NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output...

17
This document is downloaded at: 2020-05-31T00:14:38Z Title 園児集団においてのランキングとリーダー Author(s) 鳥居, 正夫; 浜田, シズ; 川上, 鈴子; 田中, 富貴枝 Citation 人文科学研究報告, 8, pp.11-23; 1958 Issue Date 1958-03-25 URL http://hdl.handle.net/10069/31952 Right NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

Transcript of NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output...

Page 1: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

This document is downloaded at: 2020-05-31T00:14:38Z

Title 園児集団においてのランキングとリーダー

Author(s) 鳥居, 正夫; 浜田, シズ; 川上, 鈴子; 田中, 富貴枝

Citation 人文科学研究報告, 8, pp.11-23; 1958

Issue Date 1958-03-25

URL http://hdl.handle.net/10069/31952

Right

NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE

http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp

Page 2: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

園児集団においての

ランキングとリーダー

付属幼稚園 浜

全全

居田上

正シ鈴

夫ズ子

田中富貴枝

 本年度入園(1年保育)児の社会的行動について、われわれは4

月以来研究をつづけてきたが、だんだんと観察の焦点はリーダーと

ラγキγグにしぼられてきた。第2学期末ひとつの実験を試みた。

それは観察集績の総決算的仕事をしてくれた。この集団の社会的構

造が浮び上り、各園児の位置や役割が照らし出されて、りーダーの

活躍やラγキングの形成が精細にうつし出された。ここにその実験

を中心とした報告をまとめあげたのである。

 (文中幼児名は出生順位の序数であらわしている。表2、表3参

 照。赤門はゴヂツク、女児は数字を青組は○でかこみ、赤門は白

抜きとした。)

実  験  日  時”1957・12・14(土)晴9・30-10・37

実 験 対 象”全園児(2組)。欠席者をのぞく。

計画・討議・整理“鳥居、浜田、川上、田中

原 稿 執 筆”全般・鳥居、諸資料・川上、田中、鳥居

実験時分担…実験具(三輪車)の場記録・田中、他の場の記

         録・川上、全般観察・浜田、8mm35mm撮影

         ・鳥居

1

実験前の歴史的状況

 4月は不安と緊張の時期だつた。なかまに入らないこどもが7、

8名いた。これには気性がはげしく自己が強いためと気の弱いため

とあり、その後しだいに社会化されてゆき、2ケ月ぐらいまでには

くはなれごVは消失したが、しかし現在でもその性格はなにかのか

たちで残っている。赤組ナγバー・ワンの38、同組でかれとならぶ

乱暴さをもつ42、女児第1位の⑪などが前者の部類に入るが、いま

もまだなかまから孤立している。後者に属する16・24・⑧・㊥など

は、かわらずおとなしい。

 全園の第一人者4ははじめから活発だつた。約半数がすでに園生

活の経験者(2年保育・3年保育からの転入)であった関係もあろ

うが、1、2週間立つうちに、大多数の者は元気に遊び出した。い

ま青組のラγキγグ6位の15はあばれまわり、置引29bこの21の粗

             暴ぶりもめだってきた。

計女男

∩∪=」  8じ∂  8nU

4    つ0    71

7n∠  じ0∩∠  ∩∠4

1     1     り0

000Q  り000  貧∪ρ0

∩∠    ワム   4

数数数数数数

一席籍席籍席

在欠 在欠在欠

 働

組担

 諭

 教

青三盆

組細

駆動

四二㎝

韻噸数縮硫糀舗熟L表

 5月6月は争斗の期闇であり、毎日

けんかがたえまなく起つた。強い子、

弱い子があらわれてきた。ラγキγグ

確定前のニホγザルやウサギの社会を

想い起させる。 (今西錦司編『日本動

物記』些些伊谷純[郎「高崎山のサ

ル」河合雅雄「飼いウサギ」参照)こ

れとともに女児の餌鳥からの分離が起

り、女の児だけであそぶ傾向が起って

きた。

 6月末ごろから幼児たちが頭にいた

だこうとする者がでてきた。18・42の

一11一

Page 3: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

姓がこどもたちのあつまりの中から聞えた。前者は全国的に有名な

カステーラの老舗の長男であり、後者はタクシー屋の長男で、いつ

れも自動車で送り迎えされていた(後からはやめてもらったが)こ

とが、幼児たちの尊敬をえたと思われる。がむしゃらの気ま、ぶり

を発輝する55も園長のこども(長男)ということで一目は置かれて

いた。

 夏休みに入る7月中旬にかけてこれらの者はひっこんで、こども

の世界での実力者が登場してきた。青組の肛、赤々の瞼などで、け

んかに強い腕力での最高者である。しかし一方7月ごろからけんか

の仲裁行為がさかんにみられた。げんざい園のリーダーである4の

姓が口にされだしたのもそのころからで、たしかにその点では彼は

もっともきわだっていて、われわれの目をもひいた。

 9月10月ではボス的な現象がみられた。ボスとその一味ができ

た。年長の青組の強者の聞にラγキγグが作られてきた。もっとも

験欠

実話

通到刻

をのン

組てキ

両じン

 グ

ンン

ラキ

 併

同齢

 両

順こ計

いつ序

強ごの

ウ位

モス順

位順生出組

一一一一一 一一一 一

欠一刻= 一欠一十一

 遅

一10169一=一=3一 一87=2=

列列     列列列

参宮714 10参参参9

不不    不不不

列 列

参12参36

不不

列  定

参85確一3

不  末

 列

211参

 不

61911110 四204017欠 21121858

22

X715外

   列

2遅欠

4箇1019 7162011欠 18121335 17861519 2遅欠

17651 29153 87208

   1 1 211 11 1

15223位14

  上

42019

4   【」,

勧”””

〃6〃〃〃 〃11〃7〃 81111”” 119”

〃〃〃〃〃  〃〃鱒厚〃〃   〃〃〃〃〃   〃〃〃

12345 67890 12345

67890 123

11112 222

=欠=

一= 欠=一欠 一=一一 一一

一 =

=11 一=一4 =一5一

列列

参参【76

不不

列列      列

一応参59、=参41

不不    不

      列

38一2一 一参一

      不

29S1

Q3R0Q5

@3338371626 2732欠284 131439334 363135

819外910

 列

倶171356 1115欠73 4218116 12遅20

2=6【 =一4一5=1

3=  一 一=

〃〃〃0〃 11〃〃1〃 21”11”

            

1111〃11〃 ”〃”11” ノ7 

             アドア

           酢

           日

45678 90123 45678

22222 23333 33333

””112” ”-””

舳厚〃〃〃〃   〃〃〃

90123 456

34444 444

 おの   い

 てど。 て

 つんた  し

 かとし・脱

 わほ定いを

 いは推な域

 た方”しの

 淋のだ定定

 だ画名二十

 て赤数がだ

 し。。グま

 をたいン在

 ウめなキ現

 モきらンは

 スてかう下

 かせわめ以

 回らでた番

 何とのの数

 来後い障は

 以験な故て

 園実し期い

 入門て一つ

 はだつのに

鷺鷺野

騨鷲弊

児男)   ))

 イ   ロハ

ロ く      くく

2考

表備  

     ㌔

スり者19ラ獄糊

       ω 為し場欠きゆに.

耽輸陸幽26獣とのてつご順い強ゆ

一枢一

Page 4: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

昏怠

民訴

順こ列

いつ序

強この

か位

んけ順位順良出組

=一一一一 一欠== 一=一欠

一3

X2-43121075111欠4681516

354782 952610 63417

4”〃”511 6〃〃71111 8719””

 

ρ0’ノ’ノノ  ,ノ’,ノノ  〃〃〃〃〃

 ド ア ノノ ノ    ノ ド ダ ド  

静日①②③④⑤⑥ ⑦⑧⑨⑩⑪⑫ ⑬⑭⑮⑯⑰

一一欠一一一 一一=一一 一一欠

786133 592244 501

962115 834752 043

’0’-り乙,

,-,11,

〃〃〃〃〃〃

-   

 り4り0’

 ’  ノ        7

7’,ノ’〃

  ノ ドド

昏日

〃〃〃

〃〃〃

⑳⑲⑳⑳㊧㊥ ⑳㊥⑳@㊥㊥ ⑳.④㊥

 た

 し

 し

 随

 は

 灘

下柳.

