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10.施工法検討

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  • 10.施工法検討

  • 10. 施工法検討10.1 検討方針

    トンネルの安全性、耐久性、経済性を考えれば、できるだけ地山を緩ませず、余掘りを少なく

    することがトンネル掘削に当たっての基本理念といえる。しかしながら、地山条件、作業能率等

    を考慮した場合、ある程度の地山の緩みや余掘りは避けられない。このため、トンネルの掘削に

    際しては、

    a)地形、地質および土被りb)湧水、断層破砕帯の有無c)トンネルの形状、線形、延長および工事規模d)工期e)周辺環境

    等を勘案して、総合的に安全で経済的となるような掘削方式、掘削工法および補助工法を選定

    しなければならない。

    本トンネルの施工法は、地質調査結果および周辺環境条件、近接構造物に対する影響等を総合

    的に評価し、下記に示すフローにしたがい、検討を行うものとする。

    図 10.1.1 施工計画検討フロー

    『発破掘削』、『機械掘削』の選定 ・地山条件・環境条件・周辺環境

    終 了

    ①掘削方法の選定

    ③環境対策

    『施工方向』の検討 ・トンネル規模(延長・縦断勾配)・工事用設備ヤード・工事用道路・土捨場

    『施工に伴う環境影響』の検討

    ・発破振動・発破騒音・低周波音

    ・機械騒音(仮設備ヤードからの騒音)

    (必要に応じて)

    施工法の検討

    ②トンネル施工方向の検討

    10-1

  • 10.2 掘削方式

    (1) 掘削方式の選定目安

    掘削方式には発破掘削、機械掘削、人力掘削があるが、作業能率や施工性の面から、一般

    的に発破掘削と機械掘削が主体である。

    ・発破掘削は主に硬岩から中硬岩地山に適用されるが発破振動等周辺環境への影響に配慮

    する必要がある。

    ・機械掘削は中硬岩から軟岩等の一軸圧縮強度 qu=49N/mm2(500kgf/cm2)以下とされてい

    る。これより硬い場合にはビット等の損傷が著しく、機械の能力が低下する。

    本計画区間のトンネル掘削方式を選定するに当たっては、以下に示す掘削方式選定フロー

    図での流れを目安に、トンネル毎の地山条件(地質・一軸圧縮強度・岩盤状況)や環境条件、

    施工条件などを総合的に判断し決定する。

    ※大半の区分は 90%程度を目安とする。

    図 10.2.1 掘削工法選定フロー

    出典:『国土交通省土木工事標準積算基準書(河川・道路編)

    平成 25年度 P.Ⅳ-5-①-2、48』

    騒音・振動等の環境

    対策が必要か?

    D区分が大半で qu=49N/mm2(500kgf/cm2)

    以下か

    YES

    D区分が大半で qu=49N/mm2(500kgf/cm2)

    以下か

    YES

    YES NO

    NO

    発 破 工 法

    NO

    機械掘削工法

    (自由断面掘削機)

    その他の工法

    工法の選定

    10-2

  • (2) 掘削方式の選定

    トンネル掘削方式の選定に当たっては、トンネル地山を構成する地質、岩盤状況を把握す

    ることが重要であり、特にトンネル切羽に出現が予想される岩盤の強度を事前に推定するこ

    とで、施工性、経済性において適正な掘削方式を選定することが出来る。

    よって、掘削方式の選定に際し、以下の観点から総合的に判断する。

    ・岩盤強度の推定

    ・経済性

    掘削方式とは掘削の手段を言い、発破掘削、機械掘削、人力掘削の 3 方式があるが、作業

    能率、施工性、作業環境の面から小断面トンネルおよび特殊地山を除き、発破掘削と機械掘

    削が一般的である。

    発破掘削は、軟岩~硬岩地山まで幅広く適用でき柔軟性に富んでいるので、我が国のよう

    に地質の変化の激しいところにおいては、山岳トンネルの一般的工法として多用されている。

    効率と経済性の点で他の方式に比べ有利な場合が多いが、余掘りが多くなる事や地山をいた

    め易いなどの欠点がある。

    機械掘削は、主に第三紀層の軟岩~土砂地山を対象に採用され、一般に一軸圧縮強度が qu

    =49N/mm2(500kg/cm2)までの地山に適用できる。発破掘削と比較しての最大の長所は、地山

    を緩ませることが少なく、余掘を小さくでき、かつ平滑な掘削面が得られることである。ま

    た、周辺環境に及ぼす騒音・振動が少ない環境保全上の諸問題に対して有利である。

    本計画トンネルの地山条件は、トンネル全線がD区分であり、準岩盤強度も 49N/mm2 以下(当該地山;CL 級)であることから、掘削方式は「機械工法」を選定する。

    表 10.2.1 掘削方式の選定トンネル

    地山区分

    の割合 岩石名

    準岩盤強度:qu’

    (N/mm2)

    掘削

    方式 評 価

    古口 TN

    (L=299m)

    山岳 TN

    C= %(0m)

    D=100%(299m)

    硬質泥岩

    (273m) Km

    17.2(平均値)

    (一軸圧縮強度;56.4) 機械 掘削

    ・当該地山の準岩盤強度は

    17.2N/mm2であり、49N/mm2

    以下となる。礫質土

    ( 26m) - -

    ※ 古口トンネルの地質は大半が硬質泥岩であり、一軸圧縮強度はあるものの、亀裂が発達した

    地質状況であることから、準岩盤強度を用いて掘削方式を選定した。

    ※ 準岩盤強度の算出に当たっては、弾性波速度 2.0km/s~2.2km/s にトンネルが位置することか

    ら、弾性波速度 2.2km/s を用いて算出した。

    10-3

  • 表 10.2.2 岩石試験結果一覧

    位置 孔名 深度 岩

    湿潤密

    ρt0

    g/cm3

    一軸圧

    強度

    qu MN/m2

    静弾性

    係数

    E MN/m2

    静ポア

    ソン比

    P 波速

    Vp km/s

    弾性

    速度

    km/s

    準岩盤

    強度

    MN/m2

    ①NO.370+6.0H23BV-

    7 8.3-8.6

    岩 CL 2.36 68.00 27800 0.150 3.81 2.2 22.7

    ②NO.371+16.5H23BV-

    8

    11.6-11

    .8

    岩 CL 2.40 55.30 23600 0.187 3.89 2.2 17.7

    ③NO.371+16.5H23BV-

    8

    21.7-22

    .0

    岩 CM 2.41 45.80 25200 0.308 4.42 2.2 11.3

    出典:猪ノ鼻トンネル、高屋トンネル周辺の地質 (株)復建技術コンサルタント 平成 23 年 10月

    以下に、各供試体における準岩盤強度を示す。

    【準岩盤強度の算出】

    ① qu’= ( 2.20 / 3.81 )2 × 68.0 = 22.7 N/mm2

    ② qu’= ( 2.20 / 3.89 )2 × 55.3 = 17.7 N/mm2

    ③ qu’= ( 2.20 / 4.42 )2 × 45.8 = 11.3 N/mm2

    平均 17.2 N/mm2

    10-4

  • 1) 発破掘削による影響評価

    高屋トンネルを発破掘削とした場合、発破施工に伴い発生する振動により、既設の JRトンネルに対して影響を及ぼすと考えられる。

    したがって、本項では既設の JR トンネルへの影響照査を行う。 ① 照査位置 発破振動影響検討の照査位置は下図に示すとおり、既設の JR トンネルと最も近接す

    る位置(NO.381+10)で検討を行った。

    図 10.2.2 発破振動照査位置

    ② 許容振動速度

    本検討による許容振動速度は、「陸羽線 小口・高屋間 第二高屋トンネル下横断トンネル新設工事に伴う影響調査報告書 平成 22 年 2 月」によると、既設トンネル覆工の健全度は「A2」と評価されているが、本検討においては安全側を考慮し「AA」として検討を行う。

    ただし、JR トンネルに内巻工法を実施した場合は、4cm/sec でも良い。 表 10.2.3 振動速度の許容値(鉄道トンネル)

    トンネル覆工の

    健全度判定区分 許容振動速度

    AA 2 cm/sec(kine)

    A1,A2 3 cm/sec(kine)

    B,C,S 4 cm/sec(kine) 注 1:覆工に落下の可能性のあるクラックがある場合や止水用の薄いモルタル等がある場合は覆工の健全度判定区分によらず

    2cm/sec とする。

    注 2:落下防止工等の処置済みの場合は 4cm/sec としてよい。

    出典:既設トンネル近接施工マニュアル H7.1 鉄道総合技術研究所 P-31

    照査位置;NO.381+10

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  • ③ 検討結果

    検討の結果、古口トンネルを発破掘削で施工した場合、制御発破を用いても既設の

    JR トンネルに対して影響を及ぼす結果となった。 したがって、高屋トンネルについては「機械掘削工法」とする。

    C:削孔数(踏まえ) (孔)

    P:火薬量 (kg/孔)

    (kg)

    r:発破地点から対象物件までの距離 (m)

    m:薬量指数 (m=3/4に設定)

    n:距離減衰指数 (m=2と設定)

    kine dB 判定 kine dB 判定 kine dB 判定

    11.2 4.9 2.9

    > 2.00 > 2.00 > 2.00

    2.0kine離隔(m) 26 17 13

    9

    3/4 3/4 3/4

    2 2 2

    700 700 700

    11.0 11.0 11.0

    0.4 0.4 0.4

    2.4 0.8 0.4

    健全度判定区分:AA 2.0kine

    DⅢa

    6.0 2.0 ※(6.0/3) 1.0 ※(6.0/6)

    通常発破(DS雷管)

