Perspective of Semiconductor Technologies Contributed to ...

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I o T 3.界面顕微光応答法によるワイドバンドギャップ材料・電極界面の 2 次元評価 塩島謙次 Perspective of Semiconductor Technologies Contributed to the IoT Society III: Two-Dimensional Characterization of Wide-Bandgap Materials and Contact Interfaces by Using Scanning Internal Photoemission Microscopy by Kenji SHIOJIMA Key words: Wide-bandgap semiconductor, Schottky contact, Scanning internal photoemission microscopy, 2-dimentional characterization, Inhomogeneity 1 SiCGaN をはじめとするワイドバンドギャップ材料 がハイパワーアンプ,ハイパワースイッチングデバイス の実用化を達成しつつある.ハイパワーデバイスの開発 には,信頼性評価が大きな課題である.デバイスの一部 分に対してミクロな評価を行うだけでなく,デバイス全 体を見渡せるマクロな 2 次元評価を行い,故障,劣化箇 所を特定,分析することが重要である.電極の評価にお いては通常,電流―電圧法(I-V),容量―電圧法等によ り面内の平均値で特性が示されている.図 1 に示すよう に電極界面近傍には自然酸化膜等の介在層,熱処理によ る反応層,結晶欠陥,電極金属の粒界等の様々な不均一 性の原因が存在する.Okumura,および Shiojima 1989 年に半導体上に形成したショットキー電極の電気 的特性を非破壊で 2 次元的に評価できる界⾯顕微光応答 法を新規に開発した 1),2) 装置の開発当時は SiGaAs ショットキー接触を測定対象としたが 3),4) ,近年は GaNSiC,ダイアモンド,酸化物半導体等のワイドバンドギ ャップ材料の評価を進めている 5)-18) .我々は本手法が金 属/半導体(M/S)界面だけでなく,半導体/半導体(S/S界面,および金属/絶縁体/半導体(MIS)界面にも適 応可能であることも実証した 19),20) .本発表では我々のこ れまでの研究成果をいくつかの観点で分類し紹介する. 1 金属/半導体界面に存在する不均一性の原因. 2 界面顕微光応答法の基本原理は内部光電子放出効 果(internal photoemission effect photoresponse :PR)) 法に基づいている.通常の PR 法ではバンドギャップ以 下のエネルギーを持つ単色光を半導体側から電極に照 射し,金属から励起されたキャリアが半導体に流れる際 の光電流を測定する(図 2 a)).界面顕微光応答法では 入射光を電極/半導体界面に集光・走査することで電極の 2 次元評価を行うことができる(図 2 b)).内部光電子 放出効果に伴う光子エネルギー(h)と光電流の収率(単 位光子あたりの光電流:Y)の関係は Y 1/2 = h - qB (1) で表される(図 2 c)) 21) .異なる波長の光で Y 像を測 定することでエネルギーしきい値であるショットキー 障壁高さ(qB)の値を像として求めることが可能である. (a) (c) (b) 2 aM/S 界面のエネルギーバンド図,(b典型 的なデバイス構造と界面顕微光応答法の測定系,(cPR スペクトル. + 原稿受理 令和 2411Received Apr. 11, 2020 © 2020 The Society of Materials Science, Japan * 福井大学学術研究院工学系部門電気・電子工学分野 910-8507 福井市文京 Graduate School of Electrical and Electronics Engineering, Faculty of Engineering, University of Fukui, Bunkyo, Fukui, 910-8507 「材料」 (Journal of the Society of Materials Science, Japan), Vol. 69, No. 11, pp. 837-842, Nov. 2020 講  座

Transcript of Perspective of Semiconductor Technologies Contributed to ...

講 座

IoT 社会の発展を支える半導体技術の新展開 3.界面顕微光応答法によるワイドバンドギャップ材料・電極界面の

2 次元評価 塩島謙次*

Perspective of Semiconductor Technologies Contributed to the IoT Society III: Two-Dimensional Characterization of Wide-Bandgap Materials and Contact Interfaces

by Using Scanning Internal Photoemission Microscopy by

Kenji SHIOJIMA*

Key words: Wide-bandgap semiconductor, Schottky contact, Scanning internal photoemission microscopy, 2-dimentional characterization, Inhomogeneity

1 緒 言 SiC,GaN をはじめとするワイドバンドギャップ材料

がハイパワーアンプ,ハイパワースイッチングデバイス

の実用化を達成しつつある.ハイパワーデバイスの開発

には,信頼性評価が大きな課題である.デバイスの一部

分に対してミクロな評価を行うだけでなく,デバイス全

体を見渡せるマクロな 2 次元評価を行い,故障,劣化箇

所を特定,分析することが重要である.電極の評価にお

いては通常,電流―電圧法(I-V),容量―電圧法等によ

り面内の平均値で特性が示されている.図 1 に示すよう

に電極界面近傍には自然酸化膜等の介在層,熱処理によ

る反応層,結晶欠陥,電極金属の粒界等の様々な不均一

性の原因が存在する.Okumura,および Shiojima は

1989 年に半導体上に形成したショットキー電極の電気

的特性を非破壊で2次元的に評価できる界⾯顕微光応答法を新規に開発した 1),2). 装置の開発当時は Si,GaAsショットキー接触を測定対象としたが 3),4),近年はGaN,

SiC,ダイアモンド,酸化物半導体等のワイドバンドギ

ャップ材料の評価を進めている 5)-18).我々は本手法が金

属/半導体(M/S)界面だけでなく,半導体/半導体(S/S)界面,および金属/絶縁体/半導体(MIS)界面にも適

応可能であることも実証した 19),20).本発表では我々のこ

れまでの研究成果をいくつかの観点で分類し紹介する. 図 1 金属/半導体界面に存在する不均一性の原因.

