PROPORTIONAL ELECTRO-HYDRAULIC … electro-hydraulic contorols 655
榎木 - University of Electro-Communications
熱工学、伝熱工学、流体力学、エネル ギー、 熱交換器、ヒートポンプ、 冷凍 空調、気液二相流、流れの可視化、吸収、 吸着 所 属 大学院情報理工学研究科 機械知能システム学専攻 メンバー 榎木 光治 助教 所属学会 日本冷凍空調学会、日本機械学 会、日本伝熱学会、日本原子力 学会 E-mail [email protected] キーワード 306 OPAL-RING http://www.eel.mi.uec.ac.jp 伝熱管内の「気液二相流」を可視化し、伝熱や圧力損失のメカニズムを解明。熱交換器の高性能化をはかる榎木研究室暑い夏は「打ち水」で涼気をとるのが、日本に昔から伝わる風習です。道路や庭先などに水をまくと、その水が蒸発する時に、地面から熱を奪い取ってくれるのです。これは、液体が気体になる際に、周囲から熱を奪う「気化熱」の仕組みを利用したものです。エアコンなどの冷凍空調機は、この打ち水と同じ原理で働いています。冷凍空調機は、熱を移動させるために使う「冷媒」が蒸発して熱を奪う性質を利用しています。榎木光治助教は、この冷凍空調機について研究しています。蒸気圧縮式冷凍機冷凍空調機は、蒸気圧縮式冷凍機、吸収冷凍機、吸着冷凍機の大きく3種類に分けられます。榎木助教はこれらすべてについて研究していますが、ここでは、最も汎用的な「蒸気圧縮式冷凍機」の研究についてご紹介しましょう。家庭で使われているエアコンは、この蒸気圧縮式冷凍機に分類されます。例えば、真夏の冷房運転では、室内の熱を冷媒の気化熱で奪い取り、奪い取った熱を室外へと排出します。いわゆる「ヒートポンプ」と呼ばれる仕組みです。気液二相流の研究ヒートポンプの内部を流れる冷媒(現在はフロン冷媒が主流)は、気体と液体が混在し、複雑な流れになっています。こうした流れは、物理現象として「気液二相流」、または「混相流」と呼ばれています。特に、「沸騰」や「凝縮」といった相変化を伴う気液二相流による熱の輸送は、液体や気体それぞれの「単相流」と比較して、より多くの熱を移動することができます。このため、相変化による熱伝達は、熱輸送の“要”として、発電所や自動車、空調・冷凍機、電子機器など、非常に多くの産業機器に利用されているのです。この領域で榎木助教が取り組んでいるのが、冷凍空調機の効率を大きく左右する「熱交換器」内の相変化熱伝達の研究です。特に、近年、熱交換器に使われ始めた内径が1ミリメートル程度の微細管内の相変化熱伝達の研究を行っています。榎木助教は、「熱交換器の性能を上げることで、家庭で消費される電力量のトップである『空調機』の省エネルギー化に貢献したい」と考えているのです。冷媒の流れを撮影榎木助教は、これまでの実験研究では珍しい実際の空調機と同じ冷媒、および運転条件で、冷媒を外部から加熱して沸騰・蒸発している様子を可視化する実験に乗り出しました。フロン冷媒が熱を伝える性能を定量的に測定したり、圧力の損失特性を明らかにしたりするために、銅製の「伝熱管」を使います。さらに、「ガラス管」を使って、冷媒の流れを高速度カメラで25 マイクロ〜500マイクロ秒(1マイクロは100万分の1)間隔で撮影し、冷媒の様子を詳細に観察して熱伝達や圧力損失のメカニズムの解明を目指しています。まず、伝熱管、およびガラス管の断面形状を円形にし、フロン冷媒が垂直上昇と下降、および水平方向に流れる様子を高速度カメラで撮影しました。その結果、水平流では、垂直流には見られなかった気液(気体と液体)が、浮力(重力)の影響を受けて流動している様子が確認できました。榎木 光治 Koji ENOKI
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“ ”
25
Koji ENOKI
Energy
307OPAL-RING
H2O
CO2
D=1.00mm Dh=1.02mm Dh=0.88mm
Annular Up Down
ü
1.03
ü ü
Slug
1.36
G = 200 kg/(m2s) x = 0.4
G = 400 kg/(m2s) x = 0.8
Annular G = 50 kg/(m2s) x = 0.8
1.10
, 0.01 , 0.005 , 0.001 , 0.01