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Ⅴ 学習支援 IT ネットワークシステムの構築
1.設置の目的と概要 2.コミュニケーション支援 3.社会体験型学習支援 4.学生記録ファイル(ポートフォリオ) 5.学習成果と資料のライブラリー構築(講義内容のデジタル化) 6.講義支援(グループワーク支援)
Ⅴ 学習支援 IT ネットワークシステムの構築
http://www.pha.keio.ac.jp/gp/iryojin/support.html
1. 設置の目的と概要
薬学部ヒューマニズム教育を支援するため、以下の項目を中心に実施した。
項目 実施内容
コミュニケーション支援
グループ内のディスカッションにおいて、学生-学生間
だけではなく、学生-教員間のコミュニケーションを促進
し、学習を支援する。
社会体験型学習支援
医療施設などの学外学習を行う際の、学生と教員間のコ
ミュニケーション、実習先での情報収集を支援する。
学生記録ファイル(ポートフォリオ)
学生と教員双方向で学習補完、評価を行う。自身の学び
の軌跡、振り返りを促し、学習成果と資料のライブラリーと
ともに、学習に対するモチベーションの維持を図る。
学習成果と資料のライブラリー構築
(講義内容のデジタル化)
過去の学習、講義をいつでも確認でき、さらに、様々な学
生の体験を共有する。
講義支援(グループワーク支援)
講義中に、学生が移動せずインターネット上の情報を検
索し情報を収集可能とし、また、プレゼンテーション資料
の作成を可能とする
本事業の全体の目的は、本学の教育目標である「科学の基盤をしっかりと持った、人に優しく尽くす、資
質の高い薬剤師を育成し、社会に貢献すること」である。ヒューマニティ・コミュニケーション能力の育成は、
医療人としての人格を陶冶し続けるための基盤となるものである。本教育推進システムによって、患者との
コミュニケーションがとれる能力と、様々な人生観を知り、チーム医療の一員として必要な倫理観と使命感
を有し、人格陶冶を自主的に行う、人に優しい薬剤師を養成する。平成 18 年度より 6 年制薬剤師教育が
開始されたが、本学は薬剤師教育の中心にこのような目的を設定した。本取組を通じ、実践型の教養教
育を実質化・推進することにより、国民医療への大きな成果が期待できる。学習支援ITネットワークシステ
ムは、この実践型教育プログラムの効果的実施の支援を行うことを目的としている。
この「学習支援ITネットワークシステム」では、学習内容の記録・公開、学生と教員の対話討論、個人学
習記録をサーバー上に作成していくことで、学生と教員の双方向の学習補完が容易になり、学生は効果
的な指導を受けることができる。また、学生はネットワーク上のライブラリーを利用することで、「自主的に
人格陶冶を行うことができる薬剤師」へと成長していくことが期待できる。また、ヒューマニティ・コミュニケ
ーション教育を支援するため、「学習内容記録システムによる授業記録蓄積」、「ノートパソコンによるグル
ープ学習中の資料収集、発表資料作成」、「コミュニケーション促進・学習管理システムを導入し、学生の
感想、学習成果物の蓄積、および学生・教員の相互意見交換をサポートするシステム運用を開始する」。
さらに、ヒューマニズム教育では、専門科目と異なって様々な場面で個人の考え方が異なるため、その多
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様性を理解しなければならならず、教育の範囲が無限である。また、個人のヒューマニティを醸成するた
めには、テーマに沿って考え、自分なりの見解、発見、解釈にたどり着くことが重要であり、このため、プロ
セスを重視する学習が必要となる。薬学教育では、患者への態度教育と、物質である薬に関する教育が
混在し、学生は、低学年で学んだヒューマニズムを忘れてしまう可能性がある。また、ヒューマニズム教育
の時間は、学年を進むごとに少なくなり、5~6 年次の実務実習を行う際には低学年での学習効果が薄れ
ている可能性もあるため、さまざまな場面で、ふり返りが必要となる。
以上を鑑み、時間的、空間的な制約を取り除いて、学生間、学生-教員間のコミュニケーションを高め、
さらに、学びをふり返るためのツールとして IT を活用し、生涯にわたって、学習開始当時のモチベーショ
ンを維持可能な学習支援システムを構築することを目的として、以下のシステムを構築、設置した。
