メラルコ地方電化事業 - JICA...ニラ電力(Meralco: Manila Electric Company)の2...

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- 1 - フィリピン メラルコ地方電化事業 メラルコ地方電化事業 メラルコ地方電化事業 メラルコ地方電化事業 : 2002 6 : 2001 6 1. 1. 1. 1. 事業の概要と円借款による協力 事業の概要と円借款による協力 事業の概要と円借款による協力 事業の概要と円借款による協力 サイト地図 本事業で電化された家屋(リサール州) 1.1 1.1 1.1 1.1 、フィリピンに NPC: National Power Corporationあるマ ニラ (Meralco: Manila Electric Company) 2 していた。 あり、 して あるメラルコ 、マニラ および 5 エリア して営 ってきていた。一 ある NPC らが する *1 うだけ く、 (IPP)から し、 じてメラルコを じめ する *2 (REC: Rural Electric Cooperative)りするほか、大 していた。 メラルコ エリア 1989 において 93.2%233 217 帯が あった。マニラ メラルコ エリア 7.2%めているに いが、 61%していた。一 、それ以 1 キロ たり 200 、マニラ 1/10 いう にあった。こ ように 囲に しているため コストが く、そ における にあった。 よう における ため して、 されていた。 1.2 1.2 1.2 1.2 マニラ メラルコ エリアにおいて、 ち れている するこ により、 1.3 1.3 1.3 1.3 事業範囲 事業範囲 事業範囲 事業範囲 2 されている。 お、 11,044 75% (8,283 1 NPC フィリピン 94%していた。 2 (REC) によって に運営されている にあるメラルコ 域を ぞく、 している。

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フィリピン

メラルコ地方電化事業メラルコ地方電化事業メラルコ地方電化事業メラルコ地方電化事業 評価報告: 2002年 6月 現地調査: 2001年 6月

1. 1. 1. 1. 事業の概要と円借款による協力事業の概要と円借款による協力事業の概要と円借款による協力事業の概要と円借款による協力

サイト地図 本事業で電化された家屋(リサール州)

1.11.11.11.1 背背背背 景景景景

審査当時、フィリピンには国営電力公社(NPC: National Power Corporation)と民間企業であるマニラ電力(Meralco: Manila Electric Company)の 2つの電気事業者が存在していた。 本事業の実行機関であり、配電会社としては国内最大であるメラルコは、マニラ首都圏および周辺の 5州を供給エリアとして営業を行ってきていた。一方、国内最大の発電事業者であるNPC は、自らが所有する発電所*1で発電を行うだけでなく、独立系発電事業者(IPP)から電力を購入し、独自の送電網を通じてメラルコをはじめとする配電会社や地方電化組合 * 2 (REC: Rural Electric Cooperative)に電気を卸売りするほか、大規模需要家にも直接売電していた。 メラルコの供給エリア内の世帯電化率は 1989 年において 93.2%(233 万世帯中 217 万世帯が電化)であった。マニラ首都圏の面積はメラルコの供給エリアの 7.2%を占めているに過ぎないが、人口の 61%が集中していた。一方、それ以外の地域では 1 平方キロ当たりの電化世帯数は 200 以下で、マニラ首都圏の 1/10 以下という水準にあった。このように地方では、家屋が広範囲に散在しているため配電設備の建設コストが高く、その結果、地方における電化率は低い水準にあった。このような背景のもと、地方における生活水準向上のための手段として、包括的な地方電化事業が必要とされていた。

1.2 1.2 1.2 1.2 目目目目 的的的的

マニラ首都圏周辺のメラルコの供給エリアにおいて、立ち後れている電化を推進することにより、地方住民の生活水準の向上及び地方開発を図るもの。

1.3 1.3 1.3 1.3 事業範囲事業範囲事業範囲事業範囲

本事業は以下の 2つの要素で構成されている。なお、総事業費 11,044百万円相当の 75% (8,283

1 当時、NPCはフィリピン全土の発電設備の 94%を所有していた。 2 地方電化組合(REC)は地方政府によって独自に運営されている組合で、国家電力庁の管轄下にあるメラルコの管轄地域をのぞく、地方の電化を担当している。

