CommuniGate® Pro v5.1 レビュアーズガイド - dragon ......CommuniGate Systems, a Division of...

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レレビビュュアアーーズズガガイイドド

22000077 年年 11 月月

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この文書は、英語版の翻訳です。その目的は、日本のエンジニアの皆様の理解に資することにあります。

翻訳版作成日:2007 年 3 月 24 日

CommuniGate Systems ソフトウェアライセンス契約(EULA)

注:CommuniGate Pro を使用された場合、下記のソフトウェアライセンス契約に同意したものとみなされます。

1. ライセンス。ディスクや ROM などの媒体の種類にかかわらずに、当該媒体に保存、記憶されている

CommuniGate Pro ソフトウェアおよび CommuniGate Pro に関するマニュアルや説明書(以下、

「CommuniGate Pro ソフトウェア」と総称します)はいずれも、米国カリフォルニア法人 CommuniGate

Systems(以下、「CGS」と呼びます)からユーザーにライセンス(使用許諾権)供与され、したがって販売され

るものではありません。CommuniGate Pro ソフトウェアを使用する場合、その使用は本契約書の条項によっ

て制限されます。ライセンスは、CommuniGate Pro ライセンスキー(以下、「ライセンスキー」と呼びます)の形

で提供され、ライセンスキーは数字で構成されます。

2. 使用の許可と制限。本ライセンス契約により、ユーザーは、単一のライセンスキーセット(複数のライセンス

キーのセット)を単一のサーバーコンピュータ(シングプロセッサまたはマルチプロセッサのコンピュータ)上で

使用できるようになります。ライセンスキーセットはそれぞれ、単一のインターネットドメイン名(以下、「メインド

メイン」と呼びます)について発行されます。したがって、そのインターネットドメイン名が存在し、また、その名

前が登録済みでなければなりません。ライセンスキーの発行後は、メインドメインの名前を変更することはで

きません。発行済みのライセンスキーを使用し、同一の CommuniGate Pro ソフトウェアインスタンス上でメイ

ンドメインのほかに任意の数のセカンダリドメインを動作させることができます。CommuniGate Pro ソフトウェ

アは、適用法規によって許可されている場合を除き、逆コンパイル、リバースエンジニアリング、逆アセンブル、

修正、貸出、賃貸、貸与は一切禁止されており、CommuniGate Pro ソフトウェアから派生物を作成することも

できません。ただし、何らかのコンポーネントについて、マニュアルや説明書で「カスタマイズ可能」と明記さ

れている場合には当該コンポーネントを修正することができます。発行済みのライセンスキー(のセット)は、

当該ライセンスキーの発行日(以下、「起算日」と呼びます)において正式にリリース済みであり、かつ最新で

ある CommuniGate Pro ソフトウェアバージョンのほか、当該起算日から 12 カ月の間にリリースされた新バー

ジョンについてのみ有効です(この 12 カ月を「初期保守期間」と呼びます)。発行済みのライセンスキーは、

当該ライセンスキーが有効な CommuniGate Pro ソフトウェアの各バージョン以外のバージョンには使用でき

ません。ユーザーが本ライセンス契約のいずれかの条項を遵守しなかった場合、当該ユーザーに与えられ

ている権利は、CGS からの事前の通知なしに失われます。

300 ユーザー以上の CommuniGate Pro ライセンスではいずれも下記の契約条件が適用されます。

CommuniGate Pro プラットフォームのソフトウェアモジュールはすべて正常に機能し、ソフトウェアモジュール

にはいずれも「開発ライセンス」が付属しています。この開発ライセンスの下でソフトウェアモジュール(オプシ

ョンのモジュールを含む)の正規の機能をすべて利用し、ソフトウェアの開発(アプリケーション開発を含む)

とテストが可能です。ただし、こうしたソフトウェアモジュールの機能を開発とテスト以外の用途に使用する場

合、各モジュールのライセンスを CGS もしくは CGS の正規リセラーから購入しなければなりません。

3. 今後のバージョン。CGS では、時宜に応じて CommuniGate Pro ソフトウェアの新バージョンを開発するこ

とがあります。ただし、本ライセンス契約によって、CGS が CommuniGate Pro ソフトウェアの機能の更新や強

化を行う義務を負うことはありません。今後、新機能または新コンポーネントを開発するかどうかは CGS が選

択でき、当該新機能または新コンポーネントをユーザーが使用する場合、追加のライセンスキーが必要にな

ります。ユーザーは、当該新機能、新コンポーネントを使用しないことを選ぶことができ、使用しない場合、追

加のライセンスキーを購入する義務はありません。

4. 保守(継続使用)。初期保守期間の経過後にリリースされた CommuniGate Pro バージョンを使用する場

合、更新ライセンスキー(のセット)が必要です。当該更新ライセンスキーは、月の日付のうち起算日の日付と

同じ日、または、当該月の日数が少ないため起算日と同じ日付がないときには当該月の末日に発行が可能

です。この日を更新日と呼びます。更新ライセンスキーを購入することにより、当該更新日から 12 カ月以内

にリリースされた新バージョンの CommuniGate Pro ソフトウェアを使用する権利が与えられます。当該更新

日からさらに 12 カ月が経過し(つまり 2 回目の更新日が到来し)、それ以後にリリースされた新バージョンを

使用する場合、さらに新規の更新ライセンスキー(のセット)を購入することが必要です。更新ライセンスキー

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の価格は、最後の更新日(最初のライセンスキーの場合は起算日)以降の月数にメインテナンスフィーをか

けて算出されます。ライセンスキーセットを更新するときには、そのセットに含まれている各ライセンスキーを

すべて一括して更新しなければなりません。

5. 年次ライセンスが必要なコンポーネント。CommuniGate Pro ソフトウェアのコンポーネント(たとえば、サー

ドパーティのプラグインなど)によっては、毎年、ライセンス供与を受けなければならないものもあります。つま

り、当該コンポーネントは 12 カ月間だけ使用でき、その後は新規のライセンスキーを購入しなければなりま

せん。購入により、その後、さらに 12 カ月間にわたって当該コンポーネントを使用できます。当該コンポーネ

ントのライセンスキーは、上記のセクション 4 の規定は適用されず、したがってメインテナンスフィーは不要で

す。

6. 契約の終了。本ライセンス契約は、期限はなく、上記のセクション 2 に規定されている事由によってのみ

終了します。

7. CommuniGate Pro ソフトウェアに関する保証の放棄。ユーザーは、CommuniGate Pro ソフトウェアを自己

の危険負担においてのみ使用することを認め、同意するものとします。CommuniGate Pro ソフトウェアは、

「現状のまま」でいかなる保証も付与されずに提供され、CGS は、明示または非明示を問わず、また暗黙の

保証を含め、もしくはそれに限定されず、当該ソフトウェアの特定用途に関する商品価値または適合性につ

いて、保証または条件をいっさい放棄することを表明します。CGS は、CommuniGate Pro ソフトウェアに備え

られている機能がユーザーの要求に合致するかどうか、または CommuniGate Pro ソフトウェアが中断せず

に動作、もしくはエラーなしで動作するかどうか、または CommuniGate Pro ソフトウェアに欠陥があった場合、

その欠陥を修正するかどうかに関しては一切保証しません。CGS はまた、CommuniGate Pro ソフトウェアも

しくは当該ソフトウェアに関連するマニュアル・説明書の使用または使用の結果に関して、当該ソフトウェアの

動作、またはマニュアル・説明書の内容、または使用の結果が正確であり、精度が高く、もしくは信頼性があ

ることを保証しませんし、その表明も行いません。CGS または CGS の正規の代理人が保証に関して口頭ま

たは書面で何らかの情報または助言を提供した場合でも、新たな保証が追加されることはなく、保証の範囲

が拡張されることも一切ありません。CommuniGate Pro ソフトウェアに欠陥が存在することが証明された場合

でも、当該欠陥に関して必要となるサービス、修理、修正の費用はすべてユーザー(CGS または CGS の正

規の代理人ではなく)が負担するものとします。

8. 責任の制限。本ライセンス契約を原因として、または本ライセンス契約に関連して、偶発、特殊、間接、必

然の別にかかわらず、何らかの損害が発生した場合、過失を含めいかなる理由でも CGS が当該損害の責

任を負うことはありません。司法管轄区域によっては、偶発または必然の損害について責任の制限が認めら

れていないこともあり、その場合には当該責任の制限は適用されないこともあります。損害について CGS に

責任が発生したときでも、全損害に対する賠償責任は、本ライセンスの購入価格を超えないものとします。

9. 輸出関連法規。CommuniGate Pro のライセンスキーは、米国の法律および当該ライセンスキーを購入し

た司法管轄区域の法律で認可されている方法でのみ使用でき、当該法規に反して使用、輸出、再輸出する

ことはできません。特に、またこれに限定されず、次の国または個人に CommuniGate Pro のライセンスキー

を輸出または再輸出することはできません。(i)米国により輸出禁止国として定められている国(または当該

国の国民または在住者)、(ii)合衆国財務省指定国家リストまたは合衆国商務省拒否命令表に指定されて

いる個人。CommuniGate Pro のライセンスキーを使用することにより、ユーザーは自分が上記の国またはリ

ストに該当する国民または在住者ではないこと、または当該国に居住しておらず、その管理下にもないことを

表明し、保証することになります。

10. 米国政府機関のエンドユーザー。CommuniGate Pro のライセンスキーが米国政府機関のエンドユーザ

ーに提供される場合、CommuniGate Pro ソフトウェアは、FAR の条項 52.227-19 に規定されている「制限コ

ンピュータソフトウェア」に分類されます。CommuniGate Pro ソフトウェアに対する米国政府機関の権利は、

FAR の条項 52.227-19 に規定されています。

11. 管轄法と可分性。いずれかの国のユーザーが CommuniGate Pro ソフトウェアのライセンスキーを購入し、

当該国に CGS の関連子会社がある場合、その関連子会社が所在する地域の法律を本ライセンス契約の管

轄法とします。それ以外の場合、本ライセンス契約は、連邦法およびカリフォルニア州法によって管轄される

ものとします。何らかの理由により、本契約のいずれかの条項または一部が管轄裁判所によって履行不可能

と判定されたときでも、それ以外の条項はすべて、その後も完全に効力があり有効であるものとします。

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12. 完全な合意。本ライセンス契約は、CommuniGate Pro ソフトウェアの使用に関して、各当事者間の完全

で包括的な合意であり、以前または現時点で発生した解釈すべてに優先するものとします。本ライセンス契

約の改定または修正は、当該改定または修正が書面で行われ、かつ当該書面に CGS の署名がある場合に

のみ拘束力を有するものとします。この EULA を除き、英語の本ライセンス契約と日本語の本ライセンス契約

の解釈において何らかの相違が発生した場合、英語の本ライセンス契約の解釈が優先されるものとします。

CommuniGate Systems 社または CommuniGate Pro のロゴ、その他の商標、サービスマーク、およびデザイ

ンは、CommuniGate Systems 社または CommuniGate Pro の米国およびその他の国における登録商標また

は商標です。 技術的な正確性を維持するよう常に努力していますが、本書内の情報は予告なしに変更され

ることがあります。本書の内容の一部または全部を CommuniGate Systems 社からの事前の書面による承諾

なしに、複写、写真複写、複製、翻訳、または電子媒体もしくは機械で読み取り可能な形式に変更することを

禁じます。

No part of this document can be translated, copied or re-printed without written permission from

CommuniGate Systems.

CommuniGate Systems, a Division of Stalker Software Inc.

655 Redwood Highway, #275

Mill Valley, CA 94941 USA

お問い合わせ先:

CommuniGate Systems Japan Tel:046-872-4950 [email protected]

日本の販売代理店:http://www.communigate.com/content/asia.html

CommuniGate Systems 本社 http://www.communigate.com Tel:800-262-4722

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目次

I. はじめに ................................................................................................... 6

A. 目的と読者について .................................................................................... 6

B. 他社製品との主な相違点 ............................................................................. 7

II. CommuniGate Proインターネットコミュニケーションプラットフォームとは? ................ 8

A. トータルソリューション................................................................................... 9

B. SIPファーム............................................................................................... 10

C. 信頼性と移植性......................................................................................... 11

D. クライアントとプロトコルについて.................................................................... 12

III. CommuniGate Proバージョン 5.1 の新機能..................................................... 13

A. Pronto! - Flashベースのインターフェイス ...................................................... 13

B. VoIPインフラストラクチャとVoIPアプリケーション ................................................ 14

IV. CommuniGate Proの概要 ........................................................................... 17

A. アイデンティティ管理 .................................................................................. 17

B. ストレージ管理 .......................................................................................... 17

C. メール転送 ............................................................................................... 17

D. リアルタイムスケジューリング......................................................................... 17

E. リアルタイムアプリケーション環境................................................................... 18

F. データアクセスサービス............................................................................... 18

G. 先進のセキュリティ ..................................................................................... 18

H. マルチティア(多層)管理 ............................................................................. 18

I. マルチサーバー ........................................................................................ 19

J. 言語サポート............................................................................................. 19

K. EdgeGateコントローラ.................................................................................. 21

V. 設定と使用 ............................................................................................... 22

A. CommuniGate Proのインストールとアカウントのセットアップ ................................. 22

B. Sipura 3000 FXOの設定(VoIPとPSTNの接続) ................................................ 30

C. VoIP/PSTNゲートウエイへのアウトバウンドコールのルーティング.......................... 34

D. CommuniGate Proのネットワーク/リレーに関する保護と設定.............................. 35

E. ソフトフォン - Windows MessengerとXten (CounterPath) X-Lite ........................ 36

F. IPフォン(Polycom 501 など)......................................................................... 43

G. オートアテンダント/PBXウエルカムグリーティングの録音とアップロード................. 46

H. 電子メール ............................................................................................... 48

I. コラボレーション(グループウェア) ................................................................. 50

J. Webメールインターフェイスでの操作 .............................................................. 68

K. Webメール................................................................................................ 69

L. S/MIME................................................................................................... 71

M. ネットワークのアーキテクチャとポート.............................................................. 77

N. XIMSSによる開発....................................................................................... 80

VI. ライセンス................................................................................................. 84

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I. はじめに

A. 目的と読者について

本ドキュメントは、CommuniGate Proインターネットコミュニケーションプラットフォーム(以下、

CommuniGate Pro)の主要コンポーネントのガイドです。レビュアー(評価ユーザー)の皆様がお読みく

ださい。CommuniGate Systems社では、CommuniGate Proのトライアル/評価版を提供しており、その

利用をお勧めします。また、サーバーのセットアップのサポートも行っております。本ドキュメントをお読

みになり、不明な点があれば、

[email protected]までご連絡ください。

CommuniGate Proは、サーバーベースのソフトウェ

アソリューション・アプリケーションプラットフォームで、

電子メール、コラボレーション(グループウェア)、ボ

イスオーバーIP(VoIP)の利用が可能です。スタン

ダードベースの柔軟なテクノロジーインフラストラク

チャを採用しており、このインフラストラクチャのもと

で音声/データ通信、コラボレーションが実装され

ます。現在、上記の機能はいずれもビジネスを遂行

する上で不可欠です。堅牢かつ管理が容易、しか

も多機能でセキュアなメッセージングシステムであり、

ビジネスコミュニケーションの効率が大幅に向上し

ます。しかも、管理コストのほか、障害などの業務上

のリスクも低減されます。

CommuniGate Proではユニークなクラスタアーキテクチャが採用されており、このアーキテクチャのもと

で先進の電子メール、コラボレーション、音声機能が実装されます。とくにCommuniGate Proのダイナミ

ッククラスタはテクノロジーの中核であり、このことがCommuniGate Proを真のレジェンダリーシステムとし

ている理由です。CommuniGate Proは現在、本当の意味での 99.999%アップタイムを実現している唯

一のメッセージングシステムです。

企業の皆様は今、従来より信頼性と柔軟性に優れ、またオーナーシップコストも有利なインターネットコ

ミュニケーションソフトウェアを求めておられるはずです。たとえば、サービス/ブロードバンドプロバイダ

の方々にとっては、音声/データ通信インフラストラクチャは必須です。 近、顧客ユーザーの要望も

さらに高度化してきております。そのようなインフラストラクチャがあれば、数百から数千というドメインで

Telco/ISP/ASP サービスを実現し、ユーザーの要求に十分応えることができます。CommuniGate Pro

は、企業の皆様にとっても、サービスプロバイダの皆様にとっても理想の製品です。スタンダードベース

のメッセージング機能に加え、VoIP とコラボレーションも可能な総合ソリューションが CommuniGate Pro

です。

CommuniGate Proの 終目標は、あらゆるタイプのデジタルメッセージング、つまり音声、電子メール、

カレンダリング、グループウェア、インスタントメッセージング、Webサービスをすべて統合することにあり

ます。しかも、こうした機能をすべて、ユーザーが同じプロファイル、同じセキュリティ、同じコミュニケー

ション機能を使って、デスクトップコンピュータやノートブック、モバイルデバイスなど、任意のデバイスで

(しかも複数のデバイスで同時に)利用できるようにすることです。

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B. 他社製品との主な相違点

CommuniGate Systems 社は、電子メールとコラボレーションの分野ではよく知られており、定評もあるリ

ーダー企業です。とはいっても、現在注目されているリアルタイムコミュニケーションの分野に進出した

のは、比較的 近のことです。弊社では現在、この分野にとくに力を入れております。CommuniGate

Pro をまだ導入されていない皆様のため、以下、CommuniGate Pro の主な機能、また他社製品とどこ

がどのように違うのか説明いたします。

• CommuniGate Systems 社のビジネスモデルは、サポートサービスではなくソフトウェアの提供・

販 売 で す 。 し た が っ て 、 弊 社 の 関 心 は 、 高 品 質 の 製 品 を 供 給 す る こ と に あ り ま す 。

CommuniGate Pro のコードは CommuniGate Pro 独自のコードであり、GPL や BSD ライセンス、

CPL などのオープンソースライセンスに基づくコードではありません。一方、アプリケーションや

インターフェイスに関する部分は一般に「オープン」アプリケーションとして提供され、必要に応

じて容易にカスタマイズが可能です。

• CommuniGate Pro は、すべてが用意された完璧なソフトウェアソリューションです。提供するの

はソフトウェアだけで、ハードウェアや PSTN ゲートウエイなどは提供していません。システムの

残りの部分、つまりソフトウェアについては全責任を負います。サードパーティのデータベース

やサービスプログラム、その他のソフトウェア製品は一切不要です。

• CommuniGate Pro は、真のキャリアグレードソリューションです。他社の場合、まずオフィスグレ

ードの製品を導入し、その後に「スケールアップ」するという方法が少なくありません。これとは

異なり、CommuniGate Pro のサブシステムはすべて、 初から 高の拡張性と信頼性を備え

ています。また、バージョンアップなどで新規の機能を CommuniGate Pro に追加する場合でも、

その機能によって既存の性能と拡張性が阻害されないと確認されたときにだけ、追加を実施し

ています。

• CommuniGate Pro は、管理が非常に容易です。多層委譲管理機能(柔軟なアクセス権付与機

能)が搭載されており、軽量で直感的、かつ論理的なインターフェイスを介して、製品の高度な

機能を簡単にコントロールできます。また、自己管理機能(Web、IVR、電子メール、IM)により、

ユーザーは自分のアカウントを簡単に管理できます。その結果、サポート/サービス電話の数

も大幅に減ります。認定 CommuniGate エンジニアによるサポートが必要なのは、大規模クラス

タシステム(アカウント数が数百万)の導入の際だけです。

• CommuniGate Pro は、完全な統合ソリューションです。CommuniGate Pro のストア&フォーワ

ード(電子メールの保存と転送)機能とリアルタイム機能はどちらも同一の環境で動作し、また相

互に補完する形で働きます。たとえば、カレンダーからユーザーに自動的に会議の案内の電

話をかけたり、何らかの電子メールに関する情報を特定のユーザーに IM(インスタントメッセー

ジング)で知らせたりできます。言い換えると、複数のコミュニケーション手段をすべて統合した

形で利用できるのです。

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II. COMMUNIGATE PRO インターネットコミュニケーションプ

ラットフォームとは?