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2. コミュニケーション支援
2-1 導入目的
ヒューマニズム教育では、グループワークでの作業が中心となる。この教育環境の中で、以下の問題が
指摘されており、教育効果の向上のため、本システムを導入し、時間的、空間的な制約を取り除いて、学
生間、学生-教員間のコミュニケーションを高めることを目的とした。
授業時間内では、十分なグループディスカッションができない。
教員への質問に、時間的な制約がある。
プレゼンテーション等を作成する場合、集合して作業を行う必要がある。
時間的、空間的制約によりディスカッションを深めることができない。
参加しない・できない・他人の意見を聞けない学生がいる。
間違った情報により、討論の方向がずれてしまう。
不明な点の教員への問い合わせに時間がかかる。
2-2 システム概要
・ ソフトウェア:.Campus、SQL Server
・ ハードウエア:Web Server 1 台、Backup Server 1 台、Data Base Server 1 台、Fire Wall 2 台
学外からのアクセスが、本システムで必須のため、Web Server を DMZ に設置した。この機器には、コ
ンテンツ等の学生が作成したデータは一切保存せず、LAN 内に設置した、データベースサーバに保存
する設定とした。また外部よりの不正アクセス防止のため、Firewall 2 台を設置し、システムを外部よりの
攻撃から保護する構成とした。また、成績等の重要な個人情報は、この
システムには一切掲載しないこととした。
ソフトウェアとして採用した.Campus(ドット・キャンパス)は、レポート
提 出 ・ 添 削 、 ア ン ケ ー ト 機 能 、 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン で 汎 用 す る
PowerPoint のデータの表示、教員からの課題提示、掲示板機能を有
している。
2-3 導入成果
本システムは、ヒューマニズム教育支援
を目的としているが、その導入効果判定
には学生がどの程度利用するかが重要
である。このため、「薬学生のための情報
科学(IT)」の講義では、システム利用の
動機付けとして資料の提示、課題提出な
どで積極的に利用した。「プレゼンテーシ
ョン」の講義中でも「IT」の担当者がグル
ープ別オンライン掲示板の利用方法など
を説明し、学生間、学生-教員間のディ
. Campus ロ グ イ ン 画 面
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スカッション、発表準備に積極的に利用
することを促した。
薬学部の 1~3 年次に実施するヒュ
ーマニズム教育では、学生の応用力を
伸ばし、自ら学ぶ力を伸ばすため、グル
ープ学習(Small Group Learning,
SGL)を講義時間の約半分程度取り入
れている。すべての学生は、1 グループ
6~7 名程度で構成されるグループに
配属され、与えられたテーマに従って
討議しながら、学習を進める。この際、
講義時間だけでは、討論時間、教員と
ディスカッションする時間が不足するた
め、掲示板機能、ディスカッション機能を持った学習支援システムの運用を開始した。このシステムは、学
内外からアクセスでき、講義資料の配布、レポート提出や添削が可能である。このことにより、時間的、空
間的な制約を取り除き、学生間、学生-教員間のコミュニケーションを高めることは、グループワークの促
進、体験学習の支援を行った。また、誤った情報等により討論の方向がずれてしまうなどの問題点がある
が、議論の方向の早期修正、活性化が可能となり、討論内容の熟考を教員により促すことが可能となった。
さらに、システム上で提出された課題に対して、教員から適時、フィードバックを行うことを実現した。以上
より、システム導入による学習支援が、グループ討論の活性化、内容の熟考促進につながり、効果的な指
導体制が確立できたと考えている。
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3. 社会体験型学習支援
3-1 導入目的
デジタル化済みの講義内容・体験内容等を蓄積し、次年度以降の公開の準備を行うものである。特に
体験学習プログラムでは、180 名全員の学生が同時に同一のプログラムに参加できないため、本システ
ムで公開されたコンテンツを用いて均一な教育を行う。これ以外にも、体験学習プログラム実施前の不安
