BTMmanual).pdf · 2019-12-11 ·...

54
2019 12 10 BTM ベースパック耐力判定システム Basepack Tairyoku hantei Method 取扱説明書

Transcript of BTMmanual).pdf · 2019-12-11 ·...

Page 1: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

2019年12月10日

BTM ベースパック耐力判定システム

Basepack Tairyoku hantei Method

取扱説明書

Page 2: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

ご使用前に必ずお読みください

本ソフト(以下、BTM)をご利用の方は、以下の事項に同意したものとみなします。また、本記載事項は事前予

告なしに変更される場合があります。

1. 免責

BTMを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

負いかねます。

2. 目的・用途

BTMは、岡部(株)・旭化成建材(株)が作成したベースパックを用いた柱脚の検討結果を耐力曲線図中に表示す

ることを目的としたソフトです。柱から生じる柱脚応力や、ブレースから生じる柱脚応力を入力すると、柱脚検討用

応力(柱脚応力)を自動計算し、柱脚の検討フロー(*1)に従い、許容応力度等の計算や保有耐力接合の判定等を行

います。画面上で柱脚検討用応力(柱脚応力)が耐力曲線とともに表示され、判定結果と合わせて印刷できます。

また、下記の一貫構造ソフト(*2)から出力される柱脚データファイルを読み込み、BTM上での応力の入力作業を省

略する機能があります。柱脚データファイルには当該物件に使用されているベースパックの型式に対応した検討に必

要な応力等が記録されています。柱脚データファイルを出力し、本機能をご活用されることをお勧めします。

なお、「BTM8」以前のバージョンで作成したデータはBTMで読み込む事は出来ません。

拡張子がbpx7、bpx8を読み込む場合は「BTM8」、拡張子がbpxを読み込む場合は「BTM-X」をご使用ください。

また、CF3シリーズの検討に際しては、お問い合わせ下さい。

3. 使用可能環境

BTMは Windows 10 / 7 で動作確認を行っております。(*3)動作環境は、画面解像度1024×768以上、DPI設

定「通常のサイズ(96 DPI)」、OSのフォントサイズは「小さいフォント」となっております。フォントサイズの変更

は、「コントロールパネル」→「画面」→「ディスプレイの設定」で変更できます。

4. 優先事項

BTM 中の柱脚仕様・耐力曲線等の内容はベースパック柱脚工法設計ハンドブックに準じており、表示内容および

記載内容が異なる場合は設計ハンドブックを優先します。

5. BTMの取り扱いについて

BTMに関するすべての権利は岡部(株)・旭化成建材(株)に帰属します。ご利用される方々での複製・改ざん・

販売・譲渡・頒布の一切を禁止します。

6. その他の注意点

使用環境によってはBTMまたはパソコンあるいは他のアプリケーションソフト等が正常に動作しないことがあり

ます。

7. ベースパックの仕様およびBTMは予告なく変更することがあります。

Page 3: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

8. お問い合わせ

BTMに関するご意見、ご感想および不具合等がございましたら、下記までご連絡下さいますようお願い致します。

岡部株式会社 Tel:03-3624-5336

旭化成建材株式会社 Tel:03-3296-3515

*1:2015年版 建築物の構造関係技術基準解説書

監修 国土交通省住宅局建築指導課他

露出柱脚を使った建築物の計算ルート別の設計フロー参照。

*2:ユニオンシステム(株) 「Super Build / SS3 /SS7」、(株)構造ソフト 「BUILD.一貫Ⅴ」、

(株)構造システム 「BUS-5 / BUS-6」、(株)NTTファシリティーズ総合研究所 「SEIN La CREA」、

(株)アークデータ研究所 「ASCAL」

*3:WindowsはMicrosoft社の商標です。

以上

Page 4: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

目次

1 . 前提条件

2 . 基本操作説明

2.1 . メニューバー

2.2 . 設計条件

2.3 . 柱材の選択

2.4 . ベースパックの選択

2.5 . 柱型コンクリートの Fc の選択

2.6 . 柱脚応力入力

2.7 . ブレースを偏心させて取り付ける場合

2.8 . 柱脚耐力の判定

2.9 . 保有耐力接合の判定

2.10. 耐力曲線の表示

3 . 入力例(操作説明)