2 界面顕微光応答法の原理 界面顕微光応答法の基本原理は内部光電子放出効

果(internal photoemission effect (photoresponse :PR))

法に基づいている.通常の PR 法ではバンドギャップ以

下のエネルギーを持つ単色光を半導体側から電極に照

射し,金属から励起されたキャリアが半導体に流れる際

の光電流を測定する(図 2(a)).界面顕微光応答法では

入射光を電極/半導体界面に集光・走査することで電極の

2 次元評価を行うことができる(図 2(b)).内部光電子

放出効果に伴う光子エネルギー(h)と光電流の収率(単

位光子あたりの光電流:Y)の関係は Y1/2 = h - qB (1)

で表される(図 2(c)) 21).異なる波長の光で Y 像を測

定することでエネルギーしきい値であるショットキー

障壁高さ(qB)の値を像として求めることが可能である.

(a) (c) (b) 図 2 (a)M/S 界面のエネルギーバンド図,(b) 典型

的なデバイス構造と界面顕微光応答法の測定系,(c) PRスペクトル.

+ 原稿受理 令和 2年 4月 11日 Received Apr. 11, 2020 © 2020 The Society of Materials Science, Japan * 正 会 員 福井大学学術研究院工学系部門電気・電子工学分野 〒910-8507 福井市文京 Graduate School of Electrical and Electronics Engineering, Faculty of Engineering, University of Fukui, Bunkyo, Fukui, 910-8507

「材料」 (Journal of the Society of Materials Science, Japan), Vol. 69, No. 11, pp. 837-842, Nov. 2020

講  座

11-2020-0038-(p.837-842).indd 837 2020/09/16 16:36:27

我々の装置は-45 V までのバイアス電圧を印加しなが

ら光電流測定を行うことができる.自立 GaN 基板上に

形成した縦型Ni/n-GaNショットキー電極の評価にこの

機能を適応した(図 6)9).この試料において,大多数の

電極は 500 V 程度の破壊耐圧,均一な Y 分布が得られ,

-45 V までの長時間電圧印加でも全く劣化がみられなか

った.しかし,数%の電極では長時間の電圧印加(-9 V刻みで 0〜-45 V で各 1.5 時間)中に電極の一部で Y が

増加する領域が発生した(図 7).それに伴い,I-V 特性

も劣化することも確認した.本手法を用いると,電圧印

加の in-situ モニタリングが行えることを実証した. 図 6 自立 GaN 基板上に形成した縦型 Ni/n-GaN ショ

ットキー電極の電圧印加界面顕微光応答測定.

図 7 Ni/n-GaN 電極に対する近紫外光を用いた電圧印

加界面顕微光応答測定の Y 像.参考文献 9)の再構成,コ

ピーライト 2019 応用物理学会. 3・3 表面損傷の観察

一般に,ショットキー電極の特性は半導体表面の損傷

を敏感に反映するので,我々は本手法を欠陥評価にも適

応した.はじめに,イオン注入による損傷に着目した.

GaAs に対して Ga イオン,GaN,および SiC に対して

N イオンを選択注入した 3),10),11).注入領域は明確に Y 像

として可視化された(図 8(a)).注入により GaAs,GaNにおいては信号が増加し,SiC においては低下した.損

傷は材料によりキャリアの生成,または再結合中心とし

て働くことが示唆される.また,注入領域外に損傷は広

がっていないことも確認出来た(図 8(b)). 次にイオン注入よりもダメージの少ない,GaN 表面

をドライエッチングした場合に発生する欠陥を評価し

た例を図 9 に示す.n-GaN 表面を誘導結合プラズマ

( Inductively Coupled Plasma:ICP)により深さ 20 nm で選択エッチングを行った.そして,エッチングさ

図 8 選択イオン注入した領域を含むNi/n-GaN接触の

(a)Y 像と(b)破線部の Y のラインプロファイル.参

考文献 10)の再構成,コピーライト 2016 応用物理学会.

図 9 (a) 熱処理無し,および(b) 700℃,(c)800℃,

(d) 900℃熱処理後の選択 ICP エッチングした Pd/n-GaN ショットキー電極の Y 像.参考文献 12)の再構成,

コピーライト 2017 応用物理学会. れた部分を含むように Pd ショットキー接触を形成した12).エッチング領域で Y は 1.4 倍増加し,qBは 0.32 eV低下した.700 から 800 °C の熱処理により,大部分の

損傷は回復した. さらに損傷が少ないと考えられる中性ビームエッチン

グを用いて同様な実験を行った 13).GaN 表面を 20 nmエッチングした結果,Y の増加は ICP の場合より小さい

ものの,エッチングパターンを明瞭に観察した.このよ

うに本手法は表面欠陥を高感度に検出できることも実

証した. 3・4 半導体の結晶性,金属粒界の観察

本手法は半導体の結晶品質の評価に対しても有効で

ある.SiC は多種のポリタイプをもつが,3C-SiC は 4H-,6H-SiC のようにバルク結晶の成長が実現しておらず,

Si, 4H-,6H-SiC 基板上での成長を強いられる.我々は

4H-,又は 6H-SiC 基板上に成長した p-3C-SiC 上に Niショットキー電極を形成し結晶性を評価した 14),15).図

10 に示すように 3C-SiC 膜は数十μm 大のドメインで

埋め尽くされる構造をとっている.Y 像ではドメインの

形状,粒界が明瞭に現れた.粒界は低障壁な電極界面を

形成していることも示唆された.

