CUSTOMER CASE...

2
CUSTOMER CASE STUDY 主要事業内容 繊維 機能化成品 炭素繊維複合材料 環境/エンジニアリング ライフサイエンス 決め手とソリューション Amazon S3 APIに完全準拠 無制限に容量拡張 単一障害点のない分散アーキテクチャ クロスリージョナルレプリケーション (CRR)機能によるクラウドバックアップ オブジェクトストレージが 未来の東レグループの礎となる 東レグループのITを担う東レシステムセンター 東レは1929年に滋賀県大津市で化学繊維の製造事業者として創業。1951年には、帝人と共同で ポリエステルベースの化学繊維「テトロン」を開発して以降、継続的に新世代の化学繊維を研究・ 開発してきている。 現在の東レグループは、総合化学企業集団へと成長し、繊維やプラスチック・ケミカルのほか、情 報通信材料・機器、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンスといった幅広い 事業分野において、世界26の国・地域へビジネスを展開している。 東レグループのITを支えているのが、東レシステムセンターだ。1985年に東レから分社化され、 IT 事業会社として設立された。現在は、グループ各社のビジネスを支援するITサービスを一手に引き 受け、製品・サービスの品質向上や生産性強化を支援している。 「グループの IT 統制を図る組織というよりは、サービスセンターとして機能し、 IT活用を支援したり、 新しい提案を行ったりしています。各社の IT 企画・開発・運用を総合的にサポートし、事業の拡大 に貢献するのが私たちの使命です」と語るのは、東レシステムセンター システム技術推進部 専門部 長の天満昌則氏だ。 オブジェクトストレージによるストレージ改革 天満氏が東レグループのストレージ改革に注目したのは、2012年ごろのことだ。国内でも有数の 製造事業者である東レは、研究・開発や製造の過程において膨大なデータを生成しており、それら を確実に保護していく必要がある。自社の抱えるビッグデータは、今後もさらに大きくなることは 間違いない。これまで以上にコストパフォーマンスがよい巨大なストレージが必要になるはずだ と、同氏は確信していた。 「私が気になっていたのは、従来のストレージ技術・機器の制約です。一般的なブロックストレージ 技術は拡張性に乏しく、どうしても容量制限が発生してしまいます。また、機器の老朽化が進んだと きに、ふたたび調達から構築、移行までを実行するのは負荷が大きすぎます。そのため抜本的な解 決策が必要だと感じていました」(天満氏) さまざまな情報を調べるうちに、天満氏はクラウドサービスでの活用がはじまっていた「オブジェ クトストレージ技術」に行き着く。同氏は、将来的な企業ITはクラウドサービス/技術の活用が欠 かせないと考えていた。オブジェクトストレージ技術であれば、安価に巨大なストレージを構築で きるとともに、クラウドすなわちインターネット技術との親和性も高いためだ。 東レグループの将来を見越して、できるだけ早くオブジェクトストレージ技術を採り入れるべきだと 経営層を説得し、天満氏はストレージ改革へと乗り出した。できるところからオブジェクトストレー ジの取り組みを開始して、多くのノウハウと経験を蓄積していくことが必要だった。 理想に最も近いCLOUDIAN HYPERSTORE 東レシステムセンターでは、複数のオブジェクトストレージ製品を検討し、最終的にクラウディアン が提供する「CLOUDIAN HYPERSTORE」の導入を決定した。 製品選定の最大のポイントとなったのは、Amazon S3 APIへの完全準拠という点だ。上述したよ うに、将来的にクラウド活用を推進することを考えたとき、クラウドサービスとして高い実績を誇っ ていたAmazon Web Servicesを無視する訳にはいかなかった。 天満氏が検討した複数のストレージ製品の中で、最も実績と評価が高かったのがHYPERSTORE だった。他の製品の中には、“S3互換”をうたいつつも、実際の利用には制限のあるものもあったと いう。 また天満氏は、HYPERSTOREが当初の要件どおり容量に上限がなく、単一障害点となりうる管理 ノードのない完全な分散モデルが採用されている点にも注目した。「想像していたオブジェクトスト レージに最も近かったのがHYPERSTOREだったのです」と、同氏は振り返る。 オブジェクトストレージは、これまでに ないスマートなストレージであることが 最大の特徴です。 例えば、クラウドやオンプレミスなどの 異なる環境へ自律的にデータを分散 できるようなストレージはありません。 東レシステムセンター システム技術推進部 専門部長 天満昌則氏

Transcript of CUSTOMER CASE...

