宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20...

238
ガイド ガイド ガイド ガイド(STG20002001 (C3I )

Transcript of 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20...

Page 1: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド((((STG))))

国防総省国防総省国防総省国防総省

2000~~~~2001会計年度会計年度会計年度会計年度

国防省内部部局国防省内部部局国防省内部部局国防省内部部局国防次官補国防次官補国防次官補国防次官補(C3I担当担当担当担当)

国防研究国防研究国防研究国防研究・工学局長・工学局長・工学局長・工学局長

Page 2: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

1

緒言

 2020 年の時点で米国軍の機動力、殺傷能力および精度が現在よりも高い状態にするためには、新たな軍事能力への投資および開発を継続させなければならない

 米国の国家安全保障上の作戦政策および作戦プロセスを遂行する上では宇宙空間能力が

不可欠である。信頼性がありかつリアルタイムの高帯域通信などの能力を備えていれば、

作戦変更時に司令部の意図を明確に伝えることができかつ柔軟に対応できるという点で非

常に貴重な戦闘上の優位性を確保することが可能である。米国および同盟国の司令官は、

衛星から送られてきた敵の配置と動向に関する情報を利用することによって決定的な勝利

を収めることが可能であり、これまでもこれらの情報を利用してきている。さらに、衛星

から送られてきた精密航法データおよび気象データを利用することによって、最適な軍隊

の配置、作戦行動、意思決定、および対応が可能になる。同時に、国家司令当局では、戦

略核資産に焦点を合わせた宇宙システムのおかげで、危機時に軍隊の戦略的態勢を確実に

理解しながら自信を持って行動できるようになっている。

 宇宙へのアクセスおよび宇宙における行動によって確保される優位性は、世界全体にお

ける技術の進歩による影響を受けてきている。その他の技術分野の場合と同じように、米

国軍が宇宙を利用することによって確保している優位性は絶えず変化するものである。宇

宙における現在の能力はこれまでの数十年間にわたる技術の開発と応用から導き出された

ものであり、将来の能力は今日の宇宙技術計画に左右される。このため、「JV2010(ジョ

イント・ビジョン 2010 年)」および「JV2020(ジョイント・ビジョン 2020 年)」によっ

て要求されている「全領域における完全な支配」を維持しかつすべての法治国家が自由に

宇宙にアクセスするできるように保護するためには、宇宙技術への継続投資が必要である。

Page 3: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

2

 利用可能な技術の動向および技術の方向性からみると、明らかに米国は国家安全保障上

の宇宙権益を精力的に追求すべきである。DoDが技術投資を行うことによって対処する動

的要因は以下のとおりである。

・ 米国の宇宙資産は予測可能なものであり、その一方で、敵軍は拒絶および妨害という

手法を採っている。

・ 商業技術は、米国だけでなくその他の諸国も容易に入手可能でありかつ軍事的に有効

に利用可能である。

・ 核弾頭、生物弾頭または化学弾頭を装備している危険性がある弾道ミサイルが拡散し

ている。

・ 予算上の制約による影響を受けており、新しい概念および技術によってこれらの影響

を克服する必要がある。

・ 電子攻撃およびサイバー攻撃を受ける危険性が高くなってきている。

・ 防衛のための宇宙作戦に加えて攻撃のための宇宙作戦が必要になる可能性がある。

 これらの動向に対応するため、現在の宇宙技術の数多くの改良および応用が進められて

いる。宇宙技術投資戦略の中には以下のようなアプローチが含まれている。

・ コスト削減-超小型化および新規範の追求を継続させることによってかなりのレベル

まで達成させる

・ 新センサ-あらゆる環境状態においてより小さい目標、移動目標または隠れている目

標を検出する

・ 軌道上でのデータ処理および人工知能-人的コストを削減しかつ通信基盤への負担を

軽減させる

・ 打上げロケットおよび推進能力の開発-軌道までのコストを削減しかつ軌道上での作

戦的展開を容易にする

・ 軌道上での整備能力-宇宙システムの寿命を延ばしかつその能力を向上させる

・ 監視、防衛技術および攻撃技術-宇宙のコントロール、情報作戦、および軍隊の投入

を支援する

Page 4: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

3

 本 DoD宇宙技術ガイドは、これらの作戦上および技術上の概念、およびその他の作戦上

および技術上の概念を要約するものである。

Page 5: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

4

目次

緒言 ......................................................................................................................................................1

エグゼクサマリ ..................................................................................................................................6

1. 序論 .........................................................................................................................................15

2. 方法 .........................................................................................................................................24

3. 宇宙ミッションに関する方針および計画立案.................................................................28

4. 宇宙輸送 .................................................................................................................................31

5. 衛星運用 .................................................................................................................................40

6. 測位、航法、およびタイミング .........................................................................................47

7. コマンド&コントロールおよび通信 .................................................................................52

8. 情報、監視、および偵察 .....................................................................................................59

9. 環境モニタリング .................................................................................................................71

10. 宇宙のコントロール ...........................................................................................................81

11. 戦力投入 ...............................................................................................................................92

12. マイクロ衛星技術 ...............................................................................................................99

13. 宇宙技術実証試験 .............................................................................................................115

14. 要約 .....................................................................................................................................119

付属書 A .....................................................................................................................................128

付属書 B......................................................................................................................................130

付属書 C......................................................................................................................................143

付属書 D .....................................................................................................................................149

付属書 E......................................................................................................................................160

付属書 F ......................................................................................................................................165

付属書 G .....................................................................................................................................171

付属書 H .....................................................................................................................................193

付属書 I .......................................................................................................................................208

付属書 J.......................................................................................................................................219

付属書 K .....................................................................................................................................221

謝辞 ..................................................................................................................................................235

Page 6: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

NASAの次世代型宇宙望遠鏡のコンセプト

宇宙空間用地球イメージャコンセプト

宇宙空間用大型

5

展開光学システム

Page 7: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

6

エグゼクサマリ

議会は、2000 会計年度国防権限付与法∗の中で国防総省に対して以下のような要請をしている。「宇宙科学技術への投資、および宇宙技術システムについての計画立案と開発を対象にした詳細な手引きを作成すること。…最終目標は、国家安全保障のために宇宙を最大限に利用する上で必要な技術および技術の実証試験を明確にすることである。」

アプローチ法

 本 DoD宇宙技術ガイド(STG)を作成するに当たっては、米国の科学界全体において必要

とされているかまたは現在進行中の国家安全保障上の宇宙関連技術活動をすべて調査した。

最初に調査したのは、「JV2010(ジョイント・ビジョン 2010 年)」を実現させかつ運用宇

宙計画立案書(例えば「2000 年空軍宇宙マスタープラン」など)の基礎となった米国空軍宇

宙司令部 LRP(長期計画 1998年)であり、国防科学技術(S&T)文書の国家安全保障上の宇

宙関連部分を精査した。なお、精査した項目は以下のとおりである。

・ 基礎研究計画(BRP)

・ 防衛技術分野計画(DTAP)

・ 共同戦闘科学技術計画(JWSTP)

・ JWSTPおよび DTAPの防衛技術目標(DTO)

 本研究結果および DoDの宇宙関係グループから得た情報に基づき、実現可能化技術を今

後計画されている宇宙ミッションごとに明確化した。これらの技術はすべて現行の S&T

計画立案書の中に含まれており、国防総省の計画またはプロジェクトについては研究開発

説明要約の添付書類において正式に説明されている。他方、これらの文書およびその他の

文書は、議会に送られ、議会による権限付与審議および予算化審議を受ける大統領予算案

および将来の国防計画(FYDP)を支援している。

 STG自体は現在から 2020年までの 20年間を対象としており、宇宙に関する目標および

∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809, Title XVI, National Security Space Matters; Subtitle A SpaceTechnology Guide; Reports; Sec. 1601 “Space Technology Guide.”

Page 8: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

7

ニーズを導き出す基礎になる国家政策上および国防政策上のガイダンスおよび計画立案に

応えるため、宇宙能力の発展に応じた現在および今後現れる宇宙ミッション分野を網羅し

ている。このため、各宇宙ミッション分野は、相対的に制約を受けていない実現可能化技

術によって支援されており、これらの技術が将来のシステムに組み入れられて展開される

ようになれば、将来のミッション目標を達成させる能力が生み出される。これらの技術の

多くは、ミッションの進化が続いて宇宙ミッション自体を併合および拡大させていくのと

同時に、いくつかのミッションまたは(暗黙的にではあるが)すべてのミッションを支援し

ている。

 議会の指導に従い、超小型衛星用の実現可能化技術を独立した形で精査しかつ評価した。

評価を行う際には、既に現在のミッションに影響を与えている非常に広範な超小型化技術

を対象にする一方で、長期的には重要な新能力を持つことが有望視されている超小型衛星

の応用について取り上げている。

 当評価を行う際の基礎となる文書のほとんどは付属書に要約してあり、宇宙に関わる

S&Tプロジェクトおよび運用部門、取得部門および技術部門が互いに協力し、それぞれの

宇宙関連活動をどのように支援するかに関する DoD の文書およびその他の連邦政府機関

の文書が含まれている。STG宇宙ミッションに関わる実現可能化技術が文書化されている

のは、総合的な防衛技術が示されているこれらの文書内である。なお、現在の宇宙技術に

関する実証試験、宇宙試験計画、および民間部門による一連の活動と宇宙産業の見解を個々

の付属書に示してある。

事実認定および調査結果

・ 米国が国家安全保障上の宇宙能力において卓越した状態を継続させるのに貢献してい

る実現可能化技術は、非常に広範囲に及び、S&T分野の多くの部分を網羅している。

これらの技術のうちのいくつかは宇宙専用の技術であるが、その他のほとんどの技術

は広範囲に及んでおり、地上および宇宙において継続的に応用されている。これらの

宇宙関連技術はそれぞれ重視度が違い、かつその他の連邦政府機関が関係しているこ

とがしばしばあるが、その研究資源および先端技術資源の大部分を投資しているのは

国防総省である。

・ このような非常に多くの技術の中には、複数のミッション分野を支援するだけでなく、

Page 9: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

8

比較的短期間で大幅に能力を向上させることができる方法を用いて支援する、分野横

断的な選りすぐりの技術がある(この場合には、飛躍的な発展を遂げて能力をこれまで

にないレベルにまで到達させるか、またはシステムの有効性を実現させて投資収益を

増大できる技術のみを選択した)。これらの技術を重要実現可能化技術と呼んでいる。

・ 宇宙産業の代表者から提供された情報およびその他の情報によると、政府専用の技術

や商業的に実現不可能な技術もある。このような技術を開発および応用する場合には、

政府がその投資を行わなければならない。例えば、センサの用途の多くは政府専用の

ものであるため出資は政府のみである。同様に、政府のミッションにとって不可欠で

あるが商業利用または商用開発も可能と思われるような技術もある。しかしながらこ

れらの技術開発コストはあまりにも高いため、1 つの事業としてこれらの技術を商業

的に成熟させることはできない。その例として、全地球測位システムや新しい推進概

念または開発などを挙げることができる。

・ パートナ関係という考え方を慎重に考察、検討および実践しなければならない。政府

内でのパートナ関係は通常、良好に機能している。政府は、空軍宇宙司令部、国家偵

察局および航空宇宙局パートナ関係審議会の間で宇宙技術同盟を結ばせ、さらに宇宙

試験計画に基づいて諸パートナ関係の仲介を行うことで、非常に多くの生産性の高い

共同作業を促進させ、これらのおかげで重複を最小限に抑えかつ共同資源を有効に活

用できている。他方、産業界と政府間のパートナ関係の場合、政府は国家政策上の考

慮事項に基づいて行動し、産業界は経済市場の諸要因に基づいて行動するため政府内

でのパートナ関係ほど良好には機能していない。繰り返しになるが、国家安全保障上

の宇宙に関する要求は独特の事柄であることが多く、他方産業界にとってはどのよう

に見てもリスクを伴っている。通常、産業界と政府間のパートナ関係が最も有効な分

野と言えば、企業が容易に共同投資に同意し各自の商業市場区分および戦略計画に投

入するような分野(例えば、打上げロケット推進技術、宇宙機バス技術および宇宙機推

進技術など)である。これらの活動は、DoD の観点からは、統合高収益ロケット推進

技術計画(IHPRPT)などの政府と産業界が出資する調整済み計画によって進められて

いる。

・ 超小型衛星技術へ投資した場合の短期的な投資収益は、超小型化技術を既存のシステ

ムに応用して性能および/または能力を向上させることができるという点である。例え

ば、構成機器が小型化かつ軽量化するほど多くの燃料を搭載できるようになり、その

Page 10: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

9

結果軌道上での寿命も延びる。このような便益は即時に得られ、短期で達成可能であ

る。長期的には、超小型衛星は特殊な目的の場合および「すきまの」役割を果たす上

で、重要な貢献が可能であると予想している(例えば、非常に重要でかつ費用対効果が

高い新たな運用能力が可能になるなどを挙げることができる)。例えば超小型衛星群

(コンスタレーション)は、緊急時にリビジット回数を増やして画像アップデートを

補強できる。しかしながら、かなり長期的な場合でも、すべての範囲の国家安全保障

ミッションへの超小型衛星の応用は不可能と思われる。さらに、予測可能な将来につ

いては、物理学の法則によってある程度の制限を受けるためプラットフォームをさら

に大型化することが必要になる。

・ 宇宙をベースにした技術に関する大規模な実証試験は回数が減少してきており、1 年

間に平均 2回以上から 1年間に 1回以下になっている。打上げ区分のコストは管理可

能としても、大規模な実験および実証試験は高コストになるのが一般的である。軍事

科学ペイロードは、その他の重要なミッションが主ペイロードになってコストの大部

分を負担するときに、例えば「ヒッチハイクするような形で」スペースシャトルに乗

って軌道に到達する。このような方法を採らない場合には、実験機器を地上で試験し

なければならないか(この場合、大きな制限を受けかつリスクもある)、または、予算

上の優先度を理由に個数を減らさなければならないか、もしくは、資金が限られてい

るため優先する必要がないとみなされたときには取り消さなければならない。国防総

省では現在 S&T資金を増額させているが、短期的には宇宙での実証試験の遅れが続く

ことになる。

 STG が運用計画書と S&T 文書および諸活動の間の相互作用を取り扱ったおかげで、計

画されている将来のシステム能力の基礎となる実現可能化技術が生み出された。いくつか

の宇宙ミッションの実現可能化技術について分析し、さらに、政府がどの技術を直接後援

する必要があるかについて政府と産業界両方の見解を分析した後、タイムリーな形で成功

させることが 21 世紀以降の米国の防衛上の宇宙能力にとってきわめて重要となる技術を

特定した。これらの技術は、「必ずかつ正確に達成させなければならない」重要実現可能化

技術である。すなわち、大きな前進を遂げることができ、そしてそれによって宇宙での応

用および能力の革命的な発展が可能になるレベルまで、その他の分野を引き上げることが

できる技術である。

Page 11: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

10

 以下の表に示した重要実現可能化技術は、STGの 8つのミッション分野について行った

精査および評価の結果である。なお、STGではこれらのミッション分野の技術がより詳細

に指定されている。さらに、宇宙地域の防衛に関する運用部門と S&T部門の相互の影響を

p.14-5、-6に示してある。

ロッキード-マーチン SMV

オービタル SMV ボーイング SMV

宇宙マヌーバ機(SMV)概念

Page 12: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

11

重要実現可能化技術

・・・・推進/推薬‐先端極低温技術‐フルフローサイクル‐先端固体ロケットモータ(SRM)‐混合サイクル(吸気エンジン+ロケット)‐電気(ホール効果、イオン、プラズマスラスタ)‐太陽熱/化学‐高エネルギーで、危険度が低くかつ毒性のない貯蔵可能推薬

・電力(太陽/化学/機械、すなわち電池/バッテリ/フライホイール)‐より高いエネルギー密度および効率‐より長い寿命、より大きいデューティサイクル‐軽量、熱的に安定

・構造物および材料‐軽量、高強度の複合材およびセラミックス‐多機能、適応型構造‐加工技法‐振動および熱の制御‐薄膜および環境保護コーティングおよび断熱

・「考える」衛星‐自主制御‐自己評価/補正‐脅威検出‐搭載スーパーコンピュータ演算‐軌道上ロボット工学

・より正確な時計/時間基準‐レーザ/光学、原子時計

・通信‐レーザ通信‐広帯域マイクロ波/ミリ波

・・・・アンテナ‐大型、軽量、制御可能、適応宇宙時間‐より高い周波数‐操作可能なビーム位相アレイ‐効率がより高い増幅器

・合成開口レーダ(SAR)‐大型、軽量、高出力‐干渉計使用法

・電気光学(EO)センサ‐大型、軽量、展開可能かつ安定した適応光学機器‐マルチ・スペクトル、ハイパ・スペクトルおよびウルトラ・スペクトル‐大規模かつ高分解能の焦点面アレイ(FPA)‐軽量、長寿命かつ高効率の極低温冷却器‐非冷却検知器

・信号処理装置(送受信機)‐より高い信号雑音比‐より高密度の機器および回路‐より高効率のアナログ/デジタル(A/D)変換‐先端暗号化技術

・超小型電気機械システム(MEMS)/マイクロエレクトロニクス/フォトニクス

‐スイッチおよびアクチュエータ‐ジャイロスコープ(例えば、光ファイバ・ジャイロなど)‐慣性測定装置(IMU)‐加速度計‐非揮発性論理およびメモリ‐オプトエレクトロニクス

・耐放射線化‐技法およびコンポーネント‐メモリ、プロセッサ、半導体材料

・地上での処理‐データ融合‐高度処理アルゴリズムおよび利用アルゴリズム

Page 13: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

12

 これらの重要実現可能化技術は国防総省による活動の総合的な焦点となっており、宇宙

に関して長期的な卓越性を維持する上で不可欠な技術であるとみなされている。しかし

DoDのコンポーネント(構成要素)全体において実施されている広範なS&T作業を犠牲にし

てまで追求すべきではない。なお、これらの DoD コンポーネントの多くは本 STG 内では

具体的には示していないが、様々な成熟段階において宇宙に関する重要な潜在能力を備え

ている。

 STG自体は、FYDPをはるかに越える期間にわたり技術予測に焦点を合わせることで制

約のないアプローチ法を設定しているが、今後 20年間資金調達および予算の係わり合いに

ついて対応する立場にはない。また、数多くの有望な分野への資金を増額させれば成功す

る可能性を大幅に高めることができる一方で、資金だけでは特定の S&Tの飛躍的な発展を

確実にはできない。概して、S&T計画をバランスのとれた形でかつ定常的に支援すれば成

功する確率が最大になり、さらには防衛上の宇宙能力を最も柔軟な形で発展させることが

できる。

勧告事項

1. 現在のニーズおよび今後のニーズを満たすため宇宙技術を広範囲にわたって応用する

際には、幅広くかつ柔軟な形で支援できるようなバランスのとれた S&T計画を追求し

続けること。

 - このような幅広い S&T計画を追求するに際しては、より広範な商業基盤をてこにし

て政府の応用活動を促進できるように民間部門における進歩を適宜導入し続ける

こと。

 - 打上げコストの削減、軌道上での寿命延長、交換衛星の性能向上、すべての大きさ

の衛星を対象にした新しい能力の導入、および新しい運用規範の作成を実現させる

ために構成機器(コンポーネント)の超小型化を続けること。

 - 信頼性、耐久性、およびペイロードの柔軟性と再コンフィギュレーション性を向上

させるために先端技術への投資を持続させること。

 - 構成機器に関する技術実証および軍事的効用の実証に照準を合わせた実験および実

証試験を通じて超小型衛星概念を追求すること。

Page 14: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

13

2. 上記した重要実現可能化技術分野に十分な政府資源を投入し、当技術をシステムおよ

び運用に応用する際にタイムリーな形で利用できるようにすること。

 - 民間部門による技術投資を可能な限り促進させること。ただし、国家安全保障で応

用する際には、独特の特長および能力が要求される分野があり、これらに関しては

政府主導で開発しなければならないということを認識すること。

 - このような複数の分野にまたがる技術を、必要なときに利用可能にするためには、

集中的でかつ安定した投資を行うことが一般的な条件となる。

3. 技術移転を容易にするため、不可欠な技術の応用、成熟化および軍事的効用の実証を

行う上で重要な一つの要素として、宇宙実験および実証試験用の組織の構築および予

算化を継続すること。

 - 実験および実証試験は、リスクとコストがはるかに高くなる可能性のある大規模の

開発および応用に着手する前に、長期に渡り、リスクを軽減できる重要な機会とな

ることを認識すること。

 - 可能な場合はパートナ関係を通じて協力し、コストの分担を計りかつ支援基盤を拡

大させること。

Page 15: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

14

Page 16: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

15

1. 序論

一般的アプローチ法

 21世紀の米国の安全保障においては宇宙が果たす役割はますます大きくなり、これらの

主な役割については既に米国政府および国防総省(DoD)のその他の政策文書および計画書

の中で述べられてきた。これらの文書では、米国政府と民事機関ならびに世界中の企業に

よって提供されている技術(すなわち「売り込み」または「供給」)と合致したニーズ(す

なわち「取得」または「需要」)について説明している。

 本 DoD宇宙技術ガイド(STG)では、米国の宇宙界全体において必要とされているかまた

は現在進行中である国家安全保障上の宇宙関連技術活動の範囲について調査し、その実現

が将来の宇宙能力にとって極めて重要である技術を特定している。これらの技術は、「達成

しなければならずしかも正確に成し遂げなければならない」という重要な実現可能化技術

である。すなわち、大きな進歩を遂げることができ、それによって宇宙での応用および能

力の革命的な発展が可能になるレベルまでその他の分野を引き上げることができるような

技術である。なお、本 STGの対象となっている期間は、現在から 2020年までの今後の 20

年である。

 本調査自体は以下の 2つによって構成されている。

・ 本 STGは、宇宙計画書および国家政策文書から導き出されたミッション中心の技術分

野を対象にしている。また、これらの技術分野については、新しい技術および用途が

必要になる目標および概念を構築するための基盤として学理的ではない形で説明し

てある。

・ 付属書では、宇宙に関わる S&Tプロジェクトおよび運用部門、取得部門および技術部

門が互いに協力して、それぞれの宇宙関連活動を支援するための方法に関する DoDの

文書およびその他の連邦政府機関の文書を要約してある。

 上級の政府機関間組織では、諸活動の調和および資源配分の管理と監督を継続的に行っ

ている。これらの職務は、諸要件を達成可能な状態かつコスト的に手頃な状態に保ちなが

ら計画上の意思決定および S&T投資を支援する 1つの不可欠な計画立案プロセスである。

Page 17: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

 運用計画書と研究開発(R&D)文書および諸活動がこのように相互に影響し合うことによ

って、計画されている将来のシステム能力の基礎となる実現可能化技術が生み出される。

STGでは、以上に基づいて、国家安全保障上の宇宙に関するニーズを満たす上で相乗効果

的な成果を長期にわたって期待でき、そのため DoDによる投資および持続的な支援を行う

価値がある重要な実現可能化技術を明確にしてある。

文書上の焦点

 議会は、2000 会計年度国防権限付与

な要請をしている。

 「宇宙科学技術への投資、および宇

した詳細な手引きを作成すること

最大限に利用する上で必要な技術

(付属書 A参照)

 議会はさらに、「代替技術に関して 2

ち、将来の防衛計画(FYDP)用の資金が

第 XVI章-国家

副題 A-

第 1601条 宇宙技術ガイド

(a) 要求

(b) 将来の防衛計画との関係

(c) 国防総省外における活動との関

(d) マイクロ衛星技術開発計画

(e) これまでの研究および報告書の

(f) 報告書

公法 106-65-1999年 10月 5日  113 STAT. 809

安全保障上の宇宙に関する事項

宇宙技術ガイド; 報告書

使用

16

法第 1601 条において国防総省に対して以下のよう

宙技術システムについての計画立案と開発を対象に

。…最終目標は、国家安全保障目的のために宇宙を

および技術の実証試験を明確にすることとする。」

つの進路」を採用するように要請している。すなわ

制限されている進路および資金上の制約を受けない

Page 18: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

17

進路である。

 国防総省は議会の指示に応えて必要な不可欠な技術を特定しており、これらの技術はす

べて現在の国防 S&T計画書内に含められている。これらの国防 S&T計画書は、陸海空軍

および諸防衛機関の個々の S&T マスタープランとともに、DoD 予算および計画目標覚書

(POM)を毎年作成する際の手引きとなっている。しかしながら、各活動は引き続き総合的

な政府予算プロセスの対象となっている。なお、技術に関するこれらの努力は研究開発説

明要約(PDDS)添付書類内、および大統領予算案と FYDP を支援しているその他の文書

内においても正式な説明がなされており、他方、当該大統領案および FYDPは議会に送ら

れて議会による権限付与/予算化審議を受ける。

 本 STGは、FYDPをはるかに越える期間にわたる技術予測に焦点を合わせることによっ

て基本的に制約のないアプローチ法を設定しているが、資金調達上および予算上の側面に

ついて明確に対応する立場にはない。また、数多くの有望な分野に対する資金を増額させ

れば成功する可能性を大幅に高めることが可能である一方で、金銭だけでは特定の S&T

の飛躍的な発展を確実なものにすることはできない。概して、S&T計画をバランスのとれ

た形でかつ定常的に支援するようにすれば成功する確率が最大になりさらには防衛上の宇

宙能力を最も柔軟な形で発展させることができる。

国防科学技術計画

 国防 S&T計画の使命は、今日および将来の戦闘員がそれぞれの任務を支援する上でより

優れておりかつコスト上妥当な技術を備えることができるようにすることであり、そこに

は革命的な能力も含まれている。当該最終目標を達成させるための戦略を立案するために

は、すべての軍事作戦および潜在的な脅威の両方について理解している必要がある。現在

の戦略は、新しいアイデアを生み出す研究を育成しかつ革新を奨励する戦略である。

 防衛システムを取得する際に新技術を組み入れる上での基礎となる正式な DoD 研究開

発手順は以下の 3つの活動によって構成されている。

・ 基礎研究: 予算活動 1および研究分類 6.1

・ 応用研究(以前は探究的開発): 予算活動 2および研究分類 6.2

・ 先端技術開発(以前は先端開発): 予算活動 3および研究分類 6.3A

Page 19: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

18

 DoD S&T 計画の全体的な方向性、品質および内容については国防研究・工学局長

(DDR&E)が責任を負っている。さらに、DDR&E の国防次官代理 (科学技術担

当)(DUSD(S&T))がこれらの責任を免除する統合 S&T 戦略立案プロセスを構築させており、

当該プロセスは、国防科学技術諮問グループ(DSTAG)によって追求および調整が行われる。

なお、当該 DSTAGの運営委員会委員を以下に示してある。

DSTAG運営委員会・ 国防次官代理(科学技術担当)、委員長・ 陸軍次官補代理(研究/技術担当)・ 海軍研究主任 ・ 空軍次官補代理(科学・技術・工学担当)・ 国防高度研究計画局副局長・ 技術・弾道ミサイル国防組織副局長補佐・ 国防脅威緩和局副局長

(DDR&E)(陸軍)(海軍)(空軍)(DARPA)(BMDO)(DTRA)

 DSTAG 主導の国防 S&T 信頼性プロセスは、様々な DoD 構成機関の計画を 1 つの共同

S&T計画に統合し相乗効果を生み出させる機会を追求し、不要な重複を排除するプロセス

である。この信頼プロセスのおかげで、DoD S&T部門が互いに協力し、国防総省の取得計

画および最終的なユーザを支援する上での S&Tの役割を高めることが可能である。

 国防 S&T信頼性プロセスは、以下のような国防 S&T計画書を作成する責任を有してい

る。

・ 基礎研究計画書(BRP)

・ 国防技術分野計画書(DTAP)

・ 戦闘科学技術共同計画書(JWSTP)

・ 添付国防技術目標(DTO)文書

 3つの研究・技術活動、DoDの S&T戦略計画立案プロセスおよび上記の S&T計画書を

付属書 B、C、D、および Eにおいて定義および要約してある。

 米国が軍事的剛勇さを 1世紀にわたって維持してきた根底には、DoDおよびその他の連

邦政府機関の広範な S&T 計画が数多くの機会に互いに影響を与え合うことによって生み

出されてきている技術の応用がある。米国が現在宇宙において維持している卓越の基礎に

Page 20: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

19

なっている技術は、数十年前に研究が開始された技術である。これまでにも、多数の技術

の間での相乗効果が 20 世紀後半にいかにして運用可能なシステムのための革命的な能力

を生み出しているかを目の当たりにしてきている。その一方で、今日の技術プロジェクト

は、21世紀へ向けての米国の進路を定めるような技術を生み出しつつある。DoDが今後も

継続すべき任務は、米国の安全保障を引き続き確保するような技術を明確にしかつ追求す

ることである。

STGの構成

 STGの主要な節は以下のとおりであり、これらの節と付属書が宇宙関連技術についての

分析を行う際の基礎になっている。

・ 第 2節 「方法」- 本節では、STGミッションおよび宇宙に関するその他の職務に

関わる技術の特定、統合、分析および反復を行う際に採用されるアプローチ法および

技術について要約している。

・ 第 3節 「宇宙ミッション方針および計画立案」- 本節では、STGにとっての総合

的な手引きとなる国家の最高レベルの文書を識別している。これらの文書はその他の

参考文献とともに付属書 Jに示してある。

・ 第 4節~11節- STGによって定義された防衛上の宇宙ミッション分野によって構成

されており、現在および計画中の宇宙に関連した運用上のニーズおよび技術を取り扱

っている。これらのミッション分野は互いに重複していることがほとんどであり、い

くつかの特定の職務は全ミッション分野に共通の職務となっている場合もある。なお、

これらの各節には以下のよう小節が含まれている。

- 分野についての説明: ミッションの焦点、能力、および掛かり合いが含まれてい

る。

- ミッション分野ごとの目標: 当該ミッションの重要な職務、属性、および計画さ

れている支援能力が記載されている。

- 現在の技術上の構想: FYDPによって制約されている短期の活動が反映されてい

る。

- 実現可能化技術: 運用上のニーズに関する言明および S&T 活動に関する説明を

Page 21: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

20

統合させた結果現れてきたミッション関連技術を(制約のない状態で)表にしてあ

る。

- 計画されているアプリケーション: より詳細な一連の短期的実験、実証試験、お

よび開発活動について要約している。

- パートナ関係の構築機会: 決まり切った形の管理プロセスおよび調整から脱した

現在のおよび潜在的な政府機関間での協力関係を明確にしている。

・ 第 12節 「マイクロ衛星技術」-本節では、既存のおよび次世代の「伝統的な」衛星

と、一般的にはマイクロ衛星と呼ばれている非常に小型の新しい宇宙機の両方に対し

て超小型化技術がどのような影響を及ぼすかについて取り扱っている。また、マイク

ロ衛星の短期的な実験および技術については、マイクロ衛星の特定の能力と新しい運

用概念の技術的実行可能性および軍事的効用の決定を目的とした「先行期間の長い」

活動として要約してある。

・ 第 13節 「宇宙技術実証試験」- 本節では、システムの取得を確約する前に技術お

よび運用性能の両方を証明する上で不可欠な後期の開発段階である宇宙内での広範

な試験および実験に対して現在の資金調達可能性が及ぼす影響について評価してい

る。これらの実証試験については付属書 Gに示してある。

・ 第 14節 「要約」- 本節では、国防上の宇宙投資に関する調査結果および勧告事項

について概説している。さらに、国防総省の重要実現可能化技術も特定し、米国政府

の国家安全保障上の宇宙に対する利害関係者および民間産業が投資対象としてどの

ような技術に注目しているかを示してある。この際の主眼は、米国が 21 世紀に入っ

ても長期にわたって宇宙における卓越を確実に継続させるようにするために必要に

なる必須の能力を実現させる上では、宇宙関連 S&Tへの持続的でかつ安定した投資を

「今」および将来の両方において行うことが鍵を握っているということである。

 付属書 A~Kでは、DoD の S&T計画の宇宙資産および STG自体についてさらに詳細に

補足している。これらの付属書のうちで最も該当する付属書は以下のとおりである。

・ 付属書 B 「研究および技術」- DoD の宇宙 S&T 領域および総合的な調整プロセ

スについて要約し、S&T計画/予算活動について定義し、さらには以下の付属書につい

て概説している。

Page 22: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

21

 - 付属書 C: 計画 6.1の基礎研究計画書(BRP)の宇宙関連部分について要約して

いる。

 - 付属書 D: 計画 6.2および 6.3の国防技術分野計画書(DTAP)の宇宙関連部分に

ついて要約している。

 - 付属書 E: DoDの運用部門および S&T部門が共同で作成した文書である戦闘

科学技術共同計画書(JWSTP)の宇宙関連部分について要約している。

 - 付属書 F: 米国宇宙司令部の長期計画書(LRP)について要約している。他方、

当該 LRP は、軍の宇宙計画書(例えば、空軍宇宙司令部の戦略マスタープラン

(SMP)など)にとっての手引書になっている。

 - 付属書 G 「宇宙技術実証試験」-新しい技術、アプローチ、および運用概念

の妥当性の確認を目的とした重要活動を記載してある。さらに、宇宙試験計画

(STP)に基づいて最近実施された探査用ペイロードの打上げおよび計画中の探

査用ペイロードの打上げも記載してある。

 - 付属書 H 「その他の連邦政府機関」- 以下の機関の国家安全保障上の宇

宙活動について要約している。

- 米国航空宇宙局(NASA)

- エネルギー省(DOE)およびその研究所: ローレンス・リバモア国立研究所

(LLNL)、ロスアラモス国立研究所(LANL)、およびサンディア国立研究所

(SNL)

 ・ 付属書 I 「民間部門展望」- 産業界の見解についての調査結果および宇宙に関

するいくつかの商工業上の構想を示してある。さらに、1つの協力活動例、すなわ

ち、空軍アカデミー/ウェバー国家衛星(JAWSAT)共同計画に基づく産官共同プロジ

ェクトとして 2000年 1月に打上げられたプロジェクトを重点的に取り上げている。

STGの主な特長

 本ガイドの対象となっている分野は技術投資分野である。本ガイドは、宇宙ミッション

および宇宙システムの優先順位を設定しようとするものではなく、さらに、DoDの様々な

構成機関および研究所によって現在進行中であるかまたは計画中である数多くの S&T 活

動および計画の格付けをしようとするものでもない。

Page 23: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

22

 本 STG は、諸技術をむしろ「商品」として(すなわち、成熟するのに応じて数多くのミ

ッションおよびシステムの質を向上させることが可能な S&T 活動として)取り扱っている。

多くの技術は、最初に地上の環境で有効な形で使用してから宇宙への応用が可能になると

思われる。他方、最初に宇宙で使用した技術は地上の舞台にも応用が可能である。従って、

宇宙に関する能力が進化するのに応じて、技術およびミッションの両方がその用途と範囲

を拡大させる。

 もう 1つ同様に重要な要素は、軍事専用であって商業市場には同等のものが存在してい

ないような、国防上の宇宙に関する能力を諸技術がどの程度反映させているかという点で

ある。

 国防総省の宇宙関連重要実現可能化技術の中に含まれている技術は、宇宙ミッション全

体において新しい高レベルの宇宙ミッション能力または相乗効果的な応用を期待できかつ

商業市場がほとんどまたは全くないような技術である。なお、これらの実現可能化技術に

ついては、成功を収めるかまたは宇宙における国家安全保障上の能力を向上させることが

可能な、まだ予測されていない新しい技術的アプローチ法に発展するまで適切な計画の下

に安定した形で資金を供給するように暗黙の勧告を行っている。

2000年における米国の宇宙能力の基盤となっている重要実現可能化技術の進歩の推移写真術熱電気極低温冷却合成結晶成長物質平衡位相図真空管ラジオ光電気飛行機慣性ジャイロスコープ誘導ロケットレーダデジタルコンピュータ電子写真術

1840年1880年1880年1880年1880年1905年1905年1910年1910年1920年1930年1935年1945年1950年

テレビトランジスタ希土類磁石メーザ原子時計固体電子工学および集積回路太陽電池地球軌道周回人工衛星レーザカルマンフィルタリング(効率的な数学的推定アルゴリズム)光ファイバ高温超伝導物質フォトニクス

1950年1950年1950年1950年1950年1955年1955年1960年1960年

1960年1965年1970年1980年

Page 24: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

23

 上記のリストにおいて重要な点は、今日における重要技術の多くは最初に実証された時

期がかなり以前であること、これらの多くの技術が成熟するのにかなりの時間がかかって

いること、およびこれらの技術がすべて今日に至っても依然として改良中であるというこ

とである。

国家安全保障上の重要な宇宙技術活動に関わっている政府機関および組織ACDAAFAAFRLAFSBLAFSPCARLARSPCEBMDODARPADCIDOADOCDoDDOEDOIDOSDOTDTRAFAAFCCJCSJPL

武器管理・軍縮局空軍アカデミー空軍研究所空軍宇宙戦闘研究所空軍宇宙司令部陸軍研究所陸軍宇宙司令部弾道ミサイル防衛組織国防高度研究計画局中央情報局長官農務省商務省国防総省エネルギー省内務省国務省運輸省国防脅威緩和局連邦航空局連邦通信委員会統合参謀本部統合参謀本部

LANLLLNLMITNASANAVSPACENIMANISTNOAANRLNRONSFNSSAONROSDSNLUSAUSAFUSIAUSNUSSPACECOM

ロスアラモス国立研究所ローレンス・リバモア国立研究所マサチューセッツ工科大学米国航空宇宙局海軍宇宙司令部国家画像地図局国家規格技術研究所海洋大気局海軍研究所国家偵察局国立科学財団国家安全保障宇宙アーキテクト海軍研究局国防大臣内部部局サンディア国立研究所米国陸軍米国空軍米国情報局米国海軍米国宇宙司令部

Page 25: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

24

2. 方法

分析的アプローチ法

 DoDの宇宙技術ガイド(STG)の目的は以下の 2つである。

・ 今後 20 年間およびそれ以降に出現する国防上の宇宙システムおよびミッションを支

援する実現可能化技術を研究および特定する

・ 国防上の宇宙能力を発展させて国家安全保障上の目標を達成させることができるよう

にするために DoDが「達成しなければならず、しかも正確に成し遂げなければならな

い」重要実現可能化技術を特定する。

 これらの技術を特定する方法は以下の 4つの反復プロセスによって構成されている。

1. 各宇宙ミッション分野別の収集

  - 軍事的効用を有する技術を多数のソースから入手するか、または、多数のソース

を調査研究して当該技術が存在しているかどうかを確認した。

2. 宇宙ミッション分野の関連づけ

  - 各ミッションに焦点を合わせて技術を収集後、その他の宇宙ミッションにとって

どのような相対的価値を有するかについて評価した(さらに、共通の用語を適宜採

用した)。

3. 各後援/支援別の評価

  - 政府の資金源または商業上の資金源が必要な技術のタイムリーな開発を最も確実

にできるかどうかを評価した。

4. 要求されている国防上の宇宙能力の開発に対して最も大きな影響を及ぼす重要実現可

能化技術の特定

  - あらゆる S&T活動とプロジェクトおよび開発活動とプロジェクトのうちで、米国

の将来の国防上の宇宙作戦にとって利益になるような投資および後援を DoD が

タイムリーな形で行う必要がある技術を決定した。

Page 26: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

25

 手順 1および 2を繰り返すことによって、各ミッション分野の実現可能化技術に関する

部分に記載した技術を特定できた。次に、これらの技術を統合して以下のような手順を実

施した。

・ 適切な後援が可能であるかどうかについての産業界の見解とこれらの技術を比較した

(付属書 I参照)。

・ 鍵となる能力を与えることになりかつ将来の国家安全保障上の宇宙にとって不可欠で

あるとみなされているその他の技術および能力を向上させる分野横断的な技術を精

選した。

技術の収集および分類

 最初に、宇宙システム「作業細分化構造」(WBS)との関係における国防上の宇宙関連技

術の役割を明確にすることによってこれらの技術の包括的なリストを作成した。当該WBS

には、打上げ支援から軌道上での運用までにいたる一般的な宇宙システムを構成している

施設、ハードウエアおよびソフトウエア機能が含まれていた。

宇宙機打上げ コントロール

バス ペイロード(施設および宇宙打上げシステム)

(地上施設およびミッション支援機能)

(ペイロードを支援する宇宙機/サブシステム)

(各ミッションごとのサブシステム /コンポーネント)

 次に、宇宙ミッションの観点から諸技術を特定し、文献およびその問題の専門家の両方

に従ってより詳細かつ具体的に定義した。これらの手順を数回繰り返して、これらの技術

がどのミッションを支援していたかおよび各ケースにおける一般的重要度はどの程度であ

ったかを決定した。当該プロセス中には、ミッションとの関係および互いの関係の観点か

ら役に立つとみなされる範囲でこれらの技術の機能上の順位および用語を標準化した。技

術を成熟化させることが計画されており、適切に確立されたミッションに応用されていた

場合には、新生のミッションの中に略式的に組み入れて、当該ミッションを遂行する上で

より中心的な役割を果たす技術に重点を置いた。

Page 27: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

26

 当該順位づけおよび相互参照を行う最終目標は、各技術の基本的な性質を記述し、宇宙

ミッション/システム上の一般的な効用を決定し、それによって今後 20 年間にわたって進

展していくニーズを満たすことができる能力を備えるようにすることであった。当該拡大

アプローチ法では、1つの所定の技術(適宜調整されたそのアプリケーション)が支援可能な

ミッションをできるだけ数多く特定するようにし、さらに、当該ミッションを定めること

になるニーズまたは能力に貢献する上での役割が相対的に大きなものになるかまたは小さ

いものになるかを明確にすることを試みた。

宇宙ミッション別実現可能化技術

宇宙輸送 衛星運用 C3測位、航法およびタイミング

ISR 環境モニタリング

宇宙のコントロール

戦力の投入

複数のミッションを支援している技術役割: 大     小     ほとんどゼロ/ゼロ

 当該アプローチ法では、相互に影響し合いながら貢献することによって現在の宇宙ミッ

ションおよび新生の宇宙ミッションの両方を実現させることを可能にする技術を記載した

リストを各ミッションと関連づけながら作成した。この場合には以下の点に注意すること。

・ いずれのミッションの技術リストも完全なものではなく、多くの技術的要因は各リス

ト用に仮定したものであるかまたは各リスト内に包摂したものである。

・ 各技術による影響を受けたミッションの数は、必ずしも、将来の能力の実現を可能に

する重要技術としての当該技術の重要性を示す尺度ではない。

 しかしながら、記載されている技術は、成功裏に応用した場合にミッション目標を達成

する際の運用上の性能が最も良く表されるような技術である。

政府の役割

 当該評価プロセスではさらに、スポンサ/ユーザとしての政府が果たす可能性が最も高い

役割に従って諸技術を定義した。すなわち、DoD専用(軍事目的専用)、DoD主導(軍が最初

のユーザまたは主要なユーザになる場合)、または民間部門主導(商業上の利用が圧倒的で

Page 28: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

27

ある場合)に分類した。これらの分類の特徴は以下のとおりである。

技術の特徴 出資上の掛かり合いDoD専用 ・ 国防専用の要求および特

性- 政府が出資しなければならな

い(無期限)

DoD主導

・ 多額の投資が必要であるかまたは短期の商業市場が予測されていない(すなわち、「適切な事業事例」が現在存在していない)

- 政府が、特にリスクの高い技術に関して全額またはほとんどの金額を出資しなければならない(少なくとも商業需要が現れるまで)

民間部門主導・ 商業市場が既に存在しており、技術開発が活発に行われている

- 政府は、国家安全保障上のニーズを満たすような商品を促進または調整できる

 政府出資金の増額に関して産業界が推奨した事項は、打上げおよび宇宙空間での推進技

法と技術、電子機器の耐放射線化、および一般的なデータ処理と利用が中心になっていた

(付属書 I)。政府が出資した技術は、永続的であるかまたは初期のものか、全額または一

部かにかかわらず、連邦政府の研究所内で追求されている技術または民間部門との契約に

基づいて追求されている技術である。

重要実現可能化技術

 次の段階では、予測可能な将来に関する重要な能力を持続させるかまたは確保するため

に必要であった重要技術を選択した。この技術リストは、ミッション上の効用と政府の役

割(すなわち、DoD専用または DoD主導)についての評価結果を組み合わせ、これらの評価

結果に基づいて長期(2020 年まで)にわたる掛かり合いを推定した。なお、当該重要実現可

能化技術については第 14節「要約」に示してある。

調査結果および勧告事項

 当該分析プロセスの最終段階では、観察結果および調査結果を収集し(いくつかの結果に

ついては直接該当する節を併記してある)、さらにはこれらの結果から勧告事項を導き出し

た。これらの調査結果および勧告事項も第 14節に示してある。

Page 29: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

28

3. 宇宙ミッションに関する方針および計画立案

宇宙に関する方針書および手引書

 国防 S&T 計画書(主に、BRP、DTAP、および JWSTP)に加えて、下記のレベルの高い文

書が本 DoD STGの情報源となった。

力力力力

- 防衛-インテル防衛-インテル防衛-インテル防衛-インテル- 迎撃-国際協力迎撃-国際協力迎撃-国際協力迎撃-国際協力- 宇宙方針宇宙方針宇宙方針宇宙方針

先端技術先端技術先端技術先端技術 新たな協力新たな協力新たな協力新たな協力およびおよびおよびおよび

情報の優位性

情報の優位性

情報の優位性

情報の優位性

統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ

技術革新

技術革新

技術革新

技術革新

・ DoD宇宙方針書

本 1999 年度方針書は 1987 年版を更新し

策を導入するための新しい方針および手引

書は、右に示したテーマを実現させること

針」の中で実行されている。

・ JV2020(ジョイント・ビジョン 2020年)

本共同手引書は、圧倒的マヌーバ、精密な

保護という JV2010(ジョイント・ビジョン

らのテーマはすべて全面的な支配を可能に

かつあらゆる範囲の軍事作戦に対応できる

統合性、相互運用性および情報作戦などに

力力力力

- 防衛-インテル防衛-インテル防衛-インテル防衛-インテル- 迎撃-国際協力迎撃-国際協力迎撃-国際協力迎撃-国際協力- 宇宙方針宇宙方針宇宙方針宇宙方針

先端技術先端技術先端技術先端技術 新たな協力新たな協力新たな協力新たな協力およびおよびおよびおよび

情報の優位性

情報の優位性

情報の優位性

情報の優位性

統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ統合軍連合パートナ

技術革新

技術革新

技術革新

技術革新

止止止止止止

戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化戦略の実現可能化

国益国益国益国益国益国益国益国益

衛衛衛衛

的概念的概念的概念的概念原則原則原則原則

組織変組織変組織変組織変

全面的全面的全面的全面的

たものであり、

きが組み入れ

を目的とした

関与、重点的

2010年)の

するものであ

ように情報の

重点を置いて

衛衛

的概念的概念的概念的概念原則原則原則原則

組織変組織変組織変組織変

全面的全面的全面的全面的

抑抑抑抑抑抑止抑抑止

防防防防防防衛防防衛

開開

宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の宇宙での作戦の

更更更更

支配支配支配支配

更更更更

支配支配支配支配

自由な展自由な展開自由な展自由な展開自由な展開自由な展開自由な展開自由な展開

インテグレーションインテグレーションインテグレーションインテグレーションインテグレーションインテグレーションインテグレーションインテグレーション

協協協協協協協協

大統領の 1996 年国家宇宙政

れている。さらに、同方針

DoD 指令 3100.10 「宇宙方

ジスティックおよび全面的

ーマを引き継いでおり(これ

)、非対称的な脅威に対抗し

位性および革新、例えば、

る。

Page 30: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

29

・ 米国宇宙司令部長期計画

 米国宇宙司令部(USSPACECOM)の 2020 年に関するビジョンでは、USSPACECOM およ

びその構成員である陸海空軍用の最終目標および基準を設定している。また、宇宙上の能

力を確保するための技術の進歩が米国の戦略環境の鍵を握っているとみなしている。当該

計画の 4つの概念および重要な目標は以下の通りである。

概念 重要目標宇宙のコントロール

・ 確実なアクセス           ・ 宇宙の監視・ 保護       ・ 防止       ・ 無力化

グローバルな関与 ・ 統合集中監視            ・ ミサイル防衛・ 戦力の投入

全軍統合 ・ 方針および原則     ・人、情報     ・組織グローバルなパートナ関係

・ 共通の宇宙サービスに関する支援を同盟宇宙国家間で共有する

USSPACECOMの 2020年に関するビジョンの運用面は、上記の最初の 2つの運用概念

(宇宙のコントロールおよびグローバルな関与)の中に含まれている。他方、これらの

概念には、宇宙司令部の展開中の宇宙ミッションおよびこれらの宇宙ミッションを遂

行するために必要な能力のうちの最も困難な課題となっている 8つの重要目標が含ま

れている。これらの 8つの目標を達成させるために必要なシステム経路および実現可

能化技術は付属書 Fに詳述してある。

・ 国家安全保障上の宇宙マスタープラン

本計画書は、国家安全保障宇宙アーキテクト(NSSA)が宇宙コミュニティのすべての利

害関係者と共同で作成した生きた文書であり、あらゆる範囲の国家安全保障上の宇宙

ミッション全体において中期および長期のアーキテクチャを構築するためのプロセ

スおよびロードマップを示したものである。1つの長期的な計画目標(すなわち「道標」)

として、「極めて重要な分野において革命的な技術上のアプローチ法の採用によって

米国のリーダーシップを握る」ための技術的優位性の確保がある。

・ 共同情報手引書

本書は米国の情報計画用の手引書であり、中央情報機関長官(DCI)および国防副長官が

共同で作成したものである。この手引書の役割としては、国家安全保障上の宇宙を支

援する情報活動用に必要な技術に対して計画面から影響を与えることなどがあげら

Page 31: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

30

れる。

宇宙ミッション分野

 以下に示した宇宙ミッション分野は、将来の宇宙活動の焦点およびこの宇宙活動を実現

可能にするための技術の両方を組み合わせるようにしてある。

ミッション分野 範囲・ 宇宙輸送 - ペイロードの打上げと軌道への投入およびその後の軌道上

でのマヌーバ・ 衛星運用 - 打上げ作業、初期の軌道作業、および軌道上での宇宙機の

テレメトリ、追跡およびコマンド(TT&C)の各機能の管理・ 測位、航法およびタ

イミング(PNT)- 世界中のユーザ用の連続的三次元測位データおよび精密タ

イミングソース・ コマンド&コント

ロールおよび通信(C3)

- その他のすべての運用ミッションおよび支援ミッションの結合と管理

・ 情報、監視、および偵察(ISR)