CommuniGate Proは、CommuniGate Systems社の「フラッグシップ(旗艦)」製品です。現在、技術的に

先端かつ 高の完成度を備えたメッセージングサーバーです。電子メール、カレンダリング、VoIP、

SIP、インスタントメッセージング、コラボレーション(グループウェア)、メーリングリスト、Webメールの各

機能をすべて単一のIPコミュニケーションプラットフォームに統合した製品で、メッセージングインフラス

トラクチャの重要かつ不可欠なファウ

ンデーションとして使用できるように設

計、構築されています。

CommuniGate Proでは、各種のプロト

コルや通信手法を使ってデータ転送

や音声/ビデオの通信が実行されま

す。こうした通信を「インターネットコミ

ュニケーション」または「IPコミュニケー

ション」と呼んでいます。ここで、インタ

ーネットは媒介です。また、プロトコル

はいずれもオープンスタンダードで、

各プロトコルを介してサーバーとクライ

アントとの間で通信が行われます。そ

の結果、ユーザーは、INBOXの中の

電子メールやインスタントメッセージン

グデータ、ボイスメール(留守録)にア

クセスできるほか、コールコントロール

機能やコラボレーション機能を使用す

ることができるようになります。しかも、操作は、単一のウィンドウ(WebUserインターフェイス)や任意のク

ライアントソフトウェアで可能です。

新バージョンであるCommuniGate Pro 5.1 は、必要なIPコミュニケーションアプリケーションがすべて

用意されているフルスイート製品です。IPv4 とIPv6 の両方をサポートしており、搭載されている機能は

次の通りです。

• 電子メール、コラボレーション(グループウェア)、インスタントメッセージング(SIP と XMPP)、

VoIP。

• Pronto!インターフェイス(Flash クライアント)。セキュアで軽く、しかも高機能。どこからでも Web

メールやボイスメールを送信できます。

• XMPP/SIP クラスタリング。また、サーバーサイドのバディリスト(ロスター)/プレゼンスを実装

(SIP ファーム)。

• 完璧な PBX/ボイスメール機能。たとえば、統合(ユニファイド)メッセージング、音声カンファレ

ンシング、統合ボイスメール、オートアテンダント(自動転送)、コールキューイング/ACD など

を実装。

• ビルトイン SBC(セッションボーダーコントローラ)、NAT トラバーサル、スケーラブル SIP プロキ

シ/レジストラを搭載した統合 SIP インフラストラクチャ。

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• 電子メール/PBX サービスのインターフェイスはカスタマイズ可能。数千の仮想ドメインに柔軟

に対応。

IP コミュニケーションプラットフォーム CommuniGate Pro には、アプリケーションと API が付属しており、

必要に応じて必要なシステムを構築できます。CommuniGate Pro はキャリアクラスのインターネットコミ

ュニケーションソフトウェアです。世界中のブロードバンド/モバイルサービスプロバイダ、企業、大学の

皆様、また OEM パートナーの方々に利用していただけます。そのスケーラビリティと機能は他社製品と

比べてはるかに優れており、また、ユニークなクラスタリングテクノロジーにより 99.999%のアップタイム

を実現しています。堅牢で性能実証済みのファウンデーションを備えたインターネットコミュニケーション

の実装が可能です。

CommuniGate Pro は、 高のスケーラビリティを備えたプラットフォームで、1 億 2500 万を超えるエンド

ユーザー(そのうち 4500 万人が音声ユーザー)をサポートでき、顧客満足度も 高です。IP コミュニケ

ーションの分野では、次々に新しいスタンダードが開発されていますが、そうした新スタンダードの取り

込みも常時、行っています。

A. トータルソリューション

下は、CommuniGate Pro インターネットコミュニケーションサーバーの一般的なシステム構成を示した

図です。この構成で、99.999%のアップタイムの実現と 500~1500 万のユーザーのサポートが可能で

す(アカウント数が 1500 万を超える場合、スーパークラスタを推奨します)。現在の音声/データ通信

には「ファイブナイン(99.999%)」のアップタイムが必要ですが、この要件は、CommuniGate Pro のユニ

ークなアーキテクチャであるダイナミッククラスタによって実現されます。

CommuniGate Pro サーバー(シングルサーバーまたはクラスタ)を導入すること

で、御社でフィックスト・モバイル・ コンバージェンス(FMC)環境、つまり PSTN、

モバイル、インターネットコネクティビティの統合環境の構築が可能です。

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B. SIP ファーム

SIP ファームは CommuniGate Pro のテクノロジーで、このテクノロジーによりボイスオーバーIP(VoIP)

のクラスタ化が実現されます。結果的に VoIP においても、99.999%のアップタイム、リダンダンシー、ス

ケーラビリティが達成されます。

CommuniGate Pro のダイナミッククラスタには、現在 SIP ファームが有効になっているサーバーに関す

る情報が格納され、管理されます。この情報をもとに、受信 SIP UDP パケットと TCP 接続はそれぞれ通

常のシンプルなロードバランサを介して、SIP ファームが有効になっているサーバー(SIP ファームサー

バー)に送られます。

パケットのうち、その送信先が特定の SIP ファームサーバーでないパケットは、CommuniGate Pro のク

ラスタアルゴリズム、また現在アクティブの SIP ファームサーバーのリストをもとに全 SIP ファームサーバ

ーに送られます。何らかの SIP ファームサーバーが存在しなかった(ハードウェア障害など)ときには、ト

ラフィックは自動的に別の SIP ファームサーバーに送信されるため、シグナル処理の整合性は維持され

ます。

下図は、8+4 ダイナミッククラスタ(フロントエンドが 8 台、バックエンドが 4 台)にオプションの SIP ファ

ーム機能を加えたときの構成です。この場合、ダイナミッククラスタのメンバー(サーバー)のうち必要な

数のメンバー(サブセット)を「SIP ファーム部」として割り当てることができます。この方法により、音声/

リアルタイム処理のサービス品質(QOS)を確保することができます。理由は、電子メールトラフィックと

SIP/RTP(リアルタイムプロトコル)トラフィックが分離されて処理されるためです。同時に、ダイナミックク

ラスタのシングルシステムイメージは、統合アイデンティティ管理機能によってそのまま維持されます。

8+4 の SIP ファームダイナミッククラスタ。アカウント数が数百万のシステムでも、

電子メールサービスと VoIP サービスの提供が可能です。フロントエンドは、電

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子メール処理部とボイス/インスタントメッセージング/プレゼンス処理部に分

割できます。このようにすることで、低レンテンシー通信(音声や IM)のサービス

品質が確保される同時に電子メール負荷やスパム、アタックから保護されます。

C. 信頼性と移植性

CommuniGate Pro サーバーは、35 種類以上の OS/ハードウェアで動作します。この点からも、OS の

バックエンドインフラストラクチャとして使用する場合の柔軟性は 高です。また、既存のハードウェアを

利用できるため、これまでの投資が無駄になることもありません。CommuniGate Pro で使用されている

C++コードは、どのプラットフォーム向けのバージョンでも同じです。このことは、どのプラットフォームで

も高いレベルの信頼性と安定性が得られることを示しています。言い換えると、コードが同じであるため、

いずれかのプラットフォーム向けの CommuniGate Pro に問題が発生した場合、結局、同じ問題が別の

プラットフォーム向けの CommuniGate Pro にも存在することになります。したがって、問題の特定と解決

は容易です。つまり、CommuniGate Pro の場合、全プラットフォームのバージョンで同時に改良を加え

ることで、その安定性を継続して向上させることができます。CommuniGate Pro の顧客ユーザーのプラ

ットフォームは、Linux、Solaris、HP-UX、AIX、Windows、Mac OSX がほとんどです。

単一の CommuniGate Pro ダイナミッククラスタは、複数種類の OS プラットフォームを混在させて構築

することができます。これは、CommuniGate Pro は、どのプラットフォーム向けのバージョンでもまったく

同じように動作し、また相互に互換性が維持されるためです。下記は、現在、提供されている OS/ハ

ードウェアバージョンのリストです。

Sun Solaris SPARC Apple MacOS X PowerPC

Sun Solaris x86 Apple MacOS X Intel

Sun Solaris x86-64 IBM AIX

Microsoft Windows NT/2000/XP/2003

Microsoft Windows 95/98/ME x86

SGI IRIX

FreeBSD 4 x86 HP/UX PA-RISC

FreeBSD 5 x86 HP/UX Itanium2

Linux x86 BSDI BSD/OS

Linux x86-64/EM64T SCO UnixWare

Linux MIPS (Cobalt) SCO Openserver for x86

Linux Alpha OpenVMS Alpha

Linux StrongARM (NetWinder) OpenVMS IA64

Linux IBM S/390s (64 ビット) QNX Intel

Linux IBM S/390 (32 ビット) IBM OS/2 Intel

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Linux Itanium2 (IA64) NetBSD

Linux Motorola 68K BeOS Intel

Linux PowerPC BeOS PowerPC

Tru64 (Digital Unix) Intel IBM OS/AS/400 (iSeries)

Tru64 (Digital Unix) Alpha

D. クライアントとプロトコルについて

下図は、CommuniGate Pro プラットフォームの基本的内容を示したものです。CommuniGate Pro でサ

ポートされているクライアントアプリケーションも各種記載してあります。なお、この図は、CommuniGate

Pro の内部モジュールやスレッドの正確な「ブロックダイアグラム」ではありません。それでも、

CommuniGate Pro で使用されるサービスやプロトコルを上から下に向かって「俯瞰」する分には十分の

はずです。

CommuniGate Pro の「ファウンデーション」と各種クライアントアプリケーション

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III. CO UNIGATE PRO バージョン 5.1 の新機能 MM

A. Pronto! - Flash ベースのインターフェイス、Web メール/

IM/カレンダリングが可能

IP コミュニケーション技術は現在、急速に発展していますが、中でも Web ブラウザベースのメッセージ

ングクライアントが「大進化」を遂げています。たとえば、この種のクライアントとして現在、一般ユーザー

向けやオープンソースのものがいくつか提供されています。こうしたクライアントは、AJAX(非同期

JavaScript/XML)のほか、スクリプト、パース、高速レンダリングなどの機能(メソッド)を使ってユーザー

インターフェイスを強化するという方法で作成されています。このようなクライアントは、見た目がきれい

で印象的であることから今後も開発が続けられるはずです。また、クライアントには、アプレットスタイル

のアーキテクチャを介して、プレゼンスやインスタントメッセージング、ボイス/ビデオオーバーIP といっ

た 近のテクノロジーが統合されることになります。使用されるアプレットスタイルのアーキテクチャは、

別のソフトウェアやシステムの基本機能を「借りる」という方法がとられると思われます。

いずれにしても、プレゼンスやインスタントメッセージングなどの機能をすべて Web ブラウザベースのク

ライアントで利用できるということは、基本的なビジネスコミュニケーションをユーザーが行う上で、また機

能をサポートする上で有利です。しかも、ユーザーはどこでもビジネスコミュニケーションを行うことがで

きます。実際、今までのように「デスクトップにソフトウェアをインストールしたりアップグレードしたりする」

手間が大幅に減ります。多くの企業では、これまでの相当な時間と生産性のロスを回避できるのです。

セキュリティと生産性の両方の観点からいって、現在のところ、異なる多数のテクノロジーを異なるアプリ

ケーションを使って各テクノロジーのプロトコル、また API セットに接続する、という方法が大いに望まし

いと考えられています。しかしながら、この方法を実現しているサービスプロバイダは少数です。サービ

スプロバイダの皆様の多くは今後、先進のコミュニケーションテクノロジー、つまり真に統合されたソリュ

ーションが提供されるのを待ち望んでいるはずです。そのソリューションが CommuniGate Systems 社の

Pronto!です。

Pronto!は、CommuniGate Systems 社の IP コミュニケーション用ユーザーインターフェイスです。さらに

具体的には、スケーラブルで IETF RFC ベース(スタンダードベース)、かつ高機能の CommuniGate

Pro™ インターネットコミュニケーションプラットフォーム用のインターフェイスです。Pronto!の場合、ユー

ザーは電子メールの送受信などの一般的な作業だけでなく管理も行えます(後述を参照)。内容的に

は、スタンダードベースの複数のコミュニケーションツールをシームレスに組み込んだ形になっており、

各ツールはいずれも単一の使いやすいインターフェイスから操作が可能です。Pronto!は、Macromedia

社のビジネス/インターネット向け技術として定評ある Flash テクノロジーをベースに作成されており、

XIMSS(メッセージング・スケジューリング・シグナリング操作用の高機能 XML インターフェイス、

CommuniGate Pro に付属)を介して、データを Pronto!とコミュニケーションインフラストラクチャとの間で

交換できます。XIMSS を使うことで、購入ユーザーやパートナー、サードパーティベンダーの方々は、

すぐにでもユニファイドコミュニケーションや IMS/フィックストモバイルコンバージェンスを実装するアプ

リケーションを開発できます。しかも、SIP や RTP、IMAP、XMPP などの複雑なプロトコルに関する知識

は不要です。XIMSS では、すでに定着・普及している XML を Web アプリケーション開発環境として使

用し、正規のクライアント/Web アプリケーションやポータルの開発が可能です。CommuniGate Pro も

XML にフルに対応しており、したがって XML を介して、CommuniGate Pro がサポートしている多種の

コミュニケーションプロトコルすべてにアクセスできます。

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たとえば、現在、ユーザーにとって便利な IP コミュニケーション機能(電子メール、カレンダー、SIP や

XMPP による IM、クリックツーコールなど)をすべて用意する場合、ソースコードが大きくなり、その作成

や統合、デバッグに要する作業が増加します。XIMSS を利用することで、こうした作業が不要になり開

発効率が大きく向上します。Pronto!は、ネイティブの XML を基本にした軽い高速の Web ベースのツ

ールであり、投資という観点から見て、価値、投資利益とも 近の製品よりも優れています。 近の製品

は、無償から非常に高い価格のものまでありますが、一般に機能や統合方法に関するリスクは「自己責

任」です。

生産性の向上、コミュニケーションコストとトラフィックの縮減、インフラストラクチャの簡素化のいずれの

面でも、Pronto!は非常に有効です。Pronto!は、信頼性の高い CommuniGate Pro コミュニケーションプ

ラットフォームに付属しています。

Pronto!(WebUser インターフェイス)の画面。Web メール、音声、ニュース、カレンダ

ー、コンタクト、IM/プレゼンス(バディリスト付き)の操作が可能。

B. VoIP インフラストラクチャと VoIP アプリケーション

VoIP インフラストラクチャは、すでに CommuniGate Pro バージョン 4.3 で導入されています。この VoIP

インフラストラクチャにより、ユーザーは世界中のどこからでも SIP テレフォニーを利用できるようになりま

した。CommuniGate Pro バージョン 5.0 では、VoIP アプリケーションが導入されました。バージョン 5.1

では、既存の VoIP アプリケーションが改良され、また新規の機能や属性が追加されました。バージョン

5.1 の VoIP アプリケーションでは、本来の IP ベーステレフォニーデバイス/アプリケーションを使って

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ユーザーがコミュニケーションを行えるようになっています。また、公衆交換電話網(PSTN)への接続も

可能になりました。

1) VoIP インフラストラクチャ

VoIP インフラストラクチャの機能はいずれも、アーキテクチャ、ゲートウエイ、ネットワーク、クラスタリング

(クラスタ化または集積化)に関する機能であり、具体的には次のようなものがあります。

• 「SIPファーム」 – オールアクティブクラスタリング。

• 「ジャストアッドノード」 – ライブ(稼働中)のクラスタにノードを追加する機能。キャパシティとリダ

ンダンシーが向上します。

• CDRレコードAPI(課金処理)。

• NATトラバーサル/SBC(セッションボーダーコントローラ)/メディアプロキシ機能。

• 「SIPワークアラウンド機能 」– 非ス

クアラウンド(問題回避策)。

タンダードSIPソフトスイッチ/クライアント用のランタイムワー

マルチプル(複数)ゲートウエイサポート。

• 外部ヘルパールーティング(ENUM/ナンバーポータビリティデータベースに対応)。

VoIP アプリケーション

リケーションとしては、次のよ

うなものが 名称ではなく機能の概要です)。

呼分配機能(ACD)

• オープンCG/PL(CommuniGate Proプログラミング言語、音声開発プラットフォーム用、文書化

e Pro のファウンデーションのアイデンティティ管理機能により、ユーザーは、今まで電子メ

• • 高度コールディジット(電話番号)ルーティングコントロール。

2)

VoIP アプリケーションとは、CommuniGate Pro プラットフォーム上で動作する CG/PL アプリケーション

を指します。VoIP アプリケーションは通常、CommuniGate Pro の配布パッケージに「オープンソース」ス

クリプトとして付属しています。購入ユーザーやパートナーは、必要に応じて(たとえば、開発やサイトの

パーソナライズ)に応じて修正したりカスタマイズしたりできます。VoIP アプ

あります(アプリケーションの

• カンファレンスサーバー

• オートアテンダント/IVR(音声自動応答)

• コールキューイング/自動着信

• ボイスメールとセルフサービス

• コールパーク、ピックアップ、トランスファー

• VoIPアプリケーションはいずれも容易に拡張可能

• B2BUA機能(ビルトイン“GatewayCaller”アプリケーションを使用)

済み、マニュアルを参照)

CommuniGate Pro のファウンデーションと SIP インフラストラクチャはどちらもスタンダードベースです。

このファウンデーションと SIP インフラストラクチャにより、ユーザーは、インターネットにアクセスできる場

所であればどこからでも、インスタン メッセージを送ったり、ビデオカンファレンス(ビデオ会議)を行っ

たり、VoIP フォーンコールをかけたりできます。もちろん、電子メールやカレンダリング、グループウェア

機能もサポートされています。とくに CommuniGate Pro の先進 SIP インフラストラクチャの場合、SBC

(セッションボーダーコントローラ)ハードウェアは不要です。また、ニアエンド/ファーエンド NAT トラバ

ーサルがサポートされているため、VPN やファイアウォールがあっても問題なく動作します。さらに、

CommuniGat

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ールやグループウェアで使用して

いたのと同じユーザー名、パスワ

ード、プロファイルで登録(SIP)が

可能です。

CommuniGate Pro バージョン 5.1

では、ユーザーは、自分のデスクト

ップからボイスメールやコールコン

トロールに直接アクセスでき、効率

よく作業を行えます。たとえば、

Outlook や Web メールのアドレス

ブックからクリックツーコール(クリッ

クするだけで電話を発信)の実行

が可能です。右のスクリーンショッ

トは、Outlook から CounterPath

CommuniGate Pro の Web メールインターフェイス(WebUser インターフェイス)上でのクリックツーコール。

ソフトフォンは、CounterPath(以前は Xten)社の EyeBeam。VoIP、ビデオ、IM、プレゼンスの各機能の利

用が可能。

(以前は Xten)社の EyeBeam ソフ

トフォン(SIP ベースクライアント)を

使ってクリックツーコールを行って

いるところです。

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IV. COMMUNIGATE PRO の概要

下記は、CommuniGate Pro サーバーに搭載されている主な機能、プロトコル、サービスをリストで示し

たものです。ほとんどは、オンラインマニュアルにも記載されています(下記のサイト)。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/

注意:下記のリストのリンク(青字)をクリックすると、オンラインマニュアルの該当箇所が開きます。

A. アイデンティティ管理

• マルチドメインアーキテクチャ(システムあたり 120,000 を超えるドメインの動作が実証済み)。

マルチホーミング、共有IPをサポート。

• アカウントのコンセプト。メールボックスストレージ、ファイルストレージ、アカウント設定、アカウ

ント情報データベースをサポート。

• グループ、フォワーダ、エイリアスなどのドメインオブジェクト。

• メタディレクトリ(ローカルユニットとリモートユニット)。

• ディレクトリデータベース、アカウントデータベースに対するLDAPアクセス。

• 外部認証メカニズム(サードパーティソリューションとの統合が可能)。

• RADIUSサービス。

B. ストレージ管理

• メールボックスストレージ(マルチメールボックス、共有アクセス、アクセスコントロールリストを

サポート)。

• メールボックスフォーマット(テキストファイル、ファイルフォルダ、その他のデータコンテナ)。

• ファイルストレージ(パブリック/プライベートフォルダ、仮想ファイル)。

• グループウェア情報のストレージと処理(iCalendar、vCardの各スタンダードを使用)。

C. メール転送

• ESMTP/LMTPメール交換サービス。

• アンチスパム、その他の保護メカニズム。

• プラグインインターフェイスによる高性能ウィルス、スパム、コンテントフィルタリング。

• メールの自動処理ルール。

• メーリングリストマネージャ(自動バウンス処理、Webインターフェイスによるメーリングリストア

ーカイブへのアクセス)。

• リモートアカウントへのポーリング(POP3 プロトコルを使用)。

• 外部プログラム(カスタムアプリケーションのサポート)。

• 自動招集(要求)処理(共有リソースの使用/予約に関するスケジューリング)。

D. リアルタイムスケジューリング

• SIPプロトコル。インスタントメッセージング、プレゼンス、オーディオ/ビデオコミュニケーショ

ン、デスクトップ共有、リアルタイムコラボレーションが可能。

• XMPPプロトコルによるインスタントメッセージングとプレゼンス。

• XIMSSプロトコルによるインスタントメッセージング、プレゼンス、オーディオ/ビデオコミュニ

ケーション。

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• NATトラバーサルメカニズム(ニアエンドとファーエンド)。RTP/TCPベースのメディアプロトコ

