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∪.D.C.d21.315.d17.3:d78.d74
不 飽 和 ポ ごl二 ス テ ル 樹 脂
宮 入 真 亀 男* 飯 島 貞 善*串
Unsaturated Polyester Resin
By Makio Miyairi
HitachiInsulatingMaterialWorks,Hitachi,Ltd・
Sadayoshilijima
HitachiResearch Laboratory,Hitachi,Ltd・
Abstract
As a result of recent development endeavor,unSaturated polyester resins
havecometobeputintopracticaluseforelectricalinsulation・
In this article,thewritersdiscussbrienythe unsaturatedpolyesterresins,
glVlngOutadetaileddescriptionofIlitachi=PS31=varnish・The ability to
cure orpolymerizewithoutevolutionofvolatileby-prOductsisacharacteristic
which distinguishes this resin from other condensation type resins・Hitachi
=PS31=varnishcatalyzedwithafree radicalcatalyst rapidly cures yielding
a cross-1inked or three-dimensionalstructure.The pot・1ife ofthisvarnishca-
talyzedwithbenzoylperoxidewasstudied by the writers throughobservation
of the viscosity change ofthesampleskeptat250C・Thecuringrateofthis
varnishcatalyzedwithbenzoylperoxideandmethylethylketone peroxide was
estimatedbygelation-timemeasurementatelevatedtemperaturesandexothermal
measurementat250C,reSPeCtively・In the end,the characteristics of cured
resin are tabulated.
〔Ⅰ〕緒 `吉
ポリエステル樹脂あるいはアルキッド樹脂として従来
著名なものに,グリブタル樹脂がある。また最近注目さ
れているテリレン,マイラ←もこのポリエステル刷旨製
品であって,合成樹脂のうちの大きな部門を占めている。
グリブタル樹脂はその歴史も古く,すでに今世紀初頭
GE杜によって,工業化されたグリセリンー無水ブタル
酸系アルキッド樹脂に与えられた名称であり,現在この
系統の油変態アルキッド樹脂が,塗料界にゆるぎない地
位を占めていることは,衆知の通りである。しかしこの
樹脂は縮合塑の熱硬化性樹脂であるため,樹脂化に際し
て揮発性物質を生じ,また高塩を要することなどの欠点
があり,用途が限定されてきた。一方樹脂化に際して掃
発物質を生じない樹脂としてl・まポリステロールなどのよ
うな,いわゆる重合型の樹脂があって,これもまた古く
から知られているものである。こゝで上記二つの型の樹
脂を組合せたならば,きわめてすぐれた性質の熱硬化性
日立製作所日立絶縁物工場
日立製作所日立研究所
樹脂になることが考えられる。この新しい熱硬化性樹脂
の原理ほ1939~1940年に,アメリカのKroppa,Brad-
1ey(1)およびRust(2Jによって発 された。この新和硬
化性樹脂が一般に不飽和ポリエステル樹脂(Unsaturat・
ed PolyesterResin)と呼ばれているもので,揮発性物
質を生じないでしかむ急速に熱硬化するという特長のた
めに,第二次大戦中アメリカで急速に工業化され,戦後
