TOGETHER MAKES BETTER...示唆に富む考え、変化をもたらす知見、目に見える成果...

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示唆に富む考え、変化をもたらす知見、目に見える成果 TOGETHER MAKES BETTER デジタル変革の投資を最大化する5 つの指針

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示唆に富む考え、変化をもたらす知見、目に見える成果

TOGETHER MAKES BETTERデジタル変革の投資を最大化する5つの指針

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景気低迷下にあっても デジタル変革を持続させる需要が低迷し、サプライチェーンが不安定化する時代に企業がデジタル化を継続させるには、部門の枠を超えたコラボレーションにフォーカスする必要があります。その理由は以下の通りです。

破滅的な危機のさなかに大切な教訓が得られるというのはよくあることです。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の世界的大流行から得られた教訓の1つに、不確実性に打ち勝つには団結が必要だというものがあります。

たとえ「平常時」であっても、デジタル変革のような複雑な課題に対して十分なコラボレーションがなければ、ROIおよび将来の収益成長が危機にさらされることになりかねません。COVID-19と景気低迷の時代にあっては、昔からのサイロ化問題は多大な損害をもたらす可能性があります。

部門の枠を超えたコラボレーションという難題を解決している企業は、イノベーションを起こし、レリバンスを保ち、利益を伴う成長を促進することに成功していることが本調査を行う中で見えてきました。本レポートでは、これらの企業が他の企業とどのように違うのかを解き明かしていきます。

デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果 2

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バスカー・ゴーシュ(Bhaskar Ghosh) CEO顧問

COVID-19危機により経済は停滞し、 何もかもが止まってしまったかのように感じられます。 ただ1つ、デジタルを除いては。

デジタルは止まることがありません。むしろ、危機によってデジタル変革が加速し、企業と個人は速やかな導入を迫られ、より広く、より深い産業のデジタル化に拍車がかかっています。これは数年前には想像できなかったことです。

今やデジタルは、私達の行うあらゆることの中心に位置しています。同僚や大切な人とのWebを通した交流から、クラウド上でのグローバル化したサプライチェーンの管理、ソフトウェアベースの製品のポートフォリオの構築まで、デジタルは私達の暮らしや仕事を支援するためのツールであるだけでなく、人間にとってかけがえのない重要な存在となっています。

一部の製造業者は、インダストリアルIoT(IIoT)、人工知能(AI)、ロボティクス、3Dプリンティング、デジタルツインといった新技術を利用することで、サージカル・マスクや、手の除菌剤、人工呼吸器などの医療用品の生産への速やかな移行に成功しています。産業のデジタル革命なくしては、このような驚くべき成果はとうてい得られなかったことでしょう

しかし、ポスト・コロナ時代の「Never Normal(全く新しい日常)」の未来を展望する際、製品や工場にインテリジェンスを組み込むことと同じように、組織改革も成功に欠かせないものであることを忘れてはなりません。

多くのことが技術変革の妨げになる可能性がある一方で、今回の調査結果を見ると「部門をまたいだ」競争が大きな障害の1つであることがわかります。たしかに、創造的な緊張関係はよいことです。しかし、デジタル・イニシアティブの拡大に向けて各事業部門がコラボレーションするのではなく、互いに競争しており、それが企業の損失になっていることが見えてきました。

大変な難問のように感じられるかもしれませんが、一部の企業はすでに解決策を見いだしています。これらの企業を調査する中で、各部門同士がうまくコラボレーションし、互いに学び合い、両方の行動を妨げる障壁を取り除くことを可能にする5つの特性が明らかになりました。アクセンチュアではこういった先導的な企業を「チャンピオン」と呼び、これらのチャンピオン企業は近い将来、不確実性に打ち勝つのに最も有利なポジションにいると見込んでいます。

本レポートでは、チャンピオン企業が他の企業とどのように違うのかを解説し、多くの企業がチャンピオンの仲間入りができるよう導きます。

はじめに

3デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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事業部門を集結させることで新たな価値を見いだす

CHANGE ITTO MAKE IT

4デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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COVID-19の世界的大流行のような地球規模の危機はあまりにも複雑で、異なる分野の複数のチームが協力して取り組む以外、解決する術はありません。問題を解決するには、人々が専門分野や組織の枠を超えて協力し合える環境が不可欠です。何がなんでもサイロ構造を解体する必要があります。医師は政府の指導者と、看護師はサプライチェーン管理者と、そして、感染症の専門家はあらゆる業界のCEOとそれぞれ協力して取り組んでいます。サイロ構造は断じてあってはなりません。

危機の最前線にあるグローバル企業は、社外の組織と協力して、自社のアイデア、人材、リソースを人類のために役立てることができています。しかし、果たして社内においてはどうでしょうか? 各部門同士がコラボレーションして、新たな競争上の脅威やデジタル変革

など、COVID-19に関わらず企業が直面している複雑な課題に対処することができているでしょうか?価値の促進のために、クラウド、データ・アナリティクス、AI

などのテクノロジーを活用しているでしょうか?