ル用。

• レジストラ、フォーキングプロキシ、プレゼンスの各サーバー機能をサポート。

• シグナルの自動処理ルール。

• イベントパッケージ。プレゼンス、メッセージ待機、登録(レジストレーション)、その他のサービ

ス用。

E. リアルタイムアプリケーション環境

• ドメイン固有(独自)のアプリケーション環境。

• CG/PL言語により堅牢なアプリケーションを迅速に設計、開発。

• ビルトイン処理。コールコントロール、ブリッジ、マルチパーティカンファレンシング(複数ユー

ザー参加型電子会議)。

• メッセージ/ファイルストアに対する統合アクセス。

F. データアクセスサービス

• POP3/IMAP4メールクライアントアクセス。

• Microsoft® Windows 用のMAPIインターフェイス(OutlookなどのMAPIアプリケーション)。

• WebUserインターフェイスを介して、メールボックス、グループウェアデータ、ファイルストアに

アクセスが可能。また、設定/情報データベース、シグナリング/メッセージ転送機能にアク

セス可能。

• 多言語スキン(HTML、WAP/WML、I-Modeの各カスタマイズ可能インターフェイスに対応)。

• XIMSSインターフェイスを介して、メールボックス、グループウェアデータ、ファイルストアにア

クセスが可能。また、設定/情報データベース、シグナリング/メッセージ転送機能にアクセ

ス可能。

• アカウントファイルストアへのHTTP、FTP、TFTPアクセス。

• パブリッシュ/サブスクライブ HTTP-ba カレンダーメールボックスとタスクメールボックスに

対するパブリッシュ/サブスクライブ処理(HTTPベース)。

• アカウント情報(Account Information)データベースに対するACAPアクセス。

G. 先進のセキュリティ

• SASLセキュア認証方式。

• GSSAPI(Kerberos V5 を含む)認証、SSO(シングルサインオン)。

• クライアント証明書ベースセキュア認証方式。

• セキュアメール(S/MIME)によるWebメール(暗号化/復号化、デジタル署名、署名検証)。

• 自動暗号化による情報のセキュアストレージ。

• SSL/TLSセキュア転送(SMTP、SIP、IMAP、POP、HTTP、LDAP、ACAP、PWDの各プロトコ

ルと管理セッション)。

• 合法傍受機能。

H. マルチティア(多層)管理

• WebAdminインターフェイスによる管理、プロビジョニング、モニタリング。

• CLI/APIインターフェイスによる管理、プロビジョニング、モニタリング。

• SNMPエージェントを介したリモートモニタリング。

• トリガーによるプロアクティブモニタリング。

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• Poppwdプロトコルによるリモートパスワード変更。

• LDAPベースのプロビジョニング(オプション)。レガシーシステムとの統合が可能。

• BSD syslogサーバーを使用し、サードパーティのコンポーネントのログレコードを統合可能。

I. マルチサーバー

• 分散ドメイン。単一のドメインのアカウントを複数のシングルサーバーシステムに分散・分割し

て格納。

• スタティッククラスタ。マルチサーバーアカウントパーティショニング(ドメインのアカウントを複

数のサーバーに分割して格納、大規模システム用)。

• ダイナミッククラスタ。高スケーラビリティのシステムで、アカウントのパーティショニングはなし。

キャリアグレードの 99.999%アップタイムを実現し、5,000,000 を超えるアクティブアカウントを

サポートでき、また動作実証済み。

• クラスタのクラスタ。複数のクラスタで構成される大規模クラスタ。非常に大きいサイト(アクティ

ブアカウント数が 10,000,000 以上)向け。

J. 言語サポート

CommuniGate Pro はネイティブ UTF-8 で実装されており、多数の言語がサポートされています。

現在、サポートされている言語は次の通りです。

• 英語 • イタリア語

• アラビア語 • 日本語

• 中国語 • ポルトガル語

• オランダ語 • ロシア語

• フランス語 • スロバキア語

• ドイツ語 • スペイン語

• ヘブライ語 • タイ語

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上記以外の言語も、簡単に追加できます(購入ユーザーまたはパートナー)。方法は、新規の

“strings.data”ファイル(追加する言語のデータファイル)を追加します。このファイルを追加するだけ

で、その言語(指定した言語)でWebUserインターフェイス(Webメール画面)が表示されます。

日本語の WebUser インターフェイス「スキン」。左側のフォルダ(Folders)のセクショ

ンには、ユーザーが作成したフォルダが表示されます。言語は、現在選択されてい

る言語(サポートされている言語)が使用されます。

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K. EdgeGate コントローラ

EdgeGate コントローラとは、CommuniGate Pro のビルトイン保護機能やサードパーティのアドオンの総

称です。その全体で CommuniGate Pro のセキュリティインフラストラクチャが構築されます。

CommuniGate Pro 用のアンチスパム/アンチウィルスプラグインとしては、次のものがあります。このほ

かにもオープンソースプラグインが多数利用可能です。

• McAfee Virus Scanner Plugin for CommuniGate Pro

• Sophos Virus Scan Plugin for CommuniGate Pro

• Kaspersky Anti-Virus Plugin for CommuniGate Pro

• MailShell SpamCatcher Plugin for CommuniGate Pro

• Cloudmark Authority Anti-Spam Plugin for CommuniGate Pro

CommuniGate Pro には、ビルトイン SIP セッションボーダーコントロール機能が搭載されています。主

に NAT トラバーサルと SIP セキュリティ(リレーや認証コントロールなど)に関する機能で、こうしたコント

ロール機能により、ユーザーは必要なときにセキュアに接続できるようになります。このセキュア接続は、

内部ネットワークだけでなく、PSTN ネットワークやモバイルネットワーク、インターネットなどのリモートか

らの接続についても同じです。

CommuniGate Pro には、ネットワークのエッジ(縁)のコントロールと保護のための機

能がビルトインで搭載されています。この機能により、「どこにいても」安全にアクセス

が可能です。

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V. 設定と使用

以下、主要なデスクトップアプリケーションをCommuniGate Pro上で使用する場合の設定と操作方法に

ついて説明します。ここでデスクトップアプリケーションとは、電子メール、グループウェア、リアルタイム

コミュニケーション(インスタントメッセージング、VoIP、Webメールなど)に関するアプリケーションをいい

ます。なお、CommuniGate Proをお持ちでないときには、まずCommuniGate Proのテストコピー(トライ

アルバージョン)をダウンロードし、インストールすることが必要です。その後、下記の説明にしたがって

設定を行ってください。または、デモサーバーをお使いのときには、デモアカウントを提供します。デモ

アカウントを入手したい場合、[email protected] までご連絡ください。

CommuniGate Pro インターネットコミュニケーションサーバーのトライアルバージョン(評価版、フル機能

です)は、下記の Web サイトからダウンロードできます。このトライアルバージョンは無償で、シングルサ

ーバーバージョンです。

http://www.communigate.com/download

トライアルバージョンの機能は、正規バージョンとすべて同じです。ただし、送信された電子メールには

いずれも、そのメールが CommuniGate Pro のトライアルバージョンで送信されたことを示すメモ書きが

付加されます。また、トライアルバージョンでは、CommuniGate Pro のダイナミッククラスタ(企業やサー

ビスプロバイダの方に推奨)はサポートされていません。ダイナミッククラスタを使用したい場合、ライセ

ンスを取得してください。ライセンスは、CommuniGate Systems 社から直接入手できます。ダイナミック

クラスタをテストしてみたいときには、CommuniGate Systems の代理店などに電話か電子メールでご連

絡ください。

http://www.communigate.com/content/contactus.html

CommuniGate Pro のインストール、設定、管理については、詳しくは下記の Web サイトのオンラインマ

ニュアルをご覧ください。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro

CommuniGate Pro の公開メーリングリストもあります。ここには、ユーザーなどからのフィードバックが掲

載されています。CommuniGate Systems 社のスタッフや一般の CommuniGate Pro ユーザーに質問を

出すこともできます。

http://www.communigate.com/content/mailinglist.html

また、CommuniGate Systems 社では、CommuniGate Pro のトライアルインストールのテクニカルサポー

トも行っており、このサポートは無料です。テクニカルサポートの内容については、下記の Web サイトを

ご覧ください。

http://www.communigate.com/content/techsupport.html

A. CommuniGate Pro のインストールとアカウントのセットアップ

CommuniGate Pro のインストールについては下記の URL に詳しい説明がありますので、そちらをご覧

ください。ここでは、基本的なインストール手順について説明します。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro

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1) ダウンロード

使用しているプラットフォーム用の CommuniGate Pro バージョン(現在、35 種類以上あります)を下記

からダウンロードします。

http://www.communigate.com/download

2) インストール

パッケージをインストールします。インストール方法は、プラットフォームによって異なります(たとえば、

パッケージを unzip/untar し、.exe をクリックします。または、“rpm –ivh”などを使います)。

3) CommuniGate Pro サーバーの起動

起動方法は、プラットフォーム(OS)によって異なります。下記に例を示します。

• Unix/Linux(システムによって異なることがあります)

/etc/init.d/CommuniGate start

• Solaris

/etc/init.d/STKCGPRO start

• Mac OSX

/Library/StartupItems/CommuniGatePro/CommuniGatePro start

• Windows

スタート -> コントロールパネル ->

管理ツール -> サービス ->

CommuniGate Pro Server

4) 管理

Web ブラウザを開き、CommuniGate Pro の WebAdmin インターフェイスに接続します。URL は、次のど

ちらかを使います。“mail.example.com”は、使用しているシステムの DNS 上の名前です(できるだけ、

暗号化プロトコル(https)を使用するようにします。基本的にはすべてのコンポーネントで SSL/TLS が

サポートされています)。

https://mail.example.com:9010

http://mail.example.com:8010

または、CommuniGate Pro をデスクトップコンピュータやノートブックにインストールし、そのコンピュータ

で本ドキュメントを読んでいる(ローカルで WebAdmin インターフェイスに接続する)場合、次の URL を

入力してもけっこうです。

https://localhost:9010

5) アカウントの作成

WebAdmin インターフェイスが開いたら、ウィンドウの上端にある[Users]タブを選択します。続いて認証

を求められますので、“postmaster”として認証を行います。また、パスワードを入力します。パスワード

は、 初に CommuniGate Pro サーバーを起動すると自動的に作成されます。

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ドメイン名を選択します(ここでは mail.example.com)。新規に作成したユーザーは、このドメインに追加

されます。[Create Account]フィールドにユーザー(アカウント)の名前を入力します。下の例では、

“demo”を入力しています。[Create Account]ボタンをクリックすると、そのアカウントが作成されます。こ

のボタンをクリックしないとアカウントは作成されませんので注意が必要です。必要であれば、さらに新

規のアカウントを作成します。

CommuniGate Pro の WebAdmin インターフェイスを使ってアカウントを作成。

6) アカウントの詳細データを入力

アカウントの作成が完了すれば、そのアカウントの[Real Name](実際の姓名など)を入力します。また、

パスワードも入力します。ここで指定したパスワードは、すべてのクライアントアプリケーション(電子メー

ル、音声、ビデオ)で使用されます。

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Web インターフェイスでパスワードを入力。

7) 内線番号の追加

必要であれば内線番号(エクステンション)を追加します。追加は、簡単です。内線番号はいずれも、そ

のアカウントのエイリアスとして扱われます。下のスクリーンショットでは、このアカウントの内線番号として

“323”を入力しています。

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WebAdmin インターフェイスでアカウントの内線番号(エイリアス)を入力。

8) CommuniGate Pro の全アカウントについてボイスメールを有効に

する

CommuniGate Pro の全アカウントについて、ボイスメールとセルフサービスを有効にします。操作は簡

単で、WebAdmin インターフェイスでいくつか変更を加えるだけです。手順は、次の通りです。

• WebAdmin インターフェイスにログインします(上記を参照)。

• ウィンドウの上端にある[Users]タブを選択します。認証を求められれば、“postmaster”として認

証を完了させます(CommuniGate Proでは、各モジュールについて認証が必要です)。ドメイン

名を選択します。このドメインの全アカウントについて、ボイスメールが有効になります(下記)。

たとえば、この例では“mail.example.com”を選択します。次に、ウィンドウの上端近くにある

[Rules]タブを選択します。

• [Rules]タブの下にある[Incoming Call Rules]タブ(右側)を選択します。下記は、今までのタブ

の選択順です。

Users->”mail.example.com”->Rules->Incoming Call Rules

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• [Voice Mail]パネルのオプションを次のように設定します([×]は、チェックボックスを選択する

の意味)。

[×] After: [ 30 Sec ]

[×] On Busy:

• 以上で設定は完了です。これで、選択したドメインの全アカウントで、ボイスメール(PBX の

voicemail アプリケーション、留守録機能)とセルフサービス(PBX の services アプリケーション、

管理機能)が有効になりました。下記は、スクリーンショット例です。

ドメインのデフォルトのコールルールの設定(ドメインの全アカウントについてボイスメ

ールを有効に設定)。

9) オートアテンダント/IVR 用のアカウント“pbx”の作成

特殊なアカウント“pbx”(または“attendant”)を作成することで、オートアテンダント/IVR(音声自動応

答または双方向音声応答)機能を有効にできます。この機能が有効になっている場合、PSTN またはイ

ンターネットからの受信コールが検出されると、まずオートアテンダント機能によってコーラー(発呼者)

に対して「挨拶」が音声で流されます。その後、メニュー/IVR システムが起動し、そのメニューを使って

コーラーは目的の部門や部署(内線)にアクセスできます。また、カンファレンスコールなどのサービス

にアクセスすることもできます。

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• まず、アカウント“pbx”を作成します。このアカウントは、アカウント“demo”を作成したとき(上記

を参照)と同じ手順で作成できます(注:CommuniGate Pro バージョン 5.1 では、アカウント

“pbx”は自動的に作成されます)。

特殊アカウントである“pbx”の作成。オートアテンダント(Auto-Attendant)アプリケー

ションとボイスメニュー(Voice Menu)アプリケーションは、このアカウントで動作しま

す。

• ドメインのユーザーリスト(ウィンドウの下半分)から“pbx” (オブジェクト)を選択します。

• その後、[Real-Time]タブを選択します(ページの上の方にあります)。

• ウィンドウの上の方の[Incoming Call Rules]タブを選択し、次のように設定します。

[×] Divert Calls

When: [ always ]

To: [ pbx ]

[When]オプションで[always]を選択しておいた場合、受信コールが検出されると同時にpbxアプリケー

ションが起動し、処理が開始されます。なお、サイト(会社)に電話受付係(人間)がいるときには、通常、

その受付係のIPフォンがアカウント“pbx” で認証されるように設定・登録しておきます(受付係が自分の

アカウントを持っていても、そのほかにアカウント“pbx” を設定します。IPデバイスは多くの場合、アカウ

ントを複数登録できるように設計されています。また、同一のアカウントを複数のデバイスに登録すること

もできます)。[always]の代わりに[No Answer for]オプションの値を 15 秒または 30 秒に設定しておく

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こともできます。その場合、指定した時間(15 秒など)内に電話受付係が電話に出なかったときに、pbx

アプリケーションが起動します。

Following 下のスクリーンショット例では、“No Answer for”は 0 秒です(pbx アプリケーションが直ちに

起動します)。

PBX コール制御用のコールルールの設定(pbx アプリケーションの設定)。

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10) ユーザーによるコールコントロールの設定

ユーザーは、WebUser インターフェイスの[Call Control(コールコントロール)]オプション(ボタン)を使

って、コールコントロールの設定が可能です。

Web メール(WebUser インターフェイス)のコールコントロール画面。

B. Sipura 3000 FXO の設定(VoIP と PSTN の接続)

Sipura 3000(その他、 近の同等モデル)は、比較的安価で性能も平均以上のVoIP/PSTNゲートウエ

イデバイスです。価格は 100 ドル未満で、ポートは下記の 3 つです。

• アナログ回線ポート(RJ-11)。契約している電話プロバイダ(SBC など)からの回線用です。

• LAN Ethernet 接続ポート(RJ-45)。

• アナログ回線ポート(RJ-11)。標準の電話回線用です。

Sipura 3000 は、VoIP/PSTN サービスを始めて導入する場合に適当なデバイスです。「FXO」は、従来

のテレフォニー用語である「フォリンエク

スチェンジオフィス」の略で、具体的に

は、遠隔オフィスに設置されているデバ

イスを指します。このデバイスからセント

ラルオフィスに接続が実行されます。こ

こで、遠隔オフィスとはユーザーの自宅

やオフィス(会社)をいい、セントラルオ

フィスとは、通信サービスプロバイダ

(AT&T など)を指します。

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この種のデバイスは、他にも実に様々な名前で呼ばれています。たとえば、FXO ゲートウエイ、FXO ス

イッチ、VoIP/PSTN ゲートウエイ、VoIP/PSTN スイッチ、ソフトスイッチ、トランキングゲートウエイ等々で

す。また、仕様も色々で、単一のアナログ回線を介して PSTN に接続するだけの製品から、T1/E1、

T3/E3、OC-45 などを介してバックボーンに直接接続するものまであります。CommuniGate Pro でも、

この種のデバイス(たとえば Sipura 3000)に関する考え方は同じです。つまり、PSTN への接続では、従

来の電話信号(アナログまたはデジタル)はデバイスの電話信号用ポート(単一または複数)を介して送

受信され、Ethernet 上の SIP/RTP トラフィックはデバイスのトラフィック用ポート(単一または複数)を介

して送受信されます。また、VoIP/PSTN スイッチルーティングにより VoIP と PSTN の相互接続が実行さ

れます。

以下、FXO ゲートウエイ(呼び方は色々です)として Sipura 3000 を使用する場合の設定手順を説明し

ます。

• Sipura 3000 の準備を行います。電源を入れ、アナログライン(通信業者の回線)と Ethernet ラ

イン(LAN の回線)を接続します。

• デフォルトでは、Sipura 3000 により、使用しているネットワークの DHCP アドレスが自動的に取

得され、その後、管理インターフェイスが有効になります(Web ブラウザでアクセスできます)。

• 管理インターフェイスに接続します(デバイスのプライマリアドレスを入力します)。

http://192.168.1.2/admin

デフォルトのログイン名は “admin”です。デフォルトのパスワードはありません(パスワードを空白にして

おいてもアクセスできます)。

• Sipura 3000 の管理インターフェイスには、上部にタブが並んでいます。たとえば、[Info]タブに

は現在の設定値が表示されます(下記)。

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• [System]タブを開き、ホスト名(HostName)を入力します。また、その他のサイト関連情報

(DHCP、Domain、DNS など)を入力します。

• 使用するポートが PSTN ポートと Ethernet ポートだけの場合、上記([System]タブ)以外に必

要なのは[PSTN Line]タブの設定だけです。以下、[PSTN Line]タブの設定のうち、基本的な

設定項目と値を記載します。通常は、これで十分です。なお、[PSTN Line]タブでの設定中、

セキュリティ制限は何もかけられません。したがって、システムで SIP トラフィックの Sipura 3000

へのルートが有効になっている場合、PSTN へのアウトバウンドコールが可能です。

PSTN ライン関係

Line Enable: yes

NAT Mapping Enable: no

SIP Port: 5060

プロキシとレジストレーション(登録)関係

Proxy: mail.domain.com (mail.domain.comは例、実際のホストを指定)