広範な用途を見山すこと」なった(3)。現在Low Pres-
sure Laminating Resin(低圧積層樹脂),Contact
Resin(接触圧樹脂),100%ReactiveResin(100%反
応性樹脂),CastResin(注型捌旨),SoIventlessVar-
n主sh(無溶剤ワニス)などの名称で呼ばれているものは
みなこの不飽和ポリエステル樹脂を 料として作られた
ものである。
我国においても,戴後この樹脂が紹介され(4)最近は各
社で工業化されつ・ゝある。日立製作所においてもこの樹
脂の持長ある性質・ニ注目し,すでに数年`lWより研究を進
めてきたが,今回第一段の研究を完~7したので,この機
会に不飽和ポリエステル樹脂の概要を解説しておきたい
と思う。
864 暗和30年5月 日 立
〔ⅠⅠ〕不飽和ポリエステル樹脂
の性状とイヒ学
一般にポリエステルとは,カルポキシル基(-COOH)
とアルコール基(-OH)の紙了γによって生ずるエステル
結合(-COO-)をもった高分子化合物であって,古く
Kienle(6),Carothers(7)L、):=より研究されたものであ
る。い~モ2筒のカルポキシル基をもつ二塩基酸ヒ2箇の
アルコ←ル基をもったグリコールとを加熱すると,容易
に脱水縮合反応が起って闘犬構造を持つポリエステルが
生成する。この場合,マレイン酸のように分子中に不飽
和結合をもった二塩基酸を原料に用いると,鎖巾に多数
の不飽和結合をもった鎖状ポリエステルになることほあ
きらかである。
nHOOC・CIJ=Cli・COOH+nHOCH壱・CHヱOH
マレイγ酸 グリコール
→H(00C・CH=CH・COO・CH2・CH2)nOHグリコール・マレエートポリエステル
+(2花-1)H20水
このポリエステル化反応においては水 成するが,
これは反応釜巾で行われる反応であって,水は除去されノ
てしまうので後の硬化時の揮発物にモ~tならない。通常こ
のポリエステルの分子量は 800~2,000程度のものが用
いられるから,上式の乃は6~15箇である。このもの
は常温で水飴状または半国状の粗鋼物で,それ自身でも
酸素,触媒などにより重合する性質をもっている(8)。し
かしこれにビニルまたほアリル樹脂の単量体であるスチ
レン,ジアリルフタレートなどを混合すると,常温の粘
度が0.5~2,000ポイズの液状物となる。この状態でそ
れぞれの用途に供されるわけで,後述すろ 三'町立PS31
ワニス▼Jもこの状態のものである。
この混合物に触媒を加えて加熱すると,不飽和のポリ
エステルと単量体とが共重合反応を起して硬化する。こ
の共置ノ合反応は第1図(A)に示したように鎖状ポリエス
テル中の不錐拝口結合と単量体とで網目構造になっている
と考えられるので,硬化した樹脂:ま有機溶剤に不溶性士
なる。 合触媒には種々あるが(9),過酸化ベンゾイル
(BPO),メチルエチルケトンパーオキサイドなどが月h、
られ,さらに促進剤などを加えることにより常温硬化も
容易に行われる。
この不飽和ポリエステルが硬化した樹脂の高分子化学
的研究は未だ少なく(1)(2」(10),その化学構造もあまりよく
わかつていない。第1図日刊l想的二共重「γした場たの構
造であって,実際にこ王ポリエステルだけの重合,単量体
だけの重合も起っている筈である∴第l囲をみるとわか
るように,ポリエステル1~lの不鮭抑1の酸±単量休とが)-1
-∫
-〃
-∫
-〃
-∂
-
一
一
-J
-〃
-
言てー∴〃
-∂
-
OU
-〃
-nJ
-
し、・-・ご
号5第巻73第
ーβ
-〃∵-:J
-〃
‖h
-‥.
:.・.:
(β)
〃:不飽和二塩基殴
G:グリコール歎
第1図 硬 化 樹
A:飽和二塩基圏
S:ビニルモーマ_
脂 の 構 造
Fig.1.StruCtureS Of Cured Resin
モル比の場合もつ土もよく共重合すると考えられる。そ
こで稚々の・性質とI期係させて考察することもなされてい
るが,はつきりしたホー1F論はでていない。多くの場rTに単
量体はポリエステルの不飽和分より過剰に用いられるよ
うである。
不飽榊ポリエステル樹脂において興味あることは,二
塩花酸,グリコールあるいはビニル単量休の選択あろい
:t紺「「せこよってきわめて多椛類の樹脂ができることで
ある。.
