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1 蛍 光 体 勉 強 会 資 料 森 戸 祐 幸 May 29,2020 とは、物理的には電磁波の内の一種です。 光は波であり、粒子でもある。明るい光は粒の数が多く、暗い光は粒子の数が少ない。 電磁波には波⾧が 1pm(10 -12 m)以下のガンマ線から波⾧が1m以上の通信用電波まであるが、 その内、波⾧が 10nm~1mm の電磁波を広義で光と呼ばれている。 この光で人間の目に明るさや色の感覚を引き起こす作用のある波⾧域(400~780nm)を可視光という。 X線、ガンマ線、アルファ線、ベータ線等の放射線、太陽光線(紫外線、可視光、近赤外線、赤外線) 電波(マイクロ波、テレビ波、ラジオ波など) *光の速度は毎秒約 30 万 KM(真空中)で太陽から地球までに約 8 分 20 秒 *一般的な物質中では波⾧が短いほど光速が遅い *光は物体に当たると反射、屈折、吸収、透過する *自然光は非偏光である(電場および磁場の振動方向が規則的な光を偏光という)。 結晶や光学フィルターを通すことにより偏光を作れる。 *光の進路に障害物があると、波⾧の短い光(紫、青)は大気中の窒素や酸素分子反射し、光散乱するが、 ⾧い光(赤や橙)は通りぬける(レイリー散乱:夕焼けの色) *光は屈折率の高い方に屈折する(スネルの法則空気:1.0 水:1.33 ダイアモンド:2.4) *光はあらゆる方向に進んでおり、この波と波がぶつかったときにおこる現象を干渉という (シャボン玉がいろいろな色に見える現象) 株式会社球体研究所 森戸 祐幸 May 29, 2020

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    蛍 光 体 勉 強 会 資 料 森 戸 祐 幸

    May 29,2020

    光とは、物理的には電磁波の内の一種です。 光は波であり、粒子でもある。明るい光は粒の数が多く、暗い光は粒子の数が少ない。

    電磁波には波⾧が 1pm(10-12m)以下のガンマ線から波⾧が1m以上の通信用電波まであるが、

    その内、波⾧が 10nm~1mm の電磁波を広義で光と呼ばれている。

    この光で人間の目に明るさや色の感覚を引き起こす作用のある波⾧域(400~780nm)を可視光という。

    X線、ガンマ線、アルファ線、ベータ線等の放射線、太陽光線(紫外線、可視光、近赤外線、赤外線)

    電波(マイクロ波、テレビ波、ラジオ波など)

    *光の速度は毎秒約 30 万 KM(真空中)で太陽から地球までに約 8 分 20 秒

    *一般的な物質中では波⾧が短いほど光速が遅い *光は物体に当たると反射、屈折、吸収、透過する

    *自然光は非偏光である(電場および磁場の振動方向が規則的な光を偏光という)。

    結晶や光学フィルターを通すことにより偏光を作れる。

    *光の進路に障害物があると、波⾧の短い光(紫、青)は大気中の窒素や酸素分子反射し、光散乱するが、

    ⾧い光(赤や橙)は通りぬける(レイリー散乱:夕焼けの色)

    *光は屈折率の高い方に屈折する(スネルの法則空気:1.0 水:1.33 ダイアモンド:2.4)

    *光はあらゆる方向に進んでおり、この波と波がぶつかったときにおこる現象を干渉という

    (シャボン玉がいろいろな色に見える現象)

    株式会社球体研究所

    森戸 祐幸

    May 29, 2020

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    光 源

    (1) 自然発光(自然発火)

    *落雷による発火

    *火山噴火

    *摩擦や衝撃(静電気も含む)による

    発火(火打ち石)

    *化学反応、酸化反応

    *生物発光

    (蛍、キノコ、クラゲ、発光魚,蛍みみずなど)