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百万円相当)が円借款でまかなわれる。

a) 配電施設建設: マニラ首都圏周辺の 5州(ケソン、ラグーナ、リサール、カビテ、ブラカン)における高圧配電線、低圧配電線の敷設

b) 引き込み線建設: 約 100,000 世帯への引き込み線建設

1.4 借入人/実施機関/実行機関借入人/実施機関/実行機関借入人/実施機関/実行機関借入人/実施機関/実行機関

フィリピン政府/フィリピン国営銀行 (PNB)/ メラルコ(Meralco) *3

1.5 1.5 1.5 1.5 借款契約概要借款契約概要借款契約概要借款契約概要

円借款承諾額/実行額 8,283百万円/7,414百万円 交換公文締結/借款契約調印 1991年 3月/1991年 7月

借款契約条件 金利 2.7 %、返済 30年 (うち据置 10年)、一般アンタイド 貸付完了 1999年 12月

2. 2. 2. 2. 評価結果評価結果評価結果評価結果

2.1 2.1 2.1 2.1 計画の妥当性計画の妥当性計画の妥当性計画の妥当性

本事業は、メラルコが策定した地方電化プログラム(REP)に沿って実施された。当時、フィリピン政府の中期国家開発計画(1987-1992)では、地方の貧困撲滅に大きな重点をおいていた。こうした方針に従って、メラルコはマニラ首都圏における貧困地域電化事業 (DAEP: Depressed Area Electrification Project) および地方電化事業 (REP: Rural Electrification Project)を実施してきた。 しかし、マニラ首都圏以外の地域は人口密度が低い上に、送配電設備からの距離が離れているため、一世帯当たりの電化費用は相対的に高くなる傾向にあった。さらに、高い送配電ロスと低い料金回収率は、これら地方電化事業を実施する上で大きな阻害要因となっていた。そのため、政府・メラルコの双方が、地方の生活向上には電化が必要であることを認識していたものの、上記 2つの地方電化事業は行き詰まっていた。従って、本事業は当時のフィリピンの国家開発計画に合致し、妥当であったと認められる。 現在では、O-Ilawプログラム*4と呼ばれる地方電化計画に基づき、国家電化庁は十分且つ安定的な電力を供給することにより、とくに地方に居住する人々の生活環境の改善を目指している。同プログラムでは 2006年までに全ての村落の電化を完了させることを目標としている。従って、本事業の目的は、現在フィリピン政府が掲げる開発計画に照らしても依然として妥当であると言える。

表-1: エネルギー省策定の O-Ilaw プログラム(電化計画)目標値

電化村落数 電化世帯数 (1,000) 地方電化組合 メラルコ その他 合計 農村電

化率 地方電化組合 メラルコ その他 合計 世帯電

化率 2000 27,737 4,172 1,458 33,367 79.6 5,403 3,382 994 9,748 78.7 2006 36,108 4,352 1,565 41,935 100.0 7,836 4,088 1,511 13,077 93.7

出典: エネルギー省資料

3 フィリピン政府は直接民間企業に外国からの借款を転貸できないため、本事業の実施機関は便宜上フィリピン国営銀行(PNB)となった。先方の大蔵省および国家電化庁の承認の元、メラルコはフィリピン政府および PNB を通じ借款を受領し国家電化庁の監理のもと事業を実施することになった。

4 O-Ilaw: “O” は英語のオペレーション、“Ilaw”はタガログ語で光を意味する

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2.2 2.2 2.2 2.2 実施の効率性実施の効率性実施の効率性実施の効率性

2.2.1 事業範囲

審査時点では、106,213世帯を電化する計画であったが、実際には本事業によって電化された世帯は計画段階よりも 83,354世帯多い、189,567世帯となった。この変更に伴い、電柱、二次変圧器、配電線、引き込み線、メーターなどの資材調達量も増加した。計画変更自体は、地方電化を推進するという事業目標を達成する観点からみた場合、妥当であるといえる。 この計画の変更は、主として 1991年にバタンガス州が新たにメラルコの供給エリアに含まれたことにより、対象世帯が増加したことに起因するものである*5。

2.2.2 工 期

事業は、審査時に計画されたとおり 1991 年 7 月に開始されている。しかし、事業が完了したのは、当初スケジュールから 37 ヶ月遅れの 1999 年 10 月であった。事業が遅延した要因は、前述の通り事業範囲が大幅に拡大されたことによるもので、事業範囲が拡大したことにより、事業実施に必要な土地利用権の取得や地元団体との協議が必要になったことに起因する。これらの作業は、村落組合のリーダーがメラルコのスタッフの協力を得る形で実施された。 計画変更に伴って増加した設計や建設などの一部業務は、メラルコが外部業者に委託することにより事業の遅延を最小限に留めることができた。ただし、電化申請手続きに関する住民への協力・調整作業については、外部業者に委託することができず、メラルコ内部の人員のみで作業が行われた。しかしながら、対象世帯が大幅に増加していたため職員だけでは対応が追いつかず、申請にかかる作業が遅延した。

