VN5640 Ethernet/CANインターフェイスマニュアル
第1.3 版 | 日本語
会社情報 /著作権情報
ベクター・ジャパン株式会社
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本ユーザーマニュアルに記載される情報およびデータは、予告なく変更されることがあります。このマニュアルのいかなる部分も、方法や電子的
または機械的手段にかかわらず、発行者からの書面による許可なく、いかなるかたちでも複製することはできません。技術的情報、図面など
はすべて著作権保護法の対象です。
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目次
VN5640 マニュアル 第1.3版 3
目次
1 はじめに 51.1 このユーザーマニュアルについて 61.1.1 認証 71.1.2 保証 71.1.3 登録商標 7
1.2 重要注記 81.2.1 安全上の注意事項と危険警告 81.2.1.1適切な使い方と用途 81.2.1.2危険 91.2.1.3免責条項 9
2 デバイスの説明 102.1 製品に含まれるもの 11
2.2 はじめに 11
2.3 アクセサリ 12
2.4 使用例 132.4.1 透過的なEthernetモニタリング 132.4.2 ネットワークシミュレーション 172.4.3 スタンドアロンメディアコンバーター 182.4.4 DoIP 192.4.5 ポートのミラーリング 20
2.5 メインコネクタ 21
2.6 LED 25
2.7 インターフェイスオプション100BASE-T1 272.7.1 コネクタ 272.7.2 仕様 28
2.8 インターフェイスオプション1000BASE-T1 302.8.1 コネクタ 302.8.2 仕様 31
2.9 ハードウェアチャンネルおよびセグメント 332.9.1 一般情報 332.9.2 シミュレーション 342.9.3 計測 342.9.4 直接接続 352.9.5 メディア変換 352.9.6 TAPと直接接続 (旧モード ) 36
3 はじめよう 37
目次
VN5640 マニュアル 第1.3版 4
3.1 ドライバーのインストール 38
3.2 デバイスの設定 40
3.3 ループテスト 433.3.1 Ethernet 43
4 Vector Hardware Configuration 444.1 一般情報 45
4.2 ツールの説明 464.2.1 はじめに 464.2.2 ツリービュー 47
5 時間同期 505.1 一般情報 51
5.2 ソフトウェア同期 53
5.3 ハードウェア同期 54
1 はじめに
VN5640 マニュアル 第1.3版 5
1 はじめに
この章は、次の内容について記載されています。
1.1 このユーザーマニュアルについて 61.1.1 認証 71.1.2 保証 71.1.3 登録商標 7
1.2 重要注記 81.2.1 安全上の注意事項と危険警告 8
1 はじめに
VN5640 マニュアル 第1.3版 6
1.1 このユーザーマニュアルについて
表記規則 以下の2つの表では、このユーザーマニュアルで使用されるスタイルと記号の表記規則
について説明します。
スタイル 使用方法
太字 ブロック、表面的な要素、ソフトウェアのWindow名とダイアログ名。
警告やアドバイスの強調。
[OK][ファイル] – [保存 ]
ボタンは角かっこで囲まれる。メニューおよびメニュー項目を指す。
Microsoft 法律で保護された正式名称および注記。
Source Code ファイル名およびソースコード。
ハイパーリンク ハイパーリンクおよび参照先。
<Ctrl>+<S> ショートカットキー。
記号 使用方法
データを破損する可能性のある危険な操作について警告します。
補足情報が記載されています。
ヒントや追加情報が記載されています。
例を示しています。
段階を追って説明しています。
ファイルの編集に関する説明を記載しています。
このマークは、特定のファイルを編集しないように警告しています。
1 はじめに
VN5640 マニュアル 第1.3版 7
1.1.1 認証
認定品質
管理システム
ベクター・ジャパン株式会社は、 ISO 9001:2008認証を取得しています。 ISO標準規
格は、世界的に認められている規格です。
1.1.2 保証
制限事項 ベクター (ベクター・ジャパン株式会社およびVector Informatik GmbH)は、文書やソフト
ウェアの内容を予告なしに変更する権利を有します。ベクターは、本文書に記載され
る内容に間違いがないこと、また、本文書を使用することによって生じる損害に対して
は、全く責任を負いません。ベクターは、間違いのご指摘や改良のご提案に感謝し、
今後、お客様により効率的な製品をご提供できるようにいたします。
1.1.3 登録商標
登録商標 本文書で使用されるすべての商標および必要に応じてサードパーティが登録したすべ
ての商標は、各有効な商標権および登録された特定の所有者の権利の条件に帰
属します。すべての商標、商標名、会社名は、それらの特定の所有者の商標または
登録商標です。明示的に許可されないすべての権利は留保されます。本文書で使
用される商標が明示的に掲示されていない場合でも、名前にサードパーティの権利
がないということを示すものではありません。
Windows、Windows 7、Windows 8.1、Windows 10は、
Microsoft Corporationの商標です。
1 はじめに
VN5640 マニュアル 第1.3版 8
1.2 重要注記
1.2.1 安全上の注意事項と危険警告
注意 !人身傷害や物的損害を回避するために、このインターフェイスを設置して使用する
前に、下記の安全上の注意事項と危険に関する警告に目を通し、十分に内容を
把握しておく必要があります。本書 (マニュアル)は必ず、このインターフェイスのすぐ近
くに保管しておいてください。
1.2.1.1適切な使い方と用途
注意 !このインターフェイスは、制御システムとECU間の通信を解析し、制御ならびに影響
を与えるための設計になっています。具体例として、CAN、LIN、K-Line、MOST、FlexRay、Ethernet、BroadR-Reach、ARINC 429などのバスシステムがこの対象にな
ります。
このインターフェイスを分解した状態で使用しないでください。具体的に言うと、プリン
ト配線が見える状態であってはなりません。このインターフェイスを操作できるのは、こ
のインターフェイスが以下の条件を満たしている場合に限ります。(i)本書に記載され
た指示および説明に準拠していること。(ii)このインターフェイス用に設計された電源
(USB給電型の電源など)が装備されていること。(iii)ベクターが製造または承認した
付属品が装備されていること。
このインターフェイスは、経験豊富な作業員だけが使用できる設計になっています。
それ以外の作業員が操作すると、重大な人身傷害や物的損害を招くおそれがあり
ます。したがって、以下の条件を満たしている作業員に限り、このインターフェイスを
操作することができます。(i)このインターフェイスによって引き起こされる作用の考えら
れる影響を把握していること。(ii)このインターフェイス、バスシステム、作用の対象に
なるシステムの取り扱いに関して専用の訓練を受けていること。(iii)このインターフェイ
スを安全に使用する方法を十分に心得ていること。
このインターフェイスの操作に必要な知識は、ベクターが開催している研修会、社内
セミナー、社外セミナーで習得できます。追加情報とインターフェイス固有の情報 (既知の問題など)は、ベクターのWebサイト (www.vector.com)にある「VectorKnowledgeBase」から入手できます。このインターフェイスの操作を開始する前に、
