Title 若年非正規雇用・無業とジェンダー: 性別分業...

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Title 若年非正規雇用・無業とジェンダー: 性別分業意識が女性 をフリーターにするのか? Author(s) 太郎丸, 博 Citation ソシオロジ (2007), 52(1): 37-51 Issue Date 2007-05 URL http://hdl.handle.net/2433/126612 Right (c) 2007 社会学研究会 Type Journal Article Textversion publisher Kyoto University

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Title 若年非正規雇用・無業とジェンダー: 性別分業意識が女性をフリーターにするのか?

Author(s) 太郎丸, 博

Citation ソシオロジ (2007), 52(1): 37-51

Issue Date 2007-05

URL http://hdl.handle.net/2433/126612

Right (c) 2007 社会学研究会

Type Journal Article

Textversion publisher

Kyoto University

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ソシオロジ第五二巻一号技刷

ニOO七年五月社会学研究会

若年非正規一雇用・無業とジェンダ

1

1

1

性別分業意識が女性をフリ

iタ

iにするのか?ーー

太郎丸

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若年非正規一雇用

lii性別分業意識が女性をフリ

iタiにするのか

?111

@

無業とジェ

太郎丸

苗守

IT--

問題||性別分業が女性フリiターを生み出すのか?

性別/護憲識とフリiタi-

無業には、様々な原因が考えられ

るが、そのうちのっとして言及されるのが、性別分業と性

別分業意識である。性別分業的な近代社会では、女性は市場

労働よりも家内労働(家事や育児)を優先するよう「社会」

から要請される。とはいえ、すべての女性が家内労働に専念

しなければならないというわけではなく、限られた範囲の「自

由」が女性に与えられている。それゆえ、フルタイムで就業

する女性もいれば、無業や非正規一雇用の女性もいる。このよ

うな違いは、性別分業意識によって生じるという仮説が考え

られる。すなわち、性別分業意識の強い女性ほど無業または

ンタ!

非正規雇用になりやすいと、この仮説は予測する。この仮説

は未婚の若年女性にも応用できる。つまり、フリ

iタiやニ

!トになりやすいのは、性別分業を強く内面化した女性であ

ることになる。確かに専業主婦になることを前提に考えれば、

無理そしてフルタイムで働く誘因は弱まると考えられる。こ

のように若年女性について性別分業意識が非正規雇用・無業

になる確率に影響を及ぼすとする仮説在、本稿では性別分業

仮説と呼ぶことにする。

実際、本田(二

OO二)と内田(二

OO五)はおもにフリー

ターへの聞き取り結果をもとにして、性別加分業仮説を支持し

ている。また、稲見(二

OO五)と西田・妻木・菅野・内出合一

00五)は、量的なデ

iタをもとにして、女性に限ってフリ

ータl層と非フリ1タl層を比較し、その結果、両者ともゼ

ロ次のレベルではフリ

iタi層のほうがやや性別分業意識が

37 若年非正規雇用・無業とジ、ヱンダー

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強いことを確認している。

とはいえ、量的ヂ

iタを見るかぎりフリ!タ!と非フリー

タ!の性別分業意識の違いはそれほど大きなものではない。

また、このような連関は、本人の学歴や年齢のような第一一一変

数によって引き起こされた擬似的な連関である可能性も考え

られる。例えば低学歴者ほど性別分業意識が強く、低学歴者

ほどフリ

iターになりやすいということによって生じた見か

け上の連関かもしれないということである(図l参照)。

性別職域分離とフリータl

学歴、年齢による擬似的な連関

このような問題は、単に若年の非正

雇用や無業の問題を考える上で重要

なだけでなく、性別職域分離

QR

2mg山知け芯ロ)の問題、を考える上でも重

要である(木本一九九九、二

000)。な

ぜなら、の者年層においても、女

図1

りやすい。これも性別職域分離の

ととらえられる。女性が非正規雇

つきやすいのは、家内労働を担ってい

るからだと考えられてきた。しかし、

現代日本社会では、未婚の若年女性は

そのような家内労働をほとんど担って

38

よりも女性のほうが無業や非正規雇用になりやすいのである

から、それは単純に家内労働が女性のフルタイム就業を妨げ

ているだけではないということである。女性労働力の半数以

上は既婚女性であるが、だからといって未婚女性の働き方が

重要でないということにはならない。若年女性が非正規雇用

や無業になりやすい原田を検討することは、性別職域分離に

ついて考える上でも重要なのである。

このように、本稿の目的は、性別分業仮説の是非を検討す

ることにある。以下では、先行研究を検討したうえで、女性

の非正規一雇用・無業と性別分業意榊

ントロールした上で分析していく。

先行研究の検討

ill「自由」な選択としてのフリi事i@ニiト?

