在宅発信の緩和ケアクリニカルパスの開発 篠田裕美

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在宅発信の緩和ケアクリニカルパスの開発

医療法人プラタナス桜新町アーバンクリニック

篠田裕美、林瞳、森寿江、村上玲子袴田智伸、西田美幸、遠矢純一郎

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桜新町アーバンクリニック在宅医療部

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• 在宅療養支援診療所• 医師:常勤 4名 非常勤 5名• 看護師:常勤 10名 社会福祉士 1 名• 薬剤師:常勤1名 事務: 6名• 患者数約 350名

新患の疾患別割合 死亡患者の死亡場所

2013.8~ 2014.7 ( n=97)

自宅87%

有床診3%

施設2% 病院

8%

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なぜ緩和ケアパスが必要か

共有しておけばよかった 導入しておけばよかった 連携しておけばよかった

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なぜ緩和ケアパスが必要か

共有しておけばよかった 導入しておけばよかった 連携しておけばよかった

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なぜ緩和ケアパスが必要か

共有しておけばよかった 導入しておけばよかった 連携しておけばよかった

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パスとは

「医療チームが共同で作成した、患者の最良のマネージメントと信じた仮説」 ( Spath.P.L, 1994)

みんながわかる医療・介護のケアマップ 多職種のチームで作成 最適化  みえる化 あくまでも仮説 質向上へ 

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多職種によるチーム医療にはパスというツールが有効

ホームヘルパー

ケアマネージャー

在宅医

訪問看護師

訪問リハビリ

訪問薬剤師

病院

在宅医療パスで連携をコーディネートする機能が上がるのでは?

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地域連携パスの種類

一方向型地域連携パス 急性期→回復期→維持期で流れていくパスのこと

循環型地域連携パス 急性期と慢性期で共有し、定期的に行き来するパスのこと

対象疾患

対象疾患

在宅支援型地域連携パス 在宅患者を複数の医療介護機関でみていくパスのこと緩和ケア 在宅終末医療

がん

心筋梗塞

骨折

脳卒中

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地域連携パスの種類

一方向型地域連携パス 急性期→回復期→維持期で流れていくパスのこと

循環型地域連携パス 急性期と慢性期で共有し、定期的に行き来するパスのこと

対象疾患

対象疾患

在宅支援型地域連携パス 在宅患者を複数の医療介護機関でみていくパスのこと緩和ケア 在宅終末医療

がん

心筋梗塞

骨折

脳卒中

在宅緩和ケアサポートパス

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目的

在宅医療現場で使える緩和ケアの導入から看取りまで網羅したパスを作ること

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方法文献から在宅緩和ケアパスに必要な要件を検討した。当院緩和ケアチームで作成、在宅医療部全体で討議を行った。パスの構成としては サポートパス 教育用資料ファイルに入れ帯同し必要な時すぐ使用できるようにした。

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達成したかったこと

治療方針の共有必要な物を過不足なく導入介護力や病状理解を評価

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緩和ケアパス概要

導入期、維持期、看取り期に分け、それぞれのフェーズで必要なことを

の視点でまとめた。医療 ケア 教育 在宅導入期 維持期 看取り期

病院から在宅開始 予後1ヶ月

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教育用資料を作成

症状パンフレット医療用麻薬、レスキューレスパイト先資料吸引のポイント口が乾燥するとき介護に疲れた時お看取りのあとで

教育

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教育用資料

座薬の入れ方看取りのパンフレットあなたのお薬リスト病の軌跡1週間頃からの変化

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パスを使用することでどのような効果があるのだろう

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診療の質指標の変化

在宅緩和ケアサポートパスを導入することでどのようなメリットがあるか検証した。 方法:診療の質指標( Quality Indicator )の実施率を評価。 対象:

2014 年にパスを使用せず癌自宅看取りを行った 20 例2015 年にパスを使用して 癌自宅看取りを行った 21 例

実施率の計算方法の例分子:診療録に疼痛の定量的疼痛スケールによる程度の記載がある患者数

        分母:がん疼痛にオピオイドを開始する患者数厚生労働省がん臨床研究事業「がん対策における管理指標群の策定とその計測システムの確立に関する研究」祖父江班:診療の質指標 Quality Indicator. 2009. http://qi.ncc.go.jp

QI とは標準的診療がどの程度行われているかをその実施率でスコア化するもの。

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緩和ケア領域 Quality Indicator 28項目から9項目を調査

項目 分母 分子定量的スケールでの疼痛評

価がん疼痛にオピオイド

を開始する患者数診療録に疼痛の定量的疼痛スケール

による程度の記載がある患者数

オピオイド開始時の疼痛評

価新たにオピオイドを開始する

疼痛があると認められた患者数診療録に疼痛の 1日の変動パターン、増悪軽減因子、疼痛の性状の中の1つ以上の評価の記載がある患者数

患者教育 疼痛に対してオピオイドを開始した患者数

開始時の教育提供と教育についての診療録記載がある患者数

疼痛時のレスキュー薬処方

長時間作用型オピオイド処方を開始した患者数

「疼痛時」の短期作用型オピオイドが処方されている患者数

便通対策の指示

外来において定期的オピオイド処方を開始した患者数

便通対策が処方・指示された、または処方しない理由の診療録記載がある患者数

疼痛のフォローと対応

外来においてオピオイドを新しく開始した外来患者数

医師・薬剤師・看護師によって、効果・副作用・服用の継続に対する確認が

なされていることの診療録記載がある患者数レスキューの

効果評価疼痛に対してレスキュー

を用いた患者数レスキューの効果評価の診療録記載がある患者数

鎮静方法の変更

2週間継続する中等度以上の疼痛もしくは鎮痛薬の有害作用が

確認された入院患者数鎮痛方法が変更された、もしくは

変更のない理由の診療録記載がある患者数鎮静に

対する意向持続注射を用いた

鎮静を開始された患者数患者・家族の意向の診療録記載がある患者数

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診療の質指標の変化

定量的スケールでの疼痛評価

オピオイド開始時の疼痛評価

患者教育

疼痛時のレスキュー薬処方

便秘対策の指示

疼痛のフォローと対応

レスキューの効果評価

鎮痛方法の変更

鎮静に対する意向0

102030405060708090

100

11.7

41.1

23.5

100 10094.1

68.4

93.3100

25

81.2

93.8100 100 100

85.7

100 100

パス未使用群 パス使用群厚生労働省がん臨床研究事業「がん対策における管理指標群の策定とその計測システムの確立に関する研究」祖父江班:診療の質指標 Quality Indicator. 2009. http://qi.ncc.go.jp

祖父江班で作成した診療の質指標( QI )のうち、9項目の QI を用いて評価した。(%)

*

**

*: p<0.05 **: p<0.01

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まとめ

パスを用いることで疼痛の評価や患者教育において有為に診療の質の向上が認められた。治療方針の共有、介護力や病状理解を評価するアセスメントツールとなった。教育用資料を使用することで、視覚的にも訴えることができ教育効果が高まると考えられた。

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結語

各病期に必要な医療・介護・教育を含んだパスは地域連携や在宅緩和ケア普及に有用であると考えた。

桜新町アーバン「緩和ケアサポートパス」と指導用パンフレットは、当院ホームページ(取り組み)からダウンロードできますのでご活用ください。