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米英の衛星放送等の現況

平成1 7年 1 0 月 1 4 日総務省情報通信政策局衛 星 放 送 課

参考資料2

1 米英日における衛星放送1 米英日における衛星放送

2 アメリカにおける衛星放送等の現況2 アメリカにおける衛星放送等の現況

3 イギリスにおける衛星放送等の現況3 イギリスにおける衛星放送等の現況

P 3

P 7

P36

3

米英日における衛星放送サービス概念図

米英日における衛星放送(ダウンリンク12GHz帯)と周波数等分配

1 米英日における衛星放送1 米英日における衛星放送 P 2

・・ P 3

・・ P 4

4

米英日における衛星放送サービス概念図

衛星運用

番組提供

限定受信

アップリンク

番組送出

契約締結等

販売促進等

※SES ASTRA社等

CAS提供事業者(支配的規制)

※㈱JSAT、㈱SCC等

委託放送事業者(認定)

委託放送事業者(認定)

DBS事業者(免許)

TLCS(免許)

CAS事業者※㈱B-CAS

※BSkyB全額出資のSSSL社

TLCS(免許)

TLCS(免許)

TLCS(免許)

TLCS(免許)

TLCS(免許)

TLCS(免許)

電気通信役務利用放送事業者(登録)

委託放送事業者(認定)

委託放送事業者(認定)

委託放送事業者(認定)※EPG

委託放送事業者(認定)

委託放送事業者(認定)

委託放送事業者(認定)

受託放送事業者(免許)受託放送事業者

(免許)※BSAT㈱

アメリカ

※DIRECTV U.S.社等 ※BSkyB社

TLCS(Television Lisencable Content Service)とは、2003年情報通信法第232条によると、衛星からデジタル放送かアナログ放送で提供されるサービス等であり、テレビジョン番組とEPGのどちらか又は両方によって構成されるものと規定。

DBS(Direct Broadcast Satellite)サービスとは、FCC規則第47偏第25部第201条及び第202条(a)(7)によると、12.2-12.7GHz帯のダウンリンク周波数を利用する人工衛星局によって送信又は再送信される信号について一般公衆による直接受信を目的とする無線通信サービスと規定。

-DIRECTV U.S.社等- -CSデジタル放送各社-

日本-BSkyB社-

イギリス

電気通信事業者(登録)

電気通信役務利用放送事業者(登録)

電気通信役務利用放送事業者(登録)

日本-BSデジタル放送各社-

CAS(Conditional Access System)とは、2003年情報通信法第75条(3)によると、番組サービスへのアクセスにあたり、当番組サービス又は当番組サービスを含む番組サービスに関する受信契約、あるいは、ある時に当番組サービスを視聴又は聴取するための認証のどちらが求められる場合に関するいかなるシステム、設備、取り決め、又は技術的手段をいうと規定。

※㈱スカイパーフェクト・コミュニケーションズ

業務委託

プラットフォーム事業者

出資

5

米英日における衛星放送(ダウンリンク12GHz帯)と周波数等分配

アメリカ イギリス 日本

BS 放送/CS

放送の区別 ※特になし。 ※特になし。 BS放送

CS放送

(東経 110度 CS放送含む。)

制度上の位置

付け DBS(注3) TLCS(注4) 委託放送業務

委託放送業務

衛星役務利用放送の業務

衛星放送事業

者(例)

DIRECTV

EchoStar BSkyB

NHK

㈱WOWOW

㈱BSフジ

㈱ビーエス・アイ

㈱キッズ・ステーション

ジュピターサテライト放送㈱

12.2-12.5GHz

固定衛星業務(FSS)等 国際分配(注1)

12.2-12.7GHz(注5)

放送衛星業務(BSS)等

11.7-12.5GHz(注6)

放送衛星業務(BSS)等

11.7-12.2GHz(注7)

放送衛星業務(BSS)等 12.5-12.75GHz

固定衛星業務(FSS)等

12.2-12.5GHz

放送衛星業務(注 11)

放送用・電気通信業務用(注 13) 国内分配(注2)

12.2-12.7GHz(注8)

Broadcasting-Satellite

(放送衛星)

※未使用(注9)

11.7-12.5GHz(注 10)

Broadcasting-Satellite

(放送衛星)

11.7-12.2GHz

放送衛星業務(注 11)

放送用(注 12) 12.5-12.75GHz

放送衛星業務(注 11)

放送用・電気通信業務用(注 13)

※各注については、次頁参照。

6

(注1)周波数等の国際分配については、各周波数帯の利用方法、衛星軌道の利用方法、無線局の運用に関する各種規程、技術基準等を始めとする国際的な電波秩序を規律する無線通信規則(Radio Regulations)で規定。また、無線通信規則では、世界を3つの地域(第一地域:欧州・アフリカ・ロシア、第二地域:南北アメリカ、第三地域:アジア・オセアニア)に分け、9kHz~275GHzの周波数帯を各無線業務に分配。

(注2)周波数等の国内分配については、各国においてそれぞれ規定。日本における周波数の国内分配については、電波法第26条第1項の規定に基づき、免許の申請等に資するため、総務大臣が作成し公表する、割り当てることが可能である周波数の表である「周波数割当計画」で規定。

(注3)Direct Broadcasting Satelliteの略。FCC Rules & Regulations第47編第25部第201条及び第202条において、「12.2-12.7GHzのダウンリンク周波数を利用する人工衛星局によって送信又は再送信される信号について一般公衆による直接受信(個別受信及び共同受信の双方を含む。)を目的とする無線通信サービス」と規定。

(注4)Television Content Licencable Serviceの略。Communications Act 2003第232条から第240条において、「衛星からデジタル方式放送かアナログ方式放送で提供されるサービス、又は、公衆による受信のために利用可能となっているECネットワーク(electronic communications network that is to be made available for reception by members of the public)を使って配信されるサービスであり、テレビジョン番組(television programme)とEPGのどちらか又は両方によって構成」され、そして、「次のサービス」、すなわち、「①「テレビジョンマルチプレックスサービス(television multiplex service)」、②「規制されるテレビジョンサービス(restricted television service)」、③「デジタルテレビジョン番組サービス(digital television programme service)」、④「チャンネル3免許によるサービス(service provided under a Channel 3 licence)、⑤「チャンネル4免許によるサービス(service provided under a Channel 4 licence)」、⑥「チャンネル5免許によるサービス(service provided under a Channel 5 licence)」、⑦「公共文字免許によるサービス(service provided under the public teletext licence)」、⑧「追加的テレビジョンサービス(additional television service)」は構成しないもの」と規定されている。また、TLCSについては、 「 ECネットワークによって、単一の施設構内における者(persons who are within a single set of premises)のみに配信され、当該ECネットワークが全てそれらの施設構内の中にあり、そして、それらの施設構内の外側にその一部があるECネットワークに接続されていない場合については、該当しない」と規定されている。

(注5)放送衛星業務の他、固定業務、移動業務(航空移動除く。)、そして、放送業務に分配。アメリカについては、無線通信規則付録第30号等に基づくBSSプランにより、放送衛星業務用として、西経61.5度、同101度、同110度、同119度、同148度、同157度、同166度、そして、同175度における各32チャンネルが割当てられている。

(注6)放送衛星業務の他、固定業務、放送業務、移動業務(航空移動除く。)に分配。イギリスについては、無線通信規則付録第30号等に基づくBSSプランにより、放送衛星業務用として、西経31度の10チャンネルが割り当てられている。

(注7)日本については、無線通信規則付録第30号等に基づくBSSプランにより、放送衛星業務用として、東経110度の12チャンネルが割り当てられている。

(注8)アメリカの国内分配については、FCC Rules & Regulations第47編第2部第106条[Table of Frequency Allocations]において、「Broadcasting-Satellite(放送衛星)」として分配されている。

(注9)イギリスにおいて、BSkyBは、ルクセンブルクに放送衛星業務(BSS)として国際分配された周波数等を使用するAstra衛星(SES ASTRA社)を利用してサービスを提供している。なお、最近、イギリスに分配されている11.7-12.5GHzについて、西経33.5度におけるBSS運用に関する動きが見られる。

(注10)イギリスの国内分配については、United Kingdom Frequency Allocation Table 2004において、「Broadcasting-Satellite(放送衛星)」として分配されている。

(注11)日本の国内分配については、周波数割当計画第1総則において、「放送衛星業務」として分配されている。「放送衛星業務」とは、一般公衆によって直接に受信されることを目的として、信号を宇宙局によって伝送し、又は再伝送する無線通信業務。この業務における「直接受信」には、個別受信及び共同受信の双方を含む。

(注12)「放送用」とは、周波数割当計画第1総則において、「放送を行うことを目的として開設するものであること(電気通信業務用の無線局に該当するものを除く。)」と規定されている。

(注13)「電気通信業務用」とは、周波数割当計画第1総則において、「電気通信事業法第2条第6号の電気通信業務並びに同法第164条第1項第1号及び第2号の電気通信事業を行う者が、電気通信役務を提供することを目的として開設するものであること(対地静止衛星(地球の赤道面上に円軌道を有し、かつ、地球の自転軸を軸として地球の自転と同一の方向及び周期で回転する人工衛星をいう。)に開設する無線局にあっては、本邦外の場所相互間の通信を媒介する業務を行うことを目的の一部とするものを含む。)」と規定されている。なお、電気通信業務用への割当ては、電気通信役務利用放送法施行規則第2条第1号に規定する衛星役務利用放送が行われる場合に限る。

2 アメリカにおける衛星放送等の現況2 アメリカにおける衛星放送等の現況

・・ P10

・・ P11

アメリカにおける多チャンネルテレビ配信サービス市場の現状

DBSサービスの動向①:受信契約者数、料金

DBSサービスの動向②:地上放送の送信

DBSサービスの動向③:DVR・STB等に関する取組み

DBSサービスの動向④:インターネット・HDTVに関する取組み

DBSサービスの動向⑤:HDTV等に関する取組み

・・ P12

・・ P13

・・ P14

・・ P15

DBS事業者以外のMVPDの動向①:HSD

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(2)

・・ P16

・・ P17

・・ P18

・・ P19

・・ P20

・・ P21

・・ P22

・・ P23

・・ P24

・・ P25

・・ P26

・・ P27

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(3)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:デジタルケーブルテレビ(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:デジタルケーブルテレビ(2)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(VOD)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(DVR)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(HDTV)(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(HDTV)(2)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルインターネット(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルインターネット(2)

DBS事業者以外のMVPDの動向③:地上放送(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向③:地上放送(2)

・・ P28

・・ P29

・・ P30

・・ P31

・・ P32

DBS事業者以外のMVPDの動向④:ブロードバンド

DBS事業者以外のMVPDの動向⑤:LEC

DBS事業者以外のMVPDの動向⑥:Internet Video(1)

DBS事業者以外のMVPDの動向⑥:Internet Video(2)

DBS事業者以外のMVPDの動向⑦:PCO

DBS事業者以外のMVPDの動向⑧:Electric and Gas Utilities

・・ P33

・・ P34

・・ P35

10

66.25 66.73 66.47 66.05 66.10

12.9916.07 18.24 20.36 23.16

17.8316.12

17.8816.87

16.11

1.50 1.50 1.60 1.20 1.10

0.340.500.701.00

1.48

1.401.460.06

0.060.06

0.200.200.490.07

0.70

0

20

40

60

80

100

120

2000年6月 2001年6月 2002年6月 2003年6月 2004年6月

アメリカにおける多チャンネルテレビ配信サービス市場の現状

■ 2004年6月現在、多チャンネルテレビ配信サービス市場におけるケーブル事業者のシェアは年々縮小し72%となっている一方、近年では、DBSサービス事業者(いわゆる衛星放送事業者)の受信契約者数が2ケタの伸びを見せ、当シェアは25%まで拡大している。

■ アメリカにおけるMVPD(Multichannel Video Programming Distributor)サービス(いわゆる多チャンネルテレビ配信サービス)の受信契約者数の伸び率は近年ますます増加し、2004年6月現在、総受信契約者数については、約9,230万件となっている。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

アメリカおける多チャンネルテレビ配信サービス市場におけるシェア(百万件)

(月末)

100.80100.80 102.18102.18 105.44105.44 106.64106.64 108.41108.41

82.97(82.31%)

86.06(84.22%)

87.56(83.04%)

89.77(84.18%) 92.30

(85.14%)

