HIGIS 3/プレゼンテーション資料/J GrayA

22
2017年度 第1回SWIM研究会 (株)日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ 2017/5/19 悟、高橋 由泰、中川 香織、三部 良太 異業種連携によるバリューチェーン創生に向けた 事業価値評価方式の提案

Transcript of HIGIS 3/プレゼンテーション資料/J GrayA

2017年度 第1回SWIM研究会

(株)日立製作所 研究開発グループ システムイノベーションセンタ

2017/5/19

堀 悟、高橋 由泰、中川 香織、三部 良太

異業種連携によるバリューチェーン創生に向けた 事業価値評価方式の提案

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

1

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

2

1-1. 社会課題の変化

3

社会の複雑化に伴い、企業単独では解けない課題が増大

地球環境問題 食糧問題 格差の拡大

医療費増大 都市への人口集中 資源・エネルギー問題

1-2. 異業種連携による事業創生 (1/2)

4

社会課題解決に向けた異業種連携サービスへの期待の高まり

Society 5.0 Smart Service Welt

内閣府「第5期科学技術基本計画」にて提言

取り組み事例

エネルギーバリューチェーン

供給事業形態や需要の多様化を見越し、生産、 流通、消費をネットワーク化、需給を予測・制御

地域包括ケアシステム

予防・医療・介護データの共有・解析、職種を 超えた連携支援システムを構築

Industrie 4.0に続きドイツ工学アカデミーが提言

『第5期科学技術基本計画の概要』より抜粋

想定されているユースケースの例

Smart Logistic Services

港湾事業者、コンテナターミナル事業者、運送業者、 駐車場事業者を連携させ、物流を最適化

Smart Energy Services

電力需要と供給に関する情報を活用し、消費者の 要望に応じた電力を提供、新サービスを創生

『Smart Service Welt -Final Report-』より抜粋

GE Healthcare

1-3. 異業種連携による事業創生 (2/2)

5

様々な分野において異業種連携による事業創生が進展

取り組み

効果

患者の電子カルテ情報など 膨大な医療データを 収集・分析し、医療機関に 的確な治療方法を提言

健康レベル向上・医療費削減

Coca-Cola (Project Last Mile)

取り組み

効果

流通、物流などの知見を 活用し、アフリカ各国政府が アクセス困難な僻地に 医薬品や医療物資を供給

人命の維持・QoL向上

Unilever (Project Shakti)

取り組み

効果

石鹸などを小分けにして単価 を抑えるとともに、販路の無い 農村で現地女性に職業訓練 を行い、製品販売を委託

衛生環境向上・経済的自立

本研究 の目的

異業種連携によるサービス実現の支援技術の開発

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

6

2-1. 異業種連携の事例 (1/2)

7

医療 機関

利用者

医療 保険 会社

デバイス メーカ

通常の医療保険会社と関連ステークホルダーのビジネスモデル

医療サービス 受診料 保険料 給付金 端末 端末料金

サービス提供者間に連携は無く、利用者に個別にサービスを提供

2-2. 異業種連携の事例 (2/2)

8

医療 機関

利用者

医療 保険 会社

デバイス メーカ

保険料 健康情報

給付金 端末

インセンティブ

Oscar社のサービスにおけるビジネスモデル (Oscar社HPより作成)

端末

端末料金

適切な治療適用 ⇒ 受診者増加

付加価値向上 ⇒ 契約者増加

端末売上増加

健康促進 ⇒ 医療費削減

医療サービス

社会課題 総額医療費削減

受診料 健康情報

2-3. 課題

9

フェーズ 取り組み 課題

創生 新サービスの検討や その事業性の評価

評価結果に関する 納得感の醸成や合意形成

条件に応じた評価の 迅速な実行

構築 サービスを実現する

システムの開発 互いにI/Fが異なる

各種システムの迅速な連携

運用 サービス品質の 監視や分析

複数システムを束ねた形での サービス全体の監視や分析

異業種連携サービス実現における課題を サービスのライフサイクルのフェーズ毎に整理

本発表での スコープ

2-4. 従来研究

10

価値評価の迅速性や納得性に焦点を当てた取り組みは見られない

事業性評価モデル

Value Network Model

サービスの価値評価に関する従来研究

ワイガヤからはじめる事業性評価 ―ビジネスモデリング技術を活用したシミュレーション事例―, FRIコンサルティング最前線, vol.97, pp.34-41, (株) 富士通総研, 2013.