女性の就業に関する選好理論

フリ

iタ1・ニ!トに限らず、女性の意識と職業選訳の関

係については、イギリスを中心に活発に議論がなされている。

この議論の中心にいるのが、キャサリン・ハキム(阿佐在5

5記

uMGSゅ呂φ

∞)である。彼女によれば、女性のライブコー

ス選好には少なくとも三つのタイプがある。第一が職業重視

F重

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を持つことを選好する女性のことである。家庭重視型とは、

結婚ないしは出産後には仕事をやめ、家内労働に専念するこ

とを選好する女性であり、適応型とは、両者の中間で、経済

や家庭の状況によって、労働市場に参入したり退出したりす

るが、職に就く場合は、おもにパ!トの職に就くことを選好

するような女性のことである。このようなそれぞれの選好に

したがって、女性はフルタイムで働いたりパ!トで鋤いたり

するとハキムは主張する。このような議論は選好理論と呼ば

れる。ハ

キムは未婚の女性の労働に限定して議論をしているわけ

ではないが、彼女の選好理論は容易に人的資本論

(ER2

8品市

OM包括昨

54PE官§兵

52)と結びついて、未婚の女

性についても敷街することができる。すなわち、未婚女性も

さまざまな選好を持っており、その選好にあわせて働き方を

選ぶであろう。職業重視型の女性は、多少のコストを払って

でもフルタイムの職についてキャリアを発展させることを選

貯するだろう。そのような職業経験が人的資本の蓄積につな

がり、蓄積された人的資本が、その後のキャリアの発展に高

利に働くと見込まれるからである。それに比べると、適応型

や家庭重視型の女性は、無理をしてまでフルタイムの職にし

がみつく必要がない。なぜなら、彼女たちは、結婚後はせい

ぜいパ

iトに出る程度なので、人的資本を蓄積する必要がな

-出産の前であっても、適応型

パiトや無職になりやすいと予測さ

れる。したがって、本稿の性別分業仮説は、選好理論在、未

て適用したものであると位置づけられ

いのである。そのため、

るだろう。

選好理論は、

さまざまな批判を浴びている

切さ者円高山口(HUH-EmwMJNCCNW

。ym三gmwHM(同」mwsgNCCω

唱宅mH22H

NCCS

。その原因の一つは、女性が「自由に」「望んで」パー

トや無職を選択していると主張するからである。それに対し

て、(フェミニストに限らず)多くの社会学者は、そのような

「選好」も、彼女たちに開示される現実的な「選択肢」も社会

的・歴史的に制約されていることを強調する。それゆえ、選

好理論は、保守的なイデオロギーを陪一伝するために、社会的

現実を歪曲していると多くの社会学者の日には映るのであろ

ヲつ。選好理論のイデオロギー性はともあれ、その理論が経験的

に正しいかどうかは、データから検討可能である。職業重視

型の選好を持った女性のほうがフルタイムの職を持つ確率、か

高く、家庭重視型の選好を持った女性のほうが、パート・ア

ルバイトや無職になりやすいならば、ハキムの議論は支持さ

れる。英語圏でも、さまざまな形で選好理論は批判されてい

るが、ストレートに、選好と就業形態の関係を調べた研究は

見当たらない。おそらく、選好理論、か、結婚/出産後の女性

39 若年非正規雇用・無業とジ、エンダー

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を主に想定しているために、今さらを調べることが

難しいからであろう。例えば、すでに結婚/出産している女

性に「あなたは結婚する以前は、結婚/出産後に働き続けた

いと思っていましたか」といった質問をしても、こちらが望

むような正確な情報が得られるとは思えない白

2∞2gz

問。ロロ

2

5宏)。しかし、若年の未婚女性については、現在の

選好そストレートにたずねればよいのだから、データの妥当

性は既婚女牲に尋ねるよりも高いと考えられる。

性別分業仮説のライバル依説

未婚の若年女性、がパ!ト・アルバイトになる原因を説明す

る理論は、もちろん性別分業仮説、だけではない。女性のほう

が男性よりも自分の「職業い能力を低く克積もる傾向がある

ため、職業アスピレ!ションが低くなるという指摘がある

822ロNoshg色。また、家庭や職場でのプレッシャーの

ために、フルタイムの継続をあきらめやすいとか、雇用者側

の差別や制度的に事実上女性が排除されているような職場も

あるといった指摘もある(詳しくは出

gEロ呂おい。。P

。gュ28ιcgω訂呂志在参照)。

本稿ではこれらのライバル仮説については、これ以上検討

しないが、もしも性別分業仮説が間違っているならば、これ

らのライバル仮説の、もっともらしさが増すということである。

若年非正規雇用・無業と女性の性別分業意識

日本の若年非正規雇用・無業の女性に関しては、それほど

研究が蓄積されているわけではない。本田(二

OO一一)と内

田(二

OO五)は、聞き取りの結果をもとに、性別分業仮説

を支持している。彼らが論拠として持ち出す語りはすこぶる

説得力がある。「私、別に男でないので、そんな一生、仕事

を続けるつもりっていうのはないんですね。だから結婚して、

子供ができたときに仕事をやめるかなと」(本田二

OO二

一六五頁)。「二五までには。平く結婚したい。〔:・結婚した

ら仕事はどうする?続けます?〕辞める」(内田二

OO五七

O頁)。こういった語りが複数引用され、多くのフリ

iタ

!

