること

イメージ通りに

できた

動くことが

いろいろな動き方が

わかった

たくさん動いて

汗をかいた

楽しくできた

自分から進んで

動くことができた

何回も繰り返し

動きを練習した

友だちと協力して

仲よく動いた

友だちと励まし合って

動くことができた

今日のなりきり度は?

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表現運動学習カード(1)月 日( )

今日の学習

環境についてイメージを広げよう!

& からだほぐしをしよう!!

【環境問題のイメージを広げましょう。】 ~どんなことが思い浮かぶかな?~

【今日のじゅ業の感想を書きましょう】

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表現運動学習カード(2)月 日( )

今日の学習

環境レスキュー隊になって,動いて楽しもう!!

【だれと、どんな動きをしたかな?】

【今日みつけた友だちのよい動きは?】

【今日のじゅ業の感想を書きましょう】

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表現運動学習カード(3)月 日( )

今日の学習

環境ワールドへ,Let's Go!!

~強弱や速さを工夫しよう~

言葉かけメンバー自分たちの班のワールド

( ・ ・ )は?

強弱(○)や速さ(●)を意識するために、( )ワールドの

こんな言葉かけをするよ。3コマスト~リ~!

【今日みつけた友だちのよい動きは?】

【今日のじゅ業の感想を書きましょう】

Page 57: 第1学年算数科学習指導案 - Kofu...-5-8 授業の考察と反省 子どもたちの意欲を引き出すためと,学び合うということからゲームを取り入れた。意欲的

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表現運動学習カード(4)月 日( )

今日の学習

環境ワールドへ,Let's Go!!

~空間の使い方を工夫しよう~

言葉かけメンバー自分たちの班のワールド

( ・ ・ )は?

空間の使い方(◎)を意識するために、( )ワールドの

こんな言葉かけをするよ。3コマスト~リ~!

【今日みつけた友だちのよい動きは?】

【今日のじゅ業の感想を書きましょう】