2.2.3 事業費

総事業費は、事業範囲が拡大した結果、計画時見積もりの 11,044 百万円から 15.2%多い 12,722百万円となった。但し、電化された世帯数が計画時の約 1.6倍になっていることを考えると、事業目的は費用面から見て効率的に達成されたと考えられる。 供与された円借款は 7,414 百万円で、全事業費の 58.3%を占めている。この金額は借款契約調印時に定められた借款限度額 8,283 百万円を 869 百万円下回る結果となった。国際協力銀行は、事業遅延に伴い円借款供与の期限を 2年間延長したが、期限内に事業が完了しなかったため一部金額は未使用のままとなった。事業費が見積もりを超えた額については、最終的にメラルコが自己資金にて補った。

5 日本円・米ドルに対してフィリピン・ペソの価値が下落したため、フィリピン国内で調達した機材や労働力をより安価により多く調達することができたことも、対象世帯を増加させることができた要因である。

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2.3 2.3 2.3 2.3 効果(目的達成度)効果(目的達成度)効果(目的達成度)効果(目的達成度)

2.3.1 電化率向上への寄与

本事業ではマニラ首都圏の外側に位置する 6つの州に居住する 189,567世帯が電化された。事業対象地は各州の中でも、世帯密度が低い上に、メラルコの配電網からも遠いため電化が困難な地域であった。2000年における対象 6州の総電化世帯は 168.6万世帯であるが、そのうち本事業で電化された 18.96万世帯は、全体の 11.25% を占めている。 ケソン州の場合、1991 年における世帯電化率は 61.0%と 6 州のなかで最も低くなっていたが、本事業により電化された世帯は、2000年時点で州全体の電化世帯の実に 32.7%を占めた。

表-2: 電化世帯数の推移と本事業の寄与 (単位: 1,000世帯)

1988 年 1991 年 1994 年 1997 年 2000 年*A 本事業対象*B 本事業寄与率 (B/A)

マニラ首都圏 1,192.2 1,481.9 1,715.3 1,983.2 2,206.5 0.00 0.00% リサール 112.8 169.9 209.1 240.1 312.6 48.97 15.67% ブラカン 197.1 271.6 319.8 368.5 415.3 38.37 9.24% ラグーナ 162.1 218.3 265.7 309.2 351.0 19.19 5.47% ケソン 80.4 83.0 105.6 127.4 150.8 49.33 32.71% カビテ 146.1 207.1 271.9 333.7 385.9 27.35 7.09% バタンガス 8.6 10.0 53.9 63.6 70.0 6.36 9.08% 合計(マニラ首都圏含む) 2,276.8 2,434.9 2,941.3 3,425.7 3,892.1 189.57 4.87% 合計(マニラ首都圏除く) 883.4 953.0 1,226.0 1,442.5 1,685.6 189.57 11.25%

出典: メラルコ

2.3.2 電力消費量とその用途

本事業で電化された 6つの集落、合計 108サンプルを対象に実施したインタビュー調査の結果*6

によると、受益者一人当たり電力使用量は 819.6 kWh/年*7であった。この消費量はメラルコ管内の一般世帯の平均電力消費量 3,341.7 kWh/年に比べ、かなり低い数値になっている。 電化された世帯は、電気を主に生産活動にではなく消費活動に使用している。インタビュー調査の結果によると、受益者は電気を主に照明(100%)、テレビ (83.7%)、扇風機 (83.7%)などに使用している。それに加え、本事業の受益者は、アイロン(55.8%)、ラジオ(54.8%)、冷蔵庫(38.7%)、ラジカセ(30.8%) 、洗濯機(20.8%)などの電化製品を積極的に利用していることが判った。

6 インタビュー調査の概要については本レポートの 2.4.1にて述べる 7 819.6± 188.2 kWh/年 (サンプル数: 96、信頼区間: 95%)。なお、メラルコが 1999年に行ったサンプル調査による地方の平均電力消費量は 792 kWh/年(サンプル数: 68)であった。両者の差は 3.5%であることから、インタビュー調査で得られた結果は概ね妥当な値であると考えられる。

