CREST 「独創的原理に基づく

革新的光科学技術の創生」

研究総括

河田　聡 （大阪大学　名誉教授）

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プラズモニクス・フォトニック結晶・メタマテリアルズ・量子ドット FUV・DUV・・・・NIR・FIR LEDs, lasers・CCDs, FIbers 通信・半導体・バイオ・有機化学・センサー・光ディスク・内視鏡・OCT・ フォトリソグラフィー・超解像顕微鏡・ラマン散乱・太陽電池・・・

フォトニクス四半世紀

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自己紹介 大阪大学名誉教授、理化学研究所名誉研究員、ナノフォトン（株）創業者・会長 元・応用物理学会会長、日本分光学会会長、OSA理事、SPIE Nano Sci+Eng Chair、Optics Communications編集長、ほか　 専門分野 応用物理学、光学・分光学、ナノフォトニクス、計測学、信号処理・画像処理

JSTとの関わり CREST x 2・代表者、先端計測分析・代表者、CREST・アドバイザー、 さきがけ・アドバイザー、先端融合イノベーション創出拠点・拠点長、 CRDSナノ材料・特任フェロー

はじめに

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最先端光科学技術を駆使した革新的基盤技術の創成 （達成目標） 本戦略目標では、物質科学、生命科学、情報科学等の分野と光科学技術の分野の研究者が密接に連携し、必要となる光科学技術の特定と開発を通じた革新的な光科学技術基盤の創成を目指す。具体的には、以下の4つの達成を目指す。 （1）光特性を活かした物質・材料の操作・制御・機能創出 （2）光特性を活かした生命の観察・治療技術の創出 （3）情報処理の光への利用/光の情報処理への利用 （4）光要素技術の開発

2019年度戦略目標

北山総括のCREST 荒川総括のCREST

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光科学技術は、これまでの力強い研究ならびに開発によって産業・学術の両面においてその発展に大きく貢献し、またそれ自身も大きく発展してきました。本研究領域ではこれをさらに進めて、光の有する本質的な特性を使いつつ、従来にない独創的な発想に基づく革新的な原理による光科学技術の創出を目指します。また将来あるべき姿やゴールを見定めることによって、バックキャスト的な視点を取り入れながら他の科学・技術分野との相互作用によって、全く新しい光応用分野領域の創成を図ります。 下記課題解決に向けて突破口を開き具体的な貢献を果たすための契機となる具体的でチャレンジングな光科学技術の研究や開発を対象とします。 ○持続可能な社会を実現するための解決すべき大きな課題、 ○豊かな社会を支えるための産業上の大きな課題、 ○未来を切り開く知を得るための大きな課題

独創的原理に基づく革新光科学技術の創成：研究領域の概要

（１）既存原理・技術と異なる発想に基づく光計測法、 ナノ加工法、光材料・光デバイスの提案と実証

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（３）数理科学・情報処理の光への利用/光の情報処理への利用

（２）光特性を活かした生命の観察・治療技術の創出

（４）社会課題の解決に向けた光の利用と光要素技術の開発

これらに限定されるものではありません

想定する研究分野

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これまでの光デバイスの研究は、リソグラフィー技術をはじめ様々な半導体製造技術の発展に依存して高度化が進められて来ましたが、すでに知られた基本原理に基づくもので、その発展が飽和してきています。また、計測分野においても、AFM やフェムト秒レーザー、ポンププローブ法などの既存の装置・技術に依存したものとなっており、世界的にも類似の研究が幅を利かせている状況です。これらを打ち破り、光科学技術の革新を図るための基本概念の創出と、これを実証して発明につなげる研究提案を求めます。

1. 既存原理・技術と異なる発想に基づく光計測法、ナノ加工法、光材料・光デバイスの提案と実証

✤ STED, PALM、SIMの改良や応用ではなく、異なる超解像顕微鏡の原理開拓 ✤ フェムト秒レーザーやQCLなどの応用ではなく、それらに替わる光源の開拓 ✤ フォトニック結晶、プラズモニクス、メタマテリアルズに替わるナノ構造

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例えば ✤ 自己組織化、自己成長、カオス・複雑系などの非線形数理科学に基づいた新概念のレーザー、光学材料、光検出器等の光デバイスの研究

✤ 確率論・確率過程論などサイバネティックスなどこれまでと異なる概念の光検出、光制御法など

✤ FTIRやポンププローブ法などの既存手法に代わる分光法、革新的概念に基づいた顕微鏡や分析法など

✤ プラズモニクス材料、メタマテリアルにおける本質的な原理開拓と実用化を視野に入れた応用、大面積や3 次元などこれまでの限界を超える製造法

1. 既存原理・技術と異なる発想に基づく光計測法、ナノ加工法、光材料・光デバイスの提案と実証

これらに限られるものではありません

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生命科学とは「生死を扱う科学」と考えます。この分野では、がん治療、脳科学、恒常性に関する研究や開発など、多くの研究投資によって優れた成果が得られています。本研究領域では、重要な課題であるにもかかわらずこれまで十分な研究投資がなされていない分野からの積極的な応募を期待します。 これらの分野ではすでに光の有用性は十分に認識されていますが、特に生きた状態での生命体のダイナミクスを観察・分析・制御することにより、光の適用範囲を拡大し、生命科学や医療の飛躍的発展を可能とするような研究開発の提案を期待します。

