12 監査上の重要性

学習のポイント

1. 監査上の重要性の意義

2. 重要性の基準値

3. 重要性と監査リスク

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監査上の重要性

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• 重要性 • 意思決定に影響を与えるかどうかの閾値

• 影響を与える➡重要である • 影響を与えない➡重要ではない

• 監査上の重要性 • 虚偽表示が財務諸表利用者の経済的意思決定に影響を与えるかどうかの閾値 • 影響を与える➡「重要な」虚偽表示

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監査上の重要性

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• 量的重要性 • 利用者の意思決定に影響を及ぼす虚偽表示の金額的大きさ

• 質的重要性 • 利用者の意思決定に影響を及ぼす虚偽表示の性質

• 監査人は両方の重要性を勘案して重要な虚偽表示を識別・評価しなければならない

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重要性の基準値

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• 量的重要性の指標 • 監査計画時に決定した重要と判断される虚偽表示の金額 • この金額を上回る虚偽表示が量的に「重要な虚偽表示」

• 質的重要性の考慮 • 少額でも他の関連項目や次年度以降に影響を及ぼすような事項に留意する必要がある

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重要性の基準値

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• 基準値の設定 • 総資産，純資産，売上高，経常利益，当期純利益等の金額に対する一定割合を基礎とした平均や中位数 • 例：総資産の3%，当期純利益の10％ など

• 経済情勢，財務情報の内容，投資者の財務情報への依存割合等を考慮

• 財務諸表全体レベルでの重要性の基準値 • 財務諸表に含まれる虚偽表示が適正意見を表明できないほどの大きさであるかどうかを判断する基準値

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重要性の基準値

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• 特定の取引種類・勘定残高・開示等に対する重要性の基準値 • 財務諸表利用者の意思決定に影響を与えると合理的に見込まれる特定の取引種類・勘定残高・開示等に適用する重要性の基準値

• 手続実施上の重要性 • 未修正の虚偽表示と未発見の虚偽表示の合計が重要性の基準値を上回る可能性を適切に低い水準に抑えるために，監査人が重要性の基準値より低い金額として設定する金額

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重要性と監査リスク

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• 監査上の重要性と監査リスクの間には負の相関関係がある • 重要性の基準値（金額）が小さい（大きい）と監査リスクは相対的に大きく（小さく）なる

• 重要性の基準値が小さい ➡より小さい金額の虚偽表示が「重要な」虚偽表示とみなされる ➡監査人はより少額の虚偽表示まで発見しなければ適切な監査意見を表明できない ➡監査リスク（監査の失敗リスク）は相対的に大きくなる

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重要性と監査リスク

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• 重要性の基準値が大きい

➡より大きい金額の虚偽表示でなければ「重要な」虚偽表示とはみなされない ➡監査人は比較的高額な虚偽表示を見逃しても適切な監査意見を表明したことになる

➡監査リスク（監査の失敗リスク）は相対的に小さくなる

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重要性と監査リスク

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• 重要性の基準値が小さ過ぎると過剰な監査になる ➡意思決定に影響しない虚偽表示まで考慮 ➡監査の非効率化

• 重要性の基準値が大き過ぎると監査の失敗が糊塗される ➡意思決定に影響する虚偽表示が見逃される ➡監査の有効性の喪失

• 適切な重要性の基準値の設定が必要

• 次回予告

–監査リスク・アプローチ

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