Use Outbound Proxy: yes

Outbound Proxy: mail.domain.com (またはIPアドレス)

Register: no

Display Name: Sipura3000

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Use Auth ID: no

ダイアルプラン関係

Dial Plan 1: S0 (mail.domain.comは例、実際のホストを指定)

Dial Plan 2: (xx.<:@gw0>)

<:[email protected]>

VoIPからPSTNへのゲートウエイセット

アップ関係

VoIP-to-PSTN Gateway Enable: yes

VoIP Caller Auth Method: none

One Stage Dialing: yes

VoIP Caller Default DP: 2

PSTNからVoIPへのゲートウエイセット

アップ関係

PSTN-to-VoIP Gateway Enable: yes

PSTN Caller Auth Method: none

PSTN Caller Default DP: 1

Sipura 3000 の場合、Dial Plans(ダイアルプラ

ン)の設定が必要です。この設定にしたがって、

Sipura 3000 上でルーティングデスティネーシ

ョン( 終ルート先)が選択されます。なお、

Sipura 3000 以外のFXOデバイスでは通常、と

くにダイアルプランを設定する必要はありませ

ん。VoIPからPSTNへ、またPSTNからVoIPへ

のルーティングは比較的単純だからです。 一

方、Sipura 3000 ではダイアルプランの設定が

必要で、上記にある通りに正確に入力してください(mail.domain.comは例ですので、ここには

CommuniGate Proの実際のホスト名を指定してください)。[Dial Plan 1]の“pbx”はアカウント名です。

なお、CommuniGate Proサーバーでオートアテンダント/電話受付機能のアカウントとして別のアカウ

ント名を使用している場合、そのアカウント名を“pbx”の代わりに指定してもけっこうです。PSTNラインか

らの受信コールはすべて、このアカウントのあるLANネットワークに送られ、そのアカウントで 終的に受

け取られます。

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C. VoIP/PSTN ゲートウエイへのアウトバウンドコールのルーティ

ング

CommuniGate Pro からは数値アドレス(PSTN へのコール)が VoIP/PSTN ゲートウエイ(FXO ゲートウ

エイ)にルーティングされなければなりません。このルーティング設定は、非常に簡単です。以下、手順

を記載します。

• 次の URL を使って WebAdmin インターフェイスにログインします。

https://mail.example.com:9010

• [Settings]メニューオプションを選択した後、[Router]を選択します(Settings->Routerと記述

することもあります)。

• ルーティングテーブルに、アドレスのルート先となる VoIP/PSTN ゲートウエイを指定したエント

リを追加します。下記は例です。

NoRelay:Signal:<1*@example.com> = 1*@192.168.1.2

上記のエントリ(行)は、「アドレスが 1 で始まるコールをすべて、192.168.1.2 のデバイスにリレーせよ」と

いう意味です。この例では、192.168.1.2 は、Sipura 3000 を指しています。

VoIP/PSTNゲートウエイへのルーティングエントリとして、もう一つ次のようなものがあります。このエント

リでは、デスティネーションのAOR(アドレスオブレコード、通常の電話番号に相当)が10+d(10 桁以上

の数値)のシグナリングイベント(アドレス)はすべて、VoIP/PSTNゲートウエイにルートされます。

N:S:<(10+d)@example.com> = *@192.168.1.2

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また、下記はそれぞれ、接頭辞として 9、011、+(国コード)を付加したエントリです。

N:S:<9*@example.com> = *@192.168.1.2

N:S:<011*@example.com> = 011*@192.168.1.2

N:S:<+(10+d)@*> = +*@192.168.1.2

上記の 初のエントリ、つまり接頭辞が 9 のエントリの場合、アドレスがVoIP/PSTNゲートウエイにルート

されるときに自動的に 9 が削除されます。また、3 番目の+(国コード)のエントリでは、左側の“*”は全ド

メインを表し(ワイルドカード)、右側の“*”は正規の電話番号(国コードが付加された電話番号)に置き

換えられます。

上記以外にも、さらに複雑なシグナル/数値ルーティングの設定が可能です。設定については、詳しく

はCommuniGate Proオンラインガイドをご覧ください。または、必要であればテクニカルサポートにご連

絡ください。

D. CommuniGate Pro のネットワーク/リレーに関する保護と設

CommuniGate Pro では多数のプロトコルがサポートされていますが、そのすべてについて、インターネ

ットセキュリティの観点から保護の設定が可能です。たとえば、SMTP トラフィックのリレーに対しては制

限が必要であり、これは SIP と VoIP でも同じす。つまり、リモートのインターネットユーザーが多数、

CommuniGate Pro の VoIP コール機能を不正に使用するようになるのは問題ですし、CommuniGate

Pro サーバーを介して SMTP トラフィックのリレーが行われても困ります。以下、ネットワークとリレーの保

護(制限)に関する設定について説明します。

• 次の URL を使って CommuniGate Pro の WebAdmin インターフェイスに接続します。

https://mail.example.com:9010

• ユーザーがローカルエリアネットワーク(LAN)にいる場合(通常、LAN 内で作業する場合)、

LAN の IP を範囲で指定します。設定のセクション(場所)は、次の通りです。

SETTINGS -> Network -> LAN IPs

• 続いて、次のセクションに進みます。

SETTINGS -> Network -> Client IPs

次のオプションを有効にします。

Process LAN IP Addresses as Clients

• 一方、ユーザーが別のネットワークで作業する場合、[Client IP Addresses]オプションでIPアド

レスの範囲を指定します。ここで指定したIPアドレスのユーザーは、CommuniGate Proのボイス

ネットワークのローカルユーザーとして認識されます。

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S

Real-Time -> SIP -> Sending -> Protocol

このオプションのデフォルトの設定は[Relay to Non-Clients for: [clients]]です。この場合、認証済み

X-Lite

ネット

ノートブック、モバイルコンピューティングデバイス上で動

ジング、音声/ビデオカンファレンシング、ホワイトボ

ードなどを、そのソフトクライアント一つで行うことができます。このようなソフトクライアントとしては、

Mic o

ースの製品が

SIP クライアン あり、下に 3 つ示します。また、そのうち

2 つ

ば、他のソフトフォンの設定もできるはずです。

• Microsoft Windows Messenger™ 5.1:下記のサイトからダウンロードできます(必ず、バージョン

ws/messenger

IP のリレーは次のオプションで制限できます。

Settings ->

(正規)のユーザーだけがアウトバウンドコールを実行できます。認証済みユーザー(正規ユーザー)で

あれば、どこにいてもアウトバウンドコール(リレー)が可能です。

E. ソフトフォン - Windows Messenger と Xten (CounterPath)

CommuniGate Pro は SIP(セッション開始プロトコル)をサポートしています。この SIP にサポートにより

リアルタイムコミュニケーションが可能になります。リアルタイムコミュニケーションとは、インスタントメッセ

ージング、ボイスオーバーIP(VoIP)、ビデオカンファレンシング(ビデオ会議)、マルチメディア、ホワイト

ボード、アプリケーション共有などをいいます。SIP を利用する場合、CommuniGate Pro バージョン 5.0

または 5.1 のほか、SIP 対応デバイスが必要です。

SIP 対応クライアント(SIP ユーザーエージェントと呼ぶこともあります )は、多種多様なものがあります。

たとえば、SIP フォン(ハードウェア)があります。卓上電話の形をしており、Cisco を含め多数のベンダ

ーから供給されています。 通常の電話機と同じように使用できますが、接続は IP オーバーイーサ

(IP over Ethernet)です。SIP クライアントとしてはまた「ソフトフォン」があります。ソフトフォンはボイスア

プリケーションで、デスクトップコンピュータや

作します。機能は一般の電話と同じですが、マイクやコンピュータヘッドセットを使って話します。そのほ

か SIP クライアントとしては、「ソフトクライアント」アプリケーションもあります。ソフトクライアントでは、複数

種類の VoIP サービス、つまりインスタントメッセー

ros ft Windows Messenger™、linphone、kphone などがあり、このほかにも現在、商用やオープンソ

逐次、開発されています。

ト(ソフトフォン)は無料でダウンロードできるものも

について、設定方法を説明します。この 2 つまたはどちらか 1 つのソフトフォンの設定が完了すれ

5.1 をダウンロードしてください。5.1 でSIPコミュニケーションサービスがサポートされています)。

http://www.microsoft.com/windo

• CounterPath (formerly Xten) X-Lite ™ Softphone:下記のサイトからダウンロードできます。

http://www.counterpath.com/index.php?menu=download

• SJlabs SJphone™:下記のサイトからダウンロードできます。Windows/Mac/Linux用があります。

http://www.sjlabs.com/sjp.html

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• Microsoft Windows Messenger™

Messenger のサービスを試し

てみる場合、2 つの Windows

クライアント(Windows マシン)

で設定を行わなければなりま

せん。また、CommuniGate

Pro のアカウントを 2 つ作成し

ておくことが必要です(どちら

もパスワード付き、作成方法は

上記を参照)。さらに、2 つの

Windows クライアント(マシン)

は、CommuniGate Pro サーバ

ーと同じネットワークに置かれ

ていなければなりません。

まず、Windowsクライアントの

アカウントの設定を行います。

Windows Messengerを起動し、

[Tools]メニューから

[Options]を選択します。

Windows Messenger 5.1 では、音声、ビデオ、IM、デスクトップ(ウィンドウ)共有が可能です。

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[Accounts]タブを選択します。[Accounts]タブが表示されたら、[My contacts include users of a SIP

Communications Service]チェックボックスが選択されていることを確認します。続いて、[Sign-in

name:]フィールドに自分の電子メールアドレスを入力します。

SIP プロトコルにより、分散型でグローバル、またスタンダードベースの IP ネットワー

クを介して音声、ビデオ、IM、マルチメディアの利用が可能になります。

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[Advanced]ボタンをクリックします。[Configure Settings]ラジオボタンが選択されていることを確認しま

す。中央のフィールドに、CommuniGate Proサーバーのドメイン名またはIPアドレスを入力します。

[Connect using:]セクションでは、デフォルトで[TCP]ラジオボタンが選択されているはずですので、そ

のままにしておきます。[OK]ボタンを 2 回クリックします。これで、設定は完了です。なお、[TCP]ラジ

オボタンの代わりに[TLS]ラジオボタンを選択しておいてもけっこうです。この設定では、セキュア/暗

号化SIPシグナリングトランスポートが実行されるようになります。

Windows Messenger の場合、TCP ベースの接続がベストです。また、

CommuniGate Systems 社では、TLS 暗号化シグナリング([TLS]ラジオボタンを選

択)の使用を推奨します。

注意:セキュアIMを使用する場合、つまり[TLS]ラジオボタンを選択するときには、IMクライアント

(Windows Messenger)でSSL証明書(サーバーから提供されます)の署名者が認識されなければなりま

せん。この認識の設定は、2 種類の方法で可能です。まず、サーバーの証明書が正規証明書機関

(CA)からの証明書の場合、その証明書をIMクライアントのアカウントが属するドメインにインポートしま

す(Users-> IMクライアントのドメインを選択->Security)。これで設定は完了し、ほかの設定は不要で

す。一方、サーバーで使用する証明書が自己署名証明書(サーバーで生成)の場合、ユーザーは、そ

の自己署名証明書をWindowsにインポートしなければなりません。インポートするには、Webメールイン

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ターフェイスのログインページを開いた後、[Security Certificate]リンクをクリックします。自己署名証明

書が正常にインポートされれば、[TLS]ラジオボタンを選択してもけっこうです。

注意:[Accounts]タブ画面の上部には、[My contacts include users of .NET Messenger Service]チ

ェックボックスがあります([.Net Passport Account]セクション)。Microsoft .Net Passportにサインアッ

プしておらず、またはMicrosoft .Net Passportを使用する予定がないときには、このチェックボックスは

選択しないでおくようにします。この機能は、MessengerでのSIPコミュニケーションには不要です。また、

この機能を有効にしておくと、Messengerの起動時に毎回、.Netログイン画面が表示されます。

上記のようにして両方の Windows クライアントを設定すれば、各 Windows クライアントで Windows

Messenger が正常に動作するはずです。その際、パスワードの入力が求められます。パスワードは、電

子メールアドレスのパスワードと同じものを使用できます。

Windows Messenger では必要に応じて、コンタクト(連絡先)として別のユーザーの電子メールアドレス

を追加できます。コンタクト情報が正常に作成され、またオンラインステータスが表示されれば、そのコ

ンタクトを右クリックします。これで、Messenger のサービス(機能)が表示されますので試してみます。サ

ービスとしては、前述のように音声/ビデオ会話、音声会話、インスタントメッセージング、ホワイトボード、

アプリケーション共有などがあります。

• CounterPath X-Lite™

CounterPath X-Lite™は、高性能のソフトフォンで、しかも無料でダウンロードできます(URL は下記)。

Xten では、X-Lite のほかにも優れたツール(有料)を多数提供しています(たとえば EyeBeam は、

CommuniGate Pro と併用することで音声、ビデオ、IM、プレゼンスの各機能を利用できます)。とはいっ

ても、X-Lite は素晴らしいアプリケーションで、とくにボイスオーバーIP を試したいときには 適です。

http://www.counterpath.com/index.php?menu=download

以下、X-Lite を CommuniGate Pro で使用する場合

の設定について説明します。スクリーンショットも必要

応じて掲載してあります。まず、X-Lite をダウンロード

し、インストールします。その後、X-Lite を起動すると、

X-Lite ソフトフォンクライアントが表示されます。一般

的な電話機のような画面です。

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また、すぐにメニューページが表示されます。このページで、VoIP/SIP サーバーの名前のほか、必要な

ユーザー情報を入力します。

このページで入力する情報は、一般のサーバーで入力する情報とほぼ同じです。具体的には、

[Domain/Realm]、[SIP Proxy]、[Out Bound Proxy]の各フィールドにそれぞれ、ホスト名(この例では

mail.example.com)を入力します。また、ユーザー情報としては、CommuniGate Pro インターネットコミュ

ニケーションプラットフォームで使用しているユーザー情報を入力します。具体的には、[Display

Name]には表示名(実名)、[Username]にはユーザー名、[Authorization User]にはアカウントのアド

レスを入力します。[Password]には、パスワードを入力します。このようにしてソフトフォンクライアントで

も、CommuniGate Pro に設定されているユーザー情報をそのまま使用でき、その結果、同じユーザー

情報で複数種類のコミュニケーションが可能になります。つまり、コミュニケーションの種類にかかわらず、

認証とアクセスに必要なユーザー名(とパスワード)は一つで済みます。

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上記の情報の入力が終われば、CommuniGate Pro システム上で X-Lite ソフトフォンクライアントを使

用する準備は完了です。CommuniGate Pro ユーザーのうちソフトフォンをインストールしているユーザ

ーに電話をかけられます。電話をかけるのは簡単で、相手の電子メールアドレス(または電話番号エイ

リアス)を入力し、ボタンをクリックするだけです。

CommuniGate Pro システムは VoIP/PSTN ゲ

ートウエイに簡単に統合・接続でき(前述の

Sipura 3000 の説明を参照)、この統合により IP

ベースの音声ネットワークと公衆交換電話網

(PSTN)が接続されます。そのため、VoIP コー

ル(たとえば X-Lite からのコール)は、一般の

電話や携帯電話に通常どおりにつながります。

VoIPとPSTNを接続する方法としては 2 種類あ

ります。一つは、VoIP/PSTNゲートウエイ

(Sipura 3000 など)を購入し、インハウス(社内

に設置する方法です。このVoIP/PSTNゲートウ

エイには、IPベースの音声ネットワーク(LA

回線と電話(地上回線/固定電話)サービスプ

ロバイダの回線を接続します。もう一つは、

N)

VoIP サービスプロバイダ(VoicePulseや

Broadvoiceなど)のサービスを利用する方法で

す。企業やISPの方がVoIPサービスを始めて導

入する場合、こちらの方法が簡単で費用対効

果も優れています。

下は、VoIP と PSTN を接続する方法として VoIP サービスプロバイダ(Broadvoice)を使う場合の設定

(WebAdmin インターフェイス)を示した例です。

SIP(VoIP)/PSTN ゲートウエイの設定(Broadvoice のサービスを利用する場合)。

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上記のように設定し、設定を有効にすると([Update]ボタンをクリック)、この設定(VoIP/SIP 機能)にア

クセスが可能な CommuniGate Pro ユーザーは、音声対応 SIP クライアントを使って世界中のどこにで

も電話(固定電話または携帯電話)をかけることができます。

F. IP フォン(Polycom 501 など)

CommuniGate Systems 社では、CommuniGate Pro を SIP スタンダードベースの IP フォンすべてに対

応させようと努力しています。これまで、少なくても Polycom、SNOM、Grandstream、Zyxel、Hitachi

Cable、Cisco の各社(また、その他の中堅メーカー)の IP フォンについて対応が確認されています。基

本的には、SIP スタンダーベースの IP フォンであれば、残らず CommuniGate Pro と併用できるはずで

す。

しかしながら、SIP は常時、開発と改善が進んでおり、IP フォンの中には CommuniGate Pro に対応して

いないものもあります。そのため、CommuniGate Pro には「SIP ワークアラウンド」機能が用意されていま

す。この機能を使うことで、正常に動作しない IP フォンに対してランタイム(システム稼働中)にワークア

ラウンド(回避策)を設定できます。なお、ワークアラウンドでも問題が解決しない場合、テクニカルサポ

ートまでご連絡ください。

以下、Polycom 社の 501 IP フォン(Polycom 501)を使用する場合のセットアップについて説明します。

これ以外の IP フォンもほとんどの場合、設定方法はほぼ同じです。Polycom 501 は、市場に出回って

いる IP フォンとしては 高の製品の一つで、スピーカーもついており操作オプションも豊富です。

• Polycom社のIPフォンにはいずれも、設定用のWebサーバーが用意されています。Polycom

501 をLANネットワークに接続すると、自動的にDHCPアドレスが取得されます。このアドレスは、

IPフォン(Polycom 501)のLCD画面で見ることができます。

• 続いて、Web ブラウザ(インターネットエクスプローラなど)を使って Polycom 501 に接続します。

デフォルトのログイン URL とユーザー名、パスワードは下の通りです(“192.168.1.2”は例です。

ここには、上記で取得された IP アドレスを指定してください)。

http://192.168.1.2

ユーザー名: Polycom

パスワード: 456

• ログインが完了したら、[SIP Conf.]タブを選択します。画面の[Outbound Proxy]の下の

[Address]フィールドに CommuniGate Pro サーバーのホスト名または IP アドレスを入力します

(この例では、mail.example.com)。

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アウトバウンドプロキシ(Outbound Proxy)の設定。通常、CommuniGate Pro サーバ

ー/クラスタのプライマリアドレスを指定します。

・ 次に[Registration]タブを開き、[Display Name]フィールドに実名、[Address]フィールドにSIP

アドレス(電子メールアドレスと同じ)、[Auth User ID]フィールドにユーザー名、[Auth

Password]フィールドにパスワードを入力します。[Auth User ID]のユーザー名は、省略名(た

とえばdemo)または正規のユーザー名([email protected])のどちらでもかまいません。さら

に、[Server 1]のセクションの[Address]フィールドにCommuniGate Proサーバーのアドレスを

入力します。このアドレスは、ほとんどの場合、使用している環境(サーバー)のホスト名(ドメイ

ン名)を入力します。また、通常、上記の[Outbound Proxy]の下の[Address]フィールドのアド

レスと同じです。

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このレジストレーション(登録)の画面では通常、[Identification]セクションの

[Address]、[Auth User ID]、[Auth Password]の各フィールド、また、[Server 1]セ

クションの[Address]フィールドだけが必須です。

• 設定は以上で完了です。設定を更新すると、Polycom 501 が再起動されます。これで、この

Polycom 501 が自分のアカウントのデバイスとして登録され、また、自分のアカウント名が

Polycom 501 の LCD 画面に表示されます。以後、自分のアカウント(または内線番号)宛ての

受信コールが検出されたときには、Polycom 501(また、登録済みの SIP デバイス)の呼び出し

音が鳴ります。

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G. オートアテンダント/PBX ウエルカムグリーティングの録音と