- 地表下から宇宙までに至る環境からのデータの収集、非常に広範なユーザのタイムリーな使用を目的とした当該データの情報化処理、および国家安全保障データベースの構築

・ 環境モニタリング - 地球環境および宇宙環境の観測、知識および予測・ 宇宙のコントロー

ル- 機密を保護しながら宇宙での作戦を自由に展開可能にし、

さらに、その他の国の利用を防ぐ・ 戦力の投入 - 防衛または攻撃を目的とした軍事作戦を宇宙から支援する

 これらの分野については以下の第 4節~11節において説明してある。

ニューメキシコ州アルバカーキの DOE多色熱画像器(MTI)画像

Page 32: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

31

4. 宇宙輸送

分野の説明

 宇宙輸送分野では、軌道へのペイロード投入および軌道上でのステーションキーピング

(位置保持)という伝統的な宇宙ミッション、およびその後の諸ミッション、例えば軌道上

での燃料補給、整備、保守、再測位、および回収などを対象にした宇宙への打上げロケッ

トと軌道移動船および関連する推進システムが網羅されている。

 DoDでは、軍用および商用両方の使い捨て型打上げロケットを採用しており、時折NASA

のスペースシャトルを用いて補強している。軍用打上げシステムは、現在は一連の中量~

重量使い捨て型ブースタによって構成されている。空軍、NASAおよび産業界では再使用

型推進技術に共同出資中であり、空軍の資金は軍独自の能力の支援に向けられている。産

業界では、単独でおよび NASAとパートナ関係を結んで、打上げシステムの在庫への追加

および軌道への投入コストの削減を目的として再使用型ブースタを開発中である。コスト

およびリスクを大幅に引き下げることができれば、今後の 10年間には軍事目的の打上げに

加えて世界全体で 500回もの商業打上げが行われる可能性がある。DoDでは、打上げへの

アクセスを現在妨げている事柄を次のような方法で緩和しようと務めている。

・ 打上げ基盤の民営化を進めて打上げ基盤を拡大させる。

・ 必要に応じて打上げ能力を確保する。特に、宇宙コントロールミッションおよび、タ

イムリーな軌道到達または要求の高い宇宙空間システムの再構成を最も重要とする

その他の宇宙ミッションの場合。

 当該分野は宇宙電力にとっての必須条件である。すなわち、十分な打上げ能力が大幅に

低いコストでたやすく利用できなければ、米国が計画しているシステムをミッション目標

を達成させる上で十分な数だけ軌道上に投入する能力が、ますます需要に追いつかなくな

ってしまう。また、USSPACECOM の将来のための目標の内のまさしく最初の目標である

「確実な宇宙へのアクセス」を達成させるためには、打上げ能力の向上につながるような

飛躍的な技術の進歩を達成させることが必要になる。この最初の目標が達成されなければ

その他の目標は達成されない状態が続いてしまう。

Page 33: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

32

軌道への投入能力は、打上げシステムおよび推進システムの改良、宇宙機およびペイロ

ードの規模の縮小と軽量化、またはこれらの 2つの方法の組合せによって向上させること

が可能である。また、時期は不明であるが特大の貨物用の重量物打上げ能力が必要になり、

このためエンジンおよび推薬の改良が引き続き 1つの優先事項になる。他方、ある 1つの

所定の軌道上においてより少ない数の宇宙機によってより多くの事柄を行うことができる

ようになるかおよび/または宇宙機の寿命が延びるのに従い、交換が必要になる頻度も低下

しその結果打上げ資産の相対的需要も低下する。また、再使用型打上げロケット(RLV)の

到来が単位当たりの打上げコストをさらに引き下げる。これと並行して、宇宙機 1機ごと

におよび全宇宙機を対象にして小型化と軽量化をすすめる。このように超小型化するアプ

ローチ法の場合は、全く新しい種類の小型衛星およびマイクロ衛星がミッション利用設備

基準を満たすことが可能になるため(第 12節参照)、軌道上にとどまることができるような

資産または再使用のための回収が可能な資産を将来の宇宙輸送基盤の中に含めることも可

能である。さらに、このような宇宙支援機は軌道変更サービスおよび保全サービスを提供

可能であり、その結果数多くの宇宙システムのライフサイクルコストを引き下げることも

可能である。

 システム上のアプローチ法のうちのいくつかを下記の「計画されているアプリケーショ

ン」において要約してある。これらのアプローチ法は、現在の取得計画から(短期的な技術

投資および短期的な成果に左右される)長期的な概念にいたるまで様々である。さらに、国

家安全保障上の宇宙における有効性のために商業上の構想を促進させることも可能である

推進技術

Page 34: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

33

(付属書 I参照)。

 これらの動向およびトレードオフに軌道上での整備機能と燃料補給機能を追加して補強

するようにすれば(第 5 節)、計画されている打上げ資産および軌道上移動技法によって新

しいレベルの能力、効率、および柔軟性を達成させることができるようになる。1 つの長

期目標として、宇宙への打上げ、軌道上でのマヌーバ、さらには回収が、現在の有人航空

機の場合と同レベルの対応力、柔軟性および信頼性を有することができるようになれば、

米国の宇宙能力は計り知れないほど向上する。

ミッション分野ごとの目標

・ 宇宙へのアクセスを

・スケジュールどおりの打上げ(LOS)・必要に応じた打上げ

(LOD)・軌道移動・軌道上での再測位および整備

を通じて、

- 定常的にする- 確実にする- 低コストにする- 低リスクにする

支援能力軌道に突入する宇宙機を再使用可能型にする(スペースプレーン、空中発射概念)

再使用可能な高性能ロケットエンジンエアブリージング/ロケットエンジンの組合せ改良した誘導および精密コントロール

代替燃料及び電源     宇宙機の軽量化およびコスト削減標準モジュール式インタフェース     整然とした大気圏再突入

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 宇宙輸送技術に関する構想は、宇宙機の構造、推進、動力、材料、熱保護システム、飛

行システムおよび地上システムなどのいくつかの分野にわたっている。

 最大の投資分野は統合高収益ロケット推進技術計画(IHPRPT)である。陸海空軍、NASA

および産業界では攻撃的な推進技術について実証するための努力および投資を行っており、

この IHPRPTはこれらの努力および投資の調整を目的とした国家的な規模の共同構想であ

る。なお、IHPRPTの最終目標は以下のとおりである。

Page 35: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

34

・ 打上げコストの大幅な削減

・ 衛星の寿命の延長および軌道上での能力の向上(再測位、および軌道上での整備または

回収)

・ 戦術ミサイルの有効性向上

・ 戦略システムの能力の持続

 これらの能力の確保を目的として、固体推薬システム、液体推薬システム、ハイブリッ

ド推薬システム、太陽電気推進システム、太陽熱推進システムおよびゲル推薬システム用

の先端材料、コンポーネント技術および推進システム技術について現在追求中である。

 ブースタおよび上段ロケットを開発すれば、軍用スペースプレーン(MSP)システム用に

必要な技術にも対応する。当該分野の最終目標は、ロケットエンジンシステムの運用性を

向上させかつコストを引き下げながら性能を向上させることである。

 宇宙での推進に関する作業には、推進技術および蓄電装置の両方が含まれている。例え

ば、ホールスラスタやパルス式プラズマスラスタなどの電気推進技術の場合には、燃費が

向上して軌道上での衛星の寿命を延ばすことが可能になる。また、蓄電用のバッテリを改

良すればサブシステムへ供給される電力が増加し、それによってバッテリ自体の寿命も延

びる。提案されている軌道エクスプレス計画では、非常に広範な将来の国家安全保障上の

宇宙計画および商業上の宇宙計画の支援が可能な軌道上の機能用のロボット技法の開発お

よび実証試験が行われる。

 熱保護システムについては、耐候性がより優れておりかつより強固な材料、および高速

での取り外しと再取り付けが可能な機械式取り付け機器を開発中である。さらに、非常に

数多くの飛行システムおよび地上システムが、高速ターンアラウンドおよび打上げロケッ

ト用支援基盤の削減に対処中である。

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」表に示してある。

Page 36: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

35

実現可能化技術(制約なし)

ブースタ、軌道移動ビークルおよび推進

・ 軌道移動ビークルの構造および材料

・ 構造上の制御およびダイナミクス

・ 誘導、航行およびコントロール

・ 極低温液体酸素/水素ロケットエンジン(極低温ブースタ、上段ロケット)

 - ターボポンプ、燃焼室、静水力学的ベアリング、放射線冷却ノズル、材料、制御

機器など

・ 炭化水素液体ロケットエンジン

・ 固体ロケットモータ(SRM)

  - 複合ケースおよびノズル、推薬、断熱材など

・ 混合サイクルエンジン(エアブリージングガスタービンおよびロケット)

宇宙機および推進

・ 多機能構造および材料

・ 極低温冷却

・ 誘導、航行、およびコントロール

・ 電気推進(ホール効果、イオンおよびプラズマスラスタ)

- 電源エレクトロニクス、推薬流制御、磁気学など

・ 化学推進

・ ブースト後制御システム

  - 推薬、バルブ材料、制御機器など

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

Page 37: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

36

一般的推進(ブーストおよび軌道)

・ ロケットエンジン用軽量、高温材料

  - セラミックス、高速高密度化炭素-炭素、ナノフェーズアルミニウム

・ 太陽熱/化学推進

  - 膨張/拡張可能コンセントレータおよび構造、燃焼室、推薬管理、材料など

・ 保護コーティング、薄膜

・ 相互運用可能(プラグ・アンド・プレイ)ソフトウエア、電気的インタフェースおよび

機械的インタフェース

・ 誘導技術、航行技術およびコントロール技術

  - ジャイロスコープ、加速度計、慣性測定装置(IMU)、および、動圧および曲げモ

ーメント低減用の風予知能力など

・ 推薬

  - エネルギーによる低コスト、低リスクおよび無毒の化学推薬(比インパルスがより

高くかつ貯蔵能力が向上した推薬)

・ 構造およびシールド

  - 強度-重量比の高い材料と複合材料、プロセス、および製造法。例えば、大型タ

ンク用の非オートクレーブ加工材料および方法

  - 振動、音響および熱の制御と保護

  - コンポーネントの耐放射線化およびシールド

  - 統合された軽量の耐放射線化材料および/または複合材料、およびその設計と加工

  - 宇宙機の動作状態の総合モニタリング(IVHM)

・ 非破壊検査(NDE)

大気圏再突入

・ 再使用型宇宙機が大気圏に再突入する際に温度/腐食/振動に耐性のある先端材料およ

び先端技術

  - SRM用および再突入機前縁用の先端材料

  - 信号の途絶を最小限に抑えるためのプラズマ効果技術

  - 再突入システム用の改良された窓/アンテナ材料

Page 38: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

37

計画されているアプリケーション

 次世代中には使い捨て型ブースタからほぼ再使用可能なブースタに進展する。

分類 プロジェクト進捗状況

担当機関

・考案されている使い捨て型打上げロケット(EELV)目的: 打上げコストを 25%以上引き下げる- 中量物~重量物打上げロケット(MLV、HLV)- MLVの最初の打上げは 2002会計年度、HLV

の最初の打上げは 2004会計年度に予定されている

エンジニアリン グ /開発段階

空軍スケジュールどおりの打上げ

低コスト打上げロケット

目的: 低コストで信頼できる宇宙へのアクセスを定常的に行うことができるようにする

・ 統合高収益ロケット推進技術(IHPRPT)宇宙への打上げ、宇宙機、および戦略/戦術ミ サ イ ル 推 進 の 開 発 を 目 的 と し たDoD/NASA/米国産業界共同 S&T計画

- 2001 会計年度に固体ブースタの実証試験(EELV概念および空中発射概念)

- ホール効果スラスタ: 2001 会計年度に寿命試験が完了

- 太陽熱統合システム: 2001 会計年度に地上試験

- 2002 会計年度に極低温上段エキスパンダサイクルエンジンの実証試験(EELV、アトラス、デルタ、タイタン)

- 2003 会計年度に極低温ブースト(フルフローサイクル)エンジン実証試験(EELV、再使用型打上げロケットおよびスペースオペレーション機が対象)

- 2003 会計年度にブースト後制御システムの実証試験

- 2003会計年度にエージング監視実証試験- 2005会計年度にフェーズ II液体エンジン実

証試験

技術開発段階および実証試験

空軍、海軍、陸軍、NASA 、産業界

再使用型打上げロケット(RLV)- 次世代スペースシャトル- 実物よりも小さい X33 試作機の飛行試験

(2000会計年度における地上試験の後続); その後の X37試験

- 最終目標: 宇宙へのペイロード輸送コストを最大で 1/10 にまで(1000 ドル/ポンドにまで)引き下げる

実証試験(第 2世代開発)システム概念

NASA必要に応じた打上げ軍用スペースプレーン目的: 大気圏輸送技術および宇宙輸送技術を結合させる

DoDは、自己の打上げ概念および宇宙輸送概念用に RLV技術を促進させる

・ スペースオペレーション機(SOV)- コンチネンタル U.S.(CONUS)をベースにし

た再使用型軽量物/中量物宇宙輸送機(NASAの X-33 RLV試作機からの派生技術)

システム概念

空軍

Page 39: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

38

分類 プロジェクト進捗状況

担当機関

・ 宇宙マヌーバ機(SMV)- SOV から展開された再使用型宇宙機。同機

の目的は、衛星ペイロードを引き渡すこと、軌道上での偵察およびその他の機能を最長で 1年間行うことであり、さらに、整備および再使用のために地球に帰還することである(X-37、X-40)

- 軍用化された X-37 として計画された X-40B(運用実証試験機として使用)

システム概念

空軍

空中発射概念 ・ 空中発射ロケット- 固体ロケット打上げシステムと結合させた

再使用型航空機

システム概念

空軍

軌道移動宇宙機/軌道移動ビークル目的: 先端推進概念を用いて軌道上の宇宙機の位置を変える

・ 先端推進概念- 電気推進(イオン/ホール効果/パルス式プラ

ズマスラスタ)- 太陽熱推進

技術概念

空軍

軌道上での作業軌道上作業船目的: 軌道上での宇宙機の診断と修理、および消耗品の補給

・ 軌道エクスプレス(OE)- ライフサイクルコスト(LCC)を大幅に引き下

げた状態で新技術、運用概念およびモジュール式宇宙機設計を組み合わせる

- OE の自主的宇宙輸送機およびその超小型シャトルであるロボットオービタ(ASTRO)が、バスサービスの受け入れ能力およびマイクロ衛星へのバスサービス提供能力に関する実証試験を行う。さらに、軌道上での燃料補給および電子機器のグレードアップができる新世代衛星の設計を可能にし、それによって打上げコストをさらに削減しながら寿命を延ばすコンフィギュレーションおよび運用上の利益を確保する。

- 標準化されたモジュールおよびインタフェースを備えたモデル式/再コンフィギュレーション可能な宇宙機である OE の次世代衛星(NextSat)が、作業可能な衛星の実現可能性、軌道上でのアビオニクスのグレードアップによるミッション上の効用、設計の柔軟性の向上、およびコスト削減に関する実証試験を行う。

技術概念(ATD提案)

DARPA

Page 40: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

39

分類 プロジェクト進捗状況

担当機関

- OE では、様々な宇宙機の軌道変更作業を行う「宇宙配達車両」用の技術の開発も行う。

技術概念(ATD提案)

DARPA

パートナ関係構築の機会

 空軍は、DoD/NASA/産業界共同 IHPRPT 計画に基づき、NASA、陸軍、海軍および推進

関連の米国の主要な契約企業と協力して、新技術に関して最終目標を達成させることを目

指した計画立案および開発に取り組んでいる。これらの投資は、新しい宇宙推進能力を確

保するためのおよび現在の推進関連問題を解決するための基礎になる。なお、8 つの重要

な IHPRPT実証試験計画を上表に時系列的に示してあるが、付属書 Gでもさらに詳細に説

明してある。

 NASAが統合宇宙輸送計画(ISTP)に対する投資によりDoDは SOV計画および SMV計画

に要する技術のうちの多くの技術を確保することが可能である。また、空軍の宇宙機/軌道

移動ビークル(SOTV)計画用の技術に焦点を合わせて開発するためには、産業界とのパート

ナ関係の構築が必要になる。さらに、DoDと NASAが緊密な調整を行うことによってスム

ーズな技術移転が可能になる。DoDの主眼は、軍事システムに対して適用可能な計画につ

いて NASAとコストを分担することであり、システムの運用可能性が特に重視される。空

軍は、産業界と連係し、DoD/NASA 二重利用 S&T 計画を促進させることによって SOTV

およびその関連技術用の資金を調達しやすくする。NASAでは、ハイテク社によって開発

されたスクラムジェットエンジンを備えたより大型の X-43 の飛行試験を行うことおよび

非常に広範な潜在的エンジンコンフィギュレーションに関する一連の飛行実証試験を行う

ことの両方に関心を持っている。

 DoD宇宙試験計画(STP)は、宇宙への定常的なアクセス手段を有していない DoDの諸機

関のために、宇宙での運用環境における先端技術のリスクを軽減するための実証試験を行

うことを目的とした宇宙ミッションを遂行する計画である。また、当該 STPは空軍が主管

機関であり、陸海空軍およびその他の数多くの米国政府機関のために宇宙飛行支援を行っ

ている(付属書 G参照)。

Page 41: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

40

5. 衛星運用

分野の説明

 衛星運用(SatOps)の目的は以下のとおりである。

・ 衛星の動作状態を検証および保全する

・ 宇宙機の再構成を行いかつ指令を与える

・ 異常を検出、特定および解決する

・ 打上げ作業および初期の軌道作業を行う

 本分野ではさらに、ペイロード以外のための宇宙機の運用を維持するために必要なシス

テムについて検討している。

 伝統的に、SatOpsの基本的な内容はテレメトリモニタリング、追跡、および指令(TT&C)

の 3つである。なお、衛星運用活動およびその前の計画立案は一般的には労働集約的な活

動である。

 今後出現する宇宙空間アーキテクチャは、現在の SatOpsの受容力を弱めてしまうことに

なり、このような状態は次のような形で発生する可能性がある。例えば、センサのデータ

収集能力を向上させると通信を高容量にすることが必要になる。また、カバレッジ範囲を

グローバルにするために個々の衛星を集合させた衛星群(すなわち衛星ネットワーク)にす

ることが可能であり、この場合には運用がより複雑になる。さらに、マヌーバ可能な協力

用クラスタが単一の衛星に取って代わる可能性がありそれによって新しいミッションおよ

び遂行能力が可能になるが、その一方でコマンド&コントロール(C2)も複雑にしてしまう。

また、これらの新ミッションでは高速データリンク(地上と宇宙間のリンクおよび宇宙と宇

宙の間のリンク)、衛星上での情報収集、および新たな地上支援基盤が必要になる可能性が

ある。

 運用衛星の燃料補給および整備を軌道上で行うようにすれば、宇宙機の寿命が延びかつ

その有効性が向上する。また、軌道上での燃料補給を行うようにしかつ推進効率を向上さ

せるようにすれば、監視用クラスタのマヌーバ能力が向上して生き残るための宇宙の物体

の検査や、単により簡単な軌道の変更が可能になる。軌道上での整備の場合には、コンポ

Page 42: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

41

ーネント(例えばバッテリなど)の交換および「プラグ・アンド・プレイ」モジュール(例え

ば、プロセッサやデータ記憶装置など)の挿入を行う。これらの新概念の場合にも、新たな

支援基盤(例えば、軌道移動機、グレードアップ可能なまたは再使用可能な宇宙機など)が

必要になる。

 有効な SatOpsを行うことも、確実な宇宙へのアクセスを確保する上で貢献する。すなわ

ち、宇宙空間能力の場合は、いったん軌道上に投入された後は常に信頼できる形で利用可

能な状態でなければならない。さらに、軌道上に投入される宇宙機の数が多くなればなる

ほど、これらの宇宙機のよりいっそう効率的な運用が複雑になりかつ重要になる。個々の

衛星を地上において管制するという点では、将来の衛星群は相互に運用できかつより多く

のハウスキーピング機能を自主的に遂行できることによって人間の果たす役割をモニタリ

ングおよび緊急時の対応のみに「減少させる」ことが必要になる。また、複数の衛星およ

び複数の衛星群の運用および管制をルーチン化して、戦闘員およびその他の顧客を対象に

した各ミッションごとのプロダクツとサービスに集中できるようにすることも必要になる。

NASA、DARPA、さらには陸海空軍では、軌道上における数多くの機能を遂行可能にする

ための 1つの要因として、宇宙機が自主的に行動する能力を追求中である。また、この能

力が可能になったときには、(宇宙機の寿命、動作状態および軌道保持のためだけでなく、

整備から兵器の管理に至る諸機能のためにも)モニタリング/意思決定ループのどの時点で

どのように人間が関与することが必要になるかという点についても対処が必要になる。

分散させた衛星

Page 43: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

42

ミッション分野ごとの目標

永続的          安全確実          確固

統合運用/ミッション計画立案

必要に応じたコマンド&コント

ロール

重要宇宙資産の精密追跡および地表を基準とす

る測位

グローバルな宇宙交通管制

軌道上での定常的な衛星サービ

自主的で、障害に耐性があり、さらには整然と劣化する SatOps

支援能力・ 射場の安全確保用および宇宙機位置決定用に全地球測位システム(GPS)を使用する

・ テレメトリおよび指令伝達用宇宙中継器・ 打上げ用および衛星運用用の改良型地球天気予報および宇宙天気予報

・ 宇宙間通信リンク用標準プロトコル・ 高度なコマンド/コントロールネットワークおよびアーキテクチャ

・ 機上での障害検出、隔離、および回収・ 障害耐性の向上および整然とした劣化・ 機上での高性能かつ確固とした大容量処理・ 高度な衛星群/編隊飛行概念および技法

・ 機上での精密航行、ランデブー/ステーションキーピング概念および技法・ 軌道上での整備機能: 消耗品の補給、コンポーネントの修理/交換、および宇宙機の

再構成・ 分散型/協同クラスタ

・ 相互運用可能、モジュール式の標準宇宙機コンポーネントおよびインタフェース

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 編隊を組んで飛行して共同作業を行う分散型マイクロ衛星システムを使用した宇宙ミッ

ションの遂行に関する調査を目的としたプロジェクトが現在いくつか進行中である。当該

アプローチ法の難題のうちの 1つとして、どのようにすれば衛星群を最も効率的に指令お

よびコントロールすることが可能であるかという点がある。オペレータが衛星群を 1つの

「仮想」衛星として扱うことによって地上での運用コストが上昇しないようにすることが

可能な新しい技法が必要である。

 空軍では、高度な概念(例えば、分散型衛星システムの運用支援概念など)の調査を行う

ことを目的としたコンピュータラボラトリを作成中であり、研究項目は以下のとおりであ

る。

Page 44: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

43

・ 衛星群の管制

・ 衛星群の異常を補正するための障害検出ソフト

・ 伝統的な一元的飛行ソフトウエアに取って代わり衛星間での協力を可能にするような

知的な協同ソフトウエアエージェント

・ 宇宙資源および地上資源に関して効率的なスケジュールを立てるための先端人工知能

手法

・ 仮想衛星コントロールを可能にしかつ大容量データ要求を満たすことができるように

するための信頼性の高い高速宇宙-地上間リンクおよび宇宙間リンク

・ 打上げ後に地上から宇宙機に簡単にソフトウエアを移動させることができるようなア

ーキテクチャ

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」表に示してある。

 

実現可能化技術(制約なし)

・ 資源スケジューリング、ミッション、およびミッション計画立案、およびミッション

遂行用の自主的適応型アルゴリズム

・ 人工/仮想知能(AI/VI)、自己自覚、直観力、自動認識

・ マン-マシーンインタフェースおよびロボット工学

・ 異質データベース、ソフトウエア、インテグレーション、モデルおよび処理手法

  - モデル作成およびシミュレーション(M&S)用の高度ツールおよびアルゴリズム

・ 衛星上でのデータ処理および保存

・ 非揮発性ランダムアクセスメモリ

・ 大容量記憶装置(光学記憶技術を含む)

・ 宇宙間、宇宙-地上間および宇宙-空中間での取得、追跡、および通信用のレーザ/

光学技法および/またはマイクロ波技術

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

・ 宇宙機レーザ技術および RF脆性緩和技術

・ 精密時間基準(10 psのタイミング精度)(原子時計/レーザ時計)

Page 45: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

44

  - ネットワーク中心の通信同期化手法

・ プラグ・アンド・プレイ式ハードウエア技術およびソフトウエア技術

・ 相互運用性標準およびプロトコル

・ 暗号化技術

・ 効率的な太陽電池およびバッテリ(熱電子発電および熱電変換などの化学発電または

熱発電)

  - リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリ

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

・ 熱管理

  - 熱配分/コントロール技法

  - 極低温冷却器

  - その他の電子冷却技術

・ 確固としたスラスタ設計技術

・ 高度なチーム訓練技術

ミサイル警報

軍用衛星通信

航行 科学

中継器深宇宙

AFSCM BOCsNAVSOC

専用ミッションセンタ

共有 SN

有人宇宙飛行

気象

米国

専用 DN

共有 GN

NMD R/LDR主要およびバックアップ用 H&S標準データリンクプロトコルおよびインタフェース

標準プロトコルおよびインタフェース。要求されるデータ速度に基づいた共通ハードウエアおよびソフトウエア

実現可能な SatOpsアーキテクチャ

民事専用ミッションセンタ

NASA JPLNASA DSN

Page 46: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

45

計画されているアプリケーション

プロジェクト進捗状況

担当機関

協力的、自主的、自己認識および自己回 復 :ネットワーク通信

・ TechSat 21: 密集編隊で軌道を周回し、宇宙内および宇宙から様々なミッションの遂行が可能な超低コスト、超軽量のマイクロ衛星群に関する実験概念。

-互いに協力して動作してより大型の 1個の衛星の機能を遂行するマイクロ衛星群

-衛星群レベルでの C2 を可能にし、それによって地上では衛星群を 1 個の衛星として管制して SatOpsの複雑さを軽減できるようにするための宇宙ソフトウエアインテリジェンスに関する新概念-衛星群およびそのマイクロ衛星ペイロードを管理するための新しい宇宙時間測定法および同期化法

技術概念段階

空軍

軌道上でのサービス、ランデブー、接近した状態での任務遂行能力

・ 自主宇宙輸送機およびロボットオービタ(ASTRO):軌道エクスプレスの超小型シャトル機

-超小型サービス機を軌道上に常駐させることが可能であることを実証するための自主宇宙輸送機/ロボットオービタ概念

-この概念の目標は、燃料補給作業と整備作業を自主的に行い、あらゆる軌道高度(LEO~GEO~ラグランジュ点)にいる衛星にアクセスでき、さらには大幅な平面変更を行うことができる宇宙船の開発である

-宇宙機と宇宙機のインタフェースを行い、一方の宇宙機が他方の宇宙機について予め計画されている電子機器の改良、燃料補給、再コンフィギュレーションまたは消耗品の補給を行うことができるようにする

技術概念段階(ATD提案)

DARPA

能力および特性

軌道上でのサービス、マルチミッション支援

・ 宇宙マヌーバビークル(SMV)-高度および傾度を変更するための軌道上での高いマヌーバ能力(10,500 fps以上)

-互換可能 ISRミッション、宇宙支配ミッションおよび軍増強ミッション用の標準ペイロードバス

-LEO/MEO ステーションキーピングおよびランデブー; GEOフライバイ

-柔軟、移動可能、呼び戻し可能、滑走路での回収可能

技術概念段階

空軍

GEOISRMEO

静止軌道情報、監視、および偵察中高度地球周回軌道

GMTILEOSAR

地上移動目標物表示低高度地球周回軌道合成開口レーダ

Page 47: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

46

パートナ関係構築の機会

 空軍研究所(AFRL)は、自動化技術を宇宙での運用に導入することを促進させるという目

標を持つ宇宙運用自動化技術グループ(ATSOG)の一員である。なお、ATSOGの中には、ジ

ョンソン宇宙センタ、ケネディ宇宙センタ、ジェット推進研究所、ゴダード宇宙飛行セン

タおよびエームズ研究センタなどのスペースオペレーション(有人およびロボット)に関わ

っているすべての NASAセンタ、および海軍研究所(NRL)が含まれている。

 国家安全保障上のスペースオペレーションの潜在的協力者としては、NASA/ジョンソン

宇宙センタ、ジェット推進研究所(JPL)、エアロスペース・コーポレーション(空軍宇宙・

ミサイルシステムセンタ [SMC]を介して )、および海軍衛星オペレーションセンタ

(NAVSOC)などを挙げることができる。

Page 48: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

47

6. 測位、航法、およびタイミング

分野の説明

 宇宙空間航行システムは、世界中の軍事ユーザ、民事ユーザおよび商業ユーザに対して、

三次元測位データおよび標準タイミング源を 24時間提供している。いずれの手段内のいず

れのプラットフォームによって戦力を投入する場合も、調整された状態で正確に戦力を投

入する上できわめて重要である目標設定情報および地表位置情報は精密航行およびタイミ

ングによって提供される。今日では、全地球測位システム(GPS)がほぼ全世界を網羅してお

り、1つの国家資産となっている。

 宇宙空間航行システムは、国家経済さらには軍事以外の様々なニーズ(例えば、民間航空、

緊急管理、高速輸送など)にとってますます重要なシステムになってきており、その結果、

当該宇宙航行システム群を大幅に改良および改修が必要になっている。1 つの例として、

軍事信号とは別個の民事信号の追加を挙げることができる。他方、軍事側では「軍事専用」

周波数が引き続き必要である。このため、軍は、交戦中に自軍側からは無効にしやすくか

つ敵側からは無力化にしにくいような暗号化信号に関心を持っており、この点も将来シス

テムの変更を促進させる 1つの要因になっている。

 将来の軍事作戦において実効的に戦力を投入できるようにするためには、正確な位置情

報およびタイミング情報をリアルタイムで入手可能であることが必須条件である。「セン

サ-シュータ」能力が成熟化して作戦速度および兵器引き渡しサイクルを加速させるよう

になるのに応じて目標設定データを更新するようにすれば、ますます短くなってきている

情報配信サイクルの下で精密誘導軍需品(PGM)の「精密さ」を確保できるようになり、さ

らには迎撃機用に目標を取得する誤差および発射誤差を小さくできるようになる。さらに、

これらの戦術上の優位性によって立案プロセスに関する自信を深めることが可能になり、

さらには戦力/兵器の配分効率および総合的な作戦の実効性が向上する。

 現在の計画では、より多くの電力およびもう 1つの民事信号とより強固な新しい軍事信

号の追加を行うことによって第 3世代の GPS衛星、ブロック IIRのうちの最後の 12個を

改修するように要求している。他方、第 4 世代の衛星であるブロック IIF を現在開発中で

ある。同衛星は前身の衛星を改良した点を数多く備えることになり、寿命の増大、信頼性

の向上および電力の増加が達成されさらには民間航空において要求される生命の安全を確

Page 49: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

48

保できる 3番目の民事信号が含まれる。さらに、2030年までの軍事上および民事上のニー

ズを満たすことが可能な次世代衛星航行システムである GPS III に関するアーキテクチャ

研究を行うことを目的とした計画を現在立案中である。

ミッション分野ごとの目標

・あらゆる環境において地球全体を連続的に網羅する・宇宙を連続的に網羅する(GEO x 2)・測位精度およびタイミング精度を向上させる

・航行戦争環境での運用(強固さ)・許可されていない第三者による使用の禁止・不良データまたは故障に関するタイムリーな警告

支援能力・ GPSに関する要求を受け入れるための軌道上での再コンフィギュレーション可能性/

グレードアップ・ 衛星 RF干渉/脆性緩和

・ 状況を連続的に報告するためのソフトウエア・ 暗号化機能および搭載ソフトウエア機能

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 短期的な活動では、電波妨害に耐性のある軍用波形にまで GPSを改良させること、およ

び航行戦争技術の開発が焦点になっている。この場合には、新しい波形が現在の二重目的

の装置の動作と干渉せずに電子攻撃に耐えることができるようにするための作業が含まれ

る。

 標定およびタイミング同期化用の新技術である搭載原子時計システムを干渉を起こさず

に宇宙機に導入することによって当該システムの性能についての実証試験を行う。

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」の表に示してある。

 

実現可能化技術(制約なし)

・ 測位精度を向上させるための技術

・ 精密時間基準の向上(10 psのタイミング精度)(原子時計/レーザ時計)

  - ネットワーク中心の通信同期化技法

Page 50: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

49

・ 下記の項目を可能にするための受信機用、波形用およびアンテナ用の技術

  - 雲、群葉、隠蔽物および地上構造物を透過できる

  - 信号の貫通能力および妨害電波に対する耐性が向上するように信号、電力、およ

び周波数をコントロール/調整できる

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

  - 耐放射線化用の軽量材料

・ 再プログラミング可能な無線機およびその他のエレクトロニクスシステムコンポーネ

ント

  - 現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)技術

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - 入手可能な太陽電池材料および製造

・ ソフトウエアおよびハードウエア用のアルゴリズムおよびコーディング手法

  - 波形誤差補正

  - 暗号化手法

  - 航行アルゴリズム

・ 慣性誘導技法

・ 照準および追跡(例えばレーザによる照準)

・ ソフトウエア技術、プログラミング環境

・ シミュレーションモデル作成ツール

GPSブロック IIR GPSブロック IIF

Page 51: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

50

計画されているアプリケーション

分類 活動 進捗状況 担当機関・ 軍用波形研究/評価- 最初の評価を実施して暫定的な結

果を提出済みである- その他の研究が現在進行中であり、

将来の研究も計画されている

技術概念段階 空軍電波 妨害対抗 能力を備 えた先端 波形技術

・ 電波妨害対抗能力を備えた現在および将来の軍用波形ユーザ装置

- 現在進行中であり、(全軍に対して)引き渡される

技術開発および引き渡し

全軍

地球 を基準に した測位 技術の全 DoDシス テムへの応用

・ 先端 GPS慣性航行技術- ブラスボードの引き渡し(2002会計

年度)

開発計画段階 空軍

・ 共同精密航空機着陸システム 開発計画段階 空軍・ 新技術による搭載原子時計- システムの性能および運用性を維

持/向上させる

技術概念段階 GPS JPOおよび海軍

パートナ関係構築機会

 GPSは、1 つの国家資源として、DoD および運輸省(DOT)を共同議長とする機関間 GPS

審議会(IGEB)によって管理されている。IGEB の委員は、NASA、JCS、およびその他の連

邦政府機関である。

 陸軍、海軍および空軍は、1 つの共同計画として、GPS システムおよびユーザ装置の開

発および改良を目的とした共同作業に最初から取り組んでいる。GPSは、世界中の民事上、

商業上および科学上のユーザが採用しており、その数はますます増加してきている。他方、

非常に多くの装置メーカーが文字通り何百種類もの型およびモデルの GPS 受信機を市場

に投入している。、市販の受信機は電波妨害を受けやすいため、そのままの状態で軍事作戦

に使用することは不可能であるが、競争が激化している商業市場では、最新世代の軍用GPS

ユーザ装置を対象にした先端受信機技術を導入するようになってきている。

 さらに、国家領空システム内で稼働中のいくつかの軍用機が、GPSを使用している民間

航空交通管制システムと適合するような市販の(OTS)装置を使用する機会も存在している。

Page 52: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

51

これらのアプリケーションの開発および実現についてはDOTの連邦航空局(FAA)が主管機

関である。

GPS衛星群

Page 53: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

52

7. コマンド&コントロールおよび通信

分野の説明

 コマンド&コントロールおよび通信(C3)は戦闘空間の管理を行う上での鍵を握っており、

さらにはその他のすべての運用ミッションおよび支援ミッションを可能にする要因として

の情報の優位性を利用する上での鍵も握っている。C3が有効であれば戦況を確実に把握で

き、あらゆる指揮レベルにおいて陸上の戦力、宇宙空間戦力およびミサイル戦力のコント

ロールが可能になる。C3が焦点としているのは、正しい情報を正しいユーザに対して正し

いタイミングで伝えることである。また、C3基盤は割り当てられた戦力に対するコマンド

/コントロール(C2)権限の行使と指示を支援し、情報を処理、分析、使用および配布するこ

とによって戦闘空間を形成およびコントロールすることを含む。さらに、宇宙空間上の優

位性の維持により、C3アーキテクチャの宇宙部分が今日までに行ってきたのと同じように、

有効にオペレータに対してサービスを提供し続けることが可能になる。

 現在の DoD通信衛星およびその他のリンクは、音声、データおよび画像による高容量で

ほぼリアルタイムに近い通信、および確実な情報を軍隊に対して提供している。これらの

システムは、全範囲の軍事作戦を成功させる上で死活的な情報を提供するための不可欠な

情報経路となっている。また、衛星通信(SATCOM)ネットワークがほぼ地球全体を網羅し

ておりかつ柔軟な情報提供を可能にしている。さらに、戦闘員がミッションに関連した情

報へのアクセスによって、作戦を成功させる上で極めて重要な意思決定をほぼリアルタイ

ムで行うことが可能である。同時に実現されたこれらの安全性、機動性およびサージ環境

要求を、世界のその他のコマンド/コントロールシステムが当該要求と同じレベルで満たす

ようなことがあってはならない。

 極めて重要な宇宙 C3 運用機能およびその実現可能化技術としては、計画立案および協

同での意思決定を自動的に行うための手段、自動化された衛星運用、1 つの共通した戦況

図を作り出すことを目的としたリアルタイムでの宇宙空間システムインテグレーション、

統合データ融合と机上作戦演習、および準リアルタイムでのモニタリングと評価などが含

まれている。さらに、C3と ISRが、コンピュータへの依存度を強めることを通じて相互の

交流および相互依存度がますます高くなってきており(さらにこれらの C3および ISR自体

同士でも結び付きを強めている)、その結果、C3と ISRは 1つの機能的連続体(コマンド、

Page 54: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

53

コントロール、通信、コンピュータ、情報、監視、および偵察、すなわち C4ISR)であると

現在は認識されている。

 将来については、本節において要約した次世代の能力を生み出すことを目的とした技術

計画を既に立案済みである。短期および中期的には特定の計画に重点が置かれており、長

期的にはより広範な概念および今後出現するニーズを満たすための一般的な技術および能

力も対象になる。また、将来の C3および C4ISRのための土台を今築くようにするため、

ダイナミック C2 分野とグローバルグリッドの開発分野に重点を置き、さらには新生の情

報作戦ミッションを支援するために柔軟に資源を利用できるようにすることも重視する必

要がある。

ミッション分野別目標

ミッション分野 目標・地球全体の状態および事象をモニタリングおよび評価する; 1つの共通した戦況図を描くことができるようにする・軍事作戦(合同、連携)を立てる・軍事作戦(合同、連携)を実行する・自己の資源に、任務、コマンドおよびコントロールを割り当てる・データを収集、処理および融合する; 情報を保存、検索および/または戦闘員に配布する・弾道ミサイルに関するコマンド、コントロールおよび通信(BMC3)機能  - 自国軍用  - 戦域軍用

・国家安全保障上の要求を満たすためのグローバルで、宇宙空間における、高帯域、高速データ速度(HDR)、強固、安全かつ継目のない通信

・グローバルな高帯域遠距離通信基盤・継目のないデータ収集および情報へのアクセス

・完全に統合されかつ相互運用可能な連携通信ネットワーク

Page 55: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

54

支援能力

・ 高度なミッション計画立案機能  ・ユニバーサルプロトコル・ 必須の相互運用性を確保するためのハードウエア、ソフトウエアおよび手順に関する

標準(システムおよびプロセスの両方)・ 技術と歩調を合わせるためのモジュール性/有用性

・ 高度 C2ネットワーク/アーキテクチャ  ・軌道上でのクロスリンク・ 衛星レーザおよび RF干渉/脆性緩和

・ より高い搬送周波数   ・ より大きい情報チャンネル容量・ 暗号化および耐電波妨害性

・ 先端のシステム状況機能、診断機能および回復機能・ 高度戦力モニタリング機能および戦況報告機能・ 宇宙空間インターネット   ・ 放送情報

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 短期の S&T プロジェクトおよび活動は、以下の能力を備えた強固な C4ISR システムを

実現させることが焦点になっている。

・ 1つの共通した戦況図を提供できる

・ 一揃いの統合された自動計画立案ツールを含めることができる

・ ほぼリアルタイムに近いモニタリングおよび評価を行うことができる

・ 統合された机上作戦演習能力を含めることができる

・ より精密でかつ信頼性がより高いシステムタイミングを計ることによって高速でのデ

ータ転送および融合を行うことができる

・ (地上および宇宙機の)自主的能力を一般的な運用の中に統合できる

 重要プロジェクトには以下の項目に関する継続作業が含まれている。

・ ISR のニーズ(より高い処理能力およびほぼリアルタイムのタイムリー性を実現させ

る必要がある)を満たすための高帯域宇宙機データバス、および機上 C2ノードへの高

帯域バーストデータ

・ 加速による影響を受けない周波数標準を確保するための先端レーザ技術

 他方、これらの能力は以下のような項目を達成させる。

Page 56: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

55

・ 衛星通信のグローバルなカバレッジ、柔軟性および強固さを向上させる

・ 市販の通信システムとの相互運用性を高めることができる

・ C3Iリンクのグレードアップおよび自動化された運用を容易にする

・ 連続的な監視能力(複数の衛星群の間での長時間の結合性および融合)を容易にする

・ データの収集時間、処理時間および配布時間を短縮させる(特に ISR、宇宙のコントロ

ール、および将来の戦力投入に役立つ)

選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーショ

ン」表に示してある。

実現可能化技術(制約なし)

・ 施設および構造物を保護/安全にするための技術(材料、電力、冷却、再構成可能性、

シールド)

・ 周波数ホッピング方式の高度スペクトラム拡散を可能にする高温/低温超伝導機器技

・ 暗号化技術(例えば、量子暗号学および演算など)

・ 軌道上次元制御技術および振動軽減技術

・ 改良型精密時間基準(10 psタイミング精度)(原子時計/レーザ時計)

  - ネットワーク中心の通信同期化技法

・ 宇宙間、宇宙-空中間、および宇宙-地上間のアプリケーション用のレーザ/光学通信

先端極高周波(AEHF)システム概念

クロスリンクされ保護された状態の世界全体の結合性

核の攻撃からの保護

電波妨害保護

重要な C2支援

固定ユーザ

移動ユーザ

特殊作戦 分散したユーザ

地理的に集中したユーザ

戦闘集団

Page 57: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

56

およびマイクロ波通信、ならびに関連する取得/追跡/照準

・ 効率的かつ確固たるリンクを可能にするための高度波形

・ 自己形成、自己回復型の地上ネットワーク

・ 相互の合図、ダイナミックなデータベース融合、画像の相乗効果、スペクトル機能お

よび信号機能、現象および情報

・ 大容量/高速処理技術、保存技術および表示技術

・ タイムリーなデータの引き渡しを可能にするために向上させた衛星上データ処理/保

存能力

・ 高性能 RFフロントエンド

・ 効率的なアナログ-デジタル(A/D)変換器

・ 再プログラミング可能な無線機およびその他の電子システムコンポーネント

  - 現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)技術

・ 先端アンテナ

  - 性能を改良した陸上/船上/機上の SATCOMアンテナ

  - 超大型アンテナ用のロボットによる配備技法および自己組み立て技法

  - 大型かつ軽量で、電子操作可能なアンテナ

・ 効率的な送受信(T/R)モジュール

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

・ 意思決定のための人間-システム間のインタフェース

・ インテリジェントソフトウエアエージェント

・ 情報の利用および意思決定のための人間-システム間インタフェース

・ 管制センタ技術

  - 一書込み多読出し(WORM)保存

  - アーカイブ型大量保存

Page 58: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

57

グローバル情報グリッド

戦闘構成要素戦闘構成要素戦闘構成要素戦闘構成要素

情報管理

情報管理

情報管理

情報管理

ネットワーク管理

ネットワーク管理

ネットワーク管理

ネットワーク管理

グローバルなグローバルなグローバルなグローバルなアプリケーションアプリケーションアプリケーションアプリケーション

コンピュータ処理コンピュータ処理コンピュータ処理コンピュータ処理

通信通信通信通信

基礎基礎基礎基礎

メガセンタサービス

移動通信加入者サービス

政策

グローバルな戦闘支援

医療ビジネス

アプリケーション

ロジスティックロジスティックロジスティックロジスティックおよび管理支援および管理支援および管理支援および管理支援

ウェブサービス

ソフトウエア配布

保存および検索保存および検索保存および検索保存および検索

SATCOMテレポート

無線通信

統治 標準

スペクトルスペクトルスペクトルスペクトル

電子メール配信電子メール配信電子メール配信電子メール配信

商業ファイバ

RFネット

原則 エンジニアリング

アーキテクチャアーキテクチャアーキテクチャアーキテクチャ

防衛情報システム防衛情報システム防衛情報システム防衛情報システムネットワークネットワークネットワークネットワーク(DISN)

計画されているアプリケーション

分類 プロジェクト/活動 進捗状況 担当機関データ融合 ・ 戦闘空間共同情報圏(JBI) M&S 国防省全体センサ融合 ・ 移動目標開発

・ センサ~意思決定者~シュータ技術M&S技術 空軍

空軍グローバルな戦闘員意思決定ツール

・ 共同宇宙空間任務命令(JATO)・ 共同目標設定ツールボックス(JTT)・ 協力的エンジニアリング環境(CEE)・ マルチセンサ C2先端技術(MCCAT)・ グローバルな認識に関する仮想テストベッ

ド(GAVT)

M&S および技術開発段階

国防省全体

効果に基づいた作戦

・ 戦略~任務ソフトウエアアルゴリズム・ 複数のシナリオ作成および潜在的な結果

技術開発段階

国防省全体

先端通信 ・ グローバルグリッド基盤(情報プロダクツの基礎および支援)

・ 空中指令所(ACP)および途中の作戦センタに対する形成可能な宇宙空間司令センタ(CACC)の衛星間光学リンク(OISL)およびレーザ通信

・ インテリジェントネットワーク管理技術

アーキテクチャおよびネットワークに関する技術開発段階

国防省全体

Page 59: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

58

パートナ関係構築の機会

 陸海空軍は、既存の作戦上の要求事項および計画されているニーズを満たす上で必要な

共同 C3-C4ISR 宇宙能力を確保するために、互いに協力してかつその他の組織(DARPA、

NRO、BMDO、NASA、NOAA、NIMA および支援産業など)と協力して作業を続ける。必

要不可欠な技術は、自動化/エキスパートシステムによる衛星運用、リアルタイムでの宇宙

空間システムのインテグレーション、自動化計画立案ツール、共同意思決定ツール、およ

び、戦闘被害の評価を行うことによって戦闘順序(OOB)に基づいた 1 つの共通の戦況図を

作成および配布することなどを支援する技術である。さらに、この能力には、自動化ミッ

ション計画立案、自動化衛星運用、多数の情報ソースによるデータの融合、およびほぼリ

アルタイムでのモニタリング、評価および表示に関わる特定の技術とツールが関係する。

 軍が構築しているパートナ関係の具体例としては、空軍と NASAの JPLとの機密が保護

された形での光学通信における協力関係、光学 C2技術の確実化における空軍と BMDOと

の協力関係、およびレーザ時計における空軍と国家規格・技術研究所(NIST)および海軍観

測所の協力関係を挙げることができる。空軍はさらに、レーザ通信、精密照準、および高

度先端レーザに関する BMDO、NASAおよび JPLとの共同作業も継続させる。また、GPS

共同計画局(JPO)と共同で進めている作業の中には、航行と通信を併合させることが含まれ

ている。さらに、陸軍、海軍および国防総省の機関は、宇宙空間に関するコマンド・コン

トロール・情報・監視・偵察センタ(AC2ISRC)の下で、かつ空軍を主担当機関として、そ

れぞれのデータを導入して 1つの複合的なデータ融合ロードマップを作成する。

Page 60: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

59

8. 情報、監視、および偵察

分野の説明

 JV2020(ジョイント・ビジョン 2020 年)は、軍事活動の実質上すべての側面に関して

情報上の優位性が基本になっている。当該ビジョンを実現可能にするのは、情報、監視お

よび偵察(ISR)の組合せおよびリアルタイムの通信技術と情報処理技術であり、主に、諸ソ

ースを発見および観察してデータを収集しかつ同データを情報としてユーザに提供する電

子システムが関わっている。

 ISR は、平和時から戦時にいたるまでのほぼすべての国家安全保障活動分野に浸透して

おり、地表下から宇宙までいたるあらゆる運用環境において能動的および受動的に稼働し

ているシステムおよび技法が関わっている。データ収集から警告および戦闘員によるタイ

ムリーなデータの使用までにいたる当該能力が有する 1つの重要な利点は、敵よりも多く

のことをより早く知ることによって政治的および/または軍事的な成功を収めることがで

きるという点である。

 ISR には、米国および同盟国の人命、資産、および権益に対する作戦上の脅威、戦力の

動き、すべての打上げロケット、ミサイルシステム(移動式または固定式)、および宇宙機

に関する情報、すべての航空機の型式、陸上操作システム、および船舶/潜水艦に関する情

報、核爆発に関する情報、同盟国の宇宙資産に関する情報、化学兵器および/または生物兵

器に関する情報、およびその他の重要な宇宙、地表および地表下での事象に関する情報が

含まれている。さらに、ISR 活動は、陸海空軍、国家司令当局(NCA)およびその他の政府

機関が必要としている情報および警報に関する支援を行い、米国および同盟国の作戦を支

援し、さらには国際条約のモニタリングを援助している。

 ISR の主目標は、情報を支配することによる勝利である。現在は、国防上の情報ニーズ

が広範囲に及び、完成した正確な情報の需要が高くなってきており、現在利用可能な資源

が逼迫状態になっている。宇宙空間情報収集能力は既に成熟して強力かつ信頼性の高いシ

ステムに昇華しており、妥当性が確認されているユーザの要求をこれまでよりもはるかに

多く達成できるようになっている。今日の利用規範および配布規範の下では、現在利用可

能な要員、通信およびハードウエアではデータを 100%利用できない状態である。このた

め、情報界では、必要なデータの収集能力を向上させるためだけでなく、ユーザが必要な

Page 61: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

60

情報を生成/配布する新しい方法について検討するためにあらゆる種類の技術を追求中で

ある。なお、このアプローチ法には以下のような項目が含まれている。

・ 革命的なものになりうる新しいデータ収集システム

・ 新しいデータ解析法と配布法および規範

・ データ処理、保存-検索、および要求再配分機能の大幅な向上

 現在考案中の様々な ISR概念および関連情報配布概念について取り扱うため現在考案中

の 1つの概念を「情報圏」という用語の中に含めている。この「情報圏」構造には、すべ

ての活動に関する情報の収集と統合を行うこと(融合)、およびその後に処理を行って配布

済みプロダクツを特定の戦闘員およびその他のユーザのニーズに合わせて調整することが

含まれている。

 具体的な懸念事項および徐々に判明しつつあるニーズを以下に示した。

・ 宇宙空間 ISR システムの軌道は現時点において予測可能である。しかしながら、

(SatOps概念に従い)これらの ISRシステムを自由意志で作戦的に行動させることが可

能になれば、敵が検出を回避したりこれらのシステムに干渉することがはるかに困難

になる。さらに、これらの ISRシステムの燃料補給を軌道上で行うことができるよう

になれば、ミッション寿命を短縮させずに敵の作戦計画または直接攻撃に対抗するよ

うに行動させることが可能になる。

・ ミサイルの発射の赤外線による検知が、戦術警報を構成する 1つの重要要素になって

いる。このため、DoD では、老朽化しつつある防衛支援計画(DSP)警戒衛星に代わる

代替計画として宇宙配備赤外線システム(SBIRS)計画を支援している。

・ 地球全体を 24 時間連続して網羅できるようにするための宇宙空間レーダ能力が必要

である。当該レーダ能力によって可能になる事柄は、正確な地図を作製できること、

海上、地上および空中を移動している目標を検出および連続的に追跡できること、戦

闘順序(OOB)をリアルタイムで正確に決定できることなどである。

・ 核/生物/化学(NBC)兵器の拡散に対抗するための拡散防止技術および能力を可能なか

ぎり速やかに実現させる必要がある。

・ あらゆる場所の戦闘員が必要とする ISRを提供できるように、従来のシステムから新

Page 62: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

61

しいシステム(例えば、空中航空警戒管制システム(AWACS)および合同監視目標攻撃レ

ーダシステム(JSTARS)の能力を向上させて宇宙を対象に含めることができ、および、

無人航空機(UAV)および宇宙センサプラットフォームの使用を増やす)に移行する必

要がある。

ミッション分野別目標

・ 全地球を網羅した昼夜にわたる全天候型監視および偵察(状況把握の基礎とする)・ タイムリーな脅威警告情報 (陸上、海上、空中、および宇宙)  - 世界規模での弾道ミサイル、巡行ミサイル、固定物体、移動物体、信号、または

航跡の検知、追跡および識別  - ミサイル発射地点の突き止め、その落下地点の予測・ 地表/地表下の固定目標物および移動目標物のリアルタイムでの検出、識別、特徴表示

および地球を基準にした測位  - 目標セットの検出/監視/モニタリング/追跡  - カムフラージュされた目標物、隠蔽された目標物、おとり目標物(CC&D)、深く埋

設された目標物およびその他の硬質目標物に関する情報  - 検出されないスケジュール活動の設定を打ち破ることができる能力・ NBC兵器および事象に関する情報・ 情報についての計画立案、割当、相互指示、融合、処理、および配布支援能力・ 効率的なインテグレーション、打上げおよび軌道上での「プラグ・アンド・プレイ」