テレビ視聴世帯テレビ視聴世帯

MVPD以外のテレビ視聴(地上波)世帯

MMDS受信契約者数

(注)MMDS(Multichannel Multipoint Distribution Service)とは、 2GHz帯におけるMDS(Multipoint Distribution Service)及びITFS(Instructional Television Fixed Service)用の周波数を使用するもので、各家庭へのビデオ番組の送信、そして、ブロードバンドサービスの提供のためのシステム。

BSP受信契約者数

HSD受信契約者数

DBS受信契約者数

PCO受信契約者数

ケーブル受信契約者数

MVPD視聴世帯()はテレビ視聴世帯に占める割合

()はMVPD視聴世帯に占める割合

()はMVPD視聴世帯に占める割合

(79.84%) (77.54%) (75.91%) (73.58%) (71.62%)

(15.65%) (18.67%) (20.83%) (22.68%) (25.09%)

11

DBSサービスの動向①:受信契約者数、料金

[内訳]

・DirecTV :約1,304万件・EchoStar:約1,012万件※ その他家庭向けの番組を20チャンネル提供しているDominion Video Satellite, Inc.(ブランド名:Sky Angel)につい

ては、年間ベースの受信契約者数を公表していない(なお、FCCによると2002年時点で約100万件として推定)。

主なDBSサービスの受信契約者数

■■ 合計約合計約2,3162,316万件(万件(20042004年年66月現在)月現在)

主なDBSサービスのベーシックパッケージ及び料金

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

【出典】DirecTV HP(http://www.directv.com/DTVAPP/packages/base.dsp)及びEchoStar HP(http://www.dishnetwork.com/content/programming/packages/index.shtml)

DirecTVDirecTV((20052005年年99月現在)月現在)

・Total Choice(Over 135 channels):41.99ドル・Total Choice Plus(Over 155 channels):45.99ドル・Total Choice Premier(Over 215 channels):93.99ドル

【単位:月額】

※ なお、視聴者が住む地域において、衛星によるローカ

ル放送局チャンネルが利用不可能な場合には、それぞれ

から3ドルが値引き。

EchoStarEchoStar((20052005年年99月現在)月現在)

・America’s Top 60 :31.99ドル・America’s Top 120 :42.99ドル・America’s Top 180 :52.99ドル・America’s Everything :86.99ドル

【単位:月額】

※ なお、視聴者が済む地域において、衛星によるローカ

ル放送局チャンネルが利用不可能な場合には、それぞれ

から5ドルが値引き。

12

DBSサービスの動向②:地上放送の送信

「local-into-local」サービス

■■ 「「locallocal--intointo--locallocal」サービスが提供されているローカル市場数(」サービスが提供されているローカル市場数(20042004年年1212月現在)月現在)

210の全ローカル市場のうち、アメリカにおける全テレビ世帯の約95%をカバーする155市場において、少なくとも1つのDBS事業者により提供。

【【「「locallocal--intointo--locallocal」サービス」サービス】】

1999年衛星放送家庭視聴改善法(The Satellite Home Viewer Improvement Act of 1999)により、著作権法第122条が追加され、DBS事業者が、地上ローカルテレビジョン放送局の信号を当該放送局のローカル市場における受信契約者に再送信するにあたって創設された法定使用許諾によるサービス。

※ 「ローカル市場」については、著作権法第122条(j)(2)で規定され、当該放送局が位置しているDMA(Designated Market Area)のことをいい、独特の地理上の地域に関する各市場を表しており、測定された視聴パターンに基づいてNielsen Media Researchによって決められているもの。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

DirecTVDirecTVにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 130市場に提供。・ 2004年8月、FCCより、DIRECTV 5衛星(西経119度)を、BSS用としてカナダに割り当てられている西経72.5度に再配置し、当静止軌道位置より「local-into-local」サービスをアメリカ国内の24市場において提供することについて承認を取得。当静止軌道位置からの「local-into-local」サービスについ

ては、追加的な18インチのパラボラアンテナを使用することによって、全てのローカルチャンネルが受信することが可能であり、1年間の契約に同意した顧客については無料でこの追加的なアンテナを提供・設置。

EchoStarEchoStarにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 150市場に提供。・ 150市場のうち62市場における視聴者については、全てのローカル放送局を受信するため、追加的なパラボラアンテナ(ブランド名:「SuperDish」)が必要。なお、「SuperDish」では、3つの静止軌道位置からの信号を受信することが可能。

13

DBSサービスの動向③:DVR・STB等に関する取組み

デジタル録画機能に関する取組み

■ アメリカにおけるVCR(Video Cassette Recorder)の浸透率については、2004年にTV世帯の約91%と推定。同年6月現在においては、TV世帯の約70%がDVDプレイヤー(平均価格は120ドル)を所有。

■ DVR(Digital Video Recorder)又はPVR(Personal Video Recorder)については、1999年から登場した、生中継のビデオ番組を録画するための最新技術であり、ビデオテープに代わり、内蔵されたハードディスクにデジタル形式

で番組を一時停止、記録、そして、巻き戻しすることが可能。約200万台が購入されている。DVRは、スタンドアローンな機器であり、消費者はDVR事業者からサービスを受けている。最近、ケーブル事業者やDBS事業者においては、それらのSTB(Set Top Box)にDVR機能を備えさせてきている。

・ アメリカにおいて最大のDVR事業者であるTiVoのデュアルチューナDVR機能付きのSTBを提供。Tivoの約200万の契約のうち110万がDirecTVの受信契約者となっている。当該STBについては、79ドルから999ドルの範囲で提供。

DirecTVDirecTVにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 2005年には、News Corp.の子会社であるNDS GroupによるDVRシステムの導入を予定。

EchoStarEchoStarにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ STBのための独自のDVRシステムを開発し、標準DVR機能を備えた2つのモデルを提供。100万以上の受信契約者がDVR機能を有している。・ 「DISH Player DVRs」と呼ばれるものを提供し、典型的なVCR機能をサポートすることに加え、VODサービスもサポート可能。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

2005年7月末現在で、TiVoの加入者数は約360万人で、そのうち約65%がDirecTV経由のもの。また、DirecTVにおいては、TiVoを組み込んだSTBの販売中止を決定。

【出典】2005年8月26日日本経済新聞

■ DirecTV及びEchoStarともに、過去数年間、DBSサービスを視聴するために必要なパラボラアンテナとSTBの機器については、1年間の受信契約と引き換えに、割り引き又は無料で提供。最近では、両者ともに無料での機器提供に代え、月ベースでの機器レンタルを促進。

STB等に関する取組み

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

14

DBSサービスの動向④:インターネット・HDTVに関する取組み

インターネットに関する取組み

■■ 衛星ブロードバンドサービス衛星ブロードバンドサービス

■■ LECLECとの連携によるブロードバンドサービスとの連携によるブロードバンドサービス

・ 2004年8月、BellSouthのサービスエリアにおいて、BellSouthの顧客に対し、高速インターネット、地域及び長距離電話、無線電話、そして、DirecTVのビデオサービスが1つの請求書により利用可能なサービスを提供。同年9月現在、BellSouthは約9万以上のDirecTVの受信契約者にサービスを提供。

DirecTVDirecTVにおける最近の取組みにおける最近の取組み EchoStarEchoStarにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 2004年3月、SBCのサービスエリアにおいて、SBCの電話サービス顧客に月額29.99ドルからのDISHの料金により、「SBC DISH Network」というブランド名によるサービスを開始。これにより、SBCの顧客は、高速インターネット、地域及び長距離電話、無線電話、そして、EchoStarのビデオサービスが1つの請求書により利用可能。SBCによると、同年10月現在、約23万のEchoStarの受信契約者が利用。・ 2004年1月、Verizonの顧客に対し、割引のDIrecTVサー

ビスの提供をRhode Islandにおいて開始。同年3月には、当サービスをNewEnglandとNewYork地域まで拡張し、同年8月には、Mid-Atlantic地域まで拡大。

DirecTVDirecTVにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 双方向の「DIRECWAY」というブランド名の一方向及び双方向の衛星高速インターネットアクセスサービスが、月60ドル等により提供。・ なお、当サービスについては、利用可能なDSLやケーブルモデムサービスのほぼ2倍の料金となっているため、地上系の高速インターネットサービスとは競争的ではないとDirecTVは主張している。

EchoStarEchoStarにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ 衛星によるブロードバンドインターネットサービスは提供していない。・ なお、EchoStarは、全国的に成功して広く普及させるためには、現在当サービスに利用可能な周波数を超えた周波数資源が必要になるであろうと主張し、2005年の早期には、ある地域をターゲットに、現在の周波数容量を使った衛星ベースのインターネットサービスを提供する予定。

・ Qwestにおいては、DirecTVとEchoStarの両者との間で、別々の市場においてパッケージサービスを提供することを同意した旨を発表。2004年9月現在、14州におけるQwestの「Choice DSL with MSN Premium」サービスの契約者は、DirecTV又はEchoStarのサービスを月額5ドル安く提供。

・ 2004年6月、Sprintは、その地域電話サービスの運用地域における顧客がSprintのDSL又は(及び)電話サービスをも契約する場合にEchoStarのサービスを月額5ドル安く提供。

・ 2004年8月、CenturyTelは、その電気通信サービスとEchoStarのサービスをパッケージとして提供することと引き換えにEchoStarの2,500万ドルの投資負担に合意。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

15

DBSサービスの動向⑤:HDTV等に関する取組み

HDTVに関する取組み

DirecTVDirecTVにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ ESPN HD(2チャンネル)、Universal HD、Discovery HD Theater、HD Net、そして、HDNet Moviesを含む計6チャンネルのHD番組パッケージ「THE DIRECTV HD PACKAGE」を月額10.99ドルで提供。

・ HD番組を視聴するには、HD対応のTV受像機、DirecTVのHDシステム(DIRECTV HD Receiver及びMulti-Satellite Dish)が必要。DirecTVのHDシステムについては、小売価格で299ドルであり、DIRECTV Total Choiceパッケージのどれかを1年間契約することが必要。

・ ローカル放送局(ABC、CBS、NBC、FOX)のHD番組を視聴する場合には、別途、off-air HDアンテナが必要。・ HD DVR Receiverを小売価格約999ドルで提供。・ 2004年6月には、NBC Universal Cableとの間で、NBCのネットワーク番組をHDで配信することを可能とする長期的なマルチプラットフォーム送信について同意。

EchoStarEchoStarにおける最近の取組みにおける最近の取組み

・ TNT HD、ESPN HD、Discovery HD Theater、HDNet、そして、HDNet Moviesを含む5チャンネルのHD番組パッケージ「DISH NETWORK HD PAK」を月額9.99ドルで提供。また、月額5ドル追加で、「VOOM Original HD Pak」

の10チャンネルを提供。・ HD番組を視聴するには、HD対応のTV受像機、DISH

NetworkのHD衛星を指向するパラボラアンテナ、そして、HD satellite receiver(小売価格699ドル)が必要。

・ CBSによって所有又は運営されている放送局がサービス提供している17地域において、FCCにより定められた資格ある受信契約者に対して、CBSのHD番組を提供。但し、このためには追加的なパラボラアンテナ(西経61.5度又は西経148度を指向するもの)が必要。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表) DirecTV HP(http://www.directv.com/DTVAPP/imagine/HDTV.dsp)及びEchoStar HP(http://www.dishnetwork.com/content/programming/hdtv/index.shtml)

・ 2004年5月に、DirecTVは、ローカル市場においてローカル放送局を配信することを目的としたスポットビーム衛星であるDIRECTV 7Sの打上に成功し、同年9月には、「local-into-local」サービス、全国的なHDチャンネル、そして、双方向番組の提供を可能とする4つの新しい衛星の打上に1億ドルを費やす旨を発表。そして、既に建設段階で、当初は双方向衛星インターネットサービスを予定していたKaバンド衛星である2つのSpaceway 1とSpaceway 2では、インターネットサービスとともに500のローカルHDチャンネルを提供できるように改造している旨を発表し、この2つの衛星について、2005年の早い段階で打ち上げ、同年半ばには運用を開始することを予定。また、さらにDIRECTV 10及びDIRECTV 11という2つのKaバンド衛星を2007年に打ち上げることを計画しており、これらの衛星は1000のローカルHDチャンネル、150までの全国的なHDチャンネル、そして、多くの双方向で先進的な番組を送信することが可能となる予定。