さらに hがエネルギーバンドギャップに近い場合,基礎

吸収により電子―正孔対が生成され,大きな光電流が観

測される.この場合,信号は M/S 界面だけでなく空乏層

中の情報も含んでおり,観察対象を空間的に分離するこ

とも可能である.

3 界面顕微光応答法による 2 次元評価 3・1 熱劣化の観察 電極の信頼性において M/S 界面の反応は大きな役割

を果たす.本手法開発の黎明期に Au/Pt/Ti/n-GaAs ショ

ットキー電極の熱劣化の評価を行った 4).この構造は

GaAs 電界効果トランジスタのゲート電極として用い

られている.400° C の熱処理で,Pt が界面まで拡散し

PtAs2 が形成されたが,界面の均一性は保たれることが

2 次元測定により明らかになった.しかし,480-500° Cの熱処理後,I-V 特性が劣化し,電極周辺部に Y が増加

する領域がみられた.Au 原子が界面まで拡散し,相AuGa 合金が形成されることにより,低い qB を有し

た界面が形成されたと考えられる. この経験を活かしワイドバンドギャップ半導体に本

手法を応用した結果を示す.図 3 に示すように,Ni/n-SiC 電極では 400° C までは基本的に面内が均一な Y 像

が得られた.しかし,500° C 以上の熱処理で,部分的に

Y が増加し,界面反応を可視化することができた 5),6).

反応領域では qB が減少しており,熱劣化の機構が明ら

かになった.また,Au/Ni/n-GaN においては,電極表面

の傷が熱劣化を助長することも明らかにした. 一方,-Ga2O3ショットキーでは電極金属の違いによ

り,界面反応の進み方が異なることを明らかにした(図

4)7).Cu/Ti/-Ga2O3構造の場合,面内均一性を保ちな

がら反応が進んだ.Au/Ti/Pt/-Ga2O3の場合,電極の周

辺部で界面反応がはじまり,低障壁な相が形成された.

Cu/Ti/Fe/-Ga2O3の場合,電極周辺部から中心部に向け

て線状に信号が検出されない領域が伸長した.Fe の酸

化反応が著しく起こり,界面に空隙が形成されたと考え

られる.これらの結果は I-V 特性と対応しており,2 次

元評価が熱劣化の理解に大きく役立っていることが実

証出来た. 図 3 Ni/n-SiC の熱劣化評価.(a) 400℃,(b) 500℃,

(c)600℃アニール後の Y 像と(d)障壁高さ像.(e)および(f)は破線部の拡大像.参考文献 5)の再構成,コ

ピーライト 2015,応用物理学会.

図 4 400℃熱処理前後の-Ga2O3 ショットキー電極の

Y 像.(a) Cu/Ti/-Ga2O3,(b) Au/Ti/Pt/-Ga2O3,

(c) Cu/Ti/Fe/-Ga2O3.参考文献 7)の再構成,コピー

ライト 2019 John Wiley & Sons, Inc. 3・2 電圧印加による劣化の観察

ワイドバンドギャップ半導体材料の特長として大き

な絶縁破壊耐圧が挙げられる.通常,高電圧印加により

素子が完全に破壊されてしまうと故障解析が困難なた

め,我々は劣化の初期過程の観察に着目し,比較的低電

圧の印加実験を行った.Au/アモルファス In-Ga-Zu-O シ

ョットキー接触に 30 V の逆方向電圧を印加すると I-V特性が劣化した 8).図 5 に示すように,金属顕微鏡観察

では変化が観察できないが,界面顕微光応答法では電界

が集中する電極周辺部に Y の増加,qBの低下を検出し,

劣化箇所が特定できた. 図 5 30 V の逆方向電圧印加で劣化した In-Ga-Zu-Oショットキー接触の (a) 金属顕微鏡像,(b) Y 像,

および(c)障壁高さ像.参考文献 8)の再構成,コピーラ

イト 2017 John Wiley & Sons, Inc.

838 塩  島  謙  次

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我々の装置は-45 V までのバイアス電圧を印加しなが

ら光電流測定を行うことができる.自立 GaN 基板上に

形成した縦型Ni/n-GaNショットキー電極の評価にこの

機能を適応した(図 6)9).この試料において,大多数の

電極は 500 V 程度の破壊耐圧,均一な Y 分布が得られ,

-45 V までの長時間電圧印加でも全く劣化がみられなか

った.しかし,数%の電極では長時間の電圧印加(-9 V刻みで 0〜-45 V で各 1.5 時間)中に電極の一部で Y が

増加する領域が発生した(図 7).それに伴い,I-V 特性

も劣化することも確認した.本手法を用いると,電圧印

加の in-situ モニタリングが行えることを実証した. 図 6 自立 GaN 基板上に形成した縦型 Ni/n-GaN ショ

ットキー電極の電圧印加界面顕微光応答測定.