図-1: 事業対象州の世帯電化率の推移

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2.3.3 不法接続者の正規加入者への転換

事業実施以前には、一部の世帯はコロラム・オペレーターと呼ばれる盗電業者から電力を購入していた。コロラム・オペレーターはメラルコの送電線から直接電気を盗み、これらの世帯に電力を販売していた。インタビュー調査の結果によると、事業実施前には約 4.6%の世帯がこのような業者から電力供給を購入していた。事業実施前の資料によると、コロラム・オペレーターはメラルコの平均売電単価 2.41ペソ/kWh (1991年) を大幅に上回る 4.5- 5.0ペソ/kWh*8 もの料金を顧客に課していた。不法業者からの電力購入は高価であるだけでなく、不十分な機器を使用していたため、危険で電圧も低く、供給も安定していなかった。 事業を実施したことによって、これらの不法接続は解消され、コロラム・オペレーターから買電していた世帯はメラルコの正規顧客になった。このような盗電がある程度減少したことにより、メラルコ管内の送配電ロス*9のうちノンテクニカル・ロス*10 が減少したと考えられる。表-3 に示すとおり、事業前(1990年)と事業後(2000年)の送配電ロスを比較した場合、技術的問題により生じるテクニカル・ロスが 15.8%減少しているのに対し、盗電・メーターの不正改造などにより生じるノンテクニカル・ロスは 60.3%も減少していることがわかる。

表-3: メラルコ管内の送配電ロス (単位: %) 目標値 1990 1995 1996 1997 1998 1999 2000

テクニカル・ロス 7.68 9.12 8.63 8.38 8.32 7.98 7.83 7.68 ノンテクニカル・ロス 1.82 6.29 4.39 3.77 4.08 3.82 3.77 2.50 送配電ロス合計 9.5 15.42 13.02 12.15 12.40 11.80 11.60 10.18

出典: メラルコ資料 2.3.4 経済的内部収益率(EIRR)の再計算

審査時に計算された本事業の経済的内部収益率(EIRR)は 14.0%であった。今次評価の際に、実際の事業費、電化世帯数、売電単価、NPC からの電力購入単価、他の関連データを用いて経済的内部収益率の再計算を行った。 プロジェクトライフは審査時と同じく 30年とし、全ての価格は 1991年時の価格を基準とした。費用は初期投資、運営・維持管理費、NPC からの電力購入費用とし、事業便益は消費者余剰の考え方に基づいたうえで、受益者の増加、顧客にかかる経済的負担軽減を考慮に入れ算出した。その結果算出された値は 6.7%となった。再計算と審査時の計算を比較した場合、NPCからの買電単価や電力料金の増加が収益率低下につながった直接的な原因だと考えられる。

8 審査資料集(1991年)より引用 9 69 kV以下の小規模配電はメラルコによって運営されている。. 10 ノンテクニカル・ロス(非技術的損失)–管理上生じたり、盗電によるもの。

Figure–2 Basic Concept of the Project’s Benefit

Without Project pWO= Kolorum Operator’s Tariff (5.18 pesos/ kWh) qWO= Customers used to be supplied by the Kolorum Operators (13%)

With the Project pWH= Meralco’s Electricity Tariff (2.21- 2.54 pesos/ kWh) qWH= Customers benefited from the Project

Incremental Benefit= ( ) ( ){ }WOWHWOWH ppqq +×−

1

*a: Quoted from the appraisal report of 4.50 peso/ kWh (1989), then convert into 1991 value *b: Source= Interview Survey

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2.4 2.4 2.4 2.4 インパクトインパクトインパクトインパクト

2.4.1 事業対象 6州への正のインパクト

本事業の効果、住民に与えたインパクトや住民の満足度を把握するために、インタビュー調査を実施した。インタビュー調査に先立って、リサール州のサンロケ、ラグーナ州のサンビンセンテにおいて現地調査を実施し、その際に使用した仮質問票を修正したものを最終的なインタビュー調査に使用した。 インタビュー調査はメラルコの設計・建設グループの協力を得て実施され、調査は本事業で電化された州の内、ブラカン、ラグーナ、リサールの 3州から無作為抽出された各 2村(計 6村)を対象に行った。インタビュアーは各村において無作為に住民の住居への個別訪問を行い、サンプルが各村において 18になるまで調査を続けた(総計サンプル数 108)。本事業の受益地区およびインタビュー調査対象村落の位置は図-2のとおりである。

a) 就業機会および収入の増加

電化されたことにより、新たな仕事を得ることができた住民もいる。アイスクリームや冷たい飲み物を売り始めた住民や、電気ポンプで汲み上げた水を販売する住民も現れた。また、村にある雑貨屋では夜になっても店を開けることができるようになった。 ある受益者は暗くなってからも内職を行うことができるようになった。電化された村の一つサン・ビンセンテに住んでいる主婦は以前からクレヨンの包装を内職として行っていたが、家に電気がきて以来、夜間も仕事を続けられるようになったため、以前より多くの収入を得ることができるようになった。 その結果、その家族は扇風機やラジカセを買うことができるなど生活に余裕ができるようになった。インタビュー調査では、9%の世帯が「収入または貯金が増えた」、3%の世帯が「就業機会が増えた」