年少組では58が暴威をふるうだけでついてゆく者はなかった。あそ

びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見

学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな

立っている光景に引率者は驚きの目を見張つた。1学期にはもちろ

んなかったことである。

 11月ごろからボス的なものが影をうすめて、りーダー的なものに

かわってきた。自分勝手なきま、をする専制者についてゆくものは

減ってゆく。あらそいに対して判決を下して裁き、弱い者の正しさ

をもみとみて彼の場所を保ってやる。みんなの世話をし、りードす

る。リーダーがいるとあそびもたのしい。みんなをあつめて、新しい

あそびを考え出し、おもしろい集団あそびができる。ボス的性格を

脱しきれない21などをおさえて、4がクラスの最有力者に上ってき

さん」、 「Yiさん」と呼ぶ。

あるが、 「9・35i⑪のものを7がなぶった。

が近くにいた関係もあろうが。10・131⑪21にもんくいう。21だ

まって下をむいている。」の記録がある。1学期には女子の強いも

ので数人以上(⑪、③、⑳、⑫、@など)は男子のおとなしい子と

けんかして負かしていた。㊧・㊥は男子とつかみあいをした。だが

このごろでは男子とのけんかは、しかけられて立つ受身である。

20、28などが女の児を泣かすと女児のこれらの上位者がつっかかっ

ていってあらそいとなる。そこまでは行ってもはげしいけんかとな

ると泣かされてしまう。

 12月末までに青組では10番目ぐらいまでのうγキγグがだいたい

推定できるようになった。赤軍でも数名の強者がいるが、1番[をの

ぞいてはその順位は確認できなかった。両組を通じてのうγキγグ

たひ4をリーダーとするグループの勢力は増し

彼が青組のリーダーの位置を占めたのは、11月

末ごろだったろう。年長組にラγキγグができ

あがった。4につゴく数人の上位者の顔ぶれが

われわれにも平常観察できるようになった。、強

弱がわかるにつれて、そしてラγキγグができ

るに応じてけんかの数は急激に減ってきた。け

んかが起つたとなると、はげしいものになった。

 12月になると4は女児からも容認され、つづ

いて両組を通じての全園児のりーダーとしてあ

おがれるようになった。相手の女の児の髪をひ

つばりまわすほどのはげしいたたかいをして断

然女軍で衆を圧している⑪は男児ともけんかす

るが、4にはさからわず、「Y一(4の性)

      これは実験後の12月21日のことで

             ⑪7をたたく。4

一13

Page 5: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

になると、実験前は未知数であったと言ってよい。

 こんどの三輪車提出に類するようなケースは、11月23日の、不ツト

・クライミツグの施設だろう。男児の上位者がはじめの間独占して

あそぶ風がみられた。女子はあとまわしになった。同日2台の木馬

も入った。男児が女児を圧倒しているので、それぞれ一頭つつあて

がったが、この区別はわりあいよく守られに。4が「ならべ」と言

って列をつくらせた。そばに強い連中がもう集っていた関係もあっ

たが、ラγキγグが出た。強いのは順列に割りこんだが、もんくを

言われなかった。この遊具が園児たちにとっては幼稚すぎることも

あって、できごとは静かに行われた。21は寄りつかず、4も乗りは

しなかった。当園では遊且ハ施設がわりあいに多いためだろうか、順

番をひどくけんかしてあらそうというような場面はこれまでみられ

なかったし、遊具を使用してのあそびのときは1列にならぶという

しつけもほとんどやったことがなかった。この指導強化の必要を感

じさせたのは、三輪車の場合だつた。

 12月10日 12台の三輪車が等分して与えられた。男児は青、女児

は赤と車軸が色分けされ、青組赤組もハンドル軸の色でそれぞれ区

別された。交代して乗るように注意もされた。けれども男児の強者

(青組の上位)が他の組や女児のをおかして乗り、だんだん侵入は

ひろがって行った。とくに数番目ぐらいまでの上位者はほかの者と

かわろうとせず、青組の4・21、赤.組の38などはいつまでも乗り廻

していた。男児ほどでないにしても、女児の大部分も乗ってみたい

のだ。まして男児になると、たとえ家庭にはもっていても乗り廻し

たくてたまらないのだ。しかしこれらのこどもたちはうらやましそ

うに立ってみていたり、あるいは他のあそびをしている。ネット・

クライミγグに上った赤組の数人がかたまって自分にちの組の車を

みてかる。ブラγコの連中はゆられながら三輪箪をみている。それ

不一1-1ーー1-lI一ε寸ぐllIIーーー1-1-1-l111

]1」」「」 「コ」

 ブランコ

ζハシ、ラ媚

   ”

図取

◎麟

    卿

  囲鴇

    ネ

塀  此

見庭園L園

甥乞

藁負童

量組系

垂組青

基.戯遊

引} }} ㎝皿皿㎞一…ロ…一㎝一一陣

でも女児は早くからあきらめて、ほかのあそびにふけり、男の児た

ちもそのうちに自分たちのやっている遊びに夢中になってゆく。

 12月11日 自由あそび難業(9-一10時)の観察  4・21・38が

乗りまわしている。青組にラγキγグがみられる。認知で乗ってい

る者はわっかである。女の児も少しのっているだけ、12月下旬にな

ってから分つたことだが、女子で三輪車によくのるのは、ひとりあ

そびの傾向のこどもである。 (⑬⑰⑮⑳㊥㊥㊥など)立っている児

に浜田がきいたら「のりたい」という。声をあげて乗り過ぎてゆく

58

ノ話したら、かわったが、さしずして次には自分がまた乗っ沈。4

一14

Page 6: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

・21ときどき交代する。けれどもなんども乗る。順番をとって待って

いる者もほとんどのれない。10時50分以後30分受壷のできごと一

おとなしくて乗れない子をかわらせてのせたら、強い者がからか

う。21がネット・クライミγグの上に立って棒をふって「かかれ」

と言った。数名が弱い乗車者にむかって行った。4に注意してかわ

らせると乗った者は気がねしている。

 12月12日 今日もずっと早く登園して三輪車に乗り出す。弱い者

はあとからきた強い者にとられてしまう。昨日までは乗るだけだっ

たが、今日は少し落ちついてきて場所を変化させたりしてゆっくり

乗っている。三輪車での「ごっこ」も始まった。9時50分現在  赤組

で乗っているのは58だけ。女児と弱い児は合せて3名。上位者の数

名がラγキγグ順に列を作って乗り廻してあそんでいる。38が5・

21

フつぎにならんでいる。学習の時間をのぞいて4と58はほとんど

乗りつづけていた。記録をとっている鳥居の近くで、「Yi(4の

姓)ざんにゅうてやる。」という声がきこえた。 (10・05)赤組の

⑳だ、浜田がたずねたら、三組の㊥が三輪車をかわってくれないと

いう。全園のりーダーとしての4を確認できた。10時14分1③が4の

ところへ言いにきた。4はすぐ行って、「Tl(23の姓)なしてと

るか。」と叱って三輪車をとりかえし、さっさとこちらへきてしま

った。③は車に乗り、23は木かげてしばらくべそをかいていた。お

しごとはおさっと買物サイフ作り。21が15をたたいて泣かした。や

がてぼつぼつとび出してきて三輪車に乗り出す。7が田申のところ

へ「のせんとばい」とつげにくる。しばらくたってから女の児の乗

りすてたのをさっそくとって射つだ。昨日も女の児のを「よかろ

う」と先生に言ってのった。この児はひととあらそわず、それでい

て要領がよくうまく乗る。4が車を降りて部屋に入った。通りかかっ

た16が「Yt(4の性)さんとか」と言ってとらない。4の乗っ

た車は乗り捨ててあっても誰ものろうとしない。だいたい専用車が

できているようだ。21が14から車をとって乗っていった。しばらく

歩いて物色していた14は7のをとってしまった。 (連鎖攻撃。サル

とウサギのについては、前掲『日本動物記』参照)