女性が同様に考えていることが示唆される。

女性が労働市場から排除されたり、差別されたりしている

ことが、女性が男性よりもフリ

iターになりやすい重要な要

因であることは、本田も内田も認めている。そのような構造

的な要因の重要性を認めた上で、若年女性自身の意識を媒介

にして、女性を排除する構造が再生産されていると両者は考

えているようである。このような議論は、男性よりも女性の

ほうがフリーターになりやすいという事実からも間接的に支

持されている。

ただし、性別分業仮説は少数の事例から支持されているに

過ぎないし、本田(二

OO二)も内田(二

OO五)も、フリー

ターにしかインタビューしておらず、比較の対象であるはず

40

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の正規雇用や自営の若年女性についてはほとんどインタビュ

ーしていない。確かにフリ!ターへのインタビューからの引

用は非常に示唆的かつ説得的であるのだが、システマティッ

クな比較を欠いているのである。

このような問題を補っているのが、稲見(一一

OO五)と西田・

妻木・菅野・内田(二

OO五)である。稲見も西田らも、関

西の量的なデ!夕、を使って、フリlターのほうが非フリ

iタ

ーよりも若干性別分業意識が強いことを示している。しかし、

稲見(二

OO五)で示された連関はそれほど強いものではな

い。西田・妻木@菅野・内田(二

OO五)では、はっきりし

た連関が見られるが、彼らの研究では、卒業間近の高校三年

生を「フリ

iタi」「就職」「進学」の一一一グループに分けて、

それぞれの専業主婦志向を検討している。「進学」する女子

は相対的に専業主婦志向が弱いのは明らかであるが、「フリ

ータ!」になる女子とする女子のあいだにはほとん

ど差はない。

男性の場合

ちなみに、性別分業仮説は若年男性にも拡張できる。性別

分業に甫定的な男性は、フルタイムで働き続ける以外に選択

披はないが、性別分業に否定的な男性は、必ずしもフルタイ

ムで働き続ける必要はないはずである。つまり、妻に稼いで

もらい、自分は主夫になるという選択肢もあるということで

それゆえ、男性の場合は、性別分業に否定的な男性の

ほうが、無業や非正規一雇用になりやすいことが予怨される。

もちろん、現代日本社会において男性がフルタイムで働かな

いことは、しばしば逸脱とみなされるので、単純に性別分業

仮説が男性に当てはまるとは限らない。しかし、論理的には

右記のように考えられる。

ある。性

別分業仮説への批判

性別分業仮説に対しては、つの批判が考えられる。第

に、因果の向きが違うのではないか、という批判である。つ

まり、性別分業仮説では、性別分業意識の強い女性が、望ん

で非正規雇用や無業になると想定されている。つまり因果の

向きは、「性別分業意識↓非正規雇用・無業」である。しかし、

本田や内田が言及しているように、逆向きの因果も考えられ

る。非正規雇用や無業の女性の多くは、さまざまなかたちで

排除・差別されている。そのせいで、専業主婦になる以外、

現実的な「成功」ないしは「幸せ」をつかむ方法がイメージ

できないために、性別分業に肯定的になっているということ

である。つまり、因果の向きとしては、むしろ「非正規雇用・

無業↓性別分業意識」ではないか、ということである。

とはいえ、このような因果の向きそ特定するのは、現在の

データの蓄積状況では困難である。それゆえ、本稿ではこの

因果の向きについてはこれ以上検討しない。

若年非正規雇用・無業とジ、エンダー41