アクセンチュアの「インダストリーX.0リサーチ」の調査結果は、多くの大手企業で今なお部門の枠を超えたコラボレーションに苦慮していることを示しています。COVID-19の世界的大流行以前に、全世界の産業分野の企業の上級管理職と経営幹部1,500人以上を対象に行った本調査では、異なる部門(R&D、エンジニアリング、生産、マーケティング、オペレーション、セールスなど)がデジタル化をめぐってコラボレーションするのではなく、競争関係にあるとの回答がグローバルで75%(日本企業では72%)を占めていました。

部門の枠を超えたコラボレーションの 核心に迫る 部門間のコラボレーションがなければ、デジタル変革に悪影響が及ぶことになります。今回調査を行った企業の75%が、まさにこの問題に頭を悩ませています。

5デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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デジタル変革の只中で、サイロ構造による問題が顕在化しています。そしてそれは企業の純利益と売上の両方に影響を及ぼしています。今回の調査結果について考えていきましょう。

たとえ「平常時」であっても、部門の枠を超えたコラボレーションがなければ、ROIと収益の増加が妨げられてしまいます。ましてやCOVID-19の時代にあっては、部門間の競争が多大な損害をもたらすことになりかねません。デジタル変革に関する競争となればなおさら事態は深刻です。

5.8%部門間の競争はデジタル・プロジェクトの投資の重複を招き、その結果として、コストが6.3%増加するであろうというのが経営幹部達の見方です(日本企業の回答は5.4%)。2017~2019年の報告値はこれに近いものであり、実コストが6%近く伸びています。

重複投資により、事実上コストが増加

6.5%予想収益成長率は11% これに対して実際の成長率は6.5%

各部門の責任者によるデジタル投資は、 2017~2019年に企業収益を年間11.3%

ずつ伸ばすのに役立つと見られていました。しかし、この時期の実際の報告値は年間平均6%強の増収と、予想のほぼ半分に留まっています。(日本企業は予想収益成長率13.2%に対して実際の成長率は5.3%

と回答)

64%デジタル投資による増収のもたらす効果が得られていない

3社に2社の企業は、デジタル投資による増収の効果が全く得られていません。(日本企業は72%がデジタル投資による増収の効果が得られていないと回答)

6デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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FOCUS ON VALUEシームレスにコラボレーションし相互利益を得るには

7デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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ほとんどの経営幹部が、サイロ構造を解体し事業部門や機能をまたいだコラボレーションを支援することの重要性を認識しているものの、なかなか実行に移せずにいます。

成長に伴い、企業はどうしてもより伝統的な構造を採用する傾向にあり、機能や部門の集中化を招いてしまいます。やがて企業は、市場や顧客、さらには広範な組織のニーズよりも、内部のニーズに沿った対応をするようになっていきます。こうしてサイロ化が広がり、最終的にコラボレーションとイノベーションが妨げられてしまいます。効果的な解決策は、このようなサイロ構造を解体することです。しかし、それが大変困難であることは実証済みであり、たとえ大手のグローバル企業であっても成し遂げるのは至難の業です。

一方、デジタル変革を進めるうえで、サイロ構造はこれまで重要な戦略的目的としても機能してきました。テクノロジーの変化と創造的破壊が急速に繰り返され不確実性が増す中、企業は大胆な賭けに打って出、実験から学ぶことを余儀なくされます。そのためには、小さく始めて、すばやく拡大し、途中で失敗することが必要です。各部門の責任者がデジタルに関するさまざまな手法を試し多様な実験によって学びを得ることで、企業では事実上サイロ間でリスクを分散することができます。R&D部門の選択が成功することもあれば、セールス部門は失敗してしまうかもしれません。しかし、セールス部門はR&D部門の成功から学ぶことができ、その逆もまたしかりです。最終的に企業は何らかのメリットを得るわけですが、これはCEOがこの創造的なカオス状態を細かく管理しようとしなかったことによるものです。

部門間の競争かコラボレーションか

8デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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反復的な実験とイノベーションの恩恵を得るために、試行錯誤と細分化、そして部門間の競争はどの程度認めるべきでしょうか?

