Project 研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発 ...Project 速 報 文...

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Project A D C B ピペット 受精卵整列固定ウェル 受精卵整列固定プレート (16×24=384ウェル) 受精卵収集液 流量センサー 水循環 ポンプ 原理図 文部科学省等支援プログラム ハイスループットタンパク質 生産システムの開発 環境問題やエネルギー問題は世界的な課題であり、中でも二酸化 炭素等の温室効果ガスの排出量が少ない低炭素化社会の実現に向 けた技術開発が強く求められています。一つの方策として電気自動車 の普及があるが、これには優れた蓄電池の開発が必要不可欠です。 本研究では既存の概念にとらわれない革新的な高エネルギー密度蓄 電システムの創出を目指し、リチウム空気電池の開発に取り組んでい ます。この電池は負極にリチウム金属、正極に空気を用います。計算エ ネルギー密度は従来のリチウムイオン電池の約5倍であり、我々の生活 に変革をもたらすテクノロジーになると期待されます。 本プロジェクトでは、橋本電子工業株式会社(三重県松阪市)と共 同でゼブラフィッシュを用いたハイスループットタンパク質生産システム の開発を行っています。すなわち、大量の受精卵を決まった時間に自 動回収するために、小型水槽(60個)からなる受精卵自動回収装置を 開発し、さらに回収された受精卵は遺伝子導入のスループットを上げる ために、308個の受精卵を一度に整列させる卵整列固定装置も開発 しました。最後に、1時間当たり3,000個以上の受精卵に全自動で遺 伝子導入できるマルチプル・インジェクション装置も完成しました。 ◎ 革新的蓄電システムとその検討4課題 ◎ 「革新的高エネルギー 蓄電システムの開発」 この実証事業は平成25年度まで行い、事業終了後もキャンパスから排 出される二酸化炭素を削減する計画です。国からの支援を受けてキャンパ ス全体で実施する全国大学初のこの取組は、二酸化炭素を排出しない再 生可能エネルギー(風力、太陽光)や、ガスコージェネレーションなどによる 新エネルギーを中心に運営し、省エネ照明設備やクールビズ対応空調など も導入して排出量の削減を図ります。津市と連携し、学生等への環境教育 や自治体への環境情報を提供します。本実証事業での成果を活用して他 のコミュニティで活用できるモデルを作成し、今回の事業が地域のみならず 他の大学や多くの自治体に幅広く普及するよう情報発信していく予定です。 三重大学スマートキャンパス (MIESC)実証事業独立行政法人 科学技術振興機構 ◎ キャンパスコミュニティマネジメント概要図(計画)◎ 次世代エネルギー技術実証事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA) 需要、供給予測 電気、空調の最適化 群管理 講義室の空調設備 エネルギー マネジメントの 統合制御 ガスコージェネ 新設 照明 (LED) 設備 平成22~27年度 平成21~23年度 研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発プログラム」 独立行政法人 科学技術振興機構 田丸  浩 Tamaru, Yutaka 三重大学 大学院 生物資源学研究科 准教授 自動受精卵配列ユニットと自動マイクロインジェクションユニットを並べた試作機 200120022003200420052006200720082011200920102012年~ 三重大学 で研究 スタート 環境化学 物質スクリー ニング系 の開発 受精卵への 遺伝子導入技術の開発 ライブイメージング 技術の開発 超高速 遺伝子導入 技術の開発 多孔質テフロンシート カーボンペーパー 触媒層 水溶液電解質 水溶液電解質 リチウム イオン 水酸化物 イオン 水酸化リチウム 電気自動車 酸素 リチウム金属 リチウム金属 保護層(セラミックス) 中間層(ポリマー) 多孔質テフロンシート カーボンペーパー 触媒層 保護層(セラミックス) 中間層(ポリマー) Li LiOH 0 2 Li 0 2- H 0 2 0 2- H OH 平成23~25年度 経済産業省 (2000kW) 太陽光発電 クールビズ 対応空調 蓄電池 (200kW) 風力発電所 更新 (100kW→300kW) 1 水に安定な負極の高性能化 3 リチウムイオン導電性固体電解質の開発 2 空気極の開発 4 最適な電池構造の設計 4Li + O2 + 2H2 O   4LiOH 放電 充電 電子 ハイスループットタンパク質生産システムの概略図 受精卵自動回収装置 マルチプル・インジェクション装置 標的受精卵サンプリング装置 蛍光プレートリーダー 拡大 卵整列固定装置 24 48 発現タンパク質の確認 将来の 医学・薬学・食品・ 環境等の産業応用 に不可欠 ゼブラフィッシュ (Danio rerio) 原産:インド 体長:5cm程度 小型熱帯魚でヒトとの間で高い 相同性を示す遺伝子を持っている。 ハイスループット タンパク質 生産システム の開発 ゼブラフィッシュは 実験哺乳動物の 代替とし 2012年以降 EUで使用拡大 の予定 24h 卵の胚が 透明だから細胞の動態が 観察しやすいね この卵を 量産できたら いろいろなことが 実験できるね 遺伝子導入 タンパク質発現 いろいろな遺伝子を導入して 用途に合った実験用の卵を作れたよ。 その後の観察もできたよ! 12・ ・11 Project● ●News Break

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Page 1: Project 研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発 ...Project 速 報 文 部 科 学 省 等 支 援 プ ロ グ ラ ム プ ロ ジ ェ ク ト ハ イ ス

Project

A DCB

ピペット

受精卵整列固定ウェル 受精卵整列固定プレート (16×24=384ウェル)