■ HDの配信等必要となる更なる配信容量の増強への対応としては、MPEG-4といった先進的な伝送符号化技術、8PSKといったより高度な変調方式、そして、新しい周波数帯の利用を開始。

16

DBS事業者以外のMVPDの動向①:HSD

■ HSDのMVPD市場シェアについては、2004年6月現在で、約0.4%となっており、実際に番組パッケージを購入した受信契約者数は約33.6万件となっており、2003年同月の約50.2万件から33%減少。

■ Cバンド放送においては、その無料チャンネルの中にPBSのチャンネルが含まれる。また、有料チャンネルについては、program packagerと呼ばれる事業者( National Programming service, LLCやSatellite Programming Service, Inc.)との間でパッケージやアラカルトの契約が必要となり、アラカルトベース、又は最もチャンネル数の多いパッケージで約60の有料チャンネルが提供。■ 「4DTV」というブランド名のデジタルHSDサービスも提供。Motorolaが独自にSTBを開発し、Motorola

DigiCipherⅡという信号暗号及び圧縮の標準規格を使用。なお、当STBにおいては、アナログ衛星送信も受信が可能。値段は大体800ドルであるが、しばしば番組パッケージの購入とともに大きく割引。

Home Satellite Dish

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

【【HSDHSD】】HSDサービス又は大きなパラボラアンテナを利用するサービスについては、いわゆる元祖となる、衛星から家

庭への衛星放送サービスであり、一般にCバンド放送と呼ばれ、Cバンドで一般的に運用されている衛星によって送信されるアナログ信号の家庭受信が主なサービス。

17

DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(1)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

【【ケーブルテレビケーブルテレビ】】1940年代後半に、山間地域や遠隔地域のような地上波の直接受信が困難な地域におけるテレビサービスの需要

を満たすために出現。1970年代後半までには、ケーブル事業者は、HBO(1972年に開始。)、Showtime(1976年に開始。)、そして、ESPN(1979年に開始。)のようなケーブルネットワークを形成。

ケーブルテレビの利用可能世帯の動向ケーブルテレビの利用可能世帯の動向

・ ケーブルシステムが通過しているテレビジョン世帯の割

合が広く指標として利用されているが、当該計算にあたっ

てはいろいろと議論がある。ケーブルシステムが通過して

いる世帯については使われるデータ源次第であり、当世帯

の割合は比較のために用いられる母集団次第で様々。

・ NCTAは、2003年末で、1億290万のテレビジョン世帯にケーブルシステムが利用可能であり、全テレビジョン世帯1億840万世帯のうち約95%と計上。

・ FCCは、ケーブルシステムが通過している世帯についてはKagan World Mediaより、テレビジョン世帯についてはNielsen Media Researchより歴史的にデータを利用。それによると、2003年末で1億840万のテレビジョン世帯がおり、1億60万の人が住む世帯(全てがテレビジョン世帯というわけではない。)にケーブルシステムが通過しており、そ

の割合は97.8%未満。

・ 通信法第612条(g)では、36以上のサービス提供中のチャンネルがアメリカに住む70%の世帯に利用である場合、そして、当世帯の70%が受信契約している場合において、FCCは情報源の多様化を促進するために必要な追加的なルールを制定することができると規定。

・ 現在の米国国勢調査局のデータでは、人が住む世帯は1億584万2千が存在。Warren Communications Newsによると、ケーブルシステムが通過し、人が住む世帯で36チャンネル以上が提供されているのは8,441万5,707あり、そのうち5,817万7,885世帯が36以上のチャンネルでケーブルシステムを契約。よって、人が住む世帯のうち79.8%が36チャンネル以上のケーブルシステムを利用可能。また、そのう

ち68.9%の5,817万7,885世帯がそれらのケーブルシステムと受信契約を締結。他方、Warren Communications Newsによると、6,624万1,805世帯が受信契約を締結しているため、残りの806万3,920世帯が36チャンネル未満のケーブルシステムの受信契約者となっている。

ケーブル番組ネットワークにおける広告収入ついては、2002年の121億ドルに比べ、2003年には140億ドルであり、15.6%の増加。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(2)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

ケーブルテレビ(ベーシックケーブルサービス)の受信契約者の動向ケーブルテレビ(ベーシックケーブルサービス)の受信契約者の動向

・ ベーシックケーブルサービス(Basic Cable Service:ベーシックサービスティア(Basic Service Tier)とも呼ばれ、受信契約者のマストバイとされているサービスで、その内容については、ケーブルシステム毎に様々であり、また、通信法に基づき全てのローカルテレビジョン信号、公共チャンネル、教育チャンネル、そして、政治用のチャンネルを含むことが義務付けられている。また、ケーブル事業者の裁量により、その他のビデオ番組サービスを追加することが可能。)については、2002年の6,610万件から2003年には6,600万に減少。また、Kagan World Mediaによると、2004年末には、6,620万件になると推測。

ケーブルシステム利用可能世帯

ケーブルシステム利用可能世帯

ベーシックケーブルサービス受信契約世帯

ベーシックケーブルサービス受信契約世帯 テレビジョン世

帯に占めるケーブルテレビの利用可能世帯割合

テレビジョン世帯に占めるケーブルテレビの利用可能世帯割合

テレビジョンン世帯に占めるケーブルテレビ受信契約世帯割合

テレビジョンン世帯に占めるケーブルテレビ受信契約世帯割合

ケーブルシステム利用可能世帯に占めるケーブルテレビ受信契約世帯割合

ケーブルシステム利用可能世帯に占めるケーブルテレビ受信契約世帯割合

ケーブルシステム利用可能世帯テレビジョン世帯テレビジョン世帯

・ また、プレミアムケーブルサービス(Premium Cable Service:ケーブル事業者により、追加の月額料金によりチャンネルベースで提供される非放送ネットワーク。PPVは番組ベースで提供されるものであり、プレミアムサービスとは別に分類。)においても受信契約者数は減少。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(3)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

ケーブルテレビのチャンネル容量の動向ケーブルテレビのチャンネル容量の動向

・ 2004年にFCCが実施した価格調査における641サンプルのケーブルシステムの約85.7%が750MHz又はそれ以上の周波数帯域幅の施設を保有。当調査における平均周波数帯域幅は、約734MHz。

・ ケーブルシステムにおける周波数帯域幅は、ビデオとビデオ以外のサービスの間で割当て。そして、当調査では、ビデオサービ

スの提供をしているケーブルシステムの平均は、513から588MHzの周波数帯域幅を利用。・ ケーブル事業者は、平均して、HDテレビジョン、VOD、インターネットサービスを提供するための追加的な周波数帯域幅とともに、約73のアナログビデオチャンネルと150のデジタルビデオチャンネルを提供することを選択。・ 2003年1月から2004年1月にかけて、当調査における平均的なケーブルシステムにおいて送信された全ビデオチャンネル(アナログ及びデジタル)数については、約210から223。

(注)“Competitive Group”とは、FCCにより有効な競争に直面しているとみなされるケーブル事業者をいい、“Noncompetitive Group”とは、当該競争に直面していないとみなされるケーブル事業者をいう。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:デジタルケーブルテレビ(1)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ ケーブル事業者は、デジタル圧縮のビデオチャンネルを提供。従来の標準的な1つの6MHzのアナログチャンネルを提供するために利用される容量において、6から12のビデオチャンネルのデジタル圧縮が可能。

■ デジタルのケーブル受信契約者においては、1又はそれ以上のデジタルサービスティアを選択することによって番組を視聴。このデジタルティアには、映画ティア、バラエティーティア、スポーツティア、そして、非英語ティア

等が含まれる。受信契約者は、また、HBO、Showtime、Cinemax、The Movie Channel、Starz!、そして国際番組等、1又はそれ以上のプレミアムデジタルティアを選択することにより、追加的な番組が視聴可能。

■ 以上に加え、デジタル受信契約者は、HDデジタルティアから番組を選択可能。

■ また、デジタルケーブル事業者は、DVRやVODといった高機能デジタルサービスを提供。

■ 2003年に、FCCは、家電メーカとケーブル事業者との間の合意に基づいたルールを適用。これにより、テレビ受像機に片方向のデジタルケーブルサービス(典型的なケーブル番組サービスやHBO等のプレミアムチャンネルを含む。)のためのプラグ・アンド・プレイ機能が組み込まれることが可能。これにより、消費者は、自宅へのケーブル

を、STBを使用することなく、直接デジタルテレビ受像機に差し込むことが利用可能。しかしながら、消費者は、そのテレビ受像機に挿入されるセキュリティカード(しばしCableCARDと呼ばれる。)を、地元のケーブル事業者から取得する必要がある。他方、VOD等の双方向サービスを受信するためにはSTBが必要であり、ケーブルと家電メーカにおいては、双方向のプラグ・アンド・プレイ機能のための合意に向けて作業を進めている。

■ 家電メーカは、既に、ケーブルテレビ用チューナと地上デジタルテレビ用チューナを積んだデジタルケーブル対応のテレビ受像機の販売を開始。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:デジタルケーブルテレビ(2)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

ComcastComcastの動向の動向

・ 2003年に、ベーシックケーブルサービス受信契約者数の約36%の浸透率となる770万のデジタルケーブル受信契約者を抱える。

・ 2004年6月末には、2,140万の受信契約者に対し、デジタルケーブルサービスを提供し、ベーシックケーブルサービ

ス受信契約者の37.5%にあたる、810万のデジタルケーブル受信契約者を抱える。

・ 10のデジタルテレビネットワークと8の音声チャンネルを含むスペイン語専門のティアを提供。

・ プレミアム映画チャンネルティアに加え、デジタル受信

契約者に対し、NASCAR IN CAR、MLB Extra Innings、Major League Soccer Direct Kick、ESPN GamePlan、NHL Centrer Ice、そして、NBA League Passを含むプレミアムスポーツパッケージを提供。

CoxCoxの動向の動向

・ 2003年に、ベーシックケーブルサービス210万世帯以上のデジタルケーブル受信契約者を抱える。2004年6月末には、デジタルケーブルは、その630万のベーシックケーブルサービス受信契約者のうち99%が利用可能であり、その36%にあたる230万のデジタルケーブル受信契約者を抱える。

Time WarnerTime Warnerの動向の動向

・ 2003年に、430万のデジタルビデオ受信契約者を抱え、そのベーシックケーブルサービスの受信契約者の約40%。2004年6月末までには、460万に増加し、割合も42%まで上昇。

CablevisionCablevisionの動向の動向

・ 2003年末に、そのInteractive Optimumというブランド名のデジタルビデオサービスに、90万5,495件の受信契約者を抱え、そのベーシックケーブルサービス受信契約者の約

30.8%まで浸透。

CarterCarterの動向の動向

・ 2003年末には、約270万件の受信契約者に対し、デジタルビデオサービスを提供し、そのベーシックケーブルサー

ビスの受信契約者の約42%に至っている。また、2004年6月末には、ベーシックケーブルサービス及びデジタルビデ

オサービスの受信契約者が減少し、デジタルビデオサービ

ス受信契約者については、43%となる260万に減少。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(VOD)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ VODでは、受信契約者において、どんな時においても中央サーバからビデオ番組を取り寄せ、そして、早送り、巻き戻し、一時停止が可能。多くの場合、受信契約者は、24時間の間に1つのVOD番組の無制限視聴サービスを享受。また、いくつかのケーブル事業者においては、月額ベースで有料のVOD(Subscription VOD)を提供し、予め選択された番組のライブラリーへの無制限のアクセスが可能。他方、典型的に毎15から毎30分ごと遅れて開始されて提供される人気映画やイベントの一覧からなるニアVOD(Near VOD)を提供。

■ ケーブル事業者においては、VODをDVDやVHSのレンタルサービスに競合するサービスとして位置付けており、多くのメジャーケーブル事業者(Cablevision、Charter、Comcast、Cox、Insight、Mediacom、そして、Time Warne)はVODサービスを提供。

ComcastComcastの動向の動向

・ ON DEMNDというブランド名のVODサービスにより、デジタルケーブル受信契約者は、映画、スポーツ、そして、ニュースからなるライブラリーから番組を選択でき、そして、いつでも開始可能。Discovery Networks、CBS、BET、MTVといった番組制作者からの番組に加えて、新規の、又はあまり知られていない番組制作者の番組も視聴可能。