    *蛍光鉱物

    *太陽、月,星、青空、雲、霧、虹、

    およびこれらを反射するもの オーロラ、稲妻等

    *太陽光の波⾧

    オゾン層に“オゾンホール”が開くと、有害なUV-Cが 地表に届く危険性が増す。 このエネルギーは1Kw/m2

    晴天時:50,000~100,000Lxの明るさ曇天時:10.000Lxの明るさ

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    (2) 人工光源

    (a) 化学燃焼による発光

    たいまつ、ロウソク、アセチレンランプ

    (b) 衝撃、衝突の励起による発光

    火打ち石、ライター

    (c) 高電圧励起による発光

    プラズマ

    (d) 電子励起による発光

    白熱電球、蛍光灯、

    無電極放電灯、HID ランプ、

    低圧水銀灯、冷陰極蛍光灯、

    外部電極蛍光灯(EEFL)、

    ハロゲンランプ、Xenon ランプ、LED、

    レーザー、EL、紫外、LED、

    ブラックライト

    (e) 放射線励起による発光

    放射光

    フォトルミネセンス 物質がフォトンを吸収した後、光を再放出する過程である

    蛍光物質や蓄光(燐光)物質に紫外線など高いエネルギーを持つ光を照射すると吸光し、

    励起状態(不安定な状態)となる。

    その状態から基底状態(安定な状態)に戻ろうとする時に放出する光(可視光など)および

    現象を言う。すなわち、電磁波照射によるルミネセンス(光エネルギーを与えた場合に発光する現象)

    のことである。

    ルクス(照度)は「光に照らされた面の明るさ」を示す単位、ルーメン(光束)は「照明器具そのものの明るさ」を示す単位。一般的に、照明器具の明るさを比べる場合、ルーメンの数値で比較する。

    発光効率 消費電力 1W あたりにどの程度の光束があるのかの値(ℓm/W)

    白熱電球 40W=12.1ℓm/W LED 電球 40W=98.9ℓm/W

    光度

    照度

    cd/㎡

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    ストークス蛍光とは:

    (アイルランド物理学者:ストークス氏の発見)

    分子などがより短い電磁波の光子吸収により励起状態になった後、安定状態に

    戻るとき、より⾧い光子を放出し、蛍光を発する(熱エネルギーになるものもある)

    一般に放出される光子エネルギー>吸収されたエネルギー

    (例)青色 LED 励起 450nm ⇒ 緑発光 550nm

    =反ストークス(アップコンバージョン)

    光子エネルギー<吸収されたエネルギー

    (例)近赤外線 980nm ⇒ 緑発光 550nm

    =蛍光と燐光

    励起の電磁波を止めても発光が持続し、発光寿命(decay time)が⾧いものを燐光と呼ぶ

    また、励起光を止めた瞬間に発光が止まるものが蛍光体と呼ぶ

    =蛍光体

    一般の蛍光体は無機物粉体であるが、蛍光染料のように有機物でストークス蛍光

    やアップコンバージョンの有機化学染料がある

    無機蛍光体 無機蛍光体は一般的には粒径が数ミクロンの粉体で、個々の粒子は単結晶に近い母体結晶に微量の

    付与剤をドーピング(固溶)させ、それぞれの組成、種類により、様々な波⾧に変換できる。

    樹脂、インク、塗料、接着剤、セラミック、ガラスなどに顔料と一緒に混ぜたり、真空蒸着や

    スパッターリング剤として使用される。

    (1) 波⾧の短い紫外線照射で波⾧の⾧い紫外線を発光するもの

    YPO4:Nd: 160,190nm ⇒ 190nm

    LaPO4:Pr: 165,200nm ⇒ 225nm

    YPO4:Pr: 160,190nm ⇒ 233nm

    YPO4:Bi: 170nm ⇒ 241nm

    (Ca,Mg)SO4:Pb 170nm ⇒ 245nm

    LuBO3:Pr: 240nm ⇒ 257nm

    YBO3:Pr: 240nm ⇒ 261nm

    Y2SiO5:Pr: 170,245nm ⇒ 270nm

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    SrSiO3:Pb: 170,235nm ⇒ 275nm