「Vector KnowledgeBase」にアクセスして、更新情報がないかを確認してください。
1 はじめに
VN5640 マニュアル 第1.3版 9
1.2.1.2危険
注意 !このインターフェイスは、制御システムおよびECUの動作を制御したり、動作に影響
を及ぼすことがあります。特に、安全関連システムに介入する場合 (エンジン管理、
ステアリング、エアバッグ、ブレーキ装置を操作または停止させる場合など)やこのイン
ターフェイスを公共の場 (公共輸送や空域など)で操作する場合には (これらに限定
されません)、生命、人体、および財産に重大な危険が及ぶおそれがあります。した
がって、いかなる場合でも、このインターフェイスを安全な方法で使用する必要があり
ます。具体例として、操作の誤りや危険な状況 (これらに限定されません)が発生し
ても、このインターフェイスが使用されているシステムを安全な状態のまま維持する機
能 (緊急停止など)が有効な方法になります。
対象システムの操作に関連するすべての安全規格と公的規制を遵守してください。
対象システムを公共の場で操作する前に、危険が及ばないように、一般人の立ち
入りが禁止され、テストドライブを動作させるためだけに用意された場所で、対象シ
ステムのテストを実施しておく必要があります。
1.2.1.3免責条項
注意 !ベクターでは、このインターフェイスの間違った使い方や用途に合っていない使い方が
原因で生じた損害または不具合である限り、瑕疵に基づく請求や賠償請求を受け
付けないものとします。これは、このインターフェイスを使用する作業員の訓練不足や
経験不足が原因で生じた損害または不具合にも当てはまります。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 10
2 デバイスの説明
この章は、次の内容について記載されています。
2.1 製品に含まれるもの 11
2.2 はじめに 11
2.3 アクセサリ 12
2.4 使用例 132.4.1 透過的なEthernetモニタリング 132.4.2 ネットワークシミュレーション 172.4.3 スタンドアロンメディアコンバーター 182.4.4 DoIP 192.4.5 ポートのミラーリング 20
2.5 メインコネクタ 21
2.6 LED 25
2.7 インターフェイスオプション100BASE-T1 272.7.1 コネクタ 272.7.2 仕様 28
2.8 インターフェイスオプション1000BASE-T1 302.8.1 コネクタ 302.8.2 仕様 31
2.9 ハードウェアチャンネルおよびセグメント 332.9.1 一般情報 332.9.2 シミュレーション 342.9.3 計測 342.9.4 直接接続 352.9.5 メディア変換 352.9.6 TAPと直接接続 (旧モード ) 36
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 11
2.1 製品に含まれるもの
内容 本製品には次のものが含まれます。
VN5640 Ethernet/CANインターフェイス
電源装置 24V USBケーブル3.0 (A-B、1.8m) (製品番号05092)
2.2 はじめにVN5640について VN5640は、Ethernet物理層の10BASE-T、100BASE-T1 (OPEN Alliance BroadR-
Reach)、100BASE-TX、1000BASE-Tをサポートするベクター製ネットワークインターフェ
イスです。100BASE-T1は車載エレクトロニクスで特に使用される物理層です。また、
別のインターフェイスオプションである1000BASE-T1は1000BASE-T1をサポートします。
図 1: VN5640 Ethernet/CANインターフェイス
VN5640では、最小の遅延時間と高分解能のタイムスタンプを用いて、Ethernetデータ
ストリームとCANイベントを透過的にモニタリングしてログを記録できます。そのため、
VN5640は、シンプルなバス解析、複雑なネットワークシミュレーション、診断、キャリブ
レーションなどのさまざまな用途に使用できます。
特徴 VN5640には次の特徴があります。
16個の独立したEthernetポートをサポート
100BASE-T1 (OPEN Alliance BroadR-Reach)をサポート
標準のEthernetをサポート (10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-T) 1000BASE-T1をサポート (インターフェイスオプション1000BASE-T1のみ) 独立した2つのCAN/CAN FDチャンネルをサポート
D-SUB9コネクタを使用
アナログ/デジタル値の測定と生成のための入出力インターフェイスをサポート
USB 3.0経由でのPCとの接続
Ethernetフレームの高分解能タイムスタンプ
CAN/CAN FDフレームの高分解能タイムスタンプ
複数のベクター製ネットワークインターフェイスの
ソフトウェア/ハードウェア時間同期
3通りの内部接続 (入力 /モニター/出力 ) EthernetおよびCANデータのハードウェアフィルタリング
レイヤー2スイッチを組み込むことにより、複数のチャンネルで
ネットワークシミュレーションを最適化
ハードウェアによる、低ジッターおよび全帯域に対応する負荷生成機能
スタンドアロンモード機能により、中断の無い測定解析を実現
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 12
車載用途および工業用途に適した
ロバスト性、電源電圧供給、温度の範囲
ユーザー固有のアプリケーションを作成するためのプログラミングインターフェイス
「XLドライバーライブラリ」を提供 (CANおよびEthernet)
2.3 アクセサリ
参照利用できるアクセサリについては、Vector Driver Disk内のアクセサリマニュアルを参照
してください (\Documentation\Accessories)。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 13
2.4 使用例
2.4.1 透過的なEthernetモニタリング
モニタリング VN5640を使用すると、Ethernetバスに影響を及ぼさずに (バイパス)、ECUと接続される
センサー間でEthernetモニタリングを行うことができます。この設定では、VN5640は一方
のチャンネルで受信した入力パケットをもう一方のチャンネルに転送します。VN5640は、並列で最大8つのバイパスを提供します。(100BASE-T1 x 6、標準Ethernet x2)
セットアップ
ETH CH1
PC
USB
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
VN5640
ETH CH2
Sensor
bypa
ssin
g
Sensor
ECUECU
Sensor Sensor Sensor
SWITCH
Sensor
ECU
SWITCH
図 2: Ethernetデータのバイパス
これにより、CANalyzer.EthernetやCANoe.Ethernetなどのアプリケーションで、正確なタ
イムスタンプを使用してEthernetパケットをトレースできます。
注記バイパスは、隣接するチャンネル間にのみ設定できます。
ETH
CH
1
ETH
CH
2
ETH
CH
3
ETH
CH
4
...