アップロード

CommuniGate Pro では、PBX 環境を細かくコントロールできます。これは、ドメインが複数のときでも、

またクラスタを使用しているときでも同じです。ドメインにはそれぞれ、その Web メールスキンを設定でき

ますが、それと同じく、そのドメインの PBX メニューシステムやオートアテンダント、PSTN ゲートウエイを

設定できます。さらに、サービスの有効と無効の切り替えも容易です。

PBX ウエルカムグリーティング(会社の PBX にかかってきた電話に対する応対の挨拶)はパーソナライ

ズ(カスタマイズ)できます。ここでは、そのカスタマイズ(録音)とアップロードの方法について簡単に説

明します。

1) 新規のグリーティングの録音

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/PBXApp.html#Formats

サポートされているメディアフォーマット

グリーティングを作成する場合のオーディオファイルフォーマットとしては、次の 2 種類が

サポートされています。

WAV(データはRIFFタグで始まります):単一のデータチャンクが格納されたファイルで、

データはPCM 8 ビットデータまたはPCM 16 ビットデータでなければなりません。

AU(データは.sndタグで始まります): PCM 8 ビットデータまたはPCM 16 ビットデータ、も

しくは 8 ビットmu-Lawデータが格納されたファイル。

注意:録音は必ず、8 Khzモノモード、16 ビットで行ってください。22Khzで録音した後、8Khzに

落とすとノイズがかなり入ります。高品質の録音環境(たとえばUSBマイク/ミキサー)を使用す

ると良い結果が得られます。

2) 作成したグリーティング(オーディオ)ファイルの保存

CommuniGate ProのPBX環境では、デフォルトで“receptionprompt.wav”という名前のWAVフ

ァイルが呼び出されます。そのため、作成したグリーティングファイルは、この名前で保存する

のが便利です。後日の修正も簡単です。また、このファイルは、不要であれば削除することもで

きます。削除しても問題が発生しないように設計されています。

3) マルチドメイン PBX 環境(ドメインによって PBX 環境が異なるシス

テム)を使用したい場合、いずれかのドメインにカスタム PBX 環境

を作成

シングルドメイン PBX 環境(ドメインが一つか、または PBX 環境がすべて同じ)を使用する場合

は、このセクションの説明は読まなくてもけっこうです。

WebAdminインターフェイスにログインし、Users->(ドメインを選択)->PBX を選択します。その

後、必要に応じてカスタムPBX環境を作成します。

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カスタム PBX 環境の作成。サーバー/クラスタのいずれかのドメインについて PBX

環境の設定を行います。

4) 作成した WAV ファイルを[Browse]ボタンと[Upload File]ボタン

でアップロード

作成した WAV(グリーティング)ファイルを[Upload File]ボタンを使ってアップロードした後、

WebAdmin インターフェイスで、そのファイルを確認します。このファイルは「カスタムファイル」

で、カスタムファイルには左側にチェックボックスが表示されています。

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“receptionprompt.wav”ファイル(グリーティングファイル)が CommuniGate Pro の

PBX 環境にアップロードされた後の状態。

グリーティングファイルが正常に動作するかどうかをチェックします。方法は、IP フォンやソフトフ

ォン、または通常の電話から、SIP(VoIP)/PSTN ゲートウエイ経由で CommuniGate Pro の

PBX/オートアテンダントに電話をかけてみます。 具体的には、内線番号として“200”または

“0”を使います。これで、グリーティングファイルが再生されるはずです。

H. 電子メール

CommuniGate Pro は、「スタンダードベースのメールユーザエージェント(MUA)」に完全に対応してい

ます。たとえば、Microsoft Outlook™、Outlook Express™(POP または IMAP)、Eudora™、Mozilla

Thunderbird™、Pine™、Netscape™にすべて対応しており、そのほかにも多数のメールプログラムをサポ

ートしています。したがって、自分の好みのプログラムを自由に選べます。

以下、Mozilla Thunderbird(POP)を使う場合の設定方法を簡単に説明します。Mozilla Thunderbird は、

下記のサイトからダウンロードできます(無料と有料のバージョンがあります)。

http://www.mozilla.com

Thunderbird インストーラのダウンロードが完了すれば、そのインストーラを起動します。インストールオ

プションは、デフォルトの設定を使用します。インストーラが終了すると、デスクトップに Thunderbird の

アイコンが表示されます。このアイコンを使って、Thunderbird を起動します。

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Thunderbird の場合、電子メールの送受信(SMTP、POP/IMAP)の設定は非常に簡単です。[Tools]メ

ニューから[Account Settings]オプションを選択した後、[Add Account]オプションを使って新規のア

カウント(SMTPとPOPまたはIMAP)を作成します。

Thunderbird を使用する場合の設定(ここでは IMAP)。

基本的には、アカウント名と電子メールアドレス、またCommuniGate Proサーバーの名前(受信メールと

送信メールそれぞれについて設定)を入力するだけです。[User Name](ユーザー名、Incomingと

Outgoingの両方)は、電子メールアドレスのアカウント部(前の部分)だけでもいいですし、電子メールア

ドレス全部を指定してもけっこうです。たとえば、“mary.jones”または“[email protected]”のどち

らも使用できます。CommuniGate Proでは、この 2 つは同じように認識されます。

以上の設定が終われば、Thunderbirdは正常に動作(POPまたはIMAP)するはずです。[Get Mail]ボ

タンをクリックするとCommuniGate Proサーバーに接続が実行され、パスワードを入力するとログインが

開始されます。ログインに成功した場合、INBOXの中の新規のメッセージを見ることができます。

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Mozilla Thunderbird の画面。

I. コラボレーション(グループウェア)

CommuniGate Pro サーバーでは、コラボレーション機能(またはグループウェア機能ともいいます)がサ

ポートされています。たとえば、高機能 Web クライアントを使って(Web ブラウザから呼び出せます)、電

子メールのほか、カレンダリング機能やスケジューリング機能を利用できます。また、Microsoft Outlook

のグループウェア機能をサポートしており、電子メールに加えて、カレンダリング機能とスケジューリング

機能も使用できます。

1) CommuniGate Pro のグループウェアとは、どんな機能?

CommuniGate Proのグループウェア機能は、CommuniGate Proソリューションの中の一つのコンポ

ーネントです。LDAPディレクトリやIMAPモジュールもCommuniGate Proのコンポーネントであり、

それと同じです。CommuniGate Proでは、グループウェアデータ(カレンダー、タスク、コンタクト)と

メッセージングデータ(電子メールデータ)はすべてインターネットスタンダードフォーマットで保存

されます。そのため、ユーザーは多種多様のクライアントアプリケーションから、こういったデータに

アクセスできます。 つまり、ユーザーは自分の好みのクライアントアプリケーションを使用することが

できます。具体的には、次のようなクライアントが使用できます。

• Outlook(ワークグループモードで使用します)。接続は、MAPI インターフェイスを介して実行さ

れます。

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• 高機能 Web メールクライアント(WebUser インターフェイス)。

• 電子メールスタンダード SMTP/POP/IMAP をサポートしているアプリケーション(Mozilla

Thunderbird など)、XMPP/SIP スタンダードをサポートしているアプリケーション(Gaim など)、

カレンダリングスタンダード iCAL/iTIP/iMIP をサポートしているアプリケーション(Mozilla

Sunbird、Novell Evolution など)。

CommuniGate Proは、Outlookのインターネットモードにも対応しています。ただし、CommuniGate Pro

バージョン 4.1(グループウェアをサポート)以降の場合、ワークグループモードでOutlookを動作させる

ことをお勧めします。このモードでは、Outlookのカレンダリングやタスクなどの高度な機能が使用でき、

しかも企業向けセキュアIM(Secure IM for Enterprises)やグローバルIMS/SIP/XMPP ネットワークの

利用も可能です。

CommuniGate Pro サーバー上で Outlook をワークグループモードで使用する場合、MAPI コネクタを

インストールすることが必要です。MAPI コネクタは、小型のソフトウェアです。Outlook では Microsoft

独自の言語を介して Exchange(MAPI)と通信が行われますが、 この MAPI コネクタにより、その言語が

CommuniGate Pro で認識できる言語に変換されます(IMAP)。また、Outlook で、セキュア SSL モード

(ポート 993)による接続を介してメールの送受信が可能になります。そのため、リモートの Outlook ユー

ザーも、複雑な仮想プライベートネットワーク(VPN)なしでセキュア通信が可能です。

Outlookユーザーは(MAPIコネクタのインストールが必要)、CommuniGate Proのグループウェア機能を

介してCommuniGate Proサーバーにアクセスできます。これは、Outlookユーザーがグループウェア機

能(ワークグループモード)を使用してMS Exchangeサーバーにアクセスするのと同じです。ただし、

CommuniGate Proの場合、信頼性とスピードの両方でExchange より優れており、メールボックスの共有

も可能です。

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CommuniGate Pro の Outlook プラグイン(MAPI コネクタ)を介して、Microsoft

Outlook のグループウェア/カレンダリング機能を利用可能。

クリックツーコール

Outlook ユーザーは、Outlook のアドレスブックから直接 VoIP コールをかけることができます。この操

作は、「クリックツーコール」と呼ばれています。たとえば、ソフトフォンや卓上 SIP フォン(登録済み)を

介して、アドレスブックからスピーディに VoIP コールを発信できます。操作は簡単で、Outlook のコンタ

クトリスト上で電話番号または電子メールアドレスを右クリックし、発信オプションを選択するだけです。

Microsoft Outlook 上でクリックツーコールを実行。

2) CommuniGate Pro の Outlook プラグイン(MAPI コネクタ)

CommuniGate Pro ではメールクライアントとして Outlook を使用でき、しかも Outlook でサポートされて

いる Exchange の機能(グループウェア機能)をほぼすべて利用できます。これは、Outlook プラグイン

(MAPI コネクタ)が提供されているためです。また、MAPI コネクタにより、Exchange にはない高度な機

能も利用できます。 こうした機能としては、次のようなものがあります。

コンタクトリストから VoIP コールを発信できます。この操作は、クリックツーコールと呼ばれています。ユ

ーザーはヘッドセット(マイク付きヘッドホン)をつけて相手と話ができます。また、卓上 IP フォンを使うこ

ともできます。

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• CommuniGate Pro の MAPI コネクタを介して Outlook を使用することで、「サーバーサイド」ル

ールの作成が可能になります。したがって、個々の Outlook(デスクトップ/ノートブック)、また

は Web メールごとにルールを作成する必要がなくなります。この場合のサーバサイドルールと

しては、通常、ルーティングに関するルールを作ります。たとえば、新規のメールのうち、件名が

緊急(subject=”emergency” )であるメールをモバイルデバイスに配信するというルールを作成

できます。また、不要メールを「ゴミ箱」に入れるというルールも作成できます。一方、通常の

Outlook では、クライアント上でルールを作成しなければならず、サーバー上にルールを置くこ

とはできません。そのため、メールクライアントを複数使用しているときは不便であり、また、デス

クトップが破損したりノートブックを紛失したりしたときには作成したルールを使用できなくなりま

す。

• MAPIコネクタを介してOutlookを使用することにより、Outlookをセキュアモードで走らせ、セキ

ュア認証付きのSSLでメールの送受信を行うことができます。この機能によって、ローカル、リモ

ートの別を問わず、VPNなしでOutlookを使用できます。MAPIコネクタは、Kerberos/Active

Directory® シングルサインオン(一度の認証ですべての機能の利用が可能)をサポートしてい

ます。

• 複数種類のカレンダーアプリケーションの使用が可能です。たとえば、仕事では Web メールや

Mac プラットフォームのクライアントを使っていて、そのほか、場所や好みに応じて、個人的に使

用しているメールクライアントを介してカレンダーにアクセスすることもできます。MAPI コネクタ

でサポートされているカレンダーアプリケーション(メールクライアント)としては、Mozilla Sunbird、

Novell Evolution、KDE KOrganizer、Microsoft Entourage があります。

Microsoft Outlook で共有(社内)カレンダーを表示。

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次の図は、Microsoft Outlook(ワークグループモード)で、Windows Messenger を使って VoIP コール

をかけているときのスクリーンショットです。

CommuniGate Pro プラットフォーム上で Microsoft Outlook から Microsoft

Windows Messenger を介してクリックツーコールを実行しているときのスクリーンショ

ット(右側が Messenger の画面)。

VoIPコールは、ユーザーのアカウントに登録されているIPフォン(SNOMやCiscoなど)経由で発信する

こともできます。

• VoIPコールをかけたい場合、ユーザーはコンタクト(連絡先)を右クリックした後、メニューから

[Call using CommuniGate Pro]を選択します。

• CommuniGate Pro の Outlook プラグイン(MAPI コネクタ)から、SIP デバイス(上の例では

Windows Messenger 5.1)に対して「コール開始」の指示が送られます。SIP デバイスが IP フォ

ンの場合、IP フォンのベルが鳴ります。Messenger の場合(上の例)、相手に「ポップ」ダイアロ

グが送信されます。

• 相手のユーザーがMessengerの「ポップ」ダイアログの[Accept]をクリックします(またはALT+T

を押します)。これで相手のユーザー(受話側)の電話が鳴り出します。なお、Messengerを使っ

ていないときには、電話をかけたユーザー(発話側)のIPフォンが鳴り、そのユーザーがIPフォ

ンに出ると、相手のユーザーの電話が鳴ります。

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• 上記の機能は、CommuniGate Proクライアント(メールクライアント)がリモートにある場合でも同

じです。つまり、ユーザーがどこにいても、VoIPコールはメインのCommuniGate Proサーバーに

よって正常に処理されます。このことは、とくにユーザーが出張先のホテルにいる場合に便利

です。ユーザーがどこの国にいても、ホテルに品質の良いDSL回線があれば、VoIPコールが可

能です。電話料金もかかりませんし、必要であれば複数のユーザーと電話会議を開くこともでき

ます。

a) MAPI コネクタアーキテクチャ図

CommuniGate Pro の Outlook プラグイン(MAPI コネクタ)は、クライアントサイド(デ

スクトップまたはノートブック)にインストールします。これで、Microsoft Windows 独

自の“MAPI”プロトコルコマンドがセキュア IMAP に変換されます。

b) MAPI コネクタテクノロジーの概要

CommuniGate ProのOutlookプラグイン(MAPIコネクタ)は、「MAPIプロバイダ」として動作します。具体

的には、ワークグループモードのMicrosoft Outlook(Outlook 97、Outlook 2000、XP、Outlook 2003) 、

またはWindowsアプリケーションから送られたMAPI要求をMAPIコネクタが受け取ります。その後、MAPI

コネクタによって、MAPI要求が拡張IMAPコマンドに変換され、変換後のIMAPコマンドがCommuniGate

Proサーバーに送信されます。

Microsoft Outlook から CommuniGate Pro サーバー上のメールボックスの読み取りが実行されたときに

は、MAPI コネクタによってメッセージが「MAPI オブジェクト」に変換され、変換後のオブジェクトが

Windows の MAPI ライブラリとアプリケーション(Outlook など)に渡されます。

CommuniGate Pro の MAPI コネクタは、2 つのコード部(共有ライブラリ)で構成されています。このうち、

主要コード部はサーバーサイドに置かれています。一方、2 番目のコード部は、クライアント側(Outlook

があるマシン)にインストールされていなければなりません。これで、データが正常に変換され、また

CommuniGate Pro サーバーとの接続も正常に実行されます。

c) Web メールインターフェイス

CommuniGate Pro のグループウェア機能は、Outlook だけでなく、統合 Web メール(WebMail)インタ

ーフェイスでも利用できます。この Web メールインターフェイスを使用することで、ユーザーは、リモート

の出先でも電子メールやカレンダー、コンタクト、スケジューリング、電子会議の各機能を使用できます。

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d) Outlook 以外のアプリケーションでのグループウェア機能

CommuniGate Pro のグループウェア機能は、スタンダードベースのグループウェアストレージ/処理を

基本に実装されています。そのため、データ交換にスタンダードのデータフォーマット

(iCAL/iMIP/iTIP、vCAL/vCard)が使用されていれば、どのアプリケーションでも CommuniGate Pro

のグループウェア機能が利用できます。たとえば、Exchange™ サーバーや Lotus Notes™ サーバーに

対応しているアプリケーション、Apple の iCAL カレンダークライアント、PALM™ カレンダリングアプリケ

ーション、その他、多数のアプリケーションがサポートされています。

CommuniGate Pro では CAP プロトコルがサポートされており、したがって CAP(カレンダーアクセスプ

ロトコル)クライアントアプリケーションも使用できます。CAP アプリケーションからは、Outlook や Web メ

ールクライアントと同じように CommuniGate Pro のグループウェアデータにアクセスし、変更が可能で

す。

WebDAV(Web-based Distributed Authoring and Versioning=Web ベース分散オーサリング/バー

ジョニング)は新しいプロトコルで、基本的には HTTP の拡張プロトコルです。このプロトコルでは、複数

のユーザーがリモート Web サーバー上のファイルを編集したり、操作したりできます。WebDAV も

CommuniGate Pro に取り入れられており、今後、WebDAV との統合も可能です。このプロトコルにより、

強力なオープンスタンダードのコラボレーション機能とカレンダー機能が実現されるはずです。

e) グループウェア機能の評価

CommuniGate Proのグループウェア機能を実際に試してみたい場合、CommuniGate Proサーバーをイ

ンストールし、またユーザーアカウントを作成・設定する必要があります。CommuniGate Proサーバーは、

CommuniGate Systems社のWebサイト(http://www.communigate.com/download.html)からダウンロー

ドできます(各種プラットフォーム用のバージョンがあります)。

また、オンラインのインストール/設定マニュアルは、

http://www.communigate.com/CommuniGateProに掲載されています。

Outlook でグループウェア機能を試してみたいときには、サーバーサイドの準備のほか、MAPI コネクタ

をクライアント(Outlook があるマシン)にインストールしなければなりません。MAPI コネクタのインストー

ルと設定については、下記に説明があります。

注意:CommuniGate ProサーバーとMAPIコネクタ(トライアルバージョン)は、CommuniGate Systems社

のWebサイトからダウンロードできます。トライアルバージョンでは、OutlookからCommuniGate Proサー

バーにアクセスする場合(MAPIコネクタを使用)、アクセスできるユーザー数が限定されています。トライ

アルバージョンの 大ユーザー数は 5 人です。これ以上のユーザー数でトライアルバージョンを試用し

てみたいときには、[email protected]までご連絡ください。

注意:Web メールクライアントにアクセスする場合、CommuniGate Pro サーバーのインストールとユーザ

ーアカウントの設定が必要です。

f) CommuniGate Pro のグループウェア機能の具体的な利点は?