    LaMgAlIO19:Gd: 170,275nm ⇒ 311nm

    LaPO4:Ce: 170,270nm ⇒ 320nm

    YPO4:Ce: 170,270nm ⇒ 335,355nm

    LaMgAlIO19:Ce: 170,275nm ⇒ 340nm

    (2) 紫外線照射(200nm~380nm 励起)で色変換

    *青色: (Sr,Ca)5(PO4)3CL: Eu, BaMgAlIO, O17: Eu:

    ZnS: AgCl MgWO4, CaO:Zn. CaWO4, (Zn,Cd)S:Ag.

    ZnS:Cl, ZnS:Ag, (Sr,Mg)3Si2O7:Eu,Dy,Mn, Sr2P2O7:Eu,

    SrS:Ce, BaMgAL10017:Eu, Y2SiO5:Ce, YVO4:Dy, YVO4:Tm,

    *緑色: BaMg2AL16O27:Eu,Mn, ZnO:S, Zn2SiO4:Mn,

    CaS:Ce, Zn2SiO4:Mn, ZnSiO4:Mn, Y2O2S:Pr, Gd2O2S:Pr,

    ZnS:CuCL, CaSc2O4:Ce3+,(Si,AL)3(O,N)4:Eu2+

    Y3(Al,Ga)5O12:Ce3+, Lu3AL5O12:Ce3+, (Sr,Ba)10(PO4)6CL2:Eu2+

    *赤色: Y2O2S:Eu, 5MgF2.3.5MgO.GeO2:Mn, Y(P,V,B)O4:Eu

    Mg3F2GeO4:Mn, YVO4:Eu, Y2O3:Eu, La2O2S:Eu, Gd2O2S:Eu,

    La2O2S:Eu, CaAlSiN3:Eu2+,(Sr,Ca)ALSiN3:Eu2+,K2SiF6;Mn4+

    *黄色: Y3Al5O12:Ce3+, La3Si6N11:Ce3+,(La,Y)3Si6N11:Ce3+

    *オレンジ色: ZnS:Mn

    (3)青色 LED 照射(430nm~490nm 励起)で色変換

    *黄色: Y3AL5O12:Ce、(Y,Gb)3AL5O12:Ce,(Zn,Cd)S:Cu,

    *オレンジ色:ZnS:Mn、(Ca,Sr)S:Eu, SrS:Eu, (Y,Gad)3AL5O12:Ce,

    *赤色: Cas:Eu,

    *緑色: Lu3Al5O12:Ce,

    *白色: サイアロン蛍光体は、Si-Al-O-N を主な構成元素とする蛍光体である。

    組成を変えることにより様々な色を発します。

    αサイアロン:290nm~430nm(EX) ⇒ 430nm~600nm(青緑.黄燈色):

    βサイアロン:250nm~458nm(EX) ⇒ 500~600nm(緑)

    紫外線、青色 LED,LD または X 線により黄色に発色するが、青色の波⾧と混色して白色になる。

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    +YAG(Yttrium Aluminium Garnet-Y3Al5O12 doped with Ce;

    EPOCH(Enhanced Phosphor from Oxide Crystal Hybrids)は青色光で励起することにより

    材料の YAG:Ce 相が黄色に蛍光色を発する。黄色と青色を混色することで白色に見える。

    +Co-doped YAG/AL2O3(μPD 法)

    一般に使われえている、白色 LED はこれらの白色蛍光体(粉末)を接着剤に混ぜ

    青色 LED 素に塗布するか、この蛍光体を樹脂フィルムに混入したフィルムまたはシートを

    LED 素子上に載せている。これらの透明樹脂は耐熱性に弱いので、最近は蛍光結晶体を切断、

    研磨した板状の結晶体 プレート(3mmx3mmx0.23mm)などが高輝度白色 LED または

    高輝度白色 LD として遠隔照明や自動車のヘッドライトに使われ始めた。

    (4)赤外線光(950nm,980nm 励起)を可視光に変換(アップコンバージョン)