CUSTOMER CASE STUDY

主要事業内容 ● 繊維 ● 機能化成品 ● 炭素繊維複合材料 ● 環境/エンジニアリング ● ライフサイエンス

決め手とソリューション ● Amazon S3 APIに完全準拠 ● 無制限に容量拡張 ● 単一障害点のない分散アーキテクチャ ● クロスリージョナルレプリケーション (CRR)機能によるクラウドバックアップ

オブジェクトストレージが未来の東レグループの礎となる東レグループのITを担う東レシステムセンター東レは1929年に滋賀県大津市で化学繊維の製造事業者として創業。1951年には、帝人と共同でポリエステルベースの化学繊維「テトロン」を開発して以降、継続的に新世代の化学繊維を研究・開発してきている。

現在の東レグループは、総合化学企業集団へと成長し、繊維やプラスチック・ケミカルのほか、情報通信材料・機器、炭素繊維複合材料、環境・エンジニアリング、ライフサイエンスといった幅広い事業分野において、世界26の国・地域へビジネスを展開している。

東レグループのITを支えているのが、東レシステムセンターだ。1985年に東レから分社化され、IT事業会社として設立された。現在は、グループ各社のビジネスを支援するITサービスを一手に引き受け、製品・サービスの品質向上や生産性強化を支援している。

「グループのIT統制を図る組織というよりは、サービスセンターとして機能し、IT活用を支援したり、新しい提案を行ったりしています。各社の IT企画・開発・運用を総合的にサポートし、事業の拡大に貢献するのが私たちの使命です」と語るのは、東レシステムセンター システム技術推進部 専門部長の天満昌則氏だ。

オブジェクトストレージによるストレージ改革天満氏が東レグループのストレージ改革に注目したのは、2012年ごろのことだ。国内でも有数の製造事業者である東レは、研究・開発や製造の過程において膨大なデータを生成しており、それらを確実に保護していく必要がある。自社の抱えるビッグデータは、今後もさらに大きくなることは間違いない。これまで以上にコストパフォーマンスがよい巨大なストレージが必要になるはずだと、同氏は確信していた。

「私が気になっていたのは、従来のストレージ技術・機器の制約です。一般的なブロックストレージ技術は拡張性に乏しく、どうしても容量制限が発生してしまいます。また、機器の老朽化が進んだときに、ふたたび調達から構築、移行までを実行するのは負荷が大きすぎます。そのため抜本的な解決策が必要だと感じていました」(天満氏)

さまざまな情報を調べるうちに、天満氏はクラウドサービスでの活用がはじまっていた「オブジェクトストレージ技術」に行き着く。同氏は、将来的な企業ITはクラウドサービス/技術の活用が欠かせないと考えていた。オブジェクトストレージ技術であれば、安価に巨大なストレージを構築できるとともに、クラウドすなわちインターネット技術との親和性も高いためだ。

東レグループの将来を見越して、できるだけ早くオブジェクトストレージ技術を採り入れるべきだと経営層を説得し、天満氏はストレージ改革へと乗り出した。できるところからオブジェクトストレージの取り組みを開始して、多くのノウハウと経験を蓄積していくことが必要だった。

理想に最も近いCLOUDIAN HYPERSTORE東レシステムセンターでは、複数のオブジェクトストレージ製品を検討し、最終的にクラウディアンが提供する「CLOUDIAN HYPERSTORE」の導入を決定した。

製品選定の最大のポイントとなったのは、Amazon S3 APIへの完全準拠という点だ。上述したように、将来的にクラウド活用を推進することを考えたとき、クラウドサービスとして高い実績を誇っていたAmazon Web Servicesを無視する訳にはいかなかった。

天満氏が検討した複数のストレージ製品の中で、最も実績と評価が高かったのがHYPERSTOREだった。他の製品の中には、“S3互換”をうたいつつも、実際の利用には制限のあるものもあったという。

また天満氏は、HYPERSTOREが当初の要件どおり容量に上限がなく、単一障害点となりうる管理ノードのない完全な分散モデルが採用されている点にも注目した。「想像していたオブジェクトストレージに最も近かったのがHYPERSTOREだったのです」と、同氏は振り返る。

“オブジェクトストレージは、これまでに ないスマートなストレージであることが 最大の特徴です。 例えば、クラウドやオンプレミスなどの 異なる環境へ自律的にデータを分散 できるようなストレージはありません。”

東レシステムセンター システム技術推進部 専門部長天満昌則氏

科学情報システムズ(SIS)の協力で理想のストレージへの道を歩むまず東レシステムセンターでは、最もシンプルなオブジェクトストレージの活用方法として、ファイルサーバーソフトウェア「FOBAS」を使いCIFS対応し、“容量無制限の社内ファイルサーバー”として使えるオンプレミスのクラウドストレージから始めた。

