SL panel 04マシュマロ断熱で暮らしが変わる!外の音が うるさいなぁ 外の音が 気にならないから 読書に集中 また壁が できるよ 濡れてるョ
Extra dimensional models as a solution to the hierarchy...
Transcript of Extra dimensional models as a solution to the hierarchy...
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Extra dimensional modelsas a solution to
the hierarchy problem
尾田欣也(大阪→京都)
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というお題を頂いた
わけですが(なおかつ概念的な話をせいと)
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Q: そもそも階層性問題は「問題」か?
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構成1.階層性問題2.⼤大余次元3.ワープ空間
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Q’: そもそも階層性問題とは何だったか?
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階層性「問題」といえば
ゲージ階層性問題のこと
(でいいですよね?)
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ゲージ階層性問題の前提Susskind (1984)
1. 標準 SU(3)xSU(2)xU(1) 理論(クォーク、レプトン、光⼦子、Z0、W±、⼀一つ以上のヒッグス場を含むもの)が、弱いスケール~250GeVよりずっと⼤大きなエネルギー~M まで、⾃自然を正しく記述する。
2. 不特定の新物理がスケール~Mでおこり、おそらく SU(5) や重⼒力力等を含む。
3. 「⾃自然さ」: 普段のエネルギーでの世界のふるまいが、基本パラメタの値に度を越して敏感ではない。
★ 特に、(ヒッグス期待値~250GeVで特徴づけられる)低エネルギー世界の存在そのもののために、スケール~Mにおけるミクロな世界の基本パラメタが「微調整されている」こと、が要求されない。
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「自然さ」 Susskind (1984)• 例えば紫外切断が M~1015GeV のとき、標準模型の繰り込まれたヒッグス質量パラメタ μ は
★ μ2(mweak)/M2 = 10-26 = μ2(M)/M2+(C1λ(M)+…)
• と得られる。これは不合理な状況。なぜなら
★ 無次元パラメタ μ2(M)/M2 が、複雑な級数(C1λ(M)+…)と26桁相殺しないと、普通の世界の粒⼦子がしかるべく軽くならない。
★ しかし μ2(M)/M2 は短距離での物理しか知らない。
★ このような相殺のためには、統⼀一理論のパラメタ間に奇跡的な陰謀が成り⽴立立っていないといけない。
• この意味で、標準理論のスケール ~102GeV が、より基本的な⼆二つ⽬目のスケール 1015GeV とともに存在するのは不⾃自然である。
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Q: そもそも階層性問題は「問題」か?• A1「宇宙項 ΛCC ~ (10-12GeV)4 を放っておいて何をいうか」(川合光、1997ぐらい~)
★ ⾃自然な値 ΛCC ~ MP4 ~ (1018GeV)4 に対する微調整は ΛCC /MP4 ~ 10-120 。
★ 仮に超対称性があっても mSUSY >̃ 103GeV で破れてないといけない。
✴ ΛCC ~ O(mSUSY2MP2) の微調整は (10-12)4 / (103・1018)2 ~ 10-90。
★ 宇宙項の微調整はゲージ階層性(~30桁)より60~90桁も悪い。
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「せめてヒッグスぐらいは面倒みたい」という立場は?
