Title 豫算に依る企業の統制 經濟論叢 (1929), 28(2): 315-336 Issue … ·...

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Title 豫算に依る企業の統制 Author(s) 大塚, 一朗 Citation 經濟論叢 (1929), 28(2): 315-336 Issue Date 1929-02-01 URL https://doi.org/10.14989/129709 Right Type Departmental Bulletin Paper Textversion publisher Kyoto University

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Title 豫算に依る企業の統制

Author(s) 大塚, 一朗

Citation 經濟論叢 (1929), 28(2): 315-336

Issue Date 1929-02-01

URL https://doi.org/10.14989/129709

Right

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Kyoto University

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文理同MF

六個三一十

-a'Z掴・胃偏物闘可《毎同一圃-日萄句u

巻)t+ニ第第一積

辛子宮 聖 日 -FJご二 S哲三 I四手nIf百

一 一 一一一

組合枇借日山中概念

財産生命保険・

明治一初年に於ける大阪潟幹命回一耽

リカアドウの恐怖論-

捨醐

我闘の凶富及び圃民所得ぞ論ず

時担

経清政策郎γ

お超雌的目標に就ドて

諌算に依る企業の統制

問問起に於ける中央地方悦の経連

美濃稲津村小旦の剖山制度

博l仁

純情明博士

純情問中卜

Mm消問中

J

制清明岬士

叩川降車十

細川mmf

制調円円哨'トL

JJ 麓

一岬戸正雄

小烏目白太郎

大藤

i家田 日

JJi)

郎三

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論陣算に依る企業の統制

!大

:塚

]明

企業上の諜算制度

主主

芳、

C!J

以上のニ節に於て説明Eれた企業の中心的統制の潟に所調珠算(国民間立)を用ゆる所の企業上

の珠算制度或は珠算的統制(回包向。円

MH戸

gw国ロ身内

zqgzE)なるものは如何なる方式の統

制方法でゐらうか。其の本質正して経傍経務僻典に掲げられた所は衣の如きものである。

「過去及び現在に閲する組織的報告に基いて、勝戒に謝する一の計劃が組立

τられなりればな

らぬ。岡崎に、誌の計劃は、如何なる程度迄現貨の後展がそれに越膳

Lてゐるかごいム不断

ω報

告に依って修正吉れ、監査苫れなければならぬ。か〈組立

τられた簿記的、統計的組織をば謙算

髄系ご呼ぴ、経棒組織の管理の手段ごして此の純系を服用するヨ』ごが珠算的統制である。」

右に引用されたものが珠算に依る企業統制の本質的理解fして満足すべきものなるやに就ては

岡よh議論の伶地あるを見れ泊でゐらうOLかし、兎も角是れは、企業上の諌算制度なるものが

賞際上-ドも・事問上にも共に未.k其の後遠の幼稚なる現今ざして、私のhmb得た限りに於

τ最も

第二十λ巻

=

第ニ一概

接算に依る企業自統制

(heral1sgegeb. VOn Nicldisch).

"_

Handwortel'buch der Betriebswirtschaft.

Bd. 2, 5. 243

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場二十八巻

強算に俄る企業四統制

プミ

一三回

簡明に誌の要紡を表明せるものである。

抑も、企業に於ける珠算的統制なる制度は極め

τ最近(戦後殊に一九二

O年末の--Eであるご

VUれ

τゐる0)

に於

τ、初めて米固め産業界に接頭し党新のものであって、一般仁企業の傑倍に

闘する諸改良的研究、賞行仁熱心なる濁逃に於てき九企業に於ける珠算的統制の何たるかに就

ては未に遍〈一致した見解の定っておら旧制有様である。

従来・珠算なるものはま正して岡家及び地方倒慨等の統治僅仁のみ関聯LT考へもれたもので

めって、柚時算正いへば直に政府預算を意味するもの、如〈聞き慣ら古れておった。しかも.品仙の

場合に於り品預算は政治上、財政上的重大事-m引証して取扱はれ、政治家、一般公衆、並に諸言論

機関等はこれに向って常に多大の注意を挑ひ、隣って叉此の陶題に閲する幕間的研究も大に脇田達

せるものがめった。

hrfて、政府財政上の用具正しての旗第に就ては底き理解が行はれて・共

ω政治的、財政的重

要性も充分に認められ

τ居るo

殊に、これに於てR

公共支出経済化の基礎たる任務り認められてゐ

るこ主は、企業上の漁算制度に就て考察するもの、注意すべき貼でゐる。

右の如〈、政府財政上

ω珠算制度が飯に、賞際上にも事問上にも極めて摘著なる殺這を途げ

τ

ゐるに反して、企業上の謙算制度叫現今に於ける後逮はなほ甚だ幼稚でゐる。しがし‘以下誌に

ω典型的形態に就

τ、先づ其

ω本純金絹I詳し〈考察して見ゃうご思ふ。

飾に引用せる所によって知らる、如〈

w

企業内一統制上に預算を用ふる制度郎ち企業上の珠算制

P. White, Ior!=!':.sti_':lg, _Pla~_ni~K. and. B_udÇ"!!~ing i~ Busine:ss Managep1ent. p.__ [52~ H. _ W~_ B~_~er B. 'Yirt~c"haft. _Ud. 2. S. 24~:

H; W; B. der B. 、司firtschart. 1μ'dぺ山lし J.S. ~42-:;:: E且当担担e町町lげ叩r引ieb5"坊湘、w引"口tschafl白1.(}札川叫11山hぽr百 V. '9,8). S. 455 ・Mckin~eヴ, sudxetary Co-ntrol, p・4・H. W. Gu.est, Publfc EKpenditure; (the present i1Is and the propos'ed

2)

3)