図 7 Ni/n-GaN 電極に対する近紫外光を用いた電圧印

加界面顕微光応答測定の Y 像.参考文献 9)の再構成,コ

ピーライト 2019 応用物理学会. 3・3 表面損傷の観察

一般に,ショットキー電極の特性は半導体表面の損傷

を敏感に反映するので,我々は本手法を欠陥評価にも適

応した.はじめに,イオン注入による損傷に着目した.

GaAs に対して Ga イオン,GaN,および SiC に対して

N イオンを選択注入した 3),10),11).注入領域は明確に Y 像

として可視化された(図 8(a)).注入により GaAs,GaNにおいては信号が増加し,SiC においては低下した.損

傷は材料によりキャリアの生成,または再結合中心とし

て働くことが示唆される.また,注入領域外に損傷は広

がっていないことも確認出来た(図 8(b)). 次にイオン注入よりもダメージの少ない,GaN 表面

をドライエッチングした場合に発生する欠陥を評価し

た例を図 9 に示す.n-GaN 表面を誘導結合プラズマ

( Inductively Coupled Plasma:ICP)により深さ 20 nm で選択エッチングを行った.そして,エッチングさ

図 8 選択イオン注入した領域を含むNi/n-GaN接触の

(a)Y 像と(b)破線部の Y のラインプロファイル.参

考文献 10)の再構成,コピーライト 2016 応用物理学会.

図 9 (a) 熱処理無し,および(b) 700℃,(c)800℃,

(d) 900℃熱処理後の選択 ICP エッチングした Pd/n-GaN ショットキー電極の Y 像.参考文献 12)の再構成,

コピーライト 2017 応用物理学会. れた部分を含むように Pd ショットキー接触を形成した12).エッチング領域で Y は 1.4 倍増加し,qBは 0.32 eV低下した.700 から 800 °C の熱処理により,大部分の

損傷は回復した. さらに損傷が少ないと考えられる中性ビームエッチン

グを用いて同様な実験を行った 13).GaN 表面を 20 nmエッチングした結果,Y の増加は ICP の場合より小さい

ものの,エッチングパターンを明瞭に観察した.このよ

うに本手法は表面欠陥を高感度に検出できることも実

証した. 3・4 半導体の結晶性,金属粒界の観察

本手法は半導体の結晶品質の評価に対しても有効で

ある.SiC は多種のポリタイプをもつが,3C-SiC は 4H-,6H-SiC のようにバルク結晶の成長が実現しておらず,

Si, 4H-,6H-SiC 基板上での成長を強いられる.我々は

4H-,又は 6H-SiC 基板上に成長した p-3C-SiC 上に Niショットキー電極を形成し結晶性を評価した 14),15).図

10 に示すように 3C-SiC 膜は数十μm 大のドメインで

埋め尽くされる構造をとっている.Y 像ではドメインの

形状,粒界が明瞭に現れた.粒界は低障壁な電極界面を

形成していることも示唆された.

さらに hがエネルギーバンドギャップに近い場合,基礎

吸収により電子―正孔対が生成され,大きな光電流が観

測される.この場合,信号は M/S 界面だけでなく空乏層

中の情報も含んでおり,観察対象を空間的に分離するこ

とも可能である.

3 界面顕微光応答法による 2 次元評価 3・1 熱劣化の観察 電極の信頼性において M/S 界面の反応は大きな役割

を果たす.本手法開発の黎明期に Au/Pt/Ti/n-GaAs ショ

ットキー電極の熱劣化の評価を行った 4).この構造は

GaAs 電界効果トランジスタのゲート電極として用い

られている.400° C の熱処理で,Pt が界面まで拡散し

PtAs2 が形成されたが,界面の均一性は保たれることが

2 次元測定により明らかになった.しかし,480-500° Cの熱処理後,I-V 特性が劣化し,電極周辺部に Y が増加

する領域がみられた.Au 原子が界面まで拡散し,相AuGa 合金が形成されることにより,低い qB を有し

た界面が形成されたと考えられる. この経験を活かしワイドバンドギャップ半導体に本

手法を応用した結果を示す.図 3 に示すように,Ni/n-SiC 電極では 400° C までは基本的に面内が均一な Y 像

が得られた.しかし,500° C 以上の熱処理で,部分的に

Y が増加し,界面反応を可視化することができた 5),6).

反応領域では qB が減少しており,熱劣化の機構が明ら

かになった.また,Au/Ni/n-GaN においては,電極表面

の傷が熱劣化を助長することも明らかにした. 一方,-Ga2O3ショットキーでは電極金属の違いによ

り,界面反応の進み方が異なることを明らかにした(図

4)7).Cu/Ti/-Ga2O3構造の場合,面内均一性を保ちな

がら反応が進んだ.Au/Ti/Pt/-Ga2O3の場合,電極の周

辺部で界面反応がはじまり,低障壁な相が形成された.