    多段発雷管の使用(MS雷管)

    多段発雷管の使用(EDD雷管)

    標準歩掛によるもの 通常発破に対して、多段発破を行える雷管を使用する

    基本案 A案 B案

    管 理 基 準 値

    断 面 区 分

    K:振動係数

    W1:段当たりの 最大薬量

    単位

    予測値

    検討結果

    参考 4.0kine離隔(m)

    管理基準値× × ×

    18 12

    概 要

    低 減 策

    10-6

  • 10.3 掘削工法

    (1) 掘削工法の選定

    掘削工法とは、トンネルの掘進方法をいい、代表的な掘削工法は以下に挙げるものがある。

    掘削工法の選定にあたっては、断面の大きさ、形状、地山条件、立地条件、工期等を十分考

    慮しなければならない。

    出典:道路トンネル技術基準(構造編)・同解説,平成 15 年 11 月 (社)日本道路協会」(P191)

    図 10.3.1 代表的な掘削工法

    本トンネルの掘削方式は『国土交通省土木工事標準積算基準書(河川・道路編) 平成 25 年度)』に準じた場合、「機械掘削」を採用していることから、「上半先進ベンチカット工法」が標準とな

    る。 表 10.3.1 掘削区分、掘削方式及び掘削工法

    トンネル名 工 法 掘削

    区分 掘削方式 掘削工法

    古口トンネル 機械掘削工法 C、D 上半先進ベンチカット工法

    (ショートベンチカット工法) 上下半同時併進工法

    注)地山条件等により切羽の安全性の確立や地上の崩落防止等のために必要に応じて適切な補助工法を別途考慮する。

    ただし、古口トンネルについては、トンネル中央付近から終点側坑口までの間が「JR近接影

    響区間」となり、FEM解析による照査の結果、「補助ベンチ付き全断面(インバート早期閉合)

    工法」を採用している。

    (2) JR近接影響区間の施工法

    10-7

  • 表 10.3.2 JR近接影響区間の施工法比較表項 目 1案:上半先進ベンチカット工法(機械掘削) 2案:早期閉合全断面掘削工法(機械掘削)

    概 要

    国土交通省積算基準による機械掘削における「標準工法」となる。

    トンネル断面を上半部と下半部に分けて上半と下半を同時あるいは交互に掘削する工法で、各種地

    山条件に適用可能であり、施工機械も通常のトンネル施工機械の適用が可能である。

    1案に対して、上半のベンチ長を3m程度とし、下半部を同時に全断面掘削し、吹付コンクリー

    トおよび鋼製支保工を施工した後に引き続きインバート部を掘削し、インバート吹付およびインバ

    ート部鋼製支保工を一連のサイクルとして施工する工法。

    上・下半を同時に全断面掘削を行うために施工可能高さの高い大型機械が必要となる。

    効 果

    従来、トンネル断面を上半部と下半部に分けて掘削することにより、切羽面積を小さくし、切羽の

    自立を確保することを目的に採用されている。同時に機械掘削においては、特殊な大型機械の採用の

    必要はなく、汎用性の高い機械で施工可能であることから、国土交通省および NEXCO の機械掘削における標準工法としている。施工時において地山条件が悪い場合には、ベンチ長(上半切羽と下半

    切羽との離隔)を短くして、早期に断面を併合する等により切羽の安定を図ってきた。ただし、上半

    盤に掘削機械を載せての掘削となることから、上半盤の延長は最小でも 15m 程度は必要となる。

    近年、未固結地山や大きな塑性地圧が作用する膨張性地山等において、掘削時に支保工の変状や

    過大な変形、沈下が生じる場合、支保的インバートにより断面を併合して、支保剛性を高め、かつ、

    安定した形状とすることにより、トンネルの変形や沈下を軽減することが可能となる。

    また、構造物等に対して近接施工を行う場合には、一次インバートによりトンネル断面を早期に

    併合することにより、トンネル変位・沈下を抑制することにより、構造物への影響を軽減すること

    が可能である。

    施工機械(機械掘

    削)

    ロードヘッダ S-200(国土交通省積算基準による機械掘削における標準機械) ロードヘッダ S-200(標準機械)の施工可能高さは、最大で H=6.0m 程度であり、古口トンネルの掘削高さ約 8.7m の施工は不可となることから、ロードヘッダ S-300 等の大型機械が必要となる。

    解析結果

    (変位図)

    上半先進ベンチカット工法+パイプルーフ工 早期閉合全断面掘削工法+パイプルーフ工

    「上半先進ベンチカット工法+パイプルーフ工」における軌道部沈下量は、-20.4mm に対して、「早期閉合全断面掘削工法+パイプルーフ工」については、-13.7mm と 70%程度に軽減されているように、「早期閉合全断面掘削工法」を採用することにより、JR 既設トンネルに対する影響は大きく軽減できる。

    評 価 × ○

    10-8

  • 表 10.3.3 JR近接影響区間の施工機械比較表 自由断面トンネル掘進機 200kw 級 自由断面トンネル掘進機 300kw 級 油圧式トンネル切削機 2.1t級 大型ブレーカー 油圧式 3.0t級

    概 要 図

    機 種 ロードヘッダ MRH-200(三井三池製作所) ロードヘッダ SLB-300(三井三池製作所) ツインヘッダ MT-2000S(三井三池製作所) 大型ブレーカー バックホウ 30~46t(各社)

    機械概要

    ・国土交通省 機械掘削方式 標準掘削機

    ・切削機動力:200~240kw

    ・全装備重量 49t~56t

    ・切削範囲 6.4m(W)×6.0m(H)~-0.35m(H)

    ・ずり処理:掻き寄せ方式(別途積込みが一般的)

    ・切削機動力:300~330kw

    ・全装備重量 92t~120t

    ・切削範囲 8.3m(W)×8.8m(H)~-0.45m(H)

    ・ずり処理:別途積込み機による

    ・ベースマシン:バックホウ 1.4m3級(30t 級)

    ・切削範囲 約 10m(H)~-6m(H)

    ・ずり処理:別途積込み機による

    ・ベースマシン:バックホウ 1.4m3級(30t 級)

    ・切削範囲 9.6m(H)~-3.5m(H)

    ・ずり処理:別途積込み機による

    掘削対象地山

    (適用地山)

    軟岩~中硬岩(qu=49N/mm2以下:国交省積算基準)

    (実用 qu=20N/mm2程度)

    軟岩~中硬岩(qu=130N/mm2程度以下)

    (実用 qu=50N/mm2程度)

    未固結~軟岩(qu=20N/mm2以下:NEXCO 規準)

    (実用 qu=10N/mm2程度)

    軟岩~中硬岩(qu=100N/mm2程度以下)

    (実用qu=50N/mm2程度以下、割岩併用の場合あり)

    特 徴

    ・国土交通省積算基準の機械掘削方式の標準機械

    ・施工範囲より、上半先進工法に適用(上半盤に機

    械が乗っての施工が可能)

    ・ビットを装着したカッタードラムを回転させ、岩

    盤を切削する。

    ・中硬岩地山における機械掘削方式(qu=50N/mm2 程

    度以上)での使用実績が多い。

    ・機体が大きいため、上半盤に乗っての施工が難し

    く、補助ベンチ付き全断面での施工となる。

    ・ビットを装着したカッタードラムを回転させ、岩

    盤を切削する。

    ・未固結~軟岩地山の機械掘削方式(qu=20N/mm2

    以下)での施工実績が多い。

    ・施工範囲より、上半先進工法、補助ベンチ付き

    全断面工法共に施工が可能。

    ・ビットを装着したツインヘッダをバックホウに

    取り付け、油圧モーターで回転、切削する。地

    山強度が適合すれば、コンパクトで経済的とな

    る。

    ・中硬岩地山において、弾性波速度 3.5km/s 以下

    の亀裂の多い場合(qu=50N/mm2程度以下)での

    実績が多く、割岩併用での使用実績が多い。

    ・3.0t 以上の大型ブレーカーにより、節理・亀裂

    に沿って破砕する。高強度の場合は割岩併用と

    する必要がある。

    ・機体が大きいため、上半盤での施工が難しく、

    補助ベンチ付き全断面での施工実績が多い。

    切削能力

    (m3/h)

    DⅠ:28.0m3/h(上半)

    DⅡ、DⅢ:32.0m3/h(上半)

    (H18 国土交通省積算基準より)

    qu=20N/mm2→54.0m3/h(メーカー平均値)

    qu=50N/mm2→27.5m3/h(メーカー平均値)

    (硬岩用機械掘削機の掘削性能に関する調査研究

    報告書、2011.3、ジェオフロンテ研究会資料より)

    qu=20N/mm2→13.5m3/h

    qu=50N/mm2→3.0m3/h(ビットの損耗著しい)

    (メーカー資料より)

    DⅠ:3.0km/s→20.0m3/h(上半)

    DⅡ、DⅢ:2.5km/s→22.0m3/h(上半)

    (ブレーカー工法積算基準(案)報告書、

    1999.11.29、ジェオフロンテ研究会より)

    本体価格

    古口トンネル

    の地山状況

    ・地質は、硬質泥岩を主体とする。JR近接影響区間として「全断面早期併合工法」を採用する区間の弾性波速度は、一部最大で 2.8~3.5km/s を示すが、大部分は 2.2km/s 程度以下となる。

    ・地山の一軸圧縮強度は、qu=45.80~68.00N/mm2(平均 56.4N/mm2)、準岩盤強度は、qu´=17.2N/mm2(平均値)と硬質ではあるが、比較的亀裂の発達した地山が想定される。