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の批判は、非正規雇用・無業と

性別分業意識の連関は、第三変数によって引き起こされた見

かけよのもので、因果関係は存在しないのではないか、とい

うものである。一般に、低学歴者ほどフリ

iターになりやす

く(小杉二

OO一一一)、低学麿者ほど性役割意識が強いという

ことが知られている(原・肥和野一九九O、大和一九九五、尾

嶋一九九八)。また、本人の年齢のような基本的な属性をコ

ントロールするのは、データ分析の常道である。年齢、か下の

ほうが、フリ

iタ

lの比率は高くなるし(小杉二

OO一一二、

年齢と性別分業意識の間に連関があっても何ら不思議ではな

い。一般には年齢が上のほうが性役割意識は強い傾向がある

が(原・肥和野一九九

O、大和一九九五、尾嶋一九九八)、フ

リlタ1・一一!トの分析の場合、若年のみのサンプルを用い

るので、どのような結果、か出るかは定かでない。

一ニデータと指諜

分析には、

講座で行った「フリ

lタ!調査」のデータを用いる。デー

タの概要は表lの通りである。インターネット調査は、調査

会社の登録モニターの中から、表1の条件に該当する者を無

作為に抽出して回答を依頼し、返信された回答数が契約した

iス数に達したところで回収そ打ち切っている。回答数÷

依頼数は五

Oパーセント程度である。また、

大学の学生に、冬休みの宿題として、知り合いのフリ!ター

に面接をさせた結果である。無業とパ!ト・アルバイトが全

体の半分程度になるように、多めにサンプリングしてある。

以上のように、標本は母集団から無作為に抽出されていな

いので、代表性はそれほど高くない点に留意が必要である。

無業とパ

iト・アルバイトの比率

が母集団よりも高いのは当然だが、

ややブルーカラーが少なく、専門

職が多い。お干高階層に偏ってい

る。しかし、変数間の連関につい

ては、就業構造基本調査や労働力

調査と同じ結果となっており、お

おむね信頼できると考えられる。

調査法やヂ!タの詳細は、太郎丸

編(二

OO五)を参照されたい。

以下では、特に断りのない限り

インターネット調査のデータのみ

を用いる。紙面が許せば面接デー

タを合併した結果も併記する。合

併データとインターネットのみの

データでの分析結果を併記するこ

とは、今後の調査法や分析法を考

調査の概要

近畿圏在住の 18~34 歳の学卒後の男女

(女性は米婚)

2004年 12月"'-'2005年 1月

インターネット調査と面接

522 (インターネット) +62 (面接)=584

調査対象の範聞

調査期間

調査法

有効ケース数

42

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える上で価値があると考える。

以上のように決して理想的なデiタではないが、若年・未

婚の非正規一雇用・無業を一一

OOケ!ス以上集めている点で貴

重なデ

iタである。若年・未婚の非正規一躍用・無業は通常の

サンプリング調査ではほとんどつかまえられない。例えば二

00一一一年のSSM予備調査では、一一一五歳未満の無業@非正規

雇用(女性は未婚)は有効回答一一四八ケlス中、たったの

三一ケ!ス(二・七%)にすぎない。女性に限定すればさら

にケ!ス数は減る。これでは統計的な分析に耐えないのであ

る。それゆえ、代表性に疑問のあるヂ!タでも分析する価値

は十分にあるのである。

性別分業意識の指襟

性別分業にかかわる意識については、

ある。例えば、鈴木(一九九九)は一工

義的性役割態度スケールを用いているし、九九六)