・ 2003年末で、VODサービスはそのケーブル受信契約者のうち約50%が利用可能。2004年末までにはそれを85%まですることを計画。

CoxCoxの動向の動向

・ Cox’s Entertainment on Demandでは、数百の映画とその他の番組に対して、VCRのような機能とともにアクセス可能なサービスを限られた市場において提供。・ デジタルケーブル受信契約者は、当サービスに対して、映画のストリーム及びコントロールのためにCoxのサーバと通信を行う既存のCoxのSTBによりアクセス可能。

Time WarneTime Warneの動向の動向

・ VOD及びSVODの開始において産業を先導し続けている。31のケーブル運営フランチャイズでそれらのサービスを提供。VODサービスは、Movies on DemandとPremiums on Demandの2種。・ Movies on Demandでは、数百の映画の中からの選択が可能であり、Premium on Demandでは、月額ベースでHBO、Showtime、Cinemax、そして、Movie Channel等のプレミアム映画チャンネルへのアクセスが可能。

CablevisionCablevisionの動向の動向

・ Interactive Optimumデジタルケーブルサービスでは、VODとSVODを提供。SVODについては、HBO、Cinemax、Anime Network、Showtime、Disney Channel、そして、独立系の映画等を提供するIFC Uncensoredを含む。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(DVR)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ ケーブル事業者は、DVR機能を統合したSTBを製造し、2004年末までには約140万のDVRに係る受信契約者を期待。多くのケーブル事業者においては、ある番組を視聴している際に1つ又はそれ以上の番組を記録することが可能なデュアルチューナ内蔵内蔵のDVRを提供。

ComcastComcastの動向の動向

・ 受信契約者は、30から50時間の番組の記録が可能であり、そのほとんどのDVRには、少なくともある番組の視聴中に一度にさらに別の2つの番組の記録が可能なデュアルチューナを内蔵。

CoxCoxの動向の動向

・ そのベーシックサービスの受信契約者の35%に提供。2004年末までには、ケーブル市場の約95%がDVRサービスへのアクセス可能になると予測。

Time WarneTime Warneの動向の動向

・ 31のフランチャイズのうち30でDVRサービスを提供しており、2004年3月末で45万8千の受信契約者を抱える。

・ その他、Insightはその全てのシステムにおいてDVRサービスを提供しており、Cablevision、Mediacom、Bright House、そして、Adelphiaにおいては、2004年にDVRサービスを開始することを発表。

・ 2003年末には、そのベーシックサービスの受信契約者の10%がDVRサービスを利用可能。2004年6月までに、そのデジタルケーブル受信契約者のうち50%が利用可能であり、同年末までにそれが100%になることを予定。

・ DVRの受信契約者はデュアルチューナ録画機能等を有し、自動的に受信契約者のSTBにダウンロードされる当チューナのソフトウェアによると、過去に録画した番組の視聴中に同時に2つの番組を録画することが可能であり、又、1つ別の番組を録画している間にライブで番組が視聴可能。

・ 機能強化されたDVRナビゲーションサービスでは、視聴者はスクリーン上のキーボードを利用して番組を検索し、俳優、監督や番組名を入力することによって番組を探すことが可能。

・ 通常、デジタルサービスのティアの料金に加えて、月々9.95ドルでDVRサービスが提供。

・ 月々4.95ドルでDVRサービスは利用可能であり、月々9.95ドルでDVRのSTBのレンタル価格が追加。

CharterCharterの動向の動向

・ サービスエリアの一部で提供。2003年後半に、DVRサービスの第1号となるロサンジェルスにおけるサービスを開始するにあたってのSTB購入契約をScientific-Atlanta Inc.と締結。

・ 2004年春には、MotorolaのデジタルSTBを利用したデュアルチューナDVRサービスをロチェスターやミネソタで開始することを発表。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(HDTV)(1)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ 2003年の早期からケーブル事業者はHDTVサービスを提供。同年末までには受信契約者の約3,700万が利用可能。2004年6月末には、トップ100市場のうち99市場を含む、155市場において利用可能となっており、それまでケーブル産業で始まった他のサービスの中で最も早く成長。2004年9月末にまでには、全てのトップ100市場を含む177市場で受信契約者は利用可能となり、9千万世帯がHD番組を提供するケーブルシステムが視聴可能。

■ HDTVは、デジタルビデオサービスの一部で、HD対応のSTBが必要となり、放送ネットワーク、ベーシックケーブルサービス、そして、プレミアム非放送ネットワークが混合したサービスが典型的。

■ HBO、Showtime、Cinemax、The Movie Channel、Starz!、そして、iN Demandを含む15の非放送ネットワークがHD番組を提供。Discoveryは、そのHD Theaterに加え、2時間番組の30シリーズからなる世界中の国に関するHDドキュメンタリースペシャルのAtlas HDの提供を計画。HDNetは、スポーツ、ニュース、エンターテインメントを1日24時間提供。MSG Network、Comcast SportsNet、Fox Spors Net NY、そして、ESPNはまたHD番組を提供。

■ 非放送ネットワークに加えて、ケーブル事業者は、454の放送局のデジタル信号も送信。CoxはPBSとAssociation of Public Television stationとの間で、HD番組を含む70のPBSの放送局のデジタル信号を送信することを取り決め。公共放送事業者は、同様にTime WarnerやInsightと全社的な取り決めを結び、Comcast、Adelphia、Cablevision、そして、Bright Houseとは地域限定の取り決めを締結。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルテレビ(HDTV)(2)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

ComcastComcastの動向の動向

・ トップ100のDMAを全て含む54市場でHDを提供。2004年6月末で、約60万の受信契約者がHDサービスを受けており、そのベーシックケーブルサービス受信契約者の約91%以上と、2003年末の84%から上昇。・ HDサービスに対する一回限りの料金とHD対応STBのための追加月々5ドルが必要。・ メジャーな放送ネットワーク、PBS、ESPN、iNHD1、

iNHD2、HBO、Showtime、Starz!、そして、Cinemaxを含むHDの14番組を提供。・ Discovery Communicationsとの間で、一部の市場で

Discovery HD Theaterを提供するための取り決めを締結。・ いくつかの市場においてHDでComcast SportsNetを提供し、

New England Sports Network等の独立系の番組制作者とともにHD番組を制作。

Time Warner CableTime Warner Cableの動向の動向

・ HDサービスを視聴するには、受信契約者は新たにデジタルサービスの受信契約が必要となり、HD対応テレビ受像機とHD対応のSTBが必要。

・ 追加料金なしで、全てのHD受信契約者は、SD番組をも提供している、ABC、NBC、CBS、FOX、PBS、WB、UPN、TNT、Discovery HD Theater、HBO、そして、Showtimeを含む放送ネットワークからのHD番組を視聴可能。・ 月々追加で6.5ドル支払えば、ESPN HD、HDNet、HDNet

Movies、iNHD1、iNHD2を含む追加のHDTVティアが提供。・ サンディエゴでは、デジタルケーブル受信契約者の14%が

HDサービスに契約しており、最も高い浸透率となっている。

CharterCharterの動向の動向

・ 33を超える市場でHDサービスを提供。・ ABC、CBS、NBC、FOX、Discovery、ESPN、HDNet

Movies、HDNet、HDNet Moviesを提供し、また、HBOの契約者にはHBO HD、Showtimeの契約者にはShowtime HDを提供。・ HD対応のSTBについては、その標準的なデジタルSTBよりも月々3ドル高い費用が係る。

CablevisionCablevisionの動向の動向

・ 15のHDチャンネルを、7万以上のHD受信契約者に対して提供。HD対応テレビ受像機を有するiO受信契約者に対しては、標準的なSTBレンタル料に追加料金なしでHD対応STBを提供。・ HDの受信契約者は、HDのCBS、PBS、FOX、NBC、

MSG Network、Fox Sports Net New York、Bravo、HBO、Showtime、Cinemax、Starz!、The Movie Channel、iNDemand’s INHD、そして、最初はIMAX theatersで観れる新しい20以上の映画や番組からなるケーブル産業で最初のHDTV VODを視聴可能。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルインターネット(1)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ 2004年に、高速インターネットサービスは、ケーブル産業の全収益の約15.4%を創出。9,800万世帯を超える範囲でケーブルによる高速インターネットサービスが利用可能との推測もあり、2005年末までには1億200万世帯以上が利用可能になる見込み。

ComcastComcastの動向の動向

・ 同社のケーブルシステムが利用可能な世帯の96.6%である3,730万世帯において高速インターネットが利用可能。2003年末で、高速インターネットの契約者は530万で、浸透率としては15.2%。2004年6月末までに、その契約者数は600万を超えており、浸透室は16.1%まで増加。

CoxCoxの動向の動向

・ 2003年末で、約200万の高速インターネットサービス契約者を抱え、2004年6月末で、220万に成長し、浸透率としては21.7%。

・ 高速インターネット受信契約者毎の月々の平均収益については、2004年第2四半期において43.52ドル。

■ 2003年末現在、全2,600万の高速インターネットサービスを契約している世帯や小規模事業者のうち63.2%の1,640万の受信契約者に対して、ケーブル産業は当サービスを提供。うち、DSLが34.3%を占める。また、高速インターネット契約者のうち、約2.5%の受信契約者がその他の有線ベースと無線ベースの技術による同様のサービスを利用。2003年6月から翌年同月においいて、ケーブルモデムの受信契約者は1,370万から1,850万に成長。同期間において、DSL契約者は640万から1,080万に増加。

Time WarnerTime Warnerの動向の動向

・ 2003年末で320万の高速インターネット契約者を抱え、浸透率は17%であり、2004年6月末には、350万で、浸透率は19%まで成長。

CablevisionCablevisionの動向の動向

・ 2003年末で110万の高速インターネットサービス契約者で、浸透率は24%。2004年6月までには、120万に増加し、ケーブル産業の中で最も高い26.7%という浸透率。

CharterCharterの動向の動向

・ 2003年末で160万の高速インターネットサービス契約者を抱え、浸透率は15%。2004年6月末には、浸透率は16%に上がり、当契約者数は170万以上まで増加。

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DBS事業者以外のMVPDの動向②:ケーブルインターネット(2)

Cable Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

■ ケーブル事業者は、その高速インターネットサービスにおける速度を増加させ続け、蓄積容量の増加、複数のEメールアカウント、そして複数の機器とのホームネットワーク機能を備えた高速インターネットティアの提供を開

始。

ComcastComcastの動向の動向

・ 2の選択サービスを提供:月額52.95ドルで4Mbpsと月額42.95ドルで3Mbps。受信契約者は、追加的な月額料金なしに、速度を選択し、それから標準的な1接続サービスとComcast Home Networking(5接続まで)のどれかを選択。

CoxCoxの動向の動向

・ そのほとんどの市場において、Cox High Speed Internetというブランド名により、3つの高速インターネットサービスを提供:月額24.95ドルで256Kbpsの上下速度、月額39.95ドルで下り4Mbps・上り512Kbps、そして、月額54.95ドルで下り5Mbps・上り768Kbps。

・ それぞれ250MBの蓄積容量を有し7つまでのEメールアカウントを受信契約者に提供。

Time WarnerTime Warnerの動向の動向

・ Road Runnerパッケージでは、月額44.95ドルで下り3Mbps・上り384Kbpsを提供。

・ 月額64.95~84.95ドル(Time Warner Cableの他のサービスとのバンドルやパッケージ次第)の間で下り6Mbps・上り512Kbpsを提供するサービスを提供することを発表。

CablevisionCablevisionの動向の動向

・ Optimum Onlineというブランド名による高速インターネットサービスでは、下り3.5Mbps・上り1Mbpsで月額44.95ドルであり、テレビ用リモコンとテレビスクリーン上での入力を利用するだけでサービスを購入することが可能。

CharterCharterの動向の動向

・ 同社の市場のうち85%以上において、高速インターネット契約者に対し、下り3Mbps・上り256Kbpsのサービスを月額39.99ドルで提供。ブランド名はCharter High-Speed。

■ ほとんどのケーブル事業者は、高速インターネットサービスの提供に際し、特別に創設され、当ケーブル事業者

によって所有されている1つの独自(proprietary)ISPを利用。他方、いくつかのケーブル事業者においては、系列外のISPを利用して、その高速インターネットサービスを提供

・ Road Runner Internetという独自ブランドを含む、AOL for Broadband、Earthlink、Big Net等の複数のISPにより受信契約者に対しサービスを提供

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DBS事業者以外のMVPDの動向③:地上放送(1)