• 弦理論業界でも、量⼦子重⼒力力はあきらめてとりあえず双対性(AdS/CFTとか)からゲージ理論についてなんか⾔言えれば良い、という⽅方がむしろ多数派(ですか?→聞いてみよう)
• A2: とりあえず(重⼒力力絡みで)⼿手も⾜足も出ない宇宙項は放っておいてゲージ階層性問題は問題だと考える事にすれば、ゲージ階層性問題は「問題」となる。
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超対称性?• そこで普通は超対称性を導⼊入する事になっているわけですが。
• 困難1: LHC で出てこないじゃん。
★ 既にかなり⼀一般的に mSUSY>̃103GeV。→ ⼩小階層性問題
✴ 個⼈人的には、みんな軽い「なかよしSUSY」は押す。「LSPとの質量差が 300GeV 以下なら⾒見見えない」(浅井祥仁、2011)
✴ (2⽉月上旬に物理ブログ界隈で「ストップが⾒見見えてる?来週発表ある?」という噂も流れてたが信憑性はどうか。)
★ mSUGRA + LSP DM は、変なとこ以外全域死。
✴ 良い模型だとは思うが、私が「物理」的に物⼼心ついた90年台終わりごろ、現象論の研究会に⾏行行くと全員これやっててちょっと引いた。
✦ (ちなみに Dine & Nelson の GMSB は 1993~ だが、SUSY2000 の最後のまとめトークで「mSUGRAの専制は終わった」“tyranny of mSUGRA is over” とようやく⾔言われてたぐらい。)
• 困難2: 125GeV ヒッグスはやや重すぎる。→次⾴頁
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噂の125GeVヒッグス?• ⽣生の絵はこんなんです。→上 (下) の絵が ATLAS (CMS)。
★ この γγ が局所的に 2.8σ、
★ + ZZ→4l が 2.1σ、
★ + WW→lνlν が 1.4σ、
• 合わせ技で 126 (124) GeV に 3.5σ (3.1σ)。
★ 注)127GeV とそれより上は既に CMS が 95%CL で棄却。
★ 110ー600GeV で LEE を考えると 2.2σ (1.5σ)。
• これが本当にヒッグスに依る、とすると?
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125GeVヒッグスはMSSMを好まない
• MSSM では mH,tree < mZ = 91GeV。
• Stop loop で重くできる [Okada, Yamaguchi & Yangida, ʼ’91] が:
★ mH2 = mH,tree2 + ΔmH,loop2 = (125GeV)2 = 1.6×104 GeV2 だから、
★ ΔmH,loop2 >̃ mH,tree2 が必要。
• ループ展開が悪い、というわけではない(tree とは別ソースなので)が、かなり無理しないといかんと。(村⼭山⻫斉、今⽇日)
★ 「1ループだといくらでも重くなるけど2ループ⼊入れると死にますね」(⾼高橋亮、2012)
★ あるいはミニマル模型からの拡張が半年で何⼗十個(?)も出てはいるが…
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というわけで• 以上のことを念頭に置きつつ
• このトークでは「階層性問題は問題である」という⽴立立場をとりつつ
• 余剰次元の存在によりそれを説明する模型を概説する。
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構成1.階層性問題2.⼤大余次元3.ワープ空間
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我々はどこまで短い距離を知っているか?
• 超弦理論において⽭矛盾のない平坦時空は10次元。
★ 残りの6次元は⼩小さく丸まっていないと。
★ どれくらい⼩小さく?
• 実は我々の理論の正しさが検証されているのは
★ ゲージ相互作⽤用で am = 10-18 m ぐらい、
★ 重⼒力力で 0.1 mm = 10-4 m ぐらいまで。
• 重⼒力力は4次元に棲んでなくてもよい!
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ブレーン・ワールド
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大余次元シナリオArkani-Hamed, Dimopoulos & Dvali (1998)• 「これがみんなのハートに⽕火をつけた」(野村ヤスノリ談、2002ごろ)
• (4+n)次元時空のうちの空間n次元が、⻑⾧長さLでコンパクト化されている。
★ 超弦理論だったら6余次元のうち n (<=6) 次元が⻑⾧長さスケール L >> ls でコンパクト化。
• アインシュタイン・ヒルベルト作⽤用
★ M* ~ MP (MPL)-n/(n+2) ∝「L の逆冪」。→ L が(プランク単位で)⼤大きければ、(4+n)次元の基本スケール M* は 1018GeV よりずっと⼩小さくてもよい。
∴
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大余次元補足(昔のスライド)• n個余分な次元があると、距離 r
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なのですが• Black hole production が LHC で⾒見見えてないですね。。
★ (検索したらこんなの↓が出てきました)
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BHP• Latest CMS bound [arXiv: 1202.6396]
★ Negative な話をしても楽しくないので解説抜きで結果だけ引⽤用する。
✴ 宣伝: BlackMax には我々の出した⽅方程式と greybody factors が使われている。[Ida, Oda & Park, Phys. Rev. D67 (2003)]
★ いちおう同僚が若⼲干の延命コメントを出してはいる。[Park, Phys. Lett. B701 (2011)]
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構成1.階層性問題2.⼤大余次元3.ワープ空間
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ワープ・コンパクト化Randall & Sundrum, 1999
• Dブレーン近傍のメトリックは⾃自動的に AdS になる。
★ RS論⽂文では引⽤用してないがたぶん最初から AdS/CFT も念頭にあった?