    古口トンネル

    への適応性

    ・古口トンネルを全断面掘削とした場合の施工高さ

    は、H=8.676m であり、当機械の切削高さ H=6.0m を

    超えることから、全断面掘削(早期併合)は不可。

    全断面掘削への対応(最大切削高さ H=8.8m)、切削

    能力(実用 qu=50N/mm2程度)共に対応可能であり、

    古口トンネルの施工に対応可能。

    全断面掘削への対応(最大切削高さ H=10m)は可

    能であるが、切削能力(実用 qu=10N/mm2程度)が

    不足することから、古口トンネルの施工に対応不

    可。

    全断面掘削への対応(最大切削高さ H=9.6m)、切

    削能力(掘削対象となる区間は亀裂が発達した弾

    性波速度 2.2km/s、一軸圧縮強度 qu=50N/mm2程度)

    共に対応可能であるが、JR近接施工時の振動に

    対する影響が大きく、好ましくない。

    評 価

    古口トンネルの施工で求められる、「全断面掘削」

    に適用できないことから、採用は不可となる。

    古口トンネルの施工を行うにあたり、「全断面掘削」

    および地山強度に対する施工能力に適用可能であ

    ると共に近接施工時の振動等の影響もない。

    古口トンネルの施工を行うにあたり、「全断面掘

    削」への対応は可能であるが、切削能力に劣り、

    施工は困難である。

    古口トンネルの施工を行うにあたり、「全断面掘

    削」への適用は可能であるが、削岩時の振動が大

    きく、JR近接施工に対して好ましくない。

    × ○ × △

    10-9

  • (3) 標準区間の施工法

    起点側坑口から NO.376+00 までの標準部の施工法について、「国土交通省、標準積算(機械掘削:ロードヘッダS200)の場合と「補助ベンチ付全断面掘削(機械掘削:ロ

    ードヘッダS300)とした場合について、以下に比較検討を行う。

    1) 工程計画

    a) 国土交通省、標準積算(機械掘削:ロードヘッダS200)

    月当り稼働日数は、以下に示す事項より 20.9 日/月とする。

    ① 施工の効率化

    施工効率は以下に示す事項より 1.3 とする。

    1ヶ月の稼働日数については厚生労働省の統計より、「第4表年間休日総階級別企業数

    割合,1企業平均年間休日総数および労働者1人平均年間休日総数(日)」が 113.7 日であ

    ることから、以下のとおりとなる。

    365 日-113.7 日 =251.3 日

    251.3 日÷12 ヶ月 =20.942 ≒20.9 日

    国土交通省のホームページの報道発表資料(平成 20 年 10 月 15 日)から下記に示すよ

    うに、労働時間に対する改訂が行われた。

    上記に記述されている「施工歩掛」に注目すると下式より「係数 0.769」が施工の効率

    化による能力アップ率と判断できる。このため、施工歩掛が 0.769 少なくなっており、

    1/0.769= 1.3 倍施工能力が向上されていることになる。

    10-10

  • ② 標準歩掛による週当り・月当り作業量(掘進長)

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25 年度」における機械掘削方式)の時間当り作業量および設計掘削断面積の適用範囲は、次表に示すとおり

    である。

    なお、下表は1日当りの労働時間を 8 時間,2方(2交替)・週5日施工を標準としている。

    表 10.3.4 週当り掘進長(機械掘削方式)

    (掘削工~支保工) :機械掘削方式 m/週当り

    掘削方法 岩区分 設計掘削断面積(㎡)

    摘要 40 45 50 55 60 65 70 75

    上下半同時

    併進工法

    CⅠ

    上半 22.98 21.98 20.22 18.72 17.43 16.31 15.32 14.87

    下半は上

    半の設計

    掘削断面

    積で読み

    替える。

    下半10 15 20 25 30 35

    - - - - - -

    CⅡ

    上半40 45 50 55 60 65 70 75

    21.06 20.22 18.72 18.06 17.43 16.31 15.80 14.87

    下半10 15 20 25 30 35

    - - - - - -

    DⅠ

    上半40 45 50 55 60 65 70 75

    16.85 16.31 15.32 14.87 14.04 13.66 12.96 12.64

    下半10 15 20 25 30 35

    - - - - - -

    DⅡ

    上半40 45 50 55 60 65 70 75

    16.31 15.32 14.87 14.44 14.04 13.66 12.96 12.64

    下半10 15 20 25 30 35

    - - - - - -

    DⅢ

    上半40 45 50 55 60 65 70 75

    15.80 14.87 14.44 13.66 12.96 12.64 12.04 11.76

    下半10 15 20 25 30 35

    - - - - - -

    ※ 労働基準法に則った労働時間8時間を基本としている。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-53、91 より抜粋

    10-11

  • ③ 設計掘削断面積の適用範囲

    設計掘削断面積の適用範囲は、次表のとおりとする。

    表 10.3.5 設計掘削断面積の適用範囲(機械掘削方式)

    岩区分 設計掘削断面積(㎡) 適用範囲(㎡) 摘要

    DⅠ

    DⅡ

    DⅢ

    上半

    40 40≦A<42.5

    45 42.5≦A<47.5

    50~70 上記と同様

    75 72.5≦A<75.0

    下半

    10 10≦A<12.5

    15 12.5≦A<17.5

    20~30 上記と同様

    35 32.5≦A<35.0

    ※1.上表の断面積は設計断面積である(余堀を含まない)。なお、施工歩掛には余堀(余巻,余吹)を含んでいる。

    ④ 週当り進行長

    本トンネルにおける週当り進行長は、次表に示すとおりとなる。

    尚、標準歩掛の適用外となる「補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)」に

    ついては、別途、サイクルタイム表を作成することにより週当り掘進長を算出した。

    表 10.3.6 週当り進行長

    設計パターン・加背割

    掘削断面積

    (設計断面)

    摘要範囲(m2)

    および

    掘削断面積(m2)

    週当り掘進長

    (m/週)

    DⅠ-b 上 半 57.799 57.5≦A<62.5 60 14.04

    下 半 24.574 22.5≦A<27.5 25 -

    DⅢa 上 半 60.700 57.5≦A<62.5 60 12.96

    下 半 25.146 22.5≦A<27.5 25 -

    DⅢ-P1 全断面 97.703 - -

    10.76 インバート 7.888 -

    DⅢ-P2 全断面 97.703 - -

    11.76 インバート 7.888 -

    10-12

  • ⑤ 月当り進行長

    週当り稼働日数を 5 日、月当り稼働日数を 20.9 日とすると、月当り掘進長としては、下表に示すとおりとなる。

    表 10.3.7 週当り進行長

    設計パターン・加背割 週当り掘進長

    m/週

    週当り

    稼働日数(日)

    月当り

    稼働日数(日)

    月当り掘進長

    (m/月)

    DⅠ-b 上 半 14.04 5 20.9 58.7

    下 半 - - - -

    DⅢa 上 半 12.96 5 20.9 54.2

    下 半 - - - -

    DⅢ-P1 全断面 10.76 5 20.9 45.0

    DⅢ-P2 全断面 11.76 5 20.9 49.2

    ※ 月当り掘進長 = 週当り掘進長/5×20.9(m/月)

    ⑥ 掘削進行表

    表 10.3.8 掘削進行表

    10-13

  • b) 補助ベンチ付全断面掘削(機械掘削:ロードヘッダS300)

    ① サイクルタイムの算出

    補助ベンチ付全断面工法断面の掘削サイクルタイム表を以下に示す。なお、固定時間

    については施工効率等を想定し、下表に示すよう設定した。

    表 10.3.9 固定時間

    加 背 工 種 固定時間項目 時間(min) 摘 要

    全断面

    掘 削

    準 備 10 積算基準の上半に準拠

    後片付け 10 〃

    測 量 10 〃

    吹付け 準 備 10 〃

    後片付け 10 〃

    ロックボルト準 備 10 〃

    後片付け 10 〃

    金 網 金網設置 30 〃

    鋼製支保工 準 備 10 〃

    支保工建込 30 〃

    以下に補助ベンチ付全断面工法を適用している断面のサイクルタイム表を掲載する。

    表 10.3.10 サイクルタイム表(補助ベンチ付全断面工法)〔全断面〕

    10-14

  • ② 月当り進行長

    週当り稼働日数を 5 日、月当り稼働日数を 20.9 日とすると、月当り掘進長としては、下表に示すとおりとなる。

    表 10.3.11 週当り進行長

    設計パターン・加背割 週当り掘進長

    m/週

    週当り

    稼働日数(日)

    月当り

    稼働日数(日)

    月当り掘進長

    (m/月)

    DⅠ-b 全断面 13.30 5 20.9 55.6

    DⅢa 全断面 12.04 5 20.9 50.3

    DⅢ-P1 全断面 10.76 5 20.9 45.0

    DⅢ-P2 全断面 11.76 5 20.9 49.2

    ※ 月当り掘進長 = 週当り掘進長/5×20.9(m/月)

    ③ 掘削進行表

    表 10.3.12 掘削進行表

    10-15

  • 2) 概算工事費

    a) 国土交通省、標準積算(機械掘削:ロードヘッダS200)

    ① ロードヘッダS200(上半)

    ② 大型ブレーカー(下半)

    ③ 仮設備費増分

    「近畿地方整備局、H17 工事費概算単価表」より抜粋

    ④ 合計

    10-16

    g6010153テキストボックス

    g6010153テキストボックス

    g6010153テキストボックス

    g6010153テキストボックス

  • b) 補助ベンチ付全断面掘削(機械掘削:ロードヘッダS300)