を可能にするためのモジュール式の宇宙機設計・ 地上の支援要員の関与を最小限に抑えた状態での戦術的機敏性・ 宇宙機を自由に操縦するための軌道上推進・ 固定ユーザおよび移動ユーザ用のより高いデータ速度による通信および情報処理・ 柔軟性があるマルチレベルでの情報防護    ・機内での処理・ 自動化した相互指示   ・ 効率的な宇宙間のクロスリンク・ 適応型の自動センサ   ・ 連続監視/長時間カバレッジ・ 対抗措置に対する系統的対抗措置・ AWACSおよび JSTARSの能力を向上させて宇宙を対象に含める・ 超軽量展開光学機器およびアンテナを備えた監視プラットフォーム・ GMTIおよび SARの組合せによる宇宙から画像撮影・ グローバルなカバレッジを行う衛星群 ・ 宇宙空間 NBC物質の検出・ マルチ・スペクトル情報、ハイパ・スペクトル情報およびウルトラ・スペクトル情報

コンテンツの収集能力および利用能力向上・ 目標物と背景のコントラスト比の向上、目標物軌跡の特徴描写、およびモデル作成・ 硬質目標物および深く埋設された目標物の特徴描写能力の向上

Page 63: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

62

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 短期的な焦点は、空中監視および宇宙監視ミッションの両方に対して応用可能なマルチ

ミッション技術である。対象となる分野としては、ハイパ・スペクトル画像撮影(HSI)およ

び宇宙空間レーダ(SBR)の開発などである。

 HIS 計画では、宇宙、空中および地表の目標物の脅威の素早く正確な識別および目標の

設定が可能な昼夜 HIS技術を開発中であり、国家 HISアーキテクチャの一部として HISシ

ステムの軌道上への投入をより長期的な宇宙目標としている。対象となる技術は、高分解

能焦点面、長寿命極低温冷却器、機内での信号処理、スペクトル利用アルゴリズム、大気

補償(反射および放射の両方)、目標物および背景物のスペクトルデータベースの生成、デ

ータ融合技術、および高性能演算/表示などである。

 SBRの開発に関する議会の指導に従い、現在は以下のような特定の技術および一般的な

技術の両方を追求中である。

・ 空中および地上を移動中の目標物表示(AMTI/GMTI)SBR 概念に対して応用可能な具

体的なプロジェクトは、軽量の能動型送受信アンテナモジュール、宇宙機電力の管理

と分配、高効率マイクロ波送受機器などである。

・ SBR機能に拡張可能な一般的技術分野は、ISRモデルの作成とシミュレーション、バ

イスタティッククラッタの特徴描写、宇宙時間適応アルゴリズムの開発、RFシステム

に関する改良型フロントエンドノイズ拒否、アナログ-デジタル変換器、および高性

能 RFシステムなどである。

 NRO では、前ディスカバラー II 共同計画の下で開始された低コスト電子走査アレイ

(ESA)技術の開発を現在も継続中である。さらに、現在利用可能な資産を用いたレーダ関

連の実験および実証試験を行う機会および運用概念についても検討中である。

 さらなるプロジェクトおよびその詳細を以下の「計画されているアプリケーション」表

に示してある。

Page 64: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

63

実現可能化技術(制約なし)

・ 任務の割当て、ミッション計画立案/管理、目標物の識別/追跡、戦場での学習、およ

びデータの圧縮、処理、利用、および配布を行うための適応、自己訓練および誤差補

正が可能な自動リアルタイム計画立案アルゴリズム

・ 自動化した相互指示、動的データベース融合、地理情報システム(GIS)、および、画像

撮影、スペクトル機能、信号機能、現象および情報技術の相乗効果

・ タイムリーなデータ引き渡しを可能にするための衛星上でのデータ処理能力および保

存能力の向上

  - 非揮発性ランダムアクセスメモリ

・ ISRモデル作成およびシミュレーション

・ スケーラブルで、電力効率の高い超小型化電子機器および機械装置

  - 光ファイバ、オプトエレクトロニクス、フォトニクス、マイクロ電気機械システ

ム(MEMS)など

  - センサの極低温冷却を不要にするための高温超伝導エレクトロニクス

・ 大型、軽量の支持構造物および材料

・ 形状記憶技法および合金材料

・ エネルギーを指向、散布、集中および伝送するための、さらにはエネルギーを検出、

抽出、検知および受け取るための能動的および受動的な電磁スペクトル装置

  - 熱(赤外線[IR])

  - 可視光線

  - 無線周波数(RF)

・ 融合処理ソフトウエアアルゴリズム

・ センサの範囲および感度を向上させる技術

  - 大気中のバックグラウンド放射線および放射性バックグラウンド放射線の特徴描

写、モデル作成、および処理

  - マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル画像処理用の改良型大気補償アルゴリズ

ムおよび改良型目標物識別アルゴリズム

・ 目標物およびクラッタの特徴についてのバイスタティック現象学に関する利用技術

  - バイスタティック宇宙時間適応型処理アルゴリズムの妥当性検査

Page 65: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

64

  - 真時遅延処理

・ 時間と周波数のマルチスタティック相関関係、信号処理、およびデータ融合

・ 先端目標物検出技術

  - 音響光学式検出およびスペクトル痕跡の利用(雲を貫通した観察)など

・ 非侵入型検査技術

・ 先端電気光学(EO)技術

・ ハイパ・スペクトル検知: 改良型低電力、高容量搭載プロセッサ

・ ハイパ・スペクトル~ウルトラ・スペクトル画像(HIS-USI)センサ(100~1000バンド)

・ 先端 IR技術

  - 量子カスケードおよび帯域半導体 IRレーザ源

・ マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトルおよび超短波形赤外線(VSWIR)センサ/イメー

ジャ

  - マルチ・スペクトル~ウルトラ・スペクトル検出器の材料、プロセス、および製

・ 大型焦点面アレイ(FPA)検出器の材料、プロセス、および製造

  - マルチ・スペクトル検出用凝視 FPA、読み出し集積回路(ROIC)、量子井戸 IR 光

検出器(QWIP)など

・ 宇宙用の認定を受けた小型かつ高容量の高度極低温冷却器

  - 軌道上での極低温水素のより効率的な貯蔵

  - より効率的な赤外線の応用

  - 高性能蓄熱室/相転移器

・ 低出力レーザ大気補償およびビーム制御

  - 光学位相結合

  - 適応型レーザオプティックス

  - 軌道上次元制御

  - ジッタおよび振動の管理

・ 高度な取得、照準および追跡技法

・ 宇宙空間高分解能光学/レーダ/マルチ・スペクトル画像撮影技術(能動または受動)

・ 光学リモート・センシング用の宇宙空間レーザ鏡、ライダ鏡またはリレー鏡

  - 大口径、軽量、モジュール式の展開膜鏡/光学機器、および支持構造機器

Page 66: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

65

・ 耐久性のある薄膜基板/膜/コーティング材、処理、および製造

・ 専用センサ用および生物/化学的脅威検出用の非線形光学機器

・ 光学的に効率的で放射率が可変の鏡コーティング

・ 軌道上での鏡コーティングの手入れ

・ 先端 RF技術

  - 移相用およびビーム形成用のフォトニクス

  - スペクトルアナライザおよびアルゴリズム

  - デジタル RFメモリ(DRFM)

・ 高度合成開口レーダ(SAR)

- リバース SARおよび干渉計 SARなど

・ 高度な自動目標物認識(ATR)アルゴリズム、移動目標物表示(MTI)アルゴリズム、およ

び軌道上力学処理アルゴリズム

・ コスト的に手頃な大型、軽量 RF反射体およびアンテナ設計

  - アレイによって供給される膨張式で展開可能な反射体など

- 固体フェーズドアレイ電子操作可能アンテナなど

  - 強度-重量比がより高い材料と複合材料および設計

・ 周波数および出力がより高いレーダコンポーネント

  - RF/レーダコンポーネント用高温半導体材料

  - Wバンド低ノイズ真空エレクトロニクス

  - Xバンド固体(広バンドギャップ)コンポーネント

・ 下記の項目を可能にするための受信機、波形およびアンテナ用の技術

  - 雲、隠蔽物、葉群、および地上構造物を透過できる

  - 信号、電力、および周波数のコントロール/調整によって信号貫通能力および電波

妨害耐性を向上させることができる

・ コストがより低く、周波数がより高く、帯域がより広い高度送受信(T/R)コンポーネン

・ RFシステム用の改良型フロントエンドノイズ拒否

・ 高度ミキサおよびアナログ-デジタル(A/D)変換器

・ 高度信号除去技術

・ 宇宙間、宇宙-空中間、および宇宙-地上間アプリケーション用のレーザ/光学通信お

Page 67: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

66

よび関連する取得/追跡/照準

・ 非揮発性メモリ光学演算/通信

・ 宇宙間リンク、宇宙-空中間および宇宙-地上間リンク用の先端レーザ通信技術およ

びマイクロ波通信技術

  - 先端ネット化技術および暗号化技術

・ 再プログラミング可能な無線機およびその他の電子システムコンポーネント

  - 現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)技術

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

  - 耐放射線複合材料および関連材料

  - 耐高温および耐放射線電子材料

  - 耐放射線化フラッシュデジタルメモリ(例えば、SiC)

・ 衛星レーザおよび RF干渉/脆性緩和

  - バイスタティック/マルチスタティック技法

  - 合成/仮想開口

・ 等温性技術

・ 高熱散逸サーマルダブラ/翼板材料

・ 高度影響現象学

・ 情報の利用および意思決定のための人間-システム間インタフェース

・ 管制センタ技術

  - 一書込み多読出し(WORM)保存

  - アーカイブ型大量保存

Page 68: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

67

演算

電力

宇宙空間レーダ(SBR)概念

安価な軽量アンテナRFコンポーネント

先進材料

レーダ処理および現象学/モデル作成

大型、軽量アンテナ構造

Page 69: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

68

計画されているアプリケーション

 以下に示した非機密技術およびプログラムは、ISSR技術投資のうちの重要な部分を占め

ている。その他の構想、プログラムおよび共同作業は機密扱いである。

分類 プロジェクト/活動 進捗状況 担当機関・ 目標物検出用赤外線(IR)技術

- 宇宙配備赤外線システム(SBIRS)-高- SBIRS-低

空軍

・ 宇宙空間レーザ(SBR)技術- 空中移動目標物表示(AMTI)- 地上移動目標物表示(GMTI)- GMTIおよび SAR画像撮影機能を備えた SBR(宇宙空間

センサによる運用支援)

EMDDem/Val技術開発段階 空軍

(主導 )、DARPA、NRO、陸軍

・ ハイパ・スペクトル画像撮影(HIS)プロジェクト  目的-HIS効用上の課題に対処する- 戦闘員 I- EO-1- 多色熱画像器(MTI)

技術実証試験段階

空軍NASADOE

・ 宇宙空間レーザ(SBL)画像撮影- より軽量かつより安価で、安定した大型宇宙光学機器- 軌道上補給概念

概念段階実験段階開発段階

空軍

高 度な 目標 物検 出お よび 画像 撮影

・ 宇宙マヌーバ機(SMV)- 目的に合わせた ISR群- 互換可能 ISRペイロード

システム概念段階

空軍

プ ラッ トフ ォー ム技術

・ 一般的宇宙機概念- 耐放射線化技術計画- プロセッサ開発活動- バッテリ開発活動- (SatOps概念およびプロジェクトを参照)- (その他の機密活動)

概念段階実験段階開発段階

(複数)

情 報管理

・ リアルタイムでのグローバルな認識- 1つの共通した戦闘空間図  - 1つの共通した作戦状況を提供する- 自動目標物認識(ATR)- ブロードバンドクロスリンクおよびダウンリンク  - データ処理の支援- 戦術的供給品  - ISRプロダクツおよびサービスの配布- 将来の情報、融合および配布アーキテクチャ- 情報利用技術

概念段階実験段階開発段階

政府機関間 活 動(DoD 、NASAおよびその他)

Dem/Val 実証試験/妥当性確認・取得フェーズ EMD エンジニアリング/製造開発フェーズ

Page 70: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

69

パートナ関係構築の機会

 DoD、DOEおよび NASAの宇宙技術連合(STA)が、宇宙に応用可能な手頃なコストの技

術についての開発を調整している。

 国家安全保障宇宙アーキテクト(NSSA)は、DoDおよび ICの宇宙アーキテクチャの開発、

調整および統合を担当している。他方、要求されている能力を手頃なコストで達成させる

ことができるように DoDのシステム、民事システムおよび商業システムを統合させる必要

がある。例えば、

・ 戦域作戦における NROセンサシステムと通信システムの統合

・ 気象衛星に関してその他の機関(NOAAなど)と協力する

・ 陸海空軍による宇宙活動の調整

・ 商業宇宙能力を利用するための最良の方法を見つけ出す

 大型の宇宙光学機器をより軽量かつより安価で安定したものにするために空軍が行って

いる作業も、NASAのおよびその他の宇宙システムと宇宙概念にとって有益になると思わ

れる。

 DoD および IC は、基礎技術を開発する上での負担および産業基盤コストを産業界と分

担するようになり始めている(例えば、NRO ではいくつかの衛星システム用に商業バスを

既に使用中である)。この際には、商業衛星の大量生産から学んだ教訓が政府および産業界

の両方にとって役立つ。

 商業リモート・センシング分野では、NIMA が、地球空間データの生成および平時と危

機時への応用という両目的のために複数の売り手から商業画像を取得している。NIMA は

さらに、高画質スペクトル能力を備えた新しい高分解能商業リモート・センシングシステ

ムから非機密画像を取得する。さらに、政府と産業界の合同チームが最良のデータ取得方

法を将来のために明確化することになっている。

 他方、SBRシステムおよび予想される同様の商業システムは広帯域が必要になるため、

周波数割当てが非常に困難な作業になるおそれがある。この場合には、DoDは国際市場に

おける産業界の影響力を利用して共通の解決方法を見つけ出すようにすべきである。

Page 71: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

70

疑似カラーIR 画像(3 バンド) 無彩色スケール画像(λ = 775)

MightySat II.1 フーリエ変換ハイパ・スペクトルイメージャ(FTHSI):宇宙からの最初の画像(地球補正済み)

Page 72: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

71

9. 環境モニタリング

分野の説明

 陸海空軍による作戦のための環境支援としては、宇宙でのプロダクツおよびサービスを

作戦中の軍隊に対して日々提供することが含まれている。これらの地域的なおよび局地的

なプロダクツおよびサービスは、戦闘員が自然の環境または刻々と変化する環境を各自の

作戦計画の立案および実行の一部として使用できるようにする上での鍵を握っている。こ

のため、ミッションを成功させるためには、戦闘空間に対して影響を及ぼす物理的環境に

ついての知識を深めかつ予測を向上させるようにすればよい。グローバルな環境の特徴描

写および予測を行うための軍および国防総省の諸機関のシステムと手法は技術的に進歩し

てきており、さらには、それに関係する通信能力およびデータ処理能力も技術的に進歩し

てきているおかげで、陸上での軍事作戦全体に対する環境モニタリングサービスおよびプ

ロダクツの貢献度が着実に上昇してきている。

 対照的に、宇宙による気象サービスおよび環境の特徴を描写する能力は相対的に限定的

になっているが、宇宙での運用自体の拡大と歩調を合わせて急速に拡大中である。例えば、

宇宙における気象のモニタリングと予測および宇宙における環境研究を劇的に向上させる

ために今後数年間にいくつかの新技術および運用能力が展開される。そのためには定常的

に宇宙にアクセスできるようにする必要がある。

 国家安全保障を目的とした環境モニタリングおよび地球空間情報の生成は、防衛上、民

事上および商業上の宇宙能力に依存する。政府は宇宙において生成された陸上画像および

その他の情報プロダクツの購入と提供の両方を行っており、他方、宇宙で生成された軍事

情報およびサービスに対する顧客は、農務省(DOA)、商務省(DOC)、エネルギー省(DOE)、

内務省(DOI)、国務省(DOS)、NASA、連邦航空局(FAA)、連邦通信委員会(FCC)、武器コン

トロール・軍縮局、環境保護庁、米国の情報機関(ACDA、EPA、および USIA)、国立科学

財団(NSF)、スミソニアン協会、およびその他の多数の民事組織と商業組織である。

 当該ミッション分野には、伝統的なミッションである地図作製、海図作製、および測地

(MC&G)が含まれている。DoD内では、共同国防気象衛星計画(DMSP)、GPS計画、GEOSAT

計画、NRO計画、国家画像地図局(NIMA)のプロダクツ、および気象学/海洋学(METOC)計

画が、世界全体における包括的な気象支援、地図作製支援、情報収集支援、および環境の

Page 73: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

72

監視/モニタリング/予測支援を行っている。また、宇宙に依存した 4 つの専門分野が戦闘

軍および支援施設を不利な状況から保護しており、さらに、物理的環境を利用したプラッ

トフォーム、センサ、および兵器の性能の最適化により作戦上優位性を確保することを可

能にしている。これらの 4 つの専門分野とは、METOC、地球空間情報/サービス、正確な

タイミング、および天文学であり、自然現象が世界中の兵器体系に対して及ぼす影響につ

いての評価を行っており、さらに、当該プロセス中にその他の任務(例えば、航行、地球を

基準にした測位、飛行の安全性、探索と救助など)にも貢献している。

 同時並行して、宇宙空間能力が地上での作戦にとってますます重要になるのに従って、

本来的な厳しい宇宙環境自体を観察して理解および予測することがあらゆる領域において

作戦を継続させる上で重要性を増しつつある。このような「宇宙の天候」(例えば、極端な

暑さと寒さ、放射線の影響、宇宙の破片との衝突など)は機器の故障および停電を引き起こ

す可能性がある。同様に、地磁気および電離層による擾乱が、精巧な無線通信ネットワー

クと航行ネットワークを乱してしまったりグローバルな監視と情報統合に干渉する可能性

があり、さらには、航空機、ミサイル、および宇宙機の検出と追跡を行うセンサおよびネ

ットワークの機能を妨害してしまう可能性がある。

 技術推進の観点からは、二重のニーズが出現する。第 1に、地上の環境を宇宙からモニ

タリングする場合には、現在よりもはるかに精巧な宇宙センサシステムおよび関連する処

理機能と通信機能が要求される。(例えば、大気の状態、特に将来の目標区域上方の雲量お

よび隠蔽物をより正確にかつよりタイムリーに観測および予測できれば、攻撃作戦にとっ

て大いに役立つ。) 他方、宇宙空間システムは(すべてのミッションの場合)それぞれの宇

宙環境をモニタリングしてその影響に耐える必要がある。(例えば、地磁気または電離層の

影響によって)一時的に停電状態になった場合でも、軍隊だけでなく民事上および商業上の

顧客が必要としている確実な情報の流れさえも危うくしてしまう可能性がある。

Page 74: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

73

ミッション分野別目標

・ 観測から予測にいたるまでの環境についての理解を深める・ 高分解能のグローバルな気象データをタイムリーな形でオペレータに提供する

・ 海洋と陸上の地形および大気の三次元(3D)的な特徴を描写する・ グローバルなMETOCおよび地球リモートモニタリング(ERM)カバレッジ

・ 製造物と自然現象および痕跡の区別、分類/識別、およびタイムリーな変化認識・ 宇宙環境パラメータの観測能力、モデル作成能力および予測能力の向上

・ 宇宙の天候による影響のより早期の検出および評価・ 宇宙のセンサと地上のセンサの統合の増加(例えば、無人地上センサ(UGS)および無人

航空機(UAV)など)・ 化学的流出物、流出燃料、大気汚染物質のリモート・センシング

支援能力・ 機上でのデータ処理速度をより高速にし、さらに、METOCデータセットおよび ERM

データセットに関するリフレッシュレート(垂直同期周波数)を速くする・ METOCデータおよび ERMデータの空間解像度を向上させる

・ 軍用軌道上の流星塵および破片の特徴描写・ センサ、兵器、システム、およびプラットフォームの性能に対する環境の影響につい

ての評価・ 軌道上でのバンアレン帯の変動モニタリング・ 太陽コロナ事象の検出および特徴描写・ 衛星レーザおよび RF干渉/脆性緩和

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 現在のプロジェクトは、ほとんどの軍事作戦が今後も引き続き展開される地球環境、お

よび 21 世紀にはますます多くの種類および数の軍務が行われる宇宙環境の両方に対処し

ている。

 地上向けの技術計画は、世界全体における宇宙空間気象観測と天気予報、地図作製、情

報収集、環境の監視と予測、および大気と海洋の両方の特徴描写作業を引き続き支援して

おり、例えば、DMSP、GPS、GEOSAT、NRO 計画のうちの特定の計画、NIMA のプロダ

クツ、および METOC 上の作業を挙げることができる。さらに、1 つの高度なモニタリン

グシステムとして、現在開発段階にある米極軌道周回実用環境衛星システム(NPOESS)があ

り、海軍のWindSat計画が以下の計画のためのリスク軽減に務めている。

・ NPOESS円錐形マイクロ波画像撮影サウンダ(CMIS)計画

Page 75: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

74

・ 海軍地球図観測衛星(NEMO)

・ インド洋METOCイメージャ(IOMI)計画

 宇宙環境モニタリング/特徴描写プロジェクトは以下のとおりである。

・ IOMI 計画-広大なインド洋地域を網羅することによって地球全体の天気予報を大幅

に向上させることが可能な将来の民事気象システムと軍事気象システムの両方にと

って極めて重要なセンサ技術の実証試験を行う。

・ 宇宙気象 S&T基礎研究計画-運用するセンサ、モデル、および適合製品の試作品の開

発によって基礎研究を行う。

・ リアルタイムの警戒警報を出すことおよび UHF SATCOMに対するシンチレーション

の影響を遅くても 1 時間前に予測することを目的とした計画を 4 カ所から 10 カ所に

拡大し、さらに、GPS航行リンク用の Lバンドシンチレーション警戒警報が可能にな

るようにグレードアップする。

・ 通信/航行中断予測システム(C/NOFS)センサの開発-GPS がシンチレーションによる

中断を 4~6時間前に予測できるようにする。

・ グローバルな電子および中性子の密度断面を明確にするために現在用いられている計

画の妥当性を確認する。さらに地上の電離層センサおよびアルゴリズムをグレードア

ップさせ、地上および宇宙空間データの両データを同化させてグローバル電子・中性

子密度予測モデル内に組み入れることができるようにする。

・ 小型異常センサ(CEASE)-小型で軽量かつ低電力のセンサであり、宇宙粒子が衛星に

対して及ぼす危険性を衛星オペレータに対して警告する。

・ 太陽質量放出イメージャ(SMEI)-太陽からはるか彼方の地球までのコロナ質量放出

(CCME)を検出および追跡する。

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」表に示してある。

Page 76: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

75

実現可能化技術(制約なし)

・ 任務割当て、ミッション計画立案/管理、処理、利用、および配布に関する自主的かつ

適応型で自己訓練方式のアルゴリズム

  - リアルタイムでの資源計画立案

・ 三次元カバレッジ、タイムリーなリフレッシュレートを備えかつ精度が向上した改良

型センサ

  - 取得、照準および追跡

・ センサのレンジおよび感度に関する改良技術

  - 大気バックグラウンド放射線、放射性バックグラウンド放射線および天体バック

グラウンド放射線の特徴描写、データベース、モデル作成、および処理

・ 先端電気光学(EO)技術(例えば、長時間検知用)

・ ハイパ・スペクトル検知: 低電力、高容量の改良型搭載プロセッサ。ハイパ・スペク

トル~ウルトラ・スペクトル画像(HIS-USI)センサ(100~1000バンド)

  -マルチバンド IRセンサデータの利用

・ 考案中の HIS/USIアプローチ法の利用

  - 焦点面アレイ(FPA)による改良型 HSI/USI収集など

・ 可視、マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル、超短波形赤外線(VSWIR)センサ/イメ

ージャ

  - マルチ・スペクトル~ウルトラ・スペクトル検出器材料、プロセス、および製造

・ 大型 FPA検出器材料科学および製造

・ 宇宙用の認定を受けた高性能の小型、高容量極低温冷却器

  - 軌道上でのより効率的な極低温水素貯蔵

  - より効率的な赤外線アプリケーション

  - 高性能蓄熱室/相転移材料

・ 宇宙空間レーザ/ライダ光学リモート・センシング

・ 宇宙環境をモニタリングして自然の危険、人工的な脅威または異常を主宇宙機に対し

て警報するためのセンサ

・ 多地点宇宙気象測定

・ 電離層の影響の研究を目的としたリアルタイムのリモート・センシング技術

Page 77: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

76

  - RF信号のシンチレーション

・ 高度な空間分解能技法

・ 超高度分解能技法

・ 先端センサ技術および気象予測モデルの開発/改良に結び付く基礎研究

・ 高度演算

  - 高度な高分解能モデルを実行してリアルタイムのデータを提供するための超高性

能ハードウエア

  - 速度、精度、および効率に関する改良アルゴリズム

・ 再プログラミング可能な無線機およびその他の電子システムコンポーネント

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

  - 耐放射線複合材料および関連材料

  - 耐高温および耐放射線電子材料

  - 放射線に対して補強したフラッシュデジタルメモリ(例えば、SiC)

・ 等温性技術

・ 衛星生存用の高性能フィルタおよびリミッタ

・ 高度影響現象学

Page 78: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

77

計画されているアプリケーション

 非常に広範なアプリケーションが存在しており、そのうちのいくつかを以下に抜粋した。

分類 プロジェクト進捗状況

担当機関

・WindSat  - 海洋表面を測定する(速度および方向を含む)  - NPOESS/CMIS のためのリスク軽減を行うの両

方に搭載した追加プロジェクト

実験段階

海軍

・ 通信/航行中断予測システム(C/NOFS)- 危険な宇宙環境状態が原因で GPS 航行/衛星通信

リンクが 途切れる可能性があることを警告するための赤道軌道周回衛星

ACTD 空軍

詳細な大気の特徴描写

・ 高層大気を測定しかつ特徴を描写するためのセンサを実用衛星および実験衛星

開発段階

空軍海軍

・ 測地学/地球物理学衛星(GEOSAT)後続(GFO)衛星  - 海洋波高および地形の測定能力の向上

運用前校 正 /妥当性確認

海軍

・ レーダによる高度測定  - 海洋熱塩/地衡的表面海流構造の特徴描写

開発段階

海軍

詳細な海洋の特徴描写

・ 海洋表面の特徴描写を目的とした追加プロジェクト 開発段階

海軍

・ 小型環境異常センサ II(CEASE II)  - 異常分解時間を短縮しかつ状況の把握を向上さ

せるために主宇宙機に常駐している小型の低電力機器の実証試験を行う

ACTD 空軍、海軍

・ 高度太陽望遠鏡(AST) - 太陽擾乱モニタリング用

プロジェクト案

国立科学財団

宇宙の特徴の描写能力の向上

・ 太陽質量放出イメージャ(SMEI)および宇宙空間コロナグラフ

  - コロナ質量放出(CME)を事前に警告し、さらに太陽から地球までの伝播を追跡する

実験的開発段階

空軍

・ 米極軌道周回実用環境衛星システム(NPOESS) - 受動的マイクロ波機器が、運用に直接関係するグローバルな海洋データおよび大気データを提供する。多数の主センサが計画中である。     

エンジニアリング開発段階

DOC-DoD-NASA

高度環境モニタリングシステム ・ 小型衛星概念

  - グローバルな環境データ用および宇宙の気象検知用のセンサを装備する

  - STRV-2c/dを用いたデータ取得

概念段階

DARPA、空軍

BMDO

Page 79: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

78

分類 プロジェクト 進捗状況 担当機関・ 海軍地球図観測衛星(NEMO)  - 海軍および民事のユーザ用に広域 HISを収集する。

試作機開発段階

海 軍 、DARPA 、産業界

高度環境モニタリングシステム

・ インド洋METOCイメージャ(IOMI) - 衛星上の高性能処理/データ圧縮能力を用いて、ハイパ・スペクトルによる大気の特徴描写をGEOから実証する

開発段階 海 軍 、NASA 、NOAA

・ 気象データベースの更新、測定値の利用援助、および予測モデルの開発を目的としたプロジェクト

研究中 空軍、海軍

改良型METOC予測モデル

・ 大気環境、電離環境および磁気環境の予測を向上させることを目的としたプロジェクト

研究中 空軍、海軍

・ 森林火災の予測 研究中 (複 数の機関)

・ 太平洋災害センタ機能 進行中 連邦政府機関

軍事-民事協力活動

・ 火山活動の早期検出(影響の軽減および災害救助の支援)

研究中 (複 数の機関)

パートナ関係構築の機会

 DoD内には自省内におけるパートナ関係および協力計画が存在しており、さらにその他

の機関とのパートナ関係および協力計画も存在している。例えば、NOAA、海軍および空

軍は DMSPに関して協力しており、さらに、共同台風警戒警報センタでも広範囲にわたる

軍事-民事間の調整を行っている。また、海軍および NOAAでは、新たに協力可能な分野

(例えば、運用可能な数値モデルの作成、データ交換、リスク軽減努力、および複数の機関

間での相互バックアップなど)の特定作業を続けている。さらに、連邦政府機関と商業機関

では、互いの研究開発および諸ミッションを利用して宇宙環境データを入手している。

 外部とのパートナ関係としては、NPOESSに関する協力関係が DOC-DoD-NASA 間で結

ばれており、空軍および海軍の宇宙技術と宇宙モデルを運用するための重要な機会が提供

されている。NPOESSには 6つの主センサが装備されており、これらのセンサは、今後の

軍事上のニーズを満たすための非常に広範な電磁上および運用上のアプリケーションを網

羅する。他方、海軍のWindsatは、受動的マイクロ波放射測定を使用する DMSPマイクロ

波シリーズの後続衛星である NPOESS 円錐形マイクロ波イメージャサウンダ(CMIS)のた

めのリスク軽減を行う。

Page 80: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

79

 海軍は、NASAとパートナ関係を結び、ハイパ・スペクトルによる大気の特徴の描写を

静止軌道から実証するために IOMI計画と NASAの静止軌道画像撮影フーリエ変換スペク

トロメーター(GIFTS)計画を組み合わせようとしている。また、IOMI/GIFTSプロジェクト

では将来の民事気象システムおよび軍事気象システムにとって極めて重要なセンサ技術の

実証試験を行うことになり、グローバルな天気予報を大幅に向上させることが可能である。

なお、当該プロジェクトの中には、艦隊へデータを直接ダウンリンクすること、および海

軍艦隊数値気象海洋センタ、NOAA、NASA、および世界の気象界に対するデータの配布

が含まれる。

 BMDOでは、バンアレン帯変動の測定および重要な電子コンポーネントの放射線耐性の

試験に関して空軍、NASA、英国および欧州宇宙機関(ESA)と協力中である。さらに、BMDO

および NASA/JPLでは、低高度軌道上および中高度軌道上の流星塵/破片環境を測定中であ

る。

 さらに、NOAAは、軍によって生成された非機密データを公的に配布することを目的と

して入手することが可能である。さらに、国家宇宙気象計画では、軍と NSF、NOAAおよ

び NASAとのパートナ関係が現在結ばれている。最後に、DoDは、宇宙の気象および宇宙

S&T研究に関する NASAと海軍の新しい構想のおかげで、新たな宇宙検知技術の試験を行

うことおよび太陽と地球の環境の連続的なモニタリングに参加できるようになる。

米極軌道周回実用環境衛星システム(NPOESS)群

赤道横断現地時間

Page 81: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

80

宇宙の気象宇宙の気象宇宙の気象宇宙の気象とは、宇宙および地上をベースにした技術システムの性能及び信頼性に対して影響を及ぼす可能性がありかつ人間の生命または健康を危うくする可能性がある太陽の状態、および太陽風内、磁気圏内、電離圏内、および熱圏内の状態である。宇宙環境が不都合な状宇宙環境が不都合な状宇宙環境が不都合な状宇宙環境が不都合な状態になると、衛星の運用、通信、航行、および配電網が乱されて態になると、衛星の運用、通信、航行、および配電網が乱されて態になると、衛星の運用、通信、航行、および配電網が乱されて態になると、衛星の運用、通信、航行、および配電網が乱されて様々な社会経済的損失を被ってしまう可能性がある。

1995年年年年 8月、月、月、月、国家宇宙気象プログラム戦略計画国家宇宙気象プログラム戦略計画国家宇宙気象プログラム戦略計画国家宇宙気象プログラム戦略計画

大きさを比較するために地球を示してある大きさを比較するために地球を示してある大きさを比較するために地球を示してある大きさを比較するために地球を示してある

電磁放射線

Page 82: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

81

10. 宇宙のコントロール

分野の説明

宇宙のコントロールの定義は以下のとおりである。

  「宇宙における米国およびその同盟国の行動の自由を確保しかつ(指示を受けたとき

には)宇宙における敵側の行動の自由を阻止することを目的とした戦闘作戦および

戦闘支援作戦」∗

 宇宙のコントロール自体は確実に宇宙にアクセスできることが基本になっている。確実

な宇宙へのアクセスとは打上げロケットおよび衛星を運用することであり、現在は宇宙支

援ミッション分野の一部であると運用部門ではみなしている。なお、宇宙支援とは、宇宙

への通信、宇宙間通信および宇宙からの通信を可能にすることである。

 宇宙のコントロールの中には、防衛手段と攻撃手段を組み合わせてその目標を達成させ

ることが含まれている。また、当該ミッションを完遂させるために必要な能力は、監視、

保護、防止、および無力化という相互に関連した重要任務の範疇に属している。

 宇宙のコントロールでは以下のような系統的なアプローチが要求される。

・ 最初に、1 つの軍による作戦、複数の軍による合同作戦および連合作戦を戦闘全体に

わたって支援するために不可欠であるとみなされている能力を持続できるかどうか

は、既存の地上および軌道上の宇宙のアセット(資産)とその関連するデータリンク

の保護が可能かどうかに左右される。

・ 第 2に、友軍に対して提供する宇宙のプロダクツおよびサービスの連続性を維持しか

つ向上させることができるように将来の宇宙システムの保護の質を高めることが基

本である。

・ 第 3に、これらの資産は、自然および人工の脅威に対して自己防衛し、攻撃を受けて

いるかどうかを判断するために、それぞれの宇宙環境を調査できなければならない。

・ 友好的なシステムのプロダクツまたはサービスを敵側が使用しようとした場合、また

はこれらのシステムに対して攻撃がしかけられた場合には、これらの利用または攻撃

∗ 国防総省指令 3100.10, July 1999

Page 83: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

82

に対して防衛する。

・ 最後に、敵の活動を無力化できる能力が必要になると思われる。宇宙のコントロール

に関するこれらの任務は明らかに国家の政策決定に左右されることになり、要求され

ている能力をタイムリーに取得できるように実現可能化技術を定義しかつ追求しな

ければならない。

 宇宙支配ミッション/技術分野はその最終目標を達成させるための段階的アプローチが

必要であり、当該アプローチには以下の項目が含まれる。

・ 地表をベースにしたアセットおよび搭載アセットを暫定的に改良し、その一方で、宇

宙空間アセットに宇宙監視ミッションを移行させる。また、当該移行には、主にその

他のミッションを支援するシステム(例えば宇宙配備赤外線システム[SBIRS]など)を

付帯的に使用すること、そして最終的には宇宙の究極的な「高所」を支配するための

選択肢を確保する専用システムの両方が関わる。

・ 光学宇宙監視アセットを運用する上ではどのような役割が最良であるかを決定する

・ 最初の試験結果に後続する目標物の性能及びスケーラビリティ上の課題をすべて調査

することを目的とした能動的画像撮影技術計画およびそのテストベッド

・ 防衛作戦および潜在的な攻撃作戦に関するシステム上の選択肢について評価および選

択するプロセス、およびその後に技術開発活動をシステム取得計画に移行させるプロ

セス

宇宙追跡

地上局

Page 84: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

83

ミッション分野別目標

宇宙監視 保護 防止 無力化・対象となる宇宙の物体の正確な検出、追跡および識別

・物体が脅威であるかないかを特徴化する能力

・脅威であるペイロードがマヌーバを行う時点または切り離される時点の検出および評価

・宇宙システムの誤動作の検出および報告

・攻撃および攻撃元の位置についての特徴描写

・脅威または攻撃への耐性および防衛

・ミッション能力の復旧

・米国の能力、同盟国の能力または第三国の能力を敵側が使用するのを防止する

・敵側が宇宙を利用するのを精密に無力化する

・目標物に対する攻撃評価または BDA

支援能力・ 地上および宇宙空間高分解能画像撮影

・ RFセンサシステムおよび宇宙空間光学センサシステム・ 種類の異なったセンサによって収集されたデータの融合および登録

・ ネット化した暗号化レーザ通信リンク ・ 自動相互指示・ 軌道上でのマヌーバ、サービス、および保全・ 軌道上での診断、処理、およびミッション管理

・ 機内での宇宙環境上の危険検出・ 高度レーザ検出システムおよび保護システム・ 危険および脅威に関連した情報の融合および配布・ 地表および空中での RF妨害を宇宙において検出する

・ 脅威の無力化能力・ 干渉技法または「ソフトキル」技法

・ 妨害時自動追尾(HOJ)兵器・ 地上および宇宙空間高出力レーザ

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 現在のプロジェクトは、宇宙の監視、保護、防止および無力化が対象になっており、以

下の項目が基礎になる。

・ 2001会計年度に、光学機器がグレードアップされたマウイ宇宙監視基地(MSSS)望遠鏡

が、宇宙監視ネットワーク(SSN)用の高分解能画像を生成する。さらなるグレードア

ップ項目としては、処理後アルゴリズム(画質の向上)、追加センサ(多波長能力の確保)、

および潜在的なレーザガイドスター能力(かすかな目標物に対する性能向上)が含まれ

る。

・ 同じく 2001会計年度に、衛星システム用インテリジェンスデータ解析(IDASS)ワーク

Page 85: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

84

ステーションが、宇宙の物体の識別およびミッションペイロードの評価を行うための

光学画像の処理/解析能力を向上させる。

・ MSSS 望遠鏡にレーザ検知測距を組み込むことによって、宇宙の物体の関与に関して

30 db の信号対雑音利得が得られることになり、その後、レンジ-ドップラ画像撮影

およびスペースデブリ追跡への応用についての評価を行う。当該システムは、SSNへ

の貢献センサとしての使用も可能である。

・ 国家地球光画像撮影テストベッド(GLINT)計画が、静止軌道高度までの衛星能動画像

撮影能力についての実証試験を行う。

 保護/防止能力は以下のような方法で追求する。

・ 衛星に対する脅威の警戒警報/攻撃報告技術の開発を行い、さらに、マイクロ衛星脅威

報告システム(MSTRS)の開発および高度レーザセンタ開発(ALSD)の両方に関する実

証試験を行う。さらに、保護技術の開発の際にはレーザ/電気光学的保護材料に重点が

置かれることになり、2004~2005会計年度に宇宙での実証試験を行うことが予定され

ている。

 宇宙の監視および弾道ミサイルの目標物の無力化の両方を行うことを目的として、2012

~2013 会計年度用の宇宙レーザ(SBL)を支援するための先端技術開発および防衛概念と攻

撃概念に関する追加分析を継続させる。

 

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」表に示してある。

実現可能化技術(制約なし)

・ 任務の割当て、ミッション計画立案/管理、処理、利用、および配布を行うための適応

型かつ自己訓練型の自主的リアルタイム資源計画立案アルゴリズム

・ 自動化した相互指示、動的データベース融合、および、画像撮影、スペクトル機能、

信号処理機能、現象および情報技術の相乗効果

・ データ融合用人工知能(AI)

Page 86: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

85

・ ニューラルネットワーク

・ 自動制御、ファジー論理

・ タイムリーなデータ引き渡しを可能にするための衛星上でのデータ処理能力および保

存能力の向上

  - 非揮発性ランダムアクセスメモリ

・ 軌道上でのマヌーバ技術、診断技術、処理技術およびミッション管理技術

・ 融合処理ソフトウエアアルゴリズム

・ スケーラブルで、電力効率の高い超小型化電子機器および機構

  - 光ファイバ、オプトエレクトロニクス、フォトニクス、微小電気機械システム

(MEMS)など

  - センサの極低温冷却を不要にするための高温超伝導エレクトロニクス

・ 大型、軽量の支持構造物および材料

・ 形状記憶技法および合金材料

・ エネルギーを指向、散布、集中および伝送するための(さらには、エネルギーを検出、

抽出、検知および受け取るための)能動的および受動的な電磁スペクトル装置

  - 熱(赤外線[IR])

  - 可視光線

  - 無線周波数(RF)

・ 地上をベースにした高分解能光学/レーダ/マルチ・スペクトル画像撮影技術(能動的ま

たは受動的)

・ センサの範囲および感度を向上させる技術

  - 大気中のバックグラウンド放射線および 放射性バックグラウンド放射線の特徴

描写、モデル作成、および処理

  - マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル画像処理用の改良型大気補償アルゴリズ

ムおよび改良型目標物識別アルゴリズム

・ 多数の RF センサと光学センサ、プロセッサ、リンク、および主宇宙機インテグレー

ション技術

・ 目標物およびクラッタの特徴についてのバイスタティック現象学に関する利用技術

  - バイスタティック宇宙時間適応型処理アルゴリズムの妥当性検査

・ 時間と周波数のマルチスタティック相関関係、信号処理、およびデータ融合

Page 87: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

86

・ 先端目標物検出技術

  - 音響光学式検出およびスペクトル痕跡の利用(雲を貫通した観察)など

・ 非侵入型検査技術

・ 先端電気光学(EO)技術

・ ハイパ・スペクトル検知: 改良型低電力、高容量搭載プロセッサ

・ ハイパ・スペクトル~ウルトラ・スペクトル画像(HIS-USI)センサ(100~1000バンド)

・ 先端 IR技術

  - 量子カスケードおよび帯域半導体 IRレーザ源

・ マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトルおよび超短波形赤外線(VSWIR)センサ/イメー

ジャ

  - マルチ・スペクトル~ウルトラ・スペクトル検出器の材料、プロセス、および製

・ 大型焦点面アレイ(FPA)検出器の材料、プロセス、および製造

  - マルチ・スペクトル検出用凝視 FPA、読み出し集積回路(ROIC)、量子井戸 IR 光

検出器(QWIP)など

・ 宇宙用の認定を受けた小型かつ高容量の高度極低温冷却器

  - 軌道上での極低温水素のより効率的な貯蔵

  - より効率的な赤外線の応用

  - 高性能蓄熱室/相転移器

・ 低出力/高出力レーザ大気補償およびビーム制御

  - 光学位相結合

  - 適応型レーザオプティックス

  - 軌道上次元制御

  - ジターおよび振動の管理

・ 高度な取得技法、照準技法および追跡技法

・ 宇宙空間高分解能光学/レーダ/マルチ・スペクトル画像撮影技術(能動的または受動的)

・ 下記のレーザ用の高エネルギーレーザ技術

  - 地上をベースにした高出力レーザ

  - 宇宙空間高出力レーザ

・ 宇宙空間高出力レーザリレー用鏡

Page 88: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

87

  - 大口径、軽量、モジュール式の展開膜鏡/光学機器、および支持構造材料

・ 耐久性のある薄膜基質/膜/コーティング材、処理、および製造

・ 専用センサ用非線形光学物質

・ 光学的に効率的で放射率が可変の鏡コーティング

・ 軌道上での鏡コーティングの手入れ

・ 先端 RF技術

  - 移相用およびビーム成形用のフォトニクス

  - スペクトルアナライザおよびアルゴリズム

  - デジタル RFメモリ(DRFM)

・ 先端 HOJ技術

・ 高度合成開口レーダ(SAR)

・ 高度な自動目標物認識(ATR)アルゴリズム、移動目標物表示(MTI)アルゴリズム、およ

び軌道上力学処理アルゴリズム

・ コスト的に手頃な大型、軽量 RF反射体およびアンテナ設計

  - アレイによって供給される膨張式で展開可能な反射体など

- 固体フェーズドアレイ電子操作可能アンテナなど

  - 強度-重量比がより高い材料と複合材料および設計

・ 周波数および出力がより高いレーダコンポーネント

  - RF/レーダコンポーネント用高温半導体材料

・ コストがより低く、周波数がより高く、帯域がより広い高度送受信(T/R)コンポーネン

・ RFシステム用の改良型フロントエンドノイズ拒否

・ 高度ミキサおよびアナログ-デジタル(A/D)変換器

・ 高度信号除去技法

・ 宇宙間、宇宙-空中間、および宇宙-地上間アプリケーション用のレーザ/光学通信お

よび関連する取得/追跡/照準

・ 非揮発性メモリ光学演算/通信

・ 宇宙間、宇宙-空中間および宇宙-地上間リンク用の先端レーザ通信技術およびマイ

クロ波通信技術

  - 先端ネット化技術および暗号化技術

Page 89: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

88

・ 再プログラミング可能な無線機およびその他の電子システムコンポーネント

  - 現場でプログラミング可能なゲートアレイ(FPGA)技術

・ 自主的で、寿命がより長く、エネルギー/電力-重量比がより高い、軌道上発電、コン

ディショニング、配電および貯蔵

・ より効率的な太陽電池およびバッテリ(化学発電または熱発電、例えば、熱電子発電お

よび熱電変換など)

- リチウムイオン/ポリマハイブリッドバッテリなど

  - コスト的に手頃な太陽電池材料および製造

・ 統合/能動熱制御

  - 電子機器冷却

・ コンポーネントの耐放射線化およびシールド

  - 耐放射線化複合材料および関連材料

  - 耐高温および耐放射線電子材料

  - 耐放射線化フラッシュデジタルメモリ(例えば、SiC)

・ 衛星上での宇宙環境上の危険の検出および技術

  - 先端レーザ検出技術および保護技術

  - 地表および空中での RF妨害の検出および測位

・ 衛星レーザおよび RF干渉/脆性緩和

  - バイスタティック/マルチスタティック技法

  - 合成/仮想開口

・ 指向エネルギー兵器(DEW)の脅威に対する衛星生存用の高性能フィルタおよびリミッ

  - レーザに対して補強したセンサ材料および概念

・ 等温性技術

・ 高熱散逸サーマルダブラ/翼板材料

・ 高度影響現象学

  - 干渉技法または「ソフトキル」技法

・ 情報の利用および意思決定のための人間-システム間インタフェース

・ 管制センタ技術

  - 一書込み多読出し(WORM)保存

Page 90: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

89

  - アーカイブ型大量保存

・ チーム訓練用先端技術

核爆発核爆発核爆発核爆発

人工的脅威人工的脅威人工的脅威人工的脅威

攻撃報告攻撃報告攻撃報告攻撃報告

アップリンクのアップリンクのアップリンクのアップリンクのRF妨害妨害妨害妨害

高エネルギー高エネルギー高エネルギー高エネルギー粒子ビーム粒子ビーム粒子ビーム粒子ビーム

攻撃報告攻撃報告攻撃報告攻撃報告

運動撃墜機運動撃墜機運動撃墜機運動撃墜機

レーダ追跡レーダ追跡レーダ追跡レーダ追跡

高エネルギー高エネルギー高エネルギー高エネルギーレーザレーザレーザレーザ

レーザ追跡またはレーザ追跡またはレーザ追跡またはレーザ追跡またはレーザ結合レーザ結合レーザ結合レーザ結合

Page 91: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

90

計画されているアプリケーション

活動 進捗状況担当機関

宇宙監視(地上ベース)・実物大の適応型光学機器-マウイ宇宙監視基地(MSSS)の 3.7 m望遠鏡とのインテグレーション

技術導入段階

空軍

・高級レーザ検知測距-マウイ監視地の 3.7 m望遠鏡とのインテグレーション; 宇宙の物体の関与に関して 30 dbの利得

-宇宙監視能力; レンジドップラ画像撮影およびスペースデブリ追跡(オプション)

技術開発段階

空軍

・画像利用ツール-マウイの高分解能画像撮影プロダクツの処理および解析の質を高めるための地上ソフトウエアである衛星システム用インテリジェンスデータ解析ソフト(IDASS)

技術開発段階

空軍

・能動的画像撮影テストベッド実験-(2000会計年度に完了した実験についての)能動的画像撮影評価-GEO 宇宙物体の光学画像撮影について実証するために国家地球光画像撮影テストベッド(GLINT)計画に移行された結果

-残留運用能力を確保するためにその後に行う GLINTの更新

技術実験段階

空軍

宇宙環境報告および脅威報告・小型環境異常センサ II(CEASE II)-宇宙環境の有害要素をモニタリングして主宇宙機に対してリアルタイムで警報する

ACTD 空軍

・宇宙脅威警戒警報・報告(STW/AR)-宇宙での防衛的対抗能力を支援する-マイクロ衛星脅威報告システム(MSTRS) - STW/ARの RF部分を支援する-高性能レーザセンサの開発(ALSD)- STW/ARのレーザ部分を支援する

技術実証試験段階

空軍

宇宙空間レーザ統合飛行実験(SBL IFX)-軌道上での統合性能実証試験(2010~2012会計年度に予定)-運用可能な SBLの開発を可能にするための並行計画-SBLの入手可能性およびアーキテクチャの研究を通じての概念改良-宇宙光学機器およびレーザ技術についての継続研究

技術計画 空軍BMDO

宇宙マヌーバビークル-互換可能なペイロード能力を備えたマヌーバ可能な衛星バス-要求に応じて打上げ可能、希望する位置までマヌーバ可能-LEO/MEO 衛星とのランデブーおよび共軌道周回可能、GEO 衛星による飛行可能-あらゆるタイプのペイロードの輸送または分配が可能になる

システム概念段階

空軍

ACTD 高度概念技術実証試験

Page 92: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

91

パートナ関係構築の機会

 DoDでは、陸海空軍、国防機関、および機関間国家安全保障組織間で宇宙支配活動に関

するパートナ関係の構築を追求中であり、さらに、企業および外国の主体とも共同で作業

中である。また、市販のシステムおよび技術を可能な限り促進および利用している。いく

つかの現行例を以下に示した。

・ 空軍-BMDO SBL IFX: ブースト段階にあるミサイルに対する高エネルギーレーザシ

ステムの軌道上での運用と殺傷力の実証試験を行う

・ 空軍-NFSが、マウイ宇宙監視地の新型 3.7 m望遠鏡および関連する適応型光学機器

システムを天文学用に使用: 運用作業と科学作業が結合する。

・ 空軍は、マルチリンクレーザ通信開発構想に関するパートナ関係を BMDO、NASAお

よび NOAAと構築することを計画している。

マウイ宇宙監視基地(MSSS)