Cu/Ti/Fe/-Ga2O3の場合,電極周辺部から中心部に向け

て線状に信号が検出されない領域が伸長した.Fe の酸

化反応が著しく起こり,界面に空隙が形成されたと考え

られる.これらの結果は I-V 特性と対応しており,2 次

元評価が熱劣化の理解に大きく役立っていることが実

証出来た. 図 3 Ni/n-SiC の熱劣化評価.(a) 400℃,(b) 500℃,

(c)600℃アニール後の Y 像と(d)障壁高さ像.(e)および(f)は破線部の拡大像.参考文献 5)の再構成,コ

ピーライト 2015,応用物理学会.

図 4 400℃熱処理前後の-Ga2O3 ショットキー電極の

Y 像.(a) Cu/Ti/-Ga2O3,(b) Au/Ti/Pt/-Ga2O3,

(c) Cu/Ti/Fe/-Ga2O3.参考文献 7)の再構成,コピー

ライト 2019 John Wiley & Sons, Inc. 3・2 電圧印加による劣化の観察

ワイドバンドギャップ半導体材料の特長として大き

な絶縁破壊耐圧が挙げられる.通常,高電圧印加により

素子が完全に破壊されてしまうと故障解析が困難なた

め,我々は劣化の初期過程の観察に着目し,比較的低電

圧の印加実験を行った.Au/アモルファス In-Ga-Zu-O シ

ョットキー接触に 30 V の逆方向電圧を印加すると I-V特性が劣化した 8).図 5 に示すように,金属顕微鏡観察

では変化が観察できないが,界面顕微光応答法では電界

が集中する電極周辺部に Y の増加,qBの低下を検出し,

劣化箇所が特定できた. 図 5 30 V の逆方向電圧印加で劣化した In-Ga-Zu-Oショットキー接触の (a) 金属顕微鏡像,(b) Y 像,

および(c)障壁高さ像.参考文献 8)の再構成,コピーラ

イト 2017 John Wiley & Sons, Inc.

839IoT 社会の発展を支える半導体技術の新展開 3.界面顕微光応答法によるワイドバンドギャップ材料・電極界面の2 次元評価

11-2020-0038-(p.837-842).indd 839 2020/09/16 16:36:27

ローブ先端が接触する数個の粒子からしか信号が検出

されない.塗布回数を 4 回にすると(図 13(b)),電極

周辺部にまで接続が行われたことをマッピング測定で

明らかにした. 3・5 S/S,および MIS 界面への応用

最後に,測定対象のサンプルの構造的広がりについて

述べる.これまでは M/S 界面の実験結果を示してきた

が,界面にエネルギーの不連続があり,内部電界が存在

するかぎり,S/S 界面でも光電流は検出されるはずであ

る.我々は SBA(surface-activated bonding)により接

合界面を形成した p+-Si/n—SiC 構造のヘテロ接合 pn ダ

イオードの評価を行った(図 14(a))19).PR スペクト

ルはショットキー接触の場合と同様に,Y1/2 vs. hνプロ

ットにおいて直線関係を示し,1.34 eV のしきい値エネ

ルギーが求められた.Y 像においては,原子間力顕微鏡

像で観察された SiC 表面の研磨痕,ステップバンチング

に対応するパターンが明瞭にみられた.これらの nm ス

ケールオーダーの表面構造の変化を鮮明に評価できる

ことを実証した. さらに MIS 構造においては,低温スパッタ法で絶縁膜

を形成した Ni/ SiNx /n-SiC ダイオードに,+30 V まで

の順方向電圧印加を行い,劣化過程を評価した(図 15)20).図 16 に示すように,電圧印加前,電極は平坦で,レ

ーザ光により励起された金属中の電子は SiNx 膜による

エネルギー障壁を越えられず,界面をキャリアが横切る

真電流は観測されない.この場合,変位電流のみが観測

された.電圧印加後は,SiNx膜の一部が破壊され,大き

な真電流が破壊部で観測された.このように本手法はヘ

テロ接合,MIS 構造においても有効であることが示され

た.

図 14 p+-Si/n—SiC ヘテロ接合の評価.(a)試料構造,

(b) n—SiC 表面の原子間力顕微鏡像,(c) p+-Si/n—

SiC 界面の Y 像.参考文献 19)の再構成,コピーライト

2016 応用物理学会.

図 15 Ni/ SiNx /n-SiC MIS ダイオードの構造図.

図 16 30 V 電圧印加(a)前,および(b)後の Ni/ SiNx /n-SiC MIS ダイオードの金属顕微鏡像,および Y 像.

参考文献 20)の再構成,コピーライト 2019 応用物理学

会.

4 結 論 約 30 年前に我々は界面顕微光応答法を発案し,黎明

期は Si,GaAs ショットキー電極の評価に従事していた.

近年はワイドバンドギャップ半導体の出現により測定

対象を拡大している(図 17).2 次元評価はともすれば

よりミクロな,より高分解能な測定が求められるが,デ

バイス全体が見渡せるマクロな評価も必要であること

を主張したい.本手法がデバイス開発の役に立つだけで

なく,基礎物性の理解にも貢献することを願う. 図 17 界面顕微光応答法による我々のこれまでの実証範

囲.