しかし、このような「創造的カオス」戦略には欠点があります。経営幹部同士がデジタルに関して対立し、デジタル技術への投資を部門レベルで振り分ける場合、そこに企業全体としての価値創出の統一原則は存在しません。たとえデジタル技術への投資が組織として一貫性を欠き重複したものになる可能性があったとしても、各部門が定義する価値は自らの視点にのみ基づくため、その結果、企業のためではなく、部門のための価値が創出されることになるのです。これでは部門の変革はなされても、企業は変わらないままです。部門間の競争で一部の部門が勝利しても、企業が敗北してしまうということもあるでしょう。結果、企業はデジタル投資の価値を最大限引き出すことができず、機会(もしくは脅威)に対処する準備も十分に整わないままとなります。今の時代、これがたちまちマイナスに作用することにもなりかねません。

よって、経営幹部が答えを出すべき問題は、どうやってバランスを保った判断をするかということです。反復的な実験とイノベーションの恩恵を得るために、試行錯誤と細分化、そして部門間の競争はどの程度認めるべきでしょうか?同時に、それらを統合し、全体として十分なコラボレーション、協調、調和を確保するには?そして現在の危機に連帯して立ち向かい、打ち勝つには?

9デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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事業部門を統合し価値を最大化する

GETTING IT ALL TOGETHER

デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果 10

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4倍の差

1.5倍の差

結果を生むための コラボレーションチャンピオン企業は同業他社に比べて収益増加率が4倍高くなっています。

部門間の競争関係が将来の成長と広範なデジタル変革の目標達成に悪影響を及ぼしているという調査結果を得て、アクセンチュアではこの問題の解決策を見いだしている企業をさらに調査し、彼らがどのようにして部門のサイロ構造を解体し、コラボレーションとイノベーションを広げることに成功しているのかを探りました。まず注目したのは、デジタル投資による収益促進で同業他社を凌駕し、過去3年間にわたって業界平均を上回る収益増加率を達成している企業です。(調査方法と厳密なプロセスについて詳しくは「本調査について」 をご覧ください)

少数の製造・産業関連の企業が浮かび上ってきました。調査サンプルの22%を占めるチャンピオン企業は、事業部門のデジタル変革に対し、他の企業の1.5倍の額(総収入の39% ※日本企業は1.6倍の額[総収入の37%])を投資しています。しかし、収益増加率は4倍を超える27%(チャンピオン以外の企業は6.6%)となっています。(図1参照)※日本チャンピオン企業の収益増加率は2倍を超える27.7%(チャンピオン以外の企業は11.0%)

図1: デジタル投資に見合った価値

全ての事業部門におけるデジタル変革への平均投資額の総収入に占める割合

(2017~ 2019年)

全ての事業部門におけるデジタル変革投資の結果もたらされた増収の平均増加率

(2017~ 2019年)

11デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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13倍の差

しかし、チャンピオン企業が総収入の3分の1を超える額をデジタル・プロジェクトに投資するなか、いくら収益成長率が高いとはいえ、果たして採算は取れるのでしょうか?アクセンチュアでは、実際のEBIT(支払金利前税引前利益)値を調べ、チャンピオン企業が2017~2019

年に27%(日本企業は19.8%)というEBIT成長率を達成していることを突き止めました。これに対して、他の企業の成長率は2.1%(日本企業は7.3%)に留まっています。(図2参照)

明らかに、チャンピオン企業は、デジタル投資により採算の取れる収益を順調に伸ばしてきました。しかし、それはあくまでもCOVID-19以前の話。果たしてこれらの企業は、この危機をうまく切り抜けることができるのでしょうか?アクセンチュアは、調査対象となった企業の株価の変動についても調べ、その結果、危機の間もチャンピオン企業の業績は向上するとの市場の見方があることが判明しました。(図3参照)

何よりも、これらの企業はクラウドベースのプラットフォームを活用し、データを共有することでサイロ構造を解体する方法を見出しており、解体の過程で結果を出しています。

図2: 利益を生む成長の加速

図3: チャンピオン企業に対する市場の期待

EBITの対前年比成長率(2017~2019年)

1日の平均株価指数 (基準日2020年1月1日)

チャンピオンとその他の企業の1月あたりの指数ポイントの平均差:

2月 - 0.33月 - 1.94月 - 3.8

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明快な共通の目的組織にとってのデジタル変革の意味と、組織全体でのコラボレーションの必要性を明確にする。

経営幹部の説明責任組織全体でコラボレーションがうまく行えているかの説明責任を経営幹部に課す。

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チャンピオン企業と他の企業を分ける5つの重要な行動がわかってきました。チャンピオン企業は以下のことを行う傾向が強くなっています。

プロジェクトの優先順位付け部門間のコラボレーションが必要なプロジェクトを優先する。

部門間で相互に運用できるプラットフォームサイロ化を招くようなソリューションの無計画な導入を避け、コラボレーションのためのプラットフォームに投資し拡張する。

IT-OT戦略の統合情報技術と運用技術、およびその連動の仕方について、明確なルールを定める。

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CAPTURING THE VALUE

14TOGETHER MAKES BETTER: How to out-collaborate the crisis 14

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デジタル変革で重要なこととして、価値の定義が異なることによって、ある部門での成功が他の部門にとっての浪費となることがないように気をつける必要があります。