3.7 m望遠鏡のドームおよび施設

3.7 m高性能電気機械システム望遠鏡

1.6 m望遠鏡

Page 93: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

92

11. 戦力投入

分野の説明

 戦力投入分野のうちの宇宙に関する側面は、現在は、宇宙の軌道外飛行経路を通って飛

行する弾道ミサイル、および宇宙空間センサとリンクの C3 サービスおよび ISR プロダク

ツを作戦のための使用に限定されている。将来については、能動的ミサイル防衛(BMD)な

どの宇宙空間システムおよび宇宙戦力ミッション上の選択肢がますます重要になると思わ

れる。他方、時間が絶対的に重要であるとき、その他の選択肢に関わるリスクが大きすぎ

るとき、またはその他の対策が実践的でないときには宇宙空間戦力が抑止能力および柔軟

な対応能力を高めるということが認識されるようになってきている。同時に、このような

システムの配備は、国際条約および米国の国家政策によって大幅に制限されている。

 技術的な観点からは、米国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)資産および海洋発射弾道ミサイ

ル(SLBM)資産を維持できるかどうかは、宇宙輸送ミッション用の固体ロケットモータ技術

の開発の継続と密接に結び付いている。その他のミッションに容易に応用可能な弾道ミサ

イル技術は、高度推進技法、固体エレクトロニクス(特に誘導用と航行用)、高性能アンテ

ナ、妨害防止 GPS、プラズマ物理学、高温材料、再突入船前縁、熱保護システム、センサ

システム、スマート信管パッケージ、感度を低下させた大砲および高速発射体などである。

 宇宙を通じての防衛戦力投入は、戦域/戦術ミサイル防衛(TMD)システム、指向エネルギ

ーシステム、および国家ミサイル防衛(NMD)に関する選択肢の集合によって構成されてい

る。これらのシステムおよび選択肢はそれぞれ様々な定義段階または開発段階にあり、実

効的に運用可能であるかどうかは宇宙のプロダクツおよびサービスに左右される。

 攻撃戦力の投入に関しては、宇宙空間アセット(資産)から巡行ミサイルおよび攻撃機

に対して情報を送る正確さおよび適宜さを向上させることによって従来の兵器による攻撃

精度の向上を計っている。「センサからシュータへ」という概念は、具体的に要求されてい

る C4ISR 情報を、ミッションを成功させることができるようなタイミングで直接兵器(ま

たはその他の作戦)プラットフォームに対して提供するという本質をとらえた概念である。

関与パラメータは多種多様にわたる可能性がある一方で(例えば、逃走中の標的に照準を合

わせた兵器または BMD迎撃などに関するパラメータ)、高レベルの自動化およびリンクの

信頼性の確保が不可欠である。宇宙空間システムは、偏在性とセンサ能力のおかげで、将

Page 94: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

93

来の戦力投入の「決定的要素」として当該概念を成熟させる上で既に 1つの重要な役割を

果たしている。

 関連する宇宙プロダクツ(戦略用または戦術用)には、高分解能画像、地上MTI(GMTI)図、

およびデジタル地形高度データ(DTED)などが含まれている。DTEDおよび画像は、交戦前

に米国の攻撃戦術およびミッションを立案するために使用可能である。また、タイムリー

なGMTIおよびSAR画像を攻撃機標的設定システムに組み込むことによって動的な環境状

態にある戦場を支配することが可能である。さらに、目標区域に関する正確な DTEDを巡

行ミサイルにアップロードさせ、搭載高度計と相互に関連させることによって非常に正確

な全天候型巡行コース誘導および最終誘導を達成させることが可能である。当該誘導は自

主的な誘導であるため GPS電波妨害および隠蔽の両方を打ち破ることができる。攻撃後は、

戦闘被害の評価/情報収集(BDA/BDI)を速やかに行うことによって空中任務命令を動的に

更新することができ、その結果関与時間および再関与時間を大幅に短縮させることが可能

である。

 目標物の突き止め(GMTI/SAR)から、兵器の誘導(DTED)、BDA(SAR)までにいたる敏速な

全天候型昼夜攻撃作戦を全世界において展開させることができるようにするためには、宇

宙空間レーダ能力を成熟化させることが鍵を握っている。さらに、以下のような項目に重

点を置くことも必要である。

・ 中核的な構造物、エレクトロニクス、および推進

・ 技術軌道上での支援を含む従来のシステムの宇宙での引き渡しを可能にする

・ 高出力レーザ源とともに使用するリレーミラーの開発: 戦力投入ミッション用の地上

レーザ(GBL)源またはより長期の宇宙レーザ(SBL)能力を実現させることが可能にな

る。

Page 95: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

94

ミッション分野別目標

抑止力 ・ 有能でかつ信頼できる ICBMおよび SLBM戦略・ 弾道ミサイルのコマンド&コントロールおよび通信(BMC3)・ 大量破壊兵器(WMD)の抑止/対抗

防衛 ・ NMD戦力および NMD C3の開発の支援・ 弾道ミサイル以外の防衛概念の案出。例えば、  - 地上および宇宙空間指向エネルギーおよび運動エネルギー上の選択

肢・ 味方のミサイル能力の保護・ 防衛力用の下記の能力の確保  - 必要に応じて利用可能である   - 全面的関与  - リアルタイムでの戦闘評価

攻撃 (概念立案 および /または技術 開発のみ)

攻撃(概念立案および/または技術開発のみ)・ 宇宙レーザ(SBL)・ 宇宙によって促進されるその他の

攻撃概念・ 以下の項目の無力化  - 敵の防空能力  - 敵の空中能力および巡行ミサ

イル能力  - WMD以外の地表目標物・ 軌道上での消耗品(スラスタ、燃料、

および電源など)の保存および補給に関する概念

・ 全攻撃力  - 必要時に利用可能である  - 柔軟に展開可能である  - 柔軟性に富んだ効果があ

る  - リアルタイムでの戦闘評

価  - 世界全体を網羅

支援能力・ 重大な移動目標物、隠蔽目標物または地表下目標物を宇宙から検出/識別する能力の向

上・ ISRプロダクツの利用により目標物の取得および特徴描写を可能にする・ 衛星上での超大容量演算・ 宇宙空間高出力指向エネルギー(SBL)・ 軌道上での支援、保存、および補給・ 再突入中の強固さを向上させかつ有効性を持続させる・ 軌道上での鏡面リレーを伴う地上高出力指向エネルギー

現在の技術上の構想(現行の FYDPの最重要点)

 資金が確保されている基礎研究のうち戦力投入機能に対して応用可能な基礎研究には、

先端材料、電磁気学、ナノテクノロジー、推薬/推進技術、エレクトロニクス、高性能演算、

エネルギー保存概念、強固な通信網、ソフトウエアおよび知識をベースにしたシステム、

画像処理、高性能の固体センサと電気光学センサ、ハイパ・スペクトル画像、情報の融合、

Page 96: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

95

および視覚化などが含まれている。さらに、これよりも成熟したレベルでは、現在促進中

の ICBM/SLBM持続活動による固体ロケットモータ技術があり、以下のような項目が含ま

れている。

・ 高温材料

・ 熱管理

・ プラズマ物理学

・ 固体推薬

 さらに、LEOにおける擾乱、抗力および中性密度の変動に関する研究、さらには、大気

圏横断宇宙船の設計に応用可能な人工知能、地上をベースにした宇宙監視、極超音波学、

宇宙空間構造物、およびプラズマ物理学に関する研究も継続中である。また、光学波長と

マイクロ波波長による指向エネルギーについて探究中であり、さらには、宇宙の破片およ

び流星塵の脅威に関わる衝撃概念と貫通概念に焦点を合わせた研究も進行中である。

 弾道ミサイル目標物に対する統合性能及び殺傷力を軌道上で実証する試験を 2012~

2013 会計年度に完了させることを目的とした SBL統合飛行実験(IFX)計画用の資金を現在

調達中であり、短期的には以下の 4つの重要な技術分野が対象になっている。

・ レーザ技術

・ ビーム制御

・ ビーム照準

・ 取得のための照準および追跡

 選択したいくつかのプロジェクトに関する詳細を以下の「計画されているアプリケーシ

ョン」表に示してある。

実現可能化技術(制約なし)

・ 任務の割当て、ミッション計画立案/管理、目標物の識別/追跡、戦場での学習、およ

びデータの圧縮、処理、利用、および配布を行うための適応、自己訓練および誤差補

Page 97: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

96

正が可能な自主的リアルタイム計画立案アルゴリズム

・ 改良した精密時間基準(10 psのタイミング精度)(原子時計/レーザ時計)

  - ネットワーク中心の通信同期化手法

・ データ融合能力およびタイムリーな情報提供能力が改良された動的目標物データベー

・ 衛星上での超大容量演算およびデータ保存

・ 目標物の無力化およびリアルタイムでの評価を可能にする先端「センサ-シュータ」

技術

・ 情報の利用および意思決定のための人間-システム間インタフェース

・ 目標物の取得および特徴の描写を可能にする先端 ISR技術

・ 地上および空中の重大な移動目標物の検出/識別能力の向上

・ 強化防御された目標物または地下深く埋設された目標物の特徴描写能力の向上

・ センサ範囲拡大技術および感度向上技術

  - 大気中のおよび 放射性バックグラウンド放射線の特徴描写、モデル作成、および

処理

  - マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル画像処理用の改良型大気補償アルゴリズ

ムおよび改良型目標物識別アルゴリズム

・ 宇宙用の認定を受けた小型かつ高容量の高度極低温冷却器

・ 低出力/高出力レーザ大気補償技術およびビーム制御技術

・ 高度な取得技法、照準技法および追跡技法

・ 地上/宇宙空間高出力レーザ用高エネルギーレーザ技術

・ 高出力レーザリレー用の宇宙空間レーザ鏡面技術

・ 軌道上でのレーザ整備および消耗品補給

・ 運動エネルギー技術

・ 構造、推進、誘導、信管およびペイロードに関するサブシステムの機能性を引き続き

確保するための弾道ミサイル持続技術

・ 兵器のモデル作成とシミュレーション(M&S)および試験に関する先端技術

  - ロケットモータの耐用期限を予測するための非破壊検査(NDE)技術

・ ミサイル/宇宙機の大気圏再突入を確実にするための高度な耐温度/耐食/耐振動材料お

よび技術

Page 98: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

97

  - 固体ロケットモータおよび大気圏再突入船前縁用の先端材料

  - 信号のブラックアウトを最小限に抑えるためのプラズマ効果技術

  - 大気圏再突入システム用の改良型窓/アンテナ材料

計画されているアプリケーション

固体ロケット技術-固体ロケットモータに関する先端技術および改良技術

-高度大気圏再突入機

-統合地球基準測位誘導システム

戦場攻撃作戦用高性 能AMTI/GMTI

-攻撃目標設定への宇宙センサ画像の応用

軌道上支援-再使用型打上げロケット (例えば、SOV)

-軌道作業(例えば、SMV)

緊密に結合させた強固なGPS/INSシステム(打上げロケットとともに使用)

次世代固体ロケット技術-大きさ/重量/コストを引き下げた GPS/INS シス

テム-低コストの推薬、ケース、ライナー、ノズル

高性能精密航行機器、ノーズコーン、前縁、熱保護システム、スマート信管パッケージ、および高速発射体

以下の項目の成熟化-宇宙ウェブテンプレートの更新-SBLおよび全出力リレー鏡面システム -GPS/INS をベースにした移動式射程追跡/指令

破壊システム-高度な精密攻撃機設計-再突入時プラズマブラックアウト後の GPS再取得 -戦略級のマルチミッション GPS/INSシステム

宇宙センサ画像、GMTI および DTED の戦場攻撃作戦上の効用評価

宇宙資産の補給消耗品の保存

宇宙輸送用固体ロケット技術の促進-固体ロケット技術-低コスト /低危険推薬

-ブースト後制御システム

潜在的攻撃 /防衛システム-SBL 実証試験-全出力鏡面リレーシステム-精密目標設定支援-KEシステム

パートナ関係構築の機会

 空軍および海軍は、ミサイルの寿命延長および将来の交換を目的としたマルチミッショ

ン慣性航法システム(MMINS)の開発(ドレーパー研究所が担当)に共同出資している。また、

オハイオ大学は、GPS/INS射程計装の公的安全性検定を行うための専門技術を空軍に対し

て提供している。

Page 99: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

98

 空軍および BMDO では、SBL統合飛行実験(IFX)計画に対して共同出資しており、同計

画では、高出力レーザシステムの統合動作、性能及び TBM 目標物に対する殺傷力を実証

するための試験が軌道上で行われる。なお、当該実証試験計画は拡大させて戦力投入ミッ

ションを含めることができる。

宇宙をベースにした高エネルギーレーザシステム

Page 100: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

99

12. マイクロ衛星技術

定義

「マイクロ衛星」または「マイクロサット」という言葉は、伝統的な衛星の縮小規模と軽量化度を桁の単位で測定できるような全く新しい種類の衛星を表す一般的な表現になってきている。また、同用語が生み出された理由は以下のとおりである。

・ 従来の衛星は重量が 1000 kgを超えており、軌道に投入するために中型または大型の打上げロケットを必要とする。

・ 小型衛星は重量が 500 kg程度であり、最も小型の範疇の打上げロケットに適合するものと定義されている。

・ マイクロ衛星は一般に重量が 100~10 kg の範囲の衛星である。

・ ナノ衛星は重量が 10~1 kgの衛星である。・ ピコ衛星は重量が 1 kg未満の衛星である。

超小型化の効果

 超小型化技術は、宇宙機のコンポーネントの小型化と軽量化、およびコスト削減を目的

として既に何年間にもわたって採用されてきている。また、数多くの宇宙機コンポーネン

ト自体も小型化さらには超小型化に役立っている。例えば、

・ 主に戦略防衛構想組織/弾道ミサイル防衛組織(SDIO/BMDO)が過去 10年間に行った投

資の結果開発された、ある種のアプリケーション用の光学カメラおよびリアクション

ホイール

・ 単位サイズおよび単位重量当たりの能力が向上しているデータ処理システム。当該シ

ステムのおかげで、現在はいくつかの宇宙機サブシステム演算機能が 1つのコンピュ

ータに統合されており、宇宙機全体の縮小化に結び付いている。

 「小型化」ということは一般的には「軽量化」を意味する一方で、ある 1つの分野では

小型化が行われた結果通常よりもはるかに大きな比率で軽量化が実現されている。この理

由は、特に宇宙機の大型構造物(例えば、アンテナや太陽電池パネルなど)および衛星本体

自体に複合材をより多く使用するようになっているためである。さらに、宇宙機が小型に

なるほど軌道上での保守用に必要になる燃料の量も少なくなるため、その反作用制御シス

Page 101: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

100

テムも小型化が可能であり、そしてその結果宇宙機をさらに小型化および軽量化すること

が可能になる。

 これらの成果は重要な成果である一方で、一般的には宇宙機の 1つの世代から次の世代

に移行するに際して桁単位の規模ではなく数%すなわちせいぜい数%小型になるにすぎな

い。さらに、これらの小型化および軽量化は、過去 20年間にわたる大規模な投資のおかげ

である。例えば、ある 1つの具体的な運用ミッションを例に挙げると、後継衛星は 15年間

を 1つの世代として最大 50~66%の軽量化が実現される。マイクロ衛星級の宇宙機用に考

え出されている新しい能力および概念が有望であるかどうかを追求するためには同等の期

間と同等のレベルの投資が要求されると思われる。

 いくつかの重要な分野、例えば、電磁放射線の有用な送受信を行うための開口などでは、

物理学の法則が大幅な小型化/軽量化を妨げている。例えば、開口を散在または分散させれ

ば重量を増やさずに分解能を大幅に向上させることができる。しかしながら、散在させて

も信号-雑音比すなわち利得は向上させることができず、この点がほとんどの監視および

通信システムにとっての制約パラメータになっている。さらに、分散型開口システムにす

るために多数のより小型の衛星を使用した場合には、追加の衛星間通信および、通信用の

アンテナサブシステムと指向サブシステム、追加のデータ処理、およびエネルギーの増大

化が要求されることになり、システム全体を小型化および軽量化することによって達成し

た成果が減少してしまう。一般的には、運用可能なシステムが有効なデータ処理、通信、

そして今度は推進を実現させるためには大量のエネルギーを必要とする。太陽エネルギー

を集める上で十分な太陽電池および開口は、効率は向上しても引き続き大型のままになる。

このため、今日までに達成されてきた成果は、革命的というよりも進化的なものである。

 現段階においては、超小型化の達成による利点は以下のとおりである。

・ 設計の革新、複合材料とマイクロエレクトロニクスの使用の増加、製造効率、および

規模の経済による、コンポーネントおよび宇宙機の総コストの低下。

・ より小型かつより軽量の衛星をより小型の打上げロケットに搭載させることによる、

または 1つの打上げロケットでこのような衛星をより多く軌道にまで運ぶことを可能

にしたことによる、軌道までのコストの大幅な低下。

・ 同じまたは類似したミッション上の性能をより小型の(ただしより多くの)宇宙プラッ

トフォームによって達成させることが可能になっている場合が多い(ただしすべてで

Page 102: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

101

はない)。この場合には、より小型の衛星が既に軌道上に投入されている衛星と交換ま

たはそれを補強する場合と、これらのより小型の衛星を即応緊急打上げ用の予備衛星

とする場合がある。

・ 衛星の数が増加しかつこれらの衛星群が対話型船隊の能力を備えているおかげで、マ

イクロ衛星級の衛星が新たなミッションまたは専門ミッションを遂行、または同じミ

ッションのうちのいくつかをより良く遂行することが可能になりつつある。

 これまでに達成された超小型化の利点のほとんどは既存の衛星が対象であるが、現在の

技術超小型化傾向が続くのに伴い、マイクロ衛星、ナノ衛星、さらにはピコ衛星の作戦上

の配備の予測が一般的になってきている。将来については、マイクロ衛星自体の効用およ

びこれらのマイクロ衛星によって可能になる新たな運用概念は、これらのマイクロ衛星の

実行可能性および効用を漸進的に確立させることを目的とした一連の技術実験に左右され

る。これらの要因に関する評価結果を以下に要約した。

 より具体的かつより長期的には、以下の目的のために適切な重量、大きさおよび能力の

マイクロ衛星を検討中である。

・ 緊急作戦中または戦域作戦中に既存の衛星群を補強する

・ 特殊目的のミッションまたは範囲が限定された「すきまの」ミッション、例えば核爆

発(NUDET)の検出などを遂行する

・ いくつかの宇宙ミッションを遂行するに際して分散型または多機能型のプラットフォ

ームとして稼働する

・ 宇宙での防衛上または攻撃上の対抗措置用に追加のプラットフォームを提供すること

によって宇宙のコントロールを支援する

・ 上記の項目と関連して、以下のような新たな革新的運用概念を可能にする独自の能力

を提供する

Page 103: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

102

STG ミッション範囲全体における超小型化の効果

宇宙輸送 衛星運用測位、航法、およびタイミン

グ(PNT)

コマンド&コントロール

および通信(C3)

情報、監視、および偵察

環境モニタリング

宇宙のコントロール

戦力投入

小型化

/ 軽量化

=・ 

1回の打上げ当たりの衛星

/ ペイロード数が増える

・ ペイロードの打上げロケットの小型化

= 宇

宙へのアクセスコストの低下

宇宙

へのアクセスコストの低下

宇宙

へのアクセスコストの低下

宇宙

へのアクセスコストの低下

小型化/軽量化=・ 既存の衛星に搭載するペイロード数が多

くなる= マルチ・スペクトルセンサ、昼夜かつ マルチ・スペクトルセンサ、昼夜かつ マルチ・スペクトルセンサ、昼夜かつ マルチ・スペクトルセンサ、昼夜かつ

全天候においてカバレッジが向上する全天候においてカバレッジが向上する全天候においてカバレッジが向上する全天候においてカバレッジが向上する・ より小型の衛星

= センサが地球規模で連続的にカバー センサが地球規模で連続的にカバー センサが地球規模で連続的にカバー センサが地球規模で連続的にカバーするするするする

= 保護、拒否、無力化オプション 保護、拒否、無力化オプション 保護、拒否、無力化オプション 保護、拒否、無力化オプション

小型化/軽量化=・ 追加ペイロード(支援用センサ、リ

ンク、消耗品)= 地上作戦を直接支援、宇宙に 地上作戦を直接支援、宇宙に 地上作戦を直接支援、宇宙に 地上作戦を直接支援、宇宙に

おける対抗作戦上の選択肢おける対抗作戦上の選択肢おける対抗作戦上の選択肢おける対抗作戦上の選択肢

マイクロ衛星が新しいパラダイムを可能にする、マイクロ衛星が新しいパラダイムを可能にする、マイクロ衛星が新しいパラダイムを可能にする、マイクロ衛星が新しいパラダイムを可能にする、例えば、例えば、例えば、例えば、・ 特殊目的用の能力またはすきまの能力・ 軌道上での整備、修理、補給・ 衛星群、ハブとノードの関係

アプリケーションの

連続体

すべてに役立つすべてに役立つすべてに役立つすべてに役立つ超小型化超小型化超小型化超小型化

・ 既存の衛星から新型の超小型衛星にいたるすべての

衛星が対象

小型化

/ 軽量化

=・ より多量の燃料を搭載可能になり、マヌーバの

可能性が向上する

=  軌

道上

での寿命

が延

びる、効率

が向上

する、

 軌

道上

での寿命

が延

びる、効率

が向上

する、

 軌

道上

での寿命

が延

びる、効率

が向上

する、

 軌

道上

での寿命

が延

びる、効率

が向上

する、

および交換

のための打上

げが少

なくなる

および交換

のための打上

げが少

なくなる

および交換

のための打上

げが少

なくなる

および交換

のための打上

げが少

なくなる

小型化/軽量化=・ より大型の衛星により多くの

ペイロードを搭載する・ 小型の衛星ほど効用が大きい

= 多機能性、強固さを向上さ 多機能性、強固さを向上さ 多機能性、強固さを向上さ 多機能性、強固さを向上させる上での選択肢が増えるせる上での選択肢が増えるせる上での選択肢が増えるせる上での選択肢が増える

・ マイクロ衛星群=    PNT ノードおよびノードおよびノードおよびノードおよび C3 ノードノードノードノード

が増えるが増えるが増えるが増える= 宇宙基盤を全域に配備でき 宇宙基盤を全域に配備でき 宇宙基盤を全域に配備でき 宇宙基盤を全域に配備でき

るるるる

実現可能化技術

 現在進行中の技術計画のうちの多くは、衛星およびそのサブシステムに関して実現させ

る必要がある小型化、軽量化および省電力化が対象になっており、以下のような項目が含

まれている。

・ 比インパルス(Isp)を向上させかつ総速度変化(deltaV)を大きくする高度マイクロ推進

システム(推進質量効率および宇宙においてある 1 つの場所から別の場所に移動する

ために必要な努力)

  - エンジン/装置: 電気、太陽、熱、化学

  - 燃料/推薬

・ マイクロ慣性姿勢検知/制御サブシステム

・ 衛星による自主的な制御(以下の項目が可能になる)

  - 編隊飛行

  - 超接近マヌーバ

・ 軽量かつ効率的な電力システム

  - 慣性エネルギー保存(はずみ車)

  - 燃料電池

Page 104: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

103

  - リチウムイオン/ポリマバッテリ

  - 超軽量な展開太陽電池/アレイ/コンセントレータ

・ 比電力が高い電力サブシステム

・ 軽量、多機能構造

・ 高精密なマイクロロボット装置

・ 衛星上での処理

・ マイクロ航行システム

・ 高密度相互接続電子機器

  - 放射線に対する補強が行われたマイクロプロセッサ

  - データ保存容量が大きい光学バス

  - 超伝導電子機器

・ モジュール式電子機器

・ スケーラブルで、電力効率の高い超小型化電子機器および機構

  - 光ファイバ、オプトエレクトロニクス、フォトニクス、マイクロ電気機械システ

ム(MEMS)など

・ 超小型化熱制御/管理機器および概念

  - 極低温冷却器

  - ヒートパイプ

  - 超伝導電子機器(極低温冷却を不要にする)

・ 軽量の能動/受動センサ

  - 電子操作可能な固体ビーム

  - 効率的な送受信モジュール

・ 低コストの製造工具および製造技法

 

 これらの技術努力のうちでマイクロ衛星を具体的な対象にして追求しているのはほとん

どないが、マイクロ衛星という概念は、ミッション上のアプリケーションおよび能力を飛

躍的に進歩させる上での促進要因になっている。このような 1世代に及ぶプロセスの相互

に関連したテーマを下図に示した。

Page 105: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

104

オービタル・エクスプレス概念

通信アンテナ

  親衛星

ドッキングポート

レンジセンサおよび十字線

20 kgペイロードバスシステム

補給衛星太陽電池アレイ

電子コネクタ

技術概念から配備した能力まで

超小型化技術

運用概念

ATD

ACTD

ロードマップ

システム取得

CONOPS

現時点

既存のシステム

将来のシステム

より良い運用

多機能

小型化

低コスト

特殊目的

新しい運用

実証試験および開発技術実験アプリケー

ション

先端能力

新パラダイム

現時点では、DoDはマイクロ衛星級の衛星については相対的に探査の初期の段階にある。

このため、どのシステムおよび運用概念も追求して最終的に成就させるためには数年間に

わたるプロジェクトの結果が必要になる。同時に、長期的に得られる見返りが非常に大き

いため、現在は様々な実験および初期の技術実証試験に対して出資されている。以下の節

ではこれらの実験および実証試験について要約してある。

Page 106: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

105

マイクロ衛星技術に関する現在のアプリケーション

スペースシステム実証テストベッドスペースシステム実証テストベッドスペースシステム実証テストベッドスペースシステム実証テストベッド

 マイクロ衛星は、宇宙システム開発者に対して先端技術についての実証試験および宇宙

に適しているかどうかの検定試験を低コストで行う 1つの方法を提供している。これらの

計画については NASA および DoD の両方が様々な計画を定常的に実行しており、最近の

計画としては、アリアン二次ペイロードリングを用いて STRV-1Aおよび STVR-1Bの 2個

のマイクロ衛星を静止トランスファ軌道上に投入した米英共同計画、スペースシャトルの

「ヒッチハイカー」実験機器として LEOに打上げられた衛星である AFRL MightySat I(68

kg)、および、軌道/軌道外計画のミノトールで打上げられた 300 lbのMightySat II.1を挙げ

ることができる。

 これらのミッションでは、高性能センサ、宇宙環境モニタリングおよび超小型化された

高性能サブシステムについての実証試験を行っており、マイクロ衛星が DoDの精巧な低コ

スト宇宙技術試験用プラットフォームとしての価値を有することが示されている。

多機能構造

Page 107: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

106

 将来の宇宙機の設計および製作に革命を起こすことが有望視されている効果の大きい技

術の 1例として多機能構造がある。当該アプローチ法では、ケーブルおよび相互接続器の

代わりに多層銅/ポリミド膜およびフレックスジャンパー線を構造用基板上に接合するこ

とになり、ケーブルを使用しない宇宙機となる。多機能ネットワークの各層はそれぞれ特

定の機能(電力、アース、制御、およびデータ通信)を果たす。当該構造には宇宙機のバス

機能のうちのほとんどを組み込むことが可能である。また、電子コンポーネントは、プリ

ント基板および関連するエンクロージャとブラケットを使用せずに宇宙機構造に直接取り

付けるため比類がないほど重量を節約できる。システム研究では、多機能構造およびその

他の新たな技術(例えば、高性能のマルチチップモジュール、薄膜光電池太陽アレイおよび

固体バッテリなど)の応用により典型的な衛星の乾燥重量を 1/10 にすることが可能である

ということが実証されている。

 ペイロードセンサに関しても同様の技術投資が行われており、例えば、センサピクセル

アレイに嵌合されたニューラル処理チップを統合させること、超小型の送受信モジュール

とMEMSスイッチを RFアンテナパネル内に組み込むこと、および関連する電子機器の超

小型化などを挙げることができる。他方、代替ペイロードとしては、打上げ用に小さいパ

ッケージにすることが可能な膨張式アンテナが含まれており、さらに、関連する技術努力

は、宇宙に対する耐久性を備えた膨張式材料、硬化プロセス、および膨張用システムの超

小型化などである。

共同作業および分散処理

Page 108: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

107

 マイクロ衛星が編隊を組む場合には、それぞれのマイクロ衛星の相対位置を知ることお

よび当該編隊を長年にわたって維持できるようにすることが必要になる。能動的な研究分

野としては、GPS/通信/測距の統合、マイクロ推進、および最小限の燃料による編隊飛行な

どがある。また、衛星の編隊に対して応用可能であるかどうかを探るために鳥の群集行動

について科学者が調査中である。さらに、当該編隊内に並列演算ネットワークを構築する

ことによって軌道上での処理効率を最大にすることを目的とした最適なデータ伝送戦略お

よび処理戦略についても検討中である。これらの処理アルゴリズムは、編隊に組み込まれ

ている衛星の損失または追加、ミッション上の優先順位とスケジュールの設定、さらには

代替ミッション用に当該編隊を再構成することに対処できるような柔軟性を備えている。

さらに、複数のマイクロ衛星が大型の一体化された衛星に取って代わることが可能である

ため、必要となる地上での制御を軽減させるための自主制御アルゴリズムを開発中である。

自主的接近作業

 軌道上で整備が行えるようにする上で極めて重要なことは、自主航行、非常に接近した

状態でのマヌーバ、およびフェイルセーフの衝突回避である。ニューラルをベースにした

アプローチ法は過去 20年の間に学習率および運用性能を着実に向上させてきており、主宇

宙機の識別と方位の決定、インターセプトの最適化およびソフトドッキングを自主的に行

うことが可能になる。しかしながら、予測可能な将来について言えば、国家の宇宙資産に

接近した状態で操縦を行うためには、リスクを最小限に抑えるため一連のプロセス内に人

間が関与した形で作業を行うことが依然として必要になると思われる。

軌道上での整備(検査、供給、および修理)

Page 109: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

108

 有能な整備用マイクロ衛星は、衛星上での検査、新しい機器の引き渡し、および修理を

行うことによって衛星の寿命を延ばすことまたは能力を向上させることが可能である。修

理の対象となる衛星は、パソコンの拡張スロットとほとんど同じように、オープンアーキ

テクチャおよび外部ポートを備えた設計になる。整備用マイクロ衛星は、主衛星のオープ

ンポートと自主的にドッキングする。また、新しい機器は、プロセッサ、メモリユニット、

またはバッテリと同様に認識されてシステムが再コンフィギュレーションされ、「プラ

グ・アンド・プレイ」方式で稼働できるようになる。マイクロ衛星によるその他の修理例

としては、光学機器の除染、コーティングの再塗布、弱い構造物または損傷した構造物の

補強、および継手の潤滑などがある。これらのグレードアップによって衛星の運用寿命が

延びることになり、さらには、常に変化している技術、脅威、およびミッション上の要求

に常時対応した状態を維持する。なお、上記に代わる検査/修理方法として小型の補助衛星

を使用する方法があり、この場合には、当該補助衛星を主衛星といっしょに打上げ、必要

に応じて切り離して整備を行う。

低コストでの製造

 マイクロ衛星構想を実現させる 1つの重要な要因として、コストを 1/10にまで削減する

ことがある。今日の衛星は非常に高価な特別のシステムであり、繰り返し投入されること

がないエンジニアリング上および仕上げ上の労働力が相当程度費やされている。各種のマ

イクロ衛星を低コストで大量製造できるようにするためのモジュール化戦略および自動製

造プロセスを開発する必要がある。イリジウムおよび OrbComm などの商業衛星群は既に

この方向に向かって第一歩を踏み出している。

 DoDでは、当該アプローチ法を利用して、マイクロ衛星の設計コストと製作コストを最

小限に抑えることを目的とした研究を最近始めている。現在は、限定生産品(例えば、高価

なジェット、最高級の自動車、およびミサイルなど)用に応用されている既存の設計上およ

び製造上のアプローチ法を促進させることによって、非常に複雑なマイクロ衛星の 1個当

たり 100万ドル以下のコストで 100個単位で製造する可能性を実証することが戦略になっ

ている。マイクロ衛星はこのように低コストであるため、非常に広範な軌道上での検査、

監視、および、期間が数日間または数週間のその他のミッションのために使用可能であり、

基本的に使い捨て型であるとみなすことができる。

Page 110: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

109

宇宙空間戦術的検知

 マイクロ衛星は、能力が拡大しかつコストが低下するのに応じて、LEO上に敏速に配備

する上で理想的な暫定的低コスト宇宙資産となる。ミッション例としては、米国軍用の敏

速対応型 SIGINT、低解像度画像撮影、通信中継器、SAR、および MTI などを挙げること

ができる。このようなモニタリング用に利用可能な国家資源は、必要となるカバレッジを

確保する上で適切に測位されていない場合や、その他の優先順位の高い目的のために先有

されていることがしばしばある。期間が限られたミッションを遂行するために適切に選定

された軌道上に画像撮影資産を速やかに投入できるということは、戦場の司令官にとって

極めて貴重なこととなる可能性がある。さらに、画像撮影用マイクロ衛星は、その他のリ

モート・センシングシステムの利用ができないような災害救助作業や平和維支援すること

も可能である。

低コストかつ敏速なマイクロ衛星打上げ能力:

 マイクロ衛星を用いた戦術的監視を可能にする 1つの重要要因は、必要に応じて打上げ

を行うことができるようにすることである。1 つの短期的な解決方法として、空中発射ミ

サイルを用いて敏速にかつ低コストで宇宙にアクセスする方法がある。AFRL において実

施されている初期の研究では、F-15から発射した 3段式ミサイルによって 30~40 kgのペ

イロードを数時間以内に LEOに投入する可能性について検討している。マイクロ衛星は、

射場に保管して数時間で打上げ準備を完了させることができ、さらには必要なミッション

に合わせて再コンフィギュレーションができるようなモジュール方式でかつ堅固なものに

構想されている。さらに、必要に応じた打上げについては、破壊されるか損傷した資産と

交換するためまたは高需要時に敏速に追加するための増強資源が確保される。その他の用

途としては、機能不良状態の衛星の軌道上での敏速な検査および修理や未知の衛星の検査

Page 111: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

110

などがある。なお、当該概念は、既存のミサイル技術を用いたさらなる探究によって、1980

年代の初めの対衛星(ASAT)計画の下で完了されている重要な開発のてこ入れが可能であ

る。

AFRL実験衛星システム(XSS)

 XSS 計画は、1996 会計年度に開始されたクレメンタイン II マイクロ衛星技術計画を生

み出した DoD、DOEおよび BMDOの共同活動から発展した計画である。XSSは、現時点

では、レベルが徐々に高くなってきている軌道上での自主的検査、ドッキング、および整

備についての実証を目的とした飛行実証段階にある。鍵を握っている技術は、高性能推進

能力、自主的接近アルゴリズム、および次世代光学センサである。XSS-10では、当該衛星

システムを配備したデルタ第 2段のランデブー、接近マヌーバ、および目視検査について

実証する。

分散型衛星システム

Page 112: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

111

 非常に有能なマイクロ衛星によっていくつかの分散型衛星概念が可能になる。このよう

な概念の中には、複数の衛星が編隊を組んで協力して 1つの大型の衛星の機能を遂行する

という構想がある。個々の小型衛星はその他の小型衛星と連絡を取り合い、処理、通信、

およびペイロードに関する任務(またはミッションに関する任務)を共有する。必要な機能

は編隊を組んでいる衛星全体間で分担され、すべての衛星がまとまって 1つの「仮想衛星」

を形成する。これらの編隊に関する 1 つの重要な側面は、1 つの大きな開口を合成できる

ことである。なお、これらの衛星は物理的には接続されていないため、大きなベースライ

ンにわたって切り離すことができる。このような機能は一体式開口では実行不能である。

 当該システムアーキテクチャは、適応性、信頼性、および生存可能性の点でも魅力的で

ある。例えば、衛星群の幾何および衛星群内の衛星数のいずれも固定されていないため、

宇宙レーダを用いた移動中の目標物表示(MTI)、移動式通信、電波妨害に耐性のある通信、

地球を基準にした正確な測位、または信号情報(SIGINT)などのミッションに合わせて衛星

群の構成の変更が可能である。さらに、これらの仮想衛星の潜在的な可能性の増大は、価

値およびコストが高いミッションにとっても魅力的であると思われる。システムの性能は、

今後段階的な配備が進むのに応じて徐々に改良されていくか、または出現してくる脅威ま

たは世界の情勢に合わせて能力が調整されていくと思われる。配備コストについては、受

け入れ可能で常に向上するレベルの性能は依然として確保しながら数年間に分散させるこ

とが可能である。同様に、当該編隊内の衛星が 1個以上失われてしまってもシステムの性

能に対しては限定的な影響しか及ぼさない。

AFRL TechSat 21計画:

 空軍研究所(AFRL)では、当該分散型衛星システムを実現可能にするために必要な技術の

開発を目的とした TechSat 21計画を開始させている。AFRLでは、技術上の必要事項を明

確にするためおよび従来のアプローチ法と簡単に比較できるようにするための 1つの基準

ミッションとして散在開口検知を選択している。

 現在は、散在開口信号処理、マイクロ推進、編隊飛行、協力的制御、電離層の空間上の

影響、および宇宙機用MEMSに関する基礎研究を実施中である。また、技術に関しては、

軽量かつ低コストのマイクロ衛星、特に、協力的編隊を組む上で重要な技術(例えば、正確

な差動的 GPS測位、衛星間の測距と通信、高性能電力システム、軽量の段階式固体アレイ

アンテナ、マイクロ推進、高度な電子機器パッケージング、多機能構造、および高度な熱

Page 113: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

112

制御など)に注力されている。当該計画の究極的な目標は、分散型衛星システムの主要な特

長が妥当であるかどうかを確認するために2003年の初めに打上げられる3個のマイクロ衛

星の飛行実験を行うことである。当該編隊は再構成が可能になり、散在開口検知、地球を

基準とした測位、および安全確実な通信を行う。

 代替となる別の分散型衛星アーキテクチャでは、散在的に分散させたマイクロ衛星群ま

たはナノ衛星(1~10 kg)群を用いて、電離圏内の放射線帯でまたは磁気圏との境界まで宇宙

環境の同時並行観測を行う。NASAでは、当該ミッション概念に関して、原子酸素、流星

塵、破片、太陽風、宇宙放射線、および磁場の空間的および時間的測定を行うために様々

なミッション概念を追求中である。

NASA宇宙技術 5(ST-5):

 ST-5 はナノ衛星群先駆衛星と名付けられており、大きさが 16"(横) x 8"(高さ)で重量

が 20 kg の衛星 3個によって構成されている。これらの衛星は、100 個以上の散在分散型

ナノ衛星から成るナノ衛星群が宇宙環境の空間および時間に関する測定を行うことが可能

であるかどうかの実証試験を行う。実験時の目標は、オーロラの三次元図の作製、大口径

天文学ミッション、および地球の立体的な観察などである。これらの衛星には、超小型電

子機器、伸縮可能なブームとアンテナ、通信および姿勢制御用のマイクロサブシステム、

高性能ミニスラスタ、および広範なマイクロ計装が高度な形でインテグレーションされて

いる。なお、当該飛行実証試験は新ミレニアムにおけるミッションシリーズのうちの 5番

目の実証試験であり、2003年に打上げられる。

評価および調査結果

 宇宙機の超小型化自体が目的となっているわけではなく、より高性能でかつより手頃な

コストの宇宙機の確保が究極的な目標となっている。より大型の宇宙機に関しては、コン

ポーネントレベルにおいて超小型化の追求によってこのような目標を既に達成済みであり

(特に、打上げコストおよび軌道上でのマヌーバコストが削減されている)、今後も継続さ

れる。今後は、いくつかの種別のマイクロ衛星(小型衛星よりも小さい衛星)の追求は、新

しい運用パラダイムに結び付くような新しい能力の達成に向かって進む。すなわち、マイ

クロ衛星に関する「ビジョン」は、「取引を機能的に進めるための新しい方法」を生み出す

Page 114: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

113

ことができるような特性と能力を組み合わせることである。

 超小型化電子機器およびその他の衛星サブシステムの着実な進歩と革新的な設計が相ま

って、宇宙ミッションアーキテクチャに関する新しい概念が生み出されつつある。これら

の概念は、現在のシステムと勝るとも劣らない性能を保持する一方で、いくつかの宇宙ミ

ッションを長期にわたって革命的なものにしかつ同等の衛星ライフサイクルコストを 1/10

にまで引き下げることが可能である。

 現在のマイクロ衛星は、1970年代におけるパソコンの場合と同じ状況にある。例えば、

ワークステーションおよびパソコン(PC)のネットワークが最も基本的な処理プラットフォ

ームとして急速にメインフレームに取って代わるようになり、PCのような予測されていな

かった事象を机上に出現させ、さらには 10年間にわたる爆発的な商業インターネット機能

を生み出した。同様に、マイクロ衛星の潜在力および効用についてはまだ表面をなでただ

けにすぎす、国家安全保障上の宇宙という観点で実際にはどのような見返りを得ることが

できるかどうかはまだ不確実な状態である。マイクロ衛星の潜在力を適切に追求するため

には、政府および産業界の両方が予測可能な将来にわたって多額の投資を持続的に行うこ

とによる実現可能化技術の後押し、および(実行可能であることを保証しかつ取得上のリス

クを軽減させるために必要な)宇宙での漸進的な実験と実証試験への出資が引き続き必要

になる。

 要約すると、現時点では、小型であることによって得られる利益に加えて制約事項にも

然るべく留意するようにすればマイクロ衛星は短期的および中期的には特殊なすきまの運

用分野に位置すると予想されているが、長期的にはそしてそれ以降は全く新しい運用分野

に属している可能性がある。

推奨する投資戦略

短期: 超小型化に関わる投資を継続させる。短期的な見返りは、現在のミッション上のア

プリケーションおよび出現中のミッション上のアプリケーション用の衛星が引き続きより

軽量にかつより小型になっていくことである。これらの投資によって得られる成果は以下

のとおりである。

・ 様々なクラスの小型衛星およびマイクロ衛星に合わせて打上げ能力をより柔軟に適応

Page 115: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

114

させることが可能になり、さらには、必要に応じた打上げが可能になる。

・ 全体的な打上げコストを継続的に削減でき、その結果あらゆるミッションにとっての

基礎である宇宙へのアクセスが容易になる。

・ 軌道上での寿命が延びる(特に、コストが低下しかつ機能上の効率が向上する)

・ 多機能ペイロードが増加し、その結果多目的型のミッションが増加する。

・ 貴重な打上げ資産をより多くのペイロードまたはその他のペイロードに開放できる。

中長期: マイクロ衛星のアプリケーションに対する現在の投資を継続させる。これらの投

資によって得られる成果は以下のとおりである。

・ 既存のミッション遂行の向上または補強が可能な新しい能力、および新しいミッショ

ンの遂行を可能にするような新しい能力が生み出される。

・ 運用可能な支援基盤および支援能力(例えば、軌道上での整備、宇宙機の検査とトラブ

ルシューティング、および消耗品の補給など)を宇宙に「常駐」させることができるよ

うになる。

・ 新しい運用概念(例えば、群飛行および編隊飛行、マイクロ衛星 C3、主衛星による支

援、そして、政策上要求された場合には地上作戦および宇宙作戦のための戦力投入支

援など)が生み出される。

Page 116: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

115

13. 宇宙技術実証試験

一般

 技術実証試験はすべて以下の 3つの主目的を有している。

・ 将来の予想される宇宙環境において新しい品目の試験を行う

・ これらの新しい品目を使用するシステムの開発リスクおよび取得リスクを軽減させる

・ 新技術または異なった別の技術が革新的なまたは独自のアプリケーションおよび運用

能力を実現できるかどうかを追求する

 実証試験は通常は本質的に高コストであるが、鍵を握っている技術上のアプリケーショ

ンの技術的な実行可能性と運用上の効用を決定するのに役立ち、それによって取得リスク

の軽減と取得コストの削減の両方が可能になり、その結果元来の実証試験を行う価値の数

倍の見返りが得られる。

 宇宙技術についての実証試験はコストも見返りもさらに大きい。前者については、宇宙

技術の運用環境は宇宙であるため、それぞれの「試験場」(通常は、ミッション上必要な特

性と一致した軌道上)に到達できるようになる前に軌道にまで打上げるための余分なコス

トがかかり、打上げリスクも生じる。後者については、試験品目の性能が合格であった場

合には、リスク軽減の点で大きな見返りを得られることになり、その結果、当該技術は過

度の本質的なリスクを被らずに応用が可能であるという技術的な自信を高めることができ

るようになる。宇宙システムを取得するコストおよび配備コストは巨額であるということ

を考えると、確実性がこのように高くなるということは将来被ることになるコストをかな

りのレベルで回避していることと同じである。このため、コンポーネントレベルから原位

置の宇宙機までにいたる宇宙技術の実証および同様の試験を行うことは、新しい技術と概

念の試験および改良された宇宙能力の取得に関する「取引を国家が行う」上で絶対的に不

可欠である。

Page 117: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

116

評価

 新しい宇宙技術を軌道上で試験する方法はいくつか存在しており、例えば、試験専用の

打上げからその他のシステムの打上げまたはスペースシャトルに搭載した「ヒッチハイカ

ー」などがある。今日の宇宙実験機器は研究所で開発されるのが一般的であり、このうち

のいくつかは研究所で設計された専用衛星に搭載されているが、ほとんどの実験機器は打

上げ資金または宇宙での試験資金のうちのいずれかが不足しているのが現状である。研究

所では、総合的コストの観点からの宇宙試験計画(STP)実行可能性判定基準を満たすために

実験機器を 1つのパッケージにまとめることによって打上げコストに関わる大きな障害を

乗り越えており、この手法が DoDの実験機器の標準モデルになっている。現在は、将来の

システムにとっての「草分け」としていくつかの宇宙技術の実証試験が計画されている(付

属書 G参照)。

 S&T予算はますます制約を受けるようになってきているため、一組の実験機器を支援す

る基本的な宇宙機バス、主宇宙機への実験機器のインテグレーション、打上げコスト自体、

および軌道上での運用コストと支援コストに関する資金はほとんど排他的にSTPに集中さ

れている。他方、STP自体もますます制約を受けるようになってきており、現在は打上げ

サービス需要を満たす能力さえも大幅に限定されてしまっている状態である。例えば、現

在実際に宇宙を飛行中の実験機器の数はこれまでに飛行していた実験機器のうちのほんの

一握りに減少してしまっており、さらにそのうちの大部分は打上げ上の唯一の現実的な選

択肢としてスペースシャトルを使用している。ミサイル防衛計画などの大規模な計画が実

験機器用の資金を提供することになれば、別の計画によって打上げコストが負担されるこ

とになるため有望な「ヒッチハイカー」ペイロードが急増する。

 STPは、潜在的な実験者が現在直面している財力に関する典型例となっている。最初の

出資レベルでは、小型の打上げロケットを 2 年ごとに支援して中型の打上げロケットを 4

年ごとに支援することになっていた。また、関係する打上げ支援コスト、ペイロードイン

テグレーションコストおよび地上支援コストも含まれていた。さらに、実験機器をスペー

スシャトルに搭載して輸送する資金も同様に予算化されていた。今日では、STP予算は横

ばいまたは減少している一方で、2 種類の打上げロケットのコストは 30%以上も増大して

おり、このことが原因で STPが現在および将来の防衛ミッションを支援する能力が大幅に

低下してしまっている。

Page 118: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

117

 DoDでは、実験機器を打上げるための手段として特殊なペイロードアダプタまたは「カ

ラー」の既存の打上げロケットでの使用を探究してきており、これらのアダプタまたはカ

ラーが打上げ待機中の実験機器の予備を減少させるの役立つはずである。しかしながら、

別のペイロードを打上げロケットに追加すると必ず主ペイロードが被るリスクを上昇させ

てしまう。DoDでは、将来の進化型使い捨て型打上げロケット(EELV)発射装置の実験機器

打上げ手段としての使用を期待しているが、EELV のフェアリング内で利用可能なスペー

スに限定されてしまうことになり、さらには主ペイロード用に計画されている軌道までし

か輸送されない。

 宇宙向けの高度技術実証試験(ATD)および高度概念技術実証試験(ACTD)に関しては、既

存のペイロードを用いて新しい概念およびアプローチ法の妥当性の確認に集中する傾向が

あり、一般的には実験機器を飛行させるための支援元にはならない。

調査結果

・ 1990 年代に S&T 資金が減少したことが原因で、宇宙における実証試験が可能になる

ほど成熟した技術は以前よりも少なくなってきている。このような状況と衛星コスト

および打上げコストの上昇が相まって問題を悪化させてしまっている。宇宙での重要

な実証試験ミッションはこれまでは年平均 2回以上であっが、現在は 1年間に 1回以

下にまで落ち込んでいる。現在は DoDが S&T資金を増額させているが、短期的には

宇宙での実証試験の遅れが続く。

・ ほとんどの S&Tミッションは、現在はスペースシャトルまたは重要な防衛システムの

打上げに依存しており、主打上げロケット内で利用可能なスペースに応じて実験機器

が収容されている。なお、スペースシャトルが引き続きほとんどの実験機器にとって

の主飛行手段となっており、低コストおよび利用可能性が鍵を握っている。

・ ペイロードアダプタを使用すれば、利用可能な打上げロケットに宇宙実験機器を組み

込むことが容易になる。

Page 119: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

118

高度研究・全地球観測衛星(ARGOS)

超高層大気の観測および技術の実証試験を行う今日までで最大の空軍研究開発衛星

コリオリは、NPOESS環境センサのリスク軽減を支援中であり、太陽活動のモニタの実証試験も行う

コリオリ

Page 120: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

119

14. 要約

アプローチ法および活動

 DoDは、2000会計年度国防権限付与法第 1601条に準拠して本宇宙技術ガイド(STG)を作

成した。当該 STGの総合目標は以下のとおりである。

・ 今後の 20 年間およびそれ以降に出現する防衛上の宇宙システムおよび宇宙ミッショ

ンを支援する実現可能化技術技術について研究しかつ特定する

・ 米国が 21 世紀に入っても長期にわたって宇宙における卓越を確実に継続させるために

「達成させなければならずかつ正確に成し遂げなければならない」重要実現可能化技術

を明確にする

 米国が現在保持している宇宙に関する能力はまさに過去数十年の間に開発された技術の

結果として獲得されたものであるため米国の将来の能力は現在開発中の技術に左右される

という観点から、STGの対象期間は 2020年頃までの 20年間となっている。さらに、DoD

は、商業的にも軍事的にも宇宙への進出がますます活発になってきている世界において米

国が優位な立場を維持できるように、国家安全保障上の宇宙目標を達成させる上での最も

大きなはずみになる技術の開発に重点を置く必要がある。

 現在進行中または計画中の数多くの宇宙関連技術を最初に特定してその後に選定するに

際しては以下のような手順に従った。

・ 防衛宇宙計画の立案を担当するグループのトップレベルの文書を参照し、将来の作戦

上のニーズ、概念および技術に関する展望を検討、確認した。

・ S&T界の文書を調査し、DoD内およびその他の連邦政府機関内における必要不可欠な

技術プロジェクトを明確にした。

・ 宇宙産業界の見解および構想を求めた。

・ 政府機関間での協力によって追求中の技術分野およびプロジェクトを明確にした。

Page 121: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

120

 さらに、議会が関心を有する以下の 2つの分野にも注目している。

・ マイクロ衛星技術-これまでもコンポーネントおよび宇宙機を超小型化する傾向があ

り、これらのマイクロ衛星技術はその流れの中で出現したものである。

・ 宇宙技術実証試験-相対的なコストが増大して頻度が低下してきており、宇宙への打

上げに関して現在はその他の計画の打上げ機会またはスペースシャトル上のスペー

スに大きく依存している。

調査結果および観察結果

・ 米国が国家安全保障上の宇宙能力に卓越した状態を継続させるべく貢献している実現

可能化技術は非常に広範囲に及んでおり、S&T分野の多くの部分がこれらの技術によ

って網羅されている。これらの技術のうちいくつかは宇宙専用の技術であるが、その

他のほとんどの技術は広範囲に及んでおり、地上および宇宙において継続的に応用さ

れてきている。これらの技術は、重視度がそれぞれ異なっておりかつその他の連邦政

府機関とパートナ関係にあることがしばしばあるが、国防総省がその研究資源および

先端技術資源の大部分を投資している宇宙関連技術である。

・ このような非常に数多くの技術の中に、複数のミッション分野を支援しているだけで

なく相対的に短期間で能力を大幅に向上させることを可能にするような方法で当該

支援を行っている分野横断的な選りすぐりの技術が存在している(この場合には、飛躍

的な発展を遂げて新しいレベルの能力またはシステムの有効性を実現させ、そしてそ

れによって投資収益を増大させることが可能な技術のみを選抜した)。これらの技術を

重要実現可能化技術と呼んでおり、p.14-2に記載してある。

・ 宇宙産業の代表者によって提供された情報およびその他の情報によると、政府専用の

技術や商業的に実現不可能な技術も存在している。このような技術の開発および応用

の場合、政府がその投資を行わなければならない。例えば、センサのアプリケーショ

ンの多くは政府専用のアプリケーションであり、このため政府のみが出資している。

同様に、政府のミッションにとって不可欠であるが商業利用も可能であると思われる

ような技術も存在している。しかしながら、これらの技術の開発コストがあまりに高

すぎるため、これらの技術を 1つの事業として商業的に成熟させることはできない。

Page 122: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

121

このような例としては、全地球測位システムや新しい推進概念または開発などを挙げ

ることができる。(重要実現可能化技術を特定する際にはこれらの民間部門の意見も考

慮した。)