 12月13日 ときどき降雨するため実験を明日に延期した。三輪車

に乗りたいのだがのれない。今日は園児の様子がおかしい。なにか

いらいらしている模様を感ずる。池や台へ砂を投げこんで、浜田か

ら注意される。

∬ 実

〈折表に記述V

皿 補 足 と 総 括

 i 階層

 浜田が三輪車をわたしたあと、そのあにりに、ざわめきうごく渦が

起つた。15をのけて車にまたがった4の姿がかいまみられた。かた

まりから抜け出てみなの方をふりかえり、ニヤツと笑って4が乗っ

てゆく。10秒だらずの時間だつた。21を先頭に十数人が口汝にしゃ

べりながらお祭りの行列のようにおどりながらついてゆく。行列あ

そびがみられるようになったのもリーダーができ、ラγキγグがあ

る程度つくられてからであった。ほかの者は、しばらくは数人が残

っていたが、他のあそびの場所へ散って行った。三輪車が1台しか

与えられなかったのだから、相当の混乱が起り、はげしいけんかの

一15

Page 7: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

ふたつみっつは出るだろうと予想していたわれわれにとっては案外

だつた。この幼児集団が予想以上に強く、しなやかな社会組織を

もつていることを示してくれたのである。ラγキγグさえもほと

んど存在しない奈良公園のシカの群れ、種族のちがいによる上下

の階級とラγキングは持つが、全体を統率するリーダーを欠く京

都動物園のサルの集りが、突発事件や外敵出現に際しておちいった

大混乱に対して、ボスと強固なラγキγグと階層的分岐をもつた野

生ニホγザルの集団の一糸乱れぬ行動をくらべてみるとよい。(『日

本動物記』の前出論罪の外、川村俊蔵「奈良公園のシカ」、徳田喜一郎「京

都動物園のサル」参照)ここの園児集団では階層的分節も熟成し、ラ

γキγグも相当な範囲まで結節し、全園児を統制できるりーグーも

後成されているのである。

 女児はわれわれの予想通り早くから三輪車外の遊びに心を向けて

いつ忙。女子でもこの年令段階では三輪車に乗ってみたい者もある

数はいるのだから、女児が場をはつれたことは男女の階層の存在を

あらわしている。男児について概略的に言えば、上層者は三輪車の

場に、下層者はほかの場におもむき、中間層のいくらかが三輪車の

かたまりにまじり、大部分はほかのあそびに入ったのである。この

説明はしかし、まだランキγグが広範囲にはできあがっていず、両

組を通じての階序を作る機会もこれまでなかったといってよいのだ

から、中閥層以下については根本的傾向を述べたにすぎないと言っ

た方がよいかもしれない。男児の全部が本心は乗りたいのだから、

各所であそびながらも三輪車に関心をもつている様子がみられた。

ブラγコに乗っている連中の顔は三輪車に向いており、ジヤγグル

にのぼった者たちも車に注目している。 (時刻区分9“30の欄参照)

29

ニ⑪はタイコ僑の前に立って三輪車の動きをじっとみつめていた

ル、園舎に入ってからもつづいていた。 (9”30140)砂場では43

が車の方をみていたし(9”40)、12はそばで記録していた川上に

「三輪車1台しかないじやないか。」と不平を言った。 (9”30)

実験途中の10今ごろ、13が母親にともなわれて登園した。 「2、3

日前から、頭がいたいとか、おなかがい沈むとか言って行きたがら

ない。どうもおかしいのでやってきた。」と言う。三輪車にのれな

いためだと話して、実験のあと午後いっぱい乗せてやった。職員の

世話、早目の登園、スキをみての乗車などで、実験富みんな1回は

乗っていた。実験後の12月21日午前11時ごろ、部屋の申では学習が

行われていたが、弱い連申が園庭せましとばかり乗りまわしていて

ふきだしたくなるほどだった。

 実験始めは三輪車を忘れかねた者たちも、時間が立つにつれてあ

きらめてめいめいの遊びに浸って行った。

 鴨1一 ランキング

 ω 三輪車の行列に加わった15名のうちに年少の赤組の者が10名

も入っていたことも思い設けなかったことである。青組の序列の中

にきりこむことができるのは58ひとりだけで、あとせいぜい数名の

ものが十数名の青膚のあとにならぶのではないかと老えていた。58

が何番に入るかがこの実験のひとつの目的でもあっにのだが、流感

のため欠席したのは惜しまれた。赤組のならんだ者の大部分は強者

である。(28405742275259。順位表参照)他の3名は弱く、41と36は

開始後5分以内にあきらめて去っていて、がまん強い46だけが1回

乗せてもらってからよそへ行っている。強い者といっても赤組と

してであって、青黛といっしょになるならばそんなに上位にはゆか

ない。1月に行われた「強い順ごっこ」の両組合同の場合に20番以

内にならんだのは42と実験日欠席の58だけである。そうするとうγ

キング形成途上にあった赤組の園児の序列意識の不足が、ワツとな

らばせたと考えてよいだろう。両組を通しての強さからいえば、毛

一16}

Page 8: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

つとならんでいいはずの青魚の上位者たちが数名しか参加せず、あ

との者はいち早く場を捨てたということは、かえって抱負の順位制

の確立とその範囲の広さを物語っている。同慶の下位の20が年少組

の間にまざりこんでいたのは、あとでも紹介するように、この児の

やはりランキγグ意識の未熟の性格のためである。

 実験時聞卜われわれが記録や写真をとったり観察したりしており

さらに全盛が出場して衆目環視のうちにあったことも、根本的な影

響はなかったと老えているのだが、園児たちの行動にブレーキを与

えたものがいくらかはあっただろうと思う。

 @ 青組のこどもの行列と整列の順番はよくうγキγグをあらわ

している。 (表二のランキング欄をみよ。)赤組の上位連中は、たと

えば行列の順序をみても推定ラγキ7グ順ではない。ラγキブグ

(以下Rであらわす)1位の4が乗っているときの行列順序をラγキγ

グ順位で示せば2-415131であり、2、3分後には415と

修正され、乗車順番は一121413-5…となっている。R・3

の14は病後であって、4の指揮振りの強いこんな場合には4の配下

であるR・4の5に先をとられたのである。乱された順位はただ

す。4(R・1)が15(R・6)をのけて乗る。 〔9“30〕5(R・

4)が18(R・5)をおしのけて乗る。〔9”34〕14(R・3)が18

(R・5)の前に出る。 〔同時刻〕 赤組の59(同組R・3)が27

(同組R・7)の前に出て〔9“40〕乗車している〔9…46〕のもう

γキγグ順位の回復の例となろう。

 上位者はならんでいる列の申へわりこみをやっているが、これは

強さに相当のへだてのある者の前にである。4と15が46の前にわり

こみ、21と5が42の前に入っている。〔9“35〕車から降りた18が

7入の赤組列(内14だけ青組)を尻目に4115-2115のつぎに入

、りこんだ。〔9…37〕病気上りの14はおとなしかったが、30分後には

赤組の3名をぬいて乗車している。時刻区分10“11には降りて間も

ない15が全様にこの59!27128のかたまりの先に立っている。

 せっかく順序に入ったものの上位者のこんなわりこみのためにな

かなか乗れず下位者は去って行った。5720〔9”32〕、52313641〔9

”34〕、35〔9“40〕、46〔9…50〕、40〔10“10〕27は去ったり

〔10“00、10”16・30〕来てみたり〔10”11〕している。骨組の上

位集団で去ったのは18(この集りでは最下位)だけである。 〔10”