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度は、衣の一定期闘に於ける企業の活動態様に就

τ諌め一定の計数的見積計剖書を作製し、此の

見積計制書を嘗該期間に於りる企業統制山基準さして用ゆる所に共山本質を認めらる、ものでゐ

る。古れば此の制度

ω運用過程を明仁するは印もこれが本鱒を知る所以である。

二、由席算制度の運用過程

質際上山議算制度いω蓮別池税は具時的じは夫ーの企業

ω稀制畑正宜(の職制組織正に肱じ

τ縄t異

るべきものでゐるが、今其の典型的形態に就tごれが要領を一般的に摘出し

τ見ょうど思ふ。

珠算制度

ω運則渇殺は大別し

τ

一珠算案内編成・仁珠算案山審議三珠算

ω裁決、巳晶胤算

ω施行、佃諌算的一修正、の四段階にニ

れを分つニごが出来る。

一珠算案

ω編成。先づ、企業

ω一倍業期間中の戎ゐ時期に於て、弐の一傍業期間に其

ω会業が

遥すべき究極的目的(私盆企業に於

τは牧盆一卒、-公益企業に於

τは供給財貨の品質、数量、間四格

等を合

U供給成純等これでゐるO)

に就て一定

ω議定が立じられ‘同時に品川川一深定を府民現する免に

常該期間に一倍まるべき企業活動り各方面に闘する一般的方針が定めらるる。比

ω一般的方針が定

められた後に此れに基いて、各峨他部門の管一羊機関は夫i自己

ω管掌範囲内り必要的諸事項に就

て分科的に計欽的

ω見積計剖杏を編成する。比

ω見積計劃吉川り編成の際には共

ω合理性を高める

匁に過去及び現在に闘する諸記録を会照してニれを分栃・綜合し、併せ

τ将来に於ける内外諸事

情の品型化を強測すべきは勿論でゐる。

議算に依る企業白紙制

部二十八巻

remedies). pp. 179--181.

Wlリle.op. Clt. p. 1,2. Mcl什!lsey,Op. cit. p. 5 ]ones, Ihe Adll¥l!lblr孔lionof Im!tlstrii-t.l Enlerprises. p. 310 .Ilt.tf FOl"dhal'll

and TingJey. Organization and Budgetaryco-nll"Ol in、fanufactueing. p. '49学町i

7)

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-一二人

一三六

漉算に依る企業。統制

第二十凡巻

各分科珠算案は一般に同一期間に亘るもの北るを要するのはいふまでもない。其の期間の長吉

を如何に定ひるが過賞なるやは現貨の各企業に於げる夫ーの事情の相違に随って一概には言ぴ難

い。これ会制約する諸闘YTごして最も重要なものは、宮口氏ロ田山刊に依れば失の六事項である。

3

・金融方法

ー、商品姐榔期聞の長吉宮、生産期間の長3

4

、市場の紋鴎

5・過去の

笹業賊抽出に閲する記録‘統計等にして婚家の計剖を立つるに役立つべき諸多考資料の有する完

全司過胞の度合

6、勘定期間の長さ

現賞

ω各企業に於

τ最も通瞥せる珠算期闘の長きは右の諸事項に閲する夫』の事情の如何に支

配せられて定まるのでゐるが、質際上普通に行はれてゐる珠算期聞は三ゲ月、六グ月、或は十ニ

グ月等でゐるo

右の如一言務松井期間の長一却は執れも特有の利弊を併せ持つ所でめる。しかし、其の

長吾の如何に拘らす一議算期閥内に就

τ疋らに月別配列表(出

Bpqmnra口町)を設定し、これに

基いて毎月の絡に見積成蹴芭賞際成総ごを比較、掛照し、以て一方には爾後の質際成績を調節

し、他方には必要なる修正を腕定噛概算に加ふるに便ならしむるこEが珠算制度の運用を会からし

むる所以である。

珠算制度に於

τは闘よ・り一企業山町会館に一旦る計数的見積計劃を以て一健系的綜合珠算を編成す

る-』古を要するのである。けれY」も、其の綜合滋算の構成分子たる各分科換算は企業上の如何な

る事項を以

τこれが編別の基準ピなすべきやは企業の預帽闘が相違可るに随つ

τ一率には定め難

い。たに、注意すべきは企業上の各事項部門は相互仁密接

ω関聯を有するものであるから、各分

MCldnsey, op. cit. p. 29・Mckinsey, op. cit. pp. 34-3;.

日)9)

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科珠算案り編成には、互に諸他の分科務算案の編成が会照きれねばならぬニごである。

宮の民自々は製蕗的企業に就

τ弐の如き十二一場

ω分科珠算を数へてゐる。

ー、阪寅議算

2、阪質経費換算

3、民告強算

4・生産珠算

5、原料珠算

6、勢働環

7、胸利施設海算

8、製品掲縦曲賞議集

9仕入珠算日、設備預鉢口、一般級品責務算

回、財務濠算

これらの各分科濠算が夫I・各別的一特殊事項を基噂ごして設定吉れた品川科的の計数的見積計剖

でゐるこピはVふまでもない。たごへば版責務算は嘗該期間に於りる販商見高ピ阪商HM胴格ごに関す

る見積計剖でゐbu生産珠算は同じ〈某の期間

ω生産数量に闘し、原料疎算や勢倒殻算は生産預

算に於て定められた一定数量の生雄高を奉hJQ錦に使用すべき原料や勢働の歎量的見積計劃よh

成h二諸積

ω経建議算は嘗該期間の企業活動上に負指すべき諸積的経費の見積計劃であるが如

し。なほ叉財務預算は諸他

ω分科疎算を基礎にして立てられた財務蕗理上の計数的見積計割に外

ならない。右川町如き諸分科珠算案が編成せらるれば、最後にこれら一切の分科謙算案を多照し

て、見積貸借謝照表案及び見積損盆計算表案が編成せらるる。

政府財政上の聾吉一定期間に於りる政府事務の執行に件ふ品AW常的支出ぜこれに廊中ぺき貨幣

的支梯手段の調達ごに関するものであるこ芭は人の知る所である。然るに、企業上の預算は軍h

貨幣的支梯手段の収入、支出に闘する見積計劃を合むのみならや,、庚〈企業活動の全般に豆る計

数的見積計劃を包接するものであって、此の勅は政府期政上の謀算正企業上の強算Eの闘に於け

一三七

諌算に依る企業由統制

第二十λ巻

10) W. F. ¥Villoughby, Pdnciple of Public Administration. p・435及!FMR. Lehmann. Die lndustrielle Kalkulation. S. SO ;!l器開 J

