16 January 2015 - Waseda University...16 January 2015 3 得能 達...

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16 January 2015 1 得能 達 早稲田大学商学部 4 年 広田真一ゼミナール 10 期 得能 達 分析対象企業 積水ハウス株式会社 大和ハウス工業株式会社 証券コード 1928[東証 1 部/建設業] 1925[東証 1 部/建設業] 投資推奨 SELL BUY 現在株価 1557.5 2014 12 18 日時点) 2,219 2014 12 18 日時点) 目標株価 1,041 2,232 目次 1. 投資サマリー 2. 会社概要 <積水ハウス> <大和ハウス工業> 3. 市場動向・予測 <持家住宅市場> <賃貸住宅市場> <法人施設市場> 4. 積水ハウス 業績予想 <持家住宅事業> <賃貸住宅事業> <法人施設事業> 5. 大和ハウス工業 業績予想 <持家住宅事業> <賃貸住宅事業> <法人施設事業> 6. バリュエーション 7. リスク要因

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16 January 2015 1 得能 達

早稲田大学商学部 4年

広田真一ゼミナール 10期

得能 達

分析対象企業 積水ハウス株式会社 大和ハウス工業株式会社

証券コード 1928[東証 1 部/建設業] 1925[東証 1 部/建設業]

投資推奨 SELL BUY

現在株価 1557.5 円

(2014 年 12 月 18 日時点)

2,219 円

(2014 年 12 月 18 日時点)

目標株価 1,041 円 2,232 円

目次

1. 投資サマリー

2. 会社概要

<積水ハウス>

<大和ハウス工業>

3. 市場動向・予測

<持家住宅市場>

<賃貸住宅市場>

<法人施設市場>

4. 積水ハウス 業績予想

<持家住宅事業>

<賃貸住宅事業>

<法人施設事業>

5. 大和ハウス工業 業績予想

<持家住宅事業>

<賃貸住宅事業>

<法人施設事業>

6. バリュエーション

7. リスク要因

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16 January 2015 2 得能 達

1. 投資サマリー

本レポートは、積水ハウス株式会社(以下、積水ハウス)及び大和ハウス工業株式会社(以

下、大和ハウス工業)を分析し、ペアトレードによる投資推奨を行うものである。両社の理

論株価をディスカウント・キャッシュフロー・モデルによって算出した。その結果、積水

ハウスの理論株価は 1,041 円となり、市場の評価価格 1,557.5 円(2014 年 12 月 18 日時点)

は 33.19%割高水準にあると判断した。一方、大和ハウス工業の理論株価は 2,232 円とな

り、市場の評価価格 2,219 円(2014 年 12 月 18 日時点)は 0.57%割安水準であると判断し

た。両社の株価水準から、積水ハウスの投資推奨を”SELL”、大和ハウス工業の投資推奨

を”BUY”とした。

積水ハウスに関しては、持家住宅事業及び賃貸住宅事業おける、市場の縮小、基本戦略

の市場ニーズとの乖離、最大の強みである商品開発力の低下などを鑑みて、市場よりも悲

観的に予測した。さらに法人施設事業に関しても、注力していく姿勢が見られず、今後の

成長は期待できないと予測した。そのため、積水ハウスの株価を割高と判断し、投資推奨

を”SELL”とした。

一方、大和ハウス工業に関しては、集中投資事業と位置付けられている賃貸住宅事業に

おける戦略が、シェアを微減させるものであると予測し、賃貸住宅事業の成長を市場より

も悲観的に予測している。一方で、同じく集中投資事業と位置づけられている法人施設事

業においては、他社が容易に模倣することのできない強みが今後も発揮されるものと考

え、市場よりも楽観的に予測している。そのため、全体的に考えると、大和ハウス工業の

株価は適正水準にあると判断した。積水ハウスとの株価水準を相対的に見て、投資推奨

を”BUY”とした。

2. 会社概要

<積水ハウス>

積水ハウスは、持家住宅事業1、賃貸住宅事業2、リフォーム事業、法人施設事業3などの事

業を展開する企業である。総売上高 1 兆 8051 億円、営業利益 1319 億円(2014 年 1 月期)

と、業界第 2 位の企業である。しかし、戸建住宅に関連する事業では、トップシェアを誇っ

ており、持家住宅事業(特に戸建住宅事業)及び賃貸住宅事業を基盤とした成長戦略を掲げる

1 積水ハウスの報告セグメントでは、戸建住宅事業、分譲住宅事業及びマンション事業で

ある。レポートの簡潔化のため、事業内容を簡略化してまとめた。 2 積水ハウスの報告セグメントでは、賃貸住宅事業及び不動産フィー事業である。 3 積水ハウスの報告セグメントでは、都市再開発事業である。

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16 January 2015 3 得能 達

経営方針を打ち立てている。積水ハウスが、住宅に関する事業に特化する一因として、会長

の和田氏及び社長の阿部氏が営業一筋で、現役職まで上り詰めた人物であることがあげら

れる。会長の経営方針としては、縮小していく住宅事業(持家住宅事業及び賃貸住宅事業)で

シェアを伸ばしていくというものである。

図 1 積水ハウス セグメント売上高比率 (2014 年 1 月期有価証券報告書より筆者作成)

積水ハウスの特徴の一つとして、「最高の品質と技術」を経営理念の一つに掲げるほど、

住宅の品質にこだわりを見せる企業であることがあげられる。住宅の質については、他社の

追随を許さないほどの品質の高さを誇っている。実際に、耐震・免震技術においては、阪神

淡路大震災の際、積水ハウスが建築した住宅(約 37,000 戸)は、一棟も全半壊の住宅がなか

ったほどである。

また、独特の社風が存在するのも特徴の一つである。体育会系色の強い住宅メーカーの

中でも、その傾向が強い企業である。また、社員へのインタビューで聞いた話であるが、

以前に社内紛争があり、会長の和田氏に何か意見できるような社内雰囲気ではないとい

う。その影響もあってか、同社には中央集権的な側面を持ち、現場の声がなかなか上層部

まで届かない現実がある。

持家住宅

40%

賃貸住宅

42%

リフォーム

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法人施設

2%

その他

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積水ハウスセグメント売上高比率

持家住宅 賃貸住宅 リフォーム 法人施設 その他

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16 January 2015 4 得能 達

<大和ハウス工業>

大和ハウス工業は、持家住宅事業4、賃貸住宅事業、リフォーム事業5、法人施設事業6など、

幅広く事業を展開する住宅メーカーである。総売上高 2 兆 7003 億円、営業利益 1636 億円

(2014 年 3 月期)と、業界第 1 位の企業でもある。

図 2 大和ハウス工業 セグメント別売上高比率 (2014 年 3 月期有価証券報告書より筆者作成)

大和ハウス工業は、2013 年 1 月に、準大手ゼネコンであるフジタを買収するなど、M&A

や新規事業参入を積極的に行う企業でもある。実際に、同社は福祉、環境、健康、通信、農

業なども事業領域としている。今後の戦略としては、賃貸住宅事業、法人施設事業を集中投

資事業と位置づけている。これは、会長の樋口氏が工場・倉庫・事務所棟などを施工する東

京支社建築事業部の部長として、営業だけでなく法人事業を経験してきたことが一つの要

因であろう。また、オーナーである石橋氏が生前、「企業の寿命は 30 年、次を背負う事業

をつくれ」と繰り返して新規事業の創出を促しており、会社として、縮小していく住宅事業

から法人向け事業に軸を移そうとしていることも一因としてあげられる。

また、同社の特徴として、現場主義・スピード経営の徹底がある。これは、会長の樋口氏

の経営方針でもある。実際に、事業部制を廃止し、本社を支店の支援スタッフと位置づけ、

支店長に全権限を委譲し、土地の購入の際は支店長が即決できる体制を作った過去がある。

4 大和ハウス工業の報告セグメントでは、戸建住宅事業及びマンション事業である。 5 大和ハウス工業の報告セグメントでは、住宅ストック事業である。 6 大和ハウス工業の報告セグメントでは、商業施設事業及び事業施設事業である。

持家住宅

23%

賃貸住宅

24%

リフォーム

3%

法人施設

36%

その他

14%

大和ハウス工業セグメント別売上高比率

持家住宅 賃貸住宅 リフォーム 法人施設 その他

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16 January 2015 5 得能 達

3. 市場動向・予測

<持家住宅市場>

本レポートでは、戸建住宅及び分譲住宅(マンションを含む)を持家住宅とし、その市場を

持家住宅市場とする。この持家住宅市場は、1996 年及び 2013 年の消費増税による駆け込

み需要、2011 年以降の復興需要による需要拡大はあるが、全体的には縮小傾向にある。市

場規模は、1994 年からの 20 年間で、約 65%にまで縮小した。これは移動人口の減少や、

メインターゲットであるファミリー世帯(世帯人口 3 人以上)の減少などによるものと考え

られる。

図 3 持家住宅着工数 (『国土交通省 建築着工統計調査』より筆者作成)

