Mini Watter...
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北海道大学理数応援プロジェクト
「Mini Watter アンプ・Project」
担当:三ッ村 崇志、小野寺 彰(理学部物理学科)
真空管アンプを作ります。電磁気学をマスターしたので、その知識を使って何か自分で作ってみた
いと思っているあなた!「マイ・アンプ」を作ってみませんか?
電気回路は、きちんと物理の法則に基づいて動作します。実習しながら、電磁気学の知識を組み合
わせてアンプを作るのが目標です。自分で調べ、自分で作りながら、「マイ・アンプ」を作ります。研
究も、学習も同じですが、自分で作らなければならない覚悟が必要です。
トランジスターアンプやデジタルアンプは、これからも自分で作る機会もあるでしょう。このプロ
ジェクトでは一時代前の「真空管」を増幅器として使います。6R-HH2という日本製の真空管です。
多分 50 年以上前に作られたヴィンテージものの真空管で、マニアの間では垂涎の真空管です。
このプロジェクトでは、比較的つくりやすく、音も良いと評判のミニワッター・アンプ作りに挑戦
します。名前から推測できるように、出力が1ワット未満の小出力アンプです。これでも、十分な音
量でスピーカーを鳴らすことができます。
インターネット(情熱の真空管 http://www.op316.com/tubes/tubes.htm)や書籍(「真空管アンプの素」
技術評論社 3360 円)で評判のアンプです。電気回路がどのような仕組みで動作しているのかが良く分
かる教材です。みなさんが将来研究者になった時に、自分で測定器の一部を作ったり、改良しなけれ
ばならなくなった時、このようなプロジェクトの経験が役に立つことになります。
自分なりに電子パーツの合理的に配置したり、デザインを考えたりしながら、自分でハンダ付けし
てアンプを完成します。良く分らないところもあっても、まずはアンプを組み立ててみる事が大切で
す。完成したアンプは持ち帰り出来ます。
北海道大学理数応援プロジェクト
工具と部品を確認しよう!
電子工作に必要な工具の名前、電子部品をみてみましょう!ここでは特に必要な最小限の工具をリ
ストアップしてあります。 電子工作は、細かい作業が多いので、専用に設計された工具が必要にな
ります。(これらの工具は DIY 店や、電子パーツ店で扱っています。札幌では大学の前の札幌パーツセ
ンターや狸小路の梅沢無線にあります。最近は大きな百円ショップでも買えるようです。)
はんだごて: 電子部品を回路図どおりに配線するためには、「ハンダ」と呼ばれるスズと鉛の合金を
溶かし、部品と配線を溶接します。その時ハンダを加熱するのに使うのがハンダゴテです。40W 位の
ものが良いでしょう。
ハンダ: スズ-鉛の合金で、組成によって融解温度が変わります。電子工作にはスズ(Sn)60%で太さ
φ0.6-0.8mm のものが使いやすいでしょう。
ピンセット: 部品を固定したり拾ったりするのに結構使います。
ラジオペンチ: リードを曲げたり、部品を固定するのにも使います。
ニッパー: リード線を切ったり、線材の被覆をむくのに使います。
抵抗: 抵抗の大きさは 330Ω 1/4W などと表されます。値は抵抗のカラーコードで読み取ります。
通常、1/4W の規格の物で大丈夫ですが、電源部などの発熱が大きい所には下図右のような2W や3W、
5W というものを使います。
(茶=1),(黒=0),(橙=3),(金) 10 ×103=10KΩ 精度(金)=±5%
(黄=4),(紫=7),(黒=0),(赤=2) 470×102=47KΩ 精度(茶)=±1%
電解コンデンサ: 10uF 16V のように容量と耐圧が表示されています。
このコンデンサは誘電体として薄い酸化膜を使い、電極はアルミです。誘電体を非常に薄くできるの
で、コンデンサの体積に比べて大きな容量を得ることができます。電解コンデンサには、マイナス側
の電極を示す表示があります。間違えないように注意して下さい。
フィルムコンデンサー: 薄いポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレンなどのフィルム(誘電
体)を両側から金属で挟み、円筒状に巻いたものです。電解コンデンサーと違い、極性(+側と−側)
がありません。
積層セラミック・コンデンサ: 積層セラミック・コンデンサは電極間の誘電体として高誘電率系セ
ラミックを多層構造に使用していて、温度特性、周波数特性が優れており、さらに小型であることが
特徴です。デジタル回路で扱う矩形波信号は比較的高い周波数成分が含まれています。周波数特性が