ETH
CH
13
ETH
CH
14
ETH
CH
15
ETH
CH
16
VN5640
bypassing bypassing bypassing bypassing
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 14
バイパスモード バイパスには、必要な用途に応じて使用できる2つのモードがあります。
PHYバイパス
一定の遅延時間で、通信に極力影響を及ぼさずにEthernetパケットをモニタリング
する場合は、このモードを使用します。このモードでは、Ethernetパケットを追加で送
信することはできません。
VN5640
ECU1
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
ECU2
RxPHY Bypassing
Δt
PCCANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
Rx Rx
Tx
図 3: PHYバイパス
物理層 バイパス遅延∆t100BASE-T1 100BASE-T1 3.6 µs100BASE-T1 100BASE-TX 3.7 µs100BASE-TX 100BASE-TX 4.4 µs1000BASE-T 1000BASE-T 1.5 µs1000BASE-T1 1000BASE-T1 5.8 µs
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 15
MACバイパス
Ethernetパケットをモニタリングし、パケットの追加送信も行う場合は、このモードを
使用します。このモードでは、処理時間が動的に変化する場合があります。
VN5640
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
MAC Bypassing
PCCANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
Rx Tx
ECU1 ECU2
Δt
Tx
MACEthernet Controller
PHYBroadR-Reach
Transceiver
Rx
Rx Tx
Tx Tx
図 4: MACバイパス
物理層 バイパス遅延∆t*100BASE-T1 100BASE-T1 約11 µs100BASE-T1 100BASE-TX 約11 µs100BASE-TX 100BASE-TX 約12 µs1000BASE-T 1000BASE-T 約2.5 µs1000BASE-T1 1000BASE-T1 約6.7 µs
*アプリケーションによる追加フレームのない場合の遅延時間
(CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet)
注記バイパスの競合 (アプリケーションに追加のフレームが送信されるなど)がない場合は、
MACバイパス遅延はフレームの長さに依存しません (カットスルーモード )。追加のフレームがアプリケーションから送信される場合、バイパス遅延はフレームの長
さに依存します (ストアアンドフォワードモード )。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 16
EthernetおよびCANのタイムスタンプクロック
VN5640は、EthernetおよびCANイベントに共通のタイムスタンプクロックを使用します。
そのため、測定対象をCANネットワークにも拡張する場合、生成されたCANタイムスタ
ンプはEthernetタイムスタンプと常に同期された状態でネットワークを解析できます。
ETH CH1
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
ETH CH2
Sensor
Sensor
Sensor Sensor Sensor
Sensor
CAN
VN5640by
pass
ing
Time Stamp Clock
USB
CANCH3
CANCH4
ECUECU
SWITCH
ECU
SWITCH
図 5:測定設定の拡張
注記追加したベクター製ネットワークインターフェイスは、ソフトウェアまたはハードウェアで同
期できます (50ページの「時間同期」を参照 )。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 17
2.4.2 ネットワークシミュレーション
ネットワークの開発 Ethernetパケットを2つの個別のEthernetチャンネルで送受信でき、CANメッセージを2つの個別のCANチャンネルで送受信できます。そのため、VN5640は複雑なネットワークの
開発におけるネットワークシミュレーションに最適です。
セットアップ
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
CANECU
CANCH3
CANCH4
ETH CH1
ETH CH2
VN5640
Time Stamp Clock
ECUECU
Sensor CANoeETH SIM #1 Sensor
SWITCH
CANoe ETH SIM
#1
CANoe ETH SIM
#2
CANoe CAN SIM
#2
CANoe CAN SIM
#1
ECU
CANoeETH SIM #2
CANGateway
CANoeCAN SIM #1
CANoeCAN SIM #2
USB
図 6:シミュレーションノード
注記ネットワークシミュレーションにはCANoe.Ethernetが必要です。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 18
2.4.3 スタンドアロンメディアコンバーター
物理層変換 VN5640のEthernetチャンネルは個別に設定できます。そのため、VN5640は、
100BASE-T1物理層を使用するECUと、100BASE-TX/1000BASE-Tを使用する任意
の標準のEthernet機器 (ロガーなど)との間で、メディアコンバーターとして使用できま
す。VN5640は最大4つのメディア変換パスを提供します。
セットアップ
CH1VN5640
CH2Media Converter
PC/Standard Ethernet Logger100BASE-TX
100BASE-T1
SensorSensor
ECU
SWITCH
図 7:メディアコンバーター
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 19
2.4.4 DoIPDoIPアクティベーション
ライン
DoIPの使用に際して、VN5640は、100BASE-TXチャンネルの他に、 ISO仕様に準拠
したDoIPアクティベーションラインを搭載したデジタルIOチャンネルをサポートします。アク
ティベーションレベルをVN5640で設定してECUを診断モードに切り替えることができま
す。
セットアップ
PC
CANalyzer.Ethernet/CANoe.Ethernet
CANECU
CANCH3
CANCH4
ETH CH1VN5640
Time Stamp Clock
CANoe ETH SIM
#1
ECU
CANoeETH SIM #1
CANGateway
USB
IO
100BASE-TX
DoIP Activation
図 8:シミュレーションノード
注記CANoe.EthernetまたはCANape (バージョン16以降 )では、DoIPをサポートしていま
す。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 20
2.4.5 ポートのミラーリング
説明 VN5640は、選択されているソースチャンネルの入力パケットを特定のターゲットチャンネ
ルにミラーリングできます。たとえば、このミラーリング機能を使用して、Ethernetロガーを
ターゲットチャンネルに接続できます。
セットアップ
ETH CH1
VN5640
ETH CH2
Sensor
bypa
ssin
g
ECU
SWITCH
ETH CH3
ETH CH4bypa
ssin
g
Sensor
ECU
SWITCHETH CH13
ETH Logger
図 9:ターゲットとして設定されるEthernetチャンネル13、ソースとして設定されるチャンネル1~4
注記設定はVector Hardware Configで行います。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 21
2.5 メインコネクタ
デバイスコネクタ