★ RS論⽂文では Horava & Witten (1996) がアイデア元ぽい書き⽅方ではあるが。
• そのような状況をモデル化した計量:
★ 4次元計量は余次元⽅方向の依存性を持ちワープする。
• このとき理論の基本スケール(UV cutoff)⾃自体が余次元の位置に依る。
★ ある位置(IR brane)では TeV でありうる。
• これもまた宇宙項(と膜張⼒力力)は⼿手で微調整していることに注意。
★ 前述のと同じ諦め。
!
ds2 = e"2ky("dt 2 + d! x 2 )+ dy2
(今みたら5201回も引⽤用されている…)
Λbrane>0 Λbrane<0Λbulk<0
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Backup(昔のファイル)
(昔 Oda, Suyama & Yokoi, “Smoothing out Negative Tension Brane,” Phys. Lett. B (2009) で作ったスライド)
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Backup2(昔のスライド2)
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その後バルクに色々飛ぶように• 元々の RS では SM ⾃自由度全員が IR brane 上。
★ → 模型の UV cutoff ⾃自体が TeV スケール。
• まずは Chang, Hisano, Nakano, Okada & Yamaguchi (2000) がバルクに全員⾶飛ばしてみた。
★ ヒッグス場の0モードに y 依存性がない、と仮定。
★ その後 Gherghetta & Pomarol (2000) が正しく求める。→ じつは IR-brane に指数関数的に局在化。
• 標準模型の質量パラメタはヒッグス質量項 μ だけなので、よく考えたらゲージ階層性の解決には、ヒッグスさえ IR brane 上に居ればよい。
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ゲージ・ヒッグス統合(GHU)• ヒッグス場さえ IR-brane に局在化していれば、階層性はOK。
• ゲージ場の余次元成分 Ay は、コンパクト化してKK展開した後は、(随伴表現の)スカラー場のようにふるまう。
★ 0モードはやはり IR-brane に局在化。
★ ゲージ不変な物理量としてはウィルソン線: P[e∫dy Ay]
★ 細⾕谷機構によるウィルソン線の期待値がワープ空間でも計算可能に [Oda & Weiler, 2005]
✴ ウィルソン線によるバルク・ゲージ対称性の破れのスケールは確かに IR スケール(TeV)だという事を⽰示した。
• これをヒッグス場にしてみてはどうだろうか?
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別の見方: GHU as Dual Composite HiggsContino, Nomura & Pomarol (2003)
• もう⼀一つのゲージ階層性の解決策としてテクニカラーがあったわけだが、フェルミオンの混合(FCNC等)に⾊色々難あり。
• 同じ強結合ゲージ理論を背後に考えるとしても、軽い Higgs がグローバル対称性の破れの pseudo NG boson として出てくる模型はどうか?
• AdS/CFT辞書の拡張版(⾔言ってるだけ)[Arkani-Hamed, Poratti & Randall, 2001]
★ 4D強結合ゲージ理論 ⇒ 5D弱結合バルク理論
★ グローバル対称性(の破れ) → バルク・ゲージ対称性(の破れ)
★ Elementary field → UV-brane に局在化した場
★ Composite field → IR-brane に局在化した場(スカラー場や Ay)
• 5Dバルク・ゲージ対称性は前述ウィルソン線の期待値(Ayの期待値)で IR (TeV) スケールで破れる。
★ 破れに付随する、IR-brane に局在化した Ay は、composite Higgs の dual と思える!
