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第 23回学会報告記 (第 28 回日本心血管インターベンション治療学会近畿地方会)
関西労災病院循環器内科、畑陽介と申します。先日行われました CVIT 地方会についてご報
告させていただきます。
1 学会会場
日本心血管インターベンション治療学会(Japanese Association of Cardiovascular
Intervention and Therapeutics: CVIT)が、2017 年 3 月 11 日(土)に、大阪府豊中
市千里ライフサイエンスセンターにて開催されました。
この度から研修医セッションが設けられたほか、総演題数 160 席以上、総参加者 600 人以上と
これまでで最大の規模となり、血管内治療への関心の高さをうかがわせる盛況ぶりでした。
2 発表
当院からは研修医セッション 2 演題、Young Investigator Award (YIA) 1 演題、一般口演
4 演題を発表させていただきました。
研修医セッションでは当院初期臨床研修医の今井先生、豊島先生が胸部大動脈瘤に対するス
テントグラフト治療について発表し、初期研修医とは思えぬ完成度の高さで質問に対してもしっかり
と応答されていました。両先生とも初めての学会発表でしたが、堂々とした発表で自身も手ごたえ
を感じている様子でした。
また、YIA では僭越ながら大動脈解離に対する治療法についての小生の発表で優秀賞をいただく
ことができました。ご指導いただいた上級医の先生方に深く感謝申し上げるとともに、これを励みに
日々の診療に取り組んでいく所存です。
一般口演では冠動脈治療について河合先生、奥野先生、辻村先生が、大動脈瘤治療につい
て南都先生が発表され、内容・質疑応答ともに非常にクオリティの高いものとなりました。
また当科冠血管チーム主任、石原先生はランチョンセミナーでの発表、当科副部長飯田先生は
末梢血管のセッションで座長を務めあげておられました。
今井 淳裕 先生
「開胸手術が困難な胸部大動脈瘤に対して Chimney 法を用いて 2-debranch TEVAR
を施行した一例」
豊島 拓 先生
「上腸間膜動脈に Chimney 法を用いて胸部ステントグラフト内挿術を行った胸部下行大動
脈瘤の一例」
畑 陽介
「A 型解離術後の残存解離に対し Amplatzer Vascular Plug 2 (AVP2) を用いてエン
トリー閉鎖を行った一例」
※Young Investigator Award 優秀賞受賞
河合 弘幸 先生
「第一対角枝入口部の高度狭窄病変に対して薬剤溶出性バルーンによる拡張術が有用であ
った一例」
奥野 翔太 先生
「大伏在静脈グラフト狭窄に対する第 3 世代シロリムス溶出性ステント留置 4 か月後に血管
内性状を評価しえた一例」
辻村 拓也 先生
「ステントストラット間を通過させた後の抜去時に血管内超音波カテーテルが stuck した一例」
南都 清範 先生
「慢性期に発症した腹部ステントグラフト術後タイプ Ib エンドリークに伴うDIC と SMA 閉塞
による虚血性腸炎に対し血行再建を行った一例」
3 まとめ
今回の CVIT 地方会は演題数、参加者数ともに最多であり、今後加速する高齢化社会の中で
低侵襲である血管内治療への関心の高さをうかがわせるものでした。演題も非常に多岐にわたって
おり日常診療だけでは得ることのできない知識を学び取ることができました。
また CVIT 地方会は私たち後期研修医にとって発表に挑戦する絶好の機会であります。今後も
日常診療で感じる疑問について深く考察し、様々な形で発表できればと考えております。
今回研修医セッションに発表していただいた 2先生の今後の活躍に期待し、数年後には同じ後期
研修医として共に日常診療、学会発表にチームメイトとして加わってくれることを願っております。
以上 CVIT 地方会報告記でした。
文責:畑