Technical Guide - SCREEN...〒135-0044東京都江東区越中島一丁目1-1...

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135-0044 東京都江東区越中島一丁目1-1 ヤマタネ深川1号館 東 京 支 店/ 03 56218266 (代) 名古屋支店/ 052(2186400 (代) 北海道営業所011(7260707 (代) 新潟営業所/ 025 2410112 (代) 長野営業所/ 026 2245770 (代) 京都営業所/ 075 3261350 (代) 四国営業所/ 087 8378151 (代) 大 阪 支 店/ 06(6531)0333 (代) 福 岡 支 店/ 092 4367081 (代) 東北営業所/ 022 2241741 (代) 静岡営業所/ 054 2810955 (代) 金沢営業所/ 076 2922345 (代) 中国営業所/ 082 2646451 (代) http://www.mtjn.co.jp/ ※本カタログは、弊社の Fairdot 2 で印刷しています。 ※本カタログは、弊社のヒラギノフォントを使用しています。 ※本カタログの各商品名は各社の商標・登録商標です。 ※本カタログの仕様ならびに商品デザインは改良のため予告なしに変更されることがあります。 ※本カタログに掲載している商品は、日本国内仕様です。 602-8585 京都市上京区堀川通寺之内上る四丁目天神北町1番地の1 http://www.screen.co.jp/ga 注意 ご使用の前には、取扱説明書をよく お読みの上、正しくお使いください。 No.106-158 2017年12月発行 020SSI (R6-8) Fairdot/Fairdot 2 製版・印刷のデジタル化は工程の合理化のみならず、 印刷品質の向上を実現するさまざまな技術革新をもたらしています。 その中で新たな網点技術として開発したのが 「Fairdot/Fairdot2(フェアドット)」です。 AMスクリーンとFMスクリーンの長所を併せ持つ 革命的な新スクリーニング方式「Fairdot/Fairdot2」を ご紹介します。 モアレや線切れを解消、 従来の印刷設備や方法で高精細印刷を実現。 高精細印刷ソリューション Technical Guide

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〒135-0044 東京都江東区越中島一丁目1-1 ヤマタネ深川1号館

東 京 支 店/ 03(5621)8266(代) 名 古 屋 支 店/ 052(218)6400(代)北海道営業所/ 011(726)0707(代)

新 潟 営 業 所/ 025(241)0112(代) 長 野 営 業 所/ 026(224)5770(代)京 都 営 業 所/ 075(326)1350(代)

四 国 営 業 所/ 087(837)8151(代)

大 阪 支 店/ 06(6531)0333(代)福 岡 支 店/ 092(436)7081(代) 東 北 営 業 所/ 022(224)1741(代)

静 岡 営 業 所/ 054(281)0955(代)金 沢 営 業 所/ 076(292)2345(代) 中 国 営 業 所/ 082(264)6451(代)

http://www.mtjn.co.jp/

※本カタログは、弊社の Fairdot 2 で印刷しています。※本カタログは、弊社のヒラギノフォントを使用しています。※本カタログの各商品名は各社の商標・登録商標です。※本カタログの仕様ならびに商品デザインは改良のため予告なしに変更されることがあります。※本カタログに掲載している商品は、日本国内仕様です。

本 社 〒602-8585 京都市上京区堀川通寺之内上る四丁目天神北町1番地の1http://www.screen.co.jp/ga

注意 ご使用の前には、取扱説明書をよくお読みの上、正しくお使いください。

No.106-158 2017年12月発行 020SSI(R6-8)

Fairdot/Fairdot 2

製版・印刷のデジタル化は工程の合理化のみならず、印刷品質の向上を実現するさまざまな技術革新をもたらしています。その中で新たな網点技術として開発したのが「Fairdot/Fairdot 2(フェアドット)」です。AMスクリーンとFMスクリーンの長所を併せ持つ革命的な新スクリーニング方式「Fairdot/Fairdot 2」をご紹介します。

モアレや線切れを解消、従来の印刷設備や方法で高精細印刷を実現。

高精細印刷ソリューションTechnical Guide

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Faird

ot 2

によ

るグ

ラデ

ーシ

ョン

チャ

ート

Faird

ot 2

によ

るグ

ラデ

ーシ

ョン

チャ

ート

現在のスクリーン技術は、大きく分けてAMスクリーンとFMスクリーンの2つに分類できます。中でも最も普及しているAMスクリーンは、ピッチ・角度が一定であり、網点の大小で色の濃淡を表現します。このため、安定した調子再現が得られ、印刷しやすいという長所を持っています。しかし、見当ズレや絵柄との干渉によって発生するモアレや線切れの可能性は否定できません。そこで一部ユーザーにおいては、CTP や印刷技術の向上を背景に370線から700線の高精細印刷を実現することで付加価値をもたらすとともに、モアレや線切れなどの問題を回避しようとしています。しかしそのためには、高度な

