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1 サロマ湖地区 直轄特定漁港漁場整備事業 事前評価 資料3-1

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  • 1

    サロマ湖地区

    直轄特定漁港漁場整備事業 事前評価

    資料3-1

  • サロマ湖漁港の概要• サロマ湖漁港は、北海道北東部オホーツク海とサロマ湖を結ぶ湖口部に位置する第4種漁港• 貝類養殖、サケ定置網、小型底曳網を中心とした周辺漁港の漁業を支える生産拠点• 湖内漁港所属の漁船がオホーツク海に出漁するための唯一の航路であるとともに、サロマ湖内

    の水質環境を維持するための海水交換機能を保持

    2

    サロマ湖漁港(第1湖口地区)

    サロマ湖漁港(第2湖口地区)

    サロマ湖漁港(北見市、佐呂間町、湧別町)

    サロマ湖漁港(北見市、佐呂間町、湧別町)

    北海道東部のオホーツク海とサロマ湖を結ぶ湖口部に位置する第4種漁港(昭和63年3月31日第1湖口が指定され、平成13年6月26日第2湖口が指定)

    第1湖口地区

    サロマ湖地区

    第2湖口地区オホーツク海 オホーツク海

    サロマ湖 サロマ湖

    オホーツク海

    サロマ湖

    c AIRBUS DS 2016.8.11

    c AIRBUS DS 2016.8.11

    c AIRBUS DS 2016.8.11

  • 平成28年 漁獲量の魚種別内訳 平成28年 漁獲高の魚種別内訳

    【平成28年港勢(周辺8漁港)】利用漁船隻数 ・・・・・・・・ 836 隻漁獲量 ・・・・・・・・ 95,303トン漁獲高 ・・・・・・・・ 235.2億円主な魚種 ・・・・・・・・ ホタテガイ、サケ類、カキ、マス類

    (資料:H28港勢調査)

    サロマ湖漁港の港勢 3

    資料:H28港勢調査 資料:H28港勢調査

    主な漁業種貝類養殖、小型底曳網、サケ定置網

    95,303トン 23,515百万円

    ※周辺8漁港 : 常呂河口、栄浦、浜佐呂間、富武士、芭露、登栄床、常呂、湧別

    ※ホタテとサケの2魚種で、漁獲量、漁獲高は全体の約9割を占める

  • サロマ湖漁港の役割(1) 4

    〇周辺8漁港との関係性・サロマ湖周辺には、主に湖内のホタテ・カキ養殖、外海地まき放流作業を行う5漁港及び、ホタテガイ成貝陸揚とサケ・マス定置網漁業を行う湖外の3漁港の合計8漁港がある。サロマ湖内では、稚貝の育成を行っており、稚貝放流などの際に、湖外にある3漁港を利用する漁船がサロマ湖漁港の航路を利用して、湖内と湖外を行き来する。サロマ湖漁港は、それら漁港を利用する漁船の湖内外を結ぶ航路として重要な役割を果たしている。

    第1種浜佐呂間漁港

    第1種富武士漁港

    (富武士地区)

    第1種芭露漁港

    第1種登栄床漁港

    第4種サロマ湖漁港

    (第1湖口地区)

    第2種湧別漁港

    第2種常呂漁港

    第1種常呂河口漁港

    利用動線

    第1種富武士漁港(若里地区)

    第1種漁港 第2種漁港 第4種漁港

    第1種栄浦漁港

    第4種サロマ湖漁港

    (第2湖口地区)

    オホーツク海

    サロマ湖

    c AIRBUS DS 2016.8.11

  • 〇国内外へのホタテガイの安定供給を支える生産拠点

    サロマ湖漁港の役割(2) 5

    ・サロマ湖は、両湖口における航路の適切な保全により、湖内水質が適切に維持されており、オホーツク海におけるホタテ稚貝の一大生産地となっている。

    ・生産されたホタテ稚貝は、外海の地撒き放流及び湖内での養殖のほか、他地域にも供給されている。また、ホタテ成貝の生産量は、サロマ湖周辺漁港全体で全国の約2割を占めている。

    ・平成17年度には、網走中部海域(湧別町~北見市常呂町)が対EU輸出ホタテガイ生産海域として指定され、平成18年度には、対EU輸出HACCP認定水産加工場と連携してフランス等へホタテの輸出が開始されている。