・ パートナ関係という考え方を慎重に考察、検討および実践しなければならない。政府

内でのパートナ関係は通常は良好に機能している。政府は、空軍宇宙司令部、国家偵

察局および航空宇宙局パートナ関係審議会の間で宇宙技術同盟を結ばせさらには宇

宙試験計画によって諸パートナ関係の仲介を行うことによって非常に多くの生産性

の高い共同作業を促進させてきており、これらの共同作業のおかげで重複を最小限に

抑えることができかつ共同資源を有効に活用することが可能になっている。他方、産

業界と政府間のパートナ関係の場合は、政府は国家政策上の考慮事項に基づいて行動

し、産業界は経済市場の諸要因に基づいて行動するため政府内でのパートナ関係ほど

良好には機能していない。繰り返しになるが、国家安全保障上の宇宙について要求さ

れる事柄は独特の事柄であることが多く、他方産業界にとってはどう見てもリスクを

伴った事業である。産業界と政府の間のパートナ関係が最も有効な分野は、一般的に

は、企業が共同投資を容易に促進させて各自の商業市場区分および戦略計画への投入

が可能な分野(例えば、打上げロケット推進技術、宇宙機バス技術および宇宙機推進技

術など)である。これらの活動は、DoD の観点からは、高利得統合ロケット推進技術

計画(IHPRPT)などの政府と産業界が出資する調整済み計画によって促進されてきて

いる。

・ マイクロ衛星技術へ投資した場合の短期的な投資収益は、超小型化技術を既存のシス

テムに応用して性能および/または能力を向上させることができるという点である。例

えば、構成機器がより小型になりかつより軽量になるほどより多くの燃料の搭載が可

能で、その結果軌道上での寿命も延びる。このような利益は即時に得られる利益であ

り、短期で達成させることが可能である。長期的には、マイクロ衛星は特殊な目的の

場合および「すきまの」役割を果たす上で重要な貢献が可能であると予想している(例

えば、非常に重要でかつ費用対効果が高い新たな運用能力を可能にすることなどを挙

げることができる)。例えばマイクロ衛星群は、緊急時に再訪問回数を増やして画像の

補強が可能である。しかしながら、かなり長期的な場合でも、すべての範囲の国家安

全保障ミッションに対してマイクロ衛星の応用は不可能であると思われる。さらに、

予測できる範囲の将来については、物理学の法則によってある程度の制限を受けるた

Page 123: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

122

めプラットフォームをより大型にすることが必要になる。

・ 主要懸念事項。宇宙空間技術に関する大規模な実証試験は、主に予算上制約が原因で

回数が減少し続けることが予想される。打上げ区分のコストは管理可能であるとして

も、大規模な実験および実証試験は高コストになるのが一般的である。軍事科学ペイ

ロードは、その他の重要なミッション(例えばミサイル防衛ミッション)が主ペイロー

ドになってコストの大部分を負担するときに軌道に到達する。このような方法を採ら

ない場合には、実験機器を地上で試験しなければならないか(この場合には大きな制限

を受けることになりかつリスクも存在している)、または、予算上の優先度を理由に個

数を減らさなければならないか、もしくは、資金が限られているため優先する必要が

ないとみなされたときには取り消さなければならなくなってしまう。

 本 STG自体が、FYDPをはるかに越える期間にわたる技術予測に焦点を合わせることに

よって基本的に制約のないアプローチ法を設定しているが、今後の 20年間における資金調

達上および予算上の掛かり合いについて明確に対応する立場にはない。また、数多くの有

望な分野に対する資金を増額させれば成功する可能性を大幅に高めることが可能である一

方で、金銭だけでは特定の S&T の飛躍的な発展を確実なものにはできない。逆に、S&T

計画をバランスのとれた形でかつ着実にに支援するようにすれば成功する確率が最大にな

りさらには防衛上の宇宙能力を最も柔軟な形で発展させることができる。

Page 124: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

123

重要実現可能化技術

・ 推進/推薬 - 先端極低温技術 - フルフローサイクル - 高性能固体ロケットモータ(SRM) - 混合サイクル(吸気エンジン+ロケッ

ト) - 電気(ホール効果、イオン、プラズマ

スラスタ) - 太陽熱/化学 - 高エネルギーで、危険度が低くかつ

無毒な貯蔵可能推薬・ 電力  (太陽/化学/機械、すなわち電池/バッテ

リ/フライホイール) - より高いエネルギー密度および効率 - より長い寿命、より大きいデューテ

ィサイクル - 軽量、熱的に安定・ 構造物および材料 - 軽量、高強度の複合材およびセラミ

ックス - 多機能、適応型構造 - 加工技法 - 振動および熱の制御 - 薄膜および環境保護コーティングお

よび断熱・ 「考える」衛星 - 自主制御 - 自己評価/補正 - 脅威検出 - 搭載スーパーコンピュータ演算 - 軌道上ロボット工学・ より正確な時計/時間基準 - レーザー/光学、原子時計・ 通信 - レーザー通信 - 広帯域マイクロ波/ミリ波

・ アンテナ - 大型、軽量、制御可能、適応型宇宙時間 - より高い周波数 - 操作可能なビーム位相アレイ - 効率がより高い増幅器・ 合成開口レーダ(SAR) - 大型、軽量、高出力 - 干渉計使用法・ 電気光学(EO)センサ - 大型、軽量、展開可能かつ安定した適応型

光学 - マルチ・スペクトル、ハイパ・スペクトル

およびウルトラ・スペクトル - 大規模かつ高分解能の焦点面アレイ(FPA) - 軽量、超寿命かつ高効率の極低温冷却装置 - 非冷却検知物質・ 信号処理装置(送受信機) - より高い信号雑音比 - より高密度の機器および回路 - より高効率のアナログ/デジタル(A/D)変換 - 先端暗号化技術・ 超小型電気機械システム(MEMS)/マイクロエ

レクトロニクス/フォトニクス - スイッチおよびアクチュエータ - ジャイロスコープ(例えば、光ファイバ・ジ

ャイロなど) - 慣性測定装置(IMU) - 加速度計 - 非揮発性論理およびメモリ - オプトエレクトロニクス・ 放射線に対する補強 - 技法およびコンポーネント - メモリ、プロセッサ、半導体材料・ 地上での処理 - データ融合 - 高度処理アルゴリズムおよび利用アルゴ

リズム これらの重要実現可能化技術は国防総省による活動の総合的な焦点となっており、宇宙に関して長期的な卓越性を維持する上で不可欠な技術であるとみなされている一方で、DoDの構成要素(機関および研究所)全体において実施されている広範な S&T作業を犠牲にしてまで追求すべきではない。なお、これらの DoDの構成要素の多くは本 STG内では具体的には示していないが、様々な成熟段階において宇宙に関する重要な潜在力を備えている。

Page 125: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

124

宇宙軌道移動ビークル(SOTV)高エネルギー移動ビークル

収集した勧告事項

1. 現在のニーズおよび今後のニーズを満たすために宇宙技術を広範囲にわたって応用す

る際に幅広くかつ柔軟な形で支援できるようなバランスのとれた S&T 計画を追求し

続けること。

 - このような幅広い S&T計画を追求するに際しては、より広範な商業基盤をてこにし

て政府のアプリケーションを促進できるように民間部門における進歩の適宜導入

を継続させること。

 - 打上げコストの削減、軌道上での寿命の延長、交換衛星の性能向上、すべての大き

さの衛星を対象にした新しい能力の導入、および新しい運用規範の作成を実現させ

るために構成機器(コンポーネント)の超小型化を継続させること。

 - 信頼性、耐久性、およびペイロードの柔軟性と再コンフィギュレーション性を向上

させるために先端技術への投資を持続させること。

 - 構成機器に関する技術の証明し、軍事的効用の実証に照準を合わせた実験および実

証試験を通じて、マイクロ衛星概念を追求すること。

2. 上記した重要実現可能化技術分野に十分な政府資源を投入し、当該技術をシステムお

よび運用に関して応用する際にタイムリーな形で利用できるようにすること。

Page 126: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

125

 - 民間部門による技術投資を可能な限り促進させること。ただし、国家安全保障上の

アプリケーションでは独特な特長および能力が要求される分野が存在しており、こ

れらの分野に関しては政府が開発を主導しなければならないということを認識す

べきである。

 - このような複数の分野にまたがる技術を必要なときに利用できるようにするため、

重点的でかつ安定した投資を行うことが一般的な条件となる。

3. 技術移転を容易にするため、不可欠な技術の応用、成熟化および軍事的効用の証明を

行う上での重要な一環として宇宙実験および実証試験用の組織の構築および予算化

を継続させること。

 - 実験および実証試験は、本格的な規模の開発および応用に着手する前にリスクを軽

減できる重要な機会であるという点を認識すること。さもなくば、リスクとコスト

がはるかに高くなってしまう可能性がある。

 - 実際上可能な場合はパートナ関係を通じた協力によってコストの分担を計りかつ支

援基盤を拡大させること。

結論

 宇宙運用部門が計画している宇宙ミッションと機能および S&T 界の宇宙に関連した技

術活動の間の関係を p.14-5および 14-6の 2ページにわたって図示してある。左側の p.14-

5では、JV2010/2020(ジョイント・ビジョン 2010年/2020年)から導き出された運用上の

ニーズは、USSPACECOMの「2020年までの長期計画」の中で実行されている。また、右

側の p.14-6の宇宙技術基盤では、運用上のニーズに合わせて技術的な努力の調整し、かつ

手頃なコストでニーズを達成できるようにするため、基礎研究から後続する開発段階全体

における S&T 文書の漸進的な流れを示してある(さらに、運用部門および取得部門との相

互関係も含めてある)。収束する分野は DoDレベルであり、STGの目標を達成させる上で

は、技術に依存した宇宙ミッションが、将来の任務を成功裏に遂行することを可能にする

重要技術を定義するのに役立つ。また、適切に計画されかつ適切に持続された投資を行う

ことによって追求すれば、予測されている有効性および相乗効果は、少なくても 21世紀前

半に関する米国の国家安全保障上の宇宙に関する目標を達成させる上で多大な貢献をする。

Page 127: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

126

DoD宇宙技術宇宙技術宇宙技術宇宙技術

運用上のニーズ運用上のニーズ運用上のニーズ運用上のニーズ 重要な宇宙技術重要な宇宙技術重要な宇宙技術重要な宇宙技術

ジョイント・ビジョジョイント・ビジョジョイント・ビジョジョイント・ビジョ

ンンンン 2010 年および年および年および年および

2020 年年年年

USSPACECOMビジョンビジョンビジョンビジョン

(2020 年までの年までの年までの年までの LRP)

DoD 宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド宇宙技術ガイド

技術分野別の技術分野別の技術分野別の技術分野別の

ニーズニーズニーズニーズ

重要実現可能化重要実現可能化重要実現可能化重要実現可能化

技術技術技術技術

支配的支配的支配的支配的

マヌーバマヌーバマヌーバマヌーバ

+精密関与精密関与精密関与精密関与

+全面的保護全面的保護全面的保護全面的保護

+重点的重点的重点的重点的

ロジスティックロジスティックロジスティックロジスティック

全面的支配全面的支配全面的支配全面的支配

宇宙のコントロール

-確実なアクセス--確実なアクセス--確実なアクセス--確実なアクセス--輸送ミッション資産--軌道上での運用--作業および回収-

-宇宙の監視--宇宙の監視--宇宙の監視--宇宙の監視--検出(すべて)--追跡(すべて)--特徴描写--分類(脅威)-

-目録作成/モニタリング(衛星)--普及/配布-

-保護--保護--保護--保護--検出および報告脅威/攻撃-

-耐えるおよび防衛--再構築および修理-

-ミッション上の影響の評価--識別、突き止めおよび分類

(脅威源/攻撃源)-

-防止--防止--防止--防止--(システムの)使用の有無の

検出--ミッション上の影響の評価--タイムリーな/柔軟な対応-

-無力化--無力化--無力化--無力化--目標物の識別--兵器開発-

-作戦サイクル-

宇宙輸送宇宙輸送宇宙輸送宇宙輸送

(正確にかつタイムリーに正確にかつタイムリーに正確にかつタイムリーに正確にかつタイムリーに

実施なければならない実施なければならない実施なければならない実施なければならない)DoD 専用、または専用、または専用、または専用、または DoD 主導主導主導主導

推進推進推進推進/推薬推薬推薬推薬

電力電力電力電力(太陽/化学/機械)

構造物および材料構造物および材料構造物および材料構造物および材料

「考える」衛星「考える」衛星「考える」衛星「考える」衛星

精密時計精密時計精密時計精密時計/時間基準時間基準時間基準時間基準

通信通信通信通信

アンテナアンテナアンテナアンテナ

合成開口レーダ合成開口レーダ合成開口レーダ合成開口レーダ(SAR)

電気光学電気光学電気光学電気光学(EO)センサセンサセンサセンサ

信号処理装置信号処理装置信号処理装置信号処理装置(送受信機)

マイクロ電気機械システムマイクロ電気機械システムマイクロ電気機械システムマイクロ電気機械システム(MEMS)/マイクロエレクトマイクロエレクトマイクロエレクトマイクロエレクトロニクスロニクスロニクスロニクス/フォトニクスフォトニクスフォトニクスフォトニクス

放射線に対する補強放射線に対する補強放射線に対する補強放射線に対する補強

地上での処理地上での処理地上での処理地上での処理

概念概念概念概念 概念概念概念概念-目標-目標-目標-目標-任務 重要機能重要機能重要機能重要機能

共同戦闘能力共同戦闘能力共同戦闘能力共同戦闘能力目標目標目標目標

1. 情報上の優位情報上の優位情報上の優位情報上の優位

性性性性

2. 精密戦力精密戦力精密戦力精密戦力

3. 戦闘識別戦闘識別戦闘識別戦闘識別

4. 戦域ミサイル戦域ミサイル戦域ミサイル戦域ミサイル

防衛防衛防衛防衛

5. 都市部地形に都市部地形に都市部地形に都市部地形に

おける軍事作おける軍事作おける軍事作おける軍事作

戦戦戦戦

6. 共同準備態勢共同準備態勢共同準備態勢共同準備態勢

7. 共同抗敵坑道共同抗敵坑道共同抗敵坑道共同抗敵坑道

8. 電子戦争電子戦争電子戦争電子戦争

9. 情報戦争情報戦争情報戦争情報戦争

10. 化学剤化学剤化学剤化学剤/生物生物生物生物

剤の検出剤の検出剤の検出剤の検出

11. リアルタイムリアルタイムリアルタイムリアルタイム

でのロジステでのロジステでのロジステでのロジステ

ィック管理ィック管理ィック管理ィック管理

12. 拡散防止拡散防止拡散防止拡散防止

グローバルな関与グローバルな関与グローバルな関与グローバルな関与

全戦力の統合

グローバルなパートナ関係

-統合重点監視--統合重点監視--統合重点監視--統合重点監視--C4ISR-

-検出、合図、融合--(脅威の)警報--任務割当て-

-分類、特徴描写、区別--モニタリング、目録作成、評価-

-調整(ニーズに合わせたプロダクツ)-

-(支援の)普及-

-ミサイル防衛--ミサイル防衛--ミサイル防衛--ミサイル防衛--戦闘管理-

-必要に応じたミサイル防衛--全面的関与--戦闘評価-

-戦力投入--戦力投入--戦力投入--戦力投入--BMC3-

-必要に応じた戦力投入--柔軟な戦力投入--柔軟な高価--戦闘評価-

衛星運用衛星運用衛星運用衛星運用

コマンド&コントロールコマンド&コントロールコマンド&コントロールコマンド&コントロール

および通信および通信および通信および通信

航行航行航行航行

環境モニタリング環境モニタリング環境モニタリング環境モニタリング

情報、監視、情報、監視、情報、監視、情報、監視、

および偵察および偵察および偵察および偵察

宇宙の宇宙の宇宙の宇宙の

コントロールコントロールコントロールコントロール

宇宙の監視宇宙の監視宇宙の監視宇宙の監視

保護保護保護保護

防止防止防止防止

無力化無力化無力化無力化

戦力投入戦力投入戦力投入戦力投入

抑止抑止抑止抑止

防衛防衛防衛防衛

攻撃攻撃攻撃攻撃

Page 128: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

127

防衛科学技術戦略防衛科学技術戦略防衛科学技術戦略防衛科学技術戦略文書の相互関係

ガイドガイドガイドガイド: 文書の流れ 文書の流れ 文書の流れ 文書の流れ

技術基盤技術基盤技術基盤技術基盤

JWSTP(2000 年年年年) DTAP(1999 年年年年) BRP(1999 年年年年)(DTO 2000年年年年)

JWCO(JWCA 全体)2 文字 DTO(DTAP パネルの場合)

1 文字 DTO(JWSTPパネルの場合)(相互参照 = 相互支援)

DTAP パネル(+ BRP パネル)

S&T 分野(20 年間の見返り)

宇宙資産の保護宇宙資産の保護宇宙資産の保護宇宙資産の保護

宇宙の保護宇宙の保護宇宙の保護宇宙の保護

+宇宙の保護関連宇宙の保護関連宇宙の保護関連宇宙の保護関連

+宇宙の監視宇宙の監視宇宙の監視宇宙の監視

+防止防止防止防止

+

無力化無力化無力化無力化

情報の優位性情報の優位性情報の優位性情報の優位性-グローバルな戦闘空間についての

認識--有効な戦力展開--C4ISR グリッド-

共同戦域ミサイル防衛共同戦域ミサイル防衛共同戦域ミサイル防衛共同戦域ミサイル防衛

戦力予測戦力予測戦力予測戦力予測/支配的マヌーバ支配的マヌーバ支配的マヌーバ支配的マヌーバ

合同準備態勢合同準備態勢合同準備態勢合同準備態勢/ロジスティッロジスティッロジスティッロジスティック、および戦術システムのク、および戦術システムのク、および戦術システムのク、および戦術システムの

持続持続持続持続

戦闘識別戦闘識別戦闘識別戦闘識別

正確な射撃正確な射撃正確な射撃正確な射撃

電子戦争電子戦争電子戦争電子戦争

都市部地形における都市部地形における都市部地形における都市部地形における軍事作戦軍事作戦軍事作戦軍事作戦

テロとの戦闘テロとの戦闘テロとの戦闘テロとの戦闘

化学戦争化学戦争化学戦争化学戦争/生物戦争に対する生物戦争に対する生物戦争に対する生物戦争に対する防衛と保護、および防衛と保護、および防衛と保護、および防衛と保護、および

WMD への対抗への対抗への対抗への対抗

硬質目標物および深部に硬質目標物および深部に硬質目標物および深部に硬質目標物および深部に埋設された目標物の打破埋設された目標物の打破埋設された目標物の打破埋設された目標物の打破

SP.01, 03, 05N.01, 02, 03, 04 SP.08, 22

SP.10, 11, 20A.13, (A.28)NT.01, 02,NT.05, 06, 09 MP. 29.01SE.37, SP.20

D.03, 05HS.06, 13, 21,HS.23, 28 NT.02, 05, 06SE.33, 38, 58, NT.01SE.59, 61, 65, 67

IS.38, 50

SE.37, 38, 55WE.22, 41, 43 SE.56 = BE.06

WE.21A.06, 07 WE.41

A.11, 13

D.03, 05, 08 IS.23, 38

G.12

K.01, 02, 06

これらの"DTO-2000" 宇宙関連技術は、現在有効な技術および

JWCO/DTAP パネルの主な関連性の「ほんの一部」を示してあるにすぎない。その他の数多くの技術(成熟した技術および開発中の技術の両方)についても、国家安全保障上の宇宙目標を支援するために応用

が可能である。

宇宙プラットフォーム宇宙プラットフォーム宇宙プラットフォーム宇宙プラットフォーム(サブパネルサブパネルサブパネルサブパネル)

-宇宙船および打上げロケット--推進-

材料材料材料材料/プロセスプロセスプロセスプロセス-生存可能性、寿命延長、

およびコストの手頃さに関する材料およびプロセス-

核技術核技術核技術核技術-システムへの影響および

生存可能性--試験/シミュレーション技術-

センサ、エレクトロニクス、センサ、エレクトロニクス、センサ、エレクトロニクス、センサ、エレクトロニクス、および戦闘空間環境および戦闘空間環境および戦闘空間環境および戦闘空間環境

-RF コンポーネント--マイクロエレクトロニクス-

-電子材料-

兵器兵器兵器兵器-従来兵器-

-エネルギー指向兵器-

情報システム技術情報システム技術情報システム技術情報システム技術-継目のない通信-

空中プラットフォーム空中プラットフォーム空中プラットフォーム空中プラットフォーム

地上および海上のビークル地上および海上のビークル地上および海上のビークル地上および海上のビークル

化学的化学的化学的化学的/生物学的防衛技術生物学的防衛技術生物学的防衛技術生物学的防衛技術

生物医学生物医学生物医学生物医学

および、および、および、および、

基礎研究担当パネル基礎研究担当パネル基礎研究担当パネル基礎研究担当パネル-物理学--化学--数学-

-コンピュータ科学--エレクトロニクス-

-材料化学--力学-

-陸上科学--海洋科学-

-大気科学および宇宙科学--生物科学-

-認知科学およびニューラル科学-

物理学物理学物理学物理学-放射線-

-物質および材料--エネルギープロセス-

-目標物取得-

化学化学化学化学-材料科学-

-化学的プロセス-

数学数学数学数学-モデル作成および数理解析-

-コンピュータ数学--確率論的分析および

オペレーションズリサーチ-

コンピュータ科学コンピュータ科学コンピュータ科学コンピュータ科学-インテリジェントシステム-

-ソフトウエア--アーキテクチャおよび

システム-

エレクトロニクスエレクトロニクスエレクトロニクスエレクトロニクス-固体/光学エレクトロニクス-

-情報エレクトロニクス--電磁気学-

材料科学材料科学材料科学材料科学-構造用材料--機能用材料-

力学力学力学力学-固体力学--流体動力学-

-推進およびエネルギー変換-

陸上科学陸上科学陸上科学陸上科学

海洋科学海洋科学海洋科学海洋科学

大気科学および大気科学および大気科学および大気科学および宇宙科学宇宙科学宇宙科学宇宙科学-気象学-

-リモート・センシング--宇宙科学-

生物科学生物科学生物科学生物科学

認知科学および認知科学および認知科学および認知科学およびニューラル科学ニューラル科学ニューラル科学ニューラル科学

-リバースエンジニアリング-

Page 129: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

128

付属書 A

議会指示

公法 106-65 1999年 10月 5日

第 XVI章 国家安全保障上の宇宙に関する事項

副題 A-宇宙技術ガイド; 報告書

第 1601条 宇宙技術ガイド

第 1602条 米国宇宙資産の脆弱性に関する報告書

第 1603条 宇宙への打上げ失敗に関する報告書

第 1604条 空軍宇宙打上げ施設に関する報告書

副題 A 宇宙技術ガイド; 報告書

第 1601条 宇宙技術ガイド

 (a) 要件- 国防総省は、宇宙科学技術への投資、宇宙技術の

実証試験、および宇宙技術システムについての計画立案と開発を

対象にした詳細なガイドを作成するものとする。当該ガイドを作

成する際の最終目標は、国家安全保障目的のために宇宙を利用す

る上で米国が完全に優位に立つことができるようにするために必

要な技術および技術の実証試験の明確化とする。

 (b) 将来の国防計画との関係- 当該宇宙技術ガイドには、代

替として採用可能な 2 つの技術的方向を含めるものとする。一方

は、将来の国防計画に関わる資金調達上の(該当する)制約を考慮し

たものとする。他方は、資金調達上の制約を受けないと仮定して

設定するものとする。

 (c) 国防総省外の活動との関係- 国防長官は、当該宇宙技術

ガイドにおいて、米国政府のその他の省庁および民間部門の主体

と投資および技術開発について協力が可能であるかどうかについ

Page 130: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

129

て説明するものとする。

 (d) マイクロ衛星技術開発計画- 国防長官は、マイクロ衛星

技術への投資決定を手引きしかつ技術実証活動上の優先順位を設

定するためのマイクロ衛星技術開発計画を当該宇宙技術ガイドの

中に含めるものとする。

 (e) これまでの研究および報告書の使用- 国防長官は、当該

宇宙技術ガイドを作成するに当たり、これまでに完了している研

究および報告書のうちで当該ガイドを作成する上で関連性がある

と思われる研究および報告書を考慮に入れるものとする。例えば、

113 STAT. 810 公法 106-65 1999年 10月 5日

(1) 国防総省宇宙コントロール技術計画(1999年)

(2) 米国宇宙司令部長期計画(1998年 3月)

(3) 空軍宇宙司令部戦略マスタープラン(1997年 12月)

提出期限

(f) 報告書- 国防長官は、当該宇宙技術ガイドに関する報告書

を 2000 年 4 月 15 日までに議会国防委員会に対して提出するもの

とする。

Page 131: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

130

付属書 B

研究および技術

 技術的優位性は、引き続き米国の国家的な軍事戦略上の必要不可欠な要素となっている。

米国の戦力が縮小しつつあり、より高度な技術を世界市場において入手しやすくなってき

ているため、米国の技術上の優位性の維持がますます重要になってきている。このような

状況においては、あらゆる危機および軍事作戦において支配力を確保しかつ維持できるよ

うにするための技術的優位性を有することがこれまでにも増して重要である。米国が現在

享受している宇宙に関する優位性は過去数十年の間に行われた科学技術への投資の遺産で

あるのと全く同じように、将来の国家安全保障および戦闘能力も、今日および将来におけ

る S&Tへの投資に大きく左右される。

S&T戦略

・ 今日存在している危険は、大量破壊兵器の拡散、地域紛争、および民族的な紛争などである。

・ 米国の戦略は以下の 3つのラインに沿った防衛が基礎になっている。

  - 脅威の出現を防止する

  - 出現してしまった脅威を抑止し、必要な場合は、

  - 軍事力によって脅威を打破する

・ 当該戦略を実行するためには、適切に統合されかつ柔軟な形で組み合わされた最先端技術を備えた強力かつ即応的な軍事力が必要である。

・ DoDの S&T計画にとっての難題は、明日および遠い将来の両方において、利用可能な最良の技術をタイムリーかつ費用対効果が高い形で戦闘員に引き渡せるようにすることである。

・ 予算活動 1および研究分類 6.1、基礎研究    当該活動には、国家安全保障上の長期

的なニーズに関連した物理学、エンジニアリング、環境および生命科学の各分野にお

ける知識を高めかつ理解を深める方向に向けたすべての科学的な研究努力および実

験努力が含まれている。当該活動では、長期を見据えた高利得な研究が行われる(例え

ば、技術的な進歩の基礎となる重要実現可能化技術など)。また、当該活動は、(a) 防

衛関連技術に関するその後の応用研究(探究的開発)および先端技術開発、および(b) 通

信、検出、追跡、監視、推進、機動性、誘導/コントロール、航行、エネルギー変換、

Page 132: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

131

材料/構造、および要員支援などの分野における新しい軍事能力と改良された軍事能力

のための基盤の一部を形成するものである。

・ 予算活動 2および研究分類 6.2、応用研究(これまでは探究的開発) 当該活動は、

大規模な開発プロジェクトを展開せずに、有望な基礎研究により幅広く定義されてい

る軍事上のニーズの解決方法を生み出すことを目的とした活動である。この種の努力

は、かなり基本的な応用研究から、技術上の難題の解決案が当初において実行可能で

あるかどうかおよび現実的なものであるかどうかを確定させる緻密な努力(例えば、ブ

レッドボードハードウエア、研究、プログラミングおよび計画立案に関する努力など)

までを含み非常に様々である。当該活動には、研究、調査、およびシステム以外に関

する特定の開発努力などが含まれている。当該分類の顕著な特徴は、軍事上の特定の

ニーズが対象になっており、解決案の実行可能性と現実性を展開させかつ評価するこ

とおよびそのパラメータの決定を目指しているという点である。なお、応用研究(探究

的開発)は特定のシステムを対象にした研究に先行して行われる。

・ 予算活動 3および研究分類 6.3A、先端技術開発(これまでは高度な開発) 当該活

動には、ハードウエアの開発および(現場において実験および試験を行うための)イン

テグレーションへと動いているすべての努力が含まれている。この種の努力の場合に

は、軍用のハードウエアを開発するというよりもむしろ、技術的に実行可能であるこ

とが証明されかつ運用性と生産性についての評価が行われる。当該分類に属している

プロジェクトは、特定されている軍事上のニーズと直接的な関連性を有している。当

該活動は各システムを対象にしており、異なった種類の軍事機器または軍事手法に技

術を応用したときの一般的な効用または潜在的なコスト削減力について実証するた

めに用いられる先端技術開発が含まれている。さらに、先端技術開発には、システム

のグレードアップについての評価または新しい運用能力の確保を目的として、野外演

習の中で該当する技術についての評価を行うこと、環境上の総合的な実証を行うこと、

および証明のための実証試験を行うことも含まれている。

防衛上の S&T に関する戦略的計画立案については、科学技術担当国防次官代理

(DUSD(S&T))が国防科学技術戦略を通じて管理している。また、技術決定に関しては、コ

ストが手頃であること、二重の用途で使用可能であること、技術移転速度、および技術基

Page 133: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

132

盤の強化の 4つの一般事項が考慮される。なお、S&T戦略ついては以下の 3つの文書にお

いて明確に述べられている。

・ 基礎研究計画書(BRP: 1999年版を使用)- 当該計画書では、計画 6.1の技術的専門分

野およびその研究プロジェクトに関する DoDの目標および投資戦略が示されている。

なお、同計画書は 2年に 1回更新される。

・ 国防技術分野計画書(DTAP: 1999 年版を使用)- 当該計画書では計画 6.2 および 6.3

の活動に関する DoDの目標および投資戦略が示されており、先端技術実証試験(ATD)

を対象にしている。なお、同計画書は 2年に 1回更新される。

・ 合同戦闘科学技術計画書(JWSTP:2000版を使用)- 当該計画書では、DTAP S&T活動

を戦闘員の観点から実際に検討している。当該 JWSTP は先端概念技術実証試験

(ACTD)も対象にしている。なお、同計画書は 2年に 1回更新される。

 BRP、DTAP、および JWSTP はいずれも DoD S&T界にとっての計画上の手引書になっ

ており、短期的、中期的および長期的な作戦上のニーズの間のバランスが適切に考慮され

かつ DoDの S&T画立案プロセス、予算化プロセスおよび評価プロセスの中に確実に含ま

れるようにしている。

 S&T投資については防衛技術目標書(DTO)の中で重点化されており、当該 DTOが手引書

になっている。なお、当該 DOTは毎年更新されている。各 DTO内では、開発または実証

される特定の技術の進歩、技術が利用可能になる予想日、当該技術の進歩によって得られ

る具体的な利益、および当該新能力を達成するために予定されている資金調達が明確化さ

れている。このプロセスは国防 S&T信頼性プロセスとも呼ばれており、国防科学技術諮問

グループ(DSTAG)を通じて達成されておりかつ同グループを通じて調整が行われている。

なお、同グループの運営委員会の委員は以下のとおりである。

Page 134: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

133

DSTAG運営委員会

・ 国防次官代理(科学技術担当)、委員長 (DDR&E)

・ 陸軍次官補代理(研究・技術担当) (陸軍)

・ 海軍研究所所長 (海軍)

・ 空軍次官補代理(科学、技術、および工学担当) (空軍)

・ 国防高度研究プロジェクト局副局長 (DARPA)

・ 弾道ミサイル防衛組織技術担当副局長代理 (BMDO)

・ 国防脅威緩和局副局長 (DTRA)

 国防 S&T信頼性プロセスは、不必要な重複を排除する手助けをしかつ相乗効果機会の追

求によって DoDコンポーネントの様々な計画を 1つの共同 S&T計画として統合するプロ

セスである。また、DoD S&T界は当該国防 S&T信頼性プロセスのおかげでひとつにまと

まって働くことができ、その結果 DoDの取得計画およびその将来のユーザを支援する上で

の S&Tの役割を高めることが可能である。

基礎研究計画書(計画 6.1 技術)

 国防総省全体において展開されており宇宙への応用が可能な基礎研究努力は、BRPの 12

の技術的専門分野のうちのほぼすべてが対象になっている。*

物理学 化学 数学 コンピュータ科学 エレクトロニクス 材料科学

力学 地上科学 海洋科学大気科学および

宇宙科学[生物科学] 認知科学・

ニューラル科学

 基礎研究は「成功する」保証がないということ(ただし、最終的な効用も無制限であると

いうこと)を念頭に置くこと。重要な新技術の場合には、一般的には、最初の実証試験を行

うことが可能になるまで何年間にもおよぶ基礎研究と応用研究が必要になることがあり、

さらに、初めて軍事的に応用できるようになるまでにはさらに多くの年数が必要になる。

このような「証明」が行われた後は、その後の数十年間は多くのものに応用されるように

* これらの 12の技術的専門分野は 10の戦略的計画立案グループ(SPG)によって調整されており、密接に関連した 2組の専門分野(すなわち、数学とコンピュータ科学および陸上科学と海洋科学)については 1つの SPGがそれぞれの専門分野を担当している

Page 135: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

134

なり性能が指数的に向上する。#

 戦闘および平和維持に焦点を絞った6つの戦略的研究目標が1995年に設定されており、

1999年以降は戦略的研究分野(SRA)と呼ばれている。

SRA 研究目標

生物擬態学自然界で発見された設計原理を利用した新しい合成材料、プロセスおよびセンサ

ナノサイエンスナノメートル規模(数十オングストローム単位)で制御可能な特長を備えている構造、材料およびデバイスの性質と性能を大幅に向上させる

スマート構造地上および宇宙空間のビークルおよびシステム内で使用されている複雑で多数の要素から成りかつ変形可能な構造の動的な反応のモデル作成、予測、制御および最適化を向上させる

移動式無線通信

ポイントツーポイント、同報通信、または異種の C4ISRシステムから成る分散型ネットワークを通じてのマルチキャストのいずれであるかにかかわらず、大量のマルチメディア情報(音声、データ、画像、および映像)を高速かつ安全に伝送できるようにする

インテリジェントシステム刻一刻と変化していて不確実でありかつ敵対的な環境において適切に検知、分析、学習、適応および機能可能な先端システム

コンパクトな電源 現在の技術をはるかに上回るような電源性能の改良

 物理学、大気科学および宇宙科学における基礎研究では、隠蔽している媒体を通して物

体を認識やクラッタやノイズが背景に存在している状態で信号を認識する際の科学的な基

盤についての理解が ISRにとっての 1つの重要な分野になっている。電磁(EM)スペクトル

の赤外線部分、可視光線部分および RF 部分における放射エネルギーの伝播および検出に

関して科学的な進歩およびエンジニアリング上の進歩があると、大躍進が保証される一方

で新たに突破すべき難題が発生するという状況が併せて起こるのがこれまでの歴史であり、

その実例として、20世紀後半におけるレーダ技術とレーザ技術を挙げることができる。

#  1つのわかりやすい例として飛行機を挙げることができる。飛行機の概念が研究されたのは 19世紀の後半であり、1903年にライト兄弟が初飛行に成功したことによって頂点に達し、その後は、第二次世界大戦中に軍事的に展開された。それ以降の数十年の間に航空機の速度はマッハを超え、成層圏内にまで到達し、一度に数百人もの乗客を運ぶようになり、互いに闘い、さらには戦闘中にあらゆる種類の兵器を発射させている。そして、現在にいたっても、ヘリコプター、無人航空機、宇宙空間プラットフォーム(例えばスペースシャトル)、共通の商業輸送機、および民間輸送機(ビジネスジェットから「超軽量航空機」まで)として進化し続けている。

Page 136: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

135

 化学では(そして、特に材料科学、力学およびエレクトロニクスとの関連で)、基礎研究

により新しい元素の組合せの微細構造と性質およびその位相の相対的平衡の間の関係につ

いての理解が飛躍的に深まってきている。今日までにおいて最も重要な例としては、電気

光学センサおよび赤外線センサの材料を挙げることができる。さらに、新材料(金属、酸化

物、ポリマ、セラミック、複合物、半導体および超伝導体)の設計および合成を行う上では

分子レベルでの理解が鍵を握っており、さらに、構造物、エレクトロニクス、光学機器、

磁石、コーティング、燃料、潤滑剤、およびその他のにおいて応用する上でも分子レベル

で理解することが重要である。

 数学では(そして、特にコンピュータ上および認知・ニューラル科学上のアプリケーショ

ンとの関連で)、C4ISR問題を非直線的にリアルタイムで解決する能力を将来的に向上させ

る上で、超高速での論理、データ処理およびフィルタリングに関する基礎研究の実施が極

めて重要である。元来は火災制御システムにおいて使用されていた演算効率の高いアルゴ

リズムであり現在有名になっているカルマンフィルタが現在は誘導システムおよび航行シ

ステムにおいて幅広く使用されており、当該研究がいかに広範囲にわたって応用可能であ

るかを示す 1つの古典的な例として役立っている。

 BRPでは、DoDが後援して大学、産業界、および軍の研究所が実施している基礎研究(6.1)

に関する DoDの目標および投資戦略が示されている。さらに、基礎研究計画の 10の技術

的専門分野の各々に対する投資計画も示している。

 BRP と DTAP および JWSTP の結合は次のようないくつかの対話形式のプロセスを通じ

て行われる。例えば BRPの個々の研究分野の計画立案段階では、軍の研究所の代表と戦闘

員の代表が諸要件を審査し、時には基礎研究活動の計画立案に参加することもある。さら

に、これらの代表は、軍による S&T 計画の審査および DUSD(S&T)技術分野審査/評価

(TARA)を通じて活動評価プロセスにも参加している。

 BRPの宇宙関連技術活動を付属書 Cにおいて S&T専門分野別に要約してある。

国防技術分野計画書(計画 6.2および 6.3の技術)

 DTAP では、DoD の取得計画、軍戦闘員の能力、および JWSTP にとって極めて重要な

技術に関する DoD の S&T 目標、および応用研究(6.2)・先端技術開発(6.3)投資戦略が示さ

れている。さらに、全軍の活動および国防機関の活動全体に関して水平方向に総合的に展

Page 137: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

136

望し、それによってある 1 つの所定の技術に関する DoD の投資手引き図を示している。

DTAPは包括的ではないが、DoD S&T計画全体の焦点、内容、および主目標が網羅されて

いる。当該 DTAPは取得に関する決定を行う上での健全な技術基盤となるものである。ま

た、作戦行動中の軍隊に対して敏速に技術を移行させる必要があり、当該 DTAPはこの要

求に応えることができるように構成されている。

 12の技術分野パネルが DTAPの技術計画立案内容を提供している。これらのパネルのプ

ロダクツは、軍/国防機関 S&T計画書および作戦概念書から導き出されたプロダクツであ

る。これらのパネルのうちで、国家安全保障上の宇宙を最も直接支援している技術活動を

担当しているパネルについては「宇宙プラットフォーム」に関する章の中で言及している

が、他方、センサとエレクトロニクスの担当パネルおよび戦闘空間環境担当パネルも宇宙

に関する重要な要素を有している。

DTAP技術分野パネル

空中プラットフォーム 化学的/生物学的防衛 情報システム技術

地上/海上のビークル 材料/プロセス 生物医学

センサおよびエレクトロニクス 戦闘空間環境 宇宙プラットフォーム

人間システム 兵器 核技術

 既述したように、DoDの S&T投資は、毎年更新される国防技術目標書(DTO)を通じて重

点化されておりかつ当該 DTOが手引書になっている。各 DTOでは、将来開発または実証

される具体的な技術の向上内容、当該技術が利用可能になる予想日、当該技術の向上によ

って得られる具体的な利益、および当該新能力を達成させるために必要な資金が明確化さ

れている。なお、これらの利益としては、軍事作戦能力が向上するだけでなく、国防 S&T

戦略において特に重視されているその他の重要分野、例えばコスト上の手頃さおよび二重

のアプリケーションなども網羅されているという点も挙げることができる。

 付属書 Dにおいて DTAPの宇宙関連技術活動および DTOについて要約してある。

合同戦闘科学技術計画書(計画 6.2および 6.3の技術)

 国防長官内部部局(OSD)、統幕本部、陸海空軍、国防総省および作戦担当最高司令官

Page 138: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

137

(CINC)は、昨年、合同戦闘 S&T計画書(JWSTP)の作成する作業を共同で行っている。当該

計画書では、全軍および国防機関の計画 6.2 および 6.3 計画書全体を総合的に展望し、合

同戦闘および連合による戦闘を行うために必要な技術および高度な概念が確実に支援され

るようにしている。また、戦闘上の優位性を確保するために極めて重要であることが共同

要件監視審議会(JROC)によって立証されている 12の合同戦闘能力目標(JWCO)が明確化さ

れている。他方、これらの JWCO は、JV2010/2020(ジョイント・ビジョン 2010 年/2020

年)において述べられている支配的作戦行動、正確な関与、全面的保護、および重点的ロ

ジスティックの 4 つの作戦概念を支援する合同戦闘能力評価(JWCA)プロセスの手引きと

なっている。

 12の JWCOパネルが JWSTPの技術計画立案内容を提供している。これらのパネルのう

ちで、国家安全保障上の宇宙を最も直接支援している技術活動を担当しているパネルにつ

いては「宇宙資産の保護」に関する章の中で言及しているが、他方、「情報上の優位性およ

び合同戦域ミサイル防衛」に関する章でも具体的な宇宙システムおよび宇宙能力について

取り扱っている。その他の合同戦闘能力と各軍ごとの戦闘能力および戦争以外の作戦能力

の場合は強力な S&T支援が必要であるが、JWCOでは S&T計画に関しては 1つの重要な

作戦上の重点項目を定めている

合同戦闘能力上の目標

情報上の優位性 精密射撃 戦闘識別

合同戦域ミサイル防衛 都市部地形における軍事作戦(MOUT)

合同準備態勢/ロジスティック、および戦略システムの持続 戦力予測/支配的マヌーバ

電子戦争 化学的/生物学的戦争に対する防衛および保護、および大量破壊兵器への対抗

テロ対策 宇宙資産の保護硬質目標物および地下深く埋設

された目標物の打破

 JWSTPは防衛上の手引きとして毎年発行される。優先度の高い合同戦闘能力を向上させ

るとして特定されている高度概念および先端技術は、必要不可欠な研究とともに、大統領

予算および添付された将来の国防計画書(FYDP)において資金的に優先される。

 付属書 Eにおいて JWSTPの宇宙関連技術活動および DTOについて要約してある。

Page 139: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

138

宇宙に関する国防技術目標

 DTOは DTAPおよび JWSTPの両方において特集されているだけでなく、別個の文書(す

なわち、「合同戦闘科学技術計画書および国防技術分野計画書の国防技術目標」)において

も集成されている。DTAPおよび JWSTPの両方とも、それぞれの重要な宇宙担当パネルと

明確に関わっている DTO を明らかにしている。さらに、宇宙における技術上の焦点およ

び作戦上の焦点を支援しているその他のパネルからの DTOについても相互参照している。

 DTAPおよび JWSTPの約 350の DTOに関する文字コードを以下の 2つの表に示してあ

る。なお、これらの文字の前には特定の活動に関する識別数字が添付されている。

1999年 DTAPパネル DTO文字

空中プラットフォーム AP

化学的/生物学的防衛 CB

情報システム技術 IS

地上および海上ビークル GV

材料/プロセス MP

生物医学 MD

センサ、エレクトロニクス、および戦闘空間環境* SE, BE

宇宙プラットフォーム SP

人間システム HS

兵器 WE

核技術 NT

* その後 2つのパネルに分割された(2001年用 DTAPを参照)

 DTAP の宇宙に関する主パネルは宇宙プラットフォーム(SP)であるが、現在のセンサ/エ

レクトロニクス担当パネルおよびエレクトロニクス担当パネルでも宇宙技術活動を監督し

ている。宇宙のプロダクツおよびサービスは、あらゆる種類の国家安全保障上の活動にお

いて有用性が増してきているため、宇宙プラットフォーム担当パネルの関心は(程度は様々

であるが)その他の数多くのパネルの技術にまで拡大されている。このため、DTAPでは、

宇宙プラットフォームを直接支援している DTO を明確しており、さらにはその他のパネ

ルの重要な宇宙関連 DTOも「宇宙プラットフォーム」に関する章において記載している。

Page 140: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

139

なお、DTAPに記載されている宇宙 DTOの要約を付属書 Dに示してある。

2000年 JWCOパネル DTO文字文字文字文字

情報上の優位性 A

精密射撃 B

戦闘識別 C

合同戦域ミサイル防衛 D

都市部地形における軍事作戦 E

合同準備態勢/

ロジスティック、および戦略システムの持続

FK

戦力予測/

支配的マヌーバ

GM

電子戦争 H

化学的/生物学的戦争に対する防衛および保護、

および大量破壊兵器への対抗

IJ

テロ対策 L

宇宙資産の保護A, N, NT, SE,SP (その他)

硬質目標物および地下深く埋設された目標物の打破# (DTO文字はまだ割り当てられていない)

# 2000年用の新 JWCO(DTOについては 2001年 JWSTPを参照)

 JWCOの宇宙に関する主パネルは宇宙資産の保護である。当該パネルでは、すべての作

戦部門が宇宙のプロダクツおよびサービスの継続的な利用に関心を有しているという点を

認識している。このため、JWSTP の場合も、DTAP と同じように、宇宙に関連する DTO

を相対的に幅広く取り扱っている。さらに、各パネルごとの 1文字または 2文字の識別子

の代わりに、その他のパネルの宇宙に関する目標も組み入れており、作戦上の懸念事項に

対処する上で DTAP の技術に大きく依存している。最後に、JWSTP では、「宇宙資産の保

護」は USSPACECOMの宇宙コントロール概念に基づく 5つの主目標のうちの 1つにすぎ

ないということを認識し、宇宙のコントロールに関するその他の目標(すなわち、宇宙への

確実なアクセス、宇宙の監視、予防、および無力化)の重要な支援要因となる DTO も明確

にしている。なお、JWSTPに記載されている宇宙 DTOの要約を付属書 Eに示してある。

 DTAPプロセスおよび JWCOプロセスの両方を支援しているパネル構造は、漸進的に変

Page 141: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

140

化している政策および作戦上のニーズと技術的展望を満たすために変更されることがある。

さらに、DTAPおよび JWSTPの約 350の DTOはまさに S&Tに関する「氷山の一角」にす

ぎないということにも注意すること。すなわち、計画 6.1~6.3のプロジェクトにおけるそ

の他の数多くの技術活動も広範囲にわたる S&Tを網羅しており、これらの広範な S&Tか

ら将来の DTOレベルのプロジェクトが出現する可能性がある。

tbオプトエレクトロニクス

未来の光波

サンディア研究所によると、近い将来に、光が数多くの技術を駆動している「エンジン」としての電子に取って代わる可能性がある。丸木を組み立てた玩具のようなこの光の格子は、技術者が光を用いてできる事柄に革命を起こしつつある。この発明品は、サンディア研究所が DOE のエームズ研究所とパートナ関係を結んで開発したものであり、フォトニクスと呼ばれる光を駆動力とする技術の分類に属している。この光格子は水晶のように働き、規則的に配置された非常に小さい珪素「材」(幅 1.2µ)によって光を誘導する。

国家安全保障上の宇宙に関するその他の参考文献

1.USSPACECOMの長期計画用の技術

 合同作戦防衛上の宇宙部門は、「1998年長期計画: 2020年に関する USSPACECOMビジ

ョンの実現(LRP)」の中で、将来の戦略および目標を達成させる上で必要であるとみなした

概念、能力、潜在的システムおよび候補となる技術を予測しており、

Page 142: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

141

・ USSPACECOM を構成する司令部、すなわち、陸軍宇宙司令部(ARSPACE)、海軍宇宙

司令部(NAVSPACE)、および空軍宇宙司令部(AFSPC)のための手引きとして、さらには、

・ その他の国家安全保障上の諸機関および民間部門との相乗作用およびパートナ関係を

奨励することを目的として、これらの概念およびその潜在的実現手段を示している。

 LRPの概念および候補となるシステム技術を付属書 Fに示した。AFSPCでは、2000年

空軍宇宙マスタープランの中で LRP概念を実現させている。(他方、USSAPCECOMでは、

JV2020(ジョイント・ビジョン 2020年)の新しい 2000年版と適合させるためにビジョン

および LRPを更新中である。)

2. その他の宇宙研究開発活動および利害関係者

・ 宇宙技術に関する実証試験および宇宙試験計画活動を付属書 Gに示してある。

・ 付属書 H では、数多くの活動における Dod のパートナとしての NASA および DOE

の国家安全保障上の宇宙技術計画についてさらに包括的に言及している。

・ 選抜した宇宙技術上のニーズおよび資金上のニーズに関する宇宙産業界の見解および

商業上の構想に関する限定的な調査結果を付属書 Iに示してある。

国家安全保障上の宇宙 S&T活動に関する要約

 米国が軍事的な勇猛さを 1世紀にわたって誇示できたのは、DoDおよびその他の連邦政

府機関の包括的な S&T 計画の間で数多くの点において互いに影響しあいかつ応用しあっ

てきたためである。さらに、米国が現在宇宙において卓越を維持できるのは、数十年前に

着手された技術のおかげである。20世紀の後半には数多くの技術間の相乗効果のおかげで

作戦用のシステムのための革命的な能力が生み出されているのを目の当たりにしてきてい

る。他方、今日の技術プロジェクトは 21世紀における米国の進路を設定するような能力を

生み出しつつある。DoDの現在の任務は、21世紀においても米国の国家安全保障上の宇宙

に関する卓越を保持できるようなタイムリーな形で追求しなければならない重要実現可能

化技術を引き続き明確化していくことである。

Page 143: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

142

Page 144: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

143

付属書 C

基礎研究計画立案(宇宙)

 BPRの 12の技術的専門分野のうちで、STGの 20年の計画立案期間中に宇宙において最

も直接的に応用される可能性があるプロジェクト分野を有する技術的専門分野を下表に示

した。

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

非冷却検出器

サブミリメートル波の研究

同調可能 IRレーザ

X線源

青緑レーザ

量子ノイズ

光学補正

マイクロ波源

物理学

・ 放射線

- 放射線源

- 伝播

- 検出超高速 EO、新レーザ、非線形光学機器、光学機器の診断および試験、可干渉性の自由電子放射線源(全軍) 光学画像処理(Aおよび

AF)

原子規模のシステム

観察しにくい物質

物理的音響学

エネルギー材料および非線形 IR材料

可視レーザ

半導体レーザ

・ 物質および材料

- 光学

- 原子

- 分子

- プラズマ

ナノ構造、原子光学および原子トラップ、コンピュータ物理学、非線形制御(全軍)

強誘電体(Aおよび N) 高温超伝導体(Nおよび AF) 表面および界面(AおよびAF)

コンパクトな加速器

パルスレーザ

超高場

ビームプラズマ力学

非中性プラズマ効果・ エネルギープロセス

- 高電圧

- プラズマ

- 発電

移動式電源

非中性プラズマ、集合現象(Nおよび AF)

統合感覚科学

画像撮影科学

従来以外の光学機器

大気放電・ 目標物取得

- 大気

非線形動力学/カオス(全軍) 電離圏の変形および伝播(Nおよび AF)

Page 145: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

144

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

ナノエレクトロニクス材料

無機半導体

最小限の接着性表面

複合酸化物

ナノチューブ/有機複合物

無機をベースにした保護コーティングおよび宇宙材料

重合高温材料

化学

・ 材料科学

- 理論

- 分子設計

- 化合物の合成および性質

ナノ構造、電源、機能性ポリマ、潤滑剤(全軍)

エネルギー材料(Aおよび AF)  潤滑剤(Nおよび AF)

有機化アセンブリ

ポリマ内での拡散/輸送

エネルギー式点火/検出

燃料内燃焼/大火災

表面/界面プロセス

自己組み立てメゾ構造

イオン/電荷輸送

接着

化学レーザ

大気中および宇宙における識別特性およびバックグラウンド

加工(セラミック、ポリマ、ゾルゲル)

薄膜の成長

・ 化学プロセス

- 原子および分子によるエネルギー伝達

- 輸送現象

- 反応

- 状態の変化化学動力学、摩擦化学、センサ、腐食および劣化に関する化学、データ源(全軍)

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

材料科学の数学

反応流

コントロールおよび誘導

非線形光学

数学

・ モデル作成および数理解析

- 物理的モデル作成および解析 マルチスケール現象、非線形動力学(全軍) インバース問題(Nおよび AF)