と回答している(図-4参照)。

図-2: 本事業の受益地区及びインタビュー対象村落

図-4: インタビュー調査結果(正のインパクト)

図-3: サンロケの雑貨屋

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b) 家事労働の軽減

本事業は特に女性を対象とした事業ではなかったが、結果として対象地域に住む女性へ多くの便益を与えることになった。ある主婦は手間がかかる石炭アイロンの代わりに電気アイロンを使うことができるようになった。また、冷蔵庫や水汲みのための電気ポンプ、洗濯機などの機器は女性の労働を軽減することにつながった。

c) 夜間活動の増加

インタビュー調査の結果によると、電化事業の前後において起床の時間や昼食の時間に変化はないものの、夕食や就寝の時間は電化後のほうが 1~3時間ほど遅くなっている。このような生活様式の変化は、内職、娯楽のための時間を新たに創出したに留まらず、子供の教育環境改善などにも貢献している。 受益者は夜間に友人の家を訪問し、テレビや映画をみたり、音楽を聴く、カラオケを歌うなどの娯楽を楽しんでいる。このような世帯間の相互訪問による村人同士の交流は、インタビュー調査において住民が最も多く答えた「近隣世帯との関係が良好になった」にも反映されている。

d) 夜間の安全性確保

42%の回答者が、電化事業により夜間における村の治安が改善されたと答えている。また、事業実施前には、ほとんどの住民が照明器具としてケロシン・ランプを使用していたが、ランプが原因で火事が発生することがあった。しかしながら、電化された全ての世帯で蛍光灯・電球を使用するようになったため、ケロシン・ランプが原因で発生する火事はなくなった。 また 1996年以降、メラルコは社内に街灯設置に関する部署を設置するなど、地方への街灯設置

事業に力を入れている。1996年中頃から 2000年 12月までの間に、78,263本の街灯がメラルコの供給エリア内に設置された。本事業はメラルコが別途実施している街灯設置事業とともに、地方の村における夜間の安全性を高めることに貢献していると考えられる。

e) 水へのアクセシビリティ向上

インタビュー調査以前に訪問したリサール州のサンロケ村の場合、住民はかつて他の村からやってくる給水車からドラム当たり 25ペソで水を購入していた。村が電化された後は、電気ポンプで地下水を汲み上げる商売を始めた村人からドラム当たり 20 ペソと安価に水を手に入れることができるようになった。 また、ラグーナ州のサン・ビンセンテ村の場合、近隣の住民同士で電気ポンプを共同購入し、電気料金を折半することによりいつでも水を手に入れられるようになった。 インタビュー調査の結果では、5%の回答者が電化されたことにより水をより安価に容易に入手することができるようになったと回答している。

図-6: サンビンセンテ村に設置され

ている電気ポンプ

図-5: 事業実施前後における生活時間の変化

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f) 村落共同体の組織化と居住権取得

電化を申請する人々は不動産所有権あるいは借地権、政府や村落が発行する証明書、引込線許可証、電気設備設置許可証などの書類を準備する必要があった。しかし、一部の住民は申請段階において公有地に不法占拠して住んでいため、不動産所有権あるいは借地権を持っていなかった。リサール州のサンロケ村の場合、約 1,000 世帯の住民が住んでいたが、ほとんど住民が不法占拠住民であったため、電化申請の対象とはなり得なかった。 事業実施の期間中、サンロケ村の住民は住民組合を組織しメラルコの支援の下、市長に居住権の付与を嘆願した。その結果、1999年 2月に借地権を取得することになり、電化の申請を行うことができるようになった。このような組織化、住民間の合意形成、嘆願の過程で住民の間に一体感が醸成された結果、電化された後も、村落の治安をよくするために住民自身で街灯を設置するなどの活動が行われている。現在、村の街灯の電源は一番近くの世帯から引かれており、その料金は近隣の住民間で折半することにより賄われている。 サンロケ村の住民は、市に街灯の設置とその料金負担を申請しているところである。借地権については、支払い条件が住民組合と市側の間で協議されているところである。 同じく円借款で実施された「メトロマニラ貧困地区電化事業」とは異なり、本事業対象地区は地方であるため、居住権を新たに取得することができた不法居住者の数自体は少ないものと思われる。しかし、電化を申請する際には各村落で住民組合を組織する必要があり、その過程を通じて住民間の結びつきが強くなっていると思われる。インタビュー調査の結果をみても、49%の世帯が「近隣住民との関係が良好になった」回答している。