同社は、開発パートナーである科学情報システムズの協力でエンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)システムを構築・連携し、安全性の確保にも努めた。

「科学情報システムズは、クラウディアンの強力なパートナーでもあり、HYPERSTOREの知見が豊富で、私たちのニーズへ柔軟かつ迅速に対応してくれました。オブジェクトストレージの導入や周辺の開発も、同社の協力があってこその成果です」(天満氏)

最近では、HYPERSTOREの新バージョンに搭載された「クロスリージョンレプリケーション(CRR)」機能を活用し、Amazon S3 へデータをレプリケーション(複製)するバックアップの仕組みも実装した。これにより、ビッグデータを効率よく管理しつつ、確実に保護できる環境が整ったことになる。

ビジネス改革を支えるストレージ基盤これまでのシステム構築によって、容量無制限でデータ保護に強いファイルサーバーを提供できるようになったという点で、大いにメリットがあるはずだ。しかし天満氏は、これだけでは満足しなかった。

「オブジェクトストレージは、これまでにないスマートなストレージであることが最大の特徴です。例えば、クラウドやオンプレミスなどの異なる環境へ自律的にデータを分散できるようなストレージはありません。しかし、この技術を最大限に活用して真のクラウドストレージを手に入れなければ、HYPERSTOREの価値は半減してしまいます。ファイルサーバーはゴールではないのです」(天満氏)

同氏は、HYPERSTOREによって構築したストレージシステムが、新しい取り組みを実現するための“足がかり”になると考えている。

製造業である東レグループは、当然のことながらIoTやAIなどの新しい技術へ積極的に取り組んでいかなければならない。そうした技術を用いて新しい事業やビジネスを展開しようとしたとき、一般的なNASなどでは十分に対応することはできないだろう。HYPERSTOREがあるからこそ、そうした新しいビジネスへのハードルが下がっているというのだ。

また天満氏は、HYPERSTOREが積極的に新機能を開発しており、進化を続けている点も高く評価している。例えば「CRR」は、同氏が待ち焦がれていた機能の1つだ。HYPERSTOREのアップデートによって、新しい発想が生まれることも考えられる。

「クラウディアンは、HYPERSTOREを用いたAI 事業に取り組んでいると聞いています。そうしたインテリジェントなストレージの活用方法は、とても刺激的でした。私たちの取り組みは、やっとスタートに立ったにすぎませんが、HYPERSTOREが新たなチャレンジを強力に支援してくれると確信しています」(天満氏)

オブジェクトストレージによるストレージ改革天満氏が東レグループのストレージ改革に注目したのは、2012年ごろのことだ。国内でも有数の製造事業者である東レは、研究・開発や製造の過程において膨大なデータを生成しており、それらを確実に保護していく必要がある。自社の抱えるビッグデータは、今後もさらに大きくなることは間違いない。これまで以上にコストパフォーマンスがよい巨大なストレージが必要になるはずだと、同氏は確信していた。

「私が気になっていたのは、従来のストレージ技術・機器の制約です。一般的なブロックストレージ技術は拡張性に乏しく、どうしても容量制限が発生してしまいます。また、機器の老朽化が進んだときに、ふたたび調達から構築、移行までを実行するのは負荷が大きすぎます。そのため抜本的な解決策が必要だと感じていました」(天満氏)

さまざまな情報を調べるうちに、天満氏はクラウドサービスでの活用がはじまっていた「オブジェクトストレージ技術」に行き着く。同氏は、将来的な企業ITはクラウドサービス/技術の活用が欠かせないと考えていた。オブジェクトストレージ技術であれば、安価に巨大なストレージを構築できるとともに、クラウドすなわちインターネット技術との親和性も高いためだ。

東レグループの将来を見越して、できるだけ早くオブジェクトストレージ技術を採り入れるべきだと経営層を説得し、天満氏はストレージ改革へと乗り出した。できるところからオブジェクトストレージの取り組みを開始して、多くのノウハウと経験を蓄積していくことが必要だった。

理想に最も近いCLOUDIAN HYPERSTORE東レシステムセンターでは、複数のオブジェクトストレージ製品を検討し、最終的にクラウディアンが提供する「CLOUDIAN HYPERSTORE」の導入を決定した。

製品選定の最大のポイントとなったのは、Amazon S3 APIへの完全準拠という点だ。上述したように、将来的にクラウド活用を推進することを考えたとき、クラウドサービスとして高い実績を誇っていたAmazon Web Servicesを無視する訳にはいかなかった。