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Backup: AdS/CFT in a slide
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SO(5)×U(1)’ 模型Agashe, Contino & Pomarol (2005),
..., Hosotani, Oda, Ohnuma & Sakamura (2008), ...• バルク SO(5) を、IR-brane での境界条件で、
★ SO(4) = SU(2)×SU(2) に破っておく。
★ → だいたい SU(2)L×SU(2)R が残る。
• 前述 Wilson 線 Ay の期待値で SO(4) → SO(3) に破る。
★ IR-brane 付近(4D理論のくりこみ群のIR側)での dual “composite Higgs” Ay による破れ。
★ → だいたい SU(2)diag が残る。
★ この破れは custodial 対称性を尊重。
✴ これ以前の SU(3)L → SU(2)L GHU 模型だと custodial 対称性がなくて T (ρ) パラメタがあわなかった。
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問題点?• UV-brane 側で⼿手で(ヒッグス機構で)SM の SU(2)L ×U(1)Y に破っておかないといけない。
• Q: そもそも対称性をウィルソン線で破りたいんじゃなかったのか?
• A: UV-brane 上でのこの SU(2)L×U(1)Y への破れの⼤大きさは、その位置での⾃自然な UV-scale(GUT スケールとか)でも全然OK。
★ したがって「ウィルソン線の期待値によりUVスケールより(指数関数的に)⼩小さな電弱ヒッグス期待値を出す」というゲージ階層性問題の解としての根本は保たれてる。
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「概念的」もいいがちょっとは「現象論的」も議論する• SMフェルミオンの質量・混合を正しく出そうと思うと、バルク・フェルミオンと、複数の brane 直上のフェルミオンを混ぜないといけない。汚い。
★ 個⼈人的にはこれで⼼心が折れた。(Brane fermion はアノマリー相殺のために勝⼿手なのを⼊入れるのは許されず結構制限される、という議論はあるが [Hosotani, Noda & Uekusa, 2010]。)
• このクラスの模型ではヒッグスが安定になる。
★ LHCでヒッグスがみつかったら終了。
• Sパラメタが合わない?
★ 「頂点補正もあるのでそもそもペスキン⽵竹内(ゲージ場の真空偏極だけ)では扱いがよくない。ちゃんとやろうとしている」(細⾕谷裕、2012)
• KKゲージ場のゲージ結合が強結合に。
★ Dual 5D 理論により、composite Higgs なのに弱結合で扱える、という売りが弱く。
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• UV側を積分してしまえば、有効的に 5D flat space での GHU になる。
• UV側の効果は、有効UVブレーン直上の余分なゲージ運動項等として⼊入ってくる。
• さらに拡張して、最初から 5D flat space で、最も⼀一般的なブレーン作⽤用を許すと、模型作りがしやすくはなる。
←UV側を積分しちゃう→
有効UVブレーン
拡張版: GHU in flat spacePanico, Safari & Serone (2011) 等々
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まとめ1. 階層性問題は「問題」か?
2.⼤大余次元(&オリジナルRS)
★ ブラックホール(あるいはなんらかの resonance)が⾒見見えてからまじめに取り上げればいいのでは。
3. ワープ空間
★ バルク場の理論の UV cutoff が場所に依ったりして理論的には⾯面⽩白い。
★ 今後もこれが使われなくなることはないと思う。(湯川階層性とかにも有⽤用。)
★ ヒッグスが安定なGHUは、⾒見見えたら即死。
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おまけ• 個⼈人的には概念主導もいいが⾃自然が何をいってるかに⽿耳を澄ましたほうがいい時代かなと思う。
★ mH < 127GeV だったら:
✴ 今⾒見見えてる⼭山の断⾯面積は SM とあわない。γγで2倍、ならしても1.5倍。
✴ UEDでKKトップのループ効果でgg→H⽣生成断⾯面積が増える、というのをやっている。
★ mH > 600GeV だったら:
✴ SMとあわない。T (ρ) パラメタが全然ずれる。
✴ UEDでKKトップのループ効果でTパラメタがバッチリ、というのをやっている。
• ヒッグスの物理が熱いのではないかと思います。
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Thankyou!