    ① ロードヘッダS300(全断面)

    c) 検討結果

    「国土交通省、標準積算(機械掘削:ロードヘッダS200)」と「補助ベンチ付全

    断面掘削(機械掘削:ロードヘッダS300)」について比較検討した結果、下表

    に示すように「補助ベンチ付全断面掘削(機械掘削:ロードヘッダS300)」を

    採用する。

    表 10.3.13 標準区間施工法比較表

    項 目 標準積算

    (ロードヘッダ S200)補助ベンチ付全断面掘削

    (ロードヘッダ S300)備 考

    工事工程(掘削期間) 6.4 ヶ月(+0.4 ヶ月) 6.0 ヶ月 概算工事費(増分)

    評価

    ・地山強度が比較的高いこ

    とから、施工時に掘削機械

    (ロードヘッダS200)

    の能力不足により、工程が

    遅れることが懸念される。

    ・工程が遅れた場合は、工

    費が逆転することも十分に

    考えられる。

    ・ロードヘッダS300は、

    高強度の地山に対しても対

    処可能であることから、工

    程計画に信頼性が高い。

    ・路線供用にあたって、古

    口トンネルの早期完了が重

    要であることから、工程的

    に有利である当案を採用す

    る。

    ・概算工事費においては、

    若干高価であるが、大差な

    く誤差程度である。

    10-17

    g6010153テキストボックス

    g6010153テキストボックス

  • 10.4 施工計画概要

    10.4.1 基本条件

    (1) トンネル諸元

    本計画については、古口トンネルにおける終点側の開削トンネル区間 50mを除く、「起点側

    坑口[NO.370+10]~終点側山岳坑口[NO.385+9]」の 299m 間の山岳トンネル区間の計画を行う

    ものである。

    表 10.4.1 トンネル施工法諸元一覧表

    項 目 基 本 条 件 等

    トンネル延長 L=349.0m(開削トンネル 50m 含む)

    坑口位置・測点 起点側[NO.370+10] 終点側[NO.387+19(山岳坑口: NO.385+9)]

    トンネル縦断勾配 i=2.5%→0.3% (終点側坑口下がり)

    掘削工法

    ※1NATM補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)

    ※2NATM補助ベンチ付全断面工法

    掘削方式 機械掘削方式

    ずり出し方式 タイヤ方式

    施工方向 終点側からの片押し施工

    ※1 NO.376+00~NO.385+9.0(L=189m)間については、JR交差影響区間でのトンネル掘削となるため、

    補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)を適用する。

    ※2 起点側坑口(NO.370+10)~NO.376+00(L=110m)間については、JR交差影響区間で使用する掘

    削機械(ロードヘッダ S300)を使用し、補助ベンチ付全断面工法を適用する。

    (2) 適用基準

    本計画トンネルは、延長 349.0m(開削トンネル 50m 含む)の2車線道路トンネルであり、

    トンネル掘削断面積(上下半断面)としては概ね 82~98㎡程度である。また、トンネル掘削

    工法・方式としては、地形,地質状況(一軸圧縮強度としては平均して 50N/㎜ 2 以下と推定)

    等よりNATMの機械掘削方式を採用している。

    このため、施工設備計画を行うにあたっては、「国土交通省土木工事積算基準書 平成 25

    年度版」および「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25 年度」に準

    拠することを基本とする。

    ただし、「補助ベンチ付全断面工法」および「補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉

    合)」を適用していることから、加背割の適用性ならびに施工機械等より上記基準が適用でき

    ないこととなる。

    従って、本トンネルの施工設備計画を行うにあたっては、従来方式である「積み上げ方式」

    を適用するものとする。なお、積み上げ方式による準拠基準については、以下に示すよう機

    械掘削方式における最終版の積み上げ方式によるものとする。

    ・「国土交通省土木工事積算基準 平成 18 年度版」 財団法人 建設物価調査会

    10-18

  • (3) トンネル調書

    表 10.4.2 トンネル調書

    地山等級 設計パターン 区間長(m) 比率(%) 摘 要

    DⅠ DⅠ 82.00 27.4 補助ベンチ付全断面工法

    DⅢ

    DⅢa 27.50 9.2 補助ベンチ付全断面工法

    DⅢ-P1 105.00 35.1 補助ベンチ付全断面工法

    (インバート早期閉合)

    DⅢ-P2 83.20 27.8 補助ベンチ付全断面工法

    (インバート早期閉合)

    計 215.70 72.1

    坑門工

    起点側 0.50 0.2

    終点側 0.80 0.3

    計 6.00 0.5

    合 計 4,998.00 100.0

    ※1.上表は面壁の厚さを含んだ区間長である。

    ※2.上表は坑口切付けによる控除延長を考慮していない区間長である。

    (4) トンネル加背

    一般に、加背割の区分に関しては、地山の自立性,機械の作業性を考慮してSL(スプリ

    ングライン)位置を標準としていることが多い。

    JR交差影響区間における補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)を採用してい

    るパターンに関しては、下図に示す断面図より必要掘削高さとしては約 8.7m程度となり、

    自由断面トンネル掘機削(ロードヘッダ S200)は適用できないこととなる。

    従って、当区間については、全断面掘削が可能となる大型機械(ロードヘッダ S300)を採

    用することにより、下図のように全断面掘削を行う。

    図 10.4.1 補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)区間

    10-19

  • また、JR交差影響区間外についても、大型機械(ロードヘッダ S300)を使用しての全断面掘削を行う。

    図 10.4.2 補助ベンチ付全断面工法(標準区間)

    10-20

  • 10.4.2 施工の流れ

    機械掘削方式における施工フローとしては、下図に示すとおりである。

    図 10.4.3 NATM機械掘削方式における施工フロー図

    なお、補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)断面については、上記フロー図における下半施工後に

    インバートの施工(掘削,吹付け,鋼アーチ支保工建込,埋戻し)に着手する順序となる。

    10-21

  • 図 10.4.4 施工次第図(NATM機械掘削方式)

    10-22

  • 図 10.4.5 施工次第図(補助ベンチ付全断面工法:インバート早期閉合)(1)

    10-23

  • 図 10.4.6 施工次第図(補助ベンチ付全断面工法:インバート早期閉合)(2)

    10-24

  • 10.4.3 余堀・余巻および余吹

    トンネル工事では、設計断面どおり掘削することは困難であり、設計巻厚を確保するには、

    設計断面積より大きく掘削しなければならない。これを「余掘」といい、覆工および吹付コン

    クリートで充填する。これをそれぞれ「余巻」および「余吹」という。 この余堀を考慮した断面積の外周を支払線(ペイライン)といい、当初から掘削と覆工およ

    び吹付コンクリートの設計数量に見込むものとする。また、変形余裕を設計図面に明示した場

    合の設計掘削断面積は、変形余裕厚さを加算した断面とする。

    (1) 本坑断面における余堀・余巻および余吹

    本坑断面における余堀・余巻および余吹については、「国土交通省土木工事積算基準 平成

    25 年度版」に基づき次表を標準とする。

    表 10.4.3 余掘,余巻および余吹厚一覧表

    掘削方式 掘削区分 余堀厚(㎝) 余巻厚(㎝) 余吹厚(㎝)