2.4.2 本事業による負のインパクト

インタビュー調査の 108 世帯のうち、16 世帯が事業によるマイナスの影響があったと答えている。13 世帯が「経済的負担が増えた」、4 世帯が「睡眠時間が減った」と回答している。また、1世帯はテレビなどの騒音があると回答している(重複回答あり)。 経済的負担が増えたと回答している世帯のうち、10世帯の負債は 2,000ペソ以下で、各世帯の平均月収より少ないためそれほど深刻であるとは考えにくい。その他の 3世帯の場合、月あたりの収入が 5,000ペソ以下であるにもかかわらず、10,000–50,000ペソの負債を抱えている。 もちろん、これらの負債が必ずしも電力料金を支払うことにより生じたとは考えにくいが、インタビュー調査では全回答者の内 46%が電力料金を「高い」あるいは「とても高い」と答えている。電力料金に対しての受益者の認識および電力料金の妥当性については後ほど分析を行う。

2.4.3 環境への影響

事業実施に必要な土地は電柱設置に必要な狭い敷地のみである。配電線を敷設する際に、必要最小限の樹木が伐採されたが、事業が環境にもたらした影響はほとんど無視できる程度であったといえる。逆に電化により、これまで調理の燃料用として伐採されてきた樹木が減り、環境保護の点からは好影響を及ぼしているとも考えられる。

2.5 2.5 2.5 2.5 持続性・自立発展性持続性・自立発展性持続性・自立発展性持続性・自立発展性

2.5.1 運営・維持管理機関の概要

施設の運営・維持管理および電力料金の回収などはメラルコが実施している。メラルコはマニラ首都圏および周辺 6州を供給エリアとしている配電会社で、370万件の加入件数(約 187万人)に電力供給を行っている。メラルコの電力販売量は、発電量は 24,428 GWh/年でフィリピン全体の発電量の 54%にあたる。メラルコに電力を供給しているのは、NPC(86.8%)やメラルコ自身が出資している 2つの独立系発電事業者(15.2%)の Quezon Power Phil. Ltd.や First Gas Power Corporationである。2000年度においてメラルコの顧客の 91%は一般需要家で、残り 9%は商工業セクターの需要家、街灯用などである。一方、電力販売量で見た場合、メラルコが 2000年に販売した 21,881 GWhの電力の内、一般需要家は 35.6%、商業が 34.4%、工業が 29.2%となっている。

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2.5.2 設置機器の運営・維持管理能力

顧客へよりよいサービスを提供するために、メラルコは供給エリアを 3つの事業所(北部、中部、南部)に分割している。それぞれの事業所は施設の建設を担当する送配電地域事務所や運営維持管理を行う部門から構成されている。地域事業所は 3~4所の地区事務所をもっている。配電設備に何らかの問題が生じた場合、住民はこれらの事務所を直接訪問するだけでなく、電話などを通じて修理を依頼することができる。 顧客サービス部門も同じように 3地域に分割されており、課金、料金徴収、電化申請の受付業務を行っている。地域事務所は 29のサービス事務所を監督しており、それぞれの事務所は LANで結ばれており、顧客情報をコンピューターで監理するなど、システムが整備されている。 メラルコは電力をより安く供給するため、従業員の削減を進めており、2000 年時点での従業員数 6,408 人は、最も多かった 1993年の 8,765人を 27%も下回っている。従業員一人当たりの需要家数を見た場合、その数値は 1996 年の 368.2 世帯から 2000 年には 573.1 世帯へと大幅に改善されている(図-7参照)。 また、メラルコでは従業員の生産性を向上させるため、多くの研修やトレーニングを実施している。技術部門・管理部門の職員は入社後 1週間の導入研修を受講した後、それぞれ 3ヶ月、5ヶ月の専門研修を受けて正社員として登用される。さらに、昇進の機会毎(平均 2年毎)に、研修を受講しテストを受けることになっている。1996年から 2000年の間において、メラルコは毎年 15,000 人の社員に研修を行っている。このような研修システムを通じて、社員の能力は高いレベルで保たれていると判断される。