計量力学

データ表示

離散数学

コンピュータ音響学

コンピュータ統計学および論理

コンピュータ制御

圧縮可能および極超音速流

・ コンピュータ数学

- 数値解析

- 離散数学

適応法(全軍) コンピュータ電磁気学(Nおよび AF)

統計モデル作成

シミュレーション法

ランダムフィールド

非線形フィルタリング

インテリジェントサーチ

離散事象システム

・ 確率論的分析およびオペレーションズリサーチ

- 統計法

- 応用確率最適化

数学的プログラミング、ネットワークおよびグラフに関する理論(全軍)

確率論的画像解析、確率偏微分方程式(PDE)(Aおよび N)

Page 146: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

145

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

インテリジェント制御

NLP

機械知能

事例に基づいた推論

機械学習

モーションプランニング

インテリジェントリアルタイム問題解決

インテリジェントチュータリング

インテリジェントアクセント

コンピュータ科学

・インテリジェントシステム

- 制御

- 学習

- 自然言語処理(NLP)

- モーションプランニング

- 仮想環境

- 言語

マシンビジョン、斬新なコンピュータパラダイム(全軍)

仮想環境(Aおよび N)  データ融合(Aおよび AF)

正式言語

ソフトウエア開発の自由化

ハードウエアによるリアルタイムの計算

構造上の複雑さ

プログラミング論理

情報戦争高性能知識基盤・ソフトウエア

- ソフトウエア工学

- ソフトウエア環境

- 言語ソフトウエア環境、プログラミング言語(全軍)

正式な設計および検証(Nおよび AF)

ハイブリッドシステムアーキテクチャ

超高信頼性多計算システム

安全計算

C3用の分散型計算・ アーキテクチャおよびシステム

- コンパイラ

- オペレーティングシステム

オペレーティングシステム(全軍)

コンパイラ最適化、マンマシンインタフェース(Aおよび N)

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

IR検出器およびUV検出器

電源スイッチ

テラヘルツエレクトロニクス

低電力/低電圧アナログエレクトロニクス

ワイドギャップ半導体

磁気薄膜

全デジタル RFエレクトロニクス

磁気エレクトロニクス

6.1オングストローム材料

耐放射線化エレクトロニクス

非線形光学材料

高温エレクトロニクス

エレクトロニクス

・ 固体エレクトロニクスおよび光学エレクトロニクス

- 検出器

- 超伝導体

- 非線形回路

ナノ規模およびメゾ規模のエレクトロニクス、ヘテロ構造、多機能デバイスおよびマイクロ光学(全軍)

リトグラフィー量子輸送(Aおよび N) デバイスの信頼性、超伝導体(NおよびAF)

Page 147: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

146

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

移動式、無線マルチメディア分散型通信

IRによる目標物認識および画像解析

感覚アレイ処理

分散型ネットワーク

ソフトウエア/ファジー論理/ニューラルネットワーク

信頼性が高く障害に耐える VLSI

(なし)・ 情報エレクトロニクス

- モデル作成

- シミュレーション環境

センサ融合、デジタル信号処理、適応型アレイ、アレイ処理(全軍)

回路、デバイス、およびネットワークのモデル作成/シミュレーション(Aおよび N)

目標物取得(Nおよび AF)

無線およびレーダ伝播

高度MMW回路およびアンテナの統合

移動式戦術無線アンテナおよびプリントアンテナ

拡散のないビームステアリング

過渡電磁気学

安全な伝播

分散型開口レーダ

・ 電磁気学

- アンテナ

- 過渡状態検知

- チューブ

統合送電線、EM数値手法、回路内不連続性、アレイアンテナの光学的制御、

電力効率が高い RF成分(全軍)

EM分散、真空エレクトロニクス(Nおよび AF)

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

製造科学 層化設計材料 高温疲労および破壊

機能別等級付き材料

スペースプレーン、宇宙機、および打上げロケット用の材料

材料性質統合

材料科学

・ 構造用材料

- 合成

- 加工

- 理論

- 性質

- 特性描写

- モデル作成高度複合材、 摩擦学、セラミックス(全軍)

接着/接合(Aおよび N)    金属間化合物(Nおよび AF)

欠陥工学

光学コンポーネント

IR検出器材料

スマート材料

フェライト膜

強誘電体

ダイヤモンド

音響学/活性材料

超伝導性

(化学、エレクトロニクス、物理学および力学の各基礎研究分野の項目において対応した課題)

・ 機能用材料

- 合成

- 加工

- 理論

- 性質

- 特性描写

- モデル作成オプトエレクトロニクス、磁気材料(Aおよび N)

Page 148: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

147

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

有限変形、衝撃、および貫通

構造音響学

電子機器および固体のマイクロ力学

極超音速空力弾性学

高温材料力学

微粒子力学

力学

・ 固体力学および構造力学

- 構造動力学

- 複合材 構造力学および制御、損傷/破壊力学/定量的非破壊検査、スマート構造(全軍)

極超音速空気熱力学・ 流体力学

- 空気力学

- 乱流

- 不安定流

不安定分離流(全軍)

乱流(Nおよび AF)

宇宙機推進および軌道推進・ 推進およびエネルギー変換 乱流(全軍)    噴霧燃焼(Aおよび AF)

高エネルギー材料燃焼/危険(Nおよび AF)

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

陸上科学および海洋科学

・ 地形の性質および特徴描写

地形の生成および分析

自然の物質の性質

現場の特徴描写

大陸段丘 (なし)

・ 陸上のプロセスおよび風景動力学

表面プロセスおよび地形学

水文気象学および水文学

海岸の腐食および工学

地下水流および質量の輸送

近海堆積プロセス (なし)

・ 陸系モデル作成およびモデル統合

海岸における戦術的機動性およびロジスティック(LOTS)

持続可能な試験地および訓練地

汚染物質改善

(なし) (なし)

・ 海洋学 (なし) 物理学、化学、生物学および光学上のモデル作成および予測

(なし)

・ 海洋音響学 (なし) 浅水深音響学

高周波数音響学

長距離伝播

(なし)

・ 海洋地球物理学 LOTS

海岸工学

海岸腐食

大陸段丘

堆積プロセス

(なし)

Page 149: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

148

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

大陸境界層

小規模気象学

輸送、拡散、隠蔽

化学的-生物学的防衛

海洋境界層

海洋気象学および海岸気象学

不均一流

世界の主要な暴風雨

メソスケール総観気象学モデル作成

エアロゾルモデル

(なし)

大気科学および宇宙科学

・ 気象学

エアロゾルの影響、可干渉性構造、サブグリッド規模のパラメータ化、大渦シミュレーション、大気透過、放射エネルギー移動、すべての規模の入れ子型モデル、表面エネルギーバランス、雲の形成およびプロセス、対照透過、データ同化(Aおよび N)

境界層内の風領域、温度領域および湿度領域の微分解能

化学的/生物的検出

海洋屈折度図 (なし)・ リモート・センシング

大気中の温度、湿度、風およびエアロゾル濃度のプロフィール(全軍)

(なし) 精密時間

宇宙空間太陽観測

波-粒子相互作用

測定天文学

地上をベースにした太陽観測

エネルギー上の太陽事象

電離圏構造および輸送

光学的特性描写

・ 宇宙科学

ニューラル密度、C3Iに対する電離圏の影響、天体バックグラウンド放射線、地磁気活動(Nおよび AF)

軍の焦点(潜在的宇宙アプリケーション)BRPの科学的専門分野

陸軍(A) 海軍(N) 空軍(AF)

(なし) ニューラルコンピュータ可塑性

赤外線バイオセンサ

認知/ニューラル科学

・ リバースエンジニアリング

- マシンビジョン

- 自主的車両

- 自動目標物認識(ATR)

- 遠隔ロボット工学 マシンビジョン(Nおよび AF)

ATR 自動目標物認識 LOTS 海岸におけるロジスティックスC3 コマンド&コントロールおよび通信 MMW ミリ波C3I コマンド、コントロール、通信および情報 NLP 自然言語処理EO 電気光学 PDE 偏微分方程式EM 電磁気 RF 無線周波数IR 赤外線 UV 紫外線

Page 150: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

149

付属書 D

国防技術分野計画立案(宇宙)

 DoD S&T部門内における現在の宇宙計画立案には、 S&T計画立案に対して共通の関心

を有する軍およびその他の連邦政府機関の両方が関わっている。

 1997 年には、「コスト的に手頃でかつ有効な宇宙技術の開発によって政府資金の収益を

最大にするための調整を行うこと」を目的とした宇宙技術連合(STA)が創設されている。

・ STA加盟組織には、空軍、陸軍、海軍、NRO、NASA、BMDO、DARPA、および DOE

などが含まれている。

・ STA の主な代表者は、AFRL(議長)、NRO、NASA、BMDO、海軍研究所(NRL)、陸軍

宇宙・ミサイル防衛技術センタ(SMDTC)、DARPA、および DOE から派遣された重役

レベルの技術担当局長である。

・ 職権上の委員は、国防長官内部部局(DUSD(S&T)および ODASD(C3ISR&SS))、国家安

全保障宇宙アーキテクト局(NSSA)、NIMA、および空軍(SAF/AQR、AF/ST、SMC、

A2CISRC、および AFSPC)から派遣された代表である。

 STAでは、宇宙への政府 S&T投資の調整および宇宙技術在庫(STI)∗を通じた宇宙技術の

分類の両方を担当している(右表)。STIは現在は連邦政府の宇宙関連 S&Tをすべて網羅し

ているわけではないが#、DoDの諸機関が現在関心を有している分野はすべて網羅している。

 本書に含まれている STI情報は DTAPの「宇宙プラットフォーム担当パネル」に関する

章に記載されているが、DTAPプロセスおよび JWCOプロセスの両方に関するその他のパ

ネルが現在追求中の宇宙技術を相互参照している。なお、その他の DTAPパネルは以下の

とおりである。

・ 情報システム技術

・ 材料/プロセス

∗  右表に示した STIは現在進行中のある 1つの方法を反映したものであり、変更されることがある。

Page 151: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

150

・ センサ、エレクトロニクス、および戦闘空間環境

・ 兵器

・ 戦略システムの持続

 DTAPに記載されている宇宙プロジェクトを実行中の政府研究所は以下のとおりである。

・ 米国陸軍軍需品司令部

・ 下記の項目の AFRL理事会

  - 宇宙機等

  - 指向エネルギー

  - 情報

  - センサ

・ 空軍戦闘研究所

・ DRAPA

・ DOE

  - ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)

  - ロスアラモス国立研究所(LANL)

  - サンディア国立研究所(SNL)

・ NRL

・ 米国宇宙・ミサイル防衛司令部

・ 米国陸軍地形・エンジニアリングセンタ

 上記のすべての機関および STA参加者が定期的な調整を行っているということは、国家

安全保障技術分野全体にわたってパートナ関係が拡大されていることを示している。さら

に、宇宙技術の役割および効用が急速に増してきていることで、国家安全保障上の宇宙技

術およびこれらの宇宙技術が必要としている計画立案と投資が幅広く取り扱われるように

なってきている。

#  例えば、有人宇宙活動に関する S&Tは含まれていない。

Page 152: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

151

技術分野 DTAPパネル

統合宇宙機システム技術

  システム分析および設計法 宇宙プラットフォーム

  高度概念の定義 宇宙プラットフォーム

  標準化 宇宙プラットフォーム

  高度インテグレーションおよび試験法 宇宙プラットフォーム

  実証試験(宇宙および地上) 宇宙プラットフォーム

自主性

  機上での自主性 宇宙プラットフォーム

  ミッション運用 宇宙プラットフォーム

  高度な方法 宇宙プラットフォーム

宇宙船技術(宇宙機)

  構造:

    構造上の制御機器および力 宇宙プラットフォーム

    多機能構造 宇宙プラットフォーム

    材料 材料/プロセス(a)

  熱管理:

    制御機器および材料 宇宙プラットフォーム

    従来の冷却 宇宙プラットフォーム

    極低温冷却 宇宙プラットフォーム

    加熱器 宇宙プラットフォーム

  指令および管制:

    誘導、航行、およびコントロール 宇宙プラットフォーム

    天体動力学および測地学 宇宙プラットフォーム

    姿勢決定および制御 宇宙プラットフォーム

    無線航法 宇宙プラットフォーム

    指令およびデータ処理 宇宙プラットフォーム

    テレメトリ、追跡、およびコントロール 宇宙プラットフォーム

    地上局 宇宙プラットフォーム

    衛星ソフトウエアアーキテクチャ宇宙プラットフォーム(b)

    多衛星通信 電子戦争

  エレクトロニクス:

    フライトコンピュータおよびコンポーネント 電子戦争

    マイクロエレクトロニクス 電子戦争

    フォトニクス 電子戦争

    耐放射線化技術 電子戦争

Page 153: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

152

技術分野 DTAPパネル

  生存可能性および脆弱性:

    脅威警戒警報および攻撃報告 宇宙プラットフォーム

    保護技術 宇宙プラットフォーム

    自己保護モード 宇宙プラットフォーム

    人工放射線 化学的-生物学的防衛(c)

  空気熱力学 化学的-生物学的防衛(c)

  機上推進:

    化学 宇宙プラットフォーム

    電気 宇宙プラットフォーム

  宇宙電力:

    エネルギー生成 宇宙プラットフォーム

    エネルギー貯蔵 宇宙プラットフォーム

    配電およびコンディショニング 宇宙プラットフォーム

センサ

  検出:

    マイクロ波/ミリ波 センサ

    レーダ センサ

    ライダ センサ

    赤外線 センサ

    紫外線/可視光線 センサ

    マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル センサ

  光学:

    適応型 センサ

    セグメント センサ

    アレイ センサ

  計器システム センサ

通信

  無線周波数:

    発生源 電子戦争

    電子: MMIC、LNAS 電子戦争

    アンテナ: 適応型、アレイ、マルチビーム 電子戦争(d)

  レーザ:

    源 電子戦争(d)

    光学 電子戦争(d)

    検出器 電子戦争(d)

Page 154: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

153

技術分野 DTAPパネル

  アーキテクチャおよびネットワーク:

    ネットワーク管理 電子戦争

    プロトコル/相互運用性 電子戦争

    妨害に対するリンク補強 電子戦争(d)

宇宙環境

    太陽 センサ∗

    深宇宙 基礎研究

    破片および流星塵 宇宙プラットフォーム

  超高層大気圏:

    ニューラル種密度 センサ*

    電離圏特性描写 センサ*

    総電子含有量 センサ*

    電子的プロフィール センサ*

    局所プラズマ効果 センサ*

    放射線帯* センサ*

  汚染(すなわちガス放出) 宇宙プラットフォーム

  特殊地上シミュレーション施設 (e)

  光学的バックグラウンド センサ

情報システム技術

  インテリジェントシステムおよびネットワーク 情報システム技術

  人間-コンピュータインタフェース 人間システム

  高度コンピュータ概念ミッションデータ 情報システム技術

  処理および利用:

    機上処理 (e)

    地上での処理および利用 (e)

    画像処理 (e)

    信号処理 (e)

    データ融合 (e)

打上げおよび遷移

  推進:

    化学 宇宙プラットフォーム

    電気 宇宙プラットフォーム

    原子力 (NASA/DOEが担当)

    高度概念 宇宙プラットフォーム

∗基礎研究パネルによる追加および変更(2001年用の DTAP更新版の発行待ち)*基礎研究パネルによる追加および変更(2001年用の DTAP更新版の発行待ち)

Page 155: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

154

技術分野 DTAPパネル

打上げおよび遷移

  推進:

    化学 宇宙プラットフォーム

    電気 宇宙プラットフォーム

    原子力 (NASA/DOEが担当)

    高度概念 宇宙プラットフォーム

  打上げロケットおよび遷移機:

    構造および材料 宇宙プラットフォーム

    空気熱 宇宙プラットフォーム

    誘導およびコントロール 宇宙プラットフォーム

    システム(バッテリ、アクチュエータなど) 宇宙プラットフォーム

主出典: DTAP, 1999

(a) 材料/プロセス担当パネルによる一般的開発。宇宙プラットフォーム担当パネルが宇宙

用に調整

(b) 情報システム技術担当パネルによる新技術。宇宙プラットフォーム担当パネルが宇宙

用に調整

(c) 化学的/生物学的防衛担当パネルによる一般的開発。宇宙プラットフォーム担当パネル

が宇宙用に調整

(d) エレクトロニクス担当パネルによる一般的開発。宇宙プラットフォームが宇宙環境に

合わせて調整

(e) 各 DTAPパネルが必要に応じて開発

 国防上の宇宙に関するニーズについての DTAP の要約は、USSPACECOM の長期計画か

ら導き出したものである。

 「米国および DoDが 21世紀へ動いていくに従い、宇宙戦力は引き続き宇宙から支援を

行い、その他の戦闘員を支援するための宇宙作戦を展開する。今後構築される宇宙と陸海

空との相乗効果的な関係のおかげで、米国は将来の戦場において全面的な支配を実現させ

ることが可能になる。USCINCSPACE では、宇宙を支配しかつ軍事作戦全体において宇宙

Page 156: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

155

電力を統合させるために下記の能力が必要になる。

  ・ リアルタイムによる宇宙の監視

  ・ タイムリーでかつ即応的な打上げ

  ・ 軍事システムおよび商業システムのための保護強化

  ・ 柔軟な無力化システムおよび防止システム

  ・ 宇宙からの非侵入型の宇宙監視

  ・ 国家ミサイル防衛

  ・ 質の向上したコマンド&コントロール(C2)

  ・ 向上したセンサ-シュータ能力

  ・ 戦闘マネージャ(共通のプロトコル、通信標準、および融合したデータベースを備

えることができる能力)

  ・ 宇宙システムの正確なモデル作成およびシミュレーション

  ・ 宇宙空間情報を 1つの包括的な宇宙システムアーキテクチャ内において敏速に共

用できる能力

  ・ 宇宙システムの設計に対して影響を与えることができる能力

太陽電池技術例

 DTAPのパネルおよび JWSTPの異なったパネルと関わりがあるDTAPの重要な宇宙関連

DTOを以下に示した。

Page 157: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

156

DTO番号

DTO題名 STI分野/技術 担当パネル

SP.01 極低温技術 宇宙機/熱[SP.02*] [熱管理技術] [宇宙機/熱]

SP.03 宇宙構造物および制御 宇宙機/構造物SP.05 大型の精密構造物 宇宙機/構造物SP.08 宇宙電力システム技術 宇宙機/電力SP.22 先端極低温技術 宇宙機/熱

宇宙プラットフォーム担当パネル宇

宙機/打上げロケット担

当サブパネル(DTAP)

SP.10 液体ブースト推進/HPRPTフェーズI

打上げおよび遷移/推進

SP.11 軌道遷移推進 打上げおよび遷移/推進SP.20 宇宙機推進/IHPRPTフェーズ I 宇宙機/機上推進

宇宙プラットフォーム担当パネル推

進担当サブパネル(DTAP)

A.06 高速地形ビジュアル化 ACTD 情報システム技術/処理A.07 戦場認識およびデータ配布 ACTD 情報システム技術/処理

[A.09]∗ [半自動画像処理 ACTD] [情報システム技術/処理]A.11 カムフラージュ /隠蔽 /欺き対策

ACTDセンサ/検出(レーダ)

A.13 衛星 C3I/航行信号伝播 宇宙環境/超高層大気圏

情報優位性担当パネル(JWCO)

D.03 識別力を有する迎撃機技術計画 情報システム技術/処理D.05 高度宇宙監視 センサ/検出D.08 大気圏迎撃機技術 宇宙機/熱

合同戦域ミサイル防 衛 担 当 パ ネ ル(JWCO)

G.12 軽量機上マルチ・スペクトル抗敵坑道検出システム ATD

センサ検出(マルチ・スペクトル)

戦力予測/支 配 的 マ ヌ ー バ(JWCO)

K.01 ブースト後制御システム技術 打上げおよび遷移/空気熱力学K.02 ミサイル飛行化学 打上げおよび遷移/化学的推進K.06 ミサイル推進技術 打上げおよび遷移/化学的推進

戦略システム持続担当パネル(JWCO)

NT.01 核運用性および生存可能性に関する試験技術

宇宙機/生存可能性

NT.02 電子システムの耐放射線化 宇宙機/生存可能性NT.05 電磁波に対するバランスのとれた

補強技術宇宙機/生存可能性

NT.06 生存可能性評価技術 宇宙機/生存可能性

核技術担当パネル(DTAP)

IS.23 デジタル戦闘通信 通信/RF

[IS.24]* [マルチモード、マルチバンド情報システム]

[通信/RF]

IS.38 アンテナ技術 通信/RF

情報システム技術担当パネル(DTAP)

MP.29.01

IHPRPT用材料およびプロセス 打上げおよび遷移/化学的推進 材料/プロセス担当パネル(DTAP)

∗  完了済みまたは表から除外済み(DTAP 2000用に 1つの DTOごとに対応)

Page 158: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

157

DTO番号 DTO題名 STI分野/技術 担当パネル

[SE.28]* [低電力 RFエレクトロニクス] [宇宙機/エレクトロニクス]SE.37 高密度、耐放射線マイクロエレクト

ロニクス宇宙機/生存可能性

SE.38 マイクロエレクトロニクス機械システム

宇宙機/エレクトロニクス

SE.55 衛星運用用宇宙放射緩和 宇宙機/生存可能性BE.06 衛星赤外線監視システムバックグラ

ウンド[前 BE-56]宇宙環境/バックグラウンド

センサ /エレクトロニクス /戦闘空間環境担当パネル#(DTAP)# 現在はセンサ/エレクトロニクス担当パネルおよび戦闘空間環境担当パネル

WE.21 光ファイバ・ジャイロをベースにした航法装置

宇宙機/C2 兵 器 担 当 パ ネ ル(DTAP)

WE.41 マルチミッション宇宙レーザ

主出典: DTAP, 1999 DTAP 2000用に 1つの DTOごとに更新

 STAは、連邦による共同作業および産官学間の調整を行うための統合機関として以下の

活動中である。

・ 諸組織間での連絡および投資の追跡を容易にするための 1つの共通のデータベース開

発中である∗。

・ 合同戦略技術ロードマップを作成中である。これらのロードマップは産業界が検討す

る#。

・ 促進された協力計画を作成中である。

・ 意思の疎通を深めることを目的とした(すなわち、政府の範囲を越えて民間部門との意

思の疎通を計ることを目的とした)フォーラムを後援中である。

 STAでは、STAの構成組織が共通の関心を有している特定の技術分野への対処を目的と

したワーキンググループ(作業部会)をこれまでに 5 つ編成しており、各ワーキンググルー

プでは、宇宙技術利害関係者の間での協力および調整を深めることによって健全な政府投

資収益の確保を追究している。これらのワーキンググループの活動は以下のとおりである。

∗  NROが管理する CONUS[コンチネンタル・ユナイテッド・ステーツ]研究所(RaDiCL)の研究開発データベースがホストデータベースになっている。#  STAワーキンググループは、洞察とフィードバックを両部門に対して行うこと、および諸計画とプログラムの調整を可能にすることを目的とした調整を産業界と行っている。

Page 159: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

158

ワーキンググループ 完了済みの活動/現在の活動 次の段階

宇宙電力

・ STA加盟組織が行う投資のためのロードマップを作成した

・ 産業界の投資戦略、具体的な開発計画、および宇宙電力技術開発プロセスにおける政府の役

割に関する産業界の見解について調査を行った

・ 次の 10年間における政府出資研究開発用の包括的なロードマップを作成した

・ 産業界とロードマップについての調整を行い(1998年~1999年)、その結果を産業界に説明した(2000年 4月)

・ 次の 20年間における政府のニーズに関する包括的な調査を行う

・ 投資戦略と資源と突き合わせを完了させる

ハイパ・スペクトル画像撮影

・ ミッション/科学上の現在の必要事項を、さらに、空中および宇宙での実証試験が技術上のニーズをいかに推進させるかを探究中である

・ 2つのサブグループ(センサ/インテグレーション担当グループおよび探査/データ融合担当グループ)を編成し、これらのサブグループが技術用のロードマップを作成した

・ 改良光学、改良 FPA、自主的校正、および利用ツールなどの主要な投資分野を明確化した

・ 調査結果およびロードマップについての説明を産業界に対して行った(1999年 10月)

・ 個々の企業と会合して当該ロードマップの肉付けを行いかつ将来の画像撮影システムのためのパートナ関係を構築する

マイクロ衛星

・ 以下のような多数のマイクロ衛星の用途に注力中である

  - 衛星の整備(補助衛星を含む)

  - 必要に応じて衛星を打上げる能力

  - 惑星サービス(地球およびその他の惑星)

  - 宇宙空間センシング

  - 大気および宇宙の現象学

  - 分散型衛星システム

  - 低コストのテストベッドおよびスペースデブリの除去などの概念

・ 特別に有能なマイクロ衛星用の技術の向上を継続させる

・ ロードマップについての調整を完了させる

ワーキンググループ 完了済みの活動/現在の活動 次の段階

マイクロ衛星

・ 情報交換ワークショップを後援し(1998年および 1999年)、さらにマイクロ衛星開発ロードマップを作成した

Page 160: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

159

ワーキンググループ 完了済みの活動/現在の活動 次の段階

大型光学機器

・ 空軍、NASAおよび NROでは、最高水準の超大型軽量開口技術の推進を目的とした高度鏡システム実証試験装置(AMSD)計画に対して共同出資中である。

・ ワークショップおよび会合を通じて(1998年~1999年)、資金が付けられていない技術上のニーズを明確にした

・ 大型軽量光学機器用の AFRL-NROロードマップのドラフトを作成し、現在は NASAおよびその他の機関の意見などを追加中である

・  AMSD を通じて、NASA の次世代宇宙望遠 鏡 (NGST) お よ びDoD の宇宙レーザ(SBL)と宇宙監視ミッションに共通する技術要件を満たすための試作の鏡セグメントを開発する

高度通信

・ 政府による技術投資およびプロジェクト用の共有ロードマップを作成中である

・ 宇宙電力担当ワーキンググループと同様のプロセスを確立させる

Page 161: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

160

付属書 E

合同戦闘 S&T計画立案(宇宙)

 合同戦闘科学技術計画書(JWSTP)内では、12の合同戦闘能力目標(JWCO)の各々が宇宙の

システムおよび宇宙を利用する可能性がある。これらの JWCOは以下のとおりである。

合同戦闘能力目標

情報上の優位性 正確な射撃 戦闘識別

合同戦域ミサイル防衛 都市部地形での軍事作戦(MOUT)

合同準備態勢/ロジスティック、および戦略システムの持続 戦力予測/支配的マヌーバ

電子戦争 化学的/生物学的戦争に対する防衛および保護、および大量破壊兵器への対抗

テロ対策 宇宙資産の保護 硬質目標物および地下深く埋設された目標物の打破

 このため、宇宙システムの運用を支援する技術はいずれもこれらの目標に応用が可能で

あり、宇宙に関連した具体的な技術については JWSTP書の相互参照によって特定できる。

1つの重要な例として「宇宙資産の保護」を挙げることができる。保護は、USSAPCECOM

の宇宙コントロール概念の中のいくつかの目標のうちの 1つにすぎない一方で、宇宙のプ

ロダクツおよびサービスは合同戦闘能力にとって不可欠なものでありかつ米国の政治、経

済、および文化においてますます重要な位置を占めるようになりつつあるため極めて重要

な国家目標とみなされている。

 保護には、宇宙システム(例えば、宇宙プラットフォーム、リンク、打上げ資産、および

地上セグメントなど)に対する(自然のおよび人工的な)脅威を最小限に抑えることを目的

とした能動的および受動的な防衛手段が共に含まれている。宇宙資産の保護という目標に

は 5つの最終目標または運用能力上の要素(OCE)が関係しており、下表に示した 11の機能

上の能力によって実現可能になる。他方、これらの能力は、運用部門の優先事項として

JWSTP内に含まれている技術および S&T計画用の重点項目になっている。

Page 162: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

161

運用能力上の要素

宇宙資産の保護機能上の実現可能化能力

脅威/

攻撃の検出および報告

脅威の識別、位置の突き止め、および分類

耐性および防衛

再編および修理

ミッション上の影響の評価

1. システムコンポーネントの補強/シールド ○ ○ ● ○ ○

2. 強固な戦闘管理の確立 ● ● ● ● ●

3. システムのマヌーバ性の向上 ○ ● ● ● ○

4. 適切な戦力保護の実現 ● ● ● ○ ○

5. 適切な防衛的情報作戦の確立 ○ ○ ● ○ ○

6. 脅威警戒警報および評価結果の報告 ● ● ○ ○

7. 宇宙気象センサシステム ● ● ○

8. 移動式ミッションプロセッサ ○ ●

9. 診断および修理技術 ● ●

10. 敏速な打上げ回収 ○ ●

11. モデル作成およびシミュレーション ○ ○ ○ ●

出典: JWSTP, 2000                   ● 強力な支援   ○ 中度の支援

 宇宙コントロール能力を拡大させる必要があるという認識が高まってきていることが

DoDの技術計画にはずみをつけている。さらに、民事の宇宙システム、商業宇宙システム

および国際的な宇宙システムへの信頼性が高まってきていることから、自然の脅威および

人工的な脅威からこれらのシステムの保護を目的としたパートナ関係の構築、法律の制定

および協定の締結に到ることになる。

 「資産の保護」に関係する DTO およびその実証試験を下表に示した。さらに、関係す

る OCE(すなわち最終目標)に関する支援度も示してある。

Page 163: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

162

運用能力上の要素

宇宙資産の保護に関する実証支援

DTO 実証試験

脅威/

攻撃の検出および報告

脅威の識別、位置の突き止め、および分類

耐性および防衛

再編および修理

ミッション上の影響の評価

担当機関 種類

N.01 衛星運用のための宇宙放射線緩和 ● ● AF

N.02 小型環境異常センサ II ACTD ● ● ○ ● AF ACTD

N.03 宇宙の環境および危険 ● ○ DTRA

N.04 受動的衛星保護 ○ ● ○ AF

NT.01核の運用性および生存可能性に関する試験技術

● ● 合同

NT.02 電子システムの耐放射線化 ● ○ 合同

NT.05 電磁波に対するバランスのとれた補強 ● ● 合同

NT.06 生存可能性評価技術 ● ○ ● 合同

NT.09 核現象学 ○ ○ ● ● 合同

SE.37 高密度、耐放射線マイクロエレクトロニクス ● ○ AF

SP.20 宇宙機推進/IHPRPTフェーズ I ○ ○ ● AF

DTRA 国防脅威緩和局        IHPRPT 高利得統合ロケット推進技術

出典: JWSTP, 2000           ● 強力な支援    ○ 中度の支援

Page 164: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

163

通信通信通信通信 気象気象気象気象 ミサイル警報ミサイル警報ミサイル警報ミサイル警報 ISR 測位測位測位測位

戦闘を支援する宇宙戦闘を支援する宇宙戦闘を支援する宇宙戦闘を支援する宇宙

 JWSTP では、USSPACECOM の宇宙コントロール概念に基づく全範囲の目標と DTO を

関連づけている。

宇宙の保護

DTO 題名 DTO 題名

N.01 衛星の運用のための宇宙放射線緩和 N.03 宇宙の環境および危険

N.02 小型環境異常センサ II ACTD N.04 受動的衛星保護

宇宙保護関連

DTO 題名 DTO 題名

A.13 衛星 C3/航行信号伝播技術 NT.06 生存可能性評価技術

NT.01 核運用性および生存可能性に関する試験技

術NT.09 核現象学

NT.02 電子システムの耐放射線化 SE.37 高密度、耐放射線マイクロエレクトロニクス

NT.05 電磁波に対するバランスのとれた補強 SP.20 宇宙機推進/IHPRPTフェーズ I

Page 165: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

164

宇宙の監視*

DTO 題名 DTO 題名

D.03 識別力を有する迎撃機技術計画 SE.33 先端焦点面アレイ技術

D.05 高度宇宙監視 SE.38 マイクロエレクトロニクス機械システム

HS.06 戦闘空間支配用共同認識システム SE.58 ルックダウン・バイスタティック技術

HS.13 人間中心の自動化テストベッド SE.59 低光レベル画像撮影センサ

HS.21 コマンド&コントロール用の決定支援システム

SE.61 ATRおよび追跡用の多現象センサ融合

HS.23 無人機管制用の没入式インタフェースおよびビジュアル化手法

SE.65 長波長およびマルチ・スペクトルの、大面積凝視焦点面アレイ

HS.28 分散型ミッション戦闘訓練技法および技術

SE.67 ハイパ・スペクトルアプリケーション技術

* JWSTP IV, A.28, 情報作戦の宇宙空間宇宙監視作戦(SBSSO)ACTDも参照のこと。(付属書 Gの pG-3に記述)

防止

DTO 題名 DTO 題名

IS.38 アンテナ技術 IS.50 情報、監視、および偵察の高度管理

無力化

DTO 題名 DTO 題名

WE.22 高電力マイクロ波 C2W/IW技術 WE.43

WE.41 マルチミッション宇宙レーザ

高度マルチバンド赤外線対抗措置レーザ源解決技術

ATR 自動目標物認識 IHPRPT 高利得統合ロケット推進技術C2W 指揮・統制戦争 IW 情報戦争

Page 166: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

165

付属書 F

LRPロードマップおよび技術

 USSPACECOMは、「長期計画: 2020年に関する USSPACECOMのビジョンの実現」の

中で、将来の宇宙能力と支援基盤の概念について広範囲にわたって説明し、さらに、実現

のために必要なシステムおよび土台になる技術のロードマップを示している。これらのロ

ードマップは運用の際に使用するように強く推進されており、以下の表は、運用部門が予

測しているニーズを満たす上で傑出した技術であるとしてシステムの観点から特定してい

る技術の調査および分析に役立てるために当該ロードマップに基づいて作成したものであ

る。

確実なアクセス

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

平時の作戦用に必要な衛星群を持続させるための打上げ

(100%)

必要に応じた衛星の配備

(日/時間)

宇宙までの /宇宙を通過する/宇宙からの回収可能即応輸送

(2~6時間)

グローバルな交通管制

(統合 NRT)

要求に応じた衛星運用

(必要なすべての衛星)

統合 SATOPS ミッション計画立案

(分/NRT、自動化)

アトラス、デル

タ、タイタン

EELV

商業打上げサ

ービス

射場の標準化

および自動化

現在の地上

システム

移動式 /輸送

可能システム

ARTS のグレ

ードアップ

AUS

SMVs

LOD システム

宇 宙 空 間 中

超 重 量 打 上

SOVs

宇宙空間射場

仮想衛星管制ネットワーク

コストを削減した打上げロケット

AUS: 燃料、推進、電力、アビオニクス

RLV/SOV、推進、燃料、構造物、TPS、O&M、電力、アビオニクス、M&P

LOD: 標準インタフェース、M&P、O&M、積み込み/打上げペイロード、軌道上での短時間点検

改良型天気予報

高度アンテナ

機上での精密航法

人間とコンピュータの高度なインタフェース

M&S用の高度ツール

高度処理

高度 /改良型アプリケーションソフトウエア

標準の適応型通信 I/F

Page 167: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

166

宇宙の監視

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

リアルタイムによるすべてのHIOの特徴の描写

(100%)

正確な大きさおよび位置の検出および追跡

(LEO/GEO)(大きさ: 1 cm/10 cm)(位置: 10 m/100 m)

タイムリーな HIOの監視

(NRT)

カタログモニタリング

(NRT)

FBXB レーダ

HAVESTARE

FBXB レーダ

SBEON

RIDSN

CoS BM

S バンドフェンス

SBIRS-Low

RIDSN

USSPACECOM

BM

GDIN

スペクトル

SAR

ATR処理

相互指示

MTI

MSX

融合処理

保護

候補システム重要能力

98 05 12 20候補技術

脅威の検出および報告

(国益)

耐性および防衛

(100%)

再編および修理

(時間/日)

ミッション上の影響の評価および連絡

(秒)

源の識別、突き止めおよび 分類

(秒)

移動式ミッショ

ンプロセッサ

N/UWSS

TW/AR

N/UWSS

宇宙空間中

CoSBM

TW/AR

RIDSN

機上保護機器

GDIN

USSPACECOM

BM

SBR

AI

耐放射線化およびシールド

機上でのマヌーバ

機上での診断

相互指示

機上での処理

(「宇宙の監視」を参照)

Page 168: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

167

防止

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

米国および第三者の宇宙能力の無断使用または利用の検出および識別

(100%)

(軍事的効用を有するすべてのシステムの検出/識別)

N/UWSS

LPI

暗号化

CoSBM USSPACECOM

BM

GDIN

機上での検出

LPI

暗号化

搭載ソフトウエア

相互指示

ミッション上の影響の評価

(100%、分)

(米国のシステムおよび国際的なシステムのすべてのシステムが対象)

タイムリーでかつ柔軟性のある拒絶

(NRT、秒)

無力化

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

柔軟性のある効果

(総能力のうちの 60%は可逆的な

効果を出さなければならない)

精密攻撃

(すべての軌道上にある敵の宇宙システムおよびサービスを

100%無効にする)

必要に応じた採用

(分)(必要時)

戦闘評価

(100%, NRT)

従来の戦力

再配置可能な

RF 妨害装置

再配置可能な

レーザ

NMD GBIs

GBL

TOS

NMD GBI

小型 RF 無力

化機

SBEON

RIDSN

S バンドフェンス

CoS BM

SBJ

SBP

SOV

宇宙空間レーザ(SBL)

GDIN

USSPACECOM

BM

Big Crow

MIRACL

KE ASAT

HPM技術

融合処理

Page 169: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

168

統合集中監視

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

リアルタイムでの目標物の識別および特徴描写

(目標物群の 100%)

弾道ミサイルおよび巡行ミサイルに対する警戒警報

(グローバル)

弾道ミサイルの発射地点および落下地点の予測

(メートル以下)

EWR

DSP

戦域システム

米国のシステム

FBXB レーダ

下層

上層

THAAD

SBIRS-High

SBIRS-Low

GE BM

SBR, GDIN

USSPACECOM

BM

自動相互指示

融合

自動認識

HSI

USI

高度 EO

MTI

目標物群の検出/監視/モニタリング/追跡

(リアルタイム)

戦闘管理

(NRT)

ミサイル防衛

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

BMC3

(100%)

必要に応じたミサイル防衛

(グローバル、分)

全面的関与

(全フェーズ)

戦闘評価

(100%、リアルタイム)

PAC-3

イージス

下層

GBI

GBL

GE BM

上層

THAAD

ABL

GDIN

USSPACECOM

BM

SBL

GDIN

SOV

HPM

SBP

自動相互指示

融合

自動認識

HSI        USI

高度 EO

MTI

弾道ミサイル交換

HPM

Page 170: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

169

戦力投入

候補システム重要能力 98 05 12 20 候補技術

BMC3

(NRT)

必要に応じた戦力投入

(分)

柔軟性のある戦力投入

(限定された様々な目標物セットの 100%)

柔軟性のある効果

(非殺傷力が 30%)

戦闘評価

(100%、リアルタイム)

CBM ACTD

CBM(3 つの資産)

CAV 付 きCBM

GE BM

鏡付き GBL

GDIN

USSPACECOM

BM

SBL

SBR

自動相互指示

融合

自動認識

HSIUSI

高度 EO     MTI

弾道ミサイル交換

HPM

大砲技術

高度融合/誘導システム

ABL 機上レーザ LOD 必要に応じた打上げACTD 先端概念技術実証試験 LPI 迎撃確率が低いAI 人工知能 LRP 長期計画ARTS 自動遠隔追跡システム M&P 製造および加工ASAT 対衛星 M&S モデル作成およびシミュレーションATR 自動目標物認識 MIRACL 中~赤外線高度化学レーザAUS 高度上段ロケットエンジン MSX 中間軌道宇宙実験BM 戦闘マネージャ MTI 動いている目標物表示器BMC3 弾道ミサイルに関するコマンド&

コントロールおよび通信NMD 国家ミサイル防衛

CAV 共通航空機 NRT ほぼリアルタイムCBM 従来型弾道ミサイル N/UWSS NORAD/USSPACECOM 戦闘支援システムCoS 宇宙のコントロール O&M 運用および保全DSP 国防支援計画 PAC-3 PATRIOT高性能-3EELV 進化型使い捨て型打上げロケット RF 無線周波数EO 電気光学 RIDSN レーダ画像撮影/深宇宙ネットワークEWR 早期警戒レーダ RLV 再使用型打上げロケットFBXB 前進基地配備 Xバンド SAR 合成開口レーダGBI 地上迎撃機 SBEON 宇宙電気光学ネットワークGBL 地上レーザ SBIRS 宇宙配備赤外線システムGDIN グローバル防衛情報網 SBJ 宇宙空間妨害装置GE グローバルな関与 SBP 宇宙プラットフォームGEO 静止軌道 SMV 宇宙マヌーバ機HIO 影響力の大きい物体 SOV 宇宙オペレーション機HPM 高電力マイクロ波 ST 宇宙輸送HSI ハイパ・スペクトル画像 THAAD 戦域高高度方面防衛ID 識別/識別する TOS 輸送可能光学システムI/F インタフェース施設 TPS 熱保護システムKE 運動エネルギー TW/AR 脅威警戒警報/攻撃報告LEO 低高度地球周回軌道 USI ウルトラ・スペクトル画像

Page 171: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

170

将来の統合宇宙オペレーション

Page 172: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

171

付属書 G

宇宙技術実証試験

 DoDは、いくつかの一連の技術実証計画を実施しておりかつ参加している。これらの実

証試験は通常は産業界が競争入札しており、新しい技術およびアプローチ法が軍およびそ

の他のユーザの要求および新しい運用概念を満たす上で妥当であるかどうかを確認するよ

うに構成されている。

高利得統合ロケット推進技術(IHPRPT)実証計画

 空軍は、DoD/NASA/米産業界による国家的な IHPRPT計画の下で、新技術に関して最終

目標を達成させることを目指した計画の共同立案および共同開発を行うためのチームを

NASA、陸軍、海軍および米国の主要な推進技術契約者と編成している。これらの投資は、

宇宙での新しい推進能力を確保しかつ現在の推進関連問題を解決するための基礎を構築す

る。ここでは、8つの実証計画を以下に示した。

ブーストおよび軌道遷移推進

実証試験 目標 要約説明

極低温ブースタエンジン

ライフサイクルコスト(LCC)が低く、平均オーバーホール期間(MTBO)が 100 回以上のミッションである (現在 のMTBOは 5 回以下)高再使用型ロケットエンジン用の最重要技術を実証する。

これらの推進技術は、静止した試験台において試作的な規模での統合エンジンコンフィギュレーション状態で実証する。

一般的には、再使用型の軍用軌道宇宙機/軌道外宇宙機概念の場合が低コストになる可能性が最も高いと考えられている。さらに、真に必要に応じた宇宙機が、時間がきわめて重要な軍事ミッションに対応が可能な革命的な軍事能力を確保しうる。これらのシステムの再使用可能を制約しているのがロケット推進である。スペースシャトル主エンジン(SSME)の寿命を短くしてしまう要因はこれまでに特定されており、現在は寿命を引き延ばすために対処中である。

Page 173: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

172

実証試験 目標 要約説明

極低温上段ロケットエンジン

(エンジンのコンフィギュレーションの際に)RL-10 セントールエンジンと同じ体積および同様の質量で 2倍以上の推力を用いて高エネルギー上段ロケットエンジン推進の実証試験を行う。

上段ロケットエンジン推進は、多段打上げロケットの最後の段として、質量の軽減および

性能の向上を行うことによって非常に大きな見返りを得ることができる。現在開発中の技術の場合には 1基のエンジンが 2基のエンジン(現在のセントールエンジン)に取って代わることができ、ペイロード能力を最大で 22%向上させながらエンジンコストを 1/2に削減することが可能である。その結果、軍用の打上げの場合には 1年当たり 2000万ドル以上の節約が可能になる。

固体ブースト

モータ

信頼性および性能が向上しかつコストが削減されているモータ技術を本格的な規模でのモータ静止試験において実証する。

戦略的持続を可能にするためのリスク軽減を行う。

従来の使い捨て型宇宙打上げロケットおよび再使用型宇宙打上げロケットは、 推力の高い固体ロケットモータを用いて低高度の地球の重力から脱出している。固体ロケットブースタの性能が向上すればより多くのペイロードを同じ打上げロケットに搭載できるかまたは打上げロケットの小型化ができる。これらのいずれの結果の場合も、軌道まで打上げるペイロード 1ポンド当たりのコストが大幅に削減される。現在は、性能と信頼性を向上させかつハードウエアコストを低減させたモータ技術を当該目的のために開発中である。さらに、当該技術は、現在開発中の相対的に低コストの使い捨て型固体段を使用する変種の再使用型システムを直接支援可能である。

老朽化および監視

特定の戦略ミサイルモータの耐用年数を予測する能力を倍増させて 90%の信頼度で 5年から 10年にし、非破壊評価(NDE)データ処理時間およびコストを 1/2にする。

(1)原位置において測定した材料の性質、(2) これらの性質が経時でどのように変化する可能性があるか、および(3) モータの耐用年数を予測する際に要因に関する不確実性を少なくすることによって「予見できる期間」を 2倍にすることが可能である。当該予見可能期間が 2 倍になるとシステムの利用可能度が上昇しかつ LCCが大幅に低下する。予見期間が 10 年になれば、コストの高いモータの再製造や交換を早計に行うことを回避できる十分な期間が確保される。このように改良されたプロセスが NDEツールによって自動的に行われるようにすれば、処理時間を 50%以上短縮しかつ処理コストの 50%以上の削減が可能になる。

ブースト後制御

システム

(PBCS)

コストが高い技術および/または利用できない技術に取って代わる低コストでかつ持続可能な PBCS推進システムを明確化しかつ実証する

システムコストを25%削減する

既存の固体推進システムは、バルブ、推薬、および固体ロケットモータケースに関してコストの高い材料およびプロセスを使用している。例えば、チタン、HMX、TZMおよびニオビウムは費用対効果が高い市販の材料に取って代わる。さらに、バルブの応答が向上するとシステム効率が高くなりかつガス発生炉サブアセンブリ数が減少する。

Page 174: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

173

実証試験 目標 要約説明

ミサイル推進

既存のシステムを改良するかまたは次世代の戦略ミサイル用の技術を確保するために戦略ミサイル能力を持続させる上で適用可能な固体ソリッドモータ技術を実証する

耐用年数の長いロケットモータ技術は、コスト的に手ごろな大陸間および海洋発射戦略能力(ICBM 及びかとSLBM)を維持する上ではきわめて重要な技術である。この努力は、老朽化と監視および PBCS とともに、現在におけるブースト推進関連の戦略的持続技術努力となっている。

軌道上での宇宙機推進

実証試験 目標 要約説明

高性能ホールスラスタ

非常に効率的な宇宙推進技術が衛星のマヌーバを向上させること(最大で 5倍)および軌道上での寿命を延ばすこと(最長 4倍)が可能であるかとどうかを実証する。

ステーションキーピングと軌道投入の組合せを実施し、それによってペイロード能力を向上させる。

軌道上の資産を交換する必要性を減らすことによって、いくつかの打上げを行う必要がなくなり、運用コストの劇的な削減が可能である。また、重要なシステムの利用可能度が向上する。新型のホールスラスタシステムは当該能力を大幅に向上させることが可能である。

太陽熱 新型の推進システムがすきまミッションにおいて見返りのある形で実行可能であるかどうかを実証する(例えば、高楕円軌道および革命的なスペースタグ能力など)。

当該推進システムの実証試験の中には、性能及び質量に関する地上試験が含まれている。また、指向精度およびコントロール精度の実証試験を軌道上で行う。

当該新型推進システムでは、集中させた太陽光を使用して推薬を加熱しかつその結果発生したガスをノズルで膨張させることによって推力を生み出す。このため、従来の化学的推進システムおよび電気推進システムの場合よりもはるかに高い推進効率を達成させることができる。

HMX サイクロテトラメチレン・テトラニトラミン(酸化剤)TZM チタン-ジルコニウム-モリブデン(モリブデン合金)

高再使用型推進システムの開発

 DoD が所有している宇宙技術実証計画の中には、高度概念技術実証試験(ACTD)および

先端技術実証試験(ATD)と呼ばれている計画が存在している。このうちの ATDは、システ

ム開発環境におけるハードウエア-ソフトウエア機能に注力しており、他方 ACTDには、

Page 175: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

174

運用者の参加、運用概念(CONOPS)の検討、および軍事的有用性問題も含まれている。国

防機関および軍が後援している顕著な例を以下の表に要約した。

DARPA宇宙技術実証計画

実証試験 目標 要約説明

ディスカバラーII

(技術の実証)

コスト的に手頃な宇宙レーダを用いて動いている目標物を検出することが可能であるかどうかについて取り組んだ。当該計画では、2010年までに宇宙空間偵察・監視システムに結びつけることが意図されていた。

DARPA、空軍、NROおよび陸軍による共同活動

最終目標: 戦域的、昼夜、全天候型かつほぼ連続的な高分解能レーダ(HRR)-GMTI による探索および追跡、超高分解能 SAR 画像、および DTED生成。ユーザの戦術的目標への対応を目的とした必要に応じた戦域的情報収集、およびほぼリアルタイムでの戦域へのダウンリンクを含めるように計画されていた。

当該計画ではさらに、衛星群管制概念(その他のミッションのためのペイロード管理を含む)、宇宙レーダ(SBR)の実行可能性、および宇宙センサによる作戦支援について試験するための GMTI およびSAR 画像撮影能力を備えた SBR についての探究も意図されていた。

システムの生存可能性を高めながらより広い面積/より大きな体積を連続的にかつグローバルに網羅できるようにするためレーダによる空中および地上の監視の宇宙への適用が望まれていた。

2001会計年度終了予定

オービタルエクスプレス

(ATD)

衛星の運用範囲を拡大させること、衛星の寿命を延ばすこと、および(燃料の補給によって )衛星のマヌーバ性を高めることを可能にするための自主的な衛星整備概念を実証する。

軌道上でのインタフェースを容易にするため宇宙機を標準化およびモジュール化する。

軌道上での衛星の燃料補給と再コンフィギュレーション、および予め計画されている衛星電子機器のグレードアップをロボットによって行う方法の研究開発および軌道上での実証試験を目的としたDARPA 計画。この場合の整備衛星は、自主的宇宙輸送機およびロボットオービタ(ASTRO)と呼ばれる軌道上マイクロシャトルであり、すべての軌道高度および異なった平面において衛星にアクセスできるようになる。さらに、燃料上の新しい選択肢についても分析する。

米国の将来の広範な国家安全保障宇宙計画および商業宇宙計画の支援が可能になる。

軌道上の能力の補強によって宇宙オペレーションを「定常的なものに」することが可能である。

2000会計年度に設計完了       2004会計年度に打上げ予定

NRO宇宙技術実証計画

実証試験 目標 要約説明

宇宙技術実験

(STEX)(ATD)

次世代の宇宙情報収集システム用の実現可能化技術を試験しかつ成熟化させながら、運用上の必要事項を支援するように設計された最高水準の超低コスト宇宙機を実証する

NROの最初の非機密衛星である

性能を基本にした仕様を組み入れかつ契約者の最良の慣行を導入した簡素化取得/管理手法について実証した。さらに、衛星用の先端技術サブシステムを 24個以上試験した。

太陽アレイの故障が原因で 1999年 6月上旬に作業を終了した。簡素化した取得および管理について貴重な教訓を学ぶことができた。

Page 176: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

175

BMDO宇宙技術実証計画

実証試験 目標 要約説明

中間軌道宇宙実験

(MSX)

シャトルプルームを MSX 衛星から観測して特徴を描写する

中間軌道段階にあるミサイル型の目標物を観察して特徴を描写する宇宙センサ能力の探究を目的とした早期警戒/監視プロジェクト (空軍の SBSSOを参照)

1996年 4月打上げ

宇宙技術研究衛星シリーズ

(STRV)

STRV 1c/1d: 試験構造、放射線の影響、宇宙環境

STRV-2: 宇宙-地上間のレーザ通信を試験する

BMDO-英国国防省(MoD UK)、NASA、空軍、および欧州宇宙機関(ESA)による協力計画であり、複数の先端宇宙技術(多機能構造、放射線感受性、高度共通通信プロトコル、宇宙環境影響測定)を 2個のマイクロ衛星(100 kg)で試験することを目的としている