    機械掘削方式

    CⅠ 13 8 5

    CⅡ 13 8 5

    DⅠ 13 8 5

    DⅡ 13 8 5

    DⅢ 13 8 5

    イ ン バ ー ト - 5 5 -

    ※1. 設計巻厚,設計吹付コンクリート厚および設計掘削断面に対する割増し厚さである。

    ※2. 非常駐車帯,小断面トンネル等についても上表を適用する。

    ※3. 変形余裕量を見込む場合は余堀,余巻は上表より 5㎝減じ、掘削断面に変形余裕量を加えるものとする。

    「国交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-54、92より一部抜粋

    10-25

  • 10.4.4 仮設備配置計画

    (1) 仮設備配置計画概要

    トンネルの仮設備の配置計画に関しては、トンネル坑内・外についてトンネルの規模,地

    山条件,施工条件,立地条件等を考慮して、工事用設備計画を立案する必要がある。

    一般的にはトンネルが計画されるような箇所は、急峻で狭隘な地形の場合が多いため、慎

    重な計画と合理的な配置が要求される。これらの設備は周辺の環境条件,掘削工法および方

    式,ずりの搬出方式,覆工方式等により規模や設備の内容が異なるが、以下に挙げる点を留

    意する必要がある。

    主な仮設備の配置計画に関する概要を以下に示す。 〔電力設備〕

    施工に必要な負荷設備に対応できる必要電力量を決定し、電力会社との供給設備を調査の

    上、負荷設備容量に応じた受電設備および変電設備を経て、負荷設備までの経路を決定しな

    ければならない。 設置にあたっては、安全性を考慮し、不必要に人や物が近寄らない場所を選び、金網等で

    防護した設備を設けなければならない。また、コンプレッサなど大容量の電力を使用する設

    備の近傍に設置し、経済性に注意を払い、使い易さ、配電のし易い経路とする必要がある。

    なお、電力会社との協議によりフリッカ対策の必要が生じる場合がある。 〔ずり積み替え設備(ストックヤード)〕

    遠方までずりの運搬が必要な場合に設ける。なお、一般的には坑内から搬出されたずりを

    坑外で一次ストック(仮置き)して、ダンプ等に積替えて運搬する。 〔吹付プラント〕

    骨材・セメント等の材料搬入が便利なように搬入路の近傍で、さらに、坑内への持込みに

    も有利な配置とする。

    ・周辺の地形,地質,気象条件等を考慮して土石流や崩壊、雪崩等の災害に遭わないような

    位置を選定する。

    ・隣接、近接する工事の工程や作業に支障のないような位置を選定する。

    ・作業規模を考慮してバランスのとれた設備および能率的な機器の配置を行う。

    10-26

  • 〔給水設備(および取水設備)〕

    沢等からの自然流下を利用したものや、ポンプ送水によるものがあるが、一般的には高い

    位置に 20.0m3程度の貯水槽を設けてポンプアップして貯留し、必要に応じてヘッド差を利

    用して給水するものが多い。必要により水源に取水設備を設置して貯水槽に送水する。

    〔濁水処理設備〕

    トンネルの汚濁水は、地質,湧水量,水質,施工方法によって大きく異なる。また、地形

    や周辺の環境条件によって制約を受ける場合が多く、標準的な処理方式は決めがたいため、

    採用にあたっては湧水量,濃度,成分等を考慮し適切な方式を選定しなければならず、設計

    にあたっては「建設工事に伴う濁水対策ハンドブック(日本建設機械化協会)」により行う

    ものとする。なお、設置の際には次の点に注意しなければならない。

    〔換気設備〕

    坑内の換気は、自然換気に期待できる場合でも換気設備を設置することを原則とする。な

    お、換気ファンの設置位置としては、坑口より概ね 10m程度離れた位置に設置されることが多い。

    〔照明設備〕

    坑内照明は、40wの蛍光灯を片側 5m間隔に設置することを標準とし、また切羽照明は 500

    w投光器とし、切羽 6 箇所(上半 4箇所,下半 2 箇所)覆工 4 箇所を標準とする。

    〔排水設備〕

    縦断勾配が 0.3%以下、または逆勾配の場合等でポンプ排水を必要とする場合に設置する。

    〔修理工場〕

    資材置場、倉庫などの近傍で坑内への出入りに便利な位置を選ぶ。

    〔資材倉庫〕

    搬入材料の種類によって必要となる倉庫および部品等を保管するための倉庫であり、管理

    し易いところに設置する。

    ・湧水量の予想は難しいため、実際の湧水量が設備規模を上回っても、これを拡張でき

    るスペースがあること。

    ・坑内-処理設備-放流河川の順の排水経路が短距離で、なるべく自然流下できるよう

    な配置とすること。

    10-27

  • (2) 仮設備一覧

    表 10.4.4 仮設備一覧表 名 称 大 き さ(m) 面 積(㎡) 摘 要

    ① 受 電 設 備 4.5×5.5 24.8

    ② 坑 内 換 気 設 備 5.0×2.0 6.0

    ③ 吹 付 プ ラ ン ト 7.0×16.5 115.5

    ④ 濁 水 処 理 設 備 11.0×3.0 33.0 機械式

    ⑤ 給 水 ポ ン プ 室 1.8×1.8 3.2

    ⑥ 水 槽 2.5×4.0 10.0 H=2.3m(鋼板製)

    ⑦ 修 理 工 場 7.2×5.4 38.9

    ⑧ 資 材 倉 庫 7.2×5.4 38.9

    ⑨ 作 業 員 休 憩 所 7.2×5.4 38.9

    ⑩ 現 場 事 務 所 7.2×5.4 38.9

    ⑪ 資 材 置 場 150.0

    ⑫ ず り 仮 置 場 200.0 H=2.0m 2日分

    次頁に仮設備配置図を掲載する。

    10-28

  • 図 10.4.7 終点側工区仮設備配置図

    10-29

  • 10.5 施工計画

    10.5.1 標準機械の組合せ

    機械掘削方式における標準機械の組合せについては、「国土交通省土木工事積算基準 平成 25

    年度版」および「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25 年度」に基づ

    くことを基本とする。

    ただし、本トンネルについては、「ロードヘッダS300」を使用しての「補助ベンチ付全断

    面掘削(一部区間、インバート早期閉合)」を採用していることから、前記基準を参考とし、掘

    削機械等の組み合わせは、下表とする。

    表 10.5.1 掘削機械の機種・規格((補助ベンチ付全断面工法)

    施工区分 加 背 機 種 規 格 単位 数量 摘 要

    掘 削

    ずり出し

    全断面

    自由断面

    トンネル掘削機

    最大掘削高 7.5~8.8m

    掘削幅 7.5~8.3m

    カッタヘッド出力 300kw

    台 1

    ホイールローダトンネル工事用排出ガス対策型

    サイドダンプ式 山積 2.3m3級〃 1 ずり積込

    全断面 ダンプトラック 坑内用普通ディーゼル 10t積 〃 n ずり運搬

    吹 付 全断面 コンクリート

    吹付機

    トンネル工事用排出ガス対策型

    湿式吹付・吹付ロボット一体・エア

    コンプレッサ搭載

    吹付範囲 半径 7m級

    吐出量 8~22m3級級

    〃 1

    ロック

    ボルト 全断面 ドリルジャンボ

    トンネル工事用排出ガス対策型

    ホイール式2ブーム〃 1

    注)JR近接影響区間に採用している「補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)」を適用する区間に

    ついては、上半掘削の施工機械を上記の自由断面掘削機(カッタヘッド出力 200~240kw)に替えて、下半

    盤から施工可能となる大型機械(カッタヘッド出力 300kw)を採用する。なお、吹付けおよびロックボルト施

    工機械は、上表と同機種を適用するものとする。

    10-30

  • 10.5.2 掘削計画(積上)

    (1) はじめに

    本章は、本計画トンネルについては、機械掘削の標準歩掛が適用できない「補助ベンチ付

    全断面工法:一部区間はインバート早期閉合」を採用していることから、「積上方式」により

    計画する。

    なお、適用される設計断面は、下表に示す網掛け部の断面となる。

    表 10.5.2 本坑設計断面一覧表

    設計断面名称 適用の判定

    標準歩掛(ユニット) 積 上 DⅠ - ●

    DⅢa - ●

    DⅢ-P1 - ●

    DⅢ-P2 - ●

    また、上記設計断面の施工計画については、下記に示す旧積算基準に基づくこととなり、

    全て積上げ方式による計画となる。

    「国土交通省土木工事積算基準書 平成18年度版」

    財団法人 建設物価調査会

    10-31

  • (2) 掘削計画

    1) 1サイクル当たり掘進長

    掘削1サイクル当たり掘進長は下表を標準とする。

    表 10.5.3 1サイクル当たり掘進長 (m)

    DⅠ DⅢa DⅢ-P1,P2 備 考

    全 断 面 1.0 1.0 1.0

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-138より抜粋

    2) 掘削ずり作業能力

    掘削 1 サイクル当たり掘削ずり出し能力は、下表を標準とする。

    表 10.5.4 1 サイクル当たり掘削ずり出し作業能力 (m3/h)

    DⅠ DⅢa DⅢ-P1,P2 備 考

    全 断 面 41 41 41 ロードヘッダ S300

    インバート早期閉合 - - 17 大型ブレーカー

    注 1 全断面掘削におけるロードヘトッダ S300 の作業能力は、メーカー値より以下に

    より設定した。

    注 2 インバート施工における大型ブレーカーの作業能力は、「国土交通省土木工事積

    算基準書 平成 18 年度版、P.Ⅳ-5-②-138」における、「機械掘削下半の作業能力」

    による。

    ロードヘッダ S300 における掘削能力については、次図に示すよう地山の一軸圧縮強さ

    により異なる。

    本トンネルの地質は、硬質泥岩を主体とする。JR近接影響区間として「全断面早期併

    合工法」を採用する区間の弾性波速度は、一部最大で 2.8~3.5km/s を示すが、大部分は

    2.2km/s 程度以下となる。

    地山の一軸圧縮強度は、qu=45.80~68.00N/mm2(平均 56.4N/mm2)、準岩盤強度は、

    qu´=17.2N/mm2(平均値)と硬質ではあるが、比較的亀裂の発達した地山が想定される。

    以上から、本トンネルにおけるロードヘッダ S300 における掘削能力については、準岩

    盤強度における qu´=17.2N/mm2(平均値)より、次表のおける qu=20N/mm2における掘削能

    力を採用する。尚、掘削能力は、41~67 m3/h と幅があるが、亀裂のやや少ない硬質な地

    山の出現も想定し、下限値である 41m3/h を採用する。

    10-32

  • 「硬岩用機械掘削機の掘削性能に関する調査研究報告書、2011.3、ジェオフロンテ研究会資料」より抜粋

    10-33

  • 3) 掘削機械運転時間

    掘削 1 サイクル当たりの各機械の延運転時間は次式による。 Tc=基本掘削時間×稼働係数

    各掘削機械の基本掘削時間および稼働係数は次表を標準とする。

    表 10.5.5 基本掘削時間と稼働係数

    加背区分 機 械 名 基本掘削時間 稼働係数

    全 断 面

    軟岩用トンネル掘進機

    (S-300) T1=A2×B×60÷C 0.74

    ホイールローダ T1=A2×B×60÷C 0.70

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-138より抜粋

    4) ビット類の損耗量

    ビット類の損耗量は下表を標準とする。

    表 10.5.6 ビット類の損耗量

    名 称 単位 DⅠ DⅢa DⅢ-P1,P2

    カッタービット 個 0.04 0.04 0.04

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-138より抜粋

    5) 諸雑費

    諸雑費は、ロックボルト打設用のドリルジャンボのビット,ロッド,シャンクスクリュ

    ロッド,ジョイントスリーブ等の損耗費であり、掘削労務費の合計額に下表の率を乗じた

    金額を上限として計上する。

    表 10.5.7 諸雑費率 (%)

    掘削区分 上半(全断面)

    D 3

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-138 より抜粋

    10-34

  • 10.5.3 ずり出し計画(積上)