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一三凡

第二十凡魯

O

蕗算に依る企業の統制

る霊媒な差同時

ω一である。而

bまた、政府財政上

ω珠算期聞は少〈ごも一腰年以上

ω長期たるこ

Zを常ごするが・企業上り滋鉢矧闘は前者・ι比竣し工一般に短〈、たごへば六グ月・三ゲ月等

ω

却さ

bωが少〈な〈、一此bにはニグ月.一ヶ月等

ω如き極的工短期りも

ωセも見るりでゐ品。事れ

ば、論者中には或は「企業上り預算は一期間.辺市は一年に豆る企業内練替にが要な

E抑

ω見積

でゐ品。そは一企業

ω各利郎門

ω蓮樽に必要な支出の見積でゐるo」

ε冒ふ者があるが、

ur〈の如

きは企業上

ω橡算

ω特色を疋常に理解せしむる所以ではない。政府財政上の疎算ご企業上の漁算

ごの聞に存するこれらの重要な差異に注意せる〉門医ロ切は政府財政上に用ゐ慣れた「珠算」なる語

が企業上の計数的見積計制に時期せらるるこ己に就て「珠算(回え向。陣)なる認は、厳密仁は巨常な

意味を持っておら向。何ごなれば、多〈の人にごつてはそれが、かなり長い期間に亘る牧入Z支

出ごの金銭的見積を意味してゐるからOL正言つ

τゐる。か〈て、彼自身は漁算なる話の代hに即

列表(師会色己内)なる語を使川してゐるo

請の選棋は説れに

Lても、必要な貼は政府財政上山預算

ご企業上の珠算ごの聞に於りる内森上の差異をよ〈理解する・』ごでなければならぬ。

院に編成苫れた各介科換算案は珠算整理係の手許に組められて、一路

ω審査、艶照を受げ、必

要な修補、訂正を施された後に一鱒系的綜合珠算案己なって珠算裁決機関に提出せらるるこ正に

なる。ニ

橡算案

ω審議ピ議集凶裁決。阪に編成された綜合預算案は次には審議正裁決ぜを受けなけれ

ばなら泊。珠算案の審議ご珠算

ω裁決正の震には通常、議算審議委員曾が設りらるる。議集審議

Mead and Scholz. Rudi.ments of Bl1siness Financ:e. p. 182. AtkinS. Factory Manage:ment. p. 262

11)

12)

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委員曾は所調枇長又は底長等

ω如き企業全般内事務を纏鑓する最高の令業機闘を議長芭

L.各職

飽部門

ω主任管掌者を議員ごして構成するのが合理的であb,、質際上も亦か〈ずるのが普通でゐ

る。珠算審議一生員曾に於

τ仏各分科珠算案

ω筒々に就て共の見積計劃の碁繍に劃する批判、吟味が

行はるるのみならで綜合珠算案川町会髄系に於ける各分科の均衡・調和に閲する審議が進めらる

る。かく

t.通営

t認めらるる修正が施苫れた後に裁決を経て確定綜令強算が成立し、輩に蛍該

漁算期間に於付る企業活動

ω全般に亘る中心的統制意士山

ω計数的基礎が具飽的に決定せらるるに

至るのでゐ品。党も、共の預算が企業上的基本的政策的機克を件ふものでゐるならば、株式合祉

を主韓正する企業の場令に在つては、噂』れが裁決の掛川には真に所諦重役曾や株主総曾等の機関の

承認を必袈ごするであらうo

珠算審議舎に於ては時間来に於ける畿業の脅展其の他仁閥Lτ各議員

閉じ秘tなる意見

ω交換、討議が行はれて業の結果.曲四算

ω上に各従業員聞の意見

ω卒衡が現は

るるこ

Zじなるのでゐる。

三橡算

ω施行。裁決を経

τ成立せる確定竣算は各職能部門の寅行上

ω標準ピ

Lて・これを質現

する司」正が夫』の携蛍機関に向つ

τ強制せらるるこごになる。一旦確定せる珠算は夏らに再び珠

算審議委員曾の審械を経て其

ω承認を経古る限hは漫に議改され

τはなら向。各職能部門の携

蛍機関は強算MZ

基本的機準ごし

τ夫3の賀行行品川を管まなければ包らmH

のであるが・これが錦に

は諌算に基いて夏らに詳細な質行プログラム、或は従業員別及ぴ時日別等山橡算施行上の鹿列表

珠算に依る企業白統制

第二十λ巻

ー一一

ゴι

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政算に依る企業白統制

回O

第二十λ魯

一一

を編成し、これじ準捜して共の賀行を哨臨むるよごが強算制度の蓮用を確貨なら

Lむ品所以であ

る。なほ、各職能部門の質行過程上には不断に琵算セ基礎芭する盤骨

ω作用が活動し、これによ

って強算ど封象せられた賀行成績的医救、調節が行はる品。か〈て、環算の施行の潟に一企業の

活動は全般的に様準化せらるるニ正になるのである。きれば

E222が「標準に依る統制方式

はまた、これを旗振して製造、阪商H.

