プリンセスラインのワンピース後ファスナータイプ2019/2/17 801 プリンセスラインのワンピース後ファスナータイプ - Google ドキュメント
機能生物学2-① 10月2日 Functional Biology 2 2017年後期(2...
Transcript of 機能生物学2-① 10月2日 Functional Biology 2 2017年後期(2...
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機能生物学2-⑤
11月25日Functional Biology 2
2019年後期
松島 俊也
行動神経生物学講座
松島Patzke研究室
呼吸respiration
基礎的な事実
basic facts
イバラカンザシ(Spirobranchus sp.)
ゲンゴロウ(コウチュウ目オサムシ上科)
呼吸respiration
基礎的な事実
basic facts
酸素はミトコンドリアで電子を最終的に受け取り、水となる
ヒト成人は一日に約0.8リットルの水を、呼吸によって生成する。
ガス(気体)を能動輸送する生物はない
⚫全て膜を介した受動輸送(passive transport)⚫ O2は化学的勾配に沿った移動しか起こらない
⚫CO2はHCO3-イオンの形で能動輸送される例がある
⚫ガスと結合して積極的に輸送するtransporter分子はある(Hb hemoglobin)
⚫それぞれのガスの分圧(partial pressure)は、大気の絶対圧力に依存せず、モル比に応じた一定の値を持つ(20度C、海水面)
ガスの種類 ガスの組成(モル比%) ガスの分圧
N2 78.08 0.7808
O2 20.95 0.2095
Argon 0.93 0.0093
CO2 0.04 0.0004
計 100 1気圧
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫O2とCO2のsimple diffusion と bulk flow (convection)⚫混合気中のO2とCO2の分圧
⚫水溶液中のO2とCO2の分圧
⚫Henry’s law:水溶液中のガスの分圧と濃度との関係⚫𝐶𝑥 = 𝐴𝑃𝑥 (A: 吸収係数)
⚫Aはガスの種類、温度、水溶液の塩分濃度によって変わる
ガスの種類 ガスの溶解度(mmol/L)
CO2 77
O2 2.2
N2 1.1
ガスの温度 分圧1気圧のO2の溶解度mmol/L
0°C 2.2
20°C 1.4
40°C 1.0
塩分濃度 分圧1気圧のO2の溶解度mmol/L
淡水 2.2
80%海水 1.8
100%海水 1.7
平衡状態にある気体と水溶液の間では、分圧
は常に等しい!
吸収係数の比較:二酸化炭素は同じ分圧でも極めて大量に水に溶解する。
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫O2とCO2のsimple diffusion と bulk flow (convection)⚫混合気中のO2とCO2の分圧
⚫水溶液中のO2とCO2の分圧
⚫Henry’s law:水溶液中のガスの分圧と濃度との関係⚫𝐶𝑥 = 𝐴𝑃𝑥 (A: 吸収係数)
⚫Aはガスの種類、温度、水溶液の塩分濃度によって変わる
ガスの種類 ガスの溶解度(mmol/L)
CO2 77
O2 2.2
N2 1.1
ガスの温度 分圧1気圧のO2の溶解度mmol/L
0°C 2.2
20°C 1.4
40°C 1.0
塩分濃度 分圧1気圧のO2の溶解度mmol/L
淡水 2.2
80%海水 1.8
100%海水 1.7
吸収係数の比較:二酸化炭素は同じ分圧でも極めて大量に水に溶解する。
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⚫ゲンゴロウ(water beetle)の泡は「鰓」である⚫酸素の分圧は大気と水中とで同じ値を取る
⚫酸素の水への溶解度は低いので、水中に溶け込んでいる酸素濃度(mmol/L)は大変に低い
⚫泡の酸素は呼吸によって吸い取られ、その酸素分圧は低くなっている
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫ゲンゴロウ(water beetle)の泡は「鰓」である⚫酸素の分圧は大気と水中とで同じ値を取る
⚫酸素の水への溶解度は低いので、水中に溶け込んでいる酸素濃度(mmol/L)は大変に低い
⚫泡の酸素は呼吸によって吸い取られ、その酸素分圧は低くなっている
⚫濃度の低い水から濃度の高い泡に向かって、逆転した酸素分圧の勾配ができる⚫泡の酸素分圧は0.21に限りなく近づこうとするからである
⚫その結果、泡は積極的に周囲の水から酸素を取り込む
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫ゲンゴロウ(water beetle)の泡は「鰓」である⚫酸素の分圧は大気と水中とで同じ値を取る。
⚫酸素の水への溶解度は低いので、水中に溶け込んでいる酸素濃度(mmol/L)は大変に低い
⚫泡の酸素は呼吸によって吸い取られ、その酸素分圧は低くなっている
⚫濃度の低い水から濃度の高い泡に向かって、逆転した酸素分圧の勾配ができる⚫泡の酸素分圧は0.21に限りなく近づこうとするからである
⚫その結果、泡は積極的に周囲の水から酸素を取り込む
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
ガスは常に分圧の高いところから低いところへと移動(受
動的拡散)をする。溶解している濃度に逆らって
でも!