04〕

 普通乗車時闇は1分なのに、4・21などの最高位者は、時聞も長く

悠然と道草をして乗り廻した。乗車回数は第5表のとおりである。

牛車乗

0①15

のの

娘④

4 21

⑳Φ39①①28

の沙限46⑳娘40⑳限14ゆ①5

の①27

 \

\即売

7  ρ0  【」  4  りO  ∩∠

1

 乗った者は46をのぞいて

 両組の上位者ばかりであ

Dる。青組ではうγキング

糊ま1番から6番まで、赤組

をグでは欠席の1番と中途退

ンキ場の2番と4番をはぶい

ンうた8番までである。度数

く数も八丁の方では順位が働

弾いているが、ラγキγグ

乗がじゅうぶんに確立して

詠いない玉上では序列がく

爽るつている。R・6の15の

 回数が多いのは乗車に対

 する執心の深さ(いちば

ん始めに三輪車に手をかけたのも彼である。)であり、赤雪のR・6の

28

フ比較的多いのや上位に入らない46の乗車できたのも、かれらの

我慢強さの牲質にもとずくものとわれわれはみている。訟ばり強さ

一17一

Page 9: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

のない27は家庭的つきあいをしている⑱がのせた。これらのことは、

4が長い時間独占して乗っているのではないかという想像を裏切っ

てあっさりと1周りで交代したこと、年少組の者が何回ものれたこ

となどと合せて、前述の職員の臨場も影響したのではなかろうか。

 の ランキγグ形成の根本的な基礎は、身体的な力の緊張関係で

ある。スモウ順位とラγキγグ順位をみくらべても、だいたい相関

の関係がうかがわれる。しかしそのことよりもわれわれの興味をよ

ぶのは、相当数の不相応である。だから体格とか体力とかの外に精神

的な力、心理的な力、社会的な力が含まれていることはたしかであ

る。R・1の4は小柄でスモウでは5位であるが、まけてもまけて

も「こい」と立ち上る。21はすぐれた体格と体力をもつている(スモ

ウ順位2位)ためにランキγグ2位を保持している。スモウ順位10

位の14は精神的なシγの強さのために第3位にあるのだろう。5は

体位的には上位ではなく気性もはげしいとはいわれぬが、4の追し

よう者という社会的態度がR・4に上らせている。18はからだつき

もよく知力もあるが、性格に堅固さを欠くため少し落ちて5位(ス

モウ3位)になっている。・tというような案配だ。

 もっとわれわれの注目を惹くのは、ラγキγグに入らないこども

たちである(青組178111316赤組の不参捌者全部。表2参照)この

中には争いがいやで加わらない者がいる。スモウ順位1位の一は、か

らだも1番たくましく走りつこも2番だ。蛤はやせてからだは小さ

いがわぎで勝ち、スモウは2位であり、競走は1番[である。1は実.験

時聞中、ブラγコとその横のタイづ橋でほとんど終始した。13につい

ては既述したが〔階層参照〕途中から入場しネット。クライミγグ

とそのそばの砂場で過した。不参加の他方は意地が強くてのもので

ある。(223)2はスモウ順位,7位でラツキγグも8位ぐらいと想定

されるのに、ひとのあとにならぶのをいさぎよしとしない。もっとも

不参列のこの積極的・消極的の区別は、もっと深く掘りさげたら裁

然と線を画することはむつかしくなるかもしれない。1月8日第3

学期第1日、全児が乗車できるようにするために、青組では班を作

り、じゃんけんで日をきめさせた。円満な性質とみられている7が

「勝ってものってやるもんか」と言った。そのくせ彼は当日がくると

まっさきにせがんだのである。こうゆう自己意識は、鳥居が養育院

児(412才)に対して行った三輪車実験では観取できなかった。

 実験のときに三輪車に向わなかった幼児たちの社会心理学的構造

も単純ではない。仲よしグループ仲よし相手などのソシオグラム的

構図もあらわれているが、この報告では省略した。ひとりあそびの

性格のこどもたち(女児については大部分既述)のうち⑪⑳81322

25T5

ネどには、実験経過表にもその傾向が出ている。⑪は自我のは

げしさのための孤立である。また20は各場所をうろつき廻っている

。たくさんの写真に彼がうつっているが、どの場面でも集団の外に

いる。

 ω 実験後の進行 実験時巽中の4と21のいさかいの尾は降園す

るまでつづいた。部屋で椅子をふり上げるところまで行った。12月

21

卲゚前10時20分三輪車集団をひきつれてい沈4が、車にのらずに

いた21を「MI(21の姓)三輪車がなか」とからかったことからけ

んかとなった。くみあいから始まって、21が棒をふりあげる。4が頭

をかかえる。4が石を手にもつ。21が逃げて園舎裏から3mばかり

の竹をもつて大上段にかまえるケγゲキとなり、4はオデコにつブ

をこしらえて田中へ言いに行った。1月10日の記録一8”454が

女の児の三輪車をとってのった。4114158の順で走らせている。

18

ェ13のをとった。13はブラγづへしよぼしょぼと行った。そこへ19

が乗ってきて、借りて乗ったが、1分もたたないうちに請求されて

とりもどされた。4114-38118の行進。4が車をかえてくれとい

一18

Page 10: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

い、けっきょく18のとかえた。9”2013まだブラγづで頭を下げて

すねている。その方面には誰もいない。家にかえってからあばれる

ことだろうと話し合う。行列が長くなった。4114158118155i

19P27。5は4の車の横について走る。2ージヤγグルのすみでひと

りで車に乗って行列に加らない。10時保育始まる。自由あそびにな

って21は19の車をとって乗った。誰かが4に告げたらしく、4が遊

戯室から出てきて「田中先生MiがK一人13の姓)の三輪車をと

った。」と告げる。21は「やる、よかっと。」と車をわたす。この

あと行列は三輪車あそびをした。(後述)行進が右まわりして戻って

くるときに、18が14のあとに入ったら58が「おれ3番ぞ」と叫んで

押し出し、「ここへこい」と自分のあとへっかせた。しばらくあと

15

ェやってきて38の前へ行こうとしたときも、やはりおしのけた。

15

ヘ58の後についた。4が撮影していている鳥居のカメラに興味を

起して降りてくると、三輪車集団も近くにあそんでいた者もどっと

おしよせてきた。1列にならびなさいと言ったら、はからずもラγ

キγグ争いをさらけ出した。4がひしめきをよそにいつまでもブア

イγダーをのぞきこんでいるのをきりあげさせると、そのつぎの順

番で大げんかが起つた。21がつぎにみようとしたら、「つぎはおれ

ぞ」と58がこぼんであらそいとなり、21にとびか、つて行った。つ

かみあいになったとき4が21にだきついておさえ〔写真5〕て、2

人の間に入り、21の方を向いて両手をひろげて止めた。58の後にな

らんでいた5の前に14がわりこもうとしたら、38がたたいてあとへ

下らせた。この児のはげしさは将来沓冠3位に進ませるかもしれな

い。彼は2番にみおわったら、「やめだ、やめだ。」と直宮ラノゾ

キをぶちこわした。みようとした15とあらそい、彼の首筋をギュウ

ツと2、3分もつめって泣かせてしまった。

 1月11日午前10蒔20分ごろ、クイづ橋鮒近で三輪車の行列が止ま

ってなにか騒動が起つ沈。そのうちに21が職員室にやってきて「K

i(38の姓)が石を投げた。」とうったえた。あとでしらべると近

頃行列集団からはなれていた21がやってきて、4114138一……の

行列の14の前にわりこもうとして38とのけんかになったのであっ

た。ラγキγグ2位の21としてはあたり前の行動だつたろう。それ

を38が拒否したのは、階無意職はそれほど深刻でなく、ただ順番を

守ろうとしてわりこみの不正を怒ったためであろうか。1もちろん

順位意識がないわけではないが。以前には彼のあとについていたの

だが(たとえば12月12日越記録をみよ。 〔本稿1「実験前の歴皮的

状況」)それを忘れたのか、あるいは21不参列の昨今の順位での3

番という強い表象のためだったのか。翌13日彼の父親がやってき

て、 「4番になったから幼稚園へゆかん、と、だだをこねるがわけ

がわからないのででてきました」と話した。三輪車事件をきいて事

情がのみこめて帰って行つ沈。

 1月17日郵便局見学に出発の際、赤組の37が「強い順にならべ

よ」と言って第1列に42と38、第2列に34と28をならばせ、自分は