前.i己のポリエステルを製造する場合こ,マレイン酸の
一部分をブタル酸,コハク酸のような飽榊二塩基酸で置
き換えると第l図(B)・に示したように構造の網目が大き
くなる。またグリコール単量休を変えても網目が変り,
樹脂の性質が変ってくる。このように不飽和酸,負帥1酸,
グリコ←ルあるい沃単量体の畔煩と量(1トなどを変化す
ることによって,ゴム状のものからガラス状の固い樹脂
まで得られている。
また耐熱性,耐煩性-~12)などの性質を与えることも可能
である。このような特長ほ他の樹脂にご・王あまりみられな
いことで,したがってこれに関する 拍 もきわめて多
く,本邦の特許(13)こもかなりの数が登録されている。一寸~
でに筆者らも二,三の特長ある不飽仰ポリエステル樹脂
を完成しているが,それらについて別の機会に報告する
つもりである。
不 飽 和 ポ リ エ ス テ ル 樹 脂 865
〔_ⅠⅠⅠ〕日立PS31ワニスについて
日立∃酎乍所においてはその使用口的に応じて種々の不
飽和ポリエステル樹脂を製造しているが,それらは逐次
本誌上に発 して,本報でほ主として一般用
の「日立PS31▼」ワニスについて,その重合硬化に牒け
る二,三の実験結果を述べるこ土-ゝする。
(り PS31ワニスの性質
PS31ワニス㍑重合単量体にスチレンを川いた不飽和
ポリエステル樹脂で,第1表に示したような性質をもつ
ている。
(2)可 便 時 間
ワニスほ通常250C以下の温度で6箇‖以上の貯蔵寿
命をもっているが,これ:二重.′γ触媒をJ川えると陸川~‖j能
の期間が著しく短かくなる。これを・・「使時m(Potlife)
土呼んでいるが,叶脚引用:州己「手された一江「γ触媒の種類
上量および温度によって異ってくる。そこでそれらの関
係をみるためにつぎのような`j湖を行った。
直径12mmの~平底ガラス符に所定量のBPO(避酸
化ベンゾイル)を加えたワニスを たし,銅球(7声,1・5g)
を入れて気泡のないように密栓し,25CCの恒温水槽小
に漬けて l-1粘度変化を測定した【)25〇Cの恒温水槽巾
において750の斜面に沿い,100mmの揖雄馴司球が落
下した時間で粘度を わし,その結果を第2図に示した。
硬化の機隅が重合k応であるから,最糾の誘原則問内で
はほとんど粘度の上昇が認められなし'、。~‖「仙時Ⅲ1はBPO
度2.0,1.5,1.0,0.5%の場合にそれぞれ100,184,
256,380時間であった(,弟2図の粘度曲線が垂i~旦≡1二に上
昇するまでの時間オとBPO濃度Cヒの関係こ吏,logf
logC 土の‖削二ほゞ直線l封係が成上'上したから,
rCα=烏(α,ゐは定数)…………‥(1)
(1)式で
それぞれ
ができる。(Zおよびゐを求めると
α=0.52,ゐ=327であった。
(3)常 温 硬 化
前にも述べたよう:二,`甘温硬化を行う場合・甘触媒のほ
かに促進剤を和いる。通常触媒としてBPOをJ~lいた土
きは促進剤にジメチルアニリン,ジエチルアニリンなど
のアミン寮が使用され,メチルケトンパーオキサイド触
媒の土きほ促進剤としてナフテン敢コバルトなどの金属
塩類が使用される。PS31ワニスについて,メチルエチ
ルケトンパーオキサイド(ジメチルフタレート溶液,ヨ
ード法により分析した所性酸素9.3%)を触媒上し,ナ
フテン酸コバルト(6.%Co)を促進剤上した場.′「の-イ刈
を示す∴j潮力法は40≠の試験粁ニワニス100gを杵
取し,それこ二所定量のナフテン酸コバルトをi・器昭した後,
触媒を加えて混「.手Lた。触媒を混「・「して30分校に貰3図
第1表
Tablel.
「PS31」ワ ニ ス の性質
Properties of=PS31"Varnish
ゲ㌻
第2図
Fig.2.