良く小型であることで、バイパス用として良く使われます。写真のものは容量が104と表示され、
10×104 pF = 0.1μF という容量で
ダイオード: 電流を片方向にのみ流す半導体部品です。トランジスタも半導体ですが、ダイオード
は特にこのような片方向に電流を流す目的のものです。ダイオードの用途としては交流電流を直流電
流にする整流器としての用途、ラジオの高周波から信号を取り出す検波用、電流のON/OFFを制
御するスイッチング用途等、非常に広範囲な使い方をします。回路記号としては が使わ
れます。
ユニバーサル基板: 7cm X 5cm くらいのユニバーサル基板(いわゆる蛇の目基板)を使います。こ
の穴に部品をさし、回路を組んでいきます。
FET 2SK3767 という形式の FET です。この FET は真空管アンプの電源安定化部に使います。
可変抵抗器: 可変抵抗器はボリューム(バリアブル・オーム)と呼ばれます。抵抗値を変え音量調整
をしたり、電子回路の動作状態を調整(アジャスト)するために用いられます。通常の可変抵抗器、
半固定抵抗器は回転できる角度が 300 度位です。
抵抗のカラーコード(抵抗値)の読み方
数値 色 覚え方 数値 色 覚え方
0 黒 黒い礼(0)服 5 緑 五月ミドリ
1 茶 小林(1)茶 6 青 徳川無声(六声)
2 赤 赤いに(2)んじん 7 紫 紫式(七)部
3 橙 み(3)かんはダイダイ 8 灰 ハイヤー(8)
4 黄 四季(黄)の色 9 白 ホワイトク(9)リスマス
抵抗カラーコードは左二つが数値を表し、3つめが乗数を表します。一番右側が誤差です。
カラーコード表
カラー 数字 乗数 誤差
黒 0 1
茶 1 10 ±1% (F)
赤 2 100 ±2% (G)
橙 3 1,000
黄 4 10,000
緑 5 100,000 ±0.5% (D)
青 6 1,000,000 ±0.25% (C)
紫 7 10,000,000 ±0.1% (B)
灰 8
白 9 ※0.001
金 0.1 ±5% (J)
銀 0.01 ±10% (K)
工作の基本:ハンダづけ練習
「ハンダづけ」は電子工作のもっとも基本的な技術です。電子回路を作るということは、「電子部品
を配線する」ということに他なりません。
●一般的な電子回路では「基板」に、電子部品を固定しつつ配線します。基板の表側から部品をさし
こんで、裏側の銅箔(ランドといいます)に取り付けます。この時、「はんだ」をいったん熱で溶かし
て、部品とランドを溶着させます。ハンダによって部品は固定され、電気的に接続されます。
回路パターンの形成、つまり"部品同士の接続"は、裏面のランドをつないで行います。この時にも
ハンダ付けを使います。では、回路を作るための基本「ハンダ付け」を、実際に練習してみましょう!!
●用意するもの
工具 ハンダゴテ、雑巾(水を含ませ固く絞る)、ハンダ、ニッパ、ペンチ
部品 ユニバーサル基板
●ハンダ付け練習の手順
(1)練習用のリード線を用意します
●袋の中から、こんな形の部品を 1つとりだします。
これは「抵抗」という部品で、いろいろな種類の抵抗があります。どれでもいいので 1 本取り出し
てください。
●この抵抗のリード線の余分な端を、ニッパで切断します。このようなリード線を5本ほど用意しま
す。切り終わった後の抵抗本体は、なくさないように袋に戻してください。
●リード線を半分くらいのところで U字になるように曲げます。
(2)ハンダゴテを準備します。
●ハンダゴテをコンセントに接続し、数分待ちます。十分加熱したと思ったら、ハンダを先端に当て
てみてください。
●ハンダが溶けて、ハンダゴテの先端にスッと乗ります。溶けたハンダはコテ先を覆うように薄く広
がります。うまく溶けないようでしたら、もう少し加熱するまで待ちましょう。
●コテ先をぬぐいます。
●余分についたハンダを拭いとるように、さっさっと2,3回ぬぐいます。コテ先は水で適温に冷や
されます。
● コテ先をみると、ハンダで薄く覆われ銀色に光っています。ハンダで
メッキされたようになっています。この状態をよく覚えておいてください。この
状態でハンダ付けすると、きれいに仕上げることができます。
●ハンダゴテをこのまましばらくおいておくと、
・・・なんだか黒く焦げたようになってしまいます。この状態ではうまくハンダ付けすることができ
ないので、直前にふいたり、ハンダメッキを再度行って先端をきれいにします。
●リード線を基板にとりつけましょう。
1. リード線を基板にさしこみます。
注)ユニバーサル基板は後の工作でも使用するので、一番端の列の穴を使ってください。
2. 根元を広げて軽く固定します。
●基板は裏返して、ランド面を上側にしておきます。
●いよいよハンダ付けしてみます!