2000年後期打上げ予定

BMDO-MoD UK通信/航行および将来の衛星技術/アーキテクチャプロジェクト。熱コントラストによる航空機検出。

2000年打上げ

宇宙技術研究衛星(STRV) 1c/1d

STRVは、通信システム、航行システムおよび監視システムの将来の能力を向上させるように設計された改良型衛星技術のリスク軽減飛行試験を支援する

空軍宇宙技術実証試験

実証試験 目標 要約説明

宇宙空間宇宙監視作業

(SBSSO)

(ACTD)

SBIRS-Low用に必要な技術を向上させかつ宇宙監視ネット ワ ー ク(SSN)を支援するための宇宙における宇宙監視作業を行う

中間軌道実験(MSX): BMDO が後援する早期警戒/監視プロジェクトであり、中間軌道目標物および背景についてのデータ収集によって宇宙におけるセンサ機能実証試験に成功した。また、シャトルのプルームを MSX衛星から観測して特徴を描写した。さらに、長波長赤外線(LWIR)センサを使用した。それ以来極低温冷却は使い果たした状態になっている。

MSX/宇宙可視(SBV)センサ: MSX/SBV センサを軌道上での宇宙監視テストベッドとして使用。SBV 装置は、非冷却可視~超近赤外線バンドセンサを用いて超水平線(ATH)ミサイル、RSOおよび背景の監視を実証中である。

現在は諸資産が USSPACECOMの SSNに対する貢献センサ(AFSPCが管理)として稼働中であり、BMDO が干渉を受けない状態で MSX の目標を追究中である。

Page 177: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

176

実証試験 目標 要約説明

小型環境

異常

センサ II

(CEASE II)

(ACTD)

宇宙環境の要素のうちで宇宙システムに対して悪影響を及ぼすことが判明している要素をモニタし、主宇宙機に対してリアルタイムで警報を送る。

USSPACECOM、空軍および NRLが支援する ACTD

主宇宙機に常在する小型、低電力、低質量の機器。軌道上に 2 年間滞在し、CEASE IIが異常解決時間を短縮しかつ状況認識を向上させることができるかどうかを実証する。

当該計画の見返りとしては、衛星の休止時間が短くなり衛星の誤動作によるユーザへの影響が小さくなること、および敵対行為を排除する能力の向上を挙げることができる。

CEASE IIを DSP-21に搭載して 2000年に打上げ予定

MightySatII

(ATD)

高利得宇宙システム技術を軌道上の「実験室」で実証し、運用ミッションの際にただちに利用できるかどうかを確認する。

MightySat IIには、AFRLによって設計された重さが 300 lbのマルチミッションの宇宙機が含まれている。MightySat IIのペイロードは次の 2種類である。

・ 実験バスコンポーネント: 太陽電池アレイ集電装置(SAC)、NRLの超小型宇宙地上リンクシステムトランスポンダ(NSX)、および多機能複合バス構造(MFCBS)などがある。

独立型実験機器: フーリエ変換ハイパ・スペクトルイメージャ(FTHSI)、Quad-C40 プロセッサ(QC40)、形状記憶合金熱テーラリング実験機器(SMATTE)および太陽電池アレイたわみ式インターコネクト (SAFI)などがある。

統合宇宙技術

実証試験

(ISTD)

(ATD)

先端技術について実証しかつ運用可能であるかどうかを評価する

DoD の宇宙機、民事宇宙機および商業宇宙機を促進させる 上 で の 費用・便益を決定する

AFRL、その他の政府研究所および産業界による新生技術を、ユーザ用のシステムレベルでの運用実証試験において試験することによってAFSPC のミッション上のニーズに対応することを目的とした一連のATD

これらの技術は 3 年間のサイクルで実証試験を行い、以下の項目について評価する。

・ 最高水準の能力

・ 運用上の特定のニーズへの応用可能性

・ 非専用宇宙機を促進させることによって達成可能なコスト削減

これらの実証試験は、DoD 宇宙機、民事宇宙機および商業宇宙機上で行われ、いずれの場合も直接コストが削減されることになり、さらに、専用軍事システムのコストのほんのわずかな割合で運用能力を確保する方法が示される。

(1994 年 3 月に)最初に打上げられた自主的運用を持続させるための技術(TAOS)に関する衛星であり、2000年 8月の実験完了後も軌道上にとどまっている。

2001年の初めに 2回目の打上げ(ウォーファイター I)が予定されている

Page 178: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

177

MightySat は、衛星に関する先端技術(例えば、多機能構造物および超小型化アビオニクスなど)を軌道上で試験するためのテストベッドを提供するMightySat II.1は、HIS画像撮影データ用の新しい機上処理技法について既に実証中である

Page 179: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

178

実証試験 目標 要約説明

XSS-10

(ATD)

統合したマイクロ衛星システムを飛行させ、これらのより小型の衛星を通じて宇宙整備技術について実証しかつ評価する

XSS-10 は、宇宙での支援/作業に関する AFSPC のニーズの支援を目的としたマイクロ衛星実証試験計画である。

同衛星は重量が 30 kgであり、軌道上では、デルタ II第 2段ロケットに基づいて自主的な作業を行う。例えば、第 2段ロケットの 6点検査および常在する宇宙の物体(RSO)(例えば、活動中のペイロード、ロケット本体、上段ロケット、およびスペースデブリなど)の追跡などが含まれている。

2001年後期に打上げ予定

通信途絶/航行

停止予測システム

(C/NOFS)

(ACTD)

近地球宇宙環境における事象が原因で発生する GPS航行リンクおよび衛星通信リンクとの途絶を警報する能力について実証する

C/NOFSは、GSP衛星上に常在している機器であり、電離圏内で発生する赤道シンチレーションを明確化して予測することによって、バックアップシステムと代替リンクを予め選択することが可能になり、さらには異常の解決および運用計画の立案が容易になる。

電離圏でのシンチレーション事象が原因で生じる GPS リンクの途絶の減少が予想される。

2000会計年度の ACTDは AFSPCが後援2003年打上げ予定

TechSat 21

(ATD)

通常はより大型の一体型衛星によって遂行されるミッションを遂行するために互いに非常に接近した状態で飛行しているマイクロ衛星群の有用性について実証する

TechSat 21は 3個の衛星によって編成されており、分散型の運用および処理用のクロスリンク(例えばパソコンネットワークなどのようなクロスリンク)を用いて 1つの「仮想衛星」を作り出している。これらのマイクロ衛星は、正確なディファレンシャル GPS 測位、衛星間の測距と通信およびマイクロ推進の各能力、および X バンドアンテナを備え、散在開口検知、地球を基準とした測位、および通信を行う。なお、当該計画において予想されている見返りは以下のとおりである。

・ 低コストによる大量生産が可能になる

・ 打上げコストの削減ができる

・ センサの総開口および総分解能が向上する

・ いくつかのミッションの遂行のため再コンフィギュレーションできる

・ 複数の衛星であるため強固である

TechSat 21はさらに、同等の大型衛星よりもはるかに軽量の全く同じ衛星を大量生産するという概念を証明することにもなる。

空軍 S&T 予算において全額計上されている

2003年打上げ予定

Page 180: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

179

通信途絶/航行停止予測システム(C/NOFS)

赤道緯度において通信の途絶/航行停止の予測活動中の C/NOFS。C/NOFSは、空軍の最上位の先端概念技術実証試験(ACTD)である。

Page 181: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

180

実証試験 目標 要約説明

宇宙空間

レーザ

統合飛行実験

(SBL IFX)

(ATD)

目標物であるブースト中のミサイルに対する高エネルギーレーザシステムの動作および有効性を実証する

ブースト段階の目標物である戦域ミサイルおよび国家的ミサイルに対する高エネルギーレーザの能力を漸進的に試験および実証することを目的とした IFX(SBLの動作および殺傷力を含む)

SBL IFXは、空軍の S&T資金および BMDOによって共同出資されている。支援作業の中には、後続の取得プロセスおよび運用概念も含まれる。

2007 会計年度に完全な規模の統合システム地上試験が予定されており、2012年に宇宙機の打上げが予定されている

適応型セン

融合(ASF)

(ATD)

規格に基づいたオープンな情報融合アーキテクチャを構築する

当該融合アーキテクチャには、利用可能なセンサデータを有効かつ完全に使用できるように選択した融合エンジンの性能を最適化するための適応型融合マネージャが含まれている。当該 ASFシステムは、標準のデータインタフェースとアプリケーションインタフェースを備えることによって異なった融合システム間での相互運用性を最大化することが計画されている。さらに、指定されているユーザのニーズ、状況の変化、および利用可能な融合エンジンに従って融合アルゴリズム、パラメータ、モデルおよびコンフィギュレーションを最適化するように設計される。なお、ASF ソフトウエア開発モデルは 4 つのモデルから成る「スパイラル」モデルであり、これらの 4つのスパイラルモデルによって運用可能な 1 つの強固なシステムが構

築されることになる。

移動目標物

インジケータ(MTI)

利用ツール計画

(ATD)

現在および将来のセンサシステムからの MTI データを利用することによって価値の高い移動目標物の突き止め、識別および追跡をできるようにするための自動化ツールを開発する

当該 ATDは、DARPA-AFRL移動目標物利用(MTE)計画を拡大させたものであり、C2および兵器オペレータを援助するために以下の 4つの技術分野においてアルゴリズムを開発する。

・ 動いている目標物を地上において追跡する

・ 動作パターンの分析

・ 行動パターンの分析

・ 資源の配分およびスケジュール設定

 最初の 3 つの項目には、MTI データを利用してより包括的な戦闘空間状況を把握するためのオペレータ用ツールセットが含まれる。4番目の項目は、動いている目標物(地上および空中の両方)の検出、追跡および利用に役立つ。

ハイパ・ス

ペクトル

情報の融合

(ATD)

DoD の画像アナリストが HIS 情報とその他の情報源を融合させて利用報告書を統合できるようにするためのソフトウエアツールを開発する

戦場空間アナリストは、様々な NASA センサのプロダクツと情報源(INT)を相互に関連させることによって該当するオブジェクト(OOI)を抽出する必要がある。

様々な INT および EO センサとレーダセンサの両方から入手したデータと HSIセットを融合させるためのツール一式を開発する。また、独立型の HIS ビューアがハイパ・スペクトルデータベースにアクセスして適切な場面を選択する。さらに、利用ツールキットによって各ミッションごとの OOI を背景から際立たせて画質を高め、さらにはその他の潜在的な OOIを突き止める。

Page 182: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

181

実証試験∗ 目標 要約説明

宇宙システム

および宇宙ミッションに関する仮想協力環

(ATD)

ミッション、システム、サブシステム、およびセンサに関する先端概念を合同チームが設計および評価できるようにするための情報技術、視覚化技術、人間とコンピュータのインタフェース技術およびシミュレーション技術を共同エンジニアリング用に開発する

当該 ATDは、宇宙システムの制御および運用用に必要な柔軟なインタフェースを確保する仮想環境をシミュレーションおよび運用の両面で実証することになり、仮想協力環境には以下の項目が含まれる。

・ 複数の専門分野において情報交換を行うためのドメインから独立した枠組み

・ ドメインおよびミッションに依存した一連のツール

当該枠組みでは、事業上の 1 つの仕事を達成させるために必要な物理的資産、プロセスおよび要員を統合する。分散型協力環境では、事業チーム全体が共通のモデル、シミュレーション、データベース、およびツール一式を通じて同時に問題を解決できるようになる。

海軍宇宙技術実証計画

実証試験∗ 目標 要約説明

マイクロエレクトロニクスおよびフォトニクスに関するテストベッド(MPTB)

市販の (COTS)機器を宇宙放射線環境において試験して最適な軌道を決定する

高放射線軌道における新しいマイクロエレクトロニクス機器とサブシステムおよびフォトニクス機器とサブシステムの性能、信頼性および生存可能性の試験を目的とした将来の衛星技術/アーキテクチャの実験。耐放射線化機器が不足しているため、将来の宇宙サブシステムの性能を大幅に向上させるためには COTS 機器が必要になる。

1997年 11月打上げ

非従来型の星間アスペクト(USA)

X 線源を用いた自主航行

通信/航行プロセス

1999年 2月打上げ

高温超伝導宇宙実験Ⅱ

(HTSSE II)

高温超伝導機器用の宇宙テストベッド

高温超伝導(HTS)コンポーネントを通信サブシステムおよび信号処理サブシステム内に組み入れることが可能であるかどうかの実証を目的とした将来の衛星技術/アーキテクチャプロジェクト。HTSSEⅡではさらに、FPA および冷却した半導体に関する 1 つの選択肢である高度機械式極低温冷却装置についての実証も行う。

1999年 2月に打上げ

高分解能大気光/オーロラ分光学(HIRAAS)

DMSP 用の特殊センサ紫外線リムイメージャ (SSULI)センサの飛行試験を行う

気象/宇宙環境プロジェクト

1999年 2月に打上げ

∗ 全 ADT∗ 全 ADT

Page 183: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

182

実証試験∗ 目標 要約説明

WindSat 偏光学を用いて海面風ベクトルを宇宙から測定する

(海軍の作戦単位用に)偏光学的マイクロ波放射線計が風の速度および方向の測定が可能であると実証することおよび NPOESS の円錐形マイクロ波イメージャサウンダ(CMIS)にとってのリスクの軽減を目的とした海軍-DoD 気象/宇宙環境プロジェクト。WindSatは、DoD 宇宙試験計画(STP)のコリオリミッションにおける主ペイロードである。

2001年打上げ予定

CloudSat 雲の上限および下限の高度を測定する

気象/宇宙環境プロジェクト

2003年打上げ予定

宇宙における変調リトロアレ

イ(MODRAS)

宇宙-宇宙間および地上-宇宙間における超小型センサを用いたレーザ通信を試験する

レーザおよびジンバル付き望遠鏡を飛行させる必要がないようにすることによって自由空間において光学的なデータ転送を行うための単純でコンパクトかつ軽量な手段について実証することを目的とした通信/航行プロジェクト。データ速度に関する長期的な最終

は、近赤外線バンド(0.8~1.06 µm)において 1 MB/秒超である。

2003会計年度末に打上げ予定

インド洋METOCイメージャ

(IOMI)

ハイパ・スペクトルによる革命的な大気の特徴描写を実証する

民事および軍事の気象観測および天気予報用の先端技術の妥当性確認を目的とした海軍/NASAプロジェクト。IOMIは、NASAの静止軌道画像撮影フーリエ変換分光計(GIFTS)装置を使用して高度分解された「水蒸気」風を GEO から測定し、リアルタイムのデータを艦隊にダウンリンクする。

2005会計年度に打上げ予定

全空測定天文学的マッピングエクスプローラ(FAME)

海軍の航行、精密タイムキーピング、および監視用のスターカタログを更新する

4000 万個の星の位置、適切な動きおよび視差のカタログを作成するために 2.5~5 年の期間にわたって観測を行うことを目的とした海軍

/NASA の通信/航行プロジェクト。当該プロジェクトは、光学インターフェロメトリ用の技術を初めて宇宙において試験するプロジェクトになる。

打上げは未定

気象、電離圏、

および気候に

関する衛星群

観測システム(COSMIC)

マイクロ衛星群によるグローバルな気象予測を試験する

海軍-NASA-NSF-NOAA気象/宇宙環境プロジェクト

打上げは未定

大気圏および電離圏の遠隔検出システム

(RAIDS)

DMSP 機器データベースの改良を目的として完全な特徴描写を行う

気象/宇宙環境プロジェクト

打上げは未定

∗ 全 ADT

Page 184: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

183

CloudSat

CloudSatは、雲のプロフィールおよびその物理的性質と光学的性質を初めてグローバルに調査することになり、気象および気候の予測向上に役立つ。搭載機器には、光学イメージャ、近 IR分光計、およびミリ波レーダなどが含まれる。

Page 185: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

184

陸軍宇宙技術実証計画

実証試験 目標 要約説明

レーザ通信 安全な、広帯域、視線レーザ通信を確保する

安全な、広帯域宇宙-地上間両方向通信の開発: 陸軍のポイント-ツーポイント戦術通信ATD内に統合する

戦場兵器認識(BOA)

地上の爆発性兵器に関する事象の位置をリアルタイムで突き止めかつ識別する

情報の支配およびディープストライク能力(遠距離侵攻攻撃)をシステムが支援する上で必要になる赤外線空中/宇宙センサ技術を開発する

戦場の特徴を描写するためのオーバーヘッドセンサ

(OHS)技術

リアルタイムのマルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル戦場情報を提供する

戦力の保護および戦場情報準備(IPB)をシステムが支援する上で必要になる赤外線マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル宇宙センサ技術を開発する

宇宙の監視 戦域内での衛星運用状況を決定する能力を確保する

衛星センサの視野および運用状況をレーダによって決定する戦術的能力を開発する

常時移動戦術SATCOM技術

常時移動 SATCOM 地上端末能力を確保する

陸上の物体による信号の妨害から速やかに回復するためにすべての通信衛星群に対して適用可能な地上端末ソフトウエアプロトコルおよび手法を開発する

戦闘空間戦術的航行(BTN)

航行システムの強固さを向上させて登録エラーを最小限に抑える

GPS用の疑似物、妨害防止技術、およびバックアップ航行能力を開発する

戦術的 ISR 敵軍および友軍の統合図を作製する

旅団司令官のために通信、ネットワーク、ソフトウエアおよびセンサの統合を目的としたプロジェクト

点攻撃多発射ロケットシステム

(MLRS)

GPS補正値を戦術ミサイルに伝送するための精密誘導パッケージおよび方法を確保する

MLRS 用の耐電波妨害 GPS 誘導パッケージおよび補正した GPS 信号をミサイルに送るための装置/技法を開発する

携帯式 C2無線通信(HC2WC)

司令官と前方に配備された兵力の間でミッション上の重要情報のやりとりができる能力を確保する

友軍追跡データおよび目標設定/情報データの双方向見通し外通信を歩兵隊が行うことができるようにするための軽量衛星通信システムの開発を目的とした陸軍宇宙利用/実証試験計画(ASEDP)プロジェクト

任務途中での計画立案/リハーサルシステム(EMPRS)

配備担当司令官による任務途中での計画立案およびリハーサルの支援を行う

新生の通信技術およびソフトウエアを用いて任務途中での計画立案および任務のリハーサルができる能力を開発することを目的とした ASEDPプロジェクト

戦術天候統合気象システム(IMETS)

陸軍の IMETS を向上させる天候支援アーキテクチャを確保する

任務専用の天気予報、リアルタイムの気象画像、天候の影響の評価結果、およびデジタルオーバーレイの提供を目的とした ASEDP プロジェクト

Page 186: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

185

実証試験 目標 要約説明精密 SIGINT目標設定システム(PSTS)

センサ-シュータ間の時間を短縮した形で精密目標設定データを提供する

既存の戦術通信アーキテクチャを利用しかつ白黒空中/宇宙センサのインテグレーションを促進させることによってセンサとシュータ間の時間を短縮させた形で精密目標設定データの提供を目的とした ASEDPプロジェクト

イーグルビジョン II(EV II)

衛星によるほぼリアルタイムの戦域内光学画像およびレーダ画像を提供する

戦域内において商業光学衛星画像およびレーダ衛星画像をほぼリアルタイムで直接ダウンリンクする能力の開発を目的としたASEDPプロジェクト

Page 187: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

186

宇宙試験計画

背景

 DoDは、宇宙での実験についての評価および選ばれた機関による宇宙へのアクセスを容

易にすることを目的とした機関横断的な宇宙試験計画(STP)を 1966 年に策定した。当該計

画では、運用宇宙環境において先端技術の実証試験を行ってリスク軽減に役立てるという

内容の宇宙ミッションを遂行する。当該 STPの主担当機関は空軍であり、陸海空軍、NRO、

NASA、NOAA、BMDO、DOE、およびその他の該当後援機関と利害関係者のために宇宙

飛行の支援を行っている。

 多数の政府機関によって構成される宇宙実験審査委員会(SERB)が毎年一回会合をもち、

様々な政府機関の候補となる宇宙実験を審査して格付けを行っている。格付け後は、利用

可能な資金、実験上の優先度、および打上げ機会を考慮し、最大限の数の実験を行うこと

ができるようにするための費用対効果が最も高い宇宙飛行手段を探し出す。当該 STPは、

各実験の要件に応じて、打上げサービス、主宇宙機および最長 1年の軌道上での運用を提

供することができる。打上げ機会は、中型打上げロケットの場合が 4年ごと、小型打上げ

ロケットの場合が 2年ごとであり、その他の使い捨て型打上げロケットの二次的ペイロー

ドとして搭載することや、スペースシャトルの打上げおよび将来の国際宇宙ステーション

(ISS)を利用することも可能である。なお、後援する機関は、それぞれのその他の実験コス

トを全額負担する責任を有している。

現在の技術上の構想

 STPが現在支援している実験は 33件であり、これらの実験は下表のように 6つに分類さ

れている。

Page 188: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

187

分類 実験 後援機関 目標 打上げ

・通信途絶/航行停止予測システム(C/NOFS)

空軍 -赤道緯度における途絶および停止の特徴を描写しかつ予測する(4~6時間前の予測)

2003年2月

・全空測定天文学マッピングエクスプローラ(FAME)

海軍、NASA

-航行およびタイムキーピングに関してスターカタログを更新する

未定

・宇宙における変調レトロアレイ(MODRAS)

海軍 -超小型センサを用いて宇宙間および地上-宇宙間他でのレーザ通信を試験する

2003年9月

STS-128

・宇宙技術研究衛星(STRV)シリーズ

- STRV 1c/1d

- STRV2

BMDO(およびその他)

BMDO

MoD UK

-STRV 1c/1d: 通信プロトコル、航空機検出、汚染

-STRV 2: 宇宙-地上間のレーザ通信を試験する

2000 年後期

アリアン 5

2000年 6月

TSX-5/ペガサスXL

通信/航行

・非従来型星間アスペクト(USA)

海軍 -X線源を用いた自主航行 1999年2月

ARGOS/デルタ II

・SBIRS-Low用のアクティブクリーニング実験(ACSBIRS)

空軍 -宇宙の SBIRS光学機器を能動的に清浄にする能力を実証する

2000年12月

STS-107

・重要電離化速度(CIV)

空軍 -宇宙および打上げロケットのプルームおよび航跡の識別を援助する

1999年2月

ARGOS/デルタ II

・MightySat II.1 空軍 -フーリエ変換処理を用いて多機能構造およびハイパ・スペクトル画像撮影を実証する

2000年7月 19日

OSC

ミノトール

・中間軌道宇宙実験(MSX)

空軍

(現在)

-MSX衛星からのシャトルプルームを観測しかつ特徴を描写する

1999年7月

STS-93

早期警戒/監視

・衛星脅威警戒警報および攻撃の報告(STW/AR)

空軍 -衛星に対する敵の攻撃を識別および報告する

2000年12月

STS-107

・高温超伝導宇宙実験(HTSSE II)

海軍 -高温超伝導機器用宇宙テストベッド 1999年2月

ARGOS/デルタ II

将来の衛星技術/アーキテクチャ ・軽量柔軟太陽電池

アレイヒンジ(LFSAH)

空軍 -軽量柔軟太陽電池アレイヒンジを試験する

1999年7月

STS-93

Page 189: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

188

分類 実験 後援機関 目標 打上げ

・宇宙アプリケーション用マイクロエレクトロニクス機械システム

1(MEMS 1)

空軍 -マイクロエレクトロニクス機器用宇宙テストベッド

1999年7月

STS-93

・マイクロエレクトロニクス/フォトニクステストベッド(MPTB)

海軍 -オプトエレクトロニクスコンポーネント用宇宙テストベッド

1997年11月

・中間デッキ能動的制御機器実験 II(MACEII)

空軍 -姿勢および指向の制御用人工知能アルゴリズム

2000年7月

STS-100

・MightySat I 空軍 -高効率太陽電池を試験する

1998年12月

STS-89

・STRV 1c/1d

・STRV 2

BMDO(およびその他)

BMDO

MoD UK

-多機能構造、高度エレクトロニクスの放射線感受性

-能動的振動減衰を試験する

2000会計年度後期

アリアン 5

2000年6月

TSX-5/ペガサス XL

・ナノ衛星群 空軍

NASA

-編隊飛行およびマイクロスラスタ推進を試験する

未定

・国際宇宙ステーション実験材料(MISSE)

空軍

NASA

産業界

-将来の宇宙機および宇宙船用の様々な材料に対する宇宙環境の影響を調査する

2001年6月

・TechSat 21 空軍 -マイクロ衛星群を用いた宇宙レーダミッション

2003年

Page 190: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

189

三重サービス宇宙実験(TSX)ミッション

TSXミッションは、様々な宇宙技術(例えば、宇宙空間光学機器用の能動的振動減衰およびレーザ通信など)の飛行試験を行う。TSSX 5はさらに、破壊的放射線状態および静電状態を宇

宙機に警報する能力についても実証中である。

Page 191: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

190

分類 実験 後援機関 目標 打上げ

・EELV二次ペイロードアダプタ(ESPA)

空軍 -余剰マージン(開発中)を用いて最大で 6個の小型衛星を低コストで打上げることができるようにする

未定

・電気推進宇宙実験(ESEX) 空軍 -高効率ステーションキーピングおよび打上げコスト削減を実現させるための電気アークジェット

1999年2月

ARGOS/デルタ II

低コスト打上げ

・宇宙マヌーバ機(SMV) 空軍

NASA

ボーイング

-NASAの X-37空中/宇宙試験機の係留飛行試験、大気飛行試験および軌道飛行試験のための支援を試験する

1998年8月

・低衛星 X線画像撮影センサ衛星アレイ(ALEXIS)

DOE -宇宙での核爆発のモニタリング能力を試験および実証する

1993年4月

ペガサス

・軌道上での過渡事象高速記録(FORTE)

DOE -弱い核バーストに関する信号検出の向上

1997年8月

ペガサスXL

・多色熱画像器(MTI) DOE -精密放射計像撮影および温度測定

2000年3月

トーラス

核条約検証

・宇宙での宇宙大気バースト報告システム妥当性実験(SAVE)

空軍 -大気中および宇宙での核バーストに関する報告

2003会計年度

DSP-23/タイタン IV

・CloudSat 海軍NASA

-雲の上限および下限の高度を測定する

2003年

・気象、電離圏、および気候に関する衛星群観測システム(COSMIC)

海軍NASANSF

NOAA

-マイクロ衛星群のグローバルな気象予測を試験する

未定

・STRV 1c/1d BMDO(およびその他)

-バンアレン帯の変動 2000会計年度後期

アリアン 5

・ハード X線分光計(HXRS) NOAA -高エネルギーフレアおよび陽子嵐を予測する

2000年2月

MTI/トーラス

気象/宇宙環境

・高分解能大気光/オーロラ分光法(HIRAAS)

海軍 -DMSP用の特殊センサ赤外線リムイメージャ(SSULI)を飛行試験する

1999年2月

ARGOS/デルタ II

Page 192: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

191

分類 実験 後援機関 目標 打上げ

・極オゾンおよびエアロゾルの測定 II(POAM III)

海軍 -極緯度のオゾンおよびエアロゾルを測定する

1998年3月

SPOT IV/アリアン IV

・遠隔大気圏/電離圏検出システム(RAIDS)

海軍 -DMSP機器データベースの改良を目的として特徴を完全に描写する

未定

STRIPE

・WindSat 海軍DOC

-海面風の測定およびNPOESS機器用リスク軽減を目的としたマイクロ波偏光計の飛行試験を行う

2001年12月

コリオリ/タイタン II

・太陽質量放出イメージャ(SMEI)

空軍 -地磁気嵐の警戒警報を 2~3日行う

2001年12月

コリオリ/タイタン II

国家安全保障上への宇宙への貢献

 多数の機関によって構成される STPは、上述したように、共通の一致した最終目標を達

成させることを目指して DoD およびその他の機関による宇宙での実証試験を支援してき

ている。当該計画は 34年の歴史を有しており、147のミッションを遂行して 407個の実験

機器を宇宙に運び、成功率は 90%以上となっている。いくつかの主な実績を以下に示した。

・ 1970年代に試作のルビジウム原子時計およびセシウム原子時計の飛行試験を行い、今

日の GPSシステムに発展した。

・ 1980年代に、オーロラおよび電離層のリモート・センシング試験を行い、紫外線セン

サによるモニタリングを実証した。当該モニタリングはのちに DMSPにおいて実行さ

れた。

・ 1990年代に、STPが DARPAおよびオービタル・サイエンシズを支援し、ペガサスお

よびトーラスの打上げロケットの開発に貢献した。これらの打上げロケットは今日世

界第一位の小型打上げロケットになっている。

・ STPが NASAのゴダード宇宙飛行センタとパートナ関係を結んだ結果、DoD、民間、

大学および企業の宇宙実験者にとっての宇宙飛行機会を記載した公的な「宇宙へのア

クセス」データベースが作成された。

Page 193: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

192

・ STPは、外国の比較技術資金を使用し、英国のシュレイ・サテライト・テクノロジー

社と協力して 65 kgの PicoSat衛星を製造した。

・ STPは、NASAと協力し、南アフリカ初の衛星(Sunsat)およびデンマークの衛星(Orsted)

を ARGOS/デルタ IIに搭載して 1999年 2月に打上げた。

・ STPは、宇宙技術研究衛星(STRV) 1cおよび 1dに搭載する実験機器の目録の作成によ

って BMDOおよびその他の国内および国際的なパートナを支援した。なお、当該研究

衛星は 2000会計年度 4月にアリアン 5を用いて打上げられた。

・ STPは NROと長期間にわたって協力してきている。

 現在STPによって支援された試験中の宇宙技術は以下のようなリスクの軽減が可能にな

る。

・ 今後の 5年間: DMSP、GPS、SBIRS、EELV、および NPOESSのためのリスク軽減。

例えば、STP によって管理されたコリオリミッションでは海軍の Windsat 機器を宇宙

に運んでいる。当該ミッションは、DOC/DoD/NASA が後援する NPOESS 計画におけ

るリスクの軽減を計ることを目的とした最大のミッションである。

・ 今後の 5年~10年間: SBL、SBR、軍用スペースプレーン、および宇宙ハイパ・スペ

クトル画像撮影システムなどの中期計画のためのリスク軽減。

 最後に、STP ミッションは、今後の 10 年~20 年の間にまだ定義されていない新しい宇

宙システムを米国政府が実現させることを可能にするような新生の宇宙技術(例えば、

MEM機器、分散型マイクロ衛星システム、および多機能構造物など)についても実証中で

ある。STPは、米国の将来の国防宇宙システムを支援するため最も有望な技術の試験を軌

道上で行うための DoDの主プロセスとして歴史的な役割を果たしてきており、今後も引き

続きこの役割を果たしていく態勢が整っている。

Page 194: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

193

付属書 H

その他の連邦機関

 国家安全保障上の宇宙に関する目標を支援する技術を開発中の DoD 以外の主要な政府

機関は、NASA および DOE である。両機関とも、非常に様々な宇宙関連技術および宇宙

に関連する可能性がある技術を追究しており、それぞれ独自の国家的責任を追究する一方

でこれらの技術のうちの多くについては国家安全保障上の宇宙に属する独占分野およびす

きま分野において主導的な役割を果たしている。

 これらの両機関の活動を以下に要約した(なお、これらの活動のうちの多くは DoD とパ

ートナ関係にある活動である)。

NASA

NASAとしてのアプローチ法

 NASA は、「ミッションによって推進される技術」(すなわち、科学的目標および機会を

希望すること)から「技術によって実現可能になるミッション(すなわち、「一般的な種類の

ミッションのための技術投資を事前に行い、その一方で実現可能化技術が成熟化するまで

は特定のミッションを承認しない」)にアプローチ法を変更してきている∗。

NASAの技術戦略

 NASAは、「ミッションによって技術を引き寄せる」という短期的なアプローチ法とは反

対に、NASAの将来の野心的なミッションを達成させる上で戦略的に重要であるとみなさ

れている「技術によって推進させる」分野を特定している。これらの分野は以下の 6つで

あり、戦略的技術分野と呼ばれている#。

∗ NASA技術計画書、第 1.2節, 第 3段落# 同上、第 2.3節, 第 2段落

Page 195: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

194

・ 高度超小型化 ・ 自給式人的支援

・ インテリジェントシステム ・ 深宇宙システム

・ 小型のセンサおよび機器 ・ インテリジェント統合環境

 これらの戦略的技術分野のうちの 5つは国家安全保障上の宇宙目標に直接かつ継続的に

関わっており、6 つ目の人的支援の場合も、人的兵力の宇宙への配備が必要になった場合

もしくはそのときに関係してくることになる。

 商業宇宙産業と提携した、宇宙産業部門と呼ばれている以下の 4つの追加分野も DoDの

焦点分野と関わりを有している。

・ 宇宙輸送 ・ リモート・センシング

・ 通信 ・ 宇宙内での処理

NASAの戦略的技術分野用実現可能化宇宙技術

NASAは下記に表にした戦略的技術分野に結びついた実現可能化技術を特定した。

宇宙技術分野 実現可能化技術

高度超小型化

(重要実現可能化技術)

・ マイクロ機器およびナノ機器

  - マイクロエレクトロニクスおよびナノエレクトロニクス

  - フォトニクス

  - 超伝導性

  - マイクロ磁気学

  - 量子井戸

  - 検出機器

  - 機器物理学およびモデル作成

  - 先端材料

  - 材料/機器の製造および特性描写

・ 計算、アビオニクス、および通信

  - 革命的な計算

    - 生物学/DNA、量子、単電子、超伝導

  - ニューラルネットワーク

  - 光学的処理

  - スケーラブルな耐障害飛行コンピュータ

・ マイクロエレクトロニクス機械システム(MEMS)

  - マイクロ機械加工法

  - MEMSセンサ

    - 物理的、化学的、生物学的

  - MEMSアクチュエータ

  - マイクロオプティックスおよびオプトエレクトロニクス

  - 無線周波数コンポーネント

  - LIGA(電気成型リトグラフィー)

- 統合およびパッケージング

  - 宇宙環境との適合性

    - 放射線、温度、衝撃、故障、メカニズム、信頼性

・ マイクロシステム

  - チップ上のシステム

  - 混成信号システム

  - スマートセンサ

Page 196: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

195

宇宙技術分野 実現可能化技術

- アビオニクスセンサ

- 低電力エレクトロニクス

- 耐放射線材料およびアーキテクチャ

- アーキテクチャおよびシステムの分析

  - ハイブリッド接合およびパッケージング

  - 信頼性モデル作成

  - 革新的な放射線シールド

  - 無線センサおよびシステム

  - 一体式マイクロ波集積回路(MMIC)

  - システムのシミュレーションおよび試験

  - 分散型ネットワーク化マイクロシステム

  - マイクロ宇宙機

  - マイクロプローブ

  - ナノローバー/ナノロボット

  - 群、マイクロプローブネットワーク

  - 宇宙機状態モニタリングシステム

インテリジェントシステム

(技術上の課題の調整)

・ 自動推論研究

・ 人間中心の計算

・ データ理解用インテリジェントシステム

小型センサおよび機器

(技術上の課題の調整)

・ 受信機/検出器システム

・ コンパクトな機器アーキテクチャ

・ アクティブセンサシステム

・ インテグレートしたペイロード

自給式人的支援

(先端電力技術に関する最終目標)

・ 先端電力技術

  - 燃料電池

  - 光起電力

  - エネルギー変換

  - 電力管理

  - 反応炉

・ 最終目標

  - 寿命 2万時間     - 400 Whr/kg超

  - 効率 30%      - 300 W/kg

  - 配備可能な大型構造物

  - ブレイトン 25%超- 静的変換 15%超

  - 配電および制御 2000 V(DC/AC)超

  - 25 W/kg超(システムレベル)

Page 197: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

196

NASAの X-33再使用型打上げロケット(RLV)試作機

Page 198: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

197

戦略的技術分野 実現可能化技術

深宇宙システム

(重要実現可能化技術)

特長:

計算

自主性

低コストの小型打上げロケット

精巧な小型ロボット宇宙機

軽量の高効率推進

軍事システムのペースを調整する超長距

離通信

・ 電力

  - 発電(太陽エネルギー変換、太陽エネルギー利用不能時の搭載原子力発電源)

  - エネルギー貯蔵(主電力用または循環電力が不適時)

  - 電力および熱の管理技術

・ 推進

  - 推進効率が上昇しながら宇宙機よりも速く質量が減少する推進システム(例えば、電気推進システムおよびイオン推進システムなど)

・ ロボット工学

  - 惑星着陸機/ローバー支援技術(地表下探索機および化学的分析能力を含む)

・ 選択したその他の技術

  - 空中捕獲および空中マヌーバ

  - 大形膜用薄膜材料

  - 遠隔宇宙機群の自主的運用、編隊管制

・ 通信- 下記の項目が大きな進歩を遂げる必要がある

  - Kaバンドおよび光学周波数装置

  - 宇宙機アンテナ(より大型でかつより軽量)

  - 熱的に安定した軽量な光学機器

  - 画像のゆがみを無視できる程度に抑えた状態で 100 xまでデータを圧縮する技術

  - チャンネルの限界まで拡張された RFチャンネルおよび光学チャンネルの両方のチャンネル用のエラー補正コーディング

  - 低ノイズ温度、大型開口受信システム(地上ベースまたは軌道上: 無線および光学)

  - 超安定周波数源(宇宙および地上)

  - アビオニクスの大きさおよび重量と歩調を合わせるための軽量「配管」

  - アップリンク光学ビーコンをビーム照準用に用いた低質量/低電力取得・追跡システム

  - 400 MHz~2.4 GHzでの効率的な短距離通信

  - すべての深宇宙通信コンポーネントの有効な統合

インテリジェント統合環境

  以下のような項目が提供される。

・ NASAの将来のエンジニアリング上および科学上の設計/開発環境。すなわち、諸先端技術を結合させ、宇宙空間システムの設計、試験および試作、ならびに諸ミッションの統合を行うための広範囲分散型統合協力仮想環境を確立する。

・ 様々な協力チーム(特に、エンジニアリングチームと科学チーム)にとって必要な技術、人間中心の計算用に必要な高度なインテリジェントエージェント、ほぼリアルタイムのシミュレーション研究と設計トレードスタディ用の高速ツール、および国家プログラム用の実行戦略。

Page 199: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

198

NASA事業ミッション実現可能化技術

 NASAの 4つの事業ミッション用に必要なNASAの重要能力分野および実現可能化技術

を以下に示した。

事業 重要能力分野 重要実現可能化技術

・ 高度構造物の配備および制御

- 軽量構造物の超精密配備; 宇宙における構造形状および振動の制御: 大型構造物の精密照準

・ 通信 - 高データ速度遠距離通信技術(無線および光学の送信機と受信機を含む); 軽量、低電力の堅固な電子システム; 軽量アンテナ材料

・ 設計ツールおよび宇宙機の運用性

- 高度な宇宙機設計環境および高速試作; 宇宙機および光学システムの統合モデル作成; 低コスト宇宙機運用、データのビジュアル化、および分析用の地上情報システム

・ 軽量光学機器 - 高精密制御機器を備えた高度なセグメント化光学システム; 大形かつ軽量な鏡

・ 気象学 - 安定化レーザを用いて宇宙内構造物の方位を超精密に測定する

・ 電力 - 極端な熱環境および放射線環境に耐えることができる高効率太陽電池アレイ; 新しい放射性同位体電源および変換システム; 小型宇宙機用の軽量電力

・ サンプルの取得および回収

- 惑星および小天体の地表および地表下のサンプリング技法(例えば、ドリル、コア採取機器、スクープなど); サンプルの取扱い法およびパッケージング法: サンプル回収カプセル

・ 科学機器 - 望遠鏡、干渉計、および遠隔機器と原位置機器用の新しいセンサおよび検出器; マイクロ衛星と適合する高統合軽量機器; 冷却装置およびその他の機器支援システム

・ 宇宙機のシステムおよびインテリジェンス

- 電子コンポーネントおよび機械コンポーネントの高度な超小型化; 自主性および生存可能性が高い新しい宇宙機アーキテクチャおよびコンピュータアーキテクチャ; 軽量の多機能構造物

宇宙科学(重要な能力)

・ 輸送および機動性

- 効率的な宇宙内推進; 惑星地表および惑星大気内での機動性; 情報技術; 軽量の高温大気突入システム

・ 地表物/土地利用状況の変化および全地球的生産性に関する研究

・ 季節ごとおよび 1年ごとの気候変動性および予測

・ 長期気候; 自然の可変性および変化に関する研究

地球科学(研究テーマおよび技術投資分野)

・ 大気オゾン研究

1. 地球系についての科学的知識を拡大させることを目的とした先端機器技術および測定技術

  - 先端機器技術および先端測定技術; 宇宙空間ライダおよびレーダのアプリケーション用能動的センサ; 検出器アレイおよび受動的検知システム; 原位置測定用およびリモート・センシング測定用の超小型自蔵機器パッケージ

2. 最先端技術、プロセス、技法、およびエンジニアリング

  - 小型宇宙機による編隊飛行用の手法およびアルゴリズム;主宇宙機に対する要求を軽減するような機械的および電子的な革新; 宇宙/地上システムの自主性の向上; 機上でのデータ融合およびデータ比較(宇宙、空中および地上での能力が関わっている)

Page 200: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

199

事業 重要能力分野 重要実現可能化技術

・ 自然の危険に関する研究および応用

3. 先端のエンド・ツー・エンドミッション情報システム技術

  - リモートセンサおよび原位置センサによる地球データの収集、圧縮、伝送、処理、配布および保存の各能力の向上; 有効な情報抽出およびビジュアル化による複数のデータセットのリンク

宇宙の有人探査および開発

(重要活動および戦略的最終目標)

・ 短期国際宇宙ステーション(ISS)の開発および組み立て

・ 中期および長期(安全プロセスおよびシステムのグレードアップによって)改良したスペースシャトルの運用

・ 最終目標 1: 物理的/化学的/生物学的プロセスにおける重力の役割を探究する

  - 高帯域通信: ミニバイオセンサシステム(動物用および人間用); 軌道上での作業用の人工知能/エキスパートシステム; 能動的/受動的振動隔離; 高温微小重力ヒートパイプ; 可搬式臨床実験システム(動物用および人間用)

・ 最終目標 2: 有人探査ミッションのための準備をする

  - ロボット、動物および人間による作業に合わせた非常に広範な改良型システム能力および新しいシステム能力:ロボットミッションペイロード(短期~); 近宇宙/月作業(中期~); 深宇宙/惑星作業(長期)

・ 最終目標 3: 宇宙の辺境の開放および開発を継続させる

  - 同様に、ロボットと人間による作業および自主的作業に合わせた非常に広範な改良型システム能力および新しいシステム能力: スペースシャトルのグレードアップ(短期~中期); ISSのグレードアップおよび発展(中期~長期); および新しい打上げシステムと将来の居住の支援(長期~)

・ 最終目標 4: 民間部門からの投資を積極的に求める

  - 宇宙の探査および開発の民営化と商業化を進める場合にも、宇宙技術領域全体にわたる新しい能力と改良した能力が必要になる。

宇宙空間技術

主題 #3: 宇宙へのアクセス

(実現可能化技術に関する目標)

・ 実現可能化技術目標 #9: LEOへの打上げコストを2022年までに 1/100に削減する

・ 実現可能化技術目標 #10: 宇宙内輸送コストを2012年までに1/10に削減する

- LEOへのペイロード打上げコストを 2007年までに 1/10に削減する(1万ドル/ポンドから 1000ドル/ポンドに削減)

- LEOへのペイロード打上げコストを 2022年までにさらに 1/10

に削減する(1000ドル/ポンドから 100ドル/ポンドに削減)

- 地球軌道輸送コストを 2012年までに 1/10に削減する

- 惑星ミッション用の推進システム質量および旅行時間を2012年までに 1/2~1/3にする

- 旅行時間を 1/10~1/100に短縮することによって太陽系の端までおよびそれ以遠へのミッションを可能にする

 NASAの宇宙空間技術事業 主題 3 「宇宙へのアクセス」は、明らかに、宇宙へのア

クセスを確保する米国の国家としての総合能力 にとって基本的な重要性を有している。

「産業界は新しいシステムを構築する上での技術的リスクをなくすかまたは軽減させる必

要があり、このような産業界のニーズに対応するように構築されている」短期再使用型打

Page 201: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

200

上げロケット(RLV)計画の主導機関が NASAである*。当該計画の中心は、実験室の技術の

実世界の運用環境への強制的な導入によって実証試験上のリスクを軽減させることを目的

とした一連の「X 打上げロケット」飛行実証機である。 RLV 計画にとっての主な技術上

の難題を以下に示した。

・ 単段によって軌道まで到達するロケット打上げシステムにまで全体または一部を拡張

することが可能な再使用性の高い技術(例えば、主構造物、極低温タンク設備、断熱、

および熱保護システムなど)

・ ミッション回数が 100回以上、次の整備を補給所で行うまでの飛行回数が 20回、さら

には処理作業時間がスペースシャトルの 1/10以下である打上げロケットを実現可能に

するような強固なサブシステム

・ 検査、整備、および修理が容易な耐久性の高い軽量熱保護システム

・ 推力-重量比が 80:1以上であり、飛行と飛行の間のエンジン検査をスペースシャトル

と比較して 50%以上減少させることが可能な強固なサブシステムを備えた主推進シス

テム

・ ミッションを成功させる上でのシステム信頼性が 0.995以上、打上げロケット/ペイロ

ードを回収させる上でのシステム信頼性が 0.999であること

・ DDT&Rコストおよび生産コストがスペースシャトルの 1/3未満である#

より長期的には、NASAの高度宇宙輸送計画は RLVをはるかに上回る再使用性が高い打

上げロケットおよび推進システムに焦点を合わせている。また、NASA、DoD および産業

界の共同計画立案では、高度打上げロケット構造、熱保護システム、推進システムおよび

アビオニクス/運用(例えば、先端材料、ノズル、およびターボ機械技術など)に焦点を合わ

せている。

 さらに、LEOよりもはるかに上方の軌道にペイロードを投入する必要がある宇宙ミッシ

ョンはますます増えてきており、2010年までに使い捨て型打上げの 30%以上が GEO を対

象とする。この際には、宇宙内での推進能力を大幅に向上させるようにすれば、ペイロー

* 同上、第 3.4節, 小節 「実現可能化技術目標 9、短期目標」# 同上、表 3.4-11

Page 202: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

201

ド能力の向上または打上げロケットをより小型でかつ低コストにすることが可能である。

なお、共同で調整された技術投資は、高利得統合ロケット推進技術構想(IHPRPTI)を通じて

実施される。

 次の 20 年以降において対象となる技術は以下のとおりである(これらの技術のうちのい

くつかは大幅な進歩または発展をあらかじめ達成させていることが必要になる)。

・ 軌道上での保全を可能にするための太陽静電技術(1~4 kW)

・ 軌道への投入およびより高い軌道への投入を可能にするための 20 kW 電力レベル(化

学的推進と組み合わせる)。ここでは、NASA および DoD のいずれの宇宙移動技術計

画においても静電(ホール効果)推進の開発と実証試験が最優先事項になっている。

・ 太陽熱推進(約 1000秒の比インパルスを運用システムにおいて達成可能である場合)

・ 電気力学的係留推進方式または推薬なしによる地球軌道遷移

・ 係留技術。当該技術は比較的成熟した技術であり、現在必要になっている数ヶ月の単

位ではなく数日の単位で上段エンジンを軌道から脱出させることによって小型の配備

システムの妥当性の確認を目的とした飛行実証試験が予定されている。

 長期的には、軌道遷移コストの 1桁の削減を達成させる上では宇宙に常在するかまたは

ターンアラウンドのために地上に帰還するかを問わず、再使用型軌道遷移機が鍵を握って

いる。

NASAのエアロスパイクエンジン

Page 203: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

202

DOE

DOEとしてのアプローチ法および焦点

 DOEの主任務は、米国の原子力基盤を管理、支援および監督し、そしてその過程で核兵

器および核技術を開発して DoDに提供することであるが、同省は、専門知識を応用して核

実験および大量破壊兵器(WMD)の拡散の徴候を共にモニタリングにより世界全体におけ

るその他の大国の核計画および核能力を決定する任務を担っている主機関でもある。この

ため、DOEは、米国の核爆発検出システム用の宇宙センサの技術開発および運用のための

生産に関して大きな責任を負っていることに加えて、核 WMD、生物 WMD および化学

(NBC)WBD の拡散の前兆となる証拠(例えば、核エネルギー燃料の再処理または濃縮)、生

産、試験および貯蔵の探索ができる新しい ISR能力を作り出すことを目指したシステムお

よびコンピュータの研究開発に対しても資金を提供している。これらの活動は見つけ出す

ことが本質的に困難であるため、必要な不可欠な技術開発のうちの多くはその他の国家安

全保障分野における ISR能力も向上させる。

 米国の宇宙計画における DOEの主な役割は、過去 40年間については、センサ技術およ

び計算技術という中核的な能力分野が対象になっており、以下の項目がすべて含まれてい

る。

・ 実際の拡散問題および可能性のある拡散問題の特性およびソースタームについての詳

細な分析(モニタが探し出すものを認識および検出して定量化することがどの程度困

難かを知ることができるようにする)

・ 目標物からセンサへ送られる測定可能な信号の伝播および環境による歪み(環境内に

永続さらには蓄積している測定可能な量の信号の環境上の結末および移動を含む)に

ついて理解するための科学。(既存の技術が不十分である場合には、DOEはこれらの信

号を集めることが可能な斬新なセンサ概念の設計および開発を行う。)

・ 感度および効用の妥当性確認および実証試験を行うための実地試験

・ 新技術の正規のユーザが収集された新しい(そして複雑でかつ大量な場合はしばしば

ある)データから意味のある情報を取り出すことができるようにするための利用ツー

ルおよび解析ツール

Page 204: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

203

 DOEは、国家安全保障領域全体にわたる S&Tを追究する研究所および施設を 36ヵ所以

上所有しており、これらの研究所および施設は一般的には大学および産業センタと並置さ

れている。しかしながら、DOE の国家安全保障上の宇宙に関連した S&T 活動に関わって

いる主な研究所は、ローレンスリバモア(LLNL)、ロスアラモス(LANL)、およびサンディ

ア(SNL)に所在する 3 ヵ所の「国防計画」国立研究所である。DOE は、以下の分野におけ

る草分け的で最高水準といえる作業に資金を提供している。

・ スペクトルシステム(マルチ・スペクトル、ハイパ・スペクトル、およびウルトラ・ス

ペクトル)

・ 合成開口レーダ(SAR)

・ その他(機密扱いであり本書の範囲を越えている分野)

 DoDおよび NASAは両方とも DOEのセンサおよびマイクロプロセッサを宇宙において

使用しており、今後も予測可能な将来にわたって使用し続けると思われる。宇宙のような

厳しい環境におけるシステムの信頼性と寿命は電子コンポーネントに大きく左右される。

市販の製品ではこれらの機器の要求を満たすことができない場合が多く、連邦政府が顧客

でない場合にはこれらの機器を提供するために必要な産業基盤が事業(需要/供給/利益の経

済学)として成り立たなくなってしまう。

 DOEは、当該作業のすべの側面において、これらの技術を最終的に配備して運用できる

ようにする機関と密接に結び付いている。DOE自体はデータ収集機関ではないが、その情

報部門は収集されたデータのユーザである。ISR 研究目標は、より良いシステムの実現を

将来可能にする技術を開発することである。最も生産的な開発は、地上または空中での実

験を行いその後にパートナ関係と協力に基づいて当該技術を宇宙への正しい配備の担当者

および宇宙後の処理の担当者に引き渡すことによって完遂されることがしばしばある。

 このため、DOEは、相互協力および結集した努力の不要な重複の排除を共に目的とした

1つのフォーラムとして機能している宇宙技術連合(STA)の中で DoDおよび NASAとパー

トナ関係を結んでいる。

 STA の RaDiCL(CONUS[コンチネンタル U.S.]研究所における研究開発)データベースは

まさに協力的な情報交換用に用いられている手段のうちの 1つであり、DoDの研究開発努

力のうちで宇宙に関連している部分のみが反映されている。DOEはさらに、宇宙試験計画

Page 205: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

204

(STP)の一環として NASAのスペースシャトルまたは DoDもしくは商用使い捨て型打上げ

ロケットによって宇宙にアクセスするプロジェクトを決定しかつ優先順位を付けることを

目的とする宇宙実験審査委員会(SERB)の現役委員も務めている。

DOEの宇宙関連技術の特徴

 DOEの宇宙に関連した実現可能化技術には、材料科学、超小型化、電力、熱の管理、検

出されたエネルギーおよび指向されたエネルギー、スーパーコンピュータなどが関わって

おり、これらの分野における DOEの中核的能力を表にした。

Page 206: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

205

分野 小分野/任務

材料科学

・ 分子構造および特性

  - 特徴描写および理解

・ 耐放射線化/耐放射線性材料および機器

・ 半伝導および超伝導エレクトロニクス

・ 高精密製造: 製作およびパッケージング

  - 超低質量でかつ寸法公差が厳密な構造物

    - 規模: 大型(マクロ)および小型(マイクロ/ナノ)