3.1 . 一貫構造ソフトから出力される柱脚データの取込

3.2 . ブレース偏心距離の入力

3.3 . 埋込みによるせん断耐力 conQa の検討

3.4 . 基礎梁等考慮

3.5 . 検討結果を確認する

3.6 . 検討結果を印刷する

4 . その他の機能

4.1 . 耐力曲線データ(.csv)の出力

付録 1. 計算例~各種割増し後の柱脚検討用応力について~

付録 2. 保有耐力接合の判定の出現条件一覧

付録 3. 一貫構造ソフト各社、柱脚データファイルの作成手順

付録 4. ベースパックの CFT 柱への対応について

・・・ P1

・・・ P3

・・・ P5

・・・ P6

・・・ P8

・・・ P9

・・・ P9

・・・ P10

・・・ P11

・・・ P13

・・・ P14

・・・ P16

・・・ P20

・・・ P22

・・・ P27

・・・ P32

・・・ P33

・・・ P35

・・・ P36

・・・ P40

・・・ P42

・・・ P49

Page 5: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

1

1 .前提条件

1.1 対象評定

BCJ評定-ST0093-17、BCJ評定-ST0054-10に基づく耐力判定を行います。

1.2 検討方法

① 耐力判定は、すべて柱脚検討用応力と柱脚耐力の比較により行います。

② 一度に設定できる設計ルートが1種類となっております。X方向、Y方向で設計ルートが異なる場合は、

それぞれ設計ルート毎に検討を行ってください。

1.3 ブレースの接合条件に応じた各種応力割増

① ブレースが平面方向に偏心して接合する場合は、入力された偏心量eに応じたブレース平面偏心割増係数*4

がブレースから柱脚に作用する軸力Nとせん断力Qに乗算されます。

② ブレースが鉛直方向に偏心して接合する場合は、入力された偏心距離 h にブレースから柱脚に作用する

せん断力Qを乗算した付加モーメントが柱から柱脚に作用する曲げモーメントMに加算されます。

③ 柱脚の両側にブレースが接合する場合は両側ブレース割増係数*4 がせん断力Qに乗算されます。

1.4 加力方向と直交するブレースの取扱い

① 「常時」と「積雪」荷重時の軸力Nにおいては、加力方向と直交するブレースから柱脚に作用する軸力を、

柱脚検討用応力に加算しています。

② 水平荷重時においては、加力方向と直交するブレースから柱脚に作用する応力は柱脚検討用応力に加算して

いません。

1.5 柱材の全塑性曲げモーメント(cMp)算出時の柱軸力

BTMで柱材の全塑性曲げモーメントcMpを算出する際の柱軸力には、ブレースから柱脚に作用する軸力Nを

加算しません。ただし、ブレースが鉛直方向に偏心して接合する場合には、cMpを算出する際の柱軸力に

ブレースから柱脚に作用する軸力Nを加算します。なお、一貫構造ソフトから出力される柱脚データファイル

を用いて検討を行う場合は、それぞれの一貫構造ソフトにおける柱脚耐力計算仕様に準じています。

(次ページ「1.7 一貫構造ソフト各社からの柱脚データファイルについて」をご参照ください。)

1.6 柱脚耐力

柱脚曲げ耐力 :柱脚曲げ耐力の値です。

柱脚せん断耐力:初期値をアンカーボルトによるせん断耐力とベースプレート下面とコンリートとの摩擦によ

るせん断耐力のうち大きい方の値としています。

・長期柱脚せん断耐力は、アンカーボルトによる長期せん断耐力としています。

・終局時のアンカーボルトによるせん断耐力は、側方破壊終局耐力 sQu*4 を考慮してい

ます。

1.7 柱脚検討用応力

柱から柱脚に生じる応力とブレースから柱脚に生じる応力の和です。

ブレースから生じる応力にはブレースの取り付け条件により応力が割増しされます*4。

*4 ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 6: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

2

1.8 一貫構造ソフト各社からの柱脚データファイルについて

一貫構造ソフト各社によって出力される方法が異なりますので以下を参考にしてください。

ユニオンシステム(株)(Super Build/SS3/SS7)

① cMp 算出時の柱軸力Nはブレースから柱脚に作用する軸力Nを加算した値となっています。

② 設計ルート2 において地震力による柱脚応力は、ブレースの水平力負担率β*5 によって割増された

値となっています。

(株) 構造ソフト(BUILD. 一貫Ⅴ)

① cMp 算出時の柱軸力N はブレースから柱脚に作用する軸力Nを加算しない値となっています。

② 設計ルート2 において地震力による柱脚応力は、ブレースの水平力負担率β*5 によって割増されて

いない値となっています。

(株) 構造システム(BUS-5/BUS-6)

① cMp 算出時の柱軸力N はブレースから柱脚に作用する軸力Nを加算しない値となっています。

② 設計ルート2 において地震力による柱脚応力は、ブレースの水平力負担率β*5 によって割増されて

いない値となっています。

(株) NTTファシリティーズ総合研究所(SEIN La CREA)

① cMp 算出時の柱軸力N はブレースから柱脚に作用する軸力N を加算しない値となっています。

② 設計ルート2 において地震力による柱脚応力は、ブレースの水平力負担率β*5 によって割増されて

いない値となっています。

(株) アークデータ研究所(ASCAL)

① cMp 算出時の柱軸力N はブレースから柱脚に作用する軸力N を加算しない値となっています。

② 設計ルート2 において地震力による柱脚応力は、ブレースの水平力負担率β*5 によって割増されて

いない値となっています。

*5 ブレースの水平負担割合βは、建設省告示第1791 号第2 「鉄骨造の建物物等に関する基準」による

Page 7: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

3

2 .基本操作説明

2.1 メニューバー

■ ファイル

・新規作成 : すべてのデータ消去して初めの状態に戻します。

・開く : .bpx9 ファイルを開きます。

・名前をつけて保存 : 新規に保存します。

・上書き保存 : 開いたファイルに上書きで保存します。

・印刷設定 : 印刷の設定を行います。(下図参照)

・ページ設定 : 用紙・印刷の向き・余白を調整します。

・一括印刷 : すべての柱を印刷します。(複数柱があるときに表示)

・表示中の柱を印刷 : 選択している柱1柱を印刷します。(P33参照)