仰
、
膠
膵 退 路 問 柑引
I
250C における銅球の落下時間曲線
Falling Time Curve of SteelBall
at250C
溜程調節盈
グノセリン\、、\
自記マ離
さ屈淳三†
/イイイ〔、、-
一ワーテコイルコルク柑
含式米斗
轡 U._.】ニーーーー
第3図 常 温 硬 化 試 験 装
一・、-●・・‥
〝声パラス管
金属管
空気層
ニー・
電朝.蓋
Fig.3.Testing Equipment for Room
Temperature Cure
866 昭和30年5月 日 立 論 第37巻 第5号
第4図 250C に∴短ける「Ⅰ】S31」ワ ニスの発熱曲線
Fig.4.Exotherm Curve of"PS31"Varnish at250C
の装掛こより,重一合による硬化時の温「立上昇曲線を測定
し,第4図にその結果を示Lた。固からわかるようにこ
の硬化l■ま′常温で行われる土はいえ,硬化の進行とともに
重合紬こよる急激な温度上昇がみられる。
いま第4図の直線的こ温度上昇した部分の傾斜を′苗温
(250C)に外挿してえられた点新陳化闇始時「Eり(′)とす
る土,この古土触媒濃度(C)とのr対係こ~主第5図のようこ
なる。したがって促進剤濃度を一定にした上きにはそれ
ぞれ前項と同様の(1)式がこ_ゝでも成立する∴定数を算
出して第2表に示した。αの伯ほBPO(7)0・52iこ比較
して大きく1.3~1.5 となっており,メチルエチルケト
ンバーオキサイドの配合効牒ザ大きいことがうかゞえ
(4)加 熱 硬 化
加熱=二より硬化させる場肯け通常BPO触媒が用いら
れる。ワニスに触媒を加えて加熱「∃一るとゲル化が起って
後硬化する。このゲル化時間の測定ほ北劇的簡単である
から,樹脂の硬化を考察する方法として便利である(14)。
前に述べた可使時「H]はこのゲル化時間より前の状態を示
しているが,第2囲の粘度が垂直に上昇する時間・と常温
硬化の硬化開始時間(第4園)はいずれもほ」、ゲル化時間
に相当する。ゲル化時別の測定は容器ならびに試=の温
度が窺定の状鞋ほで上昇する時間の影響を少くするた
め,できるだけ小ごくして行ったrl畔の試験㌍∵ワニ
ス杓20gを押収する。これこ所定量のBPOを加えてよ
く農拝し,冷括弧二各0分骨川'rけろ。ついてそのワニス約
3gを(弾 のノト 鱗竹∴移してそれぞれの渦1二=!王二調節さ
れた恒温納棺■ll:二清ける。二れてニピアノ綿をフ、れて上下
(注)図申の数字たとえばは 0.30-3 ワニス100部
に対して促進剤 0.30部,触媒3部であるこ
とな表わす。
♂.す /♂ J 〝
軸 揉′芝
庵l′よソ「ニス/卯ダ)
(江)図中の数字は促進剤の濃度(g/ワニス100g)ち示す。
第5図 触媒濃度と硬化開始時間との関係
Fig.5.Relation betweenCatalystConcentra-
tion and Starting Time of Cure
第 2 表 メチ/レエチルケトンバーオサイドーナプ
チソ酸コバルト系における α,ゑ定数
Table2.a,kConstantinMethylEthylKetone
PeroxidepCo-Naphthenate System
促 進 剤 gハ00gワ ニ ス
・∴
0.05 0.15
不 飽 和 ポ リ ル 樹 月旨 867
、J、、!