は「性による役割振り分け」と「愛による白の二

つの次元の存在を指摘している。また、大和(一九九六)を

追試した研究もある(烏一九九九、西村二

OO一)。

本稿では、いわゆる性役割意識ではなく、表2のような自

分が将来どのように就業するつもりなのかをたずねた質問項

目を用いる。この指標を「希望ライフコ

iス」と呼ぶことに

する。ふつう性役割意識は、自分自身のことではなく、般

大和(

性別分業意識の指標(希望ライフコース)

女性「あなたは、将来の仕事と結婚についてどのように考えていますかc もっとも近い

と忠われるものを 1つ選んで下さしリ男性「あなたは女性の生き方としてどれがよいと

考えておられますか。もっとも近いと思われるものを Iつ選んでドさしリ

い仕事をせずに、結婚して家庭に入る

2ご結婚したら仕事をやめて、家庭に入る

3=子供ができたら仕事をやめて、家庭に入る

4=子供ができたらいったん仕事をやめ、子供に手がかからなくなった

ら仕事を始める

5=結婚して子供ができても仕事を続ける

6=結婚しでも子供を作らず、仕事を続ける

7ご結婚しないで仕事を続ける

3専業主婦塑

型早川-

J川1

4

が↑314-

、nnH

2

表2

1仕事継続型

論として「男性

は外で働き、女

性は家で家庭を

いう考えに賛成

するかどうかが

尋ねられる。し

かし、一般論と

しては、性別分

業を否定して

も、自分自身は

専業主婦になり

たいという人も

いるし、その逆

もある。本稿の

目的は、性別分

業仮説の検討で

あるから、一般

論を尋ねても意

味がない。「自

分自身が専業主

婦になるつもり

だから、無理を と

若年非正規雇用・#~業とジ、ェンダー43

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してフルタイムで働く必要がない」という判断が意識的・無

意識的に働いているかどうかが問題なのである。希望ライフ

コiスは性別分業意識の指標の一つにすぎず、性別分業意識

には他の側面もあることは一一一日うまでもない。

男性については、自分の配偶者の希望ライブコ!スではな

く、一般論を尋ねているので、性別分業仮説の検証には用い

ることはできないが、参考までに、男性の回答分布も示すこ

とにする。

選択肢は元来七つあるが、そのままでは分析が国難なので、

「専業主婦型」「一時中断型」「仕事継続型」の一一一つに分類す

る。「専業主婦型」がもっとも性別分業意識が強く、

続型」がもっとも弱いとみなす。

フリiタiの操作的定義

以下では、フリーターを「パート・アルバイト」およびあ

らゆる「無職」の者と操作的に定義する。崩知のように、フ

リ!タ!の定義にはさまざまなものがあるが、派遣社員のよ

うな非正規雇用をフリ!タ!とみなすかどうかが一つの分か

れ目である。予備的に派遣@契約・嘱託社員をフリiタ1に

分類してクロス表を作ってみたが、そうすると、そもそもフ

リiタ!とその他の人びとの聞に、希望ライフコ!スに関し

て有意な違いがないのである。それぐらいフリ1タ!とその

他の人びとの希望ライフコ

lスいは小さなものなのであ

るが、以下では、性別分業仮説に有利なフリiタ!定義をも

ちいて分析を進めていく。それは、これだけ性別分業仮説に

好都合な分析を進めても、性別分業仮説を否定する結果が得

られることを示すためである。

すべての無職をフリiタiに含めることはあまりないかも

しれないが、どんな理由にせよ、性別分業に肯定的な女性の

ほうが無職でいる確率が高いと考えるのは、性別分業仮説に

合致しているし、むやみに細かく分類したり、分析から捻外

するケ

iスを増やすのは、統計的な検定力を弱める。それゆ

え、「パ!ト・アルバイト」およびあらゆる「無職」の者を

以下ではフリ

iタ!と呼ぶ。フリ1ターではなくフリ!タ

i-

一一11

トと呼んでもよいが、冗長なのでフリiタ!としておく。

44

分析

iスの

分布を示したのが、図2である。これをみると、結婚後もず

っと仕事を継続したい者の割合は、常一躍や派遣等よりもアル

バイトと無職のほうが低い。自営・内職は一

O人しかいない

ので参考程度にしか考えられないが、仕事の継続を望む者の