チャンピオン企業では、各部門が他の部門で創出された価値に呼応して、その上にさらなる価値を築いていけるような体制作りをしています。

コラボレーションをめぐる共通の課題を克服し、複数の部門におけるデジタル化の調和を図るには、チャンピオン企業が実践している5つの重要行動にフォーカスする必要があります。

コラボレーションから価値をとらえる:困難な時代のロードマップ

15デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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計画を立て、実行に移す:

デジタル変革のビジョンとミッションについて、具体的で、規範的、かつ明確な計画を立てるようにします。

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包括的な事業戦略を立て、望ましい結果を列挙するだけでは十分ではありません。具体的で多面的なデジタル変革戦略を策定し、関係者全員に周知することが重要です。変革の全ての段階を把握するための実行計画の作成も欠かせません。では、全ての部門で同時に各々の目標を達成するにはどうすればいいのでしょう?

アズ・ア・サービス(As-a-Service, AaS)のソリューションをいか売り込んで導入するかに始まり、どの部門のレガシープラットをどのように見直すかに至るまで、全ての側面について詳細に計画を練るようにします。

16デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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Caterpillar社の例を見てみましょう。当初、Caterpillar社はさまざまな社内グループにデジタルに関する特定の責任を委譲していました。タスクには、機器管理ツール「Cat Connect」テクノロジー、カスタマー・エクスペリエンス・ポータル、データ・アナリティクスの監督などがありました。やがて、デジタル化にフォーカスしたこれらの責任が1つに集約され、「Cat Digital」という新しい部門が誕生しました。1

次に、Caterpillar社の経営幹部が変革プロセスに深く関与するようになりました。CEOが協調的な変化の文化をトップダウンで推進することで、同社は新しいデジタル技術を中心にエンジニアリングと製造のコア・システムを構築し、これまでにないレベルにまで効率性を高めることに成功しました。

このチェンジ・プログラム全体を通して、Caterpillar社は物理的な機械とソフトウェア・システムが一致して働くようにすることで、コスト削減と増収の新たな機会を生み出しました。このような動きによって、追加のデジタル投資にリソースを回せるようになり、異なる部門チーム同士が協力し合うことが可能になりました。

では、Caterpillar社の複数の変革の取り組みを1つに結びつけたものとはいったい何だったのでしょう? それは、社内の全ての部門間のコラボレーション、さらには社外のテクノロジ

ー・パートナーとのコラボレーションです。同社は組織全体において複数の役割を定め、新しい事業構造と部門を展開しました。さらには、戦略的パートナーシップと技術協力からなる新たなエコシステムを立ち上げました。 Caterpillar社の成功は結果を見れば明らかです。同社の土工部門は、ネットワークに接続された機械により道路工事プロジェクトをそれまでの半分の時間で終わらせることができるようになっただけでなく、燃料消費量も3分の1以下に削減しました。2 CATの最高デジタル責任者(CDO)であるオギ・レジッチ(Ogi Redzic)は、CNBCに対し述べています。「間に再利用を挟まずに個々のデジタル・ソリューションを構築するのは比較的簡単です。これに対して、単一のプラットフォームを構築し企業全体をサポートするデジタル変革をなし遂げることは、はるかに困難です」3

デジタル化にフォーカスした責任を1つの新しい部門に集約。

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チャンピオン企業の82%に、デジタル変革を推進し、各部門における変革を成功させる責任を負う経営役員がいます。1人のリーダーに業務のデジタル化が任されているのであれば、つまりその人は企業のデジタル投資を最大限活用するのに必要な組織改革に影響を与える責任を負うべきです。1人のリーダーが責任を担うことで、成功する確率が高まります。

しかし、デジタル変革プロセスの「責任を負う」リーダーには、機能戦略を指揮する権限も与えられなければなりません。つまり、企業は事業戦略と機能戦略についての部門をまたいだコミュニケーションとワークフローを見直す必要があります。全ての変革プロジェクトを、事業とデジタル化に関する広範な戦略と照らし合わせて―1度だけでなく、反復して―チェックするための対策は整っていますか? 複数の部門リーダーとそのチームが定期的にやりとりし、目標、実行、全体的な進捗について共通の見解を持つようにするにはどうすればいいのでしょう?