Broadcast Television Service

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

【【地上放送地上放送】】放送ネットワークとローカル放送局(broadcast networks and local station)は、地上波により直接視聴者に

テレビ番組を提供。MVPDサービスに加入していない視聴者は、ローカル放送テレビジョン信号の地上波による送信にのみ依存。また、多くの視聴者は、ケーブル、DBS、そしてその他のMVPDサービス経由で当信号を視聴。

視聴シェアの動向視聴シェアの動向

・ 地上放送の視聴シェアについては、ケーブルやDBSの普及、ケーブルのチャンネル数の増加等により、下がり続け

ており、2003-2004年における全テレビジョン視聴世帯におけるプライムタイムのシェアは、それまでの49%から平均48%。また、同時期における1日(24時間)に関するシェアは45%から44%に減少。

・ 個々の地上放送については、各々の放送ネットワークは

総じて、それ以外のそれぞれの非放送(nonbroadcast)ネットワークよりも視聴シェアは高く、7大放送ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC、PAX、UPN、そして、WB)のうち6つについては、プライムタイムにおいて、その平均値で、非放送ネットワークのうち最も高率なものよ

りも高いシェア。

広告収入等の動向広告収入等の動向

・ 全商業及び非商業テレビジョン放送局の数は、2003年6月末現在の1,726から2004年同月末現在で1,747に増加。そして、テレビジョン放送の総広告収入については、総じて安定して

おり、2002年の421億ドルから、2003年には424億ドル。このうち、7大放送ネットワークの広告収入は、2003年に228億ドルが計上され、2002年の220億ドルから3.6%増加。

・ 広告収入以外のものとしては、ケーブルとDBSとの再送信同意交渉による直接的な補償、又は、間接的なもの(系列の番組を送信することの取り決め)による追加的な収入がある。

・ Walt Disney Companyによると、再送信同意交渉は複雑な取り決めとなり、ケーブル事業者は、しばしば現金払いの代わりに、再送信元の放送事業者の系列である非放送ネットワークの送信といった代替策の提供を選択。なお、各交渉の詳細が、ケーブル事業者毎に多岐にわたっており、そして、これらの取り決めの具体的な中身については総じて機密となっているため、再送信同意権の市場価格については不透明。

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DBS事業者以外のMVPDの動向③:地上放送(2)

Digital television (DTV)

デジタル放送全体の動向デジタル放送全体の動向

・ デジタル放送は、ビデオ市場における放送事業者の競争力を

高めるものとして期待。これは、放送事業者にとって、HDTV信号、複数のSDTV信号のマルチキャスト(注)、又はビデオ番組に追加された附加サービスの提供を可能とする。・ 2004年9月現在、トップ10のテレビジョン市場におけるトップ

4のネットワーク系列を構成する40の放送局の全てがデジタル放送サービスを提供。 11から30位にランクされるテレビジョン市場においては、79の放送局がデジタル放送を提供。1,468以上の放送局がデジタル放送を提供。

・ アナリストによると、2004年6月現在、約1599万世帯、アメリカの世帯の約14.75%が、ビデオ番組を地上波のみに依存。NABによると、アメリカのテレビジョン世帯の約88.8%が少なくとも5つの地上デジタル放送にアクセス(受信)できる市場に、そして、71.1%が少なくとも8以上の地上デジタル放送にアクセスできる市場に居住。

・ NCTAによると、2004年9月15日現在、9,000万世帯にケーブルシステムが通過しており、HDフォーマットの放送又は非放送の番組が提供され、ケーブル事業者は全国で454のデジタル放送局が送信。

デジタル放送番組の動向デジタル放送番組の動向

・ HDでの番組提供が増加。アナリストによると、ABC、CBS、NBC、そして、WBは、プライムタイムのほとんどをHDで提供し、FoxそしてUPNはプライムタイムの約50%をHDで提供。Foxにおいては、まもなく、同様に、相当の量のHDを提供開始。2003年5月30日から同年6月13日の間に921の番組がHDで提供。このうち約87%の802番組が非放送ネットワーク(HDNet、DiscoveryHD、HBO、DIRECTV HD PPV、Showtime HDTV)により提供、119番組が放送ネットワーク(CBS、ABC、NBC、PBS、WB)より提供。

(注)「マルチキャスト」とは、単一の周波数帯において、同時に送信される複数チャンネルのSDTVの送信。

・ デジタル放送では、放送事業者はそのデジタル周波数帯の一部を有料のマルチチャンネルビデオ番組サービスとデータ放送(detacasting)に利用することが可能。これは、HDやSDのデジタル番組と同じ送信過程で同時に送られ、テキスト、図、ソフトウェア、ウェブページ、VOD、そして日な番組を含むデータ、音声又はビデオのいかなるものを送信可能。

・ いくつかの事業者においては、デジタル放送の送信を通じた有料ビデオ配信のために放送用周波数を利用。U.S. Digital Television, Inc.では、ローカル地上デジタル放送波を放送ネットワーク及び非放送ネットワークの番組のデジタル有料サービス提供(月19.95ドル)のために利用。2004年9月現在、1万人以上の受信契約者。Disneyでは、MovieBeamというブランド名の、100タイトルの映画がインストールされたSTBによるもので、データ放送により週毎に10の新しいタイトルが更新されるサービスにデジタル放送用周波数帯を利用。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

・ iBlastとdotcastは、ローカルテレビ局のデジタル放送周波数帯を利用して、データ放送(detacasting)ビデオ、ゲーム、音楽そしてソフトウェアを直接、家庭のPC、STB、DVR、車載器、ゲーム機、PDA、MP3プレイヤーに配信。

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■ BSPは、LECによるビデオ番組サービスの提供のために、法令により認められている4つの選択肢うちの1つであるOVS制度における認可(certification)又は地域フランチャイズの唯一の大きな保有者となっている。他方、BSPの中では、OVSを運営している者は少数派となっている。

■ 2004年6月現在、BSPの受信契約者は約140万件となっており、MVPD市場シェアは約1.5%。また、 BSP協会(Broadband Service Provider Association)各社に係る約420万世帯のうちの約8%にあたる約37万世帯がOVS(Open Video System)認可を受けた運営設備によるものとなっている。

Broadband Service Provider

【【BSPBSP】】FCCによると、「ビデオ、音声、そして、データサービスを単一のネットワーク上で提供するための最新の設備ベースのネットワークを構築している新しいタイプの事業者」と定義。なお、市町村や競合地域電話会社(Competitive Local Exchange Carrier)等の余剰設備がある者についても、全てではないが、ビデオやデータサービス等のバンドルサービスを提供可能な設備を運営しているため、BSPに該当。

・ OVS制度は、1996年に議会によって創設。・ とりわけ、OVSの送信レートについては、1以上の非系列のビデオ番組提供事業者が専用するチャンネル容量が、そのシステムにおいて、少なくとも当OVS運営事業者及びその系列事業者のチャンネル容量と同じである場合には、それが正当であり合理的であると推定される資格が与えられる。・ また、OVSについては、マストキャリー、再送信同意、番組アクセス、sports exclusivity、network nonduplication、

syndicated exclusivity、そして、公共的・教育的・政治的アクセスチャンネルに関するFCCルールが適用される。

■ アメリカ会計検査院報告書によると、BSPによる競争がもたらされている地域においては、料金の低廉化(基本的なケーブル料金よりも平均23%の低廉化)及び高品質のサービスが提供。

DBS事業者以外のMVPDの動向④:ブロードバンド

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

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Local Exchange Carrier

【【LECLEC】】

DBS事業者以外のMVPDの動向⑤:LEC

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

1996年に通信法第651条が改正され、地域電話コモンキャリアがそのサービスエリアでビデオサービスを提供することが可能化。通信法第Ⅲ章に基づく無線通信を通じてその契約者にビデオ番組を提供すること、同法第Ⅱ章に基づくコモンキャリアベースにおけるビデオ番組の伝送サービスを提供すること、同法第Ⅳ章に基づくケーブルシステムとしてビデオ番組を提供すること、又は、OVSによりビデオ番組を提供することが可能となった。

BellsouthBellsouthにおける最近の動向における最近の動向

■ 従来のケーブル技術を利用するフランチャイズのケーブルシステムによりビデオサービスを提供する唯一の大きな現存するLECであり、約140万世帯の受信可能世帯を抱える20のケーブルフランチャイズを有し、そのうち14のフランチャイズエリアでケーブルサービスを提供。

VerizonVerizonにおける最近の動向における最近の動向

■ これまで、ボーモント、カリフォルニア、そして、テキサス等におけるケーブルサービスを提供するための2つのフランチャイズを有し、2005年には追加的な地域でビデオサービスを展開する旨を発表。

SBCSBCにおける最近の動向における最近の動向

■ 2004年6月に、SBCは、ビデオサービス等を小規模なビジネス及び一般向けに提供するためにFTTN(Fiber To The Node)及びFTTP(Fiber To The Premise)のIPネットワークを開発する計画であることを発表。■ Lightspeedというブランド名のDSLベースのサービスを利用して、顧客へのビデオ番組を配信することを計画。2005年末までは商業的にサービスを提供せず、実証実験を実施中。最終的には全米1,800万世帯を目指している。

■ ビデオサービスを提供することを目的として、110万世帯を通過する光ファイバネットワークを建設しており、2004年末までには20万世帯がさらに増えることを期待。

■ FTTP(Fiber To The Premise)のIPネットワークを建設しており、多様なブロードバンドサービスを提供しつつ、2004年末までに100万世帯、2005年末までにさらに200万世帯を通過することを期待。

その他のその他のLECLECにおける最近の動向における最近の動向

■ Qwest、SBC、多くの小さなLECは、既存の電話回線にVDSL(Very high-speed Digital Subscribe Line)又はADSL(Asymmetric Digital Subscribe Line)技術を利用しMVPDサービスを提供、又は、提供する準備中。

■ Qwestは、既存の銅線の電話回線とVDSL技術によりビデオサービス、高速インターネットアクセス、そして、電話サービスを、アリゾナ、大都市等の複数の市場で提供。■ 少なくとも307の地方LECは、同軸ケーブル、ハイブリッドネットワーク、DSL、又は光ファイバを使用してビデオサービスを提供。

32

Internet Video

ここ最近、MVPD市場においてますます競争力をつけてきており、将来も成長することが期待されているサービスで、インターネットにより提供されるビデオサービスの総称。ウェブ上で提供されるビデオに加え、IPTVと呼ばれる、インターネットプロトコルを利用するテレビ受像機に提供されるビデオサービスがある。

DBS事業者以外のMVPDの動向⑥:Internet Video(1)

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

Streaming VideoStreaming Videoにおける最近の動向における最近の動向

■ ストリーミングビデオ(ウェブ上でリアルタイムにより受信契約者に番組が提供されるもの)のほとんどについては、未だに放送と同品質のものには至っていない。ただし、現在、ブロードバンドネットワーク上で配信される場合が最も成功しており、また、仮にケーブルやDSLブロードバンド以上に通信速度が大きく向上した場合には、唯一十分に競争力のあるサービスとなることが期待。■ ストリーミングビデオは、現在、ブロードバンドによる場合に最も成長・発展しうる状況。2004年6月現在、約6400万のアメリカ人がインターネットサービスに加入、そのうち約47%の約3,010万件が高速インターネットアクセスサービスを契約。

■ 2004年1月現在では、アメリカ人の平均12%が前月にストリーミングビデオを何らかの形で視聴。また、約23%のアメリカ人がそれまでに少なくとも一度はストリーミングのIPTV番組にアクセスしている。■ RealPlayerは、ニュースクリップや音楽ビデオを含む様々なストリーミングビデオ製品を提供。■ RealNetworksは、その契約者に対し、2002年からABCNews番組を提供してきており、最近では、ABC.comと取り決めを行い、NealNetwork’s SuperPassの契約者に対し、ABCのテレビジョン番組のビデオクリップを提供。■ Comcastは、追加費用なしで、その高速インターネット契約者に対し、ABC News.com及び子供向けの番組を提供。

■ MSNは、CinemaNowと取り決めを行い、その契約者に対し、映画情報、批評及び宣伝を提供。

■ AOLとCNNは、AOL契約者に対し、多数のビデオクリップ等を抱える、CNN NewsPassというブランド名のストリーミングサービスへの無償アクセスを提供することについて取り決め。

■ AOLは、Warner Brothers TVとの間で、AOL契約者に対し、インターネットでWarnerの秋の新シリーズとなるJack and Bobbyのプレミアを提供することについて取り決め。