\、-
、
塩酸イヒペソノンル(別
第6図 過酸化ベンブイル濃度と膠化時
間の関係
Fig.6.Relation betweenBenzoylPeroxide
Concentration and Gel-Time
/β仇7
臣
監
▼ゝ」
聖、
/
′
./
gJ /J ノ7 ク〃 ′タ、紗
J/.だ
劇7 〝 膨.財 ガ ガ 〟 〟 ガさ孟度(㍗
第7図 膠 化 時 間 と 温 度 の 関 係
Fig.7.Relation between Temperature and
Gel-Time
第 3 蓑 過酸化ベンブイ/レ触媒系におけるα,々定数
Tabie3.a,k ConstantinBenzoylPeroxide
Catalyzed System
反 応
60
0.61
207
70
0.62
61
定 数
温 度 (DC)
l 80
0.61
12
100
0.32
1.9
第 4 表 過酸化ベンブイル触媒系における膠化の
活性化熱
Table4.Activation Energy of Gelationin
BenzoylPeroxideCatalyzed System
B P O(%)
0.3
活性化恵与
32
42
に微動させている七重r手の進行によりゲル化しピアノ経
とともに試験管が持ち上るようになる。このときの時F~用
をその温度におけるゲル化時IJFjとした。BPO
とゲル化時IJ5】(f)上の関附‡貰`
度(C)
のごとくでlogC~
logfの僕‖系がはゞ直線上なり,こ」でも(1)式が成、-J二
する_」定数α,ゐてまモ土めて葦3表に示した∴定数α=
や:・壬りメチルエチルケトンパーオキサイドより小さく,
第(2)項′常温の場合こ近い。したがづてBPOのl'妃た効
果はこの場合も小さいわけである。またlogfと硬化温
度(絶対過度)rの逆数との閑旅は笥7図のような直線と
なり Arrheniusの式
′〝~=品-A・ .(2)
ただし 忍:ガス恒放
A::定 数
¢:満性化熱
が成立っことがわかる。よって(1)式と第3表の定数と
から一定BPO濃.虔のゲル化時間(J)を各湿度にわたっ
て求め,(2)式から滑肘ヒ熱を算出して第4表に示した。
活性化牽祈ま解牒 直の増加と七もに減少の傾向がみられ
る。
Cass,Burnett(11)のゲル化時間伯より活性化熟を
概算してみると17~20kcalになるから,それに比べる
1第4表明肛~‡いずれもかなり大きく,日う「′二 PS31ワ
ニス:~モ誹i品として安定化されているこ土を示している。
ゲノし化時【榔こよ∵て礪化てノこ了曙関を知るこ土:エ削旨の和
知∴も上るのて,それほど簡iltこさめ王)ことはできない
が,この場合ほゲル化時Ⅶの数倍相通の条什を′J・えるこ
868 仔召和30年5月 日 立
第 5 表 硬 化 樹 脂 の 性 質
Table5.Properties of Cured Resin
実 測 値l試 験 法
比 重 (D書8)引張 り 強 さ (kg′/cm3)
曲 げ 強 さ (kg/cm9)
圧 縮 強 さ (kg。/■cm乏)衝 撃 値(シヤルピー)
(kg-Cm/cm乏)藤 度 (ロックウエノL M)
耐 熱 温 度 (DC)
吸 水 率(250C)(%)
体積固有怒抗 (【2-Cn)
誘 電 率60cps(17CC)
力 率60cps(17QC)
破 壊 電 圧 (kV/mm)
耐アーク性 (s)
耐 薬 品 性(25qC)(%)
30% 硫 宮野
10% 苛 性 ソ ー ダ
エ チ ノし ア ノし コ ー ノし
ベ ン ゼ y
四 境 北 辰 素
ア セ ト ン
1,280
500
730
1,530
4.4
JIS K・-6707
JIS K-6705
JIS K-6707
JIS K-6705
60~70 :ASTM D-785
60
0.5以下
1014
3.95
0.015
17.6
80
0.7
1.2
1.0
0.6
0.3
3.7
ASTM D・・▼646