(a)

(b) (c)

図 10 3C-SiC/4H-SiC 上に形成した Ni 電極表面の(a)金属顕微鏡像,および(b)Y 像.参考文献 14)の再構成,

コピーライト 2017 応用物理学会. 次 に , AlGaN/GaN High-Electron-Mobility

Transistor (HEMT)ウエハーの評価例を示す.これま

でに AlGaN/GaN HEMT 構造は格子不整合,および熱

膨張係数の差が小さいことからサファイア,SiC 基板上

に結晶成長が行われてきた.近年は大口径,低コストの

観点から Si 基板上の成長も盛んに開発されている.し

かし,結晶性はサファイア,SiC 基板上ウエハーに比べ

て劣る.図 11 は AlGaN/GaN HEMT 構造エピウエハー

上に形成した Ni 電極の顕微鏡像,および界面顕微光応

答像である 16).オン Si 基板によくみられるクラック,

異常成長領域が Y 像で検出された.

図 11 AlGaN/GaN/Si 基板 HEMT 構造上に形成した

Ni 電極の金属顕微鏡像と Y 像;(a) 欠陥無し,(b) クラックを含む,(c)異常成長領域を含む.参考文献 16)の再構成,コピーライト 2018 応用物理学会.

また,ショットキーダイオードにおいては,GaN 自立

基板の普及に伴い低キャリア濃度厚膜ドリフト層の成

長が可能となり,高耐圧縦型素子の開発が進んでいる.

Si ドナーと結晶成長中に混入する C アクセプターとの

補償で,キャリア濃度の制御が課題となっている.図 12(a)は GaN ドリフト層表面の顕微鏡像で,自立基板独

特の波状の表面モフォロジーがみられた.キャリア濃度

が 1015 cm-3台と低い場合,この上に形成した Ni 電極の

Y 像に GaN 表面と同じパターンがみられた(図 12(b)).GaN 表面のオフ角により C 混入量が変化し,高抵抗領

域が形成されたものと考えられる.通常,高抵抗層の評

価は困難であるが,本手法は 2 次元的に明らかにした. 一方,電極形成に目を向けると,一般的に蒸着法,ス

パッタ法,化学気相成長法が用いられ,均一な金属膜が

形成されている.しかし,近年,安価で,真空技術を用

いず,大面積な電極形成が可能な印刷法が注目されてい

る.我々は Ag ナノインクを用いた印刷法で GaN 上に

ショットキー電極を形成し,均一性を評価した 18).図 13(a)に示すように n-GaN 上層に Ag ナノインクを 1 回

塗布しただけでは,大きな表面張力のため数十μm 大の

粒子に分かれてしまう.それぞれの粒子は電気的にも繋

がっていないので,界面顕微光応答測定においてはプ 図 12 自立 GaN 基板上に成長した低キャリア n-GaN ド

リフト層に堆積した Ni 電極の(a)顕微鏡像,および(b)

Y 像.参考文献 17)の再構成,コピーライト 2018 John Wiley & Sons, Inc.

図 13 Ag ナノインクを n-GaN 上に印刷法により(a)1 回,または 4 回塗布して形成した電極の金属顕微鏡像,

および Y 像.参考文献 18)の再構成,コピーライト 2018応用物理学会.

840 塩  島  謙  次

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ローブ先端が接触する数個の粒子からしか信号が検出

されない.塗布回数を 4 回にすると(図 13(b)),電極

周辺部にまで接続が行われたことをマッピング測定で

明らかにした. 3・5 S/S,および MIS 界面への応用

最後に,測定対象のサンプルの構造的広がりについて

述べる.これまでは M/S 界面の実験結果を示してきた

が,界面にエネルギーの不連続があり,内部電界が存在

するかぎり,S/S 界面でも光電流は検出されるはずであ

る.我々は SBA(surface-activated bonding)により接

合界面を形成した p+-Si/n—SiC 構造のヘテロ接合 pn ダ

イオードの評価を行った(図 14(a))19).PR スペクト

ルはショットキー接触の場合と同様に,Y1/2 vs. hνプロ

ットにおいて直線関係を示し,1.34 eV のしきい値エネ

ルギーが求められた.Y 像においては,原子間力顕微鏡

像で観察された SiC 表面の研磨痕,ステップバンチング

に対応するパターンが明瞭にみられた.これらの nm ス

ケールオーダーの表面構造の変化を鮮明に評価できる

ことを実証した. さらに MIS 構造においては,低温スパッタ法で絶縁膜

を形成した Ni/ SiNx /n-SiC ダイオードに,+30 V まで

の順方向電圧印加を行い,劣化過程を評価した(図 15)20).図 16 に示すように,電圧印加前,電極は平坦で,レ

ーザ光により励起された金属中の電子は SiNx 膜による

エネルギー障壁を越えられず,界面をキャリアが横切る

真電流は観測されない.この場合,変位電流のみが観測

された.電圧印加後は,SiNx膜の一部が破壊され,大き

な真電流が破壊部で観測された.このように本手法はヘ

テロ接合,MIS 構造においても有効であることが示され

た.

図 14 p+-Si/n—SiC ヘテロ接合の評価.(a)試料構造,

(b) n—SiC 表面の原子間力顕微鏡像,(c) p+-Si/n—

SiC 界面の Y 像.参考文献 19)の再構成,コピーライト

2016 応用物理学会.

図 15 Ni/ SiNx /n-SiC MIS ダイオードの構造図.

図 16 30 V 電圧印加(a)前,および(b)後の Ni/ SiNx /n-SiC MIS ダイオードの金属顕微鏡像,および Y 像.