    栄浦漁港

    芭露漁港

    登栄床漁港

    富武士漁港

    浜佐呂間漁港

    サロマ湖漁港

    第1湖口地区

    湧別漁港

    常呂河口漁港常呂漁港

    7.88億粒(1.24万トン)

    他地域*へ販売

    0.14万トン

    湖内養殖

    0.06万トン

    外海地まき

    1.04万トン

    サロマ湖漁港

    第2湖口地区

    ※端数処理のため、合計値は必ずしも一致しない(*紋別、興部、枝幸、猿払、標津等)

    ;第1種漁港;第2種漁港

    サロマ湖のホタテ稚貝の流通

    湖内ホタテ稚貝生産

    ホタテガイ生産

    ホタテガイ生産

    ホタテ成貝の主な輸出先

  • サロマ湖漁港(第1湖口地区)の現状と課題(1)

    • 湖口周辺の漂砂により、航路における浅瀬形成や航路の狭隘化が進行。• 慎重な航行により、湖口での航行時間が増加。

    平成30年6月

    ;計画航路

    浅瀬の形成

    0.5 1.0 1.5 2.0(km)

    40.4

    0.6

    0.8

    1.0

    1.2

    1.4

    1.6

    1.8

    2.0

    2.2

    2.4

    2.6

    2.8

    3.0

    3.2

    (km)

    0.5 1.0 1.5 2.0(km)

    40.5 1.0 1.5 2.0

    (km)

    40.5 1.0 1.5 2.0

    (km)

    4

    第1湖口の地形図

    平成27年6月 平成28年6月 平成29年6月

    ;計画航路

    浅瀬の形成

    ;計画航路

    浅瀬の形成

    ;計画航路

    浅瀬の形成

    航路狭隘化航路狭隘化

    航路狭隘化

  • サロマ湖漁港(第1湖口地区)の現状と課題(2)• 波浪により、海岸線が大きく浸食されており、また砂州の決壊が発生。• 砂州の決壊により新たな流路が形成されることで、波浪が直接航路部へ進入し、砂も流

    入しやすくなるため、新たな浅瀬が形成される。

    • そのため、慎重な航行を要することとなることから、早急な波浪の進入対策が必要。

    決壊箇所

    砂洲の決壊により、新たな流路が形成

    砂州の決壊状況

    波浪の進入

    0.5 1.0 1.5 2.0

    0.5

    1.0

    1.5

    2.0

    2.5

    3.0

    2015.10-2016.06

    波浪による侵食

    H27.10~H28.6の地形変化

  • サロマ湖漁港(第1湖口地区)の現状と課題(3)

    • 平成30年の流氷接岸時にアイスブームが破断し、流氷の一部が湖内へ流入。不測の事態に対し、湖内漁業施設への被害を防止するためには、迅速な復旧体制の確保が必要。

    ロープ切断箇所(No3-4スパン)

    オホーツク海

    サロマ湖

    湖内に流入した流氷

    サロマ湖

    オホーツク海

    湖内への流氷の流入状況

    メインロープ切断状況(H30.2.5撮影)

    切断による養殖施設への影響

    ホタテ養殖施設被害イメージ

  • サロマ湖漁港(第2湖口地区)の現状と課題

    • 平成24年大型低気圧に伴う波浪により湖口に漂砂が流入し、湖口航路が埋没。不測の事態に対し、航路水深の確保とともに湖内水質を保全する対策が急務。

    • また、近年の波向き変化や高波浪による越波への対策が必要。

    湖口航路の埋没状況

    湖口に漂砂が流入し、航路が埋没。第1湖口へ迂回するなど、漁船航行への支障が生じている。

    既設防砂堤の越波状況

  • 新規計画の内容(サロマ湖地区) 10

    第1湖口地区

    第2湖口地区

    【国内外への安定的な水産物供給体制の確保】

    [第1湖口地区]・防波堤の延伸、嵩上げ・防波堤の改良・航路の整備

    [第2湖口地区]・防砂堤の延伸、嵩上げ・航路、航路護岸の整備

    計画概要

    【施設名】 【事業量】

    [第1湖口地区]西外防波堤東防波堤内港防波堤(改良)-4.5m航路[第2湖口地区]西防砂堤東防砂堤-4.5m航路護岸(航路東)