    (1) ずり出し方式

    ずり出しは直送方式を標準とし、積替方式の場合の積替場所から捨て場までは一般の運搬

    工で積算する。なお、直送方式と積替方式の範囲は運搬距離(片押し延長+坑外片道運搬距

    離)が 3.0 ㎞程度を標準とするとされている。

    本トンネルでは終点側坑口前にずりストックヤードを設けることとし、ずりストックヤー

    ドまでの搬出を計画する。

    (2) ずり運搬工

    1) ダンプトラックの規格および使用台数

    ダンプトラックの規格および使用台数については、標準歩掛に合わせるものとする。

    表 10.5.8 ダンプトラックの規格および使用台数

    機械掘削

    全断面

    ダンプトラック 10t

    坑内用普通

    L≦0.8 ㎞ 0.8<L≦1.7 ㎞ 1.7<L≦2.7 ㎞ 2.7<L≦3.0 ㎞

    2 台 3 台 3 台 4 台

    (注)1.Lは運搬距離(片押し延長+坑外片道運搬距離)とする。

    L=299m(片押し延長)+120m(坑外片道運搬距離) =419m(最大値)

    (注)2.機種の選定に当っては、十分検討を行うこと。

    2) ダンプトラックの延運転時間

    掘削1サイクル当たりのダンプトラックの延運転時間(Td)は次式による。 Td=(60×Q0)/Qs×nt (min/1 サイクル)

    Td:掘削1サイクル当たりのダンプトラックの延運転時間(min/1 サイクル)

    Q0:1サイクル当たり掘削量(地山土量)(m3)

    Qs:ずり出し作業能力(地山土量)(m3/h)

    nt:掘削1サイクル当たりのダンプトラック使用台数(台/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-140 より抜粋

    10-35

  • 10.5.4 支保工(積上)

    (1) コンクリート吹付工

    1) 吹付工法

    吹付工法は、湿式工法を標準とする。

    2) 吹付機械の機種・規格の選定

    吹付機械の機種・規格の選定については、工期短縮を目的として施工能力の高い「国土

    交通省」における発破掘削での標準機械となる下記を選定する。

    表 10.5.9 機種の選定

    機 種 規 格 単位 台 摘 要

    コンクリート吹付機

    トンネル工事用排出ガス対策型

    湿式吹付・吹付ロボット一体・エアコ

    ンプレッサ搭載

    吹付範囲 半径 7m級

    吐出量 8~22m3級級

    台 1

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 25年度版」P.Ⅳ-5-①-18 より抜粋

    3) 吹付労務

    吹付労務は、掘削作業の編成人員で行う。

    表 10.5.10 吹付作業の編成人員(上半ベンチカット工法)

    職 種

    掘削方式・工法

    (機械掘削方式:ショートベンチカット工法)

    上 半 下 半

    ト ン ネ ル 世 話 役 1 1

    ト ン ネ ル 特 殊 工 5 4

    ト ン ネ ル 作 業 員 1 1

    なお、補助ベンチ付全断面工法(インバート早期閉合)においては、上半先進ベンチカ

    ット工法の上半の編成人員を適用するものとする。吹付労務は、掘削作業の編成人員で行

    う。

    10-36

  • 4) 吹付コンクリート量

    掘削1サイクル当たり吹付コンクリート量は次式による。 V=M×N×K (m3/1 サイクル)

    V:掘削1サイクル当たり吹付コンクリート量(m3/1 サイクル)

    M:掘削1サイクル当たり吹付面積(m3/1 サイクル)

    N:設計吹付厚(m)

    K:補正係数

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-141 より抜粋

    5) 設計吹付厚および補正係数

    設計吹付厚および補正係数は、「補助ベンチ付全断面工法」を採用することから、発破

    掘削における「補助ベンチ付全断面工法」の際の数値を採用する。

    表 10.5.11 設計吹付厚および補正係数

    掘削方法 加背名 掘削区分 設計吹付厚

    (㎝) 余吹厚 (㎝)

    はね返り率 ロス率

    発破掘削 上下半CⅠ 10 5 30% 2.1

    CⅡ 10 5 30% 2.1

    機械掘削 上下半 DⅠ 15 5 30% 1.8

    DⅢ 25 5 30% 1.6

    (注)1.「発破掘削」の数値は、「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 25 年度版」P.Ⅳ-5-①-26 より抜粋

    機械掘削の「はね返り率」は、発破掘削同様とする。

    (注)2.ロス率には、材料ロス,はね返り損失,余吹等によるロスを含む。

    (注)3.坑口部,大断面等で標準と異なる場合の補正係数については、次式によるものとする。

    ロス率(K)=(設計吹付厚+余吹厚)/(設計吹付厚×(1-はね返り率))

    6) 吹付時間

    掘削1サイクル当たりの吹付時間は次式による。 T3=V/F×60 (min/1 サイクル)

    T3:掘削1サイクル当たり吹付時間(min/1 サイクル)

    V: 掘削1サイクル当たり吹付コンクリート量(m2)

    V=掘削1サイクル当たり吹付面積×設計厚さ×補正係数

    F:コンクリート吹付機の作業能力(13.2m3/h)

    本計画では、吹付機の規格を「コンプレッサ一体型」の施工能力の高い機種を選

    定していることから、作業能力を以下のように設定する。

    機械掘削での標準機械(吐出量 6~20m3級):作業能力=12m3/h(最大能力の 60%)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成18年度版」P.Ⅳ-5-②-141 より抜粋

    採用機械(吐出量 8~22m3級):作業能力=13.2m3/h(最大能力の 60%)

    10-37

  • 7) コンクリート吹付機の運転時間

    掘削1サイクル当たりの吹付機運転時間は次式による。 Tf=T3+15 (min/1 サイクル)

    Tf:掘削1サイクル当たりのコンクリート吹付け機運転時間(min/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-141 より抜粋

    8) トラックミキサの延運転時間

    掘削1サイクル当たりのトラックミキサの延運転時間は次式による。 Tt=Tt’+T3+20 (min/1 サイクル)

    Tt:掘削1サイクル当たりトラックミキサ延運転時間(min/1 サイクル)

    Tt’:掘削1サイクル当たりトラックミキサ材料延運搬時間(min/1 サイクル)

    Tt’=6×L×n (min/1 サイクル)

    L:坑内加重平均運搬距離(往復)+坑外運搬距離(往復)(㎞)

    n:掘削1サイクル当たりトラックミキサ台数(台/1 サイクル)

    T3:掘削1サイクル当たり吹付時間(min/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-141 より抜粋

    9) トラックミキサの台数

    掘削1サイクル当たりのトラックミキサの台数は次式による。 n=V/Md (台/1 サイクル)

    n:掘削1サイクル当たりトラックミキサ台数(台//1 サイクル)

    V:掘削1サイクル当たり吹付けコンクリート量(m2)

    V=掘削1サイクル当たり吹付け面積×設計厚さ×補正係数

    Md:トラックミキサ容量(4.4m3/台)

    トラックミキサの台数は、小数第1位を四捨五入し整数止めとする。なお、使

    用台数が1台以下の場合は1台とする。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-141 より抜粋

    10) 吹付プラント設備

    掘削1サイクル当たりの吹付けプラント設備運転時間は次式による。 Qp=30 (min/1 サイクル)

    Qp:掘削1サイクル当たりの吹付けプラント設備運転時間(min/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-142 より抜粋

    10-38

  • 11) 集塵機の運転時間

    掘削1サイクル当たりの集塵機運転時間は次式とする。なお、集じん機の機種,運転労

    務等に関しては、標準歩掛に合わせるものとする。

    Qj=Q (min/1 サイクル)

    Qj:掘削1サイクル当たりの集塵機運転時間(min/1 サイクル)

    Q:1進行長当たり掘削サイクルタイム(min/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-142 より抜粋

    (2) ロックボルト工

    1) ロックボルトの使用区分

    ロックボルトの使用区分は次表を標準とする。

    表 10.5.12 ロックボルトの使用区分

    掘削区分 ロックボルトの長さ

    ×周方向間隔×延長方向間隔材 質

    CⅠ 3.0×1.5×1.5 異形棒鋼と同等以上

    (耐力 117.7kN(12t)以上)

    CⅡ 3.0×1.5×1.2 ねじり棒鋼と同等以上

    (耐力 176.5kN(18t)以上)

    DⅠ 4.0×1.2×1.0 〃

    DⅡ 4.0×1.2×1.0 以下 〃

    DⅢ 4.0×1.2×1.0 以下 〃

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-104より抜粋

    2) ロックボルト工施工機械の機種の選定

    ロックボルト工施工機械の機種の選定については、標準歩掛に合わせるものとする。

    表 10.5.13 ロックボルトの使用区分

    機 種 規 格 単位 数量 摘 要

    ドリルジャンボ トンネル工事用排出ガス対策型ホイール

    型油圧式2ブーム ドリフタ質量150㎏級 〃 1

    モルタル注入機 吐出量 950 ㍑/h 〃 1

    ト ラ ッ ク

    黒煙浄化装置付 2t積 〃 1 モルタル注入車用台車

    黒煙浄化装置付クレーン装置付

    4t積,2.9t吊〃 1 ロックボルト運搬用

    10-39

  • 3) ロックボルト工の施工時間

    掘削1サイクル当たりのロックボルト工の施工時間は次式による。ただし、上半先進ベ

    ンチカット工法の下半は、下半1断面当たりの本数×1/2とする。

    T4=(掘削1断面当たり本数×掘削1サイクル当たり掘進長)

    /ロックボルト縦断面方向間隔×t (min)

    T4:掘削1サイクル当たりロックボルト工施工時間(min)

    t:1本当たり穿孔,打込,モルタル注入,取付時間(min/本)