主要メンバーを決め、 権限を与える:部門の枠を超えたコラボレーションに関する 責任の所在を明らかにする。

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これらの問題に対処する方法の1つとして、部門横断的なプロジェクトに取り組む部門横断的なチームを立ち上げるというものがあります。今回の調査サンプルの1社である北米のテクノロジー企業は、まさにこれを実践し、大成功を収めています。同社は、製品開発サイクルの短縮を目指し、変革に向けた一元的な取り組みを推進しています。開始以来、この取り組みはすでに15%の収益増と5%のITコスト削減という成果を上げるのに役立っています。4

この計画では、カスタマー・ジャーニー、チーム・メンバー・ジャーニー、製品グループ・ジャーニー、そして製品そのもののジャーニーという、部門の枠を超えた4つの「視点」からデジタル変革に取り組んでいます。同社のCDOはこの計画の責任を1人で負い、全ての「視点」から監視するチームを率い、関連する部門のオペレーション全体において取り組みを集中させ、説明責任を高め、コラボレーションを促進しています。

これらのオペレーションは、新しい組織構造と機動的な働き方に基づいています。大規模な製品開発プログラムははる

かに小さな「製品パイプライン」に分割されており、ITエキスパート、設計者、顧客と定期的にやりとりを行うプロダクト・マネージャーからなる、多様でありながらも均衡のとれたチームが、それぞれのパイプラインの責任を担っています。

今ではこれらのチームがそれぞれのパイプラインで「全力疾走」で製品や機能を作り上げ、リリースに先駆けテストを行っています。プロトタイプがテストに合格したら、ただちに生産が開始されます。続いて「ビジネス・チーム」がリアルタイムで製品のレビューを行い、反復処理を提案。開発チームは提案を受け入れ、すぐさま実行に移します。

このような速やかなコラボレーションを可能にするのが、ソフトウェアの開発と管理のための複数のツールを統合したマルチクラウド・プラットフォームです。これによって、チームはすぐさま機能を変更し、生産を開始することができます。

その結果、ソフトウェアのリリースに要する時間が数週間から数日、あるいは数時間単位で大幅に短縮されます。

部門の枠を超えた取り組みは、すでに15%の収益増と5%のITコスト削減という成果の達成につながっている。

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人々を団結させるプロジェクトを選ぶ:

チャンピオン企業は資産をどこにどのように配分すればいいのか、きちんと認識しています。これらの企業は、部門の枠を超えたコラボレーションが必要なプロジェクトを優先させ、投資し、そのうえで組織全体で実行に移します。

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部門の枠を超えたコラボレーションを促進するデジタル・プロジェクトを優先させる。

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例として、スペインの造船会社Navantiaと同社の革新的なShipyard 4.0プラットフォームを見てみましょう。Shipyard 4.0では、デジタルツイン、ビッグデータベースのシミュレーション、AIを利用することで、船舶の設計と開発の高速化、建造プロセスの最適化(最高の安全基準を満たすなど)、および船舶が稼働している間の新サービスの開発を支援します。

Navantia Technology Center(NTC)では、エンジニアリングと設計、製造、保守の専門家を結集させ、彼らのスキルを組み合わせることでプラットフォームの構築にあたっています。エンジニア達は製造の専門家から提供される物理的な設備資産の仕様書を使って、デジタルレプリカ/ツインを作成します。

次に、使用データと保守データを利用してシミュレーションをモデリングし、デジタルツインを作成します。

このプロジェクトには、合わせて1,000人を超えるエンジニアと、40社の建設土木会社、200社のサプライヤー、4社の造船所、およびNavantiaの全ての事業部門が関与し、共通の変革目標のもと全員が一丸となって取り組んでいます。5

関与している全ての部門におけるコラボレーションとパートナーシップをリーダーが協力に支持すれば、企業はデジタル変革をすばやく、円滑に、効率的に達成することができます。

共通の変革目標のもと一丸となって取り組む

1000人エンジニア

40人建設土木会社

200社サプライヤー

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ソリューションの統一: 部門間で相互に運用できるプラットフォームを妥協しない

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チャンピオン企業は、クラウド上で複数の異なる技術プラットフォームを調和させ、シームレスに連動させて共通の成果を得られるようにするにはどうすればいいのかを知っています。またその多くが、デジタル・プラットフォーム同士がうまく連動し、通信し合えるようにしています。

プラットフォームが整うことで、各部門はバーチャルでコラボレーションし、顧客、市況、オペレーションに関するデータ主導型の知見に継続的にアクセスして情報を交換することができます。

ドイツの特殊化学品企業Covestroの例を見てみましょう。2017年、Covestroは生産システムをデジタル化し、それらのシステムとデータの両方

をクラ ウ ド ベ ー ス の 1 つ の 統 合 プ ラ ッ ト フ ォ ームに統合するために、Optimized System Integration (OSI2020)プラットフォームの使用を開始しました。6

同社は設計とエンジニアリングのためのアプリケーションに替えて、設備資産仕様と手順に関するデータを取得、管理、共有するためのプラント&エンジニアリング・プラットフォーム・ソリューションを導入する計画を立てました。7 この新しい統合システムが導入されたことで、Covestroの工場設備のエンジニアリング、オペレーション、製造を担当する部門には、より高い安全性、信頼性、効率性がもたらされることとなりました。