製版環境の管理と印刷管理が必要です。このような問題に対するひとつのソリューションとして、ひところ注目されたのがFMスクリーンです。FMスクリーンは、一定の大きさの点をランダムに分布させ、その密度によって濃淡を表現します。網点の配置が不規則なので、スクリーン角度の調整は不要。したがって、モアレや線切れといった従来網点の問題は解消され、高品位な印刷が可能となります。しかしながら、従来のFMスクリーンは高精細印刷と同様に高度な製版環境の管理と印刷管理が必要で、これらを解決できる設備を持つ高級印刷会社に限られています。

Fairdot/Fairdot 2は、FMスクリーンとAMスクリーン両方のドット構造と配置の長所を利用し、画像の濃淡に応じて網点を使い分け、絵柄のあらゆる部分において最適な表現を行います。濃度1〜10%のハイライト領域と90〜99%のシャドウ領域では、FMスクリーンのように一定の大きさの網点の密

度を変化させることで階調を表現しています。そして、10〜90%の中間領域では、AM スクリーンのように網点の大きさを変えています。ドットは、FMスクリーン同様ランダムに配置していますので、スクリーン角度で干渉が起こることはありません。

Fairdot は、FM スクリーン・AM スクリーンの長所だけを取り出した、ハイブリッド方式による画期的なスクリーン技術です。AM スクリーンと FM スクリーン、2つの方式を適宜使い分けることにより、絵柄のあらゆる部分において最適な表現が可能です。スクリーン角度がないので、モアレやトーンジャンプが発生しにくく、見当ズレも防止。従来の175線相当のAMス

クリーンと同様の印刷環境で印刷でき、通常使われている2,400dpi の解像度で、300線以上という高精細スクリーニングに匹敵する品質の網点をサーマルプレートレコーダーに出力します。また、Fairdot 2では350線と650線のラインアップから選択することが可能です。

Fairdot/Fairdot 2では、ハイライトとシャドウ領域にFMスクリーンの網点を使用します。ドットはランダムに配置され、ドットのサイズを増減することによって階調を表現します。ドットの分布はドット同士が重なり合ったり、ドット間に大きな疎密ができないように配置を最適化。この方法で、FMスクリーンの短所とされた粒状性をコントロールしています。また、最小ドットのサイズについては、多大な注意をはらっています。解像度が2,400dpi の通常の出力機で再現できる最小ドットは約10.5μm(1インチの1/2,400)です。

この大きさのドットはプレートには露光できますが、印刷機での処理が不安定であるため、ハイライト領域に問題が生じやすいというリスクがあります。Fairdotは最小ドットを2×2の4個組み合わせ、印刷に適するような大きめの21μm(175線の2%相当サイズ)で最小ドットを形成することでリスクを解消。ハイライト領域の印刷を最適化し、印刷の安定性を確保しています。しかも2%相当の大きさですが、面積率をコントロールすることで0.5%相当の階調を表現でき、ハイライト部のスムーズな描写に優れます。

中間領域では、Fairdot/Fairdot 2はドットをFMスクリーンのようにランダムに配置していますが、階調表現方法はAMスクリーンに似ています。ドット個数は変えず一定に保ちながら、ドットサイズを成長させることで階調を表現。ドット形状に丸みを持たせ、印刷の安定性を実現しました。また、ハイライト領域付近ではドット同士の重なりを極力防止。さらに改良された最

新のスクリーンパターンでは、ドット同士の接合状態や接合タイミングを接合点ごとに異なるように設計し、中間領域からシャドウ部のドットゲインによる影響を極限まで抑えて階調の安定性が一層向上。トーンジャンプを防止するために、ドットの大小の影響による画像の粒状性を大幅に軽減しています。

