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光通信工学 1. 復習 2. レーザ発振、利得飽和 発光ダイオード 半導体レーザ 光通信工学302-1

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光通信工学

1. 復習

2. レーザ発振、利得飽和

発光ダイオード 半導体レーザ

光通信工学302-1

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光はどうすれば生まれる?

電子の遷移:水素原子(一例)

エネルギーは主量子数 n のみに依存:縮退

2 2

02

3

0

4

2 2

6.62606876 10 J

1,

2

2 , s

nE ama n e m

hh

:Bohr半径

電子遷移により電子が失うエネルギー相当の光が放出される

電子が失うエネルギーは準位間のエネルギー差に一致

注意

• 仮に以下のような関係があっても

• 下図では赤色の光は出てこない。逆に上図では青色の光は出てこない(非線形過程は省略)。

• 光の角周波数は準位間のエネルギー差に比例する。比例定数がプランク定数(エイチバ-)。

E hf

:プランク定数

放出 吸収

高準位:励起準位

低準位:基底準位

電子

光子(Photon)とは(光の粒子性:詳細省略) • 電子遷移一回分で生まれる光エネルギーのこと • 電子遷移一回分で生まれるエネルギーは例えば赤色

の場合、およそ

放出 吸収

電子

1 1E

注意:色(角周波数)が異なる

2 2

2 1

E

2 2 12E

励起準位

基底準位

19 143 10 J @ 5 10hf f Hz

• 光の角周波数ωは準位間のエネルギー差に比例する。 • 色は角周波数で異なる(201) • 比例定数がプランク定数(エイチバー)。

光通信工学302-2

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励起準位

基底準位

真空

お手本不要

無視

● 電子

光子

光エネルギーの最小単位

● お手本 増幅

光子1個分

● 光子1個分

減衰

自然放出 誘導放出:レーザなど 誘導吸収:光検出器など

特定の二準位に注目:水素原子にこだわらない

誘導放出:お手本を参考にして新しい光を放出。混ざってしまうとお手本と区別不可。

光の放出と吸収

• 誘導放出:Stimulated Emission:お手本必要 お手本と同じ周波数、位相を持つ光(光子)を放出 この場合、放出される光はお手本と完全に混ざって区別不可:光増幅

• 誘導吸収:Stimulated Absorption

光(光子)を吸収:光減衰

• 自然放出:Spontaneous Emission:お手本不要・無視 電子が緩和現象により励起準位から基底準位へ 勝手に光(光子)放出(もともと真空場)

誘導放出:必須

利得媒質

レーザに求められる光増幅とは

• もともと共振器内に存在する光をお手本として同じ状態の光を生成しなければならない

• お手本とお手本を参考にして生まれた新しい光は混ざり合い区別不可

復習:光子とは電子遷移一回分で生まれる光のこと

光通信工学302-3

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光子:電子遷移一回分の光エネルギー

レーザポインタ

最大出力1mW = 1mJ/s 未満

赤色:633nm→ ~ 10の15乗個/秒 注意:電子遷移の必要回数でもある!

光子:電子遷移一回分の光エネルギー 赤色(一例):~3×10-19J

1. 電子遷移一回分で生まれる光のエネルギー(光子)は非常に小さい。 2. 同種の原子を多数集めて多数回の誘導放出を利用。明るい光。 3. 光強度は単位時間当たりの電子遷移(誘導放出)回数に比例。 4. 十分明るくなればレーザ光の特徴である振動電場Eと振動磁場Hが顕著。 5. 光の粒子性:詳細省略

● ●

自然 誘導

放出 吸収

励起準位:2

基底準位:1

電場E

磁場H

k

光子(Photon)とは(光の粒子性:詳細省略) • 電子遷移一回分で生まれる光エネルギーのこと • 例えば赤色の場合、およそ

19

15

3 10 J

1mW 1mJ/s 1mJ 10

hf

n n

疑問:、単位体積当たりの光エネルギー(参照:208)は離散値とはいえない。 光子数は離散値であり光のエネルギーも必ず離散値になる。不思議? お詫び:説明省略。「量子光学」の知識が必要。