    *青色:オキシサルファイド系希土類

    *緑色:オキシサウファイド系希土類

    *赤色:希土類酸化物

    (5)放射線(α、β、γ、X 線励起)で可視光に発光する無機蛍光体(シンチレーター)

    タングステン酸鉛単結晶(PbWO4),フッ化セリウム単結晶(CeF3),

    ゲルマン酸ビスマス単結晶(Bi4GeO12),ZnSe(Te),CeF3,

    Lu2SiO5:Ce, YALO3:Ce, Y3AL5O12CE, ZnO:Ga,BaF2,

    CsI:Na, CsI:TI, Gd2O2S:Tb, ZnS:Ag, Y2SiO5:Ce, PbF2,

    LiI(Eu)-ユーロピウム活性化ヨウ化リチウム、

    LGSO(Lu,Gd)2SiO5,コランダム―Al2O3(ルビー)

    CeBr3-SrI2:Eu, CaF2:Eu-BaF2, PbWO4

    Gd2SiO5:Ce, CsI(純ヨウ化セシウム)、

    CsI(TI):タリウム活性化ヨウ化セシウム、

    CVsdI(na):ナトリウム活性化ヨウ化セシウム

    タリウム活性化ヨウ化ナトリウム:NaI(TI)

  • 7

    =蛍光体の主な用途

    ブラウン管、プラズマディスプレー、液晶ディスプレー、蛍光表示管、シンチレーター、夜光塗料、

    蛍光顔料、標識、紙幣、有機 EL、レントゲン増感紙、蛍光ペン、非破壊検査、レーザ、

    白色 LED、レーザプロジェクター、露光装置、半導体検査装置、蛍光顕微鏡、分光機器、蛍光吸光光度計、

    水中溶存蛍光分析、蛍光/分子プローブ、抗原抗体試薬、腫瘍イメージング、抗体ラベル、

    遺伝子/たんぱく質/細胞分析試薬、歯科材料、蛍光磁粉探傷剤、鑑識用蛍光剤

    =蛍光体関連メーカー

    三菱化学、デンカ、日亜化学、豊田合成、宇部興産、堺化学、レンゴー、保土ヶ谷化学、

    オリンパス(近赤外蛍光試薬)、タカラバイオ、コスモバイオ、山田化学工業(有機蛍光剤)

    サーモフィッシャー(蛍光プローブ)、フィルジェン(蛍光試薬)、根本特殊化学

    Phosphor、Luminophor、Intematix、PhosphorTec、

    シンロイヒ、タムラ製作所(光波)、帝国インキ、LG,サムソン、東芝(シンチレーター)

    浜松ホトニクス(シンチレーター)、島津製作所

    有機蛍光体 高度にπ共役した有機色素の中には、光などのエネルギーを吸収して励起した際、分子内での振動や

    回転運動等の運動エネルギーに変えるのではなく、光として放出するものがある。

    このような有機色素は蛍光色素と呼ばれ、蛍光漂白剤や蛍光マーカー、臨床検査薬などに使用されている。

    蛍光色素は蛍光染料や蛍光顔料、蛍光インク、蛍光塗料として使われている。

    <主な蛍光色素名>

    *メロシアニン、*ペリレン、*アクリジン、*ルシフェリン、*ピラニン、*スチルベン

    *4 (ジシアノメchレン) 2 メチル 6 (ジメチルアミノスチリル)4H ピラン

    *クマリン、*ピロメテン、*フルオレセイン、*ウンベリフェロン

    *Brilliantsulfoflavine FF : 黄色 ⇒ 緑~黄緑

    *Basic yellowHG : 黄色 ⇒ 緑黄~黄色

    *Eosine : 赤 ⇒ 黄色~橙色

    *Rhodamine 6G : 赤 ⇒ 黄色~橙色

    *Rhodamine B : ピンク ⇒ 橙色~赤

    *Lumogen L : 黄色、黄色/オレンジ、赤/オレンジ

    *イミダゾールまたはオキサジアゾールを基本骨格とした低分子の有機蛍光色素で、置換基の電子吸引性

    や電子供与性を変えることにより各種の発光色が得られる。

    (Blue 450, Green 520, Yellow 535, Orange 600, Red 610).