2. 光特性を活かした生命の観察・治療技術の創出

✤ 分子生物学・細胞生物学の光科学技術研究は、多くのプロジェクトがある。 ✤ フォトニクスによって生命の発生、成長、死へのダイナミクスを追う。 ✤ 観察・診断より、治療への貢献を期待する。

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✤ 発生学、新陳代謝などに関する非線形数理科学および確率・確率過程を基礎としたフォトニクス研究

✤ 数理生物学や治療、創薬（薬剤開発と治験）へのフォトニクス研究の展開 ✤ 複数種類の分子の挙動を同時に識別可能な新規イメージング技術の開発 ✤ 広い視野で分子レベルの同時計測が可能な顕微鏡技術の開発 ✤ 光技術の利用による生体深部の臨床検査や非侵襲治療を可能とする基盤技術の開発

✤ 眼科（眼内レンズ、眼内レーザー手術、眼底検査）や外科の腹腔手術、皮膚科などでの革新的基盤光科学技術の開発

2. 光特性を活かした生命の観察・治療技術の創出

これらに限られるものではありません

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情報処理の分野では、光のアナログ性や並進性を活用した情報処理システムの開発がなされてきました。また画像解析にビッグデータの利用がなされていますが、光ならではの特長を活かす意味を含め、学術的な立場での進展があまり見られないように思われます。その状況を一変させる研究提案を期待します。 　例えば ✤ 自己組織化、自己成長、カオス・複雑系などの非線形数理科学および（あるいは）確率論、確率過程論などサイバネティックスを基礎とした光情報科学

✤ 情報処理を能動的に組み込んだ革新的な光センシング、イメージングシステム技術の開発

3. 数理科学・情報処理の光への利用/光の情報処理への利用

これらに限られるものではありません

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これまで光科学技術の研究開発は、通信等の産業界とうまく連携しながら発展し、高度なデバイスとして実現されてきました。しかしながら、世界的には環境、生態系、食料、水、伝染病のようなテーマの解決がより重要で、それらの問題を解決するための新しい産業も育っています。 例えば ✤ 「環境問題」「食糧問題」「水問題」などの社会課題の解決を図るための光科学技術の開発

✤ 爆発物や毒薬、病原菌の検出など人の安全と生命を守ることに繋がる光科学技術の開発

✤ 上記を可能とする光源・検出器・分光装置等の開発

4. 社会課題の解決に向けた光の利用と光要素技術の開発

これらに限られるものではありません

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（１）チーム構成及び研究費について 予算規模は下記の二つです。 ア 予算規模 I：4～5 億円程度（採択予定：1～2 課題） イ 予算規模II：1.5～3 億円程度（採択予定：3～4 課題）

（２）提案者について ア 多様な研究者からの革新的な研究提案を求めます。

短期的な成果を追わず、研究期間全体を通して独創的かつ挑戦的な成果の創出を目指した研究提案を期待します。

イ 若手からの積極的な応募を期待します。年齢よりも新規性、独創性、学術レベルで判断します。

実施に関わる体制や規模

✤ CRESTは５年プロジェクトです。毎年毎年の計画・成果よりも、5年後の目標と成果を問いたいと思います。ぜひ大きな夢を語ってください。

✤ 現在の流行に囚われずに、今は注目されていない技術・装置・市場を創出してください。

✤ 既存のキーワードの組み合わせではなく、独創的な研究を期待します。 ✤ 装置・サンプル・実験環境を買ってくるのではなく、自らそれらを作ってください。そうすれば人と異なる結果が出ます。その方が既製品の購入よりコストがかかるのでCREST研究として相応しいと考えます。

✤ 過去の実績よりも今の提案を読んで、採択したいと思います。 ✤ 論文（デモンストレーション）だけで終わるのは虚しい。それが同じ分野あるいは広く社会に貢献するところまで視野に入れてください。

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総括からのメッセージ：「戦略的創造研究推進事業」として

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✤ 自分自身も他の人も、再現できなければなりません。 ✤ 学問、産業，自然科学、医療に貢献する研究であることを期待します。 ✤ 新しいキーワード：環境、生態系、食料、水、伝染病、安心安全。

✤ ポスドクを労働者として雇うのではなく，ポスドクや学生を育ててください。 ✤ 年齢、性別、地位，所属、国籍、出身などは審査において考慮しません。戦略的創造研究として、真に提案内容の学術性、新規性、独創性、社会貢献性で審査したいと思っています。

総括からのメッセージ：「戦略的創造研究推進事業」として

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積極的な提案の応募を歓迎します。 ご健闘を祈ります。

アドバイザーについては追って発表します。

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