持家住宅市場を予測するにあたり、持家住宅着工数を被説明変数とし、名目 GDP 成長

率、移動人口を説明変数とした重回帰分析7を行い、それぞれの説明変数が市場規模(持家

住宅着工数)に与える影響度合いを求めた。なお、消費増税による駆け込み需要及び反動減

の影響を把握するため、1996 年及び 2013 年に駆け込み需要ダミーを 1997 年に反動減ダ

ミーを設定した。

そのうえで、それぞれの説明変数の将来予測から、将来の市場規模(持家住宅着工数)の

予測を算出した。なお、名目 GDP 成長率の将来予測は、日本経済研究センター「中期経

済予測」を、移動人口の将来予想は、人口問題研究所「日本の将来推計人口」を基に筆者

が予測した。また、2014 年の予測には、消費増税による反動減を考慮した。さらに、

2017 年 4 月に再増税が行われるものと仮定し、2016 年に駆け込み需要、2017 年に反動減

を考慮した。

7 名目 GDP成長率以外の変数は、対数値に変換したうえで、分析を行った。

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持家住宅着工数(戸)

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16 January 2015 6 得能 達

図 4 持家住宅着工予測数 (『国土交通省 建築着工統計調査』より筆者作成)

人口の減少に伴う移動人口の減少などにより、持家住宅の着工数は 2013 年の約 62 万戸

から、2025 年には約 36 万戸にまで減少すると予測した。ただし、現在問題化している空

き家問題が一層深刻化した場合、政府による中古住宅市場拡大促進などが起こり、新規の

持家住宅の需要が低下する可能性があり、下方修正の余地がある。

<賃貸住宅市場>

本レポートでは、賃貸住宅に関する事業を賃貸住宅事業とし、事業が属する市場を賃貸

住宅市場とする。この賃貸住宅市場は、2006 年前後の不動産ミニバブルの時期を除くと、

全体的には縮小傾向にある。市場規模は、1994 年からの 20 年間で、約 63%まで縮小し

た。これは移動人口の減少や、需給のバランスによるものであると考えられる。つまり、

需要超過の状況が改善されたため、新たな賃貸住宅供給の必要性がなくなってきたのであ

る。実際に、この 10 年間で賃貸住宅の空室率も増加してきている。

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持家住宅着工予測数

実現値 再現値・予測値

(戸)

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16 January 2015 7 得能 達

図 5 賃貸住宅着工数 (『国土交通省 建築着工統計調査』より筆者作成)

賃貸住宅市場を予測するにあたり、賃貸住宅建築着工数を被説明変数とし、名目 GDP

成長率、移動人口、過去 10 年間の賃貸住宅の着工数8を説明変数とした重回帰分析9を行

い、それぞれの説明変数が市場規模(賃貸住宅着工数)に与える影響度合いを求めた。

そのうえで、それぞれの説明変数の将来予測から、将来の市場規模(賃貸住宅建築数)の

予測を算出した。なお、名目 GDP 成長率の将来予測は、日本経済研究センター「中期経

済予測」を、移動人口の将来予想は、人口問題研究所「日本の将来推計人口」を基に筆者

が予測した。

8 賃貸住宅は持家住宅と異なり、オーナーは居住せずビジネスとして所有するため、賃貸

住宅市場における需給バランスを把握し、賃貸住宅を着工する必要がある。そのため長期

的な供給量の代替変数として、過去 10年間の賃貸住宅の着工数を説明変数として加え

た。 9 名目 GDP成長率以外の変数は、対数値に変換したうえで、分析を行った。

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賃貸住宅着工数(戸)

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16 January 2015 8 得能 達

図 6 賃貸住宅着工予測数 (『国土交通省 建築着工統計調査』より筆者作成)

人口の減少に伴う移動人口の減少などにより、賃貸住宅の着工数は 2013 年の約 36 万戸

から、2025 年には約 20 万戸にまで減少すると予測した。ただし、相続税対策としての賃

貸住宅需要が今後も増加していく可能性があり、上方修正の余地があると考えられる。一

方で、今後、入居者の減少が深刻化した場合、需給バランスが悪化し、賃貸料の更なる低

下が想定される。その場合、ビジネスとしての賃貸経営自体に魅力がなくなり、新規の賃

貸住宅着工が減少する可能性があり、下方修正の余地があると考えられる。

<法人施設市場>

法人施設事業は、小売店舗の建設から、オフィスや物流センターなどの建設までと、事

業領域が非常に幅広い。多業種・多用途にわたる建築であるため、市場全体の動向を観

察・考察するのは難しい。そのため、積水ハウスと大和ハウス工業が事業領域としている

オフィスビル、大和ハウス工業が事業領域としているコンビニエンスストア、物流センタ

ーの建築・賃貸に関する市場を考察していく。大和ハウス工業は、飲食店やアパレル店舗

などさまざまな法人施設の建築・賃貸を事業として行っているが、すべての業種・用途に

対する分析は現実的に不可能であるため、本レポートでは割愛する。

まず、オフィスビルの市場動向を考察する。不動産流通近代化センターの調査による

と、オフィスビルにおける事務所床面積数は増加傾向が続いているが、その増加傾向は

年々鈍化している。これは、供給超過による新規供給数の減少が主な原因である。実際

に、賃貸オフィスの空室率は、2009 年 1 月に需給均衡の目安となる 5%を超え、2013 年

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賃貸住宅着工予測数

実績値 再現値・予測値

(戸)

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16 January 2015 9 得能 達

末の時点で、7.52%となっている。オフィスビルの市場は、景気の影響を大きく受けるた

め、予想が非常に困難であるが、マクロ景気が一定と仮定すれば、生産年齢人口の減少に

より事業所数も減少し、オフィスビルの需要が縮小してくると予測できる。

図 7 オフィスビル 事務所床面積数 (『不動産流通近代化センター 不動産業統計集』より筆者作成)

次に、コンビニエンスストアの市場動向を考察する。コンビニエンスストアの店舗数

は、年々増加を続けている。これは、百貨店や中小型スーパーの市場縮小を吸収する形

で、コンビニエンスストア市場が拡大してきたことに加え、大手コンビニエンスストア企

業が店舗数の増加を基本戦略にしていることによるものである。今後もこの傾向が変わら

なければ、コンビニエンスストアの店舗数・建築数の増加傾向は変わらないものと予測し

た。

図 8 コンビニエンスストア 店舗数 (『経済産業省商業販売統計』より筆者作成)

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コンビニエンスストア店舗数(店)

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16 January 2015 10 得能 達

次に、物流センターの市場について考察する。EC の発達や、SPA(製造小売)を採用する

企業の増加に伴う自社物流センターの需要拡大を背景に、物流センターの需要(床面積ベー

ス)は拡大傾向にある。また、近年の動向として、物流センターの集約・統合が多く、大規

模物流センターへの建て替え需要が多いことが特徴としてあげられる。今後もこの傾向に

変化がなければ、物流センターの需要の拡大傾向も変化ないものであると予測した。

前にも述べた通り、法人用施設事業は多業種・多用途向けに対してのアプローチが可能

な事業である。そのため、法人施設市場全体の市場動向を観察及び考察するのは、難解で

ある。しかし、物流センターのように、時代と共に新たなニーズや需要が生み出されるこ

とを考えれば、成長余力のある市場と言える。

持家住宅市場、賃貸住宅市場及び法人施設市場すべてに共通する動向を述べておきた

い。近年、アベノミクスの財政出動や復興需要、2020 年の東京オリンピックに向けた建設

需要に加え、建設業就業者の高齢化に伴う人手不足などを背景に、建材費や(施工業者の)