図 10: USB側のコネクタ
同期 (Binder)VN5640には、異なるベクター製デバイスの時間同期に使用できる同期コネクタ
(Binder type 711)が1つ搭載されています (50ページの「時間同期」を参照 )。
ピン 割り当て
1 未接続
2 同期ライン
3 接地 (GND)
312
電源 (ODU)VN5640には、電源用に2ピンODUコネクタが搭載されています (MINI-SNAPサイズ
1、タイプGG1L0C-P02RP00-0000)。付属の電源ケーブルを接続して装置の電源
を投入します (一致するODUコネクタタイプS11L0C-P02NPL0-6200)。
ピン 割り当て
1 電源電圧供給 (8 V~50 V DC)2 接地 (GND)
1
2
注記VN5640の電源を投入するには最低5 V必要です。連続動作には、8 V以上 (定格 12 V DC、最大 50 V)の電圧を使用してください。一時的に (1分未満 ) 5 Vまで電圧降下しても動作します。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 22
IO 19 (D-SUB)VN5640には、デジタル入力 /出力用のD-SUB9コネクタ (CH19)があります。ピンの
割り当ては次のとおりです。
ピン 割り当て
1 アナログ入力
2 デジタル入力 /出力03 デジタル入力 /出力14 デジタル入力05 デジタル入力16 アナログGND7 未接続
8 デジタル出力
9 デジタルGND
5
4
3
2
16
7
8
9Digital input 1
Not connected
Digital output
Digital GND
Analog GND
Digital input 0
Digital in/out 1
Digital in/out 0
Analog input
デジタル入力 /出力0/1の内部相互接続
Digital Input/Ouput
Isolation
455RRi
50R
50R
Vcc
GND_ISO
Passive NetworkFrom Processor
To Processor
GND_ISO10
k
図 11:デジタル入力 /出力
デジタル入力0/1の内部相互接続
To Processor
Digital GND
Vcc
Digital GND Digital GND
Digital Input 0/1
Isolation
20k
Vref
200k
OUT
IN-
IN+
33 V370 pF
図 12:デジタル入力0/1
デジタル出力の内部相互接続
From Processor
Digital Output
Digital GND
Isolation
33 V 370 pF
図 13:デジタル出力
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 23
アナログ入力の内部相互接続
To Processor
Analog GND
Vcc
Analog Input
100k
1M
33 V370 pF
Analog GND
22 pFADC
15k
10k
Analog GND
OUT
IN+
IN-
Isolation
INOUT
図 14:アナログ入力
アナログ入力の拡張測定範囲
通常動作では、アナログ入力は最大18Vの電圧を計測できます。交流電圧のための
遮断周波数 fc (-3 dB)は約7.2 kHzです。
18Vより高い計測 (最大50V)には、外部直列抵抗をアナログ入力に接続してくださ
い。直列抵抗Rextは計測される最大入力電圧Uinputから、以下のとおり計算できま
す。
また、交流電圧のための遮断周波数は外部直列抵抗体に影響されます。
例 24 V 32 V 36 V 48 VRext 367 kΩ 856 kΩ 1100 kΩ 1833 kΩRext (E96) 374 kΩ
(24.12 V)866 kΩ(32.17 V)
1100 kΩ(36.00 V)
1870 kΩ(48.60 V)
fc (-3 dB) 1148 Hz 496 Hz 390 Hz 230 Hz
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 24
CAN CH17/18 (D-SUB)2つのCANチャンネルを備えたD-SUBコネクタ。同じピン配置の2つのD-SUB9コネク
タで、両方のチャンネルを使用するには、CANcable 2Yを使用します (アクセサリマ
ニュアルの製品番号05075を参照 )。
ピン 割り当て
1 CH18CAN Low2 CH17CAN Low3 CH17GND4 予約済み。
使用しないでください。
5 未接続
6 CH18GND7 CH17CAN High8 CH18CAN High9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9Not connected
Reserved1051cap CAN High
1051cap GND
1051cap CAN Low
1051cap CAN Low1051cap GND
1051cap CAN High
Not connected
CH17 CH18
USBファームウェアのインストール、更新および計測アプリケーション (CANoe、CANalyzer)でデバイスを使用するには、PCとVN5640をUSBで接続します。同梱さ
れているUSB 3.0準拠ケーブルを使用します (PCとデバイス間にUSB延長ケーブル
を使用すると不具合が発生する可能性があります)。デバイスをPCのUSBポートに
直接接続するか、電源電圧供給を備えた (セルフパワー) USBハブを使用します。
Ethernet 13~16 (Ethernet)10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T用の標準のEthernetコネクタ。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 25
2.6 LED上部LED
図 15: VN5640の上部LED
Act (Ethernet CH13~CH16)LEDは、Ethernetリンクが確立した場合は点灯し、対応するチャンネルでEthernet送受信している場合は点滅します。
色 説明
緑 1000 MBit。黄 100 MBit。
CAN (CH17/CH18)マルチカラーのチャンネルLED。それぞれCANのバスアクティビティを示します。
色 説明
緑 データフレームが正しく送受信されています。点滅する頻度はメッセージレートによって異なります。
オレンジ エラーフレームが正しく送受信されています。点滅する頻度はメッセージレートによって異なります。
赤 バスがオフ。
Statusステータスを示すマルチカラーのLED。色 説明
緑 電源投入時に4回点滅し、その後点灯します。アップデート進行中は高速で点滅します。アップデートの完了後、デバ
イスがオートリブートするまで待機してください(約60秒 )。赤 エラーが発生しました。電源の接続を解除してUSBケーブルを抜いてく
ださい。電源を再接続してUSBケーブル差し込んで、もう一度試してく
ださい。
下部LED
図 16: VN5640の下部LED
M (Ethernet CH1~CH12)対応するチャンネルがマスターとして設定されている場合に点灯します。
色 説明
緑 物理層がマスターとして設定されています。
消灯 物理層がスレーブとして設定されています。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 26
Act (Ethernet CH1~CH12)LEDは、Ethernetリンクが確立した場合は点灯し、対応するチャンネルでEthernet送受信している場合は点滅します。
色 説明
緑 1000 MBit。黄 100 MBit。
注記Vector Hardware Configツールでセグメントまたはハードウェアチャンネルを選択した
場合、対応するアクティベーションLEDが2~3回点滅します。
SegmentsVN5640
注記チャンネル1~12のLEDは、ファームウェアアップデート処理中は進行状況バーになり
ます。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 27
2.7 インターフェイスオプション100BASE-T1
2.7.1 コネクタ
デバイスコネクタ
図 17: Ethernet CH1~CH12
Ethernet CH1~CH12 (D-SUB9)100BASE-T1用のD-SUB9コネクタ。同じピン配置の2つのD-SUB9コネクタで、両