・終了 : BTMを終了します。

■ 印刷設定

・印刷の出力

・全て印刷 : X方向、Y方向全ての印刷をします。

・X軸のみ印刷: X方向のみの印刷をします。

・Y軸のみ印刷: Y方向のみの印刷をします。

・柱材の耐力曲線

必要に応じて下記2つよりお選びください。

・長期、短期、終局耐力の表示

・終局耐力のみの表示

・ページ番号の設定

印刷の1ページ目に表示されるページ番号を設定してください。

■ 編集

・新規柱脚の作成 : 新規に柱脚を追加します。

・選択している柱脚のコピー: 選択している柱脚をコピーして追加します。

・選択している柱脚の削除 : 選択している柱脚を削除します。

・ブレース偏心距離の入力 : P20参照

・埋込みによるせん断耐力conQaの検討 : P22参照

・基礎梁等考慮 : P27参照

Page 8: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

4

ショートカットからも同様の操作が行えます。

新規柱脚の作成

選択している柱脚のコピー

選択している柱脚の削除

各種ボタン

■ ツール

・一貫構造ソフトからの柱脚データファイルよりBTMファイルを作成: P16 参照

・現在選択しているベースパックの耐力曲線データの出力 : P35 参照

■ ヘルプ

・利用規約 : 利用規約が表示されます。

・最新版を確認 : ベースパックWEBサイト「b-pack.net」 にリンクします。

最新版のBTM がダウンロードできます。

・バージョン情報: お使いのBTMのバージョンが表示されます。

■ 操作マニュアル

・取扱説明書 :本説明書が表示されます。

Page 9: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

5

2.2 設計条件

■ 短期荷重の種類

・地震 :地震力の考慮

・風 :風圧力の考慮

・積雪 :積雪係数*6 α2=1 の考慮

注:地震以外の短期荷重の検討を行う場合は1次設計のみの検討となります。

2次設計の検討を行いたい場合は、別途、短期荷重を地震に設定して検討を行ってください。

■ 積雪に関する区域指定

・一般 :長期荷重に積雪を考慮しない

・多雪地域 :積雪係数*6 α1 = 0.7、α2 = 0.35 の考慮

■ 設計ルート選択

・ルート1-1 :1次設計の検討。

・ルート1-2 :1次設計と2次設計として

①保有耐力接合の判定、

②地震力をγ倍(γ =5/3)した応力と柱脚耐力を用いて柱脚の安全性の確認を行います。

・ルート2 :1次設計と2次設計として

①保有耐力接合の判定、

②地震力をγ倍した応力と柱脚耐力を用いて柱脚の安全性の確認を行います。

構面にブレースが存在しない場合 :γ =2.0 として検討を行います。

構面にブレースが存在する場合 :ブレースの水平力負担率βを考慮した値に2を加え

た値をγ値として検討を行います。

注:柱脚応力を手入力する場合、地震力を(γ-1)による倍率で割り増し、短期応力を計算します。

構面にブレースが存在しない場合、γに2を超える値を入力すると短期応力が過大となります。

・ルート3 :1次設計と2次設計

①保有耐力接合の判定

②保有水平耐力算定時の応力と柱脚耐力を用いて柱脚の安全性の確認を行います。

*6 積雪係数α1、α2は、建築基準法施工令第82 条に従って設定しています。

Page 10: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

6

2.3 柱材の選択

■ 柱脚一覧

入力または表示する柱脚を選択します。

■ 柱記号

柱の名前を入力します。

■ 柱位置

・X方向 :X通りの番号(記号)を入力します。

・Y方向 :Y通りの番号(記号)を入力します。

■ 柱記号

柱形状を角形鋼管、円形鋼管、H形鋼の3つより選びます。

H形鋼を選択の場合、上図「H形鋼用の選択画面」に切り替わります。

■ 柱

・角形鋼管 ① 鋼種の設定(BCR295, BCP235, BCP325, STKR400, STKR490, UBCR365 が選べます。)

② サイズの設定(□150~□750 まで選択できます。)

③ 板厚の設定

④ CFT柱の設定

⑤ 使用可能なベースパックが表示されます。

・円形鋼管 ① 鋼種の設定(STK400, STKN400, STK490, STKN490 が選択できます。)

② サイズの設定(φ190.7~φ812.8 まで選択できます。)

③ 板厚の入力

④ CFT柱の設定

⑤ 使用可能なベースパックが表示されます。

・H形鋼 ① 柱方向の設定

② 柱種別の設定(JISサイズ、外法一定、ビルドHより選択してください。)

ビルドHを使用の場合は次ページの「ビルドHをご使用の場合」を参照ください。

③ 鋼種の設定(SS400, SN400, SM400, SN490, SM490 が選べます。)

④ シリーズの設定

⑤ サイズの設定

⑥ 使用可能なベースパックが表示されます。

角型・円形鋼管用の選択画面

H形鋼用の選択画面 柱データが表示されます

柱脚一覧の選択画面

Page 11: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

7

■ ビルドHをご使用の場合

① 柱形状「H形鋼」を選択

② 柱鋼種を選択

③ 柱種別「ビルドH」を選択

自動的に下の画面が立ち上がります。(BHサイズをクリックすることでも立ち上がります。)

④ ビルドHのサイズを入力してください。

注意:適用不可能な数値を入力した場合、エラーメッセージが表示されます。

⑤ 「OK」をクリックします。

入力した柱の「シリーズ」、「サイズ」が表示され、ベースパックが表示されます。

注意:柱とベースパックが適用不可の場合、エラーメッセージが表示されます。

エラーメッセージ例

Page 12: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

8

2.4 ベースパックの選択

■ ベースパックの選択

柱材の選択(2.3「柱材の選択」参照)を行うと、選択した柱に適用可能なベースパックが表示されます。

■ 全てのベースパック表示

・チェックを入れると、使用可能(適合可能)な全てのベースパックを表示します。

(標準状態ではチェックが入れられています。)

・チェックを外すと、最適なベースパックのみの「シンプル表示」に変わります。

2.5 柱型コンクリートのFcの選択

プルダウンから「柱型コンクリートのFc」を選択できます。選択できるFcはカタログ記載のコンクリート設

計基準強度(21もしくは24 N/mm2)から30N/mm2の範囲です。

なお、「1.8 一貫構造ソフト各社からの柱脚データファイル」から読み込んだ柱型コンクリートのFcは、一

貫構造計算プログラムで設定した柱型コンクリートのFcで、カタログ記載のコンクリート設計基準強度(21

もしくは24 N/mm2)より大きい場合は30N/mm2を上限としてその値が表示されます。

また、「1.8 一貫構造ソフト各社からの柱脚データファイル」から読み込んだ柱型コンクリートのFcは変更

出来ません。

Page 13: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

9

2.6 柱脚応力入力

ベースパックを選択「2.5 ベースパックの選択」後、応力の入力を行います。

■ 柱からの応力入力

① X方向、Y方向それぞれに応力を入力します。

(設計条件に応じて必要な項目のみ白色表示で入力可能になります。)

■ ブレースからの柱脚応力入力

① 必要な項目に応力を入力します。

応力はブレース軸力Pの鉛直方向成分N、水平方向成分Qを入力します。

注.終局時応力には長期応力を含んだ値を入力してください。

(一貫構造ソフトから読み込んだ場合、終局時柱脚検討用応力は長期応力を含んだ値となります。)