■ 2004年夏に、NBCは、その放送の補完として、2004年オリンピックのアーカイブビデオを提供し、ユーザは各ゲームのハイライトを視聴でき、スポーツによる映像時間のソートが可能。

■ CBSとABCは、インターネットにおいて、民主党と共和党双方の政治集会の全てを提供。

■ CBSは、スタンドアローンな購入ベースとして、AOLの基本インターネットサービスに含ませた形で、NCAAバスケットボールトーナメントの37試合を提供。

■ SportsLine.comは、1回9.95ドルで、earlyラウンドのNCAAバスケットボールトーナメントの試合の生中継ウェブキャストを提供(視聴者はCBSのローカル系列で放送される試合は視聴できないが、購入者は多数の試合を同時に視聴可能)。

■ メジャーリーグは、そのビデオコンテンツをインターネットで利用可能。

■ AOLは、クローズドキャプション字幕のストリーミング番組を配信予定。

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Internet Video

DBS事業者以外のMVPDの動向⑥:Internet Video(2)

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

DownloacableDownloacable VideoVideoにおける最近の動向における最近の動向

■ ほとんどのインターネット接続は、ストリームの場合に放送と同質で視聴可能となるために必要な通信速度を安定的にサポートできていないため、ウェブを通じて利用可能なビデオの最も直近の利用形態は、ダウンロードベースであると期待。

IPTVIPTVにおける最近の動向における最近の動向

■ 2004年7月に、TiVoにより、ユーザがそのVCRのハードディスクに映画をダウンロードすることが可能なインターネットベースのサービスを開始。

■ SBCとEchoStarは共同でDVR容量を有する独自のSTBを開発しており、このSTBによりユーザはブロードバンドインターネット接続により有料で映画をダウンロード可能。

■ Microsoftは、2004年9月に、Movielink等のウェブサイトからのコンテンツを含み、テレビ受像機によるインターネットコンテンツにアクセスするためのMSN TV Internet受信機を公表。

■ 単にインターネットからのコンテンツのダウンロードのみならず、TiVo等の複数事業者においては、受信契約者がインターネットを通じて記録した番組を同一契約者が共有する9の再生装置に送ることが可能な技術を導入することを計画。

■ 2003年後期に、SBCがMovielinkとともに、SBC Yahoo DSLの契約者に対するビデオダウンロードの共同サイトを創設。

■ Akimboは、テレビ受像機に差し込み、高速インターネット接続を通じてヴィデオ番組をダウンロードするDVRのようなSTBの提供を計画。

■ America Onlineは、2004年1月に、Movielinkと連携し、Movielinkを通じて各々99セントでフルの映画のダウンロードをその契約者に提供。

■ 2004年5月には、CharterはMovielinkとの間で、そのブロードバンド契約者に対して映画を提供することに合意。

■ Real NetworksとStarz Encore GroupはStarz! Ticket on Real Moviesというブランド名で、受信契約者のPCのハードディスクにダウンロード可能な約100の映画へのアクセスサービスを月々提供するインターネット映画有料サービスを開始。

■ Disney’s ESPNは、ユーザのPCにMicrosoftのMedia playerを利用した、自動的にビデオがダウンロードされる無料のサービス(広告が含まれている。)をESPNMotionというブランド名で、ESPN.comを通じて提供。

■ Sumsung、Creative Labs、RCA、Archos、Microsoftは、PCに蓄積されたダウンロードコンテンツ、そして、テレビ受像機やVCRから直接録画した番組を利用可能なポータブル機器を提供。

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Private Cable Operator

【【PCOPCO】】SMATV(Satellite Master Antenna Television)システムとも呼ばれる、いかなる公的な線路敷設権も行使しない閉鎖的な伝送路を利用するビデオ配信設備。料金規制、マストキャリー等の規制は適用されていない。

■ PCOは伝統的に、自社の建物の上にある衛星マスターアンテナシステムを利用するaggregatorと呼ばれる再販売業者からnonbroadcast番組を受信していた。

DBS事業者以外のMVPDの動向⑦:PCO

■ PCOにおいては、ケーブル事業者と同じ技術をいくつか使用しているが、ビデオ番組を調達し、それを都市部及び郊外におけるアパート等のMDU(Multiple Dwelling Unit)に住んでいる小規模な受信契約者やホテルやオフィスビルといったMTU(Multiple Tenant Unit)に配信している。

■ 2003年6月現在で、その受信契約者数は約120万件であり、MVPD市場シェアは約1.3%となっている。2004年同月現在では、約110万件の受信契約者数であり、約1.2%のMVPD市場シェアとなっている。

■ PCOは、一般的に、再販売業者からのnonbroadcastビデオ番組とPCOがそのマスターアンテナを利用して受信しているローカルテレビジョン放送局の信号を一緒に提供しており、その受信契約者に提供する番組パッケージについては、ケーブルシステムによるものと同程度のものとなり、フランチャイズのケーブル事業者と直接に競争している。

■ いくつかのPCOにおいては、その受信契約者に対し、ハイブリッドなアナログ及びデジタルビデオ番組を提供するため、DirecTV及びEchoStarと提携している。

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

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DBS事業者以外のMVPDの動向⑧:Electric and Gas Utilities

【出典】FCC “Annual Assessment of the Status of Competition in the Market for the Delivery of Video Programming” (平成17年2月4日公表)

Electric and Gas Utilities

■ 公的な線路敷設権、ネットワークサービスの提供に利用可能な様々なインフラの所有及び運用、そして、顧客との

信頼関係を含み、MVPD市場へのよい参入候補者たり得る資産を所有。複数の公益事業者は、特に地方では散々と競争を促進させつつあり、電気通信又はビデオ配信市場のどちらにおいても未だ広く普及はしていないが、MVPDを含む新事業へ前向き。

■ 独自のシステムを建設しているいくつかの公益事業者はいるが、ビデオ配信市場に関わっている最も目立った形態としては、他の事業者との共同事業がほとんど。

■ RCNとワシントンDCで運営しているPEPCO(Potomac Electric and Power Company)の共同事業であるStarpowerにおいては、 2004年12月に、RCNが過去に公表したそのPEPCOの株式の取得を終了したことを発表。

■ シンシナティにおける公益事業者たるCinergy BroadbandとCurrent Communicationsは、2千万の顧客に電力線を通じてブロードバンドサービスを提供することを目的とした共同事業を立ち上げ。

■ 地方自治体(Municipalities)は、いくつかの場合において、現存のケーブル事業者との間で音声ビデオ、高速インターネットサービスについて競争。グラスゴー、ケンタッキー、オハイオ、オレゴン、アーカンサス、ペンシルバニア等においては、音声、ビデオ、そして、インターネットサービスがその住民に提供。

■ APPA(the American Public Power Association)によると、その加盟者を調査したところ、2003年末で570の公的な電力公益事業者が何らかのブロードバンドサービスを提供。そのうち109がビデオサービス、76が高速インターネット、そして、43が地域電話サービスを提供。

■ 世帯へのラストマイルに高速なデータ信号を運ぶために電力線を利用する、BPL(Broadband-over-Power-Line)サービスと技術的に呼ばれるものを提供。当技術の当初の目的は、高速インターネットアクセスを提供することである一方、いくつかの事業者ではビデオストリーミングサービスの提供計画を発表

3 イギリスにおける衛星放送等の現況3 イギリスにおける衛星放送等の現況

イギリスにおける多チャンネルテレビサービス市場の現状 ・・ P38

・・ P39

・・ P40

・・ P41

・・ P42

・・ P43

多チャンネルテレビサービス市場及びデジタルテレビ市場シェアの現状

多チャンネルテレビサービスの利用可能率及び浸透率

多チャンネルテレビサービスの動向①:衛星デジタル(Sky)

Skyにおける最近の動向:ベーシックパッケージの簡素化・柔軟化

多チャンネルテレビサービスの動向②:ケーブル・ブロードバンド等

全メディアにおける広告費の現状

多チャンネルテレビにおける広告収入の現状

・・ P44

・・ P45

・・ P46

・・ P47

・・ P48

・・ P49

・・ P50

・・ P51

チャンネル視聴シェアの現状

ケーブル及び衛星での視聴世帯におけるチャンネル視聴シェアの推移

多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(1)

多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(2)

多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(3)

多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(1)

多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(2)

多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(3)

新しいテレビサービスの動向①(ブロードバンド・モバイル)

新しいテレビサービスの動向②(HDTV)

・・ P52

・・ P53

・・ P54

・・ P55

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イギリスにおける多チャンネルテレビサービス市場の現状

■ 2005年3月末までに、Ofcomによるとデジタルテレビの浸透率は、2004年同月の約53%から、世帯のほぼ62%に至っていると推測。

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005 Quarterly Update”、Ofcom “Digital Television Update Q1 2005”により作成。

イギリスにおけるマルチチャンネルTV世帯数及び世帯浸透率

(注1)左記には、ADSLテレビ(約2万世帯:0.08%)が含まれる。なお、Homechoiceについては、3月末の数値が公表されていないため、1月末の数値を利用。

(注2)有料TVであるTopUpTVについては、3月末の数値が公表されていないため、地上(無料デジタル)にカウントされている。

(注3)衛星(無料デジタル)は、Solusカードの視聴者数、及び衛星(無料デジタル)を視聴するためにSTBを使用し続けている元Sky受信契約者数を加えたもの。

衛星(アナログ)

ケーブル(アナログ)

地上(無料デジタル)

ケーブル(デジタル)

衛星(有料デジタル)

衛星(無料デジタル)

デジタルの浸透世帯合計約1,542万世帯(61.9%) 約506万世帯

(20.3%)

約254万世帯(10.2%)

約46万世帯(1.8%)

約735万世帯(31.3%)

多チャンネルの浸透世帯合計約1,616万世帯(64.9%) 約74万世帯

(3%)

■ 2005年3月末までに、イギリスでは1,600万世帯以上の多チャンネルテレビサービスを視聴している世帯が存在。無料の地上デジタル放送サービスであるFreeviewは、2005年3月末までに500万以上の世帯がデジタル地上のみを視聴しており、再度、2005年第1四半期における成長にとって最大の貢献者となっている。Ofcomは、Freeviewは、デジタルケーブルとデジタル衛星を含む有料テレビサービスを視聴している世帯における約11万7千件の増加と比べ、前四半期よりも46万6千世帯が増加。

39

多チャンネルテレビサービス市場及びデジタルテレビ市場シェアの現状

地上

ケーブル

衛星(有料)

衛星(無料)

【出典】Ofcom “Digital Television Update Q1 2005”により作成。

イギリスにおけるデジタルテレビ市場シェア

(注2)以上には、ADSLテレビ(0.13%)が含まれる。なお、Homechoiceについては、3月末の数値が公表されていないため、1月末の数値を利用。

20.3

48.2

31.3

ケーブル

地上

衛星(デジタル)

(注2)有料TVであるTopUpTVについては、3月末の数値が公表されていないため、地上(無料デジタル)にカウントされている。

イギリスにおける多チャンネルテレビ市場シェア

■ デジタルテレビ市場においては、地上デジタルのシェアの増加により、衛星デジタル(有料)であるBSkyBのシェアは2004年12月末より0.9%下がり、48.2%と半分以下に縮小(なお、2003年9月末では58.2%)。

■ 多チャンネルテレビサービス市場においては、地上デジタルのシェアの増加により、衛星デジタルであるBSkyBのシェアは2004年12月末より1.5%下がり、47.7%と半分以下に縮小(なお、2003年9月末では63.2%)。

(注1)マルチチャンネルTV市場とは、前頁と同様、ケーブル(デジタル)、衛星(有料デジタル)、衛星(無料デジタル)、地上(無料デジタル)、ADSLTV、ケーブル(アナログ)、衛星(アナログ)をいう。

(注1)デジタルTV市場とは、マルチチャンネルTV市場のうち、、ケーブル(アナログ)、衛星(アナログ)を除いたものをいう。

40

■ 多チャンネルテレビの成長、新サービスの開始、そして、テレビサービス市場への新しい参入者の登場により、視聴者の選択肢は拡大している。2005年初めまでには、視聴者は有料テレビパッケージ(衛星、ケーブル、地上デジタル又はブロードバンド)か無料テレビサービス(衛星又は地上デジタル)という幅広いサービスの中から選択可能であり、PPVやオンデマンドベースで最近の映画やメジャースポーツを視聴でき、また、PC、衛星、又は地上デジタルテレビを通じてラジオを聴取することも可能となっている。そして、PVR機能により、事前に録画したデジタル番組を視聴し、生中継番組を一時停止したり、巻き戻したりすることも可能となっている。