    - 変形/振動が制御され、耐性が高くかつ適応可能

  - 多層、薄膜

超小型化

・ 機器

  - マイクロエレクトロニクス/オプトエレクトロニクス

  - マイクロエレクトロニクス機械

  - 光学

  - 磁気

 - アナログおよびデジタル

 - 真空および固体(例えば、導波管および焦点面アレイなど)

電力

(発電、貯蔵、および配電)

・ 機器

  - 電気化学

  - 静電気

  - 光起電力

  - 熱電気

熱の管理

(能動的および受動的)

・ 伝導

・ 対流

・ 放射

- 極低温冷却

- ヒートポンプ/ヒートパイプ

- 断熱

検出されたエネルギー

(画像撮影、マッピング、識別特性)

・ 熱/熱光子/光/電磁粒子/波

・ センサ

  - IR、EO、RF、マルチ・スペクトル/ハイパ・スペクトル/ウルトラ・スペクトル

・ レーダ

  - 実および合成開口レーダ(SAR)

指向されたエネルギー

・ レーザ

  - 通信、計算、冷却

・ ライダ

  - スタンドオフ放出エネルギーの測定(ライダ法およびハイパ・スペクトル法を使用)

  - ライダ画像撮影

スーパーコンピュータ

(高性能: 速度、メモリ、およびデータ保存)

・ モデル作成、シミュレーション

・ 自主的/有機的形態/インテリジェントマシン、ニューラルネットワーク、およびロボット工学

・ 物体、信号、および識別特性の自動認識

・ 機上処理用に再コンフィギュレーション可能かつ再配備可能なコンピュータ

・ 大規模並列スーパーコンピュータソフトウエアシステムおよびハードウエアシステム

Page 207: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

206

国家安全保障研究所別 DOE宇宙関連活動

 3 カ所の DOE 国防計画(DP)研究所が、将来の国家安全保障上の難題に対処するために

DoD、NASA および情報部門の能力を向上させることおよび長期的な研究開発支援を行う

ことを目的とした作業をこれらの機関と協力して押し進めている。当該作業のうちの多く

は、米国の中核的な核兵器計画を安定化させることを意図している。1998 年には、(とり

わけ)地下深く埋設された硬質目標物を見つけ出して打破するという難題に取り組むよう

要請されており、当該作業が続けられている。

・ ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL): LLNLは核兵器研究所として創設された研

究所であり、引き続き国家安全保障が存在基盤となっている。LLNL の国家安全保障

計画は、DOEの戦略計画内の主最終目標(国家安全保障の支援、国際的な核の安全促進、

および大量破壊兵器による地球的規模の危険の軽減)と直接的な関係を有している。

LLNLの WMD 拡散検出活動および拡散防止活動は、DoD およびその他の国家安全保

障担当機関の両方を支援している。宇宙関連技術上の進歩におけるその他の分野とし

ては、ミサイル防衛、固体レーザ、紛争シミュレーションモデル作成、超小型化セン

サ、および高度な従来の軍需品用の専門的支援などがある。

・ ロスアラモス国立研究所(LANL): ロスアラモス国立研究所は、過去 40年間にわたり、

国家安全保障ミッションおよび宇宙科学と宇宙技術についての最先端の調査をユニー

クな形で組み合わせることにより米国の宇宙計画において重要な役割を果たしてきて

いる。DoDに関する作業では、諸要求を革新的な形で解決することおよび強固な永続

的 S&T基盤を構築することに焦点を合わせている。LANLの中核的な能力は、複雑な

実験と測定; 大量の情報を取り扱うための計算理論、モデル作成および高性能; 複雑

なモデルとシステムを支援するための分析および評価; 近地球宇宙環境および宇宙か

らの地球のリモート・センシングの両方に対処する地球/環境システム; 核材料および

先端材料(セラミックおよび新しいポリマなど); 強度なビームによって駆動される高

エネルギー/高密度システムについての研究を網羅した核科学、プラズマ、およびビー

ムなどである。

・ サンディア国立研究所(SNL): SNLも国家的な極めて重要な技術問題に取り組んでい

る。同研究所の中核的な研究基盤は、材料とプロセス(MEMSに関する世界的なリーダ

Page 208: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

207

であることを含む); 計算と情報(ギガおよびテラフロップ単位); マイクロエレクトロ

ニクスとフォトニクス(耐放射線化集積回路、統合マイクロシステム、超効率光学機器、

および珪素内で構築された損失のない導波光学システム); エンジニアリング(マイク

ロクーラおよび制御アクチュエータなど); およびパルス電力(主に核在庫支援)に関す

る科学および応用である。

DOE国立研究所および施設

センサ、超小型化、およびスーパーコンピュータ技術

Page 209: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

208

付属書 I

民間部門の展望

産業界の見解

 米国航空宇宙工業協会(AIA)が重要な宇宙関連技術分野に関する会員企業の見解を収集

して本書に提供した。∗ これらの見解の要旨は、よりいっそうの投資が必要(産業界およ

び政府)であると産業界が確信している分野、すなわち商業市場が吸収できるような程度ま

で十分に成熟するまで政府が保証すべきである分野を明確化するということであった。明

確化されている 9つの宇宙技術分野のうちの 7つは宇宙輸送の範疇に入っており、残りの

2 つは宇宙での運用および宇宙ミッション一般に属している。これらの分野および敷衍的

な見解を要約して以下の表に示してある。

宇宙輸送

技術分野国家安全保障上の

重要課題産業界の展望

宇宙マヌーバ機推進技術の開発

空軍は、宇宙において様々な出動を行う将来の宇宙マヌーバ機について立案中である。当該宇宙マヌーバ機は、宇宙において長期間貯蔵可能な「クリーンで」無毒な推薬を採用した信頼性の高い証明済み推進技術を必要とする。

最大で 12,000~15,000ポンドの可変推力を提供する灯油-過酸化物液体ロケットエンジンが当該要求を満たすことができるが、当該技術はまだ未成熟であり、試作のシステムおよびマヌーバ機を 2007年までに配備できるようにタイムリーな形で開発および証明する必要がある。触媒技術が最近進歩して純度が 98%を超える過酸化物を使用できるため推進産業は空軍の要求を満たすことが可能であると思われる。

政府が研究開発資金を追加出資すれば、初期のリスク軽減実証計画によって当該技術の証明が可能になる。

∗ OASD(C3I)への 2000年 2月 4日付け電子メール

Page 210: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

209

技術分野国家安全保障上の

重要課題産業界の展望

再使用性が高い

ブースト段極低温

推進技術

次世代の再使用型打上げロケット用の候補となる 1つの重要なブースト段推進システムは、段階式燃焼サイクルまたはエキスパンダサイクルを採用した推力 25万ポンドの極低温ブースト段エンジンが可能になることによって確保される。

(空軍および産業界では、高利得統合ロケット推進技術[IHPRPT]計画の下で両サイクル用の技術を追究中である。)

段階式燃焼サイクルは、性能及び推力-重量比が技術上の主な要求事項となる将来の単段による軌道到達(SSTO)ブースト段ミッションを可能にするようなより高い推力を、より小さい体積と重量で提供する。

エキスパンダサイクルは、段階式燃焼サイクルエンジンよりも大規模でかつ重いが、段階式燃焼サイクルエンジンよりも低い圧力および温度で稼働するという利点があり、その結果エンジンに対する負担がはるかに少なくなり、再使用性を高める上で必要な強固な稼働マージンを確保できる。

IHPRPT計画の下で、ブースト段を稼働させるのに適した推力 25万ポンドの段階式燃焼サイクルエンジンを既に設計済みで現在製造中である。段階式燃焼計画では、稼働マージンを向上させて再使用可能性を高めることに注力している。現在開発中のエキスパンダサイクルは 5万ポンドの推力レベルであり、必要となるブースト段の推進を可能にするために規模を 4倍に拡大可能である。他方、エキスパンダサイクル計画では、推力-重力比を向上させるためにこれまでに実証されている推力よりも高い推力の生成に注力している。両方のエンジンとも、海抜から低高度地球周回軌道までの性能を向上させることが可能な改良型高度補正ノズル技術が特長である。DoDが計画している研究開発資金に加えて産業界が研究開発資金を拠出するようにすれば、IHPEPT計画の一環としてのこのような次世代型のエンジン技術を実現させることが可能になる。

衛星/宇宙機用高性能電気

推進

電気推進技術が進歩すれば伝統的な化学的推進システムよりもはるかに高性能の推進システムを開発することができ、コスト的に手頃で信頼性が高い衛星の軌道保持、姿勢制御、軌道投入、および軌道脱出を実現させることが可能になる

電気推進技術が進歩すれば、衛星の寿命が延びることに加えて、衛星の乾燥重量を大きくし、より高い電力レベルでの運用、および/またはトランスポンダのブロードバンド容量を高めることが可能になる。

空軍による IHPRPT支援が早期の成功を収めるのに役立っている。先端電気推進技術の成熟化および飛行による実証試験を IHPRPTによって追加支援すれば、空軍および商業衛星産業界は衛星の性能および寿命を最大にすることが可能になる。

この支援には、ステーションキーピングおよび効率的な軌道遷移を行うために必要な範囲の推力を網羅したいくつかの推力レベルのホール効果スラスタ(HET)が含まれる。さらに、衛星バス上において様々なスラスタの動作を制御する電力処理装置(PPU)も含まれる。

Page 211: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

210

技術分野国家安全保障上の

重要課題産業界の展望

推進システム

技術の改良

液体ロケットエンジン、スクラムジェットエンジンおよび混合サイクルエンジンの各推進基盤技術およびエンジン稼働性の改良が改良型打上げシステムを可能にする真の実現可能化技術である。これらの技術がなければこのような新しい打上げシステムは出現しない。

信頼性と性能さらには再使用性が向上していることを実証するエンジン技術を精力的に追究すべきである。

改良型エンジンの稼働性に関する技術(例えば、健康管理システム、フェールセーフコンポーネント、冗長コンポーネント、検査しやすい/単純化されたコンポーネント、モジュール式のエンジン設計および整備不要のエンジンなど)の場合も、基本的なエンジン技術を補完するための支援が必要である。

これらのエンジン推進技術の進歩を予め実証しなければ新システムに対して多額の投資を行うことはできない。

S&T推進技術の資金水準を現在の水準よりも引き上げてその水準を最低 10年間維持する必要がある。

高度熱保護システム

再使用型打上げロケットが要求されるようになりつつあることで、「航空機のような」ターンアラウンド時間と運用性を達成させることが必要になっている。その結果、整備の必要性が少ない強固な熱保護システム(TPS)が強く要求されるようになっている。

当該分野では、TPS(金属/耐火材複合物)が NASAの X-33用に開発されたことで既に飛躍的な進歩を遂げているが、これらの技術を開発、実証および証明し、総生産コストを引き下げるための追加作業を行う必要がある。当該追加作業において鍵を握る項目を以下に示した。

・ 低密度、高温金属(例えば、ガンマチタンアルミ化物および酸化物拡散強化合金など)から成るフォイルゲージの開発および市場入手可能性

・ RLV制御表面用の完全開発された耐火複合材高温構造物(代表的な環境に露出した場合の適切な設計データ、設計概念、製造規模の拡大、および検証試験が含まれる)

・ 先端の強固シール材および設計概念

・ TPS材料/コンフィギュレーションに関する選択肢についての環境面からの評価(例えば、雨/あられによる腐食、マイクロ流星体の影響など)

・ 完全な規模の金属/耐火材複合構造物用の低コスト、高歩留まり製造工程

・ 飛行実証試験による全技術の検証

Page 212: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

211

技術分野国家安全保障上の

重要課題産業界の展望

無毒の単推薬技術

航空産業では、ヒドラジン推薬および同推薬を採用したシステムが様々な用途(例えば、打上げロケットと衛星の姿勢制御、航空機と宇宙機の発電装置、およびガス発生装置など)のために一般的に使用されている。しかしながら、ヒドラジンは、EPAによって規制されている有毒な化学物質であり、環境上の厳格な管理を行う必要がある。このような管理を行うことは多大なコストと時間を要する。

航空産業では、ヒドロキシ-硝酸アンモニウム(HAN)およびグリセリン誘導体をヒドラジンの代わりに使用することが可能であるかどうかについて現在調査中である。これらの誘導体は、ヒドラジンシステムが使用しているのと同じ反応室内で使用することが可能である。

当該新技術は非常に有望であり、HAN-グリセリンシステムは現在のヒドラジンシステムの性能に勝るとも劣らない性能の確保が可能であることが示されている。これまでに少なくとも 1社が当該技術を用いたスラスタ(現在機能中)を既に製造済みである。

試作システムの試験、システムアーキテクチャの研究、および実現可能化技術の調査研究用の資金を追加すれば、進化型使い捨て型打上げロケット(EELV)計画、国防衛星計画、および軍用機計画などの DoD計画にとって有益となる。

複合材を用いた

極低温タンク技術

空軍は、SSTO打上げロケットに依存した将来の軍事宇宙スペースプレーン概念研究を支援してきている。

次世代の打上げロケット(SSTOを含む)は、推薬質量分を大きくすることおよび長寿命にすることが必要である。

推薬質量分を大きくすることを可能にすると予想されている最も重要な技術は複合材を用いた推薬タンクである。完全な規模の SSTO打上げロケット概念の場合には、複合材を用いた極低温タンクによってペイロードを軌道に投入するコストが約 1/2に削減され、その一方で乾燥重量が 30~40%低下する。

当該分野におけるこれまでの作業については空軍およびNASAが(国家宇宙空間プレーン[NASP]計画、DC-X計画、DC-XA計画、MSPITT計画および X-33計画を通じて)後援してきているが、当該技術はまだ成熟しておらず、DoDの将来の宇宙機システムおよび宇宙ミッションに関する要求を満たすための確信を持つことおよび低リスクの解決方法の確保を目的とした追加開発を行う必要がある。さらに、(コスト的に手頃なスペースプレーンシステムの実現を可能にする主要特性である)長寿命(再使用性)および推薬質量分の増大について実証するための試作の複合材極低温タンクの開発資金を政府が追加出資する必要がある。

Page 213: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

212

宇宙での運用および一般的ミッション

技術分野国家安全保障上の重要課題

産業界の展望

耐放射線化戦略的電子機器

いくつかの戦略計画では放射線に対する耐性を極端に高くすることが要求されている

商業宇宙市場ではこのような耐放射線化電子機器は要求されておらずかつ提供することもできない。

1民間企業が小規模で専門的な軍事上の顧客のために耐放射線化マイクロ回路をを生産するための専用工場を維持するようなことは経済的に不可能である

DoDは、特殊な要求を満たすために耐放射線化技術の研究および施設の維持を対象にした投資を行う必要がある

データ処理および利用

国家の技術的手段によって収集される大量のデータがますます増大してきていおり、これらのデータをタイムリーな形での処理が不可能になりつつある。

以下のようないくつかの分野が発展すればマルチ・スペクトル画像、レーダによるデータおよびより伝統的なデータの処理に役立つ。

・ 高度アルゴリズムの開発

・ センサのモデル作成手法および処理手法

・ 特別に調整したアプリケーションおよび市販の(COTS)ツールの両方を組み入れたアーキテクチャ

・ オペレータの訓練、誤りおよび仕事量を減らすことおよび効率を向上させることを目的としたより単純化された、直接的でかつ直観的なマン-マシンインタフェース(HMI)

センサについての高度なモデル作成を行うことによって、ますます増加しつつあるセンサから収集される情報の精度が向上し、さらに、データ融合の向上、および精密照準を通じて生成した全範囲の地球空間プロダクツによる戦術的戦闘員の直接支援が可能になる。

インテリジェントエージェント、インテリジェントデータベース、一般情報と機密情報の統合、目標物現象学、補助付き目標物認識、および変化の検出に対して追加投資を行うべきである。

商業/産業上の構想

 DoDおよびその他の連邦政府研究所、さらには大学、産業界および非営利組織に加えて、

民間部門の諸主体が発展しつつある世界の宇宙関連産業において商業上優位に立つための

S&T投資および基盤上の構想を追究中である。DoDが 2000年 1月に行った要請に対して

は様々な性質および範囲の回答が寄せられたが、これらの回答は一般的には本 STGの中に

反映されている伝統的なテーマを対象にしたものであった。これらの回答自体を要約する

と、国家安全保障上の宇宙に対する関心および投資は以下のとおりである。

・ 運動上の経済性(軌道までの推進および軌道上での推進の両方)

・ 熱/放射線制御/耐久性/管理/耐性

Page 214: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

213

・ 設計および製造上の革新を通じて信頼できる宇宙システムコンポーネントを生産する

場合の経済性

・ すべての媒体(宇宙を含む)における情報の完全性と安全性の確保

・ 商業上の宇宙への関心/投資/利用/インセンティブ、および運用段階への移行

 商業上の焦点およびインタフェースを下表に示した。

企業 焦点/構想

エアロアストロ・インク

・ Escortマイクロ衛星船団- GEO軌道上の情報目標物までおよびその周囲を操縦することによって宇宙空間リアルタイムの情報提供を目的とした低コスト"Escort"マイクロ衛星船団概念を追究中である。代替案として、1つの Escortが異常な挙動中の衛星まで操縦して診断観察を行うことが可能である。当該システムは、いくつかの打上げロケット上の二次的ペイロードとして打上げるように設計されており、それによって打上げコストおよびその後の軌道上でのコストを削減させている。

・ "SPORT"軌道遷移機- 小型のペイロードが宇宙にアクセスしかつ軌道遷移能力を確保できるようにするための 1つの低コスト代替策として、小型ペイロード軌道遷移機へと到る詳細な設計を開発中である。当該システム概念は新しい概念である一方で、当該概念の技術のうちのほとんどは既に確立されている。マイクロ衛星およびナノ衛星によって可能なアプリケーションとしては、衛星の検査、偵察衛星群、および通信システムなどを挙げることができる。

ボール・エアロスペース&テクノロジーズ・コー

ポレーション

・ 極低温冷却装置の生産可能性- SBIRS Lowおよびその他の様々な衛星において IR焦点面および機器を運用するための、生産がより簡単でかつ信頼性が高い(そのためより安価な)極低温冷却装置を追究中である。現在の極低温装置の改良を行うことにより既存の性能を保護する一方で、高度な技法についても試験および実証する。宇宙用の認定を受けた極低温冷却装置を採算のとれる数量だけ生産するようにすれば、極低温冷寒剤を貯蔵する現在の代替策よりも 10倍小型化かつ軽量化すると予想されている。

ボーイング

・ 2段式ライトガス銃- NASAおよび数カ所の研究所がガス銃を製作して試験済みである。ボーイングの設計では、軌道速度(24,000 f/秒)を達成させるために 25~30°傾けた 7段プロセスの銃筒(長さが 1800 mで内径が 0.4 m)を通じて推薬を発射させる。軌道上では、燃料を倉庫に貯蔵し、既に LEO上にいる衛星に対して燃料を供給または補給するようにすることができる。(このため、最初はこれらの燃料が空の状態の衛星用により小型の打上げロケットの使用が可能であり、さらには燃料補給を行うことにより軌道上での寿命を延ばすことが可能である。) 同社および政府の研究によると、軌道まで衛星を運ぶコストが 33~50%削減される。

Page 215: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

214

企業 焦点/構想

BWXテクノロジーズ

・ ソーラーバイモーダルロケットエンジン- 当該技術はこれまでに設計および地上試験済みであり、上段推進および衛星電力システムとすることが計画されている。当該技術は太陽上段システムの実現を可能にする技術であり、ペイロード容量を増大させるか打上げ用ロケットの小型化が可能になる。同社は、(例えば、熱を直接電気に変換することによって)リアクションエンジンおよびリアクション機器として応用するために、軌道上での運動および推進用の革新的な(すなわち、従来の消耗型の化学推薬および光起電太陽電池を上回るような)ハイブリッド概念を探究中である。

E.L. コートライト、およびその他

・ 生産可能性評価法- 最終段階となる製造努力がコストの高いものになってしまったり不成功に終わってしまうおそれがある後続の RDT&E段階ではなく、初期段階において有望な新宇宙材料の生産可能性をデータに基づいて整然と分析できるようにすることを目的とした政府計画を提案している。新材料を宇宙アプリケーション用に提案する場合には、予備的なトレードスタディによって材料および機械的な設計の両方に対処すべきである。その結果依然として有望であることが判明した場合には、生産可能性分析を行って実際のコンポーネントの製造可能性、信頼性、再生性およびコストについて調査すべきである。当該アプローチ法は、政府および産業界が宇宙材料および宇宙システムに関してそれぞれの決定を行うのに役立つ。

エレクトロン・パワー・システムズ(EPS)

・ 宇宙推進技術- BMDOでは、新たに発見された安定プラズマ(SP)に基づいた EPS-MIT共同の概念証明努力に対して資金を提供している。当該SPの場合は凝集を達成させるのに外部の磁場が不要である。磁気的な技法によって加速した場合には 6万 m/秒を達成させることが可能で、比推力(Isp)は 6万秒以上となり(化学ロケットの場合の Ispは 500秒)、衛星推進システムの質量を 99%以上、軌道までの打上げコストを 50%削減させることが可能になる。今後は、より単純でかつより安価な独占的 SP生成法を基に、総推力を 10年以内に相対的に高いレベルに引き上げることを計画している。

イントラセック・コーポレーション

・ 戦略的な情報セキュリティアプローチ法- 情報ネットワークのセキュリティに関する包括的なシステム全体にわたるアプローチ法を提案している。COTS手法に基づいた断片的な対応型のアプローチ法ではなく、攻撃の徴候を単純に処理する代わりに攻撃源を無力化するような予防的なモニタリングおよび対抗が含まれているネットワーク全体の統合的なアプローチ法が必要である。当該アプローチ法については次の 5つの概念を適用している。すなわち、(1) 通常の状況および活動の識別、(2) 基準から外れた活動の認識および警戒、(3) 自己の活動の防衛的区分、(4) 攻撃者に対する対応型の攻撃的対策、および(5) 諸努力の標準化である。

ルガルド・インク

・ 宇宙構造物技術- 主要な宇宙構造物は、アンテナ、太陽電池アレイ、ブーム、プラットフォーム、太陽集光装置、およびソーラーセイルなどである。これらの構造物は打上げ時の力に耐えることができるようにパッケージしなければならないと思われる一方で、いったん宇宙に配備された時点で荷重力が非常に小さくなり、高レベルの放射線および粒子に耐えることができる堅固な(しかし非常に軽量な)構造物として稼働が可能である。分解能の高い大径光学機器を必要とする ISRミッションの場合には、精密膜性光学機器が最も現実的な解決方法であると思われる。さらに、軽量の配備可能な構造物をおとりとして使用して攻撃を混乱させたり無力化することも可能である。

Page 216: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

215

企業 焦点/構想

ロッキードマーチン

同社は、機会および市場要因を理由に長期的な技術投資を犠牲にして短期的な技術投資をより重視しており、以下のような構想が 2005年までに実現されるはずである。

・ 宇宙機用能動型位相アレイ通信アンテナ- これらのアンテナはモジュール式のアンテナであり、軍用宇宙機および商業宇宙機の両方とも複数の周波数で同時に稼働することまたはいずれの周波数で単独で稼働することが可能である。さらに、電子によって操作可能であるため受信能力が向上しかつ脆弱性が低下する。

・ 発電および貯蔵- 高効率(約 30%)の太陽電池技術をサンディア国立研究所から民間の供給企業に移行中であり、政府と産業界が Liイオンバッテリの開発契約を締結している。さらに、向上した発電効率および貯蔵効率の利用を目的とした、超小型でかつ超高効率の電力コンバータを開発中である。

・ 超大径薄型開口光学機器- ハッブル望遠鏡の開口の 5~10倍の大きさを有する光学望遠鏡の実現を可能にするためのハードウエアおよび制御アルゴリズムを開発中である。既存のブースタを用いて打上げ可能なより小型の望遠鏡の向上した空間分解能を組み合わせることによってNASAおよび DoDの両方の偵察/監視ミッションを支援する。なお、当該技術は宇宙システム内に組み入れる準備が既に完了している。

・ ハイパ・スペクトル画像撮影(HSI)- 情報内容を増加させる(例えば、画像撮影中の素材の種類を区別する)ための高度なアルゴリズムの開発を目的として航空機 HISデータを収集中である。当該技術は近い将来に航空システムおよび宇宙空間システムに応用されることが予想される。

・ X-33/RLV/EELV- 再使用型および使い捨て型の両方の打上げロケットに関して材料および推進に対して多額の投資中である。X-33計画および EELVの最初の打上げは 2002年。RLVは 10+年計画。

メインストリーム・エンジニアリング・コーポレーション

・ 熱制御機器としてのローリフトヒートポンプ- 将来の高出力宇宙機は、過度の熱を散逸させるための能動的熱制御機器が必要になる。ローリフトポンプ熱制御システムは、単段式ープシステムのラジエータ部において 20%以上、システム全体において 15%以上の節約が可能であり、さらに、このほかにも 2段式ループシステムよりも有利に点がいくつか存在している。また、同システムはオゾンを枯渇させない冷却剤を使用しており、潤滑剤は不要である。同社では、飛行試験の予備段階として重要なパラメータを測定するために完全に開発して実証試験を行うことを提案している。なお、軍事衛星およびより大型の商業衛星の両方とも、ある 1つの範囲の兵器、監視および通信に関しての応用が計画されている。

ミッション・リサーチ・コーポレーション(MRC)

・ 焦点面アレイ(FPA)に対する放射線の影響-軌道上での性能劣化を予測するための 1つの包括的な基礎として、FPAに対する定常的および過渡的な放射線の影響に関するより完全なデータセットを作成するように提案している。宇宙防衛画像撮影センサ(宇宙空間目標物の取得、追跡および区別用)内の可視光線 FPAおよび IR FPAは取得放射線および宇宙放射線の影響を受けないようにする必要があるため、これらの FPAの「ノイズバジェット」を慎重に計画しなければならない。さらに、既存の FPAに関する既存のデータセットおよび地上の実験室での放射線測定値を事前に見直す際には、SBIRSセンサや NMD撃墜機などのシステムに搭載した FPAに関して不可欠な放射線に対する補強を達成させることができるようにするため、宇宙空間試験および現実的な運用状態の下で収集したデータによって強化する必要がある。

Page 217: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

216

企業 焦点/構想

ムーンスペース・コーポレーション

・ 米国の軍事部門、政府機関、および民間部門の承認された主体に対する宇宙技術の移転を容易にすることおよび管理することを目的とした宇宙技術評価センタおよび技術ライブラリを創設するように提案している。管理した状態で企業およびその他の機関へのアクセスができるようにして政府のおよび公有の既存の技術データと資源を拡大させることによって、宇宙への打上げコストが引き下げられることになりかつ米国の商業上の競争力が向上する。

軍事-民事協力

 様々な分野において有益になる潜在力を有した民間部門の実証試験機器および実験機器

を打上げるために軍事資産を使用するという新しい方法が最近試みられている。例えば、

2000年 1月 26日には、空軍の宇宙/ミサイルシステムセンタ(SMC)の軌道/軌道外計画(OSP)

宇宙打上げロケット(爆発しないように処理したミニットマン II からロケットモータによ

ってブーストさせる最初の衛星)が下表に示した 5 個のペイロードを軌道に投入するのに

成功した。

組織 プロジェクト 説明

空軍アカデミー、ウェーバー州立大学

空軍アカデミー/ウェーバー州立大学共同

衛星(JAWSAT)

マルチペイロードアダプタ

・ 「ワークホース」ミッションペイロード: (1) その他の 4つの衛星(下記)を保持および配備し、(2) 以下のような独自の実験を行った。

  - NASAのプラズマ実験衛星試験

  - ウェーバー州立大学姿勢制御プラットフォーム

  - (その他の実験機器)

・ JAWSATチームは、その他の衛星を配備後、JAWSAT衛星を「飛行」せることおよび独自の実験によってデータを収集することに専念した。

空軍アカデミー(AFA) FalconSat

・ 衛星計画を成功させるために必要な手順を AFAの幹部候補生に教えることを目的として作成された計画

・ FalconSat上での主な実験は、宇宙試験計画によって後援された危険および航跡についての研究-長期(CHAWS-LD)である。

・ 幹部候補生のオペレータは当該衛星と通信中でありかつ実験データを入手するためにペイロードを再コンフィギュレーション中である。

Page 218: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

217

組織 プロジェクト 説明

アリゾナ州立大学(ASU)

アリゾナ州立大学衛星

(ASUSat)

・ ASUの学生が宇宙にアクセスできるようにすることおよび 10ポンド級の衛星の生存能力の証明を目的として作成された計画

・ ASUチームは、打上げの数日後に、バッテリ充電システムの故障が原因で ASUSatとの接触が途絶えてしまった。このような不具合が発生したが、ミッション上の必要事項の 70~80%を達成したと ASUチームは報告している。

ルガルド(AFRL契約に基づく)

光学的校正球体(OCS)

・ OCSは、ニューメキシコ州のカークランド空軍基地においてスターファイアオプティカルレンジが機器の校正用に使用している大型の高反射式気球であり、2年以上(2002年までおよびそれ以降)にわたって有用なサービスの提供が予想される。

・ OCSは、地上から簡単に見ることが可能であり、電子機器を備えていないためすべての JAWSATペイロードの中で最も複雑でないペイロードである。

スタンフォード大学軌道周回ピコ衛星自動発射装置

(OPAL)

・ OPALは教授および学生によって設計および製造された発射装置であり、ホッケーのパックの大きさのピコ衛星を発射させることが主ミッションであった。

・ OPALは、打上げ後の 3週間以内に、(DARPAからの資金提供を受けて)エアロスペース・コーポレーション、アマチュア・サテライトの要員、およびサンタクララ大学の学生によって設計された 6個のピコ衛星を配備した。

・ OPALおよびそのすべてのピコ衛星が成功裏に機能を果たした。

 オービタル・サイエンシズ社(アリゾナ州チャンドラー)は、ロケットシステム打上げ計

画の一環として打上げロケットを開発および統合した。同打上げロケットは、ミニットマ

ン IIの最初の 2つの段およびペガサス XLロケットの上の 2つの段によって構成されて

いた。射場の支援は空軍の第 30スペースウィングが行った。

 当該ミッションは空軍および契約企業の要員による 2年以上にわたる努力が昇華したも

のであり、運用可能な衛星の軌道への投入によって新しい打上げ能力が実行可能であるこ

とを証明した。当該ミッションでは 5 個のペイロードを 400 nm の極軌道上に投入するこ

とに成功しており、リフトオフは要求された打上げウィンドーの開始時に行われた。当該

ミッション中にはいくつかの技術上の課題が取り扱われた一方で、打上げ自体はほぼ完璧

であり、打上げ後の初期のデータはほぼすべてのシステムが最適な状態で機能したことを

示している。

 これらの衛星に加えて AFRL の小型衛星用ソフトライド(SRSS)も打上げられた。当該

Page 219: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

218

SRSS は、基本的には、危険な周波数を「同調」させて敏感な衛星から遠ざける(打上げロ

ケットとペイロードの間に位置する)一組のチタン製構造物である。当該 SRSS は CSA エ

ンジニアリングによって設計および製造されたものであり、当該 SRSS のおかげで衛星メ

ーカーは Gおよび衝撃レベルを引き下げるような形で設計することができた。

Page 220: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

219

付属書 J

参考文献

 本宇宙技術ガイド(STG)を作成する際に参考にした参考文献は以下のとおりである。

Army Space Master Plan, FY 1994, Commander, Army Space and Missile Defense Command

BMDO Technology Master Plan, FY 1999, Director, Ballistic Missile Defense Organization

Defense Guidance, FY 2000, Secretary of Defense (SecDef)

DoD Science and Technology (S&T) Planning documentation:

 ・Basic Research Plan (BRP), FY 1999, DUSD(S&T)

 ・Defense Technology Area Plan (DTAP), FY 1999, DUSD(S&T)

 ・Joint Warfighting Science and Technology Plan (JWSTP), FY 1999 and 2000, DUSD(S&T)

 ・Defense Technology Objectives of the Joint Warfighting Science and Technology Plan and the

Defense Technology Area Plan, FY 1999 and 2000, DUSD(S&T)

DoD Advanced Concept Technology Demonstrations (ACTDs) FY 2000, ASD/C31

DoD Advanced Technology Demonstrations (ATDs), FY 2000, ASD/C31

DoD Plan for Space Control Technology, Report to Congress, FY 1999 (briefing), ASD/C31

DoD R&D Descriptive Summary Data Base, FY 1999, Defense Technical Information Center

(DTIC)

DoD Space Policy, FY 2000, Secretary of Defense (SecDef)

DoD Space Test Program (STP), FY 1999, Space Experiments Review Board (SERB)

DOE Defense S&T Stategy & Plans, FY 2000, HQs Lawrence Livermore, Los Alamos & Sandia

Labs

Joint Intelligence Guidance, FY 2000, SecDef and the Director of Central Intelligence (DCI)

Joint Vision 2010, FY 1994, Chairman, Joint Chiefs of Staff

Joint Vision 2020, FY 2000, Chairman, Joint Chiefs of Staff

Long Range Plan: Implementing USSPACECOM Vision for 2020 (LRP), FY 1998,

USCINCSPACE

NASA Technology Plan, as of Spring 2000, HQ NASA

National Security Space Master Plan (NSSMP), FY 2000, National Secutiry Space Architect

Page 221: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

220

(NSSA)

Navy Research Laboratory (NRL) Review, FY 1998, HQ NRL

Research & Development in CONUS Labs (RaDiCL) Database, FY 1999, (DoD, NRO, DOE,

NASA)

Responses to Commence Business Daily (BD) Broad Area Announcement (BAA), FY 2000,

ASD/C31

Section/data inputs and reviews, FY 2000, from: OSD (OASD(C31) and DDR&E); the Military

Services; BMDO, DARPA, and NRO; and the DOE and NASA

Space Technology Alliance (STA) Annual Report, Fy 2000 (draft), STA - DoD NRO, DOE, NASA

Strategic Master Plan for FY02 and Beyond, FY 2000, Air Force Space Command

Page 222: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

221

付属書 K

略語および頭字語

3D 三次元

ABL 機上レーザ

AC21SRC 宇宙空間コマンド・コントロール・情報・監視・偵察センタ

ACDA 武器管理・武装解除局

ACP 空中指令所

ACSBIRS SBIRS Low用能動的クリーニング実験

ACTD 先端概念技術実証

A/D アナログ-デジタル

AEHF 高度超高周波数(システム)

AFA 空軍アカデミー

AFB 空軍基地

AFRL 空軍研究所

AFSCN 空軍衛星管理ネットワーク

AFSPC 空軍宇宙指令所

AF/ST 空軍主任科学者

AI 人工知能

AIA 米国航空宇宙工業協会

AIM 自動化 ISR管理(計画)(DARPA)

ALEXIS 低エネルギーX線画像撮影センサレイ

ALSD 高度レーザセンサ開発

AMSD 高度鏡システムデモンストレータ

AMTI 機上移動目標物表示/インジケータ

ARGOS 高度研究・グローバル観測衛星

ARSPACE 陸軍宇宙司令部

ARTS 自動化遠隔追跡システム

ASAT 反衛星

Page 223: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

222

ASEDP 陸軍宇宙利用・実証計画

ASF 適応型センサ融合

AST 高度太陽望遠鏡

ASTRO 自主的宇宙輸送機およびロボットオービタ

ASU アリゾナ州立大学

ATD 先端技術実証

ATH 超水平線

ATR 自動目標物認識

ATSOG 宇宙運用グループ自動化技術

AUS 先端上段ロケット

AWACS 空中航空警戒管制システム

BAA 広域アナウンスメント

BDA 戦闘被害評価

BDI 戦闘被害情報

BM 戦闘マネージャ

BMC3 弾道ミサイルコマンド&コントロール、および通信

BMD 弾道ミサイル防御

BMDO 弾道ミサイル防御組織

BOA 戦場兵器認識

BRP 基礎研究計画

BTN 戦闘空間戦術航行

C2 コマンド&コントロール

C2W 指揮・統制戦争

C3 コマンド&コントロールおよび通信

C4ISR コマンド、コントロール、通信、コンポーネント、情報、監視、および偵

CACC 構成可能宇宙空間指令センサ

CAV 共通航空機

Page 224: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

223

CBD 日常的商業活動

CBM 従来型弾道ミサイル

CC&D カムフラージュ、隠蔽、および欺騙

CEASE II 小型環境異常センサ II

CEE 協力的エンジニアリング環境

CHAWS-LD 危険および航跡についての研究-長期

CINC 最高司令官

CIV 重要電離化速度

CME コロナ質量放出

CMIS 円錐マイクロ波イメージャサウンダ(NPOESS)

C/NOFS 通信/航行停止予測システム

CONUS コンチネンタル U.S.

CoS 宇宙のコントロール

COTS 市販品

DARPA 国防高等研究計画局

DC/AC 直流/交流

DCI 中央情報局長官

DDR&E 国防研究・工学局長

DE 指向エネルギー

Delta V 速度変化率(加速)

DEW 指向性エネルギー兵器

DISN 防衛情報システムネットワーク

DMSP 防衛気象衛星計画

DNA デオキシリボ核酸

DOA 米国農務省

DOC 米国商務省

DoD 米国国防総省

DOE 米国エネルギー省

DOI 米国内務省

Page 225: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

224

DOS 米国国務省

DOT 米国運輸省

DP 国防計画

DSN 国防宇宙ネットワーク

DSP 国防支援計画

DSTAG 国防科学技術諮問グループ

DTAP 国防技術分野計画書

DTED デジタル地形高度データ

DTIC 国防技術情報センサ

DTO 国防技術目標

DTRA 国防脅威緩和局

DUSD(S&T) 国防次官補(科学技術担当)

EELV 進化型使い捨て型打上げロケット

ELV 使い捨て型打上げロケット

EM 電磁的

EMC 電磁適合性

EMPRS 任務途中での計画立案/リハーサルシステム

EO 電気機械/工学

EPA 環境庁

ERM 地球リモート・センシング

ESA 電子走査アレイ

ESA 欧州宇宙機関

ESEX 電気推進宇宙実験

ESPA EELV二次ペイロードアダプタ

EV II イーグルビジョン II

EW 電子戦争

EWR 早期警戒レーダ

FAA 連邦航空局

Page 226: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

225

FAME 全空測定天文学的マッピングエクスプローラ

FBXB 前進基地 Xバンド(レーダ)

FCC 米国連邦通信委員会

FORTE 軌道上での高速過渡事象記録

FPA 焦点面アレイ

FTHSI フーリエ変換ハイパ・スペクトルイメージャ

FYDP 将来の国防計画

GAVT グローバル認識仮想テストベッド

GBI 地上迎撃機

GBL 地上レーザ

GDIN グローバル防衛情報網

GE グローバルな関与

GEO 静止軌道

GEOSAT 測地/地球物理学衛星

GFO GEOSAT後続衛星

GIFTS 静止軌道画像撮影フーリエ変換分光計

GIS 地理情報システム

GLINT 地球光画像撮影国家テストベッド

GMTI 地上移動目標物表示/インジケータ

GN 地上ネットワーク

GPS 全地球測位システム

HAN ヒドロキシ硝酸アンモニウム

HC2WC 携帯式 C2無線通信

HCI 人間-コンピュータインタフェース

HDR 高データ速度

HET ホール効果スラスタ

HIO 影響力の大きい物体

HIRAAS 高分解能大気光/オーロラ分光法

Page 227: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

226

HLV (EELVの)重量物打上げロケット変型

HMI マン-マシンインタフェース

HMX サイクロテトラメチレン・テトラニトラミン

HOJ 電波妨害時帰還

HRR 高分解能レーダ

HSI ハイパ・スペクトル画像(画像撮影)

HTS 高温超伝導

HTSSE II 高温超伝導宇宙実験-II

HXRS ハード X線分光計

IC 情報界

ICBM 大陸間弾道ミサイル

ID 識別する、識別、身元

IDASS 衛星システム用情報データ解析

I/F インタフェース施設

IFX 統合飛行実験

IGEB 機関横断 GPS理事会

IHPRPT 高利得統合ロケット推進技術(計画)

IMETS 統合気象システム

IMU 慣性計測装置

INS 慣性航法システム

INT 情報(情報源または専門分野)

I/O 入出力

IOC 初期運用能力

IOMI インド洋METOCイメージャ

IPB 戦場の情報準備

IR 赤外線

Isp 比推力

ISR 情報、監視、および偵察

ISS 国際宇宙ステーション

Page 228: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

227

ISTD 統合宇宙技術実証

ISTP 統合宇宙輸送計画書

IVHM 統合宇宙機状態モニタリング

IW 情報戦争

JATO 合同宇宙空間任務命令

JAWSAT 空軍アカデミー/ウェーバー州立大学共同衛星(マルチペイロードアダプタ)

JBI 共同戦闘空間情報圏

JCS 統合参謀本部

JDUAP 二重利用アプリケーション共同計画(DARPA)

JPL ジェット推進研究所

JPO 共同計画局

JSTARS 共同監視・目標攻撃レーダシステム(STARSと同じ)

JTT 共同目標設定ツールボックス

JWCA 合同戦闘能力評価

JWCO 合同戦闘能力目標

JWSTP 合同戦闘科学技術計画書

KE 運動エネルギー

LADAR レーザ検出および測距

LANL ロスアラモス国立研究所

LCC ライフサイクルコスト

LEO 低高度地球周回軌道

LFSAH 軽量フレキシブル太陽電池アレイヒンジ

LIGA 電気整形リトグラフィー

LLNL ローレンスリバモア国立研究所

LNAS 低ノイズ増幅器システム

LOD 必要に応じた打上げ

LOS スケジュールどおりの打上げ

Page 229: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

228

LOTS 海岸におけるロジスティック

LPD 低検出確率

LPI 低迎撃確率

LROS レーザ光学リモート・センシング

LRP 長期計画書(USSPACECOM)

LWIR 長波長赤外線

MACE 中間デッキ能動型制御機器実験

MASINT 測定および特性情報

M&P 製造および加工

M&S モデル作成およびシミュレーション

MB メガバイト

MBTO 平均オーバーホール間隔

MC&G 地図作製、海図作製、および測地学

MCCAT マルチセンサ C2先端技術

MEMS マイクロエレクトロニクス機械システム

METOC 気象学および海洋学

MFCBS 多機能複合材バス構造物

MicroSat マイクロ衛星

MIRACL 中間赤外線高度化学レーザ

MIT マサチューセッツ工科大学

MLRS 多発射ロケットシステム

MLV (EELVの)中量物打上げロケット変型

MMIC モノリシックマイクロ波集積回路

MMINS マルチミッション慣性航法システム

MOA 了解覚書

MoD 国防総省

MODRAS 宇宙における変調レトロアレイ

MOUT 都市部地形での軍事作戦

MPTE マイクロエレクトロニクス/フォトニクステストベッド

Page 230: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

229

MSP 軍用スペースプレーン

MSPITT 軍用スペースプレーン統合グループテストベッド

MSSS マウイ宇宙監視基地

MSTRS 超小型衛星脅威報告システム

MSX 中間軌道宇宙実験

MTD ミサイル技術実証

MTE 移動目標物利用

MTI 移動目標物表示/インジケータ

MTI 多色熱画像器

NASA 米航空宇宙局

NASP 国家航空宇宙機

NAVSOC 海軍宇宙オペレーションセンタ

NAVSPACE 海軍宇宙司令部

NBC 核/生物/化学(兵器)

NCA 国家司令当局

NDE 非破壊検査

NEMO 海軍アースマップ観測衛星

NextSat 次世代サービス可能衛星

NIMA 国家画像地図局

NIST 米規格技術協会(DOC)

NMD 国家ミサイル防衛

NOAA 米海洋大気局(DOC)

NDE 非破壊評価

NPOESS 国家極軌道周回運用実験衛星システム

NRL 海軍研究所

NRO 国家偵察局

NRT ほぼリアルタイム

NSF 国立科学財団

NSSA 国家安全保障宇宙アーキテクト

Page 231: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

230

NSSMP 国家安全保障宇宙マスタープラン

NSX NRL宇宙地上リンクシステムトランポンダ

NUDET 核爆発

N/UWSS NORAD/USSAPCECOM戦闘支援システム

O&M 運用および保全性

OCE 運用能力エレメント

OCS 光学的構成球体

ODASD(C3ISR&SS) 国防次官補代理部局(C3ISRおよび宇宙システム)

OE オービタルエクスプレス(計画)(DARPA)

OHS オーバーヘッドセンサ

OISL 光学的衛星間リンク

ONR 海軍研究局

OOB 戦闘順序

OOI 対象物体

OPAL 光学的ピコ衛星自動発射装置

ORU 軌道上での交換装置

OSD 国防長官内部部局

OSP 軌道/軌道外計画

OTS 市販品

PAC-3 PATRIOT高度能力-3

PBCS ブースト後制御システム

PC パソコン

PDE 偏微分方程式

PGM 精密誘導軍需品

PNT 測位、航法、およびタイミング

POAM 極オゾンおよびエアロゾルの測定

POES 極軌道周回運用実験衛星(DOCシステム)

POM 計画目標覚書

Page 232: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

231

PPU 電力処理装置

PSTS 精密 SIGINT目標設定システム

QC40 Quad-C40プロセッサ

QWIP 量子井戸赤外線検出装置

RaDiCL CONUS研究所における研究開発

RAIDS 遠隔大気圏/電離圏検出システム

R&D 研究開発

RDDS 研究開発説明(要約)

RF 無線周波数

RIDSN レーダ画像撮影・深宇宙ネットワーク

RLV 再使用型打上げロケット

ROIC 読み出し集積回路

RSO 常在宇宙物体

S&T 科学技術的;科学技術

SAC 太陽電池アレイ集光装置

SAF/AQR 空軍省次官補代理/科学、技術およびエンジニアリング担当

SAFI 太陽電池アレイフレキシブルインターコネクト

SAM 地対空ミサイル

SAR 合成開口レーダ

SATCOM 衛星通信(ネットワーク)

SatOps 衛星運用

SAVE 宇宙大気バースト報告システム宇宙実証実験

SBEON 宇宙空間電気光学ネットワーク

SBIR 小規模事業革新的研究計画

SBIRS 宇宙配備赤外線システム

SBJ 宇宙ジャマー

SBL 宇宙レーザ

Page 233: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

232

SBP 宇宙プラットフォーム

SBR 宇宙レーダ

SBSSO 宇宙空間宇宙監視作戦(ACTD)

SBV 宇宙可視光線(センサ)

SCN 衛星管制ネットワーク

SecDef 国防長官

SEP 球形誤差確率

SERB 宇宙実験審査委員会

SIGINT 信号情報

SLBM 海洋発射弾道ミサイル

SMATTE 形状記憶合金熱調整実験

SMC 宇宙システム・ミサイルシステムセンタ(空軍)

SMDTC 宇宙・ミサイル防衛技術センタ

SMEI 太陽質量放射イメージャ

SMP 戦略的マスタープラン(2002会計年度以降用)(AFSPC)

SMV 宇宙マヌーバ機

SN 宇宙ネットワーク

SNL サンディア国立研究所

SOC 宇宙オペレーションセンタ

SOV 宇宙運用機

SOTV 宇宙機/軌道移動ビークル

SP 安定プラズマ

SPO システム計画/プロジェクト局

SRA 戦略的研究分野

SRM 固体ロケットモータ

SRSS 小型衛星用ソフトライド

SSME スペースシャトル主エンジン

SSN 宇宙監視ネットワーク

SSTO 単段による軌道到達

SSULI 特殊センサ以外線リムイメージャ

Page 234: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

233

ST 宇宙輸送

STA 宇宙技術連合

STG 宇宙技術ガイド

STI 宇宙技術在庫

STP 宇宙試験計画

STRV 宇宙試験研究機

STW/AR 衛星脅威警戒・攻撃報告

TBD 未定

TBM 戦域(戦術)弾道ミサイル

THAAD 戦域高高度方面防衛

TMD 戦域(戦術)ミサイル防衛

TOS 輸送可能光学システム

TPS 熱保護システム

T/R 送受信

TT&C テレメトリ、追跡、および指令

TW/AR 脅威警戒警報/攻撃報告

TZM チタン-ジルコニウム-モリブデン(モリブデン合金)

UAV 無人航空機

UGS 無人地上センサ

USA 米国陸軍

USA 非従来型星間アスペクト

USAF 米国空軍

USCINCSPACE米国宇宙司令部最高司令官

USI ウルトラ・スペクトル画像(画像撮影)

USIA 米国情報局

USN 米国海軍

USSPACECOM米国宇宙司令部

UV 紫外線

Page 235: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

234

VI 仮想インテリジェンス

VSWIR 超短波長赤外線

WMD 大量破壊兵器

WORM 一書込み多読出し光ディスク

Page 236: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

235

謝辞

 本宇宙技術ガイドの作製に直接貢献した組織および要員を以下に示した。

国防長官内部部局

  ・Charlie Williams, OASD(C31), Space Systems

  ・Andy Culbertsonおよび Lou Lome DDR&E, DUSD(S&T)

  ・Ron Norris、陸軍

  ・Paul Regeon、海軍

  ・Fred Hellrich、海軍研究所

  ・Steve Rodgers(およびスタッフ)、空軍

  ・空軍研究所

国防機関およびその他の国防組織

  ・Dave Whelanおよび Bob Rosenfeld、国防高度研究計画局

  ・John Stubstad、弾道ミサイル防衛組織

  ・米国宇宙司令部

  ・Alyssa Murray、国防支給サービス-ワシントン

その他の連邦政府省庁

  ・Sam Venneriおよび Dennis Andrucyk、米航空宇宙局

  ・Randy Bell、エネルギー省

  ・Frank LaBell、国家偵察局、科学技術

技術/支援契約者

  ・Jonathan Myer, Steve Doerr

Page 237: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

236

民間部門

  ・Bruce Mahone 米国航空宇宙工業協会

  ・Mark Brender, Space Imaging (IKONOS衛星画像)

  ・AeroAstro, Inc.

  ・Ball Aerospace & Technologies Corporation

  ・Boeing Corporation

  ・BWX Technologies

  ・E.L Courtright

  ・Electron Power Systems(EPS)

  ・IntraSec Corporation

  ・L’Garde, Inc.

  ・Ray Emst, Lockheed Martin

  ・Mainstream Engineering Corporation

  ・Mission Research Corporation

  ・Moonspace Corporation

Page 238: 宇宙技術ガイド(STGSTG 自体は現在から2020 年までの20 年間を対象としており、宇宙に関する目標および ∗ P.L. 106-65-Oct. 5, 1999, 113 Stat. 809,

宇宙による米国の国家安全保障への貢献を可能にする宇宙による米国の国家安全保障への貢献を可能にする宇宙による米国の国家安全保障への貢献を可能にする宇宙による米国の国家安全保障への貢献を可能にする

Ass’t

C19

Office of the ASD(C31) Office of the DUSD (S&T)

237

for Space Technology SystemsCharles L. Williams

rystal Mall 3, Room 609231 Jefferson Davis Highway

Arlington, VA 22202Phone (703) 607-1088

[email protected]

Sensor SystemsAndrew S. Culbertson3030 Defense Pentagon

Washington, D.C. 20301-30301777 N. Kent St., Ste 9030, Arlington

Phone (703) [email protected]