受精卵収集液

流量センサー

水循環 ポンプ

原理図

文部科学省等支援プログラム ハイスループットタンパク質 生産システムの開発

環境問題やエネルギー問題は世界的な課題であり、中でも二酸化

炭素等の温室効果ガスの排出量が少ない低炭素化社会の実現に向

けた技術開発が強く求められています。一つの方策として電気自動車

の普及があるが、これには優れた蓄電池の開発が必要不可欠です。

本研究では既存の概念にとらわれない革新的な高エネルギー密度蓄

電システムの創出を目指し、リチウム空気電池の開発に取り組んでい

ます。この電池は負極にリチウム金属、正極に空気を用います。計算エ

ネルギー密度は従来のリチウムイオン電池の約5倍であり、我々の生活

に変革をもたらすテクノロジーになると期待されます。 本プロジェクトでは、橋本電子工業株式会社(三重県松阪市)と共

同でゼブラフィッシュを用いたハイスループットタンパク質生産システム

の開発を行っています。すなわち、大量の受精卵を決まった時間に自

動回収するために、小型水槽(60個)からなる受精卵自動回収装置を

開発し、さらに回収された受精卵は遺伝子導入のスループットを上げる

ために、308個の受精卵を一度に整列させる卵整列固定装置も開発

しました。最後に、1時間当たり3,000個以上の受精卵に全自動で遺

伝子導入できるマルチプル・インジェクション装置も完成しました。

◎ 革新的蓄電システムとその検討4課題 ◎

「革新的高エネルギー 蓄電システムの開発」

この実証事業は平成25年度まで行い、事業終了後もキャンパスから排

出される二酸化炭素を削減する計画です。国からの支援を受けてキャンパ

ス全体で実施する全国大学初のこの取組は、二酸化炭素を排出しない再

生可能エネルギー(風力、太陽光)や、ガスコージェネレーションなどによる

新エネルギーを中心に運営し、省エネ照明設備やクールビズ対応空調など

も導入して排出量の削減を図ります。津市と連携し、学生等への環境教育

や自治体への環境情報を提供します。本実証事業での成果を活用して他

のコミュニティで活用できるモデルを作成し、今回の事業が地域のみならず

他の大学や多くの自治体に幅広く普及するよう情報発信していく予定です。

「三重大学スマートキャンパス (MIESC)実証事業」

独立行政法人 科学技術振興機構

◎ キャンパスコミュニティマネジメント概要図(計画)◎

次世代エネルギー技術実証事業 先端的低炭素化技術開発(ALCA)

*需要、供給予測 *電気、空調の最適化  群管理

*講義室の空調設備

エネルギー マネジメントの 統合制御

ガスコージェネ 新設

照明 (LED) 設備

平成22~27年度

平成21~23年度

研究成果展開事業「先端計測分析技術・機器開発プログラム」 独立行政法人 科学技術振興機構

田丸  浩 Tamaru, Yutaka

三重大学 大学院 生物資源学研究科 准教授

自動受精卵配列ユニットと自動マイクロインジェクションユニットを並べた試作機

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2011年 2009年 2010年  2012年~

三重大学 で研究 スタート

環境化学 物質スクリー ニング系 の開発

受精卵への 遺伝子導入技術の開発

ライブイメージング 技術の開発

超高速 遺伝子導入 技術の開発

空気正極

リチウム金属複合負極

多孔質テフロンシート

空 気

カーボンペーパー

触媒層

水溶液電解質 水溶液電解質

リチウム イオン

水酸化物 イオン

水酸化リチウム

電気自動車

酸素

リチウム金属 リチウム金属

保護層(セラミックス)

中間層(ポリマー)

多孔質テフロンシート

カーボンペーパー

触媒層

保護層(セラミックス)

中間層(ポリマー)

Li+ LiOH

02

Li+

02-H+

02

02-H+

OH-

平成23~25年度

経済産業省

(2000kW)

太陽光発電

クールビズ 対応空調

蓄電池

(200kW)

風力発電所 更新

(100kW→300kW)

1水に安定な負極の高性能化 3 リチウムイオン導電性固体電解質の開発

2 空気極の開発

4 最適な電池構造の設計

充電

放電

4Li + O2 + 2H2 O   4LiOH放電

充電 → ←

電子

ハイスループットタンパク質生産システムの概略図 受精卵自動回収装置 マルチプル・インジェクション装置 標的受精卵サンプリング装置

蛍光プレートリーダー

拡大

卵整列固定装置

受精卵を迅速に固定

遺伝子導入

24〜48時間・・・・

発現タンパク質の確認

ゼブラフィッシュ研究の歩み

将来の 医学・薬学・食品・ 環境等の産業応用

に不可欠

ゼブラフィッシュ (Danio rerio) 原産:インド 体長:5cm程度

小型熱帯魚でヒトとの間で高い相同性を示す遺伝子を持っている。

ハイスループット タンパク質 生産システム

の開発

ゼブラフィッシュは 実験哺乳動物の

代替とし 2012年以降 EUで使用拡大

の予定 24h

卵の胚が 透明だから細胞の動態が 観察しやすいね

えっ えっ えっ えっ えっ えっ

この卵を 量産できたら いろいろなことが 実験できるね

遺伝子導入 タンパク質発現

いろいろな遺伝子を導入して 用途に合った実験用の卵を作れたよ。

その後の観察もできたよ!

12・ ・11

Project● ●速報●文部科学省等支援プログラム

●プロジェクト●ハイスループットタンパク質生産システムの開発

●News Break