従来、企業でグループウェア機能を利用する場合、複雑で管理コストも高いメッセージングソリューショ

ンが必要でした。これに対して、CommuniGate Pro では容易にグループ機能を備えたシステムの構築

が可能です。CommuniGate Pro は、電子メール、共有フォルダ、カレンダリング、スケジューリングがす

べて利用でき、また堅牢でセキュアなメッセージングソリューションです。

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CommuniGate Pro では、Outlook の高度なグループウェア機能を利用でき、また高機能 Web メールイ

ンターフェイスが用意されているため、ユーザーは社内、社外の場所にかかわらず、必要なデータに効

率よくアクセスできます。また、音声(電話)機能も搭載されており、チームでのコラボレーション作業の

生産性が向上します。そのほか、セキュリティとモビリティにも優れており、企業では、ネイティブ SSL が

サポートされた高性能プラットフォームの構築が可能です。このプラットフォームは低コストで構造も簡

単であり、従来のように高コストの VPN ソリューションを使って通信セキュリティを確保する必要はなくな

ります。

g) 低コストで高機能のソリューション

社内のデスクトップユーザーがカレンダリング/スケジューリング機能を利用できるようにしたい場合、ま

たは、現在のメッセージング環境のコストが高く信頼性も低いため、機能は同等で低コストのシステムに

交換したいと考えている方々には、グループウェア機能付きの CommuniGate Pro が理想のソリューショ

ンです。CommuniGate Pro サーバーは、インストールも管理も極めて簡単です。シングルサーバーで

何万人というユーザーをサポートできます。また、一般にこれまでの企業向けソリューションの場合、維

持・管理コストが非常に高くつきましたが、CommuniGate Pro サーバーでは管理コストが大幅に低減さ

れます。

CommuniGate Pro では、既存のハードウェアを使いながら Exchange バックエンドの統合も可能です。

CommuniGate Pro は 35 種類以上のオペレーティングシステムプラットフォームをサポートしており、ま

た、単一のクラスタ内に異なるオペレーティングシステムを混在させてクラスタ化することもできます。

h) エンドユーザーは Outlook の高度な機能を使用可能

ユーザーの中には従来どおり、Outlook をデスクトップで使用したいと考えている人もいますが、

CommuniGate Pro では、Outlook のコラボレーション機能をそのまま使用できます。Outlook をワーク

グループモードで動作させている場合、電子メールの送受信に加えて、会議の手配、フリー/ビジー情

報、依頼に対する返答などのコラボレーション機能を使い慣れた Outlook インターフェイスで実行でき

ます。

Outlook をインターネットモードで使用していたユーザーもワークグループモードで Outlook を使うこと

で、カレンダリングやスケジューリングの機能を利用できるようになります。また、音声やフィルタなどの

先進の機能も使用できるため、デスクトップコンピュータ上での作業効率が大きく向上します。

i) 導入によるエンドユーザーへの影響はほとんどなし

CommuniGate Pro を導入するとバックエンドは変わりますが、導入によりエンドユーザーに影響が及ぶ

ことはありません。たとえば、Outlook を使っているユーザーにとって、CommuniGate Pro の導入は「見

えません」。 Outlook ユーザーは、以前と同じ方法で Outlook を操作できます。

また、既存のシステムのユーザーを全部一度に CommuniGate Pro に移行する必要はありません。

CommuniGate Pro は、Microsoft Exchange(または別のソリューション)と並行して問題なく動作するた

め、徐々にユーザーの移行を行えます。

j) 自動インストール/アップデート

MAPI コネクタは、ネットワークを介して各クライアントにインストールできます。そのため、管理者が逐一、

ユーザーのデスクトップコンピュータを回る必要はありません。MAPI コネクタにはセルフアップデート機

能が搭載されており、CommuniGate Pro サーバーへのログオンのたびに新バージョンのチェックが行

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われます。また、管理システムとスクリプトを使って、広範囲の管理(バージョニンング制御・管理)が可

能です。

k) モバイル環境での生産性の向上

現在の業務環境では、企業情報へのセキュアアクセスが何より重要です。モバイルユーザーは、どこに

いてもブラウザから高機能 Web メールインターフェイスを開き、会社の電子メールやスケジューリング情

報にアクセスできます。これは、いわばモバイルユーザーのところに「会社を持ってくる」のに等しく、そ

の結果、客先での商談も非常にスムーズになります。また、複雑な IT の知識も操作も不要です。

SIP 音声番号があり、そのユーザーがインターネットに接続できる環境であれば、どこにいても通信が可

能です。たとえば、ユーザーが、会社の電話番号が登録されているノートブックを持ってパリやミュンヘ

ン、もしくはサンパウロに行ったとします。この場合、ユーザーはどこにいてもメールを受信でき、電話を

受けることができます。また、電話をかけたりメッセージを送ったり、さらに仕事のスケジュールを立てるこ

ともできます。

l) MAPI コネクタのインストールと Outlook 設定

MAPI コネクタのインストールと Outlook の設定を行う場合、まず、次のコンポーネントが必要です。

• CommuniGate Pro MAPI Connector installer(MAPI コネクタインストーラ)

• 正規バージョンの Outlook(Microsoft Outlook 97、2000、XP、2003)

CommuniGate ProのMAPIコネクタインストーラは、Microsoft Windows NT/2000/XP、95/98/MEに対

応しています。また、Outlook 97/2000/2003/XPで動作します。MAPIコネクタインストーラは、

CommuniGate Systems社の下記のWebサイトからダウンロードできます。

http://www.communigate.com/download

m) MAPI コネクタのインストール

CommuniGate ProのMAPIコネクタを使用する場合、MAPIコネクタ共有ライブラリ(.dll)が必要です。

MAPIコネクタをインストールすると、このライブラリがWindowsワークステーションにインストールされます。

MAPIコネクタのインストールでは、まず、CommuniGate Pro MAPI Connector(アーカイブ)をダウンロ

ードし、アンパックします。アンパックするとフォルダが作成され、その中にSetup.exeファイルがあるはず

です。

Setup.exeファイル(アプリケーション)を実行すると、CommuniGate Pro MAPIコネクタソフトウェアがイン

ストール(既存のMAPIコネクタがあるときにはアップデート)されます。インストールの完了後、場合によ

ってはメールプロファイル(Mail Profile)を再作成するように求められることがあります。

n) メールプロファイルの作成

MAPI コネクタをクライアントワークステーションにインストールした後、メールプロファイル(Mail Profile)

を作成します(たとえば、再作成を求められた場合)。このの情報をもとに、Outlook(その他のアプリケ

ーション)上で CommuniGate Pro の MAPI サービスが使用されるようになります。

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Outlook 98 またはOutlook 2000 を使

用している場合、Outlookがグループ

ウェアモードで動作しているかどうかを

確認します。確認するには、Ou

を起動し、[

tlook

Tools(ツール)]メニュー

から[Options(オプション)]オプション

を選択します。[Options]ダイアログボ

ックスが開きますので、[Mail Services

(メールサービス)]タブを選択します。

その後、[Reconfigure Mail Support

(メールサポートの再構成)]ボタンを

クリックすると[E-mail Service Options

(電子メールサービスオプション)]ダイ

アログボックスが開きます。このダイア

ログボックスで[Corporate or

Workgroup(企業/ワークグループ)]

オプションが選択されているのを確認

します。

次に、Windowsの[スタート]メニューか

ら[コントロールパネル]を選択した後

[メール]コントロールパネルを開きま

す。[Show Profiles(プロファイル)]ボ

タンをクリックすると、メールプロファイルのリストが表示されます。インストールの後、CommuniGate Pro

のMAPIインストーラからメールプロファイルの再作成を求められた場合(上記を参照)、古いプロファイ

ルを選択し、[Remove(削除)]ボタンをクリックして削除します。

既存のプロファイルがない場合、[Add(追加)]ボタンをクリックし、新規のプロファイルを作成します。こ

の後、ダイアログボックスがいくつか表示されます(ダイアログボックスの数や形式はOutlookや[メール]

コントロールパネルのバージョンによって異なります)。[Additional Server Types(追加サーバータイ

プ)]オプションがあるダイアログボックスが表示されれば、このオプションを選択し、CommuniGate Pro

Serverを[Service(サービス)]または[Additional Server Type(追加サーバータイプ)]として設定します。

プロファイルの名前は、例えば「TestMAPI」などとします。

同じプロファイルにサービスを複数設定することもできます。

o) MAPI コネクタの設定

以上のようにして、CommuniGate Proサービスをメールプロファイルに追加できれば、CommuniGate

Proサービスに関する設定が可能になります。この設定作業は、[メール]コントロールパネルを開き、上

で作成したメールプロファイルを開き(上の例ではTestMAPI)、さらにCommuniGate Pro Serverを選択

して行えます。また、Outlookの[Tools(ツール)]メニューの[Services(サービス)]オプションを使って

行うこともできます。

[CommuniGate Pro Properties]ダイアログボックスの[General ]タブを選択し、この MAPI アカウント名

(このサーバーの名前)、その他の一般情報(ユーザー名、会社名、電子メールアドレス、返信アドレス)

を入力します。続いて、[Server]タブを開き、CommuniGate Pro サーバーとアカウントに関する設定を

行います。以下、[Server]タブでの設定を説明します。

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Server Name(サーバー名)

ここには、使用している CommuniGate

Pro サーバーの名前を入力します。

CommuniGate Pro サーバーのネットワー

ク IP アドレスを指す A レコードのドメイン

(DNS)名です。

ここで指定したCommuniGate Proサーバ

ーの名前(ドメイン名)にアカウント名(下

記の[Account Name]フィールドに入力し

たアカウント名)が自動的に付加され、正

規のアカウント名としてCommuniGate Pro

サーバーに送信されます。CommuniGate

Proで複数のドメインを使用している場合、

このフィールドには、下記の[Account

Name]フィールドに指定したアカウントが

属するドメイン名を指定しなければなりま

せん。または、そのドメインのエイリアスを

指定します。そうでない場合、サーバーか

ら、アカウントがリモートシステムに移動し

た(account has been moved to a

remote system)ことを知らせるエラーが

出力されます。

Server Port(サーバーポート)

このフィールドには、CommuniGate Pro のネットワークポートのうち、MAPI クライアント用として使用され

るポートを指定します。このポートは通常、IMAP クライアントのポートと同じです。

Use a Secure (SSL/TLS) connection(セキュア(SSL/TLS)接続を使用)

このチェックボックスを選択しておくと、上記の[Server Port]フィールドに指定したサーバーポートを介

してネットワーク接続が実行された後、STARTTLS コマンドを使って処理が行われ、その結果、データ

がすべて暗号化されてワークステーションとサーバーとの間で交換されます。通常、このオプションは有

効にしておきます。この状態でセキュア通信が実行されます。

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Account Name(アカウント名)

CommuniGate Pro に登録済みのアカウント名(CommuniGate Pro ユーザーのアカウント名)を入力しま

す。このアカウント名は、正規の形式(アカウント名@ドメイン名)でもいいですし、簡易名(@と以降の文

字列なし)で指定することもできます。簡易名の場合、MAPI コネクタによって自動的に[Server Name]

フィールドの値(ドメイン名)が付加されます。

Password(パスワード)

上記の[Account Name]フィールドに指定したアカウント名のパスワードを入力します。

Remember Password(パスワードを記憶)

このチェックボックスを選択しておかない場合、ユーザーはログインダイアログボックスでパスワードを入

力しなければなりません。選択しておくと、一度入力したパスワードは MAPI コネクタの設定データに保

存されます。したがって、パスワードの入力を省略できます。

Use Secure Authentication(セキュア認証を使用)

このチェックボックスを選択しておくと、パスワードが MAPI コネクタからセキュア(暗号化)SASL CRAM-

MD5 方式で送信されます。ただし、パスワードが一方向暗号化方式でサーバーに保存されるように設

定しているときには、このオプションは機能しないので、このチェックボックスは選択しないでおきます。

その場合、パスワードはクリアテキストで送信されます。

上記のようにパスワードをクリアテキストで送信しなければならない場合、[Use a Secure (SSL/TLS)

connection]チェックボックスを選択しておきます(上記を参照)。これで、情報はすべて暗号化されて送

信されます。

続いて、[Advanced]タブを選択し、

CommuniGate Pro のアカウントに関して、

その他の設定(共有メールボックスに関す

る設定など)を行います。

[Add]ボタンまたは[Remove]ボタンを使

って、CommuniGate Pro ユーザーのアカ

ウント名を追加または削除します。ここで

追加したアカウントのメールボックスを共

有(そのメールボックスに対してアクセス)

できるようになります(このアカウントを共

有メールボックスのオーナーと呼びます)。

共有メールボックスのオーナーのアカウン

トが自分のアカウントとは別のドメインにあ

る場合、そのドメイン名も指定します。つま

り、アカウント名@ドメイン名 の形式で指

定します。

上記のアカウントのユーザー(共有メール

ボックスのオーナー)に依頼し、その共有

メールボックスに対するアクセス権を自分のアカウントに付与してもらいます。そうでない場合、共有メー

ルボックスへのアクセスとオープンはできません。

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注意:ユーザーは、共有メールボックス(別のユーザーのアカウントのメールボックス)として削除済みア

イテム(Deleted Items)メールボックスを指定することもできます。その場合、その削除済みアイテムメー

ルボックスが存在すること、また、そのメールボックスについて、オーナーから Lookup、Read、Insert、

Delete の各アクセス権が自分のアカウントに付与されていることを確認してください。

以上のようにしてプロファイルの設定が終われば、CommuniGate Pro の MAPI コネクタを介して、

Outlook 上で共有メールボックスにアクセスできるようになります。ただし、上で説明したように、共有メ

ールボックスのオーナー側で、共有メールボックスにアクセスするユーザーに対して、その共有メール

ボックスへのアクセス権を付与しなければなりません。以下、共有メールボックスのオーナー(Outlook

ユーザー)が、共有フォルダへのアクセスを許可するユーザー、また、そのユーザーのアクセス権を指

定する方法を説明します(共有メールボックスのオーナーによる設定ですので、まず、オーナーが

Outlook を起動してください)。

p) 共有メールボックスのオーナーによるアクセス権の設定

以下は、共有メールボックスのオーナー(Outlook ユーザー)による作業です。この設定を始める前にま

ず、共有メールボックスにアクセスしたいユーザーがそれぞれ自分の Outlook で、共有メールボックス

のオーナーの指定を完了していることを確認してください(この指定は、Outlook の[Advanced]タブで

行えます。手順は、上記の説明

を参照)。

注意:ユーザーは、共有メールボ

ックス(別のユーザーのアカウント

のメールボックス)として削除済み

アイテム(Deleted Items)メール

ボックスを指定することもできます。

その場合、その削除済みアイテ

ムメールボックスが存在すること、

また、そのメールボックスについ

て、オーナーから Lookup、Read、

Insert、Delete の各アクセス権が

自分(のアカウント)に付与されて

いることを確認してください。

以上の確認ができれば、オーナ

ーは、自分の共有メールボックス

へのアクセスを許可するユーザ

ーと、そのユーザーに付与するア

クセス権(閲覧のみ、変更可な

ど)を指定します(この作業は、ア

クセスコントロールと呼ばれます)。

アクセスコントロールは、各共有

フォルダ(別のユーザーがアクセスできるフォルダ)についてそれぞれ設定できます。設定する場合、ま

ず、Outlook のフォルダリストから共有フォルダにしたいフォルダ(ここではメールボックス)を選択した後、

右クリックします。開いたメニューから[プロパティ]オプションを選択します。これで、そのフォルダの[プ

ロパティ]ダイアログボックスが開きます。

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[プロパティ]ダイアログボックスの[Permissions]タブを選択し、右側にある[追加]ボタンと[削除]ボタン

を使って、共有フォルダに対してアクセスを許可するユーザーを指定します。指定したユーザーは、リス

ト(アクセスコントロールリスト)に表示されます。

その後、アクセスコントロールリストのユーザーを選択し、下部のチェックボックスを使って、そのユーザ

ーに付与するアクセス権を設定します。

q) Web メールインターフェイスでのオブジェクト共有の設定

上では、Outlook ユーザー(共有メールボックスにアクセスしたいユーザーと、共有メールボックスのオ

ーナーであるユーザー)が、Outlook 上で「オブジェクト」(メールボックス、フォルダ、カレンダー、タスク、

メモ、コンタクト)を共有するための設定方法について説明しました。システムのオブジェクトの共有は、

上記以外の方法でも設定が可能です。なお、オブジェクトはすべて基本的には「メールボックス」である

ため、共有メールボックスと同じように任意のオブジェクトについて共有とアクセスコントロールが可能で

す(この作業は、ユーザーまたは管理者が行えます)。CommuniGate Pro のメールボックスと MAPI コ

ネクタによる共有についてはそれぞれ、下記のサイトに説明があります。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/Mailboxes.html

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/MAPI.html#Sharing

以下、オブジェクトの共有の設定に関するもう一つの方法、つまり Outlook ではなく Web メールインタ

ーフェイスを使ってユーザーのアドレスブック、カレンダーなどのオブジェクトを共有オブジェクトにする

(別のユーザーからのアクセスを可能にする)方法について説明します。この設定は通常、管理者が行

います。この方法はとくに、何らかのグループに属するユーザー用として共有リソース(カレンダーなど)

を作成する場合に便利です。なお、Outlook ユーザーは、再度ログインすることで、作成された共有オ

ブジェクトにアクセスできます。以下、例をあげて説明します。例では、次のような設定になっているとし

ます。

• システム上にアカウント“public”(公開アカウント)があり、このアカウントにカレンダーが置かれ

ているとします。また、このカレンダーは、アカウント“john”によって共有されている(アカウント

johnからアクセスが可能)と仮定します。アカウントjohnは、人間のユーザーです。

• 以下の設定はすべて Web メールインターフェイスを使って行い、また、普通は管理者が作業を

します。ここでは、Web メールインターフェイスのスキンとして"Basic"スキンを使用しているもの

として説明します。ほかの Web メールスキンを使って同じ設定を行うこともできますが、設定項

目の位置や操作方法が異なります。共有オブジェクトに関する設定はユーザーが行うこともで

きますが、設定方法を直接、ユーザーに指導する必要はありません。管理者による設定が終わ

れば、通常は、それで十分です。管理者は必要であれば、スキンをカスタマイズしたりアカウン

ト設定を変更したりして、細かい機能や不要な機能を非表示にすることもできます。以下、ステ

ップ 1 とステップ 2 に分けて説明します。

ステップ 1:オブジェクトの共有

この例では、公開アカウント(public)にカレンダー(共有カレンダー)が存在し、そのカレンダー

がアカウントjohnに共有されているものと仮定していますので、これを確認します。まず、アカウ

ント名publicでWebメールインターフェイスにログインします。

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i. 共有カレンダーの選択

ログイン後、共有カレンダー(フォルダ)を選択します。なお、ここで新規のカレンダーオブジェ

クト(共有カレンダー)を作成してもけっこうです。名前はたとえば、「Travel-Schedule(出張予

定表)」などとします。

ii. フォルダの管理

共有カレンダーの選択後、リンクを使って共有カレンダーのビューを表示します。このビューは、

[Folders]ページから開くこともできます。ビューで[Folder Management]オプションを選択しま

す。なお、別のスキンでは、このオプションは[View as Folder]や[Folder Settings]となってい

ることもあります。続いて、アクセスコントロールリスト(ACL)の設定ページに進みます。アクセス

コントロールリストは、アドレスブックのオブジェクトです。

注意:オブジェクトはすべてサーバーサイドに置かれているIMAPフォルダです。また、フォルダ

に格納されているデータ自体によって、その表示形式が決まります。つまり、カレンダーを共有

することは、各ユーザーにとってフォルダ(IMAPフォルダ)を共有するのと同じです。

iii. アクセスコントロールリスト(ACL)