N

M

Q

応力の方向(矢印の方向がプラスの値です)

応力の方向(矢印の方向がプラスの値です)

N

Q

P

単位:N[kN],Q[kN]

Page 14: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

10

2.7 ブレースを偏心させて取り付ける場合

■ 偏心距離の表示

① ブレース偏心入力画面にて入力された偏心距離を表示します。

② 偏心可能距離等はベースパック柱脚工法設計ハンドブックをご参照ください。

③ ブレースの収まりの確認

本ソフトでは、ブレースの収まりは考慮しません。

■ 応力割増し係数

・平面方向

入力した偏心距離:eに応じて「平面偏心割増係数μ」を考慮します。

「平面偏心割増係数μ」はベースパック柱脚工法設計ハンドブックをご参照ください。

・鉛直方向

入力した鉛直距離:h とブレースからの柱脚応力(せん断力)により付加曲げ応力が発生します。

・ブレースが両側(左右) に接合される場合

終局時のブレースからの柱脚応力(せん断力) が計算時に1.1 倍されます。

上記応力の割増しは自動的に「柱脚検討用応力」に含まれます。

■ 一括偏心

偏心距離の入力はブレース偏心入力画面にて行います。

(3 . 2 ブレースを偏心させる p20 参照)

Page 15: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

11

2.8 柱脚耐力の判定

■ 柱脚の検討

柱脚の一次設計、二次設計(設計ルート1-1以外の場合)を行います。

検討内容が表示されます。

■ 柱脚検討用応力

N : 柱から柱脚に生じる軸力

M : 柱脚に生じる曲げモーメント

Q : ベースプレートに生じるせん断力

「柱脚検討用応力」にはすべて割増し後の応力が表示されます。

■ 柱脚耐力

柱脚曲げ耐力 : 柱脚曲げ耐力の値

柱脚せん断耐力 : アンカーボルトによるせん断耐力とベースプレート下面と

コンクリートとの摩擦によるせん断耐力のうち大きい方の値としています。

ただし、アンカーボルトによる柱脚せん断耐力は、せん断力の作用方向前方に接合する基礎梁または基礎フー

チング(以下、基礎梁等)天端からの柱型立ち上げ部段差が 50mm を超える場合は、側方破壊耐力 sQu※4を上

限としています。

なお、せん断力作用方向前方の基礎梁等(柱型立ち上げ部段差が50mm以下)の基礎柱型を拘束する部材の有

無を設定できます(3.4節参照、初期設定は全方向とも無し)。

*4 ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 16: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

12

柱脚部をスラブコンクリートに埋め込んだことによるせん断耐力(埋込みによるせん断耐力conQa)の検討*4

を行った場合は、柱脚せん断耐力にconQaが考慮されます。

また、埋込みによるせん断耐力conQaの検討を行った場合は、Fc、埋込み量h、有効水平面積Acが表示され

ます。

埋込みによるせん断耐力conQaの検討の入力については、P22をご参照ください。

■ 判定

柱脚検討用応力 ≦ 柱脚耐力 →OK

柱脚検討用応力 > 柱脚耐力 →NG

注:柱脚終局せん断耐力の表示について

γ倍1,2、終局1,2の柱脚せん断耐力の欄には、柱脚終局せん断耐力の数値と記号が表示されます。

ベースパックの柱脚終局せん断耐力bQuの値は

・摩擦によるせん断耐力 fQu

・アンカーボルトによるせん断耐力 abQy(せん断力の作用方向前方に基礎梁等の基礎柱型を拘束する部材が無

い場合は、側方破壊耐力sQuが上限となります)

・スラブ埋込を考慮したせん断耐力

のうち最も大きい値であり、bQuの記号はいずれの値を表示しているかを示します。

表示される記号の種類については、メニューバーの「bQu欄の見方」から確認できます。

「bQu欄の見方」では判定がNGとなった場合の対策例もあわせて確認できます。

*4 ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 17: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

13

※bQu欄の見方

bQuの記

号 柱脚終局せん断耐力(bQu)

NGとなった場合の対策例

(BTM):BTMで耐力要素等を設定する

(設計):設計変更が必要

F 摩擦によるせん断耐力(fQu) 下記のいずれか

A1 アンカーボルトによる

せん断耐力Ⅰ(abQyⅠ) (BTM)

せん断力作用方向前方に存在するスラブを考慮する

A2 アンカーボルトによる

せん断耐力Ⅱ(abQyⅡ)

C1

abQyⅠ

+スラブ埋込を考慮した

せん断耐力(conQ) (設計)

・せん断力作用方向前方に存在するスラブへの埋込み深くする

・柱脚(BP)仕様変更 C2

abQyⅡ

+スラブ埋込を考慮した

せん断耐力(conQ)

S1 柱型側方破壊耐力(sQu)

【BTMで梁接合条件が未設定の場合】

(BTM)

・梁の接合条件を設定

【BTMで梁接合条件が設定済みの場合】

(設計)

・柱型コンクリート強度変更

・せん断力作用方向前方に梁またはフーチングを配置する等

S2

sQu

+スラブ埋込を考慮した

せん断耐力(conQ)

(設計)

・上記側方破壊耐力に対する対策を行う

・せん断力作用方向前方に存在するスラブへの埋込み深くする

・柱脚(BP)仕様変更

Page 18: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

14

2.9 保有耐力接合の判定

■ 軸力

柱 : 柱に生じる軸力

柱脚 : 柱脚に生じる軸力

■ 保有耐力接合判定

bMu : 柱脚終局耐力(ベースパックNT の場合はbMy)

α cMp : 柱材の終局耐力×α

(αは接合部係数で柱材のF 値が F≦295 でα=1.3、F≧325 でα=1.2 とする)