割合が著しく高い。専業主婦を望む者は、アルバイトで四

O

%とやや高いが、(自営を除く)その他のカテゴリでは、一ニ

O%前後でほとんど差がない。時中断型も自営を除け

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一七()一一一七%でそれほど大きな違いはない。ただ、フリ

ータ!とその他に分けて再集計し、独立性の検定を行う

と、五%水準で有意な結果が得られる(岡山口0・0Nu

会rN)。こ

の結果は、合併デ!タでも同じである

(HNL・ωP品川HN)

。つ

!

0% 人

「j内

lrL

!

i

常麗 (90人)

派議・契約・嘱託 (51人)

無職(19人)

100% 80% 60% 40% 20% 。%

口専業主婦口一時中断関仕事継続

従業上の地位加の希望ライフコース(朱婚女性 18'""'-'34歳)

ターのほうが、

有意に仕事継

続型が少ない

ということで

ある。

これを

したのが、

図3である。

参考までに、

3の男性の

分布を見ると、

非フリ!ター

よりもフリー

タ!の方、か、

図2

継続するのが

よい」と考え

る者の割合が

やや高く、

時中断、がよい」とする者の割合がやや低いが、これは有意な

連関ではない

(hr「記リム子N)。以下では前述のように指標

に問題があるので、これ以上男性については分析しない。

次に統制変数である学歴、年齢と希望ライフコ

iスのクロ

ス表を示しておく。年齢が低いほど、

女:フリータ-92人

女:その抱151人

男:フリーター85人

男:その他92人

100% 80% 60% 40% 20% 。%

口専業主婦口一時中断関仕事継続

男女別フリーターの性別分業意識(男性は参考)

型が少ない。学

歴に関しては、

大学で専業主婦

型が少なく継続

型が多い。

それでは次に、

女性に関して本

人の学歴と年齢

をコントロール

した上で、希望

ライフコ

iスと

フリ

iタiの関

係を検討する。

図3

フリ

iタ!のと

とき

Oとなるダ

ミl変数を従属

変数とし、独立

若年非正規雇用・無業とジ、ェンダー45

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年齢×学歴×希望ライフコースのク口ス表(未婚女性 18"-' 34歳)表3

計(人数)希望ライフコース学歴年齢

専業主婦一時中断仕事継続

35 43% 26% 31% 中園高困専門

短大 a高専

18.......25歳

13 46% 38% 15%

37 30% 35% 35% 大学省大学院

85 38% 32% 31% 計

17 53% 18% 29% 中園高圃専門

短大肩高専

26'""29歳

23 39% 35% 26%

42 17% 36% 48% 大学 a大学院

82 30% 32% 38% 計

29 28% 31% 41% 中綱高綱専門

鑑大盤高等

30.......34歳

20 45% 20% 35%

27 7% 19% 74% 大学省大学焼

76

変数に、希望ライフコ!ス、本人の学歴、年齢、を順次加えて

いつ

46

である。

モデルーを見ると、「仕官

サ業主婦」を希望する女性のほうが、フリ!ターになりや

すいことがわかる。モデル

2では、学歴でコントロールして

いるが、希望ライフコ!スの効果は消えない。つまり、フリ

!タ!かどうかと希望ライブコ!スの間にある連関は、学歴

による擬似的なものではない。しかし、モデル

3で年齢を投

入すると、希望ライフコ

iスの効果は弱まり、有意ではなく

なっている。モデルの適合度を

AICやBICで見ても、モ

デル

3の適合度、か一番よい。つまり、モデルーや2で見られ

た希望ライブコ!スの効果の一部は、年齢によって生じた擬

似的な連関であったということである。つまり、若年のほう

がフリ

iターになりやすく、なおかつ専業主婦型や一時中断

型が多いのである。

この結果は、性別分業仮説を否定するものである。しかし、

モデル

3の出一ぷ)(悶)(オッズ比のこと)を計算すると、

時中断」

ると、

25% 24% 51% 計

(

)

!