管理の如き一企業の金活動に及ぼすこごが出鴻る。金活動

に謝し

τ標準が使用せらるる場合に、其の統制制度は珠算制度乙して知られてゐるo」ピ述べてゐ

るのは強算制度の蓮用に於げる右の事情をよ〈示すものごいへるのである。司・4『・

312の提唱

した山氏自

EP冨吉仰向。昌吉伸は最初は狭義の生産地程にのみ閲するものであったが、共の後の後展

によって此の新規な蕗理法の中に合まれてゐる諸原則の趨周は企業活動上、軍に狭義の生産過程

にのみ隊られ宇して、出周〈諸他

ω方而に向って続日明せらるる司、

tになった。か〈

τ、共の新規な

蕗理法の根本を成す、標準を先づ設定し、これに基いて貴行成践を測定するごいふ原則が企業活

動の全般に豆って趨用せられたものが企業上の珠算制度に外ならない。

四珠算

ω修正。確定議集が施行せらるるご・同時に英の質行成総は滴賞な方式を以て記録に寓

され、一見らに此

ω記録古漁算ご

ω欝照表が作製せらるる。珠算審議委員曾は比の掛照表を審金、

精議し、且つ内外常事備の抽出化を考慮して、必要ゐb

E認むれば飯定議算に適宜の修正を加へる

のであるc

珠算の合理性を高め、以て不合理な琢算を強行するこ

Eから生AYぺき危険を未然仁防

少(ピも月に一回・必要あらばなほ一屠頒繁に此の審査、修正を行はなりれば

止せんが錦には、

Lawrence, Cost Accol1nting, p・377・Hunt, Scientific Managernenl since Taylor. p・44・Jones. op. cit. p. 310. Hunt, cp. cit. p. 45

13)

14) 16)

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なら向。

議算修正の手縦は濠算制度の放巣を完からしむる籍に極めて重要なる段階であって叫比の過程

の慮置を温まれば謙築制度運用の会般的倒低は・』れが柏崎に大いに段つけらるるに至るのである。

抑も、其

ω範囲の甚だ成大にして且つ不断の麹動を免れざる一般経済界ピ密接な閥係に立てる企

業に闘して、勝来的一定期間に一旦る議算を設定する場合日一切

ω未俊事前引を正磁、適切に抽措定

するが如きは事例り性質上、到底期L得ぺからグる所でめる。放に、珠算

ω施行中、賞際成積t

の比故.掛照に基吉、前市怖の強化を考慮して、審議の結果これに刷って池宜の修正を施すこ芭

は、動もすれば珠算制度的採用から生じ劫

3企業活動

ω機械化、官僚化を防止して、これ仁件ふ

べき危険を除去する鎗に最も必要な朋怠である。此小川周忌十件は泊珠算制度の運用は遂に企業の

運行過程を固定化せしめて、共の弾力性九官奪ムに至るものでゐるが、か〈の如、古は企業の純務的

能率や大仁害する所以である。企業上

ω珠算制度を採用する仁就て最も警戒を要す畠貼は貨に此

の問題に懸るのでゐる。

か〈雪ロはば、或は次の如き疑問が岡崎るでゐらうo

卸も、一確定議算の施行中にこれに向って麗

E適宜

ω修正を施すニごは、前に越べた、橡算は企業の寅行過渡に費する標準であっ

τ、議算の

施行は企業の活動を全般的に標準化せしむる所以であるごいふ則正矛盾4る-』正は無ハーであらう

か、ピ0

3れど、所説標準化の奥義を理解するならば、其的疑の故純一言

-htが明になるであら

う。これに就ては、様単化の岡県義に関する冨-F・の。

ogの言を弦に引用するのが最も通営であ

第二十八巻

= -ー一一第

強算に依る企業白統制

H.市V.B. der B. ¥Virtschaft. Bd‘2. S. 247.

White, Op. cit. p. I.S6訪朝

16)

17)

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漁算に依る企業

ω統制

第一一十λ巻

る正忠ふ。日〈「完全化てム概念は様準化の中仁合まれてゐなか。何らかのこ芯を錦すに就ての

標準的方法正は、車仁其

ω楳品中が立てらる、時じ於て工夫し得らる、最蓄の方法たるに過ぎない

のでゐる

Q

標準

ω改善は虫ましき所でゐって、それが見出古れた時正蕗正に於て採用せらる、。

標準化的中仁は帥世帯を妨げるものは何等絶叫割に存

Lてゐない。

LかL、改善的意味を有せぬ稜革

から標準を護る潟には一定川町防衛制度が立てらる、。此仙一防衛制度は麓化の震の襲化から標準を

諮るのでゐ品。近代の科率的管理法が要求する所は条〈次の駄に過ぎないのであるo帥

品製革

ω提議は、其的標準採刷の際

ω吟味吉岡俊の周到さを以

τ吟味せられねばなられ刷

E共に、其

の品開革は最初に其

ω標準を編上げた人が然bしご同様に其

ω仕事に相隠する能力を有する所の錬

達家に依って行はれなりればなら泊てふこごである。か〈

Lτ採用せられ、諮らる、一加の標準は

其の時々に知らる、最善

ωものを生み出すのでゐる。かやうな方法で賀行せらる、標準化は常に

試験己改善Zを誘ふ。」ご。

X

×

×

×

以上は企業上

ω珠算制度

ω蓮胤過税を其の典型的形式に就

τ、これを四段階に分って概括的に

越べた

ωでゐるo

共山詳細な具情的関係に歪つては岡よhJ筒ーの企業に就て夫E特殊のものたる

べきはいふまでもない。たいγ

、以上仁述べた所伝綜括してみる仁、荷も企業より珠算制度ピ見る

〈きものは、必守夫り如、湾、三鈷り本質的特徴を備へておらねばなら肉。

Joncs.. op. cit. pp.白 3ー倉叫ー18)