AMスクリーンとFMスクリーンの特長

What is Fairdot

濃度域ごとにスクリーンを変化

AMとFMの長所を併せ持つ「Fairdot/Fairdot 2」

ハイライト・シャドウ領域

中間領域

AMスクリーン FMスクリーン Fairdot 2スクリーン

AM175

Fairdot 2

AM175

Fairdot 2

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AM

スク

リー

ンに

よる

グラ

デー

ショ

ンチ

ャー

AM

スク

リー

ンに

よる

グラ

デー

ショ

ンチ

ャー

出力時に発生するモアレは、原稿に含まれる周期性(規則的なパターン)と網点に含まれる周期性が干渉することによって発生します※1。したがって、網点に含まれる周期性を制御すれば、網点との干渉がなくなり、モアレを抑えることができます。出力時に、なぜモアレが発生するかを簡単に説明してみましょう。図1は175線のスクエアドットでの出力の拡大図です。これを見ると、網点が周期性を持っていることが分かります。実際の周期性は2次元の空間上にあるのですが、ここでは理解しやすいように1次元のモデルを使います。図2-aは原稿に周期性がない場合のモデルです。ところが、原稿に周期があると、図2-bのように網

点の周期性と原稿の周期性が干渉することによって、本来なかった周期性(モアレ)が発生します。これを解決するために開発されたのがFairdotです。図3は Fairdot/Fairdot 2の拡大図ですが、網点の周期性が存在しないため、たとえ原稿に周期性があっても干渉によるモアレは発生しません。

※1 原稿のスキャン時やカメラ撮影時にも、被写体と撮影デバイスの周期性によってモアレ(入力モアレ)が発生することがあります。この場合は、網点を替えても除去できません。

Fairdot/Fairdot 2の特長

Fairdot/Fairdot 2は、従来の印刷設備で300線相当以上の高精細印刷が可能です。その大きなポイントは、特徴的な網点形状にあります。ハイライト・シャドウ領域ではFMスクリーンのようにランダムに配置されたドットの個数、サイズ、および配置を工夫することで階調を表現しています。中間領域においてはドットの個数を一定に保ちながら、網点が成長することで階調を表現。FMスクリーンのようにドット密度が無制限に上昇することを抑止しています。網点面積率とドット周囲長の関係を右のグラフに示しています。このように、ドット周囲長を短くするように制御することで、印刷での安定性の向上を図っています。Fairdot/Fairdot 2は、従来網点の長所はそのまま生かしながら、弱点とされる部分を解消することにより、高精細・高品位印刷を実現します。

網点の線数を100線→175線→280線と上げていくと、色再現域が向上することは周知のとおりです。これは網点が小さくなると、周囲長が長くなり、網点の周囲に発生するオプティカルドットゲイン※2が増加することによって彩度が向上し、色再現性が拡大するためと考えられています。Fairdot/Fairdot 2は、色再現域が拡大するように周囲長を含め網点形状をコントロールしており、175線より色再現域が拡大されます。当然のことですが、紙部とインキベタ部では相違はなく、中間領域で彩度の向上が確認できます。右図の6角形の印刷サンプルは、175線とFairdotの色再現を見るためのもので、両者を比較すると中間濃度部で違いが大きいことが見て取れます。

※2 オプティカルドットゲイン:印刷用紙の光拡散によって網点の周囲に生じる濃度上昇。

Fairdot/Fairdot 2は、規則構造を持たず網点配置が均一になるように設計しているため、AMスクリーンのように、絵柄との干渉によって起こる線切れが発生しません。した

がって、絵柄のディテールまでクリアに再現できるとともに、細線などの表現にも優れた効果を発揮します。

Fairdot/Fairdot 2は、オプティカルドットゲインによる濃度上昇により、中間領域の色を少ない網%で表現することができます。これにより、弊社のカタログでは、175線

で印刷するときよりも約15%のインキ使用量を削減できました。

高精細印刷が可能な網点 中間調の鮮やかな発色を実現

線切れがなく、ディテールをクリアに再現

Fairdot/Fairdot 2でインキ使用量を削減※3

モアレの発生を防止

※3 インキベタの部分には効果がありません。

175線とFairdotの色再現

175線とFairdot/Fairdot 2の比較

網点面積率とドット密度の関係

175線

Fairdot

100

90

80

70

60

50

400 10 20 30 40 50 60 70 80

彩 度

AM175

Fairdot/Fairdot 2

彩度向上明

 度

エッジ比率(∝

網点周囲長)

網点面積率(%)

AM280

AM175

Fairdot 2(350)

0.6

0.7

0.5

0.4

0.3

0.2

0.1

010 20 30 40 50 60 70 80 90

RandotX20

薄(0%)

