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胎児期の乳房の発生(C.W.Turner1939) 図版 22 ウシ胎仔の乳房の発生 1.メス胚長12.3cm 第1次乳腺芽の発生初 2.メス胚長23cm 第1次乳腺芽の索(導管 )の形成 3.メス胚長19cm 第2次乳腺芽の形成 (1) 第2次乳腺芽, (2)第1次乳腺芽, (3) 充織(間葉、間質) 4.ウシ初期胎仔の乳房形成の概要。将来 の腺構造が乳首近傍に限定されている点 に注目。胎仔長12.340.0cmから採取され た乳房。 5.23cm胚の発生中の3つの第2次乳腺芽 。第1次乳腺芽の索(導管)状化により乳腺 の槽(腔)の形成がかなり進行している。(1) 第2次乳腺芽, (2)乳腺槽 6.第1次乳線芽の特徴的な発達例。

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胎児期の乳房の発生(C.W.Turner1939)

図版 22 ウシ胎仔の乳房の発生

1.メス胚長12.3cm 第1次乳腺芽の発生初期

2.メス胚長23cm 第1次乳腺芽の索(導管)の形成

3.メス胚長19cm 第2次乳腺芽の形成(1) 第2次乳腺芽, (2)第1次乳腺芽, (3) 間充織(間葉、間質)

4.ウシ初期胎仔の乳房形成の概要。将来の腺構造が乳首近傍に限定されている点に注目。胎仔長12.3~40.0cmから採取された乳房。

5.23cm胚の発生中の3つの第2次乳腺芽。第1次乳腺芽の索(導管)状化により乳腺の槽(腔)の形成がかなり進行している。(1) 第2次乳腺芽, (2)乳腺槽

6.第1次乳線芽の特徴的な発達例。

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胎児期の乳房の発生(C.W.Turner1939)

図版 23 ウシ胎仔の乳房の発生

1.48cm長胎仔の脂肪組織(fatty pad)の発生。乳房上部に大量の脂肪の沈着(蓄積)に注目。乳頭槽周辺の変容が最後。(1)乳腺槽(2)乳頭槽(3)第2乳腺芽(乳管)(4)皮膚(表皮と真皮)(5)毛嚢(6)脂肪小葉(7) 上乳房リンパ節(8)静脈

2.21cm オス胎仔。槽は乳頭に限定。数個の第2次乳線芽あり。毛嚢原基が乳頭基部にあり。(1)乳頭嚢(2)第2次乳腺(3)steakcanal(4)乳芽(mammary bud)の痕跡(5)毛嚢

3.29.5cm長胎仔の乳房。乳腺槽の形成が完了。

乳頭槽や細い導管を形成する乳腺芽の導管化を例示。(1)乳腺槽,(2)乳頭槽,(3)streakcanal(細い導管?),(4)乳芽の痕跡,(5)間充織,(6)真皮,(7)表皮

4.19cm長メス胚の第1次乳腺芽の導管化初期。

5.乳頭の横断面。乳頭の導管層の発達が顕著。槽は2層の上皮から構成。(1) 表皮,(2)マスピギー層,(3)真皮,(4)導管層,(5)上皮層,(6)乳頭槽

6.59.5cm長胎仔の乳房の横断面。結合組織の中隔を伴った各乳腺葉(乳区)を結合組織の膜が包んでいる。乳房に関係する大きな上乳房リンパ腺(supra-mammary lymph gland)が見られる。

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胎児期の乳房の発生 (C.W.Turner1939)

図版24:ウシ乳房の脂肪組織の発生

1.結合組織の細胞が輪状の集合体を形成

2.これらの結合組織の細胞の集合塊において管状化が直に顕著になる。(1)血管(2)cell whorls (細胞の渦巻き)(capillary network 毛細管網)?(3)間充織(間質組織)

3.36cm長胎仔。球状の脂肪細胞によって

、これらの細胞内のゆっくりとした脂肪の蓄積がわかる。capillary conectionsが観察できる。(1)血管,(2)脂肪細胞,(3)間充織(結合組織)

4.60cm長胎仔。乳房組織の大部分が脂肪

組織へと替わる。脂肪細胞の集合塊は結合組織の隔壁に取り巻かれている。将来の乳腺の小葉への分離はこれらの隔壁によるだろう。(1)血管,(2)脂肪細胞,(3)結合組織の隔壁

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出生後の乳房の発達 (C. W. Turner 1939):図版25 出生後のウシ乳房の発生

1.性成熟にともなった管系の発生(線図)

2.管の成長が限定されているフリーマーチンの乳房

3.6ヶ月齢子牛の乳腺の切片像。脂肪組織内の細乳管(左)。3才齢フリーマーチンの乳腺の切片像(右)。

4.発情周期中の未経産雌ウシ乳房(発情3日前)