方のチャンネルを使用するには、BRcable 2Yを使用します (アクセサリマニュアルの
製品番号05103を参照 )。
ピ
ン割り当て
1 CH2 P2 CH2N3 未接続
4 CH1 P5 CH1N6 未接続
7 未接続
8 未接続
9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9N
P
CH1 CH2
Not connected
Not connected
Not connected
Not connectedP
N
Not connected
参照各Ethernetチャンネルのデフォルト設定は、Vector Hardware Config (40ページの
「デバイスの設定」を参照 )。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 28
2.7.2 仕様
Ethernetチャンネル 12 x NXP TJA1100(IEEE 100BASE-T1)
4 x Atheros AR8031(IEEE 100BASE-TX/1000BASE-T)
CAN/CAN FDチャンネル 2 x NXP TJA1051アナログ入力 10ビット
入力0 V~18 V (Ri = 1.1MΩ)電圧許容値最大30 V拡張測定範囲の詳細については23ページを参照
デジタル入力 範囲0 V~32 VシュミットトリガーHighレベル2.8 V、Lowレベル2.3 V入力周波数最大1 kHz
デジタル出力 オープンドレイン外部供給電圧最大32 V出力周波数最大1 kHz電流最大500mA短絡 /過電圧保護
デジタル入力 /出力 プッシュ/プルモード (DoIPアクティベーションラインなど)またはプッシュモードのみ (ウェイクアップトリガーなど)出力High (負荷なし):13 V出力High (負荷346Ω):5.3 V出力Low:0 V入力範囲:0 V~16 V入力シュミットトリガーHighレベル:3.4 V入力シュミットトリガーLowレベル:2.5 VRout:約500 Ω
タイムスタンプ 分解能:8 ns精度 (デバイス内 ):1 µsソフトウェア同期精度:定格50 µsハードウェア同期精度:定格1 µs
PCインターフェイス USB 3.0入力電圧 電源投入時:5 V以上
連続動作時:8 V~ 50 V (定格12 V)一時的な電圧降下時 (1分未満 )は5Vまで動作可能
消費電力 約18W温度範囲(デバイスの周囲の温度 )
動作時:-40 °C~+60 °C保管時:-40 °C~+85 °C
周囲の相対湿度 15%~95%、結露のないこと
寸法 (LxWxH) 約186mm x 172mm x 55mm重量 1300 gオペレーティングシステムの
要件
Windows 7 SP1 (32ビット /64ビット )Windows 8.1 (32ビット /64ビット )Windows 10 (64ビット )
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 29
コネクタの電気的絶縁
Case
12345
6789
Ethernet 1...12
Ethernet 13...16
Shield
Supply/DataConnected
Electrical Isolation
USBShield
12345
6789
CAN 17/18Shield
CH17
CH18
GNDISO_CH18
GNDISO_CH17
Sync
3 12
Shield
GNDISO_SYNC
12345
6789
IO 19
GNDISO_DIGITAL
GNDISO_ANALOG
Logic
GND
Shield
Shield
注記ホストのシールドはGndに接続されますが、シールド付きケーブルとデバイスのUSB コネクタは同じ電位になることに注意してください (上の図を参照 )。このため接地ルー
プが形成される可能性があり、ノートパソコンの電気的に絶縁されていない12V電源
を使用した場合の電流が原因でホストが損傷する可能性があります。ホストには、
必ず電気的に絶縁された電源を使用してください。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 30
2.8 インターフェイスオプション1000BASE-T1
2.8.1 コネクタ
デバイスコネクタ
図 18: Ethernet CH1~CH12
Ethernet CH1~CH6 (ix Industrial®)100BASE-T1/1000BASE-T1用のix Industrial®コネクタ (HARTING ix Industrial®タイプ10A-1など)。各コネクタには2つのEthernetチャンネル (AとB)があります。
ピ
ン割り当て
1 CH2 P2 CH2N3 未接続
4 未接続
5 未接続
6 CH1 P7 CH1N8 未接続
9 未接続
12345
109876
Ethernet CH7~CH12 (D-SUB9)100BASE-T1用のD-SUB9コネクタ。同じピン配置の2つのD-SUB9コネクタで、両
方のチャンネルを使用するには、BRcable 2Yを使用します (アクセサリマニュアルの
製品番号05103を参照 )。
ピ
ン割り当て
1 CH2 P2 CH2N3 未接続
4 CH1 P5 CH1N6 未接続
7 未接続
8 未接続
9 未接続
5
4
3
2
16
7
8
9N
P
CH1 CH2
Not connected
Not connected
Not connected
Not connectedP
N
Not connected
参照各Ethernetチャンネルのデフォルト設定は、Vector Hardware Config (40ページの
「デバイスの設定」を参照 )。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 31
2.8.2 仕様
Ethernetチャンネル 6 x Marvell 88Q2112(IEEE 100BASE-T1/1000BASE-T1)
6 x Broadcom BCM89811(IEEE 100BASE-T1)
4 x Atheros AR8031(IEEE 100BASE-TX/1000BASE-T)
CAN/CAN FDチャンネル 2 x NXP TJA1051アナログ入力 10ビット
入力0 V~18 V (Ri = 1.1MΩ)電圧許容値最大30 V拡張測定範囲の詳細については23ページを参照
デジタル入力 範囲0 V~32 VシュミットトリガーHighレベル2.8 V、Lowレベル2.3 V入力周波数最大1 kHz
デジタル出力 オープンドレイン外部供給電圧最大32 V出力周波数最大1 kHz電流最大500mA短絡 /過電圧保護
デジタル入力 /出力 プッシュ/プルモード (DoIPアクティベーションラインなど)またはプッシュモードのみ (ウェイクアップトリガーなど)出力High (負荷なし):13 V出力High (負荷346Ω):5.3 V出力Low:0 V入力範囲:0 V~16 V入力シュミットトリガーHighレベル:3.4 V入力シュミットトリガーLowレベル:2.5 VRout:約500 Ω
タイムスタンプ 分解能:8 ns精度 (デバイス内 ):1 µsソフトウェア同期精度:定格50 µsハードウェア同期精度:定格1 µs
PCインターフェイス USB 3.0入力電圧 電源投入時:5 V以上
連続動作時:8 V~ 50 V (定格12 V)一時的な電圧降下時 (1分未満 )は5Vまで動作可能
消費電力 約18W温度範囲(デバイスの周囲の温度 )
動作時:-40 °C~+60 °C保管時:-40 °C~+85 °C
周囲の相対湿度 15%~95%、結露のないこと
寸法 (LxWxH) 約186mm x 172mm x 55mm重量 1300 gオペレーティングシステムの
要件
Windows 7 SP1 (32ビット /64ビット )Windows 8.1 (32ビット /64ビット )Windows 10 (64ビット )
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 32
コネクタの電気的絶縁
Case
Ethernet 7...12
Ethernet 13...16Shield
Supply/DataConnected
Electrical Isolation
USB Shield
1 2 3 45
6 7 8 9
CAN 17/18 Shield
CH17
CH18
GNDISO_CH18
GNDISO_CH17
Sync