を取り除く、高学年になってから、過去の体験内容を再確認するし当時のモチベーションをふり返るなど
の効果を期待している。
3-2 システム概要
・ ソフトウェア:ATTAIN 3
・ ハードウエア:Web Server 1 台、ビデオカメラ 2 台
ATTAIN 3では、教員が常に利用しているPowerPointのデータからコンテンツを作成したものを容易
に web コンテンツ化することが可能であり、映像を含めて公開、学習履歴管理が可能である。
3-3 導入内容と成果
本コンテンツは、H19~H20 年度の実習参加者・実習先の協力を得て作成しているため、導入の評価
については今後明らかとなるものである。
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以下に作成したコンテンツを示した。
0 はじめに
1 体験学習プログラムとは
2 教材の位置づけ(学生へのメッセージ)
3 教材の構成
4 掲示板(.Campus へのリンク)
1 チーム医療に
参加するために
1 プログラムの目的 1 プログラム概略
2 参加者・教員からのメッセージ
2 体験学習の内容
1 第 1 回合同交流セミナー
2 第 2 回合同交流セミナー
3 第 3 回合同交流セミナー
4 これまでに参加した学生
5 フィードバックレクチャー
3 学んだこと
2
患者の気持ち、
家族の気持ちを理解
するために
1 プログラムの目的 プログラム概略と教員からのメッセージ
2 体験学習の内容 いちょう学級への参加
3 実習先情報
4 学んだこと
3 栄養の大切さを知るた
めに
1 プログラムの目的 プログラム概略と教員からのメッセージ
2 体験学習の内容
1 薬局における栄養指導について(薬局見学)
2 調理から栄養を考える(調理実習)
3 栄養教育概論(講義)
3 実習先情報 実習施設紹介
4 学んだこと
4 リハビリテーションを理
解するために
1 プログラムの目的 1 プログラム概略
2 参加者・教員からのメッセージ
2 実習内容 1 実習の概要
2 ベッドから車椅子へのトランスファーの練習
3 患者とのコミュニケーション
4 ストレッチャーによる搬送
5 薬局、薬剤師の役割
6 その他 食事の介護など
7 報告会
3 実習先情報 1 実習施設紹介
2 院長の言葉
4 実習準備 1 リハビリテーションとは何か
2 実習を行う前の心構え
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5 実習先スタッフの声
6 学んだこと
5 介護福祉を理解する
ために
1 プログラムの目的 プログラム概略と教員からのメッセージ
2 体験学習の内容 老健施設(さくら川)でのボランティア活動
3 実習準備 1 高齢者介護と医療
2 実習を行う前の実技講習
3 実習を行う前の心構え
4 学んだこと
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4. 学生記録ファイル(ポートフォリオ)
4-1 導入目的
ヒューマニズム教育には以下にあげるような特徴や課題がある。
• 専門科目と異なり、ヒューマニティ教育では、さまざまな場面で個人の考え方が異なり、その多様
性を理解しなければならない。
• 個人のヒューマニティを醸成するためには、テーマに沿って調べ、読み、書き、発表し、質問し、
討論する過程で、各個人が自分なりの見解、発見、解釈にたどり着くことが重要である。
• ヒューマニズム教育では、テストのための勉強ではなく、学習者の関心に合わせた学習に重点が
置かれる。しかし、一歩間違うと教育の目標から外れてしまう可能性がある。
• 「短時間内」でなく「長時間内」、「部分」ではなく「全体」、「結果」よりも「プロセス」を重視するもの
であり、 講義終了後も学習のふり返りを促し、学習をより高める必要がある。
また、薬剤師教育の独特の問題として、「薬剤師は、患者と接する時間と調剤する時間があり、物質とし
ての薬に集中してしまい、学生は、低学年で学んだヒューマニズムを忘れてしまう恐れがある。また、ヒュ
ーマニズム教育の時間は、学年を進むごとに少なくなり、5~6 年次の実務実習を行う際に、低学年で学
んだ内容や体験を忘れてしまう可能性もある。このため、様々な場面で、学びのふり返りが必要であると考
えられる。
このシステムでは、学習の経過および結果を学内サーバーに蓄積し、学生や教員の閲覧を可能とする。
学生は自身の学習履歴を記録した学生記録ファイルにより、成長の軌跡を確認することを可能としている。