2.5.3 メラルコの配電施設の安定度

表-4 はメラルコの送配電システムにおける停電の頻度と回数を示したものである。「停電率」 (Interruption Frequency Rate)は、需要家が一年間に平均して経験する停電の回数を示した指標である。また、「累積停電時間」(Cumulative Interruption Time)は、同じく需要家が一年間に経験する平均的な停電時間を示した指標である。下表に示すとおり双方の指標は、共に減少傾向にある。

2000年における停電の原因は、暴風雨/雷 (49.3%)、系統トラブル (9.6%)、人為的ミス (2.2%)、樹木との接触 (3.5%)、過度電流 (1.7%)、計画停電 (11.0%)、NPC側の問題 (22.7%)となっている。

表-4: メラルコの配電システムの停電時間・頻度

1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 停電率 278.76 46.74 48.82 37.70 34.66 34.63 34.97 30.45 累積停電時間 870.79 82.47 109.71 36.41 35.47 40.47 36.32 61.94 出典:メラルコ

メラルコは、2004年までに送配電ロスを目標値である 9.5%*11にまで引き下げるべく努力を行っている。メラルコではロス率を改善させるために、2001 年から 2005 年までの間に、54.13 億ペソを送配電設備の更新と改良のために使用する計画を策定している。

2.5.4 メラルコの財務的健全性

メラルコの財務状況は長い間、健全で特段の問題はないと考えられてきた。現在においても、メラルコはフィリピン国内ではトップクラスの会社*12として位置づけられている。 フィリピンにおける電力料金は、1987年に設立された電力規制委員会(Energy Regulatory Board)

11 内訳: テクニカル・ロス 7.68%、ノンテクニカル・ロス 1.82% 12 The Far Eastern Economic Reviewはメラルコを 2000年期のトップテン企業としてランクしている。またファイナンス・アジアというビジネス雑誌は同期のメラルコをフィリピン国内でのベストマネージド企業として位置づけている。

図-7: 需要家/従業員比率 出典: メラルコ

Page 10: メラルコ地方電化事業 - JICA...ニラ電力(Meralco: Manila Electric Company)の2 つの電気事業者が存在していた。 本事業の実行機関であり、配電会社としては国内最大であるメラルコは、マニラ首都圏および周

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図-8: 収益率 図-9: 資本債務比率 図-10: 流動比率 出典:メラルコ

によって決定されており、委員会はメラルコの収益率.が 8-12% になるように料金を設定することになっていた。しかしながら、メラルコによる値上げ申請が 1994年以来承認されていないため、メラルコの収益率は年々悪化しており、1996 年以降は最低基準である 8.0%さえも下回っている。収益状況が悪化すると共に、流動比率*13や資本債務比率(debt equity ratio)*14などの財務的健全性を示す指標も年々悪化している。

メラルコは収益性と財務的健全性を保ってはいるものの、将来的な財務健全性については不透明な部分が残っている。

表-5: 過去五年間のメラルコの損益対照表 (単位: 1,000 ペソ) 1996 1997 1998 1999 2000

収入 57,086 67,122 81,572 84,431 103,691 営業経費 52,559 62,716 76,856 80,196 99,708

- 電力購入 42,292 50,404 62,800 65,159 82,719 - 維持管理 4,052 5,811 6,289 6,861 8,759 - 減価償却 1,998 2,193 2,885 3,479 3,434 - その他 4,217 4,308 4,882 4,697 4,796

営業利益 4,527 4,406 4,716 4,235 3,983 その他収入 537 1,360 297 -925 -1,493 純利益 5,064 5,766 5,013 3,310 2,490

出典: メラルコ資料

2.5.5 加入料金・電力料金の妥当性

加入者に課されている電力料金は、基本料金、電力購入調整金 (PPA: Power Purchase Adjustment)

*15、為替調整金(CERA: Currency Exchange Rate Adjustment) *16およびその他の調整金で構成されている。米ドルに対しての急激なペソの下落に加え、原油の国際価格が高騰した結果、電力購入調整金と為替調整金が大幅に増加している。その結果、電力購入調整金を始めとする種々の調整金は需要家にとって大きな負担となっており、その金額は全体の電力料金の実に 50% を占めるにいたっている。このようなこともあり、フィリピンの電力料金は日本に次いでアジアで 2番目に高い水準になっている。 電力購入調整金の問題は石油価格の上昇だけでなく、フィリピンの発電設備が過度に石油燃料に頼っていることが原因になっているといわれている。さらに、NPC の運営の非効率性や独立系発電事業者との間の不利な契約条件も電力料金が高い一因になっている。 このような危機的な状況の中、2001年電力業界改革法案が成立し、7月9日をもって公布された。