光通信工学302-4

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電子密度:N2

レーザ光の種 自然放出光 お手本不要

誘導放出:増幅 誘導吸収:減衰

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

電子密度:N1

光増幅:反転分布

単位時間・電子1個当たりの誘導放出・吸収確率(下線部:以後省略) • 誘導放出確率と誘導吸収確率は一致 • まとめて「誘導遷移確率」と呼ぶこともある。 • お手本の光強度に比例。逆に考えると光強度零なら誘導遷移確率も零 • お手本がなければ誘導放出も吸収も起こらない。 単位時間・電子1個当たりの自然放出確率:お手本と無関係。物質固有(定数)

真の光増幅 21 2 12 1 2 1W N W N N N 反転分布

光強度

電子密度:単位体積当たりの電子数

基底準位(準位1):E1

励起順位(準位2):E2

● ●

自然放出確率 誘導放出・吸収確率

放出 吸収

励起

準位:2

基底

準位:1 21W 12W21w

誘導放出・吸収確率:お手本の光強度の増加とともに増大

光増幅:誘導放出に関与する電子数が誘導吸収に関与する電子数を上回ればお手本を参考にして光は増幅する

放出 吸収

お手本の光強度 21 12W W W I

21w

光通信工学302-5 真の光増幅 = 放出-吸収

21 2 12 1I W N W N

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どうやって反転分布を実現する?

● ● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ●

励起準位(準位2):E2

基底準位(準位1):E1 ● ● ● ● ● ● ●

2 0N

2準位系:反転分布不可 • 励起・基底準位にある電子数が同じになった時点で定常状態

• 電子を励起するための準位と反転分布を実現したい準位が一致:反転分布不可

基底準位(準位2):E2

準位1:E1 21w

準位4:E4

43w

反転分布? レーザ光としたい光 コヒーレント光

励起準位(準位3):E3

ポンプ光強度

32w

● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

● ● ● ●

1 2 1N N N

4準位系:反転分布可(実は3準位系でも反転分布は可能であるが省略) • 電子を励起するための準位(E1、E4)と反転分布を実現したい準位(E2、E3)が異なる。 • 基底準位の電子が最初から少なく(無く)「反転分布」を得ることが容易(詳細は来週)

ポンプ光強度

準位4→3へ緩和は速い

自然放出 レーザ光の種

定常状態

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

ポンプ光も光?(放電?)

光通信工学302-6

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-11mW, 0.1mm , 1mm

0.1mW 1.1mW

I I z z

I z z

I I z z

光の増幅・利得の定式化

単位断面積当たりの光強度(203) 平面進行波:電場E振幅の自乗に比例

cosx xE kzA t 2

xI D A

exp 2 cosxxE z tA kz

電場E振幅の損失・増幅を表現 距離 z だけ進むと

2 expxAI z D z

平面進行波:損失・増幅無の場合 距離 z だけ進むと

振動電場E 赤:正実数

正:利得、負:損失

dI dz I

利得γの意味

z z

利得媒質

明 暗

z

ビーム断面積:D

入射側 出射側

損失・増幅を表現

光強度の増加量

入射側:光強度 出射側:光強度

I I z z I z

例えば

単位:1/距離 ビーム断面積

光通信工学302-7

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利得γと反転分布

重要:利得は反転分布量に比例

但し、利得媒質の厚さ(距離)は一定 2 1N N

21 12W W W I

光強度の増加量(302-7) 2 1I I z I z I N N

21 2 12 1 2 1I W N W N I N N

電子密度:N2

レーザ光の種 自然放出光 お手本不要

誘導放出:増幅 誘導吸収:減衰

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

電子密度:N1

光強度 strongIweakI

基底準位(準位1):E1

励起順位(準位2):E2

2 1 0N N 反転分布

重要:単位時間・電子1個当たりの誘導放出・吸収確率 • 誘導放出確率W21と誘導吸収確率W12は一致 • お手本の光強度に比例 • まとめて「誘導遷移確率」と呼ぶこともある。

放出 吸収

お手本の光強度

γ:利得

注意:利得零?