判定 : 保有耐力接合 曲げの判定(bMu[ベースパックNT の場合bMy] ≧α cMp → Yes)

Q : せん断応力

bQu : 柱脚終局せん断耐力Ⅰ =max(abQyⅠ+conQa 、fQu)

判定 : 保有耐力接合 せん断の判定 (Q ≦ bQu → Yes)

せん断力の作用方向前方に基礎梁等の基礎柱型を拘束する部材が無い場合は、abQyⅠはsQuを上限としています。

埋込みによるせん断耐力conQaの検討を行った場合は、abQyⅠにconQaが加算されます。

注:bQu欄に表示される記号については「2.8 柱脚耐力の判定」をご確認下さい。

注:柱材の選択時にCFT柱を選択した場合、保有耐力接合判定を行いません。

(一貫構造ソフト:ユニオンシステム㈱ SuperBuild/SS3/SS7から出力した柱脚データを読み込む場合を除く)

Page 19: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

15

2.10 耐力曲線の表示

■ 耐力曲線

M-N耐力曲線の表示 Q-N 耐力曲線の表示

・緑の太線は柱脚長期許容耐力曲線です。 ・緑の線は柱脚長期許容せん断耐力曲線です。

・赤の太線は柱脚短期許容耐力曲線です。 ・青の太線はせん断耐力曲線領域Ⅰ*4 です。

・青の太線は柱脚降伏耐力曲線です。 ・青の薄線はせん断耐力曲線領域Ⅱ*4 です。

・青の薄線は領域判定曲線*4 です。

・黒の太線は柱脚終局耐力曲線です。

・緑の細線は柱材長期許容耐力曲線です。

・赤の細線は柱材短期許容耐力曲線です。

・黒の細線は柱材終局耐力曲線です。

注:柱脚のタイプによって使用する曲線(表示される曲線)が異なります。

詳しくはベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照ください。

注:柱材選択時にCFT柱を選択した場合、柱材の耐力曲線は表示されません。

(一貫構造ソフト:ユニオンシステム㈱ SuperBuild/SS3/SS7

から出力した柱脚データを読み込む場合は終局耐力曲線のみ表示されます)

■ 表示する曲線の種類が選択できます。

画面右側「表示の設定」のチェックボタンを外すと、対応する図中の表示が消えます。

(計算結果に影響はありません。)表記が見づらい場合などにお使いください。

*4 ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 20: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

16

埋込みによるせん断耐力 conQ の検討を行った場合は、Q-N 耐力曲線の表示に、黒の太線と黒の薄線が追加され

ます。

・黒の太線はconQを考慮したせん断耐力曲線領域Ⅰ*4です。

・黒の薄線はconQを考慮したせん断耐力曲線領域Ⅱ*4 です。

*4 ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 21: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

17

3 .入力例(操作説明)

3.1 一貫構造ソフトから出力される柱脚データの取込

① メニューバー、ツール、「一貫構造ソフトからBTMファイルを作成」を選択。

② 一貫構造ソフトからデータを読み込む

お使いの一貫構造ソフトを選択して、下記「一貫構造ソフトからの柱脚データファイル表示」ボタンをクリック

してファイルを読み込みます

※CFT柱にベースパックが採用されている場合

BUILD.一貫V、BUS-5/ BUS-6をご使用の場合、「CFT柱に使用されるBPが含まれる」のチェックボックス

が表示されます。CFT柱にベースパックを用いる際は、チェックを入れて、「一貫構造ソフトからの柱脚データ

ファイル表示」ボタンをクリックしてファイルを読み込みます。

ファイル名は各社異なります。(下表参照)

柱脚データファイルの名前

ソフト名 ファイル名 拡張子

SuperBuild/SS3/SS7 ckcalもしくはcalbp .csv

Build一貫Ⅴ 任意 .BPD

BUS-5/BUS-6 任意 .csv

BRAIN BASEPACK .csv

SEIN La CREA 柱脚設計用データ .csv

ASCAL 任意 .csv

Page 22: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

18

柱脚データファイルの作成方法は、

付録3. 「各社一貫構造ソフト、柱脚データファイル作成方法」をご参照ください。

ここでは、SuperBuild/SS3/SS7 の「ckcal.csv」を選びます。

③ ファイルを開くとデータが表示されます。

表示されるデータは「一貫構造ソフトからのデータ」です。編集できません。

Page 23: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

19

※CFT柱にベースパックが採用されている場合

BUILD.一貫Ⅴ、BUS-5 / BUS-6をご使用で、「BTMファイル作成画面」において「CFT柱に使用されるBPが

含まれる」のチェックボックスのチェックを入れて読み込んだ場合、もしくはSuperBuild/SS3/SS7をご使用で柱

脚データにCFT柱が含まれる場合、検討するベースパックの選択一覧にCFTチェックボックスが表示されます。

検討を行いたい柱脚データのうち、CFT柱に用いた柱脚のCFTチェックボックスにチェックを入れます。

(SuperBuild/SS3/SS7をご使用の場合は自動でチェックが入り、変更できません)

④ 検討するベースパックの選択

検討を行うベースパックの検討チェックボックスにチェック*7を入れます。

*7 ベースパック仕様欄がブランクである場合、CFTチェックボックスにチェックを入れない限り、

検討チェックボックスにチェックを入れることが出来ません。

柱名称ごとに CFT 柱を一括指定す

ることができます。

ブレースが接合している柱には末尾に

「ブレース付き」と表示されます。

便利な選択補助機能もあります。

・すべて選択

・すべて選択解除

・範囲選択

検討チェック

ボックス

CFTチェックボックス

Page 24: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

20

■ 設計条件選択

短期荷重の種類、設計ルートを選択します。

(一貫構造ソフトで検討を行った項目が選択可能になります。)