3 12
Shield
GNDISO_SYNC
3
IO 19
GNDISO_DIGITAL
GNDISO_ANALOG
Logic
GND
Shield
Shield
5 4 2 1
89 7 6
35 4 2 1
89 7 6
Ethernet Shield
12345
109876
1...6
注記ホストのシールドはGndに接続されますが、シールド付きケーブルとデバイスのUSB コネクタは同じ電位になることに注意してください (上の図を参照 )。このため接地ルー
プが形成される可能性があり、ノートパソコンの電気的に絶縁されていない12V電源
を使用した場合の電流が原因でホストが損傷する可能性があります。ホストには、
必ず電気的に絶縁された電源を使用してください。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 33
2.9 ハードウェアチャンネルおよびセグメント
2.9.1 一般情報
セグメントの使用 VN5640のハードウェアチャンネルには、CANoe/CANalyzer.Ethernetからはセグメント単
位でアクセスします。セグメントには、動作モードに応じて、単一のハードウェアチャンネ
ルまたは複数ハードウェアチャンネルが含まれます。
SegmentsVN5640
図 19:計測用途のVN5640
動作モードと、セグメントおよびハードウェアチャンネルの設定は、Vector HardwareConfigで変更できます (40ページの「デバイスの設定」を参照 )。
図 20:チャンネルモードの編集
使用可能な動作モードについては以降のセクションで説明します。
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 34
2.9.2 シミュレーション
単一のセグメント この動作モードでは、VN5640のすべてのEthernetチャンネルを単一のセグメントで使用
します。この動作モードは、ネットワークトポロジを変更するようなネットワークシミュレー
ション用途で使用します。VN5640にはインテリジェントなスイッチが搭載されており、実
行時にMACアドレスを収集します。つまり、CANoe.Ethernetで送信されるすべての
Ethernetパケットは適切な宛先 (接続されているEthernetデバイス)に転送されます。ス
イッチにMACアドレスが記憶されていない場合 (シミュレーション開始時など)は、
Ethernetパケットはセグメントに含まれるすべてのハードウェアチャンネルに送信されま
す。
SegmentsVN5640
図 21:シミュレーション用途のVN5640
2.9.3 計測
8個のセグメント この動作モードでは8個のセグメントに分割されます。各セグメントには2個のハードウェ
アチャンネルが含まれます。この動作モードは、ネットワークトポロジを変更しないで、計
測などを行う場合に使用します。VN5640の各セグメントはTAP(Test Access Point)として、単一のネットワークリンクに接続します。各セグメントをMACまたはPHYバイパスに
設定し、ネットワークをモニターする用途で使用できます。さらに、転送前に送信される
パケットを変更するためなどには、バイパス無しの設定にします。
SegmentsVN5640
図 22:計測用途のVN5640
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 35
2.9.4 直接接続
16個のセグメント この動作モードでは16個のセグメントに分割されます。各セグメントは単一のハードウェ
アチャンネルにリンクされます。この動作モードは、各ハードウェアチャンネルに個別にアク
セスする場合に使用します。
SegmentsVN5640
図 23:ハードウェアチャンネルに個別にアクセスするVN5640
2.9.5 メディア変換
8個のセグメント この動作モードでは8個のセグメント分割されます。各セグメントには2つのハードウェア
チャンネルが含まれます。この動作モードは、Ethernetデバイスをさまざまな物理層に接
続する場合に使用します。VN5640は、4つのメディアコンバーターと、4つの付加的な
ネットワークアクセスポイントを提供します。各セグメントはMACまたはPHYバイパスモー
ドで個別に動作します。さらに、転送前に送信されるパケットを変更するためなどに
は、バイパス無しの設定にします。
SegmentsVN5640
図 24:メディア変換用途のVN5640 (インターフェイスオプション100BASE-T1)
SegmentsVN5640
図 25:メディア変換用途のVN5640 (インターフェイスオプションOption 1000BASE-T1)
2 デバイスの説明
VN5640 マニュアル 第1.3版 36
2.9.6 TAPと直接接続 (旧モード)注記この動作モードは既存のプロジェクトでのみ使用します。新規プロジェクトには、他の
動作モードを使用してください。
16個のセグメント この動作モードでは16個のセグメントに分割されます。各セグメントは単一のハードウェ
アチャンネルにリンクされます。このモードの動作はVN5610(A)と同じです。この動作モー
ドは2つのメディアコンバーターと12のアクセスポイントをサポートします。
SegmentsVN5640
図 26:ハードウェアチャンネルに個別にアクセスするVN5640
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 37
3 はじめよう
この章は、次の内容について記載されています。
3.1 ドライバーのインストール 38
3.2 デバイスの設定 40
3.3 ループテスト 433.3.1 Ethernet 43
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 38
3.1 ドライバーのインストール
一般情報 Vector Driver Diskは、ベクターのデバイスのインストール/アンインストールが可能なドラ
イバーセットアップを提供します。
注記次の手順を行うには、管理者権限が必要です。
ステップバイステップの手順
1. デバイスを付属のUSBケーブルでPCへ接続する前に、自動スタートメニューまた
は直接
\Drivers\Setup.exeからドライバーセットアップを実行します。
デバイスがすでにPCへ接続されている場合は、[新しいハードウェアの検出 ]ウィ
ザードが表示されます。このウィザードを閉じて、ドライバーセットアップを実行しま
す。
2. セットアップダイアログで [Next]をクリックします。初期化プロセスが開始します。
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 39
3. ドライバー選択ダイアログで、インストール/アンインストールするデバイスを選択し
ます。
4. [Install]をクリックしてドライバーインストールを実行するか、[Uninstall]をクリック
して既存のドライバーをアンインストールします。
5. 確認のダイアログが表示されます。[Close]をクリックして終了します。インストー
ルが正常に終了したらデバイスの動作準備ができていますので、付属のUSBケーブルでPCへ接続できます。
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 40
3.2 デバイスの設定
構成 インストールされているデバイスをアプリケーションで使用する前に、用途に合わせて適
切に設定する必要があります。この設定は、ドライバーと共にインストールされるVectorHardware Configツールを使用して行います。このツールは、Windowsの [スタート ] -[設定 ] - [コントロールパネル] - [Vector Hardware]にあり、インストールされているすべ
てのベクター製デバイスを管理できます。
参照Vector Hardware Configの詳細については、インストール手順を参照してください
(44ページの「Vector Hardware Configuration」を参照 )。
デバイスの設定 Ethernet構成を変更する場合は、接続されているVN5640をリストから選択して
[Device Configuration]をダブルクリックします。
図 27: Vector Hardware Config
設定するセグメントをクリックしてバイパスモードを選択します(シミュレーションおよび直
接接続動作モードでは使用できません。
SegmentsVN5640
図 28:セグメントの選択