人件費が高騰している。東京オリンピックが行われる 2020 年以降は、復興需要及びオリ

ンピック特需がなくなるのに加え、住宅市場の縮小による需要縮小を背景に、建材費や人

件費の高騰はおさまるだろうと予測できる。しかし、建設業就業者の高齢化は進行し人手

不足のみは解消できず、人件費の上昇は収まらないと予測した。なお、この動向が積水ハ

ウス及び大和ハウスに与える影響は、利益率の低下と商品(住宅)単価の上昇があげられ

る。一般に、住宅メーカーは下請け業者や施工業者に対する交渉力が強いため、急激な利

益率の悪化は起こらないだろうが、売上原価が上昇するため利益率の低下はまぬかれない

であろう。また、消費者に対する交渉力も中程度であるため、費用高騰の影響の一部は、

消費者が被ることとなる。その結果として商品単価の上昇が生じると予想した。

4. 積水ハウス 業績予想

<持家住宅事業>

積水ハウスの持家住宅事業に対する基本的戦略は、「中高級化路線」である。これは、「最

高の品質と技術」を経営理念においていることに起因するものであると考えられる。この戦

略は、他社の追随を許さない高い品質・技術力を持つ積水ハウスが採用する戦略としては、

当然であろう。しかし、この戦略は、大半の消費者が住宅購入に関してもつニーズと食い違

うものであることを指摘せざるをえない。リクルート住宅総研の調査によると、住宅購入を

検討している消費者は、設備やデザイン性などよりも、まず物件価格を重要視している。こ

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16 January 2015 11 得能 達

のような消費者のニーズと、積水ハウスの基本戦略である「中高級化路線」との間には、ギ

ャップが生じていると考えられる。実際に、現場の営業マンレベルでは、価格帯の高さに苦

言を呈しているようであるが、積水ハウスの企業体質を考慮し、今後も戦略の変更は行わな

いであろうと予測した。

図 9 住宅選びの重要条件 (『リクルート住宅総研 住宅購入検討者調査』より筆者作成)

さらに、積水ハウスの最大の強みである商品の品質・技術力の高さが今後も継続していく

かにも疑問を持たざるをえない。その最大の理由は、和田氏(現会長)が代表取締役社長に就

任した翌年の 1999 年に組織改編を行ったによる商品開発力の低下である。当時の商品開発

は、地域密着の理念の基に、大阪・広島・東京に設計部を設置し、それぞれに競わせること

でヒット商品を生み出していた。その代表例が、戸建住宅では IS シリーズ、賃貸住宅では

シャーメゾンシリーズである。しかし、1999 年に組織改編・リストラ政策を行い、各設計

部を本社に集約したことで、各設計部間での競争が消滅し、商品開発力の活力が失われてし

まった。2009 年に再び設計部を東京・大阪に分割したが、既に多くの人材が去ってしまっ

ており、商品開発競争を促すには未だ時間がかかりそうである。実際に、2000 年代以降の

開発においては、業界をリードするようなシリーズが生まれていない。積水ハウスの最大の

強みである商品の品質を支える商品開発力の低下が、積水ハウスの市場シェアを減少させ

るのは、容易に考えられる。

消費者のニーズと積水ハウスの戦略にギャップが生じていることに加え、積水ハウスの

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物件価格 水回りの

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部の耐久

性・堅牢

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装の美観

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物様式・

外観デザ

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庭・バル

コニー

重要割合 81.7 45.4 42.8 26.7 25.7 23.5

住宅選びの重要条件

(%)

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16 January 2015 12 得能 達

最大の強みである商品開発力の低下を鑑みて、今後積水ハウスの市場シェアが逓減してい

くと予測した。さらに、積水ハウスの基本戦略が「中高級化路線」であること、人件費・建

材費の高騰の影響を考慮し、一戸あたりの売上高(単価)は上昇していくと予測した。

<賃貸住宅事業>

賃貸住宅事業における基本戦略も、持家住宅事業における戦略と同様に「中高級化路線」

であると考えられる。積水ハウスの賃貸住宅ブランドである「シャーメゾン」は、遮音性や

断熱性などの品質面では、他社からの追随を許さないほどである。

しかし、近年の賃貸住宅市場は、需給が均衡もしくは、供給過剰になりつつあり、賃貸料

の下落が続いている。このような市場環境の中で、中高級賃貸住宅を求める賃貸住宅オーナ

ーは多くないと推測する。賃貸住宅オーナーの視点からみると、賃貸料が下落している環境

下で、高い賃貸料を強いられる中高級賃貸住宅を建てるインセンティブがないからである。

図 10 東京都民営借家家賃(1 坪あたり) (総務省統計局『小売物価統計調査』より筆者作成)

さらに、持家事業と同様、今後の商品開発力にも疑問を呈さざるを得ない。最大の強みで

ある商品の品質を支える商品開発力の低下が、今後の市場シェアを低下させるのは必定で

あろう。

賃貸料が下落している環境下で、高い賃貸料を強いられる中高級賃貸住宅の強化を基本

戦略に掲げていることや、今後の積水ハウスの商品開発力の低下を鑑みて、賃貸住宅市場に

おいても、積水ハウスの市場シェアは減少していくと予測した。なお、中高級賃貸住宅の強

化及び人件費・建材費の高騰の影響を考慮し、一戸あたりの売上高(単価)は上昇していくと

予測した。

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9,100

9,150

9,200

9,250

9,300

9,350

2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010

東京都民営借家家賃推移(1坪あたり)(円)

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16 January 2015 13 得能 達

<法人施設事業>

積水ハウスは、今後も法人施設事業に注力していかないと考え、収益の向上は見込めな

いと予測した。実際に、2014 年 1 月末の時点で、法人施設事業に従事する社員数は全従業

員の約 0.2%の 44 人しかいない。全従業員の約 25%(7988 人)もの人員を法人施設事業に割

いている大和ハウス工業と比較すると、明らかに法人施設事業に注力していないことがわ

かる。この理由の一つは、会長及び社長が営業部出身であり、住宅事業に固執しているから

ではないかと推測する。そして、法人施設事業に消極的な姿勢をとることに対して異を唱え

なれるような社内環境ではないことは、会社概要で述べた通りである。

よって、法人施設事業に関しては、今後は収益の向上が見込めないとして、直近の売上で

一定であると予測した。

以上の定性分析より、積水ハウスの業績予測を行った。売上高は、消費増税による駆け込

み需要を予測した 2017 年 1 月期をピークに徐々に減少していくという予測になった。これ

は、主力事業である持家住宅事業及び賃貸住宅事業の市場縮小に加え、ニーズと戦略の不一

致によるシェア減少に起因する。

図 11 積水ハウス セグメント売上高(実績及び予測) (有価証券報告書より筆者作成)

また、人件費及び建材費の上昇を加味し、売上原価率を徐々に上昇させるとともに、2020

年までに法人税率を 20%代に引き下げるという政府の方針などを加味し、法人税率を徐々

-

200,000

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600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

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1,600,000

1,800,000

2,000,000

積水ハウスセグメント売上高(実績及び予測)

持家住宅 賃貸住宅 リフォーム 法人施設 その他

(百万円) (百万円)

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16 January 2015 14 得能 達

に低下させた。なお、復興特別税による影響は、前倒しでの終了が決定しているため、今会

計期間(2015 年 1 月期)から排除している。その結果、売上高の減少と共に、若干の利益率

の低下を予測した。

図 12 積水ハウス 売上/営業利益/当期純利益(実績及び予測) (有価証券報告書より筆者作成)

5. 大和ハウス工業 業績予想

<持家住宅市事業>

大和ハウス工業の持家住宅事業における戦略は、長い間、積水ハウスの後追い戦略であっ

たといえる。積水ハウスの売れ筋商品に似た商品を、やや低い価格で販売するという戦略を

行ってきた。しかし、2006 年に「XEVO(ジーヴォ)」という新工法による商品を発売し、住

宅ブランドを「XEVO」に集約するなど、従来の戦略から転換を図っている最中であること

がうかがえる。

大和ハウスは、これまで後追い戦略を行ってきたこともあり、大手住宅メーカーの中では、

中~低価格の商品が充実している。これは、積水ハウスの持家住宅事業の節で紹介した消費

者のニーズに合致しているといえる。しかし、同社は、持家住宅事業に関して、今後の戦略

を明確に打ち出しているわけではなく、この中~低価格帯商品の強化が図られるかは不透

明である。2014 年から「XEVOΣ」という高級住宅の販売を開始したため、市場では、積

水ハウスと同様に、高級化路線にシフトするのではないかという見方もある。しかし、

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

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400,000

600,000

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1,000,000

1,200,000

1,400,000

1,600,000

1,800,000

2,000,000

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1/0

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1

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1

201

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1

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1

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201

7/0

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9/0

1E

202

1/0

1E

202

3/0

1E

積水ハウス 売上/営業利益/当期純利益(実績及び予測)

売上高・営業収益(左軸) 営業利益(右軸) 当期利益(右軸)

(百万円) (百万円)

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16 January 2015 15 得能 達

「XEVOΣ」の当初の販売目標が僅か 100 戸であったことや、現場主義が徹底され、消費者

のニーズが比較的重視される企業であることを踏まえると、高級化路線に本腰を入れると

は、考えにくい。

明確な戦略設定がなく、圧倒的な強みを持っているわけではないが、現在販売している商

品が比較的消費者のニーズと合致していることや、消費者のニーズが汲み取られやすい会

社であることを踏まえて、市場シェアは今後も一定で推移していくものと予想した。なお、

一戸あたりの売上高(単価)は、人件費・建材費の高騰の影響から、一戸あたりの売上高(単価)