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一定期間

ω企業活動に於ける全部門内の諸事項の総てに闘する計剖が強め前期間に於

τ計

数的見積の形式を以て表明せらる、.』E0

2、右の如き各簡の計数的見積計剖が綜括的に調整せられ

τ、一全館Zしての企業に就て良〈

均衡を得た一輝系的プu

グラム炉設定ぜらる、こ音。

3・右のプログラムが賀行過程の標準正して施行せらる、に伴って賞際成績吉見積成績苫の封

照表が作製せられ、其の給巣、該プログラム上の趨蛍な修正の必要が認めらるれば、怠ら

中其の修正が施手品、こ

ZG

企業上的珠算制度は此れら的中的一知を敏いても‘お(の本質的而日を止〈ふのである。

修業上、何等かの粍度に於て賂来的見積を立つるは従来正雄も殆んY』ゐらゆる企業に就てこれ

を見る腕でゐ品。殊に、主ごして需要ぞ見越して管業を行ふ近代企業はか、る見積を立つるニぜ

なしには到底芸的経径は不可能であるごいはねばならぬo

かかる事怖を顧みれば、企業上的強算

制度は決し

τ・北(の松祇から全く新規な御念に立

τるものごはいへないのでゐ品。然らば所請・

企業上

ω珠算制度に特有なる新規山舶は説れにゐるやごいはば、そは畢覚、右仁泉げた珠算制度

の本質的特徴的中に-』れを尋ねなげればなら向。

即も、企業活動上

ω部分的峨抽出又は筒

hNω事項仁闘する見積計割、た己へば毎月

ω財務漁算、

生産プログラム或は祭い同支出

ω見硫等り的別的見積計剖を立つ号』古は従来正ても各閥的企業に

τ必しも珍らし〈ない

ωでゐる。しかし.これらめ部分的見積計剖をば企業活動

ω全般に豆つ

1

強算に依る企業自統制

第ニ十λ巷

第二腕

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第二十八省

一岡田

~­,、

諌算に依る企抽出自統制

τ前期間中に設定し、誕にこれらを綜括して企業金憾に闘する一時系的賀行計劃を編成し、-』れ

を貸行上の一貫際成縦

t謝旅して諸官に修正

Lつつ、此の見積計劃を以て金賞行過程に謝する拘束

的標準たらしむるニさは所説・企業上の預算制度仁於

τ初めて見らるる所でゐるo

企業上の珠算制度が如何なる本櫨を有するものでゐるかは以上を以一し大館'』れを明にする-}Z

が出来たZ思ふ。

三、議集制度の効盆

企業上

ω滋算制度正は前週内如き手繰閲係を以て運用せら晶、企業統制の一方式であるo此の

制度り漣嘗なる蓮用に依って企業の経済的協卒増進上に粛らさる、効盆は康〈且つ重要でゐる。

きれば・現に比ゆ制度を賞際に施せる多〈の人ケは、それが企業の経替上最も有効なる統制方式

たるこZを認めてゐる。

これよh其の効盆ぞば総合珠算

ω会暗に藩服せる一般的見地己、箇々の分科激算に著服せる特

殊的見地

Zω雨方面から略述して見ゃうさ思ふ。

一一般的見地から見た効盆

ー、企業活動に於ける金賞行的地棋に封する中心的統制が檎保せらるる。

珠算制度に於

τは各分科謙算MV

綜揺され工一線合珠算措阻系ごなる。比の綜合珠算はみ十費行的過

程の拘束的棋冊中正なるりであるから・滋に企業の杢質行的活勘上の中心的統制に劃する制度的基

礎が奥へらる、謬である。

H. W. B. der B. Wirfscharr. Bd. 2. S. 245・捗踊

Jones. Op. cit. p・31・

19)

20)

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2・企業内

ω各械峨飽部門の協剥が助成せらるる。

銑に第一筋に於て述べた如〈、企業の活動過粍は祁ーなる峨能部門に分割せらる、古共に多〈

の場令にそれら各純の職能部門に謝して夫々別阜の撚砕闘機闘が配旋苫れてゐるのであるo

而し

て、それら

ω各柿職能部門はこれに附着する所有聞係上

ω統一位を総合因子正して相結合して一

活動飽系を構成し、以

τ何等かの財貨

ω縦続的な市場供給

ω作用を傍むものでゐる。きれば企業

の活動泊料上・手段償似の利用が最も有効に行はれて、共の結果企業の経済的能率が充分に後探

せしめられんが錦には企業上

ωゐらゆる峨能部門は相瓦に高度的協訓閥係を保ちつつ、機み行は

れなければなら泊のであ品

02)

(位)