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もう1つの好例として、日本の産業機器部品メーカーのミスミが2016年に運用を開始したオンライン・プラットフォームMeviyがあります。Meviyは、次世代製造プラットフォームを採用することで、モールド、機器、装置など、製品開発やプロトタイピングで使用する高価値な精密部品を顧客に提供しています。この完全に自動化されたプラットフォームは、エンジニアリング、購買、製造の部門をシームレスに接続します。

1つの統合プラットフォームによりこれらの主要部門を接続することで設計ミスが大幅に削減されるだけでなく、製造に2週間近く要していたのがわずか1日に短縮されます。その仕組みはこうです。同プラットフォームにより、顧客は希望する部品の3Dデザインをアップロードし、独自のAIアルゴリズムを利用して、その部品の製造の実行可能性を評価できます。その後、プラットフォームは部品の製造コストと納期を瞬時に見積もります。

次に、注文内容が製品仕様と共に自動で製造データに変換され、加工のために工場機械ツールに伝達されます。人手の介入を完全になくすことで、部品のコストを下げ、納期を短縮することができます。これまでのところ、同サービスは世界中で300万点を超える部品を、4万人の顧客に届けており、再注文率は80%にのぼります。8

同サービスは世界中で300万点を超える部品を4万人の顧客に届けている。

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ルールを定める: 最初からスマートIT-OT ガバナンス・ポリシーを構築する。 部門の枠を超えたコラボレーションは、優れたインサイトを解き放つやり方でデータを収集、提供、分析するためのテクノロジーとノウハウがチームに備わっている場合に最も効果を発揮します。

今回の調査結果から、チャンピオン企業は情報技術(IT)チームと運用技術(OT)チームのコラボレーションについての明確なガイドラインを示すことで、このような環境を整えていることがわかります。これらの企業は、ビジネスに関する高価値なインサイトをもたらすデータを収集、提供、分析するためのノウハウを備えた分野横断型チームの設置にも前向きです。

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24デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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Western Digitalのケースを見てみましょう。同社はデジタル変革の早い段階で2つの技術分野にまたがるデータ・ガバナンス・グループを立ち上げました。それ以来、このグループは「データ・スチュワード」―つまり、それぞれの部門内および部門間でのデータ品質やデータ共有に関する取り組みを支持する社員―の発掘、教育、指導を集中的に行っています。またグループには、Western Digitalのプラットフォームに関する主要な意思決定を全ての部門で一様に管理する権限も与えられています。9 これによって同社のリーダー達は、データウェアハウス全体から得られた貴重な知見をどうすればうまく整理、保護、抽出できるのかを知ることができます。同時に、このアプローチはデータ共有と説明責任に対する高いマインドを全社で育み、全ての部門に行き渡らせるものでもあります。

Western Digitalではまた、全員参加型のチェンジマネジメントという文化も構築しました。目標としていたのは、IT-OTガバナンス・プロセスを改善することだけではありません。社内業務のよりスピーディで効果的な連携に向けて、組織の全てのシステムとデータを最適化することをあわせて目指していました。

変革を始める時にスマートIT-OTポリシーを導入し、全ての部門の主要なデータ・ポイントにおいて、統一されたやり方で確実に適用すれば、チャンピオン企業と同様の価値を手にすることができます。

Western Digitalのリーダー達は、データウェアハウス全体から得られる貴重なインサイトをうまく整理、保護、抽出する方法を知っています。

25デジタル変革の投資を最大化する5つの指針:部門の枠を超えたコラボレーションがもたらす効果

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部門の枠を超えたコラボレーションは最終目標でもなければ、目標を達成するための手段でもありません。ポスト・コロナ時代の「Never Normal(全く新しい日常)」の世界で企業が取り組むべき最優先の課題であり、デジタル変革の継続という任務を負った経営幹部にとっての戦略目標でもあります。部門の境界を越えた幅広いコラボレーションを効果的に実行できれば、無駄とコストの削減になるだけでなく、目に見える財務的収益がもたらされます。

企業がデジタル技術の導入を進め、デジタル変革を急ぐ場合、部門の枠を超えたコラボレーションという視点は失われがちです。しかし、チャンピオン企業はそのようなコラボレーションが事業に欠かせないものだということを認識しています。困難な時代において、効率性や生産性と同様に、部門の枠を超えたコラボレーションは成功を測る重要なバロメーターとなりつつあります。

まとめ:速く行きたいのであれば1人で、遠くまで行きたいのであれば皆と一緒に。

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本調査について2020年1月から2月にかけて、世界11カ国、14の業界の年間売上高10憶ドル超の企業の上級管理職1,550人を対象に調査を実施しました。