は上昇していくと予測した。なお、「中高級化路線」を図る積水ハウスほどは上昇しないと

予測している。

<賃貸住宅事業>

大和ハウス工業が集中投資事業の一角に位置づける賃貸住宅事業に対する基本戦略は、

女性向け賃貸住宅の強化である。最近では、有名女性タレントを起用したテレビ CM を用

いて、防犯配慮型賃貸住宅の宣伝を大々的に行っている。この戦略は、働く女性の増加や未

婚率の上昇などが予測されている背景を考えれば、妥当な戦略であるように見える。

しかし、メインターゲットである 20~30 代女性単身世帯の数は、減少していく予測がな

されている。さらに、同世代の男性単身世帯数との割合の予測をみても、賃貸住宅マーケッ

トの中で女性の比重が重くなることはないと予測されている。

図 13 20~30 代女性単身世帯数 / 20~30 代単身者に占める女性の割合

(国立社会保障・人口問題研究所 『日本の世帯数将来推計』より筆者作成)

35.00%

36.00%

37.00%

38.00%

39.00%

40.00%

41.00%

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43.00%

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45.00%

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1,200

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1,600

1,800

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2,200

2,400

20~30代女性単身世帯数 / 20~30代単身者に占める女性の割合

20~30代女性単身世帯数(左軸) 20~30代単身者に占める女性の割合(右軸)

(千人)

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16 January 2015 16 得能 達

さらに、女性向け賃貸住宅強化の戦略は、他の大手賃貸住宅メーカーも女性をターゲット

とした賃貸住宅の販売または開発を行っており、他社と差別化が図られているとは言えな

い。例えば、大和ハウス工業はテレビ CM において、セキュリティの高さを強調するが、大

手のレオパレス 21 もホームキュリティ対応物件を既に数多く販売している。

また、この女性向け賃貸住宅は、通常の賃貸住宅よりも高付加価値の住宅であるため、賃

貸料が高くなりやすい。加えて、女性向け賃貸住宅の設備などは、男性から必要とされてい

るものが少なく、あまり魅力的な賃貸住宅ではない。男性目線では、女性向け賃貸住宅は、

ただ比較的家賃の高い住宅にしか過ぎず、女性向け賃貸住宅に男性が居住する可能性は低

い。さらに、「大和ハウス=女性向け」というイメージを植え付けてしまうほどに、あまり

にも女性向け賃貸住宅のみを宣伝している現状が続けば、男性客離れが起こる可能性があ

る。

競合他社との差別化ができていない女性向け賃貸住宅の強化戦略は、シェアを伸ばせな

いだけでなく、男性の客離れを引き起こす可能性がある。そのため、賃貸住宅市場における

大和ハウスの市場シェアは減少していくと予測した。なお、比較的高付加価値である女性向

け賃貸住宅の強化、人件費・建材費の高騰を考慮して、一戸あたりの売上高(単価)は、積水

ハウスほどではないが、上昇していくと予測した。

<法人施設事業>

大和ハウス工業は、法人施設事業を集中投資事業と位置づけるほど、重要事業としている。

同社の法人施設事業は、ロードサイドにおける中小型商業施設から物流センターなどの大

型事業施設の建築・賃貸を手掛けている事業である。大和ハウス工業の法人施設事業におけ

る最大の強みは、中小型商業施設の事業に起因する。同社は、長期(37 年間)にわたって法人

用施設事業を行っており、他の住宅メーカーよりも企業との強いコネクションを持ってい

ると考えられる。これは、土地活用を考えている地主から見れば、より確実な土地活用が期

待できるため、同社は他の住宅メーカーよりも、土地の仕入が容易であると考えられる。ま

た、大手デベロッパーも競合として考えられる。しかし、大和ハウス工業は、長年にわたり、

住宅メーカーとして多くの中小地主との関係を築いていると考えられる。これは、賃貸住宅

事業の主なクライアントは、土地活用を考えている中小地主であることを考えれば、容易に

想像できる。多くの企業・中小地主と関係を築いていることが、中小規模の商業施設事業に

関する強みである。

この中小規模の商業施設での強みは、これまでに更なる企業とのコネクションを生んで

いる。この企業との関係が、大規模の事業施設の事業において発揮されている。実際の例で

は、ファーストリテイリング(ユニクロ)のロードサイド店舗(中小型商業施設)の建築を 20 年

間にわたって請け負っていたことが、ユニクロの物流施設(大型事業施設)の新設につながっ

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16 January 2015 17 得能 達

た。長年住宅メーカーとして、中小型商業施設の建築・賃貸に携わってきたことが、法人施

設事業全体の大きな強みとなっている。

この法人施設事業での強みが、将来的に消滅することは、考えにくく、今後も維持される

ものと予測した。そのため、大和ハウス工業の法人施設事業の売上は、今後も堅調に成長し

ていくと予測した。

以上の定性分析より、大和ハウス工業の業績予測を行った。売上高は、積水ハウスとは対

照的に今後も順調に増加していくと予測した。これは、持家住宅及び賃貸住宅の市場縮小以

上に法人事業での成功が見込まれるからである。

図 14 大和ハウス工業 セグメント売上高(実績及び予測) (有価証券報告書より筆者作成)

また、積水ハウス同様、人件費及び建材費の上昇を加味し、売上原価率を徐々に上昇させ

るとともに、2020年までに法人税率を20%代に引き下げるという政府の方針などを加味し、

法人税率を徐々に低下させた。なお、復興特別税による影響は、前倒しでの終了が決定して

いるため、今会計期間(2015 年 3 月期)から排除している。

-

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大和ハウス工業 セグメント売上(実績及び予測)

持家住宅 賃貸住宅 リフォーム 法人施設 その他

(百万円)

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16 January 2015 18 得能 達

図 15 大和ハウス工業 売上/営業利益/当期純利益(実績及び予測) (有価証券報告書より筆者作成)

6. バリュエーション

本レポートでは、定性分析を基に業績予測を行い、将来発生するフリーキャッシュフロ

ーを予測し、ディスカウント・フリーキャッシュフロー・モデルを用いて、両社の理論株

価を算出した。その結果、積水ハウスの理論株価は 1,041 円となり、市場の評価価格

1,557.5 円(2014 年 12 月 18 日時点)を 33.19%割高水準にあると判断した。一方、大和ハ

ウス工業の理論株価は 2,232 円となり、市場の評価価格 2,219 円(2014 年 12 月 18 日時点)

を 0.57%割安水準であると判断した。

積水ハウスについて、市場は、同社の主力事業である住宅事業(持家住宅事業及び賃貸住

宅事業)の成長を楽観的に予測していると判断した。これは、同社の最大の強みである商品

の品質・技術力を評価したものであると考えられる。しかし、消費者が商品の品質・技術

力よりも購入価格を重要視していること、同社の強みである商品の品質・技術力の根底を

なす商品開発力の低下を考慮し、住宅事業は市場が予測するほどの成長見込みはないと判

断した。よって、市場は積水ハウスについて過大評価していると判断した。

一方、大和ハウス工業について、市場は、集中投資事業と位置付けられている賃貸住宅

事業においては楽観的に、集中投資事業と位置づけられている法人施設事業においては、

悲観的に予測していると判断した。まず、賃貸住宅事業であるが、基本戦略である女性向

け賃貸住宅の強化について、市場は、働く女性の増加や未婚率の上昇などが予測されてい

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大和ハウス工業 売上/営業利益/当期純利益(実績及び予測)

売上高・営業収益(左軸) 営業利益(右軸) 当期利益(右軸)

(百万円) (百万円)