35

ニともに第3列に入った。これに刺激されて、いっそ強い順にな

らばせてみたらということになり、教育上の立場も考慮はされた

が、翌18日(a・m・9”35155)敢行した。その結果が第2・3表

の強い順ごっこの序列だが、だいたいにおいてはわれわれの観察し

てきたところと一致しているといえよう。先生のいいつけだっ沈の

で不参列者はでなかった。20だけが列に見出せなかったのは、例の

とおりである。きょうは面白いあそびをするからいっぺん強い順に

ならんでみようね、というようなことで、始めは組別、男女別に、つ

ぎに男児だけ両組合併で行った。けんかが一方ではあそびでもある

幼児たちは案外無邪気にならんでいる。しばらくで上位の方のさわ

ぎはおさまつ元。末尾の方はしっかに緩慢に動いて静まった。列の中

一19

Page 11: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

ごろの騒動はなかなか止まなかったひ男児の両組合せての順番のと

きは、大蛇ののたうちのように腹部は動揺をつづけていた。18と15と

くみあってあらそい、15が投げられて下った。ところがあとできいて

みると、どっちが強いかやってみようというのでやったそうで、勝つ

た18が15の上位にならんだのである。(写真8)降卒では4が順位を

しらべた。7をつれて歩いて、「これより強かか」ときく。やっと11

のところへきて11が「つよか」といわなかったので入った。7自身は

「ぼくの方がつよか。」とはいわなかった。赤組では38が自分まで

の順を作った。1番先頭に42、つぎに40を置いて自分は第3位にな

らんだ。この児の行動にはこの日以後ガラツとかわった風がみられ

た。祖母や両親も兄弟げんかなどにあらわれるその強暴さを心配し、

園でも指導はしてきた。 「けんか1番はいけない。べんきょう1番

でなくては。」というような家庭でのいいきかせがきいてきたのだ

ろうか。きいてみると「TI(40の姓)くんよりスモウも弱い、け

んかも弱い。」という返事だつた。 「Tl(40の姓呼びすて)、

おまえK   (38の姓呼びすて)より前か。」と誰かからいわれ

て、40がおかしな顔をする。33ははじめ2番にならんだが、38やみ

んなからいわれてあとへ下げられた。42はがむしゃらなひどさがあ

り、1学期にボス振りを発輝したこどもである。全児でのときには

4、21につづいて42を立て38は3番にならんだ。赤鼠の三位以後の

順位決定はもたついた。39が「ぼくはTl(40の姓)より強いの

に。」とこぼした。41は女児連中から赤ちゃん扱いされる子だが、

ビリから3番目に立っている(赤平だけのとき)のを、42がひっぱ

り出して中ごろに入れた。あとでまた元の位置にもどっているので

きいてみたところ、42になにか言われたためらしい。

 全男児の順位をきめるときは青組が赤組の列へ突進して行ったこ

とも影響して、赤面の者が後の方に連続してならんでいる。下組の

8がびとり粗製のかたまりに入ってビリから2番に立っているひ彼

はいちばんしんがりの25とともにきわだった孤立児だ。28が「Yi

I(36の姓名よびすて)がくれば1番ビリよ」と言ったが、36は泣

きベンツ児だからそうなったかも、しれない。

 女児の方はさわぎもなくならんだ。青組では⑨がならべた。③が

まんなかごろにいたのを、「あん真うしろではないたい」と言って

2番にすえた。⑨は同意随一のリーダー的性格の所有者で、⑤とと

もにあそびのグループの中心となっている。あそびの計画をしてい

る数人の女児に田中が遊戯室へゆくように話したとき、「Nl(⑨

の姓)さんがゆうぎ室にはいれんと言うた。」と答えた。⑤のグル

プのメンバーはおとなしい子ばかりである。⑨のさしずでならべら

れたので、けんか順位とはところどころくいちがうところの理性的

な序列になっている。⑪は冷然と先頭に立っていた。赤組では誰も

ならべ役をしたものはなかった。1番の㊥はがむしゃらのところ

があり、2番の㊧は彼女よりもつと孤立的な性質がある。3番の@

6番の⑳にはりーグー的なところがある。㊥⑳などは弱いけれども

みんなからかわいがられていて、4番5番にならばせられた面があ

る。@は泣きベソで、このときもビリをはがゆがって泣いた。

 …m リ 一 ダ 一

 ラγキγグ社会に入るということは、その階序集団の上位者に服

従することでありナγバーワ7の部下になるということである。1

月14日午前10時ごろ遊戯室で御殿を作り、4がひとり中に入って、

その前に141381181321319一……という序列が廊下までつづ

き、「おれたちはYlのけらいそ」と言っていた。5は4に対し

て、みつぎものをしたり、へつらい的な行動をするのがしばしばみら

れた。実験時3番にのれたのも4がいたからであり、彼の上位保持

自身が4に負うている。12月23日、46が包紙(クリスマスかぎりの用 一

20一

Page 12: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

紙)を4にやった、23も何かやった。赤々の38も4には一目を置い

て「Y  くん、Y一…くん」と呼んでついている。入園当初彼が

いちばん最後まで社会化せず、みんなの中に入らないので、母親が

その頃同方向から通っていた4に頼み、やっと付添をやめたという

事情もあるだろうし、あるいは全高一致で押す4には敬服するとい

うこともあるかもしれない。4に反抗できるのは21だけである。し

かし4と対立するということは現在のこの園では仲間はつれになる

ことである。21が数名のあつまりを指揮したケースは前述した。 〔

1「実験前の歴皮的状況」12月11日記録〕12月12日午前10時40分ご

ろ14が18の三輪車をとろうとしたとき、しかった。しかしこんな例

はごくまれであって、彼がりーグーになれるためには、場がかわる

ことによってか、彼自身の内部的成熟によってか、いつれにしても

自分本位の性格が社会的なものへ止場されることが必要である。12

月下旬10名ばかりのものがかたまって彼をとりまき、この上位者を

つるし上げている風景からみられた。21は衝動にまかせてけんか相

手をひどくやっつける。女の児をもよく泣かせる。38には気分にひ

きずられての狂暴さがある。1月20日午前10時0分青組赤組がまぎ

っての8名ばかりが三輪車であそんでいた。38が「川上先生のとこ

まで競走しようや、ね、やろうや。」と声を高くして言つだがいう

ことをきかず、2名(10と32)だけが彼とならんで走った。これに

反して4はとことんまで相手をやっつけない。自分の腕でたやすく

処置できないときは先生に告げる。もちろん相当の武力がなければ

上位者になれないから実力はもっているのだが、暴力をさけて理性

に訴えるのである。

 4はよくみんなの乗っている三輪車の修繕をしてやる。1例をあ

げると12月11日午前9時40分ごろ女児の車をとってのり故障をしら

べてわたした。鳥居は精神薄弱児を牧容する浦上学園でリーダーが

隣室の年少のこどもたちのコマをなおしているのを観察したα

 リーダーがいる方が遊びが面白いことは泌剛言した。1月10日(a

・m・9師55)三輪車行列〔前出〕は4の指揮のもとにいろいろとか

わったあそびをし沈。「みんな三輪車にぶつかれ」「やめよ」「ズ

ック〔靴〕をひとつとれ」 「一足すてろ」「一列にならべ」5が4

にわきから告げ匂して「青組と赤組と2列にならべ」「1列になった

者げんこつ」(これも5の進言)33が「Ytくんアイスクリ屋に

なるけん。」といって三輪車をひっくりかえし、列を「アイスキヤ

γデー、アイスキヤγデー。」と売りあるく。 「うしろに乗れ」と

言って後向乗車、「こんどわね、こぎやんせろ。」という4の指図

で、うつぶし乗車の行列ができ上った。(10“05)12月4日(a・m

・10鱒45)園庭の柵外で数人が大きな石を動かしていた。 「Y一

を呼んでこい。」という声がきこえた。行ってみたら4がきていて

「ほりやよいのさん。」と拍子をとって力をあわせた。半分ほど動

いた。4が小石を下にあてがった。みんなよぼうという声があって

「みんな集れ。」と誰かが言ったが徹底しなくてこない。18が2、

3人をつれて行って大きな材木をもつてきた。あてがって4のかけ

こえでやり、とうとう大石を移動させてしまった。

 リーダーは集団員を指揮し統率するとともに、集団の秩序を維持

し安定を保持する責任をひきうけなければならない。4は実験時聞