■ 2004年末における主要な多チャンネルテレビサービスプラットフォームのカバー範囲及び浸透率については、衛星デジタルが最も広く利用可能となっており、英国の95%の世帯で利用可能となっており、衛星に向けた指向が確保されている限り、英国のどこからでも利用可能となっている。そして、同年末において、英国世帯の29%が有料テレビサービスか無料テレビサービスのどちらかを利用している。■ Freeviewは、英国の4分の3の地域で利用可能となっており、英国世帯の約半数がケーブルの利用が可能であり13%が契約している。また、ブロードバンドによるテレビサービスにつては、英国世帯の約6%が利用可能となっている。

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

多チャンネルテレビサービスの利用可能率及び浸透率

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多チャンネルテレビサービスの動向①:衛星デジタル(Sky)

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

■ 2005年6月末までには、前四半期から8万3千件が増加し、1年間では40万以上を増加して、780万件のDTH受信契約者を抱えている。そして、2005年12月末には、800万の受信契約者という目標を順調に達成すると発表。解約率については、最近の四半期において少し減少したが、どの長期目標たる10%を依然少し上回っている。

■ 新しい代替的な収入源が重要となっており、SkyBetは前年を37%超えて2億6,100万ポンドとなっている。また、SkyBetは、2006年には、広告収入(2005年6月までの12か月で3億2,900万ポンド)を超える収入になることが期待。しかしながら、SkyActiveの収入は少し減少し、2004年の1億1,600万ポンドから2005年には9,200万ポンドとなっている。

■ BSkyB(衛星放送のプラットフォーム事業者であり、Skyチャンネルの放送事業者)は、そのベーシックValue Pack(全てのプレミアチャンネルを除き、Sky Oneと20のデジタルラジオチャンネルを含む140チャンネルを超える月々13.5ポンドのパッケージサービス)を除いた全てのパッケージサービスにおいて、無料の機器と標準装備を提供している。また、その他のパッケージサービスについては、月額19.5ポンドのSky Familyから同41ポンドのSky World(全てのプレミアムの映画とスポーツチャンネルを含んだ350チャンネルを超えるサービス)がある。

■ BSkyBのPVRサービスであるSky+は、40GBのHDD(約20時間の録画可能)による99ポンドのサービスか160GBのHDD(約80時間の録画可能)による399ポンドのサービスで開始されている。

■ Skyはまた、 120のテレビサービスと80のラジオチャンネルにアクセスが可能な無料の衛星デジタル放送を2004年10月から提供しており、小さいパラボラアンテナの設置と視聴カードを伴うSky boxに対して150ポンドの料金がかかる。

衛星デジタルの動向

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Skyにおける最近の動向:ベーシックパッケージの簡素化・柔軟化 【参考】

■ 2005年6月22日に、2010年以降には1千万の加入者を獲得するため、そして、視聴者により多くの選択と柔軟性を提供するため、パッケージサービスの価格と構造について簡素化し、同年9月1日から開始する旨を発表。■ それまでのベーシックパッケージが6つの異なったジャンル別に置き換わることにより、視聴者はスポーツと映画とともにベーシックチャンネルの様々な組合せを選択することが可能になる。そして、その結果、パッケージの選択肢としては、それまでの96通りから496へ増加し、価格帯の数もそれまでの96から15に減少させた。

新ベーシックパッケージの料金(2005年9月~) 新ベーシックパッケージにおける6つのジャンル

【出典】 Sky Press Release(2005年6月22日)

視聴者は、6つのジャンルパッケージの中から好きなものを2、4、又は6つ全て選択する。また、ジャンルパッケージの組合せにかかわらず、視聴者

は、Skyのプレミアムチャンネルの選択可能。従来の最大のベーシックパッケージであるSky Worldは受信契約者の約半分を占めており、料金は月額41ポンドであったが、新ベーシックパッケージの下では、42.5ポンドになる。

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多チャンネルテレビサービスの動向②:ケーブル・ブロードバンド等

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

ケーブルテレビの動向

・ ntlにおいては、2005年6月1日にサービス料金を値上げし、現在、ベーシックパックは、40を超えるデジタルチャンネルで月々21.5ポンドとなっている(月々10.5ポンドの強制加入の電話サービスが含まれている)。また、電話サービス込みで、Sky sportsとSky movieを月々36ポンドから提供している。・ ntlにおけるブロードバンドインターネットについては、追加料金で利用可能であり、受信契約者に占めるトリプルプレイサービスのシェアは、2003年の20%から2004年の23%に増加。・ Telewestは、月々16ポンドで39チャンネルのベーシックパッケージを提供(10.5ポンドの電話サービスを含む)。また、映画とスポーツは、全チャンネルで月々36ポンドの追加料金で利用可能。・ Telewestにおけるトリプルプレイサービスは、その受信契約者のシェアが、2003年の17%から2004年末で27%まで増加。

地上デジタル放送の動向

・ 基本的な受信機かPVR機能やDVDプレイヤー機能が備わった受信機からなるSTBにより、地上デジタル放送にアクセス可能であり、地上デジタル放送用の受信機が既に内蔵されたテレビ受像機からも視聴可能となっている。・ FreeviewのSTBは、現在、30ポンドから利用可能となっており、idtv.co.ukの調査によると、基本的なFreeview受信機の平均価格は昨年以来低廉化してきており、2004年11月の66ポンドから2005年4月には61ポンドとなっている。他方、全ての種類の受信機における平均価格については、同期間において85ポンドから90ポンドと値上がっており、最も高いものでDVDレコーダー機能が備わったSTBにおいては、300ポンド以上の小売り価格となっている。・ Freeviewの追加サービスとなるTop Up TVは、2004年3月から開始され、月々7.99ポンドで11の追加チャンネル(全てがフルタイムで放送しているわけではない。)と視聴するためのカードに20ポンドがかかる。2005年早期までには16万加入あると報道され、損益分岐である25万加入まで順調な勢いとなっている。

・ Top Up TVは、Xtraviewという視聴するためのカードが不要なdaily視聴サービスを2005年に開始。電話回線により視聴番号を受け取る代わりに、電話サービスの請求書に1ポンドが請求される。これは、特別な機器やSTBを電話回線に接続する必要もないままに地上デジタル放送により配信されるPPVサービスであり、今後大きな影響を及ぼす可能性があるとされている。

ブロードバンドTVの動向

・ 英国における多チャンネルテレビサービス市場においては、未だ比較的小規模なシェアとなっているが、2005年1月までには、Ofcomによると、2万世帯が、ロンドンとスティーブニッジにおけるHomeChoiceと東ヨークシャーにおけるKingston Communicationsを含んだ当サービスを利用しているとされる。

・ HomeChoiceのネットワークの拡大に伴い、ブロードバンドインターネットと電話サービスに加えて、既存の電話回線により映画等のオンデマンドベースの番組やデジタルテレビチャンネルの両方を提供している、ブロードバンドによるテレビサービスについては、2005年1月末までに約150万世帯において利用可能となっており、英国における全テレビ視聴世帯の約6%となっている。・ 2004年8月以来、BSkyBにおいてもまた、そのプレミアムのスポーツや映画チャンネルについて、小売りベースで、HomeChoiceの受信契約者に提供している。

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■ テレビ広告費については、2005年第2及び第3四半期における成長は鈍化し、最近のレポートによると、長期的に、テレビメディアが変化する市場環境と他メディアとの競争に適応するにあたり、これまでの成長を維持できるのか否かについて疑問が投げかけられている。現に、世界的な経済低迷、広告予算を削減する事業者の増加、CMスキップを可能とするPVR等の新技術がテレビ広告のシェアを脅かしている。

■ Advertising Associationによると、全てのメディアにおいて、2005年第1四半期における広告費は対前年比で成長。全体では、2004年第1四半期に比べて2005年同期で5.3%の増加。

・ インターネット広告については、唯一の最も成長の早いメディアであり、対前年比で51%を超える成長をみせ、2005年第1四半期において2億900万ポンドに達している。・ 2005年では更なる成長が期待されている。

全メディアにおける広告費の現状

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

・ テレビ広告費については、2005年第1四半期において10億1,900万ポンドで、前年から13.7%増加。・ イギリスにおけるテレビ広告の全体の成長については、2005年に2%を少し超える成長になるものと予測。

2005年第1四半期のメディア広告費(単位:百万ポンド)

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■ 商業放送の多チャンネルのみ、2005年のこれまで、2004年第4四半期の1億8,400万ポンドから2005年第2四半期の1億9,700万ポンドへと6か月で7%の成長をみせている。過去12か月間における多チャンネル収入については、ほぼ13%の増加。

■ Mediatelによると、テレビのネット広告収入は、2004年第4四半期における9億2,600万ポンドに達した後、2005年第1四半期には減少。同年第2四半期の総収入はまた、5%減少することが推測。

多チャンネルテレビにおける広告収入の現状

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

■ 2005年第2四半期における多チャンネル全体の広告収入のシェアは24%となっており、Channel4の収入を初めて超過。

テレビ広告収入の推移(単位:百万ポンド)

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■ デジタルの多チャンネルテレビサービスは、ピークタイムにおいて、2005年6月までに安定的に増加し、22.8%となっている。

■ デジタルの多チャンネルテレビサービスは一日において、他のいかなる主な5つのチャンネルよりも大幅な視聴シェアを獲得。

2005年6月には、全視聴者のうち30%のシェアとなり、BBC1の23.8%より6%ポイント高。

チャンネル視聴シェアの現状

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

チャンネル視聴シェアの推移(一日)

チャンネル視聴シェアの推移(ピークタイム)

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■ 同世帯におけるBBC ONE及びITV1については、それらの視聴シェアが下がり、ITV1は2004年12月から2%ポイントの減少、BBC ONEは同期間において1%ポイントの減少となっている。他方、Channel4及びBBC TWOについては、それらの視聴シェアを増加させ、それぞれ同期間において、2.4%ポイント及び0.6%ポイント増加し、7.9%及び5.5%となっている。また、Fiveについては、同期間においてかすかに増加している。

■ ケーブル又は衛星経由で視聴している世帯において、多チャンネルテレビサービスの視聴シェアは増加し続けており、2005年6月には、51.6%となっている。

ケーブル及び衛星での視聴世帯におけるチャンネル視聴シェアの推移

ケーブル経由及び衛星経由での視聴世帯におけるチャンネル視聴シェアの推移(一日)

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

48

多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(1)

■ Freeviewの急速な進展が多チャンネルテレビサービス市場に大きく影響している。主要な放送事業者である、BBC、ITV、Channel4、Five、UKTV、Discovery、Turner and Disneyが、全多チャンネル視聴世帯におけるシェアを増加させ、Freeviewで視聴可能な主要チャンネルについては、2004年には約17%の視聴シェアを占め、2001年の7%から大きく増加。■ 2001年から2004年の間に唯一視聴シェアを減少させた主要放送事業者は、Freeviewにおいて比較的限られたプレゼンスとなっているBSkyBとなっている。

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

■ Freeviewの登場は、それまで英国における巨大な放送事業者であったケーブル及び衛星プラットフォームに対し、①消費者がデジタルテレビ受信機を購入する際に、有料テレビサービスをFreeviewに変更すれば、ケーブル及び衛星放送に関する受信契約の増加率に大きな影響を及ぼすであろうこと、②Freeviewの成長は、その一部のチャンネルの広告価値を広告主にとってより魅力あるものにし、Freeviewの一部ではないチャンネルからの広告料をFreeviewに回させることの2つの課題を投げかけている。■ 他方、多チャンネルテレビサービス市場には依然として成長の余地がある。2004年には、ケーブル及び衛星放送においては、テレビショッピング、双方向サービス及び広告、そして、PPVといった新しくかつ代替的な収入が大きく増加し、約2億3,500万ポンドの収入(全収入の5分の1)を生み出している。

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多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(2)

■ テレビショッピング等の新しい収入源は、それぞれの放送事業者にとって、多様な方法により多チャンネルテレビサービス市場での成功を可能にしている。いくつかのチャンネルにおいては、視聴シェアを獲得するために十分魅力的なコンテンツの開発、そして、BSkyB等のプラットフォームリテール業者における受信契約パッケージへの付加価値の追加を追求しつつ、そのビジネスモデルを受信契約料と広告収入としている。