1、跡見、生産

AH版斑山三職拙聞の協調

販斑的川柄引拙龍は順序として品業に於ける各種職陥部門中最静の過程に腿

L、購買的取引職抽も止産職能も拍周は版官的取

引噛龍山日前日より止ずる給付心品川世に臨ぜんが伐に行はるるものである。され問、換算制度運用組開。第一段附に於ける各分

科山崎算案。嗣成は先づ版嵐山盟算案内編成に始まる白が便利であり且つそれが又持週であるu

覧行蜘盤以上由仕入又は生z障を行

ふζ

とH種々右寄たるい和阿部を導〈O

就中これに依ヲて

IR残手持円問中に費量伝寝かせる与なら

f、

Aい陥って必誕資金の硬患

を窓越し品〈向い且つ誕に商品の蜘梢的並に物珂的雌川棋を招〈に重るが如きは其自主なるものである。反封に、阪質向取引政量

が止産申・仕入の動量に超過することも又決して前自場合に劣るとと無き排害の悶となる。其由主たるものとしては主目如きも

のがある。山取説的取引凶器市出貸際に給付L作る能力以上に過度目無用なる活動を替む穏に紐裂の浪費出行はるるC

M叫過剰契

約脱行合却に不合叫的なる給付畦備の手践を採るζ

とを俄儲な

fせられ随って叉自ら不合間的なる費用回負弛を拍〈由.てあ

自皿算に依る企業の統制

第二十

λ巷

四五

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第一一十凡巻

凹--,、

λ

第ニ一輯

珠算に依る企業内統制

る@川契約一直行白伐に瓶事に劃する損害賠償支排主張を生ずる品、若{は闘容に負ふととあるイき不信任は椅

-Z替業上

に不利.損害を農るの同となるととも稀ではない。なほ、尿料品目仕入準備が生産職拙よ由必要に肱じ梓古る場骨に於て、生産

温程よ日比ずベ脅停柄、担制叫

ω献践は右に越

d

へた諦不例制より生ずる所。も

oιも勝るぺき大なる損害を想起するa

z、勝目、比陸、販貰の一一一輪前部門主財勧的職能部門との協同

戎位稲川きれない賛金

臨賞、生産、跡直山三時曲部川と財務的時脳部門との間的協制が北はれて必要型金山町伊達附雛ヂ

内制謹u

部副旭るならば、とれが坊に企業山安起が破bるる。腕民、北陸、版斑

ω一一一職能部門川内不調和は制効の川貨を縮〈

出、此持甲山一ニ者と財務的職能部門と山一間的不同和は闘もすれば直接に企業破続四悶となる叫

而も、此等各組峨能部門間

ω協謝は企業

ω規模が大ごなる粍愈々其

ω必要が緊切ごなろ一】正は

いよまでもないのである。然るに質際仁は反って、共的規模大にして、従業員数も甚に多(隣っ

て叉従業員

ω組織が複雑を加へる企業に於りる程盆々全値的協調

ω維持、増進は困雛ごなる傾向

がめるoか〈て、如何にして此

ω全般的協訓を維持増議すべ詰やてふこごは多〈

ω現代大企業仁

於て、極め

τ緊切な一重要問題ごなってゐる。

珠算制度

ω採用は正に跡的問題に謝する最も有効な一解決方策たるのである。

珠算制度がかかる任務に堪え得る総力を有する所以は次の如き二一削の事情に基〈のである。

-従業員川町心理的事備、各分科珠算案以原則ごして各分科的職抱部門的携賞係に於て編成せら

るるものでゐるが。此山町際必守、各分訓判的措嘗係は何等かの粍援に於て他

ω分科的職能に闘する

見積計制を多照する-』ごが必要でめる。加之各分科的職能の主任抽相官機関は綜令珠算案審議的潟

に務算審議委員曾に出席して相互的意見を交換、討議するのが常であるが、共の結果、一の協調

Mck.insey, llusiness Administration. p. 263. pp_ 267~268

-一一I op. cit

pp・41ι418.pp・422-423

~l)

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的結国却を生するこEじなるのである。務算案の編成土、これらの経路を経て各分科的職能の携蛍

係は自ら他

ω職能部門の任務、事業等を充分に理解

Lて、白巴及び他の係の檎営にか、る各稲職

能部門の活動の一企業会憾に於ける夫々の地位をば正

Lf認識するこどが出来る。従業員聞のか

かる理解が企業山活動過程に於りる会館的協耐の精進に封

Lて大いに役立ち得るこピピなる吋き

はいふまでもない凶である。

ヨ綜合時四算の憾系的機緋。議算制度

ω運用過程に於

τはその努頑に世間該深算期間に於ける企業

活動の全般に亘る根本的方針が提示せらる乙。此

ω川悦本的方針に準採して夫々編成せられた各分

科預算案

ω綜合から成る綜合誕算案は海崎県議議委員品目に於て、会館的協調の維持を本義ごする協

同的審議を受けて誌に綜合的確定強鉢が成立するo

か〈の如〈に

Lて般にそれ自ら協調的機構を

有する所の右の綜合議算が企業り金賀行地税に謝する髄系的楳準ごして拘束力を有するに至るの

である。きれば、各分科的職能を捻殺する各従本員聞の心理的協調を別にしても、企業内の各分

科的資行過程は自ら全般的協調を維持しつつ笹み行はれ

Fるを得さるに至る諜である。

3、企業

ω賀行地程に於て各従業員山白俊的活動慾が満足せしめらるるo

各分科換算袋

ω編成及び統合強算案審議

ω場合仁は、夜桜、間接に各和職能部門の関係従業員

が』れに拳具する機耐日を奥へらるるが常でゐるω

随って、珠算の施行に嘗つては多少芭も彼等の

白後的活動慾が満足ゼしめらるる鐸でゐって、これが潟に企業

ω経済的能率棺準上には甚だ大な

る好影響が奥へらるる。

持却に依る企栄町統制

第ご十久容

Jc

凹-¥;