JAN P-77
JIS K-6705
JIS K-6705
JIS K-6705
JIS Kt6705
ASTM D-618
JAN P-77
とによって,ほゞ完全硬化樹脂の持性を発揮することが
できた。実際作業ニ、-jっては型が処定温l夏まで暖~去る時
間などの考慮が必要である。ゲル化後の:ノこ全硬化ほその
ま」塑=勺で,あるい「丈型より販旧してアクターキごTrアす
れば良い。
(5)硬化樹脂の特性
不飽和ポリエステル樹脂㍑充嘱物±土もにすぐれた機
械的相生を発揮するのであるが,充填物なLの」~pS31
ワニス」硬化晶の1■川三を第5表二元した:,て雲た電気的性
質の一例として貰8図に
特性を図示した。
`這率および 電体損失の温度
〔_ⅠⅤ〕不飽和ポリエステル樹脂の得失
前述のように不飽和ポリエステル樹脂の最も特長±す
るところは,揮発性物質が少しも発生せずこ二熟硬化する
こ上である。この持長ゆえに現在のよう∴広範な用途が
開拓されたわけであるっ従来の代 的熟硬化性樹月旨であ
るフェノール樹脂やメラミン樹脂け硬化二際して水その
他の物質を出すので成型こ高温高圧が必要上なるのであ
るが,この樹脂では上記の性質のため高圧の必要もなく,
また重ハ硬化であるため1七較的低温てすむわけである.⊃
したがって従来不r一周巨であった大物の構層,成型や連続
積層も▲・購旨になったr,また硬化1〕†上の樹脂:工通常液仲状の
形であるから上記の‖一兵±あい「更って注型が容易こ行わ
れ,牛い二促進剤の選択こよって・:一丈きわめ■~ご短亘時附こ常温
硬化し,その応田範囲圧非常∵広い。ごらこ第二二ⅠⅠ二;節で
∩▲〃.
rl、
ノ〃
ノJ
こ」
吐こj
/
、
Jノ♂ ガ ノ~:ヌガ ガ 〝 影 ガ ガ」仰-
お
ル
イ→
ノJ
り・十力繍
渇 蓬 (?J
第8図 eお よ びtan∂の温度特性
Fig.8.e and tan∂at Elevated Temperature
も述べたようこ二,硬化品上してゴム状のものからガラス
状の固いものまて多師類の樹脂があり,それら各樹脂の
選択土l軋イトニよりいろいろな性能の材料を得ることがで
きる。
しかしこの樹脂:二「主また従来の材料こないような欠点
がある=.それ:‡硬化こ際し禁忌物質があることである。
銅,鉛,フェーノル類などが存在する土重rγが妨害され,
全然柾化しなくなろか,またこ工著Lく硬化を遅らせる。
したがって電気機器の絶緑などに使用する場「丁,銅±の
接触,末硬化フェノール樹脂の存在などをさtナなければ
ならな1一、l甜卦二硬化を妨害するものとして酸素があ
り,当然空気も;ilう響して注型■[】などの 向の硬化不足と
なってあらわれてくる。空気中の酸素によって_重「:㌻する
乾性油とは全く逆の性質であるから無溶剤ワニスとして
他う場「γニミ主注意を要する。ニのような現象は従 の純
作塑勲硬化性樹脂でて~‡ほとんど考慮する必要がなかった
こ土であるっ現在,この空気乾燥鼎をよくするために樹
脂の改良も行われているが,なお芙際の使用に当って沃
機械的に覆うなどの使川技術を考慮に入れることが望ま
しい。またこの樹脂こ王100%反応性で揮発性物質を生じ
ないとて王いうものの硬化に際し通′常4~10%の収縮があ
るから,注型,封入∴当ってて士それぞれ注意を要する。
触媒の過量,急熱など:‡この硬化が絡熱重言反にである
こ上とあいまってクラックを発生し,またはげしい上き
にほ封人物を破壊するこ土などもある。なお前述のよう
に硬化性の著しく早いこ土は特長であるとともに,触媒
混合後の可慎時間二制限があることであって,欠点にも
なりうるから,これらの性質をよく知って使用方法を適
切にしなけれほならない()
この樹脂の物理的,機械的性質ほ従 の熱硬化性樹脂
ヒ比べて少しも遜色なく,斗いニガラス布を堪村上した桔
層品,成型品克どて主従 こないすぐれた機械的性能を有
し,構造柑=として金属こ代りうる相性を示す。電長摘勺