13 現在の資産を現在の負債で割ったもの。 14 純借入(Net borrowings)を株主の資金(shareholders' funds)で割ったもの。 15 電力購入調整金:電力コストの変動をカバーするもので、殆どが NPCと独立形事業者への支払いに充てられる。 16 為替調整金:維持管理費用と為替変動による損失を補填するもの。

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同法案では NPCの分割民営化とその結果としての電力料金引き下げを目標としている。改革法を満たすために、電力改革委員会は NPCの基本料金を kWhあたり 0.3ペソ値下げすることを決定した。この NPCの売電料金値下げは、2001年 8月からメラルコの一般需要家向け電力料金にも反映された。電力料金値下げは一ヶ月当たり 200 kWh電力を使用する世帯の場合、60ペソが値下げされたことになる。その他に、電力購入調整金を削減するために NPCは独立系発電事業者との契約の見直しを進めている。

2.5.6 電力料金に対しての住民の認識

既に述べたとおり、一般世帯(地方の需要家のほとんど)向けの電力料金は、需要家カテゴリー間の相互補助金を縮小するため近年、値上げされる傾向にある。インタビュー調査の結果によると、45%の回答者が電力料金を”妥当 (Fair)”だと答えている一方で、46%の回答者は”高い(high)”または”とても高い(very high)”と答えている。なお、回答者の世帯が支払っている電力料金は平均で562.6 ペソ/月*17で回答世帯の平均収入である 5,088.0ペソ/月*18の 11.1%を占めている。 インタビュー調査では、43%の回答世帯が毎月決められた期日までに料金を支払っていると回答しているが、53%の世帯では支払いが遅れることがある、1%の世帯はいつも支払いが遅れていると回答している。料金支払いの遅延により、全体の内 18.8% の世帯がメラルコによる通電停止措置を経験している。しかし、これら全ての世帯は 20ペソの再接続料金を支払い、支払い後 3日以内に再び通電してもらっており、電気を止められたままの世帯はなかった。 加入料金については、24.1%の世帯が “高い”または“とても高い”と回答しているが、11.1%の世帯は“安い(cheap)”と感じている。メラルコは地方および貧困地域に居住している人々向けに、接続料金を分割で支払うプラン*19を提供している。このようなサービスを必要としている貧しい世帯の負担を減少させることに成功していると考えられる。

17 562.6± 181.9 ペソ/月(信頼区間 95%: サンプル数 108) 18 5,088.0± 886.2 ペソ/月(信頼区間 95%: サンプル数 108) 19 クレジットの条件:5年間の返済期間、無利子

図-11: 電力料金に対する住民の意識

加入料金 電力料金

出典: インタビュー調査

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主要計画/実績比主要計画/実績比主要計画/実績比主要計画/実績比較較較較

項 目 当初計画 (JBIC審査時点) 実 績

(1) 事業範囲 - 変圧機

- 送電線

- 電柱 - 二次トランス - 一次配電網 - 二次配電網 - サービスドロップ - メーター(電力計)

34.5/6.24kV 5 MVA変圧器 1機 34.5/6.24kV 1 MVA変圧器 1機

34.5/2.4/4.16kV 750 kVA 変圧器 1機 34.5 kV 10.5 km 13.8 kV 2.5 km 20.0 kV 2.5 km

4.8 kV 4.3 km 41,867 本

1,900 nos. (32,030 kVA) 2,374 cct-km 1,408 cct-km 1, 048 cct-km

106,213 meters

同 左

不 明

68,400 本 3,100 nos.

3,800 cct-km 2,300 cct-km 2,300 cct-km

173,700 meters

(2) 工 期 - 借款契約 - 詳細設計 - 資機材調達 - 配電施設建設 - 家屋への接続・電化 - 電化完了

1991年 7月

1991年 7月 – 1991年 10月 1991年 11月 – 1996年 5月 1992年 1月 – 1996年 6月 1993年 3月 – 1996年 9月

1996年 9月

1991年 7月

1991年 7月 – 1999年 7月 1991年 11月 – 1999年 7月 1992年 1月 – 1999年 8月 1992年 3月 – 1999年 10月

1999年 10月 (3) 事業費 外 貨 内 貨 総事業費 うち円借款 換算レート

3,760 百万円 7,284 百万円 (1,067 百万ペソ) 11,044 百万円 8,283 百万円

1 ペソ = 6.75円 (1990年 7月時点)

4,140 百万円 8,582 百万円 (2,270 百万ペソ) 12,722 百万円 7,414 百万円

1 ペソ = 3.65円 (平均為替レート 1993-1999)