濃(100%)

濃度

薄(0%)

濃(100%)

濃度

網点パターン原稿(周期性がない場合)

網掛け後のパターン(モアレなし)

網点パターン

原稿(周期性がある場合)

網掛け後のパターン(モアレ発生)

図2-a:原稿に周期性がない場合

図2-b:原稿に周期性がある場合

図1:175線スクエア  ドット拡大図

図3:Fairdot 2拡大図

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モアレが起こりやすいストライプのシャツをよりクリアに美しく。

グレーやブラックが基調の部分に質感ある表現力を発揮。

細かい柄の連続や複雑な模様などは、175線のAMスクリーンでは絵柄とスクリーン角度の干渉によってモアレが起こりがちです。これを回避する手段としてFairdot/Fairdot 2の使用が有効です。サンプルでは、モアレが発生しやすい女性のストライプのシャツをクリアに表現しています。

どっしりとした金属のパーツや工具類など、濃度のあるグレー部分およびブラック部分の、ハイライトからシャドウに移る中間部で起こるロゼッタモアレを解消。特に金属部分のなめらかな階調表現は、質感の再現に大きな効果をもたらしています。

モアレの解消 ロゼッタモアレの解消

AM ScreeningAM Screening

Sample: 1 Sample: 2

5 6

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バルコニー バルコニー

バルコニー

バルコニー

ポーチ

玄関

玄関浴室

浴室

便所

便所洗面室

洗面室

台所

洋室洋室 洋室

洋室

居間・食堂

台所和室

和室押入

押入

ウォークインクロゼット

ウォークインクロゼット

クロゼット シューズイン

クローク

床の間

床の間

冷蔵庫置場

冷蔵庫置場

カウンター

カウンター 出

窓カウンター

食器棚

食器棚

PS

PS

PS

PS

洗濯機

置場

洗濯機置場

バルコニー バルコニー

バルコニー

バルコニー

ポーチ

玄関

玄関浴室

浴室

便所

便所洗面室

洗面室

台所

洋室洋室 洋室

洋室

居間・食堂

台所和室

和室押入

押入

ウォークインクロゼット

ウォークインクロゼット

クロゼット シューズイン

クローク

床の間

床の間

冷蔵庫置場

冷蔵庫置場

カウンター

カウンター 出

窓カウンター

食器棚

食器棚

PS

PS

PS

PS

洗濯機

置場

洗濯機置場

AM Screening AM Screening

AM Screening AM Screening

人形の衣装の精緻な織りや刺繍、ピアノの木目や楽譜の五線をくっきりと。

帆船のマストに渡された複数のロープや平面図などに多用されるハーフトーンの細線を、線切れすることなくシャープに再現。

雛人形の衣装に施された匠の技をご覧ください。精緻に織り上げられ刺繍された色糸、そのディテールや発色をあますところなく表現しています。また、ロゼッタモアレが発生しないため、人形の肌のなめらかな陰影も損ないません。ピアノの写真では、木目のディテールや、五線譜の線切れのない表現に効果が発揮されています。

帆船のマストに渡された何本ものロープ。どの角度のロープも線切れすることなくシャープに再現しています。下は家の間取りを表わす平面図です。随所に説明用の文字が入り、部屋の区切りなどの細線は文字を目立たせるためにハーフトーンが使用されています。このような細線は、AMスクリーンでは線切れが起こりがちですが、すべての細線をクリアに表現しています。

ディテール表現 線切れの解消

Sample: 3 Sample: 4

7 8

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AM Screening

AM Screening

AM Screening

再現が難しい中間調の色をより鮮やかに、彩度もアップして。

仏像の立体感や質感、奥行き感 機関車の鋼鉄の逞しさや迫力まで伝える。

華やかな彩り表現が要求されるアクセサリーやコスメチックスのサンプルですが、Fairdot 2は色調の再現域が広いため、くっきりと鮮やかな色再現を実現しています。しかも、布のディテール表現にも優れ、モアレを防止。羽根は線切れもなく、柔らかな質感を感じ取ることができます。

モノクロ原稿の場合、スミ1色で絵柄の質感や雰囲気を表現するのは、なかなか困難です。Fairdot 2ならダブルトーン並みの質感や深み、奥行きを再現でき、ディテールの階調表現にも優れた効果を発揮。サンプルの仏像ではモノトーンながら質感を感じ取れるまでの再現力を見せ、機関車においては逞しさや迫力までが伝わってきます。