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強算に依る企業の統制

第三十入容

.-o

一回入

4、企業一し従事する金値的管掌者、部分的管掌者、真に又一般従業員凶箇々に射する従業上の

様準が典へられて、これが鋳いい各従業員の勤務に謝する興味が刺戟せらるるo

加之、上下各従業

員が英の標準

ω追求上如何なる成績を摩げ符たかが計欺的に表示百れて、各従業員の従業上の能

力を明白にするニ正が出来る。

品、企業的活動に謝する金鱒的討劃の巾草案上に底く一般従業員川町知識、経験を刺

mLて得る。

各分科預鉱業の編成及び綜令激樹針案小山審議の場合には遁館、謡〈各従業日民の'知識、経験が動員

され

τ其ω結果が一定的文帯に表現せらるるこ=になるのである。議算的施行は即も英の結山本を

以て企業的会費行過程に劃する標準己ずるものでゐる。このこピは車仁少数の首脳的従業機関の

脳誕に秘められた朱他的統制意志じのみ基いて賀行過程

ω統制が行はるる場合に比して、一一盾其

の合理性を高むる所以でゐ品。比れによって企業が共の経済的能率増進内局に資盆を受〈ぺきは

いふまでもない。

一般に手段慣低り利用上、共の合理化に就て慎重なる考慮を捌ムペき徐被ピ機曾正が奥へ

nbるる。

6 、強築制度に於

τは、賀行過程の着手に甥

Lて相賞の徐被期間を有する一定の時期に疎算案の編

成が行はるるL

此の場合には各分科的職抽出り指賞係が綿省、周到ψ用意を以て各従業過程を分析

L、豆らにこれを最も合理的な態度に組織して共の給呆の具惚化が珠算正成って現はれ

τ来るの

である。此の聞に努力、原料、諸資金等を最も合理的に使用すべき方法を慌重に考慮すべき機曾

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が奥へらるる静でめる。

7、従業機関の組織方法の令理化が助成せらる、。

珠算制度の運用金有数ならしむるが潟仁は原則ごし工各分科的職能営基準にして各分科的課算

が設定されなりればなら泊。これが錦に大規模企業に於ては、各分科的地嗣常機関の責任範園を明

確仁限定するζ

ピが必要になって、自ら従業機闘の組織方法の合理化が強制せらる品こ古にな

る。8、財務上の諸記録や原償計算其の他の諸曾計的活動が一般に組織化せられ、合理化せらる、。

日、珠算は企業の賀行過程に於ける安全標織

(E宇ばr叫

Z-)たる作用を匁す。

珠算制度

ω運用過程に於ては、毎期、毎月省L

(は必要に膳じてなは一一府頻紫に珠算古賀際成

績正の比陵、制割照が行はる、。これが錦に企業内実行過程に於ける過説又は危険はこれに封する

救済.防止の方策を施し得ぺき猶強期間内に後見せらる、機曾を持つo

目、一般に日常の統制事務を簡単、察易なら

Lむる。

換算制度に於

τは強め文書を以て各椅職飽却門の賃行遇税に劃する組織的見積計制が設定吉れ

てゐるのみならす、なほ又通常は各従業機関

ω責任、械限の範園が明篠に限定せられてゐる。き

れば、これが縛に目指の統制専務は自ら大いに簡易化せらる、誇でゐる。

日、企業活動の内容赦践が細大洩れ抑制〈明白にされ

τ、これに謝する監察を大に使ならしむ

る。

拍柑鉢に依る企業自統制

第二

fλ巻

四九

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第二十凡嘗

五O

珠算比依る企業の統制

此のこごは、内に向つては統制上の根本的方針の樹立を迅速且つ趨蛍ならしめ、外仁向つては

企業に到する金融業者の金融的援助を助成する。

x

X

X

×

以上は珠算制度が企業的経略的防率増進上に訴すべき効盆をば一般的見地から考察して英の主

要なものを述べたのである叫

二特殊的見地から見た効盆

各分科換算

ω筒今に就て夫#の特殊的効盆が認めら晶、。

ー、生産珠算に就

τ。生産油蹴算じ於ては、既に販寅珠算ご

ω関係を考慮して一環算期間内に行

はるべき生産の総額が議定せられてある。きれば、

必要なる設備其の他

ω生産手段を過賞に準備・調達し得を』吉、なh、他方には、一期間を通じ

て遁蛍なる生産日程表を設定し、以

τ生産作業上に生?ぺき策閣を調節するこごが出来る

ωでゐ

る。生産作業上の紫闘を均衡化す号』ごは一般に種命なる事由がら企業の経済的飽率精進上に大

いなる資盆を興へるのでゐる。なほ、ニれに依って鷲きるぺき従業員の移動(宮ヨ042)

率の減

少は枇曾政策上にも綱著なる好影響を及ぽすのである。

リ-、財務課算に就て。財務謙算に依って、}方には預算期間内

ω流動資金ご固定資金ごの需要

額さ需要時期正が議定せられ、他方には周期間内の資金岡牧の綴正時期正が旗定せらる、。加

これによって一方には、鴬該期聞の生産上に

l¥Te,ld <'l.nd Scholz, op. cit. pp rR4-IRf). F(m-!ham九 ndTingley. op. cit.

pp. 14+-146. Hodge. op. cit目 pp・16e-167・Jones,op. cit. pp・31[-3112.!¥-fckinsey. Budgetary Control. pp・ 416-419_pp. 432--424- ~Hckinsey ,

Business Aclministration. pp. 267-268.以上事問。

~fl)

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之、これらの謙定に基いて、共

ω期間内に準備せらるべき借入資金

ω需要領北に需要時期をも強

め定めお〈こZが出来るのである。借入賞金の調迭に閲川して、一定の猶漁期間内に右の如、き珠定

山泊

を設〈るは箪h其的調達を磁保する所以たるのみならず・なはこれによって、金融市場の朕勢じ

随ひ金利岡係英の他

ω貼に就き借入上に有利なる機曾eT捕捉するこごが出来るのである。

X

×

X

x

右は分科珠算の有する特妹的効盆中の主要なるものに就て遮吋たのである叫

問、議算制度に於ける潔算の有する能力の限界

企業上の珠算制度は現今未だ其

ω費途の初期に在る0

問問来愈1共的後遺を助成して、これに備

はる所

ω右。加古諸効盆を盆I充分に後押せしめんごするならば、率問上及び貸際上、これ

r謝

して積々なる努力ご用意ごを費す-』己が必要である。それには先づ最初に、珠算制度の本質的要

素たる珠算

ω設定が有する能力

ω限川砕を明にしておかねばなら肉。十九[、珠算内設定は企業上の

高能薬(冨E2ω)ではないから・これ伝過大仁評欄するは寧ろ珠算制度の健全な酸速を阻害する

所以である。

以下・北刊の能力の限界をば珠算の設定其のものに固有なものご、並に明在迄の後遠の程度に於

て偶申これに附着するもの一己に分けて、

ζ

れに闘する要附閣を略越しゃう。

一固有的限界

協二十凡魯

踊岨非に依る企業白統制

]¥'Ickin担 y.J)ndgetaTY. CO~1tr? 1, _p._ 2り7.事!111H. W. U. der '11. ¥Virtschaft., ikl. 2~ S斗 3-244 歩間H()dge, Op. cit. p. 167 L.n当burgf¥,Indllstriar !vr~nag 己 men t. p._ 370. Marschell. Busine5s Adm Inl<;h孔lion.pp. 83 S--83G 九fclim;cy,b~ldgelary cuntrol. pp_ 421-4;::.t. p_