天満氏が検討した複数のストレージ製品の中で、最も実績と評価が高かったのがHYPERSTOREだった。他の製品の中には、“S3互換”をうたいつつも、実際の利用には制限のあるものもあったという。

また天満氏は、HYPERSTOREが当初の要件どおり容量に上限がなく、単一障害点となりうる管理ノードのない完全な分散モデルが採用されている点にも注目した。「想像していたオブジェクトストレージに最も近かったのがHYPERSTOREだったのです」と、同氏は振り返る。

“クラウディアンは、 CLOUDIAN HYPERSTORE を用いた AI 事業に 取り組んでいると聞いています。 そうしたインテリジェントなストレージの 活用方法は、とても刺激的でした。 私たちの取り組みは、やっとスタートに 立ったにすぎませんが、CLOUDIAN HYPERSTORE が新たなチャレンジを 強力に支援してくれると確信しています”

科学情報システムズ(SIS)の協力で理想のストレージへの道を歩むまず東レシステムセンターでは、最もシンプルなオブジェクトストレージの活用方法として、ファイルサーバーソフトウェア「FOBAS」を使いCIFS対応し、“容量無制限の社内ファイルサーバー”として使えるオンプレミスのクラウドストレージから始めた。

同社は、開発パートナーである科学情報システムズの協力でエンタープライズ・コンテンツ管理(ECM)システムを構築・連携し、安全性の確保にも努めた。

「科学情報システムズは、クラウディアンの強力なパートナーでもあり、HYPERSTOREの知見が豊富で、私たちのニーズへ柔軟かつ迅速に対応してくれました。オブジェクトストレージの導入や周辺の開発も、同社の協力があってこその成果です」(天満氏)

最近では、HYPERSTOREの新バージョンに搭載された「クロスリージョンレプリケーション(CRR)」機能を活用し、Amazon S3 へデータをレプリケーション(複製)するバックアップの仕組みも実装した。これにより、ビッグデータを効率よく管理しつつ、確実に保護できる環境が整ったことになる。

ビジネス改革を支えるストレージ基盤これまでのシステム構築によって、容量無制限でデータ保護に強いファイルサーバーを提供できるようになったという点で、大いにメリットがあるはずだ。しかし天満氏は、これだけでは満足しなかった。

「オブジェクトストレージは、これまでにないスマートなストレージであることが最大の特徴です。例えば、クラウドやオンプレミスなどの異なる環境へ自律的にデータを分散できるようなストレージはありません。しかし、この技術を最大限に活用して真のクラウドストレージを手に入れなければ、HYPERSTOREの価値は半減してしまいます。ファイルサーバーはゴールではないのです」(天満氏)

同氏は、HYPERSTOREによって構築したストレージシステムが、新しい取り組みを実現するための“足がかり”になると考えている。

製造業である東レグループは、当然のことながらIoTやAIなどの新しい技術へ積極的に取り組んでいかなければならない。そうした技術を用いて新しい事業やビジネスを展開しようとしたとき、一般的なNASなどでは十分に対応することはできないだろう。HYPERSTOREがあるからこそ、そうした新しいビジネスへのハードルが下がっているというのだ。

また天満氏は、HYPERSTOREが積極的に新機能を開発しており、進化を続けている点も高く評価している。例えば「CRR」は、同氏が待ち焦がれていた機能の1つだ。HYPERSTOREのアップデートによって、新しい発想が生まれることも考えられる。

「クラウディアンは、HYPERSTOREを用いたAI 事業に取り組んでいると聞いています。そうしたインテリジェントなストレージの活用方法は、とても刺激的でした。私たちの取り組みは、やっとスタートに立ったにすぎませんが、HYPERSTOREが新たなチャレンジを強力に支援してくれると確信しています」(天満氏)

AI

IoT

ビッグデータ

ファイル共有

エンタープライズコンテンツ管理

認証 クラウドバックアップ

CLOUDIAN HYPERSTORE

東レシステムセンターのシステム構成図

左から科学情報システムズ 相原俊介氏東レシステムセンター 天満昌則氏

クラウディアン 石田徹氏

クラウディアン株式会社〒150-0002東京都渋谷区渋谷2-11-6 ラウンドクロス渋谷6FTel:03-6418-6466Email : [email protected]ホームページ:https://cloudian.com/jp/

©2018 Cloudian, K.K. Cloudian、Cloudianロゴ、HYPERSTOREはCloudian, Inc.の商標または登録商標です。その他全ての商標または登録商標は各社が保有します。