性質,耐水性,耐薬品性も,在来のフェノール樹脂など
∴比べてすぐれているから成型品±しては勿論,合浸材
=としてきわめて緊密な絶縁層をっくるこ±ができる。
不 飽 和 ポ リ コニ ス ル 構■ 月旨 869
〔Ⅴ〕応 用
不飽和ポリエステル樹脂の応用は現在非常i・こ広範囲に
なりっ」あるが,もっとも大きな用途はガラス布を用い
た積層品である。従 不日_1▲能であった大型でしかも複雑
なものが成型できる∩ よく知られているように自動車の
車体,ボート,航空機の構造材利から大型パイプ,
類,屋根,ドアなどの建築材料,家具,【モ†用品にまでぶ
よんでいる。また注型品とLてほ昆虫などを人れた美術
標本,装飾品にも用いられている∴電気_L業でコンデン
サー,トランス,その他の各位のコイル,抵抗,電子回
路などの封入,合浸に用いられ,耐湿,耐熱性の良好な
特良を発揮しているっ特に旗溶剤ワニス上Lて大型発電
機用コイルにまでも応用される(5J,また成 品,積層占子-
として一般絶縁材料と同様の方血に使用されることほい
うまでもない。塗料としても無溶剤 装としてかなり便
われはじめてきた。なおこの樹脂は前節に述べたような
得失があるから上記のような方面の応用に当ってはそれ
ぞれ独得の使用技術が発
くぅ
〔ⅤⅠ〕席
していることを付言してお
盲
以上ははなはだ不完全ではあるが不飽和ポリエステル
樹脂の化学的概念と性質について解説し,「日立PS31」
ワニスに例をとり硬化現象の実際について述べた。再三
記述したようにこの系統の樹脂は揮発性物質の発生する
ことなく硬化するためその応用範囲はきわめて広く,特
に電気工業あるいはその他の構造材料への応用は注目す
べきものがある。すでに日立製作所においても多方面に
使用されており,これらの詳細については別の機会に発
表される筈である。なおこの樹脂は生れて未だ日も浅く,
特に我国においては発展途上にあるのであって,今後の
改良と新しい使用技術の進歩iこよ一デてさらに飛躍的な川
途の拡大が期待される。
欄聾するに当り終始卸指導を賜わった日立製作所‖立
工場副工場長藤久保三四郎氏,日立絶縁物」二場長「~り]終
決博士,日立研究所三浦倫義博士,鶴田四郎博士に感謝
申上げる。
(1)
(4)
(5)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
参 考 文 献
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H.Carothers=
T.F.Bradley:Ind.Eng.Chem.291270(1937)
fI.L.Vincent:Tnd.Eng.Chem.291267(1937)
飯島,鶴田:日本化学会第6年会(1953)
C.H.RyboltandT.C.Swigert:Mod.Plast.
101(1949)
W.H.Simpson:J.Soc.Chem.Ind.107(1946)
S.N.Ushakov and S.P.Mitserrgendler:
Zhur Priklad Kim.201261(1947)
後藤:高分子化学1032()(1953),11238,431
(1954)
E.S.Ebers,et al.:Ind.Eng.Chem.42115
(1950)
E.E.Parker and E.W.Moffett:Ind.Eng.
Cbem.4`1615(1954)
P.M.Elliott:Mod.Plast.29113(July,1952)
P.Robitschek and C.T.Bean:Ind.Eng.
Cbem,1`1628(1954)
日本特 152691,152689;152690,154131
特於:昭26-1234,昭26-4428,昭 26-4144~
45,昭26-5584,昭27-2283-6,昭28--1600,
昭29L5735
W.E.Cass and R.E.Burnett:Ind.Eng.