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16 January 2015 19 得能 達

るため楽観的に予測している。しかし、実際の単身女性の人数の予測を見ると、増加どこ

ろか減少していく予想がなされている。さらに、女性向け賃貸住宅は、他の大手賃貸住宅

メーカーも強化に乗り出しており、特段の差別化が図れているとは言えない。また、あま

りにも女性向け賃貸住宅の開発・広告を行い過ぎ、男性の客離れが起こる可能性も考えら

れる。そのため、賃貸住宅事業においては市場の予測ほどの成長は見込めないと判断し

た。

一方で、法人施設事業に関しては、市場は法人施設の開発を根幹事業として行っている

大手デベロッパーとの競合に勝てないのではないかと予測し、悲観的に予測している。確

かに、大規模な土地の仕入という観点から見ると、大手デベロッパーに分があると考えら

れる。しかし、大和ハウス工業には住宅メーカーならではの強みを持っており、これは他

社が容易に模倣することのできないものである。これは、住宅メーカーだからこそ持ちう

る中小地主とのコネクションである。この強みは今後も発揮されるものと考え、市場予測

以上に堅調に成長していくと予測している。賃貸住宅事業における楽観的予測と、法人施

設事業における悲観的予測を総合的に考え、大和ハウス工業の株価は適正水準にあると判

断した。

ペアトレードでの投資推奨であるが、両社の株価水準から、積水ハウスの投資推奨

を”SELL”、大和ハウス工業の投資推奨を”BUY”とした。

7. リスク要因

投資推奨の変更を伴う可能性があるリスク要因を述べておきたい。

・富裕層人口の増加・経済格差大幅拡大

富裕層は、住宅購入の際の優先順位が一般人と異なる可能性がある。つまり、住宅価格よ

りも品質を重要視する。この富裕層人口が増加すると積水ハウスのシェアが伸びると考え

られ、積水ハウスの業績上昇をもたらすと考えられる。

・新規事業リスク

大和ハウス工業は、積極的に新規事業を行う企業である。そのため、新規事業において失

敗した場合、大きな損失を計上する可能性があり、下方修正リスクとなる。積水ハウスに関

しては、新規事業に比較的消極的な企業であるため、新規事業の失敗リスクは大きくない。

一方で、新規事業で大きな成功を収めた場合、業績上昇することが考えられ、上方修正リス

クとなる。

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16 January 2015 20 得能 達

投資推奨に影響はないが、業績変動をもたらすリスクについても述べておきたい。

・中古住宅市場の拡大

現在問題となっている空き家問題が一層深刻化した場合、政府による中古住宅市場拡大

促進などが起こり、新規の持家住宅の需要が低下する可能性があり、業績の下方修正リスク

となる。

・賃貸住宅の相続税対策としてのニーズ拡大

現在、賃貸住宅の相続税対策としてのニーズが高まりつつある。この傾向がより拡大した

場合、賃貸住宅の需要が増えることになり、業績の上方修正リスクとなる。

・人件費・建材費の高騰

人件費・建材費の高騰に関して、本レポートでも考慮を行っているが、天災や政策などに

よる新たな建設需要が発生した場合、予測以上の上昇が考えられ、両社の業績を悪化させる

ことになる。そのため、業績の下方修正リスクとなる。

・景気リスク

景気の悪化は、すべての事業の業績を悪化させる可能性があり、下方修正リスクとなる。

一方で、景気の回復・拡大は、すべての事業の業績を改善・上昇させる可能性があり、上方

修正リスクとなる。

・為替リスク

多くの建材の原材料は輸入品に頼っているため、円安は利益率を引き下げ、業績悪化を招

く可能性があり、下方修正リスクとなる。一方で、円高は利益率を引き上げ、業績上昇を招

く可能性があり、上方修正リスクとなる。両社とも海外展開を行っているが、売上・利益と

もにほとんどを国内で生み出しているため、海外売上に対する為替の影響はほぼないもの

と考えている。

・法人税率変更

法人税率の変更は、当期純利益及びフリーキャッシュフローに大きく影響を与える。本レ

ポートでは、2020 年までに 20%代となると仮定しているが、予測以上に法人税率が低下し

た場合、両社の業績は上昇する。一方で、予測ほどの低下がみられない場合、両社の業績は

悪化する。

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参考資料

16 January 2015 21 得能 達

積水ハウス 貸借対照表(資産の部)

積水ハウス 貸借対照表(負債の部/純資産の部)

積水ハウス 資産の部 2010/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 E2015/01 E2016/01 E2017/01 E2018/01 E2019/01 E2020/01 E2021/01 E2022/01 E2023/01 E2024/01現金・預金 149,330 151,983 169,524 180,232 182,134 144,963 148,292 154,747 147,678 151,211 151,830 151,356 150,377 151,526 151,568 余裕資金 37,309 24,453 10,932 55,204 55,532 68,777 87,351 108,316 120,415 137,307 受取手形・売掛金 11,391 35,545 36,530 38,612 46,182 43,945 44,198 45,333 43,262 44,297 44,478 44,339 44,053 44,389 44,401 棚卸資産 597,440 550,432 616,329 648,820 753,590 717,807 722,693 742,050 708,153 725,093 728,060 725,788 721,092 726,605 726,804 有価証券 1,274 5 5,000 2,098 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 1,044 その他流動資産 91,498 84,565 88,691 86,129 95,639 93,873 97,397 103,064 98,356 100,708 101,120 100,805 100,153 100,918 100,946

流動資産合計 850,933 822,530 916,074 955,891 1,078,589 1,038,942 1,038,076 1,057,170 1,053,698 1,077,885 1,095,308 1,110,682 1,125,033 1,144,898 1,162,070 償却対象有形固定資産 146,708 147,782 146,111 156,986 216,252 258,060 286,982 302,164 313,674 323,465 332,918 341,417 348,808 355,519 361,773 建設仮勘定 6,160 11,099 16,667 19,342 15,258 22,320 24,073 23,409 22,134 22,660 22,688 22,529 22,282 22,395 22,318 土地・その他非償却対象有形固定資産 189,361 193,249 191,355 210,654 235,023 240,899 246,921 253,094 259,421 265,907 272,555 279,368 286,353 293,512 300,849

有形固定資産合計 342,233 352,131 354,135 386,983 466,534 521,279 557,975 578,667 595,229 612,032 628,161 643,315 657,443 671,426 684,940 特許権・実用新案・ソフトウェア 5,936 6,130 8,122 9,257 10,344 10,861 11,404 11,974 12,573 13,202 13,862 14,555 15,283 16,047 16,849 のれん - 498 1,219 892 566 566 566 566 566 566 566 566 566 566 566 その他無形固定資産 3,134 3,181 4,990 5,180 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636 5,636

無形固定資産合計 9,070 9,809 14,331 15,329 16,546 17,063 17,606 18,176 18,775 19,404 20,064 20,757 21,485 22,249 23,051 投資有価証券・関係会社株式・出資金 67,410 72,449 65,855 79,109 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 106,429 長期貸付金 32,791 28,831 35,795 43,574 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 47,249 繰延税金資産(固定) 17,274 18,650 21,699 21,562 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 14,234 その他の投資・その他の資産 34,233 36,907 37,938 36,822 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 39,421 貸倒引当金・調整勘定等 1 - - - 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

投資・その他の資産合計 151,708 156,837 161,287 181,067 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 207,333 固定資産合計 503,012 518,778 529,754 583,381 690,415 745,675 782,915 804,176 821,337 838,768 855,558 871,405 886,261 901,008 915,324 資産合計 1,353,946 1,341,308 1,445,828 1,539,272 1,769,005 1,784,617 1,820,991 1,861,347 1,875,035 1,916,653 1,950,867 1,982,088 2,011,294 2,045,906 2,077,395

積水ハウス 負債の部 2010/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 E2015/01 E2016/01 E2017/01 E2018/01 E2019/01 E2020/01 E2021/01 E2022/01 E2023/01 E2024/01支払手形・買掛金 135,658 149,714 138,537 150,587 174,725 168,363 172,082 179,082 171,377 175,601 176,513 176,177 175,199 176,621 176,778 短期借入金・1年内返済の長期負債等 172,901 27,479 81,073 68,897 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 83,596 未払法人税等 4,810 9,038 27,043 26,840 31,085 24,461 21,571 19,578 17,327 17,006 16,220 15,853 15,526 15,539 15,395 その他流動負債 147,097 137,857 161,598 164,700 213,253 198,801 196,206 196,752 188,287 192,928 193,930 193,561 192,486 194,049 194,221

流動負債 460,466 324,088 408,251 411,024 502,659 475,221 473,455 479,008 460,588 469,132 470,260 469,188 466,807 469,804 469,990 長期借入金・社債・転換社債 88,764 184,550 182,660 198,130 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781 203,781

社債・転換社債 59,986 129,990 120,000 140,000 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 126,390 長期借入金 28,778 54,560 62,660 58,130 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391 77,391

引当金合計 30,472 35,937 43,560 54,354 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 56,014 繰延税金負債(固定) - - - - 203 203 203 203 203 203 203 203 203 203 203 その他固定負債 57,948 58,703 60,982 61,700 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931 64,931

固定負債 177,184 279,190 287,202 314,184 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 324,929 負債合計 637,650 603,278 695,453 725,208 827,588 800,150 798,384 803,937 785,517 794,061 795,189 794,117 791,736 794,733 794,919

積水ハウス 純資産の部 2010/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 E2015/01 E2016/01 E2017/01 E2018/01 E2019/01 E2020/01 E2021/01 E2022/01 E2023/01 E2024/01少数株主持分 325 774 6,178 7,228 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 9,996 株主資本 715,971 737,256 744,197 806,836 931,421 974,474 1,012,614 1,047,417 1,079,526 1,112,601 1,145,686 1,177,979 1,209,566 1,241,181 1,272,484

純資産 716,296 738,030 750,375 814,064 941,417 984,470 1,022,610 1,057,413 1,089,522 1,122,597 1,155,682 1,187,975 1,219,562 1,251,177 1,282,480