で、行列のときは乗車者のわきについて廻り、自分が降りたときし

ばらくは列に入ることもあったが、たいていは列の横にいて監督し

た。下駄箱前の整列で弱い連中がならんでいるときから「つぎは一-

つぎは一」というさしずが始まった。養育院での鳥居の実験では

意想外にも女のリーダτがあらわれて、名前をよんでつぎつぎに乗

せ、ひつばってやった。幼いこどもも乗せてやった。自分を始め強

い者は二回以上乗っている。男の一番強い児はあとになってりーグ

一21一

Page 13: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

1がいなくなるといつまでも乗っていて、けんかが起つた。しかし

車がとり上げられるまではなさなかった。4の仲裁行為については

いくつかの場合を紹介してきたが、なお一例を加えておこう。11月

25

冝ia.m・11”15)20が23にくみしかれている。23と7が「く

るい」をしていたのを20がじゃましたそうだ。4などやってきて20

分後とけた。しばらくして20が23にとびかかってゆこうとしたら、

4が両手をひろげて、ニヤツと笑った顔で例の大見得を切って止め

た。長崎公園のニホンザルについての鳥居の観察記録だが、ナγバ

ーワγは向いあっている両頭の間に入って緊張を解消させ、いちば

ん狂暴性のはげしい20.悼のメスがけんかしているときには、彼女の

上に馬乗りになっておさえてしまう。

 12月21日(a・m・2”30)保育中で先生がい忙が、4は「ラジオ

がやかましい」とスイッチを切った。そのあとの自由あそびの時

間、「Y一-つみきしよう」といって数人が遊んだ。⑩が「Ylーー

さんがよいといった、あいているからいいわね。」と言って男児用

の木馬に乗った。先生2人がいたが先生にはきかなかった。青組担

任の田中はこのごろ「こどものりーダーにはかなわないわ。」と慨

嘆している。

 リーダーの個人的特質について言えば、体力知力ともに人並み以

上である。体力がなければこの段階の集団では服従されず、知識や

技能が劣っても軽べつされる。入園時の非社会化幼児の中には、ゆ

うぎができないための孤立があった。しかし体力のナンバーワンが

リーダーになるとはかぎらず、知能の最優秀者がりーダーになるわ

けでもない。リーダーは機敏で適確な判断力の所有者でなければな

らない。彼はまた積極的な精神をもつていなければならない。外向

的で社交的な性質が要求されるわけだ。くだいていえば、よく気がつ

べ.気がきく.よく索くという性格がこの殺階のりーブーに共通し

ているようである。4などの性格もそうで、悪く言えば、顔をみ

る・教師などの顔色を伺う・お調子ものといった面も出てくる。さ

きほど述べた精薄施設のりーダーは、キャッチボールなどうまくで

きるが、知能指数はその園の申下だつた。だが世話好きだつたし、

ひとに対して敏感だつた。T精神病院の男子ではなかなかのイγテ

リも多くいるのにりーダーはよたもん出身だつたし、女子の陰然た

る指導者は「あねこ」の経歴をもつていた。

 リーダーの生活歴をわれわれは考えねばいけない。4の兄も本園

のりーグーだつた。4・21・38はともに家庭の職業は医師であるし、

18

ヘ土地の旧家のこどもである。浦上学園長の話によると、リーダ

ーになったこどもは家庭がよいそうだし、二つヨγや農業などの貧

困家庭のこどもは下積み的性格を身につけているという。4もみか

んをたくさんもってきてもらえることを自慢したことがあるが、家

庭自身の上層的風格がこどもたちの上位意識を作ったこともみのが

されない。21・18・38・42はみんな長男である。長男とか多数姉弟

の長女とかの事情がりーダー的性格を形作ることもあるだろう。ひ

とりつ子に対するお山の大将さん式の育てかたが、こどもに高い自

意識を植えつけるということも働いていよう。ニホンザルの集団で

も腕力の最強者がりーダーではなく、氏と育ちがりーダー成立過程

に重要な作用をしている。 (今西錦司『ニホγザル研究の現実と課

題』団二日掛。ω<o一・H・Zo●H参照)さらに近隣のあそび仲間におい

てのやくわりが指導者的要素を養成した事情も考えられる。これら

の前歴についてはわれわれの調査は進んでいない。

 現在の園児たちの間のラγキングやリーダーが小学校入学以後大

きく変動してゆくことは見通される。ラγキγグやりーダーについ

ての記述を読んだ人は幼児たちの社会に存在している弱肉強食のみ

にくさに眉をひそめボスの横暴にいきどおりをおぼえるかもしれな

一22

Page 14: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

い。そうゆうぴとたちにはわれわれは暗さばかりでなく、明るさをも

感じとっていただくようお.願いする。牛島義友博士は児童の根底に

未開人的なものを置き(『小学生の心理』)田中冨次郎氏も幼児の集

団を未開野蛮の社会に類比させている。 〔「子供の社会生活」『幼児児

産教育講座』第一巻〕動物的である、未開人的であるというだけでそ

れを批難する人は、彼自身も動物的、未開人的、あるいは中世人的

層をそのうちにもっていることを知らないのである。現代人も動物

から1歩1歩進展してきたのだ。動物の社会にも相互扶助は行われ、

20「紀の人類の世界にも「弱肉強食」はある。われわれは発達史的

認識をもたなくてはならない。イヌに対する食事実験で、鳥居は強

弱の順位をみたが、救急行為の実験では、イヌの集団になんらかの

救助行為があらわれることを認識した。ニホγザルではほとんどの

餌づけ場所で強固なラγキγグとリーダーの存在が記録されてい

る、が同時にグループの聞の愛.情的行動や救助や保護の行為がうか

がわれる。青組ではうγキγグがはっきりと形成されりーダーが活

躍しているのに、年少の赤組になると形成・成立途上にあるという

ことは、ラγキγグや順位制がより高い発達段階の産物であること

を示している。言葉をかえていうとそれらは集団のよりよい生活様

式であるということである。伊谷氏〔前掲書〕や水原洋城氏(『日本

ザル』参照)が考えるようにラγキγグやりーダーは「集団の知恵」

であって、われわれ現代人の目にはどんなに低劣にみえても、前の

段階にくらべればすぐれた集団組識である。養育院の実験にあって

は、リーダーが乗る者を交代してひっぱったが、順番はなく、列を

作ることも起らなかった。こんな風に述べても、順位制がこのまま存

続することを望んでいるのではなく、いまみられる性格のリーダー

がいつまでもその位置を保ってゆくとは老えていない。にだ教育に

おいてはレディネスがあっていっきょにおとなの理想の段階へ引き

あげようとすることは有害であることを言いたいだけであるσおわ

りに指導上の問題にふれて置くならば、実はその難かしさを感ずる

ばかりである。知能はすぐれ活動力も盛んだがともすると狂暴な行

動を示すこどもに、 「おとなしくせよ」「ひとの先に立つな」とい

うたぐいの訓戒だけでは、矯正できるものではない。ひどくしかれ

ば、親や教師の顔色をうかがう裏表のある人聞になってしまう。臨

床心理学や精神衛生学などの立場からの処理も必要だし、場をかえ

て集団力学的に.鼠毛スナリテイを改造してゆくやりかたも有効だろ

う。けれども、たとえば自由と平等の民主主義社会の理想型の人格を

考え、すべてのこどもをひとつの型に鋳込もうとするならば、それ

は夢に出てきた斧で現実のビルデイγグを建てようとするような、

こっけいな、そして危険な仕事になるだろう。こどもたちが現在現

実に生活している集団においてどんな位置にあり、どんな役割をつ

とめているかの実態を確認して、それにもとつかせてゆくことがた

だしい指導の第1歩ではないだろうか。

                    1958.1.5

                           2

      あ と が き

知能指数順位についてはこの報告では公表を見合せねばならなか

ったので、めだった者について一言だけしておく。

 最上位t381965⑨⑪㊥……  上位一513……  中位

i1141839……  中の下位一421……  下位12042……

 女児2名をのぞいて一・Q・は百以上である。 〔住田式知能検査

法による。〕

一23

Page 15: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

あいさなりのくよ仲んさなみ転かだけだ台ユれこは銑ノよき

  