    次表にロックボルト1本当たり穿孔,打込,モルタル注入,取付時間を示す。

    なお、DⅠ-L およびDⅢ,DⅢA に打設されるロックボルト長は 6mであり、標準歩掛

    には記載されていない。このため、本計画では 7min として計画を行う。

    表 10.5.14 1本当たり穿孔,打込,モルタル注入,取付時間 (min/本)

    ロックボルトの長さ発破掘削(t)

    3 ブーム 150 ㎏

    機械掘削(t)

    2 ブーム 150 ㎏

    L=3.0m 4 5

    L=4.0m 5 6

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    4) ドリルジャンボの運転時間

    支保工1サイクル当たりのドリルジャンボの運転時間は次式による。

    Tc2=T4+T5+T6 (min/1 サイクル)

    Tc2:支保工1サイクル当たりのドリルジャンボの運転時間(min/1 サイクル)

    T4:支保工1サイクル当たりのロックボルト穿孔時間(min/1 サイクル)

    T5:支保工1サイクル当たりの金網設置時間(min/1 サイクル)

    T6:支保工1サイクル当たりの支保工建込時間(min/1 サイクル)

    ただし、T5,T6は下半に計上しない。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    5) モルタル注入機の運転時間

    掘削1サイクル当たりのモルタル注入機運転時間は次式による。

    Tm=T4+10 (min/1 サイクル)

    Tm:掘削1サイクル当たり注入機運転時間(min/1 サイクル)

    T4:掘削1サイクル当たりロックボルト施工時間(min)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    10-40

  • 6) ロックボルト工のモルタル材料および使用量

    ロックボルト工のモルタル材料はドライモルタルを標準とし、使用量は次表とする。

    表 10.5.15 ロックボルト工のモルタル材料使用量 (100m当たり)

    名 称 規 格 単 位 使用量

    モルタル ドライモルタル 0.22

    ※1.ロスを含む。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    7) モルタル注入機運搬機械の運転時間

    掘削1サイクル当たりのモルタル注入機運搬機械の運転時間(Tk1)は次式による。 Tk1=10 (min/1 サイクル)

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    8) ロックボルト運搬機械の運転時間

    掘削1サイクル当たりのロックボルト運搬機械の運転時間(Tk2)は次表による。

    表 10.5.16 ロックボルト運搬機械の運転時間 (min)

    掘削方式 上 半 下 半

    上半先進ベンチカット工法 15 15

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    9) 注入急結剤

    注入急結剤(無収縮混和剤)の使用は、湧水がある場合1本/孔を標準とする。ただし、現場条件によっては別途考慮することができる。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-143 より抜粋

    10) ロックボルト工労務

    ロックボルト工労務は、掘削作業の編成人員で行う。

    (3) 金網工

    1) 金網工使用材料

    金網工における使用材料は次表を標準とする。

    10-41

  • 表 10.5.17 金網工使用材料 (10m2当たり)

    名 称 単位 数量 摘 要

    金 網 m2 11.9 JIS-G-3551(溶接金網)150×150×φ5 2.13 ㎏/m2

    諸 雑 費 % 8

    ※1.金網数量には、ラップによるロスを含む。

    ※2.諸雑費は止め金具の費用であり、材料費に上表の率を乗じた金額を上限として計上する。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-144 より抜粋

    2) 金網設置用機械および設置時間

    金網設置用機械はドリルジャンボを使用し(上半のみ)、掘削1サイクル当たり設置時

    間(T5)とする。 「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-144 より抜粋

    3) 金網工労務

    金網工労務は、掘削作業の編成人員で行う。 (4) 鋼製支保工

    1) 鋼製支保工の使用材料

    鋼製支保工の使用材料は次表を標準とする。

    表 10.5.18 鋼製支保工の使用材料

    掘削区分 CⅡ@1.2m DⅠ@1.0m DⅡ@1.0m DⅢ@1.0m

    H 形 鋼

    (上半)

    H-125×125×6.5×9

    n=2

    H-125×125×6.5×9

    n=2

    H-150×150×7×10

    n=2

    H-200×200×8×12

    n=2

    継 手 板

    (天端)

    PL-155×180×9

    n=2

    PL-155×180×9

    n=2

    PL-180×180×9

    n=2

    PL-230×230×16

    n=2

    継手板 - PL-155×180×9

    n=4

    PL-180×180×9

    n=4

    PL-230×230×16

    n=4

    H 形 鋼

    (下半) -

    H-125×125×6.5×9

    n=2

    H-150×150×7×10

    n=2

    H-200×200×8×12

    n=2

    底 板 PL-230×180×16

    n=2

    PL-230×230×16

    n=2

    PL-250×250×16

    n=2

    PL-300×300×19

    n=2

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-106より抜粋

    10-42

  • 2) 鋼製支保工建込,運搬機械の機種の選定

    鋼製支保工建込,運搬機械の機種の選定については、標準歩掛に合わせるものとする。

    3) 鋼製支保工建込機械の運転時間

    掘削1サイクル当たり鋼製支保工建込機械の運転時間は(T6)とする。ただし、下半

    については建込機械を使用しない。

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-144 より抜粋

    4) 鋼製支保工運搬機械の運転時間

    掘削1サイクル当たり鋼製支保工運搬機械の運転時間(Tk3)は次表による。

    表 10.5.19 支保工運搬機械の運転時間 (min)

    掘 削 方 式 上 半 下 半

    上半先進ベンチカット工法 15 10

    「国土交通省 土木工事積算基準書 平成 18年度版」P.Ⅳ-5-②-144 より抜粋

    5) 鋼製支保工労務

    鋼製支保工労務は、掘削作業の編成人員で行う。

    10-43

  • 10.5.5 覆工計画(積上)

    覆工計画の歩掛については、標準積算に準拠する。

    (1) 歩掛の設定範囲

    覆工はトンネルの全断面に対する掘削断面積(設計断面)が対象となる。このため、歩掛

    の設定範囲としては下表に示すとおりとなる。

    表 10.5.20 歩掛の設定範囲(防水・覆工)

    設計パターン・加背割 掘削断面積A

    (設計断面) 適用範囲(m2) 設定範囲

    DⅠ 全断面 82.373 77.5≦A<82.5 80

    DⅢa 全断面 85.846 82.5≦A<87.5 85

    DⅢ-P1、P2 全断面 97.703 92.5≦A<97.5 95

    (2) 防水工施工歩掛

    防水工の施工歩掛は次表とする。

    表 10.5.21 防水工施工歩掛

    職 種 単位 数 量

    ト ン ネ ル 世 話 役 人 0.06

    ト ン ネ ル 特 殊 工 〃 0.17

    ト ン ネ ル 作 業 員 〃 0.12

    ※1.上表は裏面排水設置労務を含む。ただし、裏面排水材料は別途計上する。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-107 より抜粋

    (3) 覆工,防水機械の機種の選定および機械歩掛

    覆工,防水機械の機種・規格は次表を標準とする。

    表 10.5.22 機種の選定

    機 種 規 格 単位 数量

    防水工作業台車 長さ4.5m 台 1

    スライドセントル L=10.5m 基 1

    コンクリートポンプ車黒煙浄化装置付

    配管式圧送能力 90~100m3/h 台 1

    ※1.スライドセントルは、線形および現場条件により標準外になる場合は別途考慮するものとする。

    ※2.コンクリートポンプ車の作業能力は 17m3/h

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-107

    10-44

  • 表 10.5.23 コンクリートポンプ車 週/(トンネル延長)10m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    CⅡ 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    DⅠ 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    DⅡ 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    DⅢa 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    DⅢ

    P1、P2 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065 0.065

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-71、108 に準拠

    表 10.5.24 スライドセントル 規格:L=10.5m m/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    CⅡ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅠ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅡ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅢa 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅢ

    P1、P2 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-71、108 に準拠

    表 10.5.25 防水工作業台車

    規格:半径 4~6m 長さ 4.5m m/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    CⅡ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅠ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅡ 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅢa 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    DⅢ

    P1、P2 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0 1.0

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-71、108 に準拠

    10-45

  • (4) 材料等歩掛

    1) 防水シート

    防水シートの使用量は下表を標準とする。

    表 10.5.26 防水シート

    規格:半径 4~6m 長さ 4.5m ㎡/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 18.01 18.80 19.59 20.38 21.17 21.95 22.74 23.53 24.32 25.11

    CⅡ 18.01 18.80 19.59 20.38 21.17 21.95 22.74 23.53 24.32 25.11

    DⅠ 18.11 18.83 19.56 20.29 21.02 21.75 22.48 23.21 23.94 24.67

    DⅡ 18.22 18.98 19.74 20.49 21.25 22.01 22.77 23.53 24.29 25.04

    DⅢa 17.70 18.40 19.10 19.80 20.50 21.20 21.90 22.60 23.30 24.00

    DⅢ

    P1、P2 17.70 18.40 19.10 19.80 20.50 21.20 21.90 22.60 23.30 24.00 17.70

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-71、109 に準拠

    2) 覆工コンクリート

    覆工コンクリートの使用量(ロスを含む)は下表を標準とする。

    表 10.5.27 生コンクリート(余巻き含む)

    m3/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 6.71 7.00 7.30 7.59 7.89 8.18 8.47 8.77 9.06 9.35

    CⅡ 6.71 7.00 7.30 7.59 7.89 8.18 8.47 8.77 9.06 9.35

    DⅠ 6.75 7.02 7.29 7.56 7.83 8.10 8.38 8.65 8.92 9.19

    DⅡ 6.79 7.07 7.35 7.63 7.92 8.20 8.48 8.77 9.05 9.33

    DⅢa 7.61 7.91 8.21 8.51 8.82 9.12 9.42 9.72 10.02 10.32

    DⅢ

    P1、P2 7.61 7.91 8.21 8.51 8.82 9.12 9.42 9.72 10.02 10.32

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-72、109 に準拠

    10-46

  • 3) 諸雑費

    a) 機械の諸雑費

    諸雑費は、バイブレータの損料および燃料費であり、機械損料および運転経費の合計額

    に次表の率を乗じた金額を上限として計上する。

    表 10.5.28 (覆工+防水)諸雑費(その他機械)