23) 24) 25) 26)

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強募に依る企業由統制

第二十

λ器

=一三回

ー、珠算は勝戒の事に関する珠測に基いて設定せられた計数的見積計訓でゐ400Lかも、強算

の編成並に決定の任に嘗る企業の従業機関は珠言者ではない。きれば・彼等はあらゆる合理的な

方法を用ひてAD釧底、不向酬の縫動を免れざるを前ごl且つ複雑極まり無き岡民経燐上の事項に就

τ.盆く正雄、泊切に北(の般家ey強制し得べきものではない。が〈て、般に賂来の一定期間に閲

して設定された疎算が、資際施行の際に企業活動の標準芭して何等かの快貼を現すこZあるべき

は避け雛き所でゐる。依に、議鎮

ω施行中には腿2見杭成総ご質際成績ごの針照、比較を行ひ且

つ内外商耕悩

ω袋化合多酌して、泊賞なる修正を施し、以て企業が常に可能的最高

ω経済的能率

を血中ャるが錦の用意ゐるを要するのである。品腕鮎ゐる不過食の珠算をば機械的に施行するは企業

の経済的能率を害するこ

Zが大でゐる。

2・珠算は企業り寅行過程に劃する計数的棋準が文書を以て表示せ

ιれたものに過ぎない。質

際的活動に依って共り賞現が行はれ

τこそ初めて其の効果は全うせらるるo

然るに、企業の賀行

過程に於1慮理せらるべき内外の諸事項は概ね、極めて複雑なる諸相を併せ有する所であって、

司」れらの諸事項が泊蛍に蕗理せらるるこごに依って所期

ω計数的結果が皐げらるるに至るのであ

る。きれば、珠算制皮

ω有効なる運用の鍔には、日常不断に積々の諸統制的、蕗瑚的能カの協働

が行はれなければなら凶。珠算り設定が如何に完全に行はれても、共のこ己自身は決して企業の

活動上に於りる日常

ω語能カ、諸努力を排除してこれを無期化せしめ得るものではない。

二偶然的限界

r・、

424. 1I oclge, op. cit. pp. 167-r68. J;J.上参照

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企業上の強算制度的運用、殊に其の中心的過程たる珠算の設定は現ATなは、会〈試験時代ha脱

した正はいへないのである。古れば‘従来司MH際に行はれた所には未に幾多の不完金なる駄の後見

せらるるこぜは苑れ得ない。随って、阪に経験せられた助的制度山一刻盆を見て・珠算制度の粛す

べき効盆が北一蕗に議きる古即断されてはならぬのでゐる。このこ己を明に理解して、引紙き忍耐

強き理論的研究Z質験的工夫ピを重ね、以て賂来に於ける比の制度の後遼を助成するこさが、本

来これに備はる所の前述

ω如き諸効盆を盆主管挿せしむる所以である。

珠算に依る企業統制の問題は大戦後、殊に一九二

O年以来米国に於て、初めて接関せる所であ

るo共

ω後、比

ω制度の功過じ閲する論議が雄に行はれたものであるが、現今では阪に此の論議

の時代を経池してゐるo

か〈て、今や此

ω制度は質際上米岡

ω進歩せる企業に於て必要不可依

ω

もの吉成ワてゐる

Q

現に同国の誇大企業は此の制度を採用して夫々相官の前続十暴げ

τゐる有様

である。一九二四年に米闘の金閥計理士協舎が一一

OO件の企業に就て原倒計算に闘する償問的

調査を行へる際に明にせられた所から推M

摂すれば、現に珠算制度を採却してゐる同国の企業数は

随分多数に上ってゐるものであるこ

Eが鏡はるる肘

経組制復典の唖却に目醒しき努力を試みつつある獅泡仁於ても最近、企業上の預算制度の有する意

ω重要なるよ芭が認めらるるこごになって、園主経憐管理局(同止の

EE『島。吾自民官

J45RE沖a

換算に依る企業白統制

第二十凡巻

E

三三五

H. W. s. der s.可Virtschaft.Hd. 2. S. 261 4時

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第ニ磁

-wFro宮)は比の問題の審議

ω震に一特別委員砧闘を設置した己いふこさである。国O乱。は

mnH200

0己ロ含拝見巳〉含比三注目民自の必要を論争るに際して「従来無かったものの必要を論諾するのはい

つも困難なものでゐ品。吾々は通例、ものの満足を失へる場合に於

τのみ共

ω必要を意識するo吾

々の喪失成は共の場合に於りる必要の尺度でゐゐo産業上に務汽力を用ゆる-

h

ピの必要をば其の

こごの行はるる以前トド於て論説するのはヲツトやλ-プ

yzvにごっ

τ定めし容易なら古る一}

ごでゐったでゐらう

2」己述べてゐるが、我闘に於

τ企業上の珠算制度を採用する一』

Zに就

τb

亦同ほ慌の-}ごが一言へる£思ふ。しかし・経憐上の先進随たる米、掴判等に於て陥に此の制度を採一周

する--ごの端絡が聞かれ

τゐる。企業

ω経済的飽卒増進

ω急務伝るζ

己、-』れ等の諸問に勝るご

も劣ら

Fる我幽に於

tも亦.ニれに閲すゐ研究正英の廊則

t.か盛に行はるるに至らんこごは曜ま

斑算に依る企業。続制

しき所である。

第二十λ魯

三三

占/、

-五四

時 Zeitschrif[fiir Betriebswirtschaft. (]abrg. V, r9z8). S. 46勺

桝普 Muscio,Lectu円 onIndustrial Ac1ministr.1tion. p. 13