りやすい。これは決して大きな値ではないが、もしも一

00

0ケiスを超えるようなサンプルならば、有意になっていて

も不患議はないぐらいの値である。今回のヂ

iタからは、性

別のデータで再確認が必要であ

Page 13: Title 若年非正規雇用・無業とジェンダー: 性別分業 …repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/...強いことを確認している。とはいえ、量的ヂ

フリーター・ダミーの口ジスティック呂帰分析 (18'""-'34歳の未婚女性のみ)4

O. 63

O. 78*

0.56

0.42

O. 51 0.46

O. 67

O. 68* 一時中断

0.14 O. 21 0.00

• r靖国吋T

短大・高専

大学 E 大学

18-25歳

26"'29歳

30"'34

1.15** 1.12**

0.168

7

330.4

322.0

269

7 295. 6

287.1

243

O. 093

5

308. 6

304. 1

243

O. 027 Cox & Snell's R2

パラメータ数

AIC=-2しし叩パラメータ数

BIC=-2LL +ln(N)パラメータ数

ることは強調しておきたい。

最後に、希望ライフコ!スを従属変数として、フリ!タ1・

ダミ!、学歴、年齢を独立変数にした順序ロジット分析の結

果が表5である。従属変数は、専業主婦型を3、中断型、か2、

希望ライフコースの111買序ロジ、ツト分析 (18̂-' 34歳の未婚女性のみ)表5

0.74** 1.15州

0.80**

0.56** 中‘高岡専門

短大・高専

18"'25

26"'29歳

30"'34識定数項(継続/中断・主婦 0.66女 0.58*

1.13

値カ

大きいほど性

ーとし

強くなる。こ

の分析は参考

までに行った

が、やはり、

フリ!ターで

あることは、

希望ライフコ

ス効果を持たな

い。また、一一一

01一一一四歳の

女性に比べれ

1

五歳の女性

47 若年非正規雇用・無業とジェンダー

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は有意に性別分業意識が強い。

このような分析結果は、性役割意識の分析に親しんだ研究

者には意外なものかもしれない。ふつう性役部意識は年齢が

高いほど強い。しかし、本稿の結果は、逆の傾向を示してい

る。しかし、これは、性役部意識研究が、既婚者のみを対象

としたり、幅広い年齢層(例えば二

01六九歳)を対象とす

ることが多いからではないかと思われる。また、今回は一般

論ではなく、自分自身の希望のライフコ

lスを尋ねている点

でもこれまでの研究とは異なる。未婚女性に限って考えれ

ば、二

O代のうちは専業主婦を夢見ることも可能かもしれな

いが、二

O代後半から一ニ

O代になるにつれて、より現実的な

将来像、を描くようになったとしてもそれほど不思議なことで

はない。また、非常に若いコ

iホiトでは保守化が進んでい

る可能性もある。

議論と今後の課題

本稿では、性別分業意識の強い女性、か、いわば自発的にフ

リlターやニ

1トになるとみなす性別分業仮説を検討してき

た。今回のデ!タからは、性別分業仮説は否定された。専業

主婦型や一時中断型を希望するからといって、フリ

iターに

なる確率は有意には高まらないのである。確かに、フリ!タ

l率は女性のほうが高いが、それは女性が労働市場や職場や

私的な領域でさまざまな差別をこうむっているからだと考え

たほうが、データとのつじつまが合うように忠われる。

確かに女性フリ

iターへのインタビュー結果を読んでいる

と、「どうせ結婚して、王婦になるからフルタイムで働く必要

はないいといった趣旨の言葉が繰り返し登場する。しかし、

そのような語りを雷葉どおりに信じるのが危険であるのは明

らかである。当事者は、自分、かフリ

iタiであることと自分

の希望ライフコ

iスを結び付けてとらえるかもしれないが、

当事者だからといって、自分自身に対する社会構造による制

約を的確に認識し一言語化できるとは限らないのである。フル