    %/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

    CⅡ 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

    DⅠ 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

    DⅡ 5 5 5 5 5 5 5 5 5 5

    DⅢa 18 18 18 18 17 17 17 17 16 16

    DⅢ

    P1、P2 18 18 18 18 17 17 17 17 16 16

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-72、109 に準拠

    b) 材料の諸雑費

    諸雑費は、防水シート設置器具の損料および褄板,土台,剥離剤等の費用であり、材料

    費の合計額に次表の率を乗じた金額を上限として計上する。

    表 10.5.29 (覆工+防水)諸雑費(その他材料)

    %/(トンネル延長)1m当り

    掘削

    方法 岩区分

    設計掘削断面積(㎡) 摘要

    50 55 60 65 70 75 80 85 90 95

    上下半

    同時併

    進工法

    CⅠ 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

    CⅡ 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

    DⅠ 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

    DⅡ 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2

    DⅢa 18 18 18 18 17 17 17 17 16 16

    DⅢ

    P1、P2 18 18 18 18 17 17 17 17 16 16

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-179 に準拠

    10-47

  • (5) 型枠工歩掛

    型枠の移動・据付・脱型作業の編成人員は次表を標準とする。

    表 10.5.30 型枠の移動・据付・脱型作業の編成人員(人/方)

    職 種 単 位 数 量

    ト ン ネ ル 世 話 役 人 1

    ト ン ネ ル 特 殊 工 〃 6

    ト ン ネ ル 作 業 員 〃 2

    ※1.移動用レールおよび枕木の移動,据付も含む。

    ※2.移動用レールおよび枕木の損料は、スライドセントル損料に含まれている。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-70、110 より抜粋

    (6) 覆工コンクリート打設歩掛

    発破工法における覆工コンクリート打設時の施工歩掛は、次表を標準とする。

    覆工コンクリート打設時の編成人員は次表を標準とする。

    表 10.5.31 覆工コンクリート打設時の編成人員(人/方)

    職 種 単 位 数 量

    ト ン ネ ル 世 話 役 人 1

    ト ン ネ ル 特 殊 工 〃 6

    ト ン ネ ル 作 業 員 〃 2

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-70、110 より抜粋

    10-48

  • 10.5.6 工事用仮設備

    (1) スライドセントル組立・解体

    スライドセントル組立・解体歩掛は、次表とする。

    表 10.5.32 スライドセントル組立・解体歩掛

    名 称 規 格 単位 組立 解体

    世話役 人 8.5 6.0

    普通作業員 〃 7.0 2.0

    設備機械工 〃 7.0 5.0

    とび工 〃 17.5 13.5

    特殊作業員 〃 40.5 20.0

    電 工 〃 5.0 1.5

    ラフテレーン

    クレーン運転

    排出ガス対策型(第 1 次基準値)

    油圧式ジブ型 25t 吊 日 7.0 5.5

    ※1.移動用レールおよび枕木の設置・撤去を含む。

    ※2.トラッククレーンは、賃料とする。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-75 より抜粋

    (2) 吹付プラント設備組立・解体

    吹付プラント設備組立・解体歩掛は、次表とする。

    表 10.5.33 吹付プラント設備組立・解体歩掛

    名 称 規 格 単位 組立 解体

    世話役 人 9.0 5.0

    特殊作業員 〃 9.5 3.0

    普通作業員 〃 8.0 2.0

    設備機械工 〃 6.5 2.5

    とび工 〃 20.5 14.5

    溶接工 〃 3.5 1.5

    電 工 〃 5.5 2.5

    ラフテレーン

    クレーン運転

    排出ガス対策型(第 1 次基準値)

    油圧式ジブ型 25t 吊 日 4.0 3.5

    ※1.基礎コンクリートは、別途計上する。

    ※2.ラフテレーンクレーンは、賃料とする。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-747 より抜粋

    10-49

  • (3) 防水工作業台車組立・解体

    防水工作業台車組立・解体歩掛は、次表とする。

    表 10.5.34 防水工作業台車組立・解体歩掛

    名 称 規 格 単位 組立 解体

    世話役 人 2.5 1.5

    普通作業員 〃 1.5 1.0

    設備機械工 〃 2.0 0.5

    とび工 〃 2.5 2.0

    特殊作業員 〃 10.5 4.5

    電 工 〃 1.5 -

    トラッククレーン運転 油圧伸縮ジブ型 4.9t 吊 日 1.5 1.0

    ※1.移動用レールおよび枕木の設置・撤去は、スライドセントルの組立・解体歩掛に含む。

    ※2.トラッククレーンは、賃料とする。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-75 より抜粋

    (4) 工事用換気設備

    換気設備の坑内配置で、切羽の掘削に伴い、送風機を増設する場合の送風機間隔は 100m

    以上を標準とする。

    切羽からの控え長さは、40mを標準とする。

    (5) 仮設備保守

    仮設備保守歩掛は、次表とする。

    表 10.5.35 仮設備保守歩掛

    名 称 単 位 数 量 摘 要

    普通作業員 人 41.8

    設備機械工 〃 〃

    電 工 〃 〃

    ※1.仮設備保守とは、次の坑外設備の保守管理を行うものとする。

    ①電力設備 ②吹付プラント設備 ③換気設備 ④給排水設備等(濁水処理設備は除く)

    ※2.坑内作業において、支保工作業後は、上表の数量を「41.8×1/2」とする。

    10-50

  • 10.5.7 インバート工(共通工種)

    (1) 適用範囲

    NATM(発破工法・機械掘削工法)によって施工する本インバート工の掘削工,ずり出

    し工,鉄筋工(加工・組立),型枠工(製作・設置・撤去),コンクリート工(打設・養生),

    埋戻し工(敷均し・締固め)に適用する。

    (2) 機械器具損料

    機械器具損料の算定は、「請負工事機械経費積算要領」に基づき行い、坑内で内燃機関付機

    械(ダンプトラック,ブルドーザ等)を使用する場合は、黒煙浄化装置付排出ガス対策型お

    よび黒煙浄化装置付を標準とし、そのうちドリルジャンボ,バックホウ,ホイールローダを

    使用する場合は、トンネル工事用排出ガス対策型を標準とする。ただし、道路運送車両の保

    安基準に排出ガス基準が定められている自動車の種別で、有効な自動車検査証の交付を受け

    ているものは除く。

    (3) 余堀および余巻コンクリート

    インバート施工において設計厚に対する余堀・余巻コンクリート厚は 5 ㎝を標準とする。

    (4) 施工概要

    インバート施工の標準的な作業フローとしては下図に示すとおりである。

    図 10.5.1 インバート施工標準作業フロー

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-30 より抜粋

    10-51

  • (5) インバート掘削工

    インバート掘削工の施工歩掛は次表とする。

    表 10.5.36 インバート掘削工施工歩掛 (10m3当たり)

    名 称 規 格 単位 数量

    トンネル世話役 人 0.15

    トンネル特殊工 〃 0.44

    トンネル作業員 〃 0.15

    大型ブレーカ運転 トンネル工事用排出ガス対策型

    油圧式 1,300 ㎏級 日 0.15

    バックホウ運転 トンネル工事用排出ガス対策型・クローラ型

    山積0.45m3 (平積0.35m3) h 0.94

    チゼル損耗費 1,300 ㎏級用 本 0.01

    ※1.機械の運転労務は上表労務人員で行う。

    ※2.上表には破砕片除去,掘削面整形およびずり積込作業が含まれている。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-30 より抜粋

    (6) インバートずり出し工

    1) ずり出し方式

    直送方式の場合は全て坑内作業とし、積替方式の場合、一次運搬(坑内~積替場所)は

    直送方式に準じ、二次運搬(積替場所~捨場等)は一般運搬工で積算する。なお、直送方

    式と積替方式の範囲は、片道 2.5 ㎞程度(運搬距離)が標準である。

    2) ずり出し工の施工歩掛

    ずり出し工の施工歩掛は次表とする。

    表 10.5.37 ずり出し工施工歩掛 (10m3当たり)

    名 称 規 格 単位 数 量

    トンネル特殊工 人 0.10

    ダンプトラック運転 坑内用普通ディーゼル

    10t積級 h 1.52

    ※1.機械の運転労務は上表労務人員で行う。

    (7) インバート鉄筋工(加工・組立)

    鉄筋の加工・組立については別途計上する。

    10-52

  • (8) インバート型枠工(製作・設置・撤去)

    1) 型枠製作歩掛

    型枠製作歩掛は次表とする。

    表 10.5.38 型枠製作歩掛(100m2当たり)

    名 称 規 格 単位 数量

    世 話 役 人 1.5

    型 枠 工 〃 5.9

    普 通 作 業 員 〃 1.5

    諸 雑 費 率 % 16

    ※1.諸雑費は型枠合板,さん木,洋釘等の材料および電気ドリル,電気鋸,発動発電機損料等の費用であ

    り、上表の労務費の合計額に諸雑費率を乗じた金額を上限として計上する。

    「国土交通省 土木工事標準積算基準書(河川・道路編)平成 25年度」Ⅳ-5-①-31 より抜粋

    2) 型枠設置および撤去歩掛

    型枠設置および撤去歩掛は次表とする。

    表 10.5.39 型枠設置・撤去歩掛(100m2当たり)

    名 称 規 格 単位 数量

    トンネル世話役