中間調の発色 モノクロ原稿

Sample: 5 Sample: 6

9 10

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Fairdot/Fairdot 2 運用上のテクニック

■ドットゲインについて

■推奨ドットゲイン量

■ドットゲイン調整手順

■スクリーングラデーション補正

一般的にドットゲイン量は、スクリーン線数に比例して大きくなります。これは、ドットゲインが主に網点の周囲に生じるためです。スクリーン線数が細かくなるほど、下図のように同一面積当たりの周囲長が長くなり、ドットゲイン量が増えることになります。

Fairdot のグレーバランスを、同条件で印刷された175線のグレーバランスとほぼ同じ仕上がりにするために、以下の推奨ドットゲイン補正をしてください。

通常、推奨ドットゲインを適用していただくと良好なグレーバランスが得られます。印刷条件によって満足できるグレーバランスが得られなかった場合は、下記の手順でドットゲイン補正値を求めることができます。調整には、印刷物を各色網%で測定できる濃度計(X-Rite528を推奨)が必要です。

Fairdot2は12ビット網点で、かつ内蔵ドットゲインカーブが入っていません。EQUIOS のスクグラ補正で刷版上でのリニア調整後、メディア管理ツールでドットゲイン調整を行うことを推奨します。これにより多種の感材、違う印刷機に対しての管理を行いやすくなります。Fairdotには内蔵ドットゲインカーブが入っているため、スクグラ補正は行わずメディア管理ツールでドットゲイン調整のみ行ってください。

2ℓ× 4=8ℓ½ℓ×4=2ℓ½ℓ

ℓ×4=4ℓℓ

例:150線の場合の周囲長

例:300線、同面積の場合の周囲長

EQUIOSの場合

20-15

-10

-5

0

5

5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 95 98 100

Fairdot(480)Fairdot(400) Fairdot(600)Fairdot 2(350)

※上記は、各色共通の入力値です。※印刷条件により最適なカーブは異なりますので、次のドットゲイン調整手順に従って 最適な条件をお求めください。

入力ポイント

入力値

100

0

0

0

98

-0.1

9590

1.5

80

3.8

70

-2.9

1.0

-1.0

6050

-5.5

-10

-7.5

4030

-5.0

20

-6.9

10

-2.5

-3.0

5

-1.1

-1.0

2

-0.2

0

0

0

0

Fairdot(400)

Fairdot 2(350)

Fairdot(480)

Fairdot(600)

1. 下記のステップチャートを175線で製版、印刷してください。このステップチャートは、EQUIOSで準備しています。 既に自社で175線にスクグラ補正やドットゲイン補正があれば適用してください。

●推奨ベタ濃度C1.58 M1.60 Y1.05 K1.95※自社で標準のベタ濃度の基準があればそれを適用してください。

2. 製版、印刷を行います。● Fairdot 2の場合

まず、Fairdot 2のスクグラ補正を行い、版面上でリニアになっていることを確認してください。その後Fairdot 2の場合はスクグラ補正は使用し、ドットゲインは使用しないで製版、印刷を行ってください。

● Fairdotの場合 Fairdotで4色ステップチャートを上記印刷ベタ濃度で印刷してください。Fairdotの場合は、スクグラ補正、ドットゲイン調整は使用しない無補正で出力してください。印刷条件は1.で行った175線の条件と同じにしてください。

3. 「175線印刷」「Fairdot 印刷」それぞれのステップパッチの平網部の網%を濃度計で測定します。● 測定手順1) C版を選択2) 175線印刷にて紙白、Cベタ濃度を読み込み、キャリブレー

ションを行います。3) 175線印刷と Fairdot 印刷の各ステップを測定し、網%

を記録します。4) M、Y、K版も同様に測定し、記録します。※ユールニールセン係数を入力できる濃度計の場合、1.3を推奨します。

4. Fairdot 測定値より175線測定値を引き、Fairdot のドットゲイン値を求めます。 例:  71  -  65  =  6 各版、各ステップごとにドットゲイン値を求めてください。

5. 求めたドットゲイン値を EQUIOS のドットゲイン調整のステップに入力し、印刷します。入力に際しては、ある程度滑らかな曲線を描くように、入力する値やポイントを調整してください。 一度で求めるグレーバランスや調子が得られない場合もあります。入力値を若干変化させることで微調整を行ってください。