■ ファイルの作成

選択が終了したら「選択した柱のBTMファイル作成」を押します。

任意の名前をつけて保存を行ってください。

■ ファイルの表示

保存が終了すると取り込んだデータが表示されます。

以上で「一貫構造ソフトから柱脚データ」の取り込みの作業は終了です。

■ 取り込み作業前の現在の入力データの保存

「一貫構造ソフトから柱脚データ」の取り込み作業前に、

現在入力しているデータの保存確認の以下のポップアップが表示されます。

はい (Y) : 現在入力しているデータを保存することができます。

いいえ (N) : 現在入力しているデータは保存されません。

キャンセル : 元の画面に戻る。

Page 25: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

21

3.2 ブレース偏心距離の入力

① メニュー「編集」「ブレース偏心距離の入力」、

または、柱脚一覧上の「ブレース偏心入力」ショートカットを選択してください。

データが表示されます。

② 偏心させたい柱脚を選択

偏心させたい柱脚にチェックを入れます。

ブレースが接合されている箇所に「あり」と表示されます。

Page 26: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

22

③ 偏心距離を入力

チェックを入れた柱脚のブレース偏心距離を入力し、「入力」をクリックします。

なお、H形鋼の強軸側と円形鋼管は平面偏心できません。偏心距離を0としてください。

偏心距離が表中に加わります。

注:BTMで検討できる鉛直偏心距離の入力範囲は最大999mmまでとなっています。

④ データの登録

登録を行うと柱脚データに入力したブレース偏心距離が設定されます。

以上で偏心距離の入力は終了です。

Page 27: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

23

3.3 埋込みによるせん断耐力conQaの検討

① メニュー「ツール」「埋込みによるせん断耐力conQaの検討」、

または、柱脚一覧上の「埋込みによるせん断耐力conQaの検討」ショートカットを選択して下さい。

データが表示されます。

Page 28: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

24

② 柱脚の選択

スラブ方向が同じ柱脚にチェックを入れます。

ただし、一回で登録できるのは同一方向で埋め込み量hxもしくはhyが同じ柱脚に限ります。

③ スラブ方向の選択・埋込み量とコンクリート強度の入力

1) せん断力の作用方向前方にスラブ等の柱の水平移動を拘束する部材がある場合、

その方向と同じ『画面左下図のチェックボックス』にチェックを入れます。

2) 埋込み量hx 、hyを入力します。

3) スラブ等コンクリート強度Fcを入力します。

4) 「入力」をクリックします。

注:BTMで検討できる埋込み量hxもしくはhyの入力範囲は最大999mmまでとなっています。

hy

hx

Page 29: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

25

④ Ac直接入力

③の入力において、「埋込み量hx,hy」の入力による有効水平抵抗面積の自動計算ではなく、

有効水平抵抗面積Acを直接入力することもできます。

1) せん断力の作用方向前方にスラブ等の柱の水平移動を拘束する部材がある場合、

その方向と同じ『画面左下図のチェックボックス』にチェックを入れます。

2) 「Ac直接入力(有効水平抵抗面積)」にチェックを入れ、X方向Acx 、Y方向Acy に数値を入力します。

3) スラブ等コンクリート強度Fcを入力します。

4) 「入力」をクリックします。

⑤ データの登録

入力をクリックすると、画面上段の表中に「スラブ等コンクリート強度」、「スラブ方向」、「埋込み量」が加わり、

有効水平抵抗面積が自動計算されます。それを確認の後、「登録」をクリックします。

Page 30: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

26

Ac直接入力の場合(④による入力)の場合も画面上段の表を確認の後、「登録」をクリックします。

⑥ 短期せん断力にconQaを考慮

短期せん断力にconQaを考慮する場合は、画面左下の「短期せん断力にconQaを考慮する」チェックボックス

をチェックした後に、「登録」をクリックします。

ただし、短期せん断耐力は、「摩擦によるせん断耐力」、「アンカーボルトによるせん断耐力」および「conQa」

のいずれか大きい値が採用されます。

Page 31: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

27

登録を行うと柱脚データに入力したconQaの検討に関する各種数値が設定されます。

以上で、この柱脚の設定は終了です。同様に②~⑥の手順で、別の柱脚(スラブ方向が同じ柱脚)についても

設定して下さい。

Page 32: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

28

3.4 基礎梁等考慮

一貫構造ソフト※やBTMの柱脚終局せん断耐力は、加力方向前方の基礎梁等の存在に関係なく柱型側方破壊耐

力を考慮した値を初期値としています。この「基礎梁等考慮」機能は、柱脚に接合する基礎梁等(柱型立ち上げ部

段差が50mm以下)の有無を加力方向別に設定(入力)することにより、柱型側面の拘束を考慮した柱脚せん断耐

力の検討を行うことができます。

※一貫構造ソフトの対応状況についてはメーカーにお問い合わせください。

① メニュー「ツール」「基礎梁等考慮」、

または、柱脚一覧上の「基礎梁等考慮」ショートカットを選択してください。

データが表示されます。

Page 33: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

29

② 基礎梁等の入力方法は2通りあります。

・同じ方向に基礎梁が接合する柱脚のみを個別に設定する方法(個別入力方法)→ ③~⑤

・異なる方向の基礎梁が接合する柱脚を一括で設定する方法(一括入力方法) → ⑥~⑦

③ 個別入力方法

同じ方向に基礎梁が接合する柱脚にチェックを入れて下さい。

④ 基礎梁等の方向選択

せん断力の作用方向前方に基礎梁等の基礎柱型を拘束する部材がある場合、

その方向に対応する『画面左下図のチェックボックス』にチェックを入れ、「入力」をクリックして下さい。

Page 34: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

30

⑤ 登録

画面右上のチェックボックスにチェックが反映されたことを確認した後、「登録」をクリックして下さい。

登録を行うと終局せん断耐力に関する各種数値が変更されます。

(登録前) (登録後)

以上で、この柱脚の設定は終了です。同様に③~⑤の手順で、別の柱脚(基礎梁が接合する方向が同じ柱脚)