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 41
チャンネルモードを編集するには、設定するハードウェアチャンネル番号をクリックしてバ
イパスモードを選択します。
SegmentsVN5640
図 29:ハードウェアチャンネルの選択
注記標準EthernetのモニターするためにVN5640を使用する場合、接続する両方のデバイ
スのオートネゴシエーションを有効にする必要があります。
またオートネゴシエーションを無効で100Mbpsまたは10Mbps固定の場合、接続する
両方のデバイスを同じ設定にすればリンクは確立します。 (全2重通信のみ)。
一方のデバイスでオートネゴシエーションを有効にし、もう一方のデバイスのオートネゴ
シエーションを無効にした場合、Ethernetリンクは半2重通信で動作します。VN5640は全2重通信のみをサポートしています。
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 42
注記Ethernet設定は、CANoe.Ethernet /CANalyzer.Ethernetの [Network HardwareConfiguration]で変更することもできます。
図 30: NetworkHardware Configuration
図 31: NetworkHardware Configuration
3 はじめよう
VN5640 マニュアル 第1.3版 43
3.3 ループテスト
動作テスト ここに記載されるテストは、ドライバーとデバイスの機能の整合性を確認するために行い
ます。このテストは、Windows 7 / Windows 8.1 / Windows 10で共通であり、使用して
いるアプリケーションに依存しません。
3.3.1 Ethernetデバイステスト Ethernetの動作テストは以下のデバイスを使用して実行できます。
VN5610 VN5610A VN5640
ステップバイステップの手順
1. デバイスの両方のEthernetチャンネルをEthernetケーブルで接続します。
2. 次の手順に従って、両方のBroadR-ReachチャンネルをD-SUB9コネクタに接続
します (BRcable 2Y (製品番号05103)などを使用します)。
6789
P CH1/CH2
N CH1/CH2
5 4 3 2 1
3. Vector Driver Diskから\Drivers\Common\ETHloop.exeを起動します。
4. 接続されているチャンネルをリストから選択します。
5. [Twinkle] を押して、[Status] LEDが点滅するか確認します。
6. [Start Test]ボタンを押してテストを開始します。エラーメッセージが表示されなけ
ればテストは成功です。
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 44
4 Vector Hardware Configurationこの章は、次の内容について記載されています。
4.1 一般情報 45
4.2 ツールの説明 464.2.1 はじめに 464.2.2 ツリービュー 47
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 45
4.1 一般情報
Vector HardwareConfigの実行
ドライバーのインストールが正常に終了すると、 [コントロールパネル] (下記を参照 )に設
定アプリケーションのVector Hardwareが表示されます。このツールで接続およびインス
トールされているベクターデバイスの情報を参照できます。また、このツールでは設定の
変更もできます。
図 32:コントロールパネルに表示されるアイコン
コントロールパネル
Windows 7 カテゴリー表示
[Windowsスタート ] - [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
[Windowsスタート ] - [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
コントロールパネル
Windows 8.1 カテゴリー表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選択
し、 一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
コントロールパネル
Windows 10 カテゴリー表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル] - [ハードウェアとサウンド ]の順に選択
し、 一覧で [Vector Hardware]を選択します。
アイコン表示
<Windowsキー>+<X> – [コントロールパネル]の順に選択し、
一覧で [Vector Hardware]を選択します。
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 46
4.2 ツールの説明
4.2.1 はじめに
VectorHardware Config
図 33: Vector Hardware Configの一般的な表示
論理チャンネルと
物理チャンネル
Vector Hardware Configを使用して、インストールされているベクターのデバイスとアプ
リケーション間のチャンネル設定を行うことができます。アプリケーションはいわゆる論理
チャンネルを使用します。これらはハードウェアに依存しておらず、実際のハードウェア
チャンネルに割り当てる必要があります。
physical CH1CAN
physical CH2LIN
Vector Device 1 Vector Device 2
physical CH1FlexRay
physical CH2CAN
not assigned
logical channelCAN 1
Applicationlogical channel
LIN 1logical channel
CAN 1
logical channelFlexRay 1
logical channelCAN 2
図 34:チャンネル割り当ての概念
図 35: Vector Hardware Configでのチャンネル割り当て
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 47
4.2.2 ツリービュー
ベクターデバイスへの
アクセス
このツールは2つのWindowがあります。左側のWindowにはツリービューがありインストー
ルされているベクターデバイスにアクセスでき、右側のWindowには選択したデバイスの
詳細が表示されます。ツリービューでは以下の項目を使用できます。
Hardware [Hardware]セクションには、インストールされているベクターデバイスがリストされます。各
デバイスアイテムには、任意の数の論理チャンネル (CANalyzer CAN 1など)に割り当
て可能な物理チャンネルがあります。論理チャンネルは1つの物理チャンネルにのみ割り
当てることができます。
図 36: Hardware
Application ツリービューの [Application]には、使用可能なすべてのアプリケーションが表示されま
す。各アプリケーションに応じて、論理チャンネルと物理チャンネルの割り当てがWindowの右側に表示されます。割り当てがない場合は、「Not assigned」と表示されます。割
り当ては右クリックで編集できます。
図 37: Application
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 48
Global settings [Global settings]には、 [Software time synchronization]、 [Transmit Queue size]、[Configuration flags]、 [Number of Virtual CAN Devices]などの、使用可能なグローバ
ルデバイス設定が含まれます。
図 38: Global settings
Driver status [Driver status]には、現在使用中のデバイスとアプリケーションの全体的なステータス
情報が表示されます。チャンネルがバスに接続されているか (オンライン/オフライン)、およ
び時間同期がアクティブか非アクティブか (Time-Sync-On/Time-Sync-Off)を確認できま
す。