参考文献 20)の再構成,コピーライト 2019 応用物理学

会.

4 結 論 約 30 年前に我々は界面顕微光応答法を発案し,黎明

期は Si,GaAs ショットキー電極の評価に従事していた.

近年はワイドバンドギャップ半導体の出現により測定

対象を拡大している(図 17).2 次元評価はともすれば

よりミクロな,より高分解能な測定が求められるが,デ

バイス全体が見渡せるマクロな評価も必要であること

を主張したい.本手法がデバイス開発の役に立つだけで

なく,基礎物性の理解にも貢献することを願う. 図 17 界面顕微光応答法による我々のこれまでの実証範

囲.

(a)

(b) (c)

図 10 3C-SiC/4H-SiC 上に形成した Ni 電極表面の(a)金属顕微鏡像,および(b)Y 像.参考文献 14)の再構成,

コピーライト 2017 応用物理学会. 次 に , AlGaN/GaN High-Electron-Mobility

Transistor (HEMT)ウエハーの評価例を示す.これま

でに AlGaN/GaN HEMT 構造は格子不整合,および熱

膨張係数の差が小さいことからサファイア,SiC 基板上

に結晶成長が行われてきた.近年は大口径,低コストの

観点から Si 基板上の成長も盛んに開発されている.し

かし,結晶性はサファイア,SiC 基板上ウエハーに比べ

て劣る.図 11 は AlGaN/GaN HEMT 構造エピウエハー

上に形成した Ni 電極の顕微鏡像,および界面顕微光応

答像である 16).オン Si 基板によくみられるクラック,

異常成長領域が Y 像で検出された.

図 11 AlGaN/GaN/Si 基板 HEMT 構造上に形成した

Ni 電極の金属顕微鏡像と Y 像;(a) 欠陥無し,(b) クラックを含む,(c)異常成長領域を含む.参考文献 16)の再構成,コピーライト 2018 応用物理学会.

また,ショットキーダイオードにおいては,GaN 自立

基板の普及に伴い低キャリア濃度厚膜ドリフト層の成

長が可能となり,高耐圧縦型素子の開発が進んでいる.

Si ドナーと結晶成長中に混入する C アクセプターとの

補償で,キャリア濃度の制御が課題となっている.図 12(a)は GaN ドリフト層表面の顕微鏡像で,自立基板独

特の波状の表面モフォロジーがみられた.キャリア濃度

が 1015 cm-3台と低い場合,この上に形成した Ni 電極の

Y 像に GaN 表面と同じパターンがみられた(図 12(b)).GaN 表面のオフ角により C 混入量が変化し,高抵抗領

域が形成されたものと考えられる.通常,高抵抗層の評

価は困難であるが,本手法は 2 次元的に明らかにした. 一方,電極形成に目を向けると,一般的に蒸着法,ス

パッタ法,化学気相成長法が用いられ,均一な金属膜が

形成されている.しかし,近年,安価で,真空技術を用

いず,大面積な電極形成が可能な印刷法が注目されてい

る.我々は Ag ナノインクを用いた印刷法で GaN 上に

ショットキー電極を形成し,均一性を評価した 18).図 13(a)に示すように n-GaN 上層に Ag ナノインクを 1 回

塗布しただけでは,大きな表面張力のため数十μm 大の

粒子に分かれてしまう.それぞれの粒子は電気的にも繋

がっていないので,界面顕微光応答測定においてはプ 図 12 自立 GaN 基板上に成長した低キャリア n-GaN ド

リフト層に堆積した Ni 電極の(a)顕微鏡像,および(b)

Y 像.参考文献 17)の再構成,コピーライト 2018 John Wiley & Sons, Inc.

図 13 Ag ナノインクを n-GaN 上に印刷法により(a)1 回,または 4 回塗布して形成した電極の金属顕微鏡像,

および Y 像.参考文献 18)の再構成,コピーライト 2018応用物理学会.

841IoT 社会の発展を支える半導体技術の新展開 3.界面顕微光応答法によるワイドバンドギャップ材料・電極界面の2 次元評価

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本研究を進めるにあたり,有意義な議論,および測定

試料のご提供を頂いた,法政大学・三島友義教授,太

田博氏,(株)サイオクス・堀切文正氏,名古屋工業大

学・加藤正史准教授,大阪市立大学・重川直輝教授,

東北大学・末光哲也教授,寒川誠二教授,(株)

FLOSFIA®・四戸孝氏,神原仁志氏,大阪大学・藤原康

文教授,大阪産業技術研究所・柏木行康氏,NLT テク

ノロジー(株)・竹知和重氏,大陽日酸(株)・松本功氏,

山岡優哉氏,新日本無線(株)・新井学氏,北見工大・武

山真弓教授,並びに,本手法の発案者である東京都立

産業技術センター・奥村次徳理事長に感謝する. また,本研究の一部は日本学術振興会科研費(基盤研

究(C)18K04228)の助成を受けた.

参 考 文 献 1) T. Okumura and K. Shiojima, "Scanning Internal-Photoemission

Microscopy: New Mapping Technique to Characterize Electrical Inhomogeneity of Metal-Semiconductor Interface," Japanese Journal of Applied Physics, vol. 28, pp. L1108-L1111, (1989).