まず、直前にコテ先をきれいにしましょう。
1. リード線の根元にハンダとコテを軽く押しつけると、
すぐハンダが溶けます。
●基板は後の工作でも使用するので、一番端の列の穴を
使ってください。
2. 溶けたハンダがちょうどいい量になったら、ハンダ
を離します。このときハンダゴテは当てたままにします。
3. そのままにしておくと、すぐに溶けたハンダがラ
ンド(基盤上の銅パターン)とリード線になじんでスッ
と広がります。すぐにコテ先を離します。ここのタイ
ミングが重要なポイントです。
4. ハンダが冷えてから余分なリード線をニッパで切
ります。
5. できあがり!!
ハンダゴテを離すタイミングがよければハンダ付けはきれいに仕上がります。
よい例 ハンダゴテを離すのが早すぎ ハンダゴテを離すのが遅すぎ
ハンダがきれい ハンダがランドから浮いた状態 ハンダ表面が荒れ突起ができる
ハンダ付けは動作を左右する重要なテクニックです。納得いくまで練習しましょう!
北海道大学理数応援プロジェクト
Mini Watter アンプ・Project
アンプ部基本回路: アンプ部片チャンネルの基本回路は下図左のとおりです。簡単です。作製す
るときは同じ回路をもう1チャンネル分作ります(ステレオ・アンプですから)。真空管は6R-HH
2という双三極真空管(一本の真空管に三極管がふ2ユニット入っている)です。回路図の○で表記
してあるのが真空管で、片チャンネルに一本ですみます。
電源部の回路です。D1~D4 によるブリッジ整流を 100μF受けてから MOS-FET(2SK3767)を使
った簡易リプルフィルタ一です。左右チャンネル共通で、両チャンネルに電源を提供します。
Volume 部、電源部の点線で囲んだ部分はユニバーサル基板上に作ります。
<回路定数>
使用真空管 5687 6N6P 6DJ8/6922
ピン接続
OPT ×2 7kΩ :8Ω
PT ×1 KmB90F(195V) KmB90F(195V) KmB90F(185V)
FET ×1 2SK3767
D1-D4 ×4 1N4007
D5 ×1 1N4007
D6(LED) ×1 1S2076(1SS270ARX、1N4148)
Rx ×2 51kΩ 1/4W 51kΩ 1/4W 51kΩ 1/4W
R1 ×2 470kΩ 1/4W
R2 ×2 3.3kΩ 1/4W 3.3kΩ 1/4W 3.3kΩ 1/4W
R3 ×2 82kΩ 2W 82kΩ 2W 68kΩ 2W
R4 ×2 750Ω 1/4W 560Ω 1/4W 910Ω 1/4W
R5 ×2 62Ω 1/4W 62Ω 1/4W 82Ω 1/4W
R6 ×2 3.3kΩ 1/4W 3.3kΩ 1/4W 3.3kΩ 1/4W
R7 ×2 560Ω 1/4W
R8 ×2 3.3kΩ 3W 3.3kΩ 3W 7.5kΩ 3W
R9 ×1 120kΩ 1/2W 120kΩ 1/2W 270kΩ 1/2W
R10 ×1 1.5MΩ 1/4W
R11 ×1 4.7kΩ 1/4W
R12 ×1 680kΩ 1/2W
R(LED) ×1 1.3kΩ 1/4W 1.3kΩ 1/4W 1.3kΩ 1/4W
C1 ×2 1000uF/16V
C2 ×2 1500pF/50V
C3 ×2 100uF/400V
C4 ×1 100uF/400V
C5 ×1 47uF/400V
電源電圧 - 243V 243V 243V
出力段カソード電圧 - 56V 57V 56V
出力段プレート電流 - 17mA 17.3mA 17mA
利得 NoNFB 5.6倍 5.9倍 17倍
NFB 3.59倍 371倍 5.3倍
最大出力 THD5% 0.7W 0.6W 0.38W
D.F. - 3.02 3.51 6.9
周波数特性 T-1200 8Hz-30kHz 5Hz-30kHz 5Hz-35kHz
AC100V ラインとヒーター配線: AC100V ラインおよびヒーター配線の例です。わかりやすく並行線で描