⚫潜水病(潜函病、空気塞栓症、ケーソン病)⚫水中での圧力(水圧)は、水深に応じて高い
⚫0mで1気圧、10mで2気圧、20mで3気圧…
⚫空気ボンベのレギュレータは、その高い圧力を肺にかけている
⚫マスクの窒素分圧は0.78、20mの深さでは約2.3気圧になる
⚫血液中の窒素分圧も同じ(約2.3気圧)になる
⚫この高い窒素分圧(絶対圧)のおかげで、血液中には微小な泡が発生してしまう(圧力のおかげで、微小なままである)
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫潜水病(潜函病、空気塞栓症、ケーソン病)⚫水中での圧力(水圧)は、水深に応じて高い
⚫0mで1気圧、10mで2気圧、20mで3気圧…
⚫空気ボンベのレギュレータは、その高い圧力を肺にかけている
⚫マスクの窒素分圧は0.78、20mの深さでは約2.3気圧になる
⚫血液中の窒素分圧も同じ(約2.3気圧)になる
⚫この高い窒素分圧(絶対圧)のおかげで、血液中には微小な泡が発生してしまう(圧力のおかげで、微小なままである)
⚫潜水者が急に海面に上がると⚫血液(身体全体)に加わる圧力は急に1気圧に下がる
⚫血液中の窒素分圧はすぐには下がらず、2.3気圧のままである
⚫血液に溶け込んでいた窒素は急速に微小な泡に移動する⚫ビールの蓋(栓)を開けたときと同じ
⚫大きくなった泡が血流を止めて、肺梗塞、脳梗塞、腸梗塞などが全身に現れる
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫潜水病(潜函病、空気塞栓症、ケーソン病)⚫水中での圧力(水圧)は、水深に応じて高い
⚫0mで1気圧、10mで2気圧、20mで3気圧…
⚫空気ボンベのレギュレータは、その高い圧力を肺にかけている
⚫マスクの窒素分圧は0.78、20mの深さでは約2.3気圧になる
⚫血液中の窒素分圧も同じ(約2.3気圧)になる
⚫この高い窒素分圧(絶対圧)のおかげで、血液中には微小な泡が発生してしまう(圧力のおかげで、微小なままである)
⚫潜水者が急に海面に上がると⚫血液(身体全体)に加わる圧力は急に1気圧に下がる
⚫血液中の窒素分圧はすぐには下がらず、2.3気圧のままである
⚫血液に溶け込んでいた窒素は急速に微小な泡に移動する⚫ビールの蓋(栓)を開けたときと同じ
⚫大きくなった泡が血流を止めて、肺梗塞、脳梗塞、腸梗塞などが全身に現れる
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
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⚫ガスはどんな速度で拡散するか?
⚫Krogh(クロー)の拡散係数(diffusion coefficient)
𝐽 = 𝐾𝑃1 − 𝑃2
𝑋J : ガスの移動量K : 拡散係数X :二つの領域の間の距離⚫Kの値は大気と水中とで著しく異なる
⚫20度CのO2場合、K(gas) = K(water) x 200,000
⚫20度CのCO2の場合、K(gas) = K(water) x 9,000
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫ガスはどんな速度で拡散するか?
⚫Krogh(クロー)の拡散係数(diffusion coefficient)
𝐽 = 𝐾𝑃1 − 𝑃2
𝑋J : ガスの移動量K : 拡散係数X :二つの領域の間の距離⚫Kの値は大気と水中とで著しく異なる
⚫20度CのO2場合、K(gas) = K(water) x 200,000
⚫20度CのCO2の場合、K(gas) = K(water) x 9,000
⚫細胞を活かすことのできる拡散層は1㎜以下⚫乾いた砂に産み付けられたウミガメの卵の場合
⚫鰓が未発達なカタクチイワシの稚魚の場合
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
大気中でも水中でも長い時間をかければどちらも分圧が等しい平衡が生まれる。問題はそのスピードの違いである。
⚫ガスはどんな速度で拡散するか?