についても設定して下さい。

Page 35: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

31

⑥ 一括入力方法

画面右上のチェックボックスにおいて、柱脚ごとに基礎梁等の方向を直接チェックして下さい。

※画面左上のチェックボックスは「個別入力方法」用です。チェックしないで下さい。

チェックすると『画面左下図のチェックボックス』と連動してしまいます。

⑦ 登録

画面右下の「登録」をクリックして下さい。

Page 36: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

32

登録を行うと柱脚終局せん断耐力に関する各種数値が変更されます。

以上で、設定は終了です。

Page 37: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

33

3.5 検討結果を確認する

① 検討結果の確認

1次設計、保有耐力接合の判定の結果を確認します。

結果に応じて各種対処を行ってください。

② 応力の確認

柱脚応力が柱脚耐力を超えていないことを確認ください。

画面右上の「耐力曲線表示」をクリックすると下図の画面が表示されます。

③ 別の柱の検討結果表示

画面左側の柱脚一覧から表示したい柱脚検討結果を選択します。

画面の説明は、2.10 耐力曲線の表示を参照

Page 38: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

34

3 .5 検討結果を印刷する

■ 検討結果すべて印刷する場合

メニュー「ファイル」「一括印刷」、または、ショートカットキー「印刷」をクリックしてください。

■ 選択している柱のみの結果を印刷する場合

メニュー「ファイル」「表示中の柱を印刷」をクリックしてください。

■ 印刷画面

「一括印刷」では、最初に「検討結果の一覧」が、次に「せん断耐力の検討条件(一覧)」が印刷されます。

Page 39: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

35

各柱脚毎の印刷は、X 軸方向、Y 軸方向それぞれ1枚づつ、計2枚となります。

印刷(例)

Page 40: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

36

4.その他の機能

4 .1 耐力曲線データ(.csv)の出力

■ 耐力曲線データの出力

各耐力曲線において、20分割した数値が出力されます。

① ベースパックを選択します。

(選択しているベースパックが出力の対象となります。)

② メニュー「ツール」「現在選択しているベースパックの耐力曲線データの出力」を選択

③ 下記画面が立ち上がります。

必要な項目にチェックを入れます。

注: 現在選択しているベースパックの検討に使用していない項目はチェックがあっても出力されません。

③ 出力をクリックすると、指定した場所にcsvファイルを作成します。

Page 41: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

37

付録1 . 計算例 ~ 各種割増し後の柱脚検討用応力について~

■ 設計条件例

短期荷重の種類 : 地震

積雪に関する区域指定 : 一般区域

設計ルート : ルート3

鋼種 : BCR295

サイズ : □ - 200 × 200 × 12

ベースパック : 20-12V

基礎柱型 Fc : 21N/mm2

基礎形式 :中柱(接合する基礎梁からの柱型立ち上げ部段差が50mm以下)

ブレース位置 : X 方向ブレースあり[ 両側ブレース接合 ]

(2 次設計時:両側ブレース割増係数:1.1)

Y 方向ブレース無し

偏心距離 : 鉛直方向100mm、水平方向20mm(平面偏心割増係数 ※ μ =1.1538)

※ベースパック柱脚工法設計ハンドブックを参照してください。

Page 42: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

38

■ 設計応力の設定後

■ 「基礎梁等考慮」の設定( 「3.3 基礎梁等考慮」を参照下さい。 )

Page 43: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

39

■ 設計応力( 「基礎梁等考慮」の設定後 )

Page 44: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

40

応力計算の内容

■ 長期

長期 X方向 長期 Y方向

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

100+(20+20+0+0)*1.1538=146

20+(20-20)*0.1 = 20

100+(20-20)*1.1538 = 100

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

100+(20+20+0+0)*1.1538=146

20+(0+0)*0.1 = 20

100+(0+0)*1.1538 = 100

注:長期軸力は柱からの軸力および4方向のブレース軸力の鉛直成分の合計になります。

■ 短期

短期1 X方向 短期1 Y方向

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

60+(20-10)*1.1538+146 = 218

30+(30+20)*0.1+20 = 55

50+(30+20)*1.1538+100 = 208

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

50+(0+0)*1.1538+146 = 196

20+(0+0)*0.1+20 = 40

40+(0+0)*1.1538+100 = 140

短期2 X方向 短期2 Y方向

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

60+(-20+10)*1.1538+146 = 74

-30+(-30-20)*0.1+20 = -15

-50+(-30-20)*1.1538+100 = -8

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

-50+(0+0)*1.1538+146 = 96

-20+(0+0)*0.1+20 = 0

-40+(0+0)*1.1538+100 = 60

■ 終局

終局1 X方向 終局1 Y方向

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

100+(40-30)*1.1538+(0+0) = 112

80+(60+50)*0.1*1.1 = 92

-80+(60+50)*1.1538*1.1 = 60

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

80+(0+0)*1.1538+(20+20)*1.1538 = 126

50+(0+0)*0.1 = 50

20+(0+0)*1.1538 = 20

終局2 X方向 終局2 Y方向

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

80+(-120+30)*1.1538+(0+0) = -24

-50+(-100-40)*0.1*1.1 = -65

-50+(-100-40)*1.1538*1.1 = -228

N(kN)

M(kNm)

Q(kN)

-80+(0+0)*1.1538+(20+20)*1.1538 = -34

-50+(0+0)*0.1 = -50

-20+(0+0)*1.1538 = -20

注: 終局時応力には長期応力を含んだ値を入力してください。

注: 終局時軸力には直交方向に取り付いているブレース軸力の鉛直成分が加算されます。

Page 45: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

41

付録2 . 保有耐力接合の判定の出現条件一覧

■ 新評定式の場合

・ 設計ルート2及び設計ルート1-2

・コメント一覧

①:本柱脚の検討は終了です。

②:γ倍された地震力が柱脚降伏耐力を超えないことを確認してください。

③:終局時せん断力が終局せん断耐力を超えています。conQ を考慮することで終局せん断耐力を大きくすること

ができます。

④:保有耐力接合判定時のせん断力が終局せん断耐力を超えています。conQ を考慮することで終局せん断耐力を

大きくすることができます。

⑤:conQ を考慮しています。せん断力の作用方向前方にスラブ等の柱の水平移動を拘束する部材が存在すること

を確認してください。

⑥:終局時せん断力がconQを考慮した終局せん断耐力を超えています。

conQ考慮

Yes No

保有耐力接合判定M

保有耐力接合判定Q 保有耐力接合判定Q

Yes No

① (②+③)or(②+④)