いてありますが、実際には交流の往復経路は捻るのがセオリーです。ヒーター配線は 4-5 ピン間に 6.3V をか
けて点火しますので2つの真空管のヒーターを直列にして電源トランスの 12.6V タップにつなぎます。
LED点灯回路: LEDは AC6.3Vのヒーター巻き線を使って点灯させます。回路は下図のとおりで、低圧巻
き線から適当な抵抗でドロップさせてLEDにじかにつなぐだけですが、このままですとLEDに逆電圧がかかり
ます。LEDの順電圧は約 2Vですから、6.3Vからドロップさせると 560Ωにかかる電圧は、6.3V-2V=4.3Vと
なり、ここに 560Ωを入れると電流は 7.7mAになりそうですがそうではありません。交流の半サイクルは仕事を
しませんので LEDに流れる平均電流はその半分の 4mA弱になります。50Hzで点灯した場合、LEDは1秒間
に 50回明滅しますから、その光り方はいささか特徴的です。
入力~ボリューム~初段グリッドまでの配線: 下図は RCAジャックから音量調整ボリュームを経て
初段グリッドまでの配線です。 2連ボリュームには6つの端子があります。右の画像でいうと上側3つを R-ch、
下側3つを L-chに使いました。3つずつある端子の右端がアースですので L/Rまとめて銅単線でつなぎそこ
から2本のアース(黒い線)を出しています。1本は入力端子へ、もう1本は本機アース母線(後述)につなぎま
す。入力のRCAジャックからきた信号ラインは左端の端子につなぎ、中央の端子は初段グリッドにつなぎます。
6DJ8 (6R-HH2)は 9 ピンが内部シールドにつながっているので、9 ピンを真空管ソケットのセンターピンとつな
いでおきます。利得が少ない本機の場合、ボリュームにはできれば2個の追加抵抗(Rx)をつけたいところで
す。これをつけておくとボリュームをまわした時の音量変化の感じがスムーズです。
アース母線: 2つの真空管ソケットのセンターピンをつなぐように「コ」の字型にしたスズメッキ線を半田づけ
し、ここに本機すべてのアースを集中させました。すずめっき線の場合は予熱して温度を上げてやるとつきが
いいです。
1.真空管のはたらき
真空管 6R-HH2は、内部のヒーターに 6.3Vの電圧をかけることにより、(熱)電子を放出します。こ
の電子を網目状のグリッドが邪魔をすることにより、流れる電子の量が変化します。音楽信号に従っ
て、小さい音の時は電子を流さなく、大きい音の時は音量に比例した量の電子を流してやることによ
り、グリッドに入力した音楽信号を、大きい音に増幅(amplify)することができるのです。
2.出力トランスのはたらき
真空管パワーアンプの重要パーツの一つに出力トランスがあります。真空管は内部抵抗が高い(~5 kΩ)
ので増幅した信号はスピーカーのインピーダンス(8Ω)と一致させる必要があり、インピーダンス整合ため
に出力トランスが使われます。このアンプには東栄変成器 T-1200(インピーダンス 8KΩ、出力 2.5W 用)を
使います。トランスとしてはとてもコンパクトなトランスです。
T-1200 は一次インピーダンスが 8k
Ω、二次側はスピーカーのインピーダンスによって 4Ω、8Ω端子に接続します。
製作のポイント
1.制作を容易にするために、回路図の点線で囲んだ部分を、ユニバーサル基板上に組みます。一つ
はボリュームの部分です。参考例をを見ながら、組み立てます。もう一つは、電源の安定化回路です。
これも参考例を見ながら組み立てます。
2.シャーシに入力端子、出力端子、スイッチ、トランス等を取り付けます。
3.配線はまず、電源部から行います。真空管の音楽信号の配線となるべく交差しないように合理的
な配線を心がけます。一度実験ノートに部品配置を実寸で書いてみて、シュミレーションすると、綺
麗な配線ができます。音楽信号は微小(数mV)ですが、真空管用高圧電源は 200V もあるからです。