175線測定値 Fairdot測定値 Fairdotのドットゲイン

AM Screening

同一画面上に複数のスクリーニング方式が混在。それぞれの長所を効果的に運用。一つの紙面に異なるスクリーニングの画像を混在させ、Fairdot 2の表現力をご覧いただきます。グレーの背景はAMスクリーンに任せ、靴やネクタイの集合写真、機械のテクニカルイラストなど、モアレや線切れが発生しやすい絵柄の部分にFairdot 2を効果的に使いました。EQUIOSでは画像や平網などに対するマルチスクリーニング指定が可能です。

マルチスクリーニング

Sample: 7

0C 2 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 95 98 1000M 2 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 95 98 1000Y 2 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 95 98 1000K 2 5 10 20 30 40 50 60 70 80 90 95 98 100

11 12

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FM/ハイブリッドスクリーンによるインキ削減効果

高精細印刷

写真集

ポスター雑誌

AM

スク

リー

ン 175L~370L

Rand

ot X

10μ~20μ

Faird

ot 2

350L~650L

カタログ

チラシ

フリーペーパー

パンフレット

100線

700線

印刷機を設置している部屋の温度・湿度は、最適に保たれていますか?

印刷機の定期的なメンテナンスは行われていますか?

印刷用紙は印刷環境に1日以上なじませていますか?

インキの乳化を防ぐため、湿し水は少なめに調節してください。

175線の標準的なドットゲインを正確に把握していますか?

Fairdot/Fairdot 2の優れた特長をご活用いただくためには、以下の項目をクリアしていることが重要です。これらの条件を満たすことでFairdot/Fairdot 2による優れた品質を得られるばかりでなく、ISOの取得などの一助にもなりますので、ぜひ一度ご検討ください。

扉の開閉により、外気が急激に入り込んだりしませんか? また、パウダーが空中を舞うようなことはありませんか?

AM高細線(〜300線)がお勧めです。175線の印刷条件で高精細効果も バランス良く得られます。

インク削減には、理論的に網点の総周囲長が長くなり ドットゲイン効果が出るFM網点(Randot X)が向いています。しかし印刷適性はAM175線とは違い、条件出しが必要となります。

AMとFMの特長を両立させるハイブリッド網点(Fairdot 2)は、画像品質の向上に大きな効果が

あります。

定期的なローラー交換やローラーニップ調整で、印刷機の調子を常に安定した状態に保つことは、 あらゆる印刷において大変重要です。

印刷用紙の伸縮を抑えるためには、環境になじませてから使うことが必要です。

湿し水量が多いと、インキの乳化が促進され、点付きが悪くなるなどの影響が出ますので、 湿し水量は少なめに調節してください。

印刷品質を目視だけではなく数値管理することが重要です。Fairdotは中間調を鮮やかに再現できますが、 中間付近のドットゲインの調整が必要です。調整方法は本誌12ページでご紹介しています。

Check Point

Check Point

Check Point

Check Point

Check Point

1

2

3

4

5

AMスクリーン

FMスクリーン:Randot X

ハイブリッドスクリーン:Fairdot /Fairdot 2

写真的 画質

平網 ザラツキ

モアレ 解消 細線 彩度

向上インク 削減

印刷 安定性

AM 175 △ △ △ △ △ △ ◎AM 280 ○ ○ ○ ○ △ △ ○AM 370 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○AM 700(4,000dpi) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ △

写真的 画質

平網 ザラツキ

モアレ 解消 細線 彩度

向上インク 削減

印刷 安定性

Randot X 20 ◎ △ ◎ ◎ ○ ○ △Randot X 15 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ △Randot X 10 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ △

写真的 画質

平網 ザラツキ

モアレ 解消 細線 彩度

向上インク 削減

印刷 安定性

Fairdot 2(350) ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○

Fairdot 2(650) ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ △全てのアプリケーションに万能なAM/FM網点はありません。しかし、用途に応じてその特長を活かした使い方をすれば、従来のAM175線のみの表現世界から、品質面での幅の拡大やインク削減効果によるコスト削減効果など、今までにないメリットが生まれてきます。そこで、高精細網点を使い分けるポイントを簡単に分類してみました。

各種網点の比較各種網点に適するアプリケーション

Fairdot/Fairdot 2 の優れた品質を引き出すために

品質の平均点を底上げしたい場合

インク削減を主眼にしたい場合

品質の向上に主眼を置く場合

一般商業印刷物全般

チラシやフリーペーパー

写真集・細線表現画像などのカタログ類

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