注意:進行波を考える。ビーム径は不変、矢印の太さは光の明暗情報を示す。

真の光増幅

光強度の増加量(302-5)

光通信工学302-8

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利得媒質

レーザの発振条件:利得γの飽和

全反射鏡 簡単のため

出射進行波→レーザビーム もちろん:共振器長は半波長の整数倍

1r

L

2 exp 2 2x

L

x xA Ar L A 定常発振条件

cos exp 2 cosz

x xA zAt z t k 電場Eの増幅:302-7 但し、ビーム径は不変

振幅条件: 1ln

exp 12

th

rr L

L

振幅反射率:部分反射鏡

前進波→鏡反射→後退波→鏡反射

前進波

後退波

式の意味:発振(定常状態)に必要な利得が決る

レーザ発振(定常状態) • 発振(お手本)を維持するためには、出射光量 = 補充量 閾値利得の存在

• もし、補充量が不足するなら、共振器内の光は直ぐに無くなる。 レーザ発振不可

定常状態:共振器内を一周すると「振幅」が元の状態に戻る

注意:閾値利得以下(利得不十分な状態)ではレーザは発振しない。閾値利得到達後、レーザ発振

定在波:前進波と後退波の重ね合わせ(208)

お手本

1

thexp 2 2 exp 1 , ln 2hx x tr L A L LA r r

thexp 2 2 exp 1x x LA Ar L r

光通信工学302-9

xA

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レーザ発振不可:閾値利得以下(1)

基底準位(準位2):E2

準位1:E1 21w

準位4:E4

43w

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

ポンプ光強度

32w

● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

反転分布:閾値利得以下 自然放出 レーザ光の種

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

閾値利得:レーザ発振開始

利得

反転

分布

pI

th

レー

ザ光

強度

お手

本の

一部

閾値利得

pI

レーザ

非発振

レーザ発振

ポンプ光強度

lase prI I0laserI

ポンプ光強度

ポンプ光強度: レーザ光: 注意:色は例えに過ぎない

pI

laserI

注意:反転分布は実現しているが、閾値利得以下。利得が足りない状態 (非発振)

th

参考:302-9 閾値利得以下では利得が不十分なのでレーザは発振しない。 閾値利得到達後、レーザ発振。

反転分布量が増えると利得も増加

光通信工学302-10

比例関係:302-14

3 2N N 重要:利得は反転分布量に比例

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レーザ発振不可:閾値利得以下(2)

基底準位(準位2):E2

準位1:E1 21w

準位4:E4

43w

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

ポンプ光強度

32w

● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

反転分布:閾値利得到達 レーザ光無

閾値利得:レーザ発振開始

利得

反転

分布

pI

th

レー

ザ光

強度

お手

本の

一部

閾値利得

pI

レーザ

非発振

レーザ発振

ポンプ光強度

lase prI I0laserI

ポンプ光強度

ポンプ光強度: レーザ光: 注意:色は例えに過ぎない

pI

laserI

注意:閾値利得到達、といってもまだレーザ光はないけれど。これから、レーザ光が出始める。

閾値利得到達前:利得、反転分布量∝ポンプ光強度:利得不十分のためレーザ非発振

th

pI

反転分布量が増えると利得も増加

光通信工学302-11

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レーザ光が出始めると何が起きる?

基底準位(準位2):E2

準位1:E1

準位4:E4

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

● ●

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● ●

● ● ● ●

● ● ● ●

利得の飽和 反転分布量:固定 レーザ光増加

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は速い

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

● ● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ●

レーザ発振後

反転分布量は一定(飽和)

レーザ光∝ポンプ光強度

閾値利得到達

でもまだレーザ光なし。

重要:利得は反転分布量に比例 参照:302-8 利得も飽和

参考:302-9 閾値利得以下ではレーザは発振しない。 閾値利得到達後、レーザ発振。 反転分布量が増えると利得も増加

光通信工学302-12

反転分布は実現、利得も増加 利得不十分:レーザ光なし 自然放出 レーザ光の種

反転分布量:閾値利得到達 反転分布量:固定 利得の飽和

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レーザ発振:閾値利得(利得の飽和)