    L= 220.0mL= 210.0m

    1式A= 106,000m2

    L= 130.1mL= 130.1mA= 4,000m2L= 271.2m

    内港防波堤(改良)

    東防波堤

    西外防波堤

    西防砂堤

    東防砂堤

    -4.5m航路

    護岸(航路東)

  • 便益

    水産物生産コストの削減効果 10.90億円

    漁獲機会の増大効果 0.19億円

    漁獲可能資源の維持・培養効果 66.66億円

    漁業就労者の労働環境改善効果 0.16億円

    計(総便益額) 77.91億円

    ○定量的な効果

    • 安定的なホタテガイの生産・流通体制の確保、輸出促進への貢献。• サロマ湖内外における持続可能な漁業活動の確保。

    ○定性的な効果

    事業の投資効果

    本事業により期待される主要な効果

    11

  • 栄浦漁港

    富武士漁港

    第1湖口地区

    第2湖口地区

    1)水産物生産コストの削減効果 12

    第2湖口に漂砂が流入し航路が埋没することで、漁船の航行が困難となり、第1湖口地区への迂回が必要となる。防砂堤及び航路等の整備により、航路の常時利用が可能となり、第1湖口地区への迂回にかかる航行時間の短縮及び燃料費の削減が図られることから、これらの効果を便益として計上。

    ×対象漁船

    隻数操業回数

    ×操業日数

    ×対象作業

    人員× 35,552千円/年

    年間便益額

    =× 按分率※労務単価 ×

    ①漁船航行時間の短縮

    ②漁船経費の削減

    ×対象漁船

    馬力

    22,719千円/年年間便益額

    × 按分率燃油単価 ×

    航行時間

    迂回距離(往復)

    航行速度

    航行時間

    迂回距離(往復)

    航行速度

    漁船燃費

    燃料重量

    整備前 整備後

    漂砂の影響により第1湖口地区への迂回が発生

    栄浦漁港

    富武士漁港

    防砂堤・航路の整備により、迂回の必要が無くなる

    第1湖口地区

    第2湖口地区

    浜佐呂間漁港 浜佐呂間漁港

    漁場 漁場

    c AIRBUS DS 2016.8.11

    c AIRBUS DS 2016.8.11

    ×対象漁船

    隻数操業回数

    ×操業日数

    × ×

    ○防砂堤・航路等の整備による漁船航行時間の短縮(第2湖口地区)

    ※前計画と新計画の事業費按分以下、同じ

  • 2)漁獲機会の増加効果 13

    第1湖口では漂砂の影響により航路に浅瀬が形成され波高が増大するため、出漁日数の制約を受けている。防波堤の延伸・航路の整備により、航路の常時利用が可能となり、外海への出漁日数や漁獲量の増加が期待できることから、この効果を便益として計上。

    798千円/年

    年間便益額=/

    漁獲金額(税抜き)

    整備前出漁日数

    ×整備後

    出漁日数-

    整備前出漁日数

    ×漁業

    所得率× 按分率

    航路の安定的な利用により、出漁回数が増加

    航路等の整備により、航行の支障を解消漂砂による浅瀬

    での波高の増大

    整備前 整備後

    外海では波高が約2.5m以下であれば出漁可能だが、航路を覆った浅瀬で波高が増大し、出漁を見合わせている場合がある

    ○防波堤・航路の整備による出漁回数の増加(第1湖口地区)

  • 3)漁獲可能資源の維持培養効果 14

    漂砂による第2湖口の埋没発生により、湖水と海水との交換機能が低下し、湖内ホタテ稚貝生産量が減少する。防波堤、防砂堤、航路等の整備により、湖水と海水の交換機能が保持され、湖内水質環境が保全されることから、ホタテ稚貝生産量の減少の防止が図られるため、この効果を便益として計上。

    425,382千円/年

    年間便益額=

    湖口埋没によるホタテ稚貝生産量の減少額

    ×漁業

    所得率× 按分率

    第1湖口地区

    第2湖口地区

    ホタテガイ養殖漁場

    航路の埋没による湖口埋塞⇒湖内と外海の海水交換が

    不可能

    整備前 整備後

    ホタテガイ養殖漁場

    第1湖口地区

    水質悪化により、ホタテ等の生育不良やへい死が発生

    ⇒ホタテ稚貝生産額の減少海水交流による湖内水質確保⇒ホタテ稚貝生産量を維持

    海水交換が維持される⇒湖内の水質環境の維持

    ○外郭施設・航路等の整備によるホタテ稚貝生産量減少の防止(第1湖口・第2湖口地区)