クライアントユーザーが表示されていることを確認します。このクライアントが、このフォルダ(共

有カレンダー)にアクセスできます。共有カレンダーにアクセスできるユーザーを追加したい場

合、左側のフィールドにユーザー名を追加し、そのユーザーにアクセス権を付与します。付与

できるアクセス権(パーミッション)は次の通りです。

Lookup Post

Select Create

Seen Delete

Flags Admin

Insert

[Help]をクリックすると、アクセス権の内容を見ることができます。上記のアクセス権はいずれも、

スタンダード IMAP フォルダの共有アクセス権です。

iv. アクセス権の付与の完了

アクセス権の設定が終われば、[Update]ボタンをクリックして更新し、アカウント public からログ

アウトします。

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ステップ 2:オブジェクトへのサブスクライブ(フォルダのエイリアスを使用する方法)

v. アカウント john で Web メールにログイン

アカウント johnでWebメールインターフェイスにログインします。ログイン後、Settings ->

Foldersを選択します。

vi. フォルダのエイリアスの作成

共有カレンダー(フォルダ)のエイリアスを作成します。方法は、[Alias Name]フィールドにエイ

リアスの名前を入力します。どんな名前でもよく、たとえば、"Travel"などとします。続いて、フォ

ルダ名(エイリアスが指すフォルダの名前)を入力します。たとえば、"~public/Travel-

Schedule"と入力します(~publicは、アカウント johnからアクセスが可能なフォルダ=フォリンメ

ールボックス)。

vii. ログアウト

アカウント john の Web メールインターフェイスからログアウトします。

viii. Outlook

“john”のOutlookを起動します(johnが自分のOutlookを起動します)。Outlookでは、共有カレ

ンダーのエイリアス、つまり“Travel”というフォルダが見えるはずです。このフォルダには、現在

設定されているアクセス権の範囲でアクセスが可能です。共有カレンダーが“public”カレンダ

ーかグループカレンダーの場合、アクセス権は通常、“read/write(読み込み/書き込み)”で

す。なお、Outlook上で共有カレンダー(フォルダ)に始めてアクセスしたときには、その共有カ

レンダー(フォルダ)の情報がすべてダウンロードされます。このダウンロードには、時間がかか

ることがあります。ただし、2 回目以降はカレンダーの更新分だけがダウンロードされるため、ア

クセスは高速です。

以上のように、フォルダのエイリアスによる方法は、共有フォルダによる方法(Outlook 上での設

定)とは異なります。この方法は、管理者がユーザーに代わって行えるため、Outlook 上での設

定より効率が良いようです。また、ユーザー環境によっては(グループごとに別個の共有カレン

ダーを設定したい場合など)、この方法のほうが柔軟です。

また、共有カレンダー(自分にアクセス権が与えられているカレンダー)は、カレンダークライア

ントによってはリンクを使って表示することもでき、これも便利です。たとえば、SunBird

(Windows)や iCal(Mac)は、この操作が可能です。SunBird では、下記の URL で試してみるこ

とができます(デフォルトではセキュア接続)。

https://mail.example.com/CalendarData/~user/Calendar.ics

r) フリー/ビジー情報の共有に関する設定

フリー/ビジー情報とは、ユーザーがいつ時間があり、いつ忙しいか、または在社しているかどうかなど

を示す情報で、情報はファイルに格納されています。この情報は通常、公開しておきます。そうすること

で、他のユーザーは、そのユーザーをいつ会議に呼べるかが分かり、面会や相談のアポをとるときにも

便利です。グループウェアアプリケーションの場合、通常、ユーザーのカレンダーからフリー/ビジー情

報が抽出され、単一のフリー/ビジー情報スケジュールにまとめられます。

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s) ユーザーのフリー/ビジー情報

ユーザーのフリー/ビジー情報は、MAPI コネクタによって、そのユーザーのパーソナル Web サイトに

自動的に保存されます。フリー/ビジー情報のうち公開情報はスタンダードの vCalendar フォーマット

で、情報は freebusy.vfb ファイルに格納されます。この freebusy.vfb ファイルは、ユーザーのパーソナ

ル Web サイトの 上位のディレクトリに置かれます。一方、プライベートのフリー/ビジー情報は、

Microsoft オブジェクトデータフォーマットで freebusy.eml ファイルに保存され、このファイルはパーソナ

ル Web サイトのプライベートディレクトリに置かれます。

t) 他のユーザーのフリー/ビジー情報にアクセス

他のユーザーのフリー/ビジー情報(たとえば、アポをとったり会議の予定を立てたりする場合に必要)

は、Outlook からもアクセスが可能です。ただし、アクセスするには Outlook 上での設定が必要です。こ

の処理は、MAPI コネクタで自動的には行われず、したがって Outlook 上で設定しなければなりません。

以下、手順を説明します。

• Microsoft Web Publishing Wizard(Web 発行ウィザード)をインストールします

(www.microsoft.comからダウンロードできます)。

• [Tools]メニューから[Options]を選択します。[Options]ダイアログボックスが表示されます。

• [Calendar Options]ボタンをクリックし、[Calendar Options]ダイアログボックスを開きます。

• [Free/Busy Options]ボタンをクリックし、[Free/Busy Options]ダイアログボックスを開きます。

• [Search at this URL]フィールドに次のURLを入力します(下記の「注意」をよくお読みくださ

い)。URLは正確に入力してください。“%SERVER%” と “~%NAME%/” は、Microsoft Outlook

で使われる特殊変数です。

https://%SERVER%/~%NAME%/freebusy.vfb

• [OK]ボタンを何回かクリックして、ダイアログボックスをすべて閉じます。

に置き換えられます。例えば、ユー

ザーの電子メールアドレスが [email protected] だったとすると、

以上の設定により、Outlook 上で任意のユーザーのフリー/ビジー情報の取り出しが必要になった場

合、[Search at this URL]フィールドに入力された URL をもとにして、そのユーザーのフリー/ビジー

情報が取り出されます。その場合、%SERVER%は、そのユーザーの電子メールのドメイン部に置き換え

られ、また、%NAME%は、そのユーザーの電子メールのユーザー名

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http://mail.example.com/~john/freebusy.vfb という URL を使って、そのユーザー(john)のフリー/ビ

ジー情報が取り出されます。

注意:上記のようにして[Search at this URL]フィールドに入力したURLは、CommuniGate ProのWebイ

ンターフェイスの接続ポートが 80 または 443 に設定されているときにのみ有効です。CommuniGate

Proの場合、デフォルトでは、Webメールインターフェイス(WebUserインターフェイス)のポートはそれぞ

れ 8100(HTTP )と 9100 (HTTPS )に設定されています。したがって、WebUserインターフェイスの接

続ポートを 8100(または 9100)のままにしてある場合(または、それ以外の非標準ポートに設定している

場合)、[Search at this URL]フィールドには、そのポート番号を含めたURLを指定しなければなりませ

ん。例えば、次のようになります(下記は、HTTPS が9100 のときの例)。

https://%SERVER%:9100/~%NAME%/freebusy.vfb

注意:また、上記の[Search at this URL]フィールドの URL は、CommuniGate Pro のドメインについて

DNS の A レコードがあり、その A レコードが CommuniGate Pro サーバーを指しているときにのみ有効

です。ただし、DNS システムにドメイン(たとえば、example.com)の A レコードがないか、あっても別のシ

ステム(たとえば、会社の Web サーバー)を指している場合(実際のドメインは、mail.example.com、

sip.example.com、mx.example.com など)も少なくありません。

注意:CommuniGate Pro サーバーでドメインを一つしか使用していないきには、%SERVER%の代わりに、

そのドメイン名を指定することもできます。下は、例です。

https://mail.example.com/~%NAME%/freebusy.vfb

上で、mail.example.com は CommuniGate Pro の単一のドメイン名(またはエイリアス)で、DNS の A レ

コードがあり、A レコードは CommuniGate Pro サーバーを指しています。

なお、上のようにしてドメイン名を指定した場合、フリー/ビジー情報にアクセスできるのは、その

CommuniGate Pro サーバーのユーザーだけに限られます。

u) Outlook で可能な作業

以上のようにして Outlook(と MAPI コネクタ)の設定が終われば、次のような作業が可能になるはずで

す。必要に応じて試してみてください。

• 電子メールの作成、送信、受信。

• 会議、イベント、アポのスケジュール作成。

• 出席依頼、依頼に対する返事の受け取り、返答。

• アポの再スケジュール、変更。

• アポに対する繰り返しの設定。

)。

• オフラインモードで作業した後、接続して同期。

• ユーザーのフリー/ビジー情報、メールボックスの共有

• フォルダ、コンタクト(連絡先)、タスク(仕事)の共有。

• メールボックスフィルタの設定(ウィザード使用

• フォルダの検索(検索ユーティリティ使用)。

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J. Web メールインターフェイスでの操作

上のように Outlook を使ってメールボックスやカレンダーにアクセスしたり、共有の設定を行ったりでき

ますが、これと同じ作業を Web メールインターフェイスでも行えます。また、Web メールインターフェイス

のスキンとしては 14 ヶ国語の言語に対応したものが用意されており、いずれもカスタマイズ可能です。

こうしたスキンを使うことで、Outlook や Entourage などの主要メッセージングアプリケーションと同じよう

なインターフェイスを作成することもできます。以下、Web メールインターフェイスで可能な作業(電子メ

ールの作成など)について説明します。

1) 電子メール

• 電子メールの作成、送受信。

• 統合多言語対応スペルチェッカーによるチェック・校正。

2) カレンダリングとグループスケジューリング

• 会議、イベント、アポのスケジュール作成。

• 出席依頼、依頼に対する返事の受け取り、返答。

• アポの再スケジュール、変更。

• ユーザーのフリー/ビジー情報、メールボックスの共有。

• 会社の連絡先名簿とパーソナル(個人用)アドレスブックへのアクセス。

ことができます(個人のコンタクト

フォルダのほか、共有コンタクトフォルダもいっしょに表示されます)。

• フォルダ、コンタクト、タスクの共有。

セルフサービスとコールコントロールの管理

セージの定義。

クセス。

• メールボックスからのボイスメール(留守録)の取り出し。

で Outlook 風のインターフェイスを使用できます。また、グループウェア機能もフルに使用できま

す。

3) アドレスブックとコンタクトの管理

Web メールインターフェイスのアドレスブックは、Outlook のアドレスブックと同じような「統合ビュー」形

式のアドレスブックに改良されました。この新しいアドレスブックでは、従来の ACAP アドレスブックのデ

ータを取り出し(ディレクトリ処理も可能)、コンタクトフォルダに取り込む

4) コラボレーション

5)

• フィルタリングルールと休暇メッ

• パスワードの変更(紛失時)。

• コールコントロールの管理、パーソナルコールログへのア

6) 新スキン

CommuniGate Pro バージョン 4.3 で初めて、CommuniGate Systems 社に設計による 初の Web メー

ルスキン(3 種類)が搭載されました。こうしたスキンを利用することで、ユーザーは WebUser インターフ

ェイス

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K. Web メール

CommuniGate Pro に用意されている Web メールインターフェイスは、セットアップも操作も極めて簡単

です。 近、ほとんどのユーザーは Web ブラウザに慣れており、Web メールインターフェイスも Web ブ

ラウザ上で動作するため、電子メールの取り出しといった操作には何の問題もありません。電子メール

のほか、カレンダーや共有フォルダにアクセスすることもできます。

Web メールインターフェイスは多くの主要ブラウザに対応しています。インターネットエクスプローラ™、

Mozilla Firefox™、Apple Safari™のほか、テキストオンリ Web ブラウザである Lynx™もサポートされてい

ます。

CommuniGate Pro の Web メールインターフェイスには、デフォルトでは次のいずれかの URL を使って

アクセスできます(mail.example.com は例です)。

https://mail.example.com:9100

http://mail.example.com:8100

ほとんどのサイトでは、Web メールインターフェイスのサーバー上のインストール先は次の通りです(標

準の HTTP/HTTPS ポートの場合)。

https://mail.example.com

http://mail.example.com

下図は、ユーザーが Microsoft インターネットエクスプローラを使って CommuniGate Pro にログインし、

その後、INBOX(受信ボックス)を開いたときのスクリーンショットです。

CommuniGate Pro には、いくつもの種類の「Web メールスキン」が用意されていま

す。上図は、その一つ。

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また、ユーザーはログイン後、左側のメールボックスリストの[Calendar(カレンダー)]リンクをクリックする

ことでカレンダーを見ることができます。カレンダーには、フリー/ビジー情報が表示されます。

CommuniGate Pro の Web メールインターフェイスでは、自分のカレンダーや共有カ

レンダーを表示できます。

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カレンダーでは、カレンダーイベントの内容(作成者や優先度など)を表示できます。また、新規のイベ

ントを作成したり、別のユーザーへの会議の案内に使用することもできます。

Web メールインターフェイスでのカレンダーイベントの作成と変更。カレンダーイベン

トは、他のコラボレーションアプリケーション(Microsoft Exchange や Lotus Notes)

でも見ることができます。

L. S/MIME

ここでは、CommuniGate Pro で S/MIME 証明書を使用する方法について簡単に説明します。

1) ドメインの SSL 証明書と S/MIME 証明書の作成

まず、ドメイン(単一または複数)の「証明書」(SSL証明書またはS/MIME証明書)を作成します。作

成したドメインの証明書は、そのドメインのユーザーが使用できます。作成は、管理者が行います。

WebAdminインターフェイスでの操作は、Users-> ドメインを選択->Security です。この場合、安全

を考慮し、証明書としてはできるだけ署名済み証明書を使用します。ここで署名済み証明書とは、

証明書機関(認証局、CA)の署名がある証明書をいいます。この証明書の[Common Name:]フィ

ールドの値は、ドメイン(SSL証明書やS/MIME証明書が使用されるドメイン)にします(この例で

は、example.com)。または、認証局の証明書の代わりに、CommuniGate Pro上で証明書

(CommuniGate Proの証明書=自己署名証明書)を作成することもできます。この証明書を作成す

る場合、[Generate Self-Signed]オプションを使用します。なお、証明書を使用する場合、そのドメ

インのPKI サービスが有効になっていなければなりません。無効の場合、証明書は作成できませ

ん。

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CommuniGate Pro の WebAdmin インターフェイスでドメインの SSL 証明書または

S/MIME 証明書(もしくは両方)を作成。上は、SSL 証明書。

2) ユーザーの S/MIME 証明書の作成

上記の手順でドメインの証明書が作成できれば、Web メールインターフェイスでユーザーの証明

書を作成します。この作業は、管理者がユーザーの代わりに行ってもいいですし、ユーザー自身

が行うこともできます。

o Web ブラウザを開き、Web メールインターフェイスにログインします。ログイン URL は、

たとえば次の通りです。

https://mail.example.com

o スキンは、"Basic"(***)を使用します。Web メールスキンの中には、証明書作成の機

能がないものもあります(ただし、作成機能は多くのスキンで用意されています)。

o Web メールインターフェイスにログイン後、Settings->"Secure Mail を選択します。

o この機能(オプション)を初めて使用する場合、作成する証明書は S/MIME 証明書(キ

ーと証明書)でなければなりません。作成するには、セキュアパスワード( 大で 256

文字まで)を入力します。このパスワードは、語句でも文でも、また意味があってもなく

てもかまいませんが、他人には分からないものを使用します。あまり短いのは安全では

ありません。また、!、$、%、^などの特殊記号を使うのも有効です。

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o パスワードを入力したら、[Generate Key and Certificate]ボタンをクリックします。

Web メールインターフェイスでのユーザーの S/MIME 証明書(キーと証明書)の作

成。

o または、S/MIME 証明書を作成する代わりに、[Import]ボタンを使って証明書をインポ

ートすることもできます。

o 以上のようにしてユーザー(自分)の S/MIME 証明書が作成できれば、Web メールイ

ンターフェイスで使用できます。また、作成したユーザーの S/MIME 証明書は、Web メ

ール以外の電子メールクライアントにエクスポートすることもできます(後述)。

a) Web メールインターフェイス(WebUser インターフェイス)での S/MIME 証明書の使用

方法

o Web メールインターフェイスにログインし、[Secure Mail]のページに移動します

(Settings-> Secure Mail を選択します)。

o このページでは、INBOX(または、それ以外のメールボックス/フォルダ)の中のメッセ

ージを「暗号化(Encrypt)」するオプションが見えるはずです。

o また、新規のメッセージを作成する(メッセージ作成ページに移動した)場合、メッセー

ジを Encrypted(暗号化)または Signed(署名を付加)するためのオプションが表示され

ます。以下、この 2 つのオプションについて簡単に説明します。

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Encrypted: メッセージのボディが「かき混ぜられ」、内容が分からなくなります。

復号化するには、パスワードまたはキー(もしくは両方)が必要です。

Signed: メッセージにデジタル署名(暗号表現)が付加されます。このデジタル

署名は、メッセージのボディとパスワード/キーを使って作成されたものです。

o メッセージに署名を付加するという方法([Signed]オプション)には、自分の「公開鍵」ま

たは「公開証明書」を他のユーザーと共有できるというメリットがあります。つまり、公開

証明書はメールの差出人を示す「唯一」の表現であり、したがって受取人は差出人を

信頼できることになります。また、その公開証明書を使って安全にメッセージを復号化

することが可能になります。

b) キーと証明書(ユーザーの S/MIME 証明書)のエクスポート

メッセージユーザエージェント(MUAの略、クライアントともいいます)としては、一般にMicrosoft

OutlookやMozilla Thunderbirdなどがよく使われています。上のようにしてWebメールインター

フェイスで作成したユーザーのS/MIME証明書(キーと証明書)は、こうしたクライアントにインポ

ートすることができます。インポートするには、まず、ユーザーのS/MIME証明書をエクスポート

します。なお、この作業は、認証局が発行した「署名付き証明書」を使用するのが簡単です。ド

メインの証明書(CommuniGate Proの証明書)でも可能ですが、操作が複雑になります(次のセ

クション説明を参照)。以下、ユーザーのS/MIME証明書をOutlookなどにインポートする手順

を説明します。まず、エクスポートを行います。

Web メールインターフェイスで、次のページに移動します。

Settings->Secure Mail

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ページのフィールドにセキュアメールパスワード(ユーザーのS/MIME証明書を作成するときに

使用したパスワード)を入力すると、[Export Key and Certificate]オプションが表示されます。

このオプションを選択すると、[Export Key and Certificate]ページが開きます。このページで

キーと証明書をファイルにエクスポートできます。なお、キーと証明書も通常、それ自体を暗号

化するのが安全です。そのため、[File Password]フィールドにパスワード(ファイルパスワード)

を入力します。このパスワードは、ユーザーのS/MIME証明書を作成したときに使用したパスワ

ードと同じものを入力します。また、確認のため[Verify File Password]フィールドにもう一度、

同じパスワードを入力します。その後、[Export]ボタンをクリックします。

Web メールインターフェイスでユーザーの S/MIME 証明書(キーと証明書)をエクス

ポート。

[Export]ボタンのクリック後、ファイルに名前を付けるように求められますので、ファイル名を指

定します。また、ファイルは、安全な場所に保存します(このファイルをOutlookなどにインポート

します。後述を参照)。

c) (もう一つの方法)ドメイン/サイトの証明書をブラウザとメールク

ライアントにインポート

証明書機関(認証局)の S/MIME 証明書(署名済み証明書)がない(または使用しない)場合、

ユーザーの S/MIME 証明書(上記)の代わりに、ドメイン/サイトの証明書をクライアントにイン

ポートすることもできます。ただし、この方法では、ブラウザにドメイン/サイトの証明書をインポ

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ートし、さらに「信頼レベル(Trust Level)」を設定するという作業が必要になります。以下、

Mozilla の場合のインポートの手順を説明します。

o ブラウザ(Mozilla Firefox)を使って、CommuniGate Pro の Web メールインターフェイ

ス(WebUser インターフェイス、HTTPU)を開きます。

入力する URL の例:

https://mail.example.com

o [Security Certificate(セキュリティ証明書)]を右クリックし、[Save Link As...]を選択し

ます。Certificate.cer ファイルを適当な場所にダウンロード(保存)します。

o クライアントアプリケーション(Mozilla Firefox/Thunderbird)で、次のように選択します。

Options->Privacy または Advanced->"View Certificates"->Web Sites

[Import]を選択します。続いて、Certificate.cer ファイル(上でダウンロードしたファイル)を選

択します(インポートを実行します)。

ドメインの証明書が、ユーザーが作成する S/MIME 証明書の「発行者」である場合、上の操作

を[Authorities]タブで行うこともできます。このタブは、次のように選択して開けます。

Options->Privacy または Advanced->"View Certificates"->Authorities

注意:上記の設定については、詳しくは、CommuniGate Proガイドを参照してください(下記の

Webサイト)。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/PKI.html#SMIME

CommuniGate Pro サーバーには証明書サーバーの機能があり、そのためユーザーが

使用する証明書を発行できます。

次の条件がすべて満たされる場合、CommuniGate Pro のドメインは、そのドメインの全

アカウントに対して証明書機関として機能します。

* ドメインの PKI 機能が有効になっている。

* ドメインに、有効なプライベートキーがある。

* ドメインに、有効な汎用証明書または特殊 S/MIME 証明書がある。

ドメインの特殊 S/MIME 証明書は、WebAdmin インターフェイスを使って設定(作成)

できます。作成する場合、WebAdmin インターフェイスで、[Domain Settings]ページを

開きます。続いて、[Security ]ページを開き、[S/MIME]リンクをクリックします。ドメイ

ンに有効なプライベートキーがあれば、ドメインの汎用証明書のページと似たページが

開きます。ページの各フィールドに値を入力し、ドメインの特殊 S/MIME 証明書を作成

します。そのドメインのユーザーはいずれも、このドメインの特殊 S/MIME 証明書を使

って自分の S/MIME 証明書を作成できます。その場合、ドメインの特殊 S/MIME 証明

書は、ユーザーの S/MIME 証明書の「発行者(認証局)」として機能します。

なお、ドメインの特殊 S/MIME 証明書がない場合、ドメインの汎用証明書が「発行者」

として使用されます。

o 上記のようにしてドメインの証明書(Certificate.cer ファイル)のインポートが完了すれ

ば、その証明書の「信頼レベル」を設定します。設定するには、ドメインの証明書をハイ

ライトした後、[Edit]を選択します。続いて、次のオプションを選択します。

[×] Trust the authenticity of this Certificate.