⚫Krogh(クロー)の拡散係数(diffusion coefficient)
𝐽 = 𝐾𝑃1 − 𝑃2
𝑋J : ガスの移動量K : 拡散係数X :二つの領域の間の距離⚫Kの値は大気と水中とで著しく異なる
⚫20度CのO2場合、K(gas) = K(water) x 200,000
⚫20度CのCO2の場合、K(gas) = K(water) x 9,000
⚫細胞を活かすことのできる拡散層は1㎜以下⚫乾いた砂に産み付けられたウミガメの卵の場合
⚫鰓が未発達なカタクチイワシの稚魚の場合
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫ガスはどんな速度で拡散するか?
⚫Krogh(クロー)の拡散係数(diffusion coefficient)
𝐽 = 𝐾𝑃1 − 𝑃2
𝑋J : ガスの移動量K : 拡散係数X :二つの領域の間の距離⚫Kの値は大気と水中とで著しく異なる
⚫20度CのO2場合、K(gas) = K(water) x 200,000
⚫20度CのCO2の場合、K(gas) = K(water) x 9,000
⚫細胞を活かすことのできる拡散層は1㎜以下⚫乾いた砂に産み付けられたウミガメの卵の場合
⚫鰓が未発達なカタクチイワシの稚魚の場合
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
水溶液はガス交換の大敵!鰓がなければ体は著しく
小さいはず!
⚫自由なガスだけが、これまで述べてきたルールに従って受動的に拡散する⚫化学反応によって自由ではなくなったガスは分圧に無関係となり、受動輸送に寄与しなくなる⚫イオン化したガス(HCO3
-)
⚫Hbと結合したガス(Hb-O2, Hb-CO2)
⚫Hbは単なる水に比べて約50倍多くの酸素を輸送できる
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫自由なガスだけが、これまで述べてきたルールに従って受動的に拡散する⚫化学反応によって自由ではなくなったガスは分圧に無関係となり、受動輸送に寄与しなくなる⚫イオン化したガス(HCO3
-)
⚫Hbと結合したガス(Hb-O2, Hb-CO2)
⚫Hbは単なる水に比べて約50倍多くの酸素を輸送できる
⚫拡散(diffusion)と対流(convection: bulk flow)⚫呼吸と血流:エネルギーを消費して高速輸送を可能とする
⚫カタクチイワシの稚魚より大きな動物では…⚫拡散は極めて短距離、対流では長距離の高速輸送が可能
⚫人体では二つの輸送手段が用いられる
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
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⚫自由なガスだけが、これまで述べてきたルールに従って受動的に拡散する⚫化学反応によって自由ではなくなったガスは分圧に無関係となり、受動輸送に寄与しなくなる⚫イオン化したガス(HCO3
-)
⚫Hbと結合したガス(Hb-O2, Hb-CO2)
⚫Hbは単なる水に比べて約50倍多くの酸素を輸送できる
⚫拡散(diffusion)と運搬(convection: bulk flow)⚫呼吸と血流:エネルギーを消費して高速輸送を可能とする
⚫カタクチイワシの稚魚より大きな動物では…⚫拡散は極めて短距離、運搬では長距離の高速輸送が可能
⚫人体では二つの輸送手段が用いられる
Fig. 22.7, 22.8
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫自由なガスだけが、これまで述べてきたルールに従って受動的に拡散する⚫化学反応によって自由ではなくなったガスは分圧に無関係となり、受動輸送に寄与しなくなる⚫イオン化したガス(HCO3
-)
⚫Hbと結合したガス(Hb-O2, Hb-CO2)
⚫Hbは単なる水に比べて約50倍多くの酸素を輸送できる
⚫拡散(diffusion)と運搬(convection: bulk flow)⚫呼吸と血流:エネルギーを消費して高速輸送を可能とする
⚫カタクチイワシの稚魚より大きな動物では…⚫拡散は極めて短距離、運搬では長距離の高速輸送が可能
⚫人体では二つの輸送手段が用いられる
⚫酸素カスケードを下る(Kroghの式を見よ!)⚫全てのステップに分圧勾配がなければ、輸送は停止する
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
⚫自由なガスだけが、これまで述べてきたルールに従って受動的に拡散する⚫化学反応によって自由ではなくなったガスは分圧に無関係となり、受動輸送に寄与しなくなる⚫イオン化したガス(HCO3
-)
⚫Hbと結合したガス(Hb-O2, Hb-CO2)
⚫Hbは単なる水に比べて約50倍多くの酸素を輸送できる
⚫拡散(diffusion)と対流(convection: bulk flow)⚫呼吸と血流:エネルギーを消費して高速輸送を可能とする
⚫カタクチイワシの稚魚より大きな動物では…⚫拡散は極めて短距離、対流では長距離の高速輸送が可能
⚫人体では二つの輸送手段が用いられる
⚫酸素カスケードを下る(Kroghの式を見よ!)⚫全てのステップに分圧勾配がなければ、輸送は停止する
Fig. 22.7, 22.8
ガス(気体)は受動輸送によって運ばれる
肺胞 動脈 毛細血管
ミトコンドリア
大気
動物の呼吸の多様性
diversity of respiration in animals
進化的多様性
evolutionary diversities