5.発情開始72時間後の未経産雌ウシの乳

房。全体的な変化は認められない。4と5での管の発達の変異に注目。

6.発情8日後の未経産メス乳腺。

7.発情およそ14時間前。

8.未交配の未経産雌ウシの顕著な管系の成長

9.未交配のみ経産雌ウシの乳頭と乳管系のワックスの鋳物。管系に限定。

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乳房の発達 (C. W. Turner 1939) :図版26 ウシ乳房の発達

1.未交配未経産雌ウシの管系の発生(図版25-9に示した、同一ウシからの図と比較)

2.管系の成長を示した線図

3.それぞれの乳腺小葉(lobulus, lobule)内細乳管とつながった乳管をもつ乳腺葉(lobe)。乳腺胞(alveolus)は発達していない。(1)乳腺小葉間結合組織(interlobular ),(2)発達中の乳腺小葉,(3)大乳管?,(4)小乳管?

4.妊娠1ヶ月のメス乳房

5.妊娠3ヶ月 6.妊娠4ヶ月

7.妊娠5ヶ月 8.妊娠6ヶ月

9.妊娠7ヶ月 10.妊娠8ヶ月

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乳房の発達 (C. W. Turner 1939)図版27: 妊娠中のウシ乳房の発達

1.(左)妊娠2ヶ月、(右)妊娠4ヶ月中の乳管の発達を示す初妊娠の乳腺の発達

3.(左)妊娠5ヶ月までに乳腺胞(alveolus, alveoli)が形成され、(右)妊娠6ヶ月中に細胞の

分泌活動が乳腺胞の拡張ひいては脂肪塊の成長を引き起こす。

4.(左)妊娠6ヶ月中に、もし分泌液が回収され

るならば、乳腺胞はさらなる増大を示す。(右)分泌液が回収されなかった妊娠8ヶ月中の乳房からの切片。

2.妊娠中の乳房の発達図

5.受胎時の それと 分娩直後の 雌ウシ乳房の後ろ姿

6.活発な分泌活動中の乳腺胞(alveoli)であることを示す“dark section”内の、2年間乳牛であった6才齢のウシの乳房の切片。

7.”light section”において、萎縮は、乳腺胞のサイズと数の減少と非分泌性を伴って生じる。

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乳房の組織乳房の基本構造

乳房(udder, mamma, breast)は密な乳房筋膜で包まれた乳腺体(corpus mammae)が更に外皮で覆われ、円錐または円筒状に突出した乳頭(papillae mammae, nipple, teat)を付属する。乳頭には、乳頭孔(乳孔)

(teat orifice)が開く。

乳腺体は実質(parenchyma)と支質(stroma)から成る。支質は実質を乳腺葉(lobe, lobiglandulae mammariae) に、更に乳腺小葉(lobulus, lobuli glandulae mammariae)に分

け、最終的には小葉腺胞系を包む繊細な結合組織mantle tissue につながる。

実質は複合管状胞状腺で、腺の末端は小嚢又は小胞状に膨らんだ乳腺胞(alveolus)から成り、これら小葉腺胞系(lobulo-alveolar system)をつくり、これに細乳管が続く。

導管系は潜在的に分泌機能をもつ介在部(intercalated duct)を経て小葉内細乳管(intra-alveolar duct)となり、集まって小葉を出て小葉間集合管(interalveolar collecting

tube ) となる。これらは更に集まって葉内集

合管、次いで葉を出て葉間集合管となる。こ

れが乳管( mammary duct , lactiferous duct)で、乳管はそのまま 又は集まって乳頭に開くが、その前に拡がって乳管洞 (sinus lactifer )を作る。乳腺の分泌部は立方上皮

細胞層が腺胞腔を囲み、その外側は筋上皮細胞と基底膜(固有膜)で包まれる。

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乳房の組織乳房の基本構造

細乳管の構造には多少の部位差が見られるが、管腔側を円柱上皮細胞、その回りに管の長軸にほぼ並行に配列した筋上皮細胞、更にその外側に基底膜を備えた基本構造を示す。

導管系は、その出口近くには筋上皮細胞を欠き、上皮は管腔側の円柱状、基底膜側の立法状の細胞の2層から成る。

乳腺胞を形成する乳腺細胞は、基本的には他の外分泌腺の細胞と類似する構造を持つ。泌乳している上皮細胞では、リボソームは蛋白質合成の場で、膜の表面に球状のリボソームの付着した粗面小胞体(rER, rough endoplasmic reliculum)が著

しく発達している。ゴルジ体は、乳糖合成、カゼインのリン酸化を行うと共に乳頭、蛋白質などの脂肪以外の成分を梱包して分泌する役割を持ち、分泌顆粒・分泌小胞を多数形成している。ミトコンドリアは、酸化的リン酸化によってエネルギー(ATP)を

生産し、泌乳開始時に著しく数を増加させる。細胞質ではグルコースの酸化、脂肪酸合成、アミノ酸の活性化などが行われる。