また、ネットワーク上のライブラリーに構築された学習結果、メッセージ等を利用し、学習効果を高めること
を目的としている。ポートフォリオ機能で、入学時からの学習成果や、自らが感じたことをふり返って参照
することにより、モチベーションの維持、医療人としての人格陶冶に寄与することを目的としている。さらに、
成長の過程を確認することは、自身の学習に自信を持ち、学習意欲を高める。
4-2 システム概要
本システムで、学生は過去の学習内容を一生涯ふり返ることにより、将来薬剤師として医療に携わる際
にも、学習当時のモチベーションを維持し、医療に貢献できる。そのために、各科目での学習内容を記録
し、オンラインで卒業時まで参照可能とする学生記録ファイル(ポートフォリオ)の作成を可能とした。この
ポートフォリオ機能の主な機能は、下記の通りである。
• 蓄積可能データは、パワーポイント、ワード等のファイル、掲示板記載内容、個人の記録。
• 紙媒体で提出したレポートは、スキャナで取り込み、容易に記録可能。
• 学生自身でも、カテゴリを作成し、関連するあらゆる電子ファイルを整理、記録可能。
• 学生自身が、「6 年間、本年度、科目」などのカテゴリ別に、目標を追加し、逐次方略、評価を記
載し、アドバイザー教員が、その内容に対するコメントを記載可能。
• しおり、検索機能を充実させて、ふり返りを容易とする。
• 教員がふり返りの頻度、アクセス統計を確認可能。
学習内容記録システムを活用してグループ発表の映像をスライドと共の記録データ、コミュニケーション
支援システムを利用したデジタルデータ(掲示板等でのディスカッション内容を含む)、講義を聴いた直後
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の感想や意見を紙媒体のレポートをスキャナで取り込み、個々の学生のフォルダに登録可能とした。
・ソフトウェア:手書き提出物デジタル化のため SCAN データ取り込みソフトウェア、.Campus ポートフォ
リオ保管機能カスタマイズ、.Campus ポートフォリオ SCAN データアップカスタマイズ、
.Campus ポートフォリオデータ出力カスタマイズ、.Campus ポートフォリオ WEB ログ取得
カスタマイズ゙
・ハードウエア:パーソナルコンピュータ 1台、イメージスキャナー 1 台および学習支援システムハードウ
エアを利用
4-3 導入成果
ポートフォリオは、学びをふり返り、再形成のツールとして利用されている。この機能により、学習者の関
心に合わせて、「長時間にわたり」、「全体をと
らえた」、「プロセスを重視した」学習が可能と
なり、自分自身で成長の過程を確認すること
で、学びに自信を持たせ、学習意欲が向上
すると期待される。今後、学生には、積極的
に過去の学習内容、目標を見直すことを促し、
ヒューマニズムの原点をふり返るきっかけを作
りたい。また、このポートフォリオをはじめ、学
習の記録に関しては、卒業時に DVD 等のメ
ディアに保存し、学生へ配布する予定であり、
学習者は一生涯この内容を活用でき、常に
高いモチベーションを維持して医療に貢献で
きる薬剤師となる。ポートフォリオ機能は、学
習のふり返りに非常に有効であるが、効果判定には、
学生がどれだけ積極的にアクセスするかにかかって
いる。すなわち、自己のポートフォリオを定期的に確
認するようなコンテンツを準備し、ポートフォリのサイ
ト参照を促進する必要がある。この方策として、過去
の特別講演会の内容、その時の自身のレポートを
参照しながら、同じテーマを再考する課題を課す、
後輩のレポートへのコメントを課す、専門系講義資
料を掲載し、ふり返る機会を増やすなどの方策をと
りたい。今後、病院実習へ学生が参加する時点で
本システムの有効性に対して、検討を行う。
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5. 学習成果と資料のライブラリー構築(講義内容のデジタル化)
5-1 導入目的
本システムは、毎年講演者が変わる可能性のある特別講演の講義内容をデジタル化して蓄積すること
で、次年度以降に開講した際、また、受講済みの学生が 新の講演会の内容を聞きヒューマニズムを醸
成することを目的としている。これにより、均一な情報を学生、教員、学外支援者間で共有することが可能
となる。また、グループワークの学習成果の発表では、他グループ、自分のグループの発表を、後から振