A value network model for strategic analysis, Proceedings of 41st Hawaii International Conference on System Sciences, 2008

システムダイナミクスを活用しながら、 段階的にビジネスモデルを詳細化

組織間のバリューネットワークの モデル化のための枠組みを提唱

システムダイナミクス KPIツリー

整理・ 定式化

経済主体のモデル バリューネットワークの例

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

11

3-1. アプローチ (1/2)

12

バリューチェーンの繋がりに基づいた形で事業価値の評価結果を 表示することにより、ステークホルダーによる理解容易性を向上

契約者

医療保険 会社

医療機関

契約

審査 サービス開始

入院

審査 アドバイス

無視

行動

保険金推定 △△円

給付金推定 ○○円

入院人数 ××人 頻度少

頻度大

3-2. アプローチ (2/2)

13

様々な想定下での事業価値の評価を迅速に行うために 事業性のシミュレーションに必要となる各種作業を支援

シミュレーション モデル構築

トランザクション データの作成

ビジネス パラメタ設定

シミュレーション 実行

実行結果を見て ビジネスパラメタを調整

シミュレーション 実行プロセス の概要

アプローチ

バリューチェーンの 統合パターンから シミュレータ入力の

雛形を生成

現行システムの ログから

新サービスでの 仮想ログを生成

ビジネスパラメータの 最適化計算を実行

3-3. VC統合パターンによるシミュレータ入力の雛形生成

14

VC統合事例のパターン化により、シミュレーションモデルを迅速に構築

技術課題 シミュレーションモデルの迅速な構築

解決方法 VCの統合事例をパターン化。既存VCにパターンを適用することにより シミュレーションモデルの雛形を生成

バリューチェーン統合パターンの例 (事例を基にパターン化)

バリューチェーン統合前

非定常 サービス 提供者

定常 サービス 提供者

契約者

非定常サービス 定常サービス

バリューチェーン統合後

非定常 サービス 提供者

定常 サービス 提供者

保険 会社

契約者

サービス 状況

給付金 アドバイス

インセンティブ 保険料

非定常サービス 定常サービス

サービス 料

利用者 紹介

サービス 状況

サービス 料

定常 サービス料

非定常 サービス料

仮想ログ生成の流れ

現行サービスの情報 新規サービスの情報

3-4. 新サービスでの仮想ログ生成

15

VC統合後の業務の流れとKPIをシミュレーション

技術課題 VC統合の検討案である新VCにおける複数事業のKPIの可視化・予測

解決方法 現状VCの既知情報と新VCの想定情報を基に、新VCの事業の流れとKPIをシミュレーション

ビジネスパラメータの例

可視化結果

現行システム のログ

現行サービスの バリューチェーン

新規サービスの バリューチェーン

新規サービスの ビジネスパラメータ

参照 設計

バリューチェーンの差分抽出

バリューチェーン差分情報

仮想ログ生成

新サービスでの仮想ログ 可視化

契約者

医療保険 会社

医療機関

△△円

項目 値

アドバイス受け入れ率 70%

インセンティブ 10000円/年

… …

○○人

3-5. ビジネスパラメタの最適化

16

想定部分が多い新VCにおいて、ビジネスの成立条件を定量的に算出

技術課題 想定部分が多い場合における、ビジネスパラメタの最適化

解決方法 ビジネスパラメタ間に存在する依存性から、典型シナリオを複数算出。 シナリオごとにビジネスが成立するためのパラメタを逆推定

行動率

初期健康度

支払保険金

慢性疾患率

𝑃 = 𝑓∗(𝑥) KPI ビジネスパラメタ

行動率

初期健康度

最適解

探索範囲

パラメタ間の依存性から探索範囲を限定 この範囲でKPIを最適化するパラメタを算出

ビジネスパラメタ間の依存性を活用

契約者

医療 保険 会社

医療 機関

契約

アドバイス

入院

審査

無視

行動

保険金推定 △△円

給付金推定 ○○円

入院人数 ××人

頻度少

頻度大

行動率 想定

入院率 想定

保険金 想定

新バリューチェーン

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

17

4-1. ユースケース

18

ユースケース①

目標利益の達成に必要な健康に 良い行動をする人の割合を算出

Oscar社のサービスを例にした想定ユースケース

結果

対策例

割合を当初想定よりも 増加させる必要有り

より良いインセンティブの 提供方法を検討

ユースケース②

目標利益の達成に必要な 健康に良い行動による効果を算出

結果

対策例 契約者に促す行動をより 良いものにすることを検討

事業のGO/NOGOの意思決定を支援するともに NOGOの場合に何をすべきかの検討を支援

効果を当初想定よりも 増加させる必要有り

項目 値

アドバイス 受け入れ率

70%

アドバイス の効果

10%

… …

項目 値

保険会社 利益

XX円

保険会社 売上

YY円

… …

目標を設定

シミュレーション

契約者

医療 保険 会社

医療 機関

契約

アドバイス

入院

審査

無視

行動

契約者

医療 保険 会社

医療 機関

契約

アドバイス

入院

審査

無視

行動 保険金推定

△△円

給付金推定 ○○円

入院人数 ××人

1. はじめに

2. 異業種連携によるバリューチェーン創生

3. 事業価値評価方式

4. ユースケース

5. おわりに

Contents

19

5-1. まとめと今後の課題

20

今後の課題

実案件への適用を通じた方式の洗練化

バリューチェーン統合パターンの深度化

まとめ

複数ステークホルダーが存在する新規事業の価値の迅速な評価と その評価結果の納得性向上を狙いに、既存システムのログを活用し、 バリューチェーンの繋がりを基に結果を可視化することを特徴とする 事業価値評価方式を提案

以下によりシミュレーション・可視化の迅速な実行を支援

バリューチェーン統合パターンによるシミュレータ入力の雛形生成

既存システムのログを活用した新サービスでの仮想ログ生成

ビジネスパラメータの最適化

異業種連携サービスを効率的に創生