負債・純資産 1,353,946 1,341,308 1,445,828 1,539,272 1,769,005 1,784,621 1,820,995 1,861,351 1,875,039 1,916,657 1,950,871 1,982,092 2,011,298 2,045,910 2,077,399

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参考資料

16 January 2015 22 得能 達

積水ハウス 損益計算書

積水ハウス 損益計算書 2010/01 2011/01 2012/01 2013/01 2014/01 E2015/01 E2016/01 E2017/01 E2018/01 E2019/01 E2020/01 E2021/01 E2022/01 E2023/01 E2024/01売上高・営業収益 1,353,186 1,488,369 1,530,577 1,613,816 1,805,102 1,746,545 1,786,651 1,864,427 1,779,258 1,821,820 1,829,274 1,823,566 1,811,767 1,825,619 1,826,119

売上原価・営業原価 1,196,849 1,231,161 1,255,253 1,314,312 1,446,602 1,409,295 1,456,485 1,532,817 1,466,870 1,503,027 1,510,832 1,507,955 1,499,579 1,511,754 1,513,097 売上総利益 156,336 257,208 275,324 299,503 358,499 337,250 330,166 331,610 312,388 318,794 318,442 315,611 312,188 313,865 313,022

販売費および一般管理費 195,091 200,853 204,426 213,306 226,569 225,767 229,234 237,420 226,574 231,994 232,943 232,216 230,714 232,478 232,541 広告宣伝費 18,969 20,764 20,196 22,031 25,464 24,416 24,750 25,591 24,422 25,006 25,109 25,030 24,868 25,058 25,065 人件費 86,872 94,195 97,686 84,520 92,719 89,711 91,771 95,766 91,392 93,578 93,961 93,667 93,061 93,773 93,799 減価償却費 6,432 6,391 7,210 - - 8,041 8,034 8,185 7,811 7,998 8,030 8,005 7,954 8,014 8,017 その他販管費・一般管理費 82,818 79,503 79,334 106,755 108,386 103,599 104,678 107,878 102,950 105,412 105,844 105,513 104,831 105,632 105,661

営業利益 -38,754 56,354 70,897 86,196 131,930 111,483 100,933 94,190 85,814 86,800 85,499 83,394 81,474 81,388 80,481 受取利息・配当金 1,934 2,158 2,648 2,775 2,960 3,107 3,064 2,988 3,127 3,316 3,398 3,545 3,721 3,874 4,013 持分法による投資利益 387 916 449 312 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 2,848 その他営業外収益 4,032 3,797 2,826 7,894 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 4,616 支払利息・割引料 2,965 2,638 1,885 1,620 995 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 1,032 その他営業外費用 3,392 4,316 4,861 3,791 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564 3,564

経常利益 -38,758 56,271 70,075 91,767 137,794 117,459 106,865 100,046 91,809 92,984 91,765 89,808 88,064 88,130 87,362 特別利益 6 134 - - 468 468 468 468 468 468 468 468 468 468 468 特別損失 7,668 2,592 7,874 5,306 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742 5,742

税金等調整前当期利益 -46,421 53,814 62,200 86,461 132,520 112,185 101,591 94,772 86,535 87,710 86,491 84,534 82,790 82,856 82,088 法人税等 -17,170 23,370 33,216 37,873 49,388 38,755 34,079 30,844 27,298 26,791 25,554 24,976 24,461 24,480 24,253 少数株主損益 26 22 21 2,128 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330 3,330

当期純利益 -29,277 30,421 28,962 46,458 79,801 70,100 64,182 60,598 55,907 57,589 57,607 56,228 54,999 55,046 54,505

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参考資料

16 January 2015 23 得能 達

積水ハウス キャッシュフロー計算書

積水ハウス キャッシュフロー計算書 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03当期利益 -29,277 30,421 28,962 46,458 79,801 70,100 64,182 60,598 55,907 57,589 57,607 56,228 54,999 55,046 54,505 減価償却 16,579 16,383 18,034 19,015 22,581 28,521 32,574 34,993 36,579 37,610 38,505 39,311 39,984 40,543 41,027 -chg 受取手形・売掛金 1,789 -24,154 -985 -2,082 -7,570 2,237 -253 -1,135 2,071 -1,035 -181 139 287 -337 -12 -chg 棚卸資産 140,431 47,008 -65,897 -32,491 -104,770 35,783 -4,886 -19,358 33,897 -16,940 -2,967 2,272 4,696 -5,513 -199 +chg 支払手形・買掛金 -14,277 14,056 -11,177 12,050 24,138 -6,362 3,719 7,000 -7,705 4,224 912 -336 -979 1,422 157 -chg その他流動資産 -17,915 6,933 -4,126 2,562 -9,510 1,766 -3,523 -5,667 4,708 -2,353 -412 316 652 -766 -28 -chg 繰延税金資産(固定) -4,900 -1,376 -3,049 137 7,328 - - - - - - - - - - +chg 未払法人税等 -1,147 4,228 18,005 -203 4,245 -6,624 -2,890 -1,993 -2,251 -321 -785 -367 -327 12 -144 +chg その他流動負債 413 -9,240 23,741 3,102 48,553 -14,452 -2,595 546 -8,465 4,641 1,002 -369 -1,075 1,563 172 +chg 引当金合計 7,689 5,465 7,623 10,794 1,660 - - - - - - - - - - +chg その他固定負債 182 755 2,279 718 3,231 - - - - - - - - - -

営業CF 99,567 90,480 13,410 60,060 69,889 110,970 86,328 74,985 114,742 83,415 93,680 97,193 98,237 91,971 95,478 -chg 償却対象有形固定資産 -1,473 -1,074 1,671 -10,875 -59,266 -41,808 -28,922 -15,182 -11,511 -9,791 -9,454 -8,499 -7,391 -6,711 -6,254 減価償却 -16,579 -16,383 -18,034 -19,015 -22,581 -28,521 -32,574 -34,993 -36,579 -37,610 -38,505 -39,311 -39,984 -40,543 -41,027 -chg 建設仮勘定 -1,301 -4,939 -5,568 -2,675 4,084 -7,062 -1,752 663 1,276 -526 -29 159 247 -113 78 -chg 土地・その他非償却対象有形固定資産 -61,649 -3,888 1,894 -19,299 -24,369 -5,876 -6,022 -6,173 -6,327 -6,486 -6,648 -6,814 -6,984 -7,159 -7,338 -chg 特許権・実用新案・ソフトウェア 217 -194 -1,992 -1,135 -1,087 -517 -543 -570 -599 -629 -660 -693 -728 -764 -802 -chg のれん - -498 -721 327 326 - - - - - - - - - - -chg その他無形固定資産 -106 -47 -1,809 -190 -456 - - - - - - - - - - -chg その他の投資・その他の資産 8,171 -2,674 -1,031 1,116 -2,599 - - - - - - - - - - -chg 長期貸付金 -300 3,960 -6,964 -7,779 -3,675 - - - - - - - - - -

投資CF -73,020 -25,737 -32,554 -59,525 -109,623 -83,784 -69,814 -56,255 -53,740 -55,041 -55,295 -55,157 -54,840 -55,290 -55,343 +chg 1年内返済の借入金 172,901 -145,422 53,594 -12,176 14,699 - - - - - - - - - - +chg 社債・転換社債 5 70,004 -9,990 20,000 -13,610 - - - - - - - - - - +chg 長期借入金 -161,222 25,782 8,100 -4,530 19,261 - - - - - - - - - - +chg 少数株主持分 2 449 5,404 1,050 2,768 - - - - - - - - - - -chg 有価証券 775 1,269 -4,995 2,902 1,054 - - - - - - - - - - -chg 投資有価証券・関係会社株式・出資金 -5,633 -5,039 6,594 -13,254 -27,320 - - - - - - - - - - 配当支払 -14,871 -8,786 -12,165 -14,780 -24,185 -27,047 -26,042 -25,795 -23,798 -24,514 -24,522 -23,935 -23,412 -23,432 -23,201 その他株主資本の変化 6,311 -350 -9,856 30,961 68,969 - - - - - - - - - -

財務CF -1,732 -62,093 36,686 10,173 41,636 -27,047 -26,042 -25,795 -23,798 -24,514 -24,522 -23,935 -23,412 -23,432 -23,201 CF合計 24,815 2,650 17,542 10,708 1,902 139 -9,528 -7,065 37,204 3,860 13,864 18,100 19,986 13,249 16,934

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参考資料

16 January 2015 24 得能 達

積水ハウス DCF

DCF 2015.01 2016.01 2017.01 2018.01 2019.01 2020.01 2021.01 2022.01 2023.01 2024.01

FCF 28,217 17,546 19,761 62,033 29,405 39,417 43,067 44,429 37,712 41,167

割引率 104.85% 109.95% 115.28% 120.88% 126.75% 132.90% 139.35% 146.12% 153.21% 160.65%