2) K. Shiojima and T. Okumura, "Improvement in Spatial Resolution of Infrared Scanning Internal-Photoemission Microscope," Japanese Journal of Applied Physics, vol. 30, pp. 2127-2128, (1991).

3) K. Shiojima and T. Okumura, "Mapping Evaluation of Damage Effect on Electrical Properties of GaAs Schottky contacts," Journal of Crystal Growth, vol. 103, pp. 234-242, (1990).

4) K. Shiojima and T. Okumura, "Mapping Evaluation of Inhomogeneity Degraded Au/Pt/Ti Contacts to GaAs" Proceedings of IEEE, 29th International Reliability Physics Symposium, in Las Vegas, p. 234, April (1991).

5) K. Shiojima, S. Yamamoto, Y. Kihara, and T. Mishima, “Nondestructive imaging of buried interfaces in SiC and GaN Schottky contacts using scanning internal photoemission microscopy,” Applied Physics Express, vol. 8, pp. 046502-1- 046502-4, (2015).

6) S. Yamamoto, Y. Kihara and K. Shiojima, “Mapping of inhomogeneity and thermal degradation of Au/Ni/n-GaN Schottky diodes using scanning internal photoemission microscopy,” physica status solidi (b), vol. 252, No. 5, pp. 1017–1023, (2015).

7) K. Shiojima, H. Kambara, T. Matsuda, T. Shinohe, “Mapping the interfacial reaction of α-Ga2O3 Schottky contacts through scanning internal photoemission microscopy,” Thin Solid Films, vol. 685, p.p. 17-25, (2019).

8) K. Shiojima and M. Shingo, “Mapping of Au/a-IGZO Schottky contacts by using scanning internal photoemission microscopy,” physica status solidi B, 254, No. 2, p.p. 1600587-1600591, (2017).

9) K. Shiojima, M. Maeda, and T. Mishima, “Scanning internal photoemission microscopy measurements of n-GaN Schottky contacts under applying voltage,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 58, SCCD02-1-SCCD02-7, (2019).

10) K. Shiojima, S. Murase, S. Yamamoto, T. Mishima, and T. Nakamura, “Two-dimensional characterization of ion-implantation damage in GaN Schottky contacts using scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 55, pp. 04EG05-1-04EG05—4, 2016.

11) S. Murase, T. Mishima, T. Nakamura, K. Shiojima, “Mapping of ion-implanted n-SiC Schottky contacts using scanning internal photoemission microscopy,” Materials Science in Semiconductor Processing, vol 70, p.p. 86-91, November (2017).

12) A. Terano, H. Imadate, and K. Shiojima, “Mapping etching induced damages on GaN surfaces using scanning internal photoemission microscopy,” Materials Science in Semiconductor Processing, vol. 70, p.p. 92-98. November (2017).

13) K. Shiojima, T. Suemitsu, T. Ozaki, and S. Samukawa, “Mapping of damage induced by neutral beam etching on GaN surfaces using scanning internal photoemission microscopy,”

Japanese Journal of Applied Physics, vol. 58, SCCD13-1- SCCD13-5, (2019).

14) K. Shiojima, M. Shingo, N. Ichikawa, and M. Kato, “Two-dimensional characterization of 3C-SiC layers using scanning internal photoemission microscopy: Mapping of electrical characteristics and crystal quality in domain boundary regions,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 56, pp. 04CR06-1-04CR06-4, (2017).

15) K. Shiojima, N. Mishina, N. Ichikawa, and M. Kato, “Observations of inhomogeneity of 3C-SiC layers grown on 6H-SiC substrates by using scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 57, 04FR06-1-04FR06-4, (2018).

16) K. Shiojima, H. Konishi, H. Imadate, Y. Yamaoka, K. Matsumoto, and T. Egawa, “Defect observations of Ni/AlGaN/GaN Schottky contacts on Si substrates using scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 57, p.p. 04FG07-1-04FG07-5, (2018).

17) K. Shiojima, T. Hashizume, F. Horikiri, T. Tanaka, and T. Mishima, “Mapping of n-GaN Schottky contacts with wavy surface morphology using scanning internal photoemission microscopy,” physica status solid B, vol. 255, p.p. 1700480- 1700486, (2018).

18) K. Shiojima, Y. Kashiwagi, T. Shigemune, A. Koizumi, T. Kojima, M. Saitoh, T. Hasegawa, M. Chigane, and Y. Fujiwara, “Effect of surface treatment of printed Ag Schottky contacts on n-GaN epitaxial layers using Ag nanoink: Two dimensional characterization by scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 57, p.p. 07MA01-1-07MA01-5, (2018).

19) M. Shingo, J. Liang, N. Shigekawa, M. Arai, and K. Shiojima, “Mapping of Si/SiC p–n heterojunctions using scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 55, pp. 04ER15-1-04ER15-4, (2016).

20) K. Shiojima, T. Hashizume, M. Sato, and M. B. Takeyama, “Mapping of a Ni/SiNx/n-SiC structure using scanning internal photoemission microscopy,” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 58, SBBC02-1-SBBC02-6, (2019).

21) R. H. Fowler, “The analysis of photoelectric sensitivity curves for clean metals at various temperatures,” Physical Review, vol. 38, pp. 45–56, (1931).

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