り返ることが困難であり、自身の発表の姿を振り返り、ヒューマニズム教育に役立てることも目的としている。
また、発表風景、発表内容を簡便に見ることができるため、これまで自身が考えてきたこと、意見が多様で
あったことを容易に再確認することができる。
5-2 システム概要
・ ハードウエア:講義収録用機器 MediaSiteLive 1台、受信機付スピーカー・ハードウエア 1 台、
音声送信機 1 台、パーソナルコンピュータ 1 台、ビデオカメラ 1 台
本システムは、様々な場所で行われる講義に対応するため、持ち運び可能な機器を導入した。また、ヒ
ューマニズム教育の特別講義では、医師・看護師が講演者となることが多く、この中には患者の写真等が
あり、個人情報に配慮するため、録画が許可されにくい。このため、容易に画像の差し替えが可能なシス
テムを導入した。
5-3 導入成果
グループワークの発表は、自分のグループだけではなく他のグループについても後からふり返ることは
困難であった。このため、講義録画装置を導入し、発表や講義の内容などをデジタル化することで、講義
内容、全グループの発表をいつでもふり返ることが可能とした。このことにより、グループ発表の映像をス
ライドと共に確認し、学生は自分のグループだけではなく、他グループの発表を再度閲覧し、相手へ情報
を伝える難しさ、効果的な伝達方法、意見の多様性などを理解することができるようになった。また、講義
内容をデジタル化して
蓄積することで、次年度
開講した際にも、均一
な情報を学生、教員間
で共有することができる。
さらに特別講演会など、
毎年内容が変化するも
のも、遡って閲覧でき、
各学年で均一な教育が
可能となった。導入した
システムは、講義資料
に含まれる個人情報に
配慮し、画像の入れ替
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えが可能であるため、これまで許可されにくかった講演会のデータなども積極的に蓄積できるようになりま
した。学生にとっては、発表風景、発表内容を簡便に見ることができるため、これまで自身が考えてきたこ
と、意見が多様であったことを容易に再確認することを可能としました。高学年になってからは、過去の特
別講演会をふり返り、低学年時の自身の気持ちを再確認できる。これらの映像もポートフォリオの中に取り
込むことで、学習に対するモチベーション維持が期待される。
本システムで記録した講義、発表等は、約 40 時間であり、以下に主な内容を示した。
• 生命の大切さを知るためにⅠ(平成 19,20 年度分)
• プレゼンテーション (グループ発表)
• ヒューマニズム-患者の手記、生と死 (グループ発表)
• ヒューマニズム特別講義
• 生命の大切さを知るためにⅡ(平成 19 年度分)
• 医療系学生合同交流セミナー
• 第 1 回(平成 18 年度) (グループ発表、フィードバック講義)
• 第 2 回(平成 19 年度) (フィードバック講義)
• 第 3 回(平成 20 年度) (グループ発表、フィードバック講義)
• ファシリテーター養成ワークショップ
• 平成 19 年度開催分 (フィードバック講義)
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6. 講義支援(グループワーク支援)
6-1 導入目的
グループワーク中に、不明な点、疑問点が出てきた場合、 図書館や、PC 室へ移動し調査するか、時
間外に個々で分担して調べる必要がありディスカッションの時間が減少してしまう。また、プレゼンテーショ
ンを作成する際、作成者の画面をグループ全員が確認できない。このため、グループワークの効率化を
図る目的で、PC および液晶プロジェクターを導入した。
6-2 システム概要
ハードウエア:ノートパソコン 15 台、小型液晶プロジェクター14 台、カラーレーザープリンタ 1 台
6-3 導入成果
インターネット検索および印刷は無線LAN経由で行い、液晶プロジェクターで検索内容を全員に提示
することにより、検索すべきキーワードを共有し、検索結果について、即時にディスカッション可能となった。
また、検索の結果から、新たな考え方が見出せる場合もあり、さらなるグループワークの展開が期待でき
る。
また、全員でプレゼンテーション資料の作成も可能であり、少数で作成しがちであった、プレゼンテー
ション作成に全員が関与できるようになった。
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