図 39: Driver status
4 Vector Hardware Configuration
VN5640 マニュアル 第1.3版 49
License [License]セクションには、現在使用可能なすべてのライセンス (ベクターバスデバイス、
ベクターライセンスUSBドングルデバイス)に関する情報が表示されます。
図 40: License
参照Vector Hardware Configの詳細については、オンラインヘルプ ([Help] –[Contents])を参照してください。
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 50
5 時間同期
この章は、次の内容について記載されています。
5.1 一般情報 51
5.2 ソフトウェア同期 53
5.3 ハードウェア同期 54
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 51
5.1 一般情報
タイムスタンプと
イベント
タイムスタンプは、入力または出力データやイベントシーケンスを特定のバスで解析する
場合に役立ちます。
図 41: CANalyzerでの2個のCANチャンネルのタイムスタンプ
タイムスタンプの
生成
ベクター製ネットワークインターフェイスで送受信される各イベントには、正確なタイムス
タンプがあります。タイムスタンプは、ベクター製ネットワークインターフェイスの各チャンネル
に生成されます。これらのタイムスタンプの基礎は、デバイスで共通のハードウェアクロッ
クです。
CAN
VectorCAN Interface
CH1 CH2
Time Stamp Clock
PCCANalyzer/CANoe
USB
図 42:各チャンネルに共通のタイムスタンプクロック
測定設定に複数のベクター製ネットワークインターフェイスが必要な場合、接続される
すべてのインターフェイスとそれらのハードウェアクロックを同期させる必要があります。
製造上および温度上の許容範囲により、ハードウェアクロックは速度が異なることがあ
るので、時間が経過するにつれて各種ベクターデバイスのタイムスタンプにずれが生じま
す。
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 52
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH1 CH2Time Stamp Clock
PC
VectorFR Interface
CHA CHBTime Stamp Clock
sec0.0000000.1003760.2003820.3003720.4004060.5005930.600242
sec0.0000000.1003830.2009820.3014560.4026120.5038850.604092
CANalyzer/CANoeUSB USB
図 43:非同期ネットワークインターフェイスの例。独立したタイムスタンプにずれが生じている
ベクター製ネットワークインターフェイス間のこのようなタイムスタンプのずれを補うために、
タイムスタンプをソフトウェアまたはハードウェアで同期できます (次の章を参照 )。
注記ソフトウェア同期およびハードウェア同期の精度は、インターフェイスによって異なりま
す。具体的な値については各デバイスの仕様を参照してください。
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 53
5.2 ソフトウェア同期
ソフトウェアによる
同期
ソフトウェア時間同期はドライバーに基づいて行われ、無制限にすべてのアプリケーショ
ンで使用できます。異なるベクター製ネットワークインターフェイスのタイムスタンプのずれ
は、共通のPCクロックに対して計算され、同期されます。この場合、これ以上のハード
ウェアの設定は必要ありません。
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH1 CH2Time Stamp Clock
VectorFR Interface
CHA CHBTime Stamp Clock
synchronizationby software (PC clock)
sec0.0000001.1003561.2003622.3003622.4003563.5003533.600362
PC
sec0.0000001.1004131.2004212.3004292.4004193.5004153.600420
PC clockCANalyzer/CANoeUSB USB
図 44:デバイスのタイムスタンプをPCクロックに対して同期
ソフトウェア時間同期の設定は、Vector Hardware Configツールの [Generalinformation] - [Settings] - [Software time synchronization]で変更できます。
図 45:ソフトウェア同期の有効化
YESソフトウェア時間同期は有効です。
NOソフトウェア時間同期は無効です。この設定は、ベクター製ネットワークインターフェ
イスをsyncライン経由で同期するか、単一のデバイスを使用する場合にのみ使用
してください。
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 54
5.3 ハードウェア同期
ハードウェアによる
同期
複数のデバイスをより高い精度で時間同期するには、アプリケーション (CANalyzer、CANoeなど)でサポートする必要のあるハードウェア同期を使用します。これで、2個の
ベクター製ネットワークインターフェイスをSYNCcableXLに接続できます (アクセサリマニュ
アルの製品番号05018を参照 )。
同時に最大5個のデバイスを同期するために、分配ボックスを使用できます (アクセサリ
マニュアルの製品番号05085を参照 )。
VN1630A
VN5610A
VN1640A
Multi SYNCbox external
VN1640A
USB PC
PC
VN7570
SYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
USB PC
Vector Devices
USB PC
USB PC
USB PC
Power
図 46:複数のデバイスでの時間同期の例
VN5610A
VN8912A
Power
VN5610A
VN1640A
Multi SYNCbox external
VN1640A
USB
VN
8912
A
USB PC
SYNCcable XLSYNCcable XL
SYNCcable XL
SYNCcable XL
Power
Power
図 47: VN8912Aおよび追加デバイスとの時間同期の例
ベクター製ネットワークインターフェイスは、アプリケーションによって開始されるsyncライン
の各立ち下がりエッジで、アプリケーションに提供するタイムスタンプを生成します。これに
5 時間同期
VN5640 マニュアル 第1.3版 55
より、アプリケーションはネットワークインターフェイス間のずれを計算し、アプリケーションで
定義されている共通のタイムベース (マスタークロック)にタイムスタンプを同期させることが
できます。
CANalyzer/CANoe
CAN
FlexRay
VectorCAN Interface
CH2Time Stamp Clock
USB
VectorFR Interface
CHBMaster Time Stamp Clock
synchronizationby hardware (SYNCcable)
sec0.0000001.1003751.2003812.3003712.4004053.5005923.600241
CH1 CHA
sec0.0000001.1003761.2003822.3003722.4004063.5005933.600242
PC
USB
図 48:タイムスタンプをマスタークロックに対して同期
注記アプリケーションがハードウェア同期をサポートしている必要があります。詳細について
は、関連のアプリケーションマニュアルを参照してください。ハードウェア同期を使用す
る場合、ソフトウェア同期を無効化する必要があるので注意してください ([VectorHardware Config] - [General information] - [Settings] - [Software timesynchronization]を参照 )。
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