現在価値 26,911 15,959 17,142 51,318 23,200 29,659 30,905 30,406 24,614 25,625

現在価値合計 275,738 (百万)

継続価値 775,292 (百万) Rf 0.36% (2014/12/17) 有利子負債 419,924 (2014年7月期)

事業価値 1,051,029 (百万) β 1.05 Rd 0.36% (2014年1月期)

非事業性価値 100,904 (百万) プレミアム 6.00% 税引き後WACC 4.85%

企業価値 1,151,933 (百万) CAPM 6.65% 永久成長率 1.50%

有利子負債 419,924 (百万) 時価総額 1,080,637 (2014/12/18) 現在株価 1,558 (2014/12/18)

少数株主持分 9,996 (百万) 税率 34.55% 発行済株式数 694 (2014/12/18)

株式価値 722,013 (百万)

発行済み株式数 694 (百万)

理論株価 1,041

乖離率 -33.19%

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16 January 2015 25 得能 達

大和ハウス工業 貸借対照表(資産の部)

大和ハウス工業 貸借対照表(負債の部/純資産の部)

大和ハウス工業 資産の部 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03現金・預金 179,792 149,379 250,649 248,799 212,114 226,970 239,715 252,534 257,057 271,164 282,115 292,499 303,673 317,116 329,905 受取手形・売掛金 75,815 95,686 93,874 189,770 227,276 218,628 218,726 217,592 221,490 233,645 243,080 252,028 261,656 273,239 284,259 棚卸資産 300,000 301,984 371,936 398,581 455,574 477,734 521,860 567,993 578,166 609,895 634,525 657,882 683,015 713,249 742,015 有価証券 6 6 6 8 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 18 その他流動資産 123,144 134,206 128,292 144,388 180,749 187,576 202,897 218,791 222,710 234,932 244,420 253,417 263,098 274,745 285,825

流動資産 678,757 681,261 844,757 981,546 1,075,731 1,110,925 1,183,215 1,256,928 1,279,440 1,349,654 1,404,158 1,455,845 1,511,461 1,578,367 1,642,023 償却対象有形固定資産 380,089 370,078 374,771 391,544 440,061 537,904 618,985 667,721 707,483 748,373 789,606 830,533 871,427 913,329 955,948 建設仮勘定 8,932 2,699 8,820 14,735 18,009 28,880 24,355 19,531 19,741 20,847 21,642 22,372 23,165 24,158 25,076 土地・その他非償却対象有形固定資産 389,587 387,343 364,954 396,353 485,813 510,104 535,609 562,389 590,509 620,034 651,036 683,588 717,767 753,655 791,338

有形固定資産 778,610 760,123 748,548 802,634 943,886 1,076,887 1,178,948 1,249,642 1,317,732 1,389,253 1,462,284 1,536,493 1,612,359 1,691,142 1,772,362 のれん - - 13,292 49,652 49,910 54,901 60,391 66,430 73,073 80,381 88,419 97,260 106,987 117,685 129,454 その他無形固定資産 20,153 21,491 18,764 30,606 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263 32,263

無形固定資産 20,153 21,491 32,056 80,258 82,173 87,164 92,654 98,693 105,336 112,644 120,682 129,523 139,250 149,948 161,717 投資有価証券・関係会社株式・出資金 125,556 150,213 148,022 194,333 251,754 276,929 304,622 335,085 368,593 405,452 445,998 490,597 539,657 593,623 652,985 長期貸付金 7,164 7,532 8,137 5,084 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 13,714 繰延税金資産(固定) 109,604 117,685 107,318 101,027 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 84,785 その他の投資・その他の資産 197,082 195,930 197,258 206,355 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 213,901 投資・その他の資産合計 439,406 471,360 460,735 506,799 564,154 589,329 617,022 647,485 680,993 717,852 758,398 802,997 852,057 906,023 965,385

固定資産 1,238,170 1,252,975 1,241,340 1,389,691 1,590,215 1,753,381 1,888,625 1,995,819 2,104,062 2,219,749 2,341,363 2,469,014 2,603,665 2,747,113 2,899,463 資産合計 1,916,927 1,934,236 2,086,097 2,371,238 2,665,946 2,864,306 3,071,840 3,252,748 3,383,502 3,569,403 3,745,522 3,924,859 4,115,126 4,325,480 4,541,486

大和ハウス工業 負債の部 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03支払手形・買掛金 113,807 129,462 210,241 337,767 274,776 291,384 321,383 352,317 359,408 379,411 395,177 410,195 426,167 445,233 463,439 新規借入 - - - - - 103,080 176,350 215,764 249,284 303,080 353,384 405,435 463,307 530,435 601,835 短期借入金・1年内返済の長期負債等 17,672 38,758 149,348 46,535 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 182,797 未払金・未払費用 71,848 76,755 78,474 90,126 100,895 107,210 118,465 130,085 132,703 140,089 145,910 151,455 157,352 164,392 171,114 未払法人税等 24,037 6,675 24,826 33,051 46,796 39,344 37,959 37,107 35,660 36,086 35,803 36,588 37,659 39,114 40,428 その他流動負債 117,237 138,055 168,983 210,072 240,210 246,386 263,384 280,359 286,001 301,919 314,465 326,416 339,125 354,297 368,785

流動負債 344,601 389,705 631,872 717,551 845,474 970,201 1,100,337 1,198,428 1,245,853 1,343,381 1,427,536 1,512,886 1,606,408 1,716,268 1,828,398 長期借入金・社債・転換社債 440,688 356,798 234,276 328,252 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 210,770 社債・転換社債 105,300 101,300 100,720 130,667 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 30,614 長期借入金 335,388 255,498 133,556 197,585 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 180,156 引当金合計 163,711 175,532 188,400 210,341 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 204,801 その他固定負債 350,157 377,013 373,658 380,210 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215 412,215

固定負債 954,556 909,343 796,334 918,803 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 827,786 負債合計 1,299,157 1,299,048 1,428,206 1,636,354 1,673,260 1,797,987 1,928,123 2,026,214 2,073,639 2,171,167 2,255,322 2,340,672 2,434,194 2,544,054 2,656,184

大和ハウス工業 純資産の部 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03少数株主持分 948 1,035 779 1,259 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 6,129 株主資本 616,822 634,153 657,112 733,625 986,557 1,060,195 1,137,593 1,220,409 1,303,739 1,392,112 1,484,075 1,578,062 1,674,808 1,775,301 1,879,178

純資産 617,770 635,188 657,891 734,884 992,686 1,066,324 1,143,722 1,226,538 1,309,868 1,398,241 1,490,204 1,584,191 1,680,937 1,781,430 1,885,307

負債・純資産 1,916,927 1,934,236 2,086,097 2,371,238 2,665,946 2,864,311 3,071,845 3,252,753 3,383,507 3,569,408 3,745,527 3,924,864 4,115,131 4,325,485 4,541,491

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参考資料

16 January 2015 26 得能 達

大和ハウス工業 損益計算書

大和ハウス工業 損益計算書 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03売上高・営業収益 1,609,883 1,690,151 1,848,797 2,007,989 2,700,318 2,734,574 2,888,128 3,042,575 3,097,069 3,267,033 3,398,972 3,524,089 3,658,716 3,820,674 3,974,765

売上原価・営業原価 1,303,881 1,352,937 1,468,844 1,592,218 2,192,414 2,214,541 2,331,815 2,445,416 2,494,631 2,633,474 2,742,905 2,847,144 2,958,003 3,090,339 3,216,710 売上総利益 306,002 337,213 379,952 415,771 507,903 520,033 556,313 597,160 602,438 633,559 656,067 676,945 700,713 730,335 758,055

販売費および一般管理費 243,288 249,516 264,996 287,746 344,326 353,959 379,395 405,541 412,805 435,459 453,045 469,722 487,666 509,253 529,792 販売手数料 10,786 12,012 12,620 13,628 16,500 17,254 18,797 20,408 20,774 21,914 22,799 23,638 24,541 25,628 26,661 広告宣伝費 19,224 20,453 22,381 24,443 29,838 30,953 33,468 36,077 36,723 38,739 40,303 41,787 43,383 45,303 47,130 人件費 118,757 122,313 131,481 140,554 166,394 168,505 177,967 187,484 190,842 201,315 209,445 217,155 225,451 235,431 244,926 減価償却費 6,884 6,568 6,382 7,106 7,539 8,205 9,267 10,397 10,583 11,164 11,615 12,042 12,503 13,056 13,583 賃借料 10,693 10,445 10,114 10,807 12,656 13,494 14,967 16,521 16,817 17,739 18,456 19,135 19,866 20,746 21,582 その他販管費・一般管理費 76,944 77,725 82,018 91,208 111,399 115,549 124,928 134,654 137,066 144,588 150,427 155,964 161,922 169,090 175,910