そのなかでアクセンチュアは、経営幹部に対し、所属する企業名と、主要な事業部門のデジタル変革に投じた投資額の回答を求めました。あわせて、それらの投資がコストと収益の両方に与えた影響についてデータを収集しました。

デジタル投資とその影響についての調査データと、公開されている財務情報を比較することで、部門間の競争により失われる価値について明らかにしました。以下の2つの異なる基準を満たしている企業を「チャンピオン」と分類しました。

i. 2017~2019年に、部門の枠を超えたデジタル変革投資の取り組みが収益に及ぼした影響が業界平均を上回っている。

ii. 同3年間の収益成長率が同業他社を上回っている。

ユーティリティ10% 航空宇宙・防衛産業3%

自動車 ― OES 6%

自動車 ― OEM 5%

化学10%

消費財・サービス14%

ハイテク5%産業機械13%

ライフサイエンス4%

医療機器・技術3%

金属・鉱業14%

石油・ガス10%

半導体1%

その他の天然資源4%

オーストラリア3%

ブラジル3%

カナダ3%

中国13%

フランス6%

ドイツ10%イタリア6%

日本10%

スペイン6%

英国7%

米国33%

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5億~10憶ドル7%

500億ドル以上3%

300億~500億ドル3%

100億~300億ドル11%

10億~100億ドル76%

VP/ディレクター23%

上級VP/EVP46%

最高幹部31%

調査サンプルと結果についてより具体的に知りたいという方は[email protected]までお問い合わせください。担当者が、分析結果や深く掘り下げたデータ、さらには御社とチャンピオン企業を比較したベンチマークをご提示することも可能です。

詳細情報

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執筆者:ナイジェル・ステイシー

(Nigel Stacey)インダストリーX.0グローバル・リード

アクセンチュアのインダストリーX.0のグローバル・リードを務めています。同事業の成長にフォーカスし、全てのインダストリーX.0プログラムの戦略策定と事業計画を推進する一方で、ケイパビリティ構築、合併後の統合、パートナー・エコシステムの拡大に関する大規模な変革を複数実行することで幹部陣をサポートしています。ステイシーは、ベテランの戦略コンサルタント兼業界エグゼクティブです。航空・防衛や家電といったさまざまな業界で26年にわたって従事し、グローバル・オペレーションとサプライチェーンの統率、新規事業の構築、および戦略、合併、買収の指揮という3つの職責を主に担ってきました。

リバプール大学で経営学の学士課程を修了しており、専門は「オペレーションとサプライチェーンの管理」です。

第4次産業革命とインダストリーX.0へのシフトに関し、アクセンチュアのデータモデル、主な洞察、ソート・リーダーシップを形作るグループを主導しています。

市場にとって新しいソート・リーダーシップの創出に25年間携わってきた、極めて経験豊富なリサーチャーであり、アクセンチュアとお客さまに大きな影響を与える調査プログラムを中心に推進。その成果は、ハーバード・ビジネス・レビュー、スタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー、ヨーロピアン・ビジネス・レビューや、その他多くのグローバルなビジネス/リサーチ刊行物で発表されており、さまざまな賞や推薦を獲得しています。

ムンバイ大学で統計学の学士号と経済学の修士号を、エラスムス大学で法律・経済学のヨーロッパ修士号を取得しています。

インダストリーX.0部門と協力し、同グループのソート・リーダーシップ調査の概念形成と実行の責任を担っています。ソート・リーダーシップ・プリンシパルとして、アクセンチュアのインダストリーX.0のソート・リーダーシップ・アジェンダを策定し、その推進を支援しています。14年以上にわたるリサーチ経験を有し、デジタル改革、インクルーシブなイノベーション、運用の柔軟性、ITの未来、スキル育成といったテーマに関して、同グループの主なアイデア、モデル、洞察、見解の多くに貢献しています。自身のモデルによって、アクセンチュアとお客さまのチームがより優れた賢明な判断を下すための支援をしています。著作物は、ハーバード・ビジネス・レビュー、フォーチュン、ヨーロピアン・ビジネス・レビューといったビジネス誌や学術誌に掲載されています。

デリー大学ビジネスカレッジで財務の経営学士号を取得しています。

[email protected]はこちら

[email protected]はこちら

ラガフ・ナルサライ (Raghav Narsalay)

インダストリーX.0グローバル・ リサーチ・リード

アアロヒ・セン (Aarohi Sen)

インダストリーX.0 ソート・ リーダーシップ・プリンシパル

[email protected]はこちら

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謝辞 参考文献1. “Caterpillar’s Five Proven Steps to Digital Excellence”, The Leadership Network (2019年9月26日)2020年4月22日にアクセスhttps://theleadershipnetwork.com/article/caterpillar-s-five-proven- steps-to-digital-excellenceにて閲覧可能