@幅∴ 経

園の

  全ん

  がさ

  田組

もてつあてし出にし差油は車輪三のかほ「験浜赤

  気皆

実30の

  時ん

且齢継

  午青

 ルング飾

24@ろ車る  こ輪い4533と三て

一r I 田 輪を鯉〉泰 幻 つのる 7 じ車み一 1⑤ 三て   はみε161435顔を   な車る 442223み輪い

塔旋回

     - ーー 一㊧㊥⑳㊥㊥㊥⑳⑤

・ グトインツラミネク

1   一

場砂

痢〕漁血」ト戯ソ、く肝25②舳聖剛

舎園

 」 ⑨」 ④6 ①3- I F副肋側▲麺び ⑲㊥前と

車輪三

者車乗一

  濁些9

37十20十

36十41十8十31十

33一29鯛⑪一15

3722453633

間中の  ⑭

と池に ⑯

22一

36ヰ士33

414

 ⑳

   

U④㊥

16

」脚

㊥⑳20

㊥}

⑱@⑲23Uμ④

5

4一

→茄120十刊1

6十

㊥鱒⑳一㊥一

 コ

㊥⑤

⑨④」

」31

3」

6①

じ」②

をる8田

車い射一

輪て2ω

三み田21」

」と21③

43

ツ359⑦

㊥十⑳十⑱十

27

27一

纏4529461

46}司

10

3345S2

37R6

弔4一」一J6

7

116⑪

O

18十⑧醐

21

 一

〔る.廻

て い

 つ

 にき

 わ

 の一

車輪三一

5

 と 

4

 畠

 す

 つわ

〕か20

 と一

 つ正781

23

認● ●9

32十

21

21一

  でび

 間と

一 のわ

 」とな

1618池33

22

7「

ρ0」弓

一4

一一

 み

29+車る

⑪輪い

±二て

⑳59のとんを

④副擢壁面

        ㊥

㊥㊥②239わてなる

驕亀翫いっ賜田

43

S③2510   8

コ⑨」

④6

①3

劇刻

剛↓遅

24}⑪十

5つ一

乗〔

て。

ナる一な

のに

し位

お3

がて5

がの

たを

つ18〕

寄 8

騨詳

理.一、

感泣で

行1

纏』

同た52

34● ■

9

14 35

 14

、〕59

55V+

2

15S2

十」”〔

5 10

2

く つ

4

に15

列4

行0

も4。

   .

代18

交:

で位

点順

地熱

同行

35● ●

9

18 代交で点地同36●

 ●

9

28

ケ日

捌り

 田の12人

16

D二

茄 司

22

46十

に前箱。46

たい5

げな3

のら14

隅わ8

北か2

西は59

舎占ブ

園代2

て交42

め後8

や以1

は。5

列つ1

行待2

。で15

代ん4

交ら

でな40

点に:

地列列

同1順

37● 0

9

44十

  じい ⑬

刎↓饗⑥⑮

⑪三つる⑩

ω招7▲

幻⑫

32

⑮⑪⑩

,劉創」⑲

の⑲柵   り  ヨ

㊧⑥茸四12⑳

㊧4335710⑱

①3

コユ

23

H  コ

⑤④6

24十⑫十

40む代交38■

 ・9

 ⑳

驚⑭

室⑥⑯

⑯・⑬⑭⑥

22十

4 、いた

漫帥

端唄旋

齋K蕊

羅漁業醸一回るろ

2乗こ

第とと

一4うの

 。ゆ上

   む

副う川か列待

交ゆるめ順を

40飢

車輪三にばそ4046142827942

30

18

X ハソ

ーま

 こ5

 よよん

:つ

低む代交招. ●9

21臥回 第21

む代交43● ■

9

5臥回 第5む代交44償

18臥回 第18む代交45喀

 ●9

39じはが図指と。

督す

監ら

の走

4て

」け

いか

こ干

て片

つで

行の

うい

よな

はれ

「の

459

む  む

代る

交ま

46●  0

9

27む代交6

AU

49」

9.  ■

9

28

@14 46

の 一

〔臥病 第28む代交470

 ●

9

臥回 第14む代交430

  ●9

ツむ代交49●

 ●9

24

@中と

 」のわ

ユ0⑫とな

3」場で

幻20砂間び

32

х

 十U肝刊

40観くて

 つ戻たま坊窃

 つ

・行.

 ルグ

 γ〕

ヤ46

「ジ一

   

代;

交〔

500 ●

9

4

ついわ

待に加

をルで

車グの

輪γた

三ヤれ

2ジわ。

2ま、。こ

 をもナ

40

Q2

ニう

4 」よ

一ちねだ

28

Sんん

742わる

2・らゆ

39

メもが

8るて張

1いせ緊

5でのか

一ん「ら

2そにく

15

??「

:に田。

ほり   ぞう

   ヶ 

。}夕うカナ

15

ゆてし廻りのてし道横とりくつゆ論証ヨ第4む代価く順よたつ

OVO

5nj

●●  ●

9

21

声ん  4

らげ   と

一たあ  」

 つや  と

いり  つ

てあ  よ

 つ)  き。

乗て  いる

て捨  うい

しび  よに

点呼  は横

雛 一丁

が4  Mど

15

i」 「ん

 。!と  。と

目一つ 目ほ

回Yよ 回は

2「き 3彼

第。い 第。

15

スで 21た

 。つま[ 。つ

代あご 卜い

交がと 交が

54● ,9

55● ●9

侶が海功ナ・つ掌側勲

 叫欧嵩

 た臥

 回

 四隅

て18ォ

 。て

代っ

交や

56航

5臥回ヨ第5あライつわかに56

0050

・。  ●

9

14ついとあ    

てた

捨っ

びい

呼が

姓5

のと4

(し

 オのぎY

「ん

とそ

る「

り」

降れ。

代い

交か

58■  ●

9

39η [

32 ▲

㊥⑫

ヨ3130X

⑫一

28

40

羅馬 第39む  コ

乱交59● ,9

て22こそ

つ8とあ

な一のて

と21中つ

認耀

 こヰ  レ

ナ      ノ

か28詞グ

 ・・たッ〕

たるきヤ4

・敵影↑

躯繋

と待 てと

り存46つつ

き車9行い

つ謬るへ、

は三27ろび

oo㏄1

臥「

回お第28む代交01伽

の肝臥回ゆむ第40

む代交

-一- 02翫

4ど泌助74」喧降観すびそあ

 95

の  コ

目18

回一4

第。4

 。す

上し

交お

04砒1

15臥回むむ第15

 代交09朕1

35

35

  ⑩43⑳

 コ コ  

25R6

J㊥

 リロ ヨ   ヨ

ー3

W⑳㊥㊥

 コ

ー2

S1

・S⑳

⑪一

 ㊥8414030

   ヨ   

「㊥㊥1213⑩

    

 ㊥⑳4320⑳

  ユ   

 ⑥㊥443625

 ヨ  

④3㊥

⑨6前

①5室

  