営業利益 62,714 87,697 114,955 128,024 163,576 166,075 176,918 191,618 189,633 198,100 203,022 207,223 213,047 221,082 228,263 受取利息・配当金 3,103 4,462 4,758 5,041 6,356 6,832 7,385 7,960 8,518 9,129 9,832 10,563 11,354 12,231 13,189 持分法による投資利益 1,242 992 - 500 1,453 1,598 1,758 1,934 2,127 2,340 2,574 2,831 3,115 3,426 3,769 その他営業外収益 8,007 5,877 6,843 22,447 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 19,182 営業外費用 15,030 19,980 18,051 10,616 14,201 14,934 15,994 16,672 17,110 17,635 18,261 18,877 19,538 20,289 21,122 支払利息・割引料 6,869 7,207 6,368 5,278 4,620 5,353 6,413 7,091 7,529 8,054 8,680 9,296 9,957 10,708 11,541 その他営業外費用 8,161 12,773 10,252 5,338 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581 9,581

経常利益 60,036 79,049 108,506 145,395 176,366 178,754 189,249 204,022 202,350 211,116 216,349 220,923 227,160 235,631 243,281 特別利益 261 3,606 1,356 32,436 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 1,332 特別損失 22,229 41,942 16,840 64,569 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189 9,189

税金等調整前当期利益 38,069 40,713 93,021 113,262 168,509 170,897 181,392 196,165 194,493 203,259 208,492 213,066 219,303 227,774 235,424 法人税等 18,933 13,371 59,853 47,092 66,000 59,037 60,849 63,843 61,354 62,086 61,600 62,951 64,794 67,297 69,557 少数株主損益 22 74 -32 -103 413 413 413 413 413 413 413 413 413 413 413

当期純利益 19,113 27,267 33,200 66,274 102,095 111,447 120,130 131,909 132,726 140,760 146,479 149,702 154,096 160,064 165,454

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大和ハウス工業 キャッシュフロー計算書

大和ハウス工業 キャッシュフロー計算書 2010/03 2011/03 2012/03 2013/03 2014/03 E2015/03 E2016/03 E2017/03 E2018/03 E2019/03 E2020/03 E2021/03 E2022/03 E2023/03 E2024/03当期利益 19,113 27,267 33,200 66,274 102,095 111,447 120,130 131,909 132,726 140,760 146,479 149,702 154,096 160,064 165,454 減価償却 43,917 44,613 43,790 45,836 48,533 57,318 68,093 76,055 81,286 86,053 90,908 95,764 100,600 105,494 110,490 -chg 受取手形・売掛金 -24,370 -19,871 1,812 -95,896 -37,506 8,648 -98 1,133 -3,897 -12,155 -9,436 -8,948 -9,628 -11,583 -11,020 -chg 棚卸資産 96,440 -1,984 -69,952 -26,645 -56,993 -22,160 -44,126 -46,133 -10,173 -31,729 -24,631 -23,357 -25,133 -30,235 -28,766 +chg 支払手形・買掛金 -16,036 15,655 80,779 127,526 -62,991 16,608 29,998 30,934 7,091 20,003 15,766 15,018 15,972 19,066 18,207 +chg 未払金・未払費用 1,675 4,907 1,719 11,652 10,769 6,315 11,255 11,620 2,618 7,386 5,821 5,545 5,897 7,040 6,722 -chg その他流動資産 -15,682 -11,062 5,914 -16,096 -36,361 -6,827 -15,321 -15,895 -3,919 -12,222 -9,488 -8,997 -9,681 -11,646 -11,081 -chg 繰延税金資産(固定) -4,657 -8,081 10,367 6,291 16,242 - - - - - - - - - - +chg 未払法人税等 17,075 -17,362 18,151 8,225 13,745 -7,452 -1,385 -852 -1,447 426 -283 785 1,071 1,455 1,314 +chg その他流動負債 -26,404 20,818 30,928 41,089 30,138 6,176 16,998 16,974 5,642 15,918 12,546 11,951 12,710 15,172 14,488 +chg 引当金合計 3,509 11,821 12,868 21,941 -5,540 - - - - - - - - - - +chg その他固定負債 -194 26,856 -3,355 6,552 32,005 - - - - - - - - - -

営業CF 94,387 93,577 166,221 196,748 54,137 170,074 185,545 205,748 209,928 214,439 227,683 237,463 245,905 254,827 265,808 -chg 償却対象有形固定資産 -16,492 10,011 -4,693 -16,773 -48,517 -97,843 -81,081 -48,737 -39,761 -40,890 -41,233 -40,927 -40,894 -41,902 -42,619 減価償却 -43,917 -44,613 -43,790 -45,836 -48,533 -57,318 -68,093 -76,055 -81,286 -86,053 -90,908 -95,764 -100,600 -105,494 -110,490 -chg 建設仮勘定 419 6,233 -6,121 -5,915 -3,274 -10,871 4,525 4,824 -210 -1,106 -796 -730 -792 -994 -918 -chg 土地・その他非償却対象有形固定資産 -33,585 2,244 22,389 -31,399 -89,460 -24,291 -25,505 -26,780 -28,119 -29,525 -31,002 -32,552 -34,179 -35,888 -37,683 -chg のれん - - -13,292 -36,360 -258 -4,991 -5,490 -6,039 -6,643 -7,307 -8,038 -8,842 -9,726 -10,699 -11,769 -chg その他無形固定資産 -6,977 -1,338 2,727 -11,842 -1,657 - - - - - - - - - - -chg その他の投資・その他の資産 -20,472 1,152 -1,328 -9,097 -7,546 - - - - - - - - - - -chg 長期貸付金 -187 -368 -605 3,053 -8,630 - - - - - - - - - -

投資CF -121,211 -26,679 -44,713 -154,169 -207,875 -195,314 -175,645 -152,788 -156,020 -164,882 -171,976 -178,815 -186,192 -194,976 -203,478 +chg 1年内返済の借入金 -4,345 21,086 110,590 -102,813 136,262 - - - - - - - - - - +chg 社債・転換社債 105,300 -4,000 -580 29,947 -100,053 - - - - - - - - - - +chg 長期借入金 15,432 -79,890 -121,942 64,029 -17,429 - - - - - - - - - - +chg 少数株主持分 204 87 -256 480 4,870 - - - - - - - - - - -chg 有価証券 -6 - - -2 -10 - - - - - - - - - - -chg 投資有価証券・関係会社株式・出資金 -6,835 -24,657 2,191 -46,311 -57,421 -25,175 -27,693 -30,462 -33,508 -36,859 -40,545 -44,600 -49,060 -53,966 -59,362 配当支払 -13,900 -9,844 -11,576 -14,467 -33,436 -37,809 -42,732 -49,093 -49,397 -52,387 -54,515 -55,715 -57,350 -59,571 -61,577 その他株主資本の変化 4,925 -92 1,335 24,706 184,273 - - - - - - - - - -

財務CF 100,775 -97,310 -20,238 -44,431 117,056 -62,984 -70,425 -79,555 -82,905 -89,246 -95,061 -100,315 -106,410 -113,537 -120,940 CF合計 73,951 -30,412 101,270 -1,852 -36,682 -88,224 -60,525 -26,595 -28,997 -39,689 -39,354 -41,666 -46,698 -53,686 -58,610

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16 January 2015 28 得能 達

大和ハウス工業 DCF

DCF 2015.03 2016.03 2017.03 2018.03 2019.03 2020.03 2021.03 2022.03 2023.03 2024.03

FCF -19,887 16,313 60,051 61,437 57,612 64,387 67,944 69,669 70,559 73,871

割引率 105.47% 111.24% 117.33% 123.74% 130.51% 137.65% 145.18% 153.12% 161.50% 170.34%

現在価値 -18,856 14,665 51,183 49,649 44,143 46,775 46,799 45,498 43,690 43,368

現在価値合計 366,913 (百万)

継続価値 1,274,623 (百万) Rf 0.36% (2014/12/17) 有利子負債 473,914 (2014年9月期)

事業価値 1,641,536 (百万) β 1.10 Rd 1.20% (2014年1月期)

非事業性価値 312,400 (百万) プレミアム 6.00% 税引き後WACC 5.47%

企業価値 1,953,936 (百万) CAPM 6.98% 永久成長率 2.00%

有利子負債 473,914 (百万) 時価総額 1,465,476 (2014/12/18) 現在株価 2,219 (2014/12/18)

少数株主持分 6,129 (百万) 税率 34.55% 発行済株式数 660 (2014/12/18)

株式価値 1,473,893 (百万)

発行済み株式数 660 (百万)

理論株価 2,232

乖離率 0.57%