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
ラムジェットエンジンの構造(タービンがない)https ://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%A0%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
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⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係⚫飲み込み呼吸(魚の口と鰓の動きは一致しない)
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係⚫飲み込み呼吸(魚の口と鰓の動きは一致しない)
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係⚫飲み込み呼吸(魚の口と鰓の動きは一致しない)
⚫皮膚呼吸する動物たち⚫ウシガエルの場合(酸素は肺で、炭酸ガスは皮膚で)
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫マグロ(tunas)とカツオ(skipjack tunas)⚫1kgの体重で片側あたり1.3mx1.3mの面積の鰓を持つ
⚫水流と血流とを隔てる距離は0.6μm ⚫ニジマスでは5μm、鰓の総面積はニジマスの約8倍になる
⚫Ram ventilation:泳ぎ続けなければ窒息する⚫1kgの体重のtunaでは、1分間に3.6Lの水を鰓に流し込む
⚫同じ体重のニジマスの7倍
⚫ガス交換膜の面積と体重(動物の大きさ)の関係⚫飲み込み呼吸(魚の口と鰓の動きは一致しない)
⚫皮膚呼吸する動物たち⚫ウシガエルの場合(酸素は肺で、炭酸ガスは皮膚で)
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫鳥類の気嚢(air sac)システム⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、中生代の低酸素環境の中でも、活発に動く大きな身体を持つことができた
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
ヒマラヤ山脈をこえるアネハヅル、インドガン
• https://www.youtube.com/watch?v=GaPX9WFZDOo
• https://www.youtube.com/watch?v=7nl-AQm_PN8
• https://www.nhk.or.jp/wildlife/archive/p150.html
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https://www.youtube.com/watch?v=GaPX9WFZDOohttps://www.youtube.com/watch?v=7nl-AQm_PN8https://www.nhk.or.jp/wildlife/archive/p150.html
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ペルム紀大量絶滅 2.5億年前 ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
⚫Jin et al. 2000 Science 289: 432-
⚫中国、煤山(Meishan)の国際標準地層⚫シベリア洪水玄武岩台地の火山活動を層序学的に保存している。
◼ 第25層を中心とする数十万年の一瞬の内に・・・◼
13C含有量が急速に低下している。(温室効果ガスの上昇)
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
⚫Jin et al. 2000 Science 289: 432-
⚫中国、煤山(Meishan)の国際標準地層⚫シベリア洪水玄武岩台地の火山活動を層序学的に保存している。
◼ 第25層を中心とする数十万年の一瞬の内に・・・◼
13C含有量が急速に低下している。(温室効果ガスの上昇)
⚫13Cは安定同位体であることに注意。⚫ これに対して、放射性同位体14Cの半減期は5730年と短く、年代測定に用いられる。
⚫ 地中や海底のメタン菌は、嫌気的環境に棲息し、周囲のCO2からメタンを作る。この際、メタン菌は 13Cに比べて 12Cをより多く、選択的に取り込む。(植物も一般的に同様である。)
⚫ その結果、地中や海底に蓄えられたメタンハイドレートは、 12Cに富んだものになる。
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
• パンゲア超大陸の形成
NHK 地球大進化 第4巻
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
2,200km
NHK 地球大進化 第4巻
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
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ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
⚫Berner 2002, PNAS 99: 4172-
⚫古生代:酸素濃度が高く(約30%)、地中から大気中に放出されるCO2が少ない。