向29

ε駐

ハ 」

副46に前

㊥3745室

27十

⑮ ⑬

」 ▲

⑦」⑤

③▲▲

②⑥⑯⑭

mに前室

鋤 つに

31

@  ら 間

4   ち中

2   を の

ω妃  車ると

44η↓輪み場

⑫322 三と砂9

21のる一

〔臥回 第21む コ

代交

4

10翫

為い

って

一十

  Tけた

乗れ

畷繍

a四三碁

謙譲十

手銑瓠

醤謙

匿.けこ督

。くの)監

  ノ

目ゆ一てて

回へおすい

5橋をびに

轡轟二

丁丁丁鎗贈二言重扇助

。15●+

。ター5の列た:者21

代は。15はい列る+

交21た(4て順い〔

-一- 11砒

15アのすし動移へ橋づイタは所場代交題姻聯融融 バリ

ほ弓

10

21

39

お)のはわのと

が姓池)か前う

たの4て「室と

し59㌔すに員21

と(賜び21職・

わN泌の

欝煽要脇

棚蟻仮商

調廠諾第

   も

Q銃撃籠識〕

目しつ2こと顔く27

回りそ4と」21ゆ一

5わら。のよ。に〔

第まあう中すうい。

21

ニ。い田でいいる

、ひいとのかとへり

代がな」ちす」田お

交21りぞふこれ浜う

らノろ

れ らり

江弓

10

一り難4 い

 。い

、いに

γて隅

 マつ西

21

?フ

・い池

4向が

でに4

長いを

りつの

べ 、く

 スりゆ

のなて

橋とげ

 つい逃

イそが

タら21

 QあQ

一目、る。

.回がなる

3たと帰

卜いいて

「59てあっ

 。みみお

一代をかで

交かつま

19r2

16+

  +

33ォ

に前」

室42

 」①

び⑨④

と6-」

わ」3

な⑱5

⑲田 で地か

⑳劉騨確

▲」」」とにて

㊥374546ひ面い

⑥司

⑦⑯⑬

③司⑭

②⑯⑪

田」幻73

23ー

ヨ⑫24

28

車輪三でばそ3954ほ ㊧

 い4

 て一

 つ21

Q乗・

目に者

回台ぶ

4りそ

第、へあ

28

Xて

。(つ

代番待

交順を

20伽1

15田 一

〔臥回 第15もぐ交

4てついしG

」うけの てすび呼姓。

の目

15(6覇T

「る。

代が交

415

21

臥胴着難25翫1

39

 そ

 き

 の

 車

 乗

 車

 輪

 三

  

 。つ

ぶ待。

そらる

あがい

りなて

乗びれ

 。そつ

一目あく

回(は・

615況

第状

21T9

 。・・い

代番あ

交順い

 む2

10

臥像 第59 代地36欲1

4申験実むすわまり乗でま時114臥回 第4 

代。

交止

37砒1

つ行てり降を車に見か何とのもの名数は 分朋蒔10偽ネヨつかなも者ナ

り思にんへも者め獣照も為し廻り乗を中やの劇のびそあのなみと囲周の池いのγヤジ 二三 高高園 でま時11たつま始が晶出

推ずきで認確の置位はの.けつを印▲㈲

為サしてしらさめ勲蘭分3を姿の人無は車輪∋に前室戯鋤くなは者る乗も誰、、〉、

こ力才

』すしわらあで)る去(一品詞面諭乱鰻獣副幽すししG

しG

もをれそ砿録記を図本見誰時の毎間分10は外以場の車輪三ω考旧

観あでものたし察

Page 16: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

蝋 掴   一             ご

  田 罫 紐 儲 論 難 伴 叫 酬 , ,

  猷 翌轟 ( 楓 e 冊 ) 伴 U ( 楓 ㊦ 轡

計 ) 豊 楓 e 副 鍵 【 o ぐ ノ ^ ・

ぐ ノ び

  颪 型 l P 一 ( 懇 願 )

玉 一 〇 。 N o 。 合 ω N お ミ   ∴

お ω ω ω N 器 至 : : :

( 這 鍵 盤 。 “ ω 賄 鱒 礒 鰭 ∴

箇 照 聯 魏 )

総 懸   N

  掛 野 獣 輿 三

熱 δ 町 会 艸 瞬 麟 伴 誌 図 噌

叫 ぴ 。

意 墾 一 δ P 一   α   一 。 。 合

N N N o o 合 爵

  型 θ 麟 騒 ぐ ノ び θ 箕 玉 ㌶

豊 ( 縫 い 曙 幌 ) ∩ θ 母 伴

一。

。 ニ O ㎎ ♪ ぴ O ∩ 》 ㍊ 。 .

( 難 山 衣 口 O ” & 満 舞 懇

懇 貼 輪 講 )

                      一 磯 .

          淋 柵 欝 欝岨 掴      ω  蟹 - p 一 ( 最 楓 ) 只 罫 獄

楓 ) 一 〇 。 合 N N N o o 玉 ム ①

轟 8   型 θ 渇 ψ d 爵 竪 》

, 〔 づ が C 型 e ∩ ぶ ① 弓 P O

謡 呉 臨 酵 舜 勢 。 ^ ぐ ・ が 。 。

磁 q . ① C 〈 驚 歎 婁 ∩ 》 〇 一

^ ぐ ノ が ㊦ 箕 満 騨 磯 際 誌 3 船 、

d 母 が C 幕 O ^ ⊆ 餓 ① 〈 ’

為 O 持 持 3 ㍊ ひ ψ o

( 蒔 並 云 田 O “ 影 響 舞 礒

薗 畑 勝 調 )

灘 灘 澱 難 、 嚢 霧 町

、 麟 齢

誌 鮭

鱒鍵 ’

環 礁

胡 糾   斜

  奪 蔀 θ 一 嶺

回 O ^ 腓 》 ① 盤 お ㊥

㊥ ㊥ 公   一 〇   〇 。   0   ω α

N U ω O 引 皿 並 P 飾

( 蕎 山 玉 総 ⑩ エ O 1 9 淑 き

鯉 濃 磧 畑 聯 蜀 )

Page 17: NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITEnaosite.lb.nagasaki-u.ac.jp/.../31952/1/kyoikuJK00_08_02.pdf1学期にはもちろ学猷行った市電の申で腰かけているのは男児ばかり、女児はみんな男・女児の階層もほとんど完成してきていて、10月のある日市内見びも1学期の2、3人あそびから、5、6人あそびに移っている。

婦 掴   9

  【 斗 と サ e 喜 懇

懇 O ^ 露 営 ① # ( 渇 ψ 吟 e

岬 ) 巴 ( ∩ ぴ ① ⇔ 卿 ) ω 。 。

( 麟 曙 卿 ) ω   ミ

β ㊦ 一 翼 母 伴 恥 箕 博 一 伴 ω o o

θ 酷 符 〉 σ 副 題 酵 9 ぴ q

^ 」 庁 繕 持 。

( 一 並 一 〇 田 θ 剖 鄭 。 聲 隣

む λ 1 織 聯 網 )

胡 翻 ワ 津 霞 ( 輩 臨

調凶 メ 曝 一 臨   絵

謳 面 θ 型 θ 謁 ぼ 【 沖 面 穂 難

㊦ 型 e 懸 盤 e 母 竪 》 神

が 。 ◎ ㊥ P > δ ソ 〈 き ^

〔 ⑤ 協 ⑤ 〕 ◎

( 一 議 。 。 田 θ 潮 溜 鄭 。 材 済 、

一① ノ 1 織 畢 魏 )

輯 掴   O

  田 罫 冊 諭 翌

颯 遇 - 轟   一 轟 ω o o   一 Q 。   一 N

ω N   一 ⑩   一 〇 ω 〇   一 α

  α 勤 轟 e 麟 苺 O り ^ つ

が 。( 一 鞭 苔 田 θ 剖 鄭 。 耕 搭

お λ 1 働 畢 魏 )

朝 講   。 。

  ゆ 細 濁 ㊦ 謂 ♂ ’ 三 回 講 ず 暢

颯 型 - # 里 ( 温 鳶 q ) 爵

ω o o δ ω 高 δ ω ⑩ 一 ω … …

  一 。 。 ( ∩ ぴ ① 轍 卿 ) 伴 δ

歎 O サ 》 轡 ぐ ノ 一 〇 。 興 δ 噌 蕪

q 置 賜 C 持 。 伴 ∩ ひ 曲 餅

盤 づ 幌 ぐ ノ ^ 》 持 ① 臼 き 箕

一 面 欝 箒 蔚 跳 ゆ 尉 O 鳶 。

( 一 山 一 。 。 皿 e 訓 鄭 。 昼 済

P O λ 1 織 聯 魏 )

瀬魁

羅 輪

一 ㍗ 3艶 , 、

r 噺 蕾