(①+⑤)or(②+⑤)or(②+⑥)

conQ考慮

Yes No

② (②+③)or(②+④)

(②+⑤)or(②+⑥)

Page 46: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

42

・ 設計ルート3

・コメント一覧

⑦:柱にヒンジを想定して保有水平耐力を確認してください。

⑧:1階Ds値を0.05割り増し、保有水平耐力を確認してください。

⑨:終局時せん断力が終局せん断耐力を超えています。conQ を考慮することで終局せん断耐力を大きくすること

ができます。

⑩:保有耐力接合判定時のせん断力が終局せん断耐力を超えています。conQ を考慮することで終局せん断耐力を

大きくすることができます。

⑪:conQ を考慮しています。せん断力の作用方向前方にスラブ等の柱の水平移動を拘束する部材が存在すること

を確認してください。

⑫:終局時せん断力がconQを考慮した終局せん断耐力を超えています。

■ 柱脚ヒンジタイプの仕様(NT-S3・H-S)の場合

ベースパックNT-S3・H-Sシリーズは、柱脚ヒンジのためいかなる場合においても保有耐力接合を満足しない

というものと判定します。

■ CFT柱にベースパックを用いる場合

柱材の選択時にCFT柱を選択した場合、保有耐力接合判定を行わず、「本検討書内の回転剛性値と構造計算書

の回転剛性値が一致しているか確認してください」というコメントが表示されます。

注:SuperBuild/SS3/SS7から出力したCFT柱の柱脚データを読み込む場合は保有耐力接合判定を行います。

conQ考慮

Yes No

保有耐力接合判定M

保有耐力接合判定Q 保有耐力接合判定Q

Yes No

⑦ (⑧+⑨)or(⑧+⑩)

(⑦+⑪)or(⑧+⑪)or(⑧+⑫)

conQ考慮

Yes No

⑧ (⑧+⑨)or(⑧+⑩)

(⑧+⑪)or(⑧+⑫)

Page 47: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

43

付録3 . 一貫構造ソフト各社、柱脚データファイルの作成手順

■ ㈱構造システム B U S - 5 をお使いの場合

構造計算後、ツールバーのファイル(F)

→『露出柱脚計算データ作成』を選択

露出柱脚設計用データ作成選択において、

『ベースパック工法』もしくは『Ver.4形式』を選択

Page 48: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

44

任意のフォルダに保存

Page 49: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

45

■ ㈱構造ソフト BUILD一貫Ⅳ+をお使いの場合

計算実行を選択

計算終了後、柱脚検討用ファイル作成を選択

Page 50: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

46

保存先フォルダを変更するには参照ボタンを選択。

適宜、名前をつけて保存(拡張子は.BPD)

フォルダ及びファイル名を確認後、作成を選択。

Page 51: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

47

■ ユニオンシステム㈱ SuperBuild/SS3 をお使いの場合

構造計算を行うと物件毎にフォルダが作成されます。(表示例:物件名 t e s t )

そのフォルダの中に柱脚検討用ファイルが自動作成されます。

(ファイル名はckcal.csv 若しくはcalbp.csv)

Page 52: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

48

■ ㈱NTTファシリティーズ総合研究所 SEIN La CREA をお使いの場合

構造計算を行うと物件毎にフォルダが作成されます。

そのフォルダの中に「保有耐力計算」フォルダが作成され、

その中に「柱脚設計用データ. csv」が作成されます。

Page 53: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

49

■ ㈱アークデータ研究所 ASCAL をお使いの場合

一貫構造ソフトをインストールすると、『outputフォルダ』が作成されます。

構造計算を行うと物件毎にフォルダが作成されます。

柱脚検討用ファイルは、物件フォルダを同じ名前(拡張子は、“.csv”)でoutputフォルダに自動作成されます。

Page 54: BTMmanual).pdf · 2019-12-11 · btmを使用して生じた、または生じうる損害および不利益に関し、岡部(株)・旭化成建材(株)は一切の責任を

50

付録4 . ベースパックのCFT柱への対応について

CFT柱に対応する事が出来るベースパックは以下の型式です。

■CFT専用ベースパック(芯鉄筋を有し、CFT柱にのみ対応するベースパック)

柱形状 型式(ベースパック記号)

角形鋼管

NT-CF3全て

※NT-CF3の検討にはついてはお問い合わせ下さい。

■CFT対応ベースパック(通常のベースパックでCFT柱にも対応できる型式)

■一貫構造ソフト各社におけるCFT対応ベースパック及びCFT専用ベースパックの取り扱い

一貫構造ソフト上での操作を含めた、検討方法の詳細は別途お問い合わせください。

2019年10月

柱形状 型式(ベースパック記号)

角形鋼管

Ⅱ型全て

NT-FX3全て

NT-S3全て

P3全て

UB全て

(但しF値325以下の柱のみ)

円形鋼管

216-13F2,216-16F2,267-13F2,355-13F2,355-16F2,406-13F2,457-13F2

を除くベースパック円形-F2

216-13V2,216-16V2,267-13V2,355-13V2,355-16V2,406-13V2,457-13V2

を除くベースパック円形-V2

216-10F3,216-13F3,267-09F3,355-10F3,355-13F3,406-10F3,457-10F3

を除くベースパック円形-F3

216-10V3,216-13V3,267-09V3,355-10V3,355-13V3,406-10V3,457-10V3

を除くベースパック円形-V3