    ホタテガイ養殖

    カキ養殖

    第2湖口地区

    ホタテガイ養殖

    カキ養殖

  • 4)漁業就業者の労働環境改善効果 15

    第2湖口では漂砂の影響により浅瀬が形成されると、三角波を避けるために慎重な操船が必要となるが、防砂堤、航路等の整備により、湖口部の三角波が解消し、安全な操船が容易となるため、漁業者の労働環境が改善することから、この効果を便益として計上。

    ×対象漁船

    隻数操業回数

    ×操業日数

    ×対象作業

    人数×

    作業時間

    × 労務単価

    738千円/年

    年間便益額

    =× 按分率作業環境改善係数の差※ ×

    ・漂砂の影響により湖口部へ堆砂が発生・三角波を避けるため、慎重な操船が必要

    防砂堤・航路等の整備により、航路利用の安全性が確保

    ※屋外での激しい風雪下における作業を余儀なくされる職種や事故等の危険性が高い職種の平均報酬日額と比較的肉体的負担の少ない職種の平均報酬日額の比率

    整備前

    三角波の形成

    整備後

    航路水深の確保

    漂砂による浅瀬

    慎重な操船が必要

    航行の支障を解消

    ○ 防砂堤・航路等の整備による出入港時操船環境の改善(第2湖口地区)

    三角波を避けるため減速

    三角波発生箇所(湖口前面)

    三角波の発生

    三角波

  • サロマ湖漁港の主な便益

    ○効果内容

    16

    効果項目 効果内容

    年間便益額

    備考金額(千円/年)

    水産物生産コストの削減効果

    防砂堤・航路等の整備による漁船航行時間の短縮(第2湖口地区)

    58,271 現計画と前計画で事業費案分

    西外防波堤の整備による航行時間の短縮(第1湖口地区)

    12,477

    内港防波堤の整備による流氷被害額の削減(第1湖口地区)

    95 現計画と前計画で事業費案分

    漁獲機会の増大効果

    防波堤・航路の整備による出漁回数の増加(第1湖口地区)

    798 現計画と前計画で事業費案分

    防砂堤・航路等の整備による出漁回数の増加(第2湖口地区)

    448 現計画と前計画で事業費案分

    漁獲可能資源の維持培養効果

    防砂堤・航路等の整備によるホタテ稚貝生残率の向上(第2湖口地区)

    10,369 現計画と前計画で事業費案分

    外郭施設・航路等の整備によるホタテガイ稚貝生産量減少の防止(第1湖口・第2湖口地区)

    425,382 現計画と前計画で事業費案分

    労働環境改善効果

    防砂堤・航路等の整備による出入港時操船環境の改善(第2湖口地区)

    738 現計画と前計画で事業費案分

    防波堤・航路の整備による出入港時操船環境の改善(第1湖口地区)

    303 現計画と前計画で事業費案分

  • 費用

    第1湖口地区

    西外防波堤 5.46億円

    東防波堤 8.19億円

    内港防波堤(改良) 2.01億円

    -4.5m航路 3.46億円

    第2湖口地区

    護岸(航路東) 3.10億円

    西防砂堤 17.48億円

    東防砂堤 19.66億円

    -4.5m航路 8.01億円

    計(事業費) 67.37億円

    総費用額(現在価値化) 54.84億円

    本事業に要する事業費17

  • 事業費(億円) 67.37億円

    整備予定期間 令和2年度 ~ 令和11年度

    便益(億円)(年単純合計)

    5.09億円

    総費用(C)(億円)

    C=54.84億円

    総便益(B)(億円)

    B=77.91億円

    費用便益比(B/C)

    B/C = 1.42

    18費用対効果分析結果

    需要 建設費 建設期間

    +10% -10% +10% -10% +10% -10%

    費用便益比(B/C)

    1.56 1.28 1.30 1.57 1.40 1.42

    感度分析結果(参考)