Cbem.1`1619(1954)
宮入,松島:日本化学会第7年会(1954)
日立製作所社員社外寄稿一覧(昭和30年3月受付分)
寄 稿 先
工 業 技 術
九 州 電 気 協
日刊工業新聞社
高 分 子 学 会
日 本 機 械学会
電 気 化 学協会
電 気 学 会
ダイ ヤモ ンド社
精密鋳造所死所
日 本機 械 苧:会
/ト峰工業出版社 社
桐会
会
摘服用学
電協東北七.とゝlコ
県
理 化
溶 接
日 本 機 械学会
日刊工業新聞社
労働省産業安仝研究所
電 気 書 院
日 本 伸 銅 協 会
日本労働研究所
電 気 公 論 社
関西経済連合会
家庭電気文化会
日 本機 械 学
電 気 学
溶 接 学
会
会
会
題
日立新型
我 国
高
電
速梗準天井ク
気 機 関
現 有 設 備 の
金 属 の
シ′ コニ ル モ ー ノレ
放電(電
気化学部 間) 放
資 材 常 備
レトー こ/に つい
高
辛 の 今
度 活
〕妾
ド 造 型
化
′てIチ
f且 化
執筆者所属
て
†t∴
日
用
着
量 の 問 題
シェルモ←ルド法による青銅鋳物の橡械的性質につレ→て
ケ ー ブ ル ク レ ー ソ の 進 歩
油 圧 駆 動 (上 巻)
揚 水 ポ ン プ の 合理的使 嗣 に つい て
不 鋳 鋼 合 板 の 溶 接 に つ い
ボイ ラ給水ポンプの特性と郵率につい
工 作 機 械 の
2 点 押 釦 ス イ ッ チ
車 輌 塗 装 に お け る
耐酸化性鋼基 合金類
工 場 の 安 仝 管 理
低 質 炭 に よ る 火 力
電 気
わ が 社 の
据 付
防 爆 試 験 報
赤 外 線 の 応
の 高 温酸 化特
と 色 彩 詞
発 電 に つ い
機
掃 除
て
て:
法
一告
同
性
節
て
舷
梯
ダブル′ワ+ンク型水平引込起重機の衝撃値について
電 気 材 料 の 耐 熱 性
低Mn系高抗衆力鋼の溶接性に関する研究
本
本
川 略 工
中 央研 究
多 賀 工
中 央研究
中 央研究
本
亀 有 工
亀 有 工
川 崎 工
亀 有 工
日 立 研 究
亀 有 工
多 賀 工
亀 戸 工
社
社
場
所
場
所
所
社
場
場
場
場
所笠
戸 工 場
日立電線工場
亀 戸 工 場
日 立 工 場
本 社
本 社
亀 有 工 場
日立絶縁物工蓼
笠 戸 工 場
執 筆 者
鈴 木
河 合
花 岡
福 村河
江 刺
牟
牟寺割上
赤阿
寺
小渡
田
田沢石田木武
田
野辺
寺 田
安 藤
松 田
宝 迫
栗 本
寺 下
杉・沼
諌 早
中 島
大 西
日 月
実
輝
浩
勉 郎
鱗次郎
清明明俊官
芳
天徳
平市博
進朗
進
暢 夫
信
八 郎
文 雄
昇
紋 次
鈴 木 音次郎バ、林 年 夫
第17巻 r~日 立」ポンプ,圧縮機,送風機・特集 第3号
あらゆる産業の中でポンプ,送風機,圧縮機がどんなに重要な役割を果しているか,そ
の構造と周途についてわかりやすく説明致しました。
◎ポンプ,圧縮機,送風機はどんな構造になっているか
◎ポンプ,圧縮磯,送風機の歩み
◎ポソプ,圧縮機,送風機の用途
・農事用につかわれるもの
・鉱山用につかわれるもの
・都市ガス,水道用につかわれるもの
・建築,土木周につかわれるもの
・発,変電周につかわれるもの
東京都千代田区丸の内1ノ4(新丸の内ビルディソグ7階)
立 評 論
・船舶用につかわれるもの
・製鉄,製鋼用につかわれるもの
・化学工業用につかわれるもの
・薬,食品工業用につかわれるもの
・袈耗,繊維工業用につかわれるもの
・横板工業用につかわれるもの
・その他につかわれるもの
社 誌代1冊 ¥60 〒6
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