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o また、[Edit CA Trust]オプションを選択し、次のオプションがすべて選択されているこ

とを確認します。これで、この証明書の信頼レベルは 高になります。

[×] This certificate can identify web sites.

[×] This certificate can identify mail users.

[×] This certificate can identify software makers.

o 以上の作業が完了したら、次の手順でキー/証明書を別のアプリケーション(Outlook、

Thunderbird)にインポートします。

i. Microsoft Outlook

ドメインの証明書をOutlookにインポートする場合、ツール->オプション->セキュリティ->インポ

ート/エクスポート... を選択します。その後、次の各フィールドにファイル名などを入力しま

す。

[×] 既存のデジタル ID のインポート

インポートするファイル: [参照]

パスワード:

デジタル ID 名:

3 つのフィールドには、正確に値を入力します。設定が終われば、Outlook で署名付き/暗号

化メールを送信できるようになります。具体的には、新規のメッセージを作成する際、[オプショ

ン]ボタンをクリックし、開いたダイアログボックスの[セキュリティ設定]ボタンをクリックします。こ

れでセキュア設定のダイアログボックスが開きますので、必要に応じてメッセージを暗号化した

り、署名を追加したりします。なお、メッセージを暗号化して送信する場合、あらかじめ「パブリッ

クキー(公開鍵)」を入手しておかなければなりません。一般に、まず署名を追加してメールを送

信してみるのがいいようです。問題がなければ、次に暗号化をしてみます。

ii. Mozilla Thunderbird

ドメインの証明書をThunderbirdにインポートする場合、Tools->Account Settings->(アカウント

を選択)->Securityを選択します。続いて、キーを「選択」します。このキーは、デジタル署名と

暗号化の両方に使用されます。

以後、Thunderbird でメールを送信する場合、[S/MIME]ボタン([Compose ]ページの上部に

あります)を使って署名の追加やメッセージの暗号化が可能です。Thunderbird の証明書につ

いては、次のサイトに説明があります。

http://kb.mozillazine.org/CA_certificate

M. ネットワークのアーキテクチャとポート

CommuniGate Pro では多種類のコミュニケーションメソッドが使用され、各メソッドにそれぞれアクセス

ポートがあります。そのため、CommuniGate Pro をネットワーク環境にインストールするときには、こうい

ったポートについてよく理解しておくことが必要です。また、ダイナミッククラスタまたは SIP ファームを使

用する場合、どのポートが「クラスタワイド」で使用されるかも理解しておかなければなりません。

以下、CommuniGate Pro の設定を行う場合、重要なポートについて説明します。

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1) インバウンドポート(リスナー/サービス)

ファイアウォールを使用することで、ポート制限とパケットインスペクション(パケットフィルタリング)

が可能です。ただし、この処理によりパケットが改変された場合、プロトコルアクセス処理に影響が

及んだり処理が不可能になったりすることがあります。そのため、パケットが REJECTED(拒否)、

DISCARDED(廃棄)、MODIFIED(改変)されているようであれば、ファイアウォールの「プロキシ」

サービスを停止し、必ず CommuniGate Pro の管理者に連絡し対処を依頼しください。パケットの

改変や廃棄が継続した場合、重大な問題が発生し、CommuniGate Pro のアクセスメソッドが正常

に機能しなくなるおそれがあります。

CommuniGate Pro は、基本的には DMZ の「NAT メソッド」に対応しています。ただし、

CommuniGate Pro のダイナミッククラスタでは、「パブリックポート」をすべて「プライベートポート」に

正確にマップしなければなりません。また、"port re-mapping with NAT(NAT でのポート再マッ

プ)"はほとんどの場合、機能しません。そのため、スタンダードベースの電子メール/VoIP サービ

スを正常に動作させたいときには、標準の定義済みポートを使用することが必要です。結論をいう

と、DMZ の NAT メソッドの場合、ポート再マップではなく IP 再マップが有効であり、したがって IP

再マップを使用するようにします。下は、インバウンドデスティネーション(宛先)ポート番号とサービ

スの対応表です。

インバウンド宛先ポート番号 サービス[IP プロトコル]

21 FTP [TCP]

25 SMTP [TCP]

53

DNS [UDP、TCP](DNS サーバーのみ)

69 TFTP [UDP](通常、"Untrusted"には不可)

80 HTTP [TCP](Web メール)

110 POP [TCP]

143 IMAP [TCP]

387

LDAP [TCP](通常、"Untrusted"には不可)

443 HTTPS [TCP]

465 SMTP SSL [TCP](Microsoft のみ)

587 SMTP MSP [TCP]

636 LDAPS [TCP]

674 ACAP [TCP](通常、"Untrusted"には不可)

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993 IMAPS [TCP]

995 POP3S [TCP]

5060 SIP [UDP、TCP]

5061 SIPS [TCP]

5222 XMPP [TCP](Jabber)

5223 XMPP SSL [TCP](Jabber の旧スタイル

XMPP 暗号化)

8010 WebAdmin インターフェイス [TCP]

8021 FTP [TCP]

8100 WebUser インターフェイス [TCP](Web メー

ルデフォルト)

9010 WebAdmin インターフェイス暗号化 [TCP]

9100 WebUser インターフェイス暗号化[TCP]

(Web メールデフォルト)

11024 XIMSS [TCP]

11025 XIMSS SSL [TCP]

60000-60099 RTP [UDP]

2) アウトバウンドポート

インバウンドポートとは異なり、アウトバウンドポート(ソースポート)には制限はありません。MUA(メ

ールユーザエージェント)とSIP UA(ユーザエージェント)ではいずれも、ソースポートとして任意の

ポートの使用が可能です。つまり、クラスタからの送信パケットは、任意のポートから任意のポート

に送信されても問題はありません。また、送信トラフィック(パケット)にすべて、ファイアウォールの

"Keep State(状態を維持)"機能が使用されるようにしておくことで(または、そうなっている場合)、

応答パケットは「安全」に戻ってきます。

3) クラスタ内部のポート

CommuniGate Proのダイナミッククラスタの場合、下記のポート(デフォルト)が使用されます。右側

は、各ポートに対応するサービス([ ]内はIPプロトコル)です。重要: クラスタのクラスタノード(メン

バー)間のネットワークはできるだけシンプルにしておいてください。たとえば、クラスタノードとクラ

スタノードとの間には、できるだけVIPやファイアウォールを設置しないようにします。VIPやファイア

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ウォールがある場合、ネットワーク障害が発生するおそれがあるためです。障害が 1 秒未満のとき

でも、TCP接続(ポート 106)が落ちた場合、クラスタノードがクラスタから分離されることがあります。

クラスタ内部のポート番号 サービス [IP プロトコル]

21 FTP [TCP]

25 SMTP [TCP]

69 TFTP [UDP]

80 HTTP [TCP]

106 CGP CLI/API [TCP]

110 POP [TCP]

143 IMAP [TCP]

387 LDAP [TCP]

674 ACAP [TCP]

5060 SIP [UDP,TCP]

5222 XMPP [TCP]

8010 HTTP [TCP]

8021 FTP [TCP]

8100 HTTP [TCP]

9010 HTTPS [TCP]

9100 HTTPS [TCP]

11024 XIMSS [TCP]

N. XIMSS による開発

CommuniGate Pro サーバーには XIMSS プロトコル(メッセージング/スケジューリング/シグナリング

制御用 XML インターフェイス)が搭載されています。この XIMSS プロトコルでは、標準化・公開されて

いる XML インターフェイスを介して、CommuniGate Pro の全モジュール(たとえば、電子メール、カレン

ダリング、シグナリング、インスタントメッセージング、プレゼンスの各モジュール)にアクセスが可能です。

つまり XIMSS プロトコルにより、CommuniGate Pro のコミュニケーションメソッドがすべて XML に「開

放」されたことになり、その結果、高機能の XML アプリケーション/クライアントの開発を迅速に行えま

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す。Web アプリケーションデベロッパは、一般の XML 開発ルールを使って XML アプリケーション/ク

ライアントを開発できます。

また、XIMSS では、サーバーサイドのイベント/アクセスメソッドが使用されますので、TCP 接続または

TCP-SSL 接続を介して数万というアカウントを効率よく処理できます。言い換えると、軽いプロトコルで

高度のスケーラビリティが実現されます。

XML(API)クライアントからは、CommuniGate Pro サーバーの XML モジュールに対してクリアテキスト

またはセキュア TCP 接続を開きます。接続の確立後、XML クライアントと CommuniGate Pro サーバー

(の XML モジュール)との間でメッセージの送受信が可能になります。メッセージはいずれもテキスト文

字列で、バイナリゼロバイトで終わります。また、メッセージのフォーマットは XML ドキュメントでなけれ

ばなりません。

XIMSS API について、下記のサイトに説明があります。API はオープンで、サードパーティによる開発

が可能です。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/XMLAPI.html

たとえば、XIMSS では音声の制御が可能です(以下に例を示します)。XIMSS の場合、SIP や XMPP と

いった XIMSS の基礎となっているプロトコル(複雑です)に関する知識は必要ないため、デベロッパは

容易にアプリケーションを作成し、動作させることができます。たとえば、アプリケーションでシグナルバ

インド(signalBind)処理を使ってメディアを交換したい場合、アプリケーションからクライアントプラットフ

ォーム(Windows または Mac)上のオーディオリソースにアクセスします。

下に例を示します。CommuniGate Pro の Web メールには、クリックツーコール機能があります。ユーザ

ーがコンタクト(連絡先)をクリックすると、サーバーによって、そのユーザーの SIP アドレスにコールが実

行され、その後、コンタクトにコールが発信されます。この処理は、非常に簡単なアプリケーションで実

行できます。アプリケーションはエンドユーザーユーティリティ(クリックツーコールユーティリティ)で、わ

ずかな時間で作成できます。このユーティリティを使うことで、ユーザーは Web メールを起動しなくても

クリックツーコール機能を使用できます。

ユーティリティ(アプリケーション)は、Flash、AJAX、j2me、widget などの開発環境で作成できます。作

成したアプリケーションは、netcat(nc)や curl、telnet、perl の tcp セッションマネージャスクリプトでテス

トできます。telnet の場合、XIMSS のポート(11024)、またはテスト用 CommuniGate Pro の HTTP ポー

ト(8010 または 80)を使って XML メッセージのテストが可能です。また、SSL や SASL も可能です(下の

例では使用していません)。直接接続でテストする、NULL 文字の入力が必要です(英語キーボードで

は、Control-@ または Control-Shift-2)。

まず、サーバーにログインします。この例では、ログイン名(認証データ)として“[email protected]

を使用します。また、パスワードも指定して、ログイン XML メッセージをサーバーに送信します。

<login id="x001" authData="[email protected]" password="mypassword"/>

プログラム(アプリケーション)では、メッセージの 後に NULL 文字(ASCII の 0)を送信します。これで

メッセージが完了し、サーバーから応答が返ります。

<session urlID="6-SESSIONYl02MWIhIwPsb" userName="user@domain"/ >

<response id="x001" />

ログイン後、アプリケーションではセッション URL ID を再利用でき、この ID を使って、メッセージングや

シグナリング、スケジューリングに関する処理をユーザーに提供できます。この簡単な例(クリックツーコ

ール)では、入力は一つ(電話番号または SIP アドレス)です。つまり、このアプリケーションでは、ログイ

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ンの成功後にインターフェイスを変え、入力フィールドとボタンコントロール(ボタン上に'Call'という文字

を表示)を表示しています。j2me アプリケーション(モバイルフォン向け)の場合、携帯電話の SIM 情報

を使ってオートログインが実行され、また、できれば PIN 番号だけを使ってサーバーへのアクセスが確

認されるようにすると、親切なユーザーインターフェイスになります。

ここでは、ユーザーが電話番号(入力)として[+52 (55) 5350 4672]を指定するとします。アプリケーショ

ンでは、この電話番号を SIP URL 形式に変換し(サーバーでの処理のため)、 終的に、その番号に

コールを実行します。まず、サーバーに対して、サーバーからユーザーのアカウントにコールを実行す

るように指示します。

<callStart id="x001" callLeg="4444" peer="user@domain;services=no">

<sdp ip="[IP_OF_CGP]" origUser="-" sessionID="7777777" sessionVersion="9999"

originIP="[IP_OF_CGP]">

<media media="audio" ip="[IP_OF_CGP]:16398" protocol="RTP/AVP"

direction="sendrecv">

<codec id="0" name="PCMU/8000" />

<codec id="4" name="G723/8000" />

<codec id="8" name="PCMA/8000" />

<codec id="101" name="telephone-event/8000" format="0-15"/>

</media>

</sdp>

</callStart>

アプリケーションで NULL 文字を送ります。これで、サーバーから下記の応答が返ります。

<response id="x001" />

<callConnected callLeg="4444">

<sdp ip="[IP_OF_CGP]" origIP="[IP_OF_SOFTPHONE]" origUser="-"

sessionID="10837624" sessionVersion="10837666" subject="eyeBeam">

<media direction="sendrecv" ip="[IP_OF_SOFTPHONE]: 9242" media="audio"

protocol="RTP/AVP">

<codec id="0" name="PCMU/ 8000" /><codec id="8" name="PCMA/8000" />

<codec format="0-15" id="101" name="telephone-event/8000" />

</media>

</sdp>

</callConnected>

サーバーからユーザーに対してコールが実行されます。ここでは、ユーザーは Eyebeam ソフトフォンで

コールを受けます。サーバーからの応答には上記のような情報が格納されており、この情報をアプリケ

ーションで分析し、必要な処理を行えます。つまり、上記の XML API リンクを介して送られてきた XML

メッセージを読み取り、その後の処理が可能です。なお、ユーザーは CommuniGate Pro のプレファレ

ンスを使用し、サーバーからのコールを自分のモバイルフォンに転送できます。この方法は、とくにイン

バウンドモバイルコールが時間(分単位)で課金されない場合に便利です。また、課金される場合でも、

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ソフトフォンや IP フォンを使用しない(ソフトフォンや IP フォンを登録していない)ユーザーにとっては

便利です。 結局、callStart(コール開始)処理では、コールは、ユーザーがサーバー上で設定している

プレファレンスにしたがって処理(転送)されます。

上記のようにしてサーバーからのコールはユーザーに接続されました。その後、ユーザーを[+52 (55)

5350 4672]に接続します。この処理は、callTransfer(コールトランスファー=第三者への切り替え)と既

存のcallLegを使って行います(ピアを変更)。

<callTransfer id="x001" callLeg="4444" peer="011525553504672@domain"/>

NULL 文字をサーバーに送ります。

サーバーから次の応答が返ります。

<response id="x001" />

<callDisconnected callLeg="4444"/>

上の callTransfer の処理では、011 で始まる国際電話番号(米国からの国際電話番号)をサーバーに

送っています。つまり、アプリケーションで、[+52 (55) 5350 4672]の先頭の '+'(国際長距離電話を示

す記号)を'011'に変換し、サーバーに送信しています。なお、'+' のまま送信し、CommuniGate Pro サ

ーバーのルーティングルールで変換することもできます。この変換後の電話番号は、SIP アドレスとして

サーバーに送られた後、ゲートウエイによってコール処理が実行されます。

ここでゲートウエイとは、SIP ルーティング機能が搭載された物理ボックスか、または SIP サービス(SIP

標準をサポートし、コールルーティング処理を実行するサービス)用のアカウントをいいます。このゲート

ウエイによる処理により、ユーザーが宛先番号(+52 (55) 5350 4672)に接続され、また、それまでサー

バーとユーザーとの間の接続に使われていたコールレグが切断されます。アプリケーションでは、下記

のコマンドを使って、ここでセッションを終了することができます。

<bye id="x001" /> //NULL を送信

なお、セッションを終了せずに、カレンダーアイテム(日付と時刻)や終了済みタスク(処理の内容)を電

話記録として追加することもできます(ユーザーの確認用です)。また、XMPP や SIP を介して、サーバ

ーからユーザーにインスタントメッセージを送信し、コールの処理状況を知らせることもできます。さらに、

アプリケーションを改良して、ユーザーやコールトランスファー先に記録済みの音声案内を送るも良い

方法です。たとえば、「現在、接続中です。そのまま電話を切らずにお待ちください」、「電話がつながり

ました」、「電話を接続できませんでした。もう一度、かけ直すときは 1 を、中止するときには 2 を押してく

ださい」などという音声案内を流すことができます。

上の例は、クリックツーコールアプリケーションですが、ポッドキャスティングアプリケーションを作成する

こともできます。このアプリケーションは CG/PL を使って作成でき、必要なときにユーザーにポッドキャ

スティングに関する情報を提供し、その情報をもとにユーザーはオーディオデータを録音できます。ま

た、プログラムで XML を生成し、ポッドキャストに必要な RSS フィードの処理を行い、その RSS フィード

をユーザーのブログにアップロードするといった処理も可能です。

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VI. ライセンス

CommuniGate Pro サーバーのライセンス料金(シングルサーバーとマルチサーバー)については、次

の CommuniGate Systems 社の Web サイトに詳細があります。

http://www.communigate.com/CommuniGatePro/Licensing.html

CommuniGate Pro のダイナミッククラスタは、500 ユーザーからご利用いただけます。ユーザー数がこ

れ以上の場合のライセンスや OEM ライセンス、また、ボイスメールなどのアプリケーションのライセンス

も用意しております。

CommuniGate Systems 社では、インストールや構成・設定、カスタマイズ、データの移行のサポートの

ほか、トレーニング、テクニカルサポートも提供しています。

CommuniGate Systems 社について

CommuniGate Systems 社は 1991 年以来、 高にスケーラブルで多機能かつオープンスタン

ダードをベースにしたインターネットコミュニケーションソリューションの開発を目標に尽力してき

ました。

本社はカリフォルニア州ミルバレーにあり、CommuniGate Pro の導入済みサイトは世界で

10,000 を超えます。顧客は、 大手ブロードバンド/ワイヤレス/有線サービスプロバイダか

ら、エンタープライズ、大学と様々です。エンドユーザーは 1 億 2500 万人を超え、そのうち

4500 万人が音声ユーザーで、いずれもユーザーも CommuniGate Pro の音声/データコミュニ

ケーション機能に信頼を置いています。

現在、CommuniGate Systems 社では、ユニークで実績もあるダイナミッククラスタテクノロジーを

ベースとした CommuniGate Pro サーバー、また関連アプリケーションを各種提供しています。こ

うしたアプリケーションを使用することで、成熟度の高い電子メールメッセージングやコラボレー

ション、さらに 近の技術である VoIP 処理が可能です。CommuniGate Pro は、電子メール、

VoIP、IP/ホステド PBX、メッセージング、コラボレーション、セッションボーダーコントロールす

べてに対応した真の統合・クラスタ化ソリューションで、その性能はもちろんキャリアクラスです。

OEM パートナーも世界中に広がっています。

CommuniGate Pro に対する顧客満足度は業界で 高であり、その受賞実績は、IP コミュニケ

ーションプラットフォーム製品の中で 多です。CommuniGate Pro は、性能、スケーラビリティと

もに優れ、そのアーキテクチャの完成度は実証済みであり、同種製品の中で並ぶものはありま

せん。また、オープンな開発環境でシンプルな API を使用し、システムを拡張できます。さらに、

ユニークなクラスタリングテクノロジーにより、極めて厳しい稼働条件が求められるアプリケーショ

ン環境で 99.999%というアップタイムを実現しています。

CommuniGate Systems 社のパートナーネットワークは世界に広がっており、そのメンバーは 175

社を超えます。CommuniGate Pro のトライアルバージョンは無償でダウンロードできますので、

お試しください。CommuniGate Systems 社のグローバルイニシアティブにパートナーとして参加

し、いっしょに「SIP 化」を推進しませんか。SIP 化により、約 20 億人の電子メールユーザーが各

種の IP コミュニケーションをすべて単一のアドレスで利用できるようになります。

CommuniGate Systems社、その製品やサービスについては、詳しくは電話(800) 262-4722 また

は(415) 383-7164/ファックス(415) 383-7461 まで、または電子メール[email protected]

にてお問い合わせください。CommuniGate Systems社のWebサイトは、http://

www.communigate.comです。