閾値利得:レーザ発振開始

利得飽和

出射光量 = 補充量

利得

反転

分布

pI th 閾値利得

pI

レーザ

非発振

レーザ光:増加したお手本の一部が出射

ポンプ光強度

lase prI I0laserI

ポンプ光強度

ポンプ光強度: レーザ光: 注意:色は例えに過ぎない

pI

laserI

注意:レーザ発振、レーザ光∝ポンプ光強度。ポンプ光強度を強くするとレーザ光も増大する。

重要:利得が閾値利得に到達するとレーザ発振開始、利得は飽和

基底準位(準位2):E2

準位1:E1 21w

準位4:E4

43w

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

ポンプ光強度

32w

● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

レー

ザ光

強度

お手

本の

一部

が出

ポイント

閾値利得到達前:利得∝ポンプ光強度:レーザ非発振

閾値利得到達後:利得飽和:レーザ光∝ポンプ光強度

光通信工学302-13

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閾値利得到達前:反転分布条件の確認

自然放出

準位2:E2

準位1:E1 21w

電子密度 = 単位体積当たりの電子数:N4、N3、N2 、N1

レート方程式

4 1 4 43 4

3 43 4 32 3

2 32 3 21 2

p pdN dt W N W N w N

dN dt w N w N

dN dt w N w N

準位4:E4

43w

1 2 3 4N N N N N

反転分布:利得 3 2 21 32N N w w

準位3:E3

32w

0d dt 定常状態:反転分布条件 ポンプ光強度

p pW I

誘導遷移

大文字W:誘導遷移 小文字w:自然放出

3 2

1 1

32 21

3 2

p p

p

W I

p

N N

w w W N

N N I

説明省略:利得・反転分布はポンプ光強度に比例、導出過程:次頁

レーザ非発振 誘導遷移:無視

説明省略:利得は反転分布量に比例:302-8

1 2 3 4, ,N N N N N

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

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● ● ●

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● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

大文字W:誘導遷移 ポンプ光の誘導遷移確率は「ポンプ光強度」に比例

光通信工学302-14

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1 4 1

Eq.(4)43 32 433 4 2 3 2 4

32 21 21

43 433 2 4 4 43 4 1 4

32 21 32 21 32 21

1 3 2

32 21 32 21

(4), (5)

1 1 1 1=

1 1 1 1

p

N N N N

p p

w w wN N N N N N

w w w

w wN N N N w N N N W

w w w w w w

W N N N W Nw w w w

計算(説明省略)

1 1

3 2 32 21 pN N w w W N

1 4 43 4

43 4 32 3

32 3 21 2

0 (1)

0 (2)

0 (3)

p pW N W N w N

w N w N

w N w N

式(2)より 式(3)より

式(4)、(5)より 式(1)より

光通信工学302-15

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レーザ発振:閾値利得(利得の飽和)

閾値利得:レーザ発振開始

利得飽和

出射光量 = 補充量

利得

反転

分布

pI th 閾値利得

pI

レーザ

非発振

レーザ光:増加したお手本の一部が出射

ポンプ光強度

lase prI I0laserI

ポンプ光強度

ポンプ光強度: レーザ光: 注意:色は例えに過ぎない

pI

laserI

注意:レーザ発振、レーザ光∝ポンプ光強度。参照:302-12へ戻る。

重要:利得が閾値利得に到達するとレーザ発振開始、利得は飽和

基底準位(準位2):E2

準位1:E1 21w

準位4:E4

43w

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

ポンプ光強度

32w

● ● ●

● ● ● ●

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

● ●

● ●

● ● ●

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

反転分布:閾値利得以下 自然放出 レーザ光の種

反転分布:閾値利得到達 レーザ光無

レー

ザ光

強度

お手

本の

一部

が出

ポイント

閾値利得到達前:利得∝ポンプ光強度:レーザ非発振

閾値利得到達後:利得飽和:レーザ光∝ポンプ光強度

光通信工学302-16

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光通信工学302-17

レーザ光が出始めると何が起きる?

基底準位(準位2):E2

準位1:E1

準位4:E4

反転分布? 増幅させたい光

励起準位(準位3):E3

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

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利得の飽和 反転分布量:固定 レーザ光増加

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は速い

● ● ● ●

準位4→3へ緩和は速い

準位3→2へ緩和は遅い

準位2→1へ緩和は遅い

● ● ● ●

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レーザ発振後

反転分布量は一定(飽和)

レーザ光∝ポンプ光強度

閾値利得到達

でもまだレーザ光なし。

重要:利得は反転分布量に比例 参照:302-8 利得も飽和

参考:302-9 閾値利得以下ではレーザは発振しない。 閾値利得到達後、レーザ発振。 反転分布量が増えると利得も増加

反転分布は実現、利得も増加 利得不十分:レーザ光なし 自然放出 レーザ光の種

反転分布量:閾値利得到達 反転分布量:固定 利得の飽和