タイムで働く女性と慎重に比較しなければ、フリiタ!とジ

ヱンダ!の関係を読み解くことは不可能なのである。一

O代

や二

O代前半はフリ

iタ!率が高く、この年代は専業主婦や

一時中断を希望する比率が高い。そのため、希望ライフコー

スとフリlタlかどうかに因果関係があるという誤解が生じ

るのだが、年齢が同じならば、フリlターもその他の人々も

同程度に専業、王婦志望が強いのである。しかし、今後、もっ

と代表性が高くサイズの大きなサンプルで再検討が必要であ

ることをもう一度、強調しておきたい。木本(二

000)は、

官庁統計在使ったマクロな烏轍閥的研究から、ミクロな事例

研究へと、性別職域分離研究の焦点を移行させることを提唱

している。事例研究の価値の高ざは疑い得ないが、性別職域

分離についての統計的な分析が日本で十分になされていると

48

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はとうてい考えられない。ギデンズやブルデュ!老持ち出し

て主体と構造の再生産者語るのはたやすいが、本当に再生産

が起きているのかどうかを検討するためには、データの忍耐

強い分析が必要不可欠である。

また、前述のように性別分業意識には、いくつかの次元が

ある。希望ライフコ

iスはそのうちの一つにすぎない。本稿

とは違った指標での検討も必要であろう。また、男性につい

ても向様な分析が、必要であることは言うまでもない。

ハキムの「選好」といった用語法からもわかるように、性

別分業仮説は合理的選択理論との親和性が高い。この文脈で

は、性加分業意識とは選好を示す指様である。しかし、本稿

の分析結果から示唆されるのは、選好そのものが、年齢や学

歴のような構造的な条件によって一定の制約を受けていると

いうことである。それゆえ年齢をコントロールすれば、フル

タイムの女性とフリ

iタ!の女性のあいだには、選好の違い

はほとんど存在しなくなるのである。両者の違いを生み出し

ているのは、選好というよりも、年齢にともなって変化する

行為の構造的条件(選択肢の数、質、将来の見込み)のほう

である。このような行為と社会構造のインターフェースの経

験的な探求こそ、ジェンダ

lh

・無業の研究

の今後の重要な課題であろう。

活①人的資本論は、ハキムのように、複数のタイプの効用関数を

仮定するわけではない。むしろ、女性に対する差別が、女性

の家内労働における比較優位性を生み出しているとさえいっ

ている。しかし、人的資本論の経験的妥当性については、いく

つかの反証が出されている(出口私話(ご混少出宮兵毛色NCCH)

SSM調査でも性別分業意識が扱われているが、その結果に

ついては、木村(二

000)、尾崎(一九九八)、古川(一九九八)

を参照。

③稲見(二

OO五)では、一般論としての性役割意識については、

フリ

iタ!とその他の人々で違いがないことを報告してい

る。フリiタ!調査では、「男性は外で働き、女性は家庭を守

るべきだ」「女性も、自分臼身の職業生活を重視した生き方を

すべきだ」(反転させて用いる)という二つの意見に対する賛

成度を五段階で尋ねているが、いずれもフリiタ!かどうか

で分布に有意な違いはない。ちなみに、この二つの一般的性

役割意識と本稿で用いる指標との相関係数は、それぞれ、

0・昭一一一、

0・一一一七である。

④ハキムの一一一分類と本稿の性別分業意識の類型の名前が違うの

は、両者の概念が厳密には対応しないからである。本稿では、

仕事者継続するかどうかが問題になっているのに対して、ハ

キムは、フルタイムかパ

iトかという点にも注目している。

⑤通常の多項ロジット・モヂルも検討したが、

AiCでも

BiCでも順序ロジットのほうがモデルの適合度が高かった

ので、順序ロジット・モデルの結果を示した。

⑥ちなみに、出生動向基本調査の一九八七年から二

OO二年ま

での四回の調査結果のトレンドを見ると、八1一一一四歳の未

若年非正規雇用・無業とジ、エンダー49

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若年非正規雇用・無業とジ、エンダー51