音楽信号が乱されると、濁ったような歪んだ音になります。特に、ヒーター(真空管の 4 番品と 5 番
品)への配線は、線を良く撚ることにより、電流が流れることで生じる誘導磁場を打ち消すことがで
きるのです。
4.真空管ソケットの中心ピンを少し太いすずかけ銅線でブリッジし、ハンダ付けし、そこをアース
にします。最後に信号アースと電源アースをまとめ、一点アースで1点でシャーシに落とします。
5.真空管 は三極部が2ユニット入っている複合管ですので、ソケット付近の配線が混雑します。前
段と出力段側の配線は互いに交差しないような美しい配線を心がけましょう。また回路のセオリーと
して、出力管から OPT までの配線をはじめ上下の信号線はなるべく密着させて(配線を撚る)配線す
ると良いでしょう。
6.真空管内部の二つのユニット間はシールドされていますので、真空管ソケットの 9 番ピンはアー
スに接続します。いい加減な配線だと発振します。発振止めの抵抗が R2、R3です。この抵抗はなるべ
くピンの近くにハンダ付けします。
7.抵抗とコンデンサーは配線が長くならないよう、合理的な配置を心がけましょう。配線の引き回
しが長くなると、その線がアンテナとなり、雑音を拾います。
チェックと調整
1.完璧に配線ができたと思っても、2、3箇所くらいは間違えています。私の場合もそうで、一回
で完成したことはありません。特に、アース線の配線を忘れていることが多々あります。出力端子の
ー側(黒色)はアースに繋がっていますか?完成したと思ったら、まずは良く頭を冷やし、再度、回
路図とにらめっこして、間違いがないかを確認します。それが出来たと思ったら、再々度、確認して
ください。友達と相互に互の配線をチェックしてもらうのも有効です。
2.まず、テスターでアースと V+がショートしていないかを確認します。次にテスターでヒーターの
配線をチェックします。
3.スイッチがオフになっていることを確認します。ヒューズを入れ、電源線をコンセントに差込み
ます。「煙」や「バチッ」という音はしませんか?ヒューズが飛びませんか?
4.スイッチをいれます。一番緊張する瞬間です。「煙」や「バチッ」という音はしませんか?
OKなら、テスターを直流電圧の端子に設定し、電源部の V+の電圧(赤いリード端子を V+に、黒いリー
ド端子をアースに)を測定します。190V位出ていれば、この段階は成功です。この値を実験ノートに
控えておきます。
5.真空管をソケットにさします。固くてなかなか入れづらいのですが、慎重にグリグリしながら挿
入します。真空管を割らないように。過去に力づくで差込み、ガラスを割った人が何人もいます。
6.真空管をさした後、スイッチを入れ、再度 V+を測定します。先ほどより、少し低めの電圧が出る
はずです。「煙」や「バチッ」という音はしませんか?もし、変な臭がしたら、すぐ、スイッチをオフ
にしてください。電気回路はあなたの配線通りに動作します。間違っていれば、間違ったなりに、必
死に動作し、故障にいたります。
7.ここまで正常に動作していれば、ほとんど完成です。Volumeを絞り(反時計回りに回しきる)、テ
スト用スピーカーをつなぎ、iPOD や PC から音楽信号を入力してみます。何事もなければ、ゆっくり
Volumeをあげてみます。綺麗な音が出れば、、、、大成功です。
8。電圧測定中に他の所に接触して感電しないようにしましょう。ワニ口クリップを使い、テスター
端子を接続すると便利です。
9.上手に完成すれば、最低でも 10年以上は立派に使えます。長期間使っても故障しないように、も
う一度、ハンダ付けが不安な箇所、配線の引き回しなどをチェックします。故障には、必ず理由があ
ります。それを出来るだけ事前に防いでおくことが大事です。
10.御目出とうございます。完成です。あなたの努力がみのりました。このような成果を上げたこ
とを、物理学の言葉で表現すると「仕事をした」といいます。これからも良い仕事をして下さい。