2. “Digital Vision – Caterpillar”, www.caterpillar.com. 2020年4月22日にアクセスhttps://www.caterpillar.com/en/company/ sustainability/digital-vision.htmにて閲覧可能

3. Caterpillar: 3 lessons from an iconic brand about digital competition”, CNBC(2019年11月22日)2020年4月12日にアクセスhttps://www.cnbc.com/2019/11/22/caterpil-lar-3-ideas-from-an-iconic- brand-keeping-up-in-digital-era.htmlにて閲覧可能

4. Accenture Client Conversations5. “Accenture Assists Navantia in Design, Development and Implementation of

Advanced Technologies to Improve Shipbuilding”, Accenture Press Release(2019年12月5日)2020年4月22日にアクセスhttps://newsroom.accenture.com/news/accenture-assists-navantia-in- design-development-and-implementation-of-ad-vanced-technologies-to- improve-shipbuilding.htmにて閲覧可能

6. “Covestro further expands digitalization processes”, Covestro.com (2019年9月12日)2020年3月2日にアクセスhttps://press.covestro.com/news.nsf/id/covestro-

further-expands- digitalization-processesにて閲覧可能7. “Covestro to digitalize operations continuously”, Covestro.com (2018年6月

7日)2020年3月2日にアクセスhttps://press. covestro.com/news.nsf/id/coves-tro-to-digitalize-operations-continuouslyにて閲覧可能

8. Accenture Research and Company Interviews9. “Analytics drives competitive advantage at Western Digital”, CIO Magazine(2019年12月24日)2020年4月22日にアクセスhttps://www.cio.com/article/3511622/analyt-ics-drives-competitive- advantage-at-western-digital.htmlにて閲覧可能

執筆貢献者アクセンチュアのリーダーであるトレイシー・カントリーマン(Tracey Countryman)、ラム・ラマリンガム(Ram Ramalingam)、ジャック・ラムゼイ(Jack Ramsay)、セフ・トゥーマ(Sef Tuma)に謝意を表します。本レポートは、インダストリーX.0に関する彼らの貴重な洞察とソート・リーダーシップが

なければ完成しなかったでしょう。

プロジェクトチームマーク・アペル(Marc Appel)、プリーティ・バイラ(Preeti Bajla)、タチアナ・バーグ(Tatjana Berg)、イェンス・デルクセン(Jens Derksen)、フロリアン・ハインリックス(Florian Heinrichs)、フランシス・ヒンターマン(Francis Hintermann)、ロッド・ケイ(Rod Kay)、シネイド・ケネディ(Sinead Kennedy)、ロドリゴ・リマ(Rodrigo Lima)、パディ・リンチ(Paddy Lynch)、イーファ・マッキボイ(Aoife McEvoy)、スルビー・メータ(Surbhi Mehta)、ジェームズ・マーフィー(James Murphy)、岡 部 裕之(Hiroyuki Okabe)、ディラン・オブライエン(Dylan O’Brien)、ヴィンチェンツォ・パレルモ(Vincenzo

Palermo)、高田 文子(Ayako Takada)、アイダ・ネア・シャルマー(Ida Nair Sharma)、シタル・シャルマー(Shital Sharma)、アシュリー・ウィリアムズ(Ashley Williams)

本レポートの執筆にあたり、アクセンチュア・リサーチのポール・バルバガッロ(Paul Barbagallo)とデイヴィッド・ライト(David Light)の両氏にも多大な貢献と編集の助言をいただきました。お礼を申し

上げます。

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アクセンチュアについてアクセンチュアは、ストラテジーおよびコンサルティング、インタラクティブ、テクノロジー、オペレーションズの領域で、すべてにデジタルの力を組み込んだ幅広いサービスを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇る先端技術とインテリジェント・オペレーションセンターのネットワークに裏打ちされた40を超す業界に向けて、豊富な経験と専門スキルを生かしたサービスを提供しています。アクセンチュアでは、世界120カ国以上のお客様に対して、51万3,000人の社員による継続的なイノベーションによって、お客様のパフォーマンス向上と、永続的な価値創出を支援しています。

アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

アクセンチュア・リサーチについてアクセンチュア・リサーチはグローバルな組織が直面する喫緊の課題についてトレンドを形成し、データに基づく洞察を生み出します。革新的な調査手法と、お客様の業界に関する豊富な知識を駆使し、世界20カ国300名のリサーチャーとアナリストによるチームが、年間数百本にのぼるレポート、記事、意見書を発表しています。プロプライエタリ・データ、およびMITやハーバードといった大手組織との連携に裏打ちされた示唆に富むさまざまな調査がイノベーションの指針となり、理論と斬新なアイデアを実際のソリューションに変えることを可能にしています。

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