  • 8

    <放射線で発光する有機蛍光体シンチレーター>

    *p-Terphenyl(C18H14), *Anthracene(C14H10), *Stilbene(C14H12)

    *Polystyrene

    *蛍光標識抗体:一次抗体および二次抗体、

    *染色浸透探傷剤

    蓄光体 蓄光とは、光(電磁波)を蓄えて、光照射を止めても発光する物質の性状をいう。

    なお、蓄光性を持つ物質が暗所で発光する際の光を燐光という。

    この明るさを燐光輝度(単位:cd/㎡)で示す。

    励起状態になった後エネルギーを失うまでの時間をPL寿命と呼ぶ。

    PL寿命がミリ秒オーダー以上が燐光で、マイクロ秒以下であれば蛍光と呼ばれる。

    この寿命の違いはそれぞれの励起状態の違いに起因している。

    再結合で分子が励起状態になる場合に、1:3の割合で一重項励起子と三重項励起子が生じる。

    一重項励起子と三重項励起子の違いは励起準位にある電子スピンの向きが基底状態と違うか

    どうかということに起因している。

    スピン多重度に注目した蛍光とりん光の違い

    Ⅰ.蛍光、 Ⅱ.りん光

    図.ジャブロンスキー・ダイアグラム

  • 9

    1900年代には ZnS:Cu+Radium が使われていたが、放射性物質であるため、現在は使用不可。

    1960年に根本特殊化学がプロメチウム化合物を使った“N夜光”を開発。

    1993年にはやはり根本特殊化学が放射性物質を含まないアルミン酸ストロンチウム系の蓄光性

    夜光顔料を開発した(ルミノーバ)。また自発光物質(トリチウム)も市販(ガラスチューブ入り)、

    N夜光はアクリル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ABS,ポリカーボネート等、様々な樹脂に

    混入された成形品、や印刷インク、塗料などに使われている。

    励起波⾧は 200~470nm で照射光に比例した発光強度が得られる。

    平均粒子径:3~25μm、一部は40μm

    ガラス、タイル用耐熱蓄光剤は粒子径160μm(G 300L160,薄黄緑)

    *発光色: 薄黄緑: SrAl2O4:Eu,Dy

    *発光色: 青みの薄黄緑 : Sr4Al14O25:Eu,Dy, Sr2MgSi2O7:Eu,Dy

    *発光色: 赤 : Y2O2S: Eu,Mg,Ti,

    *発光色: 紫 : CaAl2O4: Eu,Nd

    *発光色: 白色: SW 300AM

    フォトクロミック材料 外部からの光刺激により可逆的に色変化する材料。

    変化メカニズムは分子の外殻軌道の電子状態の変化によるものである。

    有機物ではトリフェニルメタン系色素ロイコニトリル、スピロピラン類、アニル類、

    芳香族ニトロ化合物、芳香族ケトン類、チオインジゴ染料を各種高分子マトリックス中に溶解

    または分散させて用いる。

    あるいはこれらフォトニクス材料を真空蒸着、または溶解して平坦な薄膜で用いる。

    無機物としては、ガラスマトリックス中にハロゲン化銀微結晶を分散したもの、金属不純物を

    ドープした チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、ソーダライム, (baMgSiO4:Fe,ASL)等

    がある。

    フォトクロミック染料は主に 300~360nm の紫外線で青、ローズ、黄色、プラム、赤、オレンジ、

    紫、ターコイズ、金色に発色するものがある。

    最大使用温度範囲は 180~240 度℃。

    サングラス、ガラスカーテンなどの光量制御材、印刷用写真製版用感光材、光信号のメモリー材、

    ディスプレー材、玩具、光量による色変化センサなどに利用されている(例:UV beads checker).