■ 特にコンテンツへの投資能力が当市場における成功にとっての決定的な要素の1つとなっている。一般的に、放送事業者がコンテンツ(調達又は自主制作)により投資すればするほど、視聴者シェアは増加する。つまり、より大きな視聴シェアは、広告主及びスポンサーからのより多額の利益となり、そして、BSkyB等のプラットフォームリテール業者との受信契約の取り決め交渉においてより強い立場をもたらしている。他方、例外もあり、いくつかのチャンネルにおいては、それらのブランドを確立するための2・3のブレイクスルーとなる番組次第により、しばしば限られたコンテンツ投資で比較的高い視聴シェアを獲得している。しかし、Ofcomによると、コンテンツへの十分な投資なしに視聴者へのインパクト及び認知度を高めるのは困難としている。

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

多チャンネルテレビ番組コストと視聴シェアとの関係(2004年)

個々のチャンネル(放送事業者)を示している。

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多チャンネルテレビサービス市場における収入構造(3)

■ スポーツや映画を提供するチャンネルにとっては、その他のチャンネルに見られる視聴シェアと収入との間における関係は適用されず、かなり高いコンテンツ投資となっており、また、その他は、とても低いコンテンツ投資で比較的少数の視聴者から高い収入を生み出すという強固なビジネスモデルを築いているチャンネルも存在。これらのチャンネルにおいては、「dynamic pricing」のショッピングチャンネルやオークションチャンネル、そして、リアルタイムのクイズ、投票やゲームにダイヤルして参加するチャンネルといった革新的な番組構成や代替的な方法を開発している。

■ Ofcomによると、視聴者は依然としてテレビサービスと双方向サービスに多く支出している。2000年には、平均で、英国における全てのテレビ世帯は月に15.8ポンドをテレビサービスの受信契約に費やし、2004年までには、これが23.3ポンドまで上昇。なお、このデータは、双方向サービス、優待価格の電話サービス、PPVサービス等を考慮に入れられていないが、これらのサービスをも加えるとさらに月々1.5ポンド上昇する。

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

テレビサービス産業の収入シェアにおける視聴者収入及び広告収入の関係

視聴者の支出(受信契約、双方向及びそ

の他のサービス、そして、テレビライセンス手

数料を含む。)については、全テレビサービ

ス産業の収入におけるシェアを、広告収入や

スポンサー収入と比べると、ますます増加さ

せている。

2000年には、視聴者支出及び広告主の支出は、大体、それぞれ同じで当産業の収入

の約2分の1であったが、2004年までには、視聴者支出はテレビサービス収入のほぼ3分の2を占め、広告市場時代は成長しているものの広告主からの収入は3分の1となっている。

視聴者からの収入

広告主からの収入

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多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(1)

■ 視聴者は、20年前はたったの4チャンネルしか選択肢がなかったが、2005年5月末現在では、イギリス内で376チャンネル(サイマル放送、衛星やケーブル等におけるPPVやVODサービス、双方向サービス、タイムシフトサービスを除く。)が提供されている。

【出典】Ofcom “The Communications Market 2005により作成。

プラットフォーム毎のテレビ放送サービスの数(2005年5月)

■ Skyによる衛星デジタルプラットフォームが最も多く、352チャンネルが利用可能l。また、Telewestとntlはそれぞれ、136と103チャンネルを提供している。そして、32チャンネルがFreeviewにより利用可能であり、さらに11チャンネルがTop Up TVを通じて地上デジタル放送で利用可能となっている。■ ケーブル又は地上デジタル放送において放送され、衛星では放送されていない1又は2のサービス(例えば、有名なabc1)があるが、衛星で利用可能でないこれらのサービスのほとんどは、規制された地域(restricted areas)にアナログで放送しているローカル放送局となっている。2005年5月には、17のローカル放送サービスが存在してした。

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多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(2)

■ 視聴者は、20年前はたったの4チャンネルしか選択肢がなかったが、現在ではイギリス内で370チャンネル以上(サイマル放送、PPV、双方向サービス、タイムシフトサービスを除く。)が提供されている。

■ サービス内容については、TopUpTVによる月額7.99£のデジタル地上サービス(又は1日1£のXtraviewサンプルサービス)から、BSkyBによる月額51£のSky+を含む最も大きなパッケージまで様々提供されている。

■ 新しいチャンネル及び双方向サービスの開始意欲は衰えておらず、Ofcomは、2004年に新しい放送サービスチャンネルとその他のコンテンツサービスに対する免許(licence)を156発行し、2005年第1四半期には更に43の免許を発行している。また、2004年の1年間に発行された免許は過去で最も多い(なお、2004年1月から15か月間に既に40の免許が廃止)。■ 免許の申請人は提供しようとするサービスの種類(type)を特定することが求められており、2004年には、3分の1にあたる

50の免許が総合エンターテインメントサービス(general entertainment service)であり、ショッピングチャンネルは27免許、続いて、スポーツ、アダルト、そして、音楽チャンネルとなっている。下図の“Other”には、4つの映画サービス、4つのニュースチャンネル、そして、ライフスタイルチャンネル、教育サービス、ゲーム等をカバーする広範囲のチャンネルが含まれている。

【出典】Ofcom “The Communications Market 2005により作成。

■ 地上デジタルのマルチプレックスにおいてはその容量が限られているため、ほとんどの新しいサービスは、最初は衛星デジタルとケーブルにおいて開始している。

新しいテレビ放送サービス免許の発行数の推移(1994年-2004年)

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■ 視聴者においては、デジタル技術の進展により、サービス数の増加に加え、いつ何を視聴するかというコントロールも強くなっている。Freeviewにおいては、ここ2・3年にわたり、大容量のHDDを備えたPVR機能が備わったSTBを提供。ケーブル事業者においても、オンデマンドベースのテレビサービスの計画を発表しており、ntlとTelewestにおいては、全英におけるサービス展開の前に一部地域においてVODサービスを開始している。■ 直近の動向としては、PVR事業者とコンテンツ提供事業者がGoogleやYahoo!のような会社との話し合いを始めているように、オンライン検索とTVの世界が1つにまとまりつつある。これらの事業者においては、視聴者が広大なオンラインアーカイブから映画や放送番組をダウンロードし、それらをTV受信機で視聴することを可能とする検索可能なコンテンツライブラリーの開発を計画している。

■ 2004年は、視聴者がコンテンツとその視聴時間をコントロール可能なデジタルPVR機器とVODサービスが進展。さらに、現在試行中のモバイルテレビ関連技術については、視聴者にとって移動中におけるテレビへのアクセスが可能となる。また、2006年中には、SkyによりHDTVが衛星デジタルプラットフォームにおいて開始される旨も発表されている。

多チャンネルテレビサービスの増加・視聴者選択の可能化(3)

BSkyB全受信契約者数(アイルランド含む。)

うちSky+契約者数

2005年3月末現在、BSkyBの全受信契約者(イギリス及びアイルランド)の約10%である約77万世帯が、Sky+(BSkyBによるPVRサービス。Sky+の最新バージョンPVRでは、160GBのハード容量があり、約80時間分のTV蓄積が可能。 )を契約。また、BSkyBによると、Sky+を契約している世帯は、他の世帯よりもTVを視聴しており、そのうち45%がタイムシフトによる視聴となっている。

Skyの衛星放送受信契約者及びSky+の契約者の推移(2002年-2005年)

【出典】Ofcom “The Communications Market 2005により作成。

2005年6月末現在で、Sky+の契約者は88万8千件。【出典】2005年8月3日Sky報道発表

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新しいテレビサービスの動向①(ブロードバンド・モバイル)

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

■ ローカルループアンバンドリング、ブロードバンド、そして、映像圧縮技術の進展により、電話回線を通じたテレビサービスの提供がますます可能となっている。ロンドンでサービス展開するHomechoiceとハルでサービス展開するKingstanCommunicationsにおいては、英国におけるDSLサービスによるテレビサービスの先駆者であり、ブロードバンドインターネットサービスとともにオンデマンドベースと放送ベースの幅広いコンテンツを提供している。

■ Ofcomによると、2005年1月までに、英国におけるDSLによるテレビサービス契約者は2万件と推定され、全テレビ視聴世帯においてはまだ非常に小さいシェアとなっている。しかしながら、ヨーロッパでは、イタリアのFastWebが50万の受信契約者を抱えているように、オンデマンドベースのエンターテインメントのためのプラットフォームとしては頭角を現しており、英国においてもBTが最近、DSLによるテレビと地上デジタル放送の双方に対応する受信機を利用したサービスを開始する計画を発表している。

DSLテレビの動向

モバイルテレビの動向

■ 3Gネットワークの開始によるモバイルマルチメディアサービスが成長するとともに、モバイルテレビへの国際的な関心は高まっている。2005年5月には、Orangeが月額10£で9チャンネル(CNN、Fashion TV、そして、スポーツチャンネルを含む)を3Gの利用者に提供するサービス計画を発表した。ntl BroadcastとO2においては、16チャンネル(Cartoon Network、Discovery Channel、Sky News、そして、Sky Sports Newsを含む。)をオックスフォードの350のテストユーザに対して提供する実験を始めることが予定されている。

■ TVをモバイル端末に提供する技術については、現在、確立されている(現在のイギリスでの実験ではDVB-H技術を採用している一方、韓国では、イギリスで使用されているDABデジタルラジオ規格の一種であるDMB技術を使用したモバイルテレビを開拓されている。)が、重要な問題としては、何をどのようにしてユーザがそれを視たいのかとうことになっている。モバイル事業者においては、彼らの調査によると移動しながらTVを視るというアイデアは消費者から歓迎されていると主張しており、ntlBroadcastの調査では、ビジネスランチやオフィスでの暇な時間におけるサービスとして利用されることを消費者は期待していることが報告されている。

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新しいテレビサービスの動向②(HDTV)

【出典】Ofcom “The Communications Market August 2005により作成。

HDTVの動向

■ イギリスにおいてデジタルTVサービスの多くで利用されているMPEG2圧縮技術の改良が進行しており、これは、各TVチャンネルの送信に必要とされるビットレートを削減している。これらの改良については、放送事業者にとっては収益の増加、そして、消費者にとってはチャンネルの増加というかたちで、昨年には、デジタル地上プラットフォームにおけるチャンネルの追加を可能としている。Ofcomによると、平均で、最近12か月にわたり、新しい符号化装置の利用により、マルチプレックスあたり1の新しいテレビ番組ストリームの送信(新たな6つのテレビ番組サービスと3つのラジオサービス)を可能としている。実際開始された新たなチャンネル数は、一般的には番組ストリームでは複数の24時間に満たない番組サービスをタイムシェアしているため、番組ストリームの数よりも大きくなっている。

■ MPEG4、Windows Media 9、そして、DVB-S2といった新しい圧縮及び伝送規格はまた、昨年に市場に現れ、MPEG2と比べ30から50%の帯域の効率的利用を可能としている。しかしながら、これらの新しい技術規格については、既存のSTBとは相容れないため、DSLによるテレビサービスやHDTVといった新しいサービスでの利用が期待されている。

■ PVR、VOD、そして、モバイルテレビにおいては、視聴者が何をいつどこで視聴するかについてより多くの選択肢を提供するのに対し、HDTVはよりよい質、高精細な映像を提供する。かつてはHDTVの放送には、非常に大きな伝送容量が必要とされていたが、MPEG4及びDVB-S2といった新しい圧縮及び伝送技術により、経済的に提供可能なものとなっている。

■ Telewestは、HD対応のPVRとVODサービスを2005年末頃に提供することを計画しており、ntlは、2005年3月にDSLによるHDTVサービスの試行実験を開始した。また、BSkyBは、2006年にPVR機能が組み込まれた新しいSTBによるHDTVサービスの提供を計画している旨を発表。BBCにおいては、2006年に、最初はHDとSDのサイマルで放送し、衛星にてHDTVを開始することに力をいれている旨報道されている。

■ 英国において、HD信号を映し出すことが可能な大きなフラットパネルディスプレイの数は伸びてきている。2005年早期には、リビングルームにおいて約42万のプラズマテレビ(そのほとんどはHDに対応していない。)があることが推定されている。Ofcomが2004年秋に実施した調査によると、フラットスクリーンのテレビ受像機を持たない視聴者の3%が今後6か月以内にその1つを購入する意思があることを示しており、現在、75万世帯まで当受像機が普及している可能性があることを示している。