⚫P/T境界を境に、酸素濃度の急落と炭素放出が起こっている。
大気中の酸素分圧が、急激に低下したと考
えられる。
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
⚫過去最大の絶滅⚫海産生物の90%、陸上昆虫の約3分の1が消失した。⚫15-50万年(0.0015~0.0050億年):一瞬の出来事
⚫Pangea大陸の形成
⚫マントルの不均衡分布>
⚫シベリアの巨大噴火>
⚫炭酸ガス濃度の急上昇>地球温暖化>
⚫メタンハイドレート融解>更なる温暖化>
⚫気温差の消失>海流の低下(ないし停止)>
⚫酸素供給の低下>地球規模の海洋の酸欠化>
⚫硫化水素の大量放出>海産生物の大量死
ペルム紀大量絶滅 2.5億年前
⚫過去最大の絶滅⚫海産生物の90%、陸上昆虫の約3分の1が消失した。
⚫15-50万年(0.0015~0.0050億年):一瞬の出来事
⚫Pangea大陸の形成
⚫マントルの不均衡分布>
⚫シベリアの巨大噴火>
⚫炭酸ガス濃度の急上昇>地球温暖化>
⚫メタンハイドレート融解>更なる温暖化>
⚫気温差の消失>海流の低下(ないし停止)>
⚫酸素供給の低下>地球規模の海洋の酸欠化>
⚫硫化水素の大量放出>海産生物の大量死
火山活動が大量の温室効果ガスを大気中に放出する。
温暖化は特に極地(北極と南極)の氷を融かす。
温度差の低下が海流の低下(部分的には停止)をもたらす。
海底への酸素供給が途絶えて、海洋が嫌気的環境となる。
鳥類は竜盤目(獣脚類)恐竜の中から分岐し、絶滅を逃れた動物群である。
⚫始祖鳥の(今の鳥にはない)特徴:⚫歯をもつ。⚫翼のふちにカギ爪をもつ。⚫長い尻尾の中には脊椎骨がある。
⚫始祖鳥は恐竜の特徴を備えており、現生の鳥類の直接の祖先ではない。
⚫現生の鳥類は始祖鳥に似た祖先から派生し、新生代に入って著しい適応放散を遂げた。
⚫注:いわゆる恐竜は、骨盤の構造によって「竜盤類」と「鳥盤類」に分けられる。鳥類は「竜盤類」の中の、獣脚目と呼ばれるグループに由来する、と考えるのが一般的である。獣脚目の代表的な種がティラノザウルスである。
鳥類は竜盤目(獣脚類)恐竜の中から分岐し、絶滅を逃れた動物群である。
⚫始祖鳥の(今の鳥にはない)特徴:⚫歯をもつ。⚫翼のふちにカギ爪をもつ。⚫長い尻尾の中には脊椎骨がある。
⚫始祖鳥は恐竜の特徴を備えており、現生の鳥類の直接の祖先ではない。
⚫現生の鳥類は始祖鳥に似た祖先から派生し、新生代に入って著しい適応放散を遂げた。
⚫注:いわゆる恐竜は、骨盤の構造によって「竜盤類」と「鳥盤類」に分けられる。鳥類は「竜盤類」の中の、獣脚目と呼ばれるグループに由来する、と考えるのが一般的である。獣脚目の代表的な種がティラノザウルスである。
鳥の骨と羽毛
⚫羽毛は飛行への適応形質か?
⚫中空の骨:気嚢は肺と連結されていて、ガス交換を行う。
⚫ペルム紀末大量絶滅の後(中生代初期)の、著しい低酸素環境に対する前適応と考えられる。
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鳥の骨と羽毛
⚫羽毛は飛行への適応形質か?
⚫中空の骨:気嚢は肺と連結されていて、ガス交換を行う。
⚫ペルム紀末大量絶滅の後(中生代初期)の、著しい低酸素環境に対する前適応と考えられる。
レーブン・ジョンソン「生物学(下)」図44.26
¶ 鳥の骨と羽毛
⚫羽毛は飛行への適応形質か?
⚫中空の骨:気嚢は肺と連結されていて、ガス交換を行う。
⚫ペルム紀末大量絶滅の後(中生代初期)の、著しい低酸素環境に対する前適応と考えられる。
レーブン・ジョンソン「生物学(下)」図44.26
¶
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた血中の酸素分圧を、排気中の分圧以上にすることができない。
血中の酸素分圧を、排気中の分圧より高くすることができる。
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2019/11/25
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⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
硬骨魚の鰓は向流交換をする
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
硬骨魚の鰓は向流交換をする
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
⚫Cross-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
鳥類の肺は、第三の方法をとっている空気の流れに沿って、何回も血流が接触する cross-current
⚫鳥類の気嚢システム⚫ペルム期末の大量絶滅は、酸素分圧の急激な低下によってもたらされた
⚫哺乳類型爬虫類(単弓類爬虫類)は、身体を小型化することで、従来の非効率な呼吸系を維持した
⚫分化した爬虫類(および鳥類:双弓類爬虫類)は、ガス交換システムを一新することで、低酸素環境の中でも大きな身体を持つことができた
⚫向流ガス交換(counter-current gas exchange)⚫Concurrent
⚫Counter-current
⚫Cross-current
呼吸系は強い淘汰圧を受けてきた
